以下、本発明に係る遊技機の一形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、遊技店内(パチンコホール)において、いわゆる“島”と呼ばれている複数のパチンコ機の集合状態、具体的には、複数のパチンコ機11a、11b、11c、…、11nと12a、12b、12c、…、12nとがその背面を対向して配置されている様子を示したものである。各パチンコ機は共通の島電源ライン13に接続されると共に、同じ島電源供給装置15から電源の供給を受けている。島電源供給装置15には島電源スイッチが設けられ、また、各パチンコ機にはそれぞれの電源スイッチが設けれている。島電源スイッチがオンされると島電源ライン13に電源が供給され、各パチンコ機の電源スイッチのオンによりそれぞれのパチンコ機に電源が供給されて駆動開始するような構成になっている。島電源供給装置16にも同様に複数のパチンコ機が島電源ラインを介して接続されている(図示省略)。また、図示は省略されているが同様の構成を有した島が多数配置されている。
さらに、各島電源供給装置15、16には、共通のホール電源ライン17を介してホール電源供給装置18から電源が供給されている。従って、ホール電源供給装置18のホール電源スイッチがオンされなければ各島電源供給装置には電源は供給されず、各パチンコ機も駆動することはできない。また、信号ライン14を介して各パチンコ機はホールコンピュータに接続されており、各パチンコ機の遊技情報はホールコンピュータに収集され管理されている。
ここで、島に配置されるパチンコ機の一形態の構成および動作について説明する。
図2は、パチンコ機の正面図である。このパチンコ機1は、遊技領域5の略中央部にいわゆるセンター役物として画像表示装置2を備えたパチンコ機である。画像表示装置2には、複数の特別図柄が変動表示あるいは停止表示される。図示を省略する発射装置から遊技球が打ち出され、打ち出された遊技球が所定の入賞口(例えば、始動入賞口)へ入賞すると、その入賞に基づいて画像表示装置2に複数の特別図柄(数字や絵柄等)が予め定められた所定時間変動表示される。所定時間経過後に、抽選によって選択された特別図柄が停止表示され、その停止表示された特別図柄が予め定められた特定の組み合わせ図柄の場合、大入賞口3が所定時間連続して開放し遊技球の入賞し易い状態となって短時間で多くの賞球を得ることが可能となり、遊技者に有利な特別遊技状態(大当り状態)が発生する。
遊技盤上には、発射装置から打出された遊技球を誘導する略円弧状の外レール8a及び内レール8bが設けられ、この二つのレール8aと8bによって囲まれた部分が遊技領域5を形成している。発射装置から打出された遊技球が遊技領域5を流下し、入賞口に入賞する等の所定の条件を満たすと予め定められている賞球が払い出される。遊技領域5の略中央には画像表示装置(例えば、液晶表示装置)2が設けられ、この画像表示装置2には、特別図柄の変動表示と停止表示が行われる画像表示部(液晶表示部)9が設けられている。画像表示部9には、3列からなる左表示部9a、中表示部9b、右表示部9cが設けられており、それぞれの表示部に複数の特別図柄が独立して変動表示、および停止表示される。
画像表示装置2の下側には始動入賞口10が設けられており、この始動入賞口10への遊技球の入賞に基づいて、可変表示部9に特別図柄の変動表示動作、および演出モードの演出画像が表示される。始動入賞口10の下側には、可変表示部9a〜9cに特定の図柄の組み合わせが停止表示したとき、例えば、「6」「6」「6」、「7」「7」「7」のように同じ図柄が3つ停止表示したとき(以下、大当り発生時ともいう)に開状態あるいは閉状態となる大入賞口(アタッカーともいわれる)3が設けられている。大入賞口3には、開閉動作する扉が設けられ、扉の閉鎖時には遊技領域5から大入賞口3内に遊技球が入賞することはなく、開放時にのみ入賞可能な構成になっている。大入賞口3の左右両側には、一般入賞口19が設けられている。また、大入賞口3の下側には、遊技領域5を流下していずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球、いわゆる外れ球が排出されるアウト口4が設けられている。遊技盤の前面を覆う窓枠の下方部には、賞球の払出しがされる球皿部を備えた一体皿6が配設されている。一体皿6の右側下部には、回転操作によって発射装置から発射される遊技球の発射強度、即ち、遊技球の飛距離を調整するためのハンドルグリップ7が設けられている。
大当りの発生に基づいて大入賞口3は、予め定められた所定時間(例えば、30秒間)継続しての開放状態となる。また、大入賞口3は、所定時間の継続開放後、一旦、閉鎖状態となり、再度開放状態となる動作を繰り返す。この所定時間の開放状態から閉鎖状態となるまでの一連の動作を、いわゆる1ラウンドといい、一連の動作を繰返し得る回数を継続最大ラウンド数という。この形態では、継続最大ラウンド数は15回に設定してある。尚、各ラウンドの終了は、所定時間によってのみ制限されるものではなく、所定時間内に予め定められた遊技球数が大入賞口に入賞した場合は、その遊技球数が検出された時点でそのラウンドは終了し、次のラウンドが開始される。大入賞口3に入賞した遊技球の検出は、大入賞口3内に設けられている検出スイッチによって検出され、その検出球数は検出スイッチに接続されている制御回路(制御手段)によってカウントされる。
図3は、パチンコ機の制御部の主な構成を示すブロック図の一形態である。以下、このブロック図に基づいて画像表示装置2に表示される特別図柄の制御内容、遊技球の入賞に基づく賞球の払出し等について説明する。
制御部は、遊技の主な制御を司っている遊技制御部(遊技制御基板)20と、遊技制御部20からの制御コマンドに基づいて画像表示装置2、音声制御部56、ランプ制御部57等の制御を行っている演出制御部(演出制御基板)30と、同じく遊技制御部20からの制御コマンドに基づいて払出装置58の制御を行っている払出制御部(払出制御基板)40と、各制御部へ駆動電源を供給する電源部(電源基板)73とから構成されている。そして、各制御部は、ROMとRAMを備えたCPUからなり、ROMには制御プログラムが書き込まれており、RAMはデータの書き込みおよび読み出し領域として使用されている。また、遊技制御部20と払出制御部40のRAM76、43には、パチンコ機の電源がオフされたときの遊技データおよび払出データを消去せずに記憶しておく(バックアップしておく)ための記憶領域が設けられている。尚、これらの各制御部は、パチンコ機(図1でいう11a…11n等、図2でいう1)の裏面側に配設されている。
遊技制御基板20は、ROM22とRAM76を内蔵したワンチップのマイクロコンピュータ(CPU)75を中心とした電子回路から構成されている。ROM22には、パチンコ遊技に関する基本的なプログラムが記憶されている。RAM76には、パチンコ遊技に関するデータを読み書きするための作業領域とバックアップしておくための記憶領域が設けられている。また、遊技制御基板20には、マイクロコンピュータ75と他の各制御基板、ソレノイド、各種スイッチ間の信号の入出力を行うための入出力ポート24、25が設けられている。尚、RAM76はCPU75に内蔵されているものに限定されず、CPU75とは別体に設けるものであってもよい。
遊技制御基板20の入力ポート24には、遊技球の入賞を検出して画像表示装置2に図柄の変動表示動作を開始させる、始動入賞口10内に設けられた図柄始動スイッチ50が接続されている。また、大入賞口3に入賞した遊技球の数を検出する、大入賞口3内に設けられたカウントスイッチ51が接続されている。また、大当り遊技時に遊技球の通過を検出して大入賞口3の一定期間の継続開放状態を繰り返すための、即ち、大当りラウンドを継続させるための、大入賞口3内に設けられたVスイッチ52が接続されている。さらに、一般入賞口19内に設けられ遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ53が接続されている。
