本明細書で用いられる場合、「本発明の化合物」又は「A、B、C、D、E、F、G及びHから選択される化合物」は、A、B、C、D、E、F、G及びH、又はA、B、C、D、E、F、G及びHから選択される鏡像異性的に富化した化合物、或いはそれらの医薬上許容される塩若しくは溶媒和物から選択される化合物を意味する。
本明細書で用いられる場合、「A−1、B−1、C−1、D−1、E−1、F−1、G−1及びH−1から選択される化合物」は、A−1、B−1、C−1、D−1、E−1、F−1、G−1及びH−1又はそれらの医薬上許容される塩若しくは溶媒和物から選択される化合物を意味する。
本明細書で用いられる場合、「場合により」という用語は、その次に記載される事象が生じてもよく又は生じなくてもよいことを意味し、そして生じる事象及び生じない事象の両者を包含する。
本発明の化合物は立体異性体の形態で存在する(例えば、それらは1個又はそれ以上のキラル又は不斉炭素原子を含有する)。「キラル」という用語は、その鏡像の上に重ね合わせることができない分子を指す。「アキラル」という用語は、その鏡像の上に重ね合わせることができる分子を指す。
「立体異性体」という用語は、共通の化学構造を有するが、原子又は基の空間配置が異なる化合物を指す。立体異性体は光学異性体又は幾何異性体であってよい。光学異性体は鏡像体及びジアステレオマーの両者を包含する。ある「鏡像体」は、キラル炭素原子を含有する1対の光学異性体の一方であって、その分子立体配置は左手及び右手(キラル)の形を有する。すなわち、「鏡像体」は、ある化合物の1対の光学異性体のそれぞれであって、それらが相互の重ね合わせることができない鏡像であるものを指す。ある「ジアステレオマー」は、2個又はそれ以上の非対称中心を有する化合物の1対の光学異性体の一方であって、その分子が相互の鏡像でないものである。キラル中心の命名法は (R)−(S)表示体系に支配される。特定の化合物がこの体系により「R」又は「S」鏡像体と指定されるかどうかは、キラル炭素原子に結合している原子及び基の性質に依存する。
鏡像体は平面偏光に対するそれらの挙動、すなわちそれらの光学活性が異なる。平面偏光を時計回り方向に回転させる鏡像体は右旋性と言われ、そして記号「d」又は正回転のために「(+)」で示される。平面偏光を反時計回り方向に回転させる鏡像体は左旋性と言われ、そして記号「l」又は逆回転のために「(−)」で示される。鏡像体の立体配置とそれらが平面偏光を回転させる方向との間には相関関係がない。(R)及び(S)表示と平面偏光の回転方向との間にも、必然的な相関関係はない。本発明の化合物の鏡像体の光学活性、すなわち平面偏光の回転方向は、従来技術を用いて決定することができる。
本明細書で用いられる「ラセミ体」及び「ラセミ混合物」という用語は、ある化合物の(R)−及び(S)−光学異性体(例えば鏡像体)の均等な、すなわち50:50の比率にある混合物を指す。
本明細書で用いられる「鏡像異性的に富化した」という用語は、一方の鏡像体の量が他方の量より多い光学異性体の混合物を含む調製物を指す。従って、「鏡像異性的に富化した」は、鏡像体の割合が50:50より大きい光学異性体の混合物を指す。鏡像異性的に富化した化合物は、一方の鏡像体を他方に対して50重量 % より多く含む。例えば鏡像異性的に富化した 5−{6−[(メチルスルホニル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボキサミドは、その化合物の(S)−鏡像体に対して50重量 % より多い(R)−鏡像体を含む組成物を指す。一つの実施形態において、鏡像異性的に富化した化合物は、一方の鏡像体を他方に対して少なくとも75重量 % 含む。別の実施形態において、鏡像異性的に富化した化合物は、他方鏡像体に対して少なくとも80重量 % 含む。一つの特別の実施形態において、鏡像異性的に富化した化合物は、他方鏡像体に対して少なくとも85重量 % 含む。
本明細書で用いられる「鏡像異性的に純粋な」という用語は、一方の鏡像体を他方に対して少なくとも90重量 % 含む鏡像異性的に富化した化合物を指す。一つの実施形態において、鏡像異性的に純粋な化合物は、一方の鏡像体を他方に対して少なくとも95重量 % 含む鏡像異性的に富化した化合物を含む。一つの特別の実施形態において、鏡像異性的に純粋な化合物は、一方の鏡像体を他方に対して少なくとも99重量 % 含む鏡像異性的に富化した化合物を含む。
(式中、*はキラル炭素を示す);
並びにそれらの医薬上許容される塩及び溶媒和物から選択される化合物を提供する。
一つの特別の実施形態において、化合物A、B、C、D、E、F、G及びHは鏡像異性的に富化しており、キラル炭素の立体化学はRである。別の実施形態では、化合物A、B、C、D、E、F、G、及びHは鏡像異性的に純粋であり、不斉炭素の立体化学はRである。
従って、好ましい一つの実施形態において、本発明は、
5−{6−[(メチルスルフォニル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボキサミド;
3−({(1R)−1−[2−(クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{6−[メチルスルフォニル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−2−チオフェンカルボキサミド;
5−{6−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}チオフェン−2−カルボキサミド;
3−({(1R)−1−[2−(クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{6−[4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−2−チオフェン−2−カルボキサミド;
5−{6−[(4−ピペリジニルオキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ}−2−チオフェンカルボキサミド;
3−({(1R)−1−[2−(クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{6−[4−ピペリジニルオキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−2−チオフェンカルボキサミド;
5−{6−[(1−メチル−4−ピペリジニルオキシ)]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ}−2−チオフェンカルボキサミド;及び
3−({(1R)−1−[2−(クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{6−[1−メチル−4−ピペリジニルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−2−チオフェンカルボキサミド;
並びにそれらの医薬上許容される塩及び溶媒和物から選択される、鏡像異性的に富化した及び鏡像異性体的に純粋な化合物を提供する。
当業者には、本発明の化合物をそれらの医薬上許容される塩又は溶媒和物として利用できることがわかるだろう。本発明の化合物の医薬上許容される塩(又はそれらの鏡像異性的に富化した若しくは純粋な形態)は、医薬上許容される無機若しくは有機の酸又は塩基から形成された従来の塩、並びに第四級アンモニウム塩を包含する。好適な酸塩のより具体的な例は、HCl 、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ギ酸、乳酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、パルモ酸、マロン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸(メシル酸)、ナフタレン−2−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ヒドロキシナフトエ酸、ヨウ化水素酸、リンゴ酸、ステアリン酸(steroic acid)、タンニン酸等の塩を包含する。他の酸、例えばシュウ酸は、それら自体は医薬上許容されないが、本発明の化合物及びそれらの医薬上許容される塩を得る際の中間体として有用な塩の製造において有用であり得る。好適な塩基塩の具体的な例は、ナトリウム、リチウム、カリウム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、亜鉛、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン及びプロカインの塩を包含する。
本明細書で用いられる「溶媒和物」という用語は、溶質(本発明の化合物又はその鏡像異性的に富化した若しくは純粋な形態)及び溶剤により形成された可変化学量論の複合体を指す。溶剤は、例として水、メタノール、エタノール又は酢酸を包含する。
本発明の化合物の医薬上許容される塩及び溶媒和物の製造方法は、当技術分野で慣行のものである。例えば、Burger’s Medicinal Chemistry And Drug Discovery 5th Edition, Vol 1: Principles And Practice 参照。
当業者に明らかなように、本発明の化合物を製造するための下記の方法において、一定の中間体は、その代わりに化合物の医薬上許容される塩又は溶媒和物であってよい。本発明の化合物の製造方法に用いられる任意の中間体に適用される用語は、本発明の化合物に関して上記で示したのと同じ意味を有する。このような中間体の医薬上許容される塩及び溶媒和物の製造方法は当技術分野で公知であり、そして本発明の化合物の医薬上許容される塩及び溶媒和物の製造方法と同様である。
