JP4905756B2 - 放射線検出用フッ化物単結晶及びシンチレータ並びに放射線検出器 - Google Patents

放射線検出用フッ化物単結晶及びシンチレータ並びに放射線検出器 Download PDF

Info

Publication number
JP4905756B2
JP4905756B2 JP2004262642A JP2004262642A JP4905756B2 JP 4905756 B2 JP4905756 B2 JP 4905756B2 JP 2004262642 A JP2004262642 A JP 2004262642A JP 2004262642 A JP2004262642 A JP 2004262642A JP 4905756 B2 JP4905756 B2 JP 4905756B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
single crystal
scintillator
fluoride
radiation
fluoride single
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004262642A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005119948A (ja
Inventor
昇 一ノ瀬
清史 島村
里志 中北
靖浩 伊崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Synztec Co Ltd
Original Assignee
Synztec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Synztec Co Ltd filed Critical Synztec Co Ltd
Priority to JP2004262642A priority Critical patent/JP4905756B2/ja
Publication of JP2005119948A publication Critical patent/JP2005119948A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4905756B2 publication Critical patent/JP4905756B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、新規な放射線検出用フッ化物単結晶及びシンチレータ並びに放射線検出器に関し、特に、主として、X線断層撮影装置(X−ray Computed Tomography:X線CT)、陽電子放射断層撮影装置(Positron Emission computed Tomography:PET)、タイム・オブ・フライト陽電子放射断層撮影装置(Time−Of−Flight Positron Emission computed Tomography:TOF−PET)などの医療診断装置に用いられる放射線検出用フッ化物単結晶及びシンチレータ並びに放射線検出器に関する。
従来、医療診断や工業用非破壊検査などに放射線が利用され、例えば、医療装置として、X線CT、PETが実用化されている。このような放射線を用いた装置には、γ線やX線などの放射線を検出するための検出器、例えば、シンチレータが使用されている。
ここで、シンチレータは、γ線やX線などの放射線の刺激により可視光線又は可視光線に近い波長の電磁波を放射する物質であり、密度が高いこと、蛍光の減衰時間が短いこと、及び耐放射線性に優れていることなどが要求される。
このようなPET用のシンチレータ材料としては、従来、ビスマスジャーマネイト(Bi4Ge312単結晶(BGO))が使用されていたが、高性能な特性を求めてセリウムをドープしたガドリニウムシリケート(Ce:GdSiO(Ce:GSO))単結晶が開発され、実用化された(特許文献1参照)。
また、その後、さらに高性能な特性を求めて種々の検討が行われ、セリウムをドープしたルテチウムオキシオルトシリケート結晶(Ce:LuSiO:(Ce:LSO))が開発され、現在最も高性能なものとして実用化されている(特許文献2、3、4等参照)。
一方、TOF−PET用のシンチレータとしては、PET用シンチレータと比較してさらに高い時間分解能が必要となるので、現在、CsFが使用されており、また、光学レンズ用などとして製造されているBaFの使用が検討されている。しかしながら、CsFは潮解性が問題となり、BaFはTOF−PET用として使用できる蛍光寿命の短い蛍光が紫外領域で起こるので紫外線用検出器を使用しなければならず、また、遅くて強い発光が検出器を破壊してしまうという問題がある。
