JP5012552B2 - バキュームブラスト装置およびバキュームブラスト方法 - Google Patents

バキュームブラスト装置およびバキュームブラスト方法 Download PDF

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本発明は、バキュームブラスト装置およびバキュームブラスト方法に関し、詳しくは、鋼床版同士の溶接線をブラスト処理するに際し、スカラップ近傍領域においても好適に用いることができるバキュームブラスト装置およびバキュームブラスト方法に関する。
鋼構造物の長寿命化のために塗装性能を向上させることが求められており、素地調整を現場で行う場合であっても、1種ケレンに相当する素地調整が求められるようになってきている。例えば、鋼橋塗装の規準書である鋼橋塗装・防食便覧(平成17年12月版)では、新設橋の現場施工の継ぎ手部のうち、ボルト継ぎ手では動力工具を用いる2種ケレンも許容されているが、溶接継ぎ手では1種ケレンまで求められており、ブラストを掛けることが必要とされている。また、既設橋の塗り替え塗装においても、耐久性が特に求められる場合には1種ケレンまで求められており、ブラスト処理を行うことが求められている。
図1は、Uリブ鋼床版を斜め上方から見た斜視図であり、図2は、斜め下方から見た斜視図である。
Uリブ鋼床版100は、鋼板で形成された鋼床版(デッキプレート)102と、鋼床版(デッキプレート)102の下面に橋軸方向に配置された主桁(縦桁)104と、橋軸直角方向に配置された横桁106と、を主構造とし、さらに鋼床版(デッキプレート)102の下面にUリブ(縦リブ)108を橋軸方向に配置し、横リブ110を橋軸直角方向に配置して補強した構造である。Uリブ鋼床版100の大きさは橋軸方向に10m程度、橋軸直角方向に3m程度であり、複数のUリブ鋼床版100が現場で溶接接合やボルト接合等で連結されて道路橋の上部工を形成している。符号112は現場での溶接接合による溶接線を示し、符号114は現場ボルト接合部を示す。
図3は、現場で溶接される鋼床版100を斜め上方から見た斜視図である。鋼床版(デッキプレート)102同士は現場溶接により連結されており、図3に示すように、橋軸方向および橋軸直角方向に、溶接線112が形成されて連結されている。溶接線112は、線状に連なった溶接ビード120(図5参照)のことである。溶接線112の幅は10mm程度である。鋼床版(デッキプレート)102の上面には舗装が施されており、道路面が形成されている。
Uリブ鋼床版100の現場溶接については、図4に示すように、鋼床版(デッキプレート)102下面に裏波の出る特殊な裏当て材116と裏当て材カバー118を設置した後に、図5に示すように、鋼床版(デッキプレート)102上面からサブマージアーク溶接を行うことが一般的であり、現場溶接を行う2つの鋼床版(デッキプレート)102の開先部の間には、サブマージアーク溶接による溶接金属によって溶接ビード120(溶接線112)が形成されて、2つの鋼床版(デッキプレート)102は連結される。鋼床版102下面においては、溶接の裏当て材116と裏当て材カバー118(図4参照)を通すために、Uリブ108、主桁104、横桁106、横リブ110のリブ材142には切り欠きであるスカラップ140が設けられている。
しかし、溶接線112の上面および下面には、溶接バリ112A(図7参照)が発生する。この溶接バリ112Aは現場塗装を行う前に研掃する必要がある。先に述べたように、溶接継ぎ手であるため1種ケレンまで求められており、ブラストを掛けることが必要とされている。このブラスト処理に際しては、事前に施工された工場塗装部分に傷を付けないようにする必要がある。また、溶接線112は図3等に示すように線状に存在するため、溶接線112の研掃は線状に行う必要がある。
また、ブラスト処理においては、ブラスト時の粉塵対策が厳しく制限されるようになってきており、例えば、ブラスト材(研削材)として従来多用されてきた珪砂は、もろくて粉塵となりやすいため、その使用は平成19年度から禁止されている。このように、ブラスト処理においては、粉塵の飛散を極力避けることが求められている。
このため、溶接線112の研掃においては、バキュームブラスト法を用いることが有利である。
図6は、鋼床版102下面の溶接線112に対してバキュームブラストを行っている状況を模式的に示す断面図であり、該断面は溶接線112を含む面で鉛直方向に切断した断面である。バキュームブラストに用いる従来のバキュームブラストヘッド130は、図6に示すように、ブラスト材を圧縮空気で送り込むブラストホースが接続されたブラスト供給部132と、ブラスト材やブラスト材により削り落とされたものを吸引するバキュームホースが接続されたバキューム部134とを有し、先端部には、ブラスト面の凹凸に追従でき、ブラストする部位を囲むブラシ136が設けられている。なお、ブラスト面とはブラスト処理の対象となる部位を含む面のことであり、ここでは鋼床版102の下面である。従来のバキュームブラストヘッド130の形状は、直径50mm程度、高さ200mm程度の円筒状である。ブラスト性能を良好に保つためには、バキュームブラストヘッド130をブラスト面に垂直に当てる必要がある。なお、図6において、バキュームブラストヘッド130を2つ描いているが、図において右から左にバキュームブラストヘッド130を溶接線112に沿って移動させてブラスト処理を行っている状況を示すために2つ描いたものである。
しかし、バキュームブラストヘッド130は重く、また、バキュームブラストヘッド130を上方のブラスト面に押し付けて、バキュームブラストヘッド130をブラスト面に対して垂直に保持しつつ、ブラスト面に沿って移動させなくてはならないため、上向き作業を行うことが重労働となっている。
これに対し、バキュームブラスト法を用いた自走式のブラスト装置として、例えば、特許文献1や特許文献2に記載のブラスト装置が提案されている。
特開昭59−124571号公報 特開2000−141226号公報
一方、前述のように、鋼床版102下面においては、溶接の裏当て材116と裏当て材カバー118(図4参照)を通すために、Uリブ108、主桁104、横桁106、横リブ110のリブ材142には切り欠きであるスカラップ140が設けられている。図1および図2に示すように、2つのリブ材142をもつUリブ108は700mm程度の狭い間隔で配置されているため、スカラップ140は、400〜500mm間隔で配置されることになる。スカラップ140は半円形であり、幅は80〜120mm程度、高さは35〜50mm程度である。
スカラップ140は多数存在するが、スカラップ140の直上の溶接線112とその近傍についても研掃して溶接バリを落とす必要があり、ブラスト処理による1種ケレンを行うことが必要である。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載のブラスト装置はレールの配設が必要であり、スカラップを越えて適用するのが困難であり、連続ブラストをすることが困難である。このため、溶接線に対して効率よくブラスト作業を行うことができない。
また、作業員が下からバキュームブラストヘッドを支えてバキュームブラストをする場合であっても、従来のバキュームブラストヘッド130の大きさはスカラップ140の大きさよりも大きく、従来のバキュームブラストヘッド130はスカラップ140を通過できないため、図6に示すように、リブ板142のスカラップ140の直上および近傍において、リブ板142の側面から25mm程度の範囲は、ブラシ136をブラスト面に垂直に当てることができず、バキュームブラストをすることができない。
また、バキュームブラストヘッドに加わる力には、自重、ブラスト噴射の反力、真空吸着力、作業員が加える力、ヘッドの移動に伴う凹凸からの力等があるため、作業員が下からバキュームブラストヘッドを支えてヘッドを移動させつつ、ブラスト面にバキュームブラストヘッドを一定の力で押し付け続けることが必要で、作業員に大きな負担がかかる。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、鋼部材の溶接線を下方からブラスト処理するに際し、効率的に、かつ、作業員に大きな負担をかけずにバキュームブラストをすることができるバキュームブラスト装置およびバキュームブラスト方法を提供することを課題とする。
さらに、鋼床版のリブ材のスカラップの直上および近傍の溶接線に対しても、効率的に、かつ、作業員に大きな負担をかけずにバキュームブラストをすることができるバキュームブラスト装置およびバキュームブラスト方法を提供することも課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究開発を行った結果、溶接線に沿うガイドシース樋と、該ガイドシース樋内をその長手方向に移動できるバキュームブラストヘッドと、を備えるバキュームブラスト装置とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明をするに至った。
即ち、本発明に係るバキュームブラスト装置の第一の態様は、鋼部材の現場溶接後の溶接線を下方からバキュームブラストするバキュームブラスト装置であって、該溶接線の直下を該溶接線に沿って配設されたガイドシース樋と、前記溶接線を含むブラスト面に密着する密着部材により該ブラスト面の一部を取り囲んで閉空間を形成して、ブラスト材の噴射および吸引をするバキュームブラストヘッドと、を備え、該バキュームブラストヘッドは、前記ガイドシース樋内に配置されて該ガイドシース樋内をその長手方向に移動可能であり、該移動とともに上方にブラスト材を噴射して、前記溶接線を下方からバキュームブラストすることができることを特徴とする。
本発明に係るバキュームブラスト装置の第二の態様は、1以上のスカラップを横切る、鋼部材の現場溶接後の溶接線を下方からバキュームブラストするバキュームブラスト装置であって、1以上の前記スカラップ内に配設されて、前記溶接線の直下を該溶接線に沿って配設されたガイドシース樋と、前記溶接線を含むブラスト面に密着する密着部材により該ブラスト面の一部を取り囲んで閉空間を形成して、ブラスト材の噴射および吸引をするバキュームブラストヘッドと、を備え、該バキュームブラストヘッドは、前記ガイドシース樋内に配置されて該ガイドシース樋内をその長手方向に移動可能であり、該移動とともに上方にブラスト材を噴射して、1以上の前記スカラップを横切りつつ、前記溶接線を下方からバキュームブラストすることができることを特徴とする。
前記ガイドシース樋の断面形状の外形は、前記スカラップの形状に合わせた形状とするのがよく、この場合、スカラップ内にはめ込んで仮置きすることができるので、位置固定がしやすくなる。また、この場合、前記ガイドシース樋は、現場の状況によっては、固定治具を用いることなく、前記スカラップへ載置するのみで配設してもよい。
また、前記ガイドシース樋は、鋼部材に対して繰り返し脱着可能な固定治具を用いて固定してもよく、この場合、該固定治具を繰り返し使用することができるので、経済的である。また、この固定治具は、配設作業の作業性の点で、磁力によって鋼部材に固定されるものであることが好ましい。
前記ガイドシース樋は、お互いに連結可能な分断要素体を連結してなることが、配設作業の作業性の点で好ましい。
また、前記ガイドシース樋を、その長手方向に曲げ変形が可能な構造とすることは、配設作業を容易にする点で好ましく、例えば、可撓性材料で製作された構造とすることが好ましい。
また、前記ガイドシース樋の断面形状の内形を、前記ヘッドの断面形状の外形に合った形状とすることは、ブラスト処理時の前記ブラストヘッドのブラスト面への密着性を維持しやすくなる点で好ましい。
また、前記ガイドシース樋の最上部には、前記ブラスト面と接する弾性体を備えさせることが、該ガイドシース樋の位置固定を安定させる点で好ましい。
また、前記ガイドシース樋は、ブラスト処理の程度を外部から視認できるようにする点で、透明材料で形成されていることが好ましい。
前記バキュームブラストヘッドには、ブラスト材の進行方向を前記ガイドシース樋の長手方向から前記ブラスト面に向かう方向に偏角するブラストノズルを備えさせることが、ブラスト処理の効率を向上させる点で好ましい。
また、前記バキュームブラストヘッドには、前記ガイドシース樋内をその長手方向に移動することを容易にする移動補助機構を備えさせることが好ましく、該移動補助機構は、例えば、前記ガイドシース樋内面の最下部よりも該内面の上方に接する車輪である。
また、前記ブラストヘッドには高さ調節機構を備えさせ、前記ブラスト面への密着性を調節できるようにしていることが好ましい。
また、前記密着部材は、例えばブラシとすることができる。
本発明に係るバキュームブラスト方法の第一の態様は、鋼部材の現場溶接後の溶接線を下方からバキュームブラストするバキュームブラスト方法であって、該溶接線の直下を該溶接線に沿って配設されたガイドシース樋内に、前記溶接線を含むブラスト面に密着する密着部材により該ブラスト面の一部を取り囲んで閉空間を形成して、ブラスト材の噴射および吸引をするバキュームブラストヘッドを配置し、該ガイドシース樋内をその長手方向に移動させつつ、上方にブラスト材を噴射させて、前記溶接線を下方からバキュームブラストすることを特徴とする。
本発明に係るバキュームブラスト方法の第二の態様は、1以上のスカラップを横切る、鋼部材の現場溶接後の溶接線を下方からバキュームブラストするバキュームブラスト方法であって、1以上の前記スカラップ内に配設されて、前記溶接線の直下を該溶接線に沿って配設されたガイドシース樋内に、前記溶接線を含むブラスト面に密着する密着部材により該ブラスト面の一部を取り囲んで閉空間を形成して、ブラスト材の噴射および吸引をするバキュームブラストヘッドを配置し、該ガイドシース樋内をその長手方向に移動させつつ、上方にブラスト材を噴射させて、1以上の前記スカラップを横切らせながら、前記溶接線を下方からバキュームブラストすることを特徴とする。
本発明によれば、鋼部材の現場溶接後の溶接線の直下を該溶接線に沿ってガイドシース樋配設し、該ガイドシース樋内にバキュームブラストヘッドを配置し、該バキュームブラストヘッドを該ガイドシース樋内をその長手方向に移動させつつ、上方にブラスト材を噴射して溶接線を下方からバキュームブラストすることができるので、鋼部材の溶接線を下方からブラスト処理するに際し、効率的に、かつ、作業員に大きな負担をかけずにバキュームブラストをすることができる。
また、ガイドシース樋を1以上のスカラップ内に配設して、前記溶接線の直下を該溶接線に沿って配設した場合には、鋼床版のリブ材のスカラップの直上および近傍の溶接線に対しても、効率的に、かつ、作業員に大きな負担をかけずにバキュームブラストをすることができる。
ガイドシース樋の断面形状の外形を、スカラップの形状に合わせた形状とした場合、ガイドシース樋をスカラップ内にはめ込んで仮置きすることができるので、位置固定がしやすくなる。また、ガイドシース樋の断面形状の外形を、スカラップの形状に合わせた形状とした場合、ガイドシース樋の配設作業は、現場の状況によっては、固定治具を用いることなく、スカラップへ載置するのみの極めた簡単な配設作業のみで足りることもある。
ガイドシース樋を、鋼部材に対して繰り返し脱着可能な固定治具を用いて固定する場合、該固定治具を繰り返し使用することができるので、経済的である。さらに、該固定治具を、磁力によって鋼部材に固定されるものにすると、ガイドシース樋の配設作業の作業性が向上する。
ガイドシース樋を、お互いに連結可能な分断要素体を連結してなるものとした場合、ガイドシース樋の配設作業の作業性が向上する。さらに、ガイドシース樋を、その長手方向に曲げ変形が可能な構造とした場合、配設作業の作業性がより向上する。
ガイドシース樋の断面形状の内形を、前記ヘッドの断面形状の外形に合った形状とした場合、ブラスト面とガイドシース樋との間で、ブラストヘッドはガイドシース樋の長手方向以外の自由度がなくなるので、ブラストヘッドはブラスト面に安定的に密着させられる。このため、ブラスト処理時にブラストヘッドをブラスト面に密着させたまま移動させる際、ブラスト面に凹凸のような外乱があっても密着を維持しやすくなる。
ガイドシース樋の最上部に、ブラスト面と接する弾性体を備えさせた場合、該弾性体はブラスト面の凹凸を吸収し、これによりガイドシース樋の位置固定が安定する。
ガイドシース樋を透明材料で形成した場合、ブラスト処理の程度を外部から視認できるようになる。
バキュームブラストヘッドに、ブラスト材の進行方向を前記ガイドシース樋の長手方向から前記ブラスト面に向かう方向に偏角するブラストノズルを備えさせた場合、ブラスト面にほぼ垂直にブラスト材が衝突することにより、ブラスト処理の効率が向上する。
バキュームブラストヘッドに、ガイドシース樋内をその長手方向に移動することを容易にする移動補助機構を備えさせた場合、ブラストヘッドがガイドシース樋内をその長手方向に円滑に移動しやすくなる。さらに、該移動補助機構を、ガイドシース樋内面の最下部よりも該内面の上方に接する車輪とした場合、ガイドシース樋内にごみ等の障害物があっても、ブラストヘッドがガイドシース樋内をその長手方向に移動する際の妨げとなりにくくなる。
ブラストヘッドに高さ調節機構を備えさせた場合、ブラスト面への密着性を調節でき、現場の状況に応じてブラスト面へのブラストヘッドの密着性を調整することができる。このため、ブラストヘッドは、ブラスト面に対して適度な密着性を保って、ガイドシース樋内をその長手方向に円滑に移動することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図7および図8は、本発明の実施形態に係るバキュームブラスト装置のガイドシース樋およびブラストヘッドがスカラップ140内に設置された状態を示す図であり、図7はガイドシース樋の長手方向と垂直な面でガイドシース樋およびブラストヘッドを切断した断面を示す断面図であり、図8はガイドシース樋の長手方向と平行で溶接線112を含む面でガイドシース樋およびブラストヘッドを切断した断面を示す断面図である。また、図9は図8のA−A線断面図であり、図10は図8のB−B線断面図である。
本発明の実施形態に係るこのバキュームブラスト装置10は、ガイドシース樋20と、ブラストヘッド30と、を有してなる。
ガイドシース樋20は、その中を移動するブラストヘッド30をブラスト処理の対象の溶接線112に沿って円滑に誘導する役割を有するとともに、ブラストヘッド30を下方から支持する役割を有しており、ブラスト処理を行う溶接線112の真下に溶接線112に沿って設けられ、1以上のスカラップ140内に配置される。
ガイドシース樋20の断面形状の外形は、スカラップ140の形状(幅80〜120mm程度、高さ35〜50mm程度の半円形)に合わせた半円形であり、スカラップ140内にはめ込んで仮置きすることができるようになっているので、位置固定がしやすいようになっている。また、ガイドシース樋20の断面形状の外形を、スカラップ140の形状に合わせた半円形とすることにより、ガイドシース樋20は、現場の状況によっては、固定治具を用いることなく、スカラップ140へ載置するのみで配設することができ、この場合、配設作業が極めて簡単になる。また、ガイドシース樋20の断面形状の外形を、スカラップ140の形状に合わせた半円形とすることにより、ガイドシース樋20の内空間を最大限に大きくすることができる。
また、ガイドシース樋20の断面形状の内形を、ブラストヘッド30の外形に合った形状とした場合には、ブラスト面とガイドシース樋20との間で、ブラストヘッド30はガイドシース樋20の長手方向以外の自由度がなくなるので、ブラストヘッド30はブラスト面に安定的に密着させられる。このため、ブラスト処理時にブラストヘッド30をブラスト面に密着させたまま移動させる際、ブラスト面に凹凸のような外乱があっても密着を維持しやすくなる。
ガイドシース樋20の位置固定は、例えば固定治具22により下方から支持されてなされる。固定治具22は、磁石22Aとクサビ22B、22Cとを有してなる。磁石22Aは、主桁(縦桁)104、横桁106、Uリブ(縦リブ)108、横リブ110のリブ板142に磁力で接着して位置固定がなされる。磁石22Aの上面にはクサビ22Bが設けられており、クサビ22Bの傾斜した上面にはクサビ22Cの傾斜した下面が接して設けられ、クサビ22Cの上面は水平になっている。クサビ22Cの水平な上面の上にガイドシース樋20が配置されている。クサビ22Bとクサビ22Cとの水平方向の位置関係を変えることにより、ガイドシース樋20と磁石22Aの上面との間の距離を変えることができるようになっており、ガイドシース樋20の固定位置を微調整できるようになっている。また、この固定治具22は、鋼部材に対して繰り返し脱着可能であるので、繰り返し使用することができ、経済的である。なお、ガイドシース樋20の位置固定をするための固定治具は、固定治具22のように磁力によって位置固定するものでなくてもよく、例えば機械的に位置固定するものでもよい。ただし、固定する対象が鋼部材であれば、磁力を用いて固定する固定治具の方が作業性の点で好ましい。
また、ガイドシース樋20の半円形の端部には、弾性体24が取り付けられている。ガイドシース樋20が固定治具22により下方から押し上げられることにより、弾性体24が鋼床版(デッキプレート)102の下面に押し付けられ、ブラスト面の凹凸を吸収し、これによりガイドシース樋20の位置固定が安定する。なお、図7に示すように、鋼床版102とリブ板142との溶接部122があるため、スカラップ140の直上では、該溶接部122の下面に押し付けられることとなる。また、ガイドシース樋20は、スカラップ140内での位置固定ができればよく、それ以上の位置精度は不要である。
なお、ガイドシース樋20をスカラップ140内に載置するのみで、ガイドシース樋20が鋼床版(デッキプレート)102の下面と適切な距離を保って位置固定がなされるのであれば、固定治具22を用いる必要はなく、ガイドシース樋20をスカラップ140内に載置するのみでよい。
また、ガイドシース樋20は、スカラップ140間の間隔に応じた長さに分断して、分断要素体としておくことが設置作業の作業性の点で好ましい。また、その長さは一定である必要はなく、作業がしやすいように複数の長さとしてよい。ガイドシース樋20を、スカラップ140間の間隔に応じた長さに分断しておくことにより、例えばスカラップ140間の間隔が400〜500mm程度と短い場合でも、ガイドシース樋20をスカラップ140の中に設置することができる。そして、スカラップ140の中に設置したガイドシース樋20同士を連結することにより、結果的に、長さの長いガイドシース樋20を複数のスカラップ140の中に連続して挿通させることができることとなる。
分断されたガイドシース樋20(分断要素体)同士の連結は、例えば図11(A)(側面図)および図11(B)(正面図)に示すように、隣り合うガイドシース樋20同士の接続端部を外部から覆うことができる連結治具26を、ボルト26Aでガイドシース樋20の接続端部に固定することにより行うことができる。連結治具26はガイドシース樋20の外形に合わせて形成された半円形であり、ガイドシース樋20の接続端部を外部から覆うことができるようになっている。また、例えば図12(側面図)に示すように、分断された各ガイドシース樋20の一端に連結治具26を取り付けた状態で現場に搬入し、設置作業を行ってもよい。
また、ガイドシース樋20は、その長手方向に対して曲げ変形が可能な構造としておくことが、スカラップ140の中に設置する作業を容易にする点で好ましい。このような構造は、例えば図13(A)(側面図)および図13(B)(正面図)に示すように、可撓性のあるゴム材20Aを半円形の補強リング20Bで補強した構造である。ガイドシース樋20をこのような構造とした場合、複数のスカラップ140が同一直線上にない場合であっても、長さの長いガイドシース樋20を溶接線に沿わせて配置することができる。また、ガイドシース樋20をスカラップ140内に挿通させる際の作業も容易となる。なお、図13(A)は、分断されたガイドシース樋20の右側を下方に曲げた状態である。
長さの長いガイドシース樋20を複数のスカラップ140の中に連続して挿通させることにより、ブラストヘッド30は複数のスカラップ140を連続して通過することができる。このため、リブ板142によって作業空間が多数に区切られていても、挿通させたガイドシース樋20の端部を含む1つの作業空間のみからブラスト処理作業を行うことができ、対象とする溶接線のブラスト処理を効率的に行うことができる。
ここで、スカラップ140は、2つのリブ付き鋼床版(デッキプレート)102を溶接接合するとき、溶接作業にリブ板142が邪魔となるため、リブ142に開けられる半円形のくぐり孔である。したがって、スカラップ140は、必然的に溶接線の真下に配置されることとなるので、複数のスカラップ140を挿通して配置されるガイドシース樋20は、溶接線の真下に溶接線に沿って配置されることとなる。
また、ガイドシース樋20は、透明材料で形成されていてもよい。透明材料で形成することにより、溶接線に対するブラスト処理の程度を、外部から視認できるようになる。
なお、ガイドシース樋20は、ブラストヘッド30から粉塵が漏れた場合、該粉塵を受ける容器ともなる。
ブラストヘッド30は、ケーシング32と、ケーシング32の一部に形成されている開口部34と、ブラシ(密着部材)36と、ブラストノズル40と、車輪(移動補助機構)44と、を有してなる。また、ブラスト材を噴射するブラスト材噴射ダクト38との接続口38A、および、ブラスト材やブラスト材により削り落とされたものを吸引する吸引ダクト42との接続口42Aを備えている。
ブラストヘッド30は、ブラスト材をブラスト面に向けて噴射してブラスト処理を行うとともに、ブラスト材やブラスト材により削り落とされたものを吸引して集め、外部に飛散させない役割を有する。ブラストヘッド30は、ガイドシース樋20内に配置されて、その長手方向を移動できるようになっている。ガイドシース樋20の断面形状の外形は、スカラップ140の形状(幅80〜120mm程度、高さ35〜50mm程度の半円形)に合わせた半円形であり、従来のブラストヘッドの大きさよりも小さいが、ガイドシース樋20内に配置される本実施形態に係るブラストヘッド30の断面形状は、ガイドシース樋20の断面形状の内形よりもさらに小さい。したがって、ブラストヘッド30は、その移動方向に細長い形状となっている。ブラストヘッド30の外形は、ガイドシース樋20の断面形状の内形に合わせた形状であるので、ガイドシース樋20内に配置されることにより、位置精度が確保されるようになっている。
ケーシング32は、ガイドシース樋20の形状に合った形状で、ブラストヘッド30の大半の外形を形作る。ブラストヘッド30をガイドシース樋20の形状に合った形状とすることにより、ブラストヘッド30はガイドシース樋20内をその長手方向に円滑に移動しやすくなる。
開口部34は、ブラスト材がブラスト面に向けて噴射されるブラスト材の出口であり、また、ブラスト面に衝突したブラスト材やブラスト材により削り落とされたものがブラストヘッド30内にもどってくる入り口でもあり、ケーシング32の一部に形成されている。スカラップ140内に設置されたガイドシース樋20内にブラストヘッド30が配置されると、開口部34は上方を向くようになっている。
ブラシ(密着部材)36は、ケーシング32の端部においてケーシング32に対して略垂直方向に設けられており、ブラスト面に密着してブラストする部位を取り囲んで閉空間を形成する。ブラシ36は、吸引ダクト42によってブラストヘッド30内が吸引された際、この閉空間内(ブラストヘッド30内)を減圧に保つことができ、ブラスト材やブラスト材により削り落とされたものは外部に漏らさないが、吸引ダクト42による吸引により外気を取り込むことはできるようになっており、吸引循環気流をつくりだせるようになっている。また、ブラストヘッド30がガイドシース樋20内を移動すると、ブラシ36はブラスト面(鋼床版(デッキプレート)102下面)に押し付けられつつ移動するが、その際の移動抵抗は少なくなるようなものを用いるのがよい。また、ブラストヘッド30がガイドシース樋20内を移動しても、ブラスト面に密着してブラスト面の凹凸に追従でき、移動に支障を与えないものがよい。
ブラストヘッド30には、ブラスト材噴射ダクト38と吸引ダクト42とを一体として備えたブラストダクト46が接続されて、ブラスト材の噴射および吸引がなされる。具体的には、ブラスト材噴射ダクト38がブラストヘッド30のブラスト材噴射ダクト接続口38Aに接続され、吸引ダクト42がブラストヘッド30の吸引ダクト接続口42Aに接続される。これにより、ブラストヘッド30は、ブラストダクト46からブラスト材の供給を受けるとともに、吸引力の供給を受けることができることとなる。ブラストダクト46は、その長手方向に対してある程度曲げ変形が可能な構造となっている。
ブラスト材噴射ダクト38は、ブラストヘッド30のブラスト材噴射ダクト接続口38Aに接続されて、ブラスト材を圧縮空気でブラストノズル40に送り込む役割を有している。ブラスト材噴射ダクト38は、前述のように、吸引ダクト42と一体となって、ブラストダクト46を構成する。
ブラストノズル40は、ブラスト材噴射ダクト38の先端に位置し、ブラスト材噴射ダクト38によって送り込まれたブラスト材をブラスト面に向けて噴射する役割を有する。ブラストノズル40は、ガイドシース樋20の長手方向から天井面(ブラスト面)に向かう方向に約90度変角しており、ブラスト材噴射ダクト38内をガイドシース樋20の長手方向に進行してきたブラスト材は、ブラストノズル40により進行方向を天井面(ブラスト面)に変え、天井面(ブラスト面)に向けて噴射孔40Aから噴射される。ブラスト面にほぼ垂直にブラスト材が衝突することにより、ブラスト処理の効率が向上する。
吸引ダクト42は、ブラストヘッド30の吸引ダクト接続口42Aに接続されて、ブラスト材やブラスト材により削り落とされたものを吸引する役割を有する。吸引ダクト42は、前述のように、ブラスト材噴射ダクト38と一体となって、ブラストダクト46を構成する。ブラストダクト46(ブラスト材噴射ダクト38および吸引ダクト42)は、ガイドシース樋20と略同一直線上に配置することができ、ガイドシース樋20内を円滑に移動できるようになっている。
図14は、ブラスト材噴射ダクト38と吸引ダクト42との配置関係の一例を示す図であり、ブラスト材噴射ダクト38および吸引ダクト42の長手方向と直交する平面でブラストダクト46を切断した断面図である。図14に示すように、ブラスト材噴射ダクト38は吸引ダクト42の内部に配置されており、吸引ダクト42の断面形状は水平方向に細長い小判型であり、ブラスト材噴射ダクト38の断面形状は円形である。なお、ブラスト材噴射ダクト38と吸引ダクト42との配置関係は、図14に示すような配置関係に限定されず、ブラストヘッド30中において、気体が円滑に流れるようにブラスト材噴射ダクト38および吸引ダクト42の流路が確保されるような配置関係であればよい。
車輪(移動補助機構)44は、例えば、ブラストヘッド30の下部に合計6個設けられており、ガイドシース樋20の内面に接して移動し、ブラストヘッド30がガイドシース樋20内をその長手方向に円滑に移動しやすくするようにする役割を有する。車輪44を設けることにより、ブラストヘッド30はガイドシース樋20から支持力を受けることができるとともに、ガイドシース樋20とブラストヘッド30との間に空間が設けられ、ブラスト材やブラスト材により削り落とされたものがブラシ36から漏れてガイドシース樋20の中に溜まっても、ブラストヘッド30はガイドシース樋20内をその長手方向に円滑に移動することができる。
車輪44は、図7に示すように、ガイドシース樋20と接する部位がガイドシース樋20内面の最下部よりもやや上方の位置となるようにするのがよい。ブラスト材やブラスト材により削り落とされたものがブラシ36から漏れてガイドシース樋20の中に溜まる場合、ガイドシース樋20内面の最下部から溜まっていくので、ガイドシース樋20内のごみ等の障害物の影響を受けにくくなるからである。
また、車輪44の車軸44Aの位置は移動できるようになっており、車軸44Aの位置を変更させることにより、ブラストヘッド30の高さを調節できるようになっている。また、車輪44には直径の異なる車輪を用いることも可能であり、車輪44の直径を変更することによってもブラストヘッド30の高さを調節できるようになっている。ブラストヘッド30は、ブラスト面に対してブラシ36を介して押し付けられるが、車軸44Aの位置または車輪44の直径を変更して高さを調節することにより、現場の状況に応じてブラシ36のブラスト面への密着性を調整することができる。ブラシ36のブラスト面への密着性を調整することにより、ブラストヘッド30は、ブラスト面に対してブラシ36を押し付けた状態で、ガイドシース樋20内をその長手方向に円滑に移動することができる。
ブラストヘッド30の移動機構は、特に限定されず、例えば、ブラストヘッド30の先端にワイヤを取り付け、該ワイヤをウィンチ等によって引っ張るような機構や手動で引っ張るような機構とすることができる。また、ブラストヘッド30と連結されたブラストダクト46を押し込むこと又は引っ張ることによって、ブラストヘッド30を移動させることもできる。また、例えば、ブラストヘッド30にモータを取り付け、該モータからの駆動力によって車輪44を回転させて、ブラストヘッド30を移動させるような自走機構とすることもできる。
ブラストヘッド30の移動時に、車輪44はガイドシース樋20の内面に接して回転するので、ガイドシース樋20は簡単な機構でありながら誘導レールと同様の働きをする。さらに、ガイドシース樋20を用いた場合、誘導レールを用いた場合よりも車輪44の位置に自由度があり、誘導レールを用いた場合に必要となる、脱輪防止などの調整機構は不要である。
ブラストヘッド30のブラシ36がブラスト面に押し付けられる力は、車輪44がガイドシース樋20から反力を受けることによって供給される。車輪44からガイドシース樋20が受けた力は、固定治具22を介してリブ板142に伝達される。
次に、本発明の実施形態に係るバキュームブラスト装置10を用いてのブラスト処理の手順について、Uリブ108のスカラップ140にガイドシース樋20を挿通させる場合を例に取り上げて説明する。
(1)まず、Uリブ108のスカラップ140間の間隔に合わせて分断されたガイドシース樋20を、Uリブ108のスカラップ140の中に挿通させる。その際、ガイドシース樋20の端部が、隣り合うUリブ108の間に位置するようにし、Uリブ108の内部に位置しないようにする。ガイドシース樋20の端部がUリブ108の内部に位置すると、ガイドシース樋20同士を連結治具26で連結していく作業が困難となるからである。
(2)次に、スカラップ140の中に挿通させたガイドシース樋20同士を連結治具26で連結していく。隣り合うガイドシース樋20の端部同士を連結治具26で外側から覆うとともに、ボルト26Aで連結治具26をガイドシース樋20に固定し、ガイドシース樋20を連結する。以上の連結を所定の回数行い、必要な長さを確保し、ブラスト処理を行う溶接線に沿ってガイドシース樋20を設置する。
(3)ブラストヘッド30を前進させるためのワイヤを、連結されたガイドシース樋20内の端から端まで挿通させて配置し、該ワイヤの一端をブラストヘッド30の先端に取り付ける。なお、ブラストダクト46を押し込むことで、又は引き込むことで、ブラストヘッド30を前進または後退させる場合は、前記ワイヤの取り付けは不要である。
(4)ワイヤの取り付けられたブラストヘッド30を、連結されたガイドシース樋20の一端から挿入する。
(5)ブラストヘッド30の吸引を開始した後にブラスト噴射を開始する。ブラスト面にブラシ36が適切に密着していることを確認した後、ワイヤを引っ張り、ブラストヘッド30を前進させていき、対象とする溶接線をブラスト処理していく。ブラストヘッド30が前進していくことに伴い、ブラストダクト46がガイドシース樋20内にその長手方向に沿って入り込んでいく。ワイヤを使用しない場合は、ブラストダクト46を押し込んで、ブラストヘッド30を前進させていく。ブラスト面にブラシ36が適切に密着していない場合には、ガイドシース樋20の位置固定をする固定治具22の位置を調整するか、ブラストヘッド30の高さを調整して、適切に密着させる。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るバキュームブラスト装置10においては、ブラスト面から所定の距離のところにガイドシース樋20を配置することにより、ガイドシース樋20内に配置されたブラストヘッド30のブラシ(密着部材)36を、ブラスト面に適切に密着させることができる。
また、ブラスト面の凹凸等によって、バキュームブラスト装置10に予期せぬ力が加わってもその位置を保持することができる。
また、ガイドシース樋20の半円形の外形は、スカラップ140の形状に合わせて形成されているので、スカラップ140内にはめ込んで仮置きすることができ、位置固定がしやすい。また、リブ板142が鋼製であるので、磁力固定式の簡易な固定治具22により固定することも可能である。
また、ガイドシース樋20の断面形状の内形を、ブラストヘッド30の外形に合った形状とした場合には、ブラスト面とガイドシース樋20との間で、ブラストヘッド30はガイドシース樋20の長手方向以外の自由度がなくなるので、ブラストヘッド30はブラスト面に安定的に密着させられ、ブラスト面の凹凸のような外乱に対しても密着を維持しやすくなる。
また、ガイドシース樋20は、ブラストヘッド30から粉塵が漏れた場合、該粉塵を受ける容器ともなる。
ブラストヘッド30の下部には、車輪44が設けられており、ブラストヘッド30がガイドシース樋20内を移動する際には、該車輪44がガイドシース樋20の内面に接して回転するので、ブラストヘッド30がガイドシース樋20内を移動することが容易となる。
Uリブ鋼床版を斜め上方から見た斜視図 Uリブ鋼床版を斜め下方から見た斜視図 現場で溶接される鋼床版を斜め上方から見た斜視図 鋼床版(デッキプレート)下面に設置された裏当て材と裏当て材カバーを示す斜視図 鋼床版(デッキプレート)上面からサブマージアーク溶接を行っている状況を示す斜視図 鋼床版下面の溶接線に対してバキュームブラストを行っている状況を模式的に示す断面図(溶接線を含む面で鉛直方向に切断した断面) 本発明の実施形態に係るバキュームブラスト装置のガイドシース樋およびブラストヘッドがスカラップ内に設置された状態を示す図であり、ガイドシース樋の長手方向と垂直な面でガイドシース樋およびブラストヘッドを切断した断面を示す断面図 本発明の実施形態に係るバキュームブラスト装置のガイドシース樋およびブラストヘッドがスカラップ内に設置された状態を示す図であり、ガイドシース樋の長手方向と平行で溶接線を含む面でガイドシース樋およびブラストヘッドを切断した断面を示す断面図 図8のA−A線断面図 図8のB−B線断面図 分断されたガイドシース樋同士の連結の状況を示す、(A)側面図および(B)正面図 分断されたガイドシース樋の一端に連結治具を取り付けた状態を示す側面図 曲げ変形が可能な構造のガイドシース樋を示す(A)側面図および(B)正面図 ブラストダクトの断面図(ブラスト材噴射ダクトと吸引ダクトとの配置関係の一例を示す図で、ブラスト材噴射ダクトおよび吸引ダクトの長手方向と直交する平面で切断した断面図)
符号の説明
10…バキュームブラスト装置
20…ガイドシース樋
20A…ゴム材
20B…補強リング
22…固定治具
22A…磁石
22B、22C…クサビ
24…弾性体
26…連結治具
26A…ボルト
30…ブラストヘッド
32…ケーシング
34…開口部
36…ブラシ(密着部材)
38…ブラスト材噴射ダクト
38A…ブラスト材噴射ダクト接続口
40…ブラストノズル
40A…噴射孔
42…吸引ダクト
42A…吸引ダクト接続口
44…車輪
44A…車軸
46…ブラストダクト
100…Uリブ鋼床版
102…鋼床版(デッキプレート)
104…主桁(縦桁)
106…横桁
108…Uリブ
110…横リブ
112…溶接線
114…現場ボルト接合部
116…裏当て材
118…裏当て材カバー
120…溶接ビード
130…バキュームブラストヘッド
132…ブラスト供給部
134…バキューム部
136…ブラシ
140…スカラップ
142…リブ板

Claims (19)

  1. 鋼部材の現場溶接後の溶接線を下方からバキュームブラストするバキュームブラスト装置であって、
    該溶接線の直下を該溶接線に沿って配設されたガイドシース樋と、
    前記溶接線を含むブラスト面に密着する密着部材により該ブラスト面の一部を取り囲んで閉空間を形成して、ブラスト材の噴射および吸引をするバキュームブラストヘッドと、
    を備え、
    該バキュームブラストヘッドは、前記ガイドシース樋内に配置されて該ガイドシース樋内をその長手方向に移動可能であり、該移動とともに上方にブラスト材を噴射して、前記溶接線を下方からバキュームブラストすることができることを特徴とするバキュームブラスト装置。
  2. 1以上のスカラップを横切る、鋼部材の現場溶接後の溶接線を下方からバキュームブラストするバキュームブラスト装置であって、
    1以上の前記スカラップ内に配設されて、前記溶接線の直下を該溶接線に沿って配設されたガイドシース樋と、
    前記溶接線を含むブラスト面に密着する密着部材により該ブラスト面の一部を取り囲んで閉空間を形成して、ブラスト材の噴射および吸引をするバキュームブラストヘッドと、
    を備え、
    該バキュームブラストヘッドは、前記ガイドシース樋内に配置されて該ガイドシース樋内をその長手方向に移動可能であり、該移動とともに上方にブラスト材を噴射して、1以上の前記スカラップを横切りつつ、前記溶接線を下方からバキュームブラストすることができることを特徴とするバキュームブラスト装置。
  3. 前記ガイドシース樋の断面形状の外形が、前記スカラップの形状に合わせた形状であることを特徴とする請求項2に記載のバキュームブラスト装置。
  4. 前記ガイドシース樋が、鋼部材に対して繰り返し脱着可能な固定治具を用いて固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバキュームブラスト装置。
  5. 前記固定治具が、磁力によって鋼部材に固定されるものであることを特徴とする請求項4に記載のバキュームブラスト装置。
  6. 前記ガイドシース樋が、前記スカラップへ載置されて配設されていることを特徴とする請求項3に記載のバキュームブラスト装置。
  7. 前記ガイドシース樋が、お互いに連結可能な分断要素体を連結してなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のバキュームブラスト装置。
  8. 前記ガイドシース樋が、その長手方向に曲げ変形が可能な構造であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のバキュームブラスト装置。
  9. 前記ガイドシース樋が、可撓性材料で製作されてなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のバキュームブラスト装置。
  10. 前記ガイドシース樋の断面形状の内形が、前記ヘッドの断面形状の外形に合った形状であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のバキュームブラスト装置。
  11. 前記ガイドシース樋の最上部には、前記ブラスト面と接する弾性体が備えられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のバキュームブラスト装置。
  12. 前記ガイドシース樋が、透明材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のバキュームブラスト装置。
  13. 前記バキュームブラストヘッドが、ブラスト材の進行方向を前記ガイドシース樋の長手方向から前記ブラスト面に向かう方向に偏角するブラストノズルを備えていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のバキュームブラスト装置。
  14. 前記バキュームブラストヘッドが、前記ガイドシース樋内をその長手方向に移動することを容易にする移動補助機構を備えていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のバキュームブラスト装置。
  15. 前記移動補助機構が、前記ガイドシース樋内面の最下部よりも該内面の上方に接する車輪であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のバキュームブラスト装置。
  16. 前記ブラストヘッドが高さ調節機構を有しており、前記ブラスト面への密着性を調節できることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のバキュームブラスト装置。
  17. 前記密着部材がブラシであることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載のバキュームブラスト装置。
  18. 鋼部材の現場溶接後の溶接線を下方からバキュームブラストするバキュームブラスト方法であって、
    該溶接線の直下を該溶接線に沿って配設されたガイドシース樋内に、前記溶接線を含むブラスト面に密着する密着部材により該ブラスト面の一部を取り囲んで閉空間を形成して、ブラスト材の噴射および吸引をするバキュームブラストヘッドを配置し、該ガイドシース樋内をその長手方向に移動させつつ、上方にブラスト材を噴射させて、前記溶接線を下方からバキュームブラストすることを特徴とするバキュームブラスト方法。
  19. 1以上のスカラップを横切る、鋼部材の現場溶接後の溶接線を下方からバキュームブラストするバキュームブラスト方法であって、
    1以上の前記スカラップ内に配設されて、前記溶接線の直下を該溶接線に沿って配設されたガイドシース樋内に、前記溶接線を含むブラスト面に密着する密着部材により該ブラスト面の一部を取り囲んで閉空間を形成して、ブラスト材の噴射および吸引をするバキュームブラストヘッドを配置し、該ガイドシース樋内をその長手方向に移動させつつ、上方にブラスト材を噴射させて、1以上の前記スカラップを横切らせながら、前記溶接線を下方からバキュームブラストすることを特徴とするバキュームブラスト方法。
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