本発明の化合物は、典型的にはPLKの阻害剤である。PLK阻害剤とは、下記の実施例に記載するPLK阻害アッセイにおいて6より大きいpIC50を示すか、又は下記の実施例に記載するメチレンブルー又はCell−Titre Glo成長阻害アッセイにおいて10μM未満のIC50を示す化合物を意味する;より特別には、PLK阻害剤は、下記の実施例に記載する方法を用いて、7より大きいpIC50又は1μM未満のIC50を示す化合物である。
本発明は更に、動物、例えばヒトのような哺乳動物の薬物療法に使用するための本発明の化合物を提供する。特に、本発明は、PLKにより仲介される症状の治療に使用するための化合物を提供する。本発明はまた、感受性新生物の治療に使用するための化合物を提供する。用語「感受性新生物“susceptible neoplasm”」は以下に定義される。特に、本発明は、これだけに限定されないが乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、前立腺癌並びにこれだけに限定されないが急性(脊髄及びリンパ性)白血病及び侵攻性リンパ腫を含むリンパ腫血液学的悪性腫瘍を含む、多様な固形腫瘍の治療において使用される化合物を提供する。
本発明は、不適切な細胞増殖を特徴とする症状の治療に使用するための化合物を提供する。本発明はまた、細胞の増殖の抑制に使用するための化合物を提供する。本発明はまた、細胞における有糸分裂の抑制に使用するための化合物を提供する。
本発明は、幾つかの症状又は疾患の治療方法を提供し、この方法の全ては、治療有効量の本発明の化合物を投与する段階を含む。本明細書で用いられる場合、「治療」という用語は、特定した症状を軽減すること、症状の徴候を除去又は低減すること、症状の進行を減速又は除去すること、及び既に苦しんだ被験者において症状の再発を予防又は遅延することを指す。
本明細書で用いられる場合、「治療有効量」という用語は、投与された被験者において、例えば研究者又は臨床医により追求されている細胞培養物、組織、系、動物(ヒトを包含する)の生物学的又は医学的反応を誘発するのに十分な本発明の化合物の量を意味する。例えば、PLKにより仲介される症状を治療するための本発明の化合物の治療有効量は、被験者におけるPLKにより仲介される症状を治療するのに十分な量である。同様に、感受性新生物を治療するための本発明の化合物の治療有効量は、被験者における感受性新生物を治療するのに十分な量である。本発明の一つの実施形態において、本発明の化合物の治療有効量は、細胞有糸分裂を抑制するのに十分な量である。本発明の一つの実施形態において、本発明の化合物の治療有効量は、PLKを調節、変調、結合又は阻害するのに十分な量である。
本発明の化合物の正確な治療有効量は、治療される被験者の年齢及び体重、治療を必要とする正確な障害及びその重症度、製剤の性質並びに投与経路を包含する多数の要因(これらに限定されない)に依存し、そして最終的には担当医又は獣医の裁量によるだろう。典型的には、本発明の化合物は、治療において、1日当たり又は1回投与当たり又は治療1サイクル当たり 0.1〜200 mg/kg 受容者(動物)の体重の範囲、より普通には1日当たり又は1回投与当たり又は治療1サイクル当たり 1〜100 mg/kg 体重の範囲で与えられるだろう。許容される投与量は、1日当たり又は1回投与当たり又は治療1サイクル当たり約 0.1〜約 2000 mg、好ましくは1日当たり又は1回投与当たり又は治療1サイクル当たり約 0.1〜約 500 mgであってよい。
一つの態様として、本発明は、PLK、特にPLK1により仲介される症状を治療するためにPLKを調節、変調、結合又は抑制する方法を提供する。「PLK、特にPLK1を調節、変調、結合又は抑制する」は、PLK活性を調節、変調、結合又は抑制すること、並びにPLK、特にPLK1の過剰発現を調節、変調、結合又は抑制することを指す。このような症状は、PLK、特にPLK1と関連している一定の新生物(癌及び腫瘍を包含する)、及び不適切な細胞増殖を特徴とする症状を包含する。
本発明は、動物に治療有効量の本発明の化合物を投与することを含むPLK、特にPLK1により仲介される症状の治療方法を提供する。本発明のこの方法及び他の方法は、動物、例えば哺乳動物、特にヒトの治療に有用である。PLKにより仲介される症状は当技術分野で公知であり、不適切な細胞増殖を特徴とする症状を包含するが、これに限定されない。
本発明はまた、治療を必要とする動物、例えば哺乳動物(例えばヒト)における感受性新生物(癌又は腫瘍)の治療方法であって、この方法が動物に治療有効量の本発明の化合物を投与することを含む上記方法を提供する。本明細書で用いられる「感受性新生物」は、PLK阻害剤による治療に感受性である新生物を指す。PLKに関連しており、従ってPLK阻害剤による治療に感受性である新生物は当業者に公知であり、そして原発性及び転移性の両方の腫瘍及び癌を包含する。例えば、本発明の範囲内の感受性新生物は、乳癌、結腸癌、肺癌(小細胞肺癌及び非小細胞肺癌を包含する)、前立腺癌、子宮内膜癌、胃癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、扁平上皮細胞癌、頭部及び頚部の癌、食道癌、肝細胞癌並びにこれらに限定されないが急性白血病及び侵攻性リンパ腫を含有する血液学的悪性腫瘍を包含するが、これらに限定されない。一つの特定の実施形態において、本発明は、治療有効量の本発明の化合物を投与することにより、治療を必要とする哺乳動物(例えばヒト)のような動物における乳癌の治療方法を提供する。別の特定の実施形態において、本発明は、治療有効量の本発明の化合物を投与することにより、治療を必要とする哺乳動物(例えばヒト)のような動物における卵巣癌の治療方法を提供する。別の特定の実施形態において、本発明は、治療有効量の本発明の化合物を投与することにより、治療を必要とする哺乳動物(例えばヒト)のような動物における非小細胞肺癌の治療方法を提供する。別の特定の実施形態において、本発明は、治療有効量の本発明の化合物を投与することにより、治療を必要とする哺乳動物(例えばヒト)のような動物における前立腺癌の治療方法を提供する。別の特定の実施形態において、本発明は、治療有効量の本発明の化合物を投与することにより、治療を必要とする哺乳動物(例えばヒト)のような動物における、急性骨髄性白血病及び急性リンパ性白血病を含有する白血病の治療方法を提供する。別の特定の実施形態において、本発明は、治療有効量の本発明の化合物を投与することにより、治療を必要とする哺乳動物(例えばヒト)のような動物における侵攻性リンパ腫の治療方法を提供する。
本発明の化合物は、このような感受性新生物の治療に単独で使用できるか、又は一定の現在の化学療法に相加的若しくは相乗的効果を与えるために、1つ以上の他の本発明の化合物と共に、或いは既にある化学療法及び/又は他の抗腫瘍療法と組み合わせて使用することができる。更に、本発明は、1つ以上の他の本発明の化合物の有効性を回復させるためにある種の既存の化学療法及び/又は他の抗腫瘍療法と共に用いることができる。本明細書で用いるように、「抗腫瘍療法」は、これだけに限らないが、細胞毒性を有する化学療法、ホルモン療法、標的キナーゼ阻害剤、治療モノクロナール抗体、外科及び放射線治療を含有する。本発明の化合物はこのような感受性新生物の治療に単独で使用できるか、又は一定の現在の化学療法に相加的若しくは相乗的効果を与えるために使用でき、そして/又は一定の現在の化学療法及び放射線療法の有効性を回復するために使用できる。
本発明はまた、治療を必要とする動物、例えば哺乳動物(例えばヒト)における不適切な細胞増殖を特徴とする症状の治療方法を提供する。この方法は、治療有効量の本発明の化合物を投与することを含む。「不適切な細胞増殖」とは、不適切な細胞成長に起因する細胞増殖、過剰な細胞分裂に起因する細胞増殖、加速的な細胞分裂に起因する細胞増殖、不適切な細胞生存に起因する細胞増殖、及び/又は正常な速度で生じるがそれでも望ましくない正常細胞の増殖を意味する。不適切な細胞増殖を特徴とする症状は、新生物、血管増殖性障害、線維性障害、メサンギウム細胞増殖性障害及び炎症性/免疫介在性疾患を包含するが、これらに限定されない。血管増殖性障害は、関節炎及び再狭窄を包含する。線維性障害は、肝硬変及びアテローム性動脈硬化症を包含する。メサンギウム細胞増殖性障害は、糸球体腎炎、悪性腎硬化症、及び糸球体症を包含する。炎症性/免疫介在性疾患は、乾癬、慢性創傷治癒、臓器移植拒否反応、血栓性微小血管症症候群、及び神経変性性疾患を包含する。骨粗鬆症及び他の過剰骨吸収疾患に依存する破骨細胞増殖症は、細胞増殖が正常細胞において正常速度で起こるがそれでも望ましくない、不適切な細胞増殖を特徴とする症状の例である。
本発明はまた、細胞の増殖の抑制方法であって、該方法が細胞の分裂を抑制するのに十分な量の本発明の化合物を細胞と接触させることを含む上記方法を提供する。一つの特定の実施形態において、細胞は新生細胞である。一つの特定の実施形態において、細胞は不適切に増殖する細胞である。本明細書で用いられる「不適切に増殖する細胞」という用語は、不適切に(異常に)成長する細胞、過剰に若しくは加速度的に分裂する細胞、不適切に(異常に)生き残る細胞、及び/又は正常速度で増殖する細胞であるが増殖が望ましくない細胞を指す。新生細胞(癌細胞を包含する)は不適切に増殖する細胞の例であるが、それだけが不適切に増殖する細胞ではない。
PLKは細胞の有糸分裂にとって必須であり、従って本発明の化合物は有糸分裂を抑制するのに有効であると信じられる。「有糸分裂を抑制する」は、細胞周期のM期への加入を抑制すること、いったんM期に入った細胞周期のM期の正常な進行を抑制すること、及び細胞周期のM期からの正常な退去を抑制することを指す。従って、本発明の化合物は、細胞の有糸分裂への加入の抑制により、有糸分裂を介する細胞進行の抑制により、又は細胞の有糸分裂からの退去の抑制により、有糸分裂を抑制することができる。一つの態様として、本発明は、細胞における有糸分裂の抑制方法であって、該方法が有糸分裂を抑制するのに十分な量の本発明の化合物を細胞に投与することを含む上記方法を提供する。一つの特定の実施形態において、細胞は新生細胞である。一つの特定の実施形態において、細胞は不適切に増殖する細胞である。
