JP5004690B2 - 切削工具の製造方法 - Google Patents

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本発明は基体の表面に被覆層が形成されている切削工具の製造方法に関する。
現在、超硬合金やサーメット等の焼結合金、ダイヤモンドや立方晶窒化硼素質焼結体(cBN焼結体)等の高硬度焼結体からなる基体の表面に被覆層を成膜した切削工具が用いられている。中でも、超硬合金やサーメットでは加工が難しい高速加工や難削材、特に焼入れ鋼の加工には、ダイヤモンドに次ぐ硬度を持ち、かつ鉄との反応も生じにくいcBN焼結体が用いられている。
例えば、特許文献1では、cBN基体の表面にTiCやTiN、Al等の被覆層を被覆した切削工具が開示され、一般の鋼や鋳鉄の切削において耐摩耗性の改善が見られたことが記載されている。また、特許文献2では、cBN基体の表面にTiAlN被膜を成膜した切削工具が開示され、焼入鋼等の高硬度難削材の切削において長寿命となることが記載されている。さらに、特許文献3では、cBN基体の表面にTiNとAlNとのナノ多層の第1被膜とAlの第2被膜を成膜した切削工具が開示され、高速重切削において優れた耐チッピング性を発揮することが記載されている。
特開昭59−8679号公報 特開平8−119774号公報 特開平8−323506号公報
しかしながら、cBN基体の表面に被着形成する被覆層として、特許文献1のTiCやTiN、Al被覆層、特許文献2のTiAlN被覆層、特許文献3のナノ多層TiAlN被覆層とAl被覆層との多層構造のいずれにおいても、切削性能は不十分でありさらなる長寿命化が求められていた。
特に、被覆層を形成したcBN基切削工具を焼入鋼の加工に用いた場合には、下記理由により工具寿命を延ばすことができないという問題があった。すなわち、焼入鋼の切削においては被削材は強度が高く、また表面は高硬度であるために切削抵抗が大きくて切刃付近が高温になる。特に、切削された切屑の通り道である切刃のすくい面側表面では非常に高温になるため被覆層の酸化が急激に進行し、酸化された被覆層は脆化層となり、摩耗しやすいので工具の切刃にはクレータ摩耗が進行する傾向がある。そのため、例えば連続加工と断続加工が交互に繰り返される軽断続加工においては、連続切削時にクレータ摩耗が進行し、断続部に差し掛かったときに進行したクレータ摩耗部から欠損やチッピングが発生してしまう危険性が高く、工具性能は不十分であった。一方、逃げ面においては高硬度な被削材中に含まれる硬質粒子がこすれることによって酸化摩耗よりも機械的な摩耗が進行しやすく、被覆層を高硬度化することが求められていた。
そこで、本発明の切削工具は、cBN焼結体を基体として、さらに長寿命な切削工具を提供することを目的とする。
発明の切削工具の製造方法は、立方晶窒化硼素質焼結体からなる基体の表面に、(Ti1−a−b、MIa、MIIb)C1−x−y(ただし、MはAlおよびSiの1種以上、MIIはTi以外の周期表第4、5および6族金属から選ばれる1種以上、0.45≦a≦0.7、0≦b≦0.4、0≦x≦1、0≦y<1)で表される複合Ti系被覆層を被覆した後、該複合Ti系被覆層のすくい面および切刃における表面を、レーザーまたは電子ビームの照射によって酸化するものである。
本発明の切削工具の製造方法によれば、複合Ti系被覆層を被覆した後、すくい面および切刃における前記被覆層の表面をレーザーまたは電子ビームの照射で酸化する方法によって、被覆層の最表面においてすくい面および切刃のみを局所的にAlおよびSiOの含有量が多い構成に制御することができる。
本発明の切削工具の一例について、図1の(a)概略斜視図および(b)(a)のA−A断面図を基に説明する。
図1(a)(b)のように、本発明の切削工具(以下、単に工具と略す。)1は、すくい面2と逃げ面3との交差稜線が切刃4である形状をなし、かつ図1(b)に示すように、立方晶窒化硼素質焼結体(以下、cBN焼結体と略す。)からなる基体6の表面に被覆層7を成膜した構成となっている。また、図1(a)によれば、基体6はチップ本体10の先端に裏打ち板11を介してロウ付けされた構造からなる。
ここで、被覆層7は、(Ti1−a−b、MIa、MIIb)C1−x−y(ただし、MはAlおよびSiの1種以上、MIIはTi以外の周期表第4、5および6族金属から選ばれる1種以上、0.45≦a≦0.7、0≦b≦0.4、0≦x≦1、0≦y<1)で表される複合Ti系被覆層8を含んでいる。そして、本発明によれば、逃げ面3の最表面は複合Ti系被覆層8であるとともに、すくい面2および切刃4の最表面には逃げ面3の最表面よりもAlおよびSiOの少なくとも一方が多く存在する酸化領域9を具備することが大きな特徴である。
