JP5008975B2 - シート占有センサー - Google Patents

Description

本発明は、特に自動車のシート占有の認識用シート占有センサーに関する。

自動車において、エアバッグ制御の目的で、シート占有センサーが使用されている。これらのシート占有センサーによって自動車シートの占有状態が判断され、所定シートに割り当てられたエアバッグは、現在のシート占有状態が作動を求める場合にのみ作動される。これらのシート占有センサーは複数のスイッチ素子、例えば圧力センサーを、自動車シートの着座面に分布した配置からなっている。このシート占有センサーに接続された評価プロセッサーユニットが、各個々のスイッチ素子の回路状態を調べ、該シート占有センサーの各々の回路状態から該シートの占有状態を判断している。シートが人で占有されていれば、幾つかのスイッチ素子が人の重量により該素子にかかる力で起動し、該シートの占有状態が接続された評価プロセッサーユニットで認識され、エアバッグ制御装置に中継される。

原則的に個々のスイッチ素子の回路状態を調べる必要があれば、スイッチ素子の各々を評価プロセッサーユニットに接続しなければならない。この目的に要求される接続導体の数を低減するため、個々のスイッチ素子が通常マトリクス回路で作動される。これは、基本的にｎ列導体とｍ行導体の数ｎ×ｍのスイッチ素子が設けられている場合、各々のスイッチ素子が１列導体と１行導体との間の回路に含まれていることを意味している。なお、そのようなマトリクス回路は回路レイアウトを表している。これは、マトリクス回路のスイッチ素子が正規のグリッド配置に実際に分布されることが必要でなく、また個々の接続導体が直線状か互いに平行あるいは直角である必要もないことを意味している。

マトリクス回路のセンサーアレイを評価する場合、手順は以下の通りである。先ず、第１行導体を除いた全体のマトリクス回路を同じ電圧、例えばアースにかける。次に、試験電圧を第１行導体に印加し、個々の列導体に流れる電流を選択的に測定する。このように、第１行導体と別の列導体との間に存在する回路状態を選択的に判断することができる。この手順を行導体の各々の場合に繰り返せば、全てのスイッチ素子を順次選択的に評価することができる。

上記シート占有センサーによって、別のゾーンの自動車シートであっても、占有の分布を介してシートの占有状況を比較的高精度分類で判断することができる。そのような高精度分類は、安全システムが不要に作動しないように、シートに割り当てられたエアバッグの制御のような安全に関する用途に必要である。しかし、上記占有認識のシステムは、個々のスイッチ素子の回路と評価プロセッサーユニットの構造の双方に関して、比較的高価である。

シート占有の正確な評価が必要でなく、安全をさほど大きな問題にしない用途の場合、安価なシート占有センサーを設けることが好ましい。そのような用途の１つの例が、乗客シートに着席した乗客にシートベルトを締めるのをうながすシートベルト警告システムである。この種の警告システムは、自動車シートが占有されているが、対応するシートベルトの締結がされていなければ、音声又は視覚信号を発するものである。このようなシステムにおけるシート占有センサーは、乗客によるシート占有とハンドバッグなどの物品による占有を基本的に識別可能にしなければならない。この用途の場合、シート占有のより高価な分類を必要としない。

この発明の課題は、安全をさほど問題としない用途に適した特に単純なシート占有センサーを提供することである。

この課題は、この発明によれば請求項１に係るシート占有センサーによって実現される。このシート占有センサーは、シートの表面において、間に、ある距離を持って配置できる圧力により作動する少なくとも２つのスイッチ素子から成り、第１のスイッチ素子が該シートの第１領域に割り当てられ、第２のスイッチ素子が該シートの第２領域に割り当てられている。この発明によれば、第１及び第２スイッチ素子が論理ＡＮＤゲートを形成するように共に接続されている。この発明の特に単純な実施形態では、第１及び第２スイッチ素子が例えば直列に接続されている。

ＡＮＤゲートの形態の最小限の２つのスイッチ素子を接続する効果は、双方のスイッチ素子が対応するシートの占有により作動されたときにのみ測定されることである。従って、提供されたシート占有センサーにおいては、センサーを装着したときに、自動車シートの異なった部品に配置される少なくとも２つのスイッチ素子は、双方のスイッチ素子が占有により同時に作動された場合のみ、シートの占有がそれとして検出だけされるように回路で接続される。この手段によって、シートベルト警告システムに関連したシート占有は、自動車シートの占有が所定距離を越えればそれとして認識されるだけだろう。例えば、シート上に配置されたハンドバッグなどの物の存在によりシート占有センサーの局部的作動がシート占有とは認識されず、その結果、シートベルト警告システムが作動しない。

従って、この発明に係る回路において、間に距離を有して配置された少なくとも２つのスイッチ素子の接続により、高価なマトリクス回路と高価な評価プロセッサーユニットの必要性無しに、シートの局部的占有と広範囲領域占有との間を識別可能なシート占有の特に単純な検出が可能となる。
なお、シート占有センサーには２つより多いスイッチ素子を設けることができる。従って、３つ以上のスイッチ素子を共に接続して論理ＡＮＤゲートを形成することができる。また、各々が２つ以上のスイッチ素子からなる幾つかのグループを設けてもよい。

特に単純な実施形態では、スイッチ素子が例えば模型スイッチのような単純なスイッチの形態をとることができる。この発明の有利な実施形態では、第１及び／又は第２スイッチ素子が圧力センサーから成っている。この実施形態では、占有の検出に加えて、かけられた圧力の強度に関する情報も得ることができ、それが検出シート占有についてのより高精度の分類を可能にする。

この発明の好ましい実施形態では、第１及び／又は第２スイッチ素子が論理ＯＲゲートを形成するように接続された複数の個々のスイッチセルから成っている。スイッチ要素の個々のスイッチセルを例えば並列に接続することができる。ＯＲゲート内の個々のスイッチセルを接続する効果は、単一のスイッチセルが圧力負荷で作動されると直ぐにスイッチ素子が作動されることである。複数の個々のスイッチセルが自動車シートの特定のゾーンに亘り一団となって配置されれば、このゾーンは対応スイッチ素子の活性領域を構成するだろう。従って、このゾーン内のいかなる場所の占有もスイッチ素子の占有として認識されるだろう。幾つかの個々のスイッチセルを備えたスイッチ素子のそのような構成は、シート占有を認識できるゾーン範囲を空間的に規定できるようにする。

このシート占有センサーの１つの可能な実施形態において、スイッチ素子の個々のセンサーセルの例えば１つが他のものの後方となるように１列に配置されている。このように、スイッチ素子の各々が条片状活性領域を呈している。それから該条片状活性領域が互いに特定の横方向距離でシートの前方エッジから後方エッジに達するように、スイッチ素子を自動車シート上にあるいはそれの内に配置することができる。それによって、乗客によるシートの占有、すなわち十分な横方向範囲のシート占有が、シートの長手方向寸法で乗客がとった着座位置に関係なく認識することができる。このように、シート占有は、乗客の実際の大きさや乗客の腰臀部間の距離に関係なく乗客の腰臀部の膨らみで生じた圧力で認識することができる。

この発明の特に有利な実施形態においては、２つのスイッチ素子が自動車の走行方向のシート中心下方線から少なくとも略同じ距離で且つ素子間には特定の距離を有して配置されている。シートの中心線に対してこのスイッチ素子の対称配置によって、自動車シートの占有が所定の距離に至り、また該占有がシートの中心面に対して少なくとも略対称であるかのように、ベルト警告システムに影響するシート占有がそれとして認識される。例えばシートに配置されたハンドバッグなどの物品の存在により生じることがあるようなシート占有センサーの局部的作動は、シート占有とは認識されず、結果としてベルト警告システムが作動しない。

また、スイッチ素子を、第１活性領域がシートの前方部に対して交差方向に配置され、第２活性領域がシートの後方部に対して交差方向に配置されるように、配置することができる。
なお、各個々のスイッチセルは、かけられる力の強度に関する情報も得ることができ、それにより検出されるシート占有のより高精度の分類を可能にするように、圧力センサーを好適に備えることができる。
上記発明の実施形態のセンサーとして、箔タイプ圧力センサーが特に適しており、また要求に応じて別のタイプの箔タイプ圧力センサーを使用することができる。例えば、所謂、通過モードで作動する箔タイプ圧力センサーあるいは所謂、分路モードで作動する箔タイプ圧力センサーを使用することができる。

通過モードで作動する箔タイプ圧力センサーに関して、第１接触素子が第１支持箔に配置され、第２接触素子が第２支持箔に配置されており、この２つの支持箔は、間にある距離があり、２つの接触素子が互いに対向するように配置されている。２つの接触素子間には、センサーを作動したときに該２つの接触素子間で加圧されてその素子間の抵抗が、かけられた圧力で変化する半導体材料層が設けられている。
分路モード箔タイプ圧力センサーは、間に、ある距離を有して単一の支持箔に配置された２つの接触素子を有している。ある距離離れた第２支持箔には、前記２つの接触素子間の領域を覆っていて、２つの支持箔を加圧し合ったときに前記２つの接触素子と接触するように半導体層が適用されている。
この発明の１つの実施形態を、図面を参照して以下説明する。

シート占有センサー１０の第１実施形態が図１に断面図で示されている。これは、所謂、「通過（ｔｈｒｏｕｇｈ）モード」の箔タイプ圧力センサーを使用する実施形態である。
図示されこのシート占有センサー１０は、各々が複数の個々のセンサーセル１６から成る第１スイッチ素子１２と第２スイッチ素子１４から構成されている。
各センサーセル１６は、第１支持箔２０に配置された第１電極１８と第２支持箔２４に配置された第２電極２２から成っている。この２つの支持箔２０，２４は、各センサーセル１６の第１電極１８と第２電極２２が互いに対向し、且つ１つの凹部２６内で、間に、ある距離を持たせて配置されるように、凹部２６を備えたスペーサー２８によって配置されている。

幾つかの感圧材料、例えば適当な半導体材料の層３０が、電極２２であっても良い、電極の１つに各センサーセル１６で適用され、それにより２つの支持箔２０，２４を共に加圧したときに、圧力依存電気的接触が感圧材料層３０を介して２つの電極間に確立される。
なお、センサーセル１６の全ては、電極１８，２２が配置されている共通の支持箔２０，２４をなして、シート占有センサーが連続マットを構成する。

スイッチ素子１２又は１４のセンサーセル１６は、論理ＯＲゲートが形成されるように共に接続されている。これは、少なくとも１つのセンサーセルが作動すると直ぐに、特定のスイッチ素子が作動に対応する出力信号を発生させることを意味している。図示された実施形態では、論理ＯＲゲートは、各スイッチ素子１２又は１４の個々のセンサーセル１６を並列に接続することにより得ることができる。この目的のため、スイッチ素子１２のセンサーセル１６の第１電極１８が例えば導体トラック３２を介して一緒に接続され、一方、スイッチ素子１２のセンサーセル１６の第２電極２２が導体トラック３４を介して一緒に接続されている。同様に、スイッチ素子１４のセンサーセル１６の第１電極１８が導体トラック３６を介して一緒に接続され、一方、スイッチ素子１４のセンサーセル１６の第２電極２２が導体トラック３８を介して一緒に接続されている。

この２つのスイッチ素子１２，１４それら自体は論理ＡＮＤゲートを構成するように一緒に接続されている。そのような回路の効果は、双方のスイッチ素子１２，１４が、かけられた圧力で作動すれば、シート占有センサーの出力信号がシート占有センサーの出力に現れるだけであるようになっている。図示された実施形態では、論理ＡＮＤゲートは２つのスイッチ素子１２，１４を直列に接続することで得ることができる。このために、導体トラック３４が例えば導体トラック３８にジャンパー４０によって接続され、一方、シート占有センサーの出力が導体トラック３２，３６間で得られる。

シート占有センサー１０の別の実施形態では、スイッチ素子１２又は１４が所謂分路（ｓｈｕｎｔ）モードの箔タイプ圧力センサーから構成することができる。図２はこのタイプのセンサーセル１６の断面図を示す。この実施形態では、第１電極１８’と第２電極２２’が支持箔２４’の一方に互いにある距離で取り付けられ、一方、感圧層３０’が他方の支持箔２０’に適用されている。この２つの支持箔は、層３０’と２つの電極１８’，２２’が互いに対向するように凹部２６’と、間にある距離とが設けられたスペーサー２８’によって、互いにある距離で配置されており、それにより２つの支持箔２０’と２４’が共に加圧されると、感圧層３０’が２つの電極１８’及び２２’に接触し（それらをショートさせる）、圧力依存電気接触が感圧層３０’を介して２つの電極間で確立される。

図３はシート占有センサーの実施形態の回路ブロック線図を示す。この図では、箔タイプ圧力センサーの電気抵抗がセルへの圧力を増大させるに伴って低下するため、個々のセンサーセル１６又は１６’が可変抵抗として示されている。
図示実施形態では、スイッチ素子１２，１４の各々は、１つが他の後方にあって１列をなしている４つの個々のセンサーセル１６又は１６’から成っている。このように、スイッチ素子１２又は１４の個々のセルが並列に接続され、それによりセンサーセルの場合、各スイッチ素子が論理ＯＲゲートを構成する。このスイッチ素子１２，１４に関しては、これらの素子が２つの直列のリンク導体４２，４４間で直列に接続されて、その結果が論理ＡＮＤゲート（一点鎖線４６で示す）となっている。

図４は、本発明に係るシート占有センサーの他の実施形態の回路ブロック線図を示す。
平面図で見られるシート（図示せず）の着座面１０１において、幾つかのセンサーセル１０２’及び１０３’を含む２つのスイッチ素子１０２，１０３が配置されている。このセル１０２’及び１０３’は可変抵抗として図示されている。これらセルは箔タイプ圧力センサーであり、その電気抵抗はセルにかかる圧力を増大させるに伴って低下する。

走行方向で見ると、スイッチ素子１０２がシートの中心線１０４の左側にあり、スイッチ素子１０３がその右側にあり、共に走行方向に走っている。スイッチセル１０２’，１０３’に関し、上記実施形態のように、これらセルの各々が並列であり、それによりこれらセンサーセルに対して、各スイッチ素子が論理ＯＲゲートを構成する。スイッチ素子１０２，１０３に関しては、これら素子が２つのリンクコネクター１０５，１０６間で直列に接続され、それにより結果として論理ＡＮＤゲートとなる。

人がシートに座ると、センサーセルの少なくとも１つが加圧され、その抵抗がゼロに近い値に低下する。この抵抗の変化の結果として、２つのスイッチ素子１０２，１０３により構成されたＡＮＤゲートの総抵抗がゼロに等しいか略ゼロの値に低下する。
この抵抗値は着座した人の場合に典型的である。対照的に、物品がシート上にある場合、重量負荷が非対称的であり、及び／又は該重量負荷が人の場合程大きくないので、その抵抗値は一般には明確にゼロより大きい。
この手段により、安全を大きな問題にしない用途の場合に、十分高精度でシートに座っている人を認識することが可能である。

シート占有センサーの１つの実施形態の断面図である。 分路モードのセンサーの断面図である。 シート占有センサーの１つの実施形態のブロック線図である。 シート占有センサーの他の実施形態のブロック線図である。

符号の説明

１０・・・シート占有センサー
１２・・・第１スイッチ素子
１４・・・第２スイッチ素子
１６・・・センサーセル
１８・・・第１電極
２０・・・第１支持箔
２２・・・第２電極
２４・・・第２支持箔
２６・・・凹部
３０・・・感圧層
３２，３６，３８・・・導体トラック
４０・・・ジャンパー

Claims (10)

1. 間に、ある距離を持たせてシート表面に、第１スイッチ素子が該シート表面の第１領域に割り当てられ、第２スイッチ素子が該シート表面の第２領域に割り当てられるように、割り当て可能な、圧力によって作動する少なくとも２つのスイッチ素子を備えたシート占有センサーにおいて、前記第１及び第２スイッチ素子が１つの論理ＡＮＤゲートを構成するように接続されていることを特徴とするシート占有センサー。
2. 前記第１及び第２スイッチ素子が直列に接続されている請求項１に記載のシート占有センサー。
3. 前記第１及び／又は第２スイッチ素子が圧力センサーから成っている請求項１又は請求項２に記載のシート占有センサー。
4. 前記第１及び／又は第２スイッチ素子が、論理ＯＲゲートを構成するように接続された複数の個々のスイッチセルから成る請求項１ないし請求項３のいずれか１項に記載のシート占有センサー。
5. スイッチ素子の前記個々のスイッチセルが並列に接続されている請求項４に記載のシート占有センサー。
6. スイッチセルが圧力センサーから成る請求項４又は請求項５に記載のシート占有センサー。
7. 前記圧力センサーが通過モードの箔タイプ圧力センサーを構成する請求項３又は請求項６に記載のシート占有センサー。
8. 前記圧力センサーが分路モードの箔タイプ圧力センサーを構成する請求項３又は請求項６に記載のシート占有センサー。
9. 前記第１及び第２スイッチ素子が、車両に対して長手方向に走るシートセンターラインから少なくとも略等距離であって、しかも互いにある距離に、配置されている請求項１ないし請求項８のいずれか１項に記載のシート占有センサー。
10. 前記第１及び第２スイッチ素子が、車両に対して長手方向に走るシートセンターラインに関して基本的に対称的に、しかも互いに所定距離に、配置されている請求項１ないし請求項８のいずれか１項に記載のシート占有センサー。

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