本発明はまた、動物、例えば哺乳動物(例えばヒト)におけるPLKにより仲介される症状の治療用の医薬を製造するための、本発明の化合物の使用を提供する。本発明は更に、動物における感受性新生物の治療用の医薬を製造するための、化合物の使用を提供する。特に、本発明は、動物における乳癌の治療用の医薬を製造するための、化合物の使用を提供する。本発明はまた、動物における卵巣癌の治療用の医薬を製造するための、化合物の使用を提供する。本発明は、動物における非小細胞肺癌の治療用の医薬を製造するための、化合物の使用を提供する。本発明はまた、動物における前立腺癌の治療用の医薬を製造するための、化合物の使用を提供する。本発明は、動物における急性白血病(急性骨髄性及び急性リンパ性白血病を含有する)の治療用の医薬を製造するための、化合物の使用を提供する。本発明は、動物における侵攻性リンパ腫の治療用の医薬を製造するための、化合物の使用を提供する。本発明は更に、不適切な細胞増殖を特徴とする症状の治療用の医薬を製造するための、化合物の使用を提供する。本発明は更に、細胞の増殖の抑制用の医薬を製造するための、化合物の使用を提供する。本発明は更に、細胞における有糸分裂の抑制用の医薬を製造するための、化合物の使用を提供する。
治療に使用するために、治療有効量の本発明の化合物を原料のままの化学物質として投与することが可能であるが、本化合物は典型的には医薬組成物又は製剤の活性成分として提供する。従って、本発明は更に、本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。本医薬組成物は、1種又はそれ以上の医薬上許容される担体、希釈剤及び/又は賦形剤を更に含むことができる。これらの担体、希釈剤及び/又は賦形剤は、製剤の他の成分と適合性であるという意味で許容されねばならず、そしてそれらのレシピエントにとって有害であってはならない。本発明の別の態様によれば、本発明の化合物を1種又はそれ以上の医薬上許容される担体、希釈剤及び/又は賦形剤と混合することを含む医薬製剤の製造方法も提供される。
医薬製剤は、単位用量当たり予め定められた量の活性成分を含有する単位用量形態で提供することができる。このような単位は、治療有効用量の本発明の化合物又は治療有効用量の部分を含有することができ、後者は複数の単位投与形態を所定の h に投与して所望の治療有効用量を達成できるような部分量である。好ましい単位投与製剤は、本明細書で上記したように、1日量若しくは下位用量又はそれらの適切な部分の活性成分を含有するものである。更に、このような医薬製剤は、薬学分野で周知の任意の方法により製造することができる。
医薬製剤は、任意の適切な経路、例えば経口(口腔内又は舌下を包含する)、直腸内、経鼻、局所(口腔内、舌下又は経皮を包含する)、膣内、又は非経口(皮下、筋肉内、静脈内又は皮内を包含する)経路による投与に適応させることができる。このような製剤は、薬学分野で公知の任意の方法により、例えば活性成分を担体又は賦形剤と関連付けることにより製造することができる。
経口投与に適応した医薬製剤は、個別の単位、例えばカプセル若しくは錠剤;粉末若しくは顆粒;水性若しくは非水性液体中の溶液若しくは懸濁液;可食フォーム若しくはホイップ;又は水中油型乳濁液若しくは油中水型乳濁液として提供することができる。例として、錠剤又はカプセルの形態で経口投与するために、活性医薬成分を経口用の、無毒性の医薬上許容される不活性担体、例えばエタノール、グリセロール、水等と組み合わせることができる。粉末は、化合物を好適な微細度に粉砕し、そして同様に粉砕した医薬用担体、例えば可食炭水化物、例えば澱粉又はマンニトール等と混合することにより製造される。矯味矯臭剤、保存剤、分散剤及び着色剤が存在していてもよい。
カプセルは、上記の粉末混合物を用意し、そして成形ゼラチン鞘に充填することにより製造される。流動促進剤及び潤滑剤、例えばコロイドシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム又は固体ポリエチレングリコールを充填操作の前に粉末混合物に加えることもできる。カプセルを摂取する際に医薬の利用性を改善するために、崩壊剤又は可溶化剤、例えば寒天、炭酸カルシウム又は炭酸ナトリウムを加えることもできる。
更に、望ましいか又は必要な場合には、好適な結合剤、潤滑剤、崩壊剤及び着色剤を混合物に組み込むこともできる。好適な結合剤は、澱粉、ゼラチン、天然糖、例えばグルコース又はベータ−ラクトース、トウモロコシ甘味料、天然及び合成ゴム、例えばアカシア、トラガカント又はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス等を包含する。これらの投与形態に使用される潤滑剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等を包含する。崩壊剤は、制限なく、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴム等を包含する。錠剤は、例えば、粉末混合物を用意し、顆粒状又は小塊状にし、潤滑剤及び崩壊剤を加え、そして圧縮して錠剤にすることにより製剤される。粉末混合物は、好適に粉砕した化合物を上記の希釈剤又は基剤と、及び場合により結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン又はポリビニルピロリドン、溶解遅延剤、例えばパラフィン、再吸収促進剤、例えば第四級塩及び/又は吸収剤、例えばベントナイト、カオリン若しくはリン酸二カルシウムと混合することにより製造される。粉末混合物は、結合剤、例えばシロップ、澱粉ペースト、アラビアゴム粘液又はセルロース若しくはポリマー材料の溶液で湿らせ、そしてスクリーンを強制通過させることにより顆粒化することができる。顆粒化に代わる方法として、粉末混合物を製錠機に通すことができ、そして生成した不完全に成形されたスラグを破壊して顆粒にする。ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク又は鉱油の添加により顆粒を潤滑して錠剤成形ダイスへの粘着を防止することができる。次いで潤滑した混合物を錠剤に圧縮する。本発明の化合物はまた、自由流動性の不活性担体と組み合わせ、そして顆粒化又はスラグ化段階を経ることなく、直接に錠剤に圧縮することができる。シェラックの密閉被膜、糖若しくはポリマー材料の被覆及びワックスの光沢被覆からなる透明又は不透明被覆を施すことができる。異なる単位用量を識別するために、これらの被覆に染料を加えることができる。
経口液体、例えば溶液、シロップ及びエリキシルは、所定の量が予め定められた量の活性成分を含有するように用量単位形態で製造することができる。シロップは適切に風味付けした水溶液に化合物を溶解することにより製造できる一方、エリキシルは無毒性のアルコール性ビヒクルの使用により製造される。懸濁液は化合物を無毒性ビヒクルに分散させことにより製剤することができる。可溶化剤及び乳化剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール及びポリオキシエチレンソルビトールエーテル、保存剤、風味添加物、例えばペパーミント油、又は天然甘味料又はサッカリン又は人工甘味料等を加えることもできる。
適切ならば、経口投与のための用量単位製剤はマイクロカプセル化したものであってよい。例えば粒状物質をポリマー、ワックス等で被覆するか又はそれらに埋め込むことにより、放出を遅延又は持続するための製剤を製造することもできる。
本発明の化合物はまた、リポソーム送達システム、例えば小さい単層ベシクル、大きい単層ベシクル及び多層ベシクルの形態で投与することができる。リポソームは、種々のリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリンから形成することができる
本発明の化合物はまた、化合物分子が結合する個々の担体としてのモノクローナル抗体の使用によって送達することができる。本化合物はまた、標的可能な薬剤担体としての可溶性ポリマーと結合させることができる。このようなポリマーは、ペプチド、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、又はパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリジンを包含することができる。更に、本化合物は、薬剤の制御放出の達成に有用な生分解性ポリマーのクラス、例えばポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロキシピラン、ポリシアノアクリレート、及びヒドロゲルの架橋又は両親媒性ブロックコポリマーに結合させてもよい。
経皮投与に適応した医薬製剤は、レシピエントの表皮と長期にわたって密接に接触したままであることを意図した個別のパッチとして提供することができる。例えば、活性成分を、Pharmaceutical Research, 3(6):318 (1986) に一般的に記載されているイオントフォレーシスによりパッチから送達することができる。
局所投与に適応した医薬製剤は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアゾール又は油状物として製剤することができる。
