JP5019073B2 - 電動機 - Google Patents

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本発明は、ロータ内部に永久磁石が埋め込まれた磁石埋込型の電動機に関し、さらに詳しく言えば、永久磁石の磁束変化によって生じるゼロクロスを利用してロータの位置検出を行う電動機に関する。
圧縮機などに採用されている電動機は、より高効率化のためブラシレスDCモータが用いられている。従来、ブラシレスDCモータは、ロータの表面に貼り合わせた永久磁石をステンレスなどの金属管で覆ったSPM型(表面磁石貼付型)が用いられていたが、SPM型は、金属管で鉄損が発生するため、現在ではより効率のよいIPM型(磁石埋込型)が主流となっている(例えば特許文献1参照)。
IPM型モータは、永久磁石Mに同期して働くマグネットトルクと、永久磁石が埋め込まれたスリット部により生じる突極比により得られるリラクタンストルクとが相乗的に働くことで、より高効率駆動が可能である。
IPM型モータのロータは、隣接する磁極間に磁極面が周方向を向くように配置されており、これにより、永久磁石で発生する磁束を有効に利用して、磁石総量を減らしつつも、エネルギー変換効率をよくすることができる。
また、IPM型を含む永久磁石同期モータは、センサレスドライブが可能であり、これにより、角度センサが不要となるため、信頼性向上とコストダウンを達成することができる。
ロータの位置検出(センシング)をすることなく駆動させるためには、ロータとステータの相対的な電気角を正確に検出する必要がある。代表的なセンサレスドライブの方法としては、誘起電圧がゼロとなる点である「ゼロクロス」を検出する方法や、中性点電圧を利用する方法、dq回転座標モデルの推定誘起電圧を利用する方法などがある。
特開2005−27422号公報
しかしながら、誘起電圧のゼロクロスを検出してIPM型モータのロータ位置を検出する場合、誘起電圧波形がゼロクロス付近で波打つと誘起電圧のゼロクロスを正確に検出することができず、ロータ位置を誤検出するおそれがあった。
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、永久磁石の磁束変化によって生じる誘起電圧のゼロクロスの検出を高精度で行うことができる電動機を提供する。
上述した目的を達成するため、本発明は以下に示すいくつかの特徴を備えている。請求項1に記載の発明は、回転磁界を発生するステータと、内部に永久磁石が埋設され、上記ステータの内径側に同軸的に配置されるロータとを有し、上記ロータは、上記ロータの半径方向に対して直交するように配置され、内部に上記永久磁石が差し込まれる第1スロットと、上記第1スロットの両端から上記ロータの半径方向に沿って上記ロータの外周面に向かって配置される第2スロットとを有し、上記第2スロットの端部から上記ロータの外周面に沿って空隙部が設けられている磁石埋込型の電動機において、上記空隙部には、上記第2スロットの端部から上記ロータの外周面側に沿って上記ロータの円周方向に延在する第1空隙部と、上記第1空隙部の端部から上記ロータの外周面に沿って上記ロータの円周方向に配置される第2空隙部とが含まれているとともに、上記ステータのティース数が3n、上記ロータの磁極数が2n(nはともに自然数)であって、上記第2空隙部の磁極中側端部同士のなす角を電気角で約90°とし、上記第1空隙部と上記第2空隙部との間に第2橋絡部が設けられ、磁極両端側に設けられた上記第2橋絡部同士がロータ中心に対してなす角をαとしたとき、126°<α<144°(電気角)としたことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、回転磁界を発生するステータと、内部に永久磁石が埋設され、上記ステータの内径側に同軸的に配置されるロータとを有し、上記ロータは、上記ロータの半径方向に対して直交するように配置され、内部に上記永久磁石が差し込まれる第1スロットと、上記第1スロットの両端から上記ロータの半径方向に沿って上記ロータの外周面に向かって配置され、内部に永久磁石が差し込まれる第2スロットとを有し、上記第2スロットの端部から上記ロータの外周面に沿って空隙部が設けられている磁石埋込型の電動機において、上記空隙部には、上記第2スロットの端部から上記ロータの外周面側に沿って上記ロータの円周方向に延在する第1空隙部と、上記第1空隙部の端部から上記ロータの外周面に沿って上記ロータの円周方向に配置される第2空隙部とが含まれているとともに、上記ステータのティース数が3n、上記ロータの磁極数が2n(nはともに自然数)であって、上記第2空隙部の磁極中心側端部同士がロータ中心に対してなす角を電気角で約90°とし、第1空隙部と上記第2空隙部との間に第2橋絡部が設けられ、磁極両端側に設けられた第2橋絡部同士がロータ中心に対してなす角をαとしたとき、108°<α<144°(電気角)としたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、ロータの半径方向に対して直交するように配置され、内部に永久磁石が差し込まれる第1スロットと、第1スロットの両端からロータの半径方向に沿ってロータの外周面に向かって配置される第2スロットとを設け、第2スロットの端部からロータの外周面に沿って空隙部を設ける。これによれば、第2スロットを設けたことにより、永久磁石の磁束橋絡を防止でき、さらに第2空隙部の磁極中心側端部同士のなす角を電気角で90°としたことによりロータ表面の磁束波形に含まれる基本波成分を大きくすることができ、より高効率化できる。また、磁極両端側に設けられた第2橋絡部同士がロータ中心に対してなす角をαとしたとき、126°<α<144°(電気角)としたことで、第2空隙部を設けてもロータの誘起電圧波形がゼロクロスで波打つことが無くなり、ロータの位置を正確に検知することができる。
請求項2に記載の発明によれば、トルクアップを図るため、第1スロットに加えて、第2スロット内にも永久磁石を設けた電動機においては、磁極両端側に設けられた第2橋絡部同士がロータ中心に対してなす角αを108°<α<144°とすることにより、第2スロット内に永久磁石が差し込まれたロータの誘起電圧波形がゼロクロス付近で波打つことが無くなるため、ロータ位置を正確に検知することができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明は、この限りではない。図1は、本発明の一実施形態に係る電動機の断面図であり、図2はロータの拡大断面図であり、図3は、ロータの要部をさらに拡大した拡大断面図である。図4(a)〜(i)は、各実施例1〜9のロータの空隙部の形状を示す要部拡大断面図であり、図5(a)〜(i)は、第2スロットに永久磁石を挿入した状態の各実施例および比較例の電気角θmにおけるU相の鎖交磁束φμと誘起電圧Vμの関係を示すグラフである。
図6(a)〜(i)は、第2スロットに永久磁石を未挿入の場合における各実施例および比較例の電気角θmにおけるU相の鎖交磁束φμと誘起電圧Vμの関係を示すグラフである。図7(a)〜(c)は、比較例1の第2スロットに永久磁石を挿入した状態の各機械角における磁束線図であり、図8(a)〜(c)は、実施例3の第2スロットに永久磁石が未挿入の状態の各機械角における磁束線図であり、図9(a)〜(c)は、比較例1の第2スロットに永久磁石を挿入した状態の各機械角における磁束線図である。図10(a)〜(c)は、実施例1の第2スロットに永久磁石が未挿入の状態の各機械角における磁束線図である。
図1に示すように、この電動機1は、円筒状のステータ2と、同ステータ2の内径に沿って同軸的に配置されるロータ3とを備えたインナーロータ型の同期電動機であり、ロータ3の中心には、回転軸4が一体的に設けられている。
ステータ2は、9極のティース部21a〜21iを有し、それら各ティース部21a〜21iの外周に図示しないコイルが巻回されている。本発明において、ステータ2の具体的な構成は任意であり、同期電動機として機能するものであれば、その仕様は特に限定されない。
