JP5015063B2 - 形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板とその製造方法 - Google Patents

形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、自動車の加工部品に用いられる、{100}集合組織の発達によって曲げ加工を主とする形状凍結性が優れたフェライト系薄鋼板(以下、単に鋼板又は薄鋼板ともいう)とその製造方法に関するものである。
自動車からの炭酸ガスの排出量を抑えるために、高強度鋼板を使用して自動車の車体の軽量化が進められている。また、搭乗者の安全性の確保のためにも、自動車の車体には軟鋼板の他に高強度鋼板が多く使用されるようになってきている。更に、自動車の車体の軽量化を今後進めていくために、従来以上に高強度鋼板の使用強度レベルを高めたいという新たな要請が、非常に高まりつつある。
しかしながら、高強度鋼板に曲げ加工を加えると、加工後の形状はその高強度のゆえに、加工治具の形状から離れて加工前の形状の方向にもどりやすくなる。加工を加えても元の形状の方向にもどろうとするこの現象は、スプリング・バックと呼ばれている。このスプリング・バックが発生すると、狙いとする加工部品の形状が得られない。
したがって、従来の自動車の車体では、主として440MPa以下の高強度鋼板に限って使用されてきた。自動車の車体にとっては、490MPa以上の高強度鋼板を使用して車体の軽量化を進めていく必要があるにもかかわらず、スプリング・バックが少なく形状凍結性の良い高強度鋼板が存在しないのが実状である。付け加えるまでもなく、440MPa以下の高強度鋼板や軟鋼板の加工後の形状凍結性を高めることは、自動車や家電製品などの製品の形状精度を高める上で極めて重要であることはいうまでもない。
特開平10−72644号公報には、圧延面に平行な面における{200}集合組織の集積度が1.5以上であることを特徴とするスプリングバック量が小さいオーステナイト系ステンレス冷延鋼板が開示されている。
上記オーステナイト系ステンレス冷延鋼板は、C:0.01〜0.1wt%、Si:0.05〜3.0wt%、Mn:0.05〜2.0wt%、P:0.04wt%以下、S:0.03wt%以下、Al:0.1wt%以下、Cr:15〜25wt%、Ni:5〜15wt%、N:0.005〜0.3Wt%、O:0.007wt%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる等軸晶率30%以上の連続鋳造スラブ、もしくは、C:0.01〜0.1wt%、Si:0.05〜3.0wt%、Mn:0.05〜2.0wt%、p:0.04wt%以下、S:0.03wt%以下、Al:0.1wt%以下、Cr:15〜25wt%、Ni:5〜15wt%、N:0.005〜0.3wt%、O:0.007wt%以下を含み、かつCu:0.05〜5.0wt%、Co:0.05〜5.0wt%、Mo:0.05〜5.0wt%、W:0.05〜5.0wt%、Ti:0.01〜0.5wt%、Nb:0.01〜0.5wt%、V:0.01〜0.5wt%、Zr:0.01〜0.5wt%、REM:0.001〜0.1wt%、Y:0.001〜0.5wt%、B:0.0003〜0.01wt%およびCa:0.0003〜0.01wt%のうちから選ばれるいずれか1種または2種以上を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる等軸晶率30%以上の連続鋳造スラブを、加熱後、熱間粗圧延し、次いで、最終パスを、温度1050℃以上、圧下率15%以上として熱間仕上げ圧延し、さらに、熱延板焼鈍を適宜行い、その後、冷間圧延および仕上げ焼鈍を行うことにより、結晶粒径を徒に大きくすることなく製造されるものである。
しかし、上記オーステナイト系ステンレス冷延鋼板は、自動車の加工部品等ではなく、浴槽、鍋、食器、流し等のプレス成形品に用いられるものである。そして、上記特開平10−72644号公報には、フェライト系鋼板において、そのスプリングバック量を小さくすることについては記載されていない。
特開平10−72644号公報
軟鋼板や高強度鋼板に曲げ加工を施すと、鋼板の強度に依存しながら大きなスプリング・バックが発生し、加工成形部品の形状凍結性が悪いのが現状である。本発明は、この課題を根本的に有利に解決して、形状凍結性に優れたフェライト系薄鋼板とその製造方法を提供するものである。
従来の知見によれば、スプリング・バックを抑えるための方策としては、鋼板の降伏点を低くすることが、とりあえず重要であると考えられていた。そして、降伏点を低くするためには、引張強さの低い鋼板を使用せざるをえなかった。しかし、これだけでは、鋼板の曲げ加工性を向上させ、スプリング・バック量を低く抑えるための根本的な解決にはならない。
そこで発明者らは、曲げ加工性を向上させてスプリング・バックの発生を根本的に解決するため、新たに、鋼板の集合組織が曲げ加工性に及ぼす影響に着目して、その作用効果を詳細に調査、研究した。そして、鋼板の曲げ加工性に対応する適切な材料指標を見いだそうとした。その結果、鋼板の集合組織のうちで、板面に平行な{100}面と{111}面の比が1.0以上であると、鋼板の曲げ加工性が良くなることを明らかにした。
なお、薄鋼板の板面に平行な結晶面の存在量は、X線の回析量に比例するものとして、{200}や{222}などのX線の回折強度を測定することによって求める。したがって、{200}や{222}などのX線の回析強度は、それぞれ、{100}面や{111}面の存在量に対応していることになる。いうまでもなく、X線の回析強度比、{200}/{222}は、存在する結晶面の回析強度比{100}/{111}と等価であるといって差し支えない。
本発明は前述の知見に基づいて構成されているものであり、本発明の自動車用フェライト系薄鋼板が要旨とするところは、以下の(1)〜(3)のとおりである。
)質量%で、C:0.05%以上、0.25%以下、Si:0.01%以上、2.5%以下、Mn:0.01%以上、2.5%以下、P:0.15%以下、S:0.03%以下、Al:0.01%以上、1.0%以下、N:0.01%以下、O:0.007%以下、を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなり、かつ、板面に平行な{100}面と{111}面の比が1.0以上であることを特徴とする自動車用形状凍結性に優れたフェライト系薄鋼板。
)前記板面にめっきが施されている前記(1)に記載の自動車用形状凍結性に優れたフェライト系薄鋼板。
また、本発明の自動車用フェライト系薄鋼板の製造方法が要旨とするところは、以下の()〜(10)のとおりである。
)前記(1)に記載の形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板を製造する方法において、所定の成分組成の鋼を、950℃以下Ar変態温度以上での熱間圧延における圧下率の合計が25%以上、かつ、950℃以下での熱間圧延における摩擦係数が0.2以下となるようにして熱間圧延し、Ar変態温度以上で熱間圧延を終了し、冷却後、下記式で定まる臨界温度To以下の温度で巻き取ることを特徴とする形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板の製造方法。
To=−650.4×C%−50.6×Mneq+894.3
ただし、Mneq=Mn%+0.5×Ni%−1.49×Si%−1.05×Mo%
−0.44×W%+0.37×Cr%+0.67×Cu%
−23×P%+13×Al%
)前記()に記載の形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板を製造する方法において、所定の成分組成の鋼を、950℃以下Ar変態温度以上での熱間圧延における圧下率の合計が25%以上、かつ、950℃以下での熱間圧延における摩擦係数が0.2以下となるようにして熱間圧延し、Ar変態温度以上で熱間圧延を終了し、冷却後、下記式で定まる臨界温度To以下の温度で巻き取り、さらに、板面にめっきを施すことを特徴とする形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板の製造方法。
To=−650.4×C%−50.6×Mneq+894.3
ただし、Mneq=Mn%+0.5×Ni%−1.49×Si%−1.05×Mo%
−0.44×W%+0.37×Cr%+0.67×Cu%
−23×P%+13×Al%
)前記(1)に記載の形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板を製造する方法において、所定の成分組成の鋼を、Ar変態温度以下での熱間圧延における圧下率の合計が25%以上、かつ、Ar変態温度以下での熱間圧延における摩擦係数が0.2以下となるようにして熱間圧延し、冷却後巻き取るか、もしくは、冷却後付加的に回復・再結晶処理を行なうことを特徴とする形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板の製造方法。