眼又は他の外部組織、例えば口及び皮膚を治療するために、製剤を局所軟膏又はクリームとして好ましく塗布される。軟膏に製剤する場合には、活性成分をパラフィン系の又は水混和性の軟膏基剤と共に用いることができる。別法として、水中油型クリーム基剤又は油中水型基剤を用いて活性成分をクリームに製剤することができる。
眼への局所投与に適応した医薬製剤は、活性成分が好適な担体、特に水性溶剤に溶解又は懸濁された点眼剤を包含する。
口腔内の局所投与に適応した医薬製剤は、ロゼンジ、トローチ及びうがい剤を包含する。
直腸内投与に適応した医薬製剤は、坐剤又は浣腸剤として提供することができる。
担体が固体である経鼻投与に適応した医薬製剤は、例えば 20〜500 ミクロンの範囲の粒径を有する粗い粉末を包含し、この粉末は、ひと吸い(ひとかぎ)を行う方法で、すなわち鼻に近接して保持した粉末の容器から鼻腔を通して急速に吸引することにより投与される。担体が液体である鼻腔用スプレー又は点鼻剤としての投与に好適な製剤は、活性成分の水性又は油性溶液を包含する。
吸入による投与に適応した医薬製剤は、微粒子ダスト又はミストを包含し、これらは種々のタイプの定量加圧エアゾール、噴霧器又は吸入器により生じさせることができる。
膣内投与に適応した医薬製剤は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレー製剤として提供することができる。
非経口投与に適応した医薬製剤は、抗酸化剤、緩衝剤、制菌剤及び製剤を意図したレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る水性及び非水性の滅菌注射用溶液;並びに懸濁剤及び増粘剤を含有し得る水性及び非水性の滅菌懸濁液を包含する。製剤は、単位用量又は複数用量容器、例えば密閉したアンプル及びバイアルに入れて提供することができ、そして使用直前に滅菌液体担体、例えば注射用水の添加だけを必要とする凍結乾燥 (lyophilized) 状態で貯蔵することができる。即時の注射用溶液及び懸濁液は、滅菌粉末、顆粒及び錠剤から製造することができる。
上記で特に記載した成分に加えて、製剤は、問題の製剤の種類を考慮して、当技術分野で普通の他の物質を含むことができ、例えば経口投与に適するものは矯味矯臭剤を含むことができる。
上記の治療及び使用方法において、本発明の化合物は単独で、1種又はそれ以上の他の本発明の化合物と組み合わせて、又は他の治療剤と組み合わせて及び/又は他の抗腫瘍療法と組み合わせて使用することができる。特に、PLKにより仲介される症状の治療方法及び感受性新生物の治療法においては、外科的治療及び放射線治療だけてなく、他の化学療法剤との組み合わせが想定される。本明細書で用いられる「化学療法剤」という用語は、任意の化学物質であって、それが投与される被験者に対して治療効果を有するをもの指す。「化学療法」剤は、抗腫瘍剤、鎮痛剤及び制吐剤を包含するが、これらに限定されない。本明細書で用いられる場合、「抗腫瘍剤」は、これだけに限定されないが、細胞毒性を有する化学療法、ホルモン療法、標的キナーゼ阻害剤、及び治療モノクロナール抗体治療のような細胞増殖抑制剤及び細胞毒性剤の両者を包含する。従って本発明に係る併用療法は、少なくとも1種の本発明の化合物の投与及び少なくとも1種の他の癌治療法の使用を含む。一つの実施形態において、本発明に係る併用療法は、少なくとも1種の本発明の化合物及び少なくとも1種の他の化学療法剤の投与を含む。一つの特別の実施形態において、本発明は、少なくとも1種の本発明の化合物及び少なくとも1種の他の抗腫瘍剤の投与を含む。追加の態様として、本発明は、上記の治療及び使用方法であって、該方法が、本発明の化合物を少なくとも1種の化学療法剤と一緒に投与する上記方法を提供する。一つの特別の実施形態において、化学療法剤は抗腫瘍剤である。別の実施形態において、本発明は、少なくとも1種の他の化学療法剤をさらに含む上記の医薬組成物を提供し、より具体的には、化学療法剤は抗腫瘍剤である。
典型的には、治療される感受性新生物に対して活性を有する任意の化学療法剤を、この特定物質が本発明の化合物を用いる治療と臨床的に適合する限り、本発明の化合物と組み合わせて利用することができる。本発明に使用できる典型的な抗腫瘍剤は、抗微小管剤、例えばジテルペノイド及びビンカアルカロイド;白金配位錯体;アルキル化剤、例えばナイトロジェンマスタード、オキサザホスホリン、アルキルスルホネート、ニトロソ尿素及びトリアゼン;抗生物質製剤、例えばアントラサイクリン、アクチノマイシン及びブレオマイシン;トポイソメラーゼII阻害剤、例えばエピポドフィロトキシン;代謝拮抗剤、例えばプリン及びピリミジン類似体並びに抗葉酸化合物;トポイソメラーゼI阻害剤、例えばカンプトセシン;ホルモン剤及びホルモン類似体;信号変換経路阻害剤;非受容体チロシンキナーゼ血管形成阻害剤;免疫療法剤;プロアポトーシス剤;並びに細胞周期シグナル伝達阻害剤を包含するが、これらに限定されない。
抗微小管剤又は有糸分裂抑制剤は、細胞周期のM期すなわち有糸分裂期に腫瘍細胞の微小管に対して活性な時期特異的物質である。抗微小管剤の例は、ジテルペノイド及びビンカアルカロイドを包含するが、これらに限定されない。ジテルペノイドの例は、パクリタキセル及びその類似体ドセタキセルを包含するが、これらに限定されない。ビンカアルカロイドの例は、ビンブラスチン、ビンクリスチン及びビンオレルビンを包含するが、これらに限定されない。白金配位錯体は、DNAと相互作用する非時期特異的抗腫瘍剤である。白金錯体は腫瘍細胞に入り、アクア化を受け、そしてDNAとの相互及び内部架橋を形成し、腫瘍に有害な生物学的効果を引き起こす。白金配位錯体の例は、オキサリプラチン、シスプラチン及びカルボプラチンを包含するが、これらに限定されない。
アルキル化剤は、非時期特異的な抗腫瘍剤であり、そして強力な求電子剤である。典型的には、アルキル化剤は、アルキル化により、DNA分子の求核性部分、例えばホスフェート、アミノ及びヒドロキシル基を介したDNAとの共有結合を形成する。このようなアルキル化は核酸機能を破壊して細胞死をもたらす。アルキル化剤の例は、ナイトロジェンマスタード、例えばシクロホスファミド、メルファラン及びクロラムブシル;アルキルスルホネート、例えばブスルファン;ニトロソ尿素、例えばカルムスチン;並びにトリアゼン、例えばダカルバジンを包含するが、これらに限定されない。
抗生物質化学療法剤は、DNAと結合又は相互作用する非時期特異的物質である。典型的には、このような作用は、結果として安定なDNA複合体又はストランド切断を生じさせ、これは核酸の通常の機能を破壊して細胞死をもたらす。抗生物質抗腫瘍剤の例は、アクチノマイシン、例えばダクチノマイシン、アントラサイクリン、例えばダウノルビシン及びドキソルビシン;並びにブレオマイシンを包含するが、これらに限定されない。
トポイソメラーゼII阻害剤は、エピポドフィロトキシンを包含するが、これらに限定されない。
エピポドフィロトキシンは、マンドレーク植物に由来する時期特異的抗腫瘍剤である。エピポドフィロトキシンは、典型的には、細胞周期のS及びG2期にトポイソメラーゼII及びDNAと三元複合体を形成することにより細胞に影響を及ぼしてDNA鎖切断をもたらす。鎖切断物が蓄積し、次に細胞死が生じる。エピポドフィロトキシンの例は、エトポシド及びテニポシドを包含するが、これらに限定されない。
代謝拮抗性抗腫瘍剤は、細胞周期のS期(DNA合成)にDNA合成の阻害又はプリン若しくはピリミジン塩基合成の阻害により作用し、これによってDNA合成を制限する時期特異的抗腫瘍剤である。その結果、S期は進行せず、次に細胞死が生じる。代謝拮抗性抗腫瘍剤の例は、フルオロウラシル、メトトレキセート、シタラビン、メカプトプリン及びチオグアニンを包含するが、これらに限定されない。
カンプトテシン及びカンプトテシン誘導体を包含するカンプトテシン類は、トポイソメラーゼI阻害剤として入手できるか又は開発中である。カンプトテシンの細胞毒性は、そのトポイソメラーゼI阻害剤活性に関連すると信じられる。カンプトテシンの例は、イリノテカン、トポテカン、及び 7−(4−メチルピペラジノ−メチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20−カンプトテシンの種々の光学的形態を包含するが、これらに限定されない。ホルモン及びホルモン類似体は、ホルモンと癌の成長及び/又は成長欠如との間に関係が存在する癌を治療するために有用な化合物である。新生物の治療に有用であると信じられるホルモン及びホルモン類似体の例は、副腎皮質ステロイド、例えば小児の悪性リンパ腫及び急性白血病の治療に有用なプレドニゾン及びプレドニゾロン;副腎皮質癌及びエストロゲン受容体を含有するホルモン依存性乳癌の治療に有用なアミノグルテチミド及び他のアロマターゼ阻害剤、例えばアナストロゾール、レトラゾール、ボラゾール及びエグゼメスタン;ホルモン依存性乳癌及び子宮内膜癌の治療に有用なプロゲストリン、例えば酢酸メゲストロール;前立腺癌及び良性前立腺肥大の治療に有用なエストロゲン、アンドロゲン及び抗アンドロゲン、例えばフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、酢酸シプロテロン、並びに5α−レダクターゼ、例えばフィナステリド及びドゥタステリド;ホルモン依存性乳癌の治療に有用な抗エストロゲン、例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン及びヨードキシフェン;並びに前立腺癌及びホルモン依存性乳癌を治療するために指示された、短期又は断続的使用でロイチン化ホルモン(LH)及び/又は卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出を刺激するが、長期使用でLH及びFSHの抑制に導く、ゴセレリンアセテート(酢酸塩)及びロイプロリドのような性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)及びその類似体を包含するが、これらに限定されない。
信号変換経路阻害剤は、細胞内変化を誘発する化学プロセスを遮断又は阻害する阻害剤である。本明細書で用いられる場合、この変化は、細胞の増殖、生存、血管形成又は分化である。本発明に有用な信号変換阻害剤は、受容体チロシンキナーゼ、非受容体チロシンキナーゼ、SH2/SH3ドメイン遮断剤、セリン/トレオニンキナーゼ、ホスファチジルイノシトール−3キナーゼ、ミオイノシトール信号伝達及びRas癌遺伝子の阻害剤を包含する。
幾つかのタンパク質チロシンキナーゼは、細胞成長の調節に関与する種々のタンパク質における特定のチロシル残基のリン酸化を触媒する。このようなタンパク質チロシンキナーゼは、大まかに受容体又は非受容体キナーゼに分類することができる。
受容体チロシンキナーゼは、細胞外リガンド結合ドメイン、膜貫通ドメイン及びチロシンキナーゼドメインを有する膜貫通タンパク質である。受容体チロシンキナーゼは、細胞成長の調節に関与し、そして時として成長因子受容体と呼ばれる。多くのこれらのキナーゼの不適切な又は制御されない活性化、すなわち、例えば過剰発現又は突然変異による異常なキナーゼ成長因子受容体活性は、結果として制御されない細胞成長を招くことが示されている。従って、このようなキナーゼの異常活性は、悪性組織成長と関連付けられている。その結果、このようなキナーゼの阻害剤は、癌の治療方法を提供できるだろう。成長因子受容体は、例えば、上皮細胞成長因子受容体(EGFR、ErbB2及びErbB4)、血小板由来の成長因子受容体(PDGFR)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、免疫グロブリン様ドメイン及び上皮成長因子相同性ドメインを有するチロシンキナーゼ(TIE−2)、インスリン成長因子I受容体(IGF−I)、マクロファージコロニー刺激因子(cfms)、BTK、ckit、cmet、線維芽細胞成長因子(FGF)の受容体、Trk受容体(TrkA、TrkB及びTrkC)、エフリン(Eph)受容体、並びにRETプロトオンコジーンを包含する。成長因子受容体の幾つかの阻害剤は開発中であり、そしてリガンド拮抗剤、抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、アンチセンスオリゴヌクレオチド及びアプタマーを包含する。成長因子受容体及び成長因子受容体機能を阻害する物質は、例えば、Kath, John C., Exp. Opin. Ther. Patents (2000) 10(6):803−818; Shawver et al DDT Vol 2, No. 2 February 1997; 及び Lofts, F. J. et al, “Growth Factor Receptors as Targets”, New Molecular Targets for Cancer Chemotherapy, Ed. Workman, Paul and Kerr, David, CRC Press 1994, London に記載されている。
成長因子受容体キナーゼではないチロシンキナーゼは、非受容体チロシンキナーゼと呼ばれる。抗腫瘍剤の標的又は潜在的標的である本発明に有用な非受容体チロシンキナーゼは、cSrc、Lck、Fyn、Yes、Jak、cAbl、FAK(焦点接着キナーゼ)、Brutons チロシンキナーゼ及びBcr−Ablを包含する。このような非受容体キナーゼ及び非受容体チロシンキナーゼ機能を阻害する物質は、 Sinh, S. and Corey, S.J., (1999) Journal of Hematotherapy and Stem Cell Research 8 (5): 465 − 80; 及び Bolen, J.B., Brugge, J.S., (1997) Annual Review of Immunology. 15: 371−404 に記載されている。
SH2/SH3ドメイン遮断剤は、種々の酵素又はアダプタータンパク質におけるSH2又はSH3ドメイン結合を妨害する物質であり、PI3−K P85サブユニット、Srcファミリーキナーゼ、アダプター分子(Shc、Crk、Nck、Grb2)及びRas−GAPを包含する。抗癌剤のための標的としてのSH2/SH3ドメインは、Smithgall, T.E. (1995), Journal of Pharmacological and Toxicological Methods. 34(3) 125−32 で論じられている。
MAPキナーゼカスケード遮断剤を包含するセリン/トレオニンキナーゼの阻害剤は、Rafキナーゼ(Rafk)、マイトジェン又は細胞外調節キナーゼ(MEK)及び細胞外調節キナーゼ(ERK)の遮断剤;並びにプロテインキナーゼCファミリー構成員遮断剤を包含し、後者はPKCのサブタイプ(アルファ、ベータ、ガンマ、イプシロン、ミュー、ラムダ、イオタ、ゼータ)、IkBキナーゼファミリー(IKKa、IKKb)、PKBキナーゼファミリー構成員、Aktキナーゼファミリー構成員及びTGFベータ受容体キナーゼの遮断剤を包含する。このようなセリン/トレオニンキナーゼ及びその阻害剤は、Yamamoto, T., Taya, S., Kaibuchi, K., (1999), Journal of Biochemistry. 126 (5) 799−803; Brodt, P, Samani, A., and Navab, R. (2000), Biochemical Pharmacology, 60. 1101−1107; Massague, J., Weis−Garcia, F. (1996) Cancer Surveys. 27:41−64; Philip, P.A., and Harris, A.L. (1995), Cancer Treatment and Research. 78: 3−27, Lackey, K. et al Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, (10), 2000, 223−226; 及び Martinez−Iacaci, L., et al, Int. J. Cancer (2000), 88(1), 44−52 に記載されている。
PI3−キナーゼ、ATM、DNA−PK及びKuの遮断剤を包含するホスファチジルイノシトール−3キナーゼファミリーはまた、本発明との併用に有用である。このようなキナーゼは、Abraham, R.T. (1996), Current Opinion in Immunology. 8 (3) 412−8; Canman, C.E., Lim, D.S. (1998), Oncogene 17 (25) 3301−3308; Jackson, S.P. (1997), International Journal of Biochemistry and Cell Biology. 29 (7):935−8; 及び Zhong, H. et al, Cancer Res, (2000) 60(6), 1541−1545 で論じられている。
本発明との併用に有用なものはまた、ミオイノシトール信号伝達阻害剤、例えばホスホリパーゼC遮断剤及びミオイノシトール類似体である。このような信号阻害剤は、Powis, G., and Kozikowski A., (1994) New Molecular Targets for Cancer Chemotherapy ed., Paul Workman and David Kerr, CRC Press 1994, London に記載されている。
本発明との併用に有用な信号変換経路阻害剤の別の群は、Rasオンコジーンの阻害剤である。このような阻害剤は、ファルネシルトランスフェラーゼ、ゲラニル−ゲラニルトランスフェラーゼ及びCAAXプロテアーゼの阻害剤、並びにアンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム及び免疫療法剤である。このような阻害剤は、野生型変異体Rasを含有する細胞においてRas活性を遮断し、これによって抗増殖剤として作用することが示されている。Rasオンコジーンの阻害は、Scharovsky, O.G., Rozados, V.R., Gervasoni, S.I. Matar, P. (2000), Journal of Biomedical Science. 7(4) 292−8; Ashby, M.N. (1998), Current Opinion in Lipidology. 9(2)99−102; 及び BioChim. Biophys. Acta, (1989) 1423(3):19−30 で論じられている。
上記のように、受容体キナーゼリガンド結合に対する抗体は、信号変換阻害剤として役立つこともできる。この群の信号変換経路阻害剤は、受容体チロシンキナーゼの細胞外リガンド結合に対するヒト化抗体の使用を包含する。例えば、Imclone C225 EGFR 特異的抗体 (Green, M.C. et al, Monoclonal Antibody Therapy for Solid Tumors, Cancer Treat. Rev., (2000), 26(4), 269−286 参照);Herceptin(登録商標)ErbB2 抗体 (Tyrosine Kinase シグナルing in Breast Cancer:ErbB Family Receptor Tyrosine Kinases, Breast Cancer Res., 2000, 2(3), 176−183 参照);及び 2CB VEGFR2 特異的抗体 (Brekken, R.A. et al, Selective Inhibition of VEGFR2 Activity by a Monoclonal Anti-VEGF Antibody Blocks Tumor Growth in Mice, Cancer Res. (2000) 60, 5117-5124 参照)。
受容体キナーゼ血管形成阻害剤もまた、本発明に使用することができる。VEGFR及びTIE2に関連する血管生成阻害剤は、 信号変換の阻害に関して上記で論じている(両方の受容体は受容体チロシンキナーゼである)。他の阻害剤を本発明の化合物と組み合わせて使用することができる。例えば、VEGFR(受容体チロシンキナーゼ)を認識しないが、リガンドと結合する抗VEGF抗体;血管形成を阻害するだろうインテグリン(アルファv、ベータ3)の小分子阻害剤;エンドスタチン及びアンギスタチン(非RTK)もまた、PLK阻害剤との組み合わせに有用であることを証明することができる。
免疫療法計画に用いられる物質もまた、本発明の化合物との組み合わせに有用であり得る。
プロアポトーシス計画に用いられる物質(例えば、bcl−2アンチセンスオリゴヌクレオチド)もまた、本発明の組み合わせに使用することができる。タンパク質のbcl−2ファミリーの構成員は、アポトーシスを遮断する。それ故に、bcl−2のアップレギュレーションは、化学療法剤耐性と結び付けられている。研究は、上皮細胞成長因子(EGF)がbcl−2ファミリーの抗アポトーシス構成員(すなわち、mcl−1)を刺激することを示した。従って、腫瘍におけるbcl−2の発現をダウンレギュレートするために計画された戦略は、臨床的利益を示しており、現在は第2/3期試験にあり、すなわち、Genta's G3139 bcl−2アンチセンスオリゴヌクレオチドである。bcl−2に対してアンチセンスオリゴヌクレオチド戦略を用いるこのようなプロアポトーシス戦略は、水 JS et al., J. Clin. Oncol. 18:1812−1823 (2000); 及び Kitada S et al., Antisense Res. Dev. 4:71−79 (1994) で論じられている。
細胞周期信号伝達阻害剤は、細胞周期の制御に関与する分子を阻害する。サイクリン依存性キナーゼ(CDK)及びそれらの相互作用サイクリンは、真核細胞周期による進行を制御する。異なるサイクリン/CDK複合体の同時活性化及び不活性化は、細胞周期を通して正常な進行にとって必要である。細胞周期信号伝達の幾つかの阻害剤は、開発中である。例えば、CDK2、CDK4及びCDK6を包含するサイクリン依存性キナーゼ、並びにそれらの阻害剤の例は、例えば Rosania, et al., Exp. Opin. Ther. Patents 10(2):215−230 (2000) に記載されている。
一つの実施形態において、本発明の方法は、本発明の化合物を信号変換経路阻害剤、特にゲフィティニブ((IRESSA)登録商標)と組み合わせて動物に投与することを含む。
これらの組み合わせを採用する方法及び使用は、本発明の化合物及び他の化学療法剤/抗腫瘍剤を、別個の又は組み合わせた医薬組成物で、任意の順序で連続的に又は同時に投与することを含む。同じ製剤中で組み合わせる場合には、二つの化合物は互いに及び製剤の他方の成分と安定かつ適合性である必要があり、そして投与のために製剤することができる。別個の製剤する場合には、それらは任意の便利な製剤中で、当技術分野でこのような化合物にとって公知の方法で提供できる。
本発明の化合物を化学療法剤と組み合わせて使用する場合には、各化合物の投与量は、該化合物が単独で使用される場合と異なってよい。適切な投与量は当業者に容易に理解されるだろう。本発明の化合物及び他の化学療法剤の適切な投与量並びに相対的投与タイミングは、所望の併用治療効果を達成するために選択されるであろうし、また担当医の専門的知識及び裁量の範囲内にある。
本発明の化合物は、好都合には以下の実施例に記載する方法により製造することができる。
本発明はまた、放射性標識した本発明の化合物及びビオチン化した本発明の化合物並びにそれらの固体支持体結合バージョンを提供する。放射性標識した本発明の化合物及びビオチン化した本発明の化合物は従来の技術を用いて製造することができる。例えば、放射性標識した本発明の化合物は、本発明の化合物を適切な触媒の存在下にトリチウムガスと反応させて放射性標識した本発明の化合物を生成することによって製造することができる。一つの実施形態において、化合物はトリチウム化されている。
放射性標識した本発明の化合物及びビオチン化した本発明の化合物は、PLKを阻害する化合物の同定のため、PLKにより仲介される症状の治療のための化合物を同定するため、感受性新生物の治療のため、不適切な増殖を特徴とする症状の治療のため、細胞の増殖の抑制のため、及び細胞における有糸分裂の阻害のために有用である。従って、本発明は、このような化合物を同定するためのアッセイ方法であって、該方法が放射性標識した本発明の化合物又はビオチン化した本発明の化合物を標的のタンパク質又は細胞ホモジネートと特異的に結合させる段階を含む上記方法を提供する。より具体的には、好適なアッセイ方法は、競合結合アッセイを含むだろう。放射性標識した本発明の化合物及びビオチン化した本発明の化合物並びにそれらの固体支持体結合バージョンは、当技術分野で普通の方法によるアッセイに採用することができる。
下記の実施例は説明のみを意図しており、そして決して本発明の限定を意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲によって定義される。
実施例で用いられる下記の略語は列挙する意味を有する。
g グラム
mg ミリグラム
mol モル
mmol ミリモル
N 規定度
nM ナノモル濃度
L リットル
mL ミリリットル
μL マイクロリットル
h 時間
min 分
℃ セ氏度
HCl 塩酸
DCM ジクロロメタン
MeOH メタノール
EtOAc 酢酸エチル
MgSO4 硫酸マグネシウム
NaHCO3 重炭酸ナトリウム
K2CO3 炭酸カリウム
Na2SO4 硫酸ナトリウム
N2 窒素
H2 水素
XANTPHOS (4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン)は、Aldrich から市販されている触媒である。
試薬は市販されているか、又は文献記載の手順により製造される。下記の構造において、「Me」は基−CH3を指す。
中間体実施例1: 5−アミノ−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)−フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル
段階A− 5−ニトロ−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル
DCM (1.0 L) 中のポリマー支持トリフェニルホスフィン (62.36 g, 2.21 mmol/g, 137.8 mmol) のスラリーを室温で 10 min 攪拌した。この混合物を0℃に冷却した。文献の手順 (Barker, J.M.; Huddleston, P.R.; Wood, M.L.; Burkitt, S.A. Journal of Chemical Research (Miniprint) 2001, 1001−1022) と同様に製造できる 3−ヒドロキシ−5−ニトロ−2−チオフェンカルボン酸メチル (20.00 g, 98.44 mmol) を加え、次いで (1S)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エタノール (26.20 g, 137.8 mmol) 及びアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル (31.73 g, 137.8 mmol) を加えた。反応混合物を室温で 21.25 h 攪拌し、次いでフリット漏斗に通して濾過し、濃縮した。残留物を 1,4−ジオキサン (300 mL) 中の 4 N HCl で処理し、室温で 3 h 攪拌した。次いでこの混合物を 3 N 水酸化ナトリウム (300 mL) 及び 飽和 NaHCO3 水溶液 (200 mL) を加えてクエンチして反応を停止した。この混合物を DCM (3 x 250 mL) で抽出した。一緒にした有機画分を MgSO4 上で乾燥し、濾過し、シリカゲル上で濃縮した。カラムクロマトグラフィー (0〜25 % のEtOAc: ヘキサン) による精製で 36.08 g (98 %) の表題化合物を黄色油状物として得た。 1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 7.82 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 7.68 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 7.59 (t, 1H, J = 7.4 Hz), 7.46 (s, 1H), 7.42 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 5.77 (q, 1H, J = 6.1 Hz), 3.94 (s, 3H), 1.74 (d, 3H, J = 6.1 Hz)。
段階B− 5−アミノ−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル
温度プローブ、オーバーヘッドメカニカルスターラー、還流冷却器及び滴下漏斗を備えたフラスコに、鉄粉 (26.84 g, 480.6 mmol) 及び酢酸 (130 mL) を加えた。この鉄/酢酸スラリーを機械的に攪拌し、50℃の内部温度に加熱した。滴下漏斗に酢酸 (160 mL) 中の 5−ニトロ−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル (36.08 g, 96.13 mmol) の溶液を加えた。次いで滴下漏斗中の溶液を鉄/酢酸スラリーに内部温度が<60℃に維持されるような速度で滴下した(全添加時間 2,5 h)。反応混合物を室温に冷却し、DCM (500 mL) を加えて希釈し、次いで 6 N 水酸化ナトリウム (750 mL) 及び飽和 NaHCO3 水溶液 (200 mL) でクエンチした。 次いでこの混合物全体をセライトのパッドに通して濾過して不溶性物質を除去し、セライトを追加の DCM (250 mL) ですすいだ。水性及び有機画分を分離した。水性画分を EtOAc (2 x 400 mL) で抽出した。有機画分を一緒にし、MgSO4 上で乾燥し、濾過し、濃縮して 30.66 g (92 %) の表題化合物を橙色固体として得た。 1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 7.89 (d, 1H, J = 7.7 Hz), 7.62 (d, 1H, J = 7.7 Hz), 7.56 (t, 1H, J = 7.7 Hz), 7.36 (t, 1H, J = 7.7 Hz), 5.72 (s, 1H), 5.65 (q, 1H, J = 6.3 Hz), 4.26 (br s, 2H), 3.80 (s, 3H), 1.66 (d, 3H, J = 6.3 Hz); MS (APCI): 368.00 [M+Na]+。
中間体実施例2: 5−アミノ−3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−2−チオフェンカルボン酸メチル
段階A− 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−ニトロ−2−チオフェンカルボン酸メチル
3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−ニトロ−2−チオフェンカルボン酸メチルは、3−ヒドロキシ−5−ニトロ−2−チオフェンカルボン酸メチル及び(1S)−1−(2−クロロフェニル)エタノールから、中間体実施例1の段階Aと同様の手順により製造した。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 7.96 (s, 1H), 7.65 (dd, 1H, J = 1.7, 7.8 Hz), 7.47 (dd, 1H, J = 1.5, 7.7 Hz), 7.40 (dt, 1H, J = 1.3, 7.5 Hz), 7.34 (dt, 1H, J = 1.9, 7.5 Hz), 5.98 (q, 1H, J = 6.0 Hz), 3.85 (s, 3H), 1.59 (d, 3H, J = 6.2 Hz)。
段階B− 5−アミノ−3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−2−チオフェンカルボン酸メチル
5−アミノ−3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−2−チオフェンカルボン酸メチルは、3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−ニトロ−2−チオフェンカルボン酸メチルから、中間体実施例1の段階Bと同様の手順により製造した。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 7.54 (dd, 1H, J = 1.8, 7.9 Hz), 7.45 (dd, 1H, J = 1.4, 7.7 Hz), 7.37 (dt, 1H, J = 1.4, 7.7 Hz), 7.31 (dt, 1H, J = 1.8, 7.6 Hz), 6.76 (br s, 2H), 5.57 (q, 1H, J = 6.2 Hz), 5.49 (s, 1H), 3.63 (s, 3H), 1.51 (d, 3H, J = 6.4 Hz); MS (ESI): 334.03 [M+Na]+。
実施例1: 5−{6−[(メチルスルフォニル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボキサミド
ルート1:
段階A− 5−(ヒドロキシメチル)−2−ニトロフェノール
1,2−ジクロロエタン (100 mL) 中の3−ヒドロキシ−4−ニトロ安息香酸 (5.0 g、27.3 mmol) の混合物にホウ酸トリメチル (4.9 mL、43.7 mmol) を加え、次に三フッ化ホウ素ジエチルエーテル (5.5 mL、43.7 mmol) を加えた。その後、ボラン−ピリジン錯体 (4.1 mL、41.0 mmol) をゆっくり滴下して加えた。反応系を室温で 4 h 攪拌し、その後0℃まで冷却し、MeOH (10 mL) で反応を終了させた。混合物を真空下で濃縮して、残渣をトルエン (200 mL) 中に採り、1 N 水酸化ナトリウム水溶液 (3 x 100 mL) で抽出した。合わせた水相に12 N HCl を加えてpH 1.0に調整し、EtOAc (3x 250 mL)で抽出した。合わせた有機相を水、ブラインで洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、真空下で濃縮して 4.55 g (98 %) の表題化合物を淡黄色固体として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 10.87 (s, 1H), 7.85 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 7.08 (s, 1H), 6.88 (dd, 1H, J = 1.19, 8.51 Hz), 5.43 (s, 1H), 3.33 (s, 2H)。
段階B− ピバル酸3−ヒドロキシ−4−ニトロベンジル
5−(ヒドロキシメチル)−2−ニトロフェノール (11.35 g、67.15 mmol)及び3−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1,3−チアゾリジン−2−チオン (15.0 g、73.89 mmol) (文献 (Yamada,S. Tetrahedron Letters 1992,33,2171−2174)の手順と同様に製造することができる)の混合物を、トルエン (670 mL) 中、100℃で 40 h 攪拌し、その後室温まで冷却した。反応系を真空下で約 200 mL の体積まで濃縮し、得られたスラリーを濾紙を用いて濾過し、固体を冷トルエンで洗浄した。次に、濾液を真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して (0〜20 % の EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出)、11.09 g (65 %) の表題化合物を透明な黄色油状物として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 11.05 (s, 1H), 7.87 (d, 1H, J = 8.42 Hz), 7.06 (s, 1H), 6.90 (dd, 1H, J = 1.46, 8.42 Hz), 5.09 (s, 2H), 1.18 (s, 9H)。
段階C− ピバル酸4−ニトロ−3−{[(トリフルオロメチル)スルフォニル]オキシ}ベンジル
DCM (220 mL) 中のピバル酸3−ヒドロキシ−4−ニトロベンジル(11.11 g、43.9 mmol)及びN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド (16.51 g、46.2 mmol) の冷却(0℃)した溶液に攪拌しながら、N,N−ジイソプロピルエチルアミン (15.5 mL、88.9 mmol) をゆっくり加えた。反応系を 45 min 0℃で、次に 45 min 室温で攪拌した。その後反応系を真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して (5〜20 % EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出)、16.87 g (99 %) の表題化合物を灰白色固体として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.36 (d, 1H, J = 8.42 Hz), 7.75−7.69 (m, 2H), 5.27 (s, 2H), 1.19 (s, 9H)。
段階D− 5−[(5−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル}−2−ニトロフェニル)アミノ]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン−2−カルボン酸メチル