これによって、すくい面2および切刃4の最表面における耐酸化性を改善して酸化摩耗によるクレータ摩耗の進行を抑制し、かつ逃げ面3における機械的摩耗を抑制してフランク摩耗の進行を抑制することができる。なお、本発明における切刃4はシャープエッジでもよいが、チャンファ面またはRホーニング面をなしていてもよい。
ここで、a(Al、Siの組成比)が0.45よりも少ないと複合Ti系被覆層8の耐酸化性が低下してしまい、a(Al、Siの組成比)が0.7よりも多いと複合Ti系被覆層8の結晶構造が立方晶から六方晶に変化する傾向があり硬度が低下する。aの特に望ましい範囲は0.48≦a≦0.52である。また、b(MII組成比)が0.01よりも少ないと酸化開始温度が低くなってしまい、b(MII組成比)が0.4よりも多いと金属Mの一部が立方晶とは別の低硬度相として存在して複合Ti系被覆層8の硬度が低下する。bの特に望ましい範囲は0.01≦d≦0.08である。なお、金属MはNb、Mo、Ta、Hf、Yから選ばれる1種以上であるが、中でもNbまたはMoを含有することが耐摩耗性・耐酸化性に最も優れる点があるから望ましい。
なお、複合Ti系被覆層8の非金属成分のうちC、Nは切削工具に必要な硬度および靭性に優れたものであり、複合Ti系被覆層8の表面に発生するドロップレット(粗大粒子)を抑制するために、x(N組成比)の特に望ましい範囲は0.5≦x≦1である。ここで、本発明によれば、上記複合Ti系被覆層8の組成は、エネルギー分散型X線分析法(EDX)またはX線光電子分光分析法(XPS)にて測定できる。
また、すくい面2および切刃4の最表面から基体6側に向かってAlおよびSiOの少なくとも一方が連続的に減少していることが、被覆層7の剥離やそれに伴うチッピングが発生しにくい点で望ましい。なお、すくい面2および切刃4の最表面以外に複合Ti系被覆層8が含まれており、硬度も高くて十分な耐摩耗性を維持することができる。
さらに、被覆層7は、複合Ti系被覆層8と、AlN、周期表第4、5および6族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物のうち1つから選ばれる他の被覆層12との2層以上の多層構成とすることもできる。なお、被覆層7の膜厚(複合Ti系被覆層8と他の被覆層12との総膜厚)が0.5〜8.0μmであることが、複合Ti系被覆層8の膜剥離やチッピングを防止し、十分な耐摩耗性を維持することができるため望ましい。なお、焼入鋼加工用の切削工具として用いる場合には、被覆層7の厚みが0.5μm〜5μmであり、鋳鉄加工用の切削工具として用いる場合には、被覆層7の厚みが1μm〜3μmであることが望ましい。
一方、基体6をなすcBN(立方晶窒化硼素)焼結体は、硬質相をなすcBN(立方晶窒化硼素)粒子の周囲を連続した結合相マトリックス(以下、結合相と略す。)にて結合したものであって、cBN粒子と結合相の間にはcBN粒子と結合相を密着させる中間相が形成された構造からなる。
ここで、結合相は周期表第4、5および6族金属の群から選ばれる1種または2種以上の元素の炭化物(以下、炭化物と略す。)と、周期表第4、5および6族金属の群から選ばれる1種または2種以上の元素の窒化物(以下、窒化物と略す。)の両方が共存して存在した、すなわち結合相マトリックス中で炭化物と窒化物の各々がそれぞれ個々に独立して存在している組織をなしていることが望ましい。特に、炭化物として炭化チタン(TiC)、窒化物として窒化チタン(TiN)をcBN焼結体(基体6)中にそれぞれ存在させることがcBN焼結体(基体6)の靭性を高める点で望ましい。
なお、cBN焼結体(基体6)中の炭化物と窒化物の存在は、cBN焼結体(基体6)を鏡面研磨し、その研磨面を金属顕微鏡で倍率100〜1000倍にて観察することで確認できる。その際、TiNとTiCが存在する場合には、最も明るく見える部分がTiNであり、最も暗く見える部分がcBN粒子であり、2つの中間の明るさを持つ部分がTiCである、という様に確認することができる。また、その他の方法として、成分分析のマッピングを行うことで確認することもできる。例えば、EPMA(電子プローブ微小分析)分析のWDS(波長分散型X線分析)でマッピングを行う際には、炭素、窒素、硼素、金属元素成分でそれぞれマッピングを行うことで確認することができる。さらに、上記面積比率の算出は、金属顕微鏡像を画像解析することで容易に算出できる。
また、cBN粒子の粒径は、耐摩耗性、強度の点から0.2〜5.0μm、特に望ましくは0.5〜3.0μmの範囲にあることが望ましい。なお、cBNの粒径の測定は、CIS−019D−2005に規定された超硬合金の平均粒径の測定方法に準じて測定する。
また、cBN粒子の外周部に、周期表第4、5および6族金属、鉄族金属およびAlの群から選ばれる1種または2種以上の元素の金属間化合物、炭化物、窒化物、炭窒化物、硼化物、硼炭化物、硼窒化物、酸化物からなる中間相が存在することが、cBN粒子を強固に保持することができるため望ましい。
(製造方法)
次に、上述した工具の製造方法について説明する。
例えば、原料粉末として0.2〜3μmの範囲内の所定の平均粒径を有するcBN原料粉末、平均粒径0.2〜3μm、特に0.5〜3μmの周期表第4、5および6族金属から選ばれる1種または2種以上の元素の炭化物粉末、平均粒径0.2〜3μm、特に0.5〜3μmの周期表第4、5および6族金属から選ばれる1種または2種以上の元素の窒化物、および必要により平均粒径0.5〜5μmのAlあるいは鉄族金属の内の少なくとも一種の原料粉末を特定の組成に秤量し16〜72時間ボールミルにて粉砕混合する。なお、炭化物原料粉末および窒化物原料粉末の平均粒径のさらに望ましい範囲は1〜3μmである。
その後、必要があれば、所定形状に成形する。成形には、プレス成形、射出成形、鋳込み成形、押し出し成形等の周知の成形手段を用いることができる。
ついでこれを別途用意した超硬合金製裏打ち支持体と共に超高圧焼結装置に装入し、1200〜1600℃の範囲内の所定の温度に4〜6GPaの圧力下で10〜30分保持することによって、本発明の立方晶窒化硼素質焼結体を得る。このとき、周期表第4、5および6族金属の炭化物と周期表第4、5および6族金属の窒化物が個々に存在した構造を有するには、昇温および降温速度を毎分30〜50℃とし、1200〜1400℃の範囲内の所定の温度に5GPaの圧力下で加熱保持時間を10〜15分とするのが好ましい。
次に、基体6の表面に被覆層7を成膜する。複合Ti系被覆層8の成膜方法として、イオンプレーティング法やスパッタリング法等の物理蒸着(PVD)法が好適に適応可能である。成膜方法の一例についての詳細として、複合Ti系被覆層8をイオンプレーティング法で作製する場合について説明すると、例えば、金属チタン(Ti)、金属アルミニウム(Al)、金属シリコン(Si)、金属M(MはW、Nb、Mo、Ta、Hf、Yから選ばれる1種以上)をそれぞれ独立に含有する金属ターゲットまたは複合化した合金ターゲットに用い、アーク放電やグロー放電などにより金属源を蒸発させイオン化すると同時に、窒素源の窒素(N)ガスや炭素源のメタン(CH)/アセチレン(C)ガスと反応させて成膜する。また、成膜雰囲気として窒素(N)ガスとアルゴン(Ar)ガスを1〜10Paの割合で導入することによって、複合Ti系被覆層8の基体6に対する密着力と硬度が向上する。このとき、窒素(N)ガスとアルゴン(Ar)ガスの混合比は、窒素に対するアルゴンガス流量が1:9〜4:6の割合であることが、複合Ti系被覆層8の基体6に対する密着力と硬度を高めるために望ましい。
なお、イオンプレーティング法やスパッタリング法で複合Ti系被覆層8を成膜する際には、複合Ti系被覆層8の結晶構造および配向性を制御して高硬度な被覆層を作製できるとともに基体6との密着性を高めるために成膜時に30〜200Vのバイアス電圧を印加することが好ましい。
その後、本発明においては、すくい面および切刃における前記被覆層の表面にレーザーまたは電子ビームを照射して複合Ti系被覆層の一部を酸化する。具体的な条件としては、レーザーを用いた場合、例えば、半導体レーザー源を用いて、大気中にて出力1〜20Wで、レーザーの焦点距離、照射時間や照射回数を微調整しながら行う。
また、前記被覆層を酸化する範囲は複合Ti系被覆層の最表面から0.01〜3μmの深さ領域であることが、剥離することなくクレータ摩耗を抑制する点で望ましい。
平均粒径0.8μmのcBN原料粉末50体積%、平均粒径1.2μmのTiN原料粉末40体積%、1.5μmの金属Al原料粉末10体積%を調合し、この粉体を、アルミナ製ボールを用いたボールミルで15時間混合した。次に混合した粉体を圧力98MPaで加圧成形した。この成形体を、超高圧装置を用いて、50℃/分で昇温し、圧力5.0GPaで、1500℃で15分保持することにより焼成した後、50℃/分で降温することにより焼成してcBN質焼結体を得た。また、作製した焼結体からワイヤ放電加工によって所定の寸法に切り出し、超硬合金基体の切刃先端部に形成した切り込み段部にろう付けした。そして、このcBN焼結体の切刃に対してダイヤモンドホイールを用いて刃先処理(チャンファホーニング)を施した。
このようにして作製した基体(JIS・CNGA120408のスローアウェイチップ形状)に対してアークイオンプレーティング法により被覆層の成膜を行った。具体的な成膜方法は、上記基体をアークイオンプレーティング装置にセットし500℃に加熱した後、窒素ガスとアルゴンガスの混合ガス(窒素ガス:アルゴンガス=2:8)を総圧力2.5Pa導入した雰囲気中、アーク電流100A、バイアス電圧50V、加熱温度500℃として表1に示す組成の被覆層を成膜した。なお、被覆層の組成は、キーエンス社製走査型電子顕微鏡(VE8800)を用いて倍率500倍にて観察を行い、同装置に付随のEDAXアナライザ(AMETEK EDAX−VE9800)を用いて加速電圧15kVにてエネルギー分散型X線分光分析(EDX)法の一種であるZAF法により特定した。また、この方法で測定できなかった元素については、PHI社製X線光電子分光分析装置(Quantum2000)を用い、X線源はモノクロAlK(200μm、35W、15kV)を測定領域約200μmに照射して測定を行って定量化した。
そして、すくい面および切刃(チャンファ面)の表面にレーザーを照射して複合Ti系被覆層を酸化した。具体的な条件としては、半導体レーザー源を用いて、大気中、表1のレーザー出力にて、照射面の状態を観察しながら表2の酸化厚みとなるようにレーザーの走査速度および被覆層との焦点距離の変更をプログラム化して微調整を行いながらレーザーの照射を行った。
そして、被覆層の表面においてX線光電子分光分析(XPS)法によりAl、SiおよびO(酸素)の分析を行い、すくい面と逃げ面におけるAlとSiOの生成状態を比較するとともに酸化層の深さを確認した。結果は表2に示した。また、すくい面と逃げ面における被覆層の表面においてX線回折分析を行ったところ試料No.1、2および6においてはすくい面においてAlとSiOのピークが観察された。
次に、得られた溝入切削工具形状のスローアウェイチップ(切削工具)を用いて以下の切削条件にて切削試験を行った。結果は表2に合わせて示した。
切削方法:軽断続端面加工
被削材 :SCM435(浸炭焼入鋼:cスケールのロックウェル硬度(HRC)58〜62)、3個穴付き
切削速度:180m/min
送り :0.15mm/rev
切り込み:肩切り込み0.2mm、深さ切り込み0.4mm
切削状態:乾式
評価方法:50パス切削後のクレータ摩耗量およびフランク摩耗量を測定した。
Figure 0005004690
Figure 0005004690
表1、2に示されるように、被覆層の最表面に複合Ti系被覆層を被覆してレーザー照射を行わなかった試料No.10ではすくい面における耐酸化性が悪くてクレータ摩耗が大きいものであった。また、レーザー照射する際に被覆層の最表面がAlである試料No.9ではすくい面の表面ではAlの存在により耐酸化性が高いものであったが、逃げ面におけるフランク摩耗が大きいものであった。さらに、レーザー照射する際に被覆層の最表面がAlまたはSiを含有しない試料No.7、8ではレーザー照射によってもAlまたはSiOが析出せずすくい面における耐酸化性が低下してクレータ摩耗が大きいものであった。
これに対し、硬質層の組成が本発明の範囲内の試料No.1〜6では、耐酸化性が向上して優れた耐摩耗性を発揮するとともに耐欠損性も良好であり、その結果、工具寿命が長いものであった。
本発明の切削工具の一例を示し、(a)概略斜視図および(b)(a)のA−A断面図である。
符号の説明
1 切削工具(切削工具)
2 すくい面
3 逃げ面
4 切刃
6 基体(cBN焼結体)
7 被覆層
8 複合Ti系被覆層
9 酸化領域
10 チップ本体
11 裏打ち板
12 他の被覆層

Claims (1)

  1. 立方晶窒化硼素質焼結体からなる基体の表面に、(Ti1−a−b、MIa、MIIb)C1−x−y(ただし、MはAlおよびSiの1種以上、MIIはTi以外の周期表第4、5および6族金属から選ばれる1種以上、0.45≦a≦0.7、0≦b≦0.4、0≦x≦1、0≦y<1)で表される複合Ti系被覆層を被覆した後、該複合Ti系被覆層のすくい面および切刃における表面を、レーザーまたは電子ビームの照射によって酸化することを特徴とする切削工具の製造方法。
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