JP5007982B2 - X線ct装置及び同装置の画像再構成方法並びに画像再構成プログラム - Google Patents

X線ct装置及び同装置の画像再構成方法並びに画像再構成プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5007982B2
JP5007982B2 JP2008522497A JP2008522497A JP5007982B2 JP 5007982 B2 JP5007982 B2 JP 5007982B2 JP 2008522497 A JP2008522497 A JP 2008522497A JP 2008522497 A JP2008522497 A JP 2008522497A JP 5007982 B2 JP5007982 B2 JP 5007982B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ray
projection data
axis direction
detector
iso
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008522497A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2007148725A1 (ja
Inventor
一生 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Original Assignee
Tohoku University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2008522497A priority Critical patent/JP5007982B2/ja
Publication of JPWO2007148725A1 publication Critical patent/JPWO2007148725A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5007982B2 publication Critical patent/JP5007982B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/02Arrangements for diagnosis sequentially in different planes; Stereoscopic radiation diagnosis
    • A61B6/03Computed tomography [CT]
    • A61B6/032Transmission computed tomography [CT]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/02Arrangements for diagnosis sequentially in different planes; Stereoscopic radiation diagnosis
    • A61B6/027Arrangements for diagnosis sequentially in different planes; Stereoscopic radiation diagnosis characterised by the use of a particular data acquisition trajectory, e.g. helical or spiral
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/40Arrangements for generating radiation specially adapted for radiation diagnosis
    • A61B6/4021Arrangements for generating radiation specially adapted for radiation diagnosis involving movement of the focal spot
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/40Arrangements for generating radiation specially adapted for radiation diagnosis
    • A61B6/4064Arrangements for generating radiation specially adapted for radiation diagnosis specially adapted for producing a particular type of beam
    • A61B6/4085Cone-beams
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T11/002D [Two Dimensional] image generation
    • G06T11/003Reconstruction from projections, e.g. tomography
    • G06T11/006Inverse problem, transformation from projection-space into object-space, e.g. transform methods, back-projection, algebraic methods

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Algebra (AREA)
  • Mathematical Analysis (AREA)
  • Mathematical Optimization (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Pure & Applied Mathematics (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Description

本発明は、X線を被検体に照射して当該X線の透過データを収集し、この収集したX線データから被検体の内部構造に関する画像を得るX線CT(Computed Tomography)装置(以下、単に「CT」と略称することがある)及び同装置の画像再構成方法並びに画像再構成プログラムに関し、中でもマルチスライス型と呼ばれる形式のCTでヘリカルスキャンを行なう際の画質を向上させるのに用いて好適な技術に関する。
現在、代表的な放射線診断装置の一つに、X線CT(コンピュータ断層撮影)装置がある。ヘリカルスキャンが登場し、高速スキャンの臨床的意義が明確となり、今日ではさらなる高速化のために、マルチスライス型CT(別名多列CT、Multi Detector Row CTを略してMDCTともいう)によるヘリカルスキャンを行なうことが一般的である。マルチスライス型CTとヘリカルスキャンの詳細に関しては、例えば後記非特許文献1,2,3などに記載されている。
ここでは簡単にマルチスライス型CTのスキャナ部のX線計測系(以下、単に「計測系」ともいう)を示すと、例えば図1に示すとおりである。X線検出素子(以下、単に「検出素子」ともいう)101が、図1中に示すファン角度(φ)方向に複数配置され一列をなし、さらに当該ファン角度φ方向とは交差する方向であるZ軸方向にも複数列配列されて多列検出器100を構成していることが特徴であるので、多列CTとも呼ばれる。この図1ではZ軸方向のX線検出素子101は12列であるが、実際には数10列以上である。
そして、この図1においては図示を省略するが、検出素子101からの信号を計測しA/D(アナログ/ディジタル)変換するデータ収集システム(DAS:Data Acquisition System)がある。DASも検出素子101の列数に応じて複数列分そなえられるが、普通は検出素子101の列数よりもDASの列数のほうが少ない(例えば図1の例では12列に対して4列分など)。マルチスライス型CTの場合、列数は検出素子101の列数ではなく、DASの列数で呼ばれる。すなわち、DASが4列であれば4列のマルチスライス型CTと呼ばれる。
この図1では、X線源200からスリット(コリメータ)300を介して8列分の検出素子101をカバーする広がり角(コーン角)(X線ビーム厚)でX線が曝射される様子を示しているが、DASは、例えば、検出素子101の2列分を束ねて一列として処理し、計4列のX線計測データとして扱うことができる。つまり、この場合、実質的に検出素子101の2列分がZ軸方向に2倍の長さをもつ検出器1列分として機能している。このような束ねは、検査目的により一切束ねない場合もあるし、検出素子101の4列分を束ねたり8列分を束ねたり、自在である。
この束ねられてできた列が実質的な検出器列であるから、以降の説明で用いる「検出器列」との用語は、特記無い限り、検出素子101そのものの列ではなく、この束ねられてできた列を意味する。従って、例えば「検出器列のZ軸方向の配列ピッチ」といえば、DASが取り扱うデータのZ軸方向の配列ピッチを意味し、2列束ねていれば、検出素子101そのものの列方向の刻みで決まる値の2倍となる。
なお、各X線検出素子191は被写体を通過したX線の強度に比例した電気信号を出力するが、DASはこの電気信号を計測する。以下、このようにして得たデータをX線検出データ、あるいはX線データと称することがある。
また、投影データとは、X線源200と各検出素子101を結ぶX線のパス(path、経路)に沿って被検体のX線減弱係数を積分したものである。これは、DASのX線計測データ出力を適切に変換することで得られる。ある投影角方向(図1の計測系の回動角度)において、検出素子101がファン角度φ方向に多数刻まれている範囲の全てについて投影データを得て、それを1回転にわたって行なえば(必ずしも一回転でなく、半回転よりも十分大きな回動角度範囲であればよい)、画像を再構成するに足る投影データが揃う。これがCTの原理である。マルチスライス型CTは、この投影データ収集を複数のZ軸方向位置についても同時に行なうものである。
ヘリカルスキャンとは、この計測系が被検体(被写体ともいう)の周囲を連続回動しつつ、被検体がZ軸(被検体軸、あるいは回転中心軸)方向に定速移動していくスキャン方法である。即ち、図2に模式的示すように、被検体400に対し相対的に計測系が螺旋軌道を描くような高速スキャンである。
マルチスライス型CTでヘリカルスキャンを行なうと、画像に固有のアーチファクト(異常パターン)が発生することがよく知られている。その形状からウィンドミル(windmill:風車)状アーチファクトと呼ばれる。このアーチファクトは、主に被写体の構造が急変する場所から発生するのであるが、なぜ「ウィンドミル」と称するかは、図3に示すような画像に由来する。
この図3に示す画像は、例えば図4に示すように、被写体として17カ所、即ち、回転中心に1つ、半径100mm、140mm、180mm、220mmの各位置にそれぞれ4つ配置した、高X線減弱係数(CT値2000)の小球体(いずれも半径15mm)をスキャンして、小球体の先端部付近(回転中心の小球体の球中心をZ=0としてZ=14mmの位置)を画像再構成面(画像化位置)として画像再構成して得たものである。アーチファクトの無い正しい画像としては17カ所の白い円形小領域が描出されるべきであるが、その周囲に白黒の帯が風車状に発生している。これがウィンドミルである。
なお、本願発明の効果を示すために、この後も図3,図4と同様の被写体とヘリカルスキャン条件と画像再構成法とを用いるので、簡単に説明しておく。
ヘリカルスキャンの条件は、図3中に示すように、「16列マルチスライスCT、スキャンスライス厚1mm、ヘリカルピッチ13(ビームピッチ0.8125)、視野500mmΦ、900view/回転」である。
図1ではDASが4列分しかないことを前提としているのでX線ビームが4枚に仕切られているが、16列マルチスライスCTということは、DASは16列分の機能を有するのでX線ビームが16枚に仕切られて計測されるということである。
スキャンスライス厚が1mmということは、この仕切られたX線ビーム1枚ごとの厚さが回転中心で1mmということである。また、検出器列そのものはより細かいピッチでZ軸方向に配列されていても、それが複数列数分束ねられて、仕切られたX線ビームの1枚ごとを形成しているわけである。
ヘリカルピッチが13ということは、スキャナ系が一回転する間にスキャンスライス厚の13倍、即ち13mmだけZ軸方向に被写体が移動するということである。同様に、ビームピッチ0.8125は、一回転当たりに回転中心での全体のX線ビーム厚16mmの0.8125倍、即ち13mmだけ被写体がZ軸方向に移動するということである。
ここで用いた画像再構成法は、TCOT(True COne beam Tomography reconstruction algorithm)法と呼ばれる方法であり、その理論詳細は例えば後記の特許文献2および非特許文献4に開示されている。本願発明の画像再構成法を説明するためには、適用対象として既存の再構成法を例にとってその変更方法と結果の画像を示すことになり、適用対象としてマルチスライス型CTのヘリカルスキャンで用いられ得る画像再構成方法が多種有る中でどれを選んでも良いのであるが、この画像再構成法を本明細書で用いるのは、次の理由である。
第1に、コーン角(図1参照)をもつ投影データを近似なく正確にコーン角どおりに逆投影するという簡明な方法なので、本願発明の画像再構成法の説明がしやすく、またコーン角どおりに逆投影するということは三次元的な逆投影をするということであり、本願発明の画像再構成法を適用するのも極めて直接的にできるからである。
第2に、その他のこれまで実用されている画像再構成法を用いると、本願発明で扱う以外の別種のアーチファクトが画像を汚染してしまうが、この画像再構成法ではその問題が小さいため、本願発明の効果を画像で明快に示しやすいからである。
ここで、投影データを逆投影するという表現を用いたが、もちろんCTの画像再構成は、投影データをそのまま逆投影するのではない。投影データに対してコンボリューション演算あるいはフィルタリングなどの処理を施して得たデータをコンボリューション補正済み投影データあるいはフィルタ補正済み投影データなどと呼ぶが、これら補正済み投影データを逆投影するのがCTの画像再構成である。さらには逆投影に当たり補正済み投影データを補間処理することも必要である。これらのことは当業者の常識であるので、本明細書ではこれら処理を含めた逆投影を単に「投影データを逆投影する」と簡略表現する。
ウィンドミルは、根本的にはZ軸方向のサンプリングピッチが十分細かくないことに由来するということが当該分野の専門家には了解されている。Z軸方向のサンプリングピッチは基本的に図5に示すように、検出器列(DASによって束ねられた列が一単位)のZ軸方向の配列ピッチで決まる。なお、この図5は図1に示す計測系をZ軸方向と交差する側面方向からみた図に相当し、X線源200からX線が曝射される一部の検出器列に着目しZ軸方向に拡大して示している。
図5中、X線源200(X線管球の焦点)と検出器開口中央とを結ぶ線が各列の投影データの位置を示す。つまり、この線に沿ってサンプリングが行なわれる。そして、s(r)がZ軸方向のサンプリングピッチを表すが、これはZ軸からの距離(X線源200側が正)rに依存し、回転中心(isocenter)軸(Z軸)での値がsisoである。
このsisoは、普通、検出器Z軸方向開口幅がZ軸方向配列ピッチと同じと仮定して議論するので、いわゆるスキャンスライス厚と同じ値であり、以下、スキャンスライス厚はsisoであるとして説明を進める。また、CTは、Z軸方向のみならず、その他の方向についても投影データは離散的にしか得られないが、以降の説明においてはZ軸方向についての議論に集中するので、特に断りなく単に「サンプリングピッチ」と表記すればZ軸方向のサンプリングピッチを意味することとする。
サンプリングされている場所の間の位置の投影データの値は、近傍の検出器列の投影データを補間して求めなければならないが、s(r)(以下、単にsとも表記する)が十分小さければ、この補間結果は被写体のZ軸方向変化を十分正しく反映できるので、つまり、その中間位置での真の投影データに十分近い値になるので、問題は生じない。サンプリングピッチsが大きいと、補間結果は真の投影データから遠い値となり、この誤差はアーチファクトを産まざるを得ない。このアーチファクトがウィンドミルになるのであるが、なぜ風車状のパターンを呈するかについてはヘリカル運動も含めて説明することになるのでここでは省略する。
スキャンスライス厚が厚ければ、それはサンプリングピッチsが大きいということを意味し、ウィンドミルは強く生じる。現在のCTではスキャンスライス厚sisoとしては、最も薄い値として0.5〜0.6mm程度である。この薄さではそれほど大きな問題は起きないが、それでも図7(a),図7(c)に示す程度のウィンドミルは発生する。日常的なCT検査では、検査効率(薄いスキャンスライス厚では所定Z軸方向範囲をスキャンするのに時間がかかる)や画像雑音低減(薄いと画像雑音が大きい)のために、最薄スライスではなく1mm以上のスキャンスライス厚で運用されるから、その場合はさらにウィンドミルは強大になる。
このウィンドミルが診断を妨げないようにするには厚い画像を作ることである。つまり、ヘリカルスキャンでは、Z軸方向に離れた多数の投影データを用いてスキャンスライス厚sisoよりもずっと厚い画像を作ることができるが、この場合はウィンドミルは平均化されて薄らぐ。
ウィンドミルを十分見えない程度に抑制するには、程度問題であるが、経験的にはスキャンスライス厚の2倍以上の画像厚にしなければならない。しかし、これではしばしばZ軸方向の空間分解能が不足で、これも臨床を妨げる。結局、どの程度の画像厚で妥協するかは、ウィンドミルとZ軸方向空間分解能のトレードオフとして操作者の判断にゆだねられる。
このように、ウィンドミルの問題は、極めて重要である。これを解決すれば、アーチファクトによる誤診ないし診断困難の可能性を減らし、検査時間を短縮し、より高精細な画像が得られ、CT診断の価値は高まるのである。
このウィンドミルの問題、即ちサンプリングが粗いという問題を緩和する最新技術として、例えば後記非特許文献5に挙げた「z-flying focal spot法」がある。なお、z-flying focal spotを略して以下zFFSと呼ぶことにする。
この方法は例えば図6に示すように、焦点位置をスキャン中に交互にZ軸方向に移動(前後)させるものである。CTでは1回転の間に例えば1000方向から、即ち0.36°毎に投影データを取得するが、1つの角度でとられた投影データの1セットをビュー(view)という。即ち、1ビュー毎に、言い換えれば、奇数番目のビュー(奇数ビュー)と偶数番目のビュー(偶数ビュー)とで、焦点位置を切り替える。このような切り替えを「フライング」と呼ぶ。この焦点の振り幅(フライング距離)は、例えば図6中に示すαisoが1/4になるように設定される。
この結果、図6に示すように、奇数ビュー(odd view)と偶数ビュー(even view)の投影データのパス(点線参照)が互いに間を縫うように位置する。なお、図6において、実線はzFFS法を適用しない(焦点位置を移動させない)ときの投影データ位置(パス)を示す線であり、α(r)はzFFS法を適用しないときの投影データ位置とzFFS法を適用したときの投影データ位置との距離を表している。また、RFは回転中心と焦点との距離、RFDは焦点から検出器列(検出器開口中央)までの距離をそれぞれ表している。
もし、隣接ビューでの投影角度の違いを無視すれば、即ち、極めて近い角度で投影データを取得するので投影角度方向の違いによる投影データの違いは殆ど無いと近似すれば、奇数ビューと偶数ビューの両方を合わせてみれば、図6の点線同士の間隔が示すように回転中心においてはスキャンスライス厚sisoの1/2になっている。即ち、サンプリングピッチが細かくなっている。
この結果、図7(b),図7(d)に例示するような画像、即ち、ウィンドミルの抑制された画像を得ることができる。図7(c)に示す臨床画像では上部の骨構造から下方へ流れているストリーク(線)がウィンドミルであり、図7(a)に示すシミュレーション画像では右の突起から発散しているストリーク、および上部の空洞端から発散しているストリークがウィンドミルであるが、これらがそれぞれzFFS法により、図7(d)や図7(b)に示すように改善されるわけである。
図7(b),図7(d)に示す画像は非特許文献5の画像再構成法によって得たものであるが、もちろん画像再構成計算においては各ビューの投影データは図6の点線の通りのパスで取得されたものとして扱われ、近似誤差は発生するものの、非特許文献5の画像再構成法でも基本的には投影データを取得したとおりのパスに沿って逆投影される。
図3,図4により前述した条件で、このzFFSを適用したとして得られるシミュレーション画像は図8に示すとおりである。全体的にウィンドミルは抑制されている。しかし、視野中心付近では良好だが、視野の外側にある小球ほどウィンドミルの抑制は小さく、特に画像の上部では抑制不足である。また、画像中心部を除き、直線上の細い微弱なストリークが見られ、特に左下部にはシャワー状あるいは縞状アーチファクトが目立つ。これらについては後でまた触れる。
なお、ここで用いている画像再構成法、即ち図8に示す画像を得た再構成法は、非特許文献5の手法と完全同一ではないが、非特許文献5と同じ方法を用いたとしてもこれ以上の結果は得られない。いかなる既存の画像再構成法をとっても、共通するのはなるべく投影データを取得したパスに沿って逆投影しようとするものであり、違いは非特許文献5の場合はそこに多少の近似誤差が発生し、ここで用いている画像再構成においてはそこに近似誤差は発生しないという点のみである。後に詳述するように、投影データを取得したパスに沿って逆投影するか、それとは全く違うパスに逆投影するかという相違が本願発明の重要な点である。
なお、特許文献1及び下記非特許文献6には、Z軸方向ではなく画像化面内における不等間隔サンプリングデータの適切な扱いにより、いわゆるエリアスアーチファクトと呼ばれる微細なシャワー状のアーチファクトを解消する技術が開示されている。
特開2005−40236号公報 米国特許第5,825,842号明細書 W.Kalender,"Computed Tomography",Publicis Corporate Publishing, Erlangen (2005) 信田泰雄、「高速化が進むX線CTシステム」、[online]、東芝レビューVol.57 No.2(2002)、[平成18年6月7日検索]、インターネット<URL:http://www.toshiba.co.jp/tech/review/2002/02/57_02pdf/a03.pdf> 辻岡勝美、「X線CT装置の機器工学(4)−マルチスライスCTの開発−」、[online]、日本放射線技術学会雑誌vol.58 No.5 (May 2002)、[平成18年6月7日検索]、インターネット<URL:http://www.nv-med.com/jsrt/pdf/2002/58_5/651.pdf> M Silver,K Taguchi,K Han、"Field of view dependent helical pitch in cone-beam CT"、Proc. SPIE 4320, 839-850(2001),San Diego,CA,U.S.A. T.Flohr et.al、"Image reconstruction and image quality evaluation for a 64-slice CT scanner with z-flying focal spot",Medical Physics 32(8) page 2536-2547 (August 2005) 森一生他、「CTにおけるエリアスアーチファクトの緩和」、Medical Imaging Technology Vol.21 No.4 September 2003
しかしながら、上記zFFS法には次のような課題あるいは限界がある。
(1)回転中心では奇数ビューと偶数ビューと両方を合わせたサンプリングピッチはsisoの半分になっているが、回転中心からの距離rがゼロでなければ、奇数ビューと偶数ビューとがちょうど間を縫うような位置関係にならない。そして、zFFS法の効果は|r|が大きくなるほど漸減し、図5で両方のビューが交叉する位置、即ち回転中心から焦点方向へ距離rに達するとそこから先は全く意味を失う。このrは典型的なCTでは180mm前後となる。即ち、小さな被写体でなければ効果を発揮できない。図8ではウィンドミル抑制が全く効いていないという場所は無いが、それはこの画像が一回転には満たないまでも2/3回転程度にわたって得た投影データから作られているため、ある程度平均化効果が働いているからである。それでも、十分な効果を発揮できない事実に変わりはない。
(2)この技術はスキャンスライス厚sisoが極く薄い場合でないと実現できない。非特許文献5の報告例では、薄い方から0.6mm、1.2mm、2.4mm、とスキャンスライス厚sisoを選べるCTであるが、0.6mmのスキャンスライス厚の場合のみにこの技術を適用し得ている。本来、スキャンスライス厚sisoが厚いときこそサンプリングピッチをスキャンスライス厚sisoよりも小さくする必要に迫られるのであるが、sisoが厚いときに適用できない技術では意義が薄い。そのようになる理由を図9により説明する。X線発生はX線管によるが、図9に模式的に示すように、X線管というものは、加速した電子ビームをターゲット500に衝突させてX線を発生させるものである。なお、この図9では紙面縦方向に縮小し横方向(Z軸方向)に拡大して描画している。そして、このターゲット500は、あるターゲット角度θを有し、CTにおいては諸般の事情からθは7〜10°程度と小さくせねばならない。zFFS法においては電磁気的手段で電子ビームの軌道を変えて焦点のZ位置を変えるのであるが、このターゲット角度θのために、Z軸方向のみならず、図9中にΔRFで示されるように、半径rの方向にも大きく焦点位置はズレなければならない。zFFS法において焦点のZ軸方向振り幅として望まれる量はsisoに比例し、従ってzFFS法をそのまま実行するにはΔRFもまたsisoに比例して大きくなる。典型的なCTの設計であれば、sisoが0.6mm、1.2mm、2.4mmに対し、ΔRFはそれぞれおよそ5.5mm、11mm、22mmである。本来厚いスキャンスライス厚sisoにおいてこそ意味のあるzFFS法であるが、その適用を放棄せざるを得なくなっているのは、ビューとビューの切り替えの一瞬に電子ビームの軌道を大きく変えることの困難さと、広い範囲にわたってターゲット上で焦点として有効に機能するエリアを確保することの技術的困難さなどからであると考えられる。
(3)焦点位置がZ軸方向に変化するということは、変化しない場合に比べて図1のコリメータ開口をそのぶん余分に広げておかねばならず、これは被検体のX線被曝量が増えてしまうことを意味する。
(4)交互に別のZ軸位置で被写体を計測することから、一回転当たりのビュー数が多数必要である。CTでは一回転当たりにある程度のビュー数が確保されないとビュー数不足のシャワー状アーチファクトが発生する。これを避けるための最少のビュー数は様々なパラメータに左右されるが、zFFS法ではこの最少ビュー数がほぼ2倍となってしまう。このビュー数不足のアーチファクトが図8の微細なストリークあるいはシャワーである。これは、図8の画像を得る際に、図3に比べて一回転当たりのビュー数を2倍にはせず、そのままとしたためである。ビュー数を増やすのは、投影データを取得するためのX線計測系の動作帯域幅を増やすことになり、雑音を増やす要因である。また、高速回転による高速スキャンを阻害する要因でもある。さらには、X線計測系の高速動作を確保し大量のデータを高速に処理するためにシステムのコストを増大させる要因でもある。
以上のような課題あるいは限界から、zFFS法は、このままでは多くのCTで採用されないことが予想される。
本発明は、上記の課題あるいは限界に鑑み創案されたもので、ウィンドミルアーチファクトの発生を従来よりも抑制することが可能な、X線CT装置及び同装置の画像再構成方法並びに画像再構成プログラムを提供することを目的とする。
なお、前記目的に限らず、後述する発明を実施するための最良の形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的の一つとして位置付けることができる。
前記目的を達成するために、本発明では、以下に示すX線CT装置及び同装置の画像再構成方法並びに画像再構成プログラムを用いる。
(1)即ち、本発明のX線CT装置は、X線を曝射するX線源と、前記X線源に対し所望の回転中心軸を挟んで対向して配置されるとともに、前記X線源の前記回転中心軸に沿う方向であるZ軸方向および前記Z軸方向と交差する方向に二次元的に複数配列された検出素子からなるX線検出器(または検出器という)と、前記検出器における複数の検出素子によるX線検出データを収集するデータ収集部と、前記X線源と前記検出器とを前記回転中心軸の回りに回転させながら、各回転角度で前記X線源からX線を曝射することにより前記検出器で検出される前記X線検出データを前記データ収集部に収集させるスキャン手段と、前記収集されたX線検出データを加工して得られた二次元的な投影データを、前記検出時のX線の経路とは前記Z軸方向について異なる経路に沿って、逆投影する演算を施して画像を再構成する再構成手段とを備える。なお、「Z軸方向について異なる経路」とは、Z軸方向について所望の量の移動と所望の量の角度変更をした経路と表現することもできる(以下、同様)。
(2)ここで、前記(1)において、前記X線源の焦点位置は、前記回転角度ごとにZ軸方向において正負に交互に移動するように構成されていてもよい。
(3)また、前記(2)において、前記X線源の焦点の交互移動のいずれかの位置で取得される投影データは、前記回転中心軸上においてZ軸方向に沿いサンプリングピッチsiso、で配列され、前記交互の焦点位置で得られたそれぞれの投影データのZ軸方向配列位置は、交互の焦点位置の中点に焦点があるときに得られる投影データのZ軸方向配列位置に対し、前記回転中心軸においてサンプリングピッチsisoのαiso(正の値)倍だけ離れているものとしたとき、前記αisoが4分の1未満の値となるように前記X線源の焦点の交互移動量が定められていてもよい。
(4)さらに、前記(3)において、前記交互の焦点位置で得られたそれぞれの投影データを逆投影するZ軸方向位置は、前記交互の焦点位置の中点に焦点があるときに得られる投影データのZ軸方向配列位置に対し前記回転中心軸上において、サンプリングピッチsisoのγiso(正の値)倍だけ離れているものであり、前記γisoは前記αisoより
Figure 0005007982

に近い値であり、前記kは無限大ではない値であってもよい。
(5)また、前記(4)において、前記kは略1乃至2の値であるのが好ましい。
(6)さらに、前記(2)において、前記X線源の焦点の交互の位置で取得された投影データを前記再構成手段で逆投影するにあたり、前記焦点へ向かって前記回転中心軸から離れる距離をrとし、前記rでの位置において、前記投影データのうち前記回転中心軸の近傍を通過して得られた投影データについて着目した場合、そのZ軸方向配列ピッチsは前記rの関数s(r)として表現され、そのZ軸方向位置は交互の焦点位置の中点に焦点があるときに得られる投影データの配列のZ軸方向位置よりα(r)s(r)だけ離れているとして表現され、前記着目投影データが逆投影される位置は、交互の焦点位置の中点に焦点があるときに得られる投影データの配列の前記rにおけるZ軸方向位置に対しγ(r)s(r)だけ離れているものであり、前記γ(r)は前記α(r)とは有意に異なり、前記α(r)より
Figure 0005007982
に近い値であり、前記kは無限大ではない値であってもよい。
(7)また、前記(6)において、前記kは略1乃至2の値であるのが好ましい。
(8)さらに、前記(1)において、前記X線源の焦点位置は、前記回転角度ごとにZ軸方向に交互に移動しないように構成されていてもよい。
(9)また、前記(8)において、前記X線源の焦点の位置で取得された投影データを前記再構成手段で逆投影するにあたり、前記投影データは前記回転中心軸上においてZ軸方向にサンプリングピッチsisoで配列され、前記投影データは取得された位置から前記回転中心軸上においてZ軸方向にサンプリングピッチsisoの±γiso倍だけZ軸方向に離れた位置に逆投影されるように構成され、前記γisoの正負は一投影角毎に交番するものであり、前記γisoは0ではなく1/2程度までの値であってもよい。
(10)さらに、前記(8)において、前記X線源の焦点の位置で取得された投影データを前記再構成手段で逆投影するにあたり、前記焦点へ向かって前記回転中心から離れる距離をrとし、前記rの位置において、前記投影データのうち前記回転中心軸の近傍を通過して得られた投影データについて着目した場合、そのZ軸方向配列ピッチsは前記rの関数s(r)として表現され、前記投影データが逆投影される位置は取得されたときの位置からZ軸方向に±γ(r)s(r)だけ離れているとして表現され、前記γ(r)s(r)の正負は一投影角毎に交番するものであり、前記γ(r)はゼロではなく、1/2kに近い値であり、前記kは略1乃至2の値であってもよい。
(11)また、前記(1)において、前記再構成手段が前記投影データを用いて画像を再構成するにあたり、前記投影データが取得されたときの前記X線源の実際の焦点の位置とは所定量だけZ軸方向に異なる位置として定義される見なし焦点位置と、前記投影データが取得されたときの前記検出器の実際の位置とは所定量だけZ軸方向に異なる位置として定義される見なし検出器位置とをそれぞれ設定し、前記再構成手段が前記の見なし焦点位置と見なし検出器位置の各列部を結ぶ面に沿って逆投影するように構成されていてもよい。
(12)さらに、前記(11)において、前記X線源の焦点位置は前記回転角度ごとにZ軸方向において正負に交互に移動するように構成されており、前記焦点の交互移動のいずれかの位置で取得される投影データは前記回転中心軸上においてZ軸方向にサンプリングピッチsisoで配列され、前記焦点の交互移動位置と前記検出器の各列部とを結ぶ面は前記回転中心軸において、前記交互の焦点位置の中点に焦点があるときに得られる投影データの配列の前記回転中心軸上における位置に対し、それぞれサンプリングピッチsisoのαiso(正の値)倍だけ離れているものとし、前記見なし焦点位置は、略
Figure 0005007982
であり、前記見なし検出器位置は、真の検出器位置から略
Figure 0005007982
だけ離れた位置であり、前記の見なし焦点位置及び見なし検出器位置の正負は前記投影データが取得されたときの焦点のZ軸方向位置の正負で切り替えて用いるものとし、前記RFDは焦点の交互移動の中点から検出器面までの距離であり、前記RFは焦点交互移動の中点から回転中心までの距離であり、前記kは0でも無限大でもない値であってもよい。
(13)また、前記(12)において、前記kは略1乃至2の値であるのが好ましい。
(14)さらに、前記(1)において、前記再構成手段が前記投影データを用いて画像を再構成するにあたり、前記投影データが取得されたときの前記X線源の実際の焦点の位置とは所定量だけZ軸方向に異なる位置として定義される見なし焦点位置と、前記投影データが取得されたときの前記検出器の実際の位置とは所定量だけZ軸方向に異なる位置として定義される見なし検出器位置との、いずれかあるいは両方を設定し、前記の見なし焦点位置と見なし検出器位置の両方を設定したときは、前記の見なし焦点位置と見なし検出器位置の各列を結ぶ面に沿って、逆投影するとともに、前記の見なし焦点位置と見なし検出器位置の片方だけを設定したときは、真の焦点位置もしくは前記の見なし焦点位置と見なし検出器位置もしくは前記真の検出器位置の各列部とを結ぶ面に沿って、逆投影するように構成してもよい。
(15)また、前記(1)において、ヘリカルスキャンを行なうものであり、前記投影データを逆投影するにあたり、逆投影される位置は前記投影データの取得パスとはZ軸方向に異なる位置となるように前記投影データを使用するものであり、そのZ軸方向の位置のずれ方は、対向関係にある投影データの一つをZ軸方向について正の方向にずれ、前記対向関係にある他方の投影データはZ軸方向について負の方向にずれる関係にあるものであってもよい。
(16)さらに、本発明のX線CT装置の画像再構成方法は、X線を曝射するX線源と、前記X線源に対し所望の回転中心軸を挟んで対向して配置されるとともに、前記X線源の前記回転中心軸に沿う方向であるZ軸方向および前記Z軸方向と交差する方向に二次元的に複数配列された検出素子からなるX線検出器(または検出器という)と、前記検出器における複数の検出素子によるX線検出データを収集するデータ収集部とをそなえ、前記X線源と前記検出器とを前記回転中心軸の回りに回転させながら、各回転角度で前記X線源からX線を曝射することにより前記検出器で検出される前記X線検出データを前記データ収集部に収集させ、この収集されたX線検出データを加工して得られた二次元的な投影データに基づいて画像を再構成するX線CT装置において、前記二次元的な投影データを、前記検出時のX線の経路とはZ軸方向について異なる経路に沿って、逆投影する演算を施して画像を再構成する。
(17)また、前記(16)において、前記X線CT装置がヘリカルスキャンを行なうものであり、前記画像を再構成する際に、前記投影データを逆投影するにあたり、逆投影される位置は前記投影データの取得パスとはZ軸方向に異なる位置となるように前記投影データを使用し、Z軸方向の位置を、対向関係にある投影データの一つについてはZ軸方向に関し正の方向にずらし、前記対向関係にある他方の投影データについてはZ軸方向に関し負の方向にずらすようにしてもよい。
(18)さらに、本発明のX線CT装置は、X線を曝射するX線源と、二次元配列された複数の検出素子を有し、前記X線源に対し所望の回転中心軸を挟んで対向して配置されたX線検出器と、前記X線源を前記回転中心軸の回りに回転させながら前記検出素子で検出されたX線検出データを基に得られる二次元的な投影データを、前記検出時のX線経路とは前記回転中心軸に沿う方向であるZ軸方向について異なる経路に沿って、逆投影する演算を施して画像を再構成する画像再構成手段とを備える。
(19)また、本発明のX線CT装置の画像再構成方法は、X線を曝射するX線源と、二次元配列された複数の検出素子を有するX線検出器とを所望の回転中心軸を挟んで対向しつつ前記X線源を回転中心軸の回りに回転させるスキャン過程と、前記スキャン過程での前記検出素子での検出結果を基に得られる二次元的な投影データを、前記検出時のX線経路とは前記回転中心軸に沿う方向であるZ軸方向について異なる経路に沿って、逆投影する演算を施して画像を再構成する画像再構成過程とを有する。
(20)さらに、本発明のX線CT装置の画像再構成プログラムは、コンピュータに読み込まれて実行されることによりX線CT装置の画像再構成方法を実行するX線CT装置の画像再構成プログラムであって、前記コンピュータに、X線を曝射するX線源と、二次元配列された複数の検出素子を有するX線検出器とを所望の回転中心軸を挟んで対向しつつ前記X線源を回転中心軸の回りに回転させるスキャン過程と、前記スキャン過程での前記検出素子での検出結果を基に得られる二次元的な投影データを、前記検出時のX線経路とは前記回転中心軸に沿う方向であるZ軸方向について異なる経路に沿って、逆投影する演算を施して画像を再構成する画像再構成過程とを実行させる。
(21)また、本発明のX線CT装置は、X線を曝射するX線源と、前記X線源に対し所望の回転中心軸を挟んで対向して配置されるとともに、前記X線源の前記回転中心軸に沿う方向であるZ軸方向および前記Z軸方向と交差する方向に二次元的に複数配列された検出素子からなるX線検出器(または検出器という)と、前記検出器における複数の検出素子によるX線検出データを収集するデータ収集部と、前記X線源と前記検出器とを前記回転中心軸の回りに回転させるとともに前記X線源と前記検出器との間に位置する被写体に対して相対的に前記Z軸方向へ移動させながら、各回転角度で前記X線源からX線を曝射することにより前記検出器で検出される前記X線検出データを前記データ収集部に収集させるヘリカルスキャン手段と、前記X線源の焦点位置を、前記回転角度ごとに前記Z軸方向において正負に交互に移動させる手段と、前記収集されたX線検出データを加工して得られた二次元的な投影データを、前記検出時のX線の経路とは前記Z軸方向について異なる経路に沿って、逆投影する演算を施して画像を再構成する再構成手段とを備え、前記X線源の焦点の交互の位置で取得された投影データを前記再構成手段で逆投影するにあたり、前記焦点へ向かって前記回転中心軸から離れる距離をrとし、前記rでの位置において、前記投影データのうち前記回転中心軸の近傍を通過して得られた投影データについて着目した場合、そのZ軸方向配列ピッチsは前記rの関数s(r)として表現され、そのZ軸方向位置は交互の焦点位置の中点に焦点があるときに得られる投影データの配列のZ軸方向位置よりα(r)s(r)だけ離れているとして表現され、前記着目投影データが逆投影される位置は、交互の焦点位置の中点に焦点があるときに得られる投影データの配列の前記rにおけるZ軸方向位置に対しγ(r)s(r)だけ離れているものであり、前記γ(r)は前記α(r)とは有意に異なり、前記α(r)より
Figure 0005007982
に近い値であり、前記kは略1乃至2の値である。
前記本発明によれば、少なくとも次のような効果ないし利点が得られる。
即ち、X線検出系を回転中心軸(Z軸)の回りに回転させながら検出素子で検出されたX線データを基に得られる二次元的な投影データを、当該投影データに関するX線経路とは前記Z軸方向について異なる経路に沿って逆投影する演算を施して、画像を再構成するので、投影データ取得時のサンプリング間隔の不均等による問題を数学的に解消あるいは低減することができ、再構成画像のアーチファクト(偽像成分、あるいは、異常パターン)、特に、ウィンドミルアーチファクトと呼ばれる異常パターンの発生を従来よりも抑制することができる。したがって、より高精細な画像(再構成画像)が得られ、異常パターンによる誤診ないし診断困難の可能性を減らし、検査時間を大幅に短縮することが可能となり、CT診断の価値向上に大きく寄与する。
マルチスライス型CTのスキャナ部のX線計測系の構成を示す模式的斜視図である。 ヘリカルスキャンを説明するための模式図である。 ウィンドミル(windmill:風車)状アーチファクトが発生した画像例を示す図である。 図3に示す画像を得た被写体と画像化位置を説明するための模式図である。 マルチスライス型CTのZ軸サンプリングを説明するための図である。 zFFS法を説明するための図である。 (a)及び(c)はそれぞれウィンドミルアーチファクトが発生している様子を示す臨床画像例の図、(b)及び(d)はそれぞれ(a)及び(c)におけるウィンドミルアーチファクトが抑制されている様子を示す臨床画像例の図である。 図3及び図4に示す条件でzFFS法により得られた画像例を示す図である。 zFFS法での実際の焦点位置を説明するための図である。 特定のファン角度において焦点の或るZ位置で被写体を計測する場所を説明するための図である。 図10に示す焦点のZ位置とは異なるZ位置で被写体を計測(サンプリング)する場所を説明するための図である。 図10及び図11に示すサンプリング位置を併せて示す図である。 或るファン角度において座標r等のパラメータを説明するための図である。 本発明の理論によるサンプリング位置と逆投影位置とを説明するための図である。 エリアスと真のスペクトルの周波数伝達関数との関係を示すグラフである。 本発明による投影データの見なし位置(k=1の場合)を説明するための図で、(a)は奇数ビューについての投影データの見なし位置、(b)は偶数ビューについての投影データの見なし位置をそれぞれ説明するための図である。 本発明のスキャン法と画像再構成とにより得られた画像例(αiso=0.125、k=1)を示す図である。 本発明のスキャン法と画像再構成とにより得られた画像例(αiso=0.0625、k=1)を示す図である。 本発明においてkを変えたときのウィンドミル定量グラフである。 焦点フライングを行なわない通常のスキャン法に対し本発明の画像再構成法を適用した画像例を示す図で、(a)はk=1の場合、(b)はk=2の場合をそれぞれ示す。 焦点フライングを行なわない通常のスキャン法で、かつ、従来の画像再構成法のまま、画像化所望位置に対しsisoの±1/4だけZ軸方向にずれた面を画像再構成し、両者を合算した画像例を示す図である。 各スキャン法と各画像再構成法でのウィンドミルアーチファクトの定量グラフである。 各スキャン法と各画像再構成法でのSSPの半値幅のグラフである。 本実施形態に係るX線CT装置のシステム構成の概要を示すブロック図である。 図24に示す画像再構成装置の他の構成を示すブロック図である。 4列型マルチスライスCTのサンプリングと画像再構成法を説明するための図である。 4列型マルチスライスCTに対し本発明の画像再構成法を用いるときのデータの扱いを説明するための図である。
符号の説明
10 トンネル状診断用空間
11 スキャナ部
12 X線管(X線源、焦点)
13 X線検出器
14 DAS(データ収集装置)
15 データ伝送装置
16 スキャナ制御部(スキャン手段)
20 ホスト計算機(コンピュータ)
21 対話装置
22 表示装置
23 第1の記憶装置
24 第2の記憶装置
25 画像再構成装置(画像再構成手段)
25A,35A 前処理部
25B,35B コンボリューション・補間部
25C,35C 逆投影(BP:Back Projection)部
25D,35D 記憶部
26 バス
P 被検体
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることはいうまでもない。
〔A〕概要説明
本願発明者は、上述した従来技術が抱える課題に鑑みて、従来とは全く異なる観点からウィンドミルの課題にアプローチし、回転中心で奇数ビューと偶数ビューと両方を合わせたサンプリングピッチはsisoの半分になっていなくても十分にウィンドミルを抑制し得る画像再構成法を見い出した。これにより、広い視野全域についてウィンドミルを抑制し得る。
そして、その画像再構成法によればzFFS法の焦点の振り幅は遥かに小さくても構わない。極端なケースとしては、この場合はZ軸方向の空間分解能の代償は避けられないが、振り幅がゼロであってさえもウィンドミルを抑制できるのである。小さな振り幅とすることで、奇数ビューと偶数ビューが交叉する位置rlimは回転中心から十分に遠ざけることができ、従来のzFFS法の前記課題(1)を解決できる。そして、小さな振り幅とすることは、前記課題(2),(3),(4)も自ずから解決乃至緩和される。
その要点の第1は、zFFS法を用いるとしても、上述のように従来のzFFS法よりも小さな焦点振り幅とすることであり、それで十分な効果を上げるための方法としては、zFFS法において焦点から検出器列への投影データのパスは奇数ビュー偶数ビューそれぞれZ軸に対し或る傾きをもっているが、画像再構成においてZ軸方向についてその傾きとは異なる傾きで、かつ、ずれたパスに逆投影するように処理することであり、その逆投影パスは焦点振り幅に応じて最適なパスが理論的に求め得るということである。
その要点の第2は、zFFS法を用いる場合の詳述の後に述べるが、zFFS法でない、即ち焦点を振らない通常のスキャン方法においても、画像再構成において投影データを奇数ビューと偶数ビューとに分けて、それぞれ実際に投影データを得たパスとはZ軸方向において傾きと位置が異なる最適なパスに逆投影するというものである。
その要点の第3は、後記の「(C3)その他のシステム構成と動作の概要3」において述べるが、「対向関係」にある投影データの両者を用いて画像再構成をする方法を採る場合に、両者の投影データのそれぞれを、実際にそれぞれの投影データを得たパスとはZ軸方向において位置が異なる最適なパスに逆投影するというものである。
まず、基礎となる理論を、zFFS法を行なう場合を例にとって説明する。なお、ここで示す基礎理論は、前記の特許文献1と非特許文献6で示されている基礎理論とよく似ているが、数学基礎が類似していても発明内容としては全く別のものである。特許文献1と非特許文献6では、既述のように、Z軸方向ではなく画像化面内における不等間隔サンプリングデータの適切な扱いにより、いわゆるエリアスアーチファクトと呼ばれる微細なシャワー状のアーチファクトを解消する技術である。
これに対して、本発明は、特許文献1と非特許文献6で示されている数学的基礎概念を用いてはいるが、全く別種の状況における異質のアーチファクトに対処する新たな技術であり、後述するように、その実施の形態も本質的に異なる。以下では、数学的基礎から改めて記す。
ここで、図9で説明したような、焦点のZ軸方向スイングに伴って生じる焦点のr方向スイングΔRFは無視する。ΔRFは理論の本質に無関係な複雑化要因に過ぎないし、これへの対処は、例えば非特許文献5に示されているように各ビューにおいて焦点の半径方向位置がどこであるかのパラメータ(即ち、RF)を画像再構成計算に織り込むことは容易であり、何らの困難は無いからである。また、従来のzFFS法ではαisoを1/4の固定量としているが、本発明では、まずこれを任意の値として扱う。
理論検討の前にサンプリング状況と基本的なコンセプトについて概説する。
ある投影角度方向において、例えば図10に示すように、X線源12と被検体Pとがあり、被検体PのX線減弱係数は座標ZとZ軸からの距離rの関数として分布している。なお、X線源12の焦点寸法や検出素子の開口寸法が有限であることから、X線減弱係数の分布はZ軸方向についてややぼけて計測されるので、このボケも入れたX線減弱係数の分布関数としてg(z,r)と記すことにする。ここで、焦点はZ軸の+方向にシフトしている。
なお、図10は、あるファン角度φにおいてX線源(焦点)12と各検出器列の当該φの検出素子とでできる面を示している。この面は、Z=−∞から眺めれば図13に示す太実線に相当する。rについて改めて述べれば、図13の焦点12からRFの距離にある位置をr=0とし、そこから焦点方向に向かっての位置座標がrである。RFは焦点12と回転中心との距離であり、RFDは焦点12と検出器面との間の距離である。
検出器は、Z軸方向に離散配列されているから被検体Pを計測するパスも離散的であり、あるrにおいては図10〜図12中に符号41や符号42で示すように離散的位置で計測されることになる。この離散的計測はサンプリングピッチが有限であるからエリアスを含み、g(z,r)とは同じではない。従って、図10に示すdl(焦点12から検出器方向への単位ベクトル)に沿ってg(z,r)を線積分した投影データにも各rにおけるエリアスが積分され重畳している。
このような計測系で一回転にわたり投影データを収集するが、仮に回動方向について無限に細かい角度ピッチで投影データ収集を行なうものとし(即ち、一回転当たりのビュー数は無限大)、ファン角度φ方向についても無限に細かい検出器刻みであるとする。このような理想的状況で完全な画像再構成をあらゆるZ座標について行なって得た画像をZ軸方向に並べても、g(z,r)は再現されない。得られるものはg(z,r)にエリアスが重畳されたものである。ここで、このようなシステムではコーン角が0でないために完全な画像再構成はできないことが知られているが、この問題は本発明とは別の問題であり、説明を簡単にするためにコーン角問題は無いと仮定した。
図11に示すように、同じ投影角で別のX線源位置(焦点12)での投影データも得られるとする。この図11に符号42で示す離散的計測位置は図10に符号41で示す位置とは別の位置であるが、この投影データで画像再構成をしてもg(z,r)は再現されず、g(z,r)にエリアスが重畳されて再現されるという状況は同じである。ただし、サンプリング位置が違うので、そのエリアスは符号41で示す離散的計測位置のデータによるエリアスとは同じではない。
仮に符号41と符号42とで示される離散的計測位置両方のデータを用いて画像再構成するとすれば、その結果は画像再構成計算の線形性により符号41で示される位置による画像と符号42で示される位置による画像との加算平均である。結果は、エリアスは多少相殺されてそれぞれの画像よりも良好となる。このことは位置42と位置41とを並べればサンプリングピッチが図12に示すように細かくなっているので、エリアスが減るはずであることと等価である。
本発明では、このエリアスがウィンドミルとして見えているものと判断する。そして、図12において、位置42と位置41とが不均等に配列されており、これが等間隔であれば好ましいのであるが、不均等により間隔が開いている部分があることがサンプリング問題を悪化させているものと判断する。そして、このような不均等なZ軸方向サンプリングピッチの場合に、エリアスを最小にするためには位置42と位置41の投影データをそれぞれどのように扱うべきかを示すものである。その要点は、投影データは位置42や位置41の実際に取得された位置とは別の位置を通過して取得されたものとみなす、即ち位置42や位置41からシフトして用いるということである。
正確な理論的検討を以下に進める。
図14は、任意のrにおける投影データのパスの位置、即ちサンプリング位置のZ座標や、その投影データを位置シフトして用いることを説明するための図である。奇数ビューと偶数ビューとで焦点位置が異なるものとすると、その中点に焦点12があるときのサンプリング位置(×印で示す位置)の場合に比べて、計測X線のパスは奇数ビューではZ軸正方向に任意の値αs〔=α(r)s(r)〕だけシフト(矢印A1参照)して位置41の投影データが得られ、偶数ビューではZ軸負方向に任意の値αsだけシフト(矢印A2参照)して位置42の投影データが得られる。なお、この正負の位置関係が逆であるとしても理論や結果は不変である。
そして、その投影データをそれぞれ元の位置41,位置42ではない符号43(○印),符号44(□印)で示す任意の位置γ0(r)s(r),γe(r)s(r)にシフト(矢印B,C参照)して再配置するものとする。後述するように、この再配置は具体的には主として逆投影パスを投影パスから異ならしめることで実現される。
なお、sはもちろん正値であるが、この図14に示す向きに定めれば、αも正値である。そして、αもsもγもrの関数〔α(r),s(r),γ(r)〕であるが、以下に示す式を簡略にするために、α(r)などと表記せずに単にαなどと表記し、式からrを省略することとする。
このrにおいてZ軸方向に沿って被写体PのX線減弱係数が或る関数として分布しており、その関数は未知であるが、それをX線源の焦点寸法や検出素子の開口寸法によるボケを伴って無限に細かいサンプリングピッチで測定したとして得られる関数がg(z)である。そして、そのフーリエ変換を次式(1)に示すようにG(f)と表記することにする。なお、Fはフーリエ変換の記号とする。
Figure 0005007982
g(z)を奇数ビューでサンプリングして得た関数go(z)、および偶数ビューでサンプリングして得た関数ge(z)はそれぞれ次式(2)及び(3)のように表せる。
Figure 0005007982
なお、これらの式(2),(3)において、
Figure 0005007982

