JP4106251B2 - 3次元逆投影方法およびx線ct装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、3次元逆投影方法およびX線CT(Computed Tomography)装置に関し、更に詳しくは、マルチ検出器を用いたアキシャルスキャン(axial scan)またはヘリカルスキャン(helical scan)によって収集した投影データを基にした画像再構成(コーンビーム再構成とも呼ばれる)において、再構成領域を透過したX線ビームに正しく対応した投影データを用いて再構成を行うことが出来る3次元逆投影方法およびX線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、X線CT装置は、データ収集、前処理、フィルタ処理、逆投影処理および後処理の過程を経て画像を再構成するフィルタ補正逆投影(filtered back projection)法のものが主流になっている。
【0003】
図35は、マルチ検出器24を用いたスキャンによってビュー角度view=0゜の投影データを収集した状況および再構成領域Pの位置を例示している。
従来の逆投影処理では、再構成に用いるビュー角度view=0゜の投影データとして、再構成領域Pのz座標に対応する第5検出器列d5で収集した投影データを採用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図36は、図35の(b)において、再構成領域Pを透過するX線ビームをz方向に拡大して示した図である。
再構成領域Pを透過するX線ビームのA部分は、第5検出器列d5に入射しており、第5検出器列d5で収集した投影データをビュー角度view=0゜の投影データとして再構成に用いることに問題はない。
しかし、再構成領域Pを透過するX線ビームのB部分は、第5検出器列d5ではなく、第6検出器列d6に入射している。このため、第5検出器列d5で収集した投影データをビュー角度view=0゜の投影データとして再構成に用いると矛盾を生じ、いわゆるコーン角アーチファクトを生じる問題がある。
そこで、本発明の目的は、いわゆるコーンビーム再構成において、再構成領域を透過したX線ビームに正しく対応した投影データを用いて再構成を行うことが出来る3次元逆投影方法およびX線CT装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の観点では、本発明は、複数の検出器列を持つマルチ検出器を用いたアキシャルスキャンまたはヘリカルスキャンによって収集した投影データD0を基に投影面上に面投影されたデータD1を求め、次いで再構成領域上の複数画素間隔あけた複数のラインであって投影面に平行な方向の複数のラインを構成する各画素上に前記面投影されたデータD1をX線透過方向に投影して再構成領域上のラインを構成する各画素の逆投影画素データD2を求め、前記複数のライン間を補間して再構成領域上のライン間の各画素の逆投影画素データD2を求め、画像再構成に用いる全ビューの逆投影画素データD2を画素対応に加算して逆投影データD3を求めることを特徴とする3次元逆投影方法を提供する。
上記第1の観点による3次元逆投影方法では、投影データD0から面投影されたデータD1を求め、その面投影されたデータD1を再構成領域にX線透過方向に投影して逆投影画素データD2を求めるようにした。これにより、再構成領域を透過したX線ビームに正しく対応した投影データを用いて再構成を高速に行うことが出来る。
なお、再構成領域は平面であるが、マルチ検出器は円弧状の空間配置に位置している。ここで、円弧状に位置しているデータを、格子座標である再構成領域に直接投影する場合、座標変換の処理が煩雑になり、計算量を要する。しかも、再構成領域のすべての画素で行うと、膨大な計算量となる。すなわち、逆投影画素データD2を投影データD0から直接求めるのは、処理が煩雑になり、処理時間も長くかかる。
これに対して、上記第1の観点による3次元逆投影方法では、投影データD0から逆投影画素データD2を直接求めるのではなく、投影データD0から面投影されたデータD1を求め、その面投影されたデータD1から逆投影画素データD2を求めるようにしている。ここで、平面に位置しているデータを、格子座標である再構成領域に投影する場合、等サンプリングピッチのデータサンプリングで処理を実現できる1次変換(アフィン変換)で処理が済む。従って、総合的に見れば、処理の簡単化および高速化が可能となる。
【0006】
なお、面投影されたデータD1は、補間処理により、少なくとも検出器のチャネル方向に十分密な間隔とするのが好ましい。
さらに、面投影されたデータD1から逆投影画素データD2を求める際、再構成領域上の複数画素間隔おきのラインであって投影面に平行な方向のラインを構成する各画素上の逆投影画素データD2だけを求め、複数画素間隔おきのライン間は補間処理で埋めるので、面投影されたデータD1から再構成領域を構成する全画素上の逆投影画素データD2を求めるよりも、処理時間を短縮できる。なお、複数画素間隔おきのライン数を適正に選べば、画質の劣化は無視できる程度に抑制できる。
【0007】
第2の観点では、本発明は、複数の検出器列を持つマルチ検出器を用いたアキシャルスキャンまたはヘリカルスキャンによって収集した投影データD0を基に再構成領域上の複数画素間隔あけた複数のラインであって投影面に平行な方向の複数のラインに対応する投影面上のライン上に面投影されたデータD1を求め、該投影面上のライン上の面投影されたデータD1を基に再構成領域上の各画素の逆投影画素データD2を求め、画像再構成に用いる全ビューの逆投影画素データD2を画素対応に加算して逆投影データD3を求めることを特徴とする3次元逆投影方法を提供する。
上記第2の観点による3次元逆投影方法では、投影データD0から面投影されたデータD1を求め、その面投影されたデータD1を再構成領域にX線透過方向に投影して逆投影画素データD2を求めるようにした。これにより、再構成領域を透過したX線ビームに正しく対応した投影データを用いて再構成を高速に行うことが出来る。
なお、再構成領域は平面であるが、マルチ検出器は円弧状の空間配置に位置している。ここで、円弧状に位置しているデータを、格子座標である再構成領域に直接投影する場合、座標変換の処理が煩雑になり、計算量を要する。しかも、再構成領域のすべての画素で行うと、膨大な計算量となる。すなわち、逆投影画素データD2を投影データD0から直接求めるのは、処理が煩雑になり、処理時間も長くかかる。
これに対して、上記第1の観点による3次元逆投影方法では、投影データD0から逆投影画素データD2を直接求めるのではなく、投影データD0から面投影されたデータD1を求め、その面投影されたデータD1から逆投影画素データD2を求めるようにしている。ここで、平面に位置しているデータを、格子座標である再構成領域に投影する場合、等サンプリングピッチのデータサンプリングで処理を実現できる1次変換(アフィン変換)で処理が済む。従って、総合的に見れば、処理の簡単化および高速化が可能となる。
なお、面投影されたデータD1は、補間処理により、少なくとも検出器のチャネル方向に十分密な間隔とするのが好ましい。
さらに、面投影されたデータD1を求める際、再構成領域上の複数画素間隔あけた複数のラインであって投影面に平行な方向の複数のラインに対応する投影面上のライン上に面投影されたデータD1を求めるのに不必要な演算を省略できるので、処理時間を短縮できる。なお、複数画素間隔おきのライン数を適正に選べば、画質の劣化は無視できる程度に抑制できる。
【0008】
第3の観点では、本発明は、上記構成の3次元逆投影方法において、前記ライン数が、ラインに直交する方向の再構成領域の画素数の1/64〜1/2であることを特徴とする3次元逆投影方法を提供する。
上記第3の観点による3次元逆投影方法では、複数画素間隔おきのライン数を、ラインに直交する方向の再構成領域の画素数の1/64〜1/2とすることにより、処理時間の短縮効果と画質の劣化とを好適にバランスさせることが出来る。
【0009】
第4の観点では、本発明は、上記構成の3次元逆投影方法において、X線管またはマルチ検出器の回転平面に垂直な方向またはヘリカルスキャンの直線移動方向をz方向とし、view=0゜の時のX線ビームの中心軸方向をy方向とし、z方向およびy方向に直交する方向をx方向とするとき、−45゜≦view<45゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲および135゜≦view<225゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲では回転中心を通るxz平面を前記投影面とし、45゜≦view<135゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲および225゜≦view<315゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲では回転中心を通るyz平面を前記投影面とすることを特徴とする3次元逆投影方法を提供する。
なお、本明細書において、view=−45゜とview=315゜とは、表現の都合上異なる表記にしているが、実際は、両者は等しく、同一ビューである。
投影面上にデータを投影する場合、その投影方向線と投影面との成す角度が90゜に近いほど精度が高くなり、0゜に近いほど精度が低くなる。
上記第4の観点による3次元逆投影方法では、投影面であるxz平面またはyz平面と投影方向線との成す角度が約45゜より小さくならないため、計算精度の低下を許容範囲内に抑制することが出来る。
【0010】
第5の観点では、本発明は、上記構成の3次元逆投影方法において、複数の投影データD0から補間/補外処理により1つの面投影されたデータD1を求めることを特徴とする3次元逆投影方法を提供する。
上記第5の観点による3次元逆投影方法では、複数の投影データD0から補間処理により1つの面投影されたデータD1を求めるから、再構成領域の画素密度に較べて、面投影されたデータD1の密度を十分高くすることが出来る。これにより、面投影されたデータD1をX線透過方向に再構成領域に投影して逆投影画素データD2を求める処理を最近傍アフィン変換処理つまりサンプリング処理のみとし、補間処理をなくすことが可能となり、処理の簡単化および高速化が可能となる。ただし、所望により補間処理を行ってもよい。
【0011】
第6の観点では、本発明は、上記構成の3次元逆投影方法において、1つの面投影されたデータD1を求めるための複数の投影データD0のアドレスおよび補間/補外係数をテーブル化しておくことを特徴とする3次元逆投影方法を提供する。
1つの面投影されたデータD1を求めるための複数の投影データD0のアドレスおよび補間/補外係数は、1つの面投影されたデータD1を求めようとする毎に算出してもよいが、その算出時間がオーバーヘッドになる。
上記第6の観点による3次元逆投影方法では、複数の投影データD0のアドレスおよび補間/補外係数を予め算出してテーブルに設定しておくことで、上記オーバーヘッドをなくすことが出来る。すなわち、テーブル化により、処理を高速化できる。
【0012】
第7の観点では、本発明は、上記構成の3次元逆投影方法において、複数の投影データD0から補間/補外処理により1つの面投影されたデータD1を求めると共に、−45゜≦view<45゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲,135゜≦view<225゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲,45゜≦view<135゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲または225゜≦view<315゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲のいずれか一つのビュー角度範囲で1つの面投影されたデータD1を求めるための複数の投影データD0のアドレスおよび補間/補外係数をテーブル化しておき、他のビュー角度範囲では前記テーブルを利用することを特徴とする3次元逆投影方法を提供する。
回転中心を通るxz平面を投影面とした場合、135゜≦view<225゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲でのX線管,検出器および投影軸の幾何学的関係を回転中心の周りに180゜回転させると、−45゜≦view<45゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲でのX線管,検出器および投影軸の幾何学的関係に一致する。よって、1つの面投影されたデータD1を求めるための投影データD0のアドレスおよび補間/補外係数は、両者で共用可能である。
また、回転中心を通るyz平面を投影面とした場合に45゜≦view<135゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲でのX線管,検出器および投影軸の幾何学的関係を回転中心の周りに−90゜回転させると、回転中心を通るxz平面を投影面とした場合に−45゜≦view<45゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲でのX線管,検出器および投影軸の幾何学的関係に一致する。よって、1つの面投影されたデータD1を求めるための投影データD0のアドレスおよび補間/補外係数は、両者で共用可能である。
さらに、回転中心を通るyz平面を投影面とした場合に225゜≦view<315゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲でのX線管,検出器および投影軸の幾何学的関係を回転中心の周りに90゜回転させると、回転中心を通るxz平面を投影面とした場合に−45゜≦view<45゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲でのX線管,検出器および投影軸の幾何学的関係に一致する。よって、1つの面投影されたデータD1を求めるための投影データD0のアドレスおよび補間/補外係数は、両者で共用可能である。
上記第7の観点による3次元逆投影方法では、−45゜≦view<45゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲,135゜≦view<225゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲,45゜≦view<135゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲または225゜≦view<315゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲のいずれか一つのビュー角度範囲で用いるテーブルを他のビュー角度範囲でも共用するので、テーブルに必要な記憶容量を小さくすることが出来る。
【0013】
第8の観点では、本発明は、上記構成の3次元逆投影方法において、前記補間/補外処理が、0次の補間/補外処理または1次の補間/補外処理を含むことを特徴とする3次元逆投影方法を提供する。
上記第8の観点による3次元逆投影方法では、0次の補間/補外処理(すなわち、近傍データの採用)や1次の補間/補外処理(すなわち、2つの近傍データを用いた内挿/外挿補間)を含むから、補間/補外処理が簡単で済む。
【0014】
第9の観点では、本発明は、上記構成の3次元逆投影方法において、複数の面投影されたデータD1の荷重加算処理により1つの逆投影画素データD2を求めることを特徴とする3次元逆投影方法を提供する。
上記第9の観点による3次元逆投影方法では、再構成領域近傍の同一ビューまたは対向ビューの複数のデータの荷重加算を適用可能となる。
【0015】
第10の観点では、本発明は、上記構成の3次元逆投影方法において、X線焦点から面投影されたデータD1までの距離に応じて前記荷重加算処理の荷重を定めることを特徴とする3次元逆投影方法を提供する。
一般的に、X線焦点から面投影されたデータD1までの距離が近いデータD1は、距離が遠いデータD1に比べて、各画素に関する情報をより正しく含んでいると考えられる。
従って、上記第10の観点による3次元逆投影方法では、逆投影画素データD2をより正しく求めることが可能となる。
【0016】
第11の観点では、本発明は、上記構成の3次元逆投影方法において、X線焦点から再構成領域の各画素までの距離に応じて前記荷重加算処理の荷重を定めることを特徴とする3次元逆投影方法を提供する。
X線焦点から検出器までの距離は一定であるから、再構成領域の各画素からX線焦点までの距離が遠いときのデータD1は、距離が近いときのデータD1に比べて、検出器までの距離が近く、各画素に関する情報をより正しく含んでいると考えられる。
従って、上記第11の観点による3次元逆投影方法では、逆投影画素データD2をより正しく求めることが可能となる。
【0017】
第12の観点では、本発明は、上記構成の3次元逆投影方法において、再構成領域の各画素であって且つ投影面に平行な直線上に在る画素については前記荷重加算処理の荷重を共通とすることを特徴とする3次元逆投影方法を提供する。
荷重加算処理の荷重は、X線焦点から面投影されたデータD1までの距離とX線焦点から再構成領域の各画素までの距離の比として定めることが出来る。この場合、比は、再構成領域の各画素であって且つ投影面に平行な直線上に位置する画素については同じ値になる。
従って、上記第12の観点による3次元逆投影方法では、荷重を共通とし、処理を簡単化可能としている。
【0018】
第13の観点では、本発明は、上記構成の3次元逆投影方法において、開始アドレス,サンプリングピッチ,サンプリング個数を決めて、前記面投影されたデータD1をサンプリングし、再構成領域の各画素であって且つ投影面に平行な直線上にある画素について前記荷重加算処理をするための面投影されたデータD1を選択することを特徴とする3次元逆投影方法を提供する。
再構成領域の各画素であって且つ投影面に平行な直線上に位置する画素についての逆投影画素データD2を求めるための面投影されたデータD1は、投影面上の直線上に在る。よって、開始アドレス,サンプリングピッチ,サンプリング個数を決めておけば、簡単な処理で選択できる。
従って、上記第13の観点による3次元逆投影方法では、逆投影画素データD2を求めるための面投影されたデータD1を簡単な処理で選択できる。
【0019】
第14の観点では、本発明は、上記構成の3次元逆投影方法において、前記荷重加算処理の荷重,開始アドレス,サンプリングピッチ,サンプリング個数を予め決めてテーブル化しておくことを特徴とする3次元逆投影方法を提供する。
上記第14の観点による3次元逆投影方法では、テーブル化により、処理を高速化できる。
【0020】
第15の観点では、本発明は、上記構成の3次元逆投影方法において、あるビューでの逆投影画素データD2と対向ビューでの逆投影画素データD2とに両ビューでの再構成領域の各画素とX線焦点を結ぶ直線と再構成領域を含む平面とがなす角度に応じた重み係数ωa,ωb(ただし、ωa+ωb=1)を掛けて加算した結果を、あるビューでの逆投影画素データD2とすることを特徴とする3次元逆投影方法を提供する。
一般的に、再構成領域の各画素とX線焦点を結ぶ直線と再構成領域を含む平面とがなす角度が90゜に近いほど、各画素に関する情報をより正しく含んでいると考えられる。
従って、上記第15の観点による3次元逆投影方法では、逆投影画素データD2をより正しく求めることが可能となる。
【0021】
第16の観点では、本発明は、X線管と、複数の検出器列を持つマルチ検出器と、前記X線管または前記マルチ検出器の少なくとも一方を撮影対象の周りに回転しながら又は回転させると共に両方を撮影対象に対して直線状に相対移動しながら投影データD0を収集するスキャン手段と、前記投影データD0を基に投影面上に面投影されたデータD1を求める面投影データ算出手段と、再構成領域上の複数画素間隔あけた複数のラインであって投影面に平行な方向の複数のラインを構成する各画素上に前記面投影されたデータD1をX線透過方向に投影して再構成領域上のラインを構成する各画素の逆投影画素データD2を求めると共に前記複数のライン間を補間して再構成領域上のライン間の各画素の逆投影画素データD2を求める逆投影画素データ算出手段と、画像再構成に用いる全ビューの逆投影画素データD2を画素対応に加算して逆投影データD3を求める逆投影データ算出手段とを具備してなることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第16の観点によるX線CT装置では、前記第1の観点による3次元逆投影方法を好適に実施しうる。
【0022】
第17の観点では、本発明は、X線管と、複数の検出器列を持つマルチ検出器と、前記X線管または前記マルチ検出器の少なくとも一方を撮影対象の周りに回転しながら又は回転させると共に両方を撮影対象に対して直線状に相対移動しながら投影データD0を収集するスキャン手段と、前記投影データD0を基に再構成領域上の複数画素間隔あけた複数のラインであって投影面に平行な方向の複数のラインに対応する投影面上のライン上の面投影されたデータD1を求める面投影データ算出手段と、前記面投影されたデータD1を基に再構成領域上の各画素の逆投影画素データD2を求める逆投影画素データ算出手段と、画像再構成に用いる全ビューの逆投影画素データD2を画素対応に加算して逆投影データD3を求める逆投影データ算出手段とを具備してなることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第17の観点によるX線CT装置では、前記第2の観点による3次元逆投影方法を好適に実施しうる。
【0023】
第18の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、前記ライン数が、ラインに直交する方向の再構成領域の画素数の1/64〜1/2であることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第18の観点によるX線CT装置では、前記第3の観点による3次元逆投影方法を好適に実施しうる。
【0024】
第19の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、前記面投影データ算出手段は、X線管またはマルチ検出器の回転平面に垂直な方向またはヘリカルスキャンの直線移動方向をz方向とし、view=0゜の時のX線ビームの中心軸方向をy方向とし、z方向およびy方向に直交する方向をx方向とするとき、−45゜≦view<45゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲および135゜≦view<225゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲では回転中心を通るxz平面を前記投影面とし、45゜≦view<135゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲および225゜≦view<315゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲では回転中心を通るyz平面を前記投影面とすることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第19の観点によるX線CT装置では、前記第4の観点による3次元逆投影方法を好適に実施しうる。
【0025】
第20の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、前記面投影データ算出手段は、複数の投影データD0から補間/補外処理により1つの面投影されたデータD1を求めることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第20の観点によるX線CT装置では、前記第5の観点による3次元逆投影方法を好適に実施しうる。
【0026】
第21の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、前記面投影データ算出手段は、1つの面投影されたデータD1を求めるための複数の投影データD0のアドレスおよび補間/補外係数を設定したテーブルを利用することを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第21の観点によるX線CT装置では、前記第6の観点による3次元逆投影方法を好適に実施しうる。
【0027】
第22の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、前記面投影データ算出手段は、複数の投影データD0から補間/補外処理により1つの面投影されたデータD1を求めると共に、−45゜≦view<45゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲,135゜≦view<225゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲,45゜≦view<135゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲または225゜≦view<315゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲のいずれか一つのビュー角度範囲で1つの面投影されたデータD1を求めるための複数の投影データD0のアドレスおよび補間/補外係数をテーブル化しておき、他のビュー角度範囲では前記テーブルを利用することを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第22の観点によるX線CT装置では、前記第7の観点による3次元逆投影方法を好適に実施しうる。
【0028】
第23の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、前記補間/補外処理が、0次の補間/補外処理または1次の補間/補外処理を含むことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第23の観点によるX線CT装置では、前記第8の観点による3次元逆投影方法を好適に実施しうる。
【0029】
第24の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、複数の面投影されたデータD1の荷重加算処理により1つの逆投影画素データD2を求めることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第24の観点によるX線CT装置では、前記第9の観点による3次元逆投影方法を好適に実施しうる。
【0030】
第25の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、再構成領域の各画素から面投影されたデータD1までの距離に応じて前記荷重加算処理の荷重を定めることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第25の観点によるX線CT装置では、前記第10の観点による3次元逆投影方法を好適に実施しうる。
【0031】
第26の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、再構成領域の各画素からX線焦点までの距離に応じて前記荷重加算処理の荷重を定めることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第26の観点によるX線CT装置では、前記第11の観点による3次元逆投影方法を好適に実施しうる。
【0032】
第27の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、再構成領域の各画素であって且つ投影面に平行な直線上にある画素については前記荷重加算処理の荷重を共通とすることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第27の観点によるX線CT装置では、前記第12の観点による3次元逆投影方法を好適に実施しうる。
【0033】
第28の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、開始アドレス,サンプリングピッチ,サンプリング個数を決めて、前記面投影されたデータD1をサンプリングし、再構成領域の各画素であって且つ投影面に平行な直線上にある画素について前記荷重加算処理をするための面投影されたデータD1を連続的に選択することを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第28の観点によるX線CT装置では、前記第13の観点による3次元逆投影方法を好適に実施しうる。
【0034】
第29の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、前記荷重加算処理の荷重,開始アドレス,サンプリングピッチ,サンプリング個数を予め決めてテーブル化しておくことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第29の観点によるX線CT装置では、前記第14の観点による3次元逆投影方法を好適に実施しうる。
【0035】
第30の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、あるビューで再構成領域の各画素とX線焦点を結ぶ直線と再構成領域を含む平面とがなす角度および対向ビューで再構成領域の各画素とX線焦点を結ぶ直線と再構成領域を含む平面とがなす角度に応じて前記荷重加算処理の荷重を定めることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第30の観点によるX線CT装置では、前記第15の観点による3次元逆投影方法を好適に実施しうる。
【0036】
第31の観点では、本発明は、上記構成の3次元逆投影方法において、複数の検出器列を持つマルチ検出器を用いたアキシャルスキャンまたはヘリカルスキャンによって収集したファンデータの投影データD0fからパラレルデータの投影データD0pを求め、パラレルデータの投影データD0pを基に投影面上に面投影されたデータD1を求めることを特徴とする3次元逆投影方法を提供する。
上記第31の観点による3次元逆投影方法では、ファンデータの投影データD0fから面投影されたデータD1を直接求めるのではなく、ファンデータの投影データD0fからパラレルデータの投影データD0pを求め、そのパラレルデータの投影データD0pから面投影されたデータD1を求めるようにしている。
ここで、ファンデータの投影データD0fから面投影されたデータD1を直接求める場合は、X線焦点から各投影データD0fに対応するチャネルまでの距離およびX線焦点から投影面上の投影位置までの距離を考慮する必要があった。すなわち、距離係数を乗算する必要があった。ところが、パラレルデータの投影データD0pから面投影されたデータD1を求める場合は、距離係数を乗算する必要がなくなるため、演算を簡単化できる。また、ファンデータの投影データD0fでは、対向ビューの取扱いに工夫をこらすことが出来なかったが、パラレルデータの投影データD0pでは、対向ビューの取扱いが簡単になる。このため、対向ビューを−1/4チャンネル、オリジナルビューを+1/4チャンネルずらしたものを組み合わせることにより、チャンネル方向の分解能を向上でき、逆投影時のビュー数も1/2になり、計算量も少なくできる。
【0037】
第32の観点では、本発明は、上記構成のX線CT装置において、ファンデータの投影データD0fからパラレルデータの投影データD0pを求めるファン−パラ変換手段をさらに具備し、前記スキャン手段は、ファンデータの投影データD0fを収集し、前記面投影データ算出手段は、前記パラレルデータの投影データD0pを基に投影面上に面投影されたデータD1を求めることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第32の観点によるX線CT装置では、前記第31の観点による3次元逆投影方法を好適に実施しうる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0039】
図1は、本発明の一実施形態にかかるX線CT装置の構成ブロック図である。
このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。
【0040】
前記操作コンソール1は、操作者の入力を受け付ける入力装置2と、本発明に係る3次元逆投影処理などを実行する中央処理装置3と、走査ガントリ20で取得した投影データを収集するデータ収集バッファ5と、前記投影データから再構成したCT画像を表示するCRT6と、プログラムやデータやX線CT画像を記憶する記憶装置7とを具備している。
【0041】
前記テーブル装置10は、被検体を乗せて前記走査ガントリ20のボア(空洞部)に入れ出しするクレードル12を具備している。クレードル12は、テーブル装置10に内蔵するモータで駆動される。
【0042】
前記走査ガントリ20は、X線管21と、X線コントローラ22と、コリメータ23と、マルチ検出器24と、DAS(Data Acquisition System)25と、被検体の体軸の回りにX線管21などを回転させる回転コントローラ26と、制御信号などを前記操作コンソール1や撮影テーブル10とやり取りする制御インタフェース29とを具備している。
【0043】
以下、ヘリカルスキャンを想定して説明する。なお、アキシャルスキャンではクレードル12の直線移動がないが、ヘリカルスキャンと同様に本発明を実施可能である。
図2は、X線CT装置100の動作の概略の流れを示すフロー図である。
ステップS1では、X線管21とマルチ検出器24とを撮影対象の周りに回転させ且つクレードル12を直線移動させながらビュー角度viewと相対角度差δと検出器列番号jとチャネル番号iとで表わされる投影データD0(view,δ,j,i)を収集する。なお、相対角度差δとは同一ビューで何回転目かを表すパラメータであり、例えば1回転目はδ=360゜で表す。
【0044】
ステップS2では、投影データD0(view,δ,j,i)に対して、前処理(オフセット補正,対数補正,X線線量補正,感度補正)を行う。
ステップS3では、前処理した投影データD0(view,δ,j,i)に対して、フィルタ処理を行う。すなわち、フーリエ変換し、フィルタ(再構成関数)を掛け、逆フーリエ変換する。
ステップS4では、フィルタ処理した投影データD0(view,δ,j,i)に対して、本発明に係る3次元逆投影処理を行い、逆投影データD3(x,y)を求める。この3次元逆投影処理については、図3を参照して後述する。
ステップS5では、逆投影データD3(x,y)に対して後処理を行い、CT画像を得る。
【0045】
図3は、3次元逆投影処理(S4)の詳細フロー図である。
ステップR1では、投影データD0(view,δ,j,i)から面投影されたデータD1(view,qt,pt)を得る。この処理については、図4〜図12を参照して後述する。
ステップR2では、投影面に面投影されたデータD1(view,qt,pt)から逆投影画素データD2(view,x,y)を得る。この処理については、図13〜図18,図20〜図25を参照して後述する。
ステップR3では、逆投影画素データD2(view,x,y)を画素対応に360゜分のビューを加算するか又は「180゜分+ファン角度分」のビューを加算し、逆投影データD3(x,y)を得る。この処理については、図19を参照して後述する。
【0046】
図4の(a)(b)は、X線管21とマルチ検出器24のview=0゜,δ=0゜における配置を示している。この時の投影面ppは、回転中心ICを通るxz平面である。マルチ検出器24の各チャネルをX線透過方向に投影面ppに面投影した位置に、当該チャネルで得られた投影データD0(view=0,δ=0,j,i)に距離係数を乗算してから配置し、続いてチャネル方向に補間処理してデータ密度を十分密にすると、図4の(c)に示すように、面投影されたデータD1’(view=0,δ=0,j,pt)が得られる。これを「投影データD0(view,δ,j,i)をX線透過方向に投影面ppに面投影する」と表現することとする。
なお、X線管21のX線焦点からマルチ検出器24のチャネルまでの距離をr0とし、X線管21から投影面pp上の投影位置までの距離をr1とするとき、距離係数は、(r1/r0)2である。
図4の(c)のZ0は、面投影されたデータD1’(view=0,δ=0,j=1,pt=0)の空間位置を示す原点座標である。
【0047】
図5の(a)(b)は、X線管21とマルチ検出器24のview=0゜,δ=360゜(つまり、δ=0゜から1回転後)における配置を示している。この時に得られた投影データD0(view=0,δ=360,j,i)を投影面ppに面投影すると、図5の(c)に示すように、面投影されたデータD1’(view=0,δ=360,j,pt)が得られる。
【0048】
同様にして、図6に示すように、view=0゜,δ=720゜(2回転目)に対応する面投影されたデータD1’(view=0,δ=720,j,pt)も得られる。
【0049】
次に、図6に示す面投影されたデータD1’(0,0,j,i),D1’(0,360,j,i),D1’(0,720,j,i)に対して、補間/補外処理を施し、図7に示すように、qt方向(再構成領域Pと投影面ppの交差線に直交する方向)およびpt方向(再構成領域Pと投影面ppの交差線に平行な方向)に十分密な面投影されたデータD1(view=0,qt,pt)を算出する。ここで、面投影されたデータD1(view=0,qt,pt)の密度は、面投影されたデータD1から逆投影画素データD2を求めるときに補間処理を省けるように、再構成領域における画素密度より十分高くなるようにすることが好ましい。
【0050】
図8は、view=30゜の0回転目,1回転目,2回転目に対応する面投影されたデータD1’(view=30,δ=0,j,pt),D1’(view=30,δ=360,j,pt),D1’(view=30,δ=720,j,pt)の概念図である。
view=0゜の時に較べて、マルチ検出器24の第1チャネル側が投影面ppに近づき、第Iチャネル側が投影面ppから遠くなるため、面投影されたデータD1’(30,0,j,pt),D1’(30,360,j,pt),D1’(30,720,j,pt)は、第1チャネル側が幅広くなり、第Iチャネル側が幅狭くなる。
なお、Z30は、面投影されたデータD1’(30,0,1,0)の空間位置を示す原点座標である。
【0051】
図9は、図8に示す面投影されたデータD1’(30,0,j,pt),D1’(30,360,j,pt),D1’(30,720,j,pt)に対して、補間/補外処理を施し、qt方向およびpt方向に十分密に算出した面投影されたデータD1(30,qt,pt)の概念図である。
【0052】
図10の(a)(b)は、X線管21とマルチ検出器24のview=90゜における配置を示している。この時の投影面ppは、回転中心ICを通るyz平面である。得られた投影データD0(view=90,δ,j,i)を投影面ppに面投影すると、図10の(c)に示すように、面投影されたデータD1’(view=90,δ,j,pt)が得られる。
【0053】
このように、−45゜≦view<45゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲および135゜≦view<225゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲では回転中心ICを通るxz平面を投影面ppとし、45゜≦view<135゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲および225゜≦view<315゜もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲では回転中心ICを通るyz平面を投影面ppとする。
【0054】
投影データD0(view,δ,j,i)から面投影されたデータD1’(view,δ,j,pt)を求めるには、図11に示す如き面投影用のルックアップテーブル31を記憶装置7に記憶しておき、これを利用するのが好ましい。
【0055】
図11の(a)に示すルックアップテーブル31は、面投影されたデータD1’(view,δ,j,pt)を2点補間/補外で求めるためのものであり、−45゜≦view<45゜のビュー角度範囲(もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲)内の各ビュー角度view毎に、座標(j,pt)の面投影されたデータD1’(view,δ,j,pt)を2点補間/補外で求めるための複数のチャネルアドレスi,i+1の投影データD0を取り出すための基準チャネルアドレスiと、pt方向の2点補間/補外係数k1,k2とが予め算出されて設定されている。
D1(view,δ,j,pt)=k1×D0(view,δ,j,i)+k2×D0(view,δ,j,i+1)
となる。
なお、Δviewは、ビュー角度のステップ角度(隣接するビュー間のビュー角度差)であり、例えば全部で1000ビューであれば「0.36゜」である。
【0056】
図11の(b)に示すルックアップテーブル31’は、面投影されたデータD1’(view,qt,pt)を3点補間/補外で求めるためのものであり、−45゜≦view<45゜のビュー角度範囲(もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲)内の各ビュー角度view毎に、座標(j,pt)の面投影されたデータD1’(view,δ,j,pt)を3点補間/補外で求めるための複数のチャネルアドレスi,i+1,i+2の投影データD0を取り出すための基準チャネルアドレスiと、pt方向の3点補間/補外係数k1,k2,k3とが予め算出されて設定されている。
【0057】
また、ヘリカルスキャンでは、qt方向の補間係数も上記ルックアップテーブル31,31’と同様のルックアップテーブルに設定され、qt方向にも同様の補間/補外が行われる。このqt方向の補間は、図12に示すような長方形領域Raでの繰り返しとなる。また、長方形領域Ra内では、中心線を挟んでqt方向に対称となる。
なお、アキシャルスキャンでは、図12に示すような長方形領域Raの一つ内での補間/補外となる。
【0058】
また、幾何学的な類似性から、−45゜≦view<45゜のビュー角度範囲(もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲)以外でも、−45゜≦view<45゜のビュー角度範囲(もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲)のルックアップテーブル31,31’を流用できる。
【0059】
図13は、再構成領域Pの空間位置を例示している。
ここでは、view=0゜,δ=0゜におけるX線管21のz座標をZaとし、view=0゜,δ=360゜におけるX線管21のz座標をZbとするとき、Zp=Za+(Zb−Za)/4の位置に再構成領域Pが存在する例を示している。
【0060】
図14は、面投影されたデータD1(0,qt,pt)をX線透過方向に再構成領域Pに投影して、逆投影画素データD2(0,x,y)を求める状態を示している。
図14の(a)に示すように、view=0゜におけるX線管21の焦点と再構成領域P上の画素g(x,y)とを結ぶ直線が投影面ppに交差する点から座標X0を求める。
また、図14の(b)に示すように、view=0゜におけるX線管21の焦点と再構成領域P上の画素g(x,y)とを結ぶ直線が投影面ppに交差する点から座標Z0_aを求める。
同様に、図14の(c)(d)に示すように、対向ビューにおけるX線管21の焦点と再構成領域P上の画素g(x,y)とを結ぶ直線が投影面ppに交差する点から座標Z0_bを求める。
なお、一般に、view=βaでX線管21の焦点と再構成領域P上の画素g(x,y)とを結ぶ直線がX線ビームの中心軸Bcに対してなす角度をγとし、その対向ビューをview=βbとするとき、
βb=βa+180゜−2γ
である。
【0061】
次に、座標(X0,Z0_a)に対応する面投影されたデータD1(0,qt_a,pt)を求める。また、座標(X0,Z0_b)に対応する面投影されたデータD1(0,qt_b,pt)を求める。
そして、view=0゜でのX線管21のX線焦点から面投影されたデータD1(0,qt_a,pt)までの距離をr0_0aとし、X線管21のX線焦点から画素g(x,y)までの距離をr0_1aとするとき、view=0゜での逆投影画素データD2(0,x,y)_aを次式により求める。
D2(0,x,y)_a=(r0_0a/r0_1a)2・D1(0,qt_a,pt)
【0062】
また、対向ビューでのX線管21から面投影されたデータD1(0,qt_b,pt)までの距離をr0_0bとし、X線管21から画素g(x,y)までの距離をr0_1bとするとき、対向ビューでの逆投影画素データD2(0,x,y)_bを次式により求める。
D2(0,x,y)_b=(r0_0b/r0_1b)2・D1(0,qt_b,pt)
【0063】
次に、逆投影画素データD2(0,x,y)_a,D2(0,x,y)_bに、図14に示す角度αa,αbに依存したコーンビーム再構成重み係数ωa,ωbを掛けて加算し、逆投影画素データD2(0,x,y)を求める。
D2(0,x,y)=ωa・D2(0,x,y)_a+ωb・D2(0,x,y)_b
なお、角度αaは、view=0゜で画素g(x,y)を通るX線と再構成領域Pを含む平面のなす角度である。また、角度αbは、対向ビューで画素g(x,y)を通るX線と再構成領域Pを含む平面のなす角度である。また、
ωa+ωb=1
である。
コーンビーム再構成重み係数ωa,ωbを掛けて加算することにより、コーン角アーチファクトを低減することが出来る。
【0064】
例えば、コーンビーム再構成重み係数ωa,ωbは、次式により求めたものを用いることが出来る。
max〔〕を値の大きい方を採る関数とし、ファンビーム角の1/2をγmaxとするとき、
ga=max〔0,{(π/2+γmax)−|βa|}〕・|tan(αa)|
gb=max〔0,{(π/2+γmax)−|βb|}〕・|tan(αb)|
xa=2・gaq/(gaq+gbq)
xb=2・gbq/(gaq+gbq)
ωa=xa2・(3−2xa)
ωb=xb2・(3−2xb)
(例えば、q=1)
【0065】
図15は、記憶装置7に記憶されている逆投影用のルックアップテーブル32の概念図である。
この逆投影用のルックアップテーブル32を利用して、再構成領域P上の複数画素間隔あけた複数(ここでは9本)のラインであって投影面に平行な方向(ここではx方向)の複数のライン(y=0,Ye/8,2Ye/8,3Ye/8,4Ye/8,5Ye/8,6Ye/8,7Ye/8,Ye)を構成する各画素の逆投影画素データD2(view,x,y)_a を求める。
【0066】
このルックアップテーブル32には、−45゜≦view<45゜のビュー角度範囲(もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲)内の各ビュー角度view毎に、逆投影画素データD2のy座標y(ラインのy座標)と、1つの面投影されたデータD1(view,qt,pt)から1つの逆投影画素データD2(view,x,y)_a を求めるための変換演算のパラメータとして荷重R(y)_a=(r0_0a/r0_1a)2、開始アドレスstr_x,str_qt、サンプリングピッチΔqt,Δpt、サンプリング個数n(y)が予め算出されて設定されている。
【0067】
なお、幾何学的な類似性から、−45゜≦view<45゜のビュー角度範囲(もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲)以外でも、−45゜≦view<45゜のビュー角度範囲(もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲)のルックアップテーブル32を流用できる。
【0068】
図16は、再構成領域Pがxy面に平行な平面であり且つ投影面ppがxz平面であるとき、x軸に平行なライン上に在る画素g(x,y)についての逆投影画素データD2(view,str_x,y)_a〜D2(view,str_x+n(y),y)_aを求める状況を示している。
x軸に平行なライン上に在る画素g(x,y)についての荷重R(y)_aは、すべて(r0_1a/r0_0a)2となり、共通となる。従って、
D2(view,x,y)_a=R(y)_a×D1(view,str_qt+(x−str_x)Δqt,str_pt+(x−str_x)Δpt)
となる。
【0069】
図17の(a)は、x軸に平行なラインL0〜L8についての逆投影画素データD2(view=0,x,y)_aを示す概念図である。
図17の(b)は、同様にして求めたx軸に平行なラインL0〜L8についての逆投影画素データD2(view=0,x,y)_bを示す概念図である。
【0070】
図18の(a)は、逆投影画素データD2(0,x,y)_a,D2(0,x,y)_bにコーンビーム再構成重み係数ωa,ωbを掛けて加算して求めた逆投影画素データD2(0,x,y)を示す概念図である。
図18の(b)は、ラインL0〜L8の間を補間して求めた逆投影画素データD2(0,x,y)を示す概念図である。
【0071】
図19は、図18の(b)に示す逆投影画素データD2(view,x,y)を画素対応に全ビュー加算し、逆投影データD3(x,y)を得る状態を示している。すなわち、
D3(x,y)=viewΣD2(view,x,y)
である。
【0072】
第1の実施形態のX線CT装置100によれば、投影データD0から面投影されたデータD1を求め、その面投影されたデータD1を再構成領域にX線透過方向に投影して逆投影画素データD2を求めるようにしたから、再構成領域を透過したX線ビームに正しく対応した投影データを用いて再構成を行うことが出来る。また、総合的に見れば、処理の簡単化および高速化が可能となる。
【0073】
さらに、面投影されたデータD1から逆投影画素データD2を求める際、ラインL0〜L8を構成する各画素上の逆投影画素データD2だけを求め、ライン間は補間処理で埋めるので、面投影されたデータD1から再構成領域Pを構成する全画素上の逆投影画素データD2を求めるよりも、処理時間を短縮することが出来る。
【0074】
−第2の実施形態−
図20,図21に示すように、再構成領域P上のラインL0〜L8に対応する投影面pp上のラインをL0’〜L8’とする。
図22に示すように、図6に示す面投影されたデータD1’(view,δ,j,pt)を基に補間/補外処理によりラインL0’〜L8’上の面投影されたデータD1(view,Lm',pt)だけを求める。すなわち、図3のステップR1で、投影データD0(view,δ,j,i)からラインL0’〜L8’上の面投影されたデータD1(view,Lm',pt)を得る。
【0075】
次に、図23に示す逆投影用のルックアップテーブル32’を用いて逆投影画素データD2(view,x,y)を求める。すなわち、図3のステップR2で、データD1(view,Lm',pt)から逆投影画素データD2(view,x,y)を得る。
【0076】
このルックアップテーブル32’には、−45゜≦view<45゜のビュー角度範囲(もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲)内の各ビュー角度view毎に、逆投影画素データD2のy座標y(再構成領域Pを構成する全ラインのy座標)と、2ラインの面投影されたデータD1(view,Lm',pt), D1(view,Lm+1',pt)から1つの逆投影画素データD2(view,x,y)を求めるための変換演算のパラメータとして補間係数km,km+1、荷重S(y)=ωa×R(y)_a、開始アドレスstr_x,サンプリングピッチΔpt、サンプリング個数n(y)が予め算出されて設定されている。
【0077】
なお、幾何学的な類似性から、−45゜≦view<45゜のビュー角度範囲(もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲)以外でも、−45゜≦view<45゜のビュー角度範囲(もしくはそれを主体とし周辺をも含むビュー角度範囲)のルックアップテーブル32を流用できる。
【0078】
図24に示すように、逆投影画素データD2(view,x,y=0)は、面投影されたデータD1(view,L0',pt)をΔptごとにサンプリングしていくことにより求めうる。
【0079】
また、図25に示すように、逆投影画素データD2(view,x,y=0.6Ye/8)は、面投影されたデータD1(view,L0',pt)とD1(view,L1',pt)を補間処理することにより求めうる。
【0080】
第2の実施形態のX線CT装置によれば、ラインL0’〜L8’上の面投影されたデータD1(view,Lm',pt)だけを求めるため、多量の面投影されたデータD1(view,qt,pt)を求めるよりも、処理時間を短縮することが出来る。
【0081】
−第3の実施形態−
図26は、X線CT装置100の動作の概略の流れを示すフロー図である。
ステップS11では、X線管21とマルチ検出器24とを撮影対象の周りに回転させ且つクレードル12を直線移動させながらビュー角度viewと相対角度差δと検出器列番号jとチャネル番号iとで表わされるファンデータの投影データD0f(view,δ,j,i)を収集する。
【0082】
ステップS12では、ファンデータの投影データD0f(view,δ,j,i)に対して、前処理(オフセット補正,対数補正,X線線量補正,感度補正)を行う。
【0083】
ステップS13では、前処理したファンデータの投影データD0f(view,δ,j,i)に対して、ファン−パラ変換処理を行い、パラレルデータの投影データD0p(view,δ,j,i)を求める。このファン−パラ変換処理については、図27を参照して後述する。
【0084】
ステップS14では、パラレルデータの投影データD0p(view,δ,j,i)に対して、フィルタ処理を行う。すなわち、フーリエ変換し、フィルタ(再構成関数)を掛け、逆フーリエ変換する。
ステップS15では、フィルタ処理した投影データD0p(view,δ,j,i)に対して、3次元逆投影処理を行い、逆投影データD3(x,y)を求める。この3次元逆投影処理については、図32を参照して後述する。
ステップS16では、逆投影データD3(x,y)に対して後処理を行い、CT画像を得る。
【0085】
図27は、ファン−パラ変換処理(S13)の詳細フロー図である。
ステップF1では、ファンデータの投影データD0f(view,δ,i,j)からパラレルデータの投影データD0p(view,δ,j,i)を作成する。
すなわち、ファンデータの投影データD0f(view,δ,i,j)は、図28の(a)に示すごときサイノグラムで表される。このサイノグラム上に破線で示すようにデータを斜めに拾ってゆくことで、図28の(b)に示すようにパラレルデータの投影データD0p(view,δ,j,i)を作成することが出来る。
パラレルデータの投影データD0p(view,δ,j,i)に対応する各チャネルに入射するX線透過経路は、図29の(a)に破線で示すようにチャネル方向について平行で且つ中央チャネル近傍よりも端チャネル近傍での間隔が狭くなり、また、図29の(b)に破線で示すように、検出器列方向については放射線状になる。
【0086】
図27に戻り、ステップF2では、ヘリカルピッチが小さい場合、すなわち、対向ビューのデータ間のZ方向に関する矛盾が小さい場合、対向ビューを組み合わせてパラレルデータの投影データD0p(view,δ,i,j)を倍密度にする。なお、図30に示すように、対向ビューのX線透過経路は、重ならないようにチャネル方向にシフトされており、インターリーブ状態になっている。
【0087】
パラレルデータの投影データD0p(view,δ,j,i)では、ビュー角度viewが180゜異なれば、対向ビューとなるので、取り扱いが簡単になる(例えば、対向ビューのビュー荷重をかけやすい)。
これに対して、パラレルデータの投影データD0f(view,δ,j,i)では、ビュー角度viewが180゜異なっても、ファン中央以外は対向ビューとならないので、取り扱いが煩雑になる。
【0088】
ステップF3では、図31に示すように、チャネル間隔が等間隔になるように、補間処理により、パラレルデータの投影データD0p(view,δ,i,j)をアレンジする。図31の(a)は対向ビューを組み合わせて倍密度にした場合、図31の(b)はステップF2をスキップした場合である。
【0089】
図32は、3次元逆投影処理(S15)の詳細フロー図である。
ステップR11では、第1,第2の実施形態で説明したと同様に、図33に示すように、投影データD0p(view,δ,j,i)から面投影されたデータD1(view,qt,pt)またはデータD1(view,Lm',pt)を得る。
【0090】
図32に戻り、ステップR12では、第1,第2の実施形態で説明したと同様に、図34に示すように、投影面に面投影されたデータD1(view,qt,pt)またはデータD1(view,Lm',pt)から逆投影画素データD2(view,x,y)を得る。
【0091】
ステップR13では、第1,第2の実施形態で説明したと同様に、逆投影画素データD2(view,x,y)を画素対応に360゜分のビューを加算するか又は「180゜分+ファン角度分」のビューを加算し、逆投影データD3(x,y)を得る。
【0092】
−他の実施形態−
(1)前記実施形態では“ライン数”/“ラインに直交する方向の再構成領域Pの画素数”=9/512≒1/57としたが、ライン数を8本〜256本としてもよい。ただし、本願発明者の実験によれば、“ラインに直交する方向の再構成領域Pの画素数”=512の場合、ライン数を8本にすると画質の劣化が認められ、ライン数を65本より増やしても臨床上問題になる画質の変化は認められなかったので、9本〜65本とすることが好ましい。
(2)前記実施形態では再構成領域Pとして512画素構成を想定したが、1024画素構成やその他の画素数の場合にも本発明を適用可能である。
(3)前記実施形態では、1次の補間/補外処理を想定したが、0次の補間/補外処理(最近傍データのコピー)または2次以上の補間/補外処理(例えばHanning補間やCubic補間)としてもよい。
(4)前記実施形態では対向ビューの2つのデータD2を用いた補間を想定したが、実効スライスが厚くなってもかまわなければ、同一ビューの2つのデータD2を用いたヘリカル補間としてもよい。
(5)前記実施形態ではX線ビームの中心軸Bcがy軸に平行となるビューをview=0゜としているが、任意の角度をview=0゜としてもよい。
(6)前記実施形態では医用X線CT装置を想定したが、産業用X線CT装置にも本発明を適用可能である。
【0093】
【発明の効果】
本発明の3次元逆投影方法およびX線CT装置によれば、投影データD0から逆投影画素データD2を直接求めるのではなく、まず投影データD0から面投影されたデータD1を求め、その面投影されたデータD1を再構成領域にX線透過方向に投影して逆投影画素データD2を求めるようにしたから、再構成領域を透過したX線ビームに正しく対応した投影データを用いて再構成を行うことが出来る。
【0094】
また、面投影されたデータD1から逆投影画素データD2を求める際、再構成領域の複数画素間隔あいたラインであって投影面に平行な方向のラインを構成する逆投影画素データD2だけを求め、複数画素間隔あいたライン間は補間処理で埋めるので、処理時間を短縮することが出来る。
【0095】
さらに、面投影されたデータD1を求める際、再構成領域の複数画素間隔あいたラインであって投影面に平行な方向のラインに対応する投影面上のラインを構成する面投影されたデータD1だけを求め、ライン間は補間処理で埋めるので、処理時間をより短縮することが出来る。
【0096】
さらにまた、ファンデータの投影データD0fからパラレルデータの投影データD0pを求め、そのパラレルデータの投影データD0pから面投影されたデータD1を求めるため、演算を簡単化できる。また、対向ビューの取り扱いが簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態にかかるX線CT装置を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態にかかるX線CT装置の動作の概略フロー図である。
【図3】第1の実施形態にかかる3次元逆投影処理のフロー図である。
【図4】X線管とマルチ検出器のview=0゜,δ=0゜における配置および面投影されたデータを示す説明図である。
【図5】X線管とマルチ検出器のview=0゜,δ=360゜における配置および面投影されたデータを示す説明図である。
【図6】 view=0゜における面投影されたデータを示す説明図である。
【図7】 qt方向に補間/補外処理後のview=0゜における面投影されたデータを示す説明図である。
【図8】 view=30゜における面投影されたデータを示す説明図である。
【図9】 qt方向に補間/補外処理後のview=30゜における面投影されたデータを示す説明図である。
【図10】X線管とマルチ検出器のview=90゜における配置および面投影されたデータを示す説明図である。
【図11】面投影されたデータ算出用のルックアップテーブルの例示図である。
【図12】 qt方向の補間/補外処理の繰り返し単位を示す説明図である。
【図13】再構成領域の空間位置の例示図である。
【図14】 view=0゜における面投影されたデータをX線透過方向に再構成領域に投影して逆投影画素データを求める状態を示す説明図である。
【図15】逆投影用のルックアップテーブルの例示図である。
【図16】再構成領域上のラインであって投影面に平行なライン上の画素についての逆投影画素データを求める場合を示す説明図である。
【図17】(a)はview=0゜における再構成領域上の複数画素間隔あけた複数のラインであって投影面に平行な複数のライン上の画素についての逆投影画素データD2を示す概念図、(b)は対向ビューの逆投影画素データD2を示す概念図である。
【図18】(a)はview=0゜における再構成領域上の複数画素間隔あけた複数のラインであって投影面に平行な複数のライン上の画素についての逆投影画素データD2を示す概念図、(b)はライン間を補間して得られたview=0゜における再構成領域の全画素の逆投影画素データD2の説明図である。
【図19】逆投影画素データD2を画素対応に全ビュー加算して逆投影データD3を得る状態を示す説明図である。
【図20】(a)はview=0゜における再構成領域上の複数画素間隔あけた複数のラインであって投影面に平行な複数のラインを示す概念図、(b)はview=0゜における再構成領域上の複数画素間隔あけた複数のラインであって投影面に平行な複数のラインに対応する投影面上のラインを示す概念図である。
【図21】 view=0゜における再構成領域上の複数画素間隔あけた複数のラインであって投影面に平行な複数のラインに対応する投影面上のラインを示す概念図である。
【図22】 view=0゜における再構成領域上の複数画素間隔あけた複数のラインであって投影面に平行な複数のラインに対応する投影面上のラインについての面投影されたデータD1を求める処理を示す概念図である。
【図23】逆投影用のルックアップテーブルの例示図である。
【図24】投影面上のラインについての面投影されたデータD1をサンプリングして再構成領域上のラインの逆投影画素データD2を求める処理を示す概念図である。
【図25】投影面上のラインについての面投影されたデータD1を補間処理して再構成領域上のラインの逆投影画素データD2を求める処理を示す概念図である。
【図26】第3の実施形態にかかるX線CT装置の動作の概略フロー図である。
【図27】第3の実施形態にかかるファン−パラ変換処理のフロー図である。
【図28】ファン−パラ変換処理の概念を示すサイノグラム図である。
【図29】パラレルデータに対応するX線透過経路とチャネルとを示す概念図である。
【図30】パラレルデータの対向ビューを示す概念図である。
【図31】チャネル方向の密度を均等化したパラレルデータを示す概念図である。
【図32】第3の実施形態にかかる3次元逆投影処理のフロー図である。
【図33】 view=0゜におけるファンデータの投影データD0pをX線透過方向に投影面に投影して面投影されたデータD1を求める状態を示す説明図である。
【図34】 view=0゜における面投影されたデータD1をX線透過方向に再構成領域Pに投影して逆投影画素データD2を求める状態を示す説明図である。
【図35】再構成領域の空間位置の例示図である。
【図36】従来の課題を示す説明図である。
【符号の説明】
1 操作コンソール
3 中央処理装置
20 走査ガントリ
21 X線管
24 マルチ検出器
31 ルックアップテーブル
L0〜L8 再構成領域上のライン
L0’〜L8’ 投影面上のライン
P 再構成領域
pp 投影面
Claims (32)
- 複数の検出器列を持つマルチ検出器を用いたアキシャルスキャンまたはヘリカルスキャンによって収集した投影データD0を基に投影面上に面投影されたデータD1を求め、次いで再構成領域上の複数画素間隔あけた複数のラインであって投影面に平行な方向の複数のラインを構成する各画素上に前記面投影されたデータD1をX線透過方向に投影して再構成領域上のラインを構成する各画素の逆投影画素データD2を求め、前記複数のライン間を補間して再構成領域上のライン間の各画素の逆投影画素データD2を求め、画像再構成に用いる全ビューの逆投影画素データD2を画素対応に加算して逆投影データD3を求めることを特徴とする3次元逆投影方法。
- 複数の検出器列を持つマルチ検出器を用いたアキシャルスキャンまたはヘリカルスキャンによって収集した投影データD0を基に再構成領域上の複数画素間隔あけた複数のラインであって投影面に平行な方向の複数のラインに対応する投影面上のライン上に面投影されたデータD1を求め、該投影面上のライン上の面投影されたデータD1を基に再構成領域上の各画素の逆投影画素データD2を求め、画像再構成に用いる全ビューの逆投影画素データD2を画素対応に加算して逆投影データD3を求めることを特徴とする3次元逆投影方法。
- 請求項1または請求項2に記載の3次元逆投影方法において、前記ライン数が、ラインに直交する方向の再構成領域の画素数の1/64〜1/2であることを特徴とする3次元逆投影方法。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載の3次元逆投影方法において、X線管またはマルチ検出器の回転平面に垂直な方向またはヘリカルスキャンの直線移動方向をz方向とし、view=0゜の時のX線ビームの中心軸方向をy方向とし、z方向およびy方向に直交する方向をx方向とするとき、−45゜≦view<45゜のビュー角度範囲および135゜≦view<225゜のビュー角度範囲では回転中心を通るxz平面を前記投影面とし、45゜≦view<135゜のビュー角度範囲および225゜≦view<315゜のビュー角度範囲では回転中心を通るyz平面を前記投影面とすることを特徴とする3次元逆投影方法。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載の3次元逆投影方法において、複数の投影データD0から補間/補外処理により1つの面投影されたデータD1を求めることを特徴とする3次元逆投影方法。
- 請求項5に記載の3次元逆投影方法において、1つの面投影されたデータD1を求めるための複数の投影データD0のアドレスおよび補間/補外係数をテーブル化しておくことを特徴とする3次元逆投影方法。
- 請求項4に記載の3次元逆投影方法において、複数の投影データD0から補間/補外処理により1つの面投影されたデータD1を求めると共に、−45゜≦view<45゜のビュー角度範囲,135゜≦view<225゜のビュー角度範囲,45゜≦view<135゜のビュー角度範囲または225゜≦view<315゜のビュー角度範囲のいずれか一つのビュー角度範囲で1つの面投影されたデータD1を求めるための複数の投影データD0のアドレスおよび補間/補外係数をテーブル化しておき、他のビュー角度範囲では前記テーブルを利用することを特徴とする3次元逆投影方法。
- 請求項5から請求項7のいずれかに記載の3次元逆投影方法において、前記補間/補外処理が、0次の補間/補外処理または1次の補間/補外処理を含むことを特徴とする3次元逆投影方法。
- 請求項1から請求項8のいずれかに記載の3次元逆投影方法において、複数の面投影されたデータD1の荷重加算処理により1つの逆投影画素データD2を求めることを特徴とする3次元逆投影方法。
- 請求項9に記載の3次元逆投影方法において、X線焦点から面投影されたデータD1までの距離に応じて前記荷重加算処理の荷重を定めることを特徴とする3次元逆投影方法。
- 請求項9または請求項10に記載の3次元逆投影方法において、X線焦点から再構成領域の各画素までの距離に応じて前記荷重加算処理の荷重を定めることを特徴とする3次元逆投影方法。
- 請求項9から請求項11のいずれかに記載の3次元逆投影方法において、再構成領域の各画素であって且つ投影面に平行な直線上に在る画素については前記荷重加算処理の荷重を共通とすることを特徴とする3次元逆投影方法。
- 請求項12に記載の3次元逆投影方法において、開始アドレス,サンプリングピッチ,サンプリング個数を決めて、前記面投影されたデータD1をサンプリングし、再構成領域の各画素であって且つ投影面に平行な直線上にある画素について前記荷重加算処理をするための面投影されたデータD1を選択することを特徴とする3次元逆投影方法。
- 請求項13に記載の3次元逆投影方法において、前記荷重加算処理の荷重,開始アドレス,サンプリングピッチ,サンプリング個数を予め決めてテーブル化しておくことを特徴とする3次元逆投影方法。
- 請求項1から請求項14のいずれかに記載の3次元逆投影方法において、あるビューでの逆投影画素データD2と対向ビューでの逆投影画素データD2とに両ビューでの再構成領域の各画素とX線焦点を結ぶ直線と再構成領域を含む平面とがなす角度に応じた重み係数ωa,ωb(ただし、ωa+ωb=1)を掛けて加算した結果を、あるビューでの逆投影画素データD2とすることを特徴とする3次元逆投影方法。
- X線管と、複数の検出器列を持つマルチ検出器と、前記X線管または前記マルチ検出器の少なくとも一方を撮影対象の周りに回転しながら又は回転させると共に両方を撮影対象に対して直線状に相対移動しながら投影データD0を収集するスキャン手段と、前記投影データD0を基に投影面上に面投影されたデータD1を求める面投影データ算出手段と、再構成領域上の複数画素間隔あけた複数のラインであって投影面に平行な方向の複数のラインを構成する各画素上に前記面投影されたデータD1をX線透過方向に投影して再構成領域上のラインを構成する各画素の逆投影画素データD2を求めると共に前記複数のライン間を補間して再構成領域上のライン間の各画素の逆投影画素データD2を求める逆投影画素データ算出手段と、画像再構成に用いる全ビューの逆投影画素データD2を画素対応に加算して逆投影データD3を求める逆投影データ算出手段とを具備してなることを特徴とするX線CT装置。
- X線管と、複数の検出器列を持つマルチ検出器と、前記X線管または前記マルチ検出器の少なくとも一方を撮影対象の周りに回転しながら又は回転させると共に両方を撮影対象に対して直線状に相対移動しながら投影データD0を収集するスキャン手段と、前記投影データD0を基に再構成領域上の複数画素間隔あけた複数のラインであって投影面に平行な方向の複数のラインに対応する投影面上のライン上の面投影されたデータD1を求める面投影データ算出手段と、前記面投影されたデータD1を基に再構成領域上の各画素の逆投影画素データD2を求める逆投影画素データ算出手段と、画像再構成に用いる全ビューの逆投影画素データD2を画素対応に加算して逆投影データD3を求める逆投影データ算出手段とを具備してなることを特徴とするX線CT装置。
- 請求項16または請求項17に記載のX線CT装置において、前記ライン数が、ラインに直交する方向の再構成領域の画素数の1/64〜1/2であることを特徴とするX線CT装置。
- 請求項17から請求項18のいずれかに記載のX線CT装置において、前記面投影データ算出手段は、X線管またはマルチ検出器の回転平面に垂直な方向またはヘリカルスキャンの直線移動方向をz方向とし、view=0゜の時のX線ビームの中心軸方向をy方向とし、z方向およびy方向に直交する方向をx方向とするとき、−45゜≦view<45゜および135゜≦view<225゜のビュー角度範囲では回転中心を通るxz平面を前記投影面とし、45゜≦view<135゜および225゜≦view<315゜のビュー角度範囲では回転中心を通るyz平面を前記投影面とすることを特徴とするX線CT装置。
- 請求項17から請求項19のいずれかに記載のX線CT装置において、前記面投影データ算出手段は、複数の投影データD0から補間/補外処理により1つの面投影されたデータD1を求めることを特徴とするX線CT装置。
- 請求項20に記載のX線CT装置において、前記面投影データ算出手段は、1つの面投影されたデータD1を求めるための複数の投影データD0のアドレスおよび補間/補外係数を設定したテーブルを利用することを特徴とするX線CT装置。
- 請求項21に記載のX線CT装置において、前記面投影データ算出手段は、複数の投影データD0から補間/補外処理により1つの面投影されたデータD1を求めると共に、−45゜≦view<45゜のビュー角度範囲,135゜≦view<225゜のビュー角度範囲,45゜≦view<135゜のビュー角度範囲または225゜≦view<315゜のビュー角度範囲のいずれか一つのビュー角度範囲で1つの面投影されたデータD1を求めるための複数の投影データD0のアドレスおよび補間/補外係数をテーブル化しておき、他のビュー角度範囲では前記テーブルを利用することを特徴とするX線CT装置。
- 請求項20から請求項22のいずれかに記載のX線CT装置において、前記補間/補外処理が、0次の補間/補外処理または1次の補間/補外処理を含むことを特徴とするX線CT装置。
- 請求項17から請求項23のいずれかに記載のX線CT装置において、複数の面投影されたデータD1の荷重加算処理により1つの逆投影画素データD2を求めることを特徴とするX線CT装置。
- 請求項24に記載のX線CT装置において、再構成領域の各画素から面投影されたデータD1までの距離に応じて前記荷重加算処理の荷重を定めることを特徴とするX線CT装置。
- 請求項24または請求項25に記載のX線CT装置において、再構成領域の各画素からX線焦点までの距離に応じて前記荷重加算処理の荷重を定めることを特徴とするX線CT装置。
- 請求項24から請求項26に記載のX線CT装置において、再構成領域の各画素であって且つ投影面に平行な直線上にある画素については前記荷重加算処理の荷重を共通とすることを特徴とするX線CT装置。
- 請求項27に記載のX線CT装置において、開始アドレス,サンプリングピッチ,サンプリング個数を決めて、前記面投影されたデータD1をサンプリングし、再構成領域の各画素であって且つ投影面に平行な直線上にある画素について前記荷重加算処理をするための面投影されたデータD1を連続的に選択することを特徴とするX線CT装置。
- 請求項28に記載のX線CT装置において、前記荷重加算処理の荷重,開始アドレス,サンプリングピッチ,サンプリング個数を予め決めてテーブル化しておくことを特徴とするX線CT装置。
- 請求項16から請求項29のいずれかに記載のX線CT装置において、あるビューで再構成領域の各画素とX線焦点を結ぶ直線と再構成領域を含む平面とがなす角度および対向ビューで再構成領域の各画素とX線焦点を結ぶ直線と再構成領域を含む平面とがなす角度に応じて前記荷重加算処理の荷重を定めることを特徴とするX線CT装置。
- 請求項1から請求項15のいずれかに記載の3次元逆投影方法において、複数の検出器列を持つマルチ検出器を用いたアキシャルスキャンまたはヘリカルスキャンによって収集したファンデータの投影データD0fからパラレルデータの投影データD0pを求め、パラレルデータの投影データD0pを基に投影面上に面投影されたデータD1を求めることを特徴とする3次元逆投影方法。
- 請求項16ら請求項30のいずれかに記載のX線CT装置において、ファンデータの投影データD0fからパラレルデータの投影データD0pを求めるファン−パラ変換手段をさらに具備し、前記スキャン手段は、ファンデータの投影データD0fを収集し、前記面投影データ算出手段は、前記パラレルデータの投影データD0pを基に投影面上に面投影されたデータD1を求めることを特徴とするX線CT装置。
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