JP4384523B2 - 形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、自動車部材等に使用され、効率よく自動車部材の軽量化を達成することのできる形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板とその製造方法に関するものである。
自動車からの炭酸ガスの排出量を抑えるために、高強度鋼板を使用して、自動車車体の軽量化が進められている。また、搭乗者の安全性の確保のためにも、自動車車体には、軟鋼板の他に、高強度鋼板が多く使用されるようになってきている。さらに、自動車車体の軽量化を今後進めていくために、従来以上に高強度鋼板の使用強度レベルを高めたいという新たな要請が非常に高まりつつある。
しかしながら、高強度鋼板に曲げ変形を加えると、加工後の形状が、その高強度ゆえに、加工冶具の形状から離れて加工前の形状の方向に戻ってしまうスプリング・バック現象や、成形中の曲げ−曲げ戻しからの弾性回復により側壁部の平面が、曲率を持った面になってしまう壁そり現象が起こり、狙いとする加工部品の形状が得られないという寸法精度不良が生じる。
したがって、従来の自動車の車体では、主として、440MPa以下の高強度鋼板に限って使用されてきた。自動車車体にとっては、490MPa以上の高強度鋼板を使用して、車体の軽量化を進めていく必要があるにもかかわらず、スプリング・バックや壁そりが少なく形状凍結性の良い高強度鋼板が存在しないのが実状である。
なお、付け加えるまでもなく、440MPa以下の高強度鋼板や軟鋼板の加工後の形状凍結性を高めることは、自動車や家電製品などの製品の形状精度を高める上で、極めて重要である。
本発明者らの一部は、特許文献1にて、形状凍結性の向上を目的として、{100}面と{111}面の比が1以上であるフェライト系薄鋼板を開示したが、この特許文献1にも、壁そりの低減に関しては何ら記載がなく、したがって、{100}<011>〜{223}<110>方位群および{100}<110>のX線ランダム強度比の値についても記載されていない。
また、本発明者らの一部は、特許文献2にて,スプリングバック量を小さくする技術として、板面に平行な{100}面の反射X線強度比が3以上である冷延鋼板を開示したが、この発明は板厚最表面でのX線強度比の規定を特徴としており、本発明とは全く異なるものである。
また、本発明者らの一部は、特許文献3および特許文献4において、形状凍結性に優れた低降伏比型高強度鋼板およびその製造方法を開示したが、本発明は、これらの発明に比較して、より優れた形状凍結性を発現できるよう、製造条件が、さらに検討されたものである。
WO00/06791号公報 特開2001−64750号公報 特開2002−363695号公報 特願2002−286838号公報
曲げ加工を施す自動車用部材に適用する鋼板の強度を増すと、鋼板強度の上昇にしたがって、形状不良が増大してしまうので、高強度鋼板の適用が制限されているのが、現状である。また、良好なプレス成形性と高い衝撃エネルギー吸収能は、高強度鋼板が自動車部品等に適用されるためには欠くことの出来ない特性である。
本発明は、この問題を抜本的に解決して、極めて良好な形状凍結性を有する低降伏比型高強度冷延鋼板およびその製造方法を提供するものである。
従来の知見によれば、形状凍結不良を抑えるための方策としては、鋼板の降伏点を低くすることが、とりあえず重要であると考えられていた。そして、降伏点を低くするためには、引張強さの低い鋼板を使用せざるを得なかった。しかし、これだけでは、鋼板の曲げ加工性を向上させ、形状凍結不良を少なくするための根本的な解決にはならない。
そこで、本発明者らは、曲げ加工性を向上させて形状凍結不良発生を根本的に解決するために、新たに、鋼板の集合組織の曲げ加工性への影響に着目して、その作用効果を詳細に調査、研究した。そして、曲げ加工性に優れた鋼板を見いだした。
その結果、{100}<011>〜{223}<110>方位群、その中でも、特に{100}<011>方位、さらに、{554}<225>、{111}<112>、{111}<110>の各方位のX線ランダム強度比を制御すること、さらには、圧延方向のr値および圧延方向と直角方向のr値のうち少なくとも1つをできるだけ低い値にすること、局部伸びの異方性を2%以上にすることで、曲げ加工性が飛躍的に向上することが明らかになった。
また、種々の部品を成形するためのブランク採取方向を限定しないことは、鋼材の歩留まり向上に大きく貢献するが、このためには、延性の異方性、とりわけ、均一伸びの異方性を小さくすることが重要な意味を持つ。
本発明者らは、実験によって、鋼板の仕上げ熱間圧延の開始温度と終了温度を制御することによって、{100}<011>方位が主方位として発達し、それによって、上記形状凍結性と加工性を確保しつつ、均一伸びの異方性を小さくすることが可能であることを見出した。
加えて、冷延鋼板において、以上のような集合組織、r値および延性の異方性を確保するためには、熱延板の製造条件を限定して、熱延板段階での金属組織と集合組織板組織を制御することが極めて重要であることを、新たに見出した。
本発明は、前述の知見に基づいて構成されており、その主旨とするところは、以下の通りである。
(1)質量%で、
C;0.02%以上0.3%以下、
Mn;0.05%以上3%以下、
P;0.2%以下
を含み、
Si;3%以下、
Al;3%以下
で、かつ、これらの双方を、合計で0.02%以上3%以下含み、さらに
Ti;0.4%以下、
Nb;0.4%以下
で、かつ、これらの一方または双方を、合計で0.01%以上0.4%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、フェライトまたはベイナイトを体積分率最大の相とし、体積分率で1%以上25%以下のマルテンサイトを含む複合組織鋼であり、少なくとも1/2板厚から1/4板厚における板面の、
(1){100}<011>〜{223}<110>方位群のX線ランダム強度比の平均値(A)が4.0以上、
(2){554}<225>、{111}<112>および{111}<110>の3つの結晶方位のX線ランダム強度比の平均値(B)が5.5以下、
(3)(A)/(B)≧1.5
(4){100}<011>X線反射ランダム強度比が、{211}<011>X線ランダム強度比以上、
の全てを満足し、かつ、圧延方向のr値および圧延方向と直角方向のr値のうち少なくとも1つが0.7以下であり、さらに、均一伸びの異方性ΔuElが4%以下、局部伸びの異方性△LElが2%以上で、かつ、ΔuElがΔLEl以下であることを特徴とする形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板。
ただし、△uEl={|uEl(L)−uEl(45°)|+|uEl(C)
−uEl(45°)|}/2
△LEl={|LEl(L)−LEl(45°)|+|LEl(C)
−LEl(45°)|}/2
圧延方向と平行(L方向)、垂直(C方向)、および、45°方向の均一伸びを、それぞれ、uEl(L)、uEl(C)、および、uEl(45°)とし、圧延方向と平行(L方向)、垂直(C方向)、および、45°方向の局部伸びを、それぞれ、LEl(L)、LEl(C)、および、LEl(45°)とする。
(2)質量%で
i;3%以下、
Cr;3%以下、
Cu;3%以下、
Mo;1%以下、
Co;3%以下、
Sn;0.2%以下
で、かつ、これらの1種または2種以上を、Mnとの合計で0.1%以上3.5%以下含ことを特徴とする前記(1)に記載の形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板。
(3)さらに、Vを0.4質量%以下含むことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板。
)さらに、Bを0.01質量%以下含むことを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板。
)さらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.005%、Rem:0.001〜0.02%の1種または2種を含むことを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板。
)前記(1)〜()のいずれかに記載の形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板にめっきを施したことを特徴とする形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板。
)前記(1)〜()のいずれかに記載の形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板を製造するにあたり、前記()〜()のいずれかに記載の化学成分からなる鋳造スラブを、鋳造まま、または、一旦冷却した後に1150℃〜1300℃の範囲に再度加熱し、熱間圧延をする際、Ar〜(Ar+150)℃の温度範囲における圧下率の合計が25%以上となるように制御し、仕上げ熱延開始温度TFSと仕上げ熱延完了温度TFEが下記(1)〜(3)式を全て同時に満足するように熱間圧延を終了し、ランアウトテーブルにおいて600〜700℃の温度範囲に0.2〜15秒滞在するような冷却を行い、下記(4)式に示す鋼の化学成分で決まる臨界温度To(℃)以下で、かつ、550℃以下で巻き取り、酸洗した後、圧下率20〜70%の冷間圧延を施し、加熱速度3〜100℃/秒で加熱し、Ac1変態温度以上Ac3変態温度以下の温度にて焼鈍し、その後、該焼鈍温度から500℃以下まで1〜250℃/秒の冷却速度で冷却することを特徴とする形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板の製造方法。
TFE≧Ar(℃) (1)
TFS≦1100℃ (2)
20℃≦(TFS−TFE)≦120℃ (3)
To=−650.4×{C%/(1.82×C%−0.001)}+B (4)
ここで、Bは質量%で表現した鋼の成分より求まる。
B=−50.6×Mneq+894.3
Mneq=Mn%+0.24×Ni%+0.13×Si%+0.38×Mo%
+0.55×Cr%+0.16×Cu%−0.50×Al%
−0.45×Co%+0.90×V%
ただし、
Ar=901−325×C%+33×/秒i%+287×P%+40×Al%
−92×(Mn%+Mo%+Cu%)−46×(Cr%+Ni%)
)前記熱間圧延をする際、下記(5)式で計算される有効ひずみ量ε*が0.4以上あることを特徴とする前記()に記載の形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板の製造方法。
Figure 0004384523
ここで、nは仕上げ熱延の圧延スタンド数、εiはi番目のスタンドで加えられたひずみ、tiはi〜i+1番目のスタンド間の走行時間(秒)、τiは気体常数R(=1.987)とi番目のスタンドの圧延温度Ti(K)によって下式で計算できる。
τi=8.46×10−9・exp{43800/R/Ti}
)前記冷却後、200〜500℃の温度範囲で30秒〜10分の保持を行うことを特徴とする前記()または()に記載の形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板の製造方法。
10)前記()〜()のいずれかに記載の形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板の製造方法で製造された冷延鋼板に、0.1〜5%のスキンパス圧延を施すことを特徴とする形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板の製造方法。
本発明によって、壁そり量が少なく、形状凍結性に極めて優れると同時に、均一伸びの異方性が少なく、良好なプレス成形性を有する薄鋼板が提供できるようになり、従来は形状不良の問題から高強度鋼板の適用が難しかった部品にも、高強度鋼板が使用できるようになると同時に、効率的に自動車の安全性と車体の軽量化を両立することが可能となり、CO排出削減等の環境・社会からの要請に応える自動車製造に、大きく貢献することが出来る。
以下に、本発明の内容を詳細に説明する。
1/2板厚から1/4板厚における板面の{100}<011>〜{223}<110>方位群のX線ランダム強度比の平均値(A):
本発明で、特に重要な特性値である。板厚中心位置から1/4板厚位置での板面のX線回折を行い、ランダム試料に対する各方位の強度比を求めたときの、{100}<011>〜{223}<110>方位群の平均値(A)が4.0以上でなくてはならない。これが4.0未満では、極めて良好な形状凍結性を確保することが出来ない。
この方位群に含まれる主な方位は、{100}<011>、{116}<110>、{114}<110>、{113}<110>、{112}<110>、{335}<110>および{223}<110>である。
これら各方位のX線ランダム強度比は、{110}極点図に基づきベクトル法により計算した3次元集合組織や、{110}、{100}、{211}、{310}極点図のうち複数の極点図(好ましくは3つ以上)を用いて級数展開法で計算した3次元集合組織から求めればよい。
例えば、後者の方法における上記各結晶方位のX線ランダム強度比には、3次元集合組織のφ2=45゜断面における(001)[1−10]、(116)[1−10]、(114)[1−10]、(113)[1−10]、(112)[1−10]、(335)[1−10]、(223)[1−10]の強度をそのまま用いればよい。
{100}<011>〜{223}<110>方位群の平均値とは、上記の各方位の相加平均である。上記の全ての方位の強度を得ることができない場合には、{100}<011>、{116}<110>、{114}<110>、{112}<110>、{223}<110>の各方位の相加平均で代替してもよい。
より望ましくは、{100}<011>〜{223}<110>方位群のX線ランダム強度比の平均値が5.0以上、さらに望ましくは6.0以上とする。
{554}<225>、{111}<112>および{111}<110>の3つの結晶方位のX線ランダム強度比の平均値(B):
1/2板厚〜1/4板厚における板面の{554}<225>、{111}<112>および{111}<110>の3つの結晶方位のX線ランダム強度比の平均値(B)は5.5以下でなくてはならない。これが5.5超であると、{100}<011>〜{223}<110>方位群の強度が適正であっても、良好な形状凍結性を得ることが困難となる。{554}<225>、{111}<112>および{111}<110>のX線ランダム強度比も、上記の方法に従って計算した3次元集合組織から求めればよい。
望ましくは、{554}<225>、{111}<112>および{111}<110>のX線ランダム強度比の相加平均値が4.5以下、さらに望ましくは3.5以下である。
(A)と(B)の比:
上述のX線ランダム強度比の平均値(A)と(B)は、(A)/(B)が1.5以上を満足しなければならない。この値が1.5未満では良好な形状凍結性が確保できない。望ましくは2以上、さらに望ましくは3以上とする。この比が高くなるほど形状凍結性は向上することから、この比の上限は特に規定しない。
{100}<011>X線ランダム強度比と{211}<011>X線ランダム強度比の関係:
{100}<011>方位のX線ランダム強度比は、{211}<011>方位のX線ランダム強度比以上とする。この条件を満足しないと、十分な形状凍結性が確保されない上に、均一伸びの異方性が大きくなり、加工性が劣化する。
なお、ここで述べる{100}<011>、{211}<011>方位は、それぞれ、圧延方向に対して直角な方向(Transverse Direction)を回転軸として、±5°を許容するものとする。
以上述べた結晶方位のX線強度が曲げ加工時の形状凍結性に対して重要であることの理由は必ずしも明らかではないが、曲げ変形時の結晶のすべり挙動と関係があるものと推測される。
X線回折に供する試料は、機械研磨などによって鋼板を所定の板厚まで減厚し、次いで、化学研磨や電解研磨などによって歪みを除去すると同時に、板厚1/2面と1/4面が測定面となるように作製する。鋼板の板厚中心層に偏析帯や欠陥などが存在し測定上不都合が生ずる場合には、板厚の1/2〜3/8の範囲で適当な面が測定面となるように上述の方法に従って試料を調整して測定すればよい。
当然のことであるが、上述のX線強度の限定が板厚1/2〜1/4の範囲内だけでなく、なるべく多くの厚みについて満たされることで、より一層形状凍結性が良好になる。なお、{hkl}<uvw>で表される結晶方位とは、板面の法線方向が<hkl>に平行で、圧延方向が<uvw>と平行であることを示している。
圧延方向のr値(rL)および圧延方向と直角方向のr値(rC):
本発明において重要である。すなわち、本発明者等が鋭意検討の結果、上述した種々の結晶方位のX線強度が適正であっても、必ずしも良好な形状凍結性が得られないことが判明した。上記のX線強度と同時に、rLおよびrCのうち少なくとも1つが0.7以下であることが必須である。より好ましくは0.55以下である。
rLおよびrCの下限は特に定めることなく本発明の効果を得ることができるが、r値はJIS5号引張試験片を用いた引張試験により評価する。引張歪みは通常15%であるが、均一伸びが15%を下回る場合には、均一伸びの範囲でできるだけ15%に近い歪みで評価すればよい。
なお、曲げ加工を施す方向は加工部品によって異なるので、特に限定するものではないが、r値が小さい方向に対して垂直もしくは垂直に近い方向に折り曲げる加工を主とすることが好ましい。
ところで、一般に、集合組織とr値とは相関があることが知られているが、本発明においては、既述の結晶方位のX線強度比に関する限定とr値に関する限定とは、互いに同義ではなく、両方の限定が同時に満たされなくては、良好な形状凍結性を得ることはできない。
延性の異方性:
鋼板をプレス成形する場合には、鋼板の均一伸び、すなわち、n値が重要な意味を持つ。特に、張りだし成形が主となる高強度鋼板においては、この均一伸び(n値)が異方性を持つ場合には、部品によってブランク切りだし方向を注意深く選定することが必要となり、生産性の劣化や鋼板歩留まりの低下を招く。また、場合によっては、所望の形状に成形できない場合も生じる。
400MPa程度以上の引張り強度(引張り試験で得られる最大強度)を持つ鋼においては、この均一伸びの異方性△uElが4%以下であれば、方向によらない良好な成形性を示すことが判明した。特に厳しい加工性が要求される場合には、異方性△uElが3%以下であることが望ましい。均一伸びの異方性△uElの下限は、特に限定しないが、加工性の観点からは0%にすることが最も好ましい。
また、局部伸びの異方性ΔLElが2%未満になると、形状凍結性が劣化することから、ΔLElの下限は2%とする。ΔLElの上限は特に設定しないが、ΔLElが大きくなりすぎると成形性が低下することから、12%以下とすることが望ましい。
ただし、上記の条件を満足しても、△uEl>△LElとなる場合には、良好な成形性と形状凍結性が両立しなかったために、△uElは△LEl以下とした。
なお、均一伸びと局部伸びの異方性は以下のように定義される。
圧延方向と平行(L方向)、垂直(C方向)および45°方向の伸び(均一伸びuEl、局部伸びLEl)を用いて
△uEl={|uEl(L)−uEl(45°)|+|uEl(C)
−uEl(45°)|}/2
△LEl={|LEl(L)−LEl(45°)|+|LEl(C)
−LEl(45°)|}/2
ミクロ組織:
実際の自動車部品においては、1つの部品の中で上記のような曲げ加工に起因する形状凍結性が問題になるだけではなく、同一部品の他の部位においては、張り出し性や絞り加工性等の良好なプレス加工性が要求される場合が少なくない。したがって、上述の集合組織を制御した曲げ加工時の形状凍結性の向上とともに、鋼板そのもののプレス加工性も向上させる必要がある。
本発明者らは、本発明鋼の特徴であるrLおよびrCのうち少なくとも1つが、0.7以下であることを満足しつつ、張り出し成形性を高めるための方法として、鋼板中にマルテンサイトを1%以上含むことによって降伏比を低下させることが、最も望ましいことを見いだした。
この時、マルテンサイト体積分率が25%を越える場合には、鋼板の強度が必要以上に向上するばかりでなく、ネットワーク状に連結したマルテンサイトの割合が増加し、鋼板の加工性を著しく劣化させるので、25%をマルテンサイト体積分率の最大値とした。また、マルテンサイトによる降伏比低下の効果を得るためには、体積分率最大の相がフェライトの場合には3%以上、体積分率最大の相がベイナイトの場合には5%以上であることが望ましい。
また、体積分率最大の相がフェライトまたはベイナイト以外の場合には、鋼材の強度を必要以上に向上させて、その加工性を劣化させたり、不必要な炭化物析出によって必要な量のマルテンサイトが確保されないことで、鋼板の加工性を著しく劣化させたりすることから、体積分率最大の相はフェライトもしくはベイナイトに限定する。
また、室温まで冷却した際に変態を完了していない残留オーステナイトを含有していても、本発明の効果に大きな影響は及ぼさない。ただし、反射X線法などによって求められる残留オーステナイトの体積分率が増加すると、降伏比が上昇することから、残留オーステナイト体積分率は、マルテンサイト体積分率の2倍以下であることが望ましく、マルテンサイト体積分率以下とすることは、さらに好ましい。
上記の他に、本発明のミクロ組織は、パーライトまたはセメンタイトの1種または2種以上を体積分率で15%以下含有することができる。また、残留オーステナイトを除き、本発明のミクロ組織の体積分率は、鋼板の圧延方向断面の1/4厚部を光学顕微鏡にて2〜5視野、組織の粗さに応じて100〜800倍で観察し、ポイントカウント法により求めた値と定義する。
次に、前記()〜()の発明における化学成分の影響について述べる。
C:
Cは鋼材の強度を決める最も重要な元素の一つである。鋼板中に含まれるマルテンサイトの体積分率は、鋼板中のC濃度の上昇と共に増加する傾向にある。ここで、C量が0.02質量%未満の場合には、硬質のマルテンサイトを得ることが困難となるために、0.02質量%をC量の下限とした。また、C添加量が0.3質量%を越える場合には、必要以上に鋼板強度が上昇するのみならず、自動車用鋼材として重要な特性である溶接性が顕著に劣化するため、0.3質量%をC添加量の上限とした。
Mn、Ni、Cr、Cu、Mo、Co、Sn:
Mn、Ni、Cr、Cu、Mo、Co、Snは、全て、鋼材のミクロ組織の調整のために添加される。特に、溶接性の観点からCの添加量が制限される場合には、これらの元素を適量添加することによって、効果的に鋼の焼入性を調整することが有効である。
また、これらの元素は、AlやSi程ではないが、セメンタイトの生成を抑制する効果があり、効果的にマルテンサイト体積分率を制御することができる。さらに、これらの元素は、Al、Siと共に、マトリックスであるフェライトやベイナイトを固溶強化することによって、高速での動的変形抵抗を高める働きも持つ。
しかしながら、これらの元素の1種または2種以上の添加合計が0.1質量%未満、または、Mnの含有量が0.05質量%未満の場合には、必要な体積分率のマルテンサイトの確保が出来なくなるとともに、鋼材の強度が低くなり、有効な車体軽量化が達成できなくなることから、Mnの下限を0.05質量%、1種または2種以上の合計量の下限を0.1質量%とした。
一方、これらの合計量が3.5質量%を越える場合、Mn、Ni、Cr、Cu、Coのいずれかの含有量が3質量%を超える場合、Moの含有量が1質量%を超える場合、または、Snの含有量が0.2質量%を超える場合には、母相であるフェライトまたはベイナイトの硬質化を招き、鋼材の加工性の低下、靱性の低下、さらには、鋼材コストの上昇を招くので、合計量の上限を3.5質量%、Mn、Ni、Cr、CuおよびCoの上限を3質量%、Moの上限を1質量%、および、Snの上限を0.2質量%と規定した。
Al、Si:
AlとSiは共にフェライトの安定化元素であり、フェライト体積率を増加させることによって、鋼材の加工性を向上させる働きがある。また、Al、Si共にセメンタイトの生成を抑制することから、パーライト等の炭化物を含む相の生成を抑制し、効果的にマルテンサイトを生成させることができる。
このような機能を持つ添加元素としては、Al、Si以外に、PやCu、Cr、Mo等があげられ、このような元素を適当に添加することも、同様な効果が期待される。
しかしながら、AlとSiの合計が0.02質量%未満の場合には、セメンタイト生成抑制の効果が十分でなく、適正な体積分率のマルテンサイトが得られないので、合計量の下限を0.02質量%とした。また、AlとSiの一方または双方の合計が3%を越える場合には、母相であるフェライトまたはベイナイトの硬質化や脆化を招き、鋼材の加工性の低下、靱性の低下、さらには、鋼材コストの上昇を招き、また、化成処理性等の表面処理特性が著しく劣化するので、3質量%を合計量の上限値とした。
Nb、Ti:
これらの元素は本発明において重要である。すなわち、これらの元素を添加することによって、熱延中に形状凍結性に有利な集合組織が発達し、かつ、冷延後の焼鈍時に形状凍結性に有利な集合組織が破壊されることなく保存される。したがって、1種または2種を合計で0.01質量%以上添加する。ただし、過度の添加は加工性を劣化させることから1種または2種の合計で0.4質量%を上限とする。
V:
炭素、窒素の固定、析出強化、組織制御、細粒強化などの機構を通じて材質を改善するので、必要に応じて0.01質量%以上添加することが望ましい。ただし、過度に添加しても格段の効果はなく、むしろ加工性や表面性状を劣化させるので、0.4質量%の上限を設定した。0.3質量%以下とすることが好ましい。
P:
さらに、必要に応じて添加するPは、鋼材の高強度化や前述のようにマルテンサイトの確保に有効ではあるが、0.2質量%を越えて添加された場合には、耐置き割れ性の劣化や疲労特性、靱性の劣化を招くので、0.2質量%を上限とした。ただし、Pの添加の効果を得るためには、0.005質量%以上添加することが好ましい。
B:
また、必要に応じて添加するBは、粒界の強化や鋼材の高強度化に有効ではあるが、その添加量が0.01質量%を越えると、その効果が飽和するばかりでなく、必要以上に鋼板強度を上昇させ、部品への加工性も低下させるので、上限を0.01質量%とした。ただし、Bの添加効果を得るためには、0.0005質量%以上添加することが好ましい。
Ca、Rem:
必要に応じて添加するCa、Remは、硫化物の形態を制御することで伸びフランジ性を改善するので、必要に応じて、Ca0.0005質量%以上、Rem0.001質量%以上添加することが望ましい。過度に添加しても格段の効果はなくコスト高となるため、それぞれ上限を、Ca0.005質量%、Rem0.02質量%に設定した。
N:
Cと同様にマルテンサイトを生成させるために有効ではあるが、同時に、鋼材の靱性や延性を劣化させる傾向があるので、0.01質量%以下とすることが望ましい。
O:
酸化物を形成し介在物として鋼材の加工性、特に、伸びフランジ成形性に代表されるような極限変形能や鋼材の疲労強度、靱性を劣化させるので、0.01質量%以下に制御することが望ましい。
続いて、前記()〜(11)の発明の製造方法について述べる。
スラブ再加熱温度:
前記()〜()のいずれかの化学成分に調整された鋼片(鋳造スラブ)は、鋳造後直接、または、一旦Ar変態温度以下まで冷却された後に再加熱され、熱間圧延される。この時の再加熱温度が1150℃未満の場合には、NbやTiが再固溶しないため、熱間圧延中の再結晶が抑制されず、集合組織が発達しないので、1150℃を下限とした。
また、再加熱温度が1300℃を越える場合には、加熱時のスケール生成による歩留まり劣化を招くと同時に、製造コストの上昇も招くことから、1300℃を再加熱温度の上限値とした。
熱間圧延条件:
熱間圧延およびその後の冷却によって、冷延に適したミクロ組織と集合組織に制御される。最終的に得られる鋼板の集合組織は、熱間圧延の温度領域によって大きく変化する。熱延完了温度TFEがAr3℃未満になった場合には、均一伸びの異方性△uElが4%超となり、成形性を著しく劣化させるので、
TFE≧Ar(℃) (1)
とした。
TFEは、熱延の最終圧延を施すスタンドの後方で測定されるのが一般的であるが、必要な場合には、計算によって得られる温度を用いてもよい。
また、熱延完了温度の上限は特に限定しないが、(Ar+180℃)超の場合には、鋼板の表面に生成する酸化物層により表面品位が低下することから、(Ar+180℃)以下であることが望ましい。より厳格な表面品位が求められる場合には、TFEを(Ar+150℃)以下にすることが望ましい。
また、仕上げ熱延開始温度TFSが1100℃超の場合には、鋼板表面品位が著しく低下することから、
TFS≦1100℃ (2)
とした。
また、TFSとTFEの差が120℃超の場合には、集合組織の発達が十分でなく、良好な形状凍結性と低い異方性が両立せず、また、この差を20℃未満にすることは、操業上困難であることから、
20℃≦(TFS−TFE)≦120℃ (3)
とした。
また、熱間圧延において、Ar〜(Ar+150)℃の温度範囲における圧下率は、最終的な鋼板の集合組織形成に大きな影響を及ぼし、この温度範囲での圧延率が25%未満の場合には、集合組織の発達が十分でなく、最終的に得られる鋼板が良好な形状凍結性を示さないので、Ar〜(Ar+150)℃の温度範囲における圧下率の下限を25%とした。
この圧下率が高いほど、所望の集合組織が発達することから、50%以上であることが好ましく、また、75%以上であれば、さらに好ましい。圧下率の上限は、特に定めないが、99%以上圧下することは装置への負荷が大きく、特段の効果も得られないことから99%未満とすることが好ましい。
ただし、
Ar=901−325×C%+33×/秒i%+287×P%+40×Al%
−92×(Mn%+Mo%+Cu%)−46×(Cr%+Ni%)
とする。
冷延中に{111}方位が発達するのを抑制するためには、熱延板の組織を、軟質なポリゴナルフェライトの中にマルテンサイトやパーライトのような硬質相が分散したものにする必要がある。熱延板中にポリゴナルフェライトを形成するために、上記熱延後、巻取りまでの冷却を行う際に、600〜700℃の温度範囲に0.2〜15秒、好ましくは10秒以下滞在するように調整する。
600℃未満または700℃超では、フェライトが十分出ないので、600〜700℃の温度範囲を設定する。この観点から、より望ましい温度範囲は630〜680℃である。滞在時間が0.2秒未満ではフェライトが十分形成しないので、0.2秒を下限とする。この観点から、3秒以上滞在することが望ましい。
一方、600〜700℃の温度範囲に15秒超滞在させるためには、保熱のための新たな設備投資を必要とするので、15秒を上限とする。上記の観点から、8秒以下がさらに望ましい。
熱延中に形成されたオーステナイトの集合組織を最終的な熱延鋼板に受け継がせるためには、下記(4)式に示す臨界温度To(℃)以下で巻き取る必要がある。したがって、鋼の化学成分で決まるToを巻取り温度の上限とした。このTo温度は、オーステナイトとオーステナイトと同一成分のフェライトが同一の自由エネルギーを持つ温度として熱力学的に定義され、C以外の成分の影響も考慮して、下記(5)式を用いて簡易的に計算することができる。
To温度に及ぼす本発明に規定されたこれら以外の成分の影響はそれほど大きくないので、ここでは無視した。
冷却が鋼材の化学成分で決まる温度To以上で完了し、そのまま巻取り処理が行われた場合には、上記の熱間圧延条件が満足されていた場合でも、最終的に得られる鋼板で所望の集合組織が十分に発達せず、鋼板の形状凍結性が高くならない。
To=−650.4×{C%/(1.82×C%−0.001)}+B (4)
ここで、Bは質量%で表現した鋼の成分より求まる。
B=−50.6×Mneq+894.3
Mneq=Mn%+0.24×Ni%+0.13×Si%+0.38×Mo%
+0.55×Cr%+0.16×Cu%−0.50×Al%
−0.45×Co%+0.90×V%
また、巻取り温度が550℃超の場合には、硬質セメンタイトまたはマルテンサイトが得られないため、冷延焼鈍後の集合組織が劣化する。そこで、550℃を巻取温度の上限とした。
マルテンサイト相の方が冷延中の集合組織制御の効果が大きいことから、巻取温度は、望ましくは300℃以下とする。巻取温度の下限は特に規定しないが、低温ほど良好な材質が得られる。ただし、巻取温度を室温以下にすることは、コストの上昇を招くことから、室温以上であることが望ましい。
連続熱延工程では、多段の圧延スタンドで加えられるひずみの累積的な効果が重要である。しかしながら、このひずみの累積的な効果は、加工温度が高温ほど、また、スタンド間の走行時間が長いほど低下する。仕上げ熱延がnスタンドで行われる際に、i番目のスタンドでの圧延温度をTi(K)、加工ひずみをεi(真ひずみでi番目の圧下率riとはεi=ln{1/(1−ri)}の関係を持つ)、i番目とi+1番目のスタンド間の走行時間(パス間時間:秒)をtiとすると、累積効果を考慮したひずみ(有効ひずみε)は下記(5)式で表現できる。
Figure 0004384523
ここで、τiは気体常数R(R=1.987)と圧延温度Tiによって下式で計算できる。
τi=8.46×10−9・exp{43800/R/Ti}
この有効ひずみεを0.4以上にすると、熱延板の集合組織が著しく発達することから、有効ひずみε*は0.4以上にするのが望ましい。有効ひずみは高いほど集合組織が発達することから、さらに望ましくは0.45以上である。0.9以上であればさらに望ましい。
実際の連続熱延工程で上記(5)式の計算を行う場合には、Tiは仕上げ熱延入り側温度FTと仕上げ熱延で側温度FTnを用いて、
Ti=FT−(FT−FTn)/(n+1)×(i+1)
と計算した値を用いるとよい。
冷間圧延条件:
冷間圧延は圧下率20〜70%の範囲で行われる。圧下率が20%未満では、板厚の制御が困難で形状が確保されないことから、20%を下限とした。一方、冷間圧延率が70%超となると、{111}方位が急速に発達し、形状凍結性が劣化することから、70%を上限とした。以上の観点から、冷間圧延率は、望ましくは30〜60%である。
焼鈍条件:
冷間圧延後の焼鈍は連続焼鈍ラインにおいて行われる。加熱速度が3℃/秒未満の場合には、加熱中にα域での再結晶が開始され、熱延・冷延中に形成された集合組織が破壊される。したがって、加熱速度の下限は3℃/秒とする。一方、加熱速度を100℃/秒超にすることは、新たな設備投資を必要とするだけでなく、特段の効果も期待できないので、加熱速度の上限を100℃/秒とする。
焼鈍温度が、鋼の化学成分によって決まるAc変態温度未満では、最終的な鋼板のミクロ組織にマルテンサイトを含まないから、Ac変態温度を焼鈍温度の下限とする。また、焼鈍温度が鋼の化学成分によって決まるAc変態温度超である場合には、熱間圧延によって造り込まれた集合組織の多くが壊され、最終的に得られる鋼板の形状凍結性が損なわれるので、Ac変態温度を焼鈍温度の上限値とした。
最終的に得られる鋼板の形状凍結性と加工性を両立させるためには、焼鈍温度は、(Ac+2×Ac)/3以下であることが望ましい。
焼鈍後冷却する際に、500℃までの平均冷却速度が1℃/秒未満の場合には、最終的に得られる鋼板の集合組織の発達が十分でなく、良好な形状凍結性が得られないと同時に、マルテンサイトが得られないので、1℃/秒を冷却速度の下限とした。
また、実用上有意義である0.4〜3.2mmの板厚範囲全ての板厚に対して、平均冷却速度を250℃/秒超とすることは、過剰の設備投資を必要とするので、250℃/秒を冷却速度の上限とした。この冷却は、焼鈍後10℃/秒以下の低冷却速度での冷却と20℃/秒以上の高冷却速度を組み合わせてもよい。
焼鈍後の冷却停止温度は、パーライトの生成を抑制するため500℃以下とする。冷却停止温度の下限は特に定めないが、経済的観点から室温以上とすることが好ましい。
冷却停止後、加工性向上の観点から200〜500℃で30秒〜10分の熱処理を施すことが望ましい。熱処理温度以下で冷却停止した後、熱処理温度まで再加熱してもよいし、熱処理温度以上で冷却停止してもよい。
熱処理温度が200℃未満では、冷却中にフェライト中に導入された歪が十分除去できず、加工性が劣化するのに加え、生産性を著しく劣化させる。したがって、200℃を熱処理温度の下限とする。この観点から、250℃以上で熱処理することがさらに望ましい。
一方、熱処理温度が500℃超になると、冷却中に形成されたマルテンサイト相が分解し、加工性が劣化することから、500℃を熱処理の上限とする。この観点から、望ましくは、上限温度は400℃以下、さらに望ましくは350℃以下とする。
熱処理時間が30秒未満では加工性が向上しないので、30秒を熱処理時間の下限とする。一方、熱処理時間を10分超にしても特段の効果が得られないばかりか、生産性が著しく低下するので、10分を上限とした。
スキンパス圧延:
以上の方法で製造された本発明鋼に、出荷前にスキンパス圧延を施すことは、鋼板の形状を良好にするばかりではなく、鋼板の衝突エネルギー吸収能を高める。この時、スキンパス圧下率が0.1%未満、好ましくは0.4%未満では、この効果が小さいことから、0.1%をスキンパス圧下率の下限とした。
また、5%超のスキンパス圧延を行うためには、通常のスキンパス圧延機の改造が必要となり、経済的なデメリットを生じると共に、加工性を著しく劣化させるので、5%をスキンパス圧下率の上限とした。
得られた鋼板の加工性が良好であるためには、通常のJIS5号引張り試験で得られる破断強度(T/秒/MPa)と降伏強度(0.2%耐力YS)の比である降伏比(YS/TS×100)が70%以下であることが望ましい。また、降伏比が65%以下であれば、さらに、形状凍結性を向上させることができて望ましい。
めっき:
本発明によって得られた冷延鋼板にめっきを施してもよい。めっきの種類や方法は、特に限定するものではなく、電気めっき、溶融めっき、蒸着めっき等のいずれでも、本発明の効果が得られる。
本発明の鋼板は、曲げ加工だけではなく、曲げ、張り出し、絞り等、曲げ加工を主体とする複合成形にも適用できる。
表1に示すA〜Pの鋼材を1200℃から1270℃に加熱し、表2および表3(表2の続き)中に示す製造条件で、1.2mm厚の冷延鋼板とした。スキンパスはいずれも圧下率0.8〜1.2%の範囲で行った。
Figure 0004384523
Figure 0004384523
Figure 0004384523
形状凍結性の評価は、270mm長さ×45mm幅×板厚の短冊状のサンプルを用い、パンチ幅78mm、パンチ肩R5mm、ダイス幅81mm、ダイ肩R4mmにて、種々のしわ押さえ厚で,70mm高さのハット型に成形した後、壁部の反り量を曲率半径ρ(mm)として測定し、その逆数1000/ρにて行った。結果を、その他の測定結果と併せて、表4および表5(表4の続き)に示す。1000/ρが小さいほど形状凍結性は良好である。
一般に、鋼板の強度が上昇すると形状凍結性が劣化することが知られている。本発明者らが実際の部品成形を行った結果から、上記方法によって測定されたしわ押さえ圧29kNでの1000/ρが0(mm−1)以上で、かつ、鋼板の引張り強度TS[MPa]に対して(0.01×TS−4.5)(mm−1)以下となる場合には、際だって形状凍結性が良好となるために、0≦1000/ρ≦(0.01×TS−4.5)を良好な形状凍結性の条件として、評価した。
ここで、しわ押さえ圧を増加すると、1000/ρは減少する傾向にある。しかしながら、どの様なしわ押さえ圧を選択しても鋼板の形状凍結性の優位性の順位は変化しない。したがって、しわ押さえ圧29kNでの評価は鋼板の形状凍結性をよく代表している。
r値および延性の異方性はJIS5号引張り試験片を用いて測定した。また、X線の測定は鋼板の代表値として板厚の7/16厚と1/4厚の位置で板面に平行なサンプルを調整し、実施し、その結果の平均値で評価した。その結果を表4および表5(表4の続き)に併せて示す。
Figure 0004384523
Figure 0004384523
その他に示した本発明範囲内の化学成分の鋼を本発明範囲内の製造条件によって製造した場合には、良好な延性異方性と共に極めて良好な形状凍結性を有する低降伏比型鋼強度鋼板が得られることがわかる。
前述したように、本発明によって、壁そり量が少なく、形状凍結性に極めて優れると同時に、均一伸びの異方性が少なく、良好なプレス成形性を有する薄鋼板が提供できるようになり、従来は形状不良の問題から高強度鋼板の適用が難しかった部品にも、高強度鋼板が使用できるようになると同時に、効率的に自動車の安全性と車体の軽量化を両立することが可能となり、CO排出削減等の環境・社会からの要請に応える自動車製造に、大きく貢献することが出来る。したがって、本発明は、工業的に極めて高い価値のある発明である。

Claims (10)

  1. 質量%で、
    C;0.02%以上0.3%以下、
    Mn;0.05%以上3%以下、
    P;0.2%以下
    を含み、
    Si;3%以下、
    Al;3%以下
    で、かつ、これらの双方を、合計で0.02%以上3%以下含み、さらに
    Ti;0.4%以下、
    Nb;0.4%以下
    で、かつ、これらの一方または双方を、合計で0.01%以上0.4%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、フェライトまたはベイナイトを体積分率最大の相とし、体積分率で1%以上25%以下のマルテンサイトを含む複合組織鋼であり、少なくとも1/2板厚から1/4板厚における板面の、
    (1){100}<011>〜{223}<110>方位群のX線ランダム強度比の平 均値(A)が4.0以上、
    (2){554}<225>、{111}<112>および{111}<110>の3つの結晶方位のX線ランダム強度比の平均値(B)が5.5以下、
    (3)(A)/(B)≧1.5
    (4){100}<011>X線反射ランダム強度比が、{211}<011>X線ランダム強度比以上、
    の全てを満足し、かつ、圧延方向のr値および圧延方向と直角方向のr値のうち少なくとも1つが0.7以下であり、さらに、均一伸びの異方性ΔuElが4%以下、局部伸びの異方性△LElが2%以上で、かつ、ΔuElがΔLEl以下であることを特徴とする形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板。
    ただし、△uEl={|uEl(L)−uEl(45°)|+|uEl(C)
    −uEl(45°)|}/2
    △LEl={|LEl(L)−LEl(45°)|+|LEl(C)
    −LEl(45°)|}/2
    圧延方向と平行(L方向)、垂直(C方向)、および、45°方向の均一伸びを、それぞれ、uEl(L)、uEl(C)、および、uEl(45°)とし、圧延方向と平行(L方向)、垂直(C方向)、および、45°方向の局部伸びを、それぞれ、LEl(L)、LEl(C)、および、LEl(45°)とする。
  2. 質量%で
    i;3%以下、
    Cr;3%以下、
    Cu;3%以下、
    Mo;1%以下、
    Co;3%以下、
    Sn;0.2%以下
    で、かつ、これらの1種または2種以上を、Mnとの合計で0.1%以上3.5%以下含ことを特徴とする請求項1に記載の形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板。
  3. さらに、Vを0.4質量%以下含むことを特徴とする請求項1または2記載の形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板。
  4. さらに、Bを0.01質量%以下含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板。
  5. さらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.005%、Rem:0.001〜0.02%の1種または2種を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板にめっきを施したことを特徴とする形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板を製造するにあたり、請求項のいずれか1項に記載の化学成分からなる鋳造スラブを、鋳造まま、または、一旦冷却した後に1150℃〜1300℃の範囲に再度加熱し、熱間圧延をする際、Ar〜(Ar+150)℃の温度範囲における圧下率の合計が25%以上となるように制御し、仕上げ熱延開始温度TFSと仕上げ熱延完了温度TFEが下記(1)〜(3)式を全て同時に満足するように熱間圧延を終了し、ランアウトテーブルにおいて600〜700℃の温度範囲に0.2〜15秒滞在するような冷却を行い、下記(4)式に示す鋼の化学成分で決まる臨界温度To(℃)以下で、かつ、550℃以下で巻き取り、酸洗した後、圧下率20〜70%の冷間圧延を施し、加熱速度3〜100℃/秒で加熱し、Ac1変態温度以上Ac3変態温度以下の温度にて焼鈍し、その後、該焼鈍温度から500℃以下まで1〜250℃/秒の冷却速度で冷却することを特徴とする形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板の製造方法。
    TFE≧Ar(℃) (1)
    TFS≦1100℃ (2)
    20℃≦(TFS−TFE)≦120℃ (3)
    To=−650.4×{C%/(1.82×C%−0.001)}+B (4)
    ここで、Bは質量%で表現した鋼の成分より求まる。
    B=−50.6×Mneq+894.3
    Mneq=Mn%+0.24×Ni%+0.13×Si%+0.38×Mo%
    +0.55×Cr%+0.16×Cu%−0.50×Al%
    −0.45×Co%+0.90×V%
    ただし、
    Ar=901−325×C%+33×/Si%+287×P%+40×Al%
    −92×(Mn%+Mo%+Cu%)−46×(Cr%+Ni%)
  8. 前記熱間圧延をする際、下記(5)式で計算される有効ひずみ量εが0.4以上あることを特徴とする請求項に記載の形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板の製造方法。
    Figure 0004384523
    ここで、nは仕上げ熱延の圧延スタンド数、εiはi番目のスタンドで加えられたひずみ、tiはi〜i+1番目のスタンド間の走行時間(秒)、τiは気体常数R(=1.987)とi番目のスタンドの圧延温度Ti(K)によって下式で計算できる。
    τi=8.46×10−9・exp{43800/R/Ti}
  9. 前記冷却後、200〜500℃の温度範囲で30秒〜10分の保持を行うことを特徴とする請求項またはに記載の形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板の製造方法。
  10. 請求項のいずれか1項に記載の形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板の製造方法で製造された冷延鋼板に、0.1〜5%のスキンパス圧延を施すことを特徴とする形状凍結性に極めて優れた低降伏比型高強度冷延鋼板の製造方法。
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