は、次式(4)のようなシャー(shah)関数である。ただし、δはディラックのδ関数である。
Figure 0005007982
go(z)およびge(z)をフーリエ変換したものをそれぞれ、Go(f),Ge(f)とすると、次式(5),(6)に示す通りである。ただし、*はコンボリューション演算の記号を表す。
Figure 0005007982
次に、go(z)とge(z)をそれぞれγ0s,γesだけ図10のように位置をシフトさせると、その結果の関数goS(z)とgeS(z)、およびそれぞれのフーリエ変換GoS(f)、GeS(f)は次式(7),(8),(9),(10)に示すように表せる。
Figure 0005007982
ここでg(z)には既にボケ要素が加わっていることなどで帯域制限がある程度加わっていることを考慮すると、即ち、G(f)にはナイキスト周波数
Figure 0005007982
を大幅に超える周波数成分は殆どないことを考慮すると、前記式(9)のフーリエ変換は、次式(11)のように近似できる。
Figure 0005007982
同様にして、前記式(10)のフーリエ変換は、次式(12)のように近似できる。
Figure 0005007982
以上により、goS(z)とgeS(z)との両方からなるサンプルデータのフーリエ変換は、次式(13)に示すとおりである。
Figure 0005007982
この式(13)の第1項と第3項とがエリアス成分であり、第2項が真のスペクトル成分である。ただし、どの項も修飾項がかかっている。着目点は、エリアスと真のスペクトルについて修飾項が異なることである。これを利用して、γoとγeの選択により真のスペクトル成分をあまり損なうことなくエリアス成分を効果的に抑制することができる。
式(13)の第2項の修飾項を見ると、γo=γeでないと虚数項が生じることが分かる分かる。これはプロファイルがZ軸方向にシフトしてしまうことを意味するので回避すべきである。よってγo=γe=γとして、次式(14)を得る。
Figure 0005007982
エリアス抑制のために、上記式(14)におけるAとA−1はなるべく広い周波数帯にわたり0に近い方が望ましいが、全域で0に近い値を確保はできないので、重要なことはどの周波数で0に近い値とするかである。ここでナイキスト周波数fは次式(15)のとおりである。
Figure 0005007982
G(f)がある程度帯域制限されていることから、正の高周波側からのエリアスのうち負の周波数帯まで及ぶ成分はもともと小さいことが保証され、前記式(14)に示すように、Aは正の高周波側からのエリアスに対する周波数伝達関数であるから、Aは正の周波数においてゼロ付近であるべきである。そして、ある程度帯域制限されていることもあってG(f)の大きさは周波数fの絶対値に対して大局的に単調減少しているに違いないので、エリアスで折り返してくる成分はナイキスト周波数付近で大きいはずである。
従って、Aはf=f付近でゼロに近いことが望まれ、同様に、A−1はf=−f付近でゼロに近いことが望まれる。正確に正負のナイキスト周波数でゼロとするのが最善かどうかはAへの代償とのトレードオフもあり、ここでは固定せずに、正負のナイキスト周波数のk倍の周波数でエリアス伝達関数をゼロとするように、次式(16)を解く。
Figure 0005007982
どちらの条件からも次式(17)の2つの解を得る。
Figure 0005007982
Z軸方向の空間分解能維持のためには、Aはなるべく高周波まで1に近い値に維持したいのでγ−αの絶対値は小さいことが望ましい。これを満たすのは、αもkも正の値であるから、式(17)の2解のうち次式(18)の解である。
Figure 0005007982
例えば、zFFS法による理想的なサンプリング条件であるα=0.25においては、γはkの如何に関わらずγ=αであり、このとき周波数によらずAは1であり、AとA−1はゼロである。すなわち、α=0.25においては、投影データはZ軸方向について均等のピッチで並んでいるが、この場合は、従来技術通り、投影データを取得した位置に逆投影すればよいことを示している。
しかし、αisoを0.25に選んだとしても、回転中心以外ではαは0.25ではなく、投影データはZ軸方向について不均等のピッチで並んでおり、非理想的なサンプリング状態である。回転中心以外では投影データパスどおりに逆投影するのは望ましくなく、この場合にどうすればよいか、式(18)は示している。
非理想的なサンプリング状態の例を図15に示す。なお、この図15において、実線51は真のスペクトルの周波数伝達関数(A)、点線52は正周波数域エリアス伝達関数(A)、破線53は負周波数域エリアス伝達関数(A−1)をそれぞれ表し、s=1として、横軸は0.5がナイキスト周波数である。
例えば、α=0.125となっている状態では、k=1(γ=0.3750)とすると、図15の(1)に示すグラフを得る。即ち、正の高周波側からのエリアス(点線52で示す正周波数域エリアス伝達関数A1)は、正のナイキスト周波数付近でほぼゼロまで大幅に抑制され、負の周波数側からのエリアス(破線53で示す負周波数域エリアス伝達関数A−1)は、負のナイキスト周波数付近でほぼゼロまで大幅に抑制され、一方、真のスペクトル(実線51で示す周波数伝達関数A)は、それぞれのナイキスト周波数付近で30%ほど抑制されるだけである。
αがさらに小さくて例えば0.0625(k=1,γ=0.4375)であっても、図15の(2)に示すように、真のスペクトルを抑制する以上にエリアスは抑制される。焦点スイングがゼロの場合はα=0であるが、この場合は、図15の(3)に示すように、エリアスと真のスペクトルに対し、どちらかの抑制を強めるなどの選択的作用は無く、どちらも同様に抑制されることが分かる。
αはrにより異なる値をもつが、その値毎にγを選べば、αがゼロでない限り上記のように任意の周波数k・fにおいてエリアス成分を集中的に抑制する効果を得ることができる。そして、おそらくはk≒1とすることでエリアス抑制効果は最大である。
以上、zFFS法を例にとって基礎理論を説明した。これを今少し普遍的な表現にすると次のようになる。
投影データの一組Aがあり、また他方の投影データの一組Bがある。どちらもデータのピッチはsである。両者を並べて、Aの投影データとBの投影データが隣接していたらその間に中点をとり、中点からαsの距離にあるAもBも次式(19)の値だけさらにデータをαの方向へシフトさせて使えということである。この値が負ならαsの位置から中点の方向へそのぶん引き戻して使えということである。
Figure 0005007982
以上のように、αsの位置でサンプリングされたデータを、それとは違うγsの位置へシフトして用いることにより、エリアスを効果的に抑制でき、真のスペクトルには影響を小さくできることが分かる。これが実際にウィンドミルを抑制し、かつ、Z軸方向に有意のボケをもたらさないことは後に示す。
〔B〕具体例
さらに、画像再構成計算において以上のこと、即ち、αsの位置でサンプリングされたデータをそれとは違うγsの位置へシフトして用いるということを容易に実行する具体的な手段を示すと次のようになる。
図6に示す幾何学より、次式(20),(21)が容易に導き出される。なお、以降では式中に座標rを明示する。
Figure 0005007982
これらの式(20),(21)より、次式(22)が得られる。
Figure 0005007982
前記の式(18)と式(20)と式(22)から、望ましいγ(r)s(r)として次式(23)を得る。即ち、焦点12が中点にあるときのサンプリング位置に比べて、奇数ビューについてはこの値だけデータがZ軸正方向に、偶数ビューについてはこの値だけZ軸負方向に、シフトした位置で取得されたものと見なして扱えということである。
Figure 0005007982
この式(23)は、kを場所rに依存しない定数にすれば、投影データをそこにあるとして用いるべき位置はrに対して直線になることを示している。即ち、ある直線に沿ってとられた投影データは、それとは違う直線〔式(23)〕に沿って得られたものとして扱うべきことを意味している。この線が逆投影されるべきパスである。本発明では、kを場所rに依存する値とすることを排除するものではないが、kをrに非依存の定数とすれば逆投影の経路は直線となり、直線の経路に沿う逆投影は一般の画像再構成装置にとって実行が極めて容易である。
なお、注記しておくが、ここで「線」と記したのは任意のあるファン角度φかつ任意のある検出器列での一個の検出素子による投影データについて議論しているからである。検出器の全列についてファン角度φの方向にその線を多数並べれば面を為す。そしてその面は、検出器のφ方向の刻みの数だけある。本発明で開示している本質はこれらの面の取り扱いについてである。理論を簡明に記すために「線」としているのに過ぎない。
さらに、実行に当たって分かりやすい形で式(23)を説明する。これはkをrに非依存の定数として再構成計算を容易としたときのわかりやすい実施形態例である。式(23)において、r=RFとすれば、式(23)は、そこに焦点12が位置しているものと見なして扱うべき仮想的な焦点位置z座標を示すことになる。r=RF−RFDとすれば、検出器列が真の位置からどれだけずれた位置にあると見なして扱うべきかのZ軸方向のシフト量を示す。
そして、その見なし焦点位置と見なし検出器列位置とを結ぶ直線にそって投影データが取得されたものと見なして画像再構成計算すれば式(23)はあらゆるrについて自動的に満たされる。このように、焦点位置と検出器列の位置を「見なし」て扱うことは通常の画像再構成計算にとってたやすいことである。
奇数ビューについて、見なし焦点位置Zfoと見なし検出器位置シフト量Zdoは次式(24),(25)にそれぞれ示す通りである。
Figure 0005007982
このZfoの位置に焦点があると見なし、真の各検出器列の位置からZdoだけシフトした位置を見なし検出器列の位置とし、見なし焦点位置と見なし検出器列位置とを結ぶ面が当該列の投影データの取得面であるものとして、この面に沿って投影データを逆投影するのである。これは三次元的逆投影を行なう再構成装置にとって極めて容易に実行できることである。
なお、画像再構成計算にあたっては逆投影以前にいくつかの計算ステップがあるが、これらステップにおいても見なし焦点位置と見なし検出器列位置とを結ぶ面が当該列の投影データの取得面であるとして処理するほうが好ましい。しかし、三次元的逆投影を行なう再構成装置においては、逆投影以外のステップでは実際に取得された位置どおりに投影データを扱っても大きな差異は生じず、特に問題は無い。
同様に、偶数ビューについて、見なし焦点位置Zfeと見なし検出器位置シフト量Zdeは次式(26),(27)にそれぞれ示す通りである。
Figure 0005007982
図16(a)及び図16(b)に、奇数ビュー及び偶数ビューについての見なし焦点位置と見なし検出器位置シフト量についてそれぞれ記す。これはαisoを比較的小さくし、かつk=1に選んだ場合である。なお、図16(a)及び図16(b)では、2つの検出器列のみを示し、細実線は焦点12が中点位置(×印)にあるときの投影データのパスを表し、点線はフライングされた焦点位置にあるときの投影データを実際に取得したパスを表し、太実線は投影データがこの位置にあると見なして画像再構成するパスを表している。また、符号12a及び符号41(●印)は奇数ビューにて実際に投影データが取得されたときの焦点位置及び検出器列位置を表し、符号12b及び符号43(○印)は奇数ビューにてそこに焦点12および検出器列があるとして画像再構成計算する見なし位置を表し、さらに、符号12c及び符号42は偶数ビューにて実際に投影データが取得されたときの焦点位置及び検出器列位置を表し、符号12d及び符号44(□印)は偶数ビューにてそこに焦点12および検出器列があるとして画像再構成計算する見なし位置を表している。
k=1の場合、焦点位置は真のフライング位置と反対側にあると見なすことになり、検出器位置は列のピッチの半分だけZ軸の正あるいは負方向にあると見なすことになる。kが大きい場合は検出器も焦点12も見なし位置はより真の位置に近いものとして扱うことになる。
なお、ここで「見なす」という表現をしたが、これはそのような考え方をとると理解しやすいということに過ぎず、本発明による画像再構成の実行の仕方は様々であり、特段「見なす」行為が必要なわけではない。画像再構成においてより一般的に本発明の要点を述べれば、図16(a)及び図16(b)において、点線のパスで取得された投影データが太実線のパスのように逆投影されるように扱う、ということである。
数式だけではどの程度の「見なし」値になるのか、把握しがたいので、ここで、具体的な数値例をZfoとZdoについて記す。ただし、RFは600mm、RFDは1072mmとする(どのCTも大差ないので以下ではこの値を使う)。スキャンスライス厚sisoは1mmとするが、スキャンスライス厚sisoがXmmなら表の値をX倍するだけである。kは以上の議論で理論的に1内外が適当と見当はついており、この後示すシミュレーションでも1内外が至適である。少なくとも1よりずっと小さな値はZ軸方向ぼけが顕著になる一方で、エリアス抑制効果は減少することが理論より見当がつくので、k≧1について記すと下記の表1、表2に示すとおりである。
Figure 0005007982
なお、従来のzFFS法においては、奇数ビューについて言えばαiso=0.250でスキャンし、即ち焦点位置+0.567mmでスキャンし、そしてk=∞、即ちZfo=+0.567mmで画像再構成することになる。偶数ビューはその反対符号である。
Figure 0005007982

なお、検出器列のZ軸方向ピッチは検出器位置において1.787mmである。
具体的な実施形態の説明をする前に、本発明による再構成計算がどのようなメリットをもたらすか簡単にここで再度触れておく。
まず、従来のzFFS法においてはrがゼロから離れるとともに効果が漸減しある値rlim以上で無効となるが、rlimは図6において奇数ビューと偶数ビューの投影データパスが交叉するrである。図6の幾何学より容易に次式(28)を得る。
Figure 0005007982
従来のzFFSではαisoは0.25に固定されるが、αisoは本発明では任意量としてもエリアスを抑えることができるので、これを小さく取ればrlimは任意に大きくできる。αiso=0.25という従来のzFFS法ではrlim=183mmであるが、αiso=0.200で239mm、αiso=0.125では341mmである。CTの視野半径は最大で250mm程度なので、本発明ではzFFS法の有効半径を全く問題ないほどに広げることができる。そして、γを前述のように選べば、エリアス抑制効果は視野全域で十分に確保できる。これにより、従来zFFS法の課題(1)は解決される。このことについてはこの後の実施例の画像で示す。
そして、特に重要なこととして、αisoを小さく選べるということは、焦点の半径方向フライング距離ΔRFも小さくできるということであり、従来のzFFS法の課題(2)は解決される。さらに、焦点のZ軸方向フライング距離が小さくできるのだから従来のzFFS法の課題(3)も緩和される。
さらに、従来のzFFS法の課題(4)も緩和されるのであるが、このことについてもこの後の実施例の画像で示すとともに説明をする。
以下、具体的な実施例による結果の画像やデータを示す。これらはスキャンスライス厚siso=1mmにおいて、シミュレーションスキャンをし画像再構成をした結果である。
(B1)実施例1
図17は、従来のzFFS法の半分の小フライング距離即ちαiso=0.125、画像再構成にあたってはk=1として得られた画像を示している。図3の画像および図8の画像を得た場合とは次の相違を除き、同条件である。相違点は、図17の画像については、αisoはゼロでも0.25でもないこと、γを適正に定め投影データ取得パスとは別のパスに逆投影していることである。図17の画像では、図3の画像はもとより図8の画像と比べても明確にウィンドミルは全域にわたり良好に抑制されていることが分かる。
さらに、画像左側のシャワー状アーチファクトを図8の画像と比べると図17の画像の方が穏やかである。説明が前後するが、ここで簡単にその理由を述べる。従来のzFFS法での機序を考えると次の通りである。最終の画像再構成結果は、仮想的に奇数ビューだけによる画像と偶数ビューだけによる画像を再構成したとして、その合算であると考えることができる。
片方の画像は一回転当たりのビュー数が半減しているので、即ち投影角度ピッチが粗いので、ビュー数不足によるシャワーが顕著に出る。他方の画像も同様である。両者合算すればビュー数は足りるのでシャワーが相殺して消えて欲しいのであるが、しかし両者はZ軸方向に遠く離れた別のスキャン面を観測して得た画像であり、Z軸方向に構造の変化する被写体においてはそれぞれシャワーの様相が違うので相殺し合うことは殆どなく、シャワーが顕著に残るのである。
本発明による方法はフライング距離が従来zFFS法の半分であり、奇数ビューと偶数ビューの観測面の距離は半分であるし、それら投影データをどのZ位置に逆投影するかという距離で見ても、やはり半分である。従って、両画像のシャワーの様相はかなりコヒーレントである。両者合算するとコヒーレントなシャワー成分は相殺され、ビュー数が足りる状況にかなり近づくことになるのである。
従来型のzFFS法やその他の方法と比べてのウィンドミルの定量的な比較や、Z軸方向の空間分解能については、図22や図23により後述する。
(B2)実施例2
図18は、従来のzFFS法の4分の1の微小フライング距離、即ち、αiso=0.0625、画像再構成にあたってはk=1として得られた画像を示している。図3の画像はもとより図8の画像と比べても明確にウィンドミルは全域にわたり良好に抑制されている。本例は、スキャンスライス厚sisoを1mmとしてシミュレーションした結果であるが、このように焦点の振り幅を微小にしても十分な効果を上げられるわけなので、スキャンスライス厚sisoが2mmであっても3mmであっても、zFFS法を用いることは容易なのである。
シャワーは図8の画像に比べてわずかに減殺されているだけであまり変わらない。その理由は、奇数ビュー偶数ビューの観測面の距離は近いが、画像再構成にあたり逆投影される位置はαiso=0.125の図17の場合よりも大きく離れるからである。それでも従来のzFFS法の図8の画像よりもわずかながら良好である。
従来型のzFFS法やその他の方法と比べてのウィンドミルの定量的な比較や、Z軸方向の空間分解能については、図22や図23により後述する。
(B3)実施例3
以上の例はk=1の場合であるが、任意のkとすることもできる。kの値が小さいとZ軸方向の空間分解能が低下することは容易に分かる。前期の式(14)と式(18)とから、真のスペクトルには次式(29)で表されるAがかかってしまうからである。
Figure 0005007982
αisoが極微量でないときは、k=1でも、図15から分かるように、また後に示すSSP(Slice Sensitivity Profile、再構成された画像のZ軸方向感度プロファイル、その幅が画像の厚さ)のデータ(図23)でも分かるように、この代償はほぼ無視できるのであるが、それでもウィンドミル抑制よりも空間分解能確保を優先したい場合はkを大きく選べばよい。
よって、図19に、kを変えて画像再構成したときのウィンドミルアーチファクトを定量測定した例を示す。これは、図17の画像に対し、kを変えて画像再構成し、図4に示す上から2番目の球の中心から15mmの円周上のCT値の標準偏差を示しており、k以外は図17の場合と同条件、即ちαiso=0.125である。また、データ点は、図19の左からk=0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、∞である。
k=1付近でウィンドミルが最小であることが分かり、kを1よりも小さくしても得るところはないことも分かる。また、k=無限大は投影データの取得パスどおりに逆投影するものであるが、本発明のようにk<<∞とする画像再構成法では、kが1より多少大きくてもウィンドミルはかなり抑制されることが分かる。このようにkの選択は任意である。
従来のzFFS法やその他の方法と比べてのウィンドミルの定量的な比較や、Z軸方向の空間分解能については、図22や図23により後述する。
(B4)実施例4
本発明の全く別の実施形態を示す。それはzFFS法を適用しないスキャン法の場合に本理論を適用することである。つまり、これまでの式において単にαiso=0とすれば良い。図20(a)に、αiso=0でスキャンし、k=1で画像再構成した結果を、図20(b)に、αiso=0でスキャンし、k=2で画像再構成した結果をそれぞれ示す。どちらも、特にk=1では図3の画像に比べて格段のウィンドミル抑制効果が得られる。ただし、αiso=0、即ちα=0であるから、k=1では前記の式(29)に示すように、また、後に示すSSPのデータ(図23)でも分かるように、Z軸方向のボケが無視できない。
k=2ではボケは僅少であるが、ウィンドミル画像はそれでも通常の画像再構成〔k=∞とすることに相当、即ち、見なし焦点位置や見なし検出器位置のシフトは無い(表1及び表2参照)〕による図3の画像に比べれば格段に改善しており、従来のzFFS法による図8の画像に比べても全体にややウィンドミルが強いものの、一部の場所については図8の画像よりも優れてすらいる。
従来のzFFS法やその他の方法と比べてのウィンドミルの定量的な比較や、Z軸方向の空間分解能については、図22や図23により後述する。
ここで、αiso=0かつk=2の画像について興味深い事実に触れておく。
前記の表1及び表2によれば、この場合、画像再構成における焦点位置は実際の焦点のまま、奇数ビューと偶数ビューの検出器位置はZ軸方向に1/4ピッチだけZ軸方向に前後して画像再構成するわけである。これは、奇数ビューと偶数ビューそれぞれわけて画像再構成したとすると、回転中心においてsisoの1/4だけZ軸方向に前後した位置にそれぞれ画像再構成していることになる。その合算は図20(b)の場合と同じである。
このことから、奇数ビューと偶数ビューとに分けずに、従来の画像再構成法のまま、画像化所望面よりsisoの1/4だけZ軸方向に前後した位置にそれぞれ画像を再構成し、その2枚を合算すると、図20(b)とほぼ同等な画像が得られるはずである。そのようにして得た画像が図21に示す画像である。この図21に示す画像において、ウィンドミルはほぼ図20(b)に示す画像と同等である。
そして、シャワーが殆どないが、それは奇数ビューと偶数ビューとに分けて処理をしないため、合算前のどちらの画像もビュー数が十分だからである。これはこれで良い方法である。ただし、2枚の画像を再構成して1枚の画像に仕上げるため、画像再構成の時間がかかる。そして、列数が32列や64列などと増えてくると、このような、奇数ビューと偶数ビューに分けずに従来の画像再構成法のまま画像化所望面よりsisoの1/4だけZ軸方向に前後した位置にそれぞれ画像を再構成しその2枚を合算するという方法は、αiso=0かつk=2の画像に比べ、回転中心ではほぼ同様の画質になるが、回転中心から離れるほどウィンドミル抑制程度が劣るかまたは後出のSSPが劣る、ということは比較的容易に理論予想がつく。詳細説明は省略する。
同様に、αiso=0かつk=1の画像は、奇数ビューと偶数ビューとに分けずに従来の画像再構成法のまま、画像化所望面よりsisoの1/2だけZ軸方向に前後した位置にそれぞれ画像を再構成しその2枚を合算するという方法によっても類似した特性の画像を得ることができる。これもまた良い方法である。しかしこれも、同様に列数が増えてくると、αiso=0かつk=1の画像に比べて違いが大きくなってきて、回転中心から離れるほどウィンドミル抑制程度が劣るか、または後出のSSPが劣る、ということは予想がつく。
ここで、これまで紹介した各ケースについてウィンドミルアーチファクトの定量比較をしたグラフを図22に示す。場所毎にウィンドミルの挙動が違うことは周知なので、代表的な3カ所について記した。即ち、図22の(1)は回転中心(図4のZ軸)の球周辺、図22の(2)は回転中心から半径140mm(図4の上から2番目の球)周辺、図22の(3)は回転中心から半径220mm(図4の1番上の球)周辺でのグラフをそれぞれ示している。
また、aで示すグラフは焦点フライング無し(αiso=0)でそのまま従来の画像再構成を行なった場合(図3相当)、bで示すグラフは焦点フライング無し(αiso=0)で本発明によるk=1で画像再構成を行なった場合〔図20(a)相当〕、cで示すグラフは焦点フライング無し(αiso=0)で本発明によるk=2で画像再構成した場合〔図20(b)相当〕、dで示すグラフは従来のzFFS法(αiso=0.25)でスキャンし、従来のzFFS通り(k=∞)で画像再構成した場合(図8相当)、eで示すグラフは本発明によるzFFS法(αiso=0.125)でスキャンし、本発明によるk=1で画像再構成した場合(図17相当)、fで示すグラフは本発明によるzFFS法(αiso=0.0625)でスキャンし、本発明によるk=1で画像再構成した場合(図18相当)である。
焦点フライングの無いa,b,cにおいては、どの場所でも本発明の画像再構成法のb,cのウィンドミルは従来の画像再構成のaよりも格段に抑制されている。回転中心を除いては、b,cは焦点のフライングのある従来のzFFS法のスキャン法と画像再構成法のdと比べてさえもそれほど劣らず、特にbはdよりも優れている。
焦点フライングのあるd,e,fでも、従来のzFFSのスキャン法と画像再構成法のdに比べて、本発明の小さなαisoによるスキャンと最適逆投影パスによる画像再構成のe,fではどの場所でも有意にウィンドミルを低減できることが明瞭である。この測定にはウィンドミル以外の、例えば微小なシャワーその他のアーチファクトが混入しているので、ウィンドミルの低減効果はこのグラフ以上のものがあると思われる。
図22に示したアーチファクト抑制の効果は、Z軸方向のボケの代償をある程度伴っているので、これも同時に評価しなければならない。
本発明による画像再構成法では、投影データを取得したそのままのパスに逆投影しないことに起因するZ軸方向のボケについてはある程度不可避である。しかし、その代償はウィンドミルの低減効果に比べてはるかに小さいことを示す。Z軸方向の空間分解能は一般にSSP(Slice Sensitivity Profile、再構成された画像のZ軸方向感度プロファイル、その幅が画像の厚さ)で議論されるので、SSPの半値幅で示す。
本発明による画像再構成法のSSPに対する影響は前記の式(29)により明瞭に示されており、これからSSPの半値幅も容易に計算できるが、計算ではなくシミュレーション実験で示すことにする。いわゆる微小球体法(ビーズ法)という評価法によるもので、Z=0の面内の各所に微小なX線減弱体を配置し、スキャンし、Z=0の近辺で微小なZの刻みで画像再構成をして微小球体のZ軸方向にじみを見たものが図23である。ただし、siso=1mm、焦点寸法1mm、16列マルチスライスCT、ヘリカルピッチ13であり、縦軸の単位はミリメートル(mm)である。また、a〜fは既述のスキャン条件a〜f(図22)に対応している。
このスキャン条件では、即ちヘリカルピッチが十分小さくない条件では、ウィンドミルアーチファクトの程度と同様にSSPも回転中心からの距離だけでなく回転角度方向の場所にも依存することは知られている。よって、回転中心から離れたr=220mmの場所について、SSPが最も良好な(狭い)場所〔図23の(2)〕と最も悪い(幅広い)場所〔図23の(3)〕との2カ所の値(半値幅)を示した。図23の(1)は回転中心のSSPの半値幅を示している。r=140mmの場所のSSPはr=0mmとr=220mmの中間的挙動なので、図23からは図示を割愛している。
図23を図22と対比しながら見ると、焦点のフライングの無いa,b,cにおいて、本発明の画像再構成によるb,cのSSP半値幅はaに対してウィンドミル抑制効果の程度ほどには増大しない。cは焦点のフライングのある従来のzFFS法と比べて回転中心以外ではウィンドミル抑制の程度は大差ないし、SSP半値幅は僅かに増大する程度である。即ち、回転中心以外では焦点をフライングしなくても従来のzFFS法にそれほど遜色ないのである。焦点のフライングの有るd,e,fにおいて、従来のzFFS法に比べ、フライング距離がその半分及びわずか1/4のe,fはウィンドミル抑制効果は顕著に優る一方、SSPの悪化は僅かである。
〔C〕システム構成と動作の概要
図24に、本実施形態に係るX線CT装置のシステム構成の概要を示す。
この図24に示すX線CT装置は、スキャナ部11、データ伝送装置15、スキャナ制御部16、ホスト計算機20、対話装置21、表示装置22、第1の記憶装置23、第2の記憶装置24、画像再構成装置25及びバス26をそなえて構成されている。
ここで、スキャナ部(X線検出系)11は、トンネル状診断用空間10内に撮像対象である被検体Pを受け入れるようになっており、被検体P(回転中心軸、Z軸)を挟んでX線源12とX線検出器13とが対向しつつZ軸の周りに回動可能に配置されている。当該回動は、X線源12とX線検出器13とが一体となった回動でもよいし、X線検出器13のみの回動でもよい。また、X線検出器13は、図1により前述したごとく複数の検出素子が二次元的に配列されてなる。また、X線検出器13には、DAS(データ収集装置)14が接続されている。
これにより、X線源12から照射されコーンビーム状に整形されたX線ビームが被検体Pを透過してX線検出器13の各検出素子により検出され、電気量となりDAS14でディジタル量のX線データに変換される。このX線データは、収集データとしてデータ伝送装置15を経てバス26に伝送される。
スキャナ部11は、バス26を介してスキャナ制御部16より動作制御される。スキャナ制御部16は、X線源12にX線曝射用の高電圧を供給する制御、スキャナ部11の回転制御、被検体Pを載せて(保持して)前記空間10内においてZ軸方向に移動(搬送)させるための寝台(被検体搬送部材あるいは被検体保持部材;図示せず)の動作(Z軸方向への定速移動)制御を担う。さらに、コーンビーム状に整形するX線ビームのZ軸方向(紙面前後方向)の厚さの制御も担う。また、必要に応じX線源12に対し、投影角度の1ステップごとに電磁的に焦点位置をZ軸方向前後に振らせるために必要な、制御信号および焦点の振り幅の指示信号を送る。
つまり、このスキャナ制御部16は、少なくともX線源12をZ軸の回りに回転させながら、各回転角度でX線源12から曝射されたX線に基づいて得られたX線データをX線検出器13および前記データ収集装置14に計測させるスキャン手段としての機能を果たしており、特に、本例では、前記回転中に被検体P(寝台)をZ軸方向に定速移動させることによりいわゆるヘリカルスキャンを行なうヘリカルスキャン手段として機能している。なお、図24において、当該スキャナ制御部16は、スキャナ部11の外に記しているが、スキャナ部11の中に配置されていてもよい。
また、「ヘリカルスキャン」は、通常、上記のように少なくともX線源12を被検体P(Z軸)の周りに回転させながら被検体P(寝台)をZ軸方向へ移動させることにより行なわれるが、例えば、前記寝台の有無を問わず被検体Pは移動(搬送)させずにX線源12を被検体P(Z軸)の周りに回転させながらZ軸方向(必ずしも水平方向とは限らない)へ移動させることで実現してもよい。つまり、少なくともX線源12を、被検体Pの回りに螺旋状の軌道を描くように、被検体Pとの関係で相対的に回転させるとともにZ軸方向に相対的に移動させることができれば足りる。したがって、実際上は考えにくいが、X線源12を固定した状態(回転もZ軸方向への移動もさせずに)被検体Pを回転させながらZ軸方向へ移動させることによるスキャンを排除するものではない。
ホスト計算機(コンピュータ)20は、システム全体の統括制御を行なうもので、特に、本例では、例えば記憶装置23,24の記憶内容(X線CT装置の画像再構成プログラムを含む)をバス26経由で読み取って実行することにより、先に詳細に説明した画像再構成方法、即ち、スキャナ制御部16及びスキャナ部11によって、X線源12とX線検出器13とをZ軸(回転中心軸)を挟んで対向しつつZ軸の回りに回転させるスキャン過程と、画像再構成装置25によって、当該スキャン過程での前記回転中にX線検出器13の検出素子で検出されたX線データを基に得られる二次元的な投影データを、当該投影データに関するX線経路とはZ軸方向について異なる経路に沿って逆投影する演算を施して、画像を再構成する画像再構成過程とを実行することができるようになっている。
換言すれば、本発明の画像再構成方法を実施するX線CT装置としての機能(各手段の全部又は一部の機能)は、ホスト計算機20が所定のアプリケーションプログラム(上記画像再構成プログラム)、あるいは、当該プログラムが組み込まれたOS(オペレーティングシステム)を実行することによって実現される。
そのプログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM,CD−R,CD−RW,MO,DVD等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、ホスト計算機20はその記録媒体から上記プログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置である記憶装置23や24に転送し格納して用いる。また、そのプログラムを、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
ここで、コンピュータとは、ハードウェアとOS(オペレーティングシステム)とを含む概念であり、OSの制御の下で動作するハードウェアを意味している。また、OSが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェアを動作させるような場合には、そのハードウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウェアは、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたプログラムを読み取るための手段とをそなえている。当該記録媒体としては、上述したフレキシブルディスク,CD−ROM,CD−R,CD−R,CD−RW,DVD,磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスクのほか、ICカード,ROMカートリッジ,磁気テープ,パンチカード,コンピュータの内部記憶装置(RAMやROM等のメモリ),外部記憶装置等の、コンピュータ読取可能な種々の媒体を利用することができる。
対話装置21は、操作器などの入力デバイスを備え、オペレータが必要な情報を入力できるようになっている。
表示装置22は、再構成された画像を表示するほか、オペレータがインタラクティブにシステムを操作するときに使用される。
第1および第2の記憶装置23,24は、磁気ディスクなどの記憶装置である。第1の記憶装置23には、システムのプログラム(前記X線CT装置の画像再構成プログラムを含む)やシステム定数のリスト、スキャン条件毎のX線源12の焦点の振り幅の選択表、画像再構成に用いるパラメータのリストなどが格納されている。第2の記憶装置24には、DAS14からの収集データおよびそれを後述する前処理部で処理したデータ、即ち、投影データが格納され、また後述するように再構成された画像データが格納される。なお、これらの記憶装置23,24としての機能は、単一の記憶装置の記憶領域を分けて実現してもよい。
画像再構成装置(画像再構成手段)25は、機能的には、収集データに各種の補正を行なう前処理部25Aと、この前処理部25Aに補正されたデータ、すなわち投影データにコンボリューションや補間を行なうコンボリューション・補間部25Bと、このコンボリューション・補間部25Bによりコンボリューション演算および補間演算が施されたデータを逆投影(バックプロジェクション)演算に付す逆投影(BP:Back Projection)部25Cとを有している。
前処理部25Aには、ヘリカルスキャンの投影データから画像再構成するに当たり、一断面の画像を再構成するに必要なだけの範囲の投影データを切り出してコンボリューション・補間部25Bに渡す機能も有する。また、逆投影部25Cは、軸方向に傾いたパスに従って三次元的に逆投影する機能を有する。即ち、各検出器列による投影データをそれぞれの列固有のZ軸に対する傾き角度で逆投影することができる。さらに、逆投影部25Cは、逆投影に際して発生するZ軸(体軸、回転軸)方向の補間を行なう機能も有する。
画像再構成装置部25にはさらに、前述した焦点の振り幅に関する量に対してふさわしい逆投影パスに関する情報を記憶する記憶部25Dとを備える。
ここで、焦点の振り幅に関する量とは、焦点の移動量であってもよいし、回転中心におけるX線ビームの振り幅αisoisoであってもよいし、スキャンスライス厚sisoに対する相対的振り幅αisoであってもよく、それぞれ換算関係にあるものでどれも本質的には同じ意味をもつ量である。以下ではαisoを用いる。
記憶部25Dの記憶する、振り幅に対してふさわしい逆投影パスに関する情報としては、典型的には、各sisoと各αisoとの組み合わせについて式(24)〜式(27)を用いて前もって作られた見なし焦点位置Zfo,Zfe、および、見なし検出器位置シフト量Zdo,Zdeの表である。この表は、典型的にはk=1として作られているが、設計者の求める画質特性により別の値であってもよいことは理論やシミュレーションで示した通りである。そして、これらの値は必ずしも固定したものでなく、操作者の選択等により必要に応じ書き換えられるものであってもよい。
また、記憶部25Dの機能としては、式(24)〜式(27)を記憶し、それらを用いてsisoやαisoから計算を実行して、見なし焦点位置Zfo,Zfe、及び、見なし検出器位置シフト量Zdo,Zdeを求めるものであってもよい。いずれにせよ、記憶部25Dの機能は、投影データをどのZ座標に逆投影するかを定めて逆投影部25Cに指示するものである。
どのZ座標に逆投影するかということの表現形には、見なし焦点位置や見なし検出器位置シフト量以外にも同等な結果をもたらす別の各種の表現形の自由度があるので、図22にはこれらの総称の意味で単にγと記している。γは式(23)にあるように、焦点が振られないときの中間位置にあるときの投影データのパスを基準とし、そこからどれだけ離れた場所にその投影データを逆投影するかを示す値である。
スキャンスライス厚sisoと焦点の振り幅とαisoとは、投影データおよびDAS14からのX線データの付帯情報であり、記憶部25Dはこれを格納し読み取られることができる。記憶部25Dは、画像再構成計算にあたって、sisoから見なし焦点位置Zfo,Zfeと見なし検出器位置シフト量Zdo,Zdeとについて適切な値を選択し、逆投影部25Cに送る。
図示しないが、X線源12から回転中心への距離やX線源12からX線検出器13への距離などの幾何学的情報は、第1の記憶装置23に保存されており、これもホスト計算機20を経由して記憶部25Dに渡され、逆投影部25Cに送られる。
このため、逆投影部25Cは、ビューごとに、投影データ取得時とはZ軸方向について所定量異なるパスに、投影データを逆投影する演算を行なうことができる。
次に、本実施形態に係るX線CT装置の動作の流れを、焦点の振り幅に関する量の設定と、適切な逆投影パスの設定とを中心に説明する。
オペレータは、スキャンスライス厚sisoを検査目的により選び、また、撮影視野寸法等も選択し、対話装置21に入力する。ホスト計算機20は、それに応じて適切な焦点振り幅を定める。焦点が中間位置からZ軸の前後に移動するとき、その移動量を回転中心に投影した値がαisoisoであるが、以下αisoで説明する。
αisoはsisoに応じて適正な値が前もって定められ、第1の記憶装置23に格納されている。その値は例えば次のようである。siso=0.5mmのときはαiso=0.2、即ちX線ビームは回転中心でZ軸方向に±0.1mm前後する。画像全域でzFFS法の有効性を確保するために、αisoは0.25よりも小さくすることが望ましい。しかしながら、あまり小さくすると、本発明による画像再構成法を適用した場合、Z軸方向のボケが僅かながらも発生するので、それを回避すべく0.25に近い値とする。αiso=0.2程度であればkを実用の範囲で如何様に選んでも、このZ軸方向のボケは事実上検知され得ないほどに微小である。
iso=1.0mmのときαiso=0.15、即ち、X線ビームは回転中心でZ軸方向に±0.15mm前後する。もっと大きく振っても良いが、X線源12の焦点の振り幅は例えばこれが現実的な設計として最大の値であるとしたものである。
iso=2.0mmのときαiso=0.075、即ちX線ビームは回転中心でZ軸方向に±0.15mm前後する。
その他、siso>1.0mmのときはどの場合も、X線ビームは回転中心でZ軸方向に±0.15mm前後し、αiso=0.15/sisoである。
ホスト計算機20は、sisoとともに第1の記憶装置23から該当するαisoを読み出してスキャナ制御部16に送る。スキャナ制御部16は、sisoとαisoとにより適切なコリメータ開口幅を定め、コリメータ開閉機構(図示せず)を駆動し、スキャンを開始するとともに、X線源12の焦点位置をαisoで定まる所定量だけ、ビューごとに前後させる。
スキャンとともにDAS14からの収集データは、逐次、第2の記憶装置24に格納される。このとき、その収集データにはスキャナ制御部からDASへ事前に渡されている(経路は図示せず)情報に基づき、DASによりsisoとαisoとが付帯情報として加わっている。
画像再構成にあたっては、第2の記憶装置24から収集データが読み出されて画像再構成装置25へ渡される。前処理部25Aは、収集データを補正して完全な投影データにし、この投影データは必要に応じ第2の記憶装置24へ戻されて格納され、この投影データにもsisoとαisoとは付帯情報として書き込まれる。
前処理部25Aは、所望画像化面を再構成するのに必要な投影データを抽出しコンボリューション・補間部25Bへ渡し、コンボリューション・補間部25Bは、投影データを検出器列内でコンボリューション処理と補間処理とを行ない、その結果を逆投影部25Cに渡す。
記憶部25Dは、各sisoと各αisoとから式(24)〜式(27)を用いて前もって作られた見なし焦点位置Zfo,Zfe、及び、見なし検出器位置シフト量Zdo,Zdeの表(表形式データ)を記憶しており、その表と当該投影データのsisoとαisoとにより、各ビューについて、見なし焦点位置Zfo,Zfe、及び、見なし検出器位置シフト量Zdo,Zdeを逆投影部25Cに渡す。
逆投影部25Cは、指示された見なし焦点位置Zfo,Zfe、及び、見なし検出器位置シフト量Zdo,Zdeを用いて逆投影を行なう。即ち、この逆投影されるパスはZ軸方向について投影データを取得したパスとはZ軸方向について所定量、所定角度でずれた位置、即ちZ軸方向に殆どボケをもたらさずにウィンドミルを抑制する最適な位置である。
以上により、ウィンドミルアーチファクトが少なく、かつ、Z軸方向に殆どぼけない画像が再構成される。
(C1)その他のシステム構成と動作の概要1
前述のシステム構成と動作の概要において、X線源12の焦点位置をZ軸方向に交互に振る場合について述べた。焦点位置を振らない場合にも、このシステム構成はほぼ同様であり、αiso=0として式(24)〜式(27)により、適正なk(典型的には1)を用いて見なし焦点位置Zfo、Zfeと、見なし検出器位置シフト量Zdo、Zdeの表は作成でき、これに基づきビューごとにZ軸方向について投影データを取得したパスとは所定量だけ異なるパスに逆投影することで、図18に示したようにウィンドミルアーチファクトの少ない画像を得ることができる。
(C2)その他のシステム構成と動作の概要2
前述のシステム構成と動作の概要において、逆投影演算部25Cは、三次元的な逆投影ができる、即ち、各検出器列による投影データをそれぞれの列固有のZ軸に対する傾き角度で逆投影することができると述べた。コーン角度を有するX線ビームでヘリカルスキャンをした場合でも、二次元的な逆投影をする逆投影演算部を持つ画像再構成装置で妥当な画像を得る手法として、例えば前記非特許文献5で開示されている方法がある。
これは画像再構成面としてZ軸に垂直な断面ではなく、ある傾いた断面(斜断面)を設定し、その斜断面になるべく近い角度を持つ投影データを集めて、それらの投影データパスはその斜断面と交叉せず斜断面内にあるものと近似して、二次元的な画像再構成を行なうものである。
この場合でも本発明は全く問題なく適用可能である。図25に示す画像再構成装置35は、そのような二次元的な逆投影をする逆投影演算部をもつ画像再構成装置に対して本発明を適用する場合の構成例であり、前処理部35A、コンボリューション・補間部35B、逆投影部35C及び記憶部35Dをそなえて構成される。なお、図示しない部分は図24に示すシステム構成と動作の概要において示したものと同様である。
ここで、記憶部35Dの機能は、既述の記憶部25Dと同様であるが、その出力の例えば見なし焦点位置Zfo、Zfeと、見なし検出器位置シフト量Zdo、Zdeの情報は前処理部35Aに渡される。前処理部35Aは、前処理部25Aの機能の他に、ヘリカルスキャンの軌道と各画像化位置のZ座標に応じて、適切な斜断面の角度と位置を設定するが、その際に、真の焦点位置と検出器位置ではなく、見なし焦点位置Zfo、Zfeと、見なし検出器位置シフト量Zdo、Zdeの情報に基づき、当該斜断面になるべく近い角度を持つ投影データを集める。
集められた投影データを全て当該斜断面内にあるものと近似してコンボリューション・補間部35Bは、コンボリューション・補間を行ない、逆投影部(BP)35Cは、コンボリューション・補間された投影データを当該斜断面に逆投影する。この結果、真に投影データを得たパスからZ軸方向について所定量だけ異なるパスに、即ち、Z軸方向に殆どボケをもたらさずにウィンドミルを抑制する最適な位置に逆投影するという本発明は自動的に達成される。
(C3)その他のシステム構成と動作の概要3
これまで、X線ビームがコーン角をもっているとして取り扱うマルチスライスCTについての実施例を記した。しかし、例えば4列のような列数の少ないマルチスライスCTにおいては、X線ビームはコーン角をもっているが、画像再構成にあたってはコーン角を全く無視して取り扱うのが普通である。その画像再構成法は例えば下記参考文献に詳しく述べられており、一般にHFI(Helical Filter Interpolation)と呼ばれている。
コーン角を無視することで画像再構成計算が簡略になるので、普及型のマルチスライスCTでは十分実用になっている方法である。なお、このような普及型のマルチスライスCTでは無論zFFSのような高価な技術は用いられていない。
(参考文献)K Taguchi,H Aradate、“Algorithm for image reconstruction in multi-slice helical CT.”、Med. Phys. 1998;25(4):550-561
この場合にもウィンドミルは問題となる。というよりも、むしろ列数の多いマルチスライスCTの場合よりもスキャンスライス厚sisoを厚くしてスキャンすることが多いので、より深刻である。
そして、このような画像再構成法でも本発明は有効である。このHFIについて簡単に説明する。
図26は、例えば回転中心軸を通る投影データについて見たZ軸方向サンプリング点を示している。下向き点線矢印で示す上からの投影データが4列ある。これらを「Normal Ray」と技術用語で称する。コーン角を無視しているので、まっすぐ上から平行して描かれることになる。Z軸サンプリングピッチはsであるが、これはコーン角を無視しているので、回転中心でなくてもsは回転中心における値sisoとして扱われる(つまり、s=siso)。半回転進むとヘリカル運動によりサンプリング点がずれて(図26の距離X参照)下からの上向き点線矢印で示す4列の投影データが得られる。これらを「Complementary Ray」と称する。
「Normal Ray」と「Complementary Ray」とはほぼ同じ線上を通るが、方向が互いに180度反対方向という関係にあり、このような組を「対向関係」にあるという。対向関係にある投影データは画像再構成において向きの違いを区別することなく同等に扱うことができる。
画像再構成をするにあたり、画像再構成面の最寄りにある両者の投影データを集めて再構成計算に供する。そのとき、投影データ使用範囲(図26参照)を決める。広い範囲を取れば厚い画像ができる。狭い範囲を取れば薄い画像ができる。投影データ使用範囲の中にある投影データを使うのだが、その際、補間を行なうこと、および画像再構成面からの距離で重み付けをするのが一般である。
即ち、図26に示すように、投影データ使用範囲にある投影データ(点線矢印b,cの投影データ)を重み付け補間して新たな投影データを得て、それが画像再構成面にあるものとして画像再構成計算をするのである。ここで、上向き点線矢印bの投影データは大きな重みで使い、下向き点線矢印cの投影データは小さな重みで使う。なお、下向き点線矢印aの投影データは投影データ使用範囲に隣接しているので、補間によりわずかの重みで画像に寄与する。
なお、「Normal Ray」と「Complementary Ray」の位置関係は、ファン角度φによって変わるものである。図26中の距離Xは次式(30)のような関数となる。hはヘリカルピッチである。
Figure 0005007982
HFI法を実行する画像再構成装置はこれを計算した上で、各φごとに画像再構成面の最寄りにある「Normal Ray」と「Complementary Ray」とはどの列の投影データであるか算出し、所定範囲にある投影データを集めて再構成計算に供する。
次に、本発明をHFI法に適用した画像再構成法について述べる。なお、列数の少ない普及型のマルチスライスCTでもzFFS法を行なうことと、zFFS法向けにHFI法を修正することとは十分に可能であるし、その場合に本発明で示した改良型のzFFS法とそれによる画像再構成法を適用することもできるが、ここまで示してきている範囲でそれは容易推考である。ここではあくまでzFFS法は無いとする。それでも本発明の理論を適用して効果を発揮できるのである。
標準的HFI法に本発明を適用した状況を図27に示す。
「Normal Ray」と「Complementary Ray」の中点に×印で示す基準サンプリング点をとり、このサンプリング位置が間隔s(本例の場合はコーン角を無視するのでsisoと同じ)で並んでいるとし、この位置を図14中に示す×印の位置に相当させ、×印の位置から「Normal Ray」と「Complementary Ray」はそれぞれ図27中の矢印の向きにαs(本例の場合はコーン角を無視するのでαisoisoと同じ)だけ離れているとして、理論を展開させていくと、式(1)から式(19)に至る場合と同様となる。
即ち、「Normal Ray」と「Complementary Ray」のそれぞれを×印の位置から図27中の矢印の向きにγs離れた所に再配置してデータを用いるのである。好ましいγ(本例の場合はコーン角を無視するのでγisoと同じ)の値は式(18)に示したものと同じ式である。式(18)に適用するkの値としてやはり1前後がウィンドミルを抑制するのに最善であることも同様である。
このようにして再配置した結果は図27中に実線矢印で示される位置であり、先述の投影データa,b,cは図26の場合とは異なり、下向き点線矢印aの投影データは比較的大きな重みで用いられることになる。これに対し、下向き点線矢印cの投影データの寄与は低減する。これが図26との違いである。
なお、コーン角を無視したといえどもαはファン角度φの関数である。それは図26に示す距離Xが式(30)のようにφの関数だからである。しかし、HFI法においてXは計算に織り込み済みであるから、ファン角度φごとにαを求めることは容易である。従って、ファン角度φごとに適正なγを定めることに何の困難も無い。
以上を実施するシステムは、図的には前記「(C2)その他のシステム構成と動作の概要2」における図25と同じである。
この場合、記憶部35Dの機能は、αからγを計算する式を記憶し、前処理部35Aに提供する。前処理部35Aは、操作者から指定された厚さの画像を作るために必要なデータ使用範囲を求め、所定の画像再構成面の画像を再構成計算するのに用いられるべき投影データを取り出すが、その際に、投影データはαの位置ではなくγの位置にあるものとして取り出す。
取り出された投影データはコンボリューション・補間部35Bに渡され、コンボリューション・補間部35Bの出力は逆投影部35Cに渡される。この場合、逆投影部35Cは「(C2)その他のシステム構成と動作の概要2」の場合と異なり、斜断面ではなくZ軸に垂直な断面の二次元面に対し逆投影をする。その際、投影データは全てこの二次元面内にあるものとして逆投影するものである。
以上により、コーン角を全く無視した画像再構成法を採るCTシステムにおいても、ウィンドミルが大幅に緩和され、画像スライス厚は殆ど膨らまない良好な画像を得ることができる。
〔D〕その他の変形例
(D1)変形例1
以上の実施例において、zFFS法を行なう場合、即ち、焦点の前後移動をする場合は、ヘリカルスキャンを行なうときについて記した。そして、具体的な画像や定量データはヘリカルピッチ13のときについて示した。しかし、詳細は記さないが他の各種のヘリカルピッチにおいても著効を得ることは確認しており、理論もヘリカルピッチとは全く無関係に成立している。
この極限として、ヘリカルスキャンではなくZ軸方向への被検体の定速移動のない一回転スキャン(いわゆるコンベンショナルスキャン)についても、本発明は適用できる。即ち、焦点位置の前後移動は、Z軸移動のない一回転スキャンにおいてもZ軸方向サンプリングを細かくするという意味はあり、この場合にも本発明は適用可能である。即ち、奇数ビュー偶数ビューそれぞれに、投影データを取得したパスどおりに逆投影せずにそれとはZ軸方向について所定量だけ異なるパスに逆投影するのである。
(D2)変形例2
以上の理論説明と実施例において、焦点位置を振る場合は、投影角度の1ステップごとに即ち奇数番目と偶数番目との各ビューについて焦点位置を振るものとし、それぞれに対して適切な逆投影位置を選ぶものとした。しかし、この焦点位置の振り方とそれに適する画像再構成のありかたは一例に過ぎない。
他の例として、例えばビュー番号を0,1,2,3,4,5と付したとして、これまでの説明例では−,+,−,+,−,+というように交互に振るが、−,0,+,−,0,+と振っても良い。0は振らないという意味である。この場合、ビュー番号0,1,2を1つの組として、即ち、−,0,+の3種の焦点位置について、奇数ビュー偶数ビューで式(1)から式(18)に至る理論式と同様の式を立てることは容易であり、委細は省略するがこの場合は式(18)の代わりに、次式(31)で表される逆投影位置が最もエリアスが少ない、即ちウィンドミルが少ないという結論となる。
Figure 0005007982
即ち、3つのビューのうち焦点位置を振らないビューはそのままのパスに逆投影し、振ったビューはこのγの値だけ、焦点位置を振らないときの投影データパスからZ軸方向にずらして逆投影する。
つまり、奇数ビューと偶数ビューと交互に焦点を振るというのは最も簡易な一例に過ぎない。焦点の振り方は任意であり、それに対応する適切な画像再構成のありかたは本発明で示した理論で求め得る。そして、どの場合も、投影データが実際に取得されたパスとは所定量だけ異なるパスで投影データが得られたと見立てて画像再構成するのが最善であるということになるのである。
(D3)変形例3
これまでの種々の実施例や変形例から分かるように、本発明の理論をより普遍的な形で表現すれば、Z軸方向の投影データ取得位置の配列が等間隔であれば、従来技術通り投影データを取得したパスに沿って逆投影するのが最善であるが、Z軸方向の投影データ取得位置の配列が等間隔でなければ、その配列状態に応じて、それらデータが逆投影されるべき最適のZ位置があるということである。
このように、本発明の骨子は、Z軸方向の投影データ取得位置の配列に応じて、画像再構成にあたり、それら投影データを逆投影するべきパスは投影データ取得時のパスとは意図的に異なる位置に選ぶというものである。
そして、投影データのZ軸方向配列ピッチが不均等となる状況は、焦点を振らなくても起きる。マルチスライス型CTでヘリカルスキャンを行なえば、それだけで投影データのZ軸方向配列ピッチは不均等となる。例えば、ヘリカルピッチが小さければある投影角度の投影データと、一回転して同じ投影角度となったときの投影データとは、X線ビームが互いに重なるが、その状態で両者の投影データパスを並べれば互いに間を縫うようにはなっているが、均等間隔ではなく、不均等配列である。その配列の不均等の様子は回転中心からの距離依存である。
また、ヘリカルピッチが大きくても、ある投影角度と半回転後ではX線ビームが互いに重なり、両者の投影データパスを並べればやはり互いに間を縫うようにはなっているが、均等間隔ではなく、不均等配列であり、その配列の不均等の様子は場所依存である。このような場合にも、それら投影データを逆投影するべきパスは、投影データを取得したパスとは違うことを本発明は示している。
このマルチスライス型CTでのヘリカルスキャンそれ自身による不均等サンプリングピッチの問題についても本発明は適用され、その最も容易な具体例として、コーン角を無視した画像再構成法を採る場合への本発明の適用は「(C3)その他のシステム構成と動作の概要3」で述べた。同様に、コーン角を無視しないより正確な画像再構成法の場合にも、本発明で示したように、不均等サンプリングピッチの状況に最適な逆投影パスを設定する画像再構成法によりマルチスライスCTのヘリカルスキャンにおいてよりアーチファクトの少ない高画質の画像を得ることが期待される。
(D4)変形例4
以上のごとく、投影データが実際に取得されたパスとは所定量だけ異なるパスで投影データが得られたと見立てて画像再構成するのが本発明の骨子である。この概念を実施するにあたり最も簡明で具体的な方法として、見なし焦点位置および見なし検出器位置シフト量という方法を例示したが、他にも本発明の具体的実施法は多数存在する。
例えば、見なし検出器位置シフト量はゼロとし、そのぶん見なし焦点位置は大きくずらして奇数ビューだけで画像再構成する。同様に、偶数ビューだけの画像再構成を行なう。これで両者の画像群は、本発明の指示するZ軸方向についての適正な角度で逆投影されたことになるが、両者の画像群は見なし検出器位置シフト量をゼロとしたことに起因する所定量だけ互いにZ軸で位置がずれたところにできる。
このズレ量だけずれている2つの画像を加算すれば、本発明の具体例で開示したのと全く同じ画像ができる。見なし焦点位置を中点に固定して、見なし検出器位置シフト量をそのぶん変更して同様なことを行なっても良い。これらもまた、投影データが実際に取得されたパスとは所定量だけ異なるパスで投影データが得られたと見立てて画像再構成したことに他ならない。
(D5)変形例5
これまで種々述べた例で分かるように、本発明の骨子は次のようにまとめられる。
焦点のフライングによるZ軸方向不均等間隔サンプリングであれ、マルチスライス型CTでヘリカルスキャンを行なうと自ずから発生するZ軸方向不均等間隔サンプリングであれ、原因の如何を問わず、不均等間隔サンプリングとなっている場合は、画像上のある画素が最も影響を受けるべき投影データは投影データ取得時にその画素に最も近いパスを通過した投影データではないという認識のもとに、その画素が最も影響を受ける投影データはその画素からZ軸上に所定量だけ離れたパスを通過した投影データであるように画像再構成する。これが本発明による画像再構成法である。そして、これを実行するための変形例は本発明で示した具体例の他に多数存在し得るのであり、それら変形は本発明の骨子を理解した当業者には容易に推考できるのである。
以上詳述したように、本発明によれば、投影データをX線経路とはZ軸方向について異なる経路に沿って逆投影する演算を施して、画像を再構成するので、再構成画像の異常パターン、特に、ウィンドミルアーチファクトと呼ばれる異常パターンの発生を従来よりも抑制した、より高精細な画像(再構成画像)が得られ、異常パターンによる誤診ないし診断困難の可能性を減らし、検査時間を大幅に短縮することが可能となり、CT診断の価値向上に大きく寄与する。したがって、医療技術分野において極めて有用と考えられる。

Claims (21)

  1. X線を曝射するX線源と、
    前記X線源に対し所望の回転中心軸を挟んで対向して配置されるとともに、前記X線源の前記回転中心軸に沿う方向であるZ軸方向および前記Z軸方向と交差する方向に二次元的に複数配列された検出素子からなるX線検出器(または検出器という)と、
    前記検出器における複数の検出素子によるX線検出データを収集するデータ収集部と、
    前記X線源と前記検出器とを前記回転中心軸の回りに回転させながら、各回転角度で前記X線源からX線を曝射することにより前記検出器で検出される前記X線検出データを前記データ収集部に収集させるスキャン手段と、
    前記収集されたX線検出データを加工して得られた二次元的な投影データを、前記検出時のX線の経路とは前記Z軸方向について異なる経路に沿って、逆投影する演算を施して画像を再構成する再構成手段とを備えたことを特徴とする、X線CT装置。
  2. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    前記X線源の焦点位置は、前記回転角度ごとにZ軸方向において正負に交互に移動するように構成されていることを特徴とする、X線CT装置。
  3. 請求項2に記載のX線CT装置において、
    前記X線源の焦点の交互移動のいずれかの位置で取得される投影データは、前記回転中心軸上においてZ軸方向に沿いサンプリングピッチsiso、で配列され、
    前記交互の焦点位置で得られたそれぞれの投影データのZ軸方向配列位置は、交互の焦点位置の中点に焦点があるときに得られる投影データのZ軸方向配列位置に対し、前記回転中心軸においてサンプリングピッチsisoのαiso(正の値)倍だけ離れているものとしたとき、前記αisoが4分の1未満の値となるように前記X線源の焦点の交互移動量が定められていることを特徴とする、X線CT装置。
  4. 請求項3に記載のX線CT装置において、
    前記交互の焦点位置で得られたそれぞれの投影データを逆投影するZ軸方向位置は、前記交互の焦点位置の中点に焦点があるときに得られる投影データのZ軸方向配列位置に対し前記回転中心軸上において、サンプリングピッチsisoのγiso(正の値)倍だけ離れているものであり、前記γisoは前記αisoより
    Figure 0005007982
    に近い値であり、前記kは無限大ではない値であることを特徴とする、X線CT装置。
  5. 請求項4に記載のX線CT装置において、
    前記kは略1乃至2の値であることを特徴とする、X線CT装置。
  6. 請求項2に記載のX線CT装置において、
    前記X線源の焦点の交互の位置で取得された投影データを前記再構成手段で逆投影するにあたり、
    前記焦点へ向かって前記回転中心軸から離れる距離をrとし、前記rでの位置において、
    前記投影データのうち前記回転中心軸の近傍を通過して得られた投影データについて着目した場合、そのZ軸方向配列ピッチsは前記rの関数s(r)として表現され、そのZ軸方向位置は交互の焦点位置の中点に焦点があるときに得られる投影データの配列のZ軸方向位置よりα(r)s(r)だけ離れているとして表現され、
    前記着目投影データが逆投影される位置は、交互の焦点位置の中点に焦点があるときに得られる投影データの配列の前記rにおけるZ軸方向位置に対しγ(r)s(r)だけ離れているものであり、
    前記γ(r)は前記α(r)とは有意に異なり、前記α(r)より
    Figure 0005007982
    に近い値であり、前記kは無限大ではない値であることを特徴とする、X線CT装置。
  7. 請求項6に記載のX線CT装置において、前記kは略1乃至2の値であることを特徴とする、X線CT装置。
  8. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    前記X線源の焦点位置は、前記回転角度ごとにZ軸方向に交互に移動しないように構成されていることを特徴とする、X線CT装置。
  9. 請求項8に記載のX線CT装置において、
    前記X線源の焦点の位置で取得された投影データを前記再構成手段で逆投影するにあたり、
    前記投影データは前記回転中心軸上においてZ軸方向にサンプリングピッチsisoで配列され、
    前記投影データは取得された位置から前記回転中心軸上においてZ軸方向にサンプリングピッチsisoの±γiso倍だけZ軸方向に離れた位置に逆投影されるように構成され、
    前記γisoの正負は一投影角毎に交番するものであり、前記γisoは0ではなく1/2程度までの値であることを特徴とする、X線CT装置。
  10. 請求項8に記載のX線CT装置において、
    前記X線源の焦点の位置で取得された投影データを前記再構成手段で逆投影するにあたり、
    前記焦点へ向かって前記回転中心から離れる距離をrとし、前記rの位置において、
    前記投影データのうち前記回転中心軸の近傍を通過して得られた投影データについて着目した場合、そのZ軸方向配列ピッチsは前記rの関数s(r)として表現され、
    前記投影データが逆投影される位置は取得されたときの位置からZ軸方向に±γ(r)s(r)だけ離れているとして表現され、
    前記γ(r)s(r)の正負は一投影角毎に交番するものであり、
    前記γ(r)はゼロではなく、1/2kに近い値であり、前記kは略1乃至2の値であることを特徴とする、X線CT装置。
  11. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    前記再構成手段が前記投影データを用いて画像を再構成するにあたり、
    前記投影データが取得されたときの前記X線源の実際の焦点の位置とは所定量だけZ軸方向に異なる位置として定義される見なし焦点位置と、
    前記投影データが取得されたときの前記検出器の実際の位置とは所定量だけZ軸方向に異なる位置として定義される見なし検出器位置とをそれぞれ設定し、
    前記再構成手段が前記の見なし焦点位置と見なし検出器位置の各列部を結ぶ面に沿って逆投影するように構成したことを特徴とする、X線CT装置。
  12. 請求項11に記載のX線CT装置において、
    前記X線源の焦点位置は前記回転角度ごとにZ軸方向において正負に交互に移動するように構成されており、
    前記焦点の交互移動のいずれかの位置で取得される投影データは前記回転中心軸上においてZ軸方向にサンプリングピッチsisoで配列され、
    前記焦点の交互移動位置と前記検出器の各列部とを結ぶ面は前記回転中心軸において、前記交互の焦点位置の中点に焦点があるときに得られる投影データの配列の前記回転中心軸上における位置に対し、それぞれサンプリングピッチsisoのαiso(正の値)倍だけ離れているものとし、
    前記見なし焦点位置は、略
    Figure 0005007982
    であり、
    前記見なし検出器位置は、真の検出器位置から略
    Figure 0005007982
    だけ離れた位置であり、
    前記の見なし焦点位置及び見なし検出器位置の正負は前記投影データが取得されたときの焦点のZ軸方向位置の正負で切り替えて用いるものとし、
    前記RFDは焦点の交互移動の中点から検出器面までの距離であり、前記RFは焦点交互移動の中点から回転中心までの距離であり、
    前記kは0でも無限大でもない値であることを特徴とする、X線CT装置。
  13. 請求項12に記載のX線CT装置において、前記kは略1乃至2の値であることを特徴とする、X線CT装置。
  14. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    前記再構成手段が前記投影データを用いて画像を再構成するにあたり、
    前記投影データが取得されたときの前記X線源の実際の焦点の位置とは所定量だけZ軸方向に異なる位置として定義される見なし焦点位置と、
    前記投影データが取得されたときの前記検出器の実際の位置とは所定量だけZ軸方向に異なる位置として定義される見なし検出器位置との、いずれかあるいは両方を設定し、
    前記の見なし焦点位置と見なし検出器位置の両方を設定したときは、前記の見なし焦点位置と見なし検出器位置の各列を結ぶ面に沿って、逆投影するとともに、
    前記の見なし焦点位置と見なし検出器位置の片方だけを設定したときは、真の焦点位置もしくは前記の見なし焦点位置と見なし検出器位置もしくは前記真の検出器位置の各列部とを結ぶ面に沿って、逆投影するように構成したことを特徴とする、X線CT装置。
  15. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    ヘリカルスキャンを行なうものであり、
    前記投影データを逆投影するにあたり、逆投影される位置は前記投影データの取得パスとはZ軸方向に異なる位置となるように前記投影データを使用するものであり、
    そのZ軸方向の位置のずれ方は、対向関係にある投影データの一つをZ軸方向について正の方向にずれ、前記対向関係にある他方の投影データはZ軸方向について負の方向にずれる関係にあるものであることを特徴とする、X線CT装置。
  16. X線を曝射するX線源と、前記X線源に対し所望の回転中心軸を挟んで対向して配置されるとともに、前記X線源の前記回転中心軸に沿う方向であるZ軸方向および前記Z軸方向と交差する方向に二次元的に複数配列された検出素子からなるX線検出器(または検出器という)と、前記検出器における複数の検出素子によるX線検出データを収集するデータ収集部とをそなえ、前記X線源と前記検出器とを前記回転中心軸の回りに回転させながら、各回転角度で前記X線源からX線を曝射することにより前記検出器で検出される前記X線検出データを前記データ収集部に収集させ、この収集されたX線検出データを加工して得られた二次元的な投影データに基づいて画像を再構成するX線CT装置において、
    前記二次元的な投影データを、前記検出時のX線の経路とはZ軸方向について異なる経路に沿って、逆投影する演算を施して画像を再構成することを特徴とする、X線CT装置の画像再構成方法。
  17. 請求項16に記載のX線CT装置の画像再構成方法において、
    前記X線CT装置がヘリカルスキャンを行なうものであり、
    前記画像を再構成する際に、
    前記投影データを逆投影するにあたり、逆投影される位置は前記投影データの取得パスとはZ軸方向に異なる位置となるように前記投影データを使用し、
    Z軸方向の位置を、対向関係にある投影データの一つについてはZ軸方向に関し正の方向にずらし、前記対向関係にある他方の投影データについてはZ軸方向に関し負の方向にずらすことを特徴とする、X線CT装置の画像再構成方法。
  18. X線を曝射するX線源と、
    二次元配列された複数の検出素子を有し、前記X線源に対し所望の回転中心軸を挟んで対向して配置されたX線検出器と、
    前記X線源を前記回転中心軸の回りに回転させながら前記検出素子で検出されたX線検出データを基に得られる二次元的な投影データを、前記検出時のX線経路とは前記回転中心軸に沿う方向であるZ軸方向について異なる経路に沿って、逆投影する演算を施して画像を再構成する画像再構成手段とを備えたことを特徴とする、X線CT装置。
  19. X線を曝射するX線源と、二次元配列された複数の検出素子を有するX線検出器とを所望の回転中心軸を挟んで対向しつつ前記X線源を回転中心軸の回りに回転させるスキャン過程と、
    前記スキャン過程での前記検出素子での検出結果を基に得られる二次元的な投影データを、前記検出時のX線経路とは前記回転中心軸に沿う方向であるZ軸方向について異なる経路に沿って、逆投影する演算を施して画像を再構成する画像再構成過程とを有することを特徴とする、X線CT装置の画像再構成方法。
  20. コンピュータに読み込まれて実行されることによりX線CT装置の画像再構成方法を実行するX線CT装置の画像再構成プログラムであって、
    前記コンピュータに、
    X線を曝射するX線源と、二次元配列された複数の検出素子を有するX線検出器とを所望の回転中心軸を挟んで対向しつつ前記X線源を回転中心軸の回りに回転させるスキャン過程と、前記スキャン過程での前記検出素子での検出結果を基に得られる二次元的な投影データを、前記検出時のX線経路とは前記回転中心軸に沿う方向であるZ軸方向について異なる経路に沿って、逆投影する演算を施して画像を再構成する画像再構成過程とを実行させることを特徴とする、X線CT装置の画像再構成プログラム。
  21. X線を曝射するX線源と、
    前記X線源に対し所望の回転中心軸を挟んで対向して配置されるとともに、前記X線源の前記回転中心軸に沿う方向であるZ軸方向および前記Z軸方向と交差する方向に二次元的に複数配列された検出素子からなるX線検出器(または検出器という)と、
    前記検出器における複数の検出素子によるX線検出データを収集するデータ収集部と、
    前記X線源と前記検出器とを前記回転中心軸の回りに回転させるとともに前記X線源と前記検出器との間に位置する被写体に対して相対的に前記Z軸方向へ移動させながら、各回転角度で前記X線源からX線を曝射することにより前記検出器で検出される前記X線検出データを前記データ収集部に収集させるヘリカルスキャン手段と、
    前記X線源の焦点位置を、前記回転角度ごとに前記Z軸方向において正負に交互に移動させる手段と、
    前記収集されたX線検出データを加工して得られた二次元的な投影データを、前記検出時のX線の経路とは前記Z軸方向について異なる経路に沿って、逆投影する演算を施して画像を再構成する再構成手段とを備え、
    前記X線源の焦点の交互の位置で取得された投影データを前記再構成手段で逆投影するにあたり、
    前記焦点へ向かって前記回転中心軸から離れる距離をrとし、前記rでの位置において、
    前記投影データのうち前記回転中心軸の近傍を通過して得られた投影データについて着目した場合、そのZ軸方向配列ピッチsは前記rの関数s(r)として表現され、そのZ軸方向位置は交互の焦点位置の中点に焦点があるときに得られる投影データの配列のZ軸方向位置よりα(r)s(r)だけ離れているとして表現され、
    前記着目投影データが逆投影される位置は、交互の焦点位置の中点に焦点があるときに得られる投影データの配列の前記rにおけるZ軸方向位置に対しγ(r)s(r)だけ離れているものであり、
    前記γ(r)は前記α(r)とは有意に異なり、前記α(r)より
    Figure 0005007982
    に近い値であり、前記kは略1乃至2の値であることを特徴とする、X線CT装置。
JP2008522497A 2006-06-22 2007-06-20 X線ct装置及び同装置の画像再構成方法並びに画像再構成プログラム Expired - Fee Related JP5007982B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008522497A JP5007982B2 (ja) 2006-06-22 2007-06-20 X線ct装置及び同装置の画像再構成方法並びに画像再構成プログラム

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006173123 2006-06-22
JP2006173123 2006-06-22
PCT/JP2007/062428 WO2007148725A1 (ja) 2006-06-22 2007-06-20 X線ct装置及び同装置の画像再構成方法並びに画像再構成プログラム
JP2008522497A JP5007982B2 (ja) 2006-06-22 2007-06-20 X線ct装置及び同装置の画像再構成方法並びに画像再構成プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007148725A1 JPWO2007148725A1 (ja) 2009-11-19
JP5007982B2 true JP5007982B2 (ja) 2012-08-22

Family

ID=38833465

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008522497A Expired - Fee Related JP5007982B2 (ja) 2006-06-22 2007-06-20 X線ct装置及び同装置の画像再構成方法並びに画像再構成プログラム

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7764763B2 (ja)
EP (1) EP2036498A1 (ja)
JP (1) JP5007982B2 (ja)
WO (1) WO2007148725A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102203816B1 (ko) 2018-08-13 2021-01-18 오스템임플란트 주식회사 2d 영상정합 및 3d 영상 재구성에 기반한 파노라마 영상 생성 방법, 파노라마 영상 생성 장치 및 컴퓨터 판독 가능한 기록 매체

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5537132B2 (ja) * 2008-12-11 2014-07-02 株式会社東芝 X線コンピュータ断層撮影装置、医用画像処理装置、及び医用画像処理プログラム
JP5595669B2 (ja) * 2009-03-17 2014-09-24 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー X線ct装置
JP2011019802A (ja) * 2009-07-17 2011-02-03 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc X線ct装置
JP5727277B2 (ja) * 2010-04-06 2015-06-03 株式会社東芝 X線ct装置
FI125528B (fi) 2010-04-29 2015-11-13 Planmed Oy Lääketieteellinen röntgenkuvauslaitteisto
EP2546804A1 (en) * 2011-07-10 2013-01-16 Dürr Dental AG Method and tomography apparatus for reconstruction of a 3D volume
JP5872212B2 (ja) * 2011-09-08 2016-03-01 株式会社東芝 マルチスライスct装置及びデータ前処理方法
WO2013111813A1 (ja) * 2012-01-27 2013-08-01 株式会社 東芝 医用画像処理装置
JP5978516B2 (ja) * 2013-01-28 2016-08-24 株式会社日立製作所 X線ct装置及び画像再構成方法
WO2014192831A1 (ja) * 2013-05-28 2014-12-04 株式会社東芝 医用画像診断装置及び制御方法
JP6321405B2 (ja) * 2014-02-27 2018-05-09 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー 画像生成装置、放射線断層撮影装置及び画像生成方法並びにプログラム
JP6345053B2 (ja) * 2014-09-12 2018-06-20 キヤノン株式会社 断層画像撮影システム
US9538974B2 (en) * 2014-11-20 2017-01-10 General Electric Company Methods and systems for correcting table deflection
CN104978717A (zh) * 2015-06-11 2015-10-14 沈阳东软医疗系统有限公司 Ct重建图像的处理方法、装置及设备
US10602993B2 (en) * 2018-05-18 2020-03-31 FMI Medical Systems Co., Ltd. Image reconstruction for Z-flying focal spot tomography
CN110559008B (zh) * 2019-09-03 2022-10-25 明峰医疗系统股份有限公司 一种正电子断层扫描及重建方法
CN110584697B (zh) * 2019-09-22 2022-06-07 广东明峰医疗科技有限公司 一种校准飞焦点控制和数据采集之间相位差的方法
CN113017663B (zh) * 2021-01-28 2024-01-16 明峰医疗系统股份有限公司 一种ct扫描数据采集方法及系统、ct扫描仪
US20230141925A1 (en) * 2021-11-08 2023-05-11 Washington University Motion free ct sampling with electron beam scanning and time delay integration detector

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005279282A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Toshiba Corp 風車アーチファクト削減用の半径内画像依存検出器列フィルタリング方法、x線ct装置及びプログラム
JP2006043431A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Toshiba Corp ヘリカルマルチスライスctのための回復ノイズを伴うヘリカルウィンドミルアーチファクトを低減する方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2914891B2 (ja) 1995-07-05 1999-07-05 株式会社東芝 X線コンピュータ断層撮影装置
US6272200B1 (en) * 1999-07-28 2001-08-07 Arch Development Corporation Fourier and spline-based reconstruction of helical CT images
US6332013B1 (en) * 1999-12-28 2001-12-18 General Electric Company Methods and apparatus for tilted helical reconstruction multislice CT
US6529575B1 (en) * 2002-04-29 2003-03-04 Ge Medical Systems Global Technology Company, Llc Adaptive projection filtering scheme for noise reduction
JP4409223B2 (ja) 2003-07-24 2010-02-03 東芝医用システムエンジニアリング株式会社 X線ct装置及びx線ct用逆投影演算方法
US7379525B2 (en) * 2004-12-15 2008-05-27 General Electric Company Method and system for efficient helical cone-beam reconstruction
CN101416072B (zh) * 2005-09-02 2012-03-14 皇家飞利浦电子股份有限公司 用于计算机断层造影成像的改进的重组

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005279282A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Toshiba Corp 風車アーチファクト削減用の半径内画像依存検出器列フィルタリング方法、x線ct装置及びプログラム
JP2006043431A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Toshiba Corp ヘリカルマルチスライスctのための回復ノイズを伴うヘリカルウィンドミルアーチファクトを低減する方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102203816B1 (ko) 2018-08-13 2021-01-18 오스템임플란트 주식회사 2d 영상정합 및 3d 영상 재구성에 기반한 파노라마 영상 생성 방법, 파노라마 영상 생성 장치 및 컴퓨터 판독 가능한 기록 매체

Also Published As

Publication number Publication date
US7764763B2 (en) 2010-07-27
EP2036498A1 (en) 2009-03-18
WO2007148725A1 (ja) 2007-12-27
JPWO2007148725A1 (ja) 2009-11-19
US20090168952A1 (en) 2009-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5007982B2 (ja) X線ct装置及び同装置の画像再構成方法並びに画像再構成プログラム
US5825842A (en) X-ray computed tomographic imaging device and x-ray computed tomographic method
US6452996B1 (en) Methods and apparatus utilizing generalized helical interpolation algorithm
Kachelriess et al. Flying focal spot (FFS) in cone-beam CT
US8284892B2 (en) System and method for image reconstruction
JP4644785B2 (ja) コーンビームct画像再構成におけるアーチファクトを低減するための方法及び装置
JP4740516B2 (ja) コーン・傾斜平行式のサンプリング及び再構成の方法及び装置
JP5537132B2 (ja) X線コンピュータ断層撮影装置、医用画像処理装置、及び医用画像処理プログラム
JP4711245B2 (ja) 画像の三次元再構成の方法及びシステム
JP4557321B2 (ja) 画像再構成装置
US7978810B2 (en) Imaging method for variable pitch spiral CT and a CT machine for carrying out the method
JP4785441B2 (ja) X線ct装置
JP4106251B2 (ja) 3次元逆投影方法およびx線ct装置
JP2007159878A (ja) X線ct装置およびそのx線ct画像再構成方法
JP2005218693A (ja) 画像再構成方法およびx線ct装置
JP4582997B2 (ja) 高速コンピュータ断層撮影方法
JP5601683B2 (ja) 画像生成装置およびプログラム並びにx線ct装置
JP4025530B2 (ja) X線ct装置
US7646842B2 (en) Methods and apparatus for reconstructing thick image slices
JPH11206753A (ja) X線撮像装置
JP3950101B2 (ja) X線コンピュータ断層撮影装置
JP4768899B2 (ja) X線ct装置
JP3947201B2 (ja) 画像再構成処理装置
JP4642331B2 (ja) X線ct装置、及びその制御方法
JP4190565B2 (ja) X線ct装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100309

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120508

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120521

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150608

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees