JP5006644B2 - C4炭化水素の工業的混合物から1−ブテンを製造する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも1−ブテン、イソブテン、n−ブタン及び2−ブテンを有するC4炭化水素の工業的混合物から1−ブテンを製造する方法に関する。
1−ブテンは、他のC4炭化水素、例えばイソブテン及び2−ブテンの他に、工業的C4留分、例えば水蒸気分解装置又はFCCユニットからのC4留分から大量に得られる。このC4留分は、主にブタジエン、モノオレフィンのイソブテン、1−ブテン及び2種の2−ブテン並びに飽和炭化水素のイソブタン及びn−ブタンからなる。これらの内容物は沸点差がわずかでありかつその分離係数がわずかであるため、蒸留による後処理は困難でありかつ不経済である。線状ブテン及び他の生成物の獲得は、従って、少なくとも化学的反応及び物理的分離操作の組合せによって行われる。
標準的に全ての後処理法に共通である第1段階は、含まれるブタジエンの大部分を除去することである。これは抽出蒸留を用いて分離されるか又は選択的にブテンに水素化される。両方の場合に、炭化水素混合物(いわゆるラフィネートI又は水素化されたクラック−C4)が残留し、これは飽和炭化水素であるn−ブタン及びイソブタンの他に、オレフィンであるイソブテン、1−ブテン及び2−ブテン(シス及びトランス)を含有し、かつこの中に多重に不飽和のC4炭化水素が典型的な場合に1%を下回る割合で存在する。
1−ブテンとイソブテンとは互いに沸点が近いために、これらの混合物からは1−ブテンを簡単な蒸留によって経済的に分離することもできない。ラフィネートI又は水素化されたクラック−C4からは、従って、選択的な化学反応によってイソブテンをできる限り十分に除去する。イソブテンの除去の後に、線状ブテンと飽和炭化水素のイソブタン及びn−ブタンを含有する炭化水素混合物(ラフィネートII)が残留する。この混合物は、蒸留によってさらに、例えばイソブタン及び1−ブテン及び2種の2−ブテンとn−ブタンとからなる混合物に分離することができる。1−ブテン含有フラクションから、さらなる蒸留段階で1−ブテンを高純度で得ることができるが、これはなおも少量のイソブテンを含有する。1−ブテンは大規模にコモノマーとしてエチレン重合において使用され、その際にイソブテン不純物は望ましくないために、これは必要である。従って、1−ブテンの典型的な仕様は、1−ブテン中のイソブテンの含有量を2000ppm未満に限定している。
イソブテンの選択的な化学反応について多様な方法が公知である。イソブテンを分離するための方法は、アルコール、例えばメタノール又はエタノールとの反応により相応する第三ブチルエーテルにすることである。この反応の利点は、イソブテンを線状ブテンの存在で高い選択率で(n−ブテンの著しい反応を生じさせずに)ほぼ完全に反応させることができることにある。このために、多様なプロセス工学的方法が開発された。反応蒸留の技術は、この場合に、高いイソブテン転化率を達成するために特に有効であることは判明した。
この工業的に最も重要な方法は、イソブテンをメタノールと反応させて、主に燃料添加物として大量に使用されるメチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)にすることである。
イソブテンの化学反応の他の方法は、水との反応でtert−ブチルアルコール(TBA)にすることにある。この方法は、C4炭化水素中で水がわずかな可溶性であるため、エーテル合成よりも工業的に費用がかかる。
他の方法は、イソブテンをオリゴマー化して、かつ前記オリゴマーを分離することにある。この場合の欠点は、オリゴマー化により完全にイソブテンを分離する場合に、存在する線状ブテンの大部分もコオリゴマー又はホモオリゴマーに変換してしまうことである。他の欠点は、部分的な1−ブテンの異性化により2−ブテンが生じることである。
他のC4炭化水素の存在でイソブテンを化学的に反応させる他の方法は、ホルムアルデヒドとの反応である。この場合により得られる生成物はさらに処理されて、例えばイソプレンにされる。
イソブテンを、例えばtert−ブチルアルコール(TBA)又はイソブテンオリゴマーにする公知の多くの反応は、完全なイソブテン転化率を提供しないか又は線状イソブテンの存在で高い転化率で選択性が悪い。解決策として、例えばこれらのプロセスを、残留するイソブテンを同時に(EP 0 048 893, DE 29 44 457)又は後でtert−ブチルエーテルに反応させることと組み合わせて実施される。
US 4,797,133では、特に、第1反応区域でイソブテンを例えばtert−ブチルアルコール(TBA)に反応させることにより出発炭化水素混合物から分離しかつその残りをエーテル化段階で反応させる方法が記載されている。
DE 103 02 457では、イソブテン含有C4流からブテンオリゴマー及びtert−ブチルエーテルの製造方法を記載しており、その際、イソブテンは十分にブタジエン不含のC4炭化水素流から線状ブテンのわずかな損失で完全に除去できる。この方法の場合に、イソブテンの一部は第1の反応段階で酸性触媒でオリゴマー化され、かつ第2の反応段階で残りのイソブテンは反応蒸留塔中でアルコールとの反応によりtert−ブチルエーテルにされて除去される。
DE 25 21 964では、アルキル−tert−ブチルエーテルの2段階方法が記載されていて、この場合に、第1の段階でイソブテンをアルコールと反応させ、生じたエーテルを分離し、かつこの残りを残留するイソブテンの反応のために第2の反応段階に送られる。
EP 0 048 893 DE 29 44 457 US 4,797,133 DE 103 02 457 DE 25 21 964
イソブテンの部分的な反応を用いた先行技術で記載された全ての方法は、イソブテンの一部を分離した後に残りの分の反応をC4炭化水素の全体量から行うという欠点を有する。これは少なくとも2つの次の欠点を有する:一方では、第2の反応段階に送らなければならない量が多く、他方では前記混合物中のイソブテンの濃度が比較的低いことである。この両方の観点は、一般に不所望に大きな寸法の装置設備を必要とし、それにより大抵は高いエネルギーコストの原因となる。従って、本発明の課題は、前記の1つ以上の欠点を有していない改善された方法を提供することである。
意外にも、第1の反応段階a)でイソブテンの一部を30℃より高い沸点の生成物に変換し、段階b)でa)の搬出物から反応されないC4炭化水素を分離し、段階c)で前記炭化水素を蒸留により少なくとも1−ブテンとイソブテンとを含有するフラクションと、ほとんどイソブテンを含有しない、少なくとも2−ブテンとn−ブタンとを有するフラクションとに分離し、段階d)で前記のイソブテンを含有するフラクション中に含まれるイソブテンを、酸性触媒の存在でアルコールと反応させてアルキル−tert−ブチルエーテルにし、段階e)で反応されないC4炭化水を段階d)の搬出物から分離し、段階f)で1−ブテンを段階e)の搬出物から蒸留により分離することにより、1−ブテンは、少なくとも1−ブテン、イソブテン、n−ブタン及び2−ブテンを含有するC4炭化水素の工業的混合物から、線状ブテンのわずかな損失量で得ることができることが見出された。
従って、本発明の主題は、次の方法段階
a) 工業的混合物中に含まれるイソブテンの一部を反応させて、標準条件で30℃よりも高い沸点の生成物IIにし、
b) 段階a)の搬出物から反応されないC4炭化水素IIIを、熱的な分離方法により除去し、
c) 前記C4炭化水素IIIを、少なくとも1−ブテンとイソブテンとを含有するフラクションIVと、ほとんどイソブテンを有していない、少なくとも2−ブテンとn−ブタンとを含有するフラクションVとに蒸留により分離し、
d) フラクションIV中に含まれるイソブテンを酸性触媒の存在でアルコールVIと反応させて、tert−ブチルエーテルVIIにし、
e) 反応されないC4炭化水素VIIIを段階d)の搬出物から分離し、かつ
f) e)で得られたC4炭化水素VIIIから1−ブテンを蒸留により分離すること
を特徴とする、少なくとも1−ブテン、イソブテン、n−ブタン及び2−ブテンを有するC4−炭化水素Iの工業的混合物から1−ブテンを製造する方法に関する。
本発明による方法の特別な利点は、2−ブテン及びn−ブタンを段階c)で反応混合物から付加的に分離することにより、より少ない体積流を反応段階d)に通過させ、それにより方法段階d)での1つ又は複数の反応器は比較的小さく構成することができるか、又は同じサイズで従来の方法と比較してより高い転化率を達成することができることにある。段階c)において2−ブテン及びn−ブタンを分離する他の利点は、イソブテンの導入濃度が段階d)で相応して高く、それにより方法段階d)においてイソブテンとアルコールとの反応が容易になることにある。
典型的な方法と比較して、さらに段階d)〜f)における体積流、例えばヒートキャリアの形の蒸気を減少させることにより、全体のプロセスのエネルギー消費が明らかに低くなる。
この本発明の方法は、MTBE及び1−ブテンの製造のために存在する装置を、エチル−tert−ブチルエーテル(ETBE)及び1−ブテンの製造に切り替えて使用できることが特に有利である。イソブテンとメタノールとからのMTBEの生成の際の平衡状態と比較して、イソブテンとエタノールとからのETBEの生成の際のより不利な平衡状態に基づき、アルコールの簡単な交換によりイソブテン転化率は低下する。このことから生じる容量損失は、有利に本発明による方法に切り替えることにより少なくとも補償することができる。
以下に、本発明を例示的に記載するが、本発明は、特許請求の範囲及び明細書全体からその特許保護範囲が生ずるものであり、この例示的な記載に制限されるものではない。特許請求の範囲自体も本発明の開示内容に含まれる。以下の文面において範囲ないし有利な範囲が記載されている場合、この範囲内に存在する理論的に可能な全ての部分範囲及び個別な値も本発明の開示内容に含まれるが、このような部分範囲及び個別な値はより良好な明瞭性の理由から明記しない。
本発明の方法は、少なくとも1−ブテン、イソブテン、n−ブタン及び2−ブテンを有するC4−炭化水素Iの工業的混合物から1−ブテンを製造する方法において、次の方法段階
a) 工業的混合物中に含まれるイソブテンの一部を反応させて、常圧で30℃よりも高い沸点の生成物IIにし、
b) 段階a)の搬出物から反応されないC4炭化水素IIIを、熱的な分離方法により除去し、
c) 前記C4炭化水素IIIを、少なくとも1−ブテンとイソブテンとを含有するフラクションIVと、ほとんどイソブテンを有していない、少なくとも2−ブテンとn−ブタンとを含有するフラクションVとに蒸留により分離し、
d) フラクションIV中に含まれるイソブテンを酸性触媒の存在でアルコールVIと反応させて、tert−ブチルエーテルVIIにし、
e) 反応されないC4炭化水素VIIIを段階d)の搬出物から分離し、かつ
f) e)で得られたC4炭化水素VIIIから1−ブテンを蒸留により分離することを有すること
を特徴とする、C4−炭化水素Iの工業的混合物から1−ブテンを製造する方法に関する。
方法段階a)
段階a)においてイソブテンを反応させることにより得られた生成物IIは、例えば水、アルコール又はホルムアルデヒドとの反応、又はイソブテンのオリゴマー化によって製造することができる。反応しない残留する炭化水素からの前記生成物の分離が、例えば蒸留によって簡単に可能であるために、前記生成物は常圧(101325Pa)で30℃より高い沸点を有していなければならない。このような生成物は、例えばtert−ブチル−メチルエーテル(MTBE)、tert−ブチル−エチルエーテル(ETBE)、tert−ブタノール(TBA)、3−メチル−3−ブテン−1−オール(MBOL)、4,4−ジメチル−1,3−ジオキサン又はジイソブテンである。有利に、前記生成物は、常圧で45℃高い、有利に50℃高い沸点を有する。有利に、段階a)での反応は、方法段階a)におけるイソブテンの転化率が、30%より高く、有利に50%より高く、殊に70%より高く、特に有利に80%より高くなるように実施される。イソブテンと水又はアルコールとの反応の場合に、前記転化率は有利に75%より高い。イソブテンの転化率の高さは、例えば段階a)において使用された反応器の数によって又は適当な反応条件の選択(これについて当業者は簡単な予備試験により決定することができる)によって制御することができる。
方法段階b)
段階b)において段階a)の搬出物からの反応されないC4炭化水素IIIの分離は、熱的な分離方法によって行われ、その際、本発明の範囲内で、熱的な分離方法とは例えば蒸留及び精留であるとも、抽出であるとも解釈される。方法段階a)が反応蒸留を含む場合には、方法段階b)は少なくとも部分的に前記反応蒸留の実施の際に既に行うことができ、かつ別個の段階b)を場合により行わなくても良い。
方法段階c)
段階b)での生成物及び反応体として段階a)で添加された場合により存在する反応しない化合物の分離の後に、得られた炭化水素流を段階c)において蒸留により分離する。この蒸留による分離は、少なくとも1−ブテン及びイソブテンを含有するフラクションIVと、ほぼイソブテンを含有しない、有利に5質量%未満、殊に1質量%未満、特に有利に0.1質量%未満のイソブテンを含有する、少なくとも2−ブテン及びn−ブタンを含有するフラクションVとが得られるように実施される。前記フラクションVは、段階c)の生成物として得られた炭化水素流中に本来含まれる2−ブテンを少なくとも95質量%、有利に少なくとも99質量%、特に有利に少なくとも99.8質量%含有する。有利に、前記フラクションIVは、n−ブタンを1質量%未満、特に有利に0.2質量%未満含有する。蒸留による分離は、このような炭化水素混合物の分離のために通常使用されている装置中で実施することができる。このような装置は、例えば蒸留塔又は精留塔であることができる。
有利に前記分離は超精留塔中で実施される。この塔への供給は、有利に塔の下半分に、有利に塔の下三分の一に行う。分離すべき混合物の狭い沸騰範囲のために、前記塔は有利に100を超える、有利に125を超える、特に有利に150以上の理論分離段、及びさらに特に有利に150〜200理論分離段で構成される。還流比(還流量対留出量)は、実現された段数及び運転圧力に依存して、有利に20以下、殊に14未満、特に有利に11未満である。凝縮は冷却水又は空気に対して実施することができる。この留出物容器は有利に、液液分離器として構成されている。それにより、場合により供給流中に含まれる水は第2相として留出物容器中で分離することができ、かつ工業的に水不含の塔底物を得ることができる。
方法段階c)による分離は、有利に4〜10bar絶対(bara)の圧力で、有利に5〜7baraの圧力で実施される。分離を実施する温度は、有利に35〜65℃、殊に40〜50℃である。
塔の蒸発器を加熱するために、通常のヒートキャリア、例えば水蒸気又は温水並びに有利に他のプロセスからの排熱を使用することができる。後者の場合には、有利に、前記塔は1つ以上の蒸発器を備えていても良い。前記塔は、有利に、少なくとも1つの蒸発器と少なくとも1つの凝縮器とを有する簡単な塔として構成される。高いエネルギー必要量及び塔底と塔頂とのわずかな温度差のために、省エネルギー接続が特に有利な実施態様である。例示的に蒸気濃縮(Bruedenverdichtung)の方法が指摘される。他の特に有利な接続は、第2の塔を組み込んだ形の二重効用蒸留(double effect distillation)である。前記第2の塔は、有利に同じ又は異なる分離課題を有する並列接続された塔であることができる。この場合、前記塔の一方は、高い圧力で実施され、その凝縮温度は他の塔の加熱のために十分である。異なる分離課題を有する塔の熱工学的接続の場合に、原則として、本発明による方法からのそれぞれ適した塔、並びに本発明による方法の範囲外の装置位置にある塔を、方法段階c)の本発明による塔と接続することもできる。第2の塔は方法段階f)からのC4分離塔であるのが特に有利である。
段階c)において得られたフラクションVはアルキル化剤として使用することができる。例えば、DE 196 29 906又はEP 0 395 857に記載されているような、OCTOL法(OXENO Olefinchemie GmbH社)によるn−ブテン−オリゴマー、特にジ−n−ブテン又はトリブテンの製造のために、特に適している。
方法段階d)
段階c)から得られるイソブテン含有のフラクションIVは、本発明による方法の場合に、更なる反応段階(段階d)において変換され、その際、残留するイソブテンはアルコールの付加により相応する第3級エーテルに変換される。
イソブテンのエーテル化は、酸性接触反応として実施される。アルコールとして、有利に1〜5個のC原子を有する第1、第2、一価又は多価アルコール、特に有利にメタノール又はエタノールを使用することができる。アルコールとして、高純度のアルコール、純粋なアルコール又は少量の不純物を有するアルコールを使用することができる。有利に、使用したアルコールの純度は、アルコールに関する質量%で示して、90%より高く、特に有利に95%より高く、さらに特に有利に99%より高い。水の含有量は、有利に3質量%未満、特に有利に1質量%未満、さらに特に有利に0.3質量%未満である。
イソブテンとアルコール、特にメタノールとの反応によりメチル−tert−ブチルエーテルにするために、多様な方法バリエーションが開発された(参照:Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Online Version, 2004, Wiley & Sons、見出語メチル−tert−ブチルエーテル、及びそこに引用された文献;Obenaus, Fritz; Droste, Wilhelm, Erdoel & Kohle, Erdgas, Petrochemie (1980), 33(6), 271-275; DE 26 29 769; DE 28 53 769)。原則として、本発明の範囲内で方法段階d)として適したイソブテンとアルコールとの反応のために全ての公知の方法を使用することができる。
前記反応を液相の形で酸性イオン交換樹脂で行う方法を使用するのが有利である。アルコールをイソブテンとほぼ熱力学的平衡まで反応させる反応器として、従来の固定層反応器(管束反応器、断熱固定層反応器、循環型反応器)を使用することができる。これらは部分的な返送あり又はなしで運転することができ、その際場合により返送流は冷却することもできる。
前記反応器は、10〜160℃の温度で、有利に30〜110℃の温度で運転することができる。圧力は、有利に5〜50bara、殊に10〜20baraである。アルコール/イソブテンとエーテルとの間の熱力学的平衡は低温ではエーテルサイドが支配的であるため、多数の反応器を使用する場合に、最初の反応器は、次の反応器(平衡状態を利用)よりもより高い温度で(より高い反応速度)で運転するのが有利である。
方法段階d)への供給流中のアルコール対イソブテンのモル比は、有利に10:1〜1:1の範囲内、特に有利に5:1〜1.1:1の範囲内、さらに特に有利に3:1〜1.2:1の範囲内にある。触媒として、固定層段階でも場合により存在する反応蒸留塔中で、使用物質混合物中でも生成物混合物中でも不溶性である、表面に酸性中心を有する固形物質が使用される。この触媒は反応条件下では生成物混合物に酸性物質を供与しないのが好ましい、それというのもこれは収率低下を引き起こしかねないためである。
触媒の活性は、有利に、反応条件下でアルコールのイソブテンへの付加を触媒するが、線状ブテンへの付加をほとんど触媒しないように選択するのが有利である。さらに、前記触媒は、線状ブテンのオリゴマー化及び使用されたアルコールの2つの分子からのジアルキルエーテル形成をできる限り触媒しないかわずかにしか触媒しないのが好ましい。1−ブテンの高い収率に関して、1−ブテンの2−ブテンへの異性化のための活性は有利に低いのが好ましい。
固体触媒として、例えばゼオライト、酸性活性ベントナイト及び/又はアルミナ、スルホン化酸化ジルコニウム、モンモリロナイト又は酸性イオン交換樹脂を使用することができる。
本発明による方法の場合に有利な酸性触媒のグループは、固体のイオン交換樹脂、特にスルホン酸基を有するイオン交換樹脂である。適当なイオン交換樹脂は、例えばフェノール/アルデヒド縮合体のスルホン化又は芳香族ビニル化合物のコオオリゴマーのスルホン化によって製造されたイオン交換樹脂である。コオリゴマーの製造のための芳香族ビニル化合物の例は:スチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルエチルベンゼン、メチルスチレン、ビニルクロロベンゼン、ビニルキシレン及びビニルベンゼンである。特に、スチレンとビニルベンゼンとの反応により生じたコオリゴマーは、スルホン酸基を有するイオン交換樹脂の製造のための前駆体として使用される。この樹脂は、ゲル状、マクロ孔又はスポンジ状に製造することができる。
これらの樹脂の特性、特に比表面積、気孔率、安定性、膨潤性もしくは収縮性及び交換容量は製造プロセスによって変化させることができる。
本発明による方法の場合に、イオン交換樹脂はそのH型で使用することができる。スチレン−ジビニルベンゼン型の強酸の樹脂は特に次の商品名で販売されている:Duolite C20, Duolite C26, Amberlyst 15, Amberlyst 35, Amberlite IR-120, Amberlite 200, Dowex 50, Lewatit SPC 118, Lewatit SPC 108, K2611, K2621, OC 1501。
細孔容量は有利に0.3〜0.9ml/g、特に0.5〜0.9ml/gである。樹脂の粒度は、有利に0.3mm〜1.5mm、特に0.5mm〜1.0mmである。この粒度分布は狭く又は広く選択することができる。例えば、極めて均一な粒度を有するイオン交換樹脂(単分散樹脂)を使用することができる。イオン交換体の容量は、供給状態に関して、有利に0.7〜2.0eq/l、特に1.1〜2.0eq/lもしくは0.5〜5.5mol/kg、特に0.8〜5.5mol/kg(容量についてmol/kgで示した数値は、温かい窒素流中で例えば105℃でそれぞれ一定重量まで乾燥されたイオン交換樹脂に関する)である。
有利な実施態様の場合に、アルコールのイソブテンへの付加は酸性触媒の存在で実施され、少なくとも1つの反応段階が反応蒸留として実施される。特に有利に、段階d)における酸性触媒によるエーテル化は少なくとも2つの反応段階で実施され、その際、少なくとも1つの、特に有利に最後の反応段階は反応蒸留として実施される。1つ又は複数の固定層反応器中で、この場合にまず酸性触媒でイソブテン含有のフラクションIV及びアルコールVIから、イソブテン濃度、アルコール濃度及びtert−ブチルエーテル濃度に関して熱力学平衡付近にある反応混合物を製造する。イソブテンの転化率は、この場合有利に90%を超える。この混合物は、最初/最後の反応段階で、反応蒸留塔に供給され、そこでイソブテンのさらなる分がエーテルに変換される。
反応蒸留塔の反応部分中で、反応蒸留を使用しない反応段階の簡単な実施態様について前記したのと同じ触媒を使用することができる。
反応蒸留塔中で、触媒は充填物の形で、例えばKataMax(R)(EP 0 428 265に記載されている)、KataPak(R)(EP 0 396 650又はDE 298 07 007.3に記載されている)は組み込まれているか又は成形体上に重合されていてもよい(US 5 244 929に記載されている)。
イソブテンとアルコールとの相応する第3ブチルエーテルへの反応は、反応蒸留で、有利に10〜140℃、殊に40〜90℃、特に有利に60〜80℃の温度範囲で行われる。(塔の領域には触媒が存在する。塔の塔底温度は明らかに高くても良い)。
特に、イソブテンはメタノールとの反応によりMTBEにして、エタノールとの反応によりETBEにして除去される。この場合、特にメタノールとイソブタンとの反応によりMTBEにするためにDE 101 02 082に記載されたのと同様に方法を実施する。イソブテンを有するC4炭化水素混合物は、アルコール(メタノール又はエタノール)と一緒に1つ又は複数の予備反応器に供給される。この場合、アルコールは有利に過剰量で使用される。予備反応器中では、イソブテン、アルコール(メタノール、エタノール)及び相応するアルキル−tert−ブチルエーテル(ATBE)が平衡状態で又はほぼ平衡状態で存在している混合物が生じる。この反応混合物を、反応蒸留塔中に導入する。
反応蒸留塔の供給物中には、存在するイソブテンを完全に変換する量より多くのアルコール(メタノール、エタノール)が含まれていてもよい。このアルコール過剰量は、しかしながら、アルコール(メタノール、エタノール)とC4炭化水素とから生成される共沸物のために十分なアルコール量が存在するように決定されるのが好ましい。
場合により、例えば塔供給物中のアルコール含有量が最大許容値を下回る場合には、付加的アルコールを塔供給物に混合することもできる。さらに、反応蒸留塔の塔頂で又は他の箇所で、例えば触媒充填物の液体分配器の直上又は液体分配器中で、特別な装置を介してアルコール供給を行うことができる。
有利に、前記反応蒸留塔は、触媒充填物の上方で、単なる蒸留分離の領域を有する。有利に、触媒充填物の上方の区域は5〜20、特に10〜15分離段を有する。この触媒の上方の分離区域は、12〜36、特に20〜30の分離段を有する。触媒区域/反応区域の高さは、所望のイソブテン転化率に依存して簡単な予備試験で決定される。この触媒量は、反応蒸留のために、供給物中のイソブテン含有量に対して、75〜99%、有利に85〜98%、特に有利に95〜97%のイソブテン転化率が達成されるような量で選択される。
反応蒸留塔への供給は、有利に触媒区域の上方又は下方に、有利に触媒区域の下方に行うことができる。反応蒸留塔への供給は、有利に反応性充填物の下方に、有利に反応性充填物の3〜13、特に有利に4〜10理論分離段下方に行う。
この反応蒸留塔は、塔頂で測定して、3bara〜25bara、有利に5bara〜15bara、特に7bara〜10baraの圧力で運転される。塔の触媒充填物中の液圧ローディング点は、有利にそのフラッディング点の10%〜110%、特に20〜70%である。蒸留塔の液圧ローディング点とは、上昇する蒸気質量流と還流する液体質量流とによる塔断面積の均一な流動工学的負荷である。このローディング上限値は、蒸気及び還流液による最大のローディング点を表し、最大のローディング点を上回ると分離効果は、上昇する蒸気流による還流液のエントレイメント又は堰き止めによって低下する。このローディング下限値は最小のローディング点を表し、最小のローディング点を下回ると分離効果は、塔、例えばトレイの不均一な流動又は空転の結果、低下するか又は崩壊する。(Vauck/Mueller著、"Grundoperationen chemischer Verfahrenstechnik", 第626頁、VEB Deutscher Verlag fuer Grundstoffindustrie)。
フラッディング点では、ガスから液体に伝わる剪断応力が大きく、全体の液体量は液滴の形でガスによってエントレイメントされるか又は塔中での転相が生じる(J. Mackowiak著、 "Fluiddynamik von Kolonnen mit modernen Fuellkoerpern und Packungen fuer Gas/Fluessigkeitssysteme", Otto Salle Verlag 1991)。
この反応蒸留塔は、有利に還流比0.2〜4、特に0.4〜2、殊に0.5〜1で運転される。
エーテル化のためにメタノール又はエタノールとは異なるアルコールを使用する場合に、反応蒸留のこのパラメータも相応して変更される。
段階d)において最後の段階として反応蒸留塔を使用する場合には、この中で段階d)並びに段階e)の少なくとも一部、つまり反応されない炭化水素からのATBEの除去を行うことができる。更なる段階e)は、場合により行わなくてもよい。
反応蒸留の上位概念の中には、蒸留及び反応が同時に実施される全てのプロセス工学的手段が該当する。前記反応器中で、これは塔中の充填物の特別な構成によって達成される。本発明による方法の場合に、この領域は、反応蒸留の利点を失わずに空間的に隔てることもできる。方法バリエーションの場合に、前記反応蒸留塔は、触媒を有しかつ側流で運転される1つ又は複数の外側の反応器を備えた蒸留塔として構成される。
方法段階e)
方法段階d)において、エーテル化及び同時の分離のために反応蒸留塔を使用しない場合に、本発明による方法の場合に、独立した段階e)を設けなければならず、その際に方法段階d)からの生成物はアルキル−tert−ブチルエーテルと、反応されない炭化水素とに分離される。この分離は、例えば、方法段階d)の反応器からの搬出物を蒸留塔に供給することによって行うことができる。この塔は、塔底蒸発器と、塔頂生成物用の凝縮器とを備えていてもよい。蒸留塔の塔底生成物として、ATBEと場合により過剰量のアルコールとが得られる。塔頂生成物は、部分的に還流として塔内に返送することができる。他の分は方法段階f)に供給することができる。
前記塔は、有利に20より多く、殊に25より多く、特に有利に30より多くの理論分離段を有する。還流比は、実現された段数に依存して、有利に2以下、特に有利に1未満である。凝縮は冷却水又は空気に対して実施することができる。前記塔の蒸発器の加熱のために、例えば蒸気を使用することができる。塔への供給流は、少なくとも部分的に予備蒸発させて塔に案内するか又は塔内へ直接フラッシュするのが有利である。有利に、このために供給流に、外部伝熱装置で、例えば排熱を利用することにより熱を供給する。部分的な蒸発を達成するために、釜型蒸発器は、前記伝熱装置の有利な実施態様である。さらに、プロセス熱又は排熱を用いて低い温度水準に加熱された中間蒸発器を塔の下部に使用する場合が有利である。
方法段階e)の塔頂生成物は、この段階が蒸留塔又は反応蒸留塔で実施されたかどうかとは無関係に、C4炭化水素中になおアルコールの残留量を有する場合に、これを少なくとも1つの付加的方法段階で除去するのが有利である。アルコール、特にメタノール又はエタノールを分離する方法は、先行技術に属する。この分離は、例えばモレキュラーシーブへの吸着、膜分離、共沸蒸留又は抽出により行うことができる。この分離を抽出段階で水を用いたアルコールの抽出によって行うのが特に有利である。この洗浄は、この技術の公知の標準方法により、例えば抽出等又はミキサ及び分離容器のカスケード中で行われる。他の方法と比べて、この方法は、例えばわずかな投資及びわずかな運転コストのような多様な利点を有する。
アルコールとしてメタノール又はエタノールを使用する場合に、C4炭化水素中のアルコールの残留量は有利に抽出塔中で水を用いて除去される。C4炭化水素中のアルコール残留量は、この場合、有利に0.2%未満、特に有利に500ppm未満、さらに特に有利に50ppm未満に低減される。この抽出塔は有利に25〜2、特に有利に15〜5の理論分離段を有し、かつ10〜90℃の温度で、C4炭化水素の蒸気圧を少なくとも1bar上回る圧力で運転される。
抽出からのアルコールで負荷された洗浄水は、有利に別個のユニットで後処理され、少なくとも部分的に抽出に返送される。この後処理は、例えば蒸留によって行うことができ、その際、実際にアルコール不含の水フラクションが塔底で得られ、アルコール富有フラクションが塔頂生成物として得られる。
有利に、この蒸留塔又は反応蒸留塔の塔頂生成物は抽出塔に移され、その中で向流で抽出剤、例えば水が塔頂に存在する供給部を介して供給される。前記抽出剤は、塔底の搬出物を介して取り出すことができる。塔頂では、抽出の生成物として、段階d)及び場合によりe)中で反応されない炭化水素VIIIからなる流が得られ、これは段階f)に供給される。
段階d)もしくはe)の反応蒸留もしくは蒸留において塔底生成物として生じるアルキル−tert−ブチルエーテル(これは場合によりなおアルコールの残留量を有する)は、多様な目的のために利用することができる。これはオットー機関燃料用の成分として使用する他に、例えば溶剤として使用される。tert−ブチルエーテルの後分離により、高純度のイソブテンが得られる。
メタノールを使用した場合に生じるMTBEは、例えばオットー機関燃料中での成分としての使用の他に、溶剤として利用される。溶剤として有利に使用される高純度のMTBEを得るために、プロセス中で生じるMTBEを蒸留によりさらに後処理することができる。この場合、少量含まれる不純物(例えばメチル−sec−ブチルエーテル、C8−KW、TBA、アルコール)の含有量が低減される。
イソブテンを得るためのMTBE後分離は、例えばDE 100 20 943に記載されている。この場合に得られるイソブテンの純度は、特にMTBE中のメチル−sec−ブチルエーテルの割合に依存する。従って、要求に応じて、多様に集中的に予備精製されたMTBEが後分離のために使用される。
この方法の有利な実施態様の場合には、段階d)中での化学量論的に過剰量のアルコールとの反応を行い、かつ段階d)もしくはe)の反応蒸留もしくは蒸留で生じる塔底生成物(これはアルキル−tert−ブチルエーテル及び残留量のアルコールを含む)の全部又は一部を段階a)及び/又はb)に返送させる。段階d)に供給されるアルコール対イソブテンの比は、1.1〜10mol/mol、有利に1.2〜5mol/molである。有利に、この変法の場合に段階d)で反応を固定床反応器中だけで実施し、かつ段階e)で蒸留塔中で蒸留による分離を実施する。反応されないC4炭化水素VIIIは、塔頂生成物として得られ、かつ生じた塔底生成物(これは少なくともtert−ブチルエーテル及び残留量のアルコールを含む)は全部又は一部が段階a)及び/又はb)に返送される。
方法段階f)
主に1−ブテン、イソブテン及び低沸点物を有する反応されない炭化水素からなる、段階e)による反応蒸留もしくは蒸留から得られ、かつ場合によりアルコールが除去されたC4炭化水素VIIIから、蒸留により1−ブテンが分離される。1−ブテンの分離は、1つ以上の蒸留塔中で前記混合物VIIIの蒸留によって行う。
有利な実施態様の場合に、1−ブテンの分離は、塔底生成物として極めて純粋な1−ブテンが得られる蒸留塔中で行う。塔頂生成物として、イソブタン富有のフラクションが得られ、これはさらに低沸点物(例えばC3炭化水素)を含有する。
有利に前記分離は超精留塔中で実施される。この塔への供給は、有利に塔の上側の半分に、有利に塔の上側の半分の下側の半分に行われる。分離すべき混合物の狭い沸騰領域のために、前記塔は有利に100を超える、有利に125を超える、特に有利に150を超える理論分離段、及びさらに特に有利に150〜200理論分離段を有する。還流比(還流量対留出量)は、実現された段数及び運転圧力に依存して、有利に100以下、殊に70未満、特に有利に60未満である。30〜60の還流比がさらに特に有利である。凝縮は冷却水又は空気に対して実施することができる。この留出物容器は有利に、液液分離器として構成されている。それにより、場合により供給流中に含まれる水は第2相として留出物容器中で分離することができ、かつ工業的に水不含の塔底物を得ることができる。
塔の蒸発器を加熱するために、通常のヒートキャリア、例えば水蒸気又は温水並びに有利に他のプロセスからの排熱を使用することができる。後者の場合には、有利に、前記塔は1つ以上の蒸発器を備えていても良い。前記塔は、有利に、少なくとも1つの蒸発器と少なくとも1つの凝縮器とを有する簡単な塔として構成される。高いエネルギー必要量及び塔底と塔頂とのわずかな温度差のために、省エネルギー接続が特に有利な実施態様である。例示的に蒸気濃縮(Bruedenverdichtung)の方法が指摘される。他の特に有利な接続は、第2の塔を組み込んだ形の二重効用蒸留(double effect distillation)である。前記第2の塔は、有利に同じ又は異なる分離課題を有する並列接続された塔であることができる。この場合、前記塔の一方は、高い圧力で実施され、その凝縮温度は他の塔の加熱のために十分である。異なる分離課題を有する塔の熱工学的接続の場合に、原則として、本発明による方法からのそれぞれ適した塔、並びに本発明による方法の範囲外の装置位置にある塔を、方法段階f)の本発明による塔と接続することもできる。第2の塔は方法段階c)からのC4分離塔であるのが特に有利である。この場合、前記塔の一方は、高い圧力で実施され、その凝縮温度は他の塔の加熱のために十分である。
方法段階f)のさらに有利な実施態様の場合には、第1の蒸留塔中で低沸点物を塔頂生成物として分離し、塔底では主に1−ブテンとイソブテンとを有する混合物が得られる。第2の塔中で、前記塔底混合物を、塔底生成物として生じる1−ブテンと、イソブタン富有のフラクション(塔頂生成物)とに分離する。
本発明による方法を用いて製造された純粋な1−ブテンは、有利に5000wppm未満(質量ppm)、有利に2000wppm未満、特に有利に1500wppm未満のイソブテンを含有し、これは需要の高い中間生成物である。これは、例えばポリエチレン(LLDPE又はHDPE)の並びにエチレン−プロピレン−コポリマーの製造の際のコモノマーとして使用される。さらに、アルキル化剤としてとして使用され、かつこれはブタン−2−オール、ブテンオキシド、バレルアルデヒドの製造のための出発物質である。本発明により製造されたほぼイソブテン不含の1−ブテンの他の使用は、特にOctol-プロセスによるn−ブテンオリゴマーの製造である。
方法段階f)の場合に、1−ブテンの他に通常では(C4炭化水素の出発組成物に応じて)イソブタン富有のフラクションが生じる。これは、さらに、有利に純粋なイソブテンに精製することができる。この後処理の際に得られたイソブタンは、有利に少なくとも90質量%のイソブタン純度、特に有利に95質量%のイソブタン純度を有し、かつ有利に1000wppm未満、特に有利に200wppm未満のオレフィンを含有する。純粋なイソブタンへの精製は、例えばなお含まれるアルケンをアルカンに完全に水素化し、引き続き蒸留することにより行うことができる。
実施態様1:段階a)中でのイソブテンと水との反応
本発明による方法の第1の有利な実施態様の場合には、工業的C4炭化水素混合物中に含まれるイソブテンを段階a)で水と反応させてtert−ブタノール(TBA)にする。この段階a)は、TBAの製造方法が適用されるように実施することができる。イソブテンを水と反応させてTBAにする有利な方法として、不均一触媒を用いたプロセスが使用される。このような方法は、例えばDE 10 2004 030 943, DE 103 30 710, EP 0 579 153, US 6,111,148又はDE 30 25 262に記載されている。
イソブテン含有C4炭化水素流Iを水と反応させることによる第三ブタノール(TBA)の製造は、有利に酸性イオン交換樹脂で行う。段階a)は、1、2又はそれ以上の反応器中で行うことができる。さらに、段階a)中のTBAの製造の少なくとも1つの方法段階、有利に最後の方法段階が、反応蒸留を有する場合が有利である。
イソブテンを水と反応させるために、この反応を複数の段階で酸性イオン交換樹脂で行う方法を使用するのが有利である。この場合、液相だけが存在するのが有利である。第1段階において、C4炭化水素、水及び場合により、C4炭化水素の沸点よりも高い温度で沸騰する助溶剤、有利にTBAが用いられる。この助溶剤により、2つの液相を形成させることなしに混合物中の水の割合を高めることができる。
イソブテンの水和により水は消費されるため、反応混合物中の含水量は低下する。できる限り高い収率及び/又は反応速度を得るために、従って、複数の反応段階が存在する場合に、後続する段階の前にそれぞれ水を後供給するのが有利である。
本発明の場合に、均一な溶液だけを反応器に供給するのが有利である。従って、水もしくは水−tert−ブタノール溶液を、使用炭化水素混合物又は反応器搬出物と混合しなければならないため、第1の反応器もしくは後続する反応器に導入するまでに均質な溶液を生じる。これは、例えばスタティックミキサを使用して達成することができる。反応器供給物中の所望の水濃度の調節は、含水量を測定した後に、個々の流の量を調節することによって行うことができる。
個々の段階で供給される水量は、有利に反応器入口で唯一の液相が存在するように決定される。有利に、反応混合物中での水の可溶性により可能な水量の30〜100質量%、特に有利に70〜98質量%の水の割合が使用される。
本発明による方法は、バッチ式で又は連続的に運転される、通常では固/液接触反応の場合に使用される反応器中で実施することができる。連続的に運転される流動式反応器を使用する場合に大抵は固定層が用いられるが、もっぱら固定層が用いられるわけではない。固定層流通反応器を使用する場合に、液体は上方へ又は下方へ流動することができる。大抵は、液体を下方へ流動させるのが有利である。
さらに、反応器を、生成物の返送下で又は直線的な経路で運転することができる。
管型反応器を使用する場合に、反応器の寸法により又はその充填度によって、触媒充填物の長さ対直径の比を変えることができる。同じ接触量及び負荷(LHSV)で従って異なる空塔速度を達成することができる。反応混合物の一部を返送させる反応器は、有利に10〜30m/hの空塔速度で運転することができる。直線的な経路を貫流する反応器の場合には、空塔速度は有利に1〜20m/hの範囲内にあることができる。
従って、触媒負荷(LHSV)は、生成物返送下で運転する反応器の場合、有利に0.3〜20h-1、殊に1〜10h-1である。直線的な経路を貫流する反応器の場合に、負荷は有利に0.1〜5.0h-1の範囲内にあり、殊に0.4〜3h-1の範囲内にある。
本発明による方法は、流動方向に向かって低下する温度を有することができる1つの反応器又は複数の、特に2、3又は4つの直列接続する反応器中で実施することができる。
第1の反応器又は複数の反応器を生成物返送下で運転する場合に、有利に0.1〜10の循環係数(循環路中でポンプ供給される量対新たな供給量)が設定される。この場合、第1の反応器のための循環係数は有利に1〜4、殊に2〜3.5である。
有利な方法バリエーションは、第1の反応器を生成物返送下で、かつ更なる反応器を直線的な経路で運転することである。使用した反応器の数は、目標とされる転化率に依存して、有利に2〜10、特に2〜4である。
それぞれの反応器は、断熱で又は実際に等温で、つまり10℃未満の温度上昇で運転することができる。高すぎる温度上昇は、不都合な平衡への影響(後分離)及び副生成物形成の可能性のために避けなければならない。
本発明による方法の段階a)を実施する温度は、有利に30〜120℃である。低温の場合には、反応速度が低すぎ、高温の場合には副反応、例えばオレフィンのオリゴマー化が増大する。有利にこの反応は35〜70どの温度範囲で運転される。多様な反応器中の温度は、同じ又は上記の範囲内で異なることができる。方法バリエーションは、反応器から反応器への流動方向に向かって温度は低下することにある。温度が低下すると共に平衡状態はより良好になるため、従ってより高い転化率を達成することができる。もちろん、温度を35℃未満に低下させることは好ましくない、それというのもこの反応は工業的方法のために遅すぎるためである。
この方法段階a)の実施態様による本発明による反応は、有利にそれぞれの反応温度で使用炭化水素混合物の蒸気圧と同じか又はそれ以上の圧力で、有利に40barを下回る圧力で実施される。反応器中で蒸発の問題を避けるために、この圧力は有利に反応混合物の蒸気圧よりも少なくとも2〜4bar高いのが好ましい。
イソブテンの全体の転化率は、使用した触媒の種類及び量、設定された反応条件及び反応段階の数に依存する。経済的理由から、イソブテン転化率は、50〜95%、有利に70〜90%の範囲内に保持される。
本発明による方法の方法段階b)、生成物IIからの反応されないC4炭化水素IIIの分離は、有利に蒸留により、特に最後の反応器を出た反応混合物を蒸留塔に供給することにより行われ、前記蒸留塔は最後の反応器の圧力で又はそれより低い圧力で、しかしながら少なくとも1barを上回る圧力で運転される。この蒸留の場合に、塔頂生成物として反応しない炭化水素IIIが生じる。C4炭化水素は水と共沸混合物を形成するため、塔頂での蒸気の凝縮の際に、C4炭化水素の他にさらに極性の水相が生じる。この水相は有利に分離される。この分離はこの技術の標準方法により、例えば塔頂デカンタ中で行われる。従って、有利にTBA/水混合物からのC4炭化水素IIIの分離は若干の水と共に行われる。この炭化水素IIIは、水分離の前又は後で、有利に本発明による方法の方法段階c)における水分離の後に使用することができる。
塔底生成物として、水性tert−ブタノール溶液が得られる。塔底生成物の一部は、有利に方法段階a)、有利に方法段階a)の第1の反応器中に返送(循環)される。有利に、この場合、供給されたC4炭化水素1トンあたり0.1〜2t、特に有利に0.2〜0.5tの塔底物を循環させる。
この塔底生成物は、それ自体使用することができるか又はさらに後処理することができる。一般的な他の精製は、tert−ブタノール(水不含)と水とtert−ブタノールとの共沸混合物に対して行う。水不含のtert−ブタノールの製造については、文献中で複数の方法が公知である(DE 102 41 762及びそこに引用された先行技術)。
さらに、粗製tert−ブタノールの後処理の際に生じる水とtert−ブタノールとからなる他の流を、方法段階a)に、有利に方法段階a)の第1の反応器に返送させることができる。
助溶剤を使用する場合に、これは沸騰温度のために蒸留の塔底に生じる。これは、適当な熱的な分離方法を介して塔底生成物から分離することができ、かつ完全に又は部分的に方法段階a)中に、有利に方法段階a)の第1の反応器中に返送させることができる。
本来の触媒として、方法段階a)のこの実施態様の全ての(両方の)段階で、使用物質混合物中でも生成物混合物中でも不溶性である、表面に酸性中心を有する固形物質が使用される。有利に、方法段階d)において記載されたのと同じ触媒が、方法段階a)のこの実施態様における触媒として使用される。この触媒は、全ての使用可能な反応器中で使用することができ、つまり、例えば固定層反応器中でも、反応蒸留塔の反応部分中でも使用することができる。有利にこの方法バリエーションの場合に使用可能な酸性触媒は、スルホン酸基を有する固体イオン交換樹脂である。この段階a)の本発明による実施態様の場合に、イオン交換樹脂はそのH型で使用することができる。スチレン−ジビニルベンゼン型の強酸の樹脂は特に次の商品名で販売されている:Lewatit SCP 118, Lewatit SCP 108, Amberlyst 15又はAmberlyst 35, Lewatit K2621, Lewatit K2629, Lewatit K2431。細孔容量は有利に0.3〜0.9ml/g、特に0.5〜0.9ml/gである。樹脂の粒度は、有利に0.3mm〜1.5mm、特に0.5mm〜1.0mmである。この粒度分布は狭く又は広く選択することができる。例えば、極めて均一な粒度を有するイオン交換樹脂(単分散樹脂)を使用することができる。イオン交換体の酸容量は、供給状態に関して、有利に0.7〜2.0eq/l、特に1.1〜2.0eq/lもしくは0.5〜5.5mol/kg、特に0.8〜5.5mol/kg(容量についてmol/kgで示した数値は、温かい窒素流中で例えば105℃でそれぞれ一定重量まで乾燥されたイオン交換樹脂に関する)である。
この実施態様1のさらに有利な変法の場合には、最後の段階が反応蒸留として構成される。反応蒸留の方法によってTBAを製造する方法は、例えばDE 102 60 991に記載されている。
イソブテン含有C4炭化水素流及び水もしくはC4炭化水素流、TBA及び水からなる混合物の反応蒸留塔への供給は、有利に反応区域の下側で行う。供給部と反応区域との間に蒸留領域が存在してもよい。反応領域の下方には、単なる蒸留領域が存在し、この蒸留領域はTBA及び場合による過剰量の水の分離のために利用される。反応蒸留の塔底生成物は大部分TBA及び水を含有し、理想的には水/TBA−共沸混合物より低い水濃度を有する。場合により、反応領域の上方には、さらに蒸留領域が続いていてもよく、反応区域中のイソブテン濃度が調節される。塔頂生成物として、反応されないC4炭化水素IIIが得られる。方法段階b)は、この変法の場合に、従って段階a)の一部である。
4炭化水素は水と共沸混合物を形成するため、塔頂での蒸気の凝縮の際に、C4炭化水素IIIの他にさらに極性の水相が生じる。これは、有利に分離され、場合により全部又は一部を塔に返送される。この分離はこの技術の標準方法により、例えば塔頂デカンタ中で行われる。この方法バリエーションは、反応水を十分に循環路に供給しかつ塔頂生成物がわずかな量の水だけを含有するという利点を有する。場合により、有機留出液相の一部又は全体の留出液の一部を反応蒸留塔に返送させることができる。水性留出液相の返送は反応区域の上側及び/又は下側に行うことができ、有機留出液相の返送は反応区域の上側に行うことができる。このように得られたC4炭化水素IIIは、一般的に水で飽和されているが、不均一な水の割合を有していない。これは、本発明による方法の方法段階c)において使用することができる。
反応蒸留への供給は、有利に20質量%未満、特に15質量%未満のイソブテンを含有し、これは反応蒸留塔中で選択的に反応してTBAになる。
イソブテンを含有する物質流を水と一緒に反応蒸留塔内の反応性充填物の下側に供給する場合に、低沸点のC4炭化水素は蒸気の形で反応区域中へ上昇し、かつ水とC4炭化水素との最低共沸混合物に基づき、出発物質と一緒に水の一部も蒸気の形で反応区域内へ輸送される。場合により使用物質混合物中に含まれるTBAと水の一部とは塔底に残留し、搬出される。
この反応蒸留塔は濃縮カラム中に触媒を有し、触媒充填物の上側及び下側に分離トレイ及び/又は蒸留充填物が存在する。この触媒は、充填物中に組み込まれている(例えばKataMax(R) (EP 0 428 265), KataPak(R) (EP 0 396 650又はDE 298 7 007.3))か又は成形体上に重合されている(US 5,244,929)。有利に、高い触媒含有量を有する触媒充填物、例えばKatapak-SP 12、特に有利にKatapak-SP 11を使用するのが有利である。
反応蒸留の上位概念の中には、蒸留及び反応が物質的に及びエネルギー的に統合されて実施される全てのプロセス工学的手段が該当する。記載された触媒充填物の場合に、これは塔中に前記充填物を固定化することにより達成される。本発明による方法の場合に、この領域は、反応蒸留の利点を失わずに空間的に隔てることもできる。
方法バリエーションの場合に、前記反応蒸留塔は、触媒を有しかつ常圧で運転される1つ以上の外側の反応器を備えた蒸留塔として構成される。
イソブテンを反応させかつTBA富有の流が塔底生成物として引き出されるこの反応精留塔は、有利に2〜60、特に有利に3〜50の分離段数を有する。この場合、有利に回収部で5〜58分離段を有し、反応区域で2〜55分離段を有し、反応区域の上側の濃縮部で0〜20分離段を有する。付加的な水は、全ての位置で塔内へ供給することができる。水と予備反応された混合物とを同じ位置で導入するのが有利である。
反応蒸留塔の運転圧力は、塔頂で測定して、3〜30bara、特に4〜12baraである。還流比は0.5〜40の範囲内、特に0.9〜20の範囲内である。
実施態様2:段階a)中でのイソブテンと水との反応
本発明による方法の有利な実施態様2)の場合には、段階a)中で、イソブテン含有の工業的炭化水素混合物からのイソブテンを、酸性触媒で、アルコールと反応させて、アルキル−tert−ブチルエーテル(ATBE、tert−ブチル−アルキル−エーテルとも言われる)にする。本発明による方法のこの実施態様の場合に、イソブテンとアルコールとの転化率は90%を上回り、有利に95%を上回ることができる。アルコールとして、特にメタノール又はエタノールを使用することができる。
イソブテンのエーテル化は、酸性接触反応として実施される。アルコールとして、有利に1〜5個のC原子を有する第1、第2、一価又は多価アルコール、特に有利にメタノール又はエタノールを使用することができる。アルコールとして、高純度のアルコール、純粋なアルコール又は少量の不純物を有するアルコールを使用することができる。有利に、使用したアルコールの純度は、アルコールに関する質量%で示して、90%より高く、特に有利に95%より高く、さらに特に有利に99%より高い。水の含有量は、有利に3質量%未満、特に有利に1質量%未満、さらに特に有利に0.3質量%未満である。エタノールの脱水は、従来の方法で、共沸蒸留又は膜分離法によって行うことができる。
イソブテンとアルコール、特にメタノールとの反応によりメチル−tert−ブチルエーテルにするために、多様な方法バリエーションが開発された(参照:Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Online Version, 2004, Wiley & Sons、見出語メチル−tert−ブチルエーテル、及びそこに引用された文献;Obenaus, Fritz; Droste, Wilhelm, Erdoel & Kohle, Erdgas, Petrochemie (1980), 33(6), 271-275; DE 26 29 769; DE 28 53 769)。原則的に、方法段階a)として本発明の範囲内でイソブテンとアルコールとを反応させる全ての方法が適している。前記反応を液相の形で酸性イオン交換樹脂で行う方法が有利である。イソブテンとアルコールとの反応は、方法段階d)で記載したのと同様に行うことができる。アルコールをイソブテンとほぼ熱力学的平衡まで反応させる反応器として、従来の固定層反応器(管束反応器、断熱固定反応器、循環型反応器等)を使用することができる。これらは部分的な返送あり又はなしで運転することができ、その際場合により返送流は冷却することもできる。
有利な実施態様の場合に、イソブテンの反応は少なくとも2段階で実施され、その際、第1の段階は返送を伴う断熱的な固定層反応器として運転され、次以降の段階は返送なしの固定層段階として及び/又は反応蒸留として運転される。返送量対新たな供給(C4炭化水素及びアルコール)の比率は、有利に0.5〜20t/t、特に有利に1〜5t/tである。前記反応器は、有利に10〜160℃の温度で、殊に30〜110℃の温度で運転することができる。固定層段階での圧力は、有利に5〜50bara、殊に10〜20baraである。アルコール/イソブテンとエーテルとの間の熱力学的平衡は低温ではエーテルサイドが支配的であるため、多数の反応器を使用する場合が有利であり、最初の反応器は、次の反応器(平衡状態を利用)よりもより高い温度で(より高い反応速度)で運転される。
アルコール対イソブテンのモル比は、本発明による方法段階a)のこの実施態様の場合に、有利に5対1〜0.9対1、殊に2対1〜1対1、特に有利に1.5対1〜1対1である。方法段階a)において、イソブテンの低い転化率を受け入れることができる場合、方法段階d)と比較して、低いアルコール過剰量が有利である。
有利な実施態様の場合に、アルコールのイソブテンへの付加は酸性触媒の存在で実施され、少なくとも1つの反応段階が反応蒸留として実施される。特に有利に、段階a)における酸性触媒によるエーテル化は少なくとも2つの反応段階で実施され、その際、少なくとも1つの、特に有利に最後の反応段階は反応蒸留として実施される。1つ又は複数の固定層反応器中で、この場合にまず酸性触媒でイソブテン含有の工業的炭化水素混合物I及びアルコールから、イソブテン濃度、アルコール濃度及びtert−ブチルエーテル濃度に関して熱力学平衡付近にある反応混合物を製造する。イソブテンの転化率は、この場合有利に90%を超える。この混合物は、最初/最後の反応段階で、反応蒸留塔に供給され、その際、イソブテンのさらなる分がエーテルに変換される。
触媒として、固定層段階で並びに反応蒸留塔中で、使用物質混合物中でも生成物混合物中でも不溶性である、表面に酸性中心を有する固形物質が使用される。この触媒は反応条件下では生成物混合物に酸性物質を供与しないのが好ましい、それというのもこれは収率低下を引き起こしかねないためである。触媒として、有利に方法段階d)に記載されたような触媒を使用することができ、その際、本発明による方法は、段階a)及びd)中でそれぞれ同じ触媒又は異なる触媒を使用することができるように実施することができる。有利に、段階a)及びd)中では同じ触媒が使用される。
反応蒸留塔中で、触媒は充填物の形で、例えばKataMax(R)(EP 0 428 265に記載されている)、KataPak(R)(EP 0 396 650又はDE 298 07 007.3に記載されている)は組み込まれているか又は成形体上に重合されていてもよい(US 5,244,929に記載されている)。
イソブテンとアルコールとの相応する第3ブチルエーテルへの反応は、反応蒸留で、有利に10〜140℃、殊に40〜90℃、特に有利に60〜80℃の温度範囲で行われる。(塔の領域には触媒が存在する。塔の塔底温度は明らかに高くても良い)。
特に、イソブテンはアルコール(メタノール、エタノール)との反応によりATBE(MTBE,ETBE)にして除去される。この場合、特にMTBEついてDE 101 02 082で記載されたように実施される。イソブテンを有するC4炭化水素混合物は、アルコールと一緒に予備反応器中に供給される。この場合、アルコールは有利に過剰量で使用される。予備反応器中では、イソブテン、アルコール及びATBEが平衡又はほぼ平衡にある混合物が生じる。この反応混合物を、反応蒸留塔中に導入する。
反応蒸留塔の供給物中には、存在するイソブテンを完全に変換する量より多くのアルコールが含まれる。このアルコール過剰量は、しかしながら、アルコールとC4炭化水素とから生成される共沸物のために十分なアルコール量が存在するように決定されるのが好ましい。
場合により、例えば反応蒸留塔への塔供給物中のアルコール含有量が最大許容値を下回る場合には、付加的アルコールを混合することもできる。さらに、反応蒸留塔の塔頂では、液体分配器の下側又は液体分配器中に、特別な装置を用いてアルコール供給を行うことができる。
有利に、反応蒸留塔は、触媒充填物の上方に、特に有利に5〜20、殊に10〜15分離段を有する単なる蒸留分離の領域を有する。この触媒区域は、充填物高さ1mあたり1〜5の理論分離段の蒸留作用が見積もられる。この触媒の上方の分離区域は、12〜36、特に20〜30の分離段を有する。触媒区域/反応区域の高さは、所望のイソブテン転化率に依存して簡単な予備試験で決定される。この触媒量は、反応蒸留のために、供給物中のイソブテン含有量に対して、75〜99%、有利に85〜98%、特に有利に95〜97%のイソブテン転化率が達成されるような量で選択される。
この触媒区域中の平均温度は、前記塔の圧力に依存して、有利に55℃〜70℃、特に有利に58℃〜67℃である。この反応蒸留塔は、塔頂で測定して、3bara〜15bara、有利に5bara〜11bara、特に7bara〜10baraの圧力で運転される。
塔の触媒充填物中の液圧ローディング点は、有利にそのフラッディング点の10%〜110%、特に20〜70%である。蒸留塔の液圧ローディングとは、上昇する蒸気質量流と還流する液体質量流とによる塔断面積の均一な流動工学的要求である。このローディング上限値は、蒸気及び還流液による最大のローディング点を表し、最大のローディング点より高くでは分離効果は、上昇する蒸気流による還流液のエントレイメント又は堰き止めによって低下する。このローディング下限値は最小のローディング点を表し、最小のローディング点を下回ると分離効果は、塔、例えばトレイの不均一な流動又は空転の結果、低下するか又は崩壊する。(Vauck/Mueller著、"Grundoperationen chemischer Verfahrenstechnik", 第626頁、VEB Deutscher Verlag fuer Grundstoffindustrie)。フラッディング点では、ガスから液体に伝わる剪断応力が大きく、全体の液体量は液滴の形でガスによってエントレイメントされるか又は塔中での転相が生じる(J. Mackowiak著、 "Fluiddynamik von Kolonnen mit modernen Fuellkoerpern und Packungen fuer Gas/Fluessigkeitssysteme", Otto Salle Verlag 1991)。
この反応蒸留塔は、有利に1.5未満の還流比で、特に0.4を上回りかつ1未満の還流比で、殊に0.5を上回りかつ0.9未満の還流比で運転される。
反応蒸留塔の塔底生成物は、有利に主にATBEからなる。有利に、これはアルキル−sec−ブチルエーテル 2500wppm未満及びC8炭化水素2500wppm未満を含有する。
反応蒸留の塔頂生成物は、C4炭化水素混合物とアルコールとに分離することができ、その際、このC4炭化水素混合物は有利に0.5wppm未満のATBE及び/又はTBAを含有する。
アルコールは、例えば水を用いた抽出により分離することができる。痕跡量のブタジエンが既に方法段階a)の前に除去されている場合には、これはこうして得られたラフィネートIIから選択的水素化(SHP)により除去することができる(Erdoel & Kohle, Erdgas, Petrochemie (1986), 39(2), 73-8参照)。反応蒸留から得られかつ場合によりアルコールが除去されたC4炭化水素混合物は、方法段階c)に供給することができる。
エーテル化のためにメタノール又はエタノールとは異なるアルコールを使用する場合に、反応蒸留のこのパラメータも相応して変更される。
本発明による方法のこの実施態様の場合に生じるATBEは、同様に方法段階d)に記載された使用目的に提供することができる。
段階a)中で反応蒸留を使用しないでイソブテンをアルコールと反応させる場合には、段階b)の第1の段階でC4炭化水素を場合により残留量のアルコールと一緒に生成物IIから、有利に蒸留により分離し、必要な場合には、第2段階でアルコールを抽出によりC4炭化水素IIIから分離する。段階a)において反応蒸留塔を最後の方法段階として実施する場合には、段階b)での蒸留による分離を行わなくてもよく、かつこの反応蒸留の際に得られた、場合により存在する反応されないアルコール及び反応されないC4炭化水素からなる塔頂生成物は、アルコールの除去のために直接抽出に供給されるか又は段階c)に供給することができる。この抽出は、方法段階e)で記載されているように実施することができる。
実施態様3:段階a)中での反応としてのイソブテンのオリゴマー化
本発明による方法の更なる有利な実施態様の場合には、段階a)においてイソブテン含有の工業的炭化水素混合物からのイソブテンをイソブテンオリゴマー、特にジイソブテンに反応させる。本発明の範囲内で、イソブテンオリゴマーは、特にイソブテンのダイマー、トリマー又はテトラマーのようなイソブテンオリゴマーである。さらに、これは、1−又は2−ブテンとのコオリゴマーを有していてもよい。
段階a)における、イソブテンの部分的オリゴマー化は、原則として均一系、つまり反応混合物中で可溶性の触媒の使用下で、又は不均一系、つまり反応混合物中に不溶性の触媒の使用下で実施することができる。均一系の方法の欠点は、触媒が、反応生成物及び反応されない出発物質と一緒に反応器から搬出され、前記反応生成物及び反応されない生成物から触媒を分離し、後処理し、廃棄又は返送させなければならないことにある。
この高い分離コストのために、段階a)中でのイソブテンの部分的オリゴマー化は、有利に固定層の形で配置されている固体の不均一系触媒で実施されるため、費用のかかる触媒分離は行われない。
固体触媒として、出発物質/生成物混合物中に不溶性である酸性物質を使用することもできる。この触媒の大抵のものは次のグループに所属する:
a) 担体材料(例えば酸化アルミニウム又は二酸化ケイ素)上の鉱酸(例えば硫酸又はリン酸)、
b) 他の金属のドーパントを有するか又は有していない、特に遷移金属を有するゼオライト又は他のアルミノケイ酸塩、又は
c) 酸性イオン交換樹脂、特に酸性カチオン交換体。
イソブテンオリゴマーの形成のために高い選択性に基づき、及び副生成物のわずかな形成に基づき、有利に触媒としてイオン交換樹脂が使用される。適当なイオン交換樹脂は、例えばフェノール/アルデヒド縮合体のスルホン化又は芳香族ビニル化合物のコオオリゴマーのスルホン化によって製造されたイオン交換樹脂である。コオリゴマーの製造のための芳香族ビニル化合物の例は次のものである:スチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルエチルベンゼン、メチルスチレン、ビニルクロロベンゼン、ビニルキシレン及びジビニルベンゼン。特に、スチレンとビニルベンゼンとの反応により生じたコオリゴマーは、スルホン基を有するイオン交換樹脂の製造のための前駆体として使用される。これらの樹脂の特性、特に比表面積、気孔率、安定性、膨潤性もしくは収縮性及び交換容量は製造プロセスによって変化させることができる。この樹脂は、ゲル状、マクロ孔又はスポンジ状に製造することができる。スチレン−ジビニルベンゼン型の強酸の樹脂は特に次の商品名で販売されている:Purolite社のCT 151、Rohm&Haas社の Amberlyst 15, Amberlyst 35, Amberlite IR-120, Amberlite 200、DOW社のDowex M-31、Bayer社のK 2611, K 2431。
完全にH+型で存在する樹脂のイオン交換容量は、有利に湿った樹脂(市販のもの)1リットルあたりH+ 1〜2、特に有利に1.5〜1.9Molである。本発明の方法において有利にマクロ孔の樹脂(例えばBayer社のK 2431、Rohm & Haas社のAmberlyst 15又はAmberlyst 35)が使用される。この細孔容量は、有利に0.3〜0.6ml/g、特に0.4〜0.5ml/g(市販の水で湿らせた樹脂に対して)である。本発明による方法において段階a)で有利に使用される樹脂の粒度は、500μm〜1500μm、特に600μm〜1000μmの範囲内にある。この粒度分布は狭く又は広く選択することができる。例えば、極めて均一な粒度を有するイオン交換樹脂(単分散樹脂)を使用することができる。
高い線形速度で流通する反応器中で、差圧の減少のために、単分散性粒子を使用し、低い線形速度で流通する反応器中で、最適な転化率の達成のために、広範囲の粒度分布を有する粒子を使用するのが有利である。場合により、イオン交換樹脂は成形体として、例えば円柱、リング又は球として使用することができる。
酸性イオン交換樹脂は、有利にイソブテンのオリゴマー化が可能であるが、イソブテンと線状ブテンとのコオリゴマー化、線状ブテンのオリゴマー化もしくは線状ブテンの異性化をほとんど接触しない程度の活性に調節される。さらに、この発熱は、従って反応器中で工業的に良好に制御可能な値に調節される。
所望な触媒活性の調節は、調節剤を用いて行うことができる。この材料は、出発物質と一緒に触媒に導入される。調節剤として、例えば水、アルコール、例えばtert−ブチルアルコール(TBA)、メタノール、イソプロパノール又はエタノール又はエーテル、例えばMTBE又はETBEをそれぞれ純物質又は混合物として使用することができる。段階a)中でのオリゴマー化は、従って有利に調節剤の存在で実施される。調節剤を使用する場合には、有利にイソブテン1Molあたり調節剤0.01〜5、有利に0.01〜1、特に0.01〜0.7のモル比に調節される。
本発明による方法の場合に、段階a)においてオリゴマー化のためにさらに固体のスルホン化されたカチオン交換体(樹脂)を使用することができ、これは調節剤の添加なしに所望の活性を有する。これは、特に部分中和されたカチオン交換体であり、この場合スルホン酸基の酸性水素原子の一部は金属イオン、特に周期表の1族〜12族の元素の金属イオンと交換されている。有利に、スルホン酸基の酸性水素原子の1〜70%、有利に5〜50%、特に有利に10〜40%が金属イオンに交換されているカチオン交換体が使用される。水素原子に置き換えられる金属イオンとして、特にアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン、例えばクロムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、亜鉛イオン及びアルミニウムイオン、並びにランタン族(希土類)のイオンを使用することができる。有利に、酸性水素原子はアルカリ金属イオン、特にナトリウムイオンと置き換えられている。イオン交換樹脂は、2つ又はそれ以上の異なる金属イオンで負荷されていてもよい。
部分中和されたイオン交換樹脂の製造のために、専門文献中に記載された全ての多様な方法を使用することができる。このような方法は、例えばEP 1 388 528に記載されている。
本発明による方法における反応器は、多様な反応性のイオン交換樹脂の混合物を含有することができる。同様に、反応器は多様な活性を有する触媒を、例えば相の形で配置して含有することもできる。1つ以上の反応器を使用する場合には、個々の反応器は同じ又は異なる活性の触媒で充填されていてもよい。
イソブテン含有炭化水素混合物の反応の工業的実施のために、多様な変法が可能である。この反応は、バッチ式で又は有利に連続的に運転される、通常では固/液接触反応の場合に使用される反応器中で実施することができる。連続的に運転される流動式反応器を使用する場合に大抵は固定層が用いられるが、もっぱら固定層が用いられるわけではない。固定層反応器とは異なるコンセプトは、例えば、イオン交換体が液相中に懸濁されて存在している反応器である("Bayer Verfahren", Erdoel und Kohle, Erdgas, Petrochemie, 1974, 27, 5号, 240頁参照)。
固定層流動式反応器を使用する場合に、液体は上方へ又は下方へ流動することができる。大抵は、液体を下方へ流動させるのが有利である。反応器を循環する冷却液は場合により並流方向又は向流方向を有することができる。さらに、反応器を、生成物の返送下で又は直線的な経路で運転することができる。
管型反応器を使用する場合に、反応器の寸法により又はその充填度によって、触媒充填物の長さ対直径の比を変えることができる。同じ接触量及び負荷(LHSV)で従って異なる空塔速度を達成することができる。
工業的プロセスの場合に使用される反応器は、断熱的、ポリトロープ又は実際に等温で運転することができる。実際に等温とは、反応器の入口の温度よりも、反応器内の任意の位置での温度が最大で10℃高いことを意味する。反応器の断熱的運転の場合には、一般に、複数の反応器が直列に接続されていて、かつ有利に反応器の間で冷却されることに意味がある。ポリトロープ又は実際に等温で運転するために適している反応器は、例えば管束状反応器、撹拌槽及びループ型反応器である。複数の反応器を、多様な内部構造体と組み合わせることも可能である。さらに、反応器を生成物の返送下で運転することも可能である。
オリゴマー化を行う温度は、15〜160℃、有利に40〜110℃である。
この反応は、付加的な溶剤を添加して又は添加することなしに行うことができる。溶剤として、有利に飽和炭化水素、特にC4炭化水素、C8炭化水素又はC12炭化水素が使用される。イソオクタンの使用が特に有利である。溶剤を添加する場合に、その割合は0〜60質量%、有利に0〜30質量%である。
本発明による反応は、それぞれの反応温度で使用炭化水素混合物の蒸気圧と同じか又はそれを上回る圧力で、有利に40barを下回る圧力で実施することができ、つまりイソブテン含有の炭化水素混合物はオリゴマー化の間に完全に又は部分的に液相中に存在する。この反応が完全に液相中で実施される場合には、反応器中での蒸発の問題を回避するために、この圧力は、有利に反応混合物の蒸気圧よりも2〜4bar高いのが好ましい。
この反応を、反応混合物が完全には液相で存在しない圧力で運転する場合であっても(例えば反応蒸留で又はUS 5,003,124と同様な方法バリエーションで)、本発明による方法によるこのオリゴマー化は液相中で、つまり「湿った」、つまり液体で濡れた触媒を用いて行われる。
イソブテンからオリゴマーへの全体の転化率は、使用する触媒の種類及び量、設定された反応条件及び反応器の数によって調節することができる。本発明による方法の場合に、有利に出発物質中に含まれるイソブテンの30〜95%、有利に50〜80%、特に有利に55〜70%がオリゴマー化される。
部分的イソブテンオリゴマー化の反応混合物は、多様に後処理することができる。段階b)による、生成物II(オリゴマー)及び場合による5〜7個の炭素原子を有する炭化水素の、反応されないC4炭化水素IIIからの分離は、有利に蒸留により行われる有利に、この蒸留は1〜10baraの圧力で、特に有利に4〜7baraの圧力で運転される。塔底での温度は、有利に120〜220℃、特に有利に170〜200℃である。還流比は、有利に0.1〜1.5、有利に0.3〜1.0の値に調節される。この蒸留は、有利に塔中で20〜40、有利に25〜35の段数で実施される。こうして分離された反応されないC4炭化水素は、本発明による段階c)においてさらに処理される。
分離されたオリゴマーフラクションは、主にC8炭化水素を含有し、場合により使用された調節剤を有することもできる。これは、ジイソブテンの他に、コダイマー及び高級オリゴマー(C12、C16+)を含有することができる。コオリゴマーの割合は、有利に50質量%、特に25質量%を下回る。これらのフラクションは、更なる蒸留段階で分離することができる。例えば、高純度イソブテンを有するフラクションを分離することも可能であり、これは別個に、例えば化学合成のために使用される。オットー機関用の燃料成分として使用するために、高沸点成分(有利に沸点220℃)を分離する必要がある。
ブテンオリゴマー、特にC8オレフィンを完全に又は部分的に水素化することもできる。オリゴマー化の生成物を水素化して相応するパラフィンにする方法は当業者に周知である。オレフィンを水素化する慣用の方法は、例えばF. Asinger著, "Chemie und Technologie der Monoolefine", Akademie Verlag, Berlin, 1957, 626 - 628頁又はDE 197 19 833に記載されている。
有利な実施態様の場合に、この水素化は、液相中で、水素化物中で不溶性の固体触媒を用いて実施される。水素化触媒として、有利に無機担体からなりかつ活性金属として白金及び/又はパラジウム及び/又はニッケルを含有する担持触媒が使用される。この水素化を実施する温度は、有利に10〜250℃の範囲内であり、圧力は1〜100barである。
水素化の後に、蒸留による分離によってさらにフラクションを得ることができる。このフラクションから及び水素化されていないフラクションから、混合により所定の特性の燃料添加物が得られる。さらに、若干のフラクションは溶剤として使用できる。
実施態様4:段階a)中でのイソブテンとホルムアルデヒドとの反応
本発明による方法の他の有利な実施態様の場合に、段階a)において、イソブタンをホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド誘導体と反応させる。この場合、反応条件に応じて4,4−ジメチル−1,3−ジオキサン又は3−メチル−3−ブテン−1−オールが主生成物として得られる。この方法は、以前から文献で公知である。この方法についての情報は、例えば最新版の Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Wiley-VCH-Verlagの見出語「イソプレン」並びにそこに挙げられた文献箇所Weissermel, Arpe, Industrielle Organische Chemie, VCH, 第4版 1994, 127 - 131頁及びW. Swodenk, W. Schwerdtel, P. Losacker, Erdoel und Kohle - Erdgas - Petrochemie, 1970, 23, 641 - 644に見ることができる。この両方の生成物の3−メチル−3−ブテン−1−オール又は4,4−ジメチル−1,3−ジオキサン(1,3−ジオキサン)は、主にイソプレンの製造のために使用される。イソブテンとホルムアルデヒドとの反応により得られた1,3−ジオキサンは、例えば200〜300℃で、酸性触媒、例えば担体上のリン酸による気相中での分解によりイソプレンに変換することができ、その際、1,3−ジオキサンの製造のために必要とされる量のホルムアルデヒドの半分は再び回収することができる(DE 196 31 005参照)。
1,3−ジオキサンからホルムアルデヒドの脱離により得られる3−メチル−3−ブテン−1−オールは、例えば3−メチルブタン−1−オールの製造のためにも使用され、これから脱水により再び3−メチル−1−ブテンを得ることができる。
イソブテンの反応は、ホルムアルデヒドを用いて直接、場合によりホルムアルデヒドの溶剤として水又は他の溶剤中で行うか、又は適当なホルムアルデヒド誘導体を用いて行うことができる。適当なホルムアルデヒド誘導体は例えばメチラール又はジオキソランである。この反応は、触媒を使用して又は使用せずに行うことができ、かつ液相でも気相での可能である(DE 15 93 851; DE 17 68 057; DE 12 75 049; US 2,308,192; FR 155 6915; Studies in Surface Science and Catalysis, Vol. 125, 199, 507 - 514参照)。触媒の使用下で液相中での反応を実施するのが有利である。触媒として、有利に金属触媒、ブレンステッド酸及びルイス酸が使用される。遷移金属触媒及び酸性カチオン交換樹脂、例えば方法段階a)の実施態様1にも使用されているような酸性カチオン交換樹脂を使用するのが有利である。
ホルムアルデヒドとの反応の際に達成されるイソブテン転化率は、有利に30〜90%、特に有利に40〜70%である。
段階a)の実施態様4による反応の反応混合物は、選択された反応の種類に応じて異なるように後処理される。反応後に複数の相、例えば水相及び有機相(これは主に反応されないC4炭化水素及び反応の主生成物を含有する)が存在する場合には、まず相分離が実施される。ホルムアルデヒドの残留量を除去するために、引き続き水洗を行うことができる。段階b)による、生成物II(アリルアルコール、1,3−ジオキサン又は1,3−ジオール)及び場合による5〜7個の炭素原子を有する炭化水素の、反応されないC4炭化水素IIIからの分離は、引き続き有利に蒸留により行われる。この場合、少なくとも蒸留塔中で反応されないC4炭化水素が塔頂生成物として得られる。この蒸留は、有利に1〜11bara、特に有利に3〜8bara、さらに特に有利に4〜7baraの圧力で行う。塔頂の温度は、有利に40〜60℃、殊に45〜50℃である。蒸留の場合に、有利に還流比は0.5〜2、殊に約1に設定される。塔頂で、反応されないC4炭化水素の他に第2の水相が生じる場合に、これは有利に塔頂デカンタ中で分離される。この蒸留は、有利に、少なくとも20、有利に25〜50、特に有利に30〜40の理論段数を有する塔中で実施される。こうして分離された反応しない炭化水素IIIは、本発明による段階c)においてさらに処理される。
蒸留の際に生じる、3−メチル−3−ブテン−1−オール及び/又は4,4−ジメチル−1,3−ジオキサンを含有することができるフラクションは、直接又はさらに例えば上記のように更なる蒸留又は抽出により精製した後でイソプレンに変換することができる。
使用物質
本発明による方法において、全ての通常に使用される工業的C4炭化水素混合物を使用することができる。適当なイソブテン含有のC4流は、例えば精留からの石油ベンジンフラクション、クラッカー(水蒸気分解装置、水素分解装置、接触分解装置)からのC4フラクション、フィッシャートロプシュ合成からの混合物、ブタンの脱水素からの混合物、線状ブテンの骨核異性化からの混合物及びオレフィンのメタセシスにより生じる混合物である。これらの技術は、専門文献に記載されている。(K. Weissermel, H. J. Arpe, Industrielle Organische Chemie, Wiley-VCH, 第5版, 1998, -23 - 24; 65 - 99; 122 - 124頁)。
第1にエテン及びプロペンの製造のために運転されるかつ原料として例えば精油ガス、ナフサ、軽油、LPG(liquified petroleum gas)及びNGL(natural gas liquid)が使用される水蒸気分解装置からのC4フラクション又は接触分解装置からのC4フラクションを使用するのが有利である。副生成物として生じるC4留分は、分解法に応じて異なる量のイソブテンを含有する。他の主成分は1,3−ブタジエン、1−ブテン、c−2−ブテン、t−2−ブテン、n−ブタン及びi−ブタンである。C4フラクション中の一般的なイソブテン含有量は、水蒸気分解装置からのC4フラクションの場合に、18〜35質量%であり、液体接触分解装置(FCC)の場合に10〜20質量%である。
本発明による方法のために、有利に複数箇所不飽和の炭化水素、例えば1,3−ブタジエンを使用混合物から除去する。これは、公知の方法により、例えば抽出、抽出蒸留又は錯形成により行うことができる(K.Weissermel, H.J. Arpe著, Industrielle Organische Chemie, Wiley-VCH, 第5版, 1998, 119 - 121頁参照)。
複数箇所不飽和の炭化水素を分離する他の方法は、選択的化学反応である。例えばEP 0 523 482に記載されているように、例えば1,3−ブタジエンを選択的に線状ブテンに水素化することができる。1,3−ブタジエンの選択的反応、例えばシクロオクタジエンへの二量化、シクロドデカジエンへの三量化、重合反応又はテロマー化反応によっても、1,3−ブタジエンを少なくとも部分的に除去することができる。クラック−C4留分を原料として使用する場合に、全ての場合に炭化水素混合物(例えばラフィネートI又は水素化されたクラック−C4(HCC4)が残留し、これは主に飽和炭化水素のn−ブタン及びイソブタン及びオレフィンのイソブテン、1−ブテン及び2−ブテンを含有する。
有利に、本発明による方法の場合に、方法段階a)、b)、c)、d)、e)又はf)の1つ以上の段階の前に行われる付加的な精製段階において、C4炭化水素流中に含まれる複数箇所不飽和の炭化水素は触媒により選択的に水素化される。特に、使用された工業的C4炭化水素流が複数箇所不飽和の炭化水素を有すること排除しない場合には、特に有利に、少なくとも方法段階a)及び/又はc)の前に、このような精製段階を設ける。
複数箇所不飽和の炭化水素は、主に1,3−ブタジエン;1,2−ブタジエン、ブテニン及び1−ブチンであるが、これらが含まれる場合でも明らかに少量である。この水素化は、一段階又は多段階の水素化プロセス中で液相でパラジウム接触で行うことができる。1,3−ブタジエンの含有量を有利に1000wppm未満に低下させるために、この場合、水素化の最後の段階でパラジウム接触の選択性を高める調節剤を添加して作業する。有利に、調節剤として一酸化炭素が使用され、これは0.05〜100質量ppm(wppm)の割合で添加される。複数箇所不飽和の炭化水素の含有量は、この段階への供給物中で1%未満、有利に0.5%未満であるのが好ましい。文献中では、この種の残留含有量の1,3−ブタジエンの選択的水素化はSHP(selective hydrogenation process)の名称で公知である(EP 0 081 041; Erdoel, Kohle, Erdgas, Petrochem. 1986, 39, 73参照)。
イソブテン含有のC4流中に1%より多くの量の複数箇所不飽和の炭化水素、例えば1,3−ブタジエンを含有する場合、1,3−ブタジエンは有利に前段階の水素化で反応される。前記水素化は、有利に液相中でパラジウム接触で実施される。不飽和炭化水素の含有量に応じて、前記水素化は多段階で実施することができる。一般に38〜45%の1,3−ブタジエンの含有量を有する水蒸気分解装置からのクラック−C4を反応させるために、水素化の二段階の実施が有利である。この場合、単独の段階又は全ての段階は、部分的に生成物返送を設けることができる。搬出部中で1%より低い1,3−ブタジエンの濃度が達成されるため、他の反応は選択的水素化(SHP)で行うことができる。
イソブテン及び線状ブテンを有する本発明による方法で使用された炭化水素混合物は、有利に次の組成を有し、その際、不飽和炭化水素の含有量に応じて、段階a)〜d)の一つの段階の前に、有利に段階c)の前に水素化又は選択的水素化を実施する。
表1:本発明による方法において使用することができる工業的炭化水素混合物の典型的組成。
Figure 0005006644
注釈
− HCC4:水蒸気分解装置(High Severity)のクラック−C4から、1,3−ブタジエンの水素化により触媒の付加的調節なしに得られる、C4混合物に対する典型的組成物。
− HCC4/SHP:1,3−ブタジエンの残留物がSHPでさらに減少された組成物HCC4
− Raff.I(ラフィネートI):水蒸気分解装置(High Severity)のクラック−C4から、1,3−ブタジエンの分離(例えばNMP抽出精留による分離)の後に得られる、C4混合物に対して典型的組成物。
− Raff.I/SHP:1,3−ブタジエンの残留物がSHPでさらに減少された組成物Raff.I。
− CC4:接触分解装置から得られるクラック−C4の典型的組成物。CC4/SHP:1,3−ブタジエンの残留物がSHPでさらに減少された組成物CC4
ラフィネートIもしくはHCC4は、本発明の範囲内で、他のものと共に有利に使用されたイソブテン含有の炭化水素混合物である。C4炭化水素を後処理するための装置は一般にストランド(複数の装置の接続)として構築されている場合に、しかしながらラフィネートIもしくはHCC4は本発明による方法へ導入される前に1つ又は複数の他のプロセス段階を経ていてもよい。これらのプロセス段階は、例えば方法段階a)について実施態様において記載された方法もしくは方法段階であることができる。本発明による方法において使用可能なC4炭化水素混合物は、方法段階a)の実施態様による方法及び引き続く方法段階b)による分離により得られるようなC4炭化水素混合物であってもよい。特に、例えばイソブテンからのTBAの製造の際にTBAの分離の後に得られた混合物を使用することもできる。このように、それぞれ相応する生成物プロフィールで後処理のための個別の適合された全体のコンセプトを実現することができる。
本発明による方法の前に行うことができる一般的方法は、水洗、吸着剤を用いた精製方法、乾燥方法及び蒸留である。
水洗
水洗により、親水性成分、例えば窒素成分は、イソブテン及び線状ブテンを含有する使用すべき工業的炭化水素から、完全に又は部分的に除去することができる。この窒素成分の例は、アセトニトリル又はN−メチルピロリドン(これは例えば1,3−ブタジエン−抽出蒸留に由来することがある)である。酸素化合物(例えばFCCユニットからのアセトン)も、部分的に水洗によって除去することができる。イソブテン含有の炭化水素流は、水洗の後に水で飽和されている。次のプロセス段階において反応器中で二相形成を避けるために、そこでの反応温度が水洗の温度を約10℃上回るのが好ましい。
吸着剤
吸着剤は不純物の除去のために使用される。これは、例えば、プロセス段階の一つにおいて貴金属触媒を使用する場合に有利である。しばしば、窒素又は硫黄化合物が前に設けられた吸着装置によって除去される。吸着剤の例は、酸化アルミニウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、活性炭、金属で含浸されたアルミナである。吸着剤は、多様な企業により販売されていて、例えばAlcoa社(Selexsorb(R))である。
乾燥
イソブテン含有の炭化水素混合物中に場合により含まれる水(これは例えば水洗に由来することがある)は、乾燥のための公知の方法により除去することができる。適当な方法は、例えば共沸混合物としての水の蒸留による分離である。この場合、しばしば含まれるC4炭化水素との共沸混合物を利用することができるか、又は他の共沸剤を添加することもできる。
炭化水素混合物の乾燥は多様な理由から、例えば実施態様2及び3の場合の段階a)においてアルコール(主にtert−ブチルアルコール)の形成を抑制するため、ブテンオリゴマー化(段階aの実施態様3)における(制御されない)水調節の抑制のため、水の分離による工業的問題を回避するため又は低温で氷の形成の抑制(例えば中間貯蔵)のために有利である。
蒸留
蒸留段階は、例えば、不純物を分離するため(例えば低沸点物、例えばC3炭化水素、高沸点物、例えばC5炭化水素)又は多様なイソブテン濃度を有するフラクションを得るために利用することができる。これは、ラフィネートIもしくはHCC4を用いて直接行うか、又は1つ又は複数の他のプロセス段階を通過した後に行うことができる。ラフィネートIもしくはHCC4を直接に蒸留することにより、例えば2−ブテン及びn−ブタン濃度が低く、イソブテン濃度が高いフラクションに分離することができる。
使用した工業的炭化水素混合物の組成に応じて及び/又は目的生成物の純度に応じて、工業的炭化水素混合物は、つまり本発明による方法の段階a)に直接使用できるか、又は1つ又は複数の前記の方法による前処理の後に初めて使用できる。
図面の記載
図1〜図6及び図9を用いて本発明による方法を次に詳細に説明するが、本発明による方法は、ここに例示的に図示された実施形態に制限されるものではない。図7及び図8には比較方法を記載する。これらの概略図には、主な段階のみが図示されている。プロセス工学的に通常の流、例えば冷却水流、循環流、触媒返送又は戻し供給、及び/又は通常の装置、例えば熱交換器又は分離器は、部分的に見やすくするために描写していない。
図1
図1に概略的に示した方法の場合に、段階(a)にC4炭化水素の工業的混合物が導入される。段階(a)において、工業的混合物中に含まれるイソブテンの部分的な反応が行われる。この反応は、例えば水、アルコール、ホルムアルデヒド又はそれ自体と行うことができる。段階(a)の生成物を分離段階(b)に移し、そこで反応されていないC4炭化水素IIIと、生成物IIとを有利に熱的な分離方法によって分離する。反応されないC4炭化水素IIIを段階(c)に移し、これを例えば簡単な蒸留塔によって実現することができる。この塔で、流IIIを、イソブテン、イソブタン及び1−ブタンを有するフラクションIVと、イソブテン不含又はほとんどイソブテン不含の2−ブテン及びn−ブタンを有するフラクションVとに分ける。前記フラクションIVを第二の反応段階(d)に移し、ここでイソブテンをアルコールVIと反応させてアルキル−tert−ブチルエーテル(ATBE)にする。引き続く分離段階(e)において、ATBE VIIを反応されない炭化水素VIIIから分離する。この炭化水素VIIIを段階(f)に移し、ここで1−ブテンを蒸留により残りの炭化水素から分離する。
図2
図2において、方法段階a)及びb)の可能な実施態様が図示されていて、その際、段階(a)中でのイソブテンの反応は、イソブテンのオリゴマー化である(実施態様3)。この工業的混合物Iを、まず第1のオリゴマー化反応器R−a1に導入する。第1の反応器からの生成物を、第2のオリゴマー化反応器R−a2に導入する(同じ又は異なる温度等での運転が可能)。第2のオリゴマー化反応器からの搬出物を、塔頂生成物用の凝縮器W−b2と塔底蒸発器W−b1とを備えた蒸留塔K−b1に移す。塔頂生成物の一部を還流として塔内へ戻す。塔頂生成物として、反応されないC4炭化水素を有する流IIIが取り出され、かつ塔底生成物としてイソブテンの反応からの生成物IIが得られ、これは主にイソブテンのダイマー及びトリマーからなる。
図3
図3において、方法段階a)及びb)の可能な実施態様が図示されていて、その際、段階(a)中でのイソブテンの反応は、tert−ブチルアルコール(TBA)の合成である(実施態様1)。工業的混合物Iを、3つの反応器のカスケードの第1の反応器R−a1に供給し、その中に水も導入する。この反応器R−a1は返送を有し、この返送により反応搬出物の一部は反応器に達する供給流へ戻すことができる。第1の反応器からの反応搬出物の他の分を、第2の反応器R−a2に導入し、その中には同様に水も導入する。第2の反応器からの反応搬出物を、第3の反応器R−a3に導入し、その中に同様に水も供給する。第3の反応器からの搬出物を、塔頂生成物用の凝縮器W−b2と塔底蒸発器W−b1とを備えた蒸留塔K−b1に移す。塔頂生成物の一部を還流として塔内へ戻す。塔頂生成物として、反応されないC4炭化水素を有する流IIIが取り出され、かつ塔底生成物として生成物II(主にイソブテンと水との反応からのtert−ブタノール並びに過剰量の水)が得られる。
図4
図4において、方法段階a)及びb)の可能な実施態様が図示されていて、その際、段階(a)中でのイソブテンの反応はアルキル−tert−ブチルエーテル(ATBE)である(実施態様2)。工業的混合物Iを、2つの反応器のカスケードの第1の反応器R−a1に供給し、その中にアルコールも導入する。この反応器R−a1は返送を有し、この返送により反応搬出物の一部は反応器に達する供給流へ戻すことができる。第1の反応器からの反応搬出物の他の分を、第2の反応器中に導入する。第2の反応器からの搬出物を、塔頂生成物用の凝縮器W−b2と塔底蒸発器W−b1とを備えた蒸留塔K−b1に移す。塔頂生成物の一部を還流として塔内へ戻す。塔底生成物として、生成物II(主にイソブテンとアルコールとの反応からのtert−ブチルエーテル及び場合により残留量のアルコール)が得られる。塔頂生成物として、反応されない炭化水素と場合によりなおアルコールとを有する流D−b1を取り出す。この流がアルコール(例えばメタノール及びエタノールを使用する際がこの場合である)を含有する場合、前記流を抽出塔K−b2の下側に導入し、この抽出塔中で向流で抽出剤、例えば水を塔頂に存在する供給部E−b1から供給し、これは塔底で排出部E−b2を介して取り出される。塔頂では、この抽出の生成物として段階(a)中で反応されない炭化水素IIIからなる流が得られる。
図5
図5には、段階c)、d)及びe)の可能な実施態様が図示されている。塔底蒸発器W−c1及び塔頂で凝縮器W−c2及びデカンタを備えた蒸留塔K−c1中に段階b)からの炭化水素流IIIを供給し、(ほとんど)イソブテン不含の、2−ブテン及びn−ブタンを有するフラクションV(このフラクションは塔底で取り出される)と、イソブテン及び1−ブテンを有し、ほとんどn−ブタン及び2−ブテン不含のフラクションIV(このフラクションは場合によりデカンタ中で水相D−c1が除去される)とに分離する。塔頂は、塔中の還流として一部が返送できるように構成されている。前記フラクションIVを反応器R−d1に移し、ここでさらにアルコールを供給し、かつフラクションIV中に含まれるイソブテンをATBEに変換する(段階d))。前記反応器R−d1からの搬出物を塔K−e1に供給し、前記塔は簡単な蒸留塔であるか又はここでも反応塔として構成されていてもよい。前記反応器からの搬出物の反応蒸留塔K−e1中への供給は、有利に反応性充填物の下側で行う。前記塔K−e1には、塔底蒸発器W−e1と塔頂生成物用の凝縮器W−e2とが設けられている。前記塔K−e1の塔底生成物としてATBEが得られる。塔頂生成物D−e1は、部分的に還流として塔内に返送することができる。この他の分は、抽出塔K−e2に移され、向流で抽出剤、例えば水が塔頂にある供給部E−e1を介して供給され、これは排出部E−e2を介して塔底で取り出される。塔頂では、この抽出の生成物として段階d)及び場合によりe)中で反応されない炭化水素VIIIからなる流が得られる。
図6
図6では、方法段階f)の可能な実施態様が図示されている。段階e)からの炭化水素流VIIIを蒸留塔K−f1に供給する。前記塔K−f1には、塔底蒸発器W−f1と塔頂生成物用の凝縮器W−f2とが設けられている。塔K−f1の塔底生成物として1−ブテンS−f1が得られる。場合によりデカンタ中で水が分離される塔頂生成物D−f1を、部分的に還流として塔に返送させることができる。他の分の塔頂生成物D−f1を蒸留塔K−f2に移す。この塔K−f2にも、塔底蒸発器W−f3と塔頂生成物用の凝縮器W−f4とが設けられている。前記塔K−f2の塔底生成物としてイソブタンS−f2が得られる。場合によりデカンタ中で水が分離される塔頂生成物D−f2を、部分的に還流として塔に返送させることができる。他の分の塔頂生成物D−f2(これは主に低沸点物からなる)を、他の利用又は熱的利用に供給することができる。
この後処理の際に得られたイソブタン(流S−f2)は、なお不飽和成分(主に1−ブテン)の割合を含有することができる。これは、後の段階での水素化で相応するアルカンに水素化することができる。この水素化は、この分野の公知の方法により、有利に液相中でのパラジウム触媒を用いて行われる。場合により、この水素化は、塔K−f2の前でも行うことができ;流D−f1はこの場合、まず水素化(図6には図示されていない)に供給され、引き続き塔K−f2に供給される。
図7
この図には、比較例と見なされる、一段階プロセスの変法Aが図示されている。この変法の場合には、段階(a)及び(b)は図4に図示された接続で実施され、その際、反応器系R−aが反応器R−a1とR−a2との代わりに存在している。抽出塔K−b2から得られた生成物IIIを蒸留塔K−c1に移し、ここでイソブタン、イソブテン及び1−ブテンが塔頂を介して分離される。塔底生成物S−c1として、(ほとんど)イソブテン不含の、2−ブテン及びn−ブタンを有するフラクションVが得られる。この塔K−c1の留出物VIを、直接、更なる塔K−f1に移し、ここで1−ブテンを含有する塔底生成物と、イソブタン及び/又は低沸点物を有する塔頂生成物とに分離する。塔底生成物として、1−ブテン富有のフラクションが得られ、これはもちろんR−a中で反応されないイソブテンの大部分を含有する。
図8
この図には、比較例と見なされる、二段階プロセスの変法Bが図示されている。この変法の場合には、段階(a)及び(b)は図3に図示された接続で実施され、その際、反応器系R−a1が反応器R−a1、R−a2及びR−a3との代わりに存在している。塔K−b1から得られた留出物D−b1を、第2の反応器R−b2に導入し、ここで留出物D−b1中に存在する残りのイソブテンを、同様に存在するアルコールと反応させる。反応器R−b2からの反応生成物を、塔K−b3中に導入し、ここでR−b2中で生成されたエーテルを残りのC4炭化水素流D−b3から塔底生成物VIIとして分離する。留出物D−b3の更なる精製は、留出物D−b1についての図7の記載と同様に行われる。
図9
実施例中で使用された本発明による方法の実施態様による接続を、図7及び8による比較変法とより良好に比較するために、図9に概略的にこの接続を示し、その際、段階(a)並びに段階(d)でエーテル化段階を実施した。段階(a)及び(b)は図4に図示された接続で実施され、その際、反応器系R−aが反応器R−a1とR−a2との代わりに存在している。段階(c)、(d)及び(e)は、図5に記載されたように実施される。抽出塔K−e2から得られる生成物VIIIを、蒸留塔K−f1に移し、ここで1−ブテンを含む塔底生成物と、イソブタン及び/又は低沸点物を有する塔頂生成物とに分離する。
次の実施例は本発明を詳説するが、これは特許請求の範囲及び明細書から生じる本発明の保護範囲を限定するものではない。
次の実施例計算は、シミュレーションプログラムASPEN Plusを用いて実施した。明確な、再現可能なデータを作成するために、一般に得られる物質データだけを使用した。動的な評価を使用することは故意に行わなかった。さらに、全ての変法において、反応蒸留の使用は行わなかった。この簡素化によって当業者には容易にこの計算を追試できる。この使用した方法は、工業的な装置の設計のために十分な精度を有していないが、この接続の質的な差は正確に捉えられる。全てに示された変法において、イソブテン転化率は1つ又は複数の反応蒸留の使用により高めることができた。
この反応器及びMTBE塔は、プロパティメソッド(Property-Methode)"UNIFAC-DMD"で計算した。C4塔の計算のために、プロパティメソッド"Peng-Robinson"で状態式を使用した。次の仮定がなされた:
− 全ての反応器は50℃で完全にUNIFACで計算した平衡に達した。
− 塔は、還流比0.8で計算した。
− MTBE塔中で、塔頂を介してC4/メタノール共沸混合物が分離された。このMeOHは、抽出装置中で水で洗浄され、これは簡単な成分スプリッタとしてモデル化された。
− 前記抽出装置から得られたMeOH−水混合物を、更なる塔K−MeOH中で蒸留により後処理するが、これは接続図には記載しなかった。K−MeOHの両方の生成物をこのプロセス中に循環させた。
この計算された実施例には、一般的に市販されているC4原料からなる原料混合物が基礎となった。10t/hの原料流は、イソブテン28質量%及び1−ブテン35質量%を含有する。この流から、イソブテンはMTBE合成によって化学的に分離するのが好ましく、99.6%より高い純度を有する3t/hの1−ブテン量が製造される。これは、約85%の1−ブテン収率に相当する。1−ブテン生成物中に、最大で2000ppmのイソブテンが存在するのが有利である。表2中には、C4炭化水素流の組成が目標とした1−ブテン規格と対比されている。実施例中に使用されたメタノール量は1900kg/h(約19%の過剰量)である。
表2:C4原料流の組成及び1−ブテンの所望の規格(%表示は質量%)
Figure 0005006644
次に、課題設定を解決するための3種の異なる良好に適した方法バリエーションを計算した。
最も簡単な変法Aは1段階プロセスであり、このプロセスは比較基準として使用した。図7により、メタノールとイソブテンとを反応段階R−a中で平衡になるまで反応させた。蒸留段階K−b1中で、MTBE(II)が塔底生成物として分離された。この塔は、50理論段を有し、かつ還流比0.8で運転した。この塔の留出液はC4/MeOH共沸混合物であり、これからMeOHを例えば抽出塔K−b2中での水により洗浄することができた。抽出塔K−b2のラフィネートを図5中のK−c1と同等のC4塔に供給し、ここでイソブタン、イソブテン及び1−ブテンを塔頂から分離した。K−c1の留出液IVを図6による次の塔K−f1に直接供給し、そこで、特にイソブタンを塔頂から分離した。塔底生成物として、1−ブテン富有のフラクションが得られ、これはR−a中で反応されないイソブテンの大部分を含有していた。
変法Aを用いて製造した1−ブテンは、表3に示すように、イソブテン1.9質量%を含有し、従って2000ppmの目標値に達していなかった。転化率を高めるための更なる手段が必要である。
他のプロセス改善法を変法Bとして試験し、これを図8に示した。平衡をさらにMTBEの方向に向けるために、塔K−b1の後方に更なる反応器R−b2を設け、この残りのイソブテンをK−b1中で共沸混合物D−b1として塔頂から分離されたMeOHと反応させた。生成したMTBEを更なるC4/MTBE蒸留K−b3中で分離した。この場合、全体のC4流を2回塔頂から蒸留しなければならなかった。K−b3のエネルギー必要量は、K−b1のエネルギー必要量とほとんど同じ量であった。引き続き、この抽出K−b2及び1−ブテン−蒸留K−c1及びK−f1は変法Aと同様に実施した。500ppmよりも低いイソブテンを有する1−ブテン生成物は、必要とされた生成物規格に達していた。この装置の全体のエネルギー必要量は、変法Aと比較してもちろん約12%高かった(表4参照)。
本発明による方法の場合の図9による変法Cは、第2の反応段階、蒸留段階及び抽出段階R−d、K−e1及びK−e2が両方のC4塔Kーc1及びK−f1の間に設けられていた。これは、K−c1の供給物IIIの大部分を塔底生成物Vとして生じさせ、K−f1において純粋な1−ブテンに後処理されるべき部分のC4流だけが二回目で蒸留されるという利点を有する。この場合には、変法Bの場合のK−b2のエネルギー必要量は、変法Cの場合のK−e1のエネルギー必要量の二倍高かった。変法cの欠点は、第2の抽出塔K−e2を構築しなければならないことであった。R−d1、K−e1及びK−e2の処理量は、変法Bの場合のK−b3の処理量の半分よりも少ないため、全体の投資コストは相応して低くなった。1−ブテン−生成物中のイソブテン量は、計算された実施例の場合に、同様に500ppmよりも低かった。
表3は、この3種の変法の達成された転化率を示す。変法Aは1−ブテン生成物の要求された品質を明らかに満たしておらず、両方の二段階法B及びCの場合に規格に合った生成物が見積もられた。高められたイソブテン転化率は、両方の変法の場合に、第2の反応段階の前での反応生成物MTBEの蒸留による分離により、つまりは高めたエネルギー投入により達成される。本発明の場合には、変法Cにおいて両方のC4塔K−c1及びK−f1の間に第2の反応段階を配置することにより、付加的に蒸留すべき流の量が半分よりも少なく低減された。これにより、エネルギー必要量及び投資において明らかな節約が達成される。
表3:3種の変法の転化率及び1−ブテン−品質
Figure 0005006644
表4中には、3種の全ての変法の計算されたエネルギー必要量がまとめられている。全ての接続において、塔K−b1、K−c1及びK−f1のエネルギー必要量はほぼ等しい。変法Aは、確かに最も低い全体エネルギー必要量を有していたが、しかしながら生成物規格を満たしていなかった。変法Bの場合には、MTBE部分において、二倍のC4量を塔頂を介して蒸留しなければならず、そのエネルギー必要量は、従って、変法Aの場合よりも12%高かった。それに比べて、変法Cは、必要な転化率を約6%高めたエネルギー必要量でも達成できる方法を示した。
表4:3種の変法のエネルギー必要量
Figure 0005006644
本発明によるC4炭化水素の工業的混合物から1−ブテンを製造する方法を示す図。 方法段階a)及びb)の実施態様を示す図。 方法段階a)及びb)の他の実施態様を示す図。 方法段階a)及びb)の他の実施態様を示す図。 段階c)、d)及びe)の実施態様を示す図。 方法段階f)の実施態様を示す図。 一段階プロセスによる比較例を示す図。 二段階プロセスによる比較例を示す図。 本発明による実施態様を示す図。
符号の説明
図1〜図9の図面の符号は次の意味を有する:
(a) イソブテンを生成物IIに部分的に変換
(b) C4炭化水素IIIの分離
(c) IIIを、蒸留によりIVとVとに分離
(d) イソブテンをアルコールVIでエーテル化
(e) t−ブチルエーテルVIIの分離
(f) 1−ブテンの分離
I C4炭化水素の工業的混合物
II イソブテン反応からの生成物
III 残留したC4炭化水素
IV 1−ブテン及びイソブテン含有のフラクション
V イソブテン不含の、2−ブテン及びn−ブタンを有するフラクション
VI アルコール
VII アルキル−tert−ブチルエーテル
VIII 段階e)からのC4炭化水素
D−b1 K−b1の留出液
D−b3 K−b3の留出液
D−c1 K−c1の塔頂での凝縮の際に生じる水相
D−e1 K−e1の塔頂生成物
D−f1 Kf1の留出液、有機相
D−f2 低沸点物
E−b1 抽出剤の供給
E−b2 抽出剤の搬出
E−e1 抽出剤の供給
E−e2 抽出剤の搬出
K−b1 蒸留
K−b2 抽出塔
K−b3 蒸留
K−c1 C4炭化水素を分離するための塔
K−e1 エーテルを分離するための塔
K−e2 抽出塔
K−f1 1−ブテンの分離のための塔
K−f2 イソブタン分離のための塔
R−a 反応器
R−a1 反応器
R−a2 反応器
R−a3 反応器
R−b2 エーテル化のための反応器(比較例)
R−d1 エーテル化のための反応器
S−f1 1−ブテン
S−f2 イソブタン
W−b1 塔底蒸発器
W−b2 凝縮器
W−b3 塔底蒸発器
W−b4 凝縮器
W−c1 塔底蒸発器
W−c2 凝縮器
W−e1 塔底蒸発器
W−e2 凝縮器
W−f1 塔底蒸発器
W−f2 凝縮器
W−f3 塔底蒸発器
W−f4 凝縮器

Claims (25)

  1. 少なくとも1−ブテン、イソブテン、n−ブタン及び2−ブテンを有するC4−炭化水素Iの工業的混合物から1−ブテンを製造する方法において、次の方法段階
    a) 工業的混合物中に含まれるイソブテンの一部を反応させて、常圧で30℃よりも高い沸点の生成物IIにし、
    b) 段階a)の搬出物から反応されないC4炭化水素IIIを、熱的な分離方法により除去し、
    c) 前記C4炭化水素IIIを、少なくとも1−ブテンとイソブテンとを含有するフラクションIVと、ほとんどイソブテンを有していない、少なくとも2−ブテンとn−ブタンとを含有するフラクションVとに蒸留により分離し、
    d) フラクションIV中に含まれるイソブテンを酸性触媒の存在でアルコールVIと反応させて、tert−ブチルエーテルVIIにし、
    e) 反応されないC4炭化水素VIIIを段階d)の搬出物から分離し、かつ
    f) e)で得られたC4炭化水素VIIIから1−ブテンを蒸留により分離すること
    を特徴とする、C4−炭化水素Iの工業的混合物から1−ブテンを製造する方法。
  2. 段階d)での酸性触媒によるエーテル化を、少なくとも1つの反応段階が反応蒸留として実施されるように実施することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 段階d)での酸性触媒によるエーテル化を少なくとも2つの反応段階で実施し、少なくとも最後の反応段階を反応蒸留として実施することを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  4. 段階d)でエーテル化におけるアルコールとしてメタノール又はエタノールを使用することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 段階e)で、C4炭化水素中のアルコールの残留量を抽出段階で水により洗浄することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 4炭化水素流中に含まれる複数箇所不飽和の炭化水素が、方法段階a)、b)、c)又はd)の1つ又は複数の段階の前に設けられた付加的精製段階で触媒により水素化されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 複数箇所不飽和の化合物の水素化を少なくとも2つの反応段階で行い、その際、少なくとも最後の反応段階は、CO 0.05〜100wppmの存在で実施することを特徴とする、請求項6記載の方法。
  8. 方法段階a)におけるイソブテンの転化率が70%を上回ることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 方法段階a)中でイソブテンと反応体としての水又はアルコールとの反応を実施し、イソブテンの転化率が75%を上回ることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  10. 段階a)において、イソブテンを酸性触媒の下でアルコールと反応させてアルキル−tert−ブチルエーテル(ATBE)にするか、又は水と反応させて第3ブチルアルコール(TBA)にすることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. イソブテンを水又はアルコールと反応させる際に、酸性触媒としてイオン交換樹脂を使用することを特徴とする、請求項10記載の方法。
  12. アルコールとして、メタノール又はエタノールを使用することを特徴とする、請求項10又は11記載の方法。
  13. 段階a)においてイソブテンをアルコールと反応させる場合に、段階b)において第1の段階でC4炭化水素を残留量のアルコールと一緒に生成物IIから蒸留により分離し、第2の段階で前記アルコールを抽出によりC4炭化水素IIIから分離することを特徴とする、請求項10から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 段階a)と段階d)とにおいて同じアルコールを使用することを特徴とする、請求項10から13までのいずれか1項記載の方法。
  15. 方法段階e)においてC4炭化水素VIIIの分離の際に得られたtert−ブチルエーテルVIIIを過剰量のアルコールと一緒に、完全に又は部分的に段階a)及び/又はb)中へ返送させることを特徴とする、請求項14記載の方法。
  16. 段階a)においてイソブテンを水と反応させる場合に、段階b)においてC4炭化水素を蒸留により生成物IIと分離することを特徴とする、請求項10又は11記載の方法。
  17. 段階a)においてイソブテンを水と反応させる場合に、段階b)においてC4炭化水素を若干の水と一緒にTBA/水混合物から分離することを特徴とする、請求項16記載の方法。
  18. 段階a)においてイソブテンを反応させてジイソブテンにすることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  19. 段階a)における反応を酸性触媒の下で行うことを特徴とする、請求項18記載の方法。
  20. 段階a)における反応をカチオン交換体の存在で行うことを特徴とする、請求項18又は19記載の方法。
  21. 酸性水素原子は部分的に、周期表の第1〜12族の金属イオンに置き換えられているカチオン交換体を使用することを特徴とする、請求項18から20までのいずれか1項記載の方法。
  22. 段階a)において使用されたイオン交換体の酸性水素原子の1〜70%が金属イオンに置き換えられていることを特徴とする、請求項21記載の方法。
  23. 段階b)においてC4炭化水素IIIを蒸留により生成物IIから分離することを特徴とする、請求項18から22までのいずれか1項記載の方法。
  24. 段階a)においてイソブテンをホルムアルデヒドと反応させて4,4−ジメチル−1,3−ジオキサン又は3−メチル−3−ブテン−1−オールにすることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  25. 5000wppm未満のイソブテン含有量を有する1−ブテンが得られることを特徴とする、請求項1から24までのいずれか1項記載の方法。
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