JP5004381B2 - 口腔用組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は口腔用組成物に関し、より詳しくは非水系口腔用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯磨剤等の口腔用組成物には、機能・効能の付与を目的として、製剤に種々の有効成分を配合することがあり、有効成分としてはフッ化物、殺菌成分、抗炎症成分、歯石の沈着防止成分、止血剤等が挙げられる。しかし、これら有効成分には水存在下で不安定なものもあり、通常の水を含有した歯磨剤等の口腔用組成物には安定配合が出来ないことがある。
このようなことから、非水系口腔用組成物用基剤の検討がなされている。非水系口腔用組成物用基剤の例としては以下のような種類がある。
▲1▼ ポリエチレン末やポリエチレンワックス等を、流動パラフィンやスクワラン等に溶解して得られる基剤。
▲2▼ カルボキシビニルポリマー、寒天、ゼラチン、ポリビニルピロリドン等を、濃グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等に溶解して得られる基剤。
▲3▼ 平均分子量の異なるポリエチレングリコール2種類以上からなる基剤。
【0003】
非水系口腔用組成物は、水の代わりに他の溶剤を多量に含有するため、苦味、渋味、えぐみなど味に難がある場合が多い。また歯磨剤中に発泡剤の配合を行っても、充分な泡立ちを示さないことも多い。これは口腔用組成物中に水が存在しないため、発泡剤が口腔内の僅かな水分のみにしか溶解できず、歯磨剤中に配合した発泡剤全量が溶解できないことによる。
歯磨剤等の口腔用組成物にとって、歯磨き中の適度な泡立ちは、研磨剤や薬用成分、香味成分等をすばやく口腔内のすみずみまで分散させるための重要な因子である。よって、苦みなどがなく適度な発泡性があって薬用成分などを口腔内に分散させることができる非水系口腔用組成物が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、使用時に苦みやえぐみが少なく且つ適度な発泡性があって、薬用成分などを口腔内のすみずみに分散させることのできる非水系口腔用組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、水を含まないか又は殆ど含まない歯磨剤等の口腔用組成物において、重曹を配合することで、苦味、渋味及びえぐみが改善され、泡立ちの優れた口腔用組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
従って本発明は、非水系口腔用組成物用基剤及び重曹を含有することを特徴とする口腔用組成物に関する。また、常温で固体の酸性成分を更に配合することで、苦味、渋味及びえぐみがより改善され、泡立ちもより向上した口腔用組成物が得られることを見出した。従って本発明はまた、常温で固体の酸性成分をさらに含有する上記口腔用組成物に関する。
本発明の好ましい実施態様としては、薬用成分としてフッ化物、殺菌成分、抗炎症成分、歯石の沈着防止成分及びε−アミノカプロン酸から選ばれる少なくとも1種をさらに含有する口腔用組成物が挙げられる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本明細書中でいう、非水系口腔用組成物とは、口腔用組成物全体に対する水の含有量が0〜2質量%、好ましくは0〜1質量%、より好ましくは水を全く含有しない口腔用組成物を意味する。非水系口腔用組成物の製造に適した基剤を非水系口腔用組成物用基剤と称する。
本明細書中でいう口腔用組成物とは、練歯磨剤、液状歯磨剤及び潤製歯磨剤などの歯磨剤類、クリーム剤、軟膏剤、添付剤、口中清涼剤、洗口剤、チューインガム又はうがい薬などを包含する。本発明の口腔用組成物は望ましくは、非水系口腔用組成物に向けられている。
【0007】
本発明の口腔用組成物に使用する非水系口腔用組成物用基剤の具体例としては、以下の▲1▼〜▲3▼がある。
▲1▼ ポリエチレン末及びポリエチレンワックスから選ばれる少なくとも1種を、流動パラフィン、スクワラン及びスクワレンから選ばれる少なくとも1種に溶解して得られる基剤。
ポリエチレン末とは、エチレンを重合して得られるポリエチレンの粉末或いはフレーク状固形物のことである。ポリエチレンワックスとは、エチレンを重合して得られる低融点のポリエチレンの塊、粉末或いはフレーク状の固形物のことである。このようなポリエチレン末及びポリエチレンワックスは、医薬品や化粧品をはじめ、食品、雑貨品、塗料工業、建築材料、石油化学工業など広く一般的に使用されるものである。本発明においては市販品を用いることができる。市販品として例えば、サンワックス(三洋化成工業)、エポーレン(長瀬産業)などがある。
【0008】
流動パラフィンとは、石油から得た液状炭化水素類の混合物のことであり、石油の潤滑油留分を高度に精製して得たものである。このような流動パラフィンは医薬品や化粧品をはじめ、雑貨品、塗料工業、建築材料、石油化学工業など広く一般的に使用されるものである。本発明においては市販品を用いることができる。市販品として例えば、流動パラフィン(中央化成)などがある。
スクワランとは、アイザメ他、主として深海にすむサメ類の肝油から得た炭化水素を還元して得られる飽和炭化水素で、主成分はスクワラン(C3062)である。このようなスクワランは医薬品や化粧品をはじめ、食品、雑貨品、石油化学工業など広く一般的に使用されるものである。本発明においては市販品を用いることができる。市販品として例えば、NIKKOLスクワラン(日光ケミカル)などがある。
スクワレンとは、サメ類の肝油をけん化し、不けん化物を減圧蒸留して得られる物質である。このようなスクワレンは医薬品や化粧品をはじめ、食品、雑貨品、石油化学工業、塗料工業など広く一般的に使用されるものである。本発明においては市販品を用いることができる。市販品として例えば、NIKKOLスクワレンEX(日光ケミカル)などがある。
【0009】
ポリエチレン末及びポリエチレンワックスの少なくとも1種の口腔用組成物における含有量は、口腔用組成物の全質量に対して0.1〜30質量%が適当であり、好ましくは1〜10質量%である。この量が0.1質量%未満であると期待される粘着性が発揮されず、一方30質量%を超えると使用性を損なう場合がある。
流動パラフィン、スクワラン及びスクワレンから選ばれる少なくとも1種の口腔用組成物における含有量は、口腔用組成物の全質量に対して1〜60質量%が適当であり、好ましくは10〜30質量%である。この量が1質量%未満であると期待される粘着性が発揮されず、一方60質量%を超えると使用性を損なう場合がある。
【0010】
▲2▼ カルボキシビニルポリマー、寒天、ゼラチン及びポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種を、濃グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール及びポリエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種に溶解して得られる基剤。
カルボキシビニルポリマーは酸性高分子化合物であり、アクリル酸の重合体である。このようなカルボキシビニルポリマーは医薬品や化粧品を始め、インキ工業、保護塗料、飲料清澄剤、接着剤、農芸化学、プラスティック工業などに広く一般的に使用されるものであり、本発明においてはこれらに使用されている市販品を用いることができる。市販品としてはカーボポール(BF Goodrich製)、ジェロン(日本純薬製)などがある。
【0011】
寒天は、マクサ(テングサ)、その他同属植物又は諸種紅そう類から得た粘液を凍結脱水したものである。寒天の形態としては、半透明な白色粉末、粒又は細片で、四面柱体、綿状又はりん片状の細片などがある。このような寒天は食品や化粧品をはじめ、医薬品、雑貨品など広く一般的に使用されるものである。本発明においては市販品を用いることができる。
ゼラチンとは、動物の骨、皮膚、じん帯又は腱を酸又はアルカリで処理して得られる粗コラーゲンを水で加熱抽出して製したものである。ゼラチンの形態には粉末、薄片、細片及び粒などがある。このようなゼラチンは食品や化粧品をはじめ、医薬品、雑貨品など広く一般的に使用されるものである。本発明においては市販品を用いることができる。
【0012】
ポリビニルピロリドンはアセチレンの高圧合成法レッペ反応による合成化合物の一種であり、ビニルピロリドンの直鎖重合体である。また、重合反応の触媒量、温度、時間などにより本品の分子量は10,000〜700,000程度まで存在する。本発明では数平均分子量10,000〜360,000のポリビニルピロリドンを1種あるいは2種以上を使用することができる。すなわち平均分子量が異なるものを2種以上使用してもよい。平均分子量が10,000に満たないものは、期待される効果が発揮されず、一方平均分子量が360,000を超えるものは剤形上配合が困難となる。このようなポリビニルピロリドンは、医薬品や化粧品を始め、織物、紙業、印刷、インキ工業、保護塗料、飲料清澄剤、接着剤、農芸化学、プラスティック工業などに広く一般的に使用されるものであり、本発明においてこれらの市販品を用いることができる。
【0013】
基剤に用いる濃グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールは、医薬品や化粧品をはじめ、食品、雑貨品、石油化学工業、塗料工業など広く一般的に使用されるものである。本発明においては市販品を用いることができる。特に好ましく使用できるのは、濃グリセリン、ジグリセリンである。
カルボキシビニルポリマー、寒天、ゼラチン及びポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の口腔用組成物における含有量は、口腔用組成物の全質量に対して0.1〜15質量%が適当であり、好ましくは1〜10質量%である。この量が0.1質量%未満であると期待される粘着性が得られず、一方15質量%を超えると使用性を損なう場合がある。
濃グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール及びポリエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種の口腔用組成物における含有量は、口腔用組成物の全質量に対して10〜70質量%が適当であり、好ましくは20〜60質量%である。この量が10質量%未満あるいは70質量%を超えると、使用性を損なう場合がある。
【0014】
▲3▼ 平均分子量の異なるポリエチレングリコール2種類以上からなる基剤。
ポリエチレングリコールは、水又はエチレングリコールに酸化エチレンを付加させた重合体で、H(OCH2CH2)nOHで表される。この重合体は酸化エチレンの付加量によって液状の低分子量のものから固体の高分子量のものまで各種分子量の重合物ができ、その生成物は種々の重合度のものが混合している。ポリエチレングリコールはその平均分子量をもって分類され、200〜20000程度まで存在する。平均分子量が200〜600程度までは常温で液体であり、600〜20000程度までは常温で固体である。常温で液体のものと固体のものを混合するとペースト状となる。従って、ペースト状を形成するように、常温で液体である平均分子量200〜600の範囲から少なくとも1種と、常温で固体である平均分子量600〜20000の範囲から少なくとも1種とを使用することが望ましい。口腔用組成物における、平均分子量の異なるポリエチレングリコールの少なくとも2種以上の含有量は、口腔用組成物の全質量に対して10〜70質量%が適当であり、好ましくは20〜60質量%である。この量が10質量%未満又は70質量%を超えると適当な粘着性を発揮しない。また、ポリエチレングリコールは医薬品や化粧品をはじめ、繊維、ゴム、接着剤、金属、窯業、石油、印刷、インキ工業などに広く一般的に使用されるものであり、本発明においてこれらに使用されている市販品を用いることができる。
【0015】
本発明の口腔用組成物に用いる重曹は、医薬品や化粧品をはじめ、食品、雑貨品、農芸用品など広く一般的に使用されるものであり、本発明においてはこれらに使用されている市販品を用いることができる。重曹は炭酸水素ナトリウム、重炭酸ソーダとも言う。
本発明の口腔用組成物における重曹の含有量は、口腔用組成物の全質量に対して1〜50質量%程度が適当であり、好ましくは5〜30質量%であり、より好ましくは10〜25質量%である。この量が1質量%未満であると、期待される効果が発揮されず、一方50質量%を越えると、含有量に見合った効果が得られず使用性を損ねる場合がある。
【0016】
本発明の口腔用組成物には更に、常温で固体の酸性成分を含有させることができる。この常温で固体の酸性成分は、重曹とともに口腔内の水分によって溶解し反応して炭酸ガスを発生するものである。この炭酸ガスによって発泡性がより向上する。なお、容器内において口腔用組成物には殆ど或いは全く水が存在しないため、上記反応は起こらない。常温で固体の酸性成分の具体例にはクエン酸、コハク酸、乳酸アルミニウム、乳酸カルシウム、アジピン酸及びリンゴ酸などがあり、これらの少なくとも1種を用いる。これらは、医薬品や化粧品など広く一般的に使用されるものであり、本発明においては市販品を用いることができる。また、固体の酸性成分が粒状、ブロック状である場合は粉砕し粉末状にして使用することができる。固体の酸性成分としては、クエン酸及び乳酸アルミニウムが中でも好適である。
本発明の口腔用組成物における上記酸性成分の含有量は、口腔用組成物の全質量に対して0.01〜10質量%が適当であり、好ましくは0.1〜5質量%である。
【0017】
また、本発明の口腔用組成物にはフッ化物、殺菌成分、抗炎症成分、歯石の沈着防止成分及びε−アミノカプロン酸から選ばれる少なくとも1種を含有させることができる。
フッ化物の具体例として、フッ化ナトリウム、モノフルオロホスフェート、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化錫等があり、これらから少なくとも1種を用いることができる。これらのフッ化物は医薬品や化粧品など広く一般的に使用されるものである。本発明においては市販品を用いることができる。
本発明の口腔用組成物におけるフッ化物含有量は、口腔用組成物の全質量に対して0.01〜3質量%が適当であり、好ましくは歯磨剤等の口腔用組成物中にフッ素として100〜1000ppmの含有量である。フッ化物としては、中でもフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムが好適である。
【0018】
殺菌成分としては、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、トリクロサン、ヒノキチオール、銅クロロフィリンナトリウム、塩化リゾチームなどがあり、これらから少なくとも1種を用いることができる。これらの殺菌成分は、医薬品や化粧品など広く一般的に使用されるものである。本発明においては市販品を用いることができる。
本発明の口腔用組成物における殺菌成分の含有量は、口腔用組成物の全質量に対して0.001〜1質量%であり、より好ましくは0.01〜0.5質量%である。この量が0.001質量%未満であると、期待される効果が発揮されず、一方1質量%を越えると、含有量に見合った効果が得られず使用性を損ねる場合がある。殺菌成分の中でも、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、ヒノキチオール及び塩化リゾチームが好適である。
【0019】
抗炎症成分として、アズレンスルホン酸ナトリウム、アラントイン、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸塩類、β−グリチルレチン酸、塩酸ピリドキシン、酢酸トコフェロールなどがあり、これらから少なくとも1種を用いることができる。これらは、医薬品や化粧品など広く一般的に使用されるものである。本発明においては市販品を用いることができる。
本発明の口腔用組成物における抗炎症成分の含有量は、口腔用組成物の全質量に対して0.001〜5質量%であり、より好ましくは0.01〜3質量%である。この量が0.001質量%未満であると、期待される効果が発揮されず、一方5質量%を越えると、含有量に見合った効果が得られず使用性を損ねる場合がある。抗炎症成分の中でも、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸塩類、β−グリチルレチン酸及び酢酸トコフェロールが好適である。
【0020】
歯石の沈着防止成分の具体例として、ゼオライト、ピロリン酸ナトリウム及びポリリン酸ナトリウム等があり、これらから少なくとも1種を用いることができる。これらは医薬品や化粧品など広く一般的に使用されるものである。本発明においては市販品を用いることができる。
本発明の口腔用組成物における歯石の沈着防止成分の含有量は、口腔用組成物の全質量に対して0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.1〜10質量%である。この量が0.01質量%未満であると、期待される効果が発揮されず、一方20質量%を越えると、含有量に見合った効果が得られず使用性を損ねる場合がある。歯石の沈着除去成分の中でも、ゼオライトが好適である。
【0021】
ε−アミノカプロン酸は、抗プラスミン効果、止血効果、抗炎症効果を有し、化粧品や医薬品をはじめ、食品、農芸用品など広く一般的に使用されるものである。本発明においては市販品を用いることができる。
本発明の口腔用組成物におけるε−アミノカプロン酸の含有量は、口腔用組成物の全質量に対して0.001〜1質量%が適当であり、好ましくは0.006〜0.2質量%である。この量が0.006質量%未満であると、期待される効果が発揮されず、一方0.2質量%を越えると、含有量に見合った効果が得られず使用性を損ねる場合がある。
本発明の口腔用組成物には、これらフッ化物、殺菌成分、抗炎症成分、歯石の沈着防止成分及びε−アミノカプロン酸から1種単独、又は2種以上を用いることができる。
【0022】
本発明の口腔用組成物にはその種類に応じて、上記成分に加えて、必要により以下の成分を通常の使用量の範囲内で配合することができる。
<研磨剤>
シリカゲル、沈降性シリカ、火成性シリカ、含水ケイ酸、無水ケイ酸、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤、第二リン酸カルシウム二水和物、第二リン酸カルシウム無水和物、ピロリン酸カルシウム、第三リン酸マグネシウム、第三リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、合成樹脂系研磨剤などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。上記研磨剤の配合量は、組成物全体に対して3〜60質量%が好ましく、より好ましくは10〜45質量%である。
【0023】
<湿潤剤>
グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、ソルビット、マルチトール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、キシリトール等の多価アルコール等の1種または2種以上を使用することができる。
<発泡剤>
ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸モノグリセリンスルホン酸ナトリウム、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム、N-アシルグルタメート等のN-アシルアミノ酸塩、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、マルチトール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0024】
<甘味剤>
サッカリンナトリウム、アスパルテーム、トレハロース、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン等。
<防腐剤>
メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラベン類、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等。
【0025】
<香料成分>
l-メントール、アネトール、メントン、シネオール、リモネン、カルボン、メチルサリシレート、エチルブチレート、オイゲノール、チモール、シンナミックアルデヒド、トランス-2-ヘキセナールなどの中から1種または2種以上を併用して用いることができる。これらの成分は単品で配合してもよいが、これらを含有する精油等を配合してもよい。
また、上記香料成分に加え、脂肪族アルコールやそのエステル、テルペン系炭化水素、フェノールエーテル、アルデヒド、ケトン、ラクトン等の香料成分、精油を本発明の効果を妨げない範囲で配合してもよい。上記香料の配合量は、組成物全体に対して0.02〜2質量%とすることが好ましい。
【0026】
<その他>
青色1号等の色素、酸化チタン等の顔料、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、チャ乾留液、グルタミン酸ナトリウム等の矯味剤など。
本発明の口腔用組成物にはその種類に応じて、水を2質量%未満の範囲で配合した場合、上記成分に加えて、必要により以下の粘結剤を配合することもできる。
<粘結剤>
カラギーナン(ι、λ、κ)、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルシウム含有アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩及びその誘導体、キサンタンガム、グァーガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0027】
上記成分を組み合わせた口腔用組成物は、常法に準じて製造できるものであり、その製法は特に限定されるものではない。また、得られた練歯磨剤等の口腔用組成物は、アルミニウムチューブ、ラミネートチューブ、ガラス蒸着チューブ、プラスチックチューブ、プラスチックボトル、エアゾール容器等に充填されて使用することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明の口腔用組成物は、非水系口腔用組成物用基剤に特有の苦み、渋味、えぐみが緩和されていて、且つ発泡性が高く薬用成分の口腔内への分散性に優れたものである。
【0029】
【実施例】
以下、実験例及び比較例により、本発明を詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
表1に示す組成(単位:質量%)にて常法により各種練歯磨剤を調製し、以下の試験に供した。
【0030】
<モニター試験>
モニター10名により下記の評価基準に基づいて、使用感についての官能評価を行った。結果を表1にあわせて示す。
「評価基準」
(1)歯みがき中の苦味、渋味、えぐみについて:感覚で評価。
4点・・・・・全く苦味、渋味、えぐみを感じない。
3点・・・・・少し苦味、渋味、えぐみを感じるが気にならない。
2点・・・・・苦味、渋味、えぐみを感じ、若干使用性が悪い。
1点・・・・・苦味、渋味、えぐみを強く感じ、使用性が非常に悪い。
(2):歯みがき後の苦味、渋味、えぐみについて:感覚で評価。
4点・・・・・全く苦味、渋味、えぐみは残らない。
3点・・・・・少し苦味、渋味、えぐみが残るが気にならない。
2点・・・・・苦味、渋味、えぐみが残り、若干後味が悪い。
1点・・・・・苦味、渋味、えぐみが残り、後味が非常に悪い。
【0031】
(3):発泡力について:感覚で評価。
4点・・・・・非常に泡立ちが良い。
3点・・・・・普通の泡立ちである。
2点・・・・・若干泡立ちが悪い。
1点・・・・・全く泡立ちが無い。
なお評価については、10名の平均値を求め、下記の3段階で行った。
4≦○≦3
3<△≦2
2<×≦1
【0032】
【表1】
Figure 0005004381
【0033】
以上の実験結果から、本発明の口腔用組成物が苦味、渋味、えぐみがなく、発泡性に優れていることが分かった。また下記の実施例5〜8の口腔用組成物についても上記の実験を行ったところ、上記と同様な結果が得られた。以下、実施例5〜8を示す。
【0034】
【実施例5】
練歯磨剤の調製
Figure 0005004381
【0035】
【実施例6】
練歯磨剤の調製
Figure 0005004381
【0036】
【実施例7】
練歯磨剤の調製
Figure 0005004381
【0037】
【実施例8】
練歯磨剤の調製
Figure 0005004381

Claims (6)

  1. 非水系口腔用組成物用基剤、重曹及び常温で固体の酸性成分を含有する口腔用組成物であって、該酸性成分が乳酸アルミニウム又はクエン酸であり、重曹を1〜50質量%、及び酸性成分を0.1〜5質量%含有し、
    非水系口腔用組成物用基剤が、寒天、ゼラチン及びポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種を、濃グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール及びポリエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種に溶解して得られる基剤である、口腔用組成物。
  2. フッ化物、殺菌成分、抗炎症成分、歯石の沈着防止成分、及びε−アミノカプロン酸から選ばれる少なくとも1種をさらに含有する請求項1記載の口腔用組成物。
  3. フッ化物がフッ化ナトリウム、モノフルオロホスフェート、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム及びフッ化錫から選ばれる少なくとも1種である請求項記載の口腔用組成物。
  4. 殺菌成分がイソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、トリクロサン、ヒノキチオール、銅クロロフィリンナトリウム及び塩化リゾチームから選ばれる少なくとも1種である請求項記載の口腔用組成物。
  5. 抗炎症成分がアズレンスルホン酸ナトリウム、アラントイン、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸塩類、β−グリチルレチン酸、塩酸ピリドキシン及び酢酸トコフェロールから選ばれる少なくとも1種である請求項記載の口腔用組成物。
  6. 歯石の沈着防止成分がゼオライト、ピロリン酸ナトリウム及びポリリン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種である請求項記載の口腔用組成物。
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