JP4639711B2 - 無機シンチレータ及びその製造方法 - Google Patents

無機シンチレータ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4639711B2
JP4639711B2 JP2004268604A JP2004268604A JP4639711B2 JP 4639711 B2 JP4639711 B2 JP 4639711B2 JP 2004268604 A JP2004268604 A JP 2004268604A JP 2004268604 A JP2004268604 A JP 2004268604A JP 4639711 B2 JP4639711 B2 JP 4639711B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inorganic scintillator
crystal
single crystal
scintillator
inorganic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004268604A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006083272A (ja
Inventor
成宜 清水
和央 蔵重
達也 碓井
直明 志村
浩之 石橋
圭二 住谷
憲三 須佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd, Showa Denko Materials Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2004268604A priority Critical patent/JP4639711B2/ja
Priority to US11/220,743 priority patent/US7282718B2/en
Publication of JP2006083272A publication Critical patent/JP2006083272A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4639711B2 publication Critical patent/JP4639711B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K4/00Conversion screens for the conversion of the spatial distribution of X-rays or particle radiation into visible images, e.g. fluoroscopic screens
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • C09K11/77Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals
    • C09K11/7766Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals containing two or more rare earth metals
    • C09K11/77742Silicates

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Description

本発明は、無機シンチレータ及びその製造方法に関するものである。
陽電子放出核種断層撮像装置(Positron Emission computed Tomography、以下、「PET」という。)には、放射性薬剤を投与された被検体から放出される511keVのγ線を高効率で検出するため、大量のシンチレータが搭載されている。PETに搭載されるシンチレータの光学特性(波長変換特性等)は装置全体の撮像性能に与える影響が極めて大きいため、シンチレータの光学特性を向上させることが装置全体の撮像性能を向上させる上で最も重要なポイントの一つとなっている。そのため、優れた光学特性を有するシンチレータを構成可能なシンチレータ材料の探索や、そのシンチレータを実用化するための結晶育成技術等の製造技術の開発が精力的に進められている。
また、高エネルギ物理の分野では、宇宙から地球に飛来する微量な高エネルギ粒子を検出し、分析するため等の実験に使用するために、微量な高エネルギ粒子を効率よく検出できるシンチレータの実用化が求められている。
PETに搭載されるシンチレータとしては、出力される蛍光パルス強度の時間積分値(以下、「蛍光出力」という。)が大きいもの、蛍光立ち上がり時間及び蛍光減衰時間が短いもの、エネルギ分解能が高いもの、密度が高いもの等が求められている。特に、PETを用いた検査の対象となる被検体から放出されるγ線を高効率で検出するためには、蛍光出力の大きなシンチレータが望まれている。また、被検体の負担を軽減する観点から、被検体当たりの検査時間を短くする必要があり、そのためには蛍光減衰時間の短いシンチレータが求められている。
ここで、シンチレータに放射線パルスを入射した際に出力される蛍光パルスの強度の経時変化について説明する。図1は、その蛍光パルスの強度の典型的な経時変化を模式的に示すグラフである。蛍光パルスは、その強度の極大値Imaxまで比較的急峻に立ち上がり、その後、徐々に減衰していく。本明細書において、「蛍光出力」とは、蛍光パルス強度(蛍光強度)がImaxを示す時点(tmax)から蛍光が認められなくなる時点までの蛍光パルス強度の時間積分値(図1中、斜線で示した部分)をいう。また、「蛍光減衰時間」とは、出力される蛍光パルスの立ち上がる段階における蛍光パルス強度の極大値(Imax)から、Imax/e(eは自然対数の底を表す。)になるまでに要する時間をいう。
現在、PETに用いられているシンチレータとしては無機材料からなる無機シンチレータが採用されており、例えば、母体材料として、BiGe12を用いたもの(以下「BGO」という。)、GdSiOを用いたもの(以下「GSO」という。)、LuSiOを用いたもの(以下「LSO」という。)が挙げられる。BGOはGE Healthcare社製のPET(商品名「Discovery」)に採用され、GSOはPhilips Medical Systems社製のPET(商品名「ALLEGRO」)に採用され、LSOはSiemens社製のPET(商品名「ECAT ACCEL」)に採用されている。
これらの無機シンチレータの発光特性のうち、放射線パルスがそのシンチレータに入射した際に生ずる蛍光の蛍光出力は、BGOについて相対値で1.0とすると、GSOについては2.0、LSOについては4.0である。また蛍光減衰時間は、BGOについては約300ナノ秒、GSOについては約60ナノ秒、LSOについては約40ナノ秒である。これらの無機シンチレータのうち発光特性に優れるGSOとLSOは、希土類元素を含有する上述の金属酸化物からなる母体材料に、発光中心としてCeが添加された構造を有している。
希土類元素を含有する金属酸化物からなる母体材料に発光中心としてCeを添加した構造を有する無機シンチレータのうち、母体材料としてGdを含有する金属酸化物を用いた無機シンチレータは、異なる蛍光減衰時間を示す2つ以上の蛍光成分を有する傾向がある、ということが知られている(例えば非特許文献1及び非特許文献2参照。)。さらに、それらの蛍光成分の蛍光減衰時間は、シンチレータに含有されるCeの総数を希土類元素の総数で割った値(以下、「Ceの含有割合」という。)が高くなると、短くなる傾向にある、ということが明らかになっている(例えば特許文献1参照。)。
ここで、無機シンチレータが蛍光減衰時間の異なる2種類の蛍光成分を有する場合において、それぞれの蛍光成分を分離する方法を説明する。
出力される蛍光パルスが上述のような蛍光減衰時間の異なる2種類の蛍光成分を含む場合、蛍光強度Iは、下記式(A)で表される。
Figure 0004639711
式(A)中、Iは蛍光強度、aは変数、tmaxは蛍光強度がImaxになる時点、tはtmaxから経過した時間、τ1は長い方の蛍光減衰時間、τ2は短い方の蛍光減衰時間をそれぞれ示す。なお、Imaxは上述と同様のものを示す。
この式(A)中、下記式(B)で示される項は蛍光減衰時間の長い蛍光成分の時間tにおける蛍光強度Iであり、下記式(C)で表される項は蛍光減衰時間の短い蛍光成分の時間tにおける蛍光強度Iである。これらの式より、蛍光減衰時間の長い蛍光成分の蛍光出力I1in及び蛍光減衰時間の短い蛍光成分の蛍光出力I2inは、それぞれ下記式(D)及び(E)で表される。
Figure 0004639711
Figure 0004639711
Figure 0004639711
Figure 0004639711
図2は、蛍光減衰時間の異なる2種類の蛍光成分を含む蛍光パルスの強度の典型的な経時変化を模式的に示すグラフである。一点鎖線(b)で表される曲線は蛍光強度Iの経時変化を示しており、二点鎖線(c)で表される曲線は蛍光強度Iの経時変化を示し、実線(a)で表される曲線は蛍光強度Iの経時変化を示している。
得られた蛍光パルスの波形(図2の実線(a))を上記式(A)を用いてフィッティングすることにより、それぞれの蛍光成分に分離できる。この際、フィッティングは最小二乗法を用いて、a、τ1及びτ2を最適化することにより行われる。
上述より、母体材料としてGdを含有する金属酸化物を用いた無機シンチレータの蛍光減衰時間を短くするには、Ceの含有割合を高くすればよいことになる。一方で、例えば非特許文献3には、そのような無機シンチレータにおけるCeの含有割合が高くなるほど、無機シンチレータからの蛍光出力が減少する傾向にある旨記載されている。
特開昭64−65482号公報 IEEE Transactions Nuclear Science,Vol.37,No.2(1990)161 Journal of Physics:Condensed Matter 7(1995)3063 Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A404(1998)283
上述したように、シンチレータの発光特性としては、蛍光出力の大きいものや蛍光減衰時間の短いものが求められている。しかしながら、特許文献1及び3の記載から明らかなように、上記構造を有する無機シンチレータについて、Ceの含有割合の調整のみでは、それらの発光特性を同時に満足することは明らかに困難である。本発明者らが、上述の構造を有する従来の無機シンチレータについて、上記文献以外についても詳細に検討したところ、上記構造を有する無機シンチレータのうち、蛍光出力が十分に大きく、しかも蛍光減衰時間が十分に短いものは得られていないことが明白になった。
そこで、本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、Gdを含有する金属酸化物からなる母体材料に、発光中心としてCeを添加した構造を有する無機シンチレータであって、蛍光出力が十分に大きく、しかも蛍光減衰時間が十分に短い無機シンチレータを提供することを目的とする。
本発明は、放射線によりシンチレーションを起こすことが可能な無機シンチレータであって、Lu、Gd、Ce及びSiを含有する金属酸化物からなる結晶であり、下記式(1A);
0.0025≦{ACe/(ALu+AGd)}≦0.025 …(1A)
で表される条件を満足し、かつ波長415nmの光に対する吸収係数が0.500cm−1以下である無機シンチレータを提供する。ここで、式(1A)中、ALuは結晶中のLuの数を示し、AGdは結晶中のGdの数を示し、ACeは結晶中のCeの数を示す。なお、本明細書において、「金属酸化物」の「金属」はSiをも含む概念である。
かかる無機シンチレータは、例えば、単結晶育成法により無機シンチレータを構成すべき単結晶のインゴットを得る育成工程と、そのインゴットを加熱する加熱工程とを有する本発明の無機シンチレータの製造方法により得られるものである。
上記本発明の無機シンチレータは、Ceの含有割合を上記式(1A)の範囲内に収めることにより、無機シンチレータの蛍光減衰時間を十分に短くすることが可能となる。さらには、本発明の無機シンチレータは、その蛍光減衰時間を十分に短くできる程度にCeの含有割合が高いものであっても、波長415nmの光に対する吸収係数が0.500cm−1以下となるように調整されることによって、十分に大きな蛍光出力を実現できるようになる。
ここで、本発明における「吸収係数」は、以下のようにして導出されるものである。まず無機シンチレータを、10mm×10mm×10mm程度の略直方体に加工して吸光係数測定用の試料を得る。加工方法は成形や切り出し等特に限定されない。次いで、得られた試料の少なくとも一つの表面と、その表面と対向する別の表面とを、機械研磨などにより鏡面化する。
次に、鏡面加工して得られた試料について、公知の吸光光度計(例えば日立製作所社製、商品名「U−3310」)のような装置を用いて、特定波長の光に対する透過率を測定する。より詳細には、例えば単結晶の無機シンチレータから得られる試料の透過率を測定する場合、上記吸光光度計などを用いて、特定波長の光を単結晶試料の鏡面化された一つの表面に対し垂直に入射させる。入射した光は単結晶の内部を通過して、対向する別の表面から放出されるので、その光量を測定する。一方で、同じ測定系において上述のような単結晶を設置しないで光量を測定する。そして、単結晶の内部を通過させて得られる上記光量を、単結晶を通過させない場合の光量で割った値である透過率Iex(%)を求める。
一般に、屈折率が異なる2つの媒体において、一方の媒体から他方の媒体に光が進行(進入)すると、互いの屈折率の差に起因する反射が起こる。例えば、空気中から(固体)結晶に光が照射されると、まず空気中から結晶、次いで結晶から空気中に光が進行する。この際、一部の光は結晶及び空気間の界面(境界)を通過することができず、それら媒体間の界面において反射する。特定波長の光が、その光に対する屈折率nを有する媒体から、その光に対する屈折率nを有する媒体へと、それらの媒体間の界面に対して垂直に入射する場合、その反射率Rはフレネルの式により、下記式(4);
R={(n−n)/(n+n)} …(4)
で表される。
光量Iを有する光が空気中から結晶の平坦な表面へと垂直に入射した場合、光が入射した表面に対して平行に対向する表面から空気中へと放出される光の光量Iは下記式(5A)又は(5B);
=(I−I・R)−(I−I・R)・R+(I−I・R)・R−(I−I・R)・R+(I−I・R)・R−(I−I・R)・R+…… …(5A)
=Σ(I−I・R)・R2n−Σ(I−I・R)・R2n+1 (n=0、1、2、3、…) …(5B)
で表される。
上記式(5A)の右辺第3項以下は、右辺第1項及び第2項と比較すると極めて微少な数値となるので無視すると、上記式(5A)よりIは下記式(6);
=(I−I・R)−(I−I・R)・R …(6)
で表されるように近似できる。更に、Iを1に規格化すると、上記式(6)は下記式(7);
=(1−1・R)−(1−1・R)・R …(7)
で表されることとなり、Iは、入射した光に対する、放出され検出された光の割合(%)を示すことになる。
上記式(7)で得られたI(%)と実際の透過率測定で得られた透過率Iex(%)とから、結晶内部で吸収された光の程度μを導出すると、下記式(8);
μ=−{ln(Iex/I)}/x …(8)
で表される。ここでx(単位:cm)は、結晶における光が入射する表面とそれに対向する表面との垂直距離である。この結晶内部で吸収された光の程度μ(単位:cm−1)を、本発明における「吸収係数」と定義する。
本発明の無機シンチレータは、下記式(1B);
0.005≦{ACe/(ALu+AGd)}≦0.015 …(1B)
で表される条件を満足すると、発光が有効に結晶の外に出力されると同時に蛍光減衰時間を一層短くすることができるので好ましい。
本発明の無機シンチレータは、空間群C2/cの単斜晶に属する結晶であると、P2/cに属する結晶であるシンチレータと比較して、蛍光の立ち上がり時間が短くなるので好ましい。
本発明の無機シンチレータは、下記式(2A);
0.10≦{ALu/(ALu+AGd)}≦0.50 …(2A)
で表される条件を満足すると好ましい。このような無機シンチレータは、{ALu/(ALu+AGd)}が式(2A)で表される条件の範囲外であるシンチレータと比較して、蛍光の立ち上がり時間を短くでき、放射線同位元素を含むLuによる蛍光のノイズをより少なくすることができる。
本発明の無機シンチレータは、単結晶であると、優れたシンチレーション特性をより確実に得ることが可能となるので好ましい。
本発明の無機シンチレータの製造方法は、波長415nmの光に対する上記単結晶の吸収係数が0.500cm−1以下となるように、例えば、加熱工程におけるインゴットの周囲雰囲気の酸素分圧、インゴットの周囲温度、及び/又はインゴットの加熱時間が調整されていてもよい。また、本発明の無機シンチレータの製造方法は、上記加熱工程の後に、インゴットを冷却する冷却工程を有していてもよく、インゴットを所望の形状及び大きさに切り出して無機シンチレータを得る切断工程を有していてもよい。
本発明によれば、Gdを含有する金属酸化物からなる母体材料に、発光中心としてCeが添加された構造を有する無機シンチレータであって、蛍光出力が十分に大きく、しかも蛍光減衰時間が十分に短い無機シンチレータ、及びその製造方法を提供することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本発明の無機シンチレータは、放射線によりシンチレーションを起こすことが可能な無機シンチレータであって、Gd及びCeを含有する金属酸化物からなる結晶である。より好ましくは、上記金属酸化物がLu、Gd、Ce及びSiを含有する無機シンチレータである。
本発明の好適な実施形態に係る無機シンチレータは、放射線によりシンチレーションを起こすことが可能であって、Lu、Gd、Ce及びSiを含有する金属酸化物からなり、空間群C2/cの単斜晶に属する単結晶であり、かつ下記式(1A);
0.0025≦{ACe/(ALu+AGd)}≦0.025 …(1A)
で表される条件を満足するものである。ここで、式(1A)中、ALuは単結晶中のLuの数を示し、AGdは単結晶中のGdの数を示し、ACeは単結晶中のCeの数を示す。
Ceは主に発光中心として機能するものであるが、Ceの含有割合を上記式(1A)で表される条件を満足するように調整すると、そのシンチレータの発光量をPET等に用いるので十分な程度に確保しつつ、同時に蛍光減衰時間を十分に短くすることができる。同様の観点から、この無機シンチレータが、下記式(1B);
0.005≦{ACe/(ALu+AGd)}≦0.015 …(1B)
で表される条件を満足すると好ましく、下記式(1C);
0.0075≦{ACe/(ALu+AGd)}≦0.015 …(1C)
で表される条件を満足するとより好ましい。
また、無機シンチレータの結晶構造が空間群C2/cの単斜晶に属すると、空間群P2/cに属する場合と比較して、放射線を吸収した際の蛍光の立ち上がり時間が格段に短くなる傾向にある。さらには、無機シンチレータが単結晶であると、優れたシンチレーション特性をより確実に得ることができる。
なお、本明細書において、「放射線」とは、原子、分子をイオン化させるのに十分なエネルギをもった粒子線(α線、β線、γ線、X線等)を示す。
また、本発明の好適な実施形態に係る無機シンチレータは、波長415nmの光に対する吸収係数が0.500cm−1以下である。Ceの含有割合が上記式(1A)の範囲内にある従来の無機シンチレータは、その蛍光出力が小さいために、PET等に採用するには不十分であった。本発明者らは、そのような無機シンチレータの蛍光出力を増大すべく詳細に検討を行った結果、無機シンチレータの結晶を加熱処理することにより、蛍光出力が十分に大きくなることを見出した。
さらに、加熱処理前後の無機シンチレータについて、物理的特性や構造の観点等から、それらの差異を研究したところ、波長415nmの光に対する吸収係数が異なっていることを見出した。そして、その吸収係数が0.500cm−1以下となるような無機シンチレータであれば、十分に大きな蛍光出力を示すことを明らかにして本発明を完成するに至った。
波長415nmの光に対する吸収係数が0.500cm−1以下となるような無機シンチレータが十分に大きな蛍光出力を示す原因は、現在のところ詳細には明らかにされていないが、本発明者らは、上記無機シンチレータに格子欠陥として存在し得る4価のCe(以下、「Ce4+」という。)にあると考えている。Ceを無機シンチレータの発光中心として含有させた場合、通常、3価のCeが発光中心として機能し、Ce4+は発光に寄与し難いものと考えられている。そのため、無機シンチレータの蛍光出力を増大させるためには、このCe4+を減少させる必要があると考えられる。
無機シンチレータ中のCe4+の含有割合を直接定量する方法は現在のところ確立されていない。しかしながら、本発明者らは、波長415nmの光に対する吸収係数を測定することにより、間接的にCe4+の含有割合を測定できると推測している。そして、この吸収係数が大きな値になるほど、Ce4+の含有割合が高くなると考えている。
本実施形態の無機シンチレータは、下記式(2A)で表される条件を満足すると好ましく、下記式(2B)で表される条件を満足するとより好ましい。
0.10≦{ALu/(ALu+AGd)}≦0.50 …(2A)
0.15≦{ALu/(ALu+AGd)}≦0.30 …(2B)
Luは放射性同位元素176Luを自然存在比で約2.6%含み、そのベータ崩壊による自然放射線がシンチレータとして使用する際のノイズになる。したがって、かかる観点からは、そのLuの無機シンチレータにおける含有割合は低いほど望ましく、{ALu/(ALu+AGd)}が0.50以下となると好ましい。一方、{ALu/(ALu+AGd)}が0.10未満になると、空間群C2/cの単斜晶に属する結晶を得ることが困難となり、空間群P2/cに属する結晶となりやすい。空間群P2/cに属する結晶からなる無機シンチレータは、空間群C2/cの単斜晶に属する結晶と比較して、放射線を吸収した際の蛍光の立ち上がり時間が長くなり、時間分解能が著しく低下する傾向にある。これらにより、上記式(2A)で表される条件を満足する無機シンチレータをPET等に用いた場合、被検体からの放射線に関する情報を精度よくかつ正確に検出できる傾向にある。
次に、本発明の無機シンチレータの製造方法の好適な実施形態(金属酸化物の単結晶として希土類珪酸塩単結晶を得る場合の製造方法の一例)について説明する。
本実施形態の無機シンチレータの製造方法は、上述の本発明の好適な実施形態に係る無機シンチレータの製造方法であって、単結晶育成法により無機シンチレータを構成すべき単結晶のインゴットを得る育成工程、そのインゴットを加熱する加熱工程、加熱後のインゴットを冷却する冷却工程、及び冷却工程後のインゴットを所望の形状及び大きさに切り出して無機シンチレータを得る切断工程を有するものである。
これらの工程のうち育成工程は、更に、溶融法に基づき無機シンチレータの原料を溶融状態とした溶融液を得る溶融工程と、その溶融液に種結晶の少なくとも一部を浸漬し、種結晶周囲の溶融液の一部を凝固させることにより、種結晶の所定の結晶面に沿って結晶を成長させて単結晶インゴットを得る成長工程とを有する。
本実施形態の無機シンチレータをより確実に得る観点から、上記溶融法を含む単結晶育成法としてチョクラルスキー法を用いることが好ましい。更に、この場合、後述の図3に示す構成を有する引き上げ装置10を用いて溶融工程及び成長工程における作業を行なうことが好ましい。
図3は本実施形態の無機シンチレータの製造方法に用いる製造装置の基本構成の一例を示す模式断面図である。
図3に示す引き上げ装置10は、高周波誘導加熱炉(2ゾーン加熱育成炉)14を有している。この高周波誘導加熱炉14は先に述べた溶融工程及び冷却固化工程における作業を連続的に行うためのものである。
この高周波誘導加熱炉14は耐火性を有する側壁が筒状の有底容器であり、有底容器の形状自体は公知のチョクラルスキー法に基づく単結晶製造に使用されるものと同様である。この高周波誘導加熱炉14の底部の外側面には高周波誘導コイル15が巻回されている。そして、高周波誘導加熱炉14の内部の底面上には、るつぼ17(例えば、Ir(イリジウム)製のるつぼ)が配置されている。このるつぼ17は、高周波誘導加熱ヒータを兼ねている。そして、るつぼ17中に、無機シンチレータの原料を投入し、高周波誘導コイル15に高周波誘導をかけると、るつぼ17が加熱され、無機シンチレータの構成材料からなる溶融液18(融液)が得られる。
また、高周波誘導加熱炉14の溶融液18に接触しない上部内壁面には、ヒータ13(抵抗加熱ヒータ)が更に配置されている。このヒータはその加熱出力を高周波誘導コイル15に対して独立に制御することが可能となっている。
高周波誘導加熱炉14の底部中央には、高周波誘導加熱炉14の内部から外部へ貫通する開口部(図示せず)が設けられている。そして、この開口部を通じて、高周波誘導加熱炉14の外部からるつぼ支持棒16が挿入されており、るつぼ支持棒16の先端はるつぼ17の底部に接続されている。このるつぼ支持棒16を回転させることにより、高周波誘導加熱炉14中において、るつぼ17を回転させることができる。開口部とるつぼ支持棒16との間には、パッキンなどによりシールされている。
次に、引き上げ装置10を用いたより具体的な製造方法について説明する。
まず、溶融工程では、るつぼ17中に、無機シンチレータの単結晶の原料を投入し、高周波誘導コイル15に高周波誘導をかけることにより、無機シンチレータの構成材料からなる溶融液18(融液)を得る。単結晶の原料としては、例えば、単結晶を構成する希土類元素やSiの単独酸化物などを用いることができる。
次に、成長工程において溶融液の一部を凝固させることにより、円柱状の無機シンチレータの単結晶インゴット1を得る。より具体的には、まず、高周波誘導加熱炉14の上部から、種結晶2を下部先端に固定した引き上げ棒12を溶融液18中に浸漬し、次いで、引き上げ棒12を引き上げながら、種結晶2周囲の溶融液を結晶化して、結晶を成長させ、無機シンチレータの単結晶インゴット1を形成する。このとき、ヒータ13の加熱出力を調節し、溶融液18から引き上げられる無機シンチレータの単結晶インゴット1を、その断面が所定の直径となるまで成長させる。
空間群C2/cの単斜晶に属する単結晶をより確実に得る観点から、単結晶インゴット1の核となる種結晶は、空間群C2/cの単斜晶に属する単結晶であると好ましい。具体的には、その単結晶が希土類珪酸塩単結晶であるとより好ましく、希土類元素としてLu又はGdを含有すると更に好ましい。特にLu及びGdの両方を含有する希土類珪酸塩からなる単結晶を種結晶として用いると、上述の無機シンチレータを確実に作製可能となる。また、得られるべき単結晶インゴット中の各元素を所望の含有割合にするために、上記種結晶中の各元素の含有割合を上述の所望の含有割合に調整することが好ましい。
以上説明した育成工程の後、加熱工程において、溶融液18と得られた単結晶インゴット1とを分離し、高周波誘導加熱炉14内の単結晶インゴット1周囲を、酸素を極力含まないように調整された不活性ガス雰囲気に設定する。それと同時又はその前後に、ヒータの加熱出力を調節して、高周波誘導加熱炉14内の単結晶インゴット1周囲の温度(加熱温度)を所望の温度に設定し、その加熱温度をほぼ一定に維持した状態で、単結晶インゴット1に加熱処理を所定時間施す。
単結晶インゴット1周囲の雰囲気中の酸素分圧及び加熱温度等の加熱条件は、単結晶インゴット1の大きさ、構成元素等により調節する必要があるため一義的に設定することは困難である。しかしながら、それらの加熱条件は、後述する切断工程を経て最終的に得られる無機単結晶シンチレータの、波長415nmの光に対する吸収係数が0.500cm−1以下となるように調整し設定すればよい。例えば、経験的に、上述の酸素分圧は、ほぼ大気圧である炉内の酸素濃度として0.1〜1.0体積%の範囲であると好ましく、加熱温度は1500〜1920℃であると好ましい。
また、加熱時間も無機単結晶シンチレータの上記吸収係数が0.500cm−1以下となるように調整すればよいが、経験的に、2時間以上が好ましく、10時間以上がより好ましく、24時間以上が特に好ましい。
次に、冷却工程ではヒータの加熱出力を調節し、加熱工程後に得られる単結晶インゴット1を冷却する。ここで、単結晶のクラックの発生を十分に防止して、無機シンチレータの単結晶をより確実に製造する観点から、上記溶融工程及び冷却固化工程の作業中に、高周波誘導加熱炉14内の雰囲気を、下記式(9)で表される条件を満たす不活性ガスを主成分とする混合ガス雰囲気とすることが好ましい。
100×{G/(E+G)}≦2.0(%)…(9)
式(9)中、Eは混合ガス中の不活性ガスの分圧を示し、Gは混合ガス中の酸素分圧を示す。なお、本発明において、「不活性ガス」とは、希ガス及び窒素を示す。
{G/(E+G)}の値が2.0%を超えると、結晶に着色が発生し、シンチレータ性能が低下する傾向が大きくなる。なお、{G/(E+G)}の値が4.0%を超えると、るつぼの構成材料にIrを使用した場合には、この構成材料の蒸発が激しく進行するようになり、結晶の育成が困難になる。
そして、上記加熱工程の後に、切断工程において、無機シンチレータの単結晶インゴット1を、所望の形状及び大きさに切り出し、無機シンチレータの単結晶を得る。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の無機シンチレータは、固体状態が多結晶であってもよい。本発明の無機シンチレータが多結晶である場合、従来の多結晶シンチレータと同様に、ゾル−ゲル法などの製造方法により得ることができる。
本発明の無機シンチレータを得るための製造方法は、上述の加熱工程に代えて又は加えて、特定の不純物元素を単結晶中に微量添加する不純物元素添加工程を有していてもよい。ここで、「特定の不純物元素」とは、無機シンチレータを構成するLu、Gd、Ce及びSi以外の元素をいい、例えば、Al、Ta、Zr、Hf、Caなどが挙げられる。
特定の不純物元素の無機シンチレータ中の含有割合は、無機シンチレータの、波長415nmの光に対する吸収係数が0.500cm−1以下となるように調整し設定すればよい。例えば、特定の不純物元素としてAlを採用する場合、その無機シンチレータ中の含有割合は、単結晶を構成する全元素の数を基準すなわち1として、0.001〜0.00001であると好ましい。
