JP5013127B2 - 熱硬化性樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物およびその用途 Download PDF

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Description

本発明は、コーティング材、光学材料、電気絶縁材料などの用途に有用な熱硬化性樹脂組成物及びこれを熱硬化させた硬化物に関する。
近年、種々の表示板、画像読み取り用光源、交通信号、大型ディスプレイ用ユニット、携帯電話のバックライト等に実用化されている発光ダイオード(LED)等の発光装置は、芳香族エポキシ樹脂に硬化剤として脂環式酸無水物を用いたもので樹脂封止して製造されているのが一般的である。しかし、この樹脂系は酸無水物が酸で変色しやすいことや、硬化に長時間を要することが知られている。また、硬化した封止樹脂が屋外に放置される場合や、紫外線を発生する光源に曝される場合に、封止樹脂が黄変するという問題点を有している。
このような問題点を解消するために、脂環式エポキシ樹脂またはアクリル樹脂を用い、カチオン重合開始剤によってLED等の樹脂封止を行なう方法が試みられている(特許文献1および2を参照)。しかし、上記カチオン重合した硬化樹脂は非常に脆いため、冷熱サイクルにより亀裂破壊を生じやすく、また、従来の芳香族エポキシ樹脂−酸無水物硬化系に比べ、硬化後の封止樹脂の着色が著しいという重大な欠点を有している。そのため、この硬化樹脂は、無色透明性を要求される用途、特に耐熱性と透明性が要求されるLEDの封止用途には不向きである。
そこで、冷熱サイクルによるクラックの発生が改良され、耐光性に優れたLED封止材用樹脂組成物が特許文献3に開示されている。ここに示された樹脂組成物は、水素化エポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂をマトリックス成分とするものではあるが、未だ硬化後の着色が大きく更なる変色に対する改善が望まれている。
一方、特許文献4には、低粘度化剤として脂環式エポキシ樹脂やオキセタン樹脂を用いた配線基板の電子部品と基板との隙間を埋めるための埋込樹脂組成物が記載されている。しかし、この樹脂組成物は、多量の無機フィラーを含有するために、透明性を必要とする分野には適用できない。また、特許文献5には、変性オキセタン樹脂を活性エネルギー線硬化性樹脂とするアルカリ水溶液に可溶な樹脂組成物が示されているが、ここに示されたものは、アルカリ可溶性樹脂とすることを目的としており、また、変性オキセタン樹脂や多官能オキセタン樹脂は不飽和結合を有するため熱履歴による変色は避けられないものであった。なお、特許文献6〜10には、かご型ケイ素化合物およびその重合体が開示されているが、本発明の熱硬化性樹脂組成物は開示されていない。
特開昭61−112334号公報 特開平02−289611号公報 特開2003−277473公報 特開2004−27186公報 国際公開WO01/072857パンフレット 特開2006−070049公報 国際公開WO2004/081084パンフレット 特開2004−331647公報 国際公開WO2003/24870パンフレット 国際公開WO2004/24741パンフレット
本発明は、耐熱性と透明性が良好な硬化物を得ることができる熱硬化性樹脂組成物を提供することを課題の一つとし、また、この熱硬化性樹脂組成物からなる硬化物、成形体を提供することを課題の一つとする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、例えば絶縁性、透明性、耐光性、耐熱性などに優れた熱硬化性樹脂組成物を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の構成を有する。
[1]式(1)で示されるシルセスキオキサン誘導体、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物およびその他の酸無水物を含有してなる熱硬化性樹脂組成物。

Figure 0005013127

式(1)において、Rは炭素数1〜45のアルキル、炭素数4〜8のシクロアルキル、炭素数6〜14のアリールおよび炭素数7〜24のアリールアルキルから独立して選択される基であり;炭素数1〜45のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして隣接しない任意の−CH−は、−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく;アリールおよびアリールアルキル中のベンゼン環において、任意の水素はハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられてもよく、この炭素数1〜10のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして隣接しない任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく;アリールアルキル中のアルキレンの炭素数は1〜10であり、そして隣接しない任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく;RおよびRは、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびフェニルから独立して選択される基であり;そして、X1はオキシラニル、オキシラニレン、3,4−エポキシシクロヘキシル、オキセタニルまたはオキセタニレンのいずれか1つを有する基である。
[2] Rが、シクロヘキシルまたはフェニルである、前記[1]項記載の熱硬化性樹脂組成物。
[3] Rが、フェニルである、前記[1]項記載の熱硬化性樹脂組成物。
[4] Xが式(2)、式(3)、式(4)および式(5)のいずれか1つで示される基である、前記[1]〜[3]のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
Figure 0005013127
[5] 式(1−1)で示されるシルセスキオキサン誘導体、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物およびその他の酸無水物を含有する熱硬化性樹脂組成物。
Figure 0005013127
