JP5192688B2 - C4炭化水素の工業的混合物からエチル−tert−ブチルエーテルを製造する方法 - Google Patents

C4炭化水素の工業的混合物からエチル−tert−ブチルエーテルを製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも1−ブテン、イソブテン、n−ブタン及び2−ブテンを有するC4炭化水素の工業的混合物からエチル−tert−ブチルエーテル(ETBE)を製造する方法に関する。
1−ブテン、イソブテン、2−ブテン及びそれらの副生成物は、工業的C4留分、例えば水蒸気分解装置又はFCCユニットからのC4留分から大量に得られる。これらの混合物は、主にブタジエン、モノオレフィンのイソブテン、1−ブテン及び2種の2−ブテン並びに飽和炭化水素のイソブタン及びn−ブタンからなる。これらの内容物は沸点差がわずかでありかつその分離係数がわずかであるため、蒸留による後処理は困難でありかつ不経済である。線状ブテン及び他の生成物の獲得は、従って、少なくとも化学的反応及び物理的分離操作の組合せによって行われる。
この場合、全ての後処理法に共通である第1段階は、含まれるブタジエンの大部分を除去することであることが多い。ブタジエンを良好に市販できるか又は自己消費することができる場合には、通常では抽出又は抽出蒸留によって分離される。他の場合に、これは約2000質量ppmの残留濃度になるまで選択的に水素化して線状ブテンにされる。両方の場合に、炭化水素混合物(いわゆるラフィネートI又は水素化されたクラック−C4)が残留し、これは飽和炭化水素であるn−ブタン及びイソブタンの他に、オレフィンであるイソブテン、1−ブテン及び2−ブテン(シス及びトランス)を含有する。
この混合物から、含まれるイソブテンをアルコールと反応させることにより、相応するアルキル−tert−ブチルエーテル(ATBE)、特にエチル−tert−ブチルエーテル(ETBE)及びメチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)が得られる。イソブテンを変換させかつアルキル−tert−ブチルエーテルを分離した後に、線状ブテンと飽和炭化水素のイソブタン及びn−ブタンを含有する炭化水素混合物(ラフィネートII)が残留する。
この混合物は、蒸留によってさらに、例えばイソブタン及び1−ブテンと、2種の2−ブテンとn−ブタンとからなる混合物とに分離することができる。1−ブテン含有フラクションから、さらなる蒸留段階で1−ブテンを高純度で得ることができるが、これはなおも少量のイソブテンを含有する。1−ブテンは大規模にコモノマーとしてエチレン重合において使用され、その際にイソブテン不純物は望ましくないために、これは必要である。従って、1−ブテンの典型的な仕様は、1−ブテン中のイソブテンの含有量を2000ppm未満に限定している。イソブテン含有のC4炭化水素フラクションからATBEを製造する方法は、従って、ATBEの製造をn−ブテンの多大な損失なしに行う場合に特に高い経済性を有している。
イソブテンをアルコール、例えばメタノール又はエタノールと反応させて、相応する第三ブチルエーテルにするために、多様なプロセス工学的変法が開発された。反応蒸留の技術は、この場合に、高いイソブテン転化率を達成するために特に有効であることが判明した。
この工業的に最も重要な方法は、イソブテンをメタノールと反応させて、主に燃料添加物として大量に使用されるメチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)にすることである。再生原料からのエタノールの提供が次第に高まっている理由から、燃料としてのETBEによる要求も高まっている。
EP 0 048 893には、1つの反応器中でのC4留分からのイソブテンオリゴマーとアルキル−tert−ブチルエーテル(ATBE)との同時に製造する方法が記載されている。触媒として、部分的に元素の形の(酸化数0の)元素周期表の第7及び第8副族の金属で部分的に負荷されている酸性イオン交換樹脂が使用される。この生成物及び反応されないC4炭化水素は蒸留により分離される。この方法の場合、約8%の線状イソブテンがオリゴマー化により失われている。1−ブテンの損失率は7%である。しかしながら、この方法の主な欠点は、完全なイソブテン転化が達成されないため、規格にあった1−ブテンを得るには、分離されたC4炭化水素フラクション中でのイソブテン含有量は高すぎる。
DE 25 21 964では、アルキル−tert−ブチルエーテルの2段階の製造方法が記載されていて、この場合に、第1の段階でイソブテンをアルコールと反応させ、生じたエーテルを第1の段階の生成物混合物から分離し、かつ前記生成物混合物の残りを、残留するイソブテンをさらにアルコールと反応させる第2の反応段階に送る。
US 4,797,133でも、第1の反応区域中で出発炭化水素流のイソブテンを例えばメチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)に反応させ、かつ生じたエーテルを分離することにより濃度を低下させ、出発炭化水素流の残りをエーテル化段階に供給し、そこで残りのイソブテンを反応させる方法が記載されている。
EP 0 071 032では、同様にETBEの2段階の製造方法が記載されていて、その際に、第1の段階と第2の段階との間に最初の段階で生成したETBEが反応混合物から除去される。
EP 0 048 893 DE 25 21 964 US 4,797,133 EP 0 071 032
これらの全ての方法の欠点は、第2の反応段階に送らなければならない量が多いことである。従って、本発明の課題は、燃料添加物としてのETBEの改善された製造方法を提供することにある。
意外にも、イソブテンをエタノールと二段階で反応させてETBEにする際に、第1段階の後で製造されたETBEを分離した後に残留する炭化水素流をまず蒸留により少なくとも2−ブテンとn−ブタンとを有するフラクションと、1−ブテン、イソブテン及び場合によりイソブタンを有するフラクションとに分け、その際後者のフラクションを第2のエーテル化段階に供給する場合に、少なくとも1−ブテン、イソブテン、n−ブタン及び2−ブテンを含有するC4炭化水素の工業的混合物からETBEを高い収率でかつわずかな費用で製造することができることが見出された。
従って、本発明の主題は、次の方法段階
a) 工業的混合物中に含まれるイソブテンの一部を酸性触媒の存在でエタノールと反応させてETBEにし、
b) 段階a)の搬出物から反応されないC4炭化水素IIIを熱的な分離方法により、ETBEを有するフラクションIIを得ながら分離し、
c) 前記C4炭化水素IIIを、少なくとも1−ブテンとイソブテンとを含有するフラクションIVと、ほとんどイソブテンを有していない、少なくとも2−ブテンとn−ブタンとを含有するフラクションVとに蒸留により分離し、
d) フラクションIV中に含まれるイソブテンを酸性触媒の存在でエタノールVIと反応させて、ETBEにし、
e) 反応されないC4炭化水素VIIIを、ETBEを有するフラクションVIIを得ながら段階d)の搬出物から分離すること
を特徴とする、少なくとも1−ブテン、イソブテン、n−ブタン及び2−ブテンを有するC4炭化水素Iの工業的混合物からエチル−tert−ブチルエーテル(ETBE)を製造する方法である。
本発明による方法の特別な利点は、2−ブテン及びn−ブタンを段階c)で反応混合物から付加的に分離することにより、より少ない体積流を反応段階d)に通過させ、それにより方法段階d)での1つ又は複数の反応器は比較的小さく構成することができるか、又は同じサイズで従来の方法と比較してより高い転化率を達成することができることにある。段階c)において2−ブテン及びn−ブタンを分離する他の利点は、イソブテンの導入濃度が段階d)で相応して高く、それにより方法段階d)においてイソブテンの反応が容易になることにある。
本発明による方法の利点は、段階d)及びe)における減少された体積流により、明らかに少量のエネルギーを例えば熱の形で段階e)において使用することにある。
バイオエタノールを使用することができる可能性により、さらに化石原料をベースとするMTBEを置き換えることができるETBEの製造のための魅力的な原料供給源が利用される。
以下に、本発明を例示的に記載するが、本発明は、特許請求の範囲及び明細書全体からその特許保護範囲が生ずるものであり、この例示的な記載に制限されるものではない。特許請求の範囲自体も本発明の開示内容に含まれる。以下の文面において範囲ないし有利な範囲が記載されている場合、この範囲内に存在する理論的に可能な全ての部分範囲も本発明の開示内容に含まれるが、このような部分範囲はより良好な明瞭性の理由から明記しない。
少なくとも1−ブテン、イソブテン、n−ブタン及び2−ブテンを有するC4炭化水素Iの工業的混合物からETBEを製造する本発明による方法において、次の方法段階
a) 工業的混合物中に含まれるイソブテンの一部を酸性触媒の存在でエタノールと反応させてETBEにし、
b) 段階a)の搬出物から反応されないC4炭化水素IIIを熱的な分離方法により、(主に)ETBEを有するフラクションIIを得ながら分離し、
c) 前記C4炭化水素IIIを、少なくとも1−ブテンとイソブテンとを含有するフラクションIVと、ほとんどイソブテンを有していない、少なくとも2−ブテンとn−ブタンとを含有するフラクションVとに蒸留により分離し、
d) フラクションIV中に含まれるイソブテンを酸性触媒の存在でエタノールVIと反応させて、ETBEにし、
e) 反応されないC4炭化水素VIIIを、ETBEを有するフラクションVIIを得ながら段階d)の搬出物から分離すること
を有することを特徴とする、C4炭化水素Iの工業的混合物から1−ブテンを製造する方法に関する。
方法段階a)
有利に、この方法段階a)は、方法段階a)におけるイソブテンの転化率が50%より高く、有利に70%より高く、殊に80%より高く、特に有利に90%より高く、さらに特に有利に95%より高くなるように実施される。イソブテンの転化率の高さは、例えば段階a)において使用された反応器の数によって又は適当な反応条件の選択(これについて当業者は簡単な予備試験により決定することができる)によって制御することができる。
イソブテンのエーテル化は、酸性接触反応として実施される。エタノールとして、高純度のエタノール、純粋なエタノール又は少量の不純物を有するエタノールを使用することができる。有利に、使用したエタノールの純度は、エタノールに関する質量%で示して、90%より高く、特に有利に95%より高く、さらに特に有利に99%以上である。99質量%より高い純度を有するエタノールは、例えばバイオエタノールであってもよい。水の含有量は、有利に3質量%未満、特に有利に1質量%未満、さらに特に有利に0.5質量%未満である。使用アルコールは、共沸蒸留及び/又は膜分離法によって乾燥させることができる。
特に有利に、エタノールとして変性エタノールが使用される。さらに特に有利に、エタノールとして、変性剤としてETBEを、有利に0〜5質量%、有利に0.005〜1質量%、特に有利に0.05〜1質量%、さらに特に有利に0.01〜0.2質量%の濃度で有するエタノールが使用される。ドイツでは、特に有利に少なくとも0.1〜1質量%の変性剤を有するエタノールが使用される。
イソブテンとアルコール、特にメタノールとの反応によりメチル−tert−ブチルエーテルにするために、多様な方法バリエーションが開発された(参照:Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Online Version, 2004, Wiley & Sons、見出語メチル−tert−ブチルエーテル、及びそこに引用された文献;Obenaus, Fritz; Droste, Wilhelm, Erdoel & Kohle, Erdgas, Petrochemie (1980), 33(6), 271-275; DE 26 29 769; DE 28 53 769)。原則的に、方法段階a)として本発明の範囲内でイソブテンとアルコールとを反応させる全ての方法が適している。前記反応を液相の形で酸性イオン交換樹脂で行う方法を行うのが有利である。
エタノールをイソブテンとほぼ熱力学的平衡まで反応させる反応器として、従来の固定層反応器(管束反応器、断熱固定層反応器、循環型反応器等)を使用することができる。これらは部分的な返送あり又はなしで運転することができ、その際場合により返送流は冷却することもできる。
有利な実施態様の場合に、イソブテンの反応は少なくとも2段階で実施され、その際、第1の段階は返送を伴う断熱的な固定層反応器(ループ型反応器)として運転され、次以降の段階は返送なしの固定層段階として及び/又は反応蒸留として運転される。返送量対新たな供給(C4炭化水素及びエタノール)の比率は、有利に0.5〜20t/t、特に有利に1〜5t/t、さらに特に有利に2〜3t/tである。前記反応器は、有利に10〜160℃の温度で、殊に30〜110℃の温度で運転することができる。固定層段階での圧力は、有利に5〜50barabs.(bara)、殊に7.5〜20bara、特に有利に8〜13baraである。循環型反応器は有利に35〜50℃の入口温度及び50〜70℃の出口温度を有し、有利に10〜13baraで運転される。エタノール/イソブテンとエーテルとの間の熱力学的平衡は低温ではエーテルサイドが支配的であるため、多数の反応器を使用する場合に、最初の反応器は、次の反応器(平衡状態を利用)よりもより高い温度で(より高い反応速度)で運転するのが有利である。特に有利に、方法段階a)では反応器系が使用され、この反応器系は3つの直列接続された反応器を有し、その中で、第1の反応器はループ型反応器として運転され、2つの後続する反応器は直線的な経路で運転される。方法段階a)において複数の、有利に2つの前記反応器系が存在する場合に、修理運転、例えば反応器系の一方の反応器での触媒交換の際に方法段階a)は他方の反応器系中でこの方法を中断せずに(ただし処理量を半減させて)さらに実施することができるのが有利である。3つの反応器からなる反応器系を使用する場合に、前記反応器は、有利に30〜80℃、殊に40〜75℃の温度で、5〜20bara、有利に7〜15baraの圧力で運転され、その際、有利に反応器中の温度は最初の反応器から最後の反応器までで低下する。循環型反応器の後方の反応器は、有利に30〜50℃の入口温度で、35〜45℃の出口温度を有し、特に同様に8〜13baraで運転される。
エタノール対イソブテンのモル比は、本発明による方法段階a)において、有利に5対1〜0.9対1、殊に2対1〜1対1、特に有利に1.2対1〜1対1である。方法段階a)において、イソブテンの低い転化率を受け入れることができる場合、方法段階d)と比較して、低いエタノール過剰量が有利である。
有利な実施態様の場合に、エタノールのイソブテンへの付加は酸性触媒の存在で実施され、少なくとも1つの反応段階が反応蒸留として実施される。特に有利に、段階a)における酸性触媒によるエーテル化は少なくとも2つの反応段階で実施され、その際、少なくとも1つの、特に有利に最後の反応段階は反応蒸留として実施される。1つ又は複数の固定層反応器中で、この場合にまず酸性触媒でイソブテン含有の工業的炭化水素混合物I及びエタノールから、イソブテン濃度、エタノール濃度及びETBE濃度に関して熱力学平衡付近にある反応混合物を製造する。イソブテンの転化率は、この場合有利に90%を超える。この混合物は、次の/最後の反応段階で、反応蒸留塔に供給され、その際、他の分のイソブテンがエーテルに変換される。方法段階a)の実施を1つの反応器系で行うのが特に有利であり、前記反応器系は、3つの直列接続された反応器、有利に固定層反応器と1つの反応蒸留とを有し、前記反応器の中で最初の反応器はループ型運転法で後続する2つの反応器は直線的な経路で運転され、その際、直列接続された反応器の最後の反応器の反応搬出物は反応蒸留に供給される。
イソブテンとエタノールとの相応する第三ブチルエーテルへの反応は、反応蒸留で圧力に依存して、有利に40〜140℃、殊に60〜90℃、特に有利に65〜85℃の温度範囲で行われる。(触媒が存在する塔の領域での温度。塔の塔底温度は明らかに高くても良い)。この反応蒸留塔は、塔頂で測定して、有利に3bara〜15bara、殊に7bara〜13bara、特に8bara〜11baraの圧力で運転される。
本発明による方法の方法段階a)が反応蒸留を有する場合には、DE 101 02 082でMTBEについて記載されたように、イソブテンを有するC4炭化水素混合物は、エタノールと一緒に第1の予備反応器に供給される。この場合、エタノールは有利に過剰量で使用される。予備反応器中では、イソブテン、エタノール及びETBEが平衡又はほぼ平衡にある混合物が生じる。この反応混合物を、反応蒸留塔中に導入する。
反応蒸留塔の供給物中には、存在するイソブテンを完全に変換する量より多くのエタノールが含まれていてもよい。このエタノール過剰量は、しかしながら、エタノールとC4炭化水素とから生成される共沸物のために十分なエタノール量が存在するように決定されるのが好ましい。
反応蒸留塔への供給は、有利に反応性充填物の下方に、有利に反応性充填物の3〜13、特に有利に4〜10理論分離段下方に行う。
場合により、反応蒸留塔への塔供給物中のエタノール含有量が最大許容値を下回る場合には、付加的エタノールを混合することもできる。さらに、反応蒸留塔の塔頂にて、塔供給部の上側の、液体分配器の下側又は液体分配器中の、反応区域の領域の上方又は領域内で、有利に反応区域の領域内で、特別な装置を介してエタノール供給を行うことができる。エタノールの付加的供給は、例えば塔の還流で又は反応充填物中に直接行うことができる。この付加的なエタノール供給は、反応区域の充填物中で、液相の形のエタノール含有量が有利に1.5質量%以上、殊に2質量%以上、特に有利に2〜3質量%となるように決定するのが好ましい。反応区域中へのエタノールの添加により、消費反応であるにもかかわらず十分なエタノールが出発物質として供給されることを補償する。
有利に、反応蒸留塔は、触媒充填物の上方に、特に有利に5〜20、殊に7〜10理論分離段を有する単なる蒸留分離の領域を有する。この触媒区域は、充填物高さ1mあたり1〜5の理論分離段の蒸留作用が見積もられる。触媒の下側の分離区域は、有利に12〜36、特に有利に20〜30理論分離段を有することができる。触媒区域/反応区域の高さは、所望のイソブテン転化率に依存して簡単な予備試験で決定される。この触媒量は、反応蒸留への供給物中のイソブテン含有量に対して、30〜98%、有利に50〜95%、特に有利に75〜90%のイソブテン転化率が達成されるような量で選択される。
塔の触媒充填物中の液圧ローディング点は、有利にそのフラッディング点の10%〜110%、特に20〜90%、特に有利に35〜75%である。蒸留塔の液圧ローディング点とは、上昇する蒸気質量流と還流する液体質量流とによる塔断面積の均一な流動工学的負荷である。このローディング上限値は、蒸気及び還流液による最大のローディング点を表し、最大のローディング点より高くでは分離効果は、上昇する蒸気流による還流液のエントレイメント又は堰き止めによって低下する。このローディング下限値は最小のローディング点を表し、最小のローディング点を下回ると分離効果は、塔、例えばトレイの不均一な流動又は空転の結果、低下するか又は崩壊する(Vauck/Mueller, "Grundoperationen chemischer Verfahrenstechnik", p. 626, VEB Deutscher Verlag fuer Grundstoffindustrie.)。フラッディング点では、ガスから液体に伝わる剪断応力が大きく、全体の液体量は液滴の形でガスによってエントレイメントされるか又は塔中での転相が生じる(J. Mackowiak著、 "Fluiddynamik von Kolonnen mit modernen Fuellkoerpern und Packungen fuer Gas/Fluessigkeitssysteme", Otto Salle Verlag 1991)。
この反応蒸留塔は、有利に1.5未満の還流比で、特に0.6を上回りかつ1.2未満の還流比で、殊に0.7を上回りかつ1.1未満の還流比で運転される。
反応蒸留の上位概念の中には、蒸留及び反応が同時に実施される全てのプロセス工学的手段が該当する。前記反応器中で、これは塔中の充填物の特別な構成によって達成される。本発明による方法の場合に、しかしながらこの領域は、反応蒸留の利点を失わずに空間的に隔てることもできる。
方法バリエーションの場合に、前記反応蒸留塔は、触媒を有しかつ側流で運転される1つ又は複数の外側の反応器(いわゆる側塔)を備えた蒸留塔として構成されていてもよい。
この反応蒸留塔の塔頂生成物は、主にC4炭化水素混合物とエタノールとを含む。
触媒として、有利に固定層段階でも場合により存在する反応蒸留塔中で、使用物質混合物中でも生成物混合物中でも不溶性である、表面に酸性中心を有する固形物質が使用される。触媒として反応条件下では生成物混合物に酸性物質を供与しないのが好ましい、それというのもこれは収率低下を引き起こしかねないためである。
触媒の活性は、有利に、反応条件下でエタノールのイソブテンへの付加を触媒するが、線状ブテンへの付加をほとんど触媒しないように選択するのが有利である。さらに、前記触媒は、線状ブテンのオリゴマー化及び使用されたエタノールの2つの分子からのジアルキルエーテル形成をできる限り触媒しないかわずかにしか触媒しないのが好ましい。1−ブテンの高い収率に関して、1−ブテンの2−ブテンへの異性化のための活性は有利に低いのが好ましい。
固体触媒として、例えばゼオライト、酸性活性ベントナイト及び/又はアルミナ、スルホン化酸化ジルコニウム、モンモリロナイト又は酸性イオン交換樹脂を使用することができる。
方法段階a)での本発明による方法の場合に使用される酸性触媒の有利なグループは、固体のイオン交換樹脂、特にスルホン酸基を有するイオン交換樹脂である。適当なイオン交換樹脂は、例えばフェノール/アルデヒド縮合体のスルホン化又は芳香族ビニル化合物のコオオリゴマーのスルホン化によって製造されたイオン交換樹脂である。コオリゴマーの製造のための芳香族ビニル化合物の例は次のものである:スチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルエチルベンゼン、メチルスチレン、ビニルクロロベンゼン、ビニルキシレン及びジビニルベンゼン。特に、スチレンとビニルベンゼンとの反応により生じたコオリゴマーは、スルホン酸基を有するイオン交換樹脂の製造のための前駆体として使用される。この樹脂は、ゲル状、マクロ孔又はスポンジ状に製造することができる。
これらの樹脂の特性、特に比表面積、気孔率、安定性、膨潤性もしくは収縮性及び交換容量は製造プロセスによって変化させることができる。
本発明による方法の場合に、イオン交換樹脂はそのH型で使用することができる。スチレン−ジビニルベンゼン型の強酸の樹脂は特に次の商品名で販売されている:Duolite C20, Duolite C26, Amberlyst 15, Amberlyst 35, Amberlite IR-120, Amberlite 200, Dowex 50, Lewatit SPC 118, Lewatit SPC 108, K2611, K2621, OC 1501。
気孔容量は有利に0.3〜0.9ml/g、特に0.5〜0.9ml/gである。樹脂の粒度は、有利に0.3mmから1.5mm、特に0.5mm〜1.0mmである。この粒度分布は狭く又は広く選択することができる。例えば、均一な粒度を有するイオン交換樹脂(単分散樹脂)を使用することができる。イオン交換体の容量は、供給状態に関して、有利に0.7〜2.0eq/l、特に1.1〜2.0eq/lもしくは0.5〜5.5mol/kg、特に0.8〜5.5mol/kg(容量についてmol/kgで示した数値は、温かい窒素流中で例えば105℃でそれぞれ一定重量まで乾燥されたイオン交換樹脂に関する)である。
場合により方法段階a)中に存在する反応蒸留の反応部分において、単純な反応器中で使用されるのと同様の触媒を使用することもできる。反応蒸留塔中で、触媒は充填物の形で、例えばKataMax(R)(EP 0 428 265に記載されている)又はKataPak(R)(EP 0 396 650又はDE 298 07 007.3 U1に記載されている)は組み込まれているか又は成形体上に重合されていてもよい(US 5 244 929に記載されている)。
方法段階b)
段階b)において反応されないC4炭化水素IIIの段階a)の搬出物からの分離は、熱的分離方法、例えば蒸留又は精留により行う。方法段階a)が反応蒸留を含む場合には、方法段階b)は部分的に又は完全に前記反応蒸留の実施の際に既に行うことができ、かつ別個の段階b)を場合により行わなくても良い。
方法段階b)は有利に蒸留塔中で実施することができる。有利に、蒸留塔は25〜50、有利に30〜40の理論分離段数を有している。この塔への供給は、有利に(上から)10番目〜15番目の理論分離段の範囲内に行う。方法段階a)における蒸留は、有利に3〜10、殊に4〜7baraの圧力で、30〜70℃、特に有利に45〜60℃の塔頂温度で、かつ105〜125℃、特に有利に110〜120℃の塔底温度で実施される。
この熱的分離方法は、有利に塔底生成物として主にETBEを有するフラクションが、塔頂生成物として主に反応されないC4炭化水素及びエタノールを有するフラクションが得られるように実施する。ブテンオリゴマーをエタノールとの反応の前に分離する場合には、反応蒸留塔の塔底生成物は有利にETBEからなる。
方法段階b)の塔頂生成物、つまり反応蒸留又は熱的分離の塔頂生成物は、方法段階c)による更なる分離に直接供給されるか、又はまず1つ以上の後処理段階で後処理することができる。
方法段階f)
本発明による方法が方法段階b)とc)との間に更なる方法段階f)を有する場合が有利であり、この方法段階f)において、方法段階b)の塔頂生成物から、つまり主に反応されないC4炭化水素とエタノールとを有する反応蒸留又は熱的分離からの塔頂生成物から、まずエタノールを反応されないC4炭化水素と完全に又はほぼ完全に分離する。
有利に、この蒸留塔又は反応蒸留塔の塔頂で得られる方法段階b)からの塔頂生成物は抽出塔に移され、その中で向流で抽出剤、例えば水が塔頂に存在する供給部を介して供給される。前記抽出剤は、塔底の搬出物を介して取り出すことができる。塔頂では、この抽出の生成物として段階a)及び場合によりb)中で反応されない炭化水素IIIからなる流が得られる。この生成物を方法段階c)に供給することができる。
方法段階f)は有利に抽出塔中で実施することができる。有利にこの抽出塔は、5〜20、有利に10〜15のり論分離段を有する。方法段階f)中での抽出は、有利に5〜12、有利に7〜10baraの圧力で行われる。方法段階f)中の抽出は、有利に30〜60℃、殊に35〜45℃の温度で実施される。抽出剤、有利に水対方法段階b)もしくはa)からの塔頂生成物の比は、有利に0.05〜0.5、殊に0.1〜0.25、特に有利に0.15〜0.2である。
抽出塔の塔底で生じるエタノール濃度の高い抽出剤は蒸留により分離され、こうして得られたエタノールは、抽出剤として水が使用された場合に、場合により乾燥後に、段階a)又はd)中の出発物質としてプロセスに再び供給することができる。
方法段階c)
ETBEの分離後及び場合により反応されないエタノールの分離後に、段階b)又はf)から得られた炭化水素流は段階c)で蒸留により分離される。この蒸留による分離は、少なくとも1−ブテン及びイソブテンを含有するフラクションIV(塔頂フラクション)と、ほぼイソブテンを含有しない、有利に5質量%未満、殊に1質量%未満、特に有利に0.1質量%未満のイソブテンを含有する、少なくとも2−ブテン及びn−ブタンを含有するフラクションV(塔底フラクション)とが得られるように実施される。前記フラクションVは、段階c)の生成物として得られた炭化水素流中に本来含まれる2−ブテンを少なくとも95質量%、有利に少なくとも99質量%、特に有利に少なくとも99.8質量%含有する。有利に、前記フラクションIVは、n−ブタンを1質量%未満、特に有利に0.2質量%未満含有する。蒸留による分離は、このような炭化水素混合物の分離のために通常使用されている装置中で実施することができる。このような装置は、例えば蒸留塔又は精留塔であることができる。
このフラクションVはアルキル化剤として使用することができる。特に、これはn−ブテン−オリゴマー、例えばジ−n−ブテン又はトリブテンの製造のための出発物質として使用することができる。フラクションVを使用することができるオリゴマー化法は、例えばDE 196 29 906又はEP 0 395 857に記載されているようなOXENO Olefmchemie GmbH社のOCTOL法である。
有利に前記分離は超精留塔中で実施される。この塔への供給は、有利に塔の下半分に、有利に塔の下三分の一に行う。分離すべき混合物の狭い沸騰範囲のために、蒸留は有利に100を超える、有利に125を超える、特に有利に150以上の理論分離段、及びさらに特に有利に150〜200理論分離段を有する塔中で実施される。還流比(還流量対留出量)は、実現された段数及び運転圧力に依存して、有利に20以下、殊に14以下、特に有利に11以下、さらに特に有利に8〜11である。凝縮は冷却水又は空気に対して実施することができる。この留出物容器は有利に、液液分離器として構成されている。それにより、場合により供給流中に含まれる水は第2相として留出物容器中で分離することができ、かつ工業的に水不含の塔底物を得ることができる。
方法段階c)による分離は、有利に4〜10baraの圧力で、有利に5〜7baraの圧力で実施される。分離を実施する温度は、有利に35〜65℃、殊に40〜50℃である。
塔の蒸発器を加熱するために、通常のヒートキャリア、例えば水蒸気又は温水並びに有利に他のプロセスからの排熱を使用することができる。後者の場合には、有利に、前記塔は1つ以上の蒸発器を備えていても良い。前記塔は、有利に、少なくとも1つの蒸発器と少なくとも1つの凝縮器とを有する塔として構成される。高いエネルギー必要量及び塔底と塔頂とのわずかな温度差のために、省エネルギー接続が特に有利な実施態様である。例示的に蒸気濃縮(Bruedenverdichtung)の方法が指摘される。他の特に有利な接続は、第2の塔を組み込んだ形の二重効用蒸留(double effect distillation)である。前記第2の塔は、有利に同じ又は異なる分離課題を有する並列接続された塔であることができる。この場合、前記塔の一方は、高い圧力で実施され、その凝縮温度は他の塔の加熱のために十分である。異なる分離課題を有する塔の熱工学的接続の場合に、原則として、本発明による方法からのそれぞれ適した塔、並びに本発明による方法の範囲外の装置位置にある塔を、方法段階c)の本発明による塔と接続することもできる。
方法段階d)
段階c)から得られるイソブテン含有のフラクションIVは、本発明による方法の場合に、更なる反応段階(段階d)において変換され、その際、残留するイソブテンはエタノールの付加によりETBEに変換される。
イソブテンのエーテル化は、段階a)によるエーテル化と同様に酸性接触反応として実施される。エタノールとして、高純度のエタノール、純粋なエタノール又は少量の不純物を有するエタノールを使用することができる。有利に、使用したエタノールの純度は、エタノールに関する質量%で示して、90%より高く、特に有利に95%より高く、さらに特に有利に99%以上である。99質量%以上の純度を有するエタノールが、欧州ではバイオエタノールとして提供されている。水の含有量は、有利に3質量%未満、特に有利に1質量%未満、さらに特に有利に0.5質量%未満である。本発明による方法の場合に、変性されたエタノールを使用するのが有利である。特に有利に、エタノールとして、変性剤としてETBEを、有利に0〜5質量%、有利に0.005〜1質量%、特に有利に0.05〜1質量%、さらに特に有利に0.01〜0.2質量%の濃度で有するエタノールが使用される。ドイツでは、有利に0.1〜1質量%の変性剤を有するエタノールが使用される。ETBEで変性されたエタノールを使用することにより、プロセス中に異物が導入されることが抑制される。
イソブテンとアルコール、特にメタノールとの反応によりメチル−tert−ブチルエーテルにするために、多様な方法バリエーションが開発された(参照:Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Online Version, 2004, Wiley & Sons、見出語メチル−tert−ブチルエーテル、及びそこに引用された文献;Obenaus, Fritz; Droste, Wilhelm, Erdoel & Kohle, Erdgas, Petrochemie (1980), 33(6), 271-275; DE 26 29 769; DE 28 53 769)。原則として、本発明の範囲内で方法段階d)として適したイソブテンとアルコールとの反応のために全ての公知の方法を使用することができる。
前記反応を液相の形で酸性イオン交換樹脂で行う方法を使用するのが有利である。エタノールをイソブテンとほぼ熱力学的平衡まで反応させる反応器として、従来の固定層反応器(管束反応器、断熱固定層反応器、循環型反応器)を使用することができる。これらは部分的な返送あり又はなしで運転することができ、その際場合により返送流は冷却することもできる。特に有利に、段階d)において2つの反応器、特に固定層反応器を有する反応器系が使用される。有利に、両方の反応器は直線的な経路で運転される。
この反応器は、25〜110℃の温度で、有利に30〜70℃の温度で、特に有利に35〜50℃の温度で運転することができる。この圧力は、有利に5〜50bara、殊に10〜20bara、特に有利に10〜13baraである。エタノール/イソブテンとエーテルとの間の熱力学的平衡は低温ではエーテルサイドが支配的であるため、多数の反応器を使用するのが有利であり、最初の反応器は、次の反応器(平衡状態を利用)よりもより高い温度で(より高い反応速度)で運転される。
方法段階d)への供給流中のエタノール対イソブテンのモル比は、有利に25:1〜1:1の範囲内、特に有利に15:1〜3:1の範囲内、さらに特に有利に10:1〜5:1の範囲内にある。
触媒として、有利に方法段階a)に記載されたような触媒を使用することができ、その際、本発明による方法は、段階a)及びd)中でそれぞれ同じ触媒又は異なる触媒を使用することができるように実施することができる。有利に、段階a)及びd)中では同じ触媒が使用される。
有利な実施態様の場合に、エタノールのイソブテンへの付加は酸性触媒の存在で実施され、少なくとも1つの反応段階が反応蒸留として実施される。特に有利に、段階d)における酸性触媒によるエーテル化は少なくとも2つの反応段階で実施され、その際、少なくとも1つの、特に有利に最後の反応段階は反応蒸留として実施される。1つ又は複数の固定層反応器中で、この場合にまず酸性触媒でイソブテン含有のフラクションIV及びエタノールVIから、イソブテン濃度、エタノール濃度及びtert−ブチルエーテル濃度に関して熱力学平衡付近にある反応混合物を製造する。この反応段階において、イソブテンの残留量は、有利に後続する反応蒸留で1−ブテンの必要な純度が達成できる程度に十分に反応させられる。この混合物は、最初/最後の反応段階で、反応蒸留塔に供給され、その際、イソブテンのさらなる分がエーテルに変換される。この段階d)が、直列に接続された2つの反応器と反応蒸留塔とを有する反応器系中で実施されるのがさらに特に有利であり、その際、両方の反応器は有利に直線的な経路で運転され、第2の反応器からの搬出物が反応蒸留塔に供給される。
反応蒸留塔の反応部分中で、反応蒸留を使用しない反応段階の簡単な実施態様について前記したのと同じ触媒を使用することができる。
反応蒸留塔中で、触媒は充填物の形で、例えばKataMax(R)(EP 0 428 265に記載されている)、KataPak(R)(EP 0 396 650又はDE 298 07 007.3 U1に記載されている)は組み込まれているか又は成形体上に重合されていてもよい(US 5 244 929に記載されている)。
イソブテンとエタノールとのETBEへの反応は、反応蒸留において、10〜140℃、有利に30〜70℃、特に有利に35〜50℃の温度範囲で行う(触媒が存在している塔の領域の温度。塔の塔底温度は明らかに高くても良い)。
特に、ETBEは、DE 101 02 082においてメタノールとイソブテンとのMTBEへの反応について記載されようにエタノールとの反応により製造される。イソブテンを有するC4炭化水素混合物は、エタノールと一緒に1つ又は複数の予備反応器に供給される。この場合、エタノールは有利に過剰量で使用される。予備反応器中では、イソブテン、エタノール及びETBEが平衡又はほぼ平衡にある混合物が生じる。この反応混合物を、反応蒸留塔中に導入する。
反応蒸留塔の供給物中には、存在するイソブテンを完全に変換する量より多くのエタノールが含まれる。このアルコール過剰量は、しかしながら、エタノールとC4炭化水素とから生成される共沸物のために十分なエタノール量が存在するように決定されるのが好ましい。
場合により、塔供給物中のエタノール含有量が最大許容値を下回る場合には、付加的エタノールを塔供給物に混合することもできる。さらに、反応蒸留塔の塔頂にて、塔供給部の上側の、液体分配器の下側又は液体分配器中の、反応区域の領域の上方又は領域内で、有利に反応区域の領域内で、特別な装置を介してエタノール供給を行うことができる。エタノールの付加的供給は、例えば塔の還流で又は反応充填物中に直接行うことができる。この付加的なエタノール供給は、反応区域の充填物中で、液相の形のエタノール含有量が1.5質量%以上、有利に2質量%以上、特に有利に2〜3質量%となるように決定するのが好ましい。
有利に、反応蒸留塔は、触媒充填物の上方に、特に有利に5〜20、殊に7〜10理論分離段を有する単なる蒸留分離の領域を有する。この触媒区域は、充填物高さ1mあたり1〜5の理論分離段の蒸留作用が見積もられる。触媒の下側の分離区域は、有利に12〜36、特に有利に20〜30理論段を有することができる。触媒区域/反応区域の高さは、所望のイソブテン転化率に依存して簡単な予備試験で決定される。この触媒量は、有利に、塔頂生成物中の残留イソブテン含有量2000質量ppm(wppm)未満、有利に1500wppm未満が達成されるように選択される。
反応蒸留塔への供給は、触媒区域の上方又は下方に行うことができる。反応蒸留塔への供給は、有利に反応性充填物の下方に、有利に反応性充填物の3〜13、特に有利に4〜10理論段下方に行う。
この反応蒸留塔は、塔頂で測定して、3bara〜10bara、有利に4bara〜7bara、特に5bara〜6baraの圧力で運転される。塔の触媒充填物中の液圧ローディング点は、有利にそのフラッディング点の10%〜110%、特に20〜90%、特に有利に35〜75%である。蒸留塔の液圧ローディング点とは、上昇する蒸気質量流と還流する液体質量流とによる塔断面積の均一な流動工学的負荷である。このローディング上限値は、蒸気及び還流液による最大のローディング点を表し、最大のローディング点より高くでは分離効果は、上昇する蒸気流による還流液のエントレイメント又は堰き止めによって低下する。このローディング下限値は最小のローディング点を表し、最小のローディング点を下回ると分離効果は、塔、例えばトレイの不均一な流動又は空転の結果、低下するか又は崩壊する(Vauck/Mueller, "Grundoperationen chemischer Verfahrenstechnik", p. 626, VEB Deutscher Verlag fuer Grundstoffindustrie.)。
フラッディング点では、ガスから液体に伝わる剪断応力が大きく、全体の液体量は液滴の形でガスによってエントレイメントされるか又は塔中での転相が生じる(J. Mackowiak著、 "Fluiddynamik von Kolonnen mit modernen Fuellkoerpern und Packungen fuer Gas/Fluessigkeitssysteme", Otto Salle Verlag 1991)。
この反応蒸留塔は、有利に還流比0.2〜4、特に0.4〜2、殊に0.5〜1で運転される。
段階d)において最後の段階として反応蒸留塔を使用する場合には、この中で段階d)並びに段階e)の少なくとも一部、つまり反応されない炭化水素からのETBEの除去を行うことができる。更なる段階e)は、場合により行わなくてもよい。
反応蒸留の上位概念の中には、蒸留及び反応が同時に実施される全てのプロセス工学的手段が該当する。前記反応器中で、これは塔中の充填物の特別な構成によって達成される。本発明による方法の場合に、しかしながらこの領域は、反応蒸留の利点を失わずに空間的に隔てることもできる。
方法バリエーションの場合に、前記反応蒸留塔は、触媒を有しかつ常圧で運転される1つ又は複数の外側の反応器を備えた蒸留塔として構成される。
方法段階e)
方法段階d)において、エーテル化及び同時の分離のために反応蒸留塔を使用しない場合に、本発明による方法の場合に、独立した段階e)を設けなければならず、その際に段階d)からの生成物はETBEを含有する塔底生成物と、反応されない炭化水素を有する流とに分離される。さもないと、方法段階e)による蒸留による分離は反応蒸留塔中で行われる。この分離は、例えば、方法段階d)の反応器からの搬出物を蒸留塔に供給することによって行うことができる。この塔は、塔底蒸発器と、塔頂生成物用の凝縮器とを備えていてもよい。蒸留塔の塔底生成物としてETBE及び場合により過剰量のエタノールが得られる。塔頂生成物は、部分的に還流として塔内に返送することができる。他の分は方法段階h)に供給することができる。
前記塔は、有利に20より多く、殊に25より多く、特に有利に30〜50の理論分離段を有する。還流比は、実現された段数に依存して、有利に1以下である。特に有利に、還流比は0.9〜0.6の値に調節される。凝縮は冷却水又は空気に対して実施することができる。前記塔の蒸発器の加熱のために、例えば蒸気を使用することができる。塔への供給流は、少なくとも部分的に予備蒸発させて塔に案内するか又は塔内へ直接フラッシュするのが有利である。有利に、このために供給流に、外部伝熱装置で、例えば排熱を利用することにより熱を供給する。部分的な蒸発を達成するために、釜型蒸発器は、前記伝熱装置の有利な実施態様である。さらに、プロセス熱又は排熱を用いて低い温度水準に加熱された中間蒸発器を塔の下部に使用する場合が有利である。
この塔への供給は、方法段階e)において有利に10〜15理論分離段に行われる。前記塔は、有利に4〜11、殊に5〜8baraの圧力で運転される。方法段階e)で使用される塔の塔頂温度は、有利に40〜70℃、殊に45〜60℃である。
方法段階e)の塔頂生成物は、この段階が蒸留塔又は反応蒸留塔で実施されたかどうかとは無関係に、C4炭化水素中になおエタノールの残留量を有する場合に、これを少なくとも1つの付加的抽出段階で水を用いて洗浄するのが有利である。この洗浄は、この技術の公知の標準方法により、例えば抽出塔又はミキサ及び分離容器のカスケード中で実施することができる(方法段階h)参照)。
ETBE及び場合により過剰量のエタノールを含有する塔底生成物は直接使用できるか、又はETBEを過剰量の成分と分離する後処理、例えば更なる蒸留に供給することができる。
この方法の更なる有利な実施態様の場合に、段階d)もしくはe)の反応蒸留もしくは蒸留で生じる、ETBEと場合により反応されないエタノールとを含有する塔底生成物を、完全に又は部分的に段階a)及び/又はb)に返送される。この実施態様は、特に、段階d)中での反応を化学量論的に過剰量のエタノールを用いて運転する場合に有利である。有利に、この変法の場合に段階d)で反応を固定床反応器中だけで実施し、かつ段階e)で蒸留塔中で蒸留による分離を実施する。反応されないC4炭化水素VIIIは、塔頂生成物として得られ、かつ生じた塔底生成物(これは少なくともETBE及び場合により反応されないエタノールを含む)は全部又は一部が段階a)及び/又はb)に返送される。方法段階d)をエタノール大過剰量で、例えばエタノール対イソブテンの2より大:1、特に5より大:1のモル比で実施する場合に、段階e)中の塔底生成物として、主にエタノールを含有し従って使用物質として段階a)に返送することができる混合物が生じる。この実施態様の場合に、ETBEは引き続き方法段階b)の塔底生成物として得られる。方法段階e)からの塔底生成物の蒸留による分離のために、この実施態様の場合に方法段階b)が使用される。
方法段階h)
有利に、この蒸留塔又は反応蒸留塔の塔頂で得られる方法段階d)もしくはe)からの塔頂生成物は抽出塔に移され、その中で向流で抽出剤、例えば水が塔頂に存在する供給部を介して供給される。前記抽出剤は、塔底の搬出物を介して取り出すことができる。塔頂では、この抽出の生成物として段階d)及び場合によりe)中で反応されない炭化水素VIIIからなる流が得られる。これは、更なる使用、例えば1−ブテンへの後処理(方法段階i))に供給することができる。この塔の塔底で生じるエタノール濃度の高い抽出剤は蒸留により分離され、エタノールは場合により、抽出剤として水が使用された場合に乾燥後に、段階a)又はd)中の出発物質としてこのプロセスに返送させることができる。この手段により、場合により存在する後続する塔(方法段階i))を、より低い圧力で運転することができる。抽出なしでは、エタノールを塔頂で分離するために、後続する塔はより高い圧力で運転しなければならない。
方法段階h)は有利に抽出塔中で実施することができる。有利にこの抽出塔は、5〜20、有利に10〜15の理論分離段を有する。方法段階h)中での抽出は、有利に5〜12、有利に7〜10baraの圧力で実施される。方法段階h)中の抽出は、有利に30〜60℃、特に有利に35〜45℃の温度で実施される。抽出剤、特に水対方法段階d)もしくはe)からの塔頂生成物の比は、有利に0.05〜0.5、殊に0.1〜0.25、特に有利に0.15〜0.2である。
方法段階i)
主に1−ブテン、イソブテン及び低沸点物を有する反応されない炭化水素からなる、段階e)による反応蒸留もしくは蒸留から得られ、かつ場合によりエタノールが除去されたC4炭化水素VIIIから、蒸留により他の有用生成物として1−ブテンが分離される。1−ブテンの分離は、有利に1つ以上の蒸留塔中で前記混合物VIIIの蒸留によって行う。
有利な実施態様の場合に、1−ブテンの分離は、塔底生成物として極めて純粋な1−ブテンが得られる蒸留塔中で行う。塔頂生成物として、イソブタン富有のフラクションが得られ、これはさらに低沸点物(例えばC3炭化水素)を含有することができる。
有利に前記分離は超精留塔中で実施される。この塔への供給は、有利に塔の上側の半分に、有利に塔の上側の半分の下側の半分に行われる。分離すべき混合物の沸騰状態のために、前記塔は有利に100を超える、有利に125を超える、特に有利に150以上、さらに特に有利に150〜200理論分離段を有する。還流比(還流量対留出量)は、実現された段数及び運転圧力に依存して、有利に100以下、殊に70未満、特に有利に30〜60である。凝縮は冷却水又は空気に対して実施することができる。この留出物容器は有利に、液液分離として構成されている。それにより、場合により供給流中に含まれる水は第2相として留出物容器中で分離することができ、かつ工業的に水不含の塔底物を得ることができる。
方法段階i)による分離は、有利に5〜11baraの圧力で、有利に6〜8baraの圧力で実施される。分離を実施する塔頂温度は、有利に35〜65℃、殊に45〜50℃である。熱統合が設けられている場合には、方法段階i)をより高い温度でかつより高い圧力で実施するのが有利である。
塔の蒸発器を加熱するために、通常のヒートキャリア、例えば水蒸気又は温水並びに有利に他のプロセスからの排熱を使用することができる。後者の場合には、有利に、前記塔は1つ以上の蒸発器を備えていても良い。前記塔は、有利に、少なくとも1つの蒸発器と少なくとも1つの凝縮器とを有する塔として構成される。高いエネルギー必要量及び塔底と塔頂とのわずかな温度差のために、省エネルギー接続が特に有利な実施態様である。例示的に蒸気濃縮(Bruedenverdichtung)の方法が指摘される。他の特に有利な接続は、第2の塔を組み込んだ形の二重効用蒸留(double effect distillation)である。前記第2の塔は、有利に同じ又は異なる分離課題を有する並列接続された塔であることができる。この場合、前記塔の一方は、高い圧力で実施され、その凝縮温度は他の塔の加熱のために十分である。異なる分離課題を有する塔の熱工学的接続の場合に、原則として、本発明による方法からのそれぞれ適した塔、並びに本発明による方法の範囲外の装置位置にある塔を、方法段階f)の本発明による塔と接続することもできる。第2の塔は方法段階c)からのC4分離塔であるのが特に有利である。この場合、前記塔の一方は、高い圧力で実施され、その凝縮温度は他の塔の加熱のために十分である。
さらに有利な実施態様の場合には、第1の蒸留塔中で低沸点物を塔頂生成物として分離し、塔底では主に1−ブテンとイソブテンとを有する混合物が得られる。第2の塔中で、前記塔底混合物を、塔底生成物として生じる1−ブテンと、イソブテン富有のフラクション(塔頂生成物)とに分離する。
本発明による方法を用いて製造された純粋な1−ブテンは、有利に5000wppm未満(質量ppm)、有利に2000wppm未満、特に有利に1500wppm未満のイソブテンを含有し、これは需要の高い中間生成物である。これは、例えばポリエチレン(LLDPE又はHDPE)の並びにエチレン−プロピレン−コポリマーの製造の際のコモノマーとして使用される。さらに、アルキル化剤としてとして使用され、かつこれはブタン−2−オール、ブテンオキシド、バレルアルデヒドの製造のための出発物質である。本発明により製造されたほぼイソブテン不含の1−ブテンの他の使用は、特にOctol-プロセスによるn−ブテンオリゴマーの製造である。
方法段階i)の場合に、1−ブテンの他に通常では(C4炭化水素の出発組成物に応じて)イソブタン富有のフラクションが生じる。
これは、さらに、有利に純粋なイソブテンに精製することができる。純粋なイソブタンへの精製は、例えばなお含まれるアルケンをアルカンに完全に水素化し、引き続き蒸留することにより行うことができる。この後処理の際に得られたイソブタンは、有利に少なくとも90質量%のイソブタン純度、特に有利に95質量%のイソブタン純度を有し、かつ有利に1000wppm未満、特に有利に200wppm未満のオレフィンを含有する。
使用物質
本発明による方法において、全ての通常に使用される工業的C4炭化水素混合物を使用することができる。適当なイソブテン含有のC4流は、例えばクラッカー(水蒸気分解装置、水素分解装置、接触分解装置)からのC4フラクション、フィッシャートロプシュ合成からの混合物、ブタンの脱水素からの混合物、線状ブテンの骨核異性化からの混合物及びオレフィンのメタセシスにより生じる混合物である。これらの技術は、専門文献に記載されている。(K. Weissermel, H. J. Arpe, Industrielle Organische Chemie, Wiley-VCH, 第5版, 1998, 23 - 24; 65 - 99; 122 - 124頁)。
第1にエテン及びプロペンの製造のために運転されるかつ原料として例えば精油ガス、ナフサ、軽油、LPG(liquified petroleum gas)及びNGL(natural gas liquid)が使用される水蒸気分解装置からの又は接触分解装置からのC4フラクションを使用するのが有利である。副生成物として生じるC4留分は、分解法に応じて異なる量のイソブテンを含有する。他の主成分は1,3−ブタジエン、1−ブテン、c−2−ブテン、t−2−ブテン、n−ブタン及びi−ブタンである。C4フラクション中の一般的なイソブテン含有量は、水蒸気分解装置からのC4フラクションの場合に、18〜35質量%であり、液体接触分解装置(FCC)の場合に10〜20質量%である。
本発明による方法のために、有利に複数箇所不飽和の炭化水素、例えば1,3−ブタジエンを使用混合物から除去する。これは、公知の方法により、例えば抽出、抽出蒸留又は錯形成により行うことができる(K.Weissermel, H.J. Arpe著, Industrielle Organische Chemie, Wiley-VCH, 第5版, 1998, 119 - 121頁参照)。
複数箇所不飽和の炭化水素を分離する他の方法は、選択的化学反応である。例えばEP 0 523 482に記載されているように、例えば1,3−ブタジエンを選択的に線状ブテンに水素化することができる。1,3−ブタジエンの選択的反応、例えばシクロオクタジエンへの二量化、シクロドデカジエンへの三量化、重合反応又はテロマー化反応によっても、1,3−ブタジエンを少なくとも部分的に除去することができる。クラック−C4留分を原料として使用する場合に、全ての場合に炭化水素混合物(ラフィネートI又は水素化されたクラック−C4(HCC4)が残留し、これは主に飽和炭化水素のn−ブタン及びイソブタン及びオレフィンのイソブテン、1−ブテン及び2−ブテンを含有する。
有利に、本発明による方法の場合に、方法段階a)、b)、c)、d)、e)又はf)の1つ以上の段階の前に行われる付加的な精製段階において、C4炭化水素流中に含まれる複数箇所不飽和の炭化水素は触媒により選択的に水素化される。特に、使用された工業的C4炭化水素流が複数箇所不飽和の炭化水素を有すること排除しない場合には、特に有利に、少なくとも方法段階a)又はc)の前に、さらに特に有利に方法段階c)の前に、このような精製段階を設ける。
複数箇所不飽和の炭化水素は、主に1,3−ブタジエン;1,2−ブタジエン、ブテニン及び1−ブチンであるが、これらが含まれる場合でも明らかに少量である。この水素化は、一段階又は多段階の水素化プロセス中で液相でパラジウム接触で行うことができる。1,3−ブタジエンの含有量を有利に1000wppm未満に低下させるために、この場合、水素化の最後の段階でパラジウム接触の選択性を高める調節剤を添加して作業する。有利に、調節剤として一酸化炭素が使用され、これは0.05〜100質量ppm(wppm)の割合で添加される。複数箇所不飽和の炭化水素の含有量は、この段階への供給物中で1%未満、有利に0.5%未満であるのが好ましい。文献中では、この種の残留含有量の1,3−ブタジエンの選択的水素化はSHP(selective hydrogenation process)の名称で公知である(EP 0 081 041; Erdoel, Kohle, Erdgas, Petrochem. 1986, 39, 73参照)。
イソブテン含有のC4流中に1%より多くの量の複数箇所不飽和の炭化水素、例えば1,3−ブタジエンを含有する場合、1,3−ブタジエンは有利に前の段階の水素化で反応される。前記水素化は、有利に液相中でパラジウム接触で実施される。不飽和炭化水素の含有量に応じて、前記水素化は多段階で実施することができる。水蒸気分解装置からのクラック−C4を一般に38〜45%の1,3−ブタジエンの含有量と反応させるために、水素化の二段階の実施が有利である。この場合、単独の段階又は全ての段階は、部分的に生成物返送を設けることができる。搬出部中で1%より低い1,3−ブタジエンの濃度が達成されるため、他の反応は選択的水素化(SHP)で行うことができる。
イソブテン及び線状ブテンを有する本発明による方法で使用された炭化水素混合物は、有利に次の組成を有し、その際、不飽和炭化水素の含有量に応じて、段階a)〜d)の一つの段階の前に、有利に段階a)又はc)の前に水素化又は選択的水素化を実施する。
Figure 0005192688
注釈
− HCC4:C4混合物に対して一般的、これは水蒸気分解装置(High Severity)のクラック−C4から、1,3−ブタジエンの水素化により触媒の付加的減速なしに得られる。
− HCC4/SHP:1,3−ブタジエンの残留物がSHPでさらに減少された組成物HCC4
− Raff.I(ラフィネートI):水蒸気分解装置(High Severity)のクラック−C4から、1,3−ブタジエンの分離(例えばNMP抽出精留による分離)の後に得られるC4混合物に対して典型的。
− Raff.I/SHP:1,3−ブタジエンの残留物がSHPでさらに減少された組成物Raff.I。
− CC4:接触分解装置から得られるクラック−C4の典型的組成物。
− CC4/SHP:1,3−ブタジエンの残留物がSHPでさらに減少された組成物CC4
ラフィネートIもしくはHCC4は、本発明の範囲内で、他のものと共に有利に使用されたイソブテン含有の炭化水素である。C4炭化水素を後処理するための装置は一般にストランド(複数の装置の接続)として構築されている場合に、しかしながらラフィネートIもしくはHCC4は本発明による方法へ導入される前に1つ又は複数の他のプロセス段階を経ていてもよい。この1つ又は複数のプロセス段階は、例えば方法段階a)について実施態様において記載された方法もしくは1つ又は複数の方法段階であることができる。本発明による方法において使用可能なC4炭化水素混合物は、方法段階a)の実施態様による方法及び引き続く方法段階b)による分離により得られるようなC4炭化水素混合物であってもよい。特に、イソブテンからのtert−ブタノール(TBA)の製造の際にTBAの分離の後に得られた混合物を使用することもできる。このように、それぞれ相応する生成物プロフィールで後処理のための個別の適合された全体のコンセプトを実現することができる。
本発明による方法の前に行うことができる一般的方法は、水洗、吸着剤を用いた精製方法、乾燥方法及び蒸留である。
水洗
水洗により、親水性成分、例えば窒素成分は、イソブテン及び線状ブテンを含有する使用すべき工業的炭化水素から、完全に又は部分的に除去することができる。この窒素成分の例は、アセトニトリル又はN−メチルピロリドン(これは例えば1,3−ブタジエン−抽出蒸留に由来することがある)である。酸素化合物(例えばFCCからのアセトン)も、部分的に水洗によって除去することができる。イソブテン含有の炭化水素流は、水洗の後に水で飽和されている。次のプロセス段階において反応器中で二相形成を避けるために、そこでの反応温度が水洗の温度を約10℃上回るのが好ましい。
吸着剤
吸着剤は不純物の除去のために使用される。これは、例えば、プロセス段階の一つにおいて貴金属触媒を使用する場合に有利である。しばしば、窒素又は硫黄化合物が前に設けられた吸着装置によって除去される。吸着剤の例は、酸化アルミニウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、活性炭、金属で含浸されたアルミナである。吸着剤は、多様な企業により販売されていて、例えばAlcoa社(Selexsorb(R))である。
乾燥
イソブテン含有の炭化水素混合物中に場合により含まれる水(これは例えば水洗に由来することがある)は、乾燥のための公知の方法により除去することができる。適当な方法は、例えば共沸混合物としての水の蒸留による分離である。この場合、しばしば含まれるC4炭化水素との共沸混合物を利用することができるか、又は他の共沸剤を添加することもできる。
炭化水素混合物の乾燥は、多様な理由から、例えば段階a)でのアルコール(主にtert−ブチルアルコール)の生成を低下させるため又は水の分離による工業的問題を回避するため又は低温での氷形成を抑制するために有利である。
蒸留
蒸留段階は、例えば、不純物を分離するため(例えば低沸点物、例えばC3炭化水素、高沸点物、例えばC5炭化水素)又は多様なイソブテン濃度を有するフラクションを得るために利用することができる。これは、ラフィネートIもしくはHCC4を用いて直接行うか、又は1つ又は複数の他のプロセス段階を通過した後に行うことができる。ラフィネートIもしくはHCC4を直接に蒸留することにより、例えば2−ブテン及びn−ブタン濃度が低く、イソブテン濃度が高いフラクションに分離することができる。
使用した工業的炭化水素混合物の組成に応じて及び/又は目的生成物の純度に応じて、工業的炭化水素混合物は、つまり本発明による方法の段階a)に直接使用されるか、又は1つ又は複数の前記の方法による前処理の後に初めて使用される。
本発明による方法を用いて、簡単にETBEもしくはETBEを含有する組成物を製造することができ、これは段階b)及びe)による反応蒸留又は蒸留の塔底生成物として、有利に段階b)の塔底生成物として得られる。
例えば本発明による製造方法により製造することができかつ有利に方法段階b)において塔底生成物IIとして得られる本発明によるETBEを有する組成物は、90質量部以上のETBE、0〜7質量部、有利に0〜5質量部のエタノール、0〜3質量部、有利に0〜2.5質量部のtert−ブタノール、2質量部以下、有利に1.5質量部以下の5より大きい炭素原子数を有する炭化水素、及び1質量部以下の4の炭素原子数を有する炭化水素を含有する。このような組成物は、例えば本発明による方法により得られる。本発明による組成物が最大1×10-4〜1000×10-4質量部のジエチルエーテルを有する場合が有利である。本発明による組成物は、有利に不均質な水を有していない。特に有利に、本発明による組成物は、0.05質量部より少ない水を有する。特に有利に、本発明による組成物は、90質量部以上、特に90〜97.5質量部のETBE、1〜5質量部のエタノール、0.5〜1質量部のtert−ブタノール、0.5〜1質量部の5以上の炭素原子数を有する炭化水素、0.1〜0.5質量部の4の炭素原子数を有する炭化水素及び0〜0.05、特に0.0001〜0.01質量部の水を有する。本発明による組成物について記載された質量部は、特に有利に質量%である。
本発明によるETBEは、燃料又は燃料添加物として使用することができる。本発明によるETBEの製造のために、バイオエタノール、つまり再生原料から得られたエタノールを使用することができるため、本発明による方法により化石燃料蓄積の保護に寄与する。ETBEの他に、本発明による方法の場合に、1−ブテン含有流が生じ、これは例えばポリマーの製造の際のコモノマーとして使用される1−ブテンに精製することができる。
図面の記載
図1〜図5及び図8を用いて本発明による方法を次に詳細に説明するが、本発明による方法は、ここに例示的に図示された実施形態に制限されるものではない。図6及び図7には比較方法を記載する。これらの概略図には、主な段階のみが図示されている。プロセス工学的に通常の流、例えば冷却水流、循環流又は戻し供給、及び/又は通常の装置、例えば熱交換器又は分離器は、部分的に見やすくするために描写していない。
図1
図1に概略的に示した方法の場合に、段階(a)にC4炭化水素の工業的混合物が導入される。段階(a)において、工業的混合物中に含まれるイソブテンのエタノールとの部分的な反応が行われる。段階(a)の生成物を分離段階(b)に移し、そこで反応されていないC4炭化水素III及び場合により過剰量で存在するエタノールから、ETBEIIを有利に熱的に分離する。反応されないC4炭化水素IIIを段階(c)に移し、これを例えば簡単な蒸留塔によって実現することができる。この蒸留塔で、流IIIを、イソブテン、イソブタン及び1−ブタンを有するフラクションIVと、イソブテン不含又はほとんどイソブテン不含の2−ブテン及びn−ブタンを有するフラクションVとに分ける。前記フラクションIVを第二の反応段階(d)に移し、ここでイソブテンをエタノールと新たに反応させてETBEにする。引き続く分離段階(e)において、ETBE VIIを反応されない炭化水素VIIIから分離する。この炭化水素VIIIを段階(i)に移し、ここで1−ブテンを蒸留により残りの炭化水素から分離する。
図2
図2では、方法段階a)及びb)の可能な実施態様が図示されている。この工業的混合物Iを、まず第1のエーテル化反応器R−a1に導入する。第1の反応器からの生成物を、第2のエーテル化反応器R−a2に導入する(同じ又は異なる温度での運転が可能)。第2のエーテル化反応器からの搬出物を、塔頂生成物用の凝縮器W−b2と塔底蒸発器W−b1とを備えた蒸留塔K−b1に移す。塔頂生成物の一部を還流として塔内へ戻す。塔頂生成物として、反応されないC4炭化水素を有する流IIIが取り出され、かつ塔底生成物としてイソブテンの反応からの生成物IIが得られ、これは主にETBEからなる。
図3
図3では、方法段階a)、b)及びf)の他の可能な実施態様が図示されている。工業的混合物Iを、2つの反応器のカスケードの第1の反応器R−a1に供給し、その中にエタノールも導入する。この反応器R−a1は返送を有し、この返送により反応搬出物の一部は反応器に達する供給流へ戻すことができる。第1の反応器からの反応搬出物の他の分を、第2の反応器中に導入する。第2の反応器からの搬出物を、塔頂生成物用の凝縮器W−b2と塔底蒸発器W−b1とを備えた蒸留塔K−b1に移す。塔頂生成物の一部を還流として塔内へ戻す。塔底生成物として、生成物II、主にETBE及び場合により残留量のエタノールが得られる。塔頂生成物として、反応されない炭化水素と場合によりなおエタノールとを有する流D−b1を取り出す。この流がエタノールを含む場合に、この流は抽出塔K−f2に移され、向流で抽出剤、例えば水が塔頂にある供給部E−f1を介して供給され、これは排出部E−f2を介して塔底で取り出される。塔頂では、この抽出の生成物として段階(a)中で反応されない炭化水素IIIからなる流が得られる。
図4
図4には、段階c)、d)、e)及びh)の可能な実施態様が図示されている。塔底蒸発器W−c1及び塔頂で凝縮器W−c2及びデカンタを備えた蒸留塔K−c1中に段階b)からの炭化水素流IIIを供給し、(ほとんど)イソブテン不含の、2−ブテン及びn−ブタンを有するフラクションV(このフラクションは塔底で取り出される)と、イソブテン及び1−ブテンを有し、ほとんどn−ブタン及び2−ブテン不含のフラクションIV(このフラクションは場合によりデカンタ中で水相D−c1が除去される)とに分離する。水性成分が低減された塔頂生成物の部分を、塔中への還流として戻すことができる。前記フラクションIVを反応器R−d1に移し、ここでさらにエタノールを供給し、かつフラクションIV中に含まれるイソブテンをETBEに変換する(段階d))。前記反応器R−d1からの搬出物を塔K−e1に供給し、前記塔は簡単な蒸留塔であるか又はここでも反応塔として構成されていてもよい。前記反応器からの搬出物の反応蒸留塔K−e1中への供給は、有利に反応性充填物の下側で行う。前記塔K−e1には、塔底蒸発器W−e1と塔頂生成物用の凝縮器W−e2とが設けられている。塔K−e1の塔底生成物としてETBE含有流が得られた。塔頂生成物D−e1は、部分的に還流として塔内に返送することができる。この他の分は、抽出塔K−h2に移され、向流で抽出剤、例えば水が塔頂にある供給部E−h1を介して供給され、これは排出部E−h2を介して塔底で取り出される。塔頂では、この抽出の生成物として段階d)及び場合によりe)中で反応されない炭化水素VIIIからなる流が得られる。
図5
図5では、方法段階i)の可能な実施態様が図示されている。段階e)又はh)からの炭化水素流VIIIを蒸留塔K−i1に供給する。前記塔K−i1には、塔底蒸発器W−i1と塔頂生成物用の凝縮器W−i2とが設けられている。塔K−i1の塔底生成物S−i1として1−ブテンが得られる。場合によりデカンタ中で水が分離される塔頂生成物D−i1を、部分的に還流として塔に返送させることができる。他の分の塔頂生成物D−i1を蒸留塔K−i2に移す。この塔K−i2にも、塔底蒸発器W−i3と塔頂生成物用の凝縮器W−i4とが設けられている。塔K−i2の塔底生成物S−i2としてイソブタンが得られる。場合によりデカンタ中で水が分離される塔頂生成物D−i2を、部分的に還流として塔に返送させることができる。他の分の塔頂生成物D−i2(これは主に低沸点物からなる)を、他の利用又は熱的利用に供給することができる。
この後処理の際に得られたイソブタン(流S−i2)は、なお不飽和成分(主に1−ブテン)の割合を含有することができる。これは、後の段階での水素化で相応するアルカンに水素化することができる。この水素化は、この分野の公知の方法により、有利に液相中でのパラジウム触媒を用いて行われる。場合により、この水素化は、塔K−i2の前でも行うことができ;流D−i1はこの場合、まず水素化(図5には図示されていない)に供給され、引き続き塔K−i2に供給される。
図6
この図には、比較例と見なされる、一段階プロセスの変法Aが図示されている。この変法の場合には、段階(a)及び(b)は図3に図示された接続で実施され、その際、任意の反応器系R−aが反応器R−a1とR−a2との代わりに存在している。抽出塔K−f2の塔頂で得られた生成物IIIを蒸留塔K−c1に移し、そこでイソブタン、イソブテン及び1−ブテンが塔頂を介して分離される。塔底生成物S−c1として、(ほとんど)イソブテン不含の、2−ブテン及びn−ブタンを有するフラクションVが得られる。この塔K−c1の留出物IVを、直接、更なる塔K−i1に移し、ここで1−ブテンを含有する塔底生成物と、イソブタン及び/又は低沸点物を有する塔頂生成物とに分離する。塔底生成物として、1−ブテン富有のフラクションが得られ、これはもちろんR−a中で反応されないイソブテンの大部分を含有する。
図7
この図には、比較例と見なされる、二段階プロセスの変法Bが図示されている。この変法の場合には、段階(a)及び(b)は図2に図示された接続で実施され、その際、任意の反応器系R−a1が反応器R−a1とR−a2との代わりに存在している。塔K−b1から得られた留出物D−b1を、第2の反応器R−b2に導入し、ここで留出物D−b1中に存在する残りのイソブテンを、存在する及び場合により添加されたアルコールと反応させる。反応器R−b2からの反応生成物を、塔K−b3中に導入し、ここでR−b2中で生成されたETBEを残りのC4炭化水素流D−b3から塔底生成物IIとして分離する。留出物D−b3の更なる精製は、留出物D−b1についての図6の記載と同様に行われる。
図8
変法Cの実施例中で使用された本発明による方法の実施態様による配置を、図6及び7による比較変法A及びBとより良好に比較するために、図8に概略的にこの配置を示し、その際、段階(a)並びに段階(d)でエーテル化段階を実施した。段階(a)及び(b)は図3に図示された接続で実施され、その際、反応器系R−aが反応器R−a1とR−a2との代わりに存在している。段階(c)、(d)及び(e)は、図4に記載されたように実施される。抽出塔K−h2から得られる生成物VIIIを、蒸留塔K−i1に移し、ここで1−ブテンを含む塔底生成物と、イソブタン及び/又は低沸点物を有する塔頂生成物とに分離する。
次の実施例は本発明を詳説するが、これは特許請求の範囲及び明細書から生じる本発明の保護範囲を限定するものではない。
次の実施例計算は、シミュレーションプログラムASPEN Plusを用いて実施した。明確な、再現可能なデータを作成するために、一般に得られる物質データだけを使用した。動的な評価を使用することは故意に行わなかった。さらに、全ての変法において、反応蒸留の使用は行わなかった。この簡素化によって当業者には容易にこの計算を追試できる。この使用した方法は、工業的な装置の設計のために十分な精度を有していないが、この接続の質的な差は正確に捉えられる。全てに示された変法において、イソブテン転化率は1つ又は複数の反応蒸留の使用により高めることができた。
この反応器及びETBE塔は、プロパティメソッド(Property-Methode)"UNIFAC-DMD"で計算した。C4炭化水素の計算のために、プロパティメソッド"Peng-Robinson"で状態式を使用した。次の仮定がなされた:
− 全ての反応器は50℃で完全にUNIFACで計算した平衡に達した。
− ETBE塔は、還流比0.8で計算した。C4塔に対して、シミュレーション用の基準として目的フラクションの所望の純度を設定した。
− ETBE塔中で、塔頂を介してC4/エタノール共沸混合物が分離された。このEtOHは、抽出装置中で水で洗浄され、これは簡単な成分スプリッタとしてモデル化された。
− 前記抽出装置から得られたEtOH−水混合物を、更なる塔K−EtOH中で蒸留により後処理するが、これは接続図には記載しなかった。K−EtOHの両方の生成物は、場合によりエタノールの適当な乾燥の後に、プロセスに循環させる。
この計算された実施例には、一般的に市販されているC4原料からなる原料混合物が基礎となった。10t/hの原料流は、イソブテン28質量%及び1−ブテン35質量%を含有する。
この流から、イソブテンをできる限り完全に、約5質量%のエタノール含有量でETBE生成物に変換させるのが有利である。さらに、イソブテンはETBE合成により化学的に分離され、純度99.5%より高い1−ブテン生成物を3t/hの量で製造することができるのが好ましい。これは、約85%の1−ブテン収率に相当する。1−ブテン生成物中に、最大で2000ppmのイソブテンが存在するのが有利である。表2では、C4原料流の組成を、副生成物として生じる1−ブテンの所望な規格と対比した。エタノールの使用量は、1質量%の含水量を有する2426〜2545kg/h(つまり5〜11%のモル過剰量、下記参照)であった。
表2:C4炭化水素流の組成及び1−ブテンの規格(質量%)
Figure 0005192688
次に、課題設定を解決するための3種の異なる良好に適した方法バリエーションを計算した。
最も簡単な変法Aは1段階プロセスであり、このプロセスは比較として使用した。図6により、エタノールとイソブテンとを反応段階R−a中で平衡になるまで反応させた。蒸留段階K−b1中で、ETBEは塔底生成物(II)として分離した。この塔は、50理論段を有し、かつ還流比0.8で運転した。この塔の留出液はC4/EtOH共沸混合物であり、これからエタノールを例えば抽出塔K−f2中での水により洗浄することができた。抽出塔K−f2ラフィネートをK−c1のC4塔に供給し、ここでイソブタン、イソブテン及び1−ブテンを塔頂から分離した。K−c1の留出液IVを次の塔K−i1に直接供給し、そこで、特にイソブタンを塔頂から分離した。塔底生成物として、1−ブテン富有のフラクションが得られ、これはR−a中で反応されないイソブテンの大部分を含有していた。
変法Aを用いて製造した1−ブテンは、表3に示すように、イソブテン1.91%を含有し、従って2000ppmの目標値に達していなかった。さらに、変法Aの場合のR−aの供給中でのエタノールモル過剰量は約5%に限定される(例えば2426kg/h)、それというのも過剰量のEtOHは塔K−b1の塔頂でだけ分離することができるにすぎないためである。従って、ETBE生成物中で既に5.2%のEtOHが見られた。純度93.6%のETBE生成物5113kg/hが生成された。
プロセス改善法を変法Bとして試験し、これを図7に示した。平衡をさらにETBEの方向に向けるために、塔K−b1の後方に更なる反応器R−b2を設け、この残りのイソブテンをK−b1中で共沸混合物D−b1として塔頂から分離されたエタノールと反応させた。反応器に、転化率を高めるために、200kg/hの更なるEtOH流を添加することができた。変法Aと比較してさらに形成されたETBEは、更なるC4−/ETBE−蒸留K−b3で分離された。この場合、全体のC4流は、2回塔頂を介して蒸留しなければならず、K−b3のエネルギー必要量はK−b1のほぼ同じ大きさであった。引き続き、この抽出K−f2及び1−ブテン−蒸留K−c1及びK−i1は変法Aと同様に実施した。2000ppmよりも低いイソブテンを有する1−ブテン生成物は、必要とされた生成物規格に丁度達していた。比較的高いイソブテン転化率のために、純度93.7%のETBE生成物5340kg/hが生成された。この装置の全体のエネルギー必要量は、変法Aと比較して約13%高かった。
本発明による方法の場合の図8による変法Cは、変法Bと同じようにさらなるEtOH供給を伴って、第2の反応段階、蒸留段階及び抽出段階R−d1、K−e1及びK−h2が両方のC4塔Kーc1及びK−f1の間に設けられていた。これは、K−c1の供給物IIIの大部分を塔底生成物Vとして生じさせ、K−i1において純粋な1−ブテンに後処理されるべき部分のC4流だけが二回目で蒸留されるという利点を有する。この場合には、変法Bの場合のK−f2のエネルギー必要量は、変法Cの場合のK−e1のエネルギー必要量の二倍高かった。変法cの欠点は、第2の抽出塔K−h2を構築しなければならないことであった。R−d1、K−e1及びK−h2の処理量は、変法Bの場合のK−b3の処理量の半分よりも少ないため、全体の投資コストは相応して低くなった。
1−ブテン−生成物中のイソブテン量は、計算された実施例の場合に、2000ppmよりも明らかに低かった。得られたETBE生成物の量及び組成は、流VIIを第1の反応段階a)に乾留させる場合に、変法Bの場合と極めて類似していた。
表3は、この3種の変法の達成された転化率を示す。変法Aは1−ブテン生成物の要求された品質を明らかに満たしておらず、両方の二段階法B及びCの場合に規格に合った副生成物が見積もられた。高められたイソブテン転化率は、両方の変法の場合に、第2の反応段階の前での反応生成物ETBEの蒸留による分離により、つまりは高めたエネルギー投入により達成される。本発明の場合には、変法Cにおいて両方のC4塔K−c1及びK−i1の間に第2の反応段階を配置することにより、付加的に蒸留すべき流の量が半分よりも少なく低減された。これにより、エネルギー必要量及び投資において明らかな節約が達成される。
表3:3種の変法の転化率及び1−ブテン−品質
Figure 0005192688
表4中には、3種の全ての変法の計算されたエネルギー必要量がまとめられている。全ての接続において、塔K−b1、K−c1及びK−f1のエネルギー必要量はほぼ等しい。変法Aは、確かに最も低い全体エネルギー必要量を有していたが、しかしながら生成物規格を満たしていなかった。変法Bの場合には、ETBE部分において、二倍のC4量を塔頂を介して蒸留しなければならず、そのエネルギー必要量は、従って、変法Aの場合よりも13%高かった。それに比べて、変法Cは、必要なイソブテン転化率を約6%高めたエネルギー必要量でも達成できる方法を示した。
表4:3種の変法のエネルギー必要量
Figure 0005192688
表5では、変法A、B及びCを用いて得ることができる計算されたETBE品質が示された。
表5:3つの変法のETBE品質:
Figure 0005192688
表5からは、変法A、B及びCを用いてETBEに関して似たような品質が得られ、その際、ETBEの品質は、変法Aによると、エタノール含有量及びETBE含有量に関してそれぞれ、変法B及びCよりも高いかもしくは低く、さらにより悪かったことが推知できる。表3から推知することができるように、変法Aを用いて副生成物として比較的汚染された1−ブテンを得ることができるだけであるため、変法B又はCは比較的エネルギー必要量が高いにもかかわらず有利である。表4中に記載された結果から、本発明による変法Cが、変法Cよりも明らかに低い熱必要量を有し、ETBE及び1−ブテンの品質に関してエネルギー的により有利な変法であることを推知することができる。
本発明によるC4炭化水素の工業的混合物からエチル−tert−ブチルエーテルを製造する方法を示す図。 方法段階a)及びb)の実施態様を示す図。 方法段階a)、b)及びf)の実施態様を示す図。 方法段階c)、d)、e)及びh)の実施態様を示す図。 方法段階i)の実施態様を示す図。 一段階プロセスによる比較例を示す図。 二段階プロセスによる比較例を示す図。 本発明による実施態様を示す図。
符号の説明
図1〜図8の図面の符号は次の意味を有する:
(a) イソブテンを生成物に部分的に変換
(b) (a)からの生成物をETBE含有フラクションIIとC4炭化水素IIIとに分離
(c) IIIを、蒸留によりIVとVとに分離
(d) イソブテンをエタノールVIでエーテル化
(e) ETBE含有流VIIの分離
(i) 1−ブテンの分離
I C4炭化水素の工業的混合物
II ETBE含有フラクション
III 残留したC4炭化水素
IV 1−ブテン及びイソブテン含有のフラクション
V イソブテン不含の、2−ブテン及びn−ブタンを有するフラクション
VI エタノール
VII ETBE含有流
VIII 段階e)もしくはh)からのC4炭化水素
D−b1 K−b1の留出液
D−b3 K−b3の留出液
D−c1 K−c1のデカンタからの水相
D−e1 K−e1の塔頂生成物
D−i1 Ki1の留出液、有機相
D−i2 低沸点物
E−f1 抽出剤の供給
E−f2 抽出剤の搬出
E−h1 抽出剤の供給
E−h2 抽出剤の搬出
K−b1 蒸留
K−b3 蒸留
K−c1 C4炭化水素を分離するための塔
K−e1 エーテルを分離するための塔
K−f2 抽出塔
K−h2 抽出塔
K−i1 1−ブテンの分離のための塔
K−i2 イソブタン分離のための塔
R−a 反応器
R−a1 反応器
R−a2 反応器
R−b2 エーテル化のための反応器(比較例)
R−d1 エーテル化のための反応器
S−i1 1−ブテン
S−i2 イソブタン
W−b1 塔底蒸発器
W−b2 凝縮器
W−b3 塔底蒸発器
W−b4 凝縮器
W−c1 塔底蒸発器
W−c2 凝縮器
W−e1 塔底蒸発器
W−e2 凝縮器
W−i1 塔底蒸発器
W−i2 塔頂凝縮器
W−i3 塔底蒸発器
W−i4 凝縮器

Claims (20)

  1. 少なくとも1−ブテン、イソブテン、n−ブタン及び2−ブテンを有するC4−炭化水素Iの工業的混合物からエチル−tert−ブチルエーテル(ETBE)を製造する方法において、次の方法段階
    a) 工業的混合物中に含まれるイソブテンの一部を酸性触媒の存在で、純度99質量%以上のエタノールと反応させてETBEにし、
    b) 段階a)の搬出物から反応されないC4炭化水素IIIを熱的な分離方法により、ETBEを有するフラクションIIを得ながら分離し、
    c) 前記C4炭化水素IIIを、少なくとも1−ブテンとイソブテンとを含有するフラクションIVと、ほとんどイソブテンを有していない、少なくとも2−ブテンとn−ブタンとを含有するフラクションVとに蒸留により分離し、
    d) フラクションIV中に含まれるイソブテンを酸性触媒の存在で、純度99質量%以上のエタノールVIと新たに反応させて、ETBEにし、
    e) 反応されないC4炭化水素VIIIを、ETBEを有するフラクションVIIを得ながら段階d)の搬出物から分離すること
    を特徴とする、C4−炭化水素Iの工業的混合物からエチル−tert−ブチルエーテルを製造する方法。
  2. 前記C 4 −炭化水素Iの工業的混合物を、乾燥することにより、水を除去する、請求項1記載の方法。
  3. 段階d)での酸性触媒によるエーテル化を、少なくとも1つの反応段階を反応蒸留として実施されるように実施することを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  4. 段階d)での酸性触媒によるエーテル化を少なくとも2つの反応段階で実施し、少なくとも最後の反応段階を反応蒸留として実施することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 段階d)において最後の反応段階を反応蒸留として実施し、この反応蒸留において段階e)を実施することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  6. 段階e)に引き続き、C4炭化水素中のエタノールの残留量を抽出段階で水により洗浄することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  7. 酸性触媒によるエーテル化を段階a)で実施し、少なくとも1つの反応段階を反応蒸留として実施することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  8. 酸性触媒によるエーテル化を段階a)で少なくとも2つの反応段階で実施し、少なくとも最後の反応段階を反応蒸留として実施することを特徴とする、請求項記載の方法。
  9. 段階a)において最後の反応段階を反応蒸留として実施し、この反応蒸留において段階b)を実施することを特徴とする、請求項7又は8記載の方法。
  10. 方法段階b)及びc)の間に方法段階f)を有し、その際に塔頂生成物として得られるC4炭化水素IIIからエタノールの残留量を水を用いた抽出段階で洗浄することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  11. 方法段階a)及び/又はd)において少なくとも1つの反応器をループ型反応法で運転することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 4炭化水素流中に含まれる複数箇所不飽和の炭化水素が、方法段階a)、b)、c)又はd)の1つ又は複数の段階の前に設けられた付加的精製段階で触媒により水素化されることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. 複数箇所不飽和の化合物の水素化を少なくとも2つの反応段階で行い、少なくとも最後の反応段階は、CO 0.05〜100wppmの存在で実施することを特徴とする、請求項12記載の方法。
  14. 水素化を、方法段階b)とc)との間の付加的精製段階として実施することを特徴とする、請求項12又は13記載の方法。
  15. 段階a)における反応を、方法段階a)でのイソブテンの転化率が70%を上回るように実施することを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
  16. イソブテンとエタノールとの反応の場合に、酸性触媒としてイオン交換樹脂を使用することを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
  17. 前記酸性触媒が、スルホン酸基を有する固体のイオン交換樹脂である、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
  18. 方法段階e)においてC4炭化水素VIIIの分離の際に得られたtert−ブチルエーテル及び場合により反応されないエタノールを含む流VIIを、完全に又は部分的に段階a)及び/又はb)中へ返送させることを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
  19. 方法段階a)及び/又はd)中で、変性剤としてETBE0.05〜1質量%を含むエタノールを使用する、請求項1から18までのいずれか1項記載の方法。
  20. 段階e)において得られたC4炭化水素フラクションVIIIを後処理して、5000wppm未満のイソブテン含有量を有する1−ブテンにすることを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
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