これらのスイッチによる検出信号は、入力ポート24を介してマイクロコンピュータ75に入力されている。カウントスイッチ51によって検出された大入賞口3への遊技球の入賞球数はRAM76に記憶される。また、大当りラウンド中にVスイッチ52により遊技球の通過が検出されることによって更新される大当り遊技のラウンド数もRAM76に記憶される。さらにこの他、大当りの種類、即ち、通常の大当り状態なのか確率変動の大当り状態なのか等もRAM76に記憶される。尚、後述するが、マイクロコンピュータ75にはRAM76用のバックアップ電圧が供給されており、パチンコ機1の電源がオフされた後もRAM76に記憶された遊技データは保持される。
遊技制御基板20の出力ポート25には、演出制御基板30および払出制御基板40が接続されており、各制御基板をコントロールするコマンド信号が、出力ポート25を介してマイクロコンピュータ75から送信される。例えば、図柄始動スイッチ50によって始動入賞口10への遊技球の入賞が検出され、その検出信号がマイクロコンピュータ75に入力されると、マイクロコンピュータ75から演出制御基板30へ、図柄表示装置2に図柄の変動表示動作を開始させる旨のコマンド信号が送信される。また、図柄始動スイッチ50によって始動入賞口10への遊技球の入賞が検出され、カウントスイッチ51によって大入賞口3への遊技球の入賞が検出され、入賞口スイッチ53によって一般入賞口19への遊技球の入賞が検出され、その検出信号がそれぞれマイクロコンピュータ75に入力されると、マイクロコンピュータ75から払出制御基板40へ、遊技球の払出処理を行う旨のコマンド信号が送信される。
遊技制御基板20の出力ポート25には、大入賞口3を開閉動作させるための大入賞口用ソレノイド55が接続されている。画像表示装置2に特定の図柄が停止表示され大当り状態が発生すると、マイクロコンピュータ75から出力ポート25を介してコマンド信号が大入賞口用ソレノイド55に送信され、ソレノイドの駆動によりが大入賞口3が開閉動作を行う。また、大当り状態が発生して大入賞口3が開放状態となり、大入賞口3への遊技球の入賞数がカウントスイッチ51によって検出され、入賞数が所定数に達した場合には、大入賞口3を閉鎖状態にするようにコマンド信号がマイクロコンピュータ75から大入賞口用ソレノイド55に送信される。さらに、大入賞口3の開放状態中に入賞した遊技球が、大入賞口3内に設けられたV入賞領域を通過した場合には、その通過がVスイッチ52によって検出され、一旦、閉鎖状態になった大入賞口3を再度、開放状態にする旨のコマンド信号、即ち、新しいラウンドに進む旨のコマンド信号がマイクロコンピュータ75から大入賞口用ソレノイド55に送信される。
演出制御基板30は、ROM32とRAM33を内蔵したワンチップのマイクロコンピュータ31を中心とした電子回路から構成されている。ROM32には、演出遊技を制御するプログラムが記憶されている。RAM33には、演出遊技に関するデータを読み込み書き込みするための作業領域が設けられている。また、演出制御基板30には、マイクロコンピュータ31と、他の制御基板あるいは演出を表示するための装置との間の信号の入出力を行うための入出力ポート34、35が設けられている。尚、RAM33はCPU31に内蔵されているものに限定されず、CPU31とは別体に設けるものであってもよい。
演出制御基板30の入力ポート34は、遊技制御基板20の出力ポート25と接続されている。遊技制御基板20のマイクロコンピュータ75から送信されたコマンド信号は、この入力ポート34を介してマイクロコンピュータ31に入力される。そして、マイクロコンピュータ31は、このコマンド信号に基づいて、図柄表示、装飾表示、効果音出力等の演出制御を行う。演出制御基板30の出力ポート35には、始動入賞口10への遊技球の入賞に基づいて、即ち、図柄始動スイッチ50による入賞した遊技球の検出に基づいて、図柄の変動表示動作を行う画像表示装置2が接続されている。また、画像表示装置2の図柄変動表示時等において装飾灯の点灯・消灯表示を行うランプ制御部57と、その変動表示に対応した音楽等を出力するスピーカ等から成る音声制御部56が接続されている。
演出制御基板30のマイクロコンピュータ31は、遊技制御基板20のマイクロコンピュータ75からのコマンド信号に基づいて、画像表示装置2に図柄の変動表示動作を行わせると共に、その変動表示に対応したランプ制御部57による装飾演出、音声制御部56による効果音演出を制御している。マイクロコンピュータ31に内蔵されたRAM33には、始動入賞口10に入賞し図柄始動スイッチ50によって検出された遊技球数のデータ等が記憶されている。
払出制御基板40は、ROM42とRAM43を内蔵したワンチップのマイクロコンピュータ41を中心とした電子回路から構成されている。ROM42には、払出遊技を制御するプログラムが記憶されている。RAM43には、払出遊技に関するデータを読み書きするための作業領域とバックアップしておくための記憶領域が設けられている。また、払出制御基板40には、マイクロコンピュータ41と、他の制御基板あるいは払出装置58との間の信号の入出力を行うための入出力ポート44、45が設けられている。尚、RAM43はCPU41に内蔵されているものに限定されず、CPU41とは別体に設けるものであってもよい。
払出制御基板40の入力ポート44は、遊技制御基板20の出力ポート25と接続されている。遊技制御基板20のマイクロコンピュータ75から送信されたコマンド信号は、この入力ポート44を介してマイクロコンピュータ41に入力される。そして、マイクロコンピュータ41は、このコマンド信号に基づいて、遊技球の払出制御を行う。払出制御基板40の出力ポート45には、始動入賞口10への遊技球の入賞に基づいて、即ち、図柄始動スイッチ50による入賞した遊技球の検出に基づいて、遊技球(賞球)の払出しを行う払出装置58が接続されている。この払出装置58は、大入賞口3への遊技球の入賞に基づいて、即ち、カウントスイッチ51による遊技球の検出に基づいて、また、一般入賞口19への遊技球の入賞に基づいて、即ち、入賞口スイッチ53による遊技球の検出に基づいても賞球の払出を行う。
払出制御基板40のマイクロコンピュータ41は、遊技制御基板20のマイクロコンピュータ75からのコマンド信号に基づいて、払出装置58に対し各入賞口への遊技球の入賞に対応した賞品、ここでは予め定められた遊技球数の払出し処理、あるいは球貸し操作に対応した遊技球の払出し処理を行わせる制御をしている。マイクロコンピュータ41に内蔵されたRAM43には、各入賞口に入賞した遊技球数のデータ等、即ち、図柄始動スイッチ50、カウントスイッチ51、入賞口スイッチ53によって検出され払出されていない遊技球数のデータ等が記憶されている。
尚、この形態では、遊技制御基板20からのコマンド信号に基づいて制御される副制御部として演出制御基板30と払出制御基板40を挙げているが、この2つの制御基板に限定されるものではなく、また、遊技機の構成に応じて統廃合されてもよい。
電源基板73は、遊技制御基板20、演出制御基板30、および払出制御基板40へ電源電圧を供給するための基板である。電源基板73には、電源回路を起動させるための電源スイッチ74が接続されており、電源スイッチのオン操作により、電源基板73から各制御基板20、30、40へ所定の電源電圧が供給される。また、所定の電源電圧が各制御基板20、30、40へ供給されたことを報知するRES信号(リセット信号)が、電源基板73から各制御基板20、30、40へ送信されている。さらに、パチンコ機1の電源をオフしたとき、即ち、電源スイッチ74をオフ操作したとき、それまでにRAM76、RAM43に記憶している遊技データを保持するため、電源基板73から遊技制御基板20及び払出制御基板40へ、RAM76及びRAM43用のバックアップ電源が供給されている。電源基板73には、マイクロコンピュータ75が配設された遊技制御基板20、マイクロコンピュータ31が配設された演出制御基板30、及びマイクロコンピュータ41の配設された払出制御基板40に通常時の電源電圧を供給する電源部と、この電源部の電源が遮断された時に遊技制御基板20及び払出制御基板40へRAM76及びRAM43用の電源電圧を供給するバックアップ電源部が設けられている。
図4は、本発明に係る遊技機を含む遊技機システムの第1の実施例を示すものである。