[6] その他の酸無水物が、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4−メチル−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3−メチル−シクロヘキサンジカルボン酸無水物と4−メチル−シクロヘキサンジカルボン酸無水物の混合物、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物及びメチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物から選ばれる少なくとも1種である、前記[1]〜[5]のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
[7] さらに、ケイ素を分子内に含有しないエポキシ樹脂、ケイ素を分子内に含有しないオキセタン樹脂または有機溶媒を含有する前記[1]〜[6]のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
[8] さらに、紫外線吸収剤、硬化促進剤または酸化防止剤を含有する前記[1]〜[7]のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
[9] 前記[1]〜[8]のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させてなる硬化物。
[10] 前記[9]項記載の硬化物からなる成形体。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、例えば、絶縁性、透明性、耐光性、耐熱性などに優れている。そのため、硬化物からなる成形体は、半導体の封止材、光半導体の封止材、絶縁膜、シール剤、光学レンズなどの用途に好適に用いることができる。また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化の特性を利用して、例えば、接着剤に用いることができる。
本発明で用いる用語について説明する。式(1)で表わされる化合物を化合物(1)と表記することがある。他の式で表される化合物についても同様に簡略化して称することがある。本発明において「任意の」は位置だけではなく個数についても任意であることを意味する。そして、「任意のAはBまたはCで置き換えられてもよい」という表現は、少なくとも1つのAがBで置き換えられる場合と少なくとも1つのAがCで置き換えられる場合とに加えて、少なくとも1つのAがBで置き換えられると同時にその他のAの少なくとも1つがCで置き換えられる場合も含まれることを意味する。なお、アルキルまたはアルキレンにおける任意の−CH−が−O−で置き換えられてもよいという設定には、連続する複数の−CH−のすべてが−O−で置き換えられることは含まれない。実施例においては、電子天秤の表示データを質量単位であるg(グラム)を用いて示した。重量%や重量比はこのような数値に基づくデータである。
本発明の熱硬化性樹脂組成物として式(1)で示されるシルセスキオキサン誘導体が必要である。以下の説明においては、式(1)におけるシルセスキオキサン骨格の形状をダブルデッカータイプと表現することがある。
Figure 0005013127
式(1)において、Rは炭素数1〜45のアルキル、炭素数4〜8のシクロアルキル、炭素数6〜14のアリールおよび炭素数7〜24のアリールアルキルから独立して選択される基である。この炭素数1〜45のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして隣接しない任意の−CH−は、−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよい。アリールおよびアリールアルキル中のベンゼン環において、任意の水素はハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられてもよい。この炭素数1〜10のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして隣接しない任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよい。アリールアルキル中のアルキレンの炭素数は1〜10であり、そして隣接しない任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよい。
Rはシクロペンチル、シクロヘキシル、フェニルおよび素数1〜10のアルキルから独立して選択される基であることが好ましい。この炭素数1〜10のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして隣接しない任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよい。また、フェニルにおいて、任意の水素はフッ素等のハロゲンもしくは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられてもよい。
Rはシクロペンチル、シクロヘキシル、または任意の水素が塩素、フッ素、メチル、メトキシまたはトリフルオロメチルで置き換えられてもよいフェニルであることがより好ましく、シクロヘキシルまたはフェニルであることが更に好ましく、そしてフェニルであることが最も好ましい。
およびRは、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびフェニルから独立して選択される基である。炭素数1〜4のアルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、2−メチルエチル、ブチルおよびt−ブチルである。RまたはRの好ましい例はメチルおよびフェニルである。RおよびRは同じ基であることが好ましい。
1はオキシラニル、オキシラニレン、3,4−エポキシシクロヘキシル、オキセタニルおよびオキセタニレンのいずれか1つを有する基である。
このようなX1の好ましい例を次に示す。
Figure 0005013127
これらの式において、R、RおよびRは、炭素数1〜10のアルキレンであり、好ましくは炭素数1〜6のアルキレンである。このアルキレンにおける1つの−CH−は−O−または1,4−フェニレンで置き換えられてもよい。そして、Rは水素または炭素数1〜6のアルキルであり、好ましくは水素である。Rは水素または炭素数1〜6のアルキルであり、好ましくは炭素数1〜6のアルキルである。
の特に好ましい例は、式(2)、式(3)、式(4)および式(5)のそれぞれで示される基である。

Figure 0005013127
