JP2701577B2 - 単結晶の熱処理法 - Google Patents

単結晶の熱処理法

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JP2701577B2
JP2701577B2 JP9181091A JP9181091A JP2701577B2 JP 2701577 B2 JP2701577 B2 JP 2701577B2 JP 9181091 A JP9181091 A JP 9181091A JP 9181091 A JP9181091 A JP 9181091A JP 2701577 B2 JP2701577 B2 JP 2701577B2
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single crystal
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scintillator
cerium
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清吉 秋山
孝志 黒沢
威 宇津
浩之 石橋
一司 清水
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日立化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セリウム付活珪酸ガド
リニウム化合物からなる単結晶の熱処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】セリウムで付活した珪酸ガドリニウム化
合物 Gd2SiO5(以下GSOと呼ぶ)のシンチレー
タは蛍光減衰時間が60nsと短く、放射線吸収係数も
大きいことからポジトロンCTなどの放射線検出器とし
て実用化されている。しかし、蛍光出力がBGOシンチ
レータよりは大きいものの、NaI(Tl)シンチレー
タの20%程度しかなく、その改善が望まれていた。
【0003】シンチレータの蛍光出力を向上させる方法
として熱処理が考えられる。GSOシンチレータのよう
な酸化物シンチレータの蛍光出力を向上させる熱処理方
法として、タングステン酸化合物の単結晶を、酸素を有
する雰囲気において、該単結晶の融点未満乃至融点より
200℃低い温度で加熱する熱処理法(特公昭64−6
160号公報に記載)がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】GSOシンチレータ
は、タングステン酸化合物単結晶と同様の酸化合物単結
晶シンチレータであるが、上記従来技術の酸素を有する
雰囲気での熱処理を適用すると、単結晶が黄緑色に着色
して蛍光出力が低下してしまい、この従来技術が適用で
きないことがわかった。
【0005】本発明は、蛍光出力の高いシンチレータを
得るための単結晶の熱処理法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、セリウム
付活珪酸ガドリニウム化合物からなる単結晶を、酸素の
少ない雰囲気において熱処理することにより、蛍光出力
などのシンチレータ特性を向上させ得ることを見いだし
た。
【0007】本発明は、一般式 Gd2-x+y)Lnx
ySiO5(ここにLnは希土類元素の中から選ばれる
少なくとも1種の元素を表わし、xは0〜2及びyは0
を越え2以下の値である。)で示されるセリウム付活珪
酸ガドリニウム化合物からなる単結晶を酸素の少ない雰
囲気で加熱するセリウム付活珪酸ガドリニウム化合物か
らなる単結晶の熱処理法に関する。
【0008】本発明において、請求項1のx及びyの値
はセリウム付活珪酸ガドリニウム化合物を構成する限界
の数値を規定したものである。xが0でかつyが0.0
01〜0.2の値の場合は熱処理による螢光出力の向上
が顕著で好ましい。また、式中Lnは希土類元素の中か
ら選ばれる少なくとも1種の元素であるが、LnがS
c、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから
なる群より選ばれる少なくとも1種の元素で、かつxが
0.1〜1.999及びyが0.001〜0.2の値の
場合も良好なシンチレータ特性を示すので好ましい。
【0009】本発明では酸素の少ない雰囲気で熱処理を
行って単結晶の着色を防止し、螢光出力等のシンチレー
タ特性の向上を図る。酸素の少ない雰囲気としては、酸
素量が空気中の含有量より少ない雰囲気が好ましく、特
に制限はないが例えば窒素雰囲気が採用される。この熱
処理は通常育成後の単結晶について行うが、育成工程の
中に熱処理を組入れて、単結晶育成と熱処理とを連続し
て行ってもよく、同時に行ってもよい。
【0010】熱処理の温度は、シンチレータの種類、熱
処理炉の構造、熱処理の時間などによって決められる。
シンチレータ結晶の融点に近いような高い温度では結晶
が融解する恐れがあり、従って結晶の融点より50〜5
50℃低い温度で熱処理すればシンチレータ特性も顕著
に向上出来て好ましい。熱処理の時間についても、シン
チレータの種類、熱処理炉の構造、熱処理の時間などに
よって決められるが、1時間以上熱処理すれば、性能の
