JP5005665B2 - 落石防護柵 - Google Patents
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Description
さらに、こうした落石防護柵において、支柱と横ロープの係留部を、緩衝金具を介して結合した構造とし、山側から落下した落石がロープを直撃した際の張力によるロープと緩衝金具の滑り摩擦抵抗や金具の塑性変形により衝撃エネルギーを減衰吸収させるようにしたものが提案されている。
また、2本の端末支柱と1本の可動中間支柱を1ロット(1スパン)とした防護柵であるため防護柵のコンパクト化を達成することができ、部材および施工の標準化を容易にし、品質の信頼性を向上させることができる。また、防護柵の補修もロット単位とすることで、コスト、補修時間の圧縮が可能になる。
これによれば、可動中間支柱を常態において的確な位置に保持することができるとともに、落石発生時には可動中間支柱の道路側へのずれを促して衝撃エネルギーを級数させることができる。
好適には、伸びPが20%≦P≦65%であるロープで端末支柱と可動中間支柱が連結されている。
これによれば、ロープの塑性変形によるエネルギー吸収が大きく、衝撃エネルギーの多くをロープが効率よく吸収し、ロープ端末金具、端末支柱、可動中間支柱に加わるエネルギーが減衰されるので、これらの金具、部材の小型化が可能である。
これによれば、落石が1本のロープを直撃した場合でも間隔保持材により上下のロープ全体に落石エネルギーが伝達されるので、落石エネルギーの吸収効率が高められる。
図1は本発明による落石防護柵の実施例を示しており、aは山側、bは道路側である。符号1は、道路と山側傾斜面との境界に沿って設置された本発明の高エネルギー吸収式の落石防護柵である。
前記落石防護柵1は、左右に間隔をおいて立設された端末支柱2,2と、それら端末支柱2,2間のほぼ中間位置に配され、道路側方向に移動可能な可動中間支柱4と、可動中間支柱4に一端が連結され、他端が左右の端末支柱2,2にそれぞれ連結されるように水平状に張設された左右の複数段のロープ5,5とを1スパンLとして構成されている。
前記端末支柱2,2は道路に沿って間隔をおいて配され、所要長さたとえば1500mmの下部20がモルタルやコンクリートなどのセメント系基礎60、60に埋め込まれることで立設されている。しかし、これに限らず、下部にステーつきのプレート金具を設け、これをセメント系基礎にアンカーされたプレート金物(図示せず)に剛結することで立設していてもよい。
前記可動中間支柱4が位置すべき左右の端末支柱2、2の略中間位置の地面には、モルタルやコンクリートで造られた基礎61が設けられ、この基礎61上に鋼板、樹脂あるいはコンクリートで造られた支持プレート3が設けられている。支持プレート3はたとえば450mm×450mm、厚さ7mmのごときからなる。
また、場合によっては、図3(b)のように、支持プレート3を下板301と上板300の2枚の重ね板で構成し、上板300に位置決め手段31として可動中間支柱4の下端を嵌めうる寸法形状の矩形状の窓穴を形成するとともに、この窓穴における山側の辺を障壁用の垂直面311Aとし、道路側の辺を摺動許容部として垂直でなく上面に向かって浅くなる傾斜状面311B とし、一定以上の荷重がかかったときに可動中間支柱4の下端が乗り越えて移動し得るようにしている。
ロープ5は、構成するワイヤの降伏比が0.5〜0.7(降伏点/引っ張り破断荷重)の範囲にコントロールされており、かつ、伸びPが20%≦P≦65%の吸収エネルギーの大きなロープが用いられる。
伸びの下限を20%としたのはこれ未満だとエネルギー吸収が少なく十分な効果が得られないからであり、上限を65%としたのは、これを超える伸びでは必要以上に道路側に落石がはみ出すからである。好適には大型車の交通の障害にならないように、上限を55%に抑えることが望ましい。
ロープ5の具体例をあげると、構造が3×7、直径18mm、材質は軟質ステンレスであり、破断荷重は84kN、伸びは52%、吸収エネルギーは35kN・mである。ロープ5は景観の効果を高めるため樹脂塗装されていることが好ましい。
上記端末支柱2に連結するためのロープ5の端部はアイボルト端末56となっている。すなわち、図4(a)に示すようにアルミニュームやステンレスなどの金属管512に挿通したロープ5をアイボルト511のリングに潜らせたのち引き返して前記金属管512に反対側から挿通し、この状態で金属管を圧締している。
前記アイボルト端末56は端末支柱2の前記孔21、21に貫挿され、孔から突出した雄ねじにナット58が螺合されることで端末支柱2に連結固定される。
可動中間支柱4に連結するロープ5の端部は、金属管512に挿通したロープ5を、ループ状を呈するように折り返し、再び前記金属管512に挿通して金属管を圧締したトヨロック端末57となっている。
連結にあたっては、道路側フランジ45と山側フランジ45の間にカラーパイプ53、トヨロック端末57、カラーパイプ53の順に配置し、連結ピン52を道路側の前記孔47からカラーパイプ53、トヨロック端末57、カラーパイプ53、山側側の孔47へと順次貫挿し、連結ピン52の端部の雄ねじに螺合したナット59で締結するものである。
端末支柱2と可動中間支柱4に張設されたロープ5のロープ張力は、端末支柱2を貫通したアイボルト511に螺合したナット58により調整される。可動中間支柱4−端末支柱2(1/2スパン)のロープ5取り付けは前記と同様なので説明を省略する。
間隔保持材6と金網7は防食および景観の効果を高めるため亜鉛めっきされ、さらに樹脂塗装されている。
この張力が一定値(例えば50kN)を超えると、可動中間支柱4の下端部が図7(c)のように支持プレート3上の位置決め手段31の摺動許容部(道路側突部又は突起31Bまたは傾斜状面311B)を滑り超え、可動中間支柱4は道路側に移動する。
この実施例も、端末支柱2の左右の面にロープ連結用金具であるアイボルト端末56を取り付けるための孔を設けるが、その孔は2組21,21´の孔であり、山側と道路側に間隔を置いて平行状に開けてある。
第1スパン901では、道路側の孔21´を使用し、第2スパン902は山側の穴21を使用することで1本の端末支柱2を第1スパン901と第2スパン902に共用することができる。第3スパン903以降も同様に設置することができる。
2 端末支柱
3 支持プレート
4 可動中間支柱
5 ロープ
6 間隔保持材
31 位置決め手段
Claims (4)
- 所定の間隔で2本の端末支柱を設け、端末支柱間の略中央位置に支持プレートを設置し、該支持プレート上に道路側へ摺動可能な可動中間支柱を載置し、該可動中間支柱を中心として左右の端末支柱と可動中間支柱を水平状の複数段のロープで連結したことを特徴とする落石防護柵。
- 支持プレートが、ロープに加わる張力による可動中間支柱の道路側への移動を許容するが、山側への移動は許さないように働く位置決め手段を備えている請求項1に記載の設けている落石防護柵。
- ロープとして伸びPが20%≦P≦65%のものを用いている請求項1又は2に記載の落石防護柵。
- 上下複数段のロープを間隔保持材で結合している請求項1ないし3のいずれかに記載の落石防護柵。
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