本発明において、化合物(1)の他に分子内にケイ素原子を含有しないエポキシ樹脂やケイ素を分子内に含有しないオキセタン樹脂を用いることができる。前記エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノール−A型、ビスフェノール−F型、ビスフェノール−S型、水素化されたビスフェノール−A型などのエポキシ樹脂、ダイセル化学工業(株)製のセロキサイド(商品名) 2021 P、セロキサイド(商品名) 3000、セロキサイド(商品名) 2081などの脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。また、オキセタン樹脂の具体例としては、東亞合成(株)製アロンオキセタン(登録商標)などのオキセタン樹脂が挙げられる。脂環式エポキシ樹脂は耐熱性の向上、耐熱黄変性に優れており特に好ましい。
このような分子内にケイ素原子を含有しないオキセタン樹脂あるいは分子内にケイ素原子を含有しないエポキシ樹脂を用いるとき、その好ましい配合割合は、熱硬化性樹脂組成物の合計量を基準として5〜95重量%である。この割合のより好ましい範囲は25〜75重量%である。
本発明においては、化合物(1)、酸無水物であるシクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物(三菱瓦斯化学(株)製H−TMAn)及びその他の酸無水物を反応させることで、硬化促進剤を用いなくても反応させることができるが、硬化促進剤を用いてもよい。
その他の酸無水物としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4−メチル−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3−メチル−シクロヘキサンジカルボン酸無水物と4−メチル−シクロヘキサンジカルボン酸無水物の混合物、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、およびメチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物が利用できる。
熱硬化性樹脂組成物中の酸無水物の好ましい使用割合は、使用する熱硬化性樹脂中のエポキシ基と酸無水物のモル比が3:7〜7:3であることが好ましく、4:6〜6:4であることがより好ましく、1:1であることが更に好ましい。
熱硬化性樹脂組成物中のシクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物(以下、H−TMAnと略すことがある。)とその他の酸無水物とのモル比は、1:100〜100:1であればよく、1:5〜5:1が好ましく、1:2〜2:1が特に好ましい。酸無水物として新日本理化(株)製リカシッド(商品名) MH−700Gを用いた場合には、H−TMAn:MH−700G=1:2で混合して用いることが耐熱性、耐黄変性の点から好ましい。
硬化促進剤としては、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムブロミド、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド、エチルトリフェニルホスホニウムブロミド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロミドなどの4級ホスホニウム塩;3級アミン;4級アンモニウム塩;1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などの双環式アミジン類とその誘導体;2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類などが挙げられる。しかしながら、硬化性がよく、着色がなければ、特に限定されない。これらの硬化促進剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などの双環式アミジン類、およびイミダゾール類は、少量の添加量でも熱硬化性樹脂組成物に対して高い活性を示し、比較的低い硬化温度でも短時間、例えば、150℃程度でも90秒位で硬化することができるのでより好ましい。市販品としては、日本化学産業(株)製ニッカオクチックス亜鉛(商品名)やサンアプロ(株)製U−CAT5003(商品名)などが好ましく利用できる。
このような硬化促進剤を用いるとき、その好ましい使用割合は、熱硬化性樹脂組成物の合計量に対する重量比で0.003〜0.04であり、より好ましくは0.004〜0.02である。この範囲であれば、充分な硬化促進効果が得られ、硬化物の物性低下や着色を引き起こすことがない。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、酸化防止剤を添加してもよい。酸化防止剤を添加することにより、加熱時の酸化劣化を防止し着色の少ない硬化物とすることができる。酸化防止剤の例はフェノール系、硫黄系、およびリン系の酸化防止剤である。酸化防止剤を使用するときの好ましい配合割合は、熱硬化性樹脂組成物全量を基準とする重量比で0.0001〜0.1である。
酸化防止剤の具体例は、モノフェノール類(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなど)、ビスフェノール類(2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど)、高分子型フェノール類(1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジンー2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェノールなど)、硫黄系酸化防止剤(ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルル−3,3’−チオジプロピオネートなど)、ホスファイト類(リフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビ(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、ビス[2−t−ブチル−6−メチル−4−{2−(オクタデシルオキシカルボニル)エチル}フェニル]ヒドロゲンホスファイトなど)、およびオキサホスファフェナントレンオキサイド類(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドなど)である。これらの酸化防止剤はそれぞれ単独で使用できるが、フェノール系/硫黄系またはフェノール系/リン系と組み合わせて使用することが特に好ましい。市販のフェノール系の酸化防止剤としては、チバ・ジャパン(株)製IRGANOX 1010(商品名)やIRGAFOS 168(商品名)をそれぞれ単独で利用することができ、また、これらを混合して利用することもできる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、耐光性を向上させるために紫外線吸収剤を配合してもよい。紫外線吸収剤としては、一般のプラスチック用紫外線吸収剤を使用でき、その好ましい配合割合は、熱硬化性樹脂組成物全量を基準とする重量比で0.0001〜0.1である。