この遊技システムは、電源スイッチの操作に伴う電源の供給タイミングに基いて、単体のパチンコ機に対しても、あるいは一括した複数のパチンコ機に対しても、パチンコ機のRAMにバックアップしている遊技データを初期化(クリア)することができ、また、遊技データのクリアを意図しない場合には、遊技データをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定され、その旨が設定された状態であっても、その設定状態を解除することができる制御処理に関するものである。
ホール側電源70に電源ライン71を介して複数台のパチンコ機11a、11b、11c、11dが接続されている。ホール側電源70から各パチンコ機にはAC24Vの電源電圧が供給されている。そして、ホール側電源70にはホール電源スイッチ(第1の電源スイッチ)72が設けられている。ホール電源スイッチ72のオン/オフ操作により、電源ライン71を介した各パチンコ機への電源電圧(AC24V)が供給/遮断される。尚、ホール側電源とは、複数台のパチンコ機に共通の電源ラインを介して共通した電源電圧を供給できる電源であればよく、例えば、パチンコホールに複数台のパチンコ機が集合して配設されている、いわゆる“島”に設けられた電源であってもよい。従ってその場合には、島に接続された各パチンコ機に電源ライン71を介して電源電圧(AC24V)を供給/遮断させる島電源スイッチ72(第1の電源スイッチ)が設けられる。以下の説明では、島電源70及び島電源スイッチ72を設けた場合について記載する。
各パチンコ機11a、11b、11c、11dには、それぞれ電源ライン71が接続される電源基板73が設けられている。電源基板73にはパチンコ機を起動/停止させる電源スイッチ(第2の電源スイッチ)74が設けられている。また、各パチンコ機には、遊技制御基板20、演出制御基板30、及び払出制御基板40が設けられており、遊技制御基板20にはCPU75とRAM76が設けられている。但し、図示は省略しているが演出制御基板30にも払出制御基板40にもCPU及びRAMが設けられている。そして、各制御基板20、30、40は、少なくとも図3で説明した各制御基板が有する制御機能を有している。
電源基板73は、島電源70から供給された電圧(AC24V)を基に各制御基板で使用される各種電源電圧を生成している。そして、電源基板73から遊技制御基板20へは、遊技制御基板20を駆動させるための遊技機用電源79と、島電源70側からの電源の供給が遮断された(例えば、停電による遮断、島電源スイッチオフによる遮断)場合にその遮断されたときの遊技データをRAM76に保持しておくために使用されるバックアップ電源77が供給されている。
電源基板73は、島電源70側からの電源の供給が遮断されたことを検出する電断検出手段を有しており、電断検出時には、その旨を外部に報知する電断検出信号78をCPU75に送信している。CPU75は、電断検出信号78を受信すると、そのときの遊技データをRAM76のバックアップデータ保持領域(記憶領域)に記憶する。RAM76に記憶されたバックアップデータは上記バックアップ電源77が供給されているので保持される。
遊技機用電源79は、島電源スイッチ72がオンされている状態で電源スイッチ74がオンされたとき、あるいは電源スイッチ74がオンされている状態で島電源スイッチ72がオンされたときに立ち上がり遊技制御基板20へ供給される。また、これとは逆にパチンコ機が動作している状態(遊技機用電源79が供給されている状態)で電源スイッチ74又は島電源スイッチ72がオフされたとき、あるいは停電等の異常発生時に立ち下がり遮断される。
遊技制御基板20のCPU75には、パチンコ機へ電源が投入された回数をカウントするカウント手段80と、電源が投入されている期間を計測するタイマ81が設けられている。カウント手段80によって遊技機用電源79の立ち上がり回数をカウントし、タイマ81によって遊技機用電源79のオン時間を計測している。但し、タイマ81によるオン時間の計測は電源が投入されるたび(遊技機用電源79が立ち上がるたび)に行なわれるものではなく、カウント手段80によるカウント回数が所定の電源供給タイミングを満たす予め定められた回数のときに計測される。そして、電源スイッチ(島電源スイッチ72あるいは電源スイッチ74)のオン操作によって電源がパチンコ機に供給され、その供給時間と供給回数が予め定められた時間と回数に達したとき、RAM86にバックアップされていた遊技データがクリア(初期化)される。詳しくは後述する。予め定められた所定の電源供給時間及び供給回数は、図示を省略するCPU75のROMのタイミングテーブルに記憶されている。
電源基板73から払出制御基板40へも、払出制御基板40を駆動させるための遊技機用電源79と、島電源70側からの電源の供給が遮断された(例えば、停電による遮断、島電源スイッチオフによる遮断)場合にその遮断されたときの遊技データを払出制御基板40のRAMに保持しておくために使用されるバックアップ電源77が供給されている。払出制御基板40における遊技データのバックアップは、遊技制御基板20のCPU75から送信されてくるコマンド信号に基づいて行なわれている。遊技制御基板20のCPU75は電断検出信号78を受信すると、電源が遮断された旨を示すコマンド信号を払出制御基板40のCPUへ送信する。払出制御基板40のCPUは受信したこのコマンド信号に基づいて払出遊技に関する遊技データをRAMのバックアップデータ保持領域に記憶する。
但し、払出制御基板40における遊技データのバックアップ方法は上記のような場合に限るものではなく、例えば、電源が遮断されたことを示す電断検出信号78を電源基板73から払出制御基板40のCPUに直接送信してもよい。その場合には、上記遊技制御基板20と同様に、払出制御基板40のCPUでも、電断検出信号78の受信に基づいて、そのときの払出遊技に関する遊技データをRAMのバックアップデータ保持領域に記憶する。RAMに記憶されたバックアップデータはバックアップ電源77により保持される。
また、払出制御基板40におけるバックアップされた遊技データのクリアは、遊技制御基板20のCPU75から送信されてくるコマンド信号に基づいて行なわれている。遊技制御基板20のCPU75は、カウント手段80とタイマ81によって予め定められた電源の供給時間と供給回数(CPU75のROMのタイミングテーブルに記憶されている時間と回数)を検出すると、遊技データをクリアすべき旨を示すコマンド信号を払出制御基板40のCPUへ送信する。払出制御基板40のCPUは受信したこのコマンド信号に基づいてRAMにバックアップされていた払出遊技に関する遊技データをクリア(初期化)する。
但し、払出制御基板40における遊技データのクリア方法は上記のような場合に限るものではなく、例えば、払出制御基板40のCPUにもカウント手段とタイマを設け、遊技機用電源79の立ち上がり回数を検出カウントすると共に、その電源供給時間を計測し、予め定められたパターンの供給時間と回数である場合に、払出制御基板40のRAMデータをクリアするようにしてもよい。
また、電源供給時間と供給回数の判別に関してはこの他、カウント手段とタイマ機能を備えたCPUを電源基板73に設け、そのCPUによって遊技機用電源の立ち上がり回数を検出カウントすると共に、その電源供給時間を計測し、所定のパターンの供給時間と回数であると判別した場合に、RAMデータをクリアすべき旨のコマンド信号を遊技制御基板20に送信するようにしてもよい。遊技制御基板20のCPUは、受信したこのコマンド信号に基づいてそれぞれのRAMデータをクリアすればよい。
パチンコ機に電源が供給され、その供給時間と供給回数が予め定められた所定の供給時間と供給回数(CPU75のROMのタイミングテーブルに記憶された供給時間と供給回数)に一致したと判定されて、その判定状態が設定されたとしても、電源スイッチを所定の条件で操作することによりその設定状態を解除し、バックアップされてあった遊技データによって復帰動作をさせることができる。遊技制御基板20のCPU75には、電源の供給時間と供給回数が予め定められた所定の時間と回数に一致したと確認された後、電源がオンされたとき、そのオン時間を計測するタイマ81'が設けられている。その電源がオンされた後、予め定められている規定時間内に、電源をオフすることにより上記判定状態の設定を解除することができる。予め定められた規定時間内に電源をオフせずオン状態のままでいれば判定状態通りバックアップデータはクリアされる。
RAMにバックアップされている遊技データをクリア(初期化)するよう設定するための電源供給時間と供給回数としては、例えば、以下のようなパターンを挙げることができる。
パチンコ機の電源がオフされ動作が停止した状態において、先ず、電源スイッチをオン操作しパチンコ機に電源を供給する。続いて、その電源が供給された(立ち上がった)時から所定時間(例えば、10秒)以内に電源スイッチをオフ操作しパチンコ機の電源を遮断する(立ち下げる)。この電源供給タイミングの条件を満たすとき、電源供給時間と供給回数とが一致したと判定され、その判定状態が設定されて、次の電源スイッチのオン操作により、パチンコ機のRAMにバックアップされた遊技データは、そのオン操作から予め定められた規定時間経過後にクリアされる。即ち、この場合には、1回の電源スイッチのオン操作、電源が立ち上がってから所定時間内の1回の電源スイッチのオフ操作によって電源供給時間と供給回数とが一致したと判定および設定され、さらにもう一回の電源スイッチのオン操作によって遊技データがクリアされることになる。
上記形態のように、RAMにバックアップされた遊技データをクリアするために必要な条件として、タイマ81により所定の電源供給時間が計測され、カウント手段80により予め定められた所定の電源供給回数がカウントされたことを挙げたが、この他に例えば、タイマ81'により予め定められた電源オンの規定時間が計測されたことをクリアするための必要な条件とするものであってもよい。具体的に言えば、パチンコ機の電源がオフされ動作が停止した状態において、先ず、電源スイッチをオン操作しパチンコ機に電源を供給する。続いて、その電源が供給された(立ち上がった)時から所定時間(例えば、10秒)以内に電源スイッチをオフ操作しパチンコ機の電源を遮断する(立ち下げる)。さらに、次に電源スイッチをオン操作し、そのオンされた状態のまま予め定められた規定時間を経過する。この規定時間が経過するまでの電源供給タイミングを満たしたことを、RAMにバックアップされた遊技データをクリアするための必要な条件、つまり、電源の供給時間と供給回数が予め定められた所定の供給時間と供給回数(CPU75のROMのタイミングテーブルに記憶された供給時間と供給回数)に一致したと判定され、その判定状態が設定される条件としてもよい。
この場合には、規定時間が経過するまでの電源供給タイミングが満されたときに、予め定められた所定の電源供給時間と供給回数に一致したと判定されその旨が設定されると共に、RAMに記憶された遊技データがRAMからクリアされる。即ち、この場合には、2回の電源スイッチのオン操作、電源が立ち上がってから所定時間内の1回の電源スイッチのオフ操作によって、電源供給時間と供給回数とが一致したと判定および設定されると共に遊技データがRAMからクリアされることになる。ここで、タイマ81'によって測定される規定時間とは、RAMの遊技データをクリアするために必要な所定の電源スイッチオン/オフ操作のうち、最後のオン操作時から測定される予め定められた規定の時間のことをいう。また、この場合には、CPU75のROMのタイミングテーブルに記憶される予め定められた所定の電源供給時間として、タイマ81'によって測定される電源オンから規定時間経過までの電源供給時間が含まれることになる。この例は以下に説明するいずれの形態において適用可能である。
そして、このRAMデータのクリア処理を、島(複数のパチンコ機)一括でも、単体のパチンコ機でも容易に行なうことができる。その処理は以下に示すような“島電源スイッチ”と“各パチンコ機の電源スイッチ(単に、電源スイッチという)”の使い分けによって行なうことができる。
島(複数パチンコ機)一括でRAMデータのクリアを行なう場合には、先ず、島電源スイッチ72をオフにして島に接続されている全てのパチンコ機の電源をオフさせた状態にする。次に、RAMデータをクリアしたいパチンコ機(ここではその島のパチンコ機全て)の電源スイッチ74をオンした状態にする。この状態で島電源スイッチ72をオン操作してその島の全てのパチンコ機に電源を供給する。続いて、電源が立ち上がった時から10秒以内に島電源スイッチ72をオフ操作しその島の全てのパチンコ機の電源を立ち下げる。これで、次の島電源スイッチのオン操作によりパチンコ機のRAMにバックアップされた遊技データをクリアし得る状態となる。そして島電源スイッチ72を再投入することにより、その投入から予め定められた規定時間経過後にその島の全てのパチンコ機のRAMデータを一括してクリアすることができる。
単体のパチンコ機でRAMデータのクリアを行なう場合には、先ず、島電源スイッチ72及びその島に接続される全てのパチンコ機の電源スイッチ74をオンにし島全体の電源が立ち上がった状態にする。次に、RAMデータをクリアしたいパチンコ機(ここではいずれか単体のパチンコ機)の電源スイッチ74をオフした後に、再度その電源スイッチ74をオン状態にする。続いて、そのパチンコ機の電源が立ち上がった時から10秒以内にそのパチンコ機の電源スイッチ74をオフ操作しそのパチンコ機の電源を立ち下げる。そして次にそのパチンコ機の電源スイッチ74を再投入することにより、その投入から予め定められた規定時間経過後にそのパチンコ機単体のRAMデータをクリアすることができる。
次に、RAMにバックアップされている遊技データをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定され、その旨が設定された状態において、その設定状態を解除してクリアさせないようにするための電源スイッチの操作としては、例えば、以下のようなパターンを挙げることができる。
先ず、島電源スイッチ72及びその島に接続される全てのパチンコ機の電源スイッチ74をオンにし島全体の電源が立ち上がった状態にする。続いて、RAMデータをクリアしたいパチンコ機(ここではいずれか単体のパチンコ機)の電源スイッチ74をオフした後に、再度その電源スイッチ74をオン状態にする。そして、そのパチンコ機の電源が立ち上がった時から10秒以内にそのパチンコ機の電源スイッチ74をオフ操作しそのパチンコ機の電源を立ち下げる。これにより次にそのパチンコ機の電源スイッチ74を再投入することによって、その投入から予め定められた規定時間経過後にそのパチンコ機単体のRAMデータをクリアすることができる状態に設定できる。この状態からパチンコ機の電源スイッチ74をオン操作する。そして、オン操作から規定時間経過前(例えば、10秒以内)に電源スイッチ74をオフ操作する。この規定時間経過前に電源スイッチをオフ操作することにより、RAMデータをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定され、その旨が設定された状態を解消し、RAMデータクリア処理を解除することができる。その後、再度電源を投入し、所定時間(10秒)以上電源をオフしないことにより、バックアップされていたデータによって復帰動作することができる。
また、電源基板73には、RAM76データのクリア動作へ移行するか、又はRAM76にバックアップされているデータ内容を復帰させる復帰動作へ移行するかを設定するためのRAMクリア切替スイッチ(非クリアスイッチ)83が設けられている。このスイッチ83は、バックアップ対象基板である遊技制御基板20に接続されている。RAMクリア切替スイッチ83を切替設定すると、その設定信号がCPU20に入力され、CPU20はその設定状態を判別してクリア動作モード又は復帰動作モードへ移行する。RAMクリア切替スイッチ83は切替え毎に切替設定された側の動作モードを維持するスイッチである。電源がオフされた状態、即ち、電源立ち上げ前に、RAMクリアスイッチ83をいずれかのモードに切替設定することで、操作者の意図した状態でパチンコ機を立ち上げることができる。
図4に示す形態で言うと、RAMクリア切替スイッチ83がクリア動作モード、即ち、RAMクリア切替状態信号がハイ(High)であって、電源スイッチのオン操作時の状態が、次の電源オン操作によりRAMデータをクリアする所定の電源供給タイミングを満たし得る状態である場合には、次に電源スイッチのオン操作によりそのパチンコ機のRAM76のデータはクリアされる。但し、次の電源オン操作によりRAMデータをクリアする所定の電源供給タイミングを満たし得る状態にない場合には、RAMクリア切替スイッチ83の切替状態いかんに拘わらずRAM76のデータはクリアされず、パチンコ機はRAM76にバックアップされてあったデータにより復帰動作する。