また、不純物元素添加工程は、好ましくは、無機シンチレータの単結晶の原料をるつぼ中に投入する際に、特定の不純物元素の供給源となる物質を上記るつぼ中に投入することによって行われる。不純物元素の供給源としては、その不純物元素の酸化物などが挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図3に示すものと同様の形状を有し、直径50mm、高さ50mm、厚み1.5mmのIr製るつぼの中に、原料として、酸化ガドリニウム(Gd、純度99.99質量%)300.05g、酸化ルテチウム(Lu、純度99.99質量%)83.39g、二酸化ケイ素(SiO、純度99.99質量%)62.95g、酸化セリウム(CeO、純度99.99質量%)3.61gを投入し、これらの混合物450.00gを得た。次に、そのるつぼを高周波誘導加熱炉内の所定位置に配置し、1950℃以上に加熱し融解して溶融液(溶融液の化学組成:Ce0.02Lu0.4Gd1.598SiO)を得た。
続いて、種結晶を先端に固定した引き上げ棒の当該先端を溶融液中に入れ種付けを行った。種結晶として、通常の結晶育成法で得られたLuとGdとCeとSiとを含む金属酸化物からなる単結晶を切り出したものを用いた。なお、この単結晶は結晶育成後、切り出し(切削)前に粉末X線回折装置(リガク社製、商品名:「RAD」)により、結晶構造が空間群C2/cの単斜晶に属するものであることが確認された。
次いで、引上げ速度3〜10mm/hの速度でネック径8mmφの単結晶インゴットを引き上げてネック部を形成した。その後、コーン部(直胴部)の引上げを行い、直径が25mmφになった時点より、直胴部の引き上げを開始した(育成工程)。この際の炉内の雰囲気は、酸素濃度を0.5体積%とするよう、炉内への窒素の流入量と酸素の流入量とを調整した。
直胴部を育成した後、単結晶インゴットを溶融液から切り離した。次いで、炉内の雰囲気を、単結晶育成時よりも酸素分圧の低い(酸素をほとんど含まない)雰囲気に調整し、更に炉内温度を1900℃に設定した。そして、炉内温度を1900℃でほぼ一定に維持しながら、単結晶インゴットの加熱処理を24時間行った(加熱工程)。
その後、炉内を加熱工程の際と同様の雰囲気に維持した状態で、50℃/hの速度で炉内を降温しながら、単結晶インゴットを冷却した(冷却工程)。冷却終了後、得られた単結晶を取り出した。得られた単結晶インゴットは、結晶質量約400gであった。
次いで、得られた単結晶底部を一部切り出し、粉末状に加工した。続いて、得られた粉末を、シリコン粉末標準サンプルと混合し、粉末X線回折装置(リガク社製、商品名:「RAD」)を用いて、結晶構造を同定した。その結果、実施例1に係る単結晶は空間群C2/cに属するものであることが確認された。
次に、得られた単結晶インゴットから、4mm×6mm×20mmの大きさを有する略直方体のサンプル(無機シンチレータの単結晶)を切り出した(切断工程)。切り出しには内周刃切断機を用い、内周刃切断機の刃は、#325〜400の天然ダイヤモンドを電着したものを用いた。
[吸収係数の導出]
上記サンプル(略直方体)の6つの面のうち、6mm×20mmの2つの面を両方とも機械研磨した。そして、機械研磨後の上記単結晶の1つの6mm×20mm面に対し、ほぼ垂直に波長415nmの光を重水素ランプ(50W)で照射し、その反対側の面から放出された光の光量を測定し、透過率Iex(%)を求めた。なお、透過率の測定には吸光光度計(日立製作所社製、商品名「U−3310」)を用いた。
また、波長415nmの光に対する大気の屈折率は1.00であり、同じ光に対する上記単結晶の屈折率は1.85であるので(M.Kobayashi and M.Ishii, ”Phosophor hand book”(CRC Press,1997 Chap.7.)の記載から引用。)、上記式(4)より、反射率Rは0.0888となった。この反射率Rを上記式(7)に代入してIを求め、次いで、Iex、I及びx(xは0.4cm)を上記式(8)に代入して吸収係数μを求めた。結果を表1に示す。
[蛍光出力及び蛍光減衰時間の測定]
上記サンプル(略直方体)の6つの面のうちの4mm×6mmの大きさを有する面(以下、「放射線入射面」という。)の1つを除く残り5つの面に、反射材としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)テープを被覆した。次に、そのサンプルを、PTFEテープを被覆していない上記放射線入射面を浜松ホトニクス社製光電子増倍管(H1949、商品名)のフォトマル面(光電変換面)に対向させるようにして、光学グリースを用いて固定し、無機シンチレータを得た。
そして、そのサンプルに対して137Csを用いた611KeVの放射線を照射し、その蛍光パルス出力の時間変化(経時変化)をテクトロニクス社製デジタルオシロスコープ(TDS3052、商品名)を用いて測定した。得られた蛍光パルス出力の経時変化曲線から、蛍光出力、及び2種類の異なる蛍光減衰時間(τ1、τ2)を上述の方法により求めた。蛍光出力については、BGOの単結晶からなる無機シンチレータについて同様の測定をして得られた蛍光出力を1.0とし、その蛍光出力に対する相対値として求めた。結果を表1に示す。
Figure 0004639711
(比較例1)
加熱工程を経なかった以外は実施例1と同様にして得られた単結晶インゴットから、実施例1と同様にして略直方体のサンプル(無機シンチレータの単結晶)を切り出した。得られたサンプルを用いて、実施例1と同様にして、吸収係数の導出並びに蛍光出力及び蛍光減衰時間の測定を行った。なお、単結晶の屈折率は実施例1と同じ値を用いた。結果を表1に示す。
本発明の無機シンチレータは、PETに搭載されるシンチレータ、高エネルギ物理研究用シンチレータとして利用することができる。
無機シンチレータから出力される蛍光パルス強度の経時変化を模式的に示すグラフである。 蛍光寿命の異なる2種類の蛍光成分の分離を説明するための模式的なグラフである。 本発明の無機シンチレータを製造するための製造装置の基本構成の一例を示す模式断面図である。
符号の説明
1…単結晶インゴット、2…種子結晶、10…引き上げ装置、12…引き上げ棒、13…抵抗加熱ヒータ、14…高周波誘導加熱炉(2ゾーン加熱育成炉)、15…高周波誘導コイル、16…るつぼ支持棒、17…るつぼ、18…溶融液(融液)。

Claims (10)

  1. 放射線によりシンチレーションを起こすことが可能な無機シンチレータであって、
    母体材料がGdSiOであり、これにLu及びCeが添加された金属酸化物からなる結晶であり、
    下記式(1B);
    0.005≦{ACe/(ALu+AGd)}≦0.015 …(1B)
    (式中、ALuは前記結晶中のLuの数を示し、AGdは前記結晶中のGdの数を示し、ACeは前記結晶中のCeの数を示す。)
    で表される条件を満足し、かつ
    波長415nmの光に対する吸収係数が0.194cm−1以下である、無機シンチレータ。
  2. 空間群C2/cの単斜晶に属する結晶である、請求項1に記載の無機シンチレータ。
  3. 下記式(2A);
    0.10≦{ALu/(ALu+AGd)}≦0.50 …(2A)
    で表される条件を満足する、請求項1又は2に記載の無機シンチレータ。
  4. 単結晶である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の無機シンチレータ。
  5. 放射線によりシンチレーションを起こすことが可能な無機シンチレータであって、
    母体材料がGd SiO であり、これにLu及びCeが添加された金属酸化物からなる結晶であり、
    下記式(1B);
    0.005≦{A Ce /(A Lu +A Gd )}≦0.015 …(1B)
    (式中、A Lu は前記結晶中のLuの数を示し、A Gd は前記結晶中のGdの数を示し、A Ce は前記結晶中のCeの数を示す。)
    で表される条件を満足し、かつ
    波長415nmの光に対する吸収係数が0.500cm −1 以下である単結晶の無機シンチレータの製造方法であって、
    単結晶育成法により前記無機シンチレータを構成すべき単結晶のインゴットを得る育成工程と、
    前記インゴットを1500〜1920℃に加熱して波長415nmの光に対する吸収係数が0.500cm−1以下の単結晶を得る加熱工程と、
    を有する、無機シンチレータの製造方法。
  6. 波長415nmの光に対する前記単結晶の吸収係数が0.500cm−1以下となるように、前記加熱工程における前記インゴットの周囲雰囲気の酸素分圧が調整されている、請求項5に記載の無機シンチレータの製造方法。
  7. 波長415nmの光に対する前記単結晶の吸収係数が0.500cm−1以下となるように、前記加熱工程における前記インゴットの周囲温度が調整されている、請求項5又は6に記載の無機シンチレータの製造方法。
  8. 波長415nmの光に対する前記単結晶の吸収係数が0.500cm−1以下となるように、前記加熱工程における前記インゴットの加熱時間が調整されている、請求項5〜7のいずれか一項に記載の無機シンチレータの製造方法。
  9. 前記加熱工程の後に、前記インゴットを冷却する冷却工程を有する、請求項5〜8のいずれか一項に記載の無機シンチレータの製造方法。
  10. 前記冷却工程の後に、前記インゴットを所望の形状及び大きさに切り出して無機シンチレータを得る切断工程を有する、請求項9に記載の無機シンチレータの製造方法。
JP2004268604A 2004-09-15 2004-09-15 無機シンチレータ及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4639711B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004268604A JP4639711B2 (ja) 2004-09-15 2004-09-15 無機シンチレータ及びその製造方法
US11/220,743 US7282718B2 (en) 2004-09-15 2005-09-08 Inorganic scintillator and process for its fabrication

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004268604A JP4639711B2 (ja) 2004-09-15 2004-09-15 無機シンチレータ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006083272A JP2006083272A (ja) 2006-03-30
JP4639711B2 true JP4639711B2 (ja) 2011-02-23

Family

ID=36032923

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004268604A Expired - Fee Related JP4639711B2 (ja) 2004-09-15 2004-09-15 無機シンチレータ及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7282718B2 (ja)
JP (1) JP4639711B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4389689B2 (ja) * 2004-06-18 2009-12-24 日立化成工業株式会社 無機シンチレータ及びその製造方法
JP4899623B2 (ja) * 2005-05-24 2012-03-21 日立化成工業株式会社 無機シンチレータ、並びにこれを用いた放射線検出器及びpet装置
JP2007297584A (ja) * 2006-04-05 2007-11-15 Hitachi Chem Co Ltd シンチレータ用単結晶及びその製造方法
JP5087913B2 (ja) * 2006-05-30 2012-12-05 日立化成工業株式会社 シンチレータ用単結晶及びその製造方法
JP5055910B2 (ja) * 2006-06-02 2012-10-24 日立化成工業株式会社 単結晶の熱処理方法
US20100092363A1 (en) * 2008-09-15 2010-04-15 Graeve Olivia A Combustion synthesis method and materials produced therefrom
US8723126B2 (en) * 2009-05-26 2014-05-13 The United States Of America, As Represented By The Secretary Of The Navy Scintillator material
RU2426694C1 (ru) * 2010-02-15 2011-08-20 Общество С Ограниченной Ответственностью "Сцинтилляционные Технологии Радиационного Контроля" Неорганический сцинтилляционный материал, кристаллический сцинтиллятор и детектор излучения
JP2013002882A (ja) * 2011-06-14 2013-01-07 Furukawa Co Ltd 放射線検出器

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04175297A (ja) * 1990-07-06 1992-06-23 Hitachi Chem Co Ltd 希土類珪酸塩単結晶の育成方法
JPH04218588A (ja) * 1990-04-20 1992-08-10 Hitachi Chem Co Ltd 単結晶シンチレータ及びそれを用いた地下層探査装置
JPH04321600A (ja) * 1991-04-23 1992-11-11 Hitachi Chem Co Ltd 単結晶の熱処理法
WO2003008676A1 (fr) * 2001-07-12 2003-01-30 Furukawa Co., Ltd. Procede pour preparer un monocristal de tungstate
JP2003253255A (ja) * 1998-01-12 2003-09-10 Utar Internatl Ltd シンチレーション材料

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH083534B2 (ja) 1987-09-05 1996-01-17 日立化成工業株式会社 放射線検出器
US5264154A (en) * 1990-04-20 1993-11-23 Hitachi Chemical Co., Ltd. Single crystal scintillator
US6706212B2 (en) * 2002-04-12 2004-03-16 General Electric Company Cerium-doped alkaline-earth hafnium oxide scintillators having improved transparency and method of making the same
US7166845B1 (en) * 2004-01-09 2007-01-23 Crystal Photonics, Incorporated Method of enhancing performance of cerium doped lutetium yttrium orthosilicate crystals and crystals produced thereby

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04218588A (ja) * 1990-04-20 1992-08-10 Hitachi Chem Co Ltd 単結晶シンチレータ及びそれを用いた地下層探査装置
JPH04175297A (ja) * 1990-07-06 1992-06-23 Hitachi Chem Co Ltd 希土類珪酸塩単結晶の育成方法
JPH04321600A (ja) * 1991-04-23 1992-11-11 Hitachi Chem Co Ltd 単結晶の熱処理法
JP2003253255A (ja) * 1998-01-12 2003-09-10 Utar Internatl Ltd シンチレーション材料
WO2003008676A1 (fr) * 2001-07-12 2003-01-30 Furukawa Co., Ltd. Procede pour preparer un monocristal de tungstate

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006083272A (ja) 2006-03-30
US7282718B2 (en) 2007-10-16
US20060054831A1 (en) 2006-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7282718B2 (en) Inorganic scintillator and process for its fabrication
CN1167956C (zh) 闪烁材料和闪烁波导元件
EP2782976B1 (en) Luminescent material and a process of forming the same
JP4760236B2 (ja) 単結晶の熱処理方法
JP4770337B2 (ja) 単結晶の熱処理方法
JP2018197340A (ja) 向上した耐放射線性を有する多重ドープルテチウム系オキシオルトシリケートシンチレータ
JP5521273B2 (ja) シンチレータ用単結晶、シンチレータ用単結晶を製造するための熱処理方法、及びシンチレータ用単結晶の製造方法
JPWO2005100645A1 (ja) 希土類フッ化物固溶体材料(多結晶及び/又は単結晶)、及びその製造方法並びに放射線検出器及び検査装置
JP2008101180A (ja) シンチレータ用結晶及び放射線検出器
JP2007045869A (ja) 低吸湿性ハロゲン置換フッ化物シンチレータ材料、及び放射線検出器及び検査装置
JP5454477B2 (ja) 単結晶シンチレータ材料およびその製造方法、放射線検出器、並びにpet装置
JP2011026547A (ja) シンチレータ用単結晶、シンチレータ用単結晶を製造するための熱処理方法、及びシンチレータ用単結晶の製造方法
JP5566218B2 (ja) フッ化物単結晶、真空紫外発光素子、シンチレーター及びフッ化物単結晶の製造方法
Patra et al. A systematic investigation on the effect of purity of raw material, crucible and crucible design on the single crystal growth of undoped and Eu doped SrI2
JP6303146B2 (ja) 単結晶、放射線検出器及び放射線検出器の使用方法
US7510671B2 (en) Inorganic scintillator and process for its fabrication
US7301154B2 (en) Inorganic scintillator
JP2016056378A (ja) シンチレータ用単結晶、シンチレータ用単結晶を製造するための熱処理方法、及びシンチレータ用単結晶の製造方法
JP5994149B2 (ja) X線シンチレータ用材料
JP2009120809A (ja) シンチレータ用単結晶
JP5055910B2 (ja) 単結晶の熱処理方法
JP7178043B2 (ja) Lso系シンチレータ結晶
JP2011202118A (ja) 単結晶シンチレータ材料およびその製造方法、放射線検出器、並びにpet装置
JP4682718B2 (ja) 無機シンチレータ
JP2018070769A (ja) シンチレータ結晶、シンチレータ結晶を製造するための熱処理方法、及びシンチレータ結晶の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070613

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100308

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100427

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100720

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100804

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101102

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131210

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees