JP2010042089A - X線撮影装置およびその信号処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで高解像度の画像を生成することのできるX線撮影装置を提供する。
【解決手段】デジタルパノラマ撮影装置1は、被写体を通過したX線を受光する画素を備えるX線撮像手段3をX線入射方向に直交する方向に移動させる旋回駆動手段5と、画素幅より細かい分割領域に対応した複数個のメモリ領域を画素ごとに有する大容量処理画像記憶手段8と、X線撮像手段3の第1画素が画素幅だけ移動する時間内において、第1画素の出力信号値を第1画素の移動中の位置に応じて案分して第1画素用の各メモリ領域に積算すると共に、X線を第1画素の次に受光する第2画素の移動中の位置に応じて案分して第2画素の出力信号値を第1画素用の各メモリ領域に積算して処理画像を生成する画像信号処理手段10とを備え、X線撮像手段3は、複数の画素の縦横の配列方向を、X線撮像手段3の移動方向からそれぞれ傾斜させて配設されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、X線撮影装置およびその信号処理方法に係り、特に、一般医療用や歯科用に撮影された断層画像の解像力を向上させるX線撮影装置およびその信号処理方法に関する。
従来、歯科用のX線断層撮影装置として、回転動作とスライド動作とを組み合わせたパノラマ撮影装置が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。特許文献1および特許文献2に開示された装置は、水平面(XY平面)で位置合わせされた歯列の位置において、歯列の鉛直面方向(Z方向)の断層画像を取得するものである。
特開平10−211200号公報(0033〜0040、図4) 実公平4−48169号公報(第3〜第4頁、第4図)
断層画像(パノラマ断層画像)は、X線撮像手段が回転およびスライドしながら撮像した複数の単純X線撮影像に相当するフレーム画像を重ね合わせることで生成される画像である。この断層画像の分解能は、撮影されたフレーム画像の画素サイズで決定される。つまり、フレーム画像の画素サイズが大きくなるほど、分解能が低下する。一般にデジタル画像記録系の画素サイズはアナログ系のそれに比して大きいため、デジタルパノラマ断層画像は、不鮮明になり易い傾向がある。そこで、より鮮明な画像を生成することが要望されている。高解像度を実現するためには、アナログ系程度の小さい画素サイズからなるX線撮像手段が必要である。しかしながら、このような小さい画素サイズからなるX線撮像手段は現時点では開発することが技術的に困難であり、また開発されたとしても、高価である。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、低コストで高解像度の画像を生成することのできるX線撮影装置およびその信号処理方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1に記載のX線撮影装置は、被写体にX線を照射するX線源と、前記被写体の所定点を通過したX線を受光する複数の画素が受光面上でそれぞれ直交する一方の軸および他方の軸に沿って2次元配列されたX線撮像手段と、前記X線撮像手段をX線入射方向に直交する方向に移動させる駆動手段と、前記X線撮像手段から出力される信号を処理することで処理画像を生成する画像信号処理手段と、前記信号処理結果として生成された処理画像を記憶する処理画像記憶手段とを備えるX線撮影装置であって、前記X線撮像手段が、前記受光面上で前記一方の軸および前記他方の軸に沿った複数の画素の配列方向を、前記X線撮像手段の移動方向からそれぞれ傾斜させて配設され、前記処理画像記憶手段が、前記画素を画素幅より細かく分割した領域に対応した複数個のメモリ領域を前記画素ごとに有し、前記画像信号処理手段が、前記X線撮像手段の移動に伴って前記X線撮像手段の所定画素が前記画素幅だけ移動する時間内において、前記所定画素から出力される信号の値を前記所定画素の移動中の位置に応じて案分して前記所定画素用の各メモリ領域に積算すると共に、前記被写体の所定点を通過するX線を前記所定画素の次に受光する前記所定画素に隣接した隣接画素の移動中の位置に応じて案分して前記隣接画素から出力される信号の値を前記所定画素用の各メモリ領域に積算することで前記処理画像を生成することを特徴とする。
また、請求項4に記載の信号処理方法は、被写体にX線を照射するX線源と、前記被写体の所定点を通過したX線を受光する複数の画素が受光面上でそれぞれ直交する一方の軸および他方の軸に沿って2次元配列されたX線撮像手段と、前記X線撮像手段をX線入射方向に直交する方向に移動させる駆動手段と、前記X線撮像手段から出力される信号を処理することで処理画像を生成する画像信号処理手段と、前記信号処理結果として生成された処理画像を記憶する処理画像記憶手段とを備えるX線撮影装置における信号処理方法であって、前記X線撮像手段が、前記受光面上で前記一方の軸および前記他方の軸に沿った複数の画素の配列方向を、前記X線撮像手段の移動方向からそれぞれ傾斜させて配設され、前記処理画像記憶手段が、前記画素を画素幅より細かく分割した領域に対応した複数個のメモリ領域を前記画素ごとに有し、前記画像信号処理手段によって、前記X線撮像手段の移動に伴って前記X線撮像手段の所定画素が前記画素幅だけ移動する時間内において、前記所定画素から出力される信号の値を前記所定画素の移動中の位置に応じて案分して前記所定画素用の各メモリ領域に積算すると共に、前記所定点を通過するX線を前記所定画素の次に受光する前記所定画素に隣接した隣接画素の移動中の位置に応じて案分して前記隣接画素から出力される信号の値を前記所定画素用の各メモリ領域に積算することで前記処理画像を生成することを特徴とする。
かかる構成のX線撮影装置およびその信号処理方法によれば、X線撮影装置は、処理画像記憶手段に、X線撮像手段の備える画素を画素幅より細かく分割した領域に対応した複数個のメモリ領域を画素ごとに有しており、画像信号処理手段によって、被写体の所定点を通過するX線を受光する所定画素から出力される信号の値と、次に受光する隣接画素から出力される信号の値とを、それぞれの画素の位置に応じて案分して所定画素用の各メモリ領域に積算する。所定画素が所定の画素幅だけ移動する時間を経過した後において、隣接画素は、新たな所定画素として、当初の所定画素と同様にして被写体の所定点を通過するX線を受光しながら移動することとなる。ただし、新たな所定画素から出力される信号の値と、新たな隣接画素から出力される信号の値とは、新たな所定画素用の各メモリ領域に積算されることとなる。以下、同様である。
したがって、かかる構成のX線撮影装置およびその信号処理方法では、処理画像記憶手段において、画素ごとの各メモリ領域に積算された信号は、被写体の所定点から得られるX線強度信号の波形が三角波となる。この三角波を線対称の軸で切断した鋸歯状波形の底辺の長さは画素幅となる。一方、X線強度信号を各メモリ領域に積算しなければ、各画素の出力信号、あるいはそれを経過時間にしたがって積算した信号は、被写体の所定点から得られるX線強度信号が矩形波形となる。この矩形の長さは画素幅となる。解像力は波形周期の逆数から求められるので、鋸歯状波形の空間周波数は、矩形波形の空間周波数の2倍となる。また、一般に、LSF(Line Spread Function)が矩形波である場合よりも、LSFが三角波である場合の方が、スペクトル領域でみるとカットオフ周波数の値が高くなる。すなわち、解像度が高くなることが知られている。ここで、仮にX線撮影装置において、X線撮像手段が、受光面上で画素の配列方向を移動方向に一致させていたとすると、その移動方向を示す横方向(一方の軸方向)または縦方向(他方の軸方向)の解像度が向上することとなる。ところが、本発明では、X線撮像手段は、受光面上で一方の軸および他方の軸に沿った複数の画素の配列方向を、X線撮像手段の移動方向からそれぞれ傾斜させて配設されているので、解像度が向上する方向は、横方向(一方の軸方向)および縦方向(他方の軸方向)の2方向となる。そのため、かかる構成のX線撮影装置および信号処理方法によれば、X線撮像手段を高解像度のものに変更することなく、横方向および縦方向に高解像度の画像を生成することができる。
また、請求項2に記載のX線撮影装置は、請求項1に記載のX線撮影装置において、前記被写体を間に挟んで前記X線撮像手段側および前記X線源側に、前記被写体に照射されるX線を絞るスリットをそれぞれ備え、前記X線撮像手段側のスリットと前記X線源側のスリットのうち少なくとも前記X線撮像手段側のスリットの方向が、前記X線撮像手段の受光面上の前記画素の配列方向のいずれか一方と同じであることを特徴とする。
かかる構成によれば、X線撮影装置は、少なくともX線撮像手段側のスリットの方向が、X線撮像手段の画素の配列方向のいずれか一方と同じなので、X線撮像手段の受光面に入射したスリット形状のX線に照射される画素範囲の面積を広げることができる。そのため、被写体を通過するX線を受光する画素数が相対的に増加し、より多くの画素を有効に信号処理に用いることができる。このように、X線撮像手段側のスリットの方向を傾斜させた上で、さらに、X線源側のスリットの方向も、X線撮像手段側のスリットの方向と同様に傾斜させれば、X線源から照射されるX線を有効利用できる。
また、請求項3に記載のX線撮影装置は、請求項1または請求項2に記載のX線撮影装置において、前記X線撮像手段が、前記画素の配列方向を、前記X線撮像手段の移動方向から45度傾斜させて配設されることを特徴とする。
かかる構成によれば、X線撮影装置は、配列された画素の移動方向に対する傾斜角度が45度であるので、横方向および縦方向の2方向に対して均等に解像度が向上する。また、X線撮影装置は、画像信号処理手段によって、横方向および縦方向の2方向に対して同じ処理を行えばよいので、他の傾斜角度で配設した場合と比べて処理負荷を低減できる。
本発明によれば、X線撮影装置は、低コストで高解像度の断層画像を生成することができる。
以下、図面を参照して本発明のX線撮影装置を実施するための最良の形態(以下「実施形態」という)について詳細に説明する。
[デジタルパノラマ撮影装置の構成]
図1は、本発明の実施形態に係るデジタルパノラマ撮影装置を模式的に示す構成図である。デジタルパノラマ撮影装置(X線撮影装置)1は、パノラマX線断層撮影法によって、被写体(人物)Kの上顎/下顎における歯列に沿った所定の断層面におけるX線像を撮影して歯科用の断層画像を生成するものであり、図1に示すように、X線源2と、X線撮像手段3と、アーム4と、旋回駆動手段5と、A/D変換手段6と、大容量フレーム画像記憶手段7と、大容量処理画像記憶手段8と、全画像表示記憶手段9と、画像信号処理手段(フレーム画像処理)10と、出力手段11とを備えている。
デジタルパノラマ撮影装置1は、大別して、X線撮像手段3が受光面上の画素の配列方向をX線撮像手段3の移動方向から傾斜させて配設されている点(図6参照)と、撮影した画像データの信号処理の方法とに特徴がある。そこで、説明の都合上、以下では、まず、デジタルパノラマ撮影装置1の構成上の特徴の概要について図2ないし図4を参照して説明し、その後、各構成要素について説明した後、具体例を通しながら信号処理の方法について説明することとする。
図2は、図1に示したX線撮像手段の移動方向を示す説明図であり、図3は、X線撮像手段の移動方向から傾斜したX線撮像手段およびスリットの説明図である。デジタルパノラマ撮影装置1は、後記する信号処理のために、X線撮像手段3をX線入射方向に直交する方向に移動させている。図2では、信号処理の方法の原理に対応した構成を示している。ここでは、原理の説明を単純化するため、一例として、X線源2が固定されているものとする。X線源2から照射されたX線は、被写体Kを通過してX線撮像手段3で受光される。X線撮像手段3は、センサ筐体101に収納されている。センサ筐体101は、X線源2側の面にスリット(図2では非表示、図3の二次スリット22a参照)を有し、支持手段102に支持されており、この支持手段102は、モータ103の駆動により回転する回転軸104上を図2において左右方向に移動する。つまり、X線撮像手段3は、X線入射方向(図2において奥行き方向)に直交する方向に移動する。
また、センサ筐体101に収納されているX線撮像手段3の画素の配列方向は、X線撮像手段3の移動方向に対して傾斜しており、X線源2側の一次スリット21aもX線撮像手段3と同じ角度で傾斜している。図3(a)および図3(b)にそれぞれ従来の装置の配置と、本実施形態の装置の配置とを比較して示す。なお、図2および図3では、矩形のX線撮像手段3の辺の方向と画素の配列方向とは同じものとしている。つまり、図2および図3では、画素の配列方向の傾斜を、X線撮像手段3自体の傾斜で表している。
図3(a)に示すように、通常(従来)、X線源112から照射されるX線は、そのビーム径をコントロールするためにX線遮蔽部材121に穿設された一次スリット121aを通過する。この一次スリット121aを通過したX線ビームは、被写体Kを通過し、X線撮像手段113側において、X線ビームを素子サイズ等に合わせるために縮径するためにX線遮蔽部材122に穿設された二次スリット122aを通過した後、受光される。例えば、歯科用であれば、X線撮像手段113やスリットを傾ける必要は無く、スリットの方向は上下方向に維持されている。
一方、本実施形態においては、図3(b)に示すように、X線源2から照射されるX線は、X線遮蔽部材21に穿設された傾斜した一次スリット21aを通過する。この一次スリット21aを通過したX線ビームは、被写体Kを通過し、X線撮像手段3側において、X線遮蔽部材22に穿設されている傾斜した二次スリット22aを通過した後、傾斜したX線撮像手段3に受光される。
ここで、図3(c)に、二次スリット22aを通過してX線撮像手段3の受光面31に入射したX線が照射する画素範囲32をX線源2側から視た様子を示す。なお、図3(c)において、X線撮像手段3は左に移動するものとする。X線撮像手段3が左に移動すると、相対的に、画素範囲32は右方向に移動することになる。X線撮像手段3の移動に伴って画素範囲32は形状やサイズが刻々と変化するが、図3(c)に示すp方向およびq方向に移動するものと考えることができる。このように形状やサイズが刻々と変化したとしても、画素範囲32はp方向およびq方向に対して均一なものと考えることができる。このようにX線撮像手段3の移動に伴って、画素配列に対応したp方向およびq方向に対して均一であるため、画素範囲32に含まれる画素を、後記する信号処理に有効に用いることができる。
仮に、X線撮像手段3だけ傾斜していて、二次スリット22aが傾斜していない場合について、図3(d)に、二次スリット22aを通過してX線撮像手段3の受光面31に入射したX線が照射する画素範囲32をX線源2側から視た様子を示す。図3(d)においても、X線撮像手段3が左に移動するものとすると、同様に画素範囲33は形状やサイズが刻々と変化するが、p方向およびq方向に対して均一な領域は、画素範囲33の中央付近のみであると考えることができる。したがって、X線撮像手段3だけが傾斜していても、後記する信号処理に有効に用いることのできる画素があるが、有効に使用できる画素領域は狭くなる。
前記した説明では、X線源2が固定されて、X線撮像手段3だけ移動しているものとして説明した。また、このとき、被写体Kから見た場合に、X線撮像手段3だけが移動していることになる。そのため、X線源2から連続的に照射されて被写体Kの1つの点を通過したX線は、X線撮像手段3の移動方向に隣り合った複数の画素に受光されることになる。
一方、デジタルパノラマ撮影装置1は、アーム4と旋回駆動手段5とを備えており、例えば、図4に示すようなアーム4に、X線源2とX線撮像手段3とが固定され、いずれもが移動可能になっている。図4に示すアーム4は、基台41に配設された支柱42の上部に設けられている。このアーム4は、支柱42から水平方向に延設された支持部43と、この支持部43の先端側下部の回転中心に対して回動可能かつこの回転中心をスライド可能に構成された旋回部44とを有している。旋回部44には、X線源2とX線撮像手段3とが、被写体Kを間に配置することができるように所定間隔をあけて吊り下げられている。
したがって、図4に示す構成では、被写体Kから見た場合に、X線源2とX線撮像手段3の両方が移動していることになる。そのため、X線源2からある瞬間に照射されて被写体Kの水平方向に並んだ複数の点を通過したX線は、X線撮像手段3の移動方向に隣り合った複数の画素に受光されることになる。逆に言えば、X線源2から連続的に照射されて被写体Kの1つの点を通過したX線は、X線撮像手段3の移動方向に隣り合った複数の画素に受光されることになる。つまり、図2および図3の構成(信号処理の原理を説明するための構成)と、図4の構成(本実施形態の構成)とは立場がそれぞれ異なるが、同じ信号処理の原理を用いることができる。
図1に戻って、デジタルパノラマ撮影装置1の各構成要素について説明する。
X線源2は、一次スリット21aを有しており、一次スリット21aを介してX線を照射することにより生成されるスリット状のビーム(X線ビーム)を所定のタイミングで被写体Kに照射するものである。一次スリット21aはその方向が、X線撮像手段3の移動方向からX線撮像手段3上の画素の配列方向への傾斜角度と同じように傾斜している。これにより、X線源2から照射されるX線を有効利用できる。
X線撮像手段3は、X線源2から照射されて被写体Kを透過したX線を受光して、被写体KのX線が透過した部分を所定のフレームレートで撮像するものである。このX線撮像手段3には、画素が受光面上でそれぞれ直交する一方の軸および他方の軸に沿って2次元配列されている。つまり、X線撮像手段3の受光面には、各画素が碁盤目状に横方向(一方の軸方向)および縦方向(他方の軸方向)に配列されている。X線撮像手段3は、X線イメージセンサやX線検出器、またはそれらの組合せである。ここで、イメージセンサは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOSイメージセンサ、TFT(Thin Film Transistor)センサ、CdTeセンサ等である。また、X線検出器は、X線イメージインテンシファイア(Image Intensifier:I.I.)、フラットパネル検出器(Flat Panel Detector:FPD)等である。本実施形態では、X線撮像手段3は、一般的な市販されているシンチレータ(scintillator)を備えたCCDイメージセンサであるものとして説明する。この場合、1画素サイズを、例えば100μm×100μmとして、1000画素×1000画素で配列されたものとしてX線撮像手段3を構成することができる。
アーム4は、X線源2とX線撮像手段3とを所定の間隔を空けて保持するものである。この間隔は、X線源2とX線撮像手段3との間に被写体Kが収まるように、例えば、30cm〜1mに設定される。なお、X線源2の照射部とX線撮像手段3の受光面とは対向して配置される。また、アーム4は、回転中心Oの周りに回動およびスライド動作可能に構成されている。これにより、X線源2とX線撮像手段3とが所定の間隔を維持したまま、X線撮像手段3は、被写体Kの周囲の任意の方向の断層画像を撮影することができる。
旋回駆動手段(駆動手段)5は、X線撮像手段3をX線入射方向に直交する方向に移動させるものである。旋回駆動手段5は、モータやアクチュエータ等から構成され、アーム4を所定の角速度で回転するように旋回させる。この旋回駆動手段5と、X線源2と、X線撮像手段3とは、図示しないコントローラにより制御され、旋回駆動手段5がアーム4を旋回しながらX線源2がX線を照射して撮影を繰り返し、X線の照射タイミングに同期してX線撮像手段3が被写体KのX線像(単純X線撮影像)を撮像してA/D変換手段6に出力する。
A/D変換手段6は、X線撮像手段3の出力信号(フレーム画像)を取得し、A/D変換し、A/D変換したX線撮像手段3の出力信号(フレーム画像)を、大容量フレーム画像記憶手段7に格納する。画像信号処理手段10は、大容量フレーム画像記憶手段7から、そのフレーム画像を読み出して、これを用いて積算処理した結果を、処理画像として大容量処理画像記憶手段8に保存する。つまり、画像信号処理手段10は、A/D変換手段6が変換して出力したフレーム画像を取得してそれを処理する。
大容量フレーム画像記憶手段7と、大容量処理画像記憶手段8と、全画像表示記憶手段9と、画像信号処理手段10とは、例えば、一般的なコンピュータ(計算機)で実現することができ、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、HDD(Hard Disk Drive)と、入力/出力インタフェースとを含んで構成されている。
大容量フレーム画像記憶手段7は、A/D変換されたX線撮像手段3の出力信号(フレーム画像)を記憶するものであり、一般的な画像メモリやハードディスク等から構成される。
大容量処理画像記憶手段8は、画像信号処理手段10で積算処理の処理結果として生成された複数枚の処理画像を記憶するものであり、一般的な画像メモリやハードディスク等から構成される。この大容量処理画像記憶手段8は、X線撮像手段3の備える画素を画素幅より細かく分割した領域に対応した複数個のメモリ領域を画素ごとに有する。なお、具体例は後記する。大容量処理画像記憶手段8は、画像信号処理手段10による画像の合成等の処理のために使用される。
全画像表示記憶手段9は、画像信号処理手段10で合成処理結果として生成され出力手段11に表示すべき断層画像(表示対象とする断層面に対応した断層画像)を記憶するものであり、一般的な画像メモリ等から構成される。この断層画像は、例えば、輝度値で表される。なお、出力手段11は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electronic Luminescence)等から構成される。
[断層画像]
ここで、全画像表示記憶手段9に記憶される断層画像について図5を参照して説明する。図5は、歯列の平面図である。図5に示す状態では、X線源2は、被写体K(図1参照)である人物の歯列の前歯部P側からX線を照射し、当該歯列の臼歯部N側において、X線撮像手段3が受光しているが、撮影中には、X線源2およびX線撮像手段3は回転およびスライドする。ここでは、歯列の前後方向の中央に断層面Fをとる。
図5に示した断層面Fにおける断層画像(パノラマ断層画像)は、複数枚の処理画像が所定の間隔で重ね合わされて形成される。なお、実際のパノラマ断層画像は、数百〜数千枚の処理画像を合成して構築される。また、すべての処理画像を等間隔で重ね合わせて形成してもよいし、シフト幅を変化させて重ね合わせるようにしてもよい。
図1に戻って、デジタルパノラマ撮影装置1の構成の説明を続ける。
画像信号処理手段10は、A/D変換手段6の出力信号(フレーム画像)を取得し、被写体Kのフレーム画像から処理画像を生成し、複数枚の処理画像を用いて断層画像を合成するものである。この画像信号処理手段10は、ROMやHDD等に格納された所定のプログラムをRAMに展開することで後記する各種の処理を実行するCPU等からなる制御手段を備えている。
画像信号処理手段10は、信号積算手段としての機能と、画像合成手段としての機能とを有している。
画像信号処理手段10は、信号積算手段の機能として、X線撮像手段3の移動に伴ってX線撮像手段3の所定画素が所定の画素幅だけ移動する時間内において、所定画素から出力される信号の値を所定画素の移動中の位置に応じて案分して所定画素用の各メモリ領域に積算すると共に、被写体の所定点を通過するX線を所定画素の次に受光する所定画素に隣接した隣接画素の移動中の位置に応じて案分して隣接画素から出力される信号の値を所定画素用の各メモリ領域に積算することで処理画像を生成するものである。具体例は後記する。
画像信号処理手段10は、画像合成手段の機能として、信号処理された歯列の所定の断層面についての複数枚の処理画像を取得し、取得した複数枚の処理画像を所定のシフト幅で重ね合わせることにより、表示対象とする断層面に対応した画像(パノラマ断層画像)を合成するものである。なお、表示対象とする断層面は、予め定めておいてもよいし、図示しない入力装置からの情報で指定するようにしてもよい。合成された断層画像は、出力手段11に出力される。
[具体例]
以下では、デジタルパノラマ撮影装置1における信号処理の方法について説明する。まず、画像信号処理手段10について、信号積算手段の機能を具体的に説明する。デジタルパノラマ撮影装置1において、旋回駆動手段5が移動させるX線撮像手段3は、図6に示すように、受光面上で複数の画素Gが配列された配列方向(縦方向および横方向)を、X線撮像手段3の移動方向からそれぞれ傾斜させて配設されている。本実施形態では、X線撮像手段3は、受光面上の複数の画素Gの配列方向(縦方向および横方向)を、X線撮像手段3の移動方向からそれぞれ45度傾斜させて配設されている。つまり、X線撮像手段3の受光面上の横方向(OX方向)と縦方向(OY方向)とは、移動方向(図6において左)に対して45度ずつ傾斜している。ここで、各画素Gにおいて、画素幅dより細かく分割した領域を想定する。図6に示す例では、各画素Gは縦方向および横方向にそれぞれ仮想的に10等分されているものとする。例えば、X線撮像手段3が、左に
Figure 2010042089
だけ移動すると、X線撮像手段3は、受光面上の縦方向(OX方向)と、横方向(OY方向)にそれぞれ(d/10)だけ移動することとなる。この間に旋回駆動手段5がアーム4を旋回しながらX線源2がX線を照射することができる。なお、図6において、X線は、紙面に垂直な方向手前の位置から被写体に照射され、X線撮像手段3は、紙面に垂直な方向で被写体よりも奥の位置で左方に移動する。また、図6では、二次スリット22a(図3参照)の図示を省略した。
X線撮像手段3が受光した結果を示す信号は、X線撮像手段3からA/D変換手段6を介して大容量フレーム画像記憶手段7に出力される。画像信号処理手段10は、大容量フレーム画像記憶手段7から、フレーム画像を読み出して、これを用いて積算処理した結果を、処理画像として大容量処理画像記憶手段8に保存する。この過程で、画像信号処理手段10は、大容量フレーム画像記憶手段7から読み込んだ信号を大容量処理画像記憶手段8のメモリ領域に積算する。大容量処理画像記憶手段8には、例えば、1000×1000個の画素別に、画素Gの仮想的な分割数(例えば10×10個)のメモリ領域を備える。X線撮像手段3に2次元配列された多数の画素に対応したメモリ領域についての説明の煩雑さを避けるため、ここでは、受光面に1次元配列された12個の画素を備えるX線撮像手段を仮定する。また、画像信号処理手段10の信号積算手段の機能の説明を優先させるために、この仮定されたX線撮像手段における画素の配列方向が移動方向に一致しているものとして説明をする。
ここで、図7を参照してメモリ領域について説明する。図7は、図1に示した大容量フレーム画像記憶手段の説明図であって、(a)は、被写体の所定点にコンボリューション(convolution)される記録系のLSFを求める方法の一例を模式的に示しており、(b)は画素ごとのメモリ領域を示している。ここで、仮定されたX線撮像手段を、X線撮像手段3aと表記する。X線撮像手段3aは、縦1画素(ピクセル)×横12画素(ピクセル)の1ラインのCCDイメージセンサであるものとする。この1ラインのCCDイメージセンサは、画素(ピクセル)G1,…,G12を有し、各画素幅をdとする。
ある時点では、図7(a)において上側に示すように、画素G1が被写体のエッジEの内側(左側)に配置され、画素G2がエッジEの外側(右側)に配置されている。図7において、X線撮像手段3aは、エッジEに接近する方向または遠ざかる方向に移動する。この例では、X線撮像手段3aは、エッジEに近づく方向に移動するものとする。大容量処理画像記憶手段8は、各画素を画素幅dより細かく分割した領域に対応した複数個のメモリ領域を画素ごとに有している。これをアドレス群と呼ぶ。例えば、画素G1に対応してアドレス群A1、画素G2に対応してアドレス群A2等が設けられている。この例では、各画素はX線撮像手段3aの移動方向(図7中右から左に向かう方向)に仮想的に10個に分割されている。そして、画素を仮想的に分割した分割領域に対応して、当該画素用のメモリ領域(アドレス群)は、10個の記憶領域(アドレス)に分割されている。図7において、各画素が被写体のエッジEの外側(右側)にあるときにエッジEに最も近い分割領域に対応したアドレスの識別情報(領域ID)をR1として、以下、順にR2,…,R10とする。以下では、所定画素を第1画素と呼び、被写体の所定点を通過するX線を所定画素の次に受光する所定画素に隣接した隣接画素を第2画素と呼ぶこととする。この場合、大容量処理画像記憶手段8は、図7(b)に示すように、領域IDR1,…,R10に対応した10個のメモリ領域を12個の画素ごとに有している。なお、図7(b)において、アドレス群A1〜アドレス群A3に記載された数字は、信号強度の一例を示している。
画像信号処理手段10は、第1画素が画素幅だけ移動するまでの経過時間にしたがって、第1画素から出力される信号の値(例えば、輝度値)を、第1画素の移動中の位置に応じて第1画素用の各メモリ領域に積算すると共に、第2画素から出力される信号の値を、第2画素の移動中の位置に応じて第1画素用の各メモリ領域に積算する。ここで、画像信号処理手段10は、第1画素および第2画素から出力される信号の値を第1画素用の各メモリ領域に積算した後で、加算平均するようにしてもよい。例えば、第1画素および第2画素が出力する信号を合計10回加算した場合にその加算値(積算値)を10で割った値を記憶するようにしてもよい。この画像信号処理手段10の処理によって、フレーム画像別に各画素用の各メモリ領域に積算された信号の値に基づいて、前記した処理画像が形成されることとなる。この画像信号処理手段10は、処理結果である歯列の所定の断層面についての処理画像を大容量処理画像記憶手段8に出力する。
なお、画像信号処理手段10は、CPUがROM等に格納された所定のプログラムをRAMに展開して実行することによりその機能が実現されるものである。したがって、画像信号処理手段10は、一般的なコンピュータに、前記した画像信号処理手段10の機能を実行させる信号処理プログラムを実行することで実現することもできる。このプログラムは、通信回線を介して配布することも可能であるし、CD−ROM等の記録媒体に書き込んで配布することも可能である。
[デジタルパノラマ撮影装置の動作]
図1に示したデジタルパノラマ撮影装置の動作として主に画像信号処理手段10の動作について図8を参照(適宜図1参照)して説明する。図8は、図1に示したデジタルパノラマ撮影装置の動作を示すフローチャートである。まず、デジタルパノラマ撮影装置1は、A/D変換手段6によって、歯列の所定の断層面についてX線撮像手段3で撮像されて各画素から出力される信号をA/D変換する(ステップS1)。A/D変換されたX線撮像手段3の出力信号(フレーム画像)は、大容量フレーム画像記憶手段7に格納される。そして、デジタルパノラマ撮影装置1は、画像信号処理手段10によって、大容量フレーム画像記憶手段7から、フレーム画像を読み出して、X線撮像手段3の移動中の画素の位置に応じて第1画素の出力信号および第2画素の出力信号を、大容量処理画像記憶手段8の第1画素用のメモリ領域に積算する(ステップS2)。そして、デジタルパノラマ撮影装置1は、画像信号処理手段10によって、フレーム画像別に各画素ごとの各メモリ領域に積算された信号を大容量処理画像記憶手段8に格納する。ここで、X線撮像手段3の画素が画素の所定幅だけ移動する間に積算された信号を格納する。そして、デジタルパノラマ撮影装置1は、画像信号処理手段10によって、大容量処理画像記憶手段8から複数フレーム画像に対応した複数枚の処理画像を取得し(ステップS3)、取得した各処理画像を大容量処理画像記憶手段8に展開して所定のシフト幅で重ねあわせることで合成し(ステップS4)、合成された断層画像を全画像表示記憶手段9に格納する。そして、デジタルパノラマ撮影装置1は、全画像表示記憶手段9から、合成された断層画像を読み出して出力手段11に出力する(ステップS5)。
[デジタルパノラマ撮影装置の動作の具体例]
ここでは、説明を単純化するために、受光面に1次元配列された12個の画素を備えるX線撮像手段3aを仮定する。図9は、エッジ近傍の信号強度の一例を示す図である。この図9は、各画素がエッジEに近づく方向(図9中左側)に移動する様子を時系列に図中縦方向に10段階で示している。ここでは、エッジEより内側(図9中左側)にある画素G1を第1画素として、これに隣接した画素G2を第2画素とする。また、エッジEより内側(図9中左側)において、画素G1が受光する信号の強度を「0」とする。したがって、この場合には、第1画素(画素G1)が出力する信号は、「0」であり、この値が積算されることとなる。また、エッジEより外側(図9中右側)において、各画素G2,G3が受光する信号の強度を「100」とする。そして、画素G2の画素幅dの10%の長さに相当する領域がエッジEより内側(図9中左側)に移動した場合には、その画素が受光する信号の強度は「90」となる。以下、同様に、画素G2の画素幅dのα%の長さに相当する領域がエッジEより内側(図9中左側)に移動した場合には、画素G2が受光する信号の強度は「100−α」となる。
画像信号処理手段10は、例えば、画素G2が受光する信号の強度が「90」の場合、すなわち、画素G2の画素幅dの10%の長さに相当する領域がエッジEより内側(図9中左側)に移動した場合、大容量処理画像記憶手段8のアドレス群A1の10個のメモリ領域のうち領域ID「R10」のアドレスに、信号の強度として「9(=90/10)」だけ加算する。また、画像信号処理手段10は、例えば、画素G2が受光する信号の強度が「80」の場合、すなわち、画素G2の画素幅dの20%の長さに相当する領域がエッジEより内側(図9中左側)に移動した場合、大容量処理画像記憶手段8のアドレス群A1の10個のメモリ領域のうち領域ID「R10」,「R9」のアドレスに、信号の強度として「8(=80/10)」だけ加算する。以下、同様である。
また、画像信号処理手段10は、画素G2を第1画素として、これに隣接した画素G3を第2画素として、同様な処理を行う。具体的には、画像信号処理手段10は、画素G2の画素幅dの例えば20%の長さに相当する領域がエッジEより内側(図9中左側)に移動した場合には、アドレス群A2の10個のメモリ領域のうち、領域ID「R1」ないし「R8」のアドレスに、信号の強度として「8」だけそれぞれ加算する。また、図9に示した区間例では、画素G3が受光する信号の強度は変化せずに「100」のままである。したがって、画像信号処理手段10は、例えば、画素G3の画素幅dの20%の長さに相当する領域が図9中左側に移動した場合には、アドレス群A2の10個のメモリ領域のうち、領域ID「R10」,「R9」のアドレスに、信号の強度として「10」だけそれぞれ加算する。
画像信号処理手段10は、図9に示した信号強度の変化のうち、画素G1の出力信号と、画素G2のうちエッジEより内側(図9中左側)に移動した領域に案分される画素G2の出力信号について、大容量処理画像記憶手段8のアドレス群A1の各メモリ領域に積算する。また、画像信号処理手段10は、図9に示した信号強度の変化のうち、画素G2のうちエッジEより外側(図9中右側)に配置されている領域に案分される画素G2の出力信号と、画素G3のうちエッジEより外側(図9中右側)に画素幅dまでの範囲に配置されている領域に案分される画素G3の出力信号とについて、大容量処理画像記憶手段8のアドレス群A2の各メモリ領域に積算する。さらに、画像信号処理手段10は、図9に示した信号強度の変化のうち、画素G3のうちエッジEより外側(図9中右側)に画素幅dから2dまでの範囲に配置されている領域に案分される画素G3の出力信号と、画素G3に隣接した図示しない画素G4のうちエッジEより外側(図9中右側)に画素幅dから2dまでの範囲に配置されている領域に案分される画素G4の出力信号とについて、大容量処理画像記憶手段8のアドレス群A3の各メモリ領域に積算する。以下、同様である。このとき、アドレス群A、アドレス群A2およびアドレス群A3に格納される信号強度の推移を図10に示す。なお、図10では、図9に示した時系列の10段階をt=1〜10とした。
以上、簡便に説明するために、1次元のCCDイメージセンサであるX線撮像手段3aおよびそれに対応したメモリ領域を仮定して説明したが、ここで、画素が2次元配列されたX線撮像手段3において1つの画素を縦横にそれぞれ10等分した領域に対応したアドレス群の具体例について、図11および図12を参照(適宜図6および図10参照)して説明する。図11は、図6に示したX線撮像手段に対応してメモリ領域に積算される信号強度を説明するため説明図であり、図12は、図11に示す積算された信号強度と画素の配列との対応関係を示す図である。
図11に示す記憶構造は、10行×10列が交差する100個のブロックを備えている。行M1〜M10は、それぞれが3段のデータを有し、1つの画素を縦に10等分した領域に対応した各アドレスを示している。また、図11に示す列N1〜N10は、1つの画素を横に10等分した領域に対応した各アドレスを示している。図11に示した左端最下部のブロック(行M10,列N1)を、図6に示した45度傾斜したX線撮像手段3の移動方向先頭の画素の左端であるものとして視るように、図11に示す記憶構造全体を時計回りに約70度回転させると、図11に示した記憶構造を、図6に示したX線撮像手段3の移動方向先頭の1つの画素と対応させることができる。以下、各ブロックの3段のデータのそれぞれの意味を順次説明する。
<各ブロックの1段目>
例えば、図11の最下行M10の1段目の各数値は、図6に示したX線撮像手段3の移動方向先頭の画素の左端から下端へ向かう辺に対応した10個の仮想的なサブピクセルの各データに対応している。この図11に示す行M10の1段目の数値は、図10に示したアドレス群A2の時刻t=10までに積算された領域ID「R1」〜「R10」のアドレスの信号強度をそれぞれ示している。これは、1次元のCCDラインセンサを仮想的に(横に)10等分した場合の結果と同様である。その他の行M1〜M9の1段目の数値は、行M10の1段目の数値と同じである。
<各ブロックの2段目>
例えば、図11の最左列N1の各ブロックの2段目に、行M10の方から(下から)行M1へ向かって(上へ向かって)並べられた数値は、図6に示したX線撮像手段3の移動方向先頭の画素の左端から上端へ向かう辺に対応した10個の仮想的なサブピクセルの各データに対応している。この図11に示す列N1の各ブロックの2段目に下から並べられた数値は、図10に示したアドレス群A2の時刻t=10までに積算された領域ID「R1」〜「R10」のアドレスの信号強度をそれぞれ示している。これは、1次元のCCDラインセンサを仮想的に(縦に)10等分した場合の結果と同様である。その他の列N2〜N10の2段目の数値は、列N1の2段目の数値と同じである。
<各ブロックの3段目>
各ブロックにおいて、3段目の数値は、1段目の数値と2段目の数値との合計値である。つまり、これら3段目の数値が、2次元配列されたX線撮像手段3について1つの画素を100等分した領域に対応した各アドレスに時刻t=10までに積算された信号強度を示している。図12では、図11に示すブロック(M1,N1)〜(M10,N10)の3段目の数値を、図6に示したX線撮像手段3の画素配列方向の傾斜角に合わせて、時計回りに45度傾斜させている。なお、図12において各ブロックに示す数値は、大容量処理画像記憶手段8において、1つの画素に対応した各メモリ領域に積算される信号値である。図12において最も左に位置したブロックは、図6に示す画素Gを仮想的に分割した最も左に位置した領域に対応しており、移動方向の先頭なので信号値が最も低い。一方、図12において最も右に位置したブロックは、図6に示す画素Gを仮想的に分割した最も右に位置した領域に対応しており、移動方向の最後尾なので信号値が最も高い。図12において行L1〜L17は、図6に示すX線撮像手段3の移動方向に対応して連続するメモリ領域に積算された信号強度を示す。例えば、行L9では、左から右へ並べられた数値が、「110,128,144,158,170,180,188,194,198,200」なので、隣接した数値の差分は、「18,16,14,12,10,8,6,4,2」となっている。ここで、説明を単純化するため、再び、1次元のCCDイメージセンサであるX線撮像手段3aおよびそれに対応したメモリ領域を仮定して、ESF(Edge Spread Function)およびLSFを説明する。
図10に示したアドレス群A1の10個のメモリ領域の時刻t=10の場合のそれぞれの信号強度と、アドレス群A2の10個のメモリ領域の時刻t=10の場合のそれぞれの信号強度とをグラフにして図13に示す。図13のグラフの横軸は、領域IDに対応してエッジEからの距離を、d=10に正規化したものである。具体的には、エッジEからの距離「−9」〜「0」の信号強度は、アドレス群A1の領域ID「R1」〜「R10」のアドレスの信号強度をそれぞれ示す。また、エッジEからの距離「1」〜「10」の信号強度は、アドレス群A2の領域ID「R1」〜「R10」のアドレスの信号強度をそれぞれ示す。なお、エッジEからの距離「11」の信号強度は、アドレス群A3の領域ID「R1」のアドレスの信号強度を示す。図13は、図9に示した信号強度の例についてのESFを示すグラフである。例えば、エッジからの距離が「1〜10」までの信号強度は、「55,64,72,79,85,90,94,97,99,100」である。
図13に示した“エッジからの距離「0」”を中心に左右対称の信号強度について差を求めると図14に示すグラフが得られる。この図14は、図13に示したESFを微分することで得ることができるLSFを示すグラフである。図14のグラフの横軸は、エッジEからの距離の差Δを示す。ここで、Δ=10は、画素幅dに相当する。Δ=−10は、エッジEからの距離「−10」の信号強度と、エッジEからの距離「−9」の信号強度との差を示す。また、Δ=−9は、エッジEからの距離「−9」の信号強度と、エッジEからの距離「−8」の信号強度との差を示す。Δ=−8は、エッジEからの距離「−8」の信号強度と、エッジEからの距離「−7」の信号強度との差を示す。以下、同様である。なお、エッジEからの距離「−10」の信号強度は「0」とした。この図14に示すように、エッジからの距離「0」を中心に左右対称の信号強度についての差から得られるX線強度信号は三角波形となる。本実施形態のデジタルパノラマ撮影装置(X線撮影装置)1によれば、エッジEから得られるX線強度信号の形状が三角波となる。これは、エッジから離間する一方向の信号強度についての差から得られるX線強度信号の形状が鋸歯状波形となることを意味する。なお、この鋸歯状波形の底辺の長さは画素幅dとなる。
[生成される画像の解像度]
ここで、本実施形態のデジタルパノラマ撮影装置(X線撮影装置)1により生成される画像の解像度について、図15ないし図18を参照して説明する。図15は、図14に示したLSFの説明図であって、(a)は三角波、(b)は(a)をフーリエ変換した関数をそれぞれ示しており、図16は、図14に示したLSFの説明図であって、(a)は矩形波、(b)は(a)をフーリエ変換した関数をそれぞれ示している。また、図17は、空間周波数の説明図であって、(a)は静止時、(b)および(c)は信号処理時をそれぞれ示している。図18は、図14に示したLSFから求められたMTFを示すグラフである。
まず、図15を参照して本実施形態のデジタルパノラマ撮影装置(X線撮影装置)1によって生成されるLSFに相当する三角波について説明する。エッジEにおいて、図15(a)に示した三角波A(x)をLSFとすると、MTF(Modulation Transfer Function)は、実空間領域(x空間)では、式(1)で示される演算により求められる。式(1)の「*」は、畳み込み積分の演算記号を示す。なお、式(1)中の三角波A(x)は式(2)で示される。また、エッジEを示す関数f(x)は式(3)で示される。
Figure 2010042089
前記した式(1)の演算を周波数領域で行うため、図15(a)に示した三角波A(x)をフーリエ変換すると式(4)が得られる。式(4)のωは、空間周波数(ω空間)を示す。この式(4)の右辺で示される複素積分を実行してその実数部分を求めると、式(5)が得られる。式(5)で示される波形を図15(b)に示す。これにより、前記した式(1)の演算を周波数領域で行うと、式(6)が得られることとなる。
Figure 2010042089
次に、本実施形態のデジタルパノラマ撮影装置(X線撮影装置)1で生成されるLSFとの比較例について図16を参照して説明する。エッジEにおいて、図16(a)に示した矩形波C(x)を入力とするMTFは、実空間領域では、式(7)で示される演算により求められる。なお、式(7)中の矩形波C(x)は式(8)で示される。また、エッジEを示す関数f(x)は前記した式(3)で示される。
Figure 2010042089
前記した式(7)の演算を周波数領域で行うため、図16(a)に示した矩形波C(x)をフーリエ変換すると式(9)が得られる。この式(9)の右辺で示される複素積分を実行してその実数部分を求めると、式(10)が得られる。式(10)で示される波形を図16(b)に示す。これにより、前記した式(7)の演算(x空間の演算)を周波数領域(ω空間の演算)で行うと、式(11)が得られることとなる。
Figure 2010042089
ここで、空間周波数ωについて、図17を参照して説明する。デジタルパノラマ撮影装置(X線撮影装置)1のX線撮像手段3(図7参照)が仮に静止している場合には、被写体の所定点にコンボリューションされる記録系のLSFは、図17(a)に示すように、矩形波となる。図17(a)に示す領域201において、矩形の幅は、画素幅d(図7参照)と同じである。表示される画像の連続する2つの画素を用いて等しい幅を持つ明暗の線対(ラインペア:Line Pair)を形成するとき、領域201と、この領域201と等しい幅を有する領域202とを合わせた部分は、矩形波の1周期(2d)に相当する。この場合、空間周波数ωは、式(12)で示される。例えば、画素幅dが0.1[mm]=100[μm]であれば、空間周波数ωは、5[cycles/mm]となる。
Figure 2010042089
また、図10に例示した信号強度の推移を利用してグラフを作成するときに、アドレス群A1およびアドレス群A2のすべてのメモリ領域の信号強度を用いる代わりに、時刻t=10の場合について、アドレス群A1うち領域ID「R10」のアドレスの信号強度と、アドレス群A2のすべてのメモリ領域の信号強度とに基づいて、エッジEより外側(図9中右側)に画素幅dまでの範囲の信号強度を用いてグラフを作成することもできる。この場合には、図13に示したESFを示すグラフにおいてエッジEからの距離「0」の位置から右側の範囲のみのグラフを作成することができる。これによれば、LSFのグラフは、図14に示したLSFを示すグラフにおいてエッジEからの距離の差「0」の位置から右側の範囲のみの鋸歯状波形のグラフを作成することができる。このときに作成されるグラフを図17(b)に示す。図17(b)に示す波形は、表示される画像の単一画素に相当する。なお、破線部分も含めると、図14に示したLSFに対応する。
図17(b)に示す実線で示す波形をつなげて構成した波形は、表示される画像において連続する画素に相当する。このときに作成されるグラフを図17(c)に示す。図17(c)に示す領域211,212,213は、表示される画像において連続する3つの画素に相当する。領域211,212,213は、鋸歯状波の1周期(d)に相当する。この場合、空間周波数ωは、式(13)で示される。例えば、鋸歯状波の幅dが0.1[mm]=100[μm]であれば、空間周波数ωは、10[cycles/mm]となる。
Figure 2010042089
次に、本実施形態のデジタルパノラマ撮影装置(X線撮影装置)1により生成される画像のMTFについて、図18を参照して説明する。
前記した式(6)において、ω=0の原点における振幅を1に正規化すると、MTFが得られる。図18に実線で示すように、MTFの値が「0」になるときのωの値は「1/d」である。一方、前記した式(11)において、ω=0の原点における振幅を1に正規化して得られたMTFは、図18に破線で示すように、MTFの値が「0」になるときのωの値は「1/(2d)」である。つまり、本実施形態のデジタルパノラマ撮影装置(X線撮影装置)1により生成される画像は、このような信号処理を全く行わない場合と比較すると、図18に示すように、スペクトル領域でみるとカットオフ周波数の値が高くなる。すなわち、画像信号処理手段10により生成される画像は、高解像度の画像となる。なお、図17(b)に示した鋸歯状波をフーリエ変換した後の波形において、ω軸(横軸)との交点の位置は、図15(b)と同じ位置となる。したがって、この場合にも、矩形波の場合と比べて、スペクトル領域でみるとカットオフ周波数の値が高くなるので、画像の解像度を向上させることができる。
以上、簡便に説明するために、1次元のCCDイメージセンサであるX線撮像手段3aおよびそれに対応したメモリ領域を仮定してESFおよびLSFを説明したが、画素が2次元配列されたX線撮像手段3においても解像度が同様に向上することはもちろんである。例えば、図12において行L9の信号値「110,128,144,158,170,180,188,194,198,200」は、図13に示したエッジからの距離が「1〜10」までの信号強度をそれぞれ2倍したものと同じである。したがって、図13と同様なESFを求めることが可能である。本実施形態のデジタルパノラマ撮影装置1では、X線撮像手段3の受光面上に配列された画素の配列方向がX線撮像手段3の移動方向に対して45度傾斜しているので、横方向(水平方向)および縦方向(垂直方向)の2方向に対して均等に解像度が向上する。
本実施形態によれば、デジタルパノラマ撮影装置(X線撮影装置)1は、X線撮像手段3を高解像度のものに変更することなく、信号処理により、横方向(一方の軸方向)および縦方向(他方の軸方向)の2方向に対して高解像度の画像を生成することができる。そのため、低コストで高解像度の断層画像を生成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を変えない範囲で実施することができる。例えば、本実施形態では、X線撮像手段3の受光面上に配列された画素の配列方向を、X線撮像手段3の移動方向に対して45度傾斜させるものとして説明したが、傾斜角度はこれに限定されるものではない。ただし、傾斜角度が45度である場合には、画像信号処理手段10によって、横方向(一方の軸方向)および縦方向(他方の軸方向)の2方向に対して同様に積算処理を行えばよいので、他の傾斜角度で配設した場合と比べて容易に計算でき、処理負荷を低減できる。
また、本実施形態では、図6に例示したように、矩形のX線撮像手段3において、各画素が、外周の各辺に平行な軸に沿って2次元配列されているものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、X線撮像手段3に設けられた各画素が、矩形のX線撮像手段3の外周の各辺から例えば45度傾斜した軸に沿って2次元配列されているもの、すなわち、菱形の画素配列のX線撮像手段を用いてもよい。この場合には、菱形の画素配列のX線撮像手段自体を傾斜させずに移動させることで、縦横2方向に対して高解像度の画像を生成することができる。また、本実施形態では、図6に例示したように、X線撮像手段3において各画素が、正方形の形状であるものとしたが、これに限定されるものではなく、画素の形状は、例えば、長方形、6角形等の多角形、円、楕円等でもよい。また、本実施形態では、パノラマ撮影において、X線撮像手段3を横方向(水平方向)に移動させるものとして説明したが、縦方向(鉛直方向)に連続して動かすようにしてもよい。
また、本実施形態では、X線撮像手段3の画素の配列方向、一次スリット21a、二次スリット22aのすべてが、X線撮像手段3の移動方向からそれぞれ傾斜させて配設されているベストモードとして説明したが、本発明は、これに限らず、X線撮像手段3の画素の配列方向が、X線撮像手段の移動方向から傾斜させて配設されていれば、信号処理により二次元の解像度を向上させることができる。また、X線撮像手段3に加えて、二次スリット22aを同様に傾斜させて配設した場合には、スリットの方向が画素の配列方向と異なる場合と比べて、X線撮像手段3においてX線を受光できる領域の面積を広げることができる。そのため、被写体を通過するX線を受光する画素数が相対的に増加し、より多くの画素を有効に信号処理に用いることができる。なお、ベストモードの場合には、X線源2から照射されるX線を有効利用できるので、より好ましい。
また、本実施形態では、各画素を10個に仮想的に分割するものとして説明したが、2個以上であれば構わない。例えば、n(n≧2)個に等分割した場合、すなわち、画素幅dを「n(n≧2)」とした場合には、以下のようになる。この場合には、各画素の分割領域に対応した複数個のメモリ領域の識別情報(領域ID)を、エッジEに近い方から順にR1,…,Rnとする。また、大容量処理画像記憶手段8は、各画素ごとに(アドレス群ごとに)各領域R1,…,Rnに対応したn個のメモリ領域を有する。すると、所定画素に対応したアドレス群のメモリ領域のうちで、エッジEに近い方からi(1≦i≦n)番目のアドレスに積算される信号の強度は、式(14)および式(15)で示されることとなる。ここで、例えば、n=10として、i=1,2とすると、図13の横軸の値が「1」である場合の結果と、「2」である場合の結果とがそれぞれ得られる。
Figure 2010042089
また、本実施形態では、各画素を仮想的に等分割したが、図14に示した三角波の波形、または図17(b)に示した鋸歯状波と同様な波形を生成できるのであれば、必ずしも等分割する必要はない。この場合には、X線撮像手段3を移動させる速度を一定とする必要がないので、X線撮像手段3を複雑な動きで移動させることで、多様な画像を得ることができる。
また、本実施形態では、画像信号処理手段10は、画像合成手段の機能として、所定の断層面における断層画像を合成するものとしたが、これに限定されるものではなく、指定された任意の複数の断層面における画像を示す多断層画像を合成するようにしてもよい。この多断層画像は、例えば、特開2006−180944号公報に開示された方法で生成することができる。なお、画像信号処理手段10から画像合成手段としての機能を分離して別に設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、歯科用のデジタルパノラマ撮影装置1で説明したが、本発明は、パノラマ撮影に限定されるものではなく、また、歯科用のX線撮影に限定されるものではなく、被写体の所定点を通過したX線の入射方向に直交する方向に移動可能なX線撮像手段を備えていれば、一般医療用に用いることができる。例えば、内科用として、胸部X線撮影装置に適用してもよい。また、本発明において、被写体は人体に限定されるものではなく、例えば、鉱物等の自然に存在するものや各種産業の製品でもよい。この場合には、各種分析や被破壊検査等を行うことができる。
本発明の実施形態に係るデジタルパノラマ撮影装置を模式的に示す構成図である。 図1に示したX線撮像手段の移動方向を示す説明図である。 X線撮像手段の移動方向から傾斜したX線撮像手段およびスリットの説明図である。 図1に示した旋回駆動手段の一例を示す説明図である。 歯列の平面図である。 図1に示したX線撮像手段の一例を模式的に示す説明図である。 図1に示した大容量処理画像記憶手段の説明図であって、(a)は、X線撮像手段とメモリ領域との対応関係、(b)は画素ごとのメモリ領域をそれぞれ示している。 図1に示した画像信号処理手段の動作を示すフローチャートである。 各画素で時刻別に受光する信号強度を説明するため説明図である。 図9に示した信号強度をメモリ領域に積算していく様子を時系列で示す図である。 図6に示したX線撮像手段に対応してメモリ領域に積算される信号強度を説明するため説明図である。 図11に示す積算された信号強度と画素の配列との対応関係を示す図である。 図10に示す積算された信号強度についてのESFを示すグラフである。 図13に示したESFから求められたLSFを示すグラフである。 図14に示したLSFの説明図であって、(a)は三角波、(b)は(a)をフーリエ変換した関数をそれぞれ示している。 図14に示したLSFの説明図であって、(a)は矩形波、(b)は(a)をフーリエ変換した関数をそれぞれ示している。 空間周波数の説明図であって、(a)は静止時、(b)および(c)は信号処理時をそれぞれ示している。 図14に示したLSFから求められたMTFを示すグラフである。
符号の説明
1 デジタルパノラマ撮影装置(X線撮影装置)
2 X線源
3(3a) X線撮像手段
4 アーム
5 旋回駆動手段(駆動手段)
7 大容量フレーム画像記憶手段
8 大容量処理画像記憶手段(処理画像記憶手段)
9 全画像表示記憶手段
10 画像信号処理手段
11 出力手段
21a 一次スリット
22a 二次スリット

Claims (4)

  1. 被写体にX線を照射するX線源と、前記被写体の所定点を通過したX線を受光する複数の画素が受光面上でそれぞれ直交する一方の軸および他方の軸に沿って2次元配列されたX線撮像手段と、前記X線撮像手段をX線入射方向に直交する方向に移動させる駆動手段と、前記X線撮像手段から出力される信号を処理することで処理画像を生成する画像信号処理手段と、前記信号処理結果として生成された処理画像を記憶する処理画像記憶手段とを備えるX線撮影装置であって、
    前記X線撮像手段は、前記受光面上で前記一方の軸および前記他方の軸に沿った複数の画素の配列方向を、前記X線撮像手段の移動方向からそれぞれ傾斜させて配設され、
    前記処理画像記憶手段は、前記画素を画素幅より細かく分割した領域に対応した複数個のメモリ領域を前記画素ごとに有し、
    前記画像信号処理手段は、前記X線撮像手段の移動に伴って前記X線撮像手段の所定画素が前記画素幅だけ移動する時間内において、前記所定画素から出力される信号の値を前記所定画素の移動中の位置に応じて案分して前記所定画素用の各メモリ領域に積算すると共に、前記被写体の所定点を通過するX線を前記所定画素の次に受光する前記所定画素に隣接した隣接画素の移動中の位置に応じて案分して前記隣接画素から出力される信号の値を前記所定画素用の各メモリ領域に積算することで前記処理画像を生成することを特徴とするX線撮影装置。
  2. 前記被写体を間に挟んで前記X線撮像手段側および前記X線源側に、前記被写体に照射されるX線を絞るスリットをそれぞれ備え、
    前記X線撮像手段側のスリットと前記X線源側のスリットのうち少なくとも前記X線撮像手段側のスリットの方向は、前記X線撮像手段の受光面上の前記画素の配列方向のいずれか一方と同じであることを特徴とする請求項1に記載のX線撮影装置。
  3. 前記X線撮像手段は、前記画素の配列方向を、前記X線撮像手段の移動方向から45度傾斜させて配設されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線撮影装置。
  4. 被写体にX線を照射するX線源と、前記被写体の所定点を通過したX線を受光する複数の画素が受光面上でそれぞれ直交する一方の軸および他方の軸に沿って2次元配列されたX線撮像手段と、前記X線撮像手段をX線入射方向に直交する方向に移動させる駆動手段と、前記X線撮像手段から出力される信号を処理することで処理画像を生成する画像信号処理手段と、前記信号処理結果として生成された処理画像を記憶する処理画像記憶手段とを備えるX線撮影装置における信号処理方法であって、
    前記X線撮像手段は、前記受光面上で前記一方の軸および前記他方の軸に沿った複数の画素の配列方向を、前記X線撮像手段の移動方向からそれぞれ傾斜させて配設され、
    前記処理画像記憶手段は、前記画素を画素幅より細かく分割した領域に対応した複数個のメモリ領域を前記画素ごとに有し、
    前記画像信号処理手段によって、前記X線撮像手段の移動に伴って前記X線撮像手段の所定画素が前記画素幅だけ移動する時間内において、前記所定画素から出力される信号の値を前記所定画素の移動中の位置に応じて案分して前記所定画素用の各メモリ領域に積算すると共に、前記被写体の所定点を通過するX線を前記所定画素の次に受光する前記所定画素に隣接した隣接画素の移動中の位置に応じて案分して前記隣接画素から出力される信号の値を前記所定画素用の各メモリ領域に積算することで前記処理画像を生成することを特徴とする信号処理方法。
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