JP6345053B2 - 断層画像撮影システム - Google Patents

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Description

本発明は、商品や荷物等の被検体の非破壊検査や、医療機関におけるX線断層撮影等に好適な断層画像撮影システムに関する。
X線断層撮影(CTスキャン)装置は、互いに対向配置したX線発生装置とX線検出器との間に被検体を配置し、X線の光軸方向に直交する回転軸を中心に、被検体に対してX線発生装置とX線検出器とを一体で相対的に回転させる構成が一般的である。本装置では、被検体、もしくはX線発生装置とX線検出器とを回転機構で回転させながら、設定された回転角度ごとに被検体のX線撮影を行う。そして、X線検出器で検出された二次元(2D)撮像データを収集し、それらを再構成演算することで被検体の三次元(3D)構造データを構築する。
2D撮像データの撮影に際して、所定の撮影位置毎に回転を停止してX線撮影を行い、撮影終了後に次の撮影位置まで回転する動作を繰り返す方式と、一定速度で回転させながら規定の回転角度毎にX線撮影を繰り返す方式がある。前者に関しては、撮影時には被検体もX線発生装置及びX線検出器も静止しているため、ブレのない2D撮像データの取得が可能である。しかしながら、回転機構の加減速動作による振動や、機械的負荷等を低減するのに時間を要するため、後者に比べてトータルの撮影時間が長くなる。後者に関しては、回転機構の加減速動作がなく、トータルの撮影時間は前者よりも短くできるが、撮影時の回転により、X線の焦点と被検体との相対的な位置変化の影響を受け、2D撮像データにはブレが生じる。この影響を回避するためには、回転速度を遅くするか、撮影時の撮影時間を短くする必要があるが、回転速度を遅くすると撮影時間が長くなり、撮影時間を短くすると画像の明るさが不足するという問題がある。以上のことから、回転機構の加減速動作がない後者の方式において、回転によるX線の焦点と被検体との相対的な位置変化によるブレの少ない2D撮像データを得ることが望まれている。
この対策として、例えば特許文献1のような方法が提案されており、これは主に2つの特徴によって構成されている。第一に、X線発生装置とX線検出器とを含むシステムは回転機構を有し、X線発生装置は、その移動方向と反対方向にX線の焦点を移動させる焦点移動機構を有している。これにより、X線撮影時の回転移動に伴うX線の焦点の被検体に対する相対的な移動を抑制(理想的には静止)することが可能となり、焦点は被検体に対して静止した状態となる。
第二に、TDI(Time Delay Integration)方式を用いたX線検出器を有している。TDI方式のX線検出器では、X線検出器の移動方向に沿って複数配置された検出素子行において、任意の検出素子で検出したデータを隣接する検出素子に転送する。さらに、TDI方式のX線検出器においては、一定速度で移動する被検体、もしくはX線検出器の移動速度や方向と、X線検出器が検出した任意の素子の検出データを、隣接する素子へ転送する転送速度や方向とを同期させてX線撮影を行う。例えば、X線検出器の動作速度をV(X方向)、X線検出器のX方向の素子ピッチをp、データの転送周波数をfとした時、V=p×fとなるように調整する。これにより、撮像時間1/fにおけるX線検出器の移動量は、素子ピッチpとなるため、X線検出器の移動速度と、検出データの隣接素子への転送速度が一致する。
TDI方式では、焦点を移動させることで該焦点が被検体に対して静止している撮影期間において、X線検出器を移動させながら複数回、撮影を行う。任意の位置での撮像データは連続する複数個の検出素子で異なる撮影時間に取得されるが、隣接する検出素子にデータを転送して積算することで、位置が同じ撮像データが撮影した回数分積算されることになり、X線検出器の移動によるブレが抑制される。
上記に挙げた焦点移動機構とTDI方式のX線検出器によって、特許文献1では回転機構の加減速動作がなく、且つ、回転によるX線の焦点と被検体との相対的な位置変化によるブレの少ない2D撮像データを得ることが可能となる。
米国特許出願公開第2012/0014503号明細書
しかしながら、特許文献1で使用されるTDI方式のX線検出器は、一般に高価であり、撮像領域も一般の非TDI方式の2DのX線検出器と比較すると大きくはない。撮像領域を拡げるには一般のTFT(薄膜トランジスタ)パネルのような2DのX線検出器を用いるのが良いが、特許文献1でも指摘されているように、読出し時間があまり速くない。そのため、通常のCTスキャンのような移動速度の速いものに対して、ブレの少ない2D撮像データを取得するには十分ではない。また、TDI方式は先に述べたように、被検体、もしくはX線検出器の移動速度と、検出器のデータ転送速度とを同期させる必要があり、さまざまな速度に対応するには調整は手間である。そこで、上記のような同期をとる必要がなく、読み出し時間のあまり速くない非TDI方式の2DのX線検出器でもブレを抑制し、高画質の2D撮像データを得る技術が要望されている。
本発明の課題は、非TDI方式の2DのX線検出器を用いた断層画像撮影システムにおいて、X線検出器の移動による画像のブレを抑制し、より安価で調整が容易なシステムを提供することにある。
本発明は、被検体が配置されるステージと、前記被検体に対してX線を照射するX線発生装置と、前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線発生装置と前記X線検出器とを一体として前記被検体に対して相対的に移動させる装置移動手段と、を備え、
前記X線発生装置は、前記被検体から見た前記X線発生装置の移動方向及びその反対方向に前記X線の焦点を移動させる焦点移動手段を備え、
前記X線検出器は、前記被検体に対して相対的に移動する方向において複数の検出素子からなる検出素子行を備え、
前記X線発生装置において前記被検体から見た前記X線発生装置の移動方向とは反対方向で且つ前記X線発生装置の移動速度と等しい速度でX線の焦点を基準点から移動させる撮影期間に、前記X線検出器において、前記複数の検出素子のそれぞれが前記被検体に対して異なる角度で前記被検体を透過したX線を検出して撮像データを取得し、前記撮像データを再構成演算して前記被検体の断層画像を得る断層画像撮影システムであって、
前記X線検出器が、前記撮影期間中の前記検出素子行と前記被検体との相対的な位置情報に基づき、前記撮像データに含まれる並進ブレを補正する並進ブレ補正回路を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、X線検出器に並進ブレ補正回路を付設することにより、被検体、もしくはX線検出器とX線発生装置の移動による2D撮像データのブレが抑制され、より高画質の断層画像を得ることが可能となる。
本発明のX線断層撮影システムの第1の実施形態の構成を模式的に示す図であり、(a)はYZ平面図、(b)はXY平面図である。 本発明のX線断層撮影システムの第1の実施形態の説明図であり、(a)はX線発生装置とX線検出器とを移動させた前後の状態を示すXY平面図であり、(b)はX線撮影と焦点の偏向制御、及びX線検出器の撮像データ読み出しのタイミングチャートである。 本発明のX線断層撮影システムの第1の実施形態の説明図であり、(a)は画角φに対するX方向のブレ量dxを示す図、(b)はX線の焦点からX線検出器を見た時の検出素子の配列を模式的に示す図である。 本発明のX線断層撮影システムの第1の実施形態の説明図であり、(a)は撮像データ行列Fmと基本データ行列Pmとの関係式であり、(b)は並進行列Tを模式的に示す図である。 本発明のX線断層撮影システムの第1の実施形態のX線検出器の他の構成例を模式的に示す図である。 本発明のX線断層撮影システムの第2の実施形態の並進ブレの補正量を示す図である。 本発明のX線断層撮影システムの第3の実施形態の説明図であり、(a)は並進ブレの補正量を示す図であり、(b)はX線の焦点からX線検出器を見た時の検出素子の配列と領域とを模式的に示す図である。 本発明のX線断層撮影システムの第3の実施形態の撮像データ行列Fmと基本データ行列Pmとの関係式である。 本発明のX線断層撮影システムの第3の実施形態において、X線検出器を複数に分割した構成を模式的に示す図である。 本発明のX線断層撮影システムの第4の実施形態の構成を模式的に示すXY平面図である。
本発明の断層画像撮影システムは、被検体に対して、X線発生装置とX線検出器とを相対的に移動させながら被検体にX線を照射し、該被検体を透過したX線を検出して得られた2D撮像データを再構成演算することで被検体の断層画像を構築するものである。そして本発明の特徴は、X線検出器が並進ブレ補正回路を備えていることにある。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
〔実施形態1〕
図1乃至図4を用いて、本発明の断層画像撮影システムの第1の実施形態について説明する。
本発明の断層画像撮影システムは、図1(a)に示すように、X線発生装置10とX線検出器20とを備え、該X線発生装置10とX線検出器20との間に、被検体70が配置されるステージ40を備えている。
図1(a),(b)に示すように、X線発生装置10は、内部にX線発生管(不図示)を備え、被検体70に向かってX線を照射する。11はX線の焦点であり、コリメータ12によって不要なX線を除去された後、被検体70に照射され、該被検体70を透過したX線がX線検出器20で検出される。
X線検出器20は、移動方向において複数の検出素子からなる検出素子行を備えている。本例においては、X線検出器20には図1のX方向に平行に検出素子を複数配置してなる検出素子行が配置され、さらに、該検出素子行をZ方向に複数列備えている。検出素子行における素子ピッチは、システムの構成によって異なるが、一般的には10μm乃至500μm程度である。
本例においては、X線発生装置10とX線検出器20とが連結部60によって回転機構50に接続されて一体化されている。回転機構50の回転軸51は、X線検出器20の検出素子行に直交する方向に平行で且つ被検体70を通っている。また、回転軸51はX線発生装置20から照射されるX線の光軸に直交している。X線発生装置10とX線検出器20とは、装置移動手段としての回転機構50によって、回転軸51を中心にXY平面内で被検体70に対して回転移動する。移動速度はシステムの構成によって異なるが、一般的には0.01回転/sec乃至2回転/secである。本例では、被検体70は静止している。
上記の構成により、X線発生装置10とX線検出器20とを一定速度で回転させながら、予め設定された撮影時間、撮影間隔で被検体70に対して全周方向からX線撮影を行う。そして、X線検出器20で取得された各撮影時間で取得された2Dの撮像データを再構成演算することによって、3Dの断層画像を得ることができる。
本発明のX線発生装置は、X線の焦点11を移動させる焦点移動手段を備えている。本例においては、焦点移動手段として焦点位置偏向部14と偏向制御部13とを備えており、X線撮影開始後、X線発生装置10の移動方向16とは反対方向に、焦点11を基準点から偏向させることができる。この時の偏向速度を、X線発生装置10の移動速度に合わせることによって、撮影期間中、被検体70に対してX線の焦点11をほぼ静止させることができる。本例のX線発生装置は、電子線発生手段と電子線の照射によりX線を発生するターゲットとを備えている。よって、焦点位置偏向部14は、例えば、電極による静電偏向か、電磁コイルを用いた磁場偏向により電子線を偏向させることで、焦点11を移動させることができる。
図2(a)に示すように、撮影開始時のX線発生装置10’が撮影終了時に10の位置に移動する場合に、撮影開始時に基準点に位置していた焦点11をX線発生装置10の移動方向16とは反対方向15に向かって移動させる。その結果、撮影期間中に焦点11は実質的に撮影開始時の基準点である図中の焦点11’の位置に静止していることになる。本例では被検体70は回転機構50とは独立して静止しているため、X線撮影中は、焦点11と被検体70の位置関係は、ほぼ静止していることになる。尚、図2(a)においては、便宜上、並進ブレ補正回路22を省略している。
図2(b)に本例におけるX線撮影(A)と偏向制御(B)、X線検出器読出し(C)のタイミングチャートを示す。図2(b)において、t0からt1が撮影期間、t1からt2がリセット期間であり、t2以降はt0からt2の期間の繰り返しである。この繰り返しはX線発生装置10とX線検出器20とが被検体70の周囲を1周回るごとに複数回繰り返される。そして、撮影期間は、十分に明るい画像が得られる長さに設定される。一般的には2msec乃至500msecである。
0においてX線撮影開始と同時に、偏向制御部13は、撮影期間中の被検体70と焦点11との位置関係が静止するよう、焦点11を偏向制御する。また、偏向制御部13は、撮影期間が終了したt1から次の撮影を開始するt2までのリセット期間に、焦点11を偏向前の基準点に速やかに戻し、次の撮影開始と同時に、焦点11の偏向制御を開始できるように設定する。即ち、偏向制御部13及び焦点位置偏向部14は、撮影期間において焦点11を移動させる移動動作と、リセット期間において焦点11を基準点に戻すリセット動作と、を交互に繰り返すことになる。
そして、X線検出器20の各検出素子はそれぞれ、撮影期間中に被検体70を透過したX線を検出して撮像データを取得し、リセット期間において、取得した撮像データの読出しを行い、次の撮影開始時に撮影を再開できるように設定されている。即ち、リセット期間は、直前の撮影期間においてX線検出器20の各検出素子が取得した撮像データの読み出し時間以上に設定されている。リセット期間は2msec乃至500msec程度である。これによって、次の撮影においても同様の焦点位置制御を繰り返すことが可能である。
ここで、撮影期間中、焦点11と被検体70とは相対的に静止しているが、X線検出器20は回転し、図2(a)の20’の位置から20の位置に移動しているため、この時得られた撮像データはX線検出器20の回転移動によるブレを有する。そこで本発明においては、図1(b)に示すように、X線検出器20に並進ブレ補正回路22を付設し、回転移動による並進ブレを補正する。
被検体70に対してX線検出器20が回転移動することによる並進ブレ量は、本発明のシステムや撮影条件で設定される設定条件を用いて事前に算出することが可能である。以下に算出方法を説明する。
被検体70に対して、X線の焦点11は完全に静止しているものとする。この状態で、図2(a)に示すように、焦点11とX線検出器20との距離(SID)をS、X線発生装置10の回転半径をR、X線検出器20の回転半径をS−Rとする。また、図2(b)に示したt0からt1の撮影期間に、X線発生装置10及びX線検出器20が回転移動する回転角度をθ、回転方向の画角をφとする。
撮影期間中、焦点11は静止しているため、画角φが同じであれば、被検体70中の位置に関係なく、X線検出器20の回転によって生じる並進ブレ量は同一である。並進ブレ量のうち、撮影期間中の回転角度θによって生じる回転方向のブレ量をdx(X線検出器20の回転方向を正)、Y方向のブレ量をdy(焦点11に近づく方向を正)とする。dx、dyは、それぞれ、被検体70の任意の位置を透過するX線が撮影開始時と撮影終了時にそれぞれX線検出器20で検出される位置のずれを示している。
ここで、θ<<1(sinθ≒θ、cosθ≒1)とした場合、
dx≒−(S−R)・θ−S・tan2φ・θ (1)
dy/S≒tanφ・θ (2)
と表わされる。
図3(a)にブレ量dxについて模式的に示す。図3(a)中の湾曲線はdxを示し、画角φに依存している。dx1はφが0の時のdxであり、dx2は任意のφの時の画角依存成分であり、dx−dx1である。
この近似式は、X線断層撮影システムとしては実用的な範囲であるθ<1°(約17ミリラジアン)では十分に成立する。(1)式で符号が負になっているのは、回転方向とは反対方向にブレが生じることを示している。(1)式右辺の第1項は、図3(a)中のdx1であり、X線検出器20の回転移動のうちの直線移動(並進移動)による成分であり、画角φには依存しない。この成分を並進成分と定義する。(1)式右辺の第2項は、図3(a)中のdx2であり、X線検出器20の回転移動から、第1項の並進成分を除いた成分であり、画角φに依存する。この成分を画角依存成分と定義する。この並進成分と画角依存成分の和であるブレ量dxが、X線検出器20の回転方向における検出素子ピッチに対して大きくなると、画質の劣化要因となる。
例として、S=400mm、R=250mm、θ=5mrad、φ=−10°乃至10°とした場合、並進成分dx1は0.75mm、画角依存成分dx2は最大で0.06mmとなり、ブレ量dxは0.75mm乃至0.81mm程度となる。これは、X線検出器20の回転方向の検出素子ピッチが0.15mmとすると、約5素子分に相当し、画質に対する影響が大きい。また、この例において、並進成分と画角依存成分とを比較すると、このブレ量dxの殆どは並進成分dx1に起因するものであり、画角依存成分dx2は1素子分以下と、画質への影響は小さい。(2)式の左辺dy/SはSの変化率であり、撮影対象物の拡大率に影響する量であるが、画角φが45°、θ=1°(約17mrad)の場合でも2%以下であり、一般的な使用範囲での影響は小さい。
本例においては、この並進成分dx1を主たる成分とするブレ量dxを含んだ撮像データから、ブレの影響を抑制して画質を向上させるために、並進ブレ補正回路22において、検出素子行と被検体70との相対的な位置情報に基づき、並進成分dx1を補正する。この並進ブレ補正回路22の補正方法の一例を、図3(b),図4を用いて説明する。
図3(b)はX線検出器20を焦点11側から見た時の検出素子の配列図である。撮影期間中、X線検出器20は図3(b)の紙面右方向21へ移動している。その移動方向21とX線検出器20の行方向(X方向)の検出素子配列は一致しているため、列方向(図Y方向)にはブレは生じない。またX線撮影の条件は、先の並進ブレ量の算出で用いた例と同一とし、1回の撮影時間(図2(b)の0からt1)をtとする。
撮影開始後0から0.2tの間にX線検出器20の移動量は0.15mm(1素子分)であり、この時点において、X線検出器20のm行目の検出素子行が検出した複数データを基本データ行列Pmとし、図3(b)のように行形式で表す。また、この時点において、X線検出器20のm行n列の検出素子で検出されたデータを、基本データPm,nとすると、基本データPm,nは、基本データ行列Pmのn番目に格納されているデータである。
次にX線撮影開始後0.2tから0.4tの間では、X線検出器20は既に1素子分右方向21に移動しているが、焦点11と被検体70は静止しているため、基本データPm,nは、X線検出器20のm行(n−1)列の検出素子で検出される。同時に、X線検出器20のm行n列の検出素子では基本データPm,n+1が検出される。以下同様に、X線検出器20が、1素子分移動する時間が経過する度に、基本データPm,nは、1素子ずつ左隣の検出素子で検出されるようになる。このため、X線検出器20がk素子分移動した時点でX線検出器20で取得されるデータ行は、基本データ行列Pmの基本データPm,nの要素がkだけ左にシフトしたデータ行となる。
結局のところ、1回の撮影時間tの間に、X線検出器20のm行目の検出素子行が検出した撮像データ行Fmは、図4(a)に示すように、基本データ行列Pmと、基本データPm,nが左に1つずつシフトしたデータ行の総和として検出される。そして、この特徴から撮像データ行Fmは、並進行列Tと、基本データ行列Pmとの積で表すことができる。
並進行列Tは、1回の撮影時間t中にX線検出器がk素子分移動する場合、行列対角位置から右方向に1をk個並べ、その他の成分を0として作成すればよい。本例で挙げた条件における並進行列Tは、撮影時間t中にX線検出器20が5素子分移動することから、行列の対角位置から右方向に1を5個並べ、その他の成分は0とすればよい。但し並進行列Tの最下部から4行に関しては、1を5個は並べられないため、並進行列の右端まで1を並べる。これによって並進行列Tは図4(b)のような形であらわされる。
この並進行列Tの逆行列T-1と撮像データ行Fmとの積から基本データ行列Pmを算出することが可能である。基本データ行列Pmは、X線撮影中のX線検出器20の移動量が1素子分以内の時間範囲に、X線検出器20で検出されるデータ行列であることから、これによって撮像データ行列Fmから並進成分を除去したデータ行列を得たことになる。この補正方法を、X線検出器20の全ての行の撮像データ行列に対して行うことにより、X線撮影で得られた2D撮像データの画質を向上させることが可能となる。尚、この例において、撮像データ行列Fmの最下部から4行分のデータは、X線検出器20の右端の4列のデータに相当する。この例では、1回の撮影時間tの間にX線検出器20は5素子分移動することから、撮像データ行列Fmの最下部から4行分のデータは、X線撮影中に撮影範囲外のデータを含むため、2D撮像データとして使用しなくてもよい。また、撮像データ行列Fmの最上部から4行分のデータは、X線検出器20の左端の4列のデータに相当するが、これについても、X線撮影中のX線検出器20の移動によって、撮影時間tに満たない時間の情報となるため、2D撮像データとして使用しなくてもよい。
また、本例では、X線検出器20は平面としているが、画角依存成分を低減するために、図5(a)のように、X線検出器20の回転半径にならった曲面を有するものであってもよい。また、図5(b)のように、回転半径の曲率に合わせて平面のX線検出器を20a,20b,20cと分割して配置してもよい。また、本実施形態では、被検体70が静止し、X線放出装置10とX線検出器20とが回転する例を示したが、被検体70が回転し、X線放出装置10とX線検出器20が静止する形態であってもよい。この場合、X線撮影中の焦点11は被検体70の回転方向と同一方向に偏向させて、被検体70と焦点11の相対的な位置が静止するように制御すればよい。
〔実施形態2〕
実施形態1で示した例では、X線撮影中のブレ量dxの殆どは並進成分dx1に起因するものであり、画角依存成分dx2の画質への影響は検出素子ピッチに比べて小さいため、補正方法には考慮しなかった。しかしながら、実施形態1で示した具体例において、画角φをφ=−20°乃至20°に拡げた場合、画角依存成分dx2は最大0.26mm程度となり、X線検出器20の回転方向の検出素子ピッチ0.15mmよりも大きく、画質への影響が懸念される。本例では、この影響を低減するために、図6のように並進ブレの補正量dxAを、並進成分dx1=0.75mmと、最大の画角依存成分dx2を含む1.01mmの間に設定する。例えば、並進ブレの補正量dxAを0.9mmとすることにより、補正残り量は画角φが0°の部分では+0.15mm、画角φが±20°の部分では−0.11mmとなり、画角依存成分dx2によるブレの影響を抑制することが可能である。この場合、1回の撮影時間tの間に検出素子は6素子分移動することになり、図4(a)に示した並進行列Tは、行列対角位置から右方向に1を6個並べ、その他の成分を0として作成すればよい。また、実施形態1と同様に、撮像データ行列Fmの最上部から5行分のデータ及び最下部から5行分のデータについては2D撮像データとして使用しなくてもよい。
〔実施形態3〕
実施形態1で示した具体例において、画角φをφ=−25°乃至25°に拡げた場合、画角依存成分dx2は最大0.43mm程度となる。そのため、実施形態2を適用したとしても、X線検出器20の回転方向の検出素子ピッチよりも大きい補正残り量があり、画質への影響が懸念される。本例では、この影響を低減するために、図7(a)に示すように、画角φに応じて並進ブレの補正量を調整する。図7(a)において、画角φが小さい領域81においては、並進ブレの補正量を並進成分dx81とし、画角φが最大の場合を含む領域83においては、画角依存成分を考慮して並進ブレの補正量をdx83とする。そして、領域81と83との間の領域82においては、並進ブレの補正量をdx81とdx83との間のdx82に設定する。
図7(b)は、X線検出器20を焦点11側から見た時の検出素子の配列図である。X線撮影中、X線検出器20は図の右方向21へ移動している。本例では、例えば画角φをφ=−25°乃至25°とし、他の条件は実施形態1と同様とした場合、例えば、X線検出器20の検出領域を、X線検出器20の移動方向21において5分割する。そして図7(b)に示すように、X線検出器20の両端の領域83を大補正領域、中央領域81を小補正領域、それらの中間部の領域82を中補正領域とする。
図7(a)に示した画角φにおけるブレ量dxは、式(1)によって予め計算可能なため、撮影条件に応じて適切に各領域81乃至83の大きさを設定すればよい。小補正領域203では、画角依存成分が小さいため、並進成分に相当する補正量(5素子分)を適用する。大補正領域83では、画角依存成分も大きいため、並進成分に画角依存成分を考慮した補正量(7素子分)を適用する。中補正領域82では、小補正領域81と大補正領域83の中間部であるので、その中間である補正量(6素子分)を適用する。
並進行列Tは、実施形態1において説明したように、X線撮影中にX線検出器が移動する素子分だけ、行列対角位置から右方向に1を並べ、その他の成分は0とすることで作成した。これと同様にして、本例でも、図8に示すように、小補正領域81には行列91、中補正領域82には行列92、大補正領域83には行列93と、各々の補正量に相当するように並進行列Tを作成すればよい。
また、図9に示したように、各補正領域81,82,83に対応するようにX線検出器を複数に分割して配置し、分割された各々の検出器20a,20b,20cから得られる2D撮像データを、並進ブレ補正回路22にて補正してもよい。また、並進ブレ補正回路22は、分割された各々のX線検出器20a,20b,20cにそれぞれ付設してもよい。
〔実施形態4〕
実施形態1乃至3においては、X線発生装置10とX線検出器20とを被検体70に対して相対的に回転させる形態を示したが、本例では、直線移動させる形態を示す。
図10に示すように、本例においても、X線発生装置10とX線検出器20とを被検体70を挟んで配置する点は実施形態1乃至3と同様である。本例では、被検体70をX線発生装置10とX線検出器20とに対して水平方向41(X方向)に直線移動させる。従って、X線の焦点11は、撮影期間に水平方向41と同じ方向15に直線移動させることで、焦点11を被検体70に対して静止した状態とする。
本例において、X線検出器20で得られた撮像データには、被検体70の移動速度Vと撮影時間tの積Vtに相当する量の並進成分による並進ブレが含まれ、該並進ブレは並進ブレ補正回路22によって補正される。尚、本例は直線移動であるため、実施形態1乃至3のような画角依存成分は含まれず、また、Y方向に移動成分がないため、dyも0となる。
よって、本例においては、並進ブレの補正量dxを被検体70の移動速度Vと撮影時間tの積Vtとして、並進行列Tを作成し、この並進行列Tの逆行列T-1と得られた撮像データ行Fmとの積から基本データ行列Pmを算出すればよい。
尚、本例では被検体70を移動させる形態を示したが、被検体70を静止させてX線放出装置10とX線検出装置20とを移動させてもよい。この場合、X線の焦点11は、撮影期間に、X線放出装置10とX線検出装置20の移動方向とは逆方向に移動させる。また、移動速度Vはシステムの構成によって異なるが、一般的には1cm/sec乃至100cm/secである。
上記実施形態1乃至4においては、並進行列Tの逆行列T-1と撮像データ行列Fmの積によって画質を向上させる方法を示したが、本発明はこれに限定するものではない。例えば2D撮像データをデコンボリューションする方法等、並進ブレを補正しうる方法であれば、適宜用いることができる。また、実施形態3では、各領域81乃至83に対して最適なデコンボリューションをする方法等、並進ブレを補正しうる他の方法を用いても良い。
10:X線発生装置、11,11’:焦点、20、20a、20b、20c:X線検出器、22:並進ブレ補正回路、40:ステージ、50:回転機構、70:被検体

Claims (8)

  1. 被検体が配置されるステージと、前記被検体に対してX線を照射するX線発生装置と、前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線発生装置と前記X線検出器とを一体として前記被検体に対して相対的に移動させる装置移動手段と、を備え、
    前記X線発生装置は、前記被検体から見た前記X線発生装置の移動方向及びその反対方向に前記X線の焦点を移動させる焦点移動手段を備え、
    前記X線検出器は、前記被検体に対して相対的に移動する方向において複数の検出素子からなる検出素子行を備え、
    前記X線発生装置において前記被検体から見た前記X線発生装置の移動方向とは反対方向で且つ前記X線発生装置の移動速度と等しい速度でX線の焦点を基準点から移動させる撮影期間に、前記X線検出器において、前記複数の検出素子のそれぞれが前記被検体に対して異なる角度で前記被検体を透過したX線を検出して撮像データを取得し、前記撮像データを再構成演算して前記被検体の断層画像を得る断層画像撮影システムであって、
    前記X線検出器が、前記撮影期間中の前記検出素子行と前記被検体との相対的な位置情報に基づき、前記撮像データに含まれる並進ブレを補正する並進ブレ補正回路を備えていることを特徴とする断層画像撮影システム。
  2. 前記並進ブレ補正回路は、設定条件から事前に算出された前記検出素子の並進ブレ量に基づいて構成された並進行列を用いることにより、前記検出素子行で取得された撮像データに含まれる並進ブレを補正することを特徴とする請求項1に記載の断層画像撮影システム。
  3. 前記焦点移動手段は、前記撮影期間において焦点を移動させる移動動作と、前記撮影期間に続くリセット期間において焦点を前記基準点に戻すリセット動作と、を交互に繰り返すことを特徴とする請求項1又は2に記載の断層画像撮影システム。
  4. 前記リセット期間は、直前の前記撮影期間において前記X線検出器が取得した撮像データの読出し時間以上であることを特徴とする請求項3に記載の断層画像撮影システム。
  5. 前記X線放出装置が、電子線発生手段と電子線の照射によりX線を発生するターゲットとを備え、前記焦点移動手段は、電極による静電偏向、もしくは、電磁コイルによる磁場偏向により前記電子線を偏向させることにより、前記焦点を移動させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の断層画像撮影システム。
  6. 前記装置移動手段は、前記検出素子行に直交する方向に平行で且つ前記被検体を通る回転軸を中心に、前記X線発生装置と前記X線検出器とを前記被検体に対して相対的に回転させる回転機構であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の断層画像撮影システム。
  7. 前記X線検出器は、前記被検体から見た前記X線発生装置の移動方向に沿って複数に分割されて配置され、並進ブレ補正回路が、分割された各々のX線検出器が検出した撮像データに含まれる並進ブレを、該当するX線検出器の位置に応じて補正することを特徴とする請求項6に記載の断層画像撮影システム。
  8. 前記装置移動手段は、前記検出素子行と平行に前記X線発生装置と前記X線検出器とを前記被検体に対して相対的に直線移動させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の断層画像撮影システム。
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