)前記()に記載の形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板を製造する方法において、所定の成分組成の鋼を、Ar変態温度以下での熱間圧延における圧下率の合計が25%以上、かつ、Ar変態温度以下での熱間圧延における摩擦係数が0.2以下となるようにして熱間圧延し、冷却後巻き取るか、もしくは、冷却後付加的に回復・再結晶処理を行ない、さらに、板面にめっきを施すことを特徴とする形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板の製造方法。
)前記(1)に記載の形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板を製造する方法において、所定の成分組成の鋼を、950℃以下Ar変態温度以上での熱間圧延における圧下率の合計が25%以上、かつ、950℃以下での熱間圧延における摩擦係数が0.2以下となるようにして熱間圧延し、Ar変態温度以上で熱間圧延を終了し、冷却後、下記式で定まる臨界温度To以下の温度で巻き取り、次いで、酸洗し、圧下率80%未満で冷間圧延し、その後、600℃以上Ac変態温度未満に加熱し、次いで、冷却することを特徴とする形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板の製造方法。
To=−650.4×C%−50.6×Mneq+894.3
ただし、Mneq=Mn%+0.5×Ni%−1.49×Si%−1.05×Mo%
−0.44×W%+0.37×Cr%+0.67×Cu%
−23×P%+13×Al%
)前記()に記載の形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板を製造する方法において、所定の成分組成の鋼を、950℃以下Ar変態温度以上での熱間圧延における圧下率の合計が25%以上、かつ、950℃以下での熱間圧延における摩擦係数が0.2以下となるようにして熱間圧延し、Ar変態温度以上で熱間圧延を終了し、冷却後、下記式で定まる臨界温度To以下の温度で巻き取り、次いで、酸洗し、圧下率80%未満で冷間圧延し、その後、600℃以上Ac変態温度未満に加熱し、次いで、冷却し、さらに、板面にめっきを施すことを特徴とする形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板の製造方法。
To=−650.4×C%−50.6×Mneq+894.3
ただし、Mneq=Mn%+0.5×Ni%−1.49×Si%−1.05×Mo%
−0.44×W%+0.37×Cr%+0.67×Cu%
−23×P%+13×Al%
)前記(1)に記載の形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板を製造する方法において、所定の成分組成の鋼を、Ar変態温度以下での熱間圧延における圧下率の合計が25%以上、かつ、Ar変態温度以下での熱間圧延における摩擦係数が0.2以下となるようにして熱間圧延し、次いで、冷却し、冷却後巻き取るか、もしくは、冷却後付加的に回復・再結晶処理を行ない、次いで、酸洗し、圧下率80%未満で冷間圧延し、その後、600℃以上Ac変態温度未満に加熱し、次いで、冷却することを特徴とする形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板の製造方法。
10)前記()に記載の形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板を製造する方法において、所定の成分組成の鋼を、Ar変態温度以下での熱間圧延における圧下率の合計が25%以上、かつ、Ar変態温度以下での熱間圧延における摩擦係数が0.2以下となるようにして熱間圧延し、次いで、冷却し、冷却後巻き取るか、もしくは、冷却後付加的に回復・再結晶処理を行ない、次いで、酸洗し、圧下率80%未満で冷間圧延し、その後、600℃以上Ac変態温度未満に加熱し、次いで、冷却し、さらに、板面にめっきを施すことを特徴とする形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板の製造方法。
本発明によって、スプリング・バック量が少なく、曲げ加工を主体とする成形にも使用できる形状凍結性に優れた薄鋼板を提供することができるようになる。特に、従来は形状不良の問題から高強度鋼板の適用が難しかった部品にも、高強度鋼板を使用できるようになる。
本発明の根幹は、薄鋼板の板面に平行な{100}面と{111}面の存在比が1.0以上であれば、薄鋼板の曲げ加工性は非常に向上することにある。この存在比を限定する理由は以下のとおりである。
まず、{100}面と{111}面の存在比を1.0以上に限定したのは、この比が1.0よりも小さいと薄鋼板を曲げ加工したときのスプリング・バック量が非常に大きくなるからである。
結晶面の存在比が1.0以上においてスプリング・バック量が非常に小さくなるのは、曲げ加工時における鋼板内での塑性変形が非常にスムースに進行するからであると思われる。結晶学の立場から曲げ加工変形を考えると、{100}面が多いことは、単純なすべり系のみによって曲げ加工による変形が進行することを意味すると考えられる。一方、{111}面が多いと、曲げ加工時には複数の複雑なすべり系が活動することになる。換言すれば、曲げ加工による変形にとって{111}面の存在は不都合であると思われる。
これらのことから、{100}面の存在量が{111}面の存在量よりも多くなって、その比が1.0以上になると曲げ加工による変形がスムースに進行することになると理解できる。
さらに、ここで重要なことは、強度レベルの低い軟鋼板から高強度鋼板にいたる総ての薄鋼板において、薄鋼板の板面に平行な{100}面と{111}面の存在比が1.0以上であれば、薄鋼板の曲げ加工性は非常に向上するということである。言い換れば、前記存在比は、薄鋼板の強度レベルの制約をこえた、曲げ加工性に関する基本的な材料指標であるということである。
薄鋼板であれば、上記の考え方は普遍的に適用され得るものであり、特に、薄鋼板の種類を限定する必要は基本的にないが、実用面からみて、この技術を適用できる薄鋼板の種類は、軟鋼板から高強度鋼板にわたるものである。そして、勿論のこと、熱延鋼板や冷延鋼板の区別は何ら問うものではない。
本発明の効果は、薄鋼板の板面に平行な{100}面と{111}面の存在比が1.0以上であれば得られるが、さらに顕著な効果を得ようとすれば前記存在比は1.5以上であることが好ましい。
次に、前記(1)に記載したフェライト系薄鋼板の成分系について説明する。
前記(1)に記載したフェライト系薄鋼板の成分系は、極低炭素鋼板、低炭素鋼板、固溶体強化した高強度鋼板、マルテンサイトやベイナイトなどの変態組織によって強化した高強度鋼板、さらに、これらの強化機構を複合的に活用した高強度鋼板を含むものである。
記()に記載したフェライト系薄鋼板の成分系は主として、固溶体強化高強度鋼板と変態組織強化高強度鋼板を対象にしたものである。
次に、()に記載したフェライト系薄鋼板の各成分に係る限定理由について述べる。
Cの下限を0.05%としたのは、実用の高強度鋼板におけるC量の下限値を用いることにしたためである。上限は、0.25%超になると加工性や溶接性が悪くなるので、この値に設定する。
SiとMnは、脱酸元素であり、それぞれ0.01%以上含まれている必要があるが、上限をともに2.5%にするのは、これを超えると加工性が劣化するためである。
PとSは、それぞれ0.15%以下、0.03%以下とするが、これも、加工性の劣化を防ぐためである。
Alは、脱酸のためと材質制御のために0.01%以上添加するが、多すぎると表面性状が劣化するため、上限を1.0%とする。
NとOは不純物であり、加工性を悪くさせないように、それぞれ0.01%以下、0.007%以下とする。
前記()に記載したフェライト系薄鋼板に係るめっきの種類は特に限定されるものではなく、電気めっき、溶融めっき、蒸着めっき等の何れでも本発明の効果が得られる。
なお、本発明に係る鋼板は、曲げ加工だけでなく、曲げ、張り出し、絞り等、曲げ加工を主体とする成形にも適用できるものである。
次に、本発明の形状凍結性に優れたフェライト系薄鋼板の製造方法について述べる。
本発明の上記製造方法は、上記成分組成の鋼を鋳造した後、(a)熱間圧延後、所定の温度で巻き取る、(b)熱間圧延後冷却する、もしくは、この冷却後に熱処理をする、もしくは、(c)前記(a)もしくは(b)の熱間圧延後、冷却・酸洗し、冷間圧延した後に焼鈍する、さらに、(d)前記(a)もしくは(b)で得た熱延鋼板、もしくは、前記(c)で得た冷延鋼板に溶融めっきラインにて熱処理をする、を基本的な工程とするものである。なお、さらに、これらの鋼板に別途表面処理を施す工程を付加してもよい。
ここで、本発明の上記製造方法における諸条件の限定理由について説明する。
熱間圧延を、鋼の成分組成で決まるAr変態温度以上で終了する際において、その熱間圧延の後半にて、950℃以下で合計25%以上の圧延が行われない場合には、圧延されたオーステナイトの集合組織が十分に発達せず、その結果、どのような冷却を施しても、最終的に得られる熱延鋼板の板面において、板面に平行な結晶面からのX線の回析強度比{200}/{222}は、1.0以上とならない。
それ故、950℃以下での熱間圧延における圧下率の合計の下限値を25%とした。950℃以下Ar変態温度以上での熱間圧延において合計圧下率が高いほど、よりシャープな集合組織の形成が期待されるが、この合計圧下率が97.5%を越えると、圧延機の剛性を過剰に高める必要がでてきて、経済上のデメリットを生じることになるから、合計圧下率は、望ましくは、97.5%以下とする。
このとき、950℃以下Ar変態温度以上での熱間圧延時の熱延ロールと鋼板との摩擦係数が0.2を越えている場合には、鋼板表面近傍における板面に平行な結晶面からのX線の回析強度比{200}/{222}が1.0以上とならず、鋼板の形状凍結性が劣化する。それ故、摩擦係数0.2を、950℃以下Ar変態温度以上での熱間圧延時の熱延ロールと鋼板との摩擦係数の上限値とした。この摩擦係数は低ければ低いほど望ましく、特に、厳しい形状凍結性が要求される場合には、摩擦係数を0.15以下とすることが望ましい。
このようにして形成されたオーステナイトの集合組織を、最終的な熱延鋼板の組織に受け継がせるためには、以下で定義するTo温度以下で巻き取る必要がある。それ故、鋼の成分組成で決まるToを巻き取り温度の上限とした。このTo温度は、オーステナイトとオーステナイトと同一成分組成のフェライトが同一の自由エネルギーを持つ温度として熱力学的に定義され、C以外の成分の影響も考慮して下記(1)式を用いて簡易的に計算することができる。なお、本発明に規定される成分以外の成分によるTo温度に対する影響はそれほど大きくないので、ここでは無視した。
To=−650.4×C%+B ……(1)
ここで、Bは、鋼の成分組成(重量%)で決まり、下記のように定義される。
B=−50.6×Mneq+894.3
Mneq=Mn%+0.5×Ni%−1.49×Si%−1.05×Mo%−0.44×
W%+0.37×Cr%+0.67×Cu%−23×P %+13×Al%
また、熱間圧延が鋼の成分組成で決まるAr変態温度以下で行なわれる場合には、加工前に生成したフェライトが加工され、その結果、強い圧延集合組織が形成される。このような集合組織を、最終的に形状凍結性に有利な集合組織とするためには、高温で加工されたフェライトを、冷却途中で巻き取るかもしくはいったん冷却した後に再度加熱して、回復・再結晶させる必要がある。
Ar変態温度以下での合計圧下率が25%未満の場合には、再結晶温度以上で巻き取りを行ったり、冷却後再加熱して回復・再結晶処理を行っても、板面に平行な結晶面からのX線の回析強度比{200}/{222}が1.0以上とならない。それ故、25%を、Ar変態温度以下での熱間圧延における合計圧下率の下限値とした。
また、熱間圧延時の熱延ロールと鋼板との摩擦係数が0.2を越えている場合には、鋼板表面近傍における板面に平行な結晶面からのX線の回析強度比{200}/{222}が1.0以上とならない。それ故、0.2を、Ar変態温度以下での熱間圧延時の熱延ロールと鋼板との摩擦係数の上限値とした。この摩擦係数は低ければ低いほど望ましく、特に、厳しい形状凍結性が要求される場合には、摩擦係数を0.15以下とすることが望ましい。
このようにして得られた熱延鋼板(もしくは、熱処理された熱延鋼板)を冷間圧延し、焼鈍して最終的な薄鋼板とする際において、冷間圧延の全圧下率が80%以上となる場合には、一般的な冷間圧延−再結晶集合組織である板面において、板面に平行な結晶面のX線回析積分面強度比における{222}面成分が高くなり、本発明の特徴である{200}/{222}の比が1.0に満たなくなる。それ故、冷間圧延の全圧下率の上限を80%未満とした。なお鋼板の形状連結性を、より高めるためには、上記全圧下率を70%以下に制限することが望ましい。
このような全圧下率の範囲で冷間加工された冷延鋼板を焼鈍する際は、焼鈍温度が600℃より低い場合、加工組織が残留し成形性を著しく劣化させる。それ故、焼鈍温度の下限を600℃とする。
一方、焼鈍温度が過度に高い場合には、再結晶によって生成したフェライトの集合組織が、オーステナイトへ変態後、オーステナイトの粒成長によってランダム化され、最終的に得られるフェライトの集合組織もランダム化される。特に、焼鈍温度がAc変態温度以上の場合には、最終的に得られる{200}/{222}の比が1.0を越えないことになる。それ故、焼鈍温度の上限はAc変態温度未満とする。
以下、本発明の実施例を挙げながら、本発明の技術的内容について説明する。
実施例として、表1に示した成分組成を有するAからXまでの鋼を用いて検討した結果について説明する。これらの鋼は、鋳造後そのまま、もしくは、一旦室温まで冷却された後に、900℃〜1300℃の温度範囲に再加熱され、その後、熱間圧延が施され、最終的には、1.4mm厚、3.0mm厚もしくは8.0mm厚の熱延鋼板とされたものである。3.0mm厚および8.0mm厚の熱延鋼板については、冷間圧延を施し、1.4mm厚の冷延鋼板とし、その後、連続焼鈍工程にて焼鈍(例えば、700〜850℃の連続焼鈍)を施した。
これら1.4mm厚の冷延鋼板の試験片に対し、吉田清太監修の「プレス成形難易ハンドブック」(日刊工業新聞社発行、1987)の417〜418ページに記載されているU曲げ試験法に準拠して90度曲げ試験を行い、開口角度から90度を引いた値(スプリング・バック量)によって形状凍結性を評価した。
スプリング・バック量は、降伏点や引張強度が低いほど、その値は小さくなるといわれており、その傾向は、表1に示した成分組成(A,B,D,E,F,H,I,K,L,N,P,R,SおよびT)につき、種々の製造方法によって作製した冷延鋼板のスプリング・バック量を測定した結果を示した図1からも確認できる。
Figure 0005015063
そこで、薄鋼板のスプリング・バック量に対する集合組織の効果を詳細に検討した。その結果の一例を図2に示す。これは590MPa級のH鋼についての調査結果である。
図2から明らかなように、スプリング・バック量は、板面に平行な結晶面からのX線の回析強度比{200}/{222}が大きいほど小さくなる。特に、その比が1.0以上になると効果が大きくなることが分かる。本発明においては、集合組織とスプリング・バック量の間に、極めて基本的でかつ普遍的な結晶学的関係が存在することを新たに見いだしたのである。
図1に示した各種の冷延鋼板のスプリング・バック量を、X線の回析強度比、{200}/{222}の1.0を境界値として分別した結果が図3である。図3において、●は、{200}/{222}が1.0よりも小さい鋼板に係るものであり、○は{200}/{222}が1.0以上の鋼板に係るものである。
この図から明らかなように、いずれの冷延鋼板においても、それらの強度レベルによらず、X線の回析強度比{200}/{222}が1.0以上であると、スプリング・バック量は非常に小さくなっている。結晶面の比でいえば、{100}/{111}を大きくすることが、スプリング・バック量を低く抑えることにおいて、極めて有効な方法であるということである。
表2には、前記の方法によって製造された1.4mm厚の熱延鋼板と冷延鋼板の機械的特性値とスプリング・バック量とを示し、また、表3には、各鋼板の製造条件が本発明の範囲内にあるか否かを示した。
表3中、「熱延温度1」は、熱間圧延がAr変態温度以上で完了する場合において、950℃以下Ar変態温度以上での熱間圧延における圧下率の合計が25%以上である場合、「○」とした。また、表3中、「熱延温度2」は、熱間圧延がAr変態温度以下の場合において、Ar変態温度以下の圧下率の合計が25%以上の場合、「○」とした。これらのいずれの場合にも、それぞれの温度範囲での摩擦係数が0.2以下の場合には「○」、0.2超の場合には「×」とした(表3中、「潤滑」の欄、参照)。
熱間圧延における巻き取り温度は、全て前記(1)式で求まるTo温度以下とした。さらに、このような熱延鋼板を1.4mm厚の冷延鋼板に冷間圧延した場合において、冷延圧下率が80%以上の場合には、表3中の「冷延圧下率」を「×」とし、「80%未満」の場合には「○」とした。また、表3において、焼鈍温度が600℃以上Ac変態温度未満の場合、「焼鈍温度」を「○」とし、それ以外の場合を「×」とした。なお、製造の条件として関係のない項目は「−」とした。
X線による測定は、板厚の1/4厚の位置で板面に平行なサンプルを加工し、このサンプルについて実施し、その測定値を鋼板の代表値とした。なお、熱延鋼板のいくつか(H,J,K,R,U,V,W,X)には、冷延鋼板とほぼ同じ機械的性質を持たせるため、700〜850℃で短時間熱処理し、その後、冷却条件を制御した付加的熱処理を施した。
Figure 0005015063
Figure 0005015063
表2中の鋼種E,F,G,H,K,Rにおいて、各鋼種の「−2」および「−3」の番号のものが本発明のものである。これらの番号のものと、発明外の「−1」と「−4」の番号のものを比べると、X線の回析強度比{200}/{222}が1.0以上である本発明の鋼種の場合には、この比が1.0未満の発明外の鋼種の場合に比べ、スプリング・バック量が小さくなっていることがわかる。すなわち、X線の回析強度比{200}/{222}が1.0以上である場合において、はじめて良好な薄鋼板の形状凍結性が達成されるのである。
X線の回析強度比{200}/{222}が大きい場合に、曲げ加工性の形状凍結性が高くなる機構については、現在のところ必ずしも明らかとはなっていない。しかし、この比が大きいことは、{100}/{111}が大きいことを意味し、このことは、板面に平行な{100}面では、比較的単純なすべり活動で曲げ変形が進行するのに対し、{111}面では、複数のすべり系が複雑に絡み合って曲げ変形が進行することが原因となっているのではないかと考えられる。すなわち、{100}/{111}を大きくすることで、曲げ変形時におけるすべり変形の進行を容易にすることができ、そのことが、結果的に、曲げ変形時のスプリング・バック量を小さくしているものと理解される。
薄鋼板の集合組織を制御すると、その曲げ加工性が著しく向上することを詳述した。本発明によって、スプリング・バック量が少なく、曲げ加工を主体とする成形にも使用できる形状凍結性に優れた薄鋼板を提供することができるようになる。特に、従来は形状不良の問題から高強度鋼板の適用が難しかった部品にも、高強度鋼板を使用できるようになる。自動車の軽量化の推進のためには、高強度鋼板の使用は是非とも必要である現状において、スプリング・バック量が少なく、形状凍結性に優れた高強度鋼板が適用できるようになると、自動車の軽量化が、一層推進されることになる。したがって、本発明は、工業的に極めて高い価値のある発明である。
冷延鋼板の引張り強さとスプリング・バック量の関係を示す図である。 590MPa級冷延鋼板のX線回析強度比{200}/{222}とスプリング・バック量の関係を示す図である。 冷延鋼板の引張り強さと、冷延鋼板のスプリング・バック量に及ぼすX線回析強度比{200}/{222}の効果との関係を示す図である。

Claims (10)

  1. 質量%で、C:0.05%以上、0.25%以下、Si:0.01%以上、2.5%以下、Mn:0.01%以上、2.5%以下、P:0.15%以下、S:0.03%以下、Al:0.01%以上、1.0%以下、N:0.01%以下、O:0.007%以下、を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなり、かつ、板面に平行な{100}面と{111}面の比が1.0以上であることを特徴とする形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板。
  2. 前記板面にめっきが施されている請求項1に記載の形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板。
  3. 請求項1に記載の形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板を製造する方法において、請求項1に記載の成分組成の鋼を、950℃以下Ar変態温度以上での熱間圧延における圧下率の合計が25%以上、かつ、950℃以下での熱間圧延における摩擦係数が0.2以下となるようにして熱間圧延し、Ar変態温度以上で熱間圧延を終了し、冷却後、下記式で定まる臨界温度To以下の温度で巻き取ることを特徴とする形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板の製造方法。
    To=−650.4×C%−50.6×Mneq+894.3
    ただし、Mneq=Mn%+0.5×Ni%−1.49×Si%−1.05×Mo%
    −0.44×W%+0.37×Cr%+0.67×Cu%
    −23×P%+13×Al%
  4. 請求項に記載の形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板を製造する方法において、請求項1に記載の成分組成の鋼を、950℃以下Ar変態温度以上での熱間圧延における圧下率の合計が25%以上、かつ、950℃以下での熱間圧延における摩擦係数が0.2以下となるようにして熱間圧延し、Ar変態温度以上で熱間圧延を終了し、冷却後、下記式で定まる臨界温度To以下の温度で巻き取り、さらに、板面にめっきを施すことを特徴とする形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板の製造方法。
    To=−650.4×C%−50.6×Mneq+894.3
    ただし、Mneq=Mn%+0.5×Ni%−1.49×Si%−1.05×Mo%
    −0.44×W%+0.37×Cr%+0.67×Cu%
    −23×P%+13×Al%
  5. 請求項1に記載の形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板を製造する方法において、請求項1に記載の成分組成の鋼を、Ar変態温度以下での熱間圧延における圧下率の合計が25%以上、かつ、Ar変態温度以下での熱間圧延における摩擦係数が0.2以下となるようにして熱間圧延し、冷却後巻き取るか、もしくは、冷却後付加的に回復・再結晶処理を行なうことを特徴とする形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板の製造方法。
  6. 請求項に記載の形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板を製造する方法において、請求項1に記載の成分組成の鋼を、Ar変態温度以下での熱間圧延における圧下率の合計が25%以上、かつ、Ar変態温度以下での熱間圧延における摩擦係数が0.2以下となるようにして熱間圧延し、冷却後巻き取るか、もしくは、冷却後付加的に回復・再結晶処理を行ない、さらに、板面にめっきを施すことを特徴とする形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板の製造方法。
  7. 請求項1に記載の形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板を製造する方法において、請求項1に記載の成分組成の鋼を、950℃以下Ar変態温度以上での熱間圧延における圧下率の合計が25%以上、かつ、950℃以下での熱間圧延における摩擦係数が0.2以下となるようにして熱間圧延し、Ar変態温度以上で熱間圧延を終了し、冷却後、下記式で定まる臨界温度To以下の温度で巻き取り、次いで、酸洗し、圧下率80%未満で冷間圧延し、その後、600℃以上Ac変態温度未満に加熱し、次いで、冷却することを特徴とする形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板の製造方法。
    To=−650.4×C%−50.6×Mneq+894.3
    ただし、Mneq=Mn%+0.5×Ni%−1.49×Si%−1.05×Mo%
    −0.44×W%+0.37×Cr%+0.67×Cu%
    −23×P%+13×Al%
  8. 請求項に記載の形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板を製造する方法において、請求項1に記載の成分組成の鋼を、950℃以下Ar変態温度以上での熱間圧延における圧下率の合計が25%以上、かつ、950℃以下での熱間圧延における摩擦係数が0.2以下となるようにして熱間圧延し、Ar変態温度以上で熱間圧延を終了し、冷却後、下記式で定まる臨界温度To以下の温度で巻き取り、次いで、酸洗し、圧下率80%未満で冷間圧延し、その後、600℃以上Ac変態温度未満に加熱し、次いで、冷却し、さらに、板面にめっきを施すことを特徴とする形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板の製造方法。
    To=−650.4×C%−50.6×Mneq+894.3
    ただし、Mneq=Mn%+0.5×Ni%−1.49×Si%−1.05×Mo%
    −0.44×W%+0.37×Cr%+0.67×Cu%
    −23×P%+13×Al%
  9. 請求項1に記載の形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板を製造する方法において、請求項1に記載の成分組成の鋼を、Ar変態温度以下での熱間圧延における圧下率の合計が25%以上、かつ、Ar変態温度以下での熱間圧延における摩擦係数が0.2以下となるようにして熱間圧延し、次いで、冷却し、冷却後巻き取るか、もしくは、冷却後付加的に回復・再結晶処理を行ない、次いで、酸洗し、圧下率80%未満で冷間圧延し、その後、600℃以上Ac変態温度未満に加熱し、次いで、冷却することを特徴とする形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板の製造方法。
  10. 請求項に記載の形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板を製造する方法において、請求項1に記載の成分組成の鋼を、Ar変態温度以下での熱間圧延における圧下率の合計が25%以上、かつ、Ar変態温度以下での熱間圧延における摩擦係数が0.2以下となるようにして熱間圧延し、次いで、冷却し、冷却後巻き取るか、もしくは、冷却後付加的に回復・再結晶処理を行ない、次いで、酸洗し、圧下率80%未満で冷間圧延し、その後、600℃以上Ac変態温度未満に加熱し、次いで、冷却し、さらに、板面にめっきを施すことを特徴とする形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板の製造方法。
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