紫外線吸収剤の具体例は、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸類、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{(2’−ヒドロキシ−3’,3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール類、およびビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[{3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル}メチル]ブチルマロネート等のヒンダートアミン類である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、更に下記成分を配合してもよい。
(1)粉末状の補強剤や充填剤、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物、微粉末シリカ、溶融シリカ、結晶シリカなどのケイ素化合物、ガラスビーズ等の透明フィラー、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、その他、カオリン、マイカ、石英粉末、グラファイト、二硫化モリブデン等。これらは、本発明の熱硬化性樹脂組成物の透明性を損なわない範囲で配合される。これらを配合するときの好ましい割合は、本発明の熱硬化性樹脂組成物全量に対する重量比で、0.10〜1.0の範囲である。
(2)着色剤または顔料、例えば、二酸化チタン、モリブデン赤、紺青、群青、カドミウム黄、カドミウム赤および有機色素等。
(3)難燃剤、例えば、三酸化アンチモン、ブロム化合物およびリン化合物等。
(4)イオン吸着体。
これらの成分を配合するときの好ましい割合は、熱硬化性樹脂組成物全量に対する重量比で0.0001〜0.30である。
(5)シランカップリング剤。
(6)ジルコニア、チタニア、アルミナ、シリカなどの金属酸化物のナノ粒子分散液。
これら(1)〜(6)の成分を配合するときの好ましい割合は、熱硬化性樹脂組成物全量に対する重量比で0.01〜0.50である。
硬化物は、例えば、以下の方法で作製できる。式(1)または式(1−1)で示されるシルセスキオキサン誘導体、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物およびその他の酸無水物を混合する。次に酸化防止剤を入れて攪拌し混合した後、減圧して脱泡する。そしてこの混合物を型に流し込み、100℃で1時間加熱し、次に125℃で1時間加熱し、最後に150℃で2〜3時間加熱することで硬化させることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物中に硬化促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を混合してもよい。
硬化物の透明性は、耐熱試験前後の硬化物の透過率を紫外可視分光光度計で測定し、JIS K7363に従って計算される黄色度(YI値)及び光線透過率の保持率により評価し、それぞれ10前後、70%以上であることが好ましい。これらの範囲内にそれぞれの値が入る場合には、硬化物は、無色で透明性が高いことを示しており、透明性が要求されるような光半導体封止剤などの分野に特に好ましく利用できる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させてなる硬化物を成形し、成形体とすることで、様々な用途に用いることができる。用途としては、光半導体封止材、半導体封止材、絶縁膜、シール材、接着剤、光学レンズなどが挙げられる。
本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって限定されない。
〔合成例1〕
<化合物(1−1)の製造>
下記の経路により化合物(1−1)を製造した。
Figure 0005013127
窒素雰囲気下、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた内容積200ミリリットルの反応容器に、国際公開WO2004/024741パンフレットに開示されている方法により合成した化合物(a)(21.0g)、乾燥トルエン(20g)を仕込み、乾燥窒素でシールした。マグネチックスターラーで攪拌しながら反応温度が60℃になるように加熱した。マイクロシリンジを用いてPt触媒(21μL)を添加し、滴下ロートからダイセル化学工業(株)製セロキサイド(商品名)2000(製品名 CEL2000)(10g)をゆっくりと滴下し、3時間攪拌した。反応容器の内容物をエバポレータに移し、濃縮し粗結晶を得た。得られた粗結晶にアセトンを加え20重量%溶液とした。さらに粗結晶に対して3重量%の活性炭を加えて1時間攪拌した。その後、活性炭をろ過し粗結晶の10倍量のヘキサンを加えて、25℃で2時間攪拌した。その後、ろ過を行い、ろ液をエバポレータで濃縮した。得られた粗結晶の1.25倍量のヘキサンを加えて、60℃に加熱して溶解した後、25℃で再結晶を行った。得られた結晶(収量22g、収率76%)は、NMRの測定の結果、化合物(1−1)であることがわかった。
H−NMR(CDCl):δ(ppm);0.01(s,24H),0.40−0.46(m,8H),0.58−0.63(m,2H),0.83−0.87(m,4H),0.95−1.26(m,18H),1.45−1.49(m,2H),1.59−1.81(m,6H),1.98(dd,4H),2.91−3.03(m,8H),7.14(t,8H),7.25(t,8H),7.33(t,4H),7.38−7.43(m,12H),7.45(d,8H).
