JP5017821B2 - シンチレータ用単結晶及びその製造方法 - Google Patents

シンチレータ用単結晶及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シンチレータ用単結晶及びその製造方法に関するものである。より詳細には、医学診断用ポジトロンCT(PET)用、宇宙線観察用、地下資源探索用などの放射線医学、物理学、生理学、化学、鉱物学、更に石油探査などの分野でガンマ線などの放射線に対する単結晶シンチレーション検知器(シンチレータ)に用いられるシンチレータ用単結晶及びその製造方法に関するものである。
セリウムで付活したオルト珪酸ガドリニウム化合物のシンチレータは、蛍光減衰時間が短く、放射線吸収係数も大きいことから、ポジトロンCTなどの放射線検出器として実用化されている。このシンチレータの蛍光出力はBGOシンチレータのものよりは大きいが、NaI(Tl)シンチレータの蛍光出力と比較すると、その20%程度しかなく、この点で一層の改善が望まれている。
近年、一般的にLu2(1−x)Ce2xSiOで表されるセリウム付活オルト珪酸ルテチウムの単結晶を用いたシンチレータ(特許文献1、2参照)、及び一般的にGd2−(x+y)LnCeSiO(LnはLu又は希土類元素の一種)で表される化合物の単結晶を用いたシンチレータ(特許文献3、4参照)が知られている。これらのシンチレータでは、結晶の密度が向上しているだけでなく、セリウム付活オルト珪酸塩化合物の単結晶の蛍光出力が向上し、蛍光減衰時間も短くできることが知られている。
ところで、特定のセリウム付活珪酸塩単結晶を、酸素を含む雰囲気(例えば酸素濃度が0.2体積%以上である雰囲気)中で育成又は冷却した場合、あるいは酸素の少ない雰囲気で育成した場合、その後に、酸素を含む雰囲気中でその単結晶に対して高温の熱処理が施されると、結晶の着色、蛍光の吸収等により蛍光出力の低下を招くことが明らかになっている(特許文献5参照)。また、セリウム付活珪酸塩単結晶の育成では、単結晶の融点が高いために、Irるつぼを用いた高周波加熱によるチョクラルスキー法が一般的に行われている。しかし、Irるつぼは酸素を含む雰囲気中で高温に加熱すると蒸発してしまい、安定した結晶育成が困難になるという問題がある。
そこで、セリウム付活オルト珪酸ガドリニウム化合物の単結晶について、蛍光出力やエネルギー分解能等のシンチレーション特性を向上させる熱処理方法として、酸素の少ない雰囲気で、高温(単結晶の融点よりも50℃〜550℃低い温度)で熱処理する方法が特許文献5に開示されている。この文献によると、シンチレーション発光の阻害要因となる4価のCeイオンを3価に還元する作用によりシンチレーション特性が向上するとされている。
更に特許文献6には、ルテチウム(Lu)とセリウム(Ce)とを含む珪酸塩結晶をベースとするシンチレーション材料であって、酸素空格子点□を含み、その化学組成が下記一般式(8);
Lu1−yMe1−xCeSiO5−z (8)
[式(8)中、Aは、LuとGd、Sc、Y、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybからなるグループから選択された少なくとも1つの元素であり、Meは、H、Li、Be、B、C、N、Na、Mg、Al、P、S、Cl、K、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Rb、Sr、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、U、Thからなるグループから選択された少なくとも1つの元素である。]で表されるものが記載されている。特許文献6において、Luに置換するMeとしてHからThまでの50以上の元素が記載されているが、これらはシンチレーション素子の切削及び製造中の結晶のクラッキングを防止する効果、並びに導波路素子内で導波路特性を作り出すために効果があると記載されている。また、これらの中でも、酸化度+4、+5、+6(例えば、Zr、Sn、Hf、As、V、Nb、Sb、Ta、Mo、W、Th)を有するイオンが原試薬内に存在すると、あるいは、その必要な量をシンチレーション材料に追加すると、結晶のクラック防止に有効である他に、酸素副格子内の空格子点の形成を妨げる旨も記載されている。
酸化物シンチレータの蛍光出力を向上させる熱処理方法として、タングステン酸化合物の単結晶を、酸素を有する雰囲気において、当該結晶の融点未満でかつその融点より200℃低い温度以上の範囲の温度で加熱する方法が特許文献7に開示されている。この特許文献7には、タングステン酸化合物の単結晶は酸素空格子点が発生しやすい結晶であり、酸素を有する雰囲気において、当該結晶の融点近傍で加熱して酸素空格子点をなくすことにより蛍光出力が向上する旨、記載されている。
また、特許文献8には、Gd(2−x)CeMeSiO(xは0.003〜0.05、yは0.00005〜0.005であり、MeはMg、Ta及びZrからなる群から選ばれる元素、またはこれらの混合物である単結晶)において、Meで示される元素がCeイオンの3価から4価への価数変化を抑制することによって、着色がなく透明性の高い単結晶が得られる旨、開示されている。
特許第2852944号公報 米国特許第4958080号明細書 特公平7−78215号公報 米国特許第5264154号明細書 特許第2701577号公報 特表2001−524163号公報 特公昭64−6160号公報 特開2003−300795号公報
しかしながら、特許文献1〜4に開示されたセリウム付活オルト珪酸塩化合物の単結晶は、蛍光出力のバックグラウンドが高くなりやすいため、その蛍光特性について結晶インゴット内や結晶インゴット間でのばらつき、日間差でのばらつき及び紫外線を含む自然光照射下での経時変化等が発生しやすく、安定した蛍光出力特性が得られ難いという課題がある。
また、セリウム付活珪酸塩化合物の単結晶のうち、下記一般式(1);
2−(x+y)LnCeSiO (1)
[式(1)中、Lnは希土類元素に属する元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を示し、xは0以上2以下の数値を示し、yは0超0.2以下の数値を示す。]、下記一般式(2);
Gd2−(z+w)LnCeSiO (2)
[式(2)中、Lnは希土類元素に属する元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を示し、zは0超2以下の数値を示し、wは0超0.2以下の数値を示す。]、又は下記一般式(4);
Gd2−(r+s)LuCeSiO (4)
[式(4)中、rは0超2以下の数値を示し、sは0超0.2以下の数値を示す。]で表されるセリウム付活珪酸塩化合物の単結晶、特にLnとしてイオン半径がTbよりも小さいDy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y及びScからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を用いた単結晶(後述する一般式(3)で表されるセリウム付活オルト珪酸塩化合物の単結晶)の場合、酸素の少ない中性若しくは還元雰囲気又は真空中で単結晶を育成又は冷却したり、又は単結晶の育成後に酸素の少ない中性若しくは還元雰囲気又は真空中、高温で単結晶の加熱を行ったりすると、蛍光出力のバックグランドが上昇し、蛍光出力の低下や蛍光特性のばらつきが大きくなることが判明した。
さらには、特許文献5に開示された熱処理方法は、Gd2(1−x)Ce2xSiO(セリウム付活オルト珪酸ガドリニウム)の単結晶を対象とする場合は良好な結果が得られるが、上記一般式(1)で表されるセリウム付活珪酸塩化合物の単結晶、及び上記一般式(2)又は(4)で表されるセリウム付活珪酸ガドリニウム化合物の単結晶、特にLnとしてイオン半径がTbよりも小さいDy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y及びScからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を用いた単結晶を対象とする場合に、蛍光出力のバックグラウンドが増加してしまい、蛍光出力の低下や蛍光出力のばらつきが大きくなるというマイナスの効果を招くことがわかった。
また、本発明者らは、特許文献6における上記一般式(8)で表されたLu及びCeを含む珪酸塩単結晶は、Luを含有するオルト珪酸塩化合物単結晶であることに起因して、特に酸素欠損(酸素格子欠陥に相当)が発生しやすいことを見出した。また更にLu以外の希土類元素が、Tbよりもイオン半径の小さなDy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y又はScであるオルト珪酸塩化合物単結晶の方が、Tb又はそれよりもイオン半径の大きな希土類元素を用いたオルト珪酸塩化合物単結晶よりも、酸素欠損が発生しやすいことを見出した。そして、その系において特定の元素を添加することにより、結晶の割れを増加させることなく、酸素欠損の影響を低減できることを見出した。
更に本発明者らは、希土類珪酸塩単結晶の酸素欠損を低減する効果のある元素として特許文献6に記載されている価数4価、5価、6価の元素は、必ずしもその酸素欠損低減効果が十分ではなく、むしろそれらの元素を含む結晶インゴットは割れが増加することを見出した。また、特許文献6において、シンチレーション素子の切削及び製造中の結晶のクラッキングを防止する効果、並びに導波路素子内で導波路特性を作り出すために効果があると記載されているHからThまでの50以上の元素の多くは、酸素欠損の影響を低減するという効果は有していないものであることを見出した。
本発明者らは、上記一般式(1)、(2)若しくは(4)で表される特定のセリウム付活珪酸塩化合物の単結晶に、その結晶育成時の条件に相当する融点付近の高温、アルゴン雰囲気等の中性又は窒素雰囲気の環境で酸化物が安定して存在し得る周期表2族(IIa族)に属する元素(以下、単に「2族元素」ともいう。)を添加すると、より効果的にオルト珪酸塩化合物単結晶の酸素欠損の影響を低減できることを見出した。また、そのような2族元素を上記特定の単結晶に添加すると、酸素を微量含有する雰囲気中においてもCeイオンの価数変化を抑制できるため、その単結晶の育成中、あるいは育成後の熱処理の雰囲気の調整によって、更に酸素欠損の発生を低減できることも判明した。
また、セリウム付活珪酸塩単結晶を、特許文献7記載のように、その結晶の融点よりも200℃低い温度以上の温度で加熱すると、特許文献5に開示されているように、結晶の着色、蛍光の吸収等により蛍光出力が低下してしまう。よって、セリウム付活珪酸塩単結晶に対する、酸素を含む雰囲気における熱処理温度として、当該結晶の融点より200℃を超えて低い温度となる1000℃以下は、実用上不適とされている。
更に特許文献8は、上記一般式(1)、(2)又は(4)で表される組成とは異なる組成を有する単結晶に関するものであり、酸素欠損やバックグラウンドについて一切言及されていない。
そこで、本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、上記一般式(1)で表される組成をベース組成としたセリウム付活珪酸塩化合物の単結晶、特にLnとしてイオン半径がTbよりも小さいDy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y及びScからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を用いた単結晶であって、蛍光特性に十分優れたシンチレータ用単結晶及びその製造方法の提供を目的とする。
本発明は、下記一般式(1)で表されるセリウム付活珪酸塩化合物の単結晶であって、Ca及びMgからなる群より選択される1種以上の元素を上記単結晶の全質量に対して0.00005〜0.1質量%含有するシンチレータ用単結晶(ただし、Lu(2−s)(s−t−u)CeCaSiOで表され、tが0.001〜0.05であり、uが0.0001〜0.1であり、sは(u+t)〜1の範囲である結晶を除く。)を提供する。
2−(x+y)LuCeSiO (1)
ここで、式(1)中、xは0超2未満の数値を示し、yは0超0.2以下の数値を示し、2−(x+y)>0を満たす
本発明は、上記シンチレータ用単結晶の製造方法であって、Ca及びMgからなる群より選択される1種以上の元素が構成元素として含まれる原料を準備する工程を有するシンチレータ用単結晶の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記一般式(1で表される組成をベース組成としたセリウム付活珪酸塩化合物の単結晶、特にLnとしてイオン半径がTbよりも小さいDy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y及びScからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を用いた単結晶であって、蛍光特性に十分優れたシンチレータ用単結晶及びその製造方法を提供できる。
セリウム付活希土類オルト珪酸塩化合物の単結晶は、酸素を含有する雰囲気中で育成又は熱処理すると、発光中心である3価のセリウムイオンが4価に変化し、発光中心の減少及び結晶の着色による蛍光吸収の増加によって蛍光出力が低下することが知られている。この現象は、雰囲気中の酸素濃度が高いほど、また加熱温度が高いほど顕著になる傾向がある。
特定のセリウム付活希土類オルト珪酸塩化合物の単結晶では、酸素の少ない中性若しくは還元雰囲気又は真空中で育成又は冷却される、あるいは酸素の少ない中性若しくは還元雰囲気又は真空中で加熱されることによって、セリウムイオンが3価の状態で存在する。これによって、結晶の着色が十分に抑制され、着色による蛍光の吸収も十分に抑制されるため、高い蛍光出力が得られると考えられている。また、セリウム付活希土類オルト珪酸塩化合物の単結晶は、酸素を含有する雰囲気中で育成又は冷却されて、あるいは酸素を含有する雰囲気中で加熱されて蛍光出力が低下しても、その後に酸素の少ない雰囲気中で熱処理することによって、4価のセリウムイオンが3価に戻り、発光中心の増加及び結晶の着色低減に繋がる。これによって、単結晶における透過率が向上するために、蛍光出力が高くなることが知られている。この現象は、雰囲気中の酸素濃度が低いほど、加えて雰囲気中の水素等の還元性ガスの濃度が高いほど、また加熱温度が高いほど顕著になる傾向がある。
実際に、Gd2(1−x)Ce2xSiO(セリウム付活オルト珪酸ガドリニウム)の単結晶等について、上述の酸素の少ない雰囲気での結晶の育成及び高温での熱処理によって、良好な蛍光特性及び蛍光特性の改善効果が得られることが確認されている。例えば、セリウム付活オルト珪酸ガドリニウム化合物の単結晶の熱処理方法として、酸素の少ない雰囲気で、高温(単結晶の融点よりも50℃〜550℃低い温度)で熱処理する方法が特許文献5に開示されている。
しかしながら、上記一般式(1)で表されるセリウム付活珪酸塩化合物の単結晶では、特にLnとしてイオン半径がTbよりも小さいDy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y及びScからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を用いた単結晶の場合、上述の酸素の少ない中性若しくは還元雰囲気又は真空中での単結晶の育成又は冷却、あるいは酸素の少ない中性若しくは還元雰囲気又は真空中での熱処理により、蛍光出力のバックグラウンドが増加してしまい、蛍光出力のばらつきも大きくなるというマイナスの作用を招くことが判明した。この作用は、雰囲気中の酸素濃度が低いほど、加えて雰囲気中の水素等の還元性ガス濃度が高いほど、また加熱温度が高いほど顕著になる傾向がある。
この要因の一つとしては、上記単結晶では、酸素が少ない雰囲気中で育成又は熱処理することにより、結晶格子内に酸素欠損が発生することが考えられる。この酸素欠損欠陥によって、エネルギートラップ準位が形成され、その準位からの熱励起作用に起因して蛍光出力のバックグラウンドが増加し、蛍光出力のばらつきも増加すると考えられる。
上述のセリウム付活オルト珪酸塩化合物の単結晶における酸素欠損は、酸素を多く含む雰囲気中で単結晶を育成すれば、低減される傾向がある。しかしながら、酸素を多く含む雰囲気中での単結晶の育成により、セリウムイオンの価数が3価(Ce3+)から4価(Ce4+)に変化するため、発光波長の透過率が低下し、蛍光出力の低下を招く。また、これらのオルト珪酸塩単結晶は、融点が1600℃以上と非常に高いものが多い。オルト珪酸塩の単結晶は、一般にIrるつぼを使用した高周波加熱によるチョクラルスキー法により育成されるが、Irるつぼは1500℃以上の高温で酸素を含む雰囲気に晒すと、Irの蒸発が顕著になり、結晶育成に支障が出やすくなるという問題がある。これら二点の問題があるために、セリウム付活オルト珪酸塩単結晶は、酸素の少ない中性若しくは還元性の雰囲気で育成されることが多く、その結果、結晶育成段階において酸素欠損が発生しやすいという課題がある。
酸素欠損欠陥は、セリウム付活オルト珪酸塩において、結晶構造がC2/c構造になりやすい結晶組成において発生しやすい傾向にある。上記一般式(1)で表されるセリウム付活珪酸塩化合物の単結晶では、Lnとして、イオン半径がDyよりも大きな元素であるLa、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Ga及びTbからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を用いると、結晶構造がP2/c構造になりやすい。一方、Lnとして、イオン半径がTbよりも小さいDy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y及びScからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を用いると、結晶構造がC2/c構造になりやすい。このような結晶構造がC2/c構造になりやすい単結晶は、上述の蛍光出力のバックグラウンドの増加や蛍光出力のばらつきが発生しやすい。これは、付活剤であるCeのイオン半径とオルト珪酸塩化合物元素のイオン半径との差異が大きくなるほど、上記酸素欠損が発生しやすいことに起因していると考えられる。
実際に、上記一般式(3)で表されるセリウム付活珪酸ガドリニウム化合物単結晶の場合には、イオン半径の小さなLnの組成比率が高くなるにつれて、酸素欠損が発生しやすくなる傾向が認められる。上述の結晶組成に起因して塩酸素欠損の発生しやすいセリウム付活オルト珪酸化合物単結晶では、中性雰囲気や酸素を微量に含む中性雰囲気若しくは還元雰囲気中で加熱されることによっても、又はより低い温度で加熱されることによっても、酸素欠損が発生しやすくなると考えられる。
また、結晶構造がC2/c構造であるLu2(1−x)Ce2xSiO(セリウム付活オルト珪酸ルテチウム)単結晶においても、Ceイオンとのイオン半径差が大きいために、酸素欠損が発生しやすいと考えられる。
上述のセリウム付活オルト珪酸塩化合物の単結晶では、構成希土類元素のイオン半径とCeのイオン半径との差異が大きくなると、チョクラルスキー法による結晶育成時に、結晶融液から結晶内に取り込まれるCeの偏析係数が著しく小さくなる。このため、結晶インゴット内でCe濃度にばらつきを生じやすいことも、結晶の蛍光出力やバックグラウンドのばらつきの原因になり得ると考えられる。
本発明のシンチレータ用単結晶におけるCe濃度については、上記一般式(1)において、yは0よりも大きく0.2以下の値であり、0.0001〜0.02であることがより好ましく、0.0005〜0.005であることが最も好ましい。この数値が0の場合、付活剤であるCeが存在しないために、発光準位が形成されずに蛍光が得られなくなる。またこの数値が0.2よりも大きくても、結晶中に取り込まれるCe量が飽和しCe添加による効果が薄くなる上に、Ceの偏析等によるボイドや欠陥が発生し、蛍光特性を劣化させる傾向にある。
本発明者らは、酸素欠損の発生による蛍光出力の劣化を抑制して、蛍光出力を向上させる効果を有する添加剤について検討したところ、周期表2族に属する元素(以下、単に「2族元素」ともいう。)が有効であることを見出した。その中でも、上記一般式(1)において、イオン半径が希土類元素に近いMg及びCaからなる群より選ばれる1種以上の元素が特に有効であることが分かった。
本発明者らは、酸素欠損の発生による蛍光出力の劣化を抑制して、蛍光出力を向上させる効果を有する添加剤について検討したところ、結晶育成時の温度条件及び雰囲気において安定な酸化物として存在し得る元素が有効であることを見出した。そこで、オルト珪酸塩化合物の単結晶育成条件付近での元素の酸化状態について、化学反応及び平衡状態の計算ソフト(商品名「HSC Chemistry for Windows(登録商標): Chemical Reaction and EquilibriumSoftware with extensive Thermochemical Database」、Outokumpu社製)を用いて、元素M(M−N−O系)のダイヤグラムを計算した。この計算ソフトにより導出される、オルト珪酸塩化合物単結晶の融点温度付近である温度2000℃、1気圧の窒素雰囲気中で、還元されずに酸化物として安定して存在し得る臨界酸素分圧値が、結晶育成条件下での酸化物としての存在しやすさに対応すると考えられる。すなわち、上記結晶育成条件下における下記一般式(9);
M+xO → MO2x (9)
[式(9)中、Mは元素、xは係数を示す。]
で表される酸化反応におけるΔGの数値がマイナス側に大きい程、その条件下で酸化物として存在しやすいものと考えられる。上述の計算ソフトによる計算の結果、温度2000℃、1気圧の窒素雰囲気中で酸素分圧が1×10−14気圧付近以下まで酸化物として存在する1種以上の元素が、本発明において好適に用いられる元素として挙げられる。
温度2000℃、1気圧の窒素雰囲気下で、酸素分圧が1×10−12気圧〜1×10−14気圧の範囲まで安定な酸化物として存在する元素としては、希土類元素の他では、Ra、Zr、Hf、Mo、Al、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ga、Ta、Li及びSc等が挙げられる。さらには、酸素分圧が1×10−14気圧より低くても安定な酸化物として存在する元素は、希土類元素の他では、周期表2族(IIa族)に属するBe、Mg、Ca、Sr及びBaが挙げられる。2000℃付近の高温において超低酸素分圧まで酸化物として存在し得るこれらの元素は、酸素と反応しやすい元素であるために、単結晶中の酸素と結合して単結晶からの酸素イオンの脱離を抑制するとともに、育成雰囲気中の微量残留酸素と結合して酸素を単結晶中に取り込むと推定される。そのため、当該オルト珪酸塩化合物単結晶が、高温かつ低酸素濃度雰囲気中に曝された場合でも、酸素欠損の発生を抑制できると考えられる。また、2族元素が酸素とCeイオンとの反応を妨げることにより、Ceイオンの3価から4価への変化が抑制されると考えられる。これにより、単結晶の育成中において、あるいは育成後の熱処理において、雰囲気に微量の酸素を混合しても、Ceイオンの価数変化が生じ難くなるため、雰囲気中の酸素濃度の調整によっても酸素欠損の発生を低減することが可能になる。ただし、本発明における、2族元素による効果についての因果関係は、上述の作用によることに限定されるものではない。
本発明に係るオルト珪酸塩単結晶中における2族元素の濃度は、結晶の全質量に対して0.00005〜0.1質量%であり、0.0001〜0.05質量%であることがより好ましく、0.0005〜0.01質量%であることが最も好ましい。この濃度が0.00005質量%未満では、2族元素を添加したことによる効果が得られ難くなる。この濃度が0.1質量%よりも大きいと、2族元素の添加によって格子欠陥や結晶の歪みが増大し、多結晶や割れが増加して結晶育成が困難になったり、格子欠陥に起因する非発光準位の形成のために、蛍光出力が低下したりする傾向にある。
本発明に係るシンチレータ用単結晶の製造方法は、2族元素が構成元素として含まれる原料を用いる以外は、通常のオルト珪酸塩化合物単結晶の製造方法に準じてもよい。単結晶の原料を準備する際には、上述の2族元素を原料中に0.0002〜0.1質量%添加することが好ましい。添加された2族元素は、本発明に係るオルト珪酸塩化合物単結晶のベース結晶中の希土類元素とのイオン半径差が影響すると考えられる原料融液から結晶中への分散係数(偏析係数)に基づいて、その単結晶中に取り入れられる。この分散係数は1未満となるため、単結晶中に存在する2族元素の濃度は原料における添加量よりも小さくなる傾向にある。
また、オルト珪酸塩化合物単結晶中に存在する2族元素は、そのイオン半径が酸素欠損低減効果に影響すると考えられる。なお、後述するイオン半径は、広島大学の地球資源論研究室(Earth Resources Research)のホームページ(http://home.hiroshima-u.ac.jp/er/Min_G2.html、平成17年6月8日現在)から引用した(ShannonとPrewitt(1969,70)による経験的半径で、一部はShannon(1976)によるもの、Pauling(1960)またはAhrens(1952)による推定値をそのまま流用したもの)。
本発明に係るオルト珪酸塩化合物単結晶において2族元素は、LuやGd等の希土類元素位置又は格子間位置に存在すると考えられる。特にLu、Y、Gd等の希土類元素やSiの結晶格子位置に置換して存在する場合には、ベース結晶中の元素のイオン半径(Siで40pm、Luで98pm、Yで102pm、Gdで105pm)により近いイオン半径を有する元素の方が、希土類元素の格子位置を置換しやすいので、その蛍光出力の向上効果が大きいと考えられる。なお、1pm=0.01Åである。
2族元素として、Be(イオン半径:35pm)、Mg(イオン半径:72pm)、Ca(イオン半径:112pm)、Sr(イオン半径:125pm)、Ba(イオン半径:142pm)、Ra(イオン半径:148pm)は、この順でイオン半径が少しずつ大きくなる。これらのうち、ベース結晶のLu、Gd、Yに近いイオン半径を有するMg及び/又はCaをベース結晶に添加すると、本発明による蛍光特性の向上効果をより有効に発揮できる。特にLu、Gd、Yに最も近いイオン半径を有するCaをベース結晶に添加すると、結晶中に取り込まれやすく、本発明による蛍光特性の向上効果を極めて有効に発揮できる。
一方、希土類珪酸塩単結晶の酸素欠損を低減する効果のある添加元素として特許文献6に記載されている価数4価、5価、6価の元素は、上述の酸素の少ない高温での育成雰囲気中で酸化物として安定的に存在し難い。したがって、このような元素は、2族元素と比較して、より高い酸素分圧を有する環境下でしか酸化物として存在できず、酸素欠損を低減する効果及びCeイオンの価数変化を抑制する効果が十分ではなく、むしろ結晶インゴットの割れが増加することを、本発明者らは見出した。
本発明に係るセリウム付活オルト珪酸塩単結晶は、酸素の少ない中性若しくは還元雰囲気又は真空中で結晶の育成又は冷却を施された場合、酸素欠損密度が増加しやすくなるので、本発明の上記効果が更に有効に奏される。また、一般式(1)及び(2)で表される化合物の単結晶は、セリウムのイオン半径との差が大きく、イオン半径がTbよりも小さいDy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y及びScからなる群より選ばれる1種以上の元素のLnにおける比率が高く、また、C2/cの結晶構造になるものほど、本発明による効果を更に有効に奏することができる。
ここで、本発明の好適な実施形態に係るシンチレータ用単結晶の製造方法について説明する。このシンチレータ用単結晶の製造方法は、2族元素からなる群より選択される1種以上の元素が構成元素として含まれる原料を準備する原料準備工程と、準備した原料から単結晶を成長させる成長工程と、成長工程を経て得られる単結晶インゴットを所定の条件で加熱処理する加熱工程とを含む。
原料準備工程においては、ベース結晶の構成元素に2族元素を添加した混合物からなる原料を準備する。ベース結晶の構成元素は、酸化物(単独酸化物若しくは複合酸化物)又は炭酸塩等の塩(単塩若しくは複塩)の状態で準備され、その形態は、例えば固体粉末状である。2族元素は、単結晶原料の全量に対して0.0002〜0.1質量%添加することが好ましい。2族元素を添加するタイミングとしては、結晶の育成前であれば特に限定されない。よって、原料の秤量時に2族元素を添加混合してもよく、るつぼに原料を充填する際に2族元素を混合してもよい。また2族元素は、育成された単結晶中に含まれていれば添加時の態様は特に限定されず、例えば酸化物や炭酸塩の状態で原料中に添加されてもよい。
成長工程は、溶融法に基づき上述の準備した原料を溶融状態とした溶融液を得る溶融工程と、溶融液を冷却固化させることにより、単結晶インゴットを得る冷却固化工程とを更に有する。
上記溶融工程における溶融法はチョクラルスキー法であってもよい。この場合、図1に示す構成を有する引き上げ装置10を用いて溶融工程及び冷却固化工程における作業を行なうことが好ましい。
図1は本発明に係る単結晶を育成するための育成装置の基本構成の一例を示す模式断面図である。図1に示す引き上げ装置10は、高周波誘導加熱炉14を有している。この高周波誘導加熱炉14は先に述べた溶融工程及び冷却固化工程における作業を連続的に行うためのものである。
この高周波誘導加熱炉14は耐火性を有する側壁が筒状の有底容器であり、有底容器の形状自体は公知のチョクラルスキー法に基づく単結晶育成に使用されるものと同様である。この高周波誘導加熱炉14の底部の該側面には高周波誘導コイル15が巻回されている。そして、高周波誘導加熱炉14の内部の底面上には、るつぼ17(例えば、Ir製のるつぼ)が配置されている。このるつぼ17は、高周波誘導加熱ヒータを兼ねている。そして、るつぼ17中に、単結晶の原料を投入し、高周波誘導コイル15に高周波誘導をかけると、るつぼ17が加熱され、単結晶の構成材料からなる溶融液18(融液)が得られる。
また、高周波誘導加熱炉14の底部中央には、高周波誘導加熱炉14の内部から外部へ貫通する開口部(図示せず)が設けられている。そして、この開口部を通じて、高周波誘導加熱炉14の外部からるつぼ支持棒16が挿入されており、るつぼ支持棒16の先端はるつぼ17の底部に接続されている。このるつぼ支持棒16を回転させることにより、高周波誘導加熱炉14中において、るつぼ17を回転させることができる。開口部とるつぼ支持棒16との間には、パッキンなどによりシールされている。
次に、引き上げ装置10を用いたより具体的な製造方法について説明する。
先ず、溶融工程では、るつぼ17中に、単結晶の原料を投入し、高周波誘導コイル15に高周波誘導をかけることにより、単結晶の構成材料からなる溶融液18(融液)を得る。単結晶の原料としては、例えば、単結晶を構成する金属元素の単独酸化物及び/又は複合酸化物が挙げられる。市販のものとしては、信越化学社製、スタンフォードマテリアル社製、多摩化学社製等の純度の高いものを用いると好ましい。
次に、冷却固化工程において溶融液を冷却固化させることにより、円柱状の単結晶インゴット1を得る。より具体的には、後述する結晶育成工程と、冷却工程の2つの工程に分けて作業が進行する。
先ず、結晶育成工程では、高周波誘導加熱炉14の上部から、種子結晶2を下部先端に固定した引き上げ棒12を溶融液18中に投入し、次いで、引き上げ棒12を引き上げながら、単結晶インゴット1を形成する。このとき、結晶育成工程では、ヒータ13の加熱出力を調節し、溶融液18から引き上げられる単結晶インゴット1を、その断面が所定の直径となるまで育成する。
次に、冷却工程ではヒータの加熱出力を調節し、結晶育成工程後に得られる育成後の単結晶インゴット(図示せず)を冷却する。
次いで、加熱工程では、成長工程を経て得られた本発明に係るセリウム付活オルト珪酸塩単結晶のインゴットに対して、所定の条件で加熱処理を施す。この加熱処理は特願2005−253885号の明細書又は特願2005−251886号の明細書に記載したような加熱処理であってもよい。具体的には、酸素を含む雰囲気(例えば酸素濃度が100体積%の雰囲気、又は酸素濃度が1体積%以上100体積%未満であり窒素若しくは不活性ガスを含む雰囲気)中、例えば300℃〜1500℃、好ましくは500℃〜1500℃、より好ましくは700〜1300℃の加熱温度で単結晶を加熱してもよく、その後に加熱温度を維持した状態で、雰囲気を酸素の少ない雰囲気に置換して、加熱温度を上げて、下記式(5);
500≦T<(T−550) (5)
[式(5)中、T(単位:℃)は単結晶の融点を示す。]
で表される条件を満足する加熱温度T(単位:℃)で単結晶を更に加熱してもよい。
また、本発明に係るセリウム付活オルト珪酸塩単結晶を、酸素の少ない雰囲気(例えばアルゴン及び窒素の総濃度が80体積%以上、かつ酸素濃度が0.2体積%未満、必要に応じて水素ガスの濃度が0.5体積%以上の雰囲気)中、下記式(6);
800≦T<(T−550) (6)
[式(6)中、T(単位:℃)は単結晶の融点を示す。]
で表される条件を満足する加熱温度T(単位:℃)で加熱し、更にその後に雰囲気を上述の酸素を含む雰囲気に置換して、その雰囲気中、300℃〜1500℃の加熱温度で単結晶を加熱してもよい。
これらの加熱処理を施すことにより、単結晶中に形成された酸素欠損を更に低減可能となる。
また、成長工程を経て得られた本発明に係るセリウム付活オルト珪酸塩単結晶のインゴットを、酸素の少ない雰囲気(例えばアルゴン及び窒素の総濃度が80体積%以上であり、かつ酸素濃度が0.2体積%未満、必要に応じて水素ガスの濃度が0.5体積%以上の雰囲気)中、下記式(7);
800≦T<(Tm3−550) (7)
[式(7)中、Tm3(単位:℃)は単結晶の融点を示す。]
で表される条件を満足する温度T(単位:℃)で加熱してもよい。この加熱処理を施すことにより、結晶中の酸素欠損の増加を抑制すると同時に、Ce4+をCe3+により効率的に変化させることができる。
なお、本発明のシンチレータ用単結晶の製造方法において、上述した加熱工程は省略してもよい。
本発明は、上述のセリウム付活オルト珪酸塩単結晶の蛍光出力、蛍光出力のバックグラウンド、エネルギー分解能等のシンチレータ特性を改善する単結晶及びその製造方法に関するものである。セリウム付活オルト珪酸塩単結晶内のセリウムイオンの価数状態は蛍光出力に強く影響する。発光中心である3価のセリウムイオンの状態から、着色及び蛍光吸収を起こし非発光中心となる4価のセリウムイオンの状態への変化は、酸素を含む雰囲気中で加熱することにより生じる。そのため、単結晶の育成は酸素の少ない中性若しくは還元雰囲気又は真空中で行われる。しかしながら、そのような条件下での単結晶の育成により酸素欠損が単結晶中に発生する。単結晶中に発生する酸素欠損は、蛍光出力のバックグランド強度に影響を与え、蛍光の結晶インゴット内やインゴット間、日間差、更には紫外線を含む自然光照射下での経時変化等のばらつきを増大させる。この酸素欠損は、結晶の融点側に比較的近い高温での、しかも酸素の少ない雰囲気中での結晶育成及び/又は冷却により、あるいは熱処理により発生すると考えられる。本発明は、単結晶の育成条件に近い高温かつ酸素の少ない雰囲気中においても結晶中に安定して酸化物として存在する元素を含有させることによって、酸素欠損による影響が抑制され、蛍光出力特性を向上できることを見出し、それに基づいて完成されたものである。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
参考例1)
単結晶は公知のチョクラルスキー法に基づいて作製した。まず、直径50mm、高さ50mm、厚み2mmのIr製るつぼの中に、Gd2−(r+s)LuCeSiO(r=1.8、s=0.003)単結晶の原料として、酸化ガドリニウム(Gd、純度99.99質量%)、酸化ルテチウム(Lu、純度99.99質量%)、二酸化珪素(SiO、純度99.9999質量%)、酸化セリウム(CeO、純度99.99質量%)を所定の量論組成になるように混合したもの500g、並びに酸化マグネシウム(MgO、純度99.99質量%)0.01774g(Mgとして0.0035質量%に相当)を準備して投入した。次に、高周波誘導加熱炉で融点(約2050℃)まで加熱し融解して溶融液を得た。なお、融点は電子式光高温計(チノー製、パイロスタMODEL UR−U、商品名)により測定した。
次に、種子結晶を先端に固定した引き上げ棒の当該先端を溶融液中に入れ種付けを行った。次に、引上げ速度1.5mm/hの速度で単結晶インゴットを引上げてネック部を形成した。その後、コーン部の引上げを行い、直径が25mmφになった時点より、引上げ速度1mm/hで直胴部の引き上げを開始した。直胴部を育成した後、単結晶インゴットを融液から切り離し、冷却を開始した。結晶を育成する際は、育成炉内に流量4L/minのNガスを流し続けた。このとき、炉内の酸素濃度は、ジルコニアセンサ(東研製、ECOAZ−CG O ANALYZER、商品名)により測定し、50体積ppm以下であることを確認した。
冷却終了後、得られた単結晶を取り出した。得られた単結晶インゴットは、結晶質量が約250g、コーン部の長さが約30mm、直胴部の長さが約70mmであった。
得られた単結晶インゴットから4mm×6mm×20mmの矩形の結晶サンプルを複数切り出した。切り出した結晶サンプルに対し、リン酸を用いてケミカルエッチングを施し、結晶サンプルの全面を鏡面化した。
次いで、鏡面化した結晶サンプルから任意に2個の結晶サンプルを抜き出し、4mm×6mm×20mmの矩形の結晶サンプル6つの面のうちの4mm×6mm面の大きさを有する面の1つ(以下、「放射線入射面」という。)を除く残り5つの面に、反射材としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)テープを被覆した。次に、得られた各サンプルのPTFEテープを被覆していない上記放射線入射面を光電子増倍管(浜松ホトニクス社R878)のフォトマル面(光電変換面)に光学グリースを用いて固定した。次に、各サンプルに対して137Csを用いた662KeVのガンマ線を照射し、各サンプルのエネルギースペクトルを測定し、各サンプルの蛍光出力、エネルギー分解能及びバックグラウンドを評価した。エネルギースペクトルは光電子増倍管に1.45kVの電圧を印加した状態で、ダイノードからの信号を前置増幅器(ORTEC社製、商品名「113」)及び波形整形増幅器(ORTEC社製、商品名「570」)で増幅し、MCA(PGT社製、商品名「Quantum MCA4000」)で測定した。また、結晶インゴットの割れは、外観の目視により評価した。独立した(連続していない)割れが2本以下であり、かつ、インゴット長さ方向において、直径方向に割れのない部分の長さがインゴット全体の長さに対し70%以上である場合を「少ない」、独立した(連続していない)割れが3本以上ある場合、あるいは、インゴット長さ方向において、直径方向に割れのない部分の長さがインゴット全体の長さに対し70%未満である場合を「多い」と評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005017821
Figure 0005017821

参考例2)
酸化マグネシウム(MgO、純度99.99質量%)0.01774gを炭酸カルシウム(CaCO3、純度99.99質量%)0.0441g(Caとして0.0088質量%に相当)に代えた以外は参考例1と同様にした。
(実施例3)
Gd2−(r+s)LuCeSiO(r=1.8、s=0.003)をY2−(x+y)LuCeSiO(x=1.8、y=0.003)に代え、酸化ガドリニウム(Gd、純度99.99質量%)を酸化イットリウム(Y、純度99.99質量%)に代えた以外は実施例1と同様にした。
参考例4)
酸化マグネシウム(MgO、純度99.99質量%)0.01774gを酸化マグネシウム(MgO、純度99.99質量%)0.00443g(Mgとして0.00089質量%に相当)に代えた以外は参考例1と同様にした。
参考例5)
得られた単結晶インゴットから4mm×6mm×20mmの矩形の結晶サンプルを複数切り出すところまで、参考例1と同様にした。得られた結晶サンプルから任意に2個の結晶サンプルを抜き出し、白金板の上に載置して電気炉に投入した。次に、大気雰囲気中、約4時間かけて電気炉内を昇温し1200℃で12時間保持した後、約10時間かけて室温まで冷却した。続いてケミカルエッチング以降は参考例1と同様にした。
参考例6)
酸化マグネシウム(MgO、純度99.99質量%)0.01774gを酸化マグネシウム(MgO、純度99.99質量%)0.03549g(Mgとして0.0071質量%に相当)に代えた以外は参考例1と同様にした。
参考例7)
結晶を育成する際の育成炉内に、流量4L/minのNガスに加えて、流量10mL/minのOガスを流した以外は参考例2と同様にした。
参考例8)
炭酸カルシウム(CaCO、純度99.99質量%)0.0441gを炭酸カルシウム(CaCO、純度99.99質量%)0.0881g(Caとして0.0176質量%に相当)に代えた以外は参考例7と同様にした。
参考例9)
Gd2−(r+s)LuCeSiO(r=1.8、s=0.003)をGd2−(r+s)LuCeSiO(r=0.4、s=0.02)に代え、高周波誘導加熱炉での加熱温度を約2050℃からGd2−(r+s)LuCeSiO(r=0.4、s=0.02)の融点(約1980℃)に代えた以外は参考例2と同様にした。
参考例10)
結晶を育成する際の育成炉内に、流量4L/minのNガスに加えて、流量10mL/minのOガスを流した以外は参考例9と同様にした。
(比較例1)
酸化マグネシウムを用いない以外は参考例1と同様にした。
(比較例2)
酸化マグネシウム(MgO、純度99.99質量%)0.01774gを酸化マグネシウム(MgO、純度99.99質量%)0.00018g(Mgとして0.000035質量%に相当)に代えた以外は参考例1と同様にした。
(比較例3)
酸化マグネシウム(MgO、純度99.99質量%)0.01774gを炭酸ストロンチウム(SrCO、純度99.99質量%)0.6507g(Srとして0.130質量%に相当)に代えた以外は単結晶の冷却まで参考例1と同様にした。得られた単結晶は、コーン部と直胴部との間の部分(肩部)が一部多結晶化しており、割れが多数発生したため、矩形サンプルの切り出しはできなかった。
(比較例4)
酸化マグネシウム(MgO、純度99.99質量%)0.01774gを酸化タンタル(Ta、純度99.99質量%)0.2431g(Taとして0.0486質量%に相当)に代えた以外は参考例1と同様にした。
(比較例5)
炭酸カルシウム(CaCO、純度99.99質量%)0.0441gを酸化タングステン(WO、純度99.99質量%)0.2195g(Wとして0.0439質量%に相当)に代えた以外は参考例7と同様にした。
(比較例6)
結晶を育成する際の育成炉内に、流量4L/minのNガスに加えて、流量10mL/minのOガスを流した以外は比較例1と同様にした。
(比較例7)
炭酸カルシウムを用いない以外は参考例9と同様にした。
参考例2、実施例3、参考例4〜10及び比較例1〜7に係る結晶サンプルの蛍光出力、エネルギー分解能及びバックグラウンドの結果を参考例1と同様に表1、2に示す。なお、表2中「測定不可」とあるのはバックグラウンドが高かったため、蛍光出力及びエネルギー分解能を正確に測定できなかったことを意味する。
参考例1、2、実施例3、参考例4、6では、窒素雰囲気中で育成を行っても、結晶育成条件付近の2000℃における低酸素濃度領域で安定して酸化物を形成する2族元素を所定量添加した結晶は、蛍光出力のバックグラウンドが低下し、蛍光出力が向上した。これらの例うち、参考例4では、他の例参考例1、2、実施例3、参考例6)と比較して2族元素の濃度が低いため、バックグラウンドの低下及び蛍光出力の向上効果は、それらの例よりも小さかった。
参考例5では、参考例1の加工後の結晶サンプルに熱処理を行なうことによって、蛍光特性が更に向上した。これは、本発明に係る2族元素を添加した単結晶では、結晶育成中に発生する酸素欠損が低減したためと考えられる。また、大気中での熱処理によって、更に酸素欠損が低減されたことにより、蛍光特性が向上したと考えられる。
参考例7、8では、酸素を含む雰囲気中で育成を行っているが、結晶育成条件付近の2000℃における低酸素濃度領域で安定して酸化物を形成する2族元素を所定量添加した結晶は、蛍光出力も高く、バックグラウンドも低い良好な蛍光特性が得られている。これは、2族元素を所定量添加した結晶では、酸素を含む雰囲気中でもCeイオンの価数変化が抑制されたため、酸素欠損の発生が低減され、かつCeイオンの価数変化による蛍光出力の低下がないためと考えられる。
参考例9、10は、結晶構造においてLu濃度が低い単結晶である。参考例9では、結晶育成条件付近の2000℃における低酸素濃度領域で安定して酸化物を形成する2族元素を所定量添加することによって、蛍光出力及びバックグラウンド特性が改善されている。参考例10では、酸素を含む雰囲気中で育成を行っているが、参考例9とほぼ同様の蛍光特性が得られている。これは、2族元素を所定量添加した結晶では、酸素を含む雰囲気中でもCeイオンの価数変化が抑制されたため、酸素欠損の発生が更に低減され、かつCeイオンの価数変化による蛍光出力の低下がないためと考えられる。Lu濃度の低い単結晶では、結晶構造がやや不安定になる傾向があるために、結晶インゴットの割れが多くなった。よって、この結晶インゴットの割れは2族元素を添加した影響ではない。
また、比較例1では、2族元素を添加していないために、結晶育成中に酸素欠損が導入され、バックグラウンドが上昇して、蛍光特性のばらつきも大きかったと考えられる。また、比較例2の単結晶は2族元素を添加した結晶であるが、その添加量が少なすぎたために、所定の効果が得られていないと考えられる。比較例3の単結晶も2族元素を添加した結晶であるが、その添加量が多すぎたために、単結晶の歪が大きくなり、良好な単結晶育成が難しく、所定の効果が得られないものと考えられる。
比較例4、5では、5価及び6価の元素を添加したものであるが、酸素欠損の影響を低減する効果が低いために、バックグラウンドが十分に低減されていない。また、比較例5では、酸素を含む雰囲気中で結晶育成を行っているが、Ceイオンの価数変化が十分に抑制されていないため、蛍光出力も低下したと考えられる。
比較例6では、酸素を含む雰囲気中で育成を行っているため、酸素欠損発生によるバックグラウンドは低めだが、ベース結晶に元素を添加していないために、Ceイオンの価数が4価になり、蛍光出力が低下したと考えられる。
比較例7は、結晶構造においてLu濃度が低い単結晶であるが、2族元素を添加していないために、結晶育成中に酸素欠損が導入され、バックグラウンドが上昇したと考えられる。蛍光出力及び酸素欠損は、Lu組成比に依存するため、Lu濃度が高い比較例1に比べると蛍光出力が低い。しかしながら、酸素欠損が発生し難いために、バックグラウンドは低くなった。Lu濃度が低い単結晶では、結晶構造がやや不安定になる傾向があるために、ベース結晶に元素を添加しない場合でも、結晶インゴットの割れが多くなった。
単結晶を育成するための育成装置の基本構成の一例を示す模式断面図である。
符号の説明
1…単結晶、2…種子結晶、10…引き上げ装置、12…引き上げ棒、14…高周波誘導加熱炉、15…高周波誘導コイル、16…るつぼ支持棒、17…るつぼ、18…溶融液(融液)。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)で表されるセリウム付活珪酸塩化合物の単結晶であって、
    Ca及びMgからなる群より選ばれる1種以上の元素を前記単結晶の全質量に対して0.00005〜0.1質量%含有するシンチレータ用単結晶(ただし、Lu(2−s)(s−t−u)CeCaSiOで表され、tが0.001〜0.05であり、uが0.0001〜0.1であり、sは(u+t)〜1の範囲である結晶を除く。)。
    2−(x+y)LuCeSiO (1)
    [式(1)中、xは0超2未満の数値を示し、yは0超0.2以下の数値を示し、2−(x+y)>0を満たす。]
  2. 請求項1に記載のシンチレータ用単結晶の製造方法であって、Ca及びMgからなる群より選ばれる1種以上の元素が構成元素として含まれる原料を準備する工程を有する、シンチレータ用単結晶の製造方法。
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