JP5020066B2 - 機械的部品用の鋼材、該鋼材から機械的部品を製造する方法、および該鋼材を用いて得られる機械的部品 - Google Patents

機械的部品用の鋼材、該鋼材から機械的部品を製造する方法、および該鋼材を用いて得られる機械的部品 Download PDF

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Description

本発明は、鋼冶金学の分野に関し、さらに詳しくは、ピニオンなどの機械部品用の鋼材に関するものである。
歯車製造用の鋼材は、高いレベルの耐接触金属疲労性を有している。これら鋼材から製造された機械部品には、ほとんどの場合、浸炭処理あるいは浸炭窒化処理が施されている。前記浸炭処理あるいは浸炭窒化処理によって、前記機械部品には、十分な表面硬度と機械的強度とが、同時に、特に炭素含量がたった0.10〜0.30%の範囲にあることによって高レベルのコア強度を維持しつつ、付与される。前記浸炭層の炭素含量の上限は、およそ1%である。
様々な文献に、浸炭を目的とした歯車製造用の鋼材について記載がある。これら文献には、特許文献1が含まれており、この文献には、浸炭処理中の粒界酸化を避けるために、SiおよびMnの含有量が比較的低く(それぞれ、0.45〜1%および0.40〜0.70%に)制限されていることが、記載されている。また、特許文献2には、プラズマを用いて、あるいは減圧下で浸炭され、次にショットブラストされる歯車製造用の鋼材についての記載があり、該鋼材のSiおよびMnの含有量が前記米国特許の場合より高くあり得ることが記載されている。これらの鋼材は、ピニオンに生じる面圧に対する高いレベルの耐性を有しており、それによりピニオンの寿命期間が向上されている。
特許文献3には、ピニオンなどの機械部品用の鋼材が提案されており、その組成は:0.12%≦C≦0.30%;0.8%≦Si≦1.5%;1.0%≦Mn≦1.6%;0.4%≦Cr≦1.6%;Mo≦0.30%;Ni≦0.6%;Al≦0.06%;Cu≦0.30%;S≦0.10%;P≦0.03%;Nb≦0.050%となっている。この鋼材は、特に、珪素とマンガンの含有量の賢明なバランスによって、総体としての部品として、駆動中の塑性変形が最小化されるという利点を有している。前記浸炭処理もしくは浸炭窒化処理は、前記比較的に高い珪素およびマンガン含有量によって粒界酸化が誘発されないようにするために、好ましくは、非−酸化条件下で、例えば、減圧下で実行されなければならない。
一般に、浸炭処理または浸炭窒化処理は850から930℃の温度範囲にて行われる。しかし、最近では、この処理は、950から1050℃の範囲というさらに高温度(高温度浸炭処理もしくは高温度浸炭窒化処理)にて実行するように試みられる傾向にある。かかる処理温度の上昇によって、同一の浸炭深度を得るための処理時間の長さが短縮されるか、あるいは同一処理時間内での浸炭深度が増大される。それ故、製造者には、設置生産性を向上させるか、目的の製品の性能を向上させるかの選択がある。
米国特許第5 518 685号明細書 特開平4−21757号公報 国際公開WO−A−03 012 156号パンフレット
しかしながら、前述の公知の鋼材に対して、高温度浸炭処理あるいは高温度浸炭窒化処理を施すと、多くの問題が発生する。第1の問題として、高温度によって、該機械部品の機械特性に有害な、抑制の乏しい粒子の増加が誘発されることが挙げられる。次の問題として、この浸炭処理あるいは浸炭窒化処理の次の工程である焼き入れ処理において、該機械部品に変形が生じることが挙げられる。これらの問題が生じると、該機械部品の再加工が必要とされたり、もしくは、最悪の場合、廃棄しなければならなくなる。これらの問題は、標準の温度においてではなく、高温度において浸炭処理もしくは浸炭窒化処理に処した直後の部品に対して、前記焼き入れ処理が実行された時に、より顕著である。
本発明の目的は、機械部品、特にピニオンに高温度浸炭処理もしくは高温度浸炭窒化処理を実行する鋼冶金家に、必要とされている機械的特性を同時に維持しつつ、前述の問題を解決するとともに、より標準の温度で前記浸炭処理もしくは浸炭窒化処理を行った鋼材と特性上同等な鋼材を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る、機械部品用の鋼材は、その組成が、重量百分率で:
0.19%≦C≦0.25%;
1.1%≦Mn≦1.5%;
0.8%≦Si≦1.2%;
0.01%≦S≦0.09%;
0%≦P≦0.025%;
0%≦Ni≦0.25%;
1%≦Cr≦1.4%;
0.10%≦Mo≦0.25%;
0%≦Cu≦0.30%;
0.010%≦Al≦0.045%;
0.010%≦Nb≦0.045%;
0.0130%≦N≦0.0300%;
任意に、0%≦Bi≦0.10%および/または0%≦Pb≦0.12%および/または0%≦Te≦0.015%および/または0%≦Se≦0.030%および/または0%≦Ca≦0.0050%;
残部鉄および不可避的不純物からなり、該化学組成が、5回のジョミニ試験の平均値J3m、J11m、J15m、およびJ25mが:
α=|J11m−J3m×14/22−J25m×8/22|≦2.5HRC;および
β=J3m−J15m≦9HRCとなるように、調整されていることを特徴とする。
好ましくは、前記組成は、
β=J3m−J15m≦8HRCとなるように調整されている。
好ましくは、前記組成は:
0.19%≦C≦0.25%;
1.2%≦Mn≦1.5%;
0.85%≦Si≦1.2%;
0.01%≦S≦0.09%;
0%≦P≦0.025%;
0.08%≦Ni≦0.25%;
1.1%≦Cr≦1.4%;
0.10%≦Mo≦0.25%;
0.06%≦Cu≦0.30%;
0.010%≦Al≦0.045%;
0.015%≦Nb≦0.045%;
0.0130%≦N≦0.0300%;
任意に、0%≦Bi≦0.07%および/または0%≦Pb≦0.12%および/または0%≦Te≦0.010%および/または0%≦Se≦0.020%および/または0%≦Ca≦0.045%;
残部が鉄および不可避的不純物からなる。
最も好ましくは、前記組成は:
0.20%≦C≦0.25%;
1.21%≦Mn≦1.45%;
0.85%≦Si≦1.10%;
0.01%≦S≦0.08%;
0%≦P≦0.020%;
0.08%≦Ni≦0.20%;
1.10%≦Cr≦1.40%;
0.11%≦Mo≦0.25%;
0.08%≦Cu≦0.30%;
0.010%≦Al≦0.035%;
0.025%≦Nb≦0.040%;
0.0130%≦N≦0.0220%;
任意に、0%≦Bi≦0.07%および/または0%≦Pb≦0.12%および/または0%≦Te≦0.010%および/または0%≦Se≦0.020%および/または0%≦Ca≦0.045%;
残部が鉄および不可避的不純物からなる。
また、本発明の主題は、浸炭処理もしくは浸炭窒化処理された鋼材から機械部品を製造する方法にも関するもので、この製造方法は、前述のタイプの鋼材を機械部品を製造する目的に用い、機械加工処理、浸炭処理もしくは浸炭窒化処理を実行し、次に焼き入れ処理を行うことを特徴とする。
前記浸炭処理もしくは浸炭窒化処理は、好ましくは、950から1050℃の温度で実行される。
また、本発明の主題は、歯車などの鋼製の機械部品にも関するもので、この機械部品は、前述の方法によって製造されることを特徴とする。
上述から明らかなように、本発明は、主たる合金元素、および、同時に併存する、明確な含有量の、アルミニウム、ニオブおよび窒素の含有量範囲の精確な調整に基づいている。
所望の結果は、大きく2つに分けられる。
まず、主たる合金元素の含有量が、変曲点を全く示さないジェミニ曲線を達成するように選択される。かかる条件によって、前記焼き入れ処理中の変形を最小化することが可能になる。係る観点において、高温度にて実行される前記浸炭処理もしくは浸炭窒化処理が、前述のように、特に重要となる。
注記されるべきことは、慣用の標準試験を用いて製造される鋼材の前記ジェミニ曲線は、前記鋼材の焼き入れ可能性を示すということである。この曲線は、ジェット水流を用いてその母線の一つの長さ方向に沿う一端に水が噴射されることにより焼き入れされた円柱状試験片の硬度を測定するによって作成される。硬度は、前記水が噴射された一端からいくらかの距離x(mm単位で)離れた点において測定され、その対応する値がJxと指定される。Jxmは、距離xにおける硬度を測定する5回の試験において得られた値の平均値を表す。
欧州特許公開第0 890 653号公報に開示されているように(この文献により、読者はさらに詳細を参照可能である)、この出願人は、全く変曲点を持たないジェミニ曲線を示す鋼材の組成が、浸炭処理もしくは浸炭窒化処理の次に行われる焼き入れ処理における変形を大幅に低減するために、有用であることを明示している。かかる全く変曲点を持たないジェミニ曲線は、値J11m、J3m、J25mおよびJ15mが下記関係:
α=|J11m−J3m×14/22−J25m×8/22|≦2.5HRC;
β=J3m−J15m≦9HRC、あるいは好ましくは、≦8HRC
を満足する場合に、生成される。
したがって、本発明に係る鋼材の組成は、前記関係が本発明においても生成されるように、調整される。
また、本発明の鋼材の組成は、特にアルミニウム、ニオブおよび窒素が明確な含有量で含まれることにより、浸炭処理もしくは浸炭窒化処理が高温度にて実行された場合であっても、粒子のサイズを制御することができるように、調整される。
最後に、この鋼材の組成は、当然、前記所望の機械的特性を提供しなければならない。何よりも特に監視されるべき基準には、浸炭深さ(慣用的には、測定硬度が550HVである箇所における浸炭の深さとして定義されている)、前記浸炭された機械部品の表面とコア間の硬度の偏差、およびコア硬度が含まれる。前記浸炭された鋼材の表面とコア間の硬度の偏差は、焼き入れ処理中の変形を最小化するために、でき得る限り小さくなければならない。また、前記コア硬度は、機械部品が駆動中の歪みに効果的に反応するために、したがって、前記機械部品が耐久性および金属疲労に関して高いレベルの強度を有するために、高くなければならない。
本発明にかかる鋼材は、高温度浸炭処理に最適であり、浸炭処理後の機械特性を低下させることなく、浸炭時間を短縮することと、生産性を向上し、浸炭処理コストを低減することができ、特に、ピニオンなどの機械部品を製造するために適している。
以下に、4つの比較鋼材と本発明に係る3つの鋼材のジェミニ曲線を示す添付図面を参照して、本発明をさらに説明する。以下の説明を読むことにより、本発明はさらによく理解されるであろう。
本発明に係る鋼材は、主として、歯車などの高いレベルの歪みに曝される機械部品を製造することを目的としている。前記部品は、ほぼ850〜930℃の標準温度と、950〜1050℃の範囲の高い温度の両温度で、(最も酸化されやすい元素の酸化を防ぐために、好ましくは、低圧下、もしくは非酸化雰囲気下にて、)浸炭処理もしくは浸炭窒化処理されることを意図している。これらの部品は、高いレベルの耐疲労性、高い強度を有していなければならず、また、浸炭処理もしくは浸炭窒化処理の次に行われる焼き入れ処理などの熱処理中の変形はごく僅かでなければならない。本発明の鋼材は、以下の組成を有する(全ての百分率は、重量百分率である)。
本発明に係る鋼材の炭素含有量は、0.19%と0.25%との間である。これらの含有量は歯車製造用鋼材における標準量である。さらに、この範囲に設定することにより、残りの元素の含有量の調整が可能になり、それにより前記ジェミニ曲線を所望の形状にすることが可能となる。さらに、下限値0.19%は、焼き入れ処理により獲得されるコア硬度から設定されたものである。0.25%を超えると、硬度が高くなりすぎて鋼材に対して必要な機械加工が困難になるおそれがある。好適な範囲は、0.20〜0.25%である。
本発明に係る鋼材のマンガン含有量は、1.1%と1.5%の間である。この下限値は、必要なジェミニ曲線を生成するために、残りの元素の含有量と相関して、設定されたものである。1.5%を超えると、偏析が発生し、また、前記焼き入れ処理中にバンディングが生じるおそれがある。さらに、かかる高い含有量では、その製造操作中の鋼製ラドルの耐熱性被膜の過剰な腐食がもたらされてしまう。この含有量範囲をさらに限定することは不要である。というのは、製鋼所においてかかる精確な品質のものを製造することは非常に困難であるからである。好適な範囲は1.2〜1.5%であり、さらに好ましくは1.21〜1.45%である。
本発明に係る鋼材の珪素含有量は、0.8%と1.2%の間である。この範囲に設定することで、残りの元素の含有量と相関して、前記ジェミニ曲線の必要な形状を得ることができる。下限値0.8%は、必要なコア硬度を得るためと、浸炭処理もしくは浸炭窒化処理後の表面とコア間の硬度偏差を限定するために、設定されたものである。1.2%を超えると、珪素(それ自身僅かに偏析するが、)が他の元素の偏析を促進しやすいので、過剰の偏析が生じるおそれがある。また、浸炭処理もしくは浸炭窒化処理中の酸化を増加させるおそれがある。好適な範囲は、0.85〜1.20%であり、さらに好ましくは、0.85〜1.10%である。
本発明に係る鋼材の硫黄含有量は、0.01%と0.09%の間であり、下限値は、適正な機械加工性を得るために、設定されたものである。0.09%を超えると、熱鍛造性がかなり大幅に低下するおそれがある。好適な範囲は、0.01〜0.08%である。
本発明に係る鋼材の燐含有量は、0%と0.025%の間である。一般に、施行中の標準では、この範囲の燐含有最大量を要求する傾向にある。さらに、この値を超えると、ニオブと相互反応して、ブルームまたは鋼片の形状に熱成形する工程および/または後続の鋳造工程において鋼材を脆弱にするおそれがある。この燐含有量は、好ましくは上限値0.020%である。
本発明に係る鋼材のニッケル含有量は、0%と0.25%の間である。この元素は、故意により多くの含有量で導入されるのであるが、この金属にかかるコストを不必要に増大させてしまう。実際には、手の込んだ添加を行わなくても、鍛造の原材料の溶融物から自然に得られるニッケル含有量で十分である。好適な範囲は、0.08〜0.20%である。
本発明に係る鋼材のクロム含有量は、1.00%と1.40%の間である。この範囲に設定することで、残りの元素の含有量との相関で、ジェミニ曲線の所望とする形状を得ることができる。さらに、下限値を1.00%とすることよって、製品のコア硬度を高いレベルに維持することができる。1.40%を超えると、製造コストが不必要に増大してしまう。好適な範囲は、1.10〜1.40%である。
本発明に係る鋼材のモリブデン含有量は、0.10%と0.25%の間である。この範囲に設定することで、残りの元素の含有量との相関で、ジェミニ曲線の所望とする形状と、コア硬度とを得ることができる。好適な範囲は、0.11〜0.25%である。
本発明に係る鋼材の銅含有量は、0%と0.30%の間である。前記ニッケルの場合と同様に、原材料の溶融後に得られるニッケルの含有量によって、一般的に、純粋かつ単純に維持される。0.30%を超えると、製品の展性およびコア強度が低下してしまう。好ましい範囲は、0.06〜0.30%であり、前記ジェミニ曲線の形状と焼き入れ後の硬度を最適化するために、0.08〜0.30%であることが好ましい。
本発明に係る鋼材のアルミニウム、ニオブおよび窒素の含有量は、精確な限度内に制御されなければならない。これらは、相互反応により、金属粒の細かさの制御を可能とする元素である。この細かさは、浸炭層もしくは浸炭窒化処理層における強度を高いレベルに保持し、耐疲労性を高いレベルに保持し、焼き入れ処理中の変形のバラツキを低減させるために、必要である。さらに、前記ジェミニ曲線の必要な形状を得ることが重要である。粒径の制御は、本発明の明細書において、なかんずく重要である。というのは、本発明の鋼材は、粒径の過剰な増大を引き起こすことなく、高温度の浸炭処理もしくは浸炭窒化処理に供され得なければならないからである。
この粒径制御は、実質的に、アルミニウムおよび/または窒化ニオブおよび窒化炭素の沈降によって、実行される。したがって、かかる制御を行うために、これら2つの元素が有意量含有されていることが必要であり、同時に、窒素の含有量が、一般的に、標準状態で実行された製造工程から得られたものより大幅に高いことが必要である。
前記アルミニウム含有量は、0.010%と0.045%との間でなければならない。前述の粒径制御因子に加えて、この元素により、該鋼材の脱酸素化と酸化物の含有に関する鋼材純度を制御する。0.010%未満となると、前述の観点から、その効果が不十分となってしまう。0.045%を超えると、酸化物の含有に関する純度が、主たる目的の製品に対しては不十分になるおそれがある。好適な範囲は、0.010〜0.035%である。
前記ニオブ含有量は、0.010%と0.045%の間でなければならない。0.010%未満となると、特にアルミニウム含有量が最低であると、前記粒径制御の効果が十分でなくなってしまう。0.045%を超えると、前述のように、特に燐との相互作用が生じ得る場合、該鋼材の連続鋳造中にクラックが発生するおそれがある。好適な範囲は、0.015〜0.045%であり、より好ましくは0.015〜0.040%である。
前述のアルミニウムとニオブの含有量との相関において、窒素含有量は0.0130%と0.0300%との間(130〜300ppm)でなければならない。それによって、粒径の所望の調整と、前記ジェミニ曲線の所望の形状とが、得られる。好適な範囲は、0.0130〜0.0220%である。
必要に応じて、周知の一つもしくはそれ以上の元素、特に、鉛、テルル、セレン、カルシウム、ビスマスを、機械加工性を向上させるために、本発明の鋼材に添加してもよい。最大含有量は0.10%であり、Biでは好ましくは0.07%、Pbでは0.12%、Teでは0.015%、好ましくは0.010%、Seでは0.030%、好ましくは0.020%、Caでは0.0050%、好ましくは0.0045%である。
残りの元素は、鋼材に一般的にその製造操作から導入される不純物として含まれているものであり、故意に添加されるものではない。特に、チタン含有量は、0.005%を超えてはならない。本発明に係る鋼材は窒素の含有量が非常に高いので、この含有量を超えると、粗い窒化チタンおよび/または窒化炭素が形成され(それは顕微鏡にて確認できる)、疲労強度を低減し、機械加工性を損なうおそれがある。さらに、チタンは窒素を補足してしまうので、そうなると、もう窒素は粒径の制御に有用でなくなってしまう。
以下、本発明の実施例を説明する。添付図面には、4つの鋼材のジェミニ曲線を示したが、これら鋼材の組成を表1に示す。鋼材A、B、CおよびDは比較の鋼材である。鋼材E、FおよびGは本発明に係る鋼材である。
Figure 0005020066
試料Aでは、前記定義のサイズαは8.7であり、前記定義のサイズβは19.1である。したがって、これらは、本発明が要求する最大値を超えている。そのジェミニ曲線が非常にはっきりした変曲点を有していることが確認できる。
試料Bでは、αは2.38であり、βは11.1である。したがって、βは、本発明での要求を満たさず、また、そのジェミニ曲線は、この鋼材は前述の限定内のニオブと窒素とを有していてはいるものの、はっきりした変曲点を有している。この主な理由は、該鋼材の珪素含有量が不十分であることにある。
試料Cでは、αは3.38であり、βは10.7である。αもβも前述の限定内であり、そのジェミニ曲線ははっきりした変曲点を有している。CrおよびMnは必要最小値を少し下まわっており、特に窒素含有量が不十分である。
試料Dでは、αは2.845であり、βは9.5であり、前述の限定外である。そのジェミニ曲線は、Crと窒素の含有量が不足であるため、はっきりした変曲点を有している。
しかし、本発明に係る試料Eでは、αは0.41であり、βは2.7である。要求される条件は満たしており、そのジェミニ曲線はほとんど直線状であり、変曲点を有していない。
同様に、本発明に係る試料Fでは、αは0.23であり、βは3.7である。この試料においても、そのジェミニ曲線はほとんど直線状であり、変曲点は有していない。
同様に、本発明に係る試料Gでは、αは0.83であり、βは6.6である。そのジェミニ曲線はほとんど直線状であり、はっきりした変曲点は有していない。
表1に示す浸炭処理中の鋼材A、BおよびEの特性は、同様に、標準の温度条件と高温度とにおいて測定されたものである。
標準の温度(930℃)での浸炭処理は、浸炭された表面における炭素含有量を0.75%とするために、円柱状の試料を用いて、同一の条件下、低圧下にて行った。これらの浸炭処理に続いて、ガス状媒質(この試験では、窒素を用いたが、例えば、10%の水素を含む窒素/水素混合物も使用可能である)内で、二通りの圧力条件:5バールと20バールの圧力条件下で、焼き入れ処理を行った。この試験は、700〜800HVの表面硬度と、0.50mmの浸炭深さ(すなわち、硬度が550HVである箇所における浸炭の深さ)を得ることを目標に行ったものである。結果を、表2(5バールでの試験)と表3(20バールでの試験)に示す。
Figure 0005020066
Figure 0005020066
これらの試験が示すように、比較の鋼材Aは、所望の浸炭深さを容易に実現し得ない。それは、焼き入れ可能性が欠如しているためである。
比較の鋼材BおよびCと本発明に係る鋼材Eの3つの鋼材の全ては、浸炭用の標準温度条件下において目的の浸炭深さを得ている。
5バールにおける焼き入れ媒質では、比較の鋼材Bおよび本発明に係る鋼材Eの表面硬度とコア硬度との間の偏差ΔHVはほぼ同程度(ΔHV=352および354)であり、比較の鋼材A(ΔHV=497)に対してはより低い。しかし、20バールにおける焼き入れ媒質では、比較の鋼材BとCのΔHVは、本発明の鋼材EのΔHVに比べると、かなり不適である(それぞれ、ΔHV=297、330および226)。その結果、浸炭要素が厳しい条件下で焼き入れされた時に生じる変形の原因となる、これら硬度の偏差によって発生した残留歪みが、本発明の鋼材を使用することによって、最小化され得ることが確認された。
最後に、最も高いレベルのコア硬度は、本発明に係る鋼材Eにより得られている。したがって、駆動中に高レベルの歪みに曝される歯車であって、そして、駆動中の耐疲労性を高いレベルに維持するために、駆動中の前記部品に印加される歪みに勝る(特に、前記浸炭層の下部およびコア部の硬度が高いレベルにある点において)高レベルの機械的特性を有する部品が探し求められており、本発明に係る前記鋼材は、浸炭処理における所与の条件下に置かれたものであり、駆動中の耐疲労性が高レベルあるものとして最適である。
また、浸炭試験を、前述の比較の鋼材AとDおよび本発明に係る鋼材Eの円柱状試料に対して、高温度(980℃)にて、実行した。この例では、浸炭された表面の炭素含有量は再び0.75%であった。前記2例では、表面硬度が700〜800HVと測定され、浸炭深さが、硬度550HVの箇所で、0.50mmであった。浸炭処理の次に行った、ガス状媒質(窒素)中での焼き入れは、20バールの圧力下で、鋼材AおよびDに対して、鋼材Eに対しては1.5バールのみで、行った。その結果を、表4に示した。また、粒径の評価は、ASTM規格に従って行った。
Figure 0005020066
930℃の標準の温度での浸炭処理では、前記2例の鋼材は、目的の表面硬度を達成している。
比較Aは、浸炭深さを増大させ、他の全ては同じにさせるとして知られている一層厳しい条件下で焼き入れされているけれども、本発明では、その比較Aのものよりもかなり大きな浸炭深さを得ることができている。
表面とコアとの間の硬度偏差は、本発明のものは、比較AおよびDに比べてかなり少ない(それぞれ、ΔHV=240(試料E)、428(試料A)および274(試料D))。浸炭処理の次に行われる焼き入れ操作中の変形に関する前述の利点もまた、この例では、さらに向上されている。
コア硬度は、焼き入れ媒質の圧力がより低いにもかかわらず、本発明のものでは、前記比較のものに比べて、より高くなっている。また、標準の温度で焼き入れしたものの前記駆動中の耐疲労性の向上に関する結果も、この例では、先と同様となっている。
最後に、浸炭領域内および浸炭領域外の両領域において、本発明に係る鋼材は、前記比較の鋼材AおよびDに比べて細かなASTM粒径を有している。そのため、高温度での浸炭処理中において粒径が増大するおそれがより少ない。このことは、非常に重要な利点である。というのは、浸炭処理された部品の粒径が増大すると、浸炭された部品の歯元の耐疲労性と強度に非常に有害な影響がもたらされるからである。したがって、本発明に係る鋼材は、高温度で浸炭処理もしくは浸炭窒化処理される歯車(あるいは、同様な特性が要求される他の全ての部品)の製造への使用に申し分ないほどに適しており、その特性を該要素の全ての特性を犠牲にすることなく、経済的に達成できる。
また、他の浸炭試験を、低圧にて、比較の鋼材Aと、本発明にかかる鋼材Eとに対して、実施した。
低圧浸炭処理を、鋼材Aに対して、930℃にて実施し、次に、20バールでガス焼き入れを行ったが、目的のHV=550における浸炭深さ0.50mmを得るためには、72分間の浸炭処理が必要であった。本発明に係る鋼材Eを使用して、低圧浸炭処理を930℃で実施し、次にガス焼き入れ(鋼材Aの場合と同じガスで)を行ったが、同じHV=550における浸炭深さ0.50mmを得るためには、30分間の浸炭処理で十分であった。
低圧浸炭処理を、鋼材Aに対して、980℃の高温度で実施し、次に20バールでガス焼き入れを行ったが、目的のHV=550における浸炭深さ0.50mmを得るためには、30分間の浸炭処理が必要であった。本発明に係る鋼材Eでは、同じHV=550における浸炭深さ0.50mmを得るために、980℃で、20分間の低圧浸炭処理と、たった1.5バールの圧力でのガス焼き入れ処理で十分であった。鋼材AとEに用いた焼き入れガスは、当然、同じものであった。
このことは、本発明に係る鋼材Eでは、標準の浸炭温度(930℃)および高温度(980℃)の両温度で、浸炭処理時間が短縮され、それにより、浸炭処理コスト(浸炭ガス量、浸炭時間、・・・)が低減でき、該浸炭された要素を得るための生産性を向上し得ることを示している。
また、本発明に係る鋼材は、その焼き入れ可能性を制御できるので、理想的な浸炭深さを得るために焼き入れガスの圧力を低減することができ、それにより、浸炭要素の変形をさらに低減もしくは無くすことができ、また、ガス焼き入れ炉のチャンバー内の焼き入れガス成分における技術に関して省力および簡素化を実現することができる。
また、浸炭処理を、低圧にて、切り欠きなしの衝撃強さ試料(寸法:L=55mm、断面10×10mm)に対して、高温度(980℃)にて、実施した。比較の鋼材Aに対しては、20バールの圧力下でのガス焼き入れ処理の前に、実施し、他方、本発明に係る鋼材Eに対しては、この例では、わずか1.5バールの圧力下でのガス焼き入れ処理の前に、実施した。目的とした浸炭深さは、焼き入れガスのタイプ同様に、同一とした。このようにして浸炭処理と焼き入れを行った試料を、次に、雰囲気温度での衝撃によって、破壊した。この方法により得られた破壊エネルギーは、それぞれ:
比較の鋼材Aでは、19ジュールであり、
本発明に係る鋼材Eでは、29ジュールであった。
同時に、比較の鋼材Aの衝撃強さ試料を、先と同じ浸炭深さを得るために、低圧下、標準温度(930℃)で、浸炭処理した。それらは、次に、同じガスで、20バールの圧力下で、浸炭処理された。これらの試料を、次に、前述のように雰囲気温度にて破壊し、同様に測定して得られた破壊エネルギーは17ジュールであった。この破壊エネルギーは、高温度にて浸炭処理された本発明に係る鋼材Eに比べて、大変に低い。
このことが示すことは、比較の鋼材Aが本発明に係る鋼材Eのコア硬度(500HV)よりも低いコア強度(312HV)を有しているにもかかわらず、高温度にて浸炭処理された鋼材Eの硬度が、高温度もしくは標準温度で浸炭処理された同一の最終浸炭深さを有する比較の鋼材Aの硬度よりも高いということである。すなわち、特定の浸炭深さを得る目的で高温度浸炭処理を実行するために、本発明に係る鋼材を使用した場合、実際は逆に、この鋼材から得られた浸炭要素の硬度は、同様の浸炭深さを得るために高温度もしくは標準温度にて浸炭処理された比較の鋼材を使用した場合に比較して、低下しない。前記2つの鋼材間のコア硬度に関する相違は、この観点において不利益ではない。また、このことが示すことは、本発明に係る鋼材は、特に高温度での浸炭処理に好適であり、浸炭時間を短縮することと、生産性を向上し、標準温度もしくは高温度にて浸炭処理される公知の鋼材に比較して浸炭処理コストを低減することとの両方のために、好適であるということである。これらの要素を用いて得られる、硬度などの特性は、比較の鋼材を用いた場合と比べて、低下しない。
また、前述の条件下で、本発明に係る鋼材Eの曲げ疲労試料(該試料の中心には、広幅のU形切り欠きを形成した)を、低圧下、高温度(980℃)で、浸炭処理した。浸炭処理の後に、目的の浸炭深さと、焼き入れガスのタイプを前記衝撃強さ試料でと同様にして、たった1.5バールの圧力下でガス焼き入れを行った。同様にして、ガス浸炭処理を、従来技術に係る鋼材Aに対してと、鋼材Eの同様の曲げ疲労試料に対して、930℃の標準温度で、前述と同様の浸炭深さを実現するために、行った。浸炭処理の後、試料を、鋼材Aの曲げ疲労に関して硬度と強度を向上させるために、オイル焼き入れ処理に供した。次に、同様に浸炭処理した鋼材EとAの2つの試料バッチの疲れ限度を、(その広幅のU形切り欠きには曲げ疲労に関する負荷が集中する)4点における曲げ疲労に関して比較した。この曲げ疲労試験を、前記条件下で浸炭処理および焼き入れ処理された各鋼材AとEに対して、一千万回まで実行した。
これら条件下での、本発明に係る鋼材Eの一千万回の疲れ限度は、1405MPaであり、鋼材Aのそれは、たったの1165MPaであった。
これらが示すことは、特定の浸炭深さを得ることを目的とした高温度浸炭処理を実行するために、本発明に係る鋼材を使用すると、曲げ疲労に関する強度が低下せず、従来技術に係る鋼材に対して標準浸炭温度で実行される慣用の浸炭処理に比べて、非常に有益であることである。前記従来技術の鋼材は、その曲げ疲労に関する強度を向上させるために、同じ深さ浸炭処理され、同様にオイル中にて焼き入れされたものである。
この点に加えるべきことは、これらの曲げ疲労試験は、自動車のギアボックス内の歯車の歯元、歯車機構もしくは歯車の疲労強度をシミュレートすることを意図したものであることである。先に述べたように、このことが示すことは、本発明に係る鋼材が、高温度浸炭処理に最適であり、ピニオンまたは歯車機構の歯の、浸炭処理された根元の曲げ疲労に関する強度などを低下させることなく、浸炭時間を短縮することと、生産性を向上し、標準温度にて浸炭処理される公知の鋼材に比較して浸炭処理コストを低減することとの両方のために、好適であるということである。
以上のように、本発明にかかる鋼材は、高温度浸炭処理に最適であり、浸炭処理後の機械特性を低下させることなく、浸炭時間を短縮することと、生産性を向上し、浸炭処理コストを低減することができ、特に、ピニオンなどの機械部品を製造するために適している。
4つの比較鋼材と本発明に係る3つの鋼材のジェミニ曲線を示す図である。

Claims (8)

  1. その組成が、重量百分率で:
    0.19%≦C≦0.25%;
    1.1%≦Mn≦1.5%;
    0.8%≦Si≦1.2%;
    0.01%≦S≦0.09%;
    0%≦P≦0.025%;
    0%≦Ni≦0.25%;
    1%≦Cr≦1.4%;
    0.10%≦Mo≦0.25%;
    0%≦Cu≦0.30%;
    0.010%≦Al≦0.045%;
    0.010%≦Nb≦0.045%;
    0.0130%≦N≦0.0300%;
    任意に、0%≦Bi≦0.10%および/または0%≦Pb≦0.12%および/または0%≦Te≦0.015%および/または0%≦Se≦0.030%および/または0%≦Ca≦0.0050%;
    残部が鉄および不可避的不純物からなり、該化学組成が、5回のジョミニ試験の平均値J3m、J11m、J15m、およびJ25mが:
    α=|J11m−J3m×14/22−J25m×8/22|≦2.5HRC;および
    β=J3m−J15m≦9HRCとなるように、調整されていることを特徴とする機械部品用の鋼材。
  2. 前記組成が、
    β=J3m−J15m≦8HRCとなるように調整されていることを特徴とする請求項1に記載の機械部品用の鋼材。
  3. 前記組成が:
    0.19%≦C≦0.25%;
    1.2%≦Mn≦1.5%;
    0.85%≦Si≦1.2%;
    0.01%≦S≦0.09%;
    0%≦P≦0.025%;
    0.08%≦Ni≦0.25%;
    1.1%≦Cr≦1.4%;
    0.10%≦Mo≦0.25%;
    0.06%≦Cu≦0.30%;
    0.010%≦Al≦0.045%;
    0.015%≦Nb≦0.045%;
    0.0130%≦N≦0.0300%;
    任意に、0%≦Bi≦0.07%および/または0%≦Pb≦0.12%および/または0%≦Te≦0.010%および/または0%≦Se≦0.020%および/または0%≦Ca≦0.045%;
    残部が鉄および不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1または2に記載の機械部品用の鋼材。
  4. 前記組成が:
    0.20%≦C≦0.25%;
    1.21%≦Mn≦1.45%;
    0.85%≦Si≦1.10%;
    0.01%≦S≦0.08%;
    0%≦P≦0.020%;
    0.08%≦Ni≦0.20%;
    1.10%≦Cr≦1.40%;
    0.11%≦Mo≦0.25%;
    0.08%≦Cu≦0.30%;
    0.010%≦Al≦0.035%;
    0.025%≦Nb≦0.040%;
    0.0130%≦N≦0.0220%;
    任意に、0%≦Bi≦0.07%および/または0%≦Pb≦0.12%および/または0%≦Te≦0.010%および/または0%≦Se≦0.020%および/または0%≦Ca≦0.045%;
    残部が鉄および不可避的不純物からなることを特徴とする請求項3に記載の機械部品用の鋼材。
  5. 浸炭処理もしくは浸炭窒化処理された鋼材から機械部品を製造する方法であって、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋼材を機械部品を製造する目的に用い、機械加工処理、浸炭処理もしくは浸炭窒化処理を実行し、次に焼き入れ処理を行うことを特徴とする機械部品の製造方法。
  6. 前記浸炭処理もしくは浸炭窒化処理が950から1050℃の温度で実行されることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. 請求項5または6に記載の製造方法によって製造されることを特徴とする鋼製機械部品
  8. 車であることを特徴とする請求項7に記載の機械部品
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