JP5713663B2 - 切削工具 - Google Patents

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Description

本発明は基体の表面に被覆層が成膜されている切削工具に関する。
現在、切削工具や耐摩部材、摺動部材といった耐摩耗性や摺動性、耐欠損性を必要とする部材では、超硬合金やサーメット等の焼結合金、ダイヤモンドやcBN(立方晶窒化硼素)の高硬度焼結体、アルミナや窒化珪素等のセラミックスからなる基体の表面に被覆層を成膜して、耐摩耗性、摺動性、耐欠損性、を向上させる手法が使われている。
また、上記物理蒸着法としてアークイオンプレーティング法やスパッタリング法を用いてTiやAlを主成分とする窒化物層が盛んに研究されており、工具寿命を延命させるための改良が続けられている。これら表面被覆工具は、切削速度の高速化を初めとする切削環境の変化、被削材の多様化に対応するため、被覆材料元素以外にも様々な工夫が施されてきている。
例えば、特許文献1では、基体の表面にTiAlN等の被膜を被覆した表面被覆工具において、Tiの比率をすくい面よりも逃げ面において高くして、すくい面における溶着や摩耗の進行を抑制できるとともに、逃げ面における境界損傷を抑制させることが記載されている。
さらに、特許文献2では、基材表面に(TiNbAl)N等の組成からなる皮膜を形成して、耐摩耗性を向上させることが開示され、特許文献3では、(TiAlNbSi)N等の組成を持ち、成膜方式を変えることによって、SiおよびNb含有量の異なる層を多層に積層した硬質皮膜が記載されている。
特開2008−264975号公報 特開平11−302831号公報 特開2005−199420号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたすくい面よりも逃げ面においてTiの比率を高くした構成でも、すくい面における被覆層の耐熱性と耐酸化性が不十分であり、かつ逃げ面においては耐欠損性が不十分であった。
また、特許文献2や特許文献3のように、TiAlNに第3の金属としてNbを含有させた組成においても、耐摩耗性は向上するものの更なる改善が必要であり、特に、被削材の溶着等によってチッピングや欠損または温度上昇による摩耗が急速に進行する場合があり、更なる耐摩耗性の向上が望まれていた。
本発明は前記課題を解決するためのものであり、その目的は、局所的に最適な切削性能を発揮できる被覆層を備えた切削工具を提供することにある。
本発明の切削工具は、すくい面と逃げ面との交差稜線に切刃を有して、基体の表面にT
AlNb(C1−x)(ただし、MはSi、W、Mo、Ta、Hf、Cr、ZrおよびYから選ばれる少なくとも1種、0.3≦a≦0.8、0≦b≦0.6、0.01≦d≦0.25、0≦e≦0.25、a+b+d+e=1、0≦x≦1)からなる被覆層を被覆し、前記すくい面における前記被覆層中のNbの含有比率が前記逃げ面における前記被覆層中のNbの含有比率よりも少ないものである。
ここで、前記すくい面における前記被覆層中のNbの含有比率Nbと前記逃げ面における前記被覆層中のNbの含有比率Nbとの比(Nb/Nb)が0.70〜0.90であってもよい。
本発明の切削工具によれば、すくい面のほうが逃げ面に比べてNbの含有比率が低いので、ドライ加工においてすくい面における溶着を防止できて切屑排出性が高くなる。また、逃げ面のほうがすくい面に比べてNbの含有比率が高いので、逃げ面における被覆層の硬度が向上して、高硬度の被削材の加工やドライ加工における逃げ面での境界摩耗およびそれに起因する欠損を抑制できる。
本発明の切削工具の一例を示し、(a)概略斜視図、(b)(a)のX−X断面図である。
本発明の切削工具についての好適な実施態様例である図1((a)概略斜視図、(b)(a)のX−X断面図)を用いて説明する。
図1によれば、切削工具1は、主面にすくい面3を、側面に逃げ面4を、すくい面3と逃げ面4との交差稜線に切刃5を有し、基体2の表面に被覆層6を成膜した構成となっている。
そして、基体2の表面に、TiAlNb(C1−x)(ただし、MはSi、W、Mo、Ta、Hf、Cr、ZrおよびYから選ばれる少なくとも1種、0.25≦a≦0.8、0≦b≦0.6、0.01≦d≦0.3、0≦e≦0.25、a+b+d+e=1、0≦x≦1)からなる被覆層6を被覆し、かつ、すくい面3における被覆層6のNb含有量が逃げ面4における被覆層6のNb含有量よりも少ない構成となっている。この構成により、ドライ加工においてすくい面3における溶着を防止できて切屑排出性が高くなる。また、逃げ面4における被覆層6の硬度が向上して、高硬度の被削材の加工やドライ加工における逃げ面4での境界摩耗およびそれに起因する欠損を抑制できる。すくい面3における被覆層6中のNbの含有比率Nbと逃げ面4における被覆層6中のNbの含有比率Nbとの比(Nb/Nb)が0.70〜0.90であることが逃げ面における境界摩耗の進行を抑制する点で望ましい。
なお、被覆層6を上記組成範囲とすることによって、被覆層6は酸化開始温度が高くなって耐酸化性が高くかつ内在する内部応力を低減することができて耐欠損性が高い。しかも、被覆層6は硬度および基体2との密着性も高いものであるので、被覆層6は高硬度の被削材の加工や、乾式切削、高速切削等のきつい切削条件における耐摩耗性および耐欠損性に優れたものとなる。
すなわち、被覆層6において、a(Ti組成比率)が0.25より小さいと、被覆層6の結晶構造が立法晶から六法晶へ変化し硬度が低下するため、耐摩耗性が低下する。a(Ti組成比率)が0.8より大きいと、被覆層6の耐酸化性および耐熱性が低下する。a
の特に望ましい範囲は0.45≦a≦0.5である。また、b(Al組成比)が0.6よりも大きいと被覆層6の結晶構造が立方晶から六方晶に変化する傾向があり硬度が低下する。bの特に望ましい範囲は0.48≦b≦0.52である。また、d(金属Nb組成比率)が0.01よりも小さいと被覆層6の耐酸化性が低下して耐摩耗性が低下する。d(
金属Nb組成比率)が0.3よりも大きいと被覆層6の耐酸化性又は硬度が低下による耐
摩耗性が低下する。dの特に望ましい範囲は0.04≦d≦0.15である。さらに、e(金属M組成比率)が0.25よりも大きいと被覆層6の耐酸化性又は硬度の低下による
耐摩耗性が低下する。dの特に望ましい範囲は0.03≦d≦0.22である。
なお、金属MはSi、W、Mo、Ta、Hf、Cr、ZrおよびYから選ばれる少なくとも1種であるが、中でもSi又はWを含有することが硬度に優れる点から望ましく、NbまたはMoを含有することが耐摩耗性・耐酸化性に最も優れる点から望ましい。
また、被覆層6の非金属成分であるC、Nは切削工具に必要な硬度および靭性に優れたものであり、x(N組成比率)の特に望ましい範囲は0.9≦x≦1である。ここで、本発明によれば、上記被覆層6の組成は、エネルギー分散型X線分光分析法(EDX)またはX線光電子分光分析法(XPS)にて測定できる。
表面被覆層6の成膜方法としてはイオンプレーティング法やスパッタリング法等の物理蒸着(PVD)法が適応可能であり、特に、耐熱性の高い被覆層を形成するためにアークイオンプレーティング法が好適に用いられる。
なお、基体2としては、炭化タングステンや炭窒化チタンを主成分とする硬質相とコバルト、ニッケル等の鉄族金属を主成分とする結合相とからなる超硬合金やサーメットの硬質合金、窒化ケイ素や酸化アルミニウムを主成分とするセラミックス、多結晶ダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素からなる硬質相とセラミックスや鉄族金属等の結合相とを超高圧下で焼成する超高圧焼結体等の硬質材料が好適に使用される。
(製造方法)
次に、本発明の切削工具の製造方法について説明する。
まず、工具形状の基体を従来公知の方法を用いて作製する。次に、基体の表面に、被覆層を成膜する。被覆層の成膜方法として、イオンプレーティング法やスパッタリング法等の物理蒸着(PVD)法が好適に適応可能である。成膜方法の一例についての詳細について説明すると、被覆層をイオンプレーティング法で作製する場合には、金属チタン(Ti)、金属アルミニウム(Al)、金属ニオブ(Nb)、および所定の金属M(ただし、MはSi、W、Mo、Ta、Hf、Cr、ZrおよびYから選ばれる少なくとも1種)をそれぞれ独立に含有する金属ターゲット、複合化した合金ターゲットまたは焼結体ターゲットを用い、チャンバの側壁面位置にセットする。
このとき、本発明によれば、メインターゲットをチャンバの側面にセットし、かつ他の金属に比べてNbの含有比率が多いターゲットをチャンバの上面に、他の金属の含有比率が高いターゲットをチャンバの側面にセットし、各々のターゲットにアーク電流を流して成膜する。その結果、成膜された被覆層の組成を本発明の構成とすることができる。
成膜条件としては、これらのターゲットを用いて、アーク放電やグロー放電などにより金属源を蒸発させイオン化すると同時に、窒素源の窒素(N)ガスや炭素源のメタン(CH)/アセチレン(C)ガスと反応させるイオンプレーティング法またはスパッタリング法によって被覆層およびドロップレットを成膜する。このとき、基体のセット位置はすくい面がチャンバの側面とほぼ平行に、かつ逃げ面がチャンバの上面とほぼ平行な向きにセットする。この時、メインターゲットには100〜200A、上面のNb成分
を多く含有するサブターゲットには80〜200Aのアーク電流を流す。
なお、イオンプレーティング法やスパッタリング法で上記被覆層を成膜する際には、被覆層の結晶構造を考慮して高硬度な被覆層を作製できるとともに基体との密着性を高めるために35〜200Vのバイアス電圧を印加することが好ましい。
平均粒径0.8μmの炭化タングステン(WC)粉末を主成分として、平均粒径1.2μmの金属コバルト(Co)粉末を10質量%、平均粒径1.0μmの炭化バナジウム(VC)粉末を0.1質量%、平均粒径1.0μmの炭化クロム(Cr)粉末を0.3質量%の割合で添加し混合して、プレス成形によりスローアウェイチップ形状に成形した後、脱バインダ処理を施し、0.01Paの真空中、1450℃で1時間焼成して超硬合金を作製した。また、各試料のすくい面表面をブラスト加工、ブラシ加工等によって研磨加工した。さらに、作製した超硬合金にブラシ加工にて刃先処理(ホーニング)を施した。
このようにして作製した基体に対して、表1に示すバイアス電圧を印加し、メインターゲット、上面のサブターゲットに対して所定のアーク電流をそれぞれ流しながら、成膜温度540℃として表1に示す組成の被覆層を成膜した。
得られた試料に対して、被覆層の表面のすくい面および逃げ面の各面の任意3箇所を観察し、1視野のうちの10μm×10μmの任意領域における組成をエネルギー分散分光分析(EDS)(アメテック社製EDAX)によって測定し、これらの平均値を被覆層のすくい面、逃げ面の組成として算出した。結果は表1に示した。
次に、得られた切削工具BDMT11T308ER-JT形状のスローアウェイチップを用いて以下の
切削条件にて切削試験を行った。結果は表2に示した。
切削方法:外径旋削加工
被削材 :SKD11(サイズ:110mm×170mm×260mm〕
切削速度:120m/分
送り :0.12mm/rev
切り込み(縦):2.0mm
切り込み(横):12.5mm
切削状態:乾式切削
評価方法:工具寿命まで加工できた加工数を確認し、そのときの切刃の状態を確認した。
表1、2に示す結果より、すくい面のNbの含有比率が逃げ面のNbの含有比率よりも多い試料No.8、および同じ試料No.9では、逃げ面での境界摩耗が早期に進行して早期に欠損工至った。また、切刃にはすくい面における溶着も多かった。
これに対して、本発明の範囲内である試料No.1〜7では、加工数が多くて良好な切削性能を発揮した。
1 切削工具
2 基体
3 すくい面
4 逃げ面
5 切刃
6 被覆層

Claims (2)

  1. すくい面と逃げ面との交差稜線に切刃を有して、基体の表面にTiAlNb(C1−x)(ただし、MはSi、W、Mo、Ta、Hf、Cr、ZrおよびYから選ばれる少なくとも1種、0.25≦a≦0.8、0≦b≦0.6、0.03≦d≦0.3、0≦e≦0.25、a+b+d+e=1、0≦x≦1)からなる被覆層を被覆し、前記すくい面における前記被覆層中のNbの含有比率Nb 前記逃げ面における前記被覆層中のNbの含有比率Nb との比(Nb /Nb )が0.62〜0.93である切削工具。
  2. 前記すくい面における前記被覆層中のNbの含有比率Nbと前記逃げ面における前記被覆層中のNbの含有比率Nbとの比(Nb/Nb)が0.70〜0.90である請求項1記載の切削工具。
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