図2を併せて参照して、本発明に係るロータについて詳述する。ロータ3は、複数枚の電磁鋼板を回転軸4の軸線方向に沿って積層してなる円筒状を呈し、軸線方向に沿って貫通する第1スロット31a〜31fが6カ所設けられている。
第1スロット31a〜31fは、それぞれロータ3の半径方向に対して直交する長方形状であり、回転軸4を中心とする同心円上に各端部同士が互いに対向するように6角形状に配置されている。第1スロット31a〜31fには、永久磁石51a〜51fが差し込まれている。
ロータ3にはさらに、各第1スロット31a〜31fの端部からロータ3の外周側に延びる第2スロット32a〜32fが6カ所設けられている。第2スロット32a〜32fは、ロータ3の半径方向に沿って長方形状に形成された貫通孔からなり、その内部にも永久磁石52a〜52fが差し込まれて6極のロータとなる。
これにより、第1スロット31a〜31f内に差し込まれた永久磁石51a〜51fと、第2スロット32a〜32f内に差し込まれた永久磁石52a〜52fとが各磁極毎にそれぞれバスタブ状に形成されるように配置される。
永久磁石51a〜51f(52a〜52f)はともに同一形状の2枚の板状マグネットからなる。この板状マグネットは、ロータ回転軸と垂直な面による断面形状が長辺と短辺からなる長方形に形成されている。
永久磁石51a〜51fは、2枚の板状マグネットの短辺同士をロータ3の円周方向に隣接するように配置して構成される。また、永久磁石52a〜52fは、2枚の板状マグネットの長辺同士をロータ3の円周方向に隣接するように配置した上、ロータの半径方向に沿って所定角度の間隔で、この例では機械角60°間隔で配置されている。
これによれば、永久磁石51a〜51f(52a〜52f)が分割されていることにより、渦電流の発生が低減されるばかりでなく、長辺同士を隣接して配置することで、マグネットの厚みが大きくなり減磁しにくくなる。さらに、スロット形状毎に異なる形状のマグネットを用意する必要が無く、生産コストを抑えることができる。なお、本発明の永久磁石51a〜51f(52a〜52f)の具体的な材質や形状などは、これに限られず、適宜変更可能である。
この例において、第2スロット32a〜32fには、永久磁石52a〜52fがそれぞれ差し込まれているが、永久磁石52a〜52fを差し込まずに、第2スロット32a〜32fを空隙のままにしておき、フラックスバリアとしてもよい。
ロータ3には、各第2スロット32a〜32fの端部から円周方向に沿って第1空隙部33が形成されている。以下においては、図3を参照しながら、第2スロット32aの近傍に形成される第1空隙部33を例にとって説明する。
第1空隙部33は、第2スロット32aの先端側の側面から所定間隔の第1橋絡部35を挟んで配置されており、ロータ3の円周方向に沿って細長いスリット状に形成されている。第1空隙部33は、ロータ3の軸線方向に沿って貫通する貫通孔であり、磁束が通りにくい非磁性のフラックスバリアである。
第1空隙部32の先端側には、さらに所定間隔を第2橋絡部36を挟んで第2空隙部34が設けられている。第2空隙部34は、第1空隙部33と同じ曲率の円弧状に形成された貫通孔で、ロータ3の円周方向に沿って細長いスリット状に形成されている。第2空隙部34も磁束を通しにくい非磁性のフラックスバリアである。
ロータ3は、上述した構成を備えているため、ロータ磁極37の外周側において、第2空隙部34は周方向に対向するように配置されている。ここで、第2空隙部34のロータ磁極37中心の側端部同士がロータ回転軸に対してなす角は電気角で90°とされている。これにより、ロータ表面に発生する表面磁束に含まれる基本波成分が大きくなり、モータの効率を向上することができる。
なお、本実施例では、第1橋絡部35と第2橋絡部36の径方向の幅は、電磁鋼板の板厚の約1.5倍としている。しかし、この幅は、ロータ3に埋設された永久磁石5の磁束のN極側から出た磁力線がステータを介さずにロータ鉄心内で閉じる磁束の(回り込み)が多くならない程度において適宜設定可能であり、この幅に限定されない。
より好ましくは、第1橋絡部35と第2橋絡部36の径方向の幅と周方向の幅とは、径方向の幅よりも周方向の幅を大きく設計することが好ましい。このようにすると、電磁鋼板からロータコアを打ち抜く際に第1,第2空隙部35,36に挟まれる第2橋絡部34の強度をより高くすることができる。
次に、具体的な実施例を比較例とともに説明する。それぞれ実施例1〜5および比較例1〜4の各形状に打ち抜かれた電磁鋼板を軸線方向に沿って積層したのち、第1スロットに永久磁石を挿入してロータを作製する。実施例1〜5および比較例1〜4のロータをあらかじめ作製されたステータに同軸的に取り付け、各種駆動装置を組み込んで電動機を作製する。
図4(a)〜(i)に各実施例および比較例のロータの要部断面図を示す。以下に、実施例1〜5および比較例1〜4のロータの形状を示す。なお、ここでαは、ロータ磁極37の周方向の両側に設けられる第2橋絡部同士がロータ中心に対してなす角を表す。より具体的には、αは第2橋絡部と第1空隙部の接点同士がロータ中心に対してなす角を表す(図2参照)。
《実施例1》第2橋絡部:α=138°
《実施例2》第2橋絡部:α=132°
《実施例3》第2橋絡部:α=126°
《実施例4》第2橋絡部:α=120°
《実施例5》第2橋絡部:α=114°
〈比較例1〉第2橋絡部なし
〈比較例2〉第2橋絡部:α=144°
〈比較例3〉第2橋絡部:α=108°
〈比較例4〉第2橋絡部:α=102°
作製された電動機を駆動して、各実施例1〜5および比較例1〜4の電動機の第2スロット34に永久磁石を挿入した場合と、未挿入の場合の2パターン(合計18種類)の電動機の各電気角における電圧と鎖交磁束を計算する。第2スロット34に永久磁石を挿入した場合の計算結果を図5(a)〜(i)に示す。永久磁石が未挿入の場合の測定結果を図6(a)〜(i)に示す。
これによれば、第2スロット34に永久磁石を挿入した場合では、第2橋絡部同士のなす角αが比較例2,3よりも内側の範囲、すなわち実施例1(図4(a))〜実施例5(図4(e))の条件(108°<α<144°)でロータ磁極37とステータティース(U相)が正対する位置(θm=150°)におけるU相の鎖交磁束φμが正弦波形となり、綺麗なピークが表れる。
すなわち、φμは、ロータ磁極37とステータティース(U相)が正対する位置(θm=150°)前後では、単調増加、単調減少となる。したがって、鎖交磁束の変化量(dμ/dt)で表される誘起電圧Vμがゼロになる点(ゼロクロス)は、φμが最大となるθm=150°の1点だけとなる。これにより、誘起電圧波形がゼロクロス付近で波打たず、誘起電圧のゼロクロスを検知すれば、ロータ位置を検知できる。
また、第2スロット34に永久磁石が未挿入の場合では、第2橋絡部同士のなす角αが126°<α<144°の範囲、すなわち実施例1(図6(a))および実施例2(図6(b))の条件でロータ磁極37とステータティース(U相)が正対する位置(θm=150°)における鎖交磁束φμが正弦波となり、綺麗なピークが表れる。なお、第2スロットに永久磁石が未挿入の場合、前記αの範囲が小さくなる理由については後述する。
次に、図7〜図10を参照して、θm=150°前後における本発明の電動機の磁束線の流れについて検討する。図7(a)〜(c)は、比較例1の第2スロット34に永久磁石を差し込んだ状態における図7(b)に示すロータ磁極37とステータティースが正対する位置から電気角で±9°の位置(すなわち、θm=141°,150°,159°)の磁束線図である。
これによれば、θm=141°(図7(a))の位置において、ロータ磁極37を流れる磁束のうち、V相側の第2空隙部34の磁極中心側端部341近傍を流れる磁束の一部がV相に流れ込むが、W相側の第2空隙部34の磁極中心側端部341近傍を通る磁束は全てがU相に流れ込む。
次に、θm=150°(電気角0°:図7(b))の位置においては、V相側の第2空隙部34の磁極中心側端部341近傍を流れる磁束の一部は、θm=141°のときと同様にV相に流れ込むとともに、W相側の第2空隙部34の磁極中心側端部341近傍を流れる磁束の一部もW相に流れ込む。このため、U相に流れ込む磁束量が減少する。
次に、θm=159°(図7(c))の位置においては、V相側の第2空隙部34の磁極中心側端部341近傍を流れる磁束の全てがU相に流れ込むようになるが、W相側の第2空隙部34の磁極中心側端部341近傍を流れる磁束の一部は、θm=150°のときと同様に、W相に流れ込む。
したがって、θm=150°のときに、U相に流れ込む磁束量φμが小さくなり、正対位置でのφμのピークが表れない。φμのピークは、θm=150°の前後に表れるため、φμの変形量であるVμはθm=150°およびその前後での3点でゼロとなる。よって、誘起電圧がゼロとなる点を検知しても、誘起電圧波形が波打ち、ロータの位置が正確に検知できない。
一方、図8(a)〜(c)は、第3実施例(α=126°)の第2スロットに永久磁石を差し込んだ状態におけるロータ磁極37とステータティースが正対する位置から±9°(θm=141°,150°,159°)の磁束線図である。
これによれば、θm=141°(図8(a))の位置において、V相側の第2空隙部34の磁束中心側端部341近傍を通る磁束の一部と、第1空隙部33と第2空隙部の間の第2橋絡部35を流れる磁束はV相に流れる。同様にθm=159°(図8(c))においては、W相側の第2橋絡部34の磁極中心側端部341近傍を通る磁束の一部と、第2橋絡部35を流れる磁束は、W相に流れる。
これに対して、ロータ磁極37とステータティースが正対する位置(θm=150°:図9(b))においては、V相側とW相側の両方の第2空隙部34の磁極中心側端部341近傍を通る磁束が全てが対向する磁極面(U相)に流れ込み、隣接するW、V相に磁束が漏れることがない。したがって、θm=150°の1点で磁束量φμのピークが表れるので、誘起電圧のゼロクロスを検知すれば、ロータの位置を検知することができる。前記第3実施例の場合と同様に、第2スロットに永久磁石を差し込んだ場合は、第2橋絡部同士のなす角αが第1実施例から第5実施例の範囲でθm=150°の1点で磁束量のピークが表れ、誘起電圧のゼロクロスが1点となる。
図10(a)〜(c)は、実施例1(α=138°)の第2スロットに永久磁石を未挿入の状態におけるロータ磁極37と、U相が巻回されたステータティースが正対する位置から±9°の磁束線図である。そして、図10から分かるように、図10(b)、すなわちロータ磁極37とU相とが正対するときに、U相に流れ込む磁束量が最大となるので、θm=150°近傍での誘起電圧のゼロクロスを1点とすることができる。ここで、第2スロットに磁石を挿入しない場合に、誘起電圧波形が波打ちだし、αの範囲が狭くなる理由を以下に述べる。すなわち、第2スロット内に永久磁石が挿入されないときは、極間に磁石がないためロータ磁極37での磁束密度が「磁石あり」の場合と比べて低くなり、磁極中心側を磁束が通りやすくなる。
したがって、「磁石あり」の場合よりもθm=141°または159°の位置で、第2橋絡部を通ってV相、W相に通じる磁束を通りやすくしなければθm=150°の位置でφμがピークにならない。第2橋絡部を通ってV相やW相に磁束が流れやすくするには、第2橋絡部とV相、W相とを近づける必要がある。したがって、αの範囲が狭くなるのである。
本発明の電動機1は、空気調和機の圧縮機(コンプレッサ)用として設計されたものを例にとって説明しているが、上述した基本的な形態を備えていれば、これ以外の用途として用いてもよく、全体の大きさや形状などは、その仕様に応じて任意であってよい。また、本実施例では、ステータのスロット数を9、ロータの極数を6としたが、本発明はこれに限られず、スロット数/ロータ極数=3/2を満たす電動機に対して適用可能である。
本発明の一実施形態に係る電動機の断面図。 上記実施形態のロータの拡大断面図。 ロータの要部をさらに拡大した拡大断面図。 (a)〜(i)は、各実施例1〜5および比較例1〜4のロータの空隙部の形状を示す要部拡大断面図 (a)〜(i)第2スロットに永久磁石を挿入した状態の比較例1の電気角と電圧および鎖交磁束の関係を示すグラフ。 (a)〜(i)は、第2スロットに永久磁石を未挿入の場合における各実施例および比較例の電気角と電圧および鎖交磁束の関係を示すグラフ。 (a)〜(c)は、比較例1の第2スロットに永久磁石を挿入した状態の各機械角における磁束線図。 (a)〜(c)は、比較例1の第2スロットに永久磁石が未挿入の状態の各機械角における磁束線図。 (a)〜(c)は、実施例3の第2スロットに永久磁石を挿入した状態の各機械角における磁束線図。 (a)〜(c)は、実施例1の第2スロットに永久磁石が未挿入の状態の各機械角における磁束線図。
符号の説明
1 電動機
2 ステータ
21a〜21i ティース
3 ロータ
31a〜31i 第1スロット
32a〜32i 第2スロット
33 第1空隙部
34 第2空隙部
341 磁極中心側端部
35 第1橋絡部
36 第2橋絡部
37 ロータ磁極
4 回転軸
51a〜51i 永久磁石
52a〜52i 永久磁石

Claims (2)

  1. 回転磁界を発生するステータと、内部に永久磁石が埋設され、上記ステータの内径側に同軸的に配置されるロータとを有し、上記ロータは、上記ロータの半径方向に対して直交するように配置され、内部に上記永久磁石が差し込まれる第1スロットと、上記第1スロットの両端から上記ロータの半径方向に沿って上記ロータの外周面に向かって配置される第2スロットとを有し、上記第2スロットの端部から上記ロータの外周面に沿って空隙部が設けられている磁石埋込型の電動機において、
    上記空隙部には、上記第2スロットの端部から上記ロータの外周面側に沿って上記ロータの円周方向に延在する第1空隙部と、上記第1空隙部の端部から上記ロータの外周面に沿って上記ロータの円周方向に配置される第2空隙部とが含まれているとともに、
    上記ステータのティース数が3n、上記ロータの磁極数が2n(nはともに自然数)であって、上記第2空隙部の磁極中心側端部同士がロータ中心に対してなす角を電気角で約90°とし、
    上記第1空隙部と上記第2空隙部との間に第2橋絡部が設けられ、磁極両端側に設けられた上記第2橋絡部同士がロータ中心に対してなす角をαとしたとき、126°<α<144°(電気角)としたことを特徴とする電動機。
  2. 回転磁界を発生するステータと、内部に永久磁石が埋設され、上記ステータの内径側に同軸的に配置されるロータとを有し、上記ロータは、上記ロータの半径方向に対して直交するように配置され、内部に上記永久磁石が差し込まれる第1スロットと、上記第1スロットの両端から上記ロータの半径方向に沿って上記ロータの外周面に向かって配置され、内部に永久磁石が差し込まれる第2スロットとを有し、上記第2スロットの端部から上記ロータの外周面に沿って空隙部が設けられている磁石埋込型の電動機において、
    上記空隙部には、上記第2スロットの端部から上記ロータの外周面側に沿って上記ロータの円周方向に延在する第1空隙部と、上記第1空隙部の端部から上記ロータの外周面に沿って上記ロータの円周方向に配置される第2空隙部とが含まれているとともに、
    上記ステータのティース数が3n、上記ロータの磁極数が2n(nはともに自然数)であって、上記第2空隙部の磁極中心側端部同士がロータ中心に対してなす角を電気角で約90°とし、
    上記第1空隙部と上記第2空隙部との間に第2橋絡部が設けられ、磁極両端側に設けられた上記第2橋絡部同士がロータ中心に対してなす角をαとしたとき、108°<α<144°(電気角)としたことを特徴とする電動機。
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