このような単結晶以外に、各種のセラミック材料がシンチレータとして検討され、BaFCl:Eu、LaOBr:Tb、CsI:Tl、CaWO、CdWOなどの多結晶体(セラミックス)(特許文献5等参照)、(Gd,Y):Euのような立方晶構造を有する希土類酸化物の多結晶体(セラミックス)(特許文献6等参照)、GdS:Prのような希土類酸硫化物の多結晶体(セラミックス)(特許文献7等参照)などが知られている。
このようなセラミックシンチレータ材料は、粉末を焼結して製造されるため、透明性(透光性)の改良、焼結性の改良などに関して種々の提案がなされている。例えば、GdS:Prなどの蛍光体セラミックス中の不純物量、特に燐酸根(PO)の含有量を100ppm以下とすることによって、シンチレータの光出力を向上させるという提案がある(特許文献8参照)。また、希土類酸硫化物粉末にLiF、LiGeF、NaBFのようなフッ化物を焼結助剤として添加し、これらの混合粉末を熱間静水圧プレス(HIP)で焼結することによって、高密度化させた蛍光体セラミックスが提案されている(特許文献9参照)。
上述したように、従来、酸化物の単結晶、セラミックスなどの種々の物質についてシンチレータとしての実用化が検討されているが、Ce:LSOを上回る特性を有するものは現在迄見出されておらず、行き詰まりを見せている。また、TOF−PET用のシンチレータについても、CsFを越えるものは提案されていない。
なお、フッ化物単結晶は、その広範囲に亘る高い透過性、小さな結晶場、屈折率の温度係数が負であることから、レーザー用結晶として大きな期待を集めていたが、CsFやBaF以外の単結晶についてはシンチレータなどの放射線検出用材料としての検討は殆どなされていなかった。一方、フッ化物単結晶は作製雰囲気、作製温度、原料の純度や組成の制御等、作製を困難にする要因が多数存在するので、大きなバルク結晶を製造すること自体困難であった。そこで本発明者は高品位な単結晶を安全かつ容易に作製する技術を開発し(特許文献10参照)、レーザー用単結晶として、フッ化リチウムカルシウムアルミニウム(特許文献11参照)、フッ化バリウムリチウム単結晶(特許文献12参照)を製造している。さらに、フッ化リチウムカルシウムアルミニウムに関してはシンチレータとして使用できる特性を有していることを報告した(非特許文献1、非特許文献2参照)が、密度が2.94g/cmと小さく、γ線の吸収係数が小さいという問題があった。また、フッ化セリウム単結晶は、蛍光波長が紫外領域にあるものの無色透明単結晶が調整可能で散乱吸収がなく、蛍光寿命に優れた特性をもっているため、有用なシンチレータとして研究がなされている(特許文献13等参照)が、発光量がBGOの半分であるという問題があった。
特公昭62−8472号公報 (特許請求の範囲) 米国特許第4958080号明細書 (I CLAIM) 米国特許第5025151号明細書 (WHAT IS CLAIMED IS) 特開平9−118593号公報 (特許請求の範囲) 特公昭59−45022号公報 (特許請求の範囲) 特開昭59−27283号公報 (特許請求の範囲) 特開昭58−204088号公報 (特許請求の範囲) 特開平7−188655号公報 (特許請求の範囲) 特公平5−016756号公報 (特許請求の範囲) 特許3062753号公報 (特許請求の範囲) 特許3089418号公報 (特許請求の範囲) 特許3168294号公報 (特許請求の範囲) 特開2000−290097号公報 (特許請求の範囲) "Scintillation decay of LiCaAlF6:Ce3+single crystals" M.Nikl,N.Solovieva,E.Mihokova,M.Dusek,A.Vedda,M.Martini,K.Shimamura and T.Fukuda,Phys.Stat.Sol.(a) 187 (2001) R1−R3. "LiCaAlF6:Ce crystal:a new scintillator" A.Gektin,N.Shiran,S.Neicheva,V.Gavrilyuk,A.Bensalah,T.Fukuda and K.Shimamura,Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A 486 (2002) 274−277.
そこで、本発明はこのような事情に鑑み、高い蛍光強度を有する放射線検出用フッ化物単結晶及びシンチレータ並びに放射線検出器を提供することを課題とする。
本発明者は、フッ化セリウムに、ルテチウムLu及びガドリニウムGdの少なくとも一種の元素を、Ce1−x (0.001≦x≦0.5)となるように含有させると、γ線やX線等の放射線の照射による発光量が飛躍的に向上することを知見し、シンチレータ等の放射線検出用材料として有用であることを見出し、本発明に至った。
かかる本発明の第1の態様は、フッ化物単結晶であって、Lu、又は、Lu及びGdの元素R、Ceとを含み、Ce1−x (0.001≦x≦0.5)で表されることを特徴とする放射線検出用フッ化物単結晶にある。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、さらにSc、Y及びLaの少なくとも一種の元素Rを含み、(Ce1−x 1−y (0.001≦x≦0.5、y≦0.95)で表されることを特徴とする放射線検出用フッ化物単結晶にある。
本発明の第3の態様は、Lu、又は、Lu及びGdの元素R、Ceとを含み、Ce1−x (0.001≦x≦0.5)で表されるフッ化物単結晶からなることを特徴とするシンチレータにある。
本発明の第4の態様は、第3の態様において、さらにSc、Y及びLaの少なくとも一種の元素Rを含み、(Ce1−x 1−y (0.001≦x≦0.5、y≦0.95)で表されるフッ化物単結晶からなることを特徴とするシンチレータにある。
本発明の第5の態様は、第1又は2の態様の放射線検出用フッ化物単結晶からなるシンチレータと、このシンチレータからの発光を検出する光検出器とを具備することを特徴とする放射線検出器にある。
本発明の放射線検出用フッ化物単結晶は、蛍光強度が高いため、高い解像力を有するという効果を奏する。
本発明の放射線検出用フッ化物単結晶は、CeFのCeの一部をLu及び/又はGdで置換したもので、Ce1−x (0.001≦x≦0.5)で表されるR置換フッ化セリウム単結晶(以下「R:CeF」という)である。Lu及びGd自体は密度が高く且つ発光しないあるいは弱いため、CeFのCeの一部を置換することにより蛍光強度が高い放射線検出用フッ化物単結晶とすることができるものと推測される。なおxが0.001より小さいと蛍光強度を向上させる効果が顕著でなくなり、0.5より大きいと透明度や結晶性が低下したり蛍光強度を向上させる効果が顕著でなくなることがある。また、このようなフッ化物単結晶であれば製造方法としては特に限定されない。
ルテチウムLu及びガドリニウムGdは、好ましくはフッ化物で添加するが、蛍光の波長に吸収が存在しないものを用いるのが好ましい。
Lu及びGdの少なくとも一種の元素に加えて、さらにCeをスカンジウムSc、イットリウムY及びランタンLaの少なくとも一種の元素Rで置換してもよい。Sc、Y及びLaは、Lu及びGdと同様に最外殻のs軌道を満たし且つ最も外側のd軌道に電子を1つ持つ電子配置を有する特徴を持つ元素であるため、発光に有利である。なお、95モル%程度までCeをRで置換することができる。このSc、Y又はLaを含む本発明のフッ化物単結晶は、(Ce1−x 1−y (0.001≦x≦0.5)で表され、yは0.95以下、好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.005〜0.5である。yが0.005より小さい又は0.95より大きいと蛍光強度を向上させる効果が顕著でなくなる。
なお、フッ化物単結晶が放射線を吸収した際に発生する蛍光の強度を増大させ、シンチレータとしての特性を向上させるために、必要に応じて他のドーパントを、例えばフッ化物として、さらに添加してもよい。このようなドーパントとしては、ネオジムNd、プラセオジムPr、ユーロピウムEu、ツリウムTm、ホルミウムHo、エルビウムEr、テルビウムTbおよびジスプロシウムDyを挙げることができる。また、蛍光波長を長波長側にシフトさせるために、バリウムBa等をドーパントとしてもよい(E.Auffrayら、Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A 383 (1996) 367-390参照)。このようなドーパントは、例えば、モル比で0.01%〜1%程度添加する。但し、このようなドーパントを添加すると、蛍光寿命が変化する場合があるので、所望の特性に併せて適宜選択する必要がある。
本発明の放射線検出用フッ化物単結晶は、PET又はTOF−PETの検出器のシンチレータなどとして使用するので、高品質、かつ均質なバルク結晶を得る必要がある。このようなバルク結晶を得るためには、下記に示すような製造法によるのが好ましい。
すなわち、本発明の放射線検出用フッ化物単結晶は、好適には、融液成長法、あるいは溶液成長法によって製造するが、本発明のR:CeFを製造するためには、以下の条件によって融液成長法、あるいは溶液成長法により製造するのが好ましい。この条件は、10−4〜10−5torrの高真空を保ちながら、粉末又はバルク状多結晶フッ化物原料すなわちCeF及びR等を室温から原料の融点以下の温度、例えば、500〜800℃の温度まで加熱し、炉内にCFなどのフロン系ガス及びアルゴンガスを導入してから(混合比、フロン系ガス:アルゴンガス=100:0〜0:100、体積比)温度を融点以上に上げ、融液あるいは溶液表面に発生する不純物および融液あるいは溶液内に存在する不純物とガスとを反応させて、不純物を除去し、得られた融液あるいは溶液から成長させるようにする。
上記製造方法によって、例えば、純度99.9重量%程度のフッ化物原料を使った場合でも、従来技術の方法に比してより簡便に、高品質な単結晶を製造することが可能となる。また、本発明のフッ化物単結晶は、不純物を除去して得た融液又は溶液からArなどの不活性ガス雰囲気下で融液成長法、あるいは溶液成長法によってフッ化物単結晶を作製することが可能となる。
以下に、本発明の放射線検出用フッ化物単結晶についてより詳細に説明する。
本発明の放射線検出用フッ化物単結晶は、粉末又は多結晶のフッ化セリウム(CeF)に、フッ化ルテチウム(LuF)などルテチウム原料及び/又はフッ化ガドリニウム(GdF)などのガドリニウム原料や、必要に応じてドーパント用原料やフッ化スカンジウム(ScF)、フッ化イットリウム(YF)、フッ化ランタン(LaF)などの元素R原料を坩堝内に充填し、炉内・原料内に含まれる水分および酸素の除去のため10−4〜10−5torr程度の高真空を保ちながら、上記原料を室温から500〜800℃程度、すなわち、融点を超えない所定の温度まで加熱する。次に、作製炉内にCFなどのフロン系ガス及びアルゴンガスを導入してから(混合比、フロン系ガス:アルゴンガス=100:0〜0:100、体積比)温度を融点以上に上昇し、融液又は溶液表面に発生する不純物および融液又は溶液内に存在する不純物とフロン系ガスとを反応させ、不純物を除去するようにする。そして、得られた融液あるいは溶液からR:CeFを製造する。
このようにして得られる融液又は溶液からの単結晶の製造方法は特に限定されず、引き上げ法やブリッジマン法等を用いればよい。例えば、引き上げ法によると、融液の温度を各化合物の融点近辺に保ち、種結晶を1〜50rpmで回転させながら0.1〜10mm/hの速度で引き上げることによって、結晶中に気泡やスキャッタリングセンターなどのない、透明な高品質単結晶が得られる。また、本発明のフッ化物単結晶は、融解後、徐冷するだけでも単結晶が得られ、条件を適宜設定すれば、種結晶を用いることなく、徐冷するだけで単結晶が得られるという特長を有する。
また、このようにして得られるR:CeFは、X線やγ線に対する蛍光強度が高いため、PETやTOF−PET用のシンチレータとして有用である。
このようなR:CeFを所定の寸法に切り出したシンチレータは、放射線、例えば、X線又はγ線を吸収することにより発生する蛍光の波長に合わせた光検出器、例えば、可視光又は紫外線の光電子増倍管などの光検出器と組み合わせることにより、放射線検出器とすることができる。
(実施例1)
純度99.99%の市販のバルク粉砕原料であるCeF及びLuFをモル比で90:10として準備し、それらを混合せずに坩堝内に充填した。それをそのまま単結晶作製炉内に置き、10−4〜10−5torr程度まで真空に引き、そのまま約700℃程度まで真空状態で加熱し炉内・原料中の水分・酸素を除去した。ここでCFガス及びアルゴンガス(体積比50:50)を単結晶作製炉内に導入し、混合ガス雰囲気中で原料を加熱融解し、そのまま1時間、液体状態で保った。このとき、液体表面に現れた不純物は、CFガスと反応することにより、全て消滅した。次に融液に種結晶を接触させ、c軸方向に引き上げ速度1mm/h、回転数10rpmで引き上げ単結晶を成長・作製した。作製した結晶は、気泡、クラック、スキャッタリングセンターなどの無く、透明かつ高品質なルテチウム置換フッ化セリウム(Lu:CeF)単結晶であった。
(実施例2)
CeFとLuFのモル比を95:5とした以外は実施例1と同様に、結晶を育成した。
(実施例3)
純度99.99%の市販のバルク粉砕原料であるCeF及びLuFをモル比で99:1として準備し、これらを混合して坩堝内に充填した。それをそのまま単結晶作製炉内に置き、10−4〜10−5torr程度まで真空に引き、そのまま約700℃程度まで真空状態で加熱し炉内・原料中の水分・酸素を除去した。ここでCFガス及びアルゴンガスを単結晶作製炉内に導入し、混合ガス雰囲気中で原料を加熱融解し、そのまま3時間、液体状態で保った。このとき、液体表面に現れた不純物は、CFガスと反応することにより、全て消滅した。次に融液に種結晶を接触させ、c軸方向に引き上げ速度1.5mm/h、回転数10rpmで引き上げ単結晶を成長・作製した。作製した結晶は、直径約15mm、長さ約70mmで、気泡、クラック、スキャッタリングセンターなどの無く、透明かつ高品質なルテチウムドープフッ化セリウム(Lu:CeF)単結晶であった。
(実施例4)
純度99.99%の市販のバルク粉砕原料であるCeF及びGdFをモル比で90:10として準備し、これらを混合して坩堝内に充填した。それをそのまま単結晶作製炉内に置き、10−4〜10−5torr程度まで真空に引き、そのまま約700℃程度まで真空状態で加熱し炉内・原料中の水分・酸素を除去した。ここでCFガス及びアルゴンガスを単結晶作製炉内に導入し、混合ガス雰囲気中で原料を加熱融解し、そのまま3時間、液体状態で保った。このとき、液体表面に現れた不純物は、CFガスと反応することにより、全て消滅した。次に融液に種結晶を接触させ、c軸方向に引き上げ速度1.5mm/h、回転数10rpmで引き上げ単結晶を成長・作製した。作製した結晶は、直径約15mm、長さ約70mmで、気泡、クラック、スキャッタリングセンターなどの無く、透明かつ高品質なガドリニウムドープフッ化セリウム(Gd:CeF)単結晶であった。
(実施例5)
純度99.99%の市販のバルク粉砕原料であるCeF及びGdFをモル比で95:5として準備する以外は実施例4と同様に結晶を育成した。
(実施例6)
純度99.99%の市販のバルク粉砕原料であるCeF及びGdFをモル比で97:3として準備する以外は実施例4と同様に結晶を育成した。
(実施例7)
純度99.99%の市販のバルク粉砕原料であるCeF及びGdFをモル比で99:1として準備する以外は実施例4と同様に結晶を育成した。
(比較例1)
LuFを添加しない以外は実施例2と同様に、結晶を育成した。
(比較例2)
LuFのかわりにErFを用いた以外は実施例2と同様に、結晶を育成した。
(比較例3)
LuFのかわりにTmFを用いた以外は実施例2と同様に、結晶を育成した。
(比較例4)
LuFのかわりにHoFを用いた以外は実施例2と同様に、結晶を育成した。
(比較例5)
LuFを添加しない以外は実施例3と同様に、結晶を育成した。
(試験例1)
各実施例及び各比較例で得られた単結晶についてX線蛍光スペクトルを測定した結果を図1に示す。図1に示すように、LuでCeFのCeの一部を置換すると蛍光強度が著しく高くなり、Luで置換しない比較例1と比べて、実施例2では2倍に、実施例1では4倍になったことが確認された。一方、Luの代わりにEr、Tm又はHoで置換した比較例2〜4では、蛍光強度はLuで置換しない比較例1よりも低くなった。
(試験例2)
実施例3で得られた単結晶について、蛍光X線スペクトル測定により組成分析をした結果を表1に示す。なお、測定装置は、日本フィリップス社製PW2404型を用いた。実際に形成された単結晶を分析した結果、単結晶に含まれるLuの量は、原料の配合割合よりも低いことが分かった。従って、実施例1及び実施例2の単結晶についても、実施例3と同様に、Luの割合は原料の配合割合よりも少ないことが推測できる。
Figure 0004905756
(試験例3)
実施例3及び比較例5の単結晶について、γ線によるエネルギースペクトルを測定した結果を図2に示す。図2に示すように、実施例3は比較例5で得られた単結晶と比べて2.7倍のスペクトル強度が確認されたことから、実施例3は比較例5に比べてγ線の蛍光強度が大幅に向上したことが分かった。
(試験例4)
実施例3及び比較例5の単結晶について、γ線の蛍光寿命を測定した。結果を図3及び図4に示す。図3及び図4に示すように、実施例3及び比較例5のγ線の蛍光寿命はほぼ同じ値となり、本発明のフッ化物単結晶は、蛍光寿命は変わらずγ線照射による発光量は大幅に向上することが分かった。
(試験例5)
実施例4〜7で得られた単結晶について、EDS(energy dispersive spectroscopy:エネルギー分散型X線分析)測定によりGdの含有量を測定した結果を図5に示す。この結果、単結晶に含まれるGdの量も、原料の配合割合よりも低いことが分かった。
実施例及び比較例の単結晶のX線蛍光スペクトルを示す図である。 実施例3および比較例5の単結晶のγ線エネルギースペクトルを示す図である。 実施例3の単結晶の蛍光寿命の測定結果を示す図である。 比較例5の単結晶の蛍光寿命の測定結果を示す図である。 実施例4〜7の単結晶のEDS測定によりGd含有量を測定した結果を示す図である。

Claims (5)

  1. フッ化物単結晶であって、Lu、又は、Lu及びGdの元素R、Ceとを含み、Ce1−x (0.001≦x≦0.5)で表されることを特徴とする放射線検出用フッ化物単結晶。
  2. 請求項1において、さらにSc、Y及びLaの少なくとも一種の元素Rを含み、(Ce1−x 1−y (0.001≦x≦0.5、y≦0.95)で表されることを特徴とする放射線検出用フッ化物単結晶。
  3. Lu、又は、Lu及びGdの元素R、Ceとを含み、Ce1−x (0.001≦x≦0.5)で表されるフッ化物単結晶からなることを特徴とするシンチレータ。
  4. 請求項3において、さらにSc、Y及びLaの少なくとも一種の元素Rを含み、(Ce1−x 1−y (0.001≦x≦0.5、y≦0.95)で表されるフッ化物単結晶からなることを特徴とするシンチレータ。
  5. 請求項1または2の放射線検出用フッ化物単結晶からなるシンチレータと、このシンチレータからの発光を検出する光検出器とを具備することを特徴とする放射線検出器。
JP2004262642A 2003-09-24 2004-09-09 放射線検出用フッ化物単結晶及びシンチレータ並びに放射線検出器 Expired - Fee Related JP4905756B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004262642A JP4905756B2 (ja) 2003-09-24 2004-09-09 放射線検出用フッ化物単結晶及びシンチレータ並びに放射線検出器

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003332328 2003-09-24
JP2003332328 2003-09-24
JP2004262642A JP4905756B2 (ja) 2003-09-24 2004-09-09 放射線検出用フッ化物単結晶及びシンチレータ並びに放射線検出器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005119948A JP2005119948A (ja) 2005-05-12
JP4905756B2 true JP4905756B2 (ja) 2012-03-28

Family

ID=34621963

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004262642A Expired - Fee Related JP4905756B2 (ja) 2003-09-24 2004-09-09 放射線検出用フッ化物単結晶及びシンチレータ並びに放射線検出器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4905756B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE513940T1 (de) * 2004-04-12 2011-07-15 Stella Chemifa Corp Mischkristallmaterial von seltenerdelementfluorid (polykristall und einkristall) und strahlungsdetektor und testvorrichtung
JP2007045869A (ja) * 2005-08-08 2007-02-22 Stella Chemifa Corp 低吸湿性ハロゲン置換フッ化物シンチレータ材料、及び放射線検出器及び検査装置
JP5393266B2 (ja) * 2009-06-05 2014-01-22 株式会社トクヤマ 希土類含有K3LuF6、真空紫外発光素子及び真空紫外発光シンチレーター
JP5317952B2 (ja) * 2009-12-25 2013-10-16 株式会社トクヤマ フッ化物結晶、真空紫外発光素子及び真空紫外発光シンチレーター
CN109988577B (zh) * 2017-12-27 2020-12-25 有研稀土新材料股份有限公司 稀土卤化物闪烁材料及其应用

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6117082A (ja) * 1984-07-03 1986-01-25 Toshiba Corp 放射線検出器
JPH083534B2 (ja) * 1987-09-05 1996-01-17 日立化成工業株式会社 放射線検出器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005119948A (ja) 2005-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5389328B2 (ja) Prを含むシンチレータ用単結晶及びその製造方法並びに放射線検出器及び検査装置
US6437336B1 (en) Scintillator crystals and their applications and manufacturing process
AU2006252151B2 (en) Scintillator compositions, and related processes and articles of manufacture
JP6033879B2 (ja) 発光物質、及び発光物質を形成するためのプロセス
CN103249805B (zh) 包含掺杂稀土硅酸盐的发光材料
KR100706705B1 (ko) 섬광 결정과 이를 제조하는 방법과 이를 사용하는 방법
JP5984940B2 (ja) 希土類元素を含むシンチレーション化合物およびその形成プロセス
JP5686724B2 (ja) 固体シンチレータ、放射線検出器およびx線断層写真撮影装置
US20060163484A1 (en) Metal halide for radiation detection, method for production thereof and radiation detector
EP1938127B1 (en) High light yield fast scintillator
CN110603310A (zh) 共掺杂有一价离子的石榴石闪烁体
JP2007045869A (ja) 低吸湿性ハロゲン置換フッ化物シンチレータ材料、及び放射線検出器及び検査装置
JP4702767B2 (ja) 放射線検出用Lu3Al5O12結晶材料の製造方法及び放射線検出用(ZxLu1−x)3Al5O12結晶材料の製造方法
US7060982B2 (en) Fluoride single crystal for detecting radiation, scintillator and radiation detector using the single crystal, and method for detecting radiation
JPWO2004086089A1 (ja) 熱蛍光線量計用フッ化物単結晶材料及び熱蛍光線量計
CN105969354A (zh) 铈掺杂焦硅酸钆发光材料及其制备方法
JP4605588B2 (ja) 放射線検出用フッ化物単結晶及びその製造方法並びに放射線検出器
JP4905756B2 (ja) 放射線検出用フッ化物単結晶及びシンチレータ並びに放射線検出器
JP5994149B2 (ja) X線シンチレータ用材料
JP2022151064A (ja) シンチレータおよび放射線検出器
JP2004137489A (ja) 放射線検出用フッ化物単結晶材料及び放射線検出器
KR101641946B1 (ko) 섬광체 및 이의 제조 방법
WO2018110451A1 (ja) 電離放射線検出用の蛍光体、該蛍光体を含む蛍光体材料、並びに該蛍光体材料を備えた検査装置及び診断装置
WO2021149670A1 (ja) シンチレータおよび放射線検出器
WO2011078243A1 (ja) 金属フッ化物結晶、真空紫外発光素子及び真空紫外発光シンチレーター

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070511

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111228

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111228

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees