JP5019492B1 - エアコン室外機用吸入空気冷却装置、及び、これを用いたエアコン室外機 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷房時の電力消費量を節減することが可能な吸入空気冷却装置、及び、これを用いたエアコン室外機を提供する。
【解決手段】吸入空気冷却装置2を構成する貯水槽3は排水孔36を有し、排水孔36は底部33に開口し、貯水空間300に通じている。冷却部4を構成する保水部42は、多孔質材料でなり、基体部41に取り付けられ、通気孔43を有している。透水シート5は、多孔質材料でなり、一端側が排水孔36と向かい合う関係で底部33の外面に配置され、他端側が保水部42と接触する。本発明に係る吸入空気冷却装置2は、室外機本体1と組み合わされてエアコン室外機を構成する。室外機本体1のハウジング10は、収納空間100と、収納空間100に通じる吸気口12とを有している。熱交換器11は、収納空間100において、吸気口12と向かい合う位置に収納されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、エアコン室外機用吸入空気冷却装置、及び、これを用いたエアコン室外機に関し、具体的には室外機の熱交換効率を向上させ、冷房時の電力消費量を節減させる吸入空気冷却装置に関する。
家庭用電気機械器具(家電製品)の普及に伴い、日本国内の一般家庭の電力消費量は、年々増加の一途を辿っており、現在では総電力消費量の約3割を一般家庭が占めているといわれている。他方、東日本大震災を契機として電力供給力不足が深刻な社会問題となっており、改めて節電の重要性が見直されている。
一般家庭における節電を実現しようとした場合、最も節電されるべき家電製品の1つは、空気調和機、いわゆるエアコンである。すなわち、冷房のため電力消費量が飛躍的に高まる夏季の日中において、在宅世帯の全電力消費量の約半分を、エアコンが占めているから、一般家庭における節電を効率的に達成するには、まずエアコンの節電が実現されなければならない。
上述したエアコンに係る節電技術について、例えば特許文献1乃至3が知られている。特許文献1記載の発明は、室外機内に噴霧ノズルを設置して、熱交換器に冷却水を散水することにより、前記熱交換器を直接的に冷却する補助冷却装置である。
特許文献2記載の発明は、室外機の外部上面に冷却水の貯水槽を設置し、前記室外機の吸気口に散水布を設置し、前記散水布に冷却水を供給し、前記熱交換器に接触させることにより、前記熱交換器を直接的に冷却する補助冷却装置である。
特許文献3記載の発明は、室外機内において、熱交換器の近傍にマット材を配置し、前記マット材に冷却水を流下させ、吸入空気を冷却させる補助冷却装置である。
しかし、特許文献1乃至3では、以下の点で問題が生じる。まず、特許文献1記載の発明では、噴霧ノズルのほか、貯水施設から噴霧ノズルまでの送水管路、散水した冷却水の排水管路、さらには噴霧ノズルの散水動作を制御する装置など、複雑な散水機構が必要となるから、その分だけコスト高を招く。
しかも、特許文献1記載の補助冷却装置を構成する噴霧ノズルは、室外機の設計段階、及び、製造段階で、予め室外機の内部に取り付けられるべきものであるから、現に使用している室外機に対して後付けして用いることができない。違う言葉で表現すれば、特許文献1記載の補助冷却装置を導入するには、現に使用している室外機に替えて、噴射ノズルを備えた室外機を買いなおさなければならないから、その分だけコスト高を招く。従って、特許文献1の発明は、一般家庭における節電対策として実効性に乏しい。
特許文献2記載の発明は、散水布を吸気口に吸い込ませて、熱交換器に接触させるものであるから、散水布が吸気口を塞ぎ、必要な量の外気を熱交換器に送風できなくなるという問題が生じる。また、散水布を熱交換器の表面に均等に接触させることは難しく、冷却効果が不安定となる。従って、安定した節電効果を得ることができない。
特許文献3記載の発明では、マット材のほか、前記マット材に冷却水を供給する装置、前記供給を制御する装置など複雑な冷却水供給機構が必要となるから、その分だけコスト高を招く。しかも、前記供給機構は、室外機の設計段階、及び、製造段階で、予め室外機の内部に取り付けられるべきものである。すなわち、特許文献3記載の発明でも、特許文献1記載の発明と同様に、コスト高の不具合が生じることとなり、一般家庭における節電対策として実効性に乏しい。
特許第4077558号公報 特開2010−216709号公報 特開2004−003806号公報
本発明の課題は、冷房時の電力消費量を節減し、電気料金が節約することが可能なエアコン室外機用吸入空気冷却装置、及び、これを用いたエアコン室外機を提供することである。
本発明のもう1つの課題は、製造コスト、施工コスト、及び、維持管理コストを低減することが可能なエアコン室外機用吸入空気冷却装置、及び、これを用いたエアコン室外機を提供することである。
本発明の更にもう一つの課題は、既設のエアコン室外機に対して後付けして用いることが可能な吸入空気冷却装置、及び、これを用いたエアコン室外機を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明は、2つの態様に係るエアコン室外機用吸入空気冷却装置(吸入空気冷却装置)を開示する。以下、第1、第2の態様に係る吸入空気冷却装置、及び、それらを用いたエアコン室外機について説明する。
1.第1の態様に係る吸入空気冷却装置について
第1の態様に係る吸入空気冷却装置は、貯水槽と、冷却部と、透水シートとを含む。貯水槽は、貯水空間と、排水孔とを有している。排水孔は、貯水槽の底部に開口し、貯水空間に通じている。冷却部は、基体部と、保水部とを有している。保水部は、多孔質材料でなり、基体部に取り付けられ、通気孔を有している。透水シートは、多孔質材料でなり、一端側が排水孔と向かい合う関係で貯水槽の底部外面に配置され、他端側が保水部と接触する。
上述したように、第1の態様に係る吸入空気冷却装置を構成する冷却部は、多孔質構造を有する保水部が、基体部に取り付けられている。換言すれば、保水部は、基体部に取り付けられている。この構成によると、冷却効率の観点から、保水部の形状や寸法を最適な構成に設定することができる。しかも、多孔質構造を有する保水部が、基体部に取り付けられているから、施工作業時の取り回しが容易になり、施工コストを低減することができる。
第1の態様に係る吸入空気冷却装置を構成する冷却部の冷却効果は、保水部における冷却水の気化潜熱の結果として説明することができる。すなわち、保水部は通気孔を有しているから、保水部に冷却水が供給されているとき、通気孔を通る空気が、冷却水の気化潜熱により熱交換され、冷却されることとなる。
ここで、第1の態様に係る吸入空気冷却装置の特徴の一つは、保水部に冷却水を供給するための供給経路の構成にある。詳細に説明すると、前記供給経路の始点となる貯水槽は、底部に貯水空間に通じる排水孔を有している。透水シートは、多孔質材料でなり、一端側が排水孔と向かい合う関係で貯水槽の底部外面に配置され、他端側が保水部と接触する。この構造によると、貯水槽に冷却水を貯水したとき、冷却水は重力などにより排水孔から透水シートに排出され、排出された冷却水は毛細管現象により透水シートの内部を通り、さらに透水シートと保水部との接触部分を通じて保水部に供給されることとなる。
上述した供給経路の構成によると、送水ポンプや複雑な制御装置、及び、それらの駆動電源などを用いることなく、かつ、貯水槽に冷却水が貯水されている限り、貯水槽から保水部へ、自動的に冷却水を供給し続けることができる。従って、製造コスト、施工コスト、及び、維持管理コストを低減することが可能な吸入空気冷却装置を提供することができる。
また、上述した供給経路では、貯水槽から透水シートを介して保水部へ供給される。この構成によると、貯水槽の排水孔から排出された冷却水は、毛細管現象により透水シートに広く染み渡ったあと、透水シートと保水部との接触部分を通じて保水部に供給されることとなるから、排水孔の開設位置および開設数にかかわらず、保水部に対し広く、かつ、均一に冷却水を供給することができる。従って、保水部における冷却水の気化を均一に生じさせ、その結果、偏りのない冷却効果を生ぜしめることができる。
2.第1の態様に係る吸入空気冷却装置を用いたエアコン室外機について
第1の態様に係る吸入空気冷却装置は、周知の室外機本体と組み合わされてエアコン室外機(第1の態様に係るエアコン室外機)を構成する。室外機本体は、ハウジングと、熱交換器とを有している。ハウジングは、収納空間と、収納空間に通じる吸気口とを有している。熱交換器は、収納空間において、吸気口と向かい合う位置に収納されている。
上述した室外機本体との組み合わせにおいて、第1の態様に係る吸入空気冷却装置を構成する透水シートは、ハウジングの外面に取り付けられている。貯水槽は、透水シートを挟んでハウジングの外面に載置されている。冷却部は、ハウジングの外面に取り付けられ、取り付けられた状態で吸気口を覆っている。
上述したように、第1の態様に係る吸入空気冷却装置を構成する貯水槽、冷却部、及び、透水シートのそれぞれは、周知の基本的構成を有する室外機本体と組み合わされるものであって、しかも室外機本体のハウジングの外面に取り付けられるものであるから、既設のエアコン室外機に対して後付けして用いることが可能な吸入空気冷却装置を提供することができる。
第1の態様に係るエアコン室外機において、前記吸入空気冷却装置の冷却部は、室外機本体の吸気口を覆っている。この構成によると、既に説明したとおり、保水部における冷却水の気化潜熱により、通気孔を通る外気が冷却され、冷却された吸入空気が、吸気口を通じて熱交換器に供給される。その結果、吸入空気と熱交換器との間で行われる熱交換の効率が改善され、その運転に伴う室外機本体の電力消費量が低減される。従って、冷房時の電力消費量を節減することが可能な吸入空気冷却装置、及び、これを用いたエアコン室外機を提供することができる。
冷却部を構成する保水部は、基体部に取り付けられているから、室外機本体の吸気口を覆うように冷却部を取り付けたとしても、保水部の設置姿勢が安定する。その結果、例えば、保水部が吸気口を塞ぐ不具合は生じない。従って、維持管理コストを低減することが可能なエアコン室外機を提供することができる。
3.第2の態様に係る吸入空気冷却装置について
第2の態様に係る吸入空気冷却装置は、第1の態様に係る吸入空気冷却装置の基本的構成に加え、さらに支持台を有している点に特徴がある。以下、特徴点を中心に説明する。
第2の態様に係る吸入空気冷却装置を構成する支持台は、一方向に沿って高さが低くなる傾斜面を有している。貯水槽は、傾斜面上に配置される。透水シートは、多孔質材料でなり、一端側が排水孔と向かい合う関係で前記貯水槽の底部外面と、前記傾斜面との間に配置され、他端側が前記保水部と接触する。
第2の態様に係る吸入空気冷却装置の構造によっても、第1の態様に係る吸入空気冷却装置と同一の作用効果を奏することができる。
さらに、第2の態様に係る吸入空気冷却装置を構成する支持台は、一方向に沿って高さが低くなる傾斜面を有し、貯水槽は傾斜面上に配置され、透水シートは、貯水槽の底部外面と、前記傾斜面との間に配置されている。この構成によると、保水部に冷却水を供給するための供給経路において、透水シートにおける冷却水の移動に対し、毛細管現象以外に、傾斜面の高低差に基づく重力が働くから、冷却水の供給効率が向上する。その結果、冷却部に対して円滑に冷却水が供給されるから、冷房時の電力消費量を節減することが可能なエアコン室外機用吸入空気冷却装置を提供することができる。
4.第2の態様に係る吸入空気冷却装置を用いたエアコン室外機(第2の態様に係るエアコン室外機)について
第2の態様に係る吸入空気冷却装置は、周知の室外機本体と組み合わされてエアコン室外機を構成する。第2の態様に係るエアコン室外機は、第1の態様に係るエアコン室外機の基本的構成に加え、さらに支持台を有している点に特徴がある。以下、特徴点を中心に説明する。
第2の態様に係るエアコン室外機において、吸入空気冷却装置を構成する支持台は、傾斜面の最低端が吸気口の側を向く関係で、ハウジング上に載置されている。この構成によると、保水部に冷却水を供給するための供給経路において、透水シートにおける冷却水の移動に対し、毛細管現象以外に、傾斜面の高低差に基づく重力が働くから、冷却水の供給効率が向上する。その結果、吸気口に取り付けられた冷却部に対し、円滑に冷却水が供給されるから、冷房時の電力消費量を節減することが可能なエアコン室外機を提供することができる。
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)冷房時の電力消費量を節減し、電気料金が節約することが可能なエアコン室外機用吸入空気冷却装置、及び、これを用いたエアコン室外機を提供することができる。
(2)製造コスト、施工コスト、及び、維持管理コストを低減することが可能なエアコン室外機用吸入空気冷却装置、及び、これを用いたエアコン室外機を提供することができる。
(3)既設のエアコン室外機に対して後付けして用いることが可能な吸入空気冷却装置、及び、これを用いたエアコン室外機を提供することができる。
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
本発明の一実施形態に係るエアコン室外機の正面図である。 図1のエアコン室外機を分解して示す斜視図である。 図2に示した貯水槽を分解して示す断面図である。 図2に示した冷却部の正面図である。 図4に示した冷却部の一部を破断して示す拡大断面図である。 図1に示したエアコン室外機の使用状態を示す正面図である。 図6に示したエアコン室外機の一部を省略して示す拡大断面図である。 図7に示したエアコン室外機の一部を破断して模式的に示す拡大断面図である。 本発明のもう一つの実施形態に係るエアコン室外機の一部を省略して示す拡大断面図である。 本発明のさらにもう一つの実施形態に係るエアコン室外機を分解して示す斜視図である。 図10に示したエアコン室外機の一部を省略して示す拡大断面図である。。 本発明のさらにもう一つの実施形態に係る吸入空気冷却装置を構成する冷却部の正面図である。 本発明のさらにもう一つの実施形態に係る吸入空気冷却装置を構成する冷却部の正面図である。 図13に示した冷却部の一部を破断して示す拡大断面図である。
図1乃至図14において同一符号は、同一又は対応部分を示すものとする。また、図1乃至図14の説明において、室外機本体の奥行き方向と、冷却部の厚み方向とは、それぞれ一致するから、全て符号Tに統一して示す。
本発明に係るエアコン室外機用吸入空気冷却装置(吸入空気冷却装置)は、室外機本体と組み合わせて用いられ、エアコン室外機を構成する。本明細書において「エアコン」とは、「エアコンディショナ」の略であり、日本語では「空気調和機」と総称されるものであって、室内の空気の温度および湿度を調節する空調機器をさす。図1及び図2のエアコン室外機は、室外機本体1と、吸入空気冷却装置2とを含み、室外機本体1は、周知のエアコン室内機(図示しない)と冷媒配管を通じて接続される。室外機本体1は、当該技術分野において周知の構成部分であるから、以下、吸入空気冷却装置2と関連する範囲で、簡単に説明する。
まず、図1及び図2の室外機本体1は、ハウジング10と、熱交換器11とを有している。ハウジング10は、収納空間100と、収納空間100に通じる吸気口12とを有している。ハウジング10は、直方体状であって、天面部13と、天面部13を構成する4辺のそれぞれから、高さ方向Hに沿って立ち下がる側面部14とを有している。収納空間100は、ハウジング10の内部において、天面部13の内面と、側面部14の内面とによって画定されている。吸気口12は、4つの側面部14の少なくとも1つに設けられている。図1及び図2からは必ずしも明らかではないが、吸気口12が設けられている側面部14の反対側の側面部(14)には、吸気口12と向かい合う関係で、収納空間100に通じる排気口(図示しない)が設けられている。
熱交換器11は、収納空間100において、吸気口12と向かい合う位置に収納されている。図1及び図2の熱交換器11は、吸気口12を通じて外部に露出している。図1及び図2からは必ずしも明らかではないが、熱交換器11は、吸気口12と、排気口(図示しない)との間に配置されており、さらに熱交換器11と、排気口との間には送風ファン(図示しない)が配置されている。この構成により、送風ファンを駆動させたとき、吸気口12に吸い込まれた外気は、熱交換器11に接触した後、送風ファンを通じて、排気口から外部に排出される。
次に、図1及び図2の吸入空気冷却装置2は、貯水槽3(図3参照)と、冷却部4(図4、図5参照)と、透水シート5とを含む。貯水槽3は、槽本体部31と、蓋部32とを有している。槽本体部31は、貯水空間300と、底部33と、側面部34と、開口部35と、第1の排水孔36と、第2の排水孔37とを有している。貯水空間300は、底部33の内面と、側面部34の内面とによって画定されている。開口部35は、高さ方向Hでみて底部33の内面と向かい合う位置において、貯水空間300に開口している。
第1の排水孔36は、底部33に開口し、貯水空間300に通じている。図1乃至図3からは明らかではないが、第1の排水孔36は、複数であって、底部33において幅方向Wに所定の間隔を隔てて、断続的に整列配置されている。第1の排水孔36の口径(内寸法)は、貯水空間300の容積と、排水量との相対関係に基づいて適宜調節される。一例として、貯水空間300の容積が16リットル程度のとき、第1の排水孔36の口径は0.2〜1.0mm程度である。
第2の排水孔37は、側面部34において、高さ方向Hでみた底部33の側に開口し、貯水空間300に通じている。第2の排水孔37は、複数であって、側面部34において幅方向Wに間隔を隔てて、断続的に整列配置されている。第2の排水孔37の口径(内寸法)は、第1の排水孔36と同程度の口径とすることもできるし、又、第1の排水孔36の口径よりも大きな口径とすることもできる。
蓋部32は、開口部35に着脱可能に取り付けられ、開口部35を覆うことにより、貯水空間300を密閉している。開口部35に蓋部32が設けられ、蓋部32により貯水空間300が密閉されている構成によると、貯水空間300に冷却水(7)を貯水した場合、自然蒸発による冷却水(7)の減少を回避し、吸入空気冷却装置2の作動期間を延ばすことができる。蓋部32は、面内に冷却水(7)を注入するための給水口を有し、給水口にはキャップ38が取り付けられている。
図3の貯水槽3の内面において、第1の排水孔36の開口端、及び、第2の排水孔37の開口端は、目詰まり防止用フィルタ39によって覆われている。この構造によると、貯水槽3に貯留されている冷却水(7)に塵埃などが混入した場合でも、第1、第2の排水孔36、37を通じて、冷却水(7)を円滑に排出し続けることができる。
図1及び図2の冷却部4について、図4及び図5を参照すると、冷却部4は、基体部41と、保水部42とを有している。保水部42は、多孔質材料でなり、基体部41に取り付けられ、通気孔43を有している。具体的に、図4及び図5の基体部41は、内部に格子状部分を有する枠体であって、棒状部材を複数交差させ、それぞれの交点で結合した構造を有している。この構造により、基体部41は、高さ方向Hに延びる縦格子部44と、高さ方向Hに交差する幅方向Wに延びる横格子部45とを有し、縦格子部44と、横格子部45とによって囲まれた部分の内部に、厚み方向Tに貫通する貫通部46が形成されている。
基体部41は、保水部42の骨(支持材)となるものであり、耐腐食性、耐候性、耐衝撃性などの観点から、アルミ、ステンレスなどの金属材料を主成分とする棒状部材を用いて構成することができる。また、上述した観点に加え、更に材料コスト、加工コストなどの観点から、合成樹脂材料を用いて構成することもできる。
保水部42は、多孔質材料でなり、基体部41に取り付けられている。保水部42は、合成樹脂材料を主成分とする多孔質構造体、又は、スポンジ構造体である。用いられる合成樹脂材料としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、塩化ビニル樹脂(PVC)、スチロール樹脂(PS)、PET樹脂(PET)などをあげることができる。
ここで、保水部42は、多孔質構造を有することにより、孔の空間内に水を吸収し、吸収した水を一定期間貯めた後、外部からの圧力や重力、熱、水の表面張力などに応じて排出することができる。すなわち、保水部42における「保水」とは、水を吸収し、好ましくは吸収した水を一定期間貯めた後、排出することができる機能を意味するものである。
保水部42は、貫通部46の開口端縁を構成する基体部41、すなわち縦格子部44、横格子部45を中心線材として、その周囲に一定の厚みで形成されている(図5参照)。保水部42を基体部41に形成する方法としては、例えば、貫通部46の内寸法に応じて短冊状に切断したスポンジシート(多孔質シート)を巻きつけてもよいし、基体部41を前記合成樹脂材料の溶液に浸漬するなど周知のコーティング技術によって、基体部41の周囲に一体的に形成してもよい。
保水部42は、通気孔43を有している。通気孔43は、基体部41、及び、保水部42を、厚み方向Tに貫通している。違う言葉で表現すれば、通気孔43は、貫通部46の開口端縁を構成する基体部41に形成されている保水部42の内側表面を開口端縁としており、通気孔43の開口端縁は、貫通部46の開口端縁を縮小した相似形となっている。すなわち、通気孔43の基本的な構成は、貫通部46を構成する基体部41の端縁に基づいており、この基体部41の端縁を中心線材とする保水部42によって最終的な開口端が決定される。
透水シート5は、多孔質材料でなり、折り曲がり部分を挟んで一端側の面領域が第1の排水孔36と向かい合う関係で貯水槽3の底部33の外面に配置され、他端側の面領域が保水部42と接触する。透水シート5は、保水部42と同一の構造を有することができる。すなわち、透水シート5は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、塩化ビニル樹脂(PVC)、スチロール樹脂(PS)、PET樹脂(PET)など合成樹脂材料を主成分とし、多孔質構造を有するシート状体、または、スポンジ構造を有するシート状体である。
透水シート5は、貯水槽3から、保水部42への冷却水(7)の供給経路を構成する部材である。透水シート5の「透水」とは、水を吸収し、排出することができる機能を意味するものである。従って、透水シート5としては、例えば、天然繊維または合成繊維を用いた織布、もしくは同繊維で構成した不織布を用いることもできる。
さらに、吸入空気冷却装置2と、室外機本体1との組み合わせ構造について、透水シート5は、ハウジング10の外面に取り付けられている。図1及び図2の透水シート5は、天面部13の上に設置され、天面部13から吸気口12のある側面部14に垂れ下がるように取り付けられており、側面部14に垂れ下がる部分の内面が、保水部42の外面と重なって面接触することにより、保水部42と通水的に接続されている。透水シート5と保水部42との面接触部分は、好ましくは通水可能な接触領域を残して相互に接着されている。
貯水槽3は、透水シート5を挟んでハウジング10の外面に載置されている。図1及び図2の貯水槽3は、底部33が透水シート5に向かい合う関係で、天面部13上に取り付けられている。貯水槽3は、転倒防止の観点からフックや紐など周知の固定具(図示しない)を用いて天面部13に固定されていることが好ましい。
冷却部4は、ハウジング10の外面に取り付けられ、取り付けられた状態で吸気口12を覆っている。図1及び図2の冷却部4は、一対の掛止フック6、6によって側面部14に取り付けられ、取り付けられた状態で吸気口12を覆っている。冷却部4は、基体部41の上端縁部分のみが、一対の掛止フック6、6によって吊り下げられる構造となっているが、側面部14に対する冷却部4の取り付け構造は、安定性、施工効率などの観点から適宜変更することができる。例えば、この種の室外機本体1は、文字通り室外に設置されるものであるから、冷却部4を、4隅で側面部14に螺子止めすることにより、側面部14に対する冷却部4の設置姿勢が安定する。その結果、台風などの強風時に、冷却部4が側面部14に衝突することにより生じる騒音を防止することができる。
図1乃至図5を参照して説明したエアコン室外機は、吸入空気冷却装置2を有する点に特徴の一つがあり、更に言えば図1乃至図2の吸入空気冷却装置2は、保水部42に冷却水(7)を供給するための供給経路に特徴の一つがある。そこで、次に図6及び図7を参照し、吸入空気冷却装置2における冷却水(7)の供給経路について説明する。
まず、エアコン室外機を構成する吸入空気冷却装置2において、供給経路の始点となる貯水槽3に冷却水7が貯水されている場合、冷却水7は、重力などにより第1の排水孔36から透水シート5に排出される(図7参照)。この排出された冷却水7は、いわゆる毛細管現象により、第1の排水孔36を中心として放射状に、透水シート5の内部に染み渡る。透水シート5に染み込んだ冷却水7の一部は、さらに透水シート5と保水部42との接触部分を通じ、保水部42に供給されることとなる。
上述した構造によると、第1の排水孔36から排出された冷却水7は、透水シート5の内部に広範囲に染み渡ったあと、透水シート5と保水部42との接触部分を通じて保水部42に供給されることとなるから、第1の排水孔36の開設位置および開設数にかかわらず、保水部42に対し広く、かつ、均一に冷却水7が供給される。
他方、貯水槽3は第2の排水孔37を有しており、第2の排水孔37からも冷却水7が透水シート5に排出される。第2の排水孔37から透水シート5上に落下した冷却水7は、透水シート5の内部を通り、透水シート5と保水部42との接触部分を通じ、保水部42に供給されることとなる。
第2の排水孔37は、猛暑の場合など、第1の排水孔37からの排水量に対して冷却水7の蒸発量の方が多く、透水シート5が充分な量の冷却水7を保持しえない場合、透水シート5に対して冷却水7を補充する機能を有している。さらに言えば、図6に示すように、第2の排水孔37は、正面からみて、縦格子部44を延長線上に設けられている。この構造によると、第2の排水孔37から透水シート5上に落下した冷却水7は、透水シート5を最短距離で縦格子部44に形成された保水部42まで到達し、同保水部42に沿って、高さ方向Hに円滑に流動する。この縦格子部44に沿って流れる冷却水7は、横格子部45との交点で、横格子部45に形成された保水部42へ流動するから、冷却水7が蒸発しやすい猛暑の場合などであっても、保水部42の全体に対して効率的に冷却水7を供給することができる。
上述した観点からすれば、第2の排水孔37は、気象条件に応じて冷却水7の排出量を調節できる開閉制御装置(図示しない)を有することが好ましい。この構造によれば、猛暑の場合には前記開閉制御装置を開放して冷却水7を排出し、透水シート5および保水部42へ充分な量の冷却水7を供給するとともに、雨天や曇天の場合には前記開閉制御装置を閉鎖して冷却水7の排出量を制限し、冷却水7の浪費を回避することができる。
図6及び図7を参照して説明した供給経路を通じて保水部42に冷却水7が供給され、保水部42において冷却水7が気化することにより、図8に示すように吸気口12に吸い込まれる外気9が冷却(冷却水7の気化潜熱)され、冷却された吸入空気90が、吸気口12を通じて熱交換器11に供給される。その結果、吸入空気90と熱交換器11との間で行われる熱交換効率が向上し、その運転に伴う室外機本体1の電力消費量が低減される。
ところで、この種のエアコンに係る節電技術について、従来、室外機本体内に噴霧ノズルを設置して、熱交換器に冷却水を散水することにより、前記熱交換器を直接的に冷却する補助冷却装置(特許文献1参照)では、噴霧ノズルのほか、貯水槽から噴霧ノズルまでの送水管路、散水した冷却水の排水管路、さらには噴霧ノズルの散水動作を制御する装置など、複雑な散水機構が必要となるから、その分だけコスト高を招く。
しかも、前記噴霧ノズルは、設計段階、及び、製造段階で、予め室外機本体内の内部に取り付けられるべきものであるから、現に使用している室外機本体に対して後付けして用いることができない。違う言葉で表現すれば、同補助冷却装置を導入するには、現に使用している室外機に替えて、噴射ノズルを備えた室外機を買いなおさなければならないから、その分だけコスト高を招き、一般家庭における節電対策として実効性に乏しいという問題がある。
また、室外機本体の外部上面に冷却水の貯水槽を設置し、吸気口前に散水布を設置し、前記散水布に冷却水を供給して前記熱交換器に接触させることにより、前記熱交換器を直接的に冷却する補助冷却装置(特許文献2参照)は、散水布を吸気口に吸い込ませて、熱交換器に接触させるものであるから、散水布が吸気口を塞ぎ、必要な量の外気を熱交換器に送風できなくなるという問題が生じる。また、散水布を熱交換器の表面に均等に接触させることは難しく、冷却効果が不安定となる。従って、安定した節電効果を得ることができないという問題がある。
さらに、室外機本体内において、熱交換器の近傍にマット材を配置し、前記マット材に冷却水を流下させ、吸入空気を冷却させる補助冷却装置(特許文献3参照)では、マット材のほか、前記マット材に冷却水を供給する装置、前記供給を制御する装置など複雑な冷却水供給機構が必要となるから、その分だけコスト高を招く。しかも、前記供給機構は、設計段階、及び、製造段階で、予め室外機本体の内部に取り付けられるべきものであるから、コスト高の不具合が生じることとなり、一般家庭における節電対策として実効性に乏しいという問題がある。
これに対して、図1乃至図8を参照して説明した吸入空気冷却装置2、及び、これを用いたエアコン室外機によると、上述した問題を全て解決することができる。例えば、図1乃至図8の吸入空気冷却装置2を構成する冷却部4は、スポンジ状の保水部42が、基体部41に取り付けられている。換言すれば、保水部42は、基体部41によって支持されている。この構成によると、冷却効率の観点から、保水部42の形状や寸法を最適な構成に設定することができる。しかも、スポンジ状の保水部42が、基体部41に取り付けられているから、施工作業時の取り回しが容易になり、施工コストを低減することができる。
吸入空気冷却装置2の冷却効果は、保水部42における冷却水7の気化潜熱の結果として説明することができる。すなわち、保水部42が通気孔43を有する構成により、保水部42に冷却水7が供給されているとき、通気孔43を通る空気が、冷却水7の気化潜熱により冷却されることとなる。
ここで、図1乃至図8の吸入空気冷却装置2の特徴の一つは、保水部42に冷却水7を供給するための機構(供給経路)の構成にある。すなわち、図6及び図7を参照して説明したように、貯水槽3は、第1、第2の排水孔36、37を有しており、貯水槽3に冷却水7が貯水されている場合、冷却水7は、第1、第2の排水孔36、37から透水シート5に排出され、透水シート5上に落下した後、透水シート5の内部を通って保水部42に供給されることとなる。
上述した冷却水7の供給経路では、送水ポンプや複雑な制御装置、及び、それらの駆動電源などを用いることなく、かつ、貯水槽3に冷却水7が貯水されている限り、貯水槽3から保水部42へ、自動的に冷却水7を供給し続けることができる。従って、製造コスト、施工コスト、及び、維持管理コストを低減することが可能な吸入空気冷却装置2を提供することができる。
また、図6及び図7の供給経路では、貯水槽3から透水シート5を介して保水部42へ供給される。この構成によると、例えば、第1の排水孔36から排出された冷却水7は、毛細管現象により透水シート5の内部に広く染み渡ったあと、透水シート5と保水部42との接触部分を通じて保水部42に供給されることとなるから、第1の排水孔36の開設位置および開設数にかかわらず、保水部42に対し広く、かつ、均一な量の冷却水7を供給することができる。従って、保水部42における冷却水7の気化潜熱を均一に生じさせ、その結果、偏りのない冷却効果を生ぜしめることができる。
吸入空気冷却装置2を構成する貯水槽3、冷却部4、及び、透水シート5のそれぞれは、周知の基本的構成を有する室外機本体1と組み合わされるものであって、しかも室外機本体1を構成するハウジング10の外面(天面部13)に取り付けられるものであるから、既設のエアコン室外機に対して後付けして用いることが可能となる。従って、エアコン及び室外機本体を新しく買い換えることなく、現に使用している室外機本体1に追加して使用することにより、電気料金を低減することが可能な吸入空気冷却装置を提供することができる。
エアコン室外機において、吸入空気冷却装置2の冷却部4は、室外機本体1の吸気口12を覆っている。この構成によると、既に説明したとおり、保水部42における冷却水7の気化潜熱により、通気孔43を通る外気9が予め冷却され、冷却された外気9(吸入空気90)が、吸気口12を通じて熱交換器11に供給される。その結果、吸入空気90と熱交換器11との間で行われる熱交換の効率が改善され、その運転に伴う室外機本体1の電力消費量が低減される。従って、冷房時の電力消費量を節減することが可能な吸入空気冷却装置2、及び、これを用いたエアコン室外機を提供することができる。
透水シート5は、室外機本体1の天面部13に載置されているから、透水シート5に冷却水7が供給されているとき、透水シート5において生じる冷却水7の気化潜熱によって、室外機本体1が全体的に冷却され、熱交換器11の熱交換の効率が改善される。従って、冷房時の電力消費量を節減することが可能な吸入空気冷却装置2、及び、これを用いたエアコン室外機を提供することができる。
保水部42は、基体部41に取り付けられているから、吸気口12を覆うように冷却部4を取り付けたとしても、基体部41の重さや剛性によって、保水部42の設置姿勢が安定する。その結果、例えば、保水部42が吸気口12に吸い付いてしまう問題や、吸い付いた保水部42が吸引抵抗となり、必要な量の吸入空気90を熱交換器11に送風できなくなるという問題は生じない。従って、維持管理コストを低減することが可能なエアコン室外機を提供することができる。
図9の実施形態は、貯水槽3の底部33に傾斜面が形成されている以外は、図1乃至図8を参照して説明したエアコン室外機と同一の構成要件を有している。以下、相違点を中心に説明する。
図9の貯水槽3は、高さ方向Tでみた底部33の肉厚が、奥行き方向(T)の一方から他方に向かうに従って徐々に減少している。この構成により、底部33は、内面が奥行き方向(T)でみた一方から他方に傾斜する傾斜面を構成している。違う観点から説明すると、底部33の内面は、第2の排水孔37のある側面部(34)に向かって、高さが低くなる傾斜面となっている。
図1乃至図8を参照して説明したように、本発明に係る吸入空気冷却装置2は、室外機本体1に貯水槽3を取り付け、貯水槽3に貯水した冷却水7を少しづつ保水部42に供給することにより、日本古来の打ち水の原理、すなわち冷却水7の気化潜熱による熱交換現象を利用して室外機本体1および吸入空気90を冷やし、熱交換効率を向上させることにより相対的に熱交換器の駆動時間を減少させ、電気料金を節約する点に特徴がある。
図9の実施形態によっても、図1乃至図8を参照して説明した利点を全て有することができる。さらに図9の実施形態によると、冷却水7の貯水量によって決定される吸入空気冷却装置2の作動期間の終期において、冷却水7は、底部33の傾斜面に従って第2の排水孔37の側に集まるから、第2の排水孔37から行われる冷却水7の排水(散水)を長期間に渡って実行することができるとともに、限られた貯水空間300に貯水される冷却水7を効率的に使用することができる。
図10及び図11の実施形態は、支持台8を有する以外は、図1乃至図8を参照して説明したエアコン室外機と基本的に同一の構成要件を有している。以下、相違点を中心に説明する。図10及び図11のエアコン室外機を構成する吸入空気冷却装置2は、支持台8と、透水シート5と、貯水槽3と、冷却部4とを含む。
支持台8は、一方向に沿って高さが低くなる傾斜面80を有している。支持台8は、傾斜面80の最低端81が吸気口12の側を向く関係で、ハウジング10の上部の天面部13に載置されている。
貯水槽3は、底部33が傾斜面80上に配置され、配置された状態で、第2の排水孔37が設けられている側面部が、第2の排水孔37が設けられていない側面部よりも低い位置となるように傾斜している。図11に示すように貯水槽3の底部33は、傾斜面80の傾斜角度に沿って傾斜しており、貯水槽3は全体として天面部13及び地面(図示しない)に垂直に配置されている。
支持台8は、結合部(82)を有している。より詳細に説明すと、図10及び図11の支持台8は、一対の嵌合凸部82を有し、一対の嵌合凸部82は、奥行き方向Tでみた最低端81とは反対側の端縁付近において、傾斜面80から高さ方向Hに立ち上がっている。貯水槽3は、底部33に嵌合凸部82に対応する凹部を有し、傾斜面80上に配置された状態で、嵌合凸部82との凹凸嵌合により固定されている。この構成によると、傾斜面80上に安定して貯水槽3を載置することができる。
透水シート5は、多孔質材料でなり、折り曲がり部分を挟んで一端側の面領域が、第1の排水孔36と向かい合う関係で底部33の外面と傾斜面80との間に配置され、他端側の面領域が保水部42と接触している。
図10及び図11の実施形態は、端的に言えば、図9を参照して説明した底部33の傾斜面を、別部材として分離したものであるから、図1乃至図8を参照して説明した利点を全て有することができる。
加えて、図10及び図11のエアコン室外機において、支持台8は、傾斜面80の最低端81が吸気口12の側を向く関係で、天面部13に載置されている。この構成によると、保水部42に冷却水7を供給するための供給経路において、透水シート5における冷却水7の移動には、毛細管現象以外に、傾斜面80の高低差に基づく重力が働くから、冷却水7の移動効率が向上する。その結果、吸気口12に取り付けられた冷却部4に対して円滑に冷却水7が供給されるから、冷房時の電力消費量を節減することが可能なエアコン室外機を提供することができる。
図12は、図1乃至図11とは異なる冷却部4の実施形態を示すものである。以下、相違点を中心に説明する。図12の冷却部4は、ハニカム構造を有する板状体である。より詳細に説明すると、基体部41は、耐腐食性、耐候性、耐衝撃性などの観点から、アルミ、ステンレスなどの金属材料を主成分とする板状体に、パンチング加工することにより、面内に、正面から見て正六角形形状の貫通部46(貫通孔)が複数形成されている。
保水部42は、貫通部46の開口端縁を構成する基体部41を中心として、その周囲に一定の厚みで形成されており、その保水部42の表面によって区画された領域に通気孔43が形成されている。
図1乃至図11を参照して説明したように、冷却部4の特徴の一つは、基体部41が貫通部46を有し、この貫通部46の形状に沿って通気孔43が形成されている点にあるから、図12の実施形態によっても、図1乃至図11を参照して説明した利点を全て有することができる。さらに、図12の冷却部4は、ハニカム構造を有することにより、図1乃至図11とは異なり、通気孔43の周囲に設けられている保水部42が斜めに交差しているから、冷却部4が吊り下げられた状態で、上端縁に冷却水(7)が供給された場合、冷却水(7)が高さ方向Hおよび幅方向Wに沿って円滑に流動する。従って、冷却部4の冷却効率を向上させ、もって冷房時の電力消費量を節減することが可能なエアコン室外機を提供することができる。
図13及び図14は、図1乃至図12とは異なる冷却部4の実施形態を示すものである。以下、相違点を中心に説明する。
図13及び図14の冷却部4において、基体部41は図1乃至図11を参照して説明しものと同一の構造を有している。すなわち、基体部41は、内部に格子状部分を有する枠体であって、高さ方向Hに延びる縦格子部44と、幅方向Wに延びる横格子部45とを有し、縦格子部44と、横格子部45とによって囲まれた部分の内部に、厚み方向Tに貫通する貫通部46が形成されている。
保水部42は、多孔質構造を有するシート状体であって、厚み方向Tでみた基体部41の一面に取り付けられ、一面を覆っている。端的に表現すれば、冷却部4は、基体部41を桟とし、保水部42を障子紙とする、いわゆる障子状の構造を有している。通気孔43は、格子状に区画された貫通部46の内側に露出し、貫通部46を覆っている保水部42を厚み方向Tに貫通している。
図1乃至図12を参照して説明したように、吸入空気冷却装置2の冷却効果は、保水部42における冷却水7の気化潜熱の結果として説明されるものであるから、冷却部4を構成する通気孔43は、外気の通気路として、保水部42を貫通している構造であればよい。図13及び図14の実施形態によっても、図1乃至図12を参照して説明した利点を全て有することができる。さらに、図13及び図14の実施形態によれば、格子状の基体部41の一面にシート状の保水部42を取り付けるだけでよいから、製造コストを低減することができる。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。例えば、図13及び図14の実施形態において、厚み方向Tでみた基体部41の両面に保水部42を設けてもよいし、通気孔43の開口形状や口径も通気量を検討しながら適宜調節することができる。
また、本発明に係る吸入空気冷却装置2は、貯水槽3の底部33から透水シート5を介して保水部42に冷却水7を供給する供給経路に特徴の一つがある。従って、図3の貯水槽3の底部33を、例えば、透水性セラミックなど透水性を有する材料で構成した場合、底部33の全面から冷却水7を透水シート5に供給することができる。なお、上記構成では、第1の排水孔36が無いのではなく、底部33を構成する透水性セラミックの内部に第1の排水孔36が無数に存在していると考えるべきである。
さらに、図1乃至図14を参照して説明したように基体部41の主たる機能は、保水部42を支持すること、及び、通気孔43の元となる貫通部46を形作ることにある。この貫通部46は一面から他面に貫通していることこそが重要であり、例えば、貫通部46の開口形状は通気性や冷却効率、加工コストなどの観点から適宜設定することができる。ちがう言葉で表現すれば、基体部41の構造を表現する「格子状」と言う文言は、必ずしも「碁盤の目状」に限定されるものではなく、広く「二方向以上に交差する棒状部材の組み合わせで構築される構造」に解釈すべきことを念のため申し添える。
1 室外機本体
10 ハウジング
100 収納空間
11 熱交換器
12 吸気口
2 吸入空気冷却装置
3 貯水槽
300 貯水空間
33 底部
36 第1の排水孔
4 冷却部
41 基体部
42 保水部
43 通気孔
5 透水シート
8 支持台
80 傾斜面

Claims (5)

  1. 支持台と、貯水槽と、冷却部と、透水シートとを含むエアコン室外機用吸入空気冷却装置であって、
    前記支持台は、一方向に沿って高さが低くなる傾斜面を有し、前記傾斜面の最低端が室外機の吸気口の側を向く関係で、室外機の天面に取り付けられ、
    前記貯水槽は、貯水空間と、排水孔とを有し、前記透水シートを挟んで前記傾斜面上に配置され、
    前記排水孔は、前記貯水槽の底部に開口し、前記貯水空間に通じており、
    前記冷却部は、基体部と、保水部とを有し、室外機の吸気口の側に取り付けられ、
    前記保水部は、多孔質材料でなり、前記基体部に取り付けられ、通気孔を有しており、
    前記透水シートは、多孔質材料でなり、上面が前記排水孔と向かい合い、且つ、前記貯水槽の底部外面に直接接触する関係で前記傾斜面に載置され、一端側が前記傾斜面の最低端の側において前記保水部と接触する、
    吸入空気冷却装置。
  2. 請求項1に記載された前記吸入空気冷却装置であって、
    前記冷却部の前記基体部は、格子状体、又は、面内に複数の貫通孔を有する板状体である、
    吸入空気冷却装置。
  3. 請求項1に記載された前記吸入空気冷却装置であって、
    前記基体部は、格子状体であって、正面からみて高さ方向に延びる縦格子部と、前記高さ方向に交差する幅方向に延びる横格子部とを有しており、
    前記保水部は、前記縦格子部、及び、前記横格子部のぞれぞれを中心線材として、その周囲に形成されており、
    前記貯水槽は、前記傾斜面の最低端の側でみた側面に第2の排水孔を有しており、
    前記第2の排水孔は、高さ方向でみた前記縦格子部の延長線上に開口し、貯水空間に通じている、
    吸入空気冷却装置。
  4. 室外機本体と、吸入空気冷却装置とを含むエアコン室外機であって、
    前記室外機本体は、ハウジングと、熱交換器とを有しており、
    前記ハウジングは、収納空間と、前記収納空間に通じる吸気口とを有しており、
    前記熱交換器は、前記収納空間において、前記吸気口と向かい合う位置に収納されており、
    前記吸入空気冷却装置は、支持台と、貯水槽と、冷却部と、透水シートとを含み、
    前記支持台は、一方向に沿って高さが低くなる傾斜面を有し、前記傾斜面の最低端が前記吸気口の側を向く関係で、前記ハウジングの天面に取り付けられており、
    前記貯水槽は、貯水空間と、排水孔とを有し、前記透水シートを挟んで前記傾斜面上に配置されており、
    前記排水孔は、前記貯水槽の底部に開口し、前記貯水空間に通じており、
    前記冷却部は、基体部と、保水部とを有し、前記ハウジングにおいて吸気口の側に取り付けられており、
    前記保水部は、多孔質材料でなり、前記基体部に取り付けられ、通気孔を有しており、
    前記透水シートは、多孔質材料でなり、上面が前記排水孔と向かい合い、且つ、前記貯水槽の底部外面に直接接触する関係で前記傾斜面に沿って載置され、一端側が前記傾斜面の最低端の側において前記保水部と接触している、
    エアコン室外機。
  5. 請求項4に記載されたエアコン室外機であって、
    前記吸入空気冷却装置の前記基体部は、枠体であって、正面からみて高さ方向に延びる縦格子部と、前記高さ方向に交差する幅方向に延びる横格子部とを有しており、
    前記保水部は、前記縦格子部、及び、前記横格子部のぞれぞれを中心線材として、その周囲に一定の厚みで形成されており、
    前記貯水槽は、側面に第2の排水孔を有しており、
    前記第2の排水孔は、高さ方向でみた前記縦格子部の延長線上に開口し、貯水空間に通じている、
    エアコン室外機。
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