向上が顕著であり、また15時間以内であれば経済的で
ある。従って好ましい時間は1〜15時間である。
【0011】
【作用】セリウム付活珪酸ガドリニウム化合物の単結晶
を、酸素の少ない雰囲気で加熱することにより、光の吸
収の原因となる着色が減少し、蛍光出力が向上する。こ
の理由は次のように考えられる。付活剤であるCeは、
一般に結晶中で3価のイオンとして存在し、これが発光
中心として働くと考えられる。しかし、結晶育成の条件
などの影響によって一部のCeが4価で存在し、これが
着色やシンチレーション発光の阻害要因となる。このよ
うな4価のCeイオンを含むセリウム付活珪酸ガドリニ
ウム化合物を、酸素の少ない雰囲気で加熱すると、結晶
中の4価のイオンは3価に還元され、着色が減少しかつ
シンチレーション特性が向上する。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。
【0013】実施例1 組成が式 Gd2-x+y)LnxCeySiO5におけるx
が0、yが0.005で、融点が1900℃のGSO単
結晶をチョクラルスキー法で育成した。育成した単結晶
から30mmφ×100mmのシンチレータを切り出
し、その30mmφの両端面を鏡面研摩した。そして1
00mm方向の光透過率及びシンチレータ特性を測定し
た。次に、これを融点より約400℃低い1500℃の
温度で10時間、0.5容量%の酸素を含む窒素雰囲気
中で加熱した。熱処理後にGSOの光透過率及びシンチ
レータ特性を測定した。その結果を表1に示す。なお、
表1におけるエネルギー分解能は662keVの場合及
び光透過率は430nmの場合の値である。
【0014】比較例1 実施例1における熱処理の雰囲気を空気とした以外は実
施例1と全く同様にしてシンチレータの熱処理を行い、
実施例1と同様にして特性の測定を実施した。この結果
を表1に示す。
【0015】実施例2 実施例1における式 Gd2-x+y)LnxCeySiO5
の組成において、LnをLu元素、xを0.5及びyを
0.005とした融点が1900℃のGSO単結晶(以
下、LGSOと呼ぶ)をチョクラルスキー法で育成し、
実施例1と同様にしてシンチレータの切り出し、熱処理
及び熱処理前後の特性を測定した。この結果を表1に示
す。
【0016】
【表1】
【0017】表1から次のことがわかる。熱処理後の螢
光出力は熱処理前より、実施例1の場合は35%及び実
施例2の場合は10%向上している。また662keV
に対するエネルギー分解能は、熱処理後の方が熱処理前
より小さくなっており、向上している。さらに、熱処理
によって結晶の光透過率も向上しており、着色の減少し
ていることがわかる。実施例2のLGSOの場合は、前
述したようにCeに4価から3価への変化が起きて、シ
ンチレータ特性が向上したものと考えられる。
【0018】
【発明の効果】本発明の熱処理をすることにより、セリ
ウム付活珪酸ガドリニウム化合物の単結晶の螢光出力や
エネルギー分解能などのシンチレータ特性を向上させる
ことができる。また、このような蛍光出力の高いシンチ
レータをポジトロンCTの放射線検出器として用いるこ
とにより、高い空間分解能の診断画像が得られる。さら
に、単結晶育成条件の違いなどの影響によるシンチレー
タ特性のばらつきも小さくすることが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 浩之 茨城県つくば市和台48番 日立化成工業 株式会社 つくば開発研究所内 (72)発明者 清水 一司 茨城県つくば市和台48番 日立化成工業 株式会社 つくば開発研究所内

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 Gd2-x+y)LnxCeySi
    5(ここにLnは希土類元素の中から選ばれる少なく
    とも1種の元素を表わし、xは0〜2及びyは0を越え
    2以下の値である。)で示されるセリウム付活珪酸ガド
    リニウム化合物の単結晶を、酸素の少ない雰囲気で加熱
    することを特徴とするセリウム付活珪酸ガドリニウム化
    合物からなる単結晶の熱処理法。
  2. 【請求項2】 xが0及びyが0.001〜0.2の値
    である請求項1記載の単結晶の熱処理法。
  3. 【請求項3】 LnがSc、Tb、Dy、Ho、Er、
    Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも
    1種の元素を表わし、xは0.1〜1.999及びyは
    0.001〜0.2の値である請求項1記載の単結晶の
    熱処理法。
  4. 【請求項4】 酸素の少ない雰囲気が窒素雰囲気である
    請求項1、2又は3記載の単結晶の熱処理法。
  5. 【請求項5】 加熱の温度が得られる単結晶の融点より
    50〜550℃低い温度である請求項1、2、3又は4
    記載の単結晶の熱処理法。
  6. 【請求項6】 加熱の時間が1〜15時間である請求項
    1、2、3、4又は5記載の単結晶の熱処理法。
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