一方、RAMクリア切替スイッチ(非クリアスイッチ)83が復帰動作モード、即ち、RAMクリア切替状態信号がロー(Low)である場合には、電源スイッチのオン操作時の状態が、次の電源オン操作によりRAMデータをクリアする所定の電源供給タイミングを満たし得る状態であっても、その電源スイッチのオン操作によってはそのパチンコ機のRAM76のデータはクリアされず、RAM76にバックアップされてあったデータにより復帰動作される。尚、次の電源オン操作によりRAMデータをクリアする所定の電源供給タイミングを満たし得る状態になければ、パチンコ機はRAM76にバックアップされてあったデータにより復帰動作する。即ち、電源スイッチをオン操作しようとする時の状態が、RAMデータをクリアする所定の電源供給タイミングを満たし得る状態であるか否かを遊技者が認識していなくても、RAMクリア切替スイッチ83を復帰動作モードに切替えることによりバックアップしてあったRAM75のデータをクリアせずにそのデータにより復帰動作させることができる。
尚、RAMクリア切替スイッチ83とCPU75間に接続されている回路のは、RAMクリア切替状態信号のノイズ除去回路84である。また、RAMクリア切替スイッチ83は、そのスイッチの状態を操作者が容易に確認できることを考慮すれば電源スイッチ74の設けられている近傍の、例えば、電源基板73に設けることが望ましい。また、CPU75に接続するため、配線等のコストを考慮すれば遊技制御基板20に設けることが望ましい。
図5に示すフローチャートと、図6に示すタイミングチャートに基づいてRAMデータのクリア処理、及びRAMデータの非クリア処理について説明する。但し、このフローチャートにおいては、島電源スイッチと電源スイッチの使い分けによる一括又は単体のクリアの別は考慮しないものとする。また、電源供給のパターンとしては、N回の電源スイッチのオン操作、電源が立ち上がってから所定時間内の(N−1)回の電源スイッチのオフ操作が必要になるものとする。また、処理は図4におけるパチンコ機の遊技制御基板20のCPU75により行なわれるものとする。
ラムクリア判定処理において、ステップ91でパチンコ機に電源が投入されたか否かの判別が行なわれ、電源が投入されていないと判別された場合には投入されるまでループする電源投入待ち状態となる。一方、電源が投入された(図6のタイミングチャートで(イ)の立ち上がりタイミング)と判別された場合には、ステップ92に進み、パチンコ機動作前にCPU75が正常なCPUであるかをチェックするセキュリティチェックが行なわれる。尚、このセキュリティチェックの期間中に電源が遮断された場合には、遮断された電源に係る電源投入は、投入回数としてカウント値にカウントされないこととする。
ステップ120において、RAMクリア切替スイッチ83が有効であるか否か、即ち、クリア動作モード(有効)であるか復帰動作モード(無効)であるかの判別が行なわれる。ステップ120でクリア動作モードであると判別された場合(図6で(カ)のハイ状態)には、ステップ123へ進み、RAMクリアモードが設定される。RAMクリアモードでは、次の電源オン操作でRAMデータをクリアする所定の電源供給タイミングが満たされたときRAMクリア動作を行なう。続いて、ステップ93でカウント値が1プラスされ、ステップ94において、そのカウント値がN以上(例えば、2以上)であるか否かの判別が行なわれ、ここでは最初の電源投入でカウント値=1であるため、ステップ95に進み、タイマ81によって電源オン状態(図6の(ハ)の通電期間)の時間が計測される。次に、ステップ96に進み、電源投入時(図6の(イ))から10秒以内に電源が遮断されたか、即ち、遊技用電源79の立下りがあったか否かの判別が行なわれる。
ステップ96において電源の遮断がなかったと判別された場合には、ステップ97に進み、ステップ93で設定したカウント値がクリアされる(図6の(ヘ)のカウント値)。続いてステップ98に進み、パチンコ機の復帰動作(図6の(ホ))、即ち、RAM76の保持領域にバックアップしておいた遊技データを読み出して作業領域に書き込み処理を行なう。そして、ステップ99に進み、そのデータでパチンコ機の遊技を開始させる。一方、ステップ96において、10秒以内に電源の遮断(図6の(ト)の立ち下り)があったと判別された場合には、ステップ100に進み、ステップ93で設定したカウント値(ここでは最初の電源投入であったのでカウント値=1)をRAM76にバックアップする。そして、ステップ91に戻り、次の電源投入の待ち状態となる。
電源の投入があると、ステップ91、92と進み、ステップ120において、クリア動作モードであるか復帰動作モードであるかの判別が行なわれる。ステップ120でクリア動作モードであると判別された場合(図6で(カ)のハイ状態)には、ステップ123へ進み、上記同様RAMクリア動作を行なうRAMクリアモードが設定される。続いて、ステップ93、94と進み、そのカウント値が2以上であるか否かの判別が行なわれ、ここでは最初の電源投入から10秒以内に電源遮断があった後のN回目(例えば、2回目)の電源投入(図6の(チ))、即ち、カウント値=2(図6の(リ))であるため、ステップ103に進む。
ステップ103において、タイマ81'により電源オン状態(図6の(ヨ)あるいは(タ)の通電期間)の時間が計測される。次に、ステップ104に進み、電源投入時(図6の(チ))から規定時間内(例えば、10秒以内)に電源が遮断されたか、即ち、遊技用電源79の立下りがあったか否かの判別が行なわれる。ステップ104において、電源の遮断があったと判別された場合には、ステップ106において、カウント値(図6の(リ))がクリア(図6の(ル))される。続いてステップ100において、クリアされたカウント値(“0”(ゼロ))がRAM76にバックアップされ、ステップ91に戻り、次の電源投入の待ち状態となる。このステップ106においてカウント値がクリアされることにより、RAMデータをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定されその旨が設定された状態が解除され、次に電源が投入されたとき、ステップ93、94、95の処理へと進むので、ステップ96で所定時間(10秒間)電源をオフしなければバックアップされている遊技データによって復帰動作が行なわれる。
一方、ステップ104において、電源の遮断がないと判別された場合には、ステップ105に進み、規定時間(例えば、10秒)が経過したか否かの判別が行なわれる。ステップ105で規定時間が経過していないと判別された場合には、ステップ104に戻り、規定時間内に電源の遮断が検出されたか否かの判別を繰り返す。一方、ステップ105で、電源が遮断されずに規定時間が経過したと判別された場合には、ステップ101に進み、カウント値(図6の(リ))がクリア(図6の(ワ))される。そして、ステップ102においてRAM76にバックアップしておいた遊技データのクリア処理が行なわれ(図6の(ヲ))、ステップ99において、初期化された遊技データによりパチンコ機の遊技が開始される。
ステップ120に戻り、復帰動作モードである(RAMクリア切替スイッチは有効ではない)と判別された場合には、ステップ121へ進み、バックアップされているRAM76の遊技データによりパチンコ機を動作させる復帰モードが設定される。この復帰モードでは、電源投入時の状態のいかんに拘わらず、即ち、電源投入時(ステップ91)がRAMデータをクリアする所定の電源供給タイミングを満たし得る状態であるか否かに拘わらず、RAM76のデータをクリアしない状態に設定する。但し、図6に示す復帰動作モード((レ)のロー状態)は、次の電源スイッチオンによりRAMデータをクリアする所定の電源供給タイミングを満たし得る状態のときにRAMクリア切替スイッチ83を復帰動作モード側に切替えた(図6の(ソ)の立ち下がり)場合を表わしている。尚、最初の電源オン時である図6の(イ)の立ち上がり前にRAMクリア切替スイッチ83を復帰動作モード側に切替えた(図6の(ツ)の立ち下がり)場合には、復帰動作機能が有効となるため、(イ)の立ち上がりから10秒以内に電源がオフされたとしても、RAMデータをクリアする所定の電源供給タイミングを満たし得る状態としては判断されない。
続いて、ステップ122において、ステップ93で設定したカウント値(図6の(ロ))をクリア(図6の(ネ))し、次に、ステップ98に進み、パチンコ機の復帰動作(図6の(ナ))、即ち、RAM76の保持領域にバックアップしておいた遊技データを読み出して作業領域に書き込む処理を行なう。そして、ステップ99に進み、そのデータでパチンコ機の遊技を開始させる。
尚、この形態では、電源スイッチを操作する者の意図した処理(バックアップデータによる復帰動作)を確実に行なわせるためにRAMクリア切替スイッチ83を設けているが、上記のようにRAMデータをクリアする所定の条件が成立したと判定され、その旨が設定された状態でも、所定の電源スイッチ操作を行なえばその設定状態を解除することができので、RAMクリア切替スイッチ83を省略することも可能である。その場合には、図5のフローチャートは、破線で囲む部分の処理が削除されることになる。
図7は、本発明に係る遊技機を含む遊技システムの第2の実施例を示すものである。
上述のように図4に示す形態の遊技システムは、島電源スイッチ72操作と電源スイッチ74操作の使い分けによりパチンコ機への電源供給タイミング等が所定のパターンになったとき、複数のパチンコ機のRAMデータを一括して、あるいは単体のパチンコ機のRAMデータをクリアすることができるものである。そしてまた、パチンコ機への電源供給タイミング等が所定のパターンとなってRAMデータをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定され、その旨が設定された状態でも、予め定められた所定の電源スイッチ操作を行なうことによりその設定状態を解除してRAMデータのクリアをさせないようにできるものである。しかしそのRAMデータのクリアをさせないようにするためには、所定の電源スイッチの操作を行なうこと、即ち、RAMクリアするのに必要な条件が成立したと判定および設定された後、電源をオンしてから規定時間内にその電源をオフすることが必要である。そこで図7に示す第2の実施例では、図4に示す形態の遊技システムにおいて、RAMデータをクリアするために必要な条件が成立したと判定および設定された状態を解除するための電源スイッチをオフする規定期間を以下に示すように報知している。
図7に示す遊技システムも基本的部分については図4に示す遊技システムと同様の構成である。従って、共通する部材には同一の部番を付してある。そして、共通する部分の制御内容については図4で説明した制御内容を参照することとし、ここではその説明は適宜省略する。図に示すように、遊技制御基板20には、RAMデータをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定されその旨が設定された状態において、その設定状態を解除しRAMデータをクリアしないようにすることができる期間を報知する規定時間報知手段82が接続されている。
RAM76のデータをクリアしないようにするには、RAMデータをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定されその旨が設定された状態から電源をオンした後、規定時間内に電源をオフすることが必要であるが、その規定時間中において規定時間報知手段82が動作し、例えば、規定時間報知手段としてのLEDが点灯表示し、RAMデータをクリアしないようにすることができる期間であることを報知する。つまり、LED(所定時間報知手段)82の点灯表示中に電源スイッチをオフ操作すれば、RAMデータをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定されその旨が設定された状態は解除され、次に電源スイッチをオン操作してそのオン期間を所定時間継続させることによりバックアップしてあったRAMデータによって復帰動作させることができる。規定時間報知手段82は、遊技データのバックアップ対象基板に搭載すること、即ち、図7では遊技制御基板20に搭載することが望ましい。また、電源スイッチ72、74を操作するに際し、その表示状態を確認し易い位置に搭載することが望ましい。
RAMデータのクリア処理を、島(複数のパチンコ機)一括、あるいは単体のパチンコ機において行なおうとする場合、またRAMデータをクリアしない処理を行なおうとする場合の規定時間報知手段82との関係は以下のようになる。
島(複数パチンコ機)一括でRAMデータのクリアを行なう場合には、先ず、島電源スイッチ72をオフし島に接続されている全てのパチンコ機の電源をオフさせた状態において、RAMデータをクリアしたいパチンコ機(ここではその島のパチンコ機全て)の電源スイッチ74をオンした状態にする。この状態で島電源スイッチ72をオン操作してその島の全てのパチンコ機に電源を供給する。次に、その電源が立ち上がった時から10秒以内に島電源スイッチ72をオフ操作しその島の全てのパチンコ機の電源を立ち下げる。これにより、次の島電源スイッチのオン操作によって、島の全てのパチンコ機のRAMにバックアップされている遊技データをクリアし得る状態となる。島電源スイッチ72を再投入すると、各パチンコ機に設けられている規定時間報知手段82、例えば、LEDが規定時間(例えば、10秒間)点灯表示される。このLEDが点灯した状態で規定時間が経過すると、即ち、規定時間内に電源スイッチ72をオフしなければ、その島の全てのパチンコ機のRAMデータは一括してクリアされる。
単体のパチンコ機でRAMデータのクリアを行なう場合には、先ず、島電源スイッチ72及びその島に接続されている全てのパチンコ機の電源スイッチ74をオンにし島全体の電源が立ち上がった状態にする。次に、RAMデータをクリアしたいパチンコ機(ここではいずれか単体のパチンコ機)の電源スイッチ74をオフした後に、再度その電源スイッチ74をオン状態にする。続いて、そのパチンコ機の電源が立ち上がった時から10秒以内にそのパチンコ機の電源スイッチ74をオフ操作しそのパチンコ機の電源を立ち下げる。これにより、次のそのパチンコ機の電源スイッチ74のオン操作によって、そのパチンコ機のRAMにバックアップされている遊技データをクリアし得る状態となる。電源スイッチ74を再投入すると、そのパチンコ機に設けられている規定時間報知手段82、例えば、LEDが規定時間(例えば、10秒間)点灯表示される。このLEDが点灯した状態で規定時間が経過すると、即ち、規定時間内に電源スイッチ72をオフしなければ、そのパチンコ機単体のRAMデータはクリアされる。
次に、RAMにバックアップされている遊技データをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定されその旨が設定された状態において、その設定状態を解除してクリアさせないようにする場合には、先ず、島電源スイッチ72及びその島に接続されている全てのパチンコ機の電源スイッチ74をオンにし島全体の電源が立ち上がった状態にする。続いて、RAMデータをクリアしたいパチンコ機(ここではいずれか単体のパチンコ機)の電源スイッチ74をオフした後に、再度その電源スイッチ74をオン状態にする。そして、そのパチンコ機の電源が立ち上がった時から10秒以内にそのパチンコ機の電源スイッチ74をオフ操作しそのパチンコ機の電源を立ち下げる。これにより次にそのパチンコ機の電源スイッチ74を再投入することによって、そのパチンコ機のRAMにバックアップされている遊技データをクリアし得る状態となる。
電源スイッチ74を再投入すると、そのパチンコ機に設けられている規定時間報知手段82、例えば、LEDが規定時間(例えば、10秒間)点灯表示される。このLEDが点灯している規定時間経過前(例えば、10秒以内)に電源スイッチ74をオフ操作する。この規定時間経過前に電源スイッチをオフ操作することによりRAMデータをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定されその旨が設定された状態を解除することができる。電源投入者は、RAMクリアを意図しない場合には、規定時間報知手段82であるLEDの状態を観察し、LEDが点灯しているときに電源をオフすればRAMクリアを行なわないようにすることができる。そしてその後、再度電源を投入して、所定時間(10秒)以上電源をオフしなければ、RAMにバックアップされていたデータによって復帰動作することができる。
図8に示すフローチャートと、図9に示すタイミングチャートに基づいてRAMデータのクリア処理とRAMデータの非クリア処理、そしてRAMデータをクリアしないようにできる規定期間の報知処理について説明する。尚、上記第1の実施例における図5のフローチャートと同じ処理のステップには同一の番号を、図6のタイミングチャートと同じタイミング箇所には同じ符号を付し、第1の実施例を参照することとし、ここではその説明は適宜省略する。
ラムクリア判定処理が開始され、順次ステップ91、92の処理が行なわれて、ステップ120、123へと進み(ここではRAMクリア切替スイッチがオフとする)、続いてステップ93、94で、カウント値がN以上(例えば、2以上)であるか否かの判別が行なわれる。ここでは最初の電源投入でカウント値=1であるため、ステップ95に進み、タイマ81によって電源オン状態(図9の(ハ)の通電期間)の時間が計測される。次に、ステップ96に進み、電源投入時(図9の(イ))から10秒以内に電源が遮断されたか否かの判別が行なわれる。
ステップ96において電源の遮断がなかったと判別された場合には、ステップ97に進み、カウント値がクリアされる(図9の(ヘ)のカウント値)。続いて、ステップ98に進み、パチンコ機の復帰動作(図9の(ホ))、即ち、RAM76にバックアップしておいた遊技データを作業領域に書き込む処理が行なわれ、ステップ99に進んで、そのデータでパチンコ機の遊技が開始される。一方、ステップ96において、10秒以内に電源の遮断(図9の(ト)の立ち下り)があったと判別された場合には、ステップ100に進み、ステップ93で設定したカウント値(ここでは最初の電源投入であったのでカウント値=1)がRAM76にバックアップされる。そして、ステップ91に戻り、次の電源投入の待ち状態となる。
電源の投入があると、ステップ91、92の処理が行なわれ、ステップ120、123へと進み、続いて、ステップ93、94に進み、そのカウント値がN以上であるか否かの判別が行なわれ、ここでは最初の電源投入から10秒以内に電源遮断があった後のN回目(例えば、2回目)の電源投入(図9の(チ))、即ち、カウント値=2(図9の(リ))であるため、ステップ103に進む。
ステップ103において、タイマ81'により電源オン状態(図9の(ヨ)あるいは(タ)の通電期間)の時間が計測される。そして、ステップ125において、規定時間報知手段82が作動(例えば、LEDの点灯)する。規定時間報知手段82は、現在、RAMデータがクリアされるために必要な所定の条件が成立したと判定されその旨が設定されていること、また、LED82の点灯中に電源をオフすることにより、RAMデータをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定されその旨が設定された状態を解除することができる旨を報知するものである。LED82は、予め定められた規定の時間、例えば、最長10秒間、作動点灯する(図9の(ウ)あるいは(ウ')の通電期間)。
次に、ステップ104に進み、電源投入時(図9の(チ))から規定時間内に電源が遮断されたか、即ち、遊技用電源79の立下りがあったか否かの判別が行なわれる。ステップ104において、規定時間内に電源の遮断があったと判別された場合には、ステップ106において、カウント値(図9の(リ))がクリア(図9の(ル))される。続いてステップ100において、クリアされたカウント値(“0”(ゼロ))がRAM76にバックアップされ、ステップ91に戻り、次の電源投入の待ち状態となる。このステップ106においてカウント値がクリアされることにより、RAMデータをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定されその旨が設定された状態は解除され、次に電源が投入されたとき、ステップ93、94、95の処理へと進むので、ステップ96で所定時間(10秒間)電源をオフしなければバックアップされている遊技データによって復帰動作が行なわれる。尚、このとき規定時間報知手段82は、電源の遮断と共に動作を停止する。
一方、ステップ104において、規定時間内に電源の遮断がないと判別された場合には、ステップ105に進み、規定時間(例えば、10秒)が経過したか否かの判別が行なわれる。ステップ105で規定時間が経過していないと判別された場合には、ステップ104に戻り、規定時間内に電源の遮断が検出されたか否かの判別を繰り返す。一方、ステップ105で、電源が遮断されずに規定時間が経過したと判別された場合には、ステップ126に進み規定時間報知手段82の動作を停止(LEDを消灯)する。このLED82の消灯により、RAMデータをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定されその旨が設定された状態は確定し、その設定状態の解除をすることができなくなる。続いて、ステップ101に進み、カウント値(図9の(リ))がクリア(図9の(ワ))される。そして、ステップ102においてRAM76にバックアップしておいた遊技データのクリア処理が行なわれ(図9の(ヲ))、ステップ99において、初期化された遊技データによりパチンコ機の遊技が開始される。
尚、ステップ120、121、122の処理については、図5の処理内容と同様であり、RAMクリア切替スイッチ83を省略することも可能である。その場合には、フローチャートの破線で囲む部分の処理が削除されることになる。
次に、本発明に係る遊技機を含む遊技システムの第3の実施例を説明する。
上述のように図7に示す形態の遊技システムでは、図4に示す形態の遊技システムにおいて、RAMデータをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定されその旨が設定された状態を解除するための電源スイッチをオフする規定期間を報知するものであった。第3の実施例では、さらに、操作者が意図してRAMデータのクリアを行なおうとする場合に、RAMデータをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定されその旨が設定され得る状態であることを報知するものである。尚、この場合にも報知手段を設けることとするが、この形態では新たな報知手段を追加せずに図7に示す規定時間報知手段82を兼用することとする。従って、遊技システムの構成図は図7と同様になる。そこで第3の実施例では、RAMデータをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定されその旨が設定され得る状態であることの報知手段を、図7において所定時間報知手段82'とする。所定時間報知手段82'は、遊技制御基板20に接続されている。
RAMにバックアップされている遊技データをクリア(初期化)するためには、前述したように、電源をオンしてから所定時間内に一旦、電源をオフすることが必要であるが、その所定時間中において所定時間報知手段82'が動作し、例えば、所定時間報知手段としてのLEDが点灯表示して、RAMクリアする所定の電源供給タイミングを満たし得る期間であることを報知する。このLEDを、例えば、青色に点灯する。つまり、LED82'が青色に点灯表示中に電源スイッチをオフ操作すれば、次の電源スイッチのオン操作によりRAMデータをクリアするように設定することができ、LED82'の消灯後に電源スイッチをオフ操作すれば、次に電源スイッチをオン操作してもRAMデータをクリアしないように設定することができる。
RAM76のデータをクリアしないようにするには、前述したように、RAMデータをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定されその旨が設定された状態から電源をオンした後、規定時間内に電源をオフすることが必要であるが、その規定時間中において規定時間報知手段82が動作し、例えば、規定時間報知手段としてのLEDが点灯表示し、RAMデータをクリアしないようにすることができる期間であることを報知する。このLEDを、例えば、赤色(所定時間報知手段82'のLEDとは相違する色)に点灯する。つまり、LED82が赤色に点灯表示中に電源スイッチをオフ操作すれば、RAMデータをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定されその旨が設定された状態は解除され、次に電源スイッチをオン操作してそのオン状態の期間を所定時間継続させることによりバックアップしてあったRAMデータによって復帰動作させることができる。
図10に示すフローチャートと、図11に示すタイミングチャートに基づいて、RAMデータのクリア処理とRAMデータの非クリア処理、そしてRAMデータをクリアし得る所定期間、RAMデータをクリアしないようにできる規定期間の報知処理について説明する。尚、上記第1の実施例における図5及び図8のフローチャートと同じ処理のステップには同一の番号を、図6及び図9のタイミングチャートと同じタイミング箇所には同じ符号を付し、第1の実施例を参照することとし、ここではその説明は適宜省略する。
ラムクリア判定処理が開始され、順次ステップ91、92の処理が行なわれて、ステップ120、123へと進み(ここではRAMクリア切替スイッチがオフとする)、続いてステップ93、94で、カウント値がN以上(例えば、2以上)であるか否かの判別が行なわれる。ここでは最初の電源投入でカウント値=1であるため、ステップ95に進み、タイマ81によって電源オン状態(図11の(ハ)の通電期間)の時間が計測される。このときステップ127において、所定時間報知手段82'が作動(例えば、LEDが青色に点灯)する。所定時間報知手段82'は、現在、RAM76のデータをクリアする電源供給タイミングを満たすための電源スイッチをオフ操作する所定時間であることを報知するためのものである。つまり、LED82'が青色に点灯表示中に電源スイッチをオフ操作すれば、次の電源スイッチのオン操作によりRAMデータはクリアされ、LED82'の消灯後に電源スイッチをオフ操作すれば、次に電源スイッチをオン操作してもRAMデータはクリアされないことを報知する。LED82'は予め定められた規定の時間、例えば、最長10秒間、作動点灯する(図11の(ラ)(ラ')(ラ"))。
次に、ステップ96に進み、電源投入時(図11の(イ))から10秒以内に電源が遮断されたか否かの判別が行なわれる。ステップ96において電源の遮断がなかったと判別された場合には、ステップ97に進み、カウント値がクリアされる(図9の(ヘ)のカウント値)。続いて、ステップ98に進み、パチンコ機の復帰動作(図11の(ホ))、即ち、RAM76にバックアップしておいた遊技データを作業領域に書き込む処理が行なわれ、ステップ99に進んで、そのデータでパチンコ機の遊技が開始される。一方、ステップ96において、10秒以内に電源の遮断(図11の(ト)の立ち下り)があったと判別された場合には、ステップ100に進み、ステップ93で設定したカウント値(ここでは最初の電源投入であったのでカウント値=1)がRAM76にバックアップされる。そして、ステップ91に戻り、次の電源投入の待ち状態となる。尚、10秒以内に電源の遮断があったと判別された場合には、その時点でLED82'を消灯する。
電源の投入があると、ステップ91、92の処理が行なわれ、ステップ120、123へと進み、続いて、ステップ93、94に進み、そのカウント値がN以上であるか否かの判別が行なわれ、ここでは最初の電源投入から10秒以内に電源遮断があった後のN回目(例えば、2回目)の電源投入(図9の(チ))、即ち、カウント値=2(図9の(リ))であるため、ステップ103に進む。
ステップ103において、タイマ81'により電源オン状態(図11の(ヨ)あるいは(タ)の通電期間)の時間が計測される。そして、ステップ125において、規定時間報知手段82が作動(例えば、LEDが赤色に点灯)する。このLEDの赤色点灯により、現在、RAMデータをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定されその旨が設定されていること、また、赤色点灯中に電源をオフすることによって、RAMデータをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定されその旨が設定された状態を解除することができる旨を報知する。LED82は予め定められた規定の時間、例えば、10秒間、作動点灯する(図11の(ム)(ム'))。
次に、ステップ104に進み、電源投入時(図11の(チ))から規定時間内に電源が遮断されたか否かの判別が行なわれる。ステップ104において、LEDの赤色点灯中である規定時間内に電源の遮断があったと判別された場合には、ステップ106において、カウント値(図11の(リ))がクリア(図11の(ル))される。続いてステップ100において、クリアされたカウント値(“0”(ゼロ))がRAM76にバックアップされ、ステップ91に戻り、次の電源投入の待ち状態となる。このステップ106においてカウント値がクリアされることにより、RAMデータをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定されその旨が設定された状態は解除され、次に電源が投入されたとき、ステップ93、94、95の処理へと進むので、ステップ96で所定時間(10秒間)電源をオフしなければバックアップされている遊技データによって復帰動作が行なわれる。尚、このとき規定時間報知手段82は、電源の遮断と共に動作を停止する図11の(ム))。
一方、ステップ104において、規定時間内に電源の遮断がないと判別された場合には、ステップ105に進み、規定時間(例えば、10秒)が経過したか否かの判別が行なわれる。ステップ105で規定時間が経過していないと判別された場合には、ステップ104に戻り、規定時間内に電源の遮断が検出されたか否かの判別を繰り返す。一方、ステップ105で、電源が遮断されずに規定時間が経過したと判別された場合には、ステップ126に進み規定時間報知手段82の動作を停止(LEDを消灯)する(図11の(ム'))。この赤色に点灯していたLED82の消灯により、RAMデータをクリアするために必要な所定の条件が成立したと判定されその旨が設定された状態は確定し、クリア処理の解除をすることはできなくなる。続いて、ステップ101に進み、カウント値(図11の(リ))がクリア(図11の(ワ))される。そして、ステップ102においてRAM76にバックアップしておいた遊技データのクリア処理が行なわれ(図11の(ヲ))、ステップ99において、初期化された遊技データによりパチンコ機の遊技が開始される。
尚、ステップ120、121、122の処理については、図5の処理内容と同様であり、RAMクリア切替スイッチ83を省略することも可能である。その場合には、フローチャートの破線で囲む部分の処理が削除されることになる。
このように報知手段LED82、82'の点灯色を変えることによって(例えば、多色発光LEDを使用することによって)、操作者は、現在の状態が所定時間あるいは規定時間にあることをより明確に認識することができ、意図しないRAMデータのクリアを確実に防止し、また意図するRAMデータのクリアを確実に行なうことができる。
但し、報知方法はこの形態に限定されるものではなく、例えば、所定時間が経過したことを報知する報知手段としては、7セグ表示器のような数字を表示するものを使用して、所定時間を満たす電源供給の供給回数をカウントアップあるいはカウントダウンするようにしてもよい。また、所定時間を満たす電源供給の供給回数を音声によって報知するようにしてもよい。これにより、現在、RAMデータをクリアすることが可能な電源オン/オフ操作タイミング中であることを報知することができる他、カウント値が何回目であるのか、あるいはあと何回のカウントでRAMデータがクリアされるのかを容易に把握することができる。
また、規定時間の経過を報知する報知手段としてカウントアップあるいはカウントダウンを行なう表示器、例えば、7セグ表示器のような数字を表示するものを設けてもよい。これにより、RAMデータがクリアされるまでの規定時間の把握、逆に言えば、RAMデータをクリアしないようにするための、電源をオフするタイミング(電源オフ期間)を容易かつ確実に把握することができる。
また、7セグ表示器のような数字を表示する報知手段を2個設けて、あるいは2色発光の7セグ表示器を設けて、上記実施例に適用し、所定時間と規定時間をカウントアップあるいはカウントダウンしてもよい。