JP3954772B2 - 結晶粒粗大化防止特性に優れた高温浸炭部品用素形材とその製造方法 - Google Patents
結晶粒粗大化防止特性に優れた高温浸炭部品用素形材とその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱間鍛造で成形された高温浸炭部品用素形材に関し、より詳しくは、熱間鍛造後の焼準処理が不要な結晶粒粗大化防止特性に優れた高温浸炭部品用素形材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯車、軸受部品、転動部品、シャフト類は、通常、例えばJIS G 4052、JIS G 4104、JIS G 4105、JIS G 4106等に規定されている中炭素の機械構造用合金鋼を使用し、熱間鍛造−焼準−切削により所定の形状に加工された後、浸炭焼入れを行う工程で製造されている。上記製造工程のうち、焼準工程は900〜950℃程度の温度範囲に加熱して一旦オーステナイト化し、その後の冷却によってフェライト・パーライト組織に調整する処理である。
【0003】
熱間鍛造は通常1100〜1300℃の高温域で行われるため、熱間鍛造ままの組織は粗大なフェライト、パーライト、ベイナイト組織が1種又は2種以上混合した、不均一で硬質な組織となる。従って、熱間鍛造ままの状態では硬いため、切削加工が困難である。また、熱間鍛造ままの状態で浸炭処理を行えば、元の組織が粗大で不均一であるため、浸炭加熱時に一部の結晶粒が粗大化する「粗大粒」が発生する。浸炭部品の結晶粒の粗大化は熱処理歪みの大きな原因であり、熱処理歪みが大きければ騒音や振動の原因となる。そこで現状では、熱間鍛造の後に焼準処理を行うことによって浸炭前の組織を比較的軟質・均質なフェライト・パーライト組織に整え、軟質化によって切削加工性を改善し、均質化によって浸炭時の結晶粒の粗大化を防止している。
近年の省エネルギー化、部品の製造コスト低減の観点から、焼準工程の省略が求められているが、上記のような切削加工性、結晶粒の粗大化の問題から、焼準工程を省略できないのが現状である。
【0004】
一方、軸受部品、転動部品の中で高面圧が負荷される部品においては、高深度浸炭が行われている。高深度浸炭は通常、十数時間から数十時間の長時間を要するために、省エネルギーの視点から、浸炭時間の短縮が重要な課題である。浸炭時間短縮のためには、浸炭温度の高温化が有効である。通常の浸炭温度は930℃程度であるが、これに対して1000〜1050℃の温度域で高温浸炭を行うと浸炭時間がおよそ1/4程度に短縮できるため、浸炭温度の高温化のニーズは大きい。しかし、高温浸炭を行うと粗大粒が発生し、転動疲労特性等の必要な材質特性が得られないという問題が発生している。その理由は、浸炭温度の高温化によって結晶粒の成長を抑制している微細なピン止め粒子(AlN等)が凝集・粗大化し、ピン止め粒子の数が減少することによってピン止め効果が減少するためである。前述のように、焼準によって浸炭前の組織を均質なフェライト・パーライトに整えれば、通常浸炭の場合は従来鋼でも粗大粒の発生を防止可能であるが、高温浸炭の場合は防止できない。
【0005】
これに対して、本発明者らは既に再公表特許WO99/05333号公報(特願平11−509660)において特定量のAl、Nb、Nを含有する鋼の熱間圧延、又は熱間鍛造後のNb(CN)、AlNの析出量を規定し、ピン止め粒子として微細なAlN、Nb(CN)を浸炭加熱時に多量分散させることによって高温浸炭においても粗大粒の発生を防止する技術を示している。しかしながら当該技術は熱間鍛造後に焼準を施すことが前提であって、切削加工性、及び粗大粒発生防止の制約から、熱間鍛造後に焼準処理を行うことが必要である。すなわち、当該技術は熱間鍛造後に切削加工工程が入る場合は焼準が省略できない。また、熱間鍛造後に焼準を行えば、高温浸炭においても粗大粒の発生を防止できるが、通常の熱鍛ままの状態で高温浸炭を行う場合は防止できない。
【0006】
以上述べた通り、高温浸炭時の粗大粒の発生を防止し、なおかつ焼準の省略をも可能とする技術は依然として見当たらない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような開示された方法では、高温浸炭時の粗大粒の発生を防止し、なおかつ焼準を省略することはできない。本発明はこのような問題を解決して、熱間鍛造後の焼準処理が不要な結晶粒粗大化防止特性に優れた高温浸炭部品用素形材とその製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、以下の通りである。
【0009】
(1) 質量%で、
C:0.1〜0.4%、
Si:0.02〜1.3%
Mn:0.3〜1.8%、
S:0.001〜0.15%、
Al:0.015〜0.045%、
Nb:0.005〜0.05%、
N:0.01〜0.02%
を含有し、さらに、
Cr:0.4〜1.8%、
Mo:0.02〜1.0%、
Ni:0.1〜3.5%、
V:0.03〜0.5%
の1種又は2種以上を含有し、
P:0.025%以下、
Ti:0.01%以下、
O:0.0025%以下
に各々制限し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、
熱間鍛造後のNb(CN)の析出量が0.005%以上であり、
AlNの析出量を0.01%以下に制限し、
熱間鍛造後の組織中のベイナイト分率を10%以下に制限し、
熱間鍛造後の組織中のパーライト分率が75%以下、かつフェライト結晶粒度番号が7〜10番であることを特徴とする、熱間鍛造後の焼準処理が不要な結晶粒粗大化防止特性に優れた高温浸炭部品用素形材。
【0010】
(2) 上記(1)に記載の化学成分を有する鋼を、
1150℃以上の温度で加熱して熱間鍛造を行い、
熱間鍛造の最終加工を900〜1100℃の温度範囲で行い、
その後800〜500℃の温度範囲を1℃/秒以下の冷却速度で徐冷することを特徴とする、
熱間鍛造後の焼準処理が不要な結晶粒粗大化防止特性に優れた高温浸炭部品用素形材の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、前記目的を達成するために結晶粒の粗大化の支配因子について鋭意調査し、次の点を明らかにした。
【0012】
(1)同じ化学組成の鋼材でも、粗大粒の発生を抑制できる場合もあれば、できない場合もあり、化学組成を制限するのみでは粗大粒を防止することはできない。化学組成以外の要因として、熱間鍛造後の鋼材の炭窒化物の析出状態が重要である。
【0013】
(2)浸炭時に結晶粒の粗大化を防止するには、ピン止め粒子として微細なAlN、Nb(CN)を浸炭加熱時に多量分散させることがポイントである。
【0014】
(3)浸炭加熱時にNb(CN)のピン止め効果を安定して発揮させるには、熱間鍛造後の鋼材に、一定量以上のNb(CN)をあらかじめ微細析出させておくことが必要である。また、熱間鍛造後の鋼材に粗大なAlNが析出していたり、あるいは、TiNやAl2O3が存在すると、粗大Nb(CN)の析出の核になり、Nb(CN)の微細析出が妨げられる。そのため、不純物としてのTiの含有量及びOの含有量を極力制限する必要がある。
【0015】
(4)浸炭加熱時にAlNのピン止め効果を安定して発揮させるには、Nb(CN)の場合とは逆に、熱間鍛造後の鋼材の状態で、AlNの析出量を極力制限する必要がある。これは、上記のようにNb(CN)の微細析出のためにも必須の要件である。なお、熱間鍛造後の鋼材にTiNやAl2O3が存在すると、これがAlN析出の核になり、AlNの析出量が増大するので、やはり不純物としてのTiの含有量及びOの含有量を極力制限しなければならない。
【0016】
(5)熱間鍛造後の鋼材の状態で、AlNの析出量を極力制限するためには、鍛造の加熱温度を極力高温にする必要がある。
【0017】
(6)熱間鍛造後の鋼材に、一定量以上のNb(CN)をあらかじめ微細析出させるためには、熱間鍛造の加熱温度を極力高温にしてNb(CN)を一旦マトリックス中に固溶させ、熱間鍛造後のNb(CN)の析出温度域を徐冷することによってNb(CN)を多量、微細分散させることができる。
【0018】
(7)上記のように炭窒化物の規制を満足したとしても、熱間鍛造後の鋼材にベイナイト組織が一定量以上混入すると、浸炭加熱時の粗大粒発生の原因となるのみならず、硬さが増加することによって浸炭前の切削加工が困難となる。
【0019】
(8)熱間鍛造後の鋼材の状態でベイナイトの混入を極力防止し、焼準工程を経由することなしに焼準相当のフェライト・パーライト組織にするためには、熱間鍛造の最終加工温度を従来よりも低温化して組織を微細化し、その後の冷却条件を最適化する必要がある。
【0020】
(9)さらに、熱間鍛造の最終加工温度が低すぎる場合は熱間鍛造後のフェライト粒が過度に微細化することによって浸炭時の表層のオーステナイト粒も過度に微細化し、表層部の焼入れ性が低下することによって表層部にベイナイト等の浸炭異常組織が発生しやすくなる。一方、最終加工温度が高すぎる場合は粗大なパーライトの量が増加する。このような粗大パーライトが増加すると浸炭時のオーステナイト粒が混粒となり、粗大粒が発生する。すなわち、浸炭時のオーステナイト粒径と浸炭前の組織とは密接な関係があり、浸炭後に所望の組織を得るためには、浸炭前の組織を最適化しておく必要がある。
【0021】
(10)上述のように浸炭前の組織を最適化するためには、熱間鍛造の最終加工温度をある最適範囲で行い、その後冷却条件も最適化する必要がある。
【0022】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0023】
まず、成分の限定理由について説明する。
【0024】
Cは鋼に必要な強度を与えるのに有効な元素であるが、0.1%未満では必要な引張強さを確保することができず、0.4%を超えると硬くなって冷間加工性が劣化するとともに、浸炭後の芯部靭性が劣化するので、0.1〜0.4%の範囲内にする必要がある。
【0025】
Siは鋼の脱酸に有効な元素であるとともに、鋼に必要な強度、焼入れ性を与え、焼戻し軟化抵抗を向上するのに有効な元素であるが、0.02%未満ではその効果は不十分である。一方、1.3%を超えると硬さの上昇を招き、加工性が劣化する。以上の理由から、その含有量を0.02〜1.3%の範囲内にする必要がある。Siは粒界強化の増加に有効な元素であり、さらに軸受部品、転動部品においては、転動疲労過程での組織変化、材質劣化の抑制による高寿命化に有効な元素である。しかしその反面、浸炭時の内部酸化を助長する元素であり、内部酸化が疲労き裂の起点となるため、浸炭ままの熱処理肌で使用される部品の場合は低めにするのが望ましい。従って、浸炭後に加工によって表層を除去する部品において、高強度化を指向する場合には0.4〜1.3%の範囲にするのが望ましく、浸炭ままの熱処理肌で使用される部品の場合は0.02〜0.4の範囲にするのが望ましい。
【0026】
Mnは鋼の脱酸に有効な元素であるとともに、鋼に必要な強度、焼入れ性を与えるのに有効な元素であるが、0.3%未満では効果は不十分であり、1.8%を超えるとその効果は飽和するのみならず、硬さの上昇を招き、加工性が劣化するので、0.3〜1.8%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.5〜1.2%である。
【0027】
Sは鋼中でMnSを形成し、これによる被削性の向上を目的として添加するが、0.001%未満ではその効果は不十分である。一方、0.15%を超えるとその効果は飽和し、むしろ粒界偏析を起こし、粒界脆化を招く。以上の理由から、Sの含有量を0.001〜0.15%の範囲内にする必要がある。なお、軸受部品、転動部品においてはMnSが転動疲労寿命を劣化させるためにSを極力低減する必要があり、0.001〜0.01%の範囲にするのが望ましい。
【0028】
Alは浸炭加熱の際に、鋼中のNと結びついてAlNを形成し、結晶粒の微細化、及び結晶粒の粗大化に有効な元素である。0.015%未満ではその効果は不十分である。一方、0.045%を超えると、AlNの析出物が粗大になり、結晶粒の粗大化抑制には寄与しなくなる。以上の理由から、その含有量を0.015〜0.045%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.02〜0.035%である。
【0029】
Nbは浸炭加熱の際に、鋼中のC、Nと結びついてNb(CN)を形成し、結晶粒の微細化、及び結晶粒の粗大化抑制に有効な元素である。0.005%未満ではその効果は不十分である。一方、0.05%を超えると、素材の硬さが上昇し、加工性が劣化するとともに、Nb(CN)の析出物が粗大になり、結晶粒の粗大化抑制には寄与しなくなる。以上の理由から、その含有量を0.005〜0.05%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.015〜0.04%である。
【0030】
NはAlN、Nb(CN)の析出による浸炭時の結晶粒の微細化、及び結晶粒の粗大化抑制を目的として添加するが、0.01%未満ではその効果は不十分である。一方、0.02%を超えると、その効果は飽和する。過剰なNの添加は鋼を脆化させるため、鋳造、圧延時に割れ、キズの原因となる。以上の理由から、その含有量を0.01〜0.02%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.013〜0.02%である。
【0031】
次に、本発明では、Cr、Mo、Ni、Vの1種又は2種以上含有する。
【0032】
Crは鋼に強度、焼入れ性を与えるのに有効な元素であり、さらに軸受部品、転動部品においては、転動疲労過程での組織変化、材質劣化の抑制による高寿命化に有効な元素である。0.4%未満ではその効果は不十分であり、1.8%を超えて添加すると硬さの上昇を招き加工性が劣化する。以上の理由から、その含有量を0.4〜1.8%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.7〜1.6%である。
【0033】
Moも鋼に強度、焼入れ性を与えるのに有効な元素であり、さらに軸受部品、転動部品においては、転動疲労過程での組織変化、材質劣化の抑制による高寿命化に有効な元素である。0.02%未満ではその効果は不十分であり、1.0%を超えて添加すると硬さの上昇を招き加工性が劣化する。以上の理由から、その含有量を0.02〜1.0%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.02〜0.5%である。
【0034】
Niは鋼に強度、焼入れ性、靭性を与えるのに有効な元素であるが、0.1%未満ではその効果は不十分であり、3.5%を超えて添加すると硬さの上昇を招き加工性が劣化する。以上の理由から、その含有量を0.1〜3.5%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.4〜2.0%である。
【0035】
Vは鋼に強度、焼入れ性を与えるのに有効な元素であるが、0.03%未満ではその効果は不十分であり、0.5%を超えて添加すると硬さの上昇を招き加工性が劣化する。以上の理由から、その含有量を0.03〜0.5%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.07〜0.2%である。
【0036】
Pは浸炭部品の結晶粒界を脆化させることによって疲労強度を劣化させるので、できるだけ低減することが望ましい。従ってその含有量を0.025%以下に制限する必要がある。好適範囲は0.015%以下である。
【0037】
本発明のような高N鋼においては、Tiは鋼中のNと結びついてTiNを形成する。TiNの析出物は粗大であり、浸炭時の結晶粒の微細化、及び結晶粒の粗大化抑制に寄与しない。むしろ、TiNが存在すると、AlNやNb(CN)の析出サイトとなり、熱間圧延時にAlNやNb(CN)が粗大に析出し、浸炭時に結晶粒の粗大化を抑制できなくなる。そのため、Ti量はできるだけ低減することが望ましい。以上の理由から、Tiの含有量を0.01%以下に制限する必要がある。なお、軸受部品、転動疲労部品においては、粗大なTiNの存在は、最終部品の転動疲労特性の顕著な劣化を招く。そのため、軸受部品、転動部品として適用する場合には、Tiの含有量を0.0025%以下に制限するのが望ましい。
【0038】
本発明のような高Al鋼においては、Oは鋼中でAl2O3のような酸化物系介在物を形成する。酸化物系介在物が鋼中に多量に存在すると、AlNやNb(CN)の析出サイトとなり、熱間圧延時にAlNやNb(CN)が粗大に析出し、浸炭時に結晶粒の粗大化を抑制できなくなる。そのため、O量はできるだけ低減することが望ましい。以上の理由から、その含有量を0.0025%以下に制限する必要がある。好適範囲は0.002%以下である。なお、軸受部品、転動部品においては、酸化物系介在物が転動疲労破壊の起点となるので、O含有量が低いほど転動寿命は向上する。そのため、軸受部品、転動部品においては、O含有量を0.0012%以下に制限するのが望ましい。
【0039】
本発明では、熱間鍛造後のNb(CN)の析出量が0.005%以上であり、AlNの析出量を0.01%以下(0%含む)に制限するが、このように限定した理由を以下に述べる。
【0040】
浸炭時に結晶粒の粗大化を防止するには、ピン止め粒子として微細なAlN、Nb(CN)を浸炭時に多量分散させることが有効である。粗大なAlN、Nb(CN)は浸炭時の結晶粒の粗大化防止に全く役に立たないばかりでなく、むしろピン止め粒子の数を減らす作用をするため、粗大化防止に対して有害である。ここで、Nbは鋼中のC、Nと結合し、NbC、NbN及び両者が複合したNb(CN)を生成するが、本発明で言うNb(CN)はこれら3種類の析出物の総称として用いている。
【0041】
まず、浸炭加熱時にNb(CN)のピン止め効果を安定して発揮させるには、熱間鍛造後の鋼材に、一定量以上のNb(CN)をあらかじめ微細析出させておくことが必要である。また、浸炭加熱時にAlNのピン止め効果を安定して発揮させるには、熱間鍛造後の鋼材の状態で、AlNの析出量を逆に極力制限する必要がある。これは、熱間鍛造後の鋼材の状態で析出するAlNは粗大であり、ピン止め粒子として寄与しないばかりか、むしろ上記のNb(CN)の粗大析出の核になり、Nb(CN)の微細析出が妨げられて、結晶粒の粗大化を促進する。以上から、熱間鍛造後のNb(CN)析出量を0.005%以上に、またAlNの析出量を0.01%以下に制限する必要がある。好適範囲は、熱間鍛造後のNb(CN)の析出量0.01%以上、AlNの析出量0.005%以下である。
【0042】
本発明では、熱間鍛造後の組織中のベイナイト分率を10%以下(0%含む)に制限しているが、組織中にベイナイトが10%を超えて混入すると浸炭加熱時の粗大粒発生の原因となるのみならず熱間鍛造後の硬さが上昇し、切削加工が困難となるため、少ないほど好ましい。以上の理由から、熱間鍛造後のベイナイトの組織分率を10%以下に制限する必要がある。好適範囲は5%以下である。
【0043】
本発明では、熱間鍛造後の組織中のパーライト分率が75%以下、かつフェライト結晶粒度番号が7〜10番とする。パーライト分率が75%を超えたり、フェライト結晶粒度番号が7番以下になると浸炭時のオーステナイト粒が混粒となり、粗大粒が発生する。一方、フェライト結晶粒度10番以上になると微細になりすぎて、その後の浸炭時に粗大粒が発生しやすくなるとともに、粗大粒が発生しない場合でも浸炭時のオーステナイト結晶粒度が微細になりすぎ、焼入れ性が低下する。
【0044】
本発明の請求項2では、熱間鍛造の加熱温度を1150℃以上とするが、このように限定した理由は、浸炭時に結晶粒の粗大化防止に有効な微細なAlN、Nb(CN)を多量分散させるため、粗大なAlN、Nb(CN)を一旦マトリックス中に固溶させるためである。加熱温度が1150℃未満の場合はAlN及びNb(CN)を一旦マトリックス中に固溶させることができない。そのため、熱間鍛造後に粗大なAlN及びNb(CN)が存在し、浸炭時に粗大粒の発生を抑制することができない。従って、熱間鍛造に際して、1150℃以上に加熱する必要がある。好適範囲は1200〜1300℃である。
【0045】
本発明の請求項2では、熱間鍛造の最終加工を900〜1100℃の温度範囲で行う。最終加工温度が1100℃超では鍛造材の組織が粗大なオーステナイトとなり、その後の冷却で粗大なフェライト・ベイナイト、若しくは粗大なフェライト・パーライトに変態する。粗大なフェライト・ベイナイト組織の場合は浸炭加熱時の粗大粒発生の原因となるのみならず、硬さが増加することによって浸炭前の切削加工が困難となる。また、粗大なパーライトが増加すると浸炭時のオーステナイト粒が混粒となり、粗大粒が発生する。一方、最終加工温度が900℃未満ではフェライト結晶粒度が微細になりすぎて、その後の浸炭時に粗大粒が発生しやすくなるとともに、粗大粒が発生しない場合でも浸炭時のオーステナイト結晶粒度が微細になりすぎて焼入れ性が低下する。以上の理由から、熱間鍛造の最終加工温度を900〜1100℃にする必要がある。
【0046】
本発明の請求項2では、熱間鍛造後に800〜500℃の温度範囲を1℃/秒以下の冷却速度で徐冷する。冷却条件は、1℃/秒を超えるとNb(CN)の析出温度域を短時間しか通過させることができず、熱間鍛造後の微細なNb(CN)の析出量が不十分となり、さらにまた、ベイナイトの組織分率が大きくなる。そのため、粗大粒が発生しやすくなるのみならず熱間鍛造後の硬さが上昇し、切削加工が困難となるため、冷却速度はできるだけ小さくするのが望ましい。好適範囲は0.7℃/秒以下である。なお、冷却速度を小さくする方法としては、熱間鍛造ラインの後方に等温に保定した炉又は保温のためのカバーを設置し、外部熱源、又は自熱によって徐冷を行う方法が挙げられる。
【0047】
【実施例】
以下に、実施例により本発明をさらに説明する。
【0048】
(実施例1)
表1に示す組成を有する転炉溶製鋼を連続鋳造し、必要に応じて分塊圧延工程を経て162mm角の圧延素材とした。続いて、熱間圧延により、直径19〜120mmの棒鋼を製造した。
【0049】
上記の工程で製造した棒鋼について下記の条件で熱間鍛造を行ない、浸炭部品用の素形材を作成した。熱間鍛造の条件は全て本発明規定の範囲で行った。加熱温度1150〜1350℃、最終加工温度900〜1100℃、熱間鍛造後の800〜500℃の冷却速度は0.1〜1.0℃/秒の範囲である。
【0050】
熱間鍛造後の素形材から、AlN、Nb(CN)の析出量を化学分析により求めた。また、熱間鍛造後の素形材の切断面に研磨、腐食を行い、顕微鏡観察によって組織中のベイナイト分率、パーライト分率、フェライト結晶粒度番号を測定した。なお、旧フェライト粒度番号の測定はJIS G 0552に準じて行った。また、熱間鍛造後の素形材のビッカース硬さを測定し、切削加工性の指標とした。ビッカース硬さがHV200を超えるものは切削加工性に劣ると判定した。
【0051】
上記の条件で熱間鍛造を行った素形材に、浸炭シミュレーションを行った。浸炭シミュレーションの条件は、910〜1090℃に5時間加熱−水冷である。その後、切断面に研磨−腐食を行い、旧オーステナイト粒径を観察して粗粒発生温度(結晶粒粗大化温度)を求めた。高温浸炭は通常1000〜1050℃の温度域で行われるため、粗粒発生温度が1000℃以下のものは結晶粒粗大化特性に劣ると判定した。なお、旧オーステナイト粒度の測定はJIS G 0551に準じて行い、400倍で10視野程度観察し、粒度番号5番以下の粗粒が1つでも存在すれば粗大粒発生と判定した。
【0052】
これらの調査結果をまとめて表2に示す。本発明例の結晶粒粗大化温度は1010℃以上であり、粗大粒防止特性に優れていることが分かる。また、熱間鍛造後の硬さも低く、熱間鍛造後の焼準が省略可能であることが分かる。
【0053】
一方、比較例11はAlの含有量が本発明規定の範囲を下回った場合であり、粗大化特性は劣る。比較例12、13はAlの含有量が本発明規定の範囲を上回った場合であり、粗大化特性は劣る。これは、粗大なAlNが存在し、AlNとNb(CN)の微細分散が妨げられたためである。比較例14、15はNbの含有量が本発明規定の範囲を下回った場合であり、粗大化特性は劣る。比較例16,17はNbの含有量が本発明規定の範囲を上回った場合であり、粗大化特性は劣る。これは、粗大なNb(CN)が存在し、AlNとNb(CN)の微細分散が妨げられたためである。比較例18はNの含有量が本発明規定の範囲を下回った場合であり、窒化物の量が不足するため、粗大化特性は劣る。比較例19はNの含有量が本発明規定の範囲を上回った場合であり、析出物が粗大になり、やはり粗大化特性は劣る。比較例20〜21は、Tiの含有量、Oの含有量が本発明規定の範囲を上回った場合であり、いずれも粗大化特性は劣る。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
(実施例2)
実施例1で製造した棒鋼について下記の条件で熱間鍛造を行ない、浸炭部品用の素形材を作成した。熱間鍛造の加熱条件の影響を見るため、熱間鍛造の加熱温度を980〜1350℃の範囲で行った。加熱温度以外の熱間鍛造の条件は全て本発明規定の範囲で行った。最終加工温度900〜1100℃、熱間鍛造後の800〜500℃の冷却速度は0.1〜1.0℃/秒の範囲である。
【0057】
熱間鍛造後の素形材に対して、実施例1と同様の方法でAlN、Nb(CN)の析出量、組織中のベイナイト分率、パーライト分率、フェライト結晶粒度番号、ビッカース硬さを測定した。
【0058】
上記の条件で熱間鍛造を行った素形材に、実施例1と同様の方法で浸炭シミュレーションを行った。
【0059】
これらの調査結果をまとめて表3に示す。本発明例の結晶粒粗大化温度は1010℃以上であり、粗大粒防止特性に優れていることが分かる。また、熱間鍛造後の硬さも低く、熱間鍛造後の焼準が省略可能であることが分かる。
【0060】
一方、比較例28〜32は熱間鍛造の加熱温度が本発明規定の範囲を下回った場合であり、粗大化特性は劣る。この場合、熱間鍛造後のAlN量も本発明規定の範囲を上回っている。これは、熱間鍛造時に溶け残った粗大なAlNが存在しているため、AlNとNb(CN)の微細分散が妨げられたためである。
【0061】
【表3】
【0062】
(実施例3)
実施例1で製造した棒鋼について下記の条件で熱間鍛造を行ない、浸炭部品用の素形材を作成した。熱間鍛造の条件は、最終加工温度以外は全て本発明規定の範囲で行った。加熱温度1150〜1350℃、熱間鍛造後の800〜500℃の冷却速度は0.1〜1.0℃/秒の範囲である。熱間鍛造の最終加工温度の影響を見るため、最終加工温度を850〜1175℃の範囲で行った。
【0063】
熱間鍛造後の素形材に対して、実施例1と同様の方法でAlN、Nb(CN)の析出量、組織中のベイナイト分率、パーライト分率、フェライト結晶粒度番号、ビッカース硬さを測定した。
【0064】
上記の条件で熱間鍛造を行った素形材に、実施例1と同様の方法で浸炭シミュレーションを行った。
【0065】
これらの調査結果をまとめて表4に示す。本発明例の結晶粒粗大化温度は1010℃以上であり、粗大粒防止特性に優れていることが分かる。また、熱間鍛造後の硬さも低く、熱間鍛造後の焼準が省略可能であることが分かる。
【0066】
一方、比較例39〜40、42〜43は熱間鍛造の最終加工温度が本発明規定の範囲を上回った場合であり、粗大化特性は劣る。この場合、熱間鍛造後の素形材のベイナイト分率、又はパーライト分率が本発明規定の範囲を上回っている。また、比較例39、40はフェライト結晶粒度番号も本発明規定の範囲を下回っている。これは、熱間鍛造の最終加工温度が高い場合、オーステナイト結晶粒が粗大になり、それが変態後の組織に引き継がれるためである。さらに、ベイナイト分率が本発明規定の範囲を上回っている比較例39、42、43は熱間鍛造後の硬さも高く、切削加工性に劣るため、熱間鍛造後の焼準処理を省略することができない。比較例41は熱間鍛造の最終加工温度が本発明規定の範囲を下回った場合であり、フェライト結晶粒度番号も本発明規定の範囲を上回っており、この場合も粗大化特性は劣る。
【0067】
【表4】
【0068】
(実施例4)
実施例1で製造した棒鋼について下記の条件で熱間鍛造を行ない、浸炭部品用の素形材を作成した。熱間鍛造の条件は、熱間鍛造後の冷却速度以外は全て本発明規定の範囲で行った。加熱温度1150〜1350℃、最終加工温度900〜1100℃の範囲である。熱間鍛造後の冷却速度の影響を見るため、800〜500℃の冷却速度を0.56〜2.01℃/秒の範囲で行った。
【0069】
熱間鍛造後の素形材に対して、実施例1と同様の方法でAlN、Nb(CN)の析出量、組織中のベイナイト分率、パーライト分率、フェライト結晶粒度番号、ビッカース硬さを測定した。
【0070】
上記の条件で熱間鍛造を行った素形材に、実施例1と同様の方法で浸炭シミュレーションを行った。
【0071】
これらの調査結果をまとめて表5に示す。本発明例の結晶粒粗大化温度は1010℃以上であり、粗大粒防止特性に優れていることが分かる。また、熱間鍛造後の硬さも低く、熱間鍛造後の焼準が省略可能であることが分かる。
【0072】
一方、比較例48〜51は熱間鍛造後の冷却速度が本発明規定の範囲を上回った場合であり、熱間鍛造後の素形材のベイナイト分率が本発明規定の範囲を上回っているため、熱間鍛造後の硬さが高く、切削加工性に劣るため、熱間鍛造後の焼準処理を省略することができない。冷却速度が特に大きい比較例51はNb(CN)の析出量、フェライト結晶粒度番号も本発明規定の範囲から外れており、粗大粒発生温度も低い。
【0073】
【表5】
【0074】
【発明の効果】
本発明の結晶粒粗大化防止特性に優れた高温浸炭部品用素形材とその製造方法熱間鍛造後の焼準処理が不要な結晶粒粗大化特性に優れた高温浸炭部品用素形材の製造方法を用いれば、浸炭時間の高温化・短時間化による省エネルギー化、生産性の向上のみならず、熱間鍛造後の焼準処理の省略をも可能となるため、本発明による産業上の効果は極めて顕著なるものがある。
Claims (2)
- 質量%で、
C:0.1〜0.4%、
Si:0.02〜1.3%
Mn:0.3〜1.8%、
S:0.001〜0.15%、
Al:0.015〜0.045%、
Nb:0.005〜0.05%、
N:0.01〜0.02%
を含有し、さらに、
Cr:0.4〜1.8%、
Mo:0.02〜1.0%、
Ni:0.1〜3.5%、
V:0.03〜0.5%
の1種又は2種以上を含有し、
P:0.025%以下、
Ti:0.01%以下、
O:0.0025%以下
に各々制限し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、
熱間鍛造後のNb(CN)の析出量が0.005%以上であり、
AlNの析出量を0.01%以下に制限し、
熱間鍛造後の組織中のベイナイト分率を10%以下に制限し、
熱間鍛造後の組織中のパーライト分率が75%以下、かつフェライト結晶粒度番号が7〜10番であることを特徴とする、熱間鍛造後の焼準処理が不要な結晶粒粗大化防止特性に優れた高温浸炭部品用素形材。 - 請求項1に記載の化学成分を有する鋼を、
1150℃以上の温度で加熱して熱間鍛造を行い、
熱間鍛造の最終加工を900〜1100℃の温度範囲で行い、
その後800〜500℃の温度範囲を1℃/秒以下の冷却速度で徐冷することを特徴とする、
熱間鍛造後の焼準処理が不要な結晶粒粗大化防止特性に優れた高温浸炭部品用素形材の製造方法。
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