29Si−NMR(CDCl):δ(ppm);−106.92,−79.41,−79.18,11.26,11.28,11.34,11.36.
実施例において使用した主な材料
・シルセスキオキサン誘導体:合成例で製造した化合物(1−1)
・シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物:三菱瓦斯化学(株)製酸無水物H−TMAn
・ヘキサヒドロフタル酸無水物:新日本理化(株)製リガシッド(商品名) MH−700G
・エポキシ樹脂:ダイセル化学工業(株)製セロキサイド(商品名)2021 P(製品名CEL2021P)
・酸化防止剤:チバ・ジャパン(株)製IRGANOX1010(商品名)
・硬化促進剤:サンアプロ(株)製U−CAT5003(商品名)
実施例1
スクリュー管1にH−TMAn(0.91g)、MH−700G(2.0g)を仕込み攪拌して溶解した。スクリュー管2にMH−700G(0.75g)、CEL2021P(2.0g)、および化合物(1−1)(4.0g)を仕込み、45℃に温めながら攪拌して溶解した。溶解後、IRGANOX1010(商品名)(10mg)を加え、攪拌して溶解した。
スクリュー管2の溶液をスクリュー管1の溶液に注ぎ込み、充分に攪拌してワニスを調製した。ワニスをデシケーター中で攪拌しながら減圧し脱泡した後、このうちの約7gを気泡が入らないようにフロン工業(株)製テフロン(登録商標)PFAペトリー皿に流し込んだ。そして100℃に予め温めておいたオーブン中に、直接熱風が当たらないように置き、加熱して硬化した。加熱は、100℃で1時間、125℃で1時間、150℃で3時間の順に行った。
実施例2
スクリュー管3にH−TMAn(0.27g)、MH−700G(2.0g)を仕込み、攪拌して溶解した。スクリュー管4にMH−700G(1.75g)、CEL2021P(2.0g)、および化合物(1−1)(4.0g)を入れ、45℃に温めながら攪拌し溶解した。溶解後、IRGANOX1010(商品名)(10mg)を加え、攪拌し溶解した。
スクリュー管4の溶液をスクリュー管3の溶液に注ぎ込み、充分に攪拌してワニスを調製した。ワニスをデシケーター中で攪拌しながら減圧し脱泡した後、このうちの約7gを気泡が入らないようにフロン工業(株)製テフロン(登録商標)PFAペトリー皿に流し込んだ。そして予め100℃に温めておいたオーブン中に、直接熱風が当たらないように置き、加熱して硬化した。加熱は、100℃で1時間、125℃で1時間、150℃で3時間の順に行った。
比較例1
スクリュー管5にMH−700G(4.17g)、CEL2021P(2.0g)、及び化合物(1−1)(4.0g)を入れ、45℃に温めながら攪拌し溶解した。溶解後、IRGANOX1010(商品名)(10mg)を加え、攪拌し溶解した。次に、ニッカオクチックス亜鉛(商品名)8%(12mg)を加え、攪拌し溶解した。そしてエチレングリコール(40mg)を加え、攪拌し溶解しワニスを調製した。ワニスをデシケーター中で攪拌しながら減圧し脱泡した後、このうちの約7gを気泡が入らないようにフロン工業(株)製テフロン(登録商標)PFAペトリー皿に流し込んだ。そして予め100℃に温めておいたオーブン中に、直接熱風が当たらないように置き、加熱して硬化した。加熱は、100℃で1時間、125℃で1時間、150℃で3時間の順に行った。
比較例2
スクリュー管6にU−CAT5003(12mg)、MH−700G(3.0g)を入れ、攪拌し溶解した。スクリュー管7にMH−700G(1.17g)、CEL2021P(2.0g)、および化合物(1−1)(4.0g)を入れ、45℃に温めながら攪拌し溶解した。溶解後、IRGANOX1010(商品名)(10mg)を加え、攪拌し溶解した。
スクリュー管6の溶液をスクリュー管7の溶液に注ぎ込み、充分に攪拌してワニスを調製した。ワニスをデシケーター中で攪拌しながら減圧し脱泡した後、このうちの約7gをフロン工業(株)製テフロン(登録商標)PFAペトリー皿に気泡が入らないように流し込んだ。そして予め100℃に温めておいたオーブン中に、直接熱風が当たらないように置き、加熱して硬化した。加熱は、100℃で1時間、125℃で1時間、150℃で3時間の順に行った。
<耐熱試験>
実施例1〜2、比較例1〜2で得られた硬化物の400nmでの透過率を測定するため、研磨機(ムサシノ電子株式会社製MA−200D)で硬化物の両面を研磨し、表面が平滑に研磨された厚さ3mmの試験片を得た。
得られた硬化物を半分に切断し、一つは、熱処理を行なわず、もう一つは、内温150℃に調整したオーブン(送風定温乾燥機:アドバンテック東洋(株)製DRM420DA)に入れ、168時間放置した。
<耐熱性の評価>
硬化物の耐熱性は、耐熱試験前後の硬化物の光線透過率を紫外可視分光光度計(日本分光(株)製、V−660)で測定し、黄色度(YI値)、波長400nmの透過率の保持率を式1に従って計算し評価した。
(耐熱試験後の透過率/初期透過率)×100 …(式1)
<試験結果>
表1に上記試験の結果を示す。
Figure 0005013127
実施例3
スクリュー管8にH−TMAn(8.57g)、MH−700G(25.98g)を仕
込み、攪拌しながら溶解した。溶解後、IRGANOX1010(商品名)(70.6mg)を加え、攪拌し溶解した。スクリュー管9にCEL2021P(27.0g)、化合物(1−1)(9.0g)を仕込み、45℃に温めながら攪拌し溶解した。スクリュー管9の溶液をスクリュー管8の溶液に注ぎ込み、充分に撹拌してワニスを調製した。ワニスをデシケーター中で攪拌しながら減圧し脱泡した。
<硬化物の作製>
ワニスを熱硬化させて、硬化物とするためにの容器は次の方法で組み立てた。片側表面にフッ素樹脂シート(フロン工業(株)製テフロン(登録商標)FEP粘着シートフィルム)を貼り付けた一辺の長さが約200mmの正方形のステンレス製の板(以下SUS板と表記する)を2枚用意した。1枚のSUS板には3辺の縁にフッ素樹脂パッキン(ニチアス(株)製ナフロン(登録商標)SPパッキン5.6mmφ)を置き、もう1枚のSUS板でフッ素樹脂シートが向かい合うようにしてこのパッキンを挟んだ。 そして、2枚のSUS板を固定して容器とした。ここで、フッ素樹脂パッキンで囲われた空間の隙間は一辺の長さが約100mmで、厚さが4.2〜4.5mmであった。そしてパッキンを挟んでいない縁から容器の中に、ワニスを流し込んだ。そして125℃に予め温めておいたオーブンの中に、ワニス入りの容器を置き、125℃で1時間、150℃で3時間加熱して硬化させて、硬化物(大きさ約100×100mm、厚さ4.2から4.5mm)を得た。得られた硬化物をバンドソーで切断後、マルチプレップ形サンプルポリッシャー(Allied社製Item NO.15-2000)で研磨した。
実施例4〜8および比較例3
H−TMAn、MH−700G、CEL2021P、および化合物(1−1)を表2の割合で仕込んだ以外は実施例3と同様にワニスを調製して硬化物を作製した。このようにして得られた試験片を用いて以下の評価を実施した。表2に硬化物の組成を示す。また、表3に実施例3〜8と比較例3で得られた試験片の評価結果を示す。
Figure 0005013127
<全光線透過率・濁度測定>
試験片は両面を平滑に研磨し厚さを3mmに揃えた硬化物を用いて、ヘーズメータ(日本電色工業(株)製NHD5000)により全光線透過率、拡散透過率と濁度を測定した。
<屈折率>
試験片は硬化物をバンドソーにて切断し、JIS K7142に従って試験片を作製した。この試験片を用いて、アッベ屈折計((株)アタゴ製NAR−2T)によりナトリウムランプのD線(586nm)を用いて屈折率を測定した。中間液はヨウ化メチレンを用いた。
<曲げ強度試験>
試験片は、硬化物から、JIS K7171に従って切り出し作製した。曲げ弾性率・曲げ破壊強度は、引張圧縮試験機((株)東洋精機製作所製ストログラフV10−C)により5kNのロードセルを用いて測定した。
<ショア硬度>
試験片は、硬化物からJIS B7727に従って成形して作製した。硬度の測定は、ショア硬さ試験器((株)ミツトヨ製ASH−D)により測定した。
<煮沸試験>
試験片は両面を平滑に研磨し厚さを3mmに揃えた硬化物を用いて、沸騰水中で168時間煮沸を行い、得られた試験片の表面を目視にて観察するとともに、紫外可視分光光度計を用いて波長400nmの光線透過率の保持率で評価を行なった。
<曲げ接着強さ試験>
試験片は、基材としてポリフタルアミド樹脂(ソルベイアドバンスドポリマーズ(株)製アモデル(商品名)A−4122NLWH905)を厚さ2mmの板状に成形し、JIS K6856に従って寸法を調整して作製した。接着試験は引張圧縮試験機((株)東洋精機製作所製ストログラフV10−C)により5kNのロードセルを用いて測定した。
Figure 0005013127
実施例、比較例の結果から、本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いて得られた硬化物は、透明で屈折率が高く、耐熱黄変性、耐沸騰水性に優れ、耐熱性の優れた特性を損なうことなくエポキシ樹脂に柔軟性を与えることができた。また、この硬化物はダブルデッカー型のシルセスキオキサンの骨格を有することから、絶縁性に優れることがわかる。
このことから、これらの硬化物は、半導体封止材、光半導体封止材、絶縁膜、シール剤、接着剤、光学レンズなどに利用できることがわかった。

Claims (10)

  1. 式(1)で示されるシルセスキオキサン誘導体、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物およびその他の酸無水物を含有してなる熱硬化性樹脂組成物。

    Figure 0005013127

    式(1)において、Rは炭素数1〜45のアルキル、炭素数4〜8のシクロアルキル、炭素数6〜14のアリールおよび炭素数7〜24のアリールアルキルから独立して選択される基であり;炭素数1〜45のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして隣接しない任意の−CH−は、−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく;アリールおよびアリールアルキル中のベンゼン環において、任意の水素はハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられてもよく、この炭素数1〜10のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして隣接しない任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく;アリールアルキル中のアルキレンの炭素数は1〜10であり、そして隣接しない任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく;RおよびRは、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびフェニルから独立して選択される基であり;そして、X1はオキシラニル、オキシラニレン、3,4−エポキシシクロヘキシル、オキセタニルまたはオキセタニレンのいずれか1つを有する基である。
  2. Rが、シクロヘキシルまたはフェニルである、請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. Rが、フェニルである、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. が式(2)、式(3)、式(4)および式(5)のいずれか1つで示される基である、請求項1〜3のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 0005013127
  5. 式(1−1)で示されるシルセスキオキサン誘導体、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物およびその他の酸無水物を含有する熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 0005013127
  6. その他の酸無水物が、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4−メチル−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3−メチル−シクロヘキサンジカルボン酸無水物と4−メチル−シクロヘキサンジカルボン酸無水物の混合物、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物及びメチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. さらに、ケイ素を分子内に含有しないエポキシ樹脂、ケイ素を分子内に含有しないオキセタン樹脂または有機溶媒を含有する請求項1〜6のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. さらに、紫外線吸収剤、硬化促進剤または酸化防止剤を含有する請求項1〜7のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させてなる硬化物。
  10. 請求項9記載の硬化物からなる成形体。
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