JP4682718B2 - 無機シンチレータ - Google Patents

無機シンチレータ

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Description

本発明は、無機シンチレータに関するものである。
陽電子放出核種断層撮像装置(Positron Emission computed Tomography、以下「PET」という。)では、どのような特性あるいは仕様のシンチレータを採用するかが装置全体の性能を向上させる上で最も重要な要因の一つとなる。米国を中心にPET診断の保険適用が進みビジネス拡大が進む中、高性能なPET装置を得るために、優れたシンチレータの材料探索、実用化のための育成技術開発等が精力的に進められている。
最近ではPETの高性能化に伴い、TOF(Time Of Flight)型PETに注目が集まっている。TOF型PETでは、シンチレータに、高い時間分解能及び蛍光出力、速い立ち上がり時間、並びに短い蛍光減衰時間が要求される。
また、高エネルギ物理分野では、宇宙からの微量な高エネルギ粒子を検出する等の実験に使用するために、微量の高エネルギ粒子を効率よく検出できるシンチレータが求められている。
シンチレータとしては、例えば特許文献1に開示された単結晶シンチレータが挙げられる。この単結晶シンチレータは、一般式Gd2−(x+y)LnCeSiO(ここにLnはSc、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を表わし、xは0.03〜1.9及びyは0.001〜0.2の値である。)で示されるセリウム付活珪酸ガドリニウム化合物からなる。
特公平7−78215号公報
上述のように、シンチレータの特性を示す項目として、蛍光出力、エネルギ分解能、蛍光減衰時間等があり、これらの特性の更なる向上が望まれている。
しかしながら、特許文献1に記載のものを始めとする従来のシンチレータは上述の要求を満足するには未だ十分ではない。
そこで本発明は、上述の要求の中でも、特に、十分に高い蛍光出力を有する無機シンチレータを提供することを目的とする。
本発明者らの検討によると、特許文献1に記載のように窒素雰囲気下でシンチレータの結晶を育成すると、得られる結晶が着色して蛍光出力を低下させることが明らかになった。一方、酸素を多く含む大気雰囲気中などで結晶を育成しても、やはり結晶の着色により蛍光出力が低下する。
本発明は、放射線によりシンチレーションを起こすことが可能な結晶からなる無機シンチレータであって、セリウムを発光中心として含有し、酸素濃度が300体積ppm〜500体積ppmの雰囲気中で結晶を育成する育成工程を経て得られるものである無機シンチレータを提供する。
かかる無機シンチレータが、十分に高い蛍光出力を有する要因の一つとして下記のことが考えられる。発光中心となるセリウム(Ce)は、結晶中でCe3+として存在しており、一方でCe4+はCe3+の発光を吸収すると一般に考えられている。Ceを含む結晶育成時の雰囲気中の酸素濃度が非常に低く、300体積ppmを下回る場合は、結晶中の酸素欠陥の数が多くなることに起因として、Ce3+の発光が阻害されると推測される。一方、Ceを含む結晶育成時の雰囲気中の酸素濃度が非常に高く、500体積ppmを超える場合は、Ce4+の割合が増加し、Ce3+の発光を吸収すると考えられる。したがって、結晶育成時の雰囲気中の酸素濃度が300体積ppm〜500体積ppmであると、酸素欠陥又はCe4+によるCe3+の発光阻害が十分に抑制されるため、そのような雰囲気中での結晶育成を経て得られる本発明の無機シンチレータは、十分な蛍光出力を有すると推測される。
本発明の無機シンチレータは、更に優れたシンチレーション特性を得る観点から、下記一般式(1)で表される化学組成を有し、かつ、下記式(2)及び(3)で表される条件を同時に満足するものである。
Lu2xGd2(1−x)−ySiO:Ce (1)
0.05≦x≦0.4 (2)
0.001≦y≦0.02 (3)
なお、上記一般式(1)中、「:Ce」とはセリウムが発光中心として機能し得ることを示す。また、上記一般式(1)で表される化学組成は、CeGd2(1−x)−yLu2xSiOと表記することもできる。
本発明の無機シンチレータは単結晶であると、優れたシンチレーション特性がより確実に得られるので好ましい。
本発明によれば、特に、十分に高い蛍光出力を有する無機シンチレータを提供することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[シンチレータ]
本実施形態の無機シンチレータ(以下、単に「シンチレータ」という。)は、セリウムを発光中心として含有し、酸素濃度が300体積ppm〜500体積ppmの雰囲気中で結晶を育成する育成工程を経て得られるものである。
このシンチレータでは、従来のシンチレータに比べて、十分に高い蛍光出力が得られる。酸素濃度が300体積ppm未満の雰囲気下でシンチレータの結晶を育成すると、雰囲気中の酸素が非常に少ないために、結晶中の酸素欠陥が非常に多くなると考えられる。また、酸素濃度が500体積ppmを上回る雰囲気下でシンチレータの結晶を育成すると、雰囲気中の酸素による酸化作用で結晶中の4価のCe(Ce4+)が非常に多くなると考えられる。これら酸素欠陥及びCe4+はいずれも、発光中心として機能する3価のCe(Ce3+)の発光作用を阻害すると推測される。本実施形態のシンチレータは、Ce3+の発光作用を阻害するこれらの含有割合は十分に少ないため、蛍光出力が十分に高くなると考えられる。
同様の観点から雰囲気中の酸素濃度が350体積ppm〜450体積ppmであると好ましい。
上記シンチレータは、放射線によりシンチレーションを起こすことが可能なシンチレータである。放射線としては、例えば、原子又は分子等をイオン化させるのに十分なエネルギを有する粒子線(例えばα線、β線、γ線、X線等)が挙げられる。
また、上記シンチレータは、優れたシンチレーション特性が得られる結晶の状態であれば、単結晶でも多結晶でもよい。このシンチレータの結晶は、より良好なシンチレーション特性を得る観点から、単結晶であると好ましい。
上記シンチレータの母体材料(以下、「母材」という。)は、希土類元素と、金属酸化物とを含むことが好ましい。希土類元素としては、例えば、イットリウム(Y)、ルテチウム(Lu)、ガドリニウム(Gd)等が挙げられる。金属酸化物に含まれる金属元素としては、例えば、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、珪素(Si)等が挙げられる。なお、本明細書において、特に断らない限り、「金属元素」とはSiを含む概念とし、「希土類元素」にはCeを含まないものとする。このような母材としては、例えば、YTaO、YAl12、LuSiO、YSiO、GdSiOなどが挙げられる。
具体的には、母材は、希土類元素の珪酸塩(以下、「希土類珪酸塩」という。)であることが好ましい。希土類珪酸塩としては、例えばLuSiO、YSiO、GdSiOなどが挙げられる。希土類珪酸塩を母材として用いることにより、本実施形態の無機シンチレータは、大きな蛍光出力を有することができる。
これらの中で、母材は、希土類元素がGd、Lu又はYであるGdSiO(珪酸ガドリウム)、LuSiO5(珪酸ルテチウム)又はYSiO5、あるいはこれらの希土類元素が2種類以上混在したものであることが好ましい。希土類元素がGd又はYである場合、大きなサイズの単結晶を容易に形成できるという利点がある。また希土類元素がLuである場合、密度が高くなり、蛍光出力が高くなるという利点がある。これらは、用途や必要とする特性によって適宜選択可能である。
本実施形態のシンチレータは、Gd、Lu、Si、Ce及びOからなるものであり、下記一般式(1)で表される化学組成を有し、かつ、下記式(2)及び(3)で表される条件を同時に満足するものである。原因は明らかになっていないが、このようなGd、Luの系のシンチレータは、上述の酸素濃度による効果が一層顕著に現れ、更に優れたシンチレーション特性を得ることができる。
Lu2xGd2(1−x)−ySiO:Ce (1)
0.05≦x≦0.4 (2)
0.001≦y≦0.02 (3)
更に上記シンチレータが、上記一般式(1)で表される化学組成を有し、かつ、下記式(4)及び(5)で表される条件を同時に満たしていることがより好ましい。この場合、特に優れたシンチレーション特性が得られる。
0.2≦x≦0.3…(4)
0.015≦y≦0.02…(5)
本実施形態のシンチレータは、酸素欠陥をある程度有していてもよい。なお、上記一般式(1)には酸素欠陥が示されていないが、一般式(1)で表される化学組成を有するシンチレータが酸素欠陥を有していてもよい。
[シンチレータの製造方法]
次に、本発明のシンチレータに係る製造方法の好適な実施形態について説明する。
本実施形態のシンチレータの製造方法は、セリウムを発光中心とするシンチレータの製造方法であり、溶融法に基づきシンチレータの原料を溶融状態とした溶融液を得る溶融工程と、その溶融液に種結晶の少なくとも一部を浸漬し、種結晶を浸漬した溶融液を冷却固化させることにより、種結晶の所定の結晶面に沿って結晶を育成して単結晶インゴットを得る冷却固化工程と、単結晶インゴットを所望の形状及び大きさに切り出す切断工程とを有するものである。
本実施形態のシンチレータをより確実に得る観点から、上記溶融工程における溶融法はチョクラルスキー法であることが好ましい。更に、この場合、図1に示す構成を有する引き上げ装置10を用いて溶融工程及び冷却固化工程における作業を行なうことが好ましい。
図1は本実施形態のシンチレータを製造するための製造装置の基本構成の一例を示す模式断面図である。
図1に示す引き上げ装置10は、高周波誘導加熱炉(2ゾーン加熱育成炉)14を有している。この高周波誘導加熱炉14は先に述べた溶融工程及び冷却固化工程における作業を連続的に行うためのものである。
この高周波誘導加熱炉14は耐火性を有する側壁が筒状の有底容器であり、有底容器の形状自体は公知のチョクラルスキー法に基づく単結晶製造に使用されるものと同様である。この高周波誘導加熱炉14の底部の外側面には高周波誘導コイル15が巻回されている。そして、高周波誘導加熱炉14の内部の底面上には、るつぼ17(例えば、Ir(イリジウム)製のるつぼ)が配置されている。このるつぼ17は、高周波誘導加熱ヒータを兼ねている。そして、るつぼ17中に、シンチレータの原料を投入し、高周波誘導コイル15に高周波誘導をかけると、るつぼ17が加熱され、シンチレータの構成材料からなる溶融液18(融液)が得られる。
また、高周波誘導加熱炉14の溶融液18に接触しない上部内壁面には、ヒータ13(抵抗加熱ヒータ)が更に配置されている。このヒータはその加熱出力を高周波誘導コイル15に対して独立に制御することが可能となっている。
高周波誘導加熱炉14の底部中央には、高周波誘導加熱炉14の内部から外部へ貫通する開口部(図示せず)が設けられている。そして、この開口部を通じて、高周波誘導加熱炉14の外部からるつぼ支持棒16が挿入されており、るつぼ支持棒16の先端はるつぼ17の底部に接続されている。このるつぼ支持棒16を回転させることにより、高周波誘導加熱炉14中において、るつぼ17を回転させることができる。開口部とるつぼ支持棒16との間には、パッキンなどによりシールされている。
次に、引き上げ装置10を用いたより具体的な製造方法について説明する。
まず、溶融工程では、るつぼ17中に、シンチレータの単結晶の原料を投入し、高周波誘導コイル15に高周波誘導をかけることにより、シンチレータの構成材料からなる溶融液18(融液)を得る。単結晶の原料としては、例えば、単結晶を構成する希土類元素やSiの単独酸化物などを用いることができる。
次に、冷却固化工程において溶融液を冷却固化させることにより、断面円形状であって、ネック部1a、コーン部1b及び直胴部1dを有するシンチレータの単結晶インゴット1を得る。より具体的には、後述する育成工程と、冷却工程の2つの工程に分けて作業が進行する。
まず、育成工程では、高周波誘導加熱炉14の上部から、種結晶2を下部先端に固定した引き上げ棒12を溶融液18中に浸漬し、次いで、引き上げ棒12を引き上げながら、無機シンチレータの単結晶インゴット1を形成する。このとき、育成工程では、ヒータ13の加熱出力を調節し、溶融液18から引き上げられる無機シンチレータの単結晶インゴット1を、その断面が所定の直径となるまで育成する。
特定の空間群に属する単結晶をより確実に得るためには、単結晶インゴット1の核となる種結晶は、その特定の空間群に属する単結晶であると好ましい。また、所望のシンチレータをより確実に得るためには、種結晶がシンチレータの母材と同じ化学組成を有するものであると好ましい。具体的には、母材が希土類珪酸塩である場合は、種結晶が希土類珪酸塩単結晶であることが好ましく、母材が珪酸ガドリウムである場合は、種結晶が珪酸ガドリウム単結晶であることが好ましい。さらには、母材がLu2xGd2(1−x)−ySiOである場合は、種結晶がLu2xGd2(1−x)−ySiO単結晶であることが好ましい。
育成工程において、高周波誘導加熱炉14内の気相(雰囲気)は、酸素濃度が300体積ppm〜500体積ppmであり、より好ましくは、350体積ppm〜450体積ppmである。高周波誘導加熱炉14内がこのような雰囲気であることにより、着色が十分に抑制され、十分な蛍光出力を示すシンチレータが形成可能なる。高周波誘導加熱炉14内の雰囲気に含まれる酸素以外のガスは、窒素ガスあるいはAr又はHeなどの希ガス等、不活性ガスであると、所望のシンチレーション特性を有するシンチレータを一層容易に得ることができるので好ましい。
次に、冷却工程ではヒータの加熱出力を調節し、育成工程後に得られる育成後の単結晶インゴット(図示せず)を冷却する。冷却工程における高周波誘導加熱炉14内の雰囲気は、特に限定されないが、育成工程時と同様の観点から、酸素濃度が300体積ppm〜500体積ppmであると好ましく、350体積ppm〜450体積ppmであるとより好ましい。
次に、切断工程において、シンチレータの単結晶インゴット1を、所望の形状及び大きさに切り出し、シンチレータの単結晶を得る。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。別の実施形態において、シンチレータが、結晶ではなく、アモルファス又は準結晶であってもよく、結晶、準結晶及びアモルファスのうちの2種が混在した状態であってもよい。ただし、これらの状態は、シンチレータが結晶である場合と比較して、シンチレーション特性が低い。また、本発明のシンチレータが多結晶である場合、従来の多結晶シンチレータと同様に、ゾル−ゲル法などの製造方法により得ることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すものと同様の形状を有し、直径110mm、高さ110mm、厚み3mmのIr製るつぼの中に、Lu2xGd2(1−x)−ySiO:Ce(x=0.2、y=0.02)の原料として、酸化ガドリニウム(Gd、純度99.99質量%)3600.64g、酸化ルテチウム(Lu、純度99.99質量%)1000.64g、二酸化ケイ素(SiO、純度99.99質量%)755.44g、酸化セリウム(CeO、純度99.99質量%)43.28gをそれぞれ投入し、これらの混合物5400gを得た。次に、高周波誘導加熱炉で1950℃以上に加熱し融解して溶融液を得た。
次に、種結晶を先端に固定した引き上げ棒の当該先端を溶融液中に入れ種付けを行った。種結晶として、通常の結晶育成法で得られたLuとGdとCeとSiとを含む金属酸化物からなる単結晶を切り出したものを用いた。
次いで、単結晶の育成を開始し、引上げ速度1.5〜2mm/hの速度で単結晶インゴットを引き上げてネック部を形成した。その後、コーン部(直胴部)の引上げを行い、直径が60mmφになった時点より、直胴部の引き上げを開始した。直胴部を育成した後、単結晶インゴットを融液から切り離し、冷却を開始した。冷却終了後、得られた単結晶を取り出した。単結晶の育成開始から冷却終了までの間、高周波誘導加熱炉内の雰囲気は酸素及び窒素の混合雰囲気であり、酸素濃度をジルコニアセンサ(東研社製、商品名「ECOAZ−CG O ANALYZER」)により測定したところ、430体積ppmであった。得られた単結晶インゴットは、結晶質量が約3500g、コーン部の長さが約40mm、直胴部の長さが約170mmであった。
得られた単結晶は、まずコーン部と直胴部との間を切断し、次いで直胴部を20mm間隔で輪切りに切断した。次に、輪切りにした各直胴部から、4mm×6mm×20mmの大きさを有する略直方体のサンプル(シンチレータの単結晶)を複数個切り出した。切り出しには内周刃切断機を用い、内周刃切断機の刃は、#325〜400の天然ダイヤモンドを電着したものを用いた。
複数個のサンプルのうち、3個を抜き出し、それらのサンプル(略直方体)の6つの面のうちの4mm×6mmの大きさを有する面(以下、「放射線入射面」という。)の1つを除く残り5つの面に、反射材としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)テープを被覆した。次に、それらのサンプルをそれぞれ、PTFEテープを被覆していない上記放射線入射面を浜松ホトニクス社製光電子増倍管(H1949、商品名)のフォトマル面(光電変換面)に対向させるようにして、光学グリースを用いて固定し、実施例1〜12の無機シンチレータとした。そして、それらのサンプルに対して137Csを用いた662KeVの放射線を照射し、そのエネルギスペクトルをテクトロニクス社製デジタルオシロスコープ(TDS3052、商品名)を用いて測定し蛍光出力を導出した。結果を表1に示す。なお蛍光出力は抜き出したサンプルの平均値である。
Figure 0004682718

(比較例1〜4)
単結晶の育成開始から冷却終了までの間において高周波誘導加熱炉内の雰囲気の酸素濃度を、表1に示すように代えた以外は実施例1と同様にした。蛍光出力の結果を表1に示す。なお、比較例2のシンチレータについては2個のサンプルを用いた。
本発明のシンチレータは、例えば、PETに搭載されるシンチレータ、石油探査等の地下探査用シンチレータ、高エネルギ物理研究用シンチレータ等として好適に利用される。
本実施形態のシンチレータの製造に好適に用いられるシンチレータ製造装置の基本構成の一例を示す模式断面図である。 1…単結晶インゴット、2…種結晶、10…引き上げ装置、12…引き上げ棒、13…抵抗加熱ヒータ、14…高周波誘導加熱炉(2ゾーン加熱育成炉)、15…高周波誘導コイル、16…るつぼ支持棒、17…るつぼ、18…溶融液(融液)。

Claims (2)

  1. 放射線によりシンチレーションを起こすことが可能な結晶からなる無機シンチレータであって、
    セリウムを発光中心として含有し、
    酸素濃度が300体積ppm〜500体積ppmの雰囲気中で結晶を育成する育成工程を経て得られるものであり、
    下記一般式(1)で表される化学組成を有し、かつ、下記式(2)及び(3)で表される条件を同時に満足するものである、
    無機シンチレータ。
    Lu 2x Gd 2(1−x)−y SiO :Ce (1)
    0.05≦x≦0.4 (2)
    0.001≦y≦0.02 (3
  2. 前記結晶は単結晶である、請求項1に記載の無機シンチレータ。
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