ピバル酸4−ニトロ−3−{[(トリフルオロメチル)スルフォニル]オキシ}ベンジル(1.0 g、2.60 mmol)、5−アミノ−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−オキシ)チオフェン−2−カルボン酸メチル (1.34 g、3.88 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム (0) (150 mg、0.13 mmol)、トリフェニルホスフィン (68 mg、0.26 mmol) 及びK2CO3 (900 mg、6.5 mmol) の混合物を、トルエン (5.2 mL) 中100℃で 2 h 攪拌し、その後室温まで冷却し、セライト濾過し、EtOAc 及び DCM で洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して (5〜25 % EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出)、1.26 g (84 %) の表題化合物を赤色油状物として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 9.75 (s, 1H), 8.09 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 7.89 (d, 1H, J = 7.87 Hz), 7.69−7.78 (m, 2H), 7.52 (t, 1H, J = 7.59 Hz), 7.34 (s, 1H), 7.01 (dd, 1H, J = 1.46, 8.60 Hz), 6.62 (s, 1H), 5.70−5.75 (m, 1H), 5.07 (s, 2H), 3.74 (s, 3H), 1.58 (d, 3H, J = 6.22 Hz), 1.13 (s, 9H)。
段階E− 5−[(2−アミノ−5−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル} フェニル)アミノ]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン−2−カルボン酸メチル
EtOAc (30 mL )中の5−[(5−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル}−2−ニトロフェニル)アミノ]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン−2−カルボン酸メチル (2.42 g、4.17 mmol) 及び白金 (硫化物、5重量 % 炭素上) (811 mg、0.21 mmol) の混合物を高圧反応フラスコに加えた。反応系を真空及び N2 気体でパージし、その後H2 ガスを50 psi で 1 h 添加した。反応系混合物をセライト濾過し、 EtOAc で洗浄した。濾液を真空下で濃縮して、2.27 g (99 %) の表題化合物を黄褐色固体として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.62 (s, 1H), 7.84 (d, 1H, J = 7.87 Hz), 7.72 (dd, 2H, J = 7.60, 13.09 Hz), 7.50 (t, 1H, J = 7.60 Hz), 7.01 (d, 1H, J = 1.46 Hz), 6.88 (dd, 1H, J = 1.74, 8.15), 6.68 (d, 1H, J = 8.24 Hz), 5.83 (s, 1H), 5.59−5.65 (m, 1H), 4.97 (s, 2H), 4.85 (s, 2H), 3.64 (s, 3H), 1.55 (d, 3H, J = 6.23 Hz), 1.11 (s, 9H); MS (ESI): 551 [M+H]+。
段階F− 5−(6−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン−2−カルボン酸メチル
トリエチルオルトホルメート (10 mL、60.2 mmol) 及び DCM (3 mL)中の5−[(2−アミノ−5−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル}フェニル)アミノ]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−オキシ)チオフェン−2−カルボン酸メチル (2.27 g、4.13 mmol)の混合物に、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム (100 mg、0.4 mmol) を加えた。反応系を40℃で 1 h 攪拌し、その後室温まで冷却した。反応混合物全部をシリカゲル上に載せ、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して (0〜50 % EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出)、2.0 g (86 %) の表題化合物を淡黄褐色固体として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.65 (s, 1H), 7.99 (d, 1H, J = 7.87 Hz), 7.75−7.80 (m, 2H), 7.72 (d, 1H, J = 7.87 Hz), 7.63 (s, 1H), 7.53 (t, 1H, J = 7.60 Hz), 7.40 (s, 1H), 7.35 (d, 1H, J = 8.42 Hz), 5.96 (q, 1H, J = 6.10 Hz), 5.21 (s, 2H), 3.83 (s, 3H), 1.65 (d, 3H, J = 6.23 Hz), 1.16 (s, 9H); MS (ESI): 561 [M+H]+。
段階G− 5−[6−(ヒドロキシメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン−2−カルボン酸メチル
MeOH (24 mL) 中の5−(6−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン−2−カルボン酸メチル (5.21 g、ルート1の段階Fと同様の手順を用いて異なるバッチから、9.30 mmol)の攪拌溶液に、MeOH (24.0 mL、12 mmol) 中の 0.5 M 水酸化ナトリウムを加えた。反応系を室温で 72 h 攪拌し、その後酢酸 (2 mL) で反応を終了させた。混合物を DCM (350 mL)及び半飽和ブライン水溶液 (150 mL) で希釈した。水相を DCM (250 mL) で抽出した。合わせた有機相を MgSO4 上で乾燥し、真空下で濃縮して、4.40 g (99 %) の表題化合物を淡黄色固体として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.58 (s, 1H), 7.99 (d, 1H, J = 7.87 Hz), 7.69−7.81 (m, 3H), 7.51−7.58 (m, 2H), 7.38 (s, 1H), 7.30 (d, 1H, J = 8.42), 5.96 (q, 1H, J = 6.10 Hz), 5.30 (t, 1H, J = 5.77 Hz) 4.62 (d, 2H, J = 5.86 Hz), 3.83 (s, 3H), 1.65 (d, 3H, J = 6.23 Hz); MS (ESI): 477 [M+H]+。
段階H− 5−[6−(クロロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン−2−カルボン酸メチル
DCM (30 mL) 中の5−[6−(ヒドロキシメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン−2−カルボン酸メチル (1.47 g、3.08 mmol) 及びトリフェニルホスフィン (1.05 g、4.01 mmol) の攪拌溶液に、N−クロロスクシンイミド (0.53 g、4.01 mmol) を加えた。次いで、反応系を加熱して還流させ、20 min 攪拌し、その後室温まで冷却した。反応系を DCM (400 mL)及び半飽和ブライン水溶液 (150 mL) で希釈した後、水相を DCM で抽出した。合わせた有機相を Na2SO4 上で乾燥し、真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して (10〜60 % EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出)、1.4 g (92 %) の表題化合物を白色固体として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.65 (s, 1H), 7.99 (d, 1H, J = 7.87 Hz), 7.72−7.81 (m, 3H), 7.69 (s, 1H), 7.54 (t, 1H, J = 7.69 Hz), 7.43 (d, 1H, J = 8.42), 7.38 (s, 1H), 5.97 (q, 1H, J = 6.10 Hz), 4.91 (s, 2H), 3.84 (s, 3H), 1.66 (d, 3H, J = 6.23 Hz); MS (ESI): 495 [M+H]+。
段階I− 5−{6−[(メチルチオ)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン−2−カルボン酸メチル
N,N−ジメチルホルムアミド (2.5 mL) 中の5−[6−(クロロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン−2−カルボン酸メチル (200 mg、0.40 mmol)の攪拌混合物に、ナトリウムチオメトキシド (37 mg、0.52 mmol) を加えた。反応系を 30 min 攪拌し、その後 EtOAc で希釈し、水(5x)、ブラインで洗浄し、Na2SO4 上で乾燥し、真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して (0〜60 % EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出)、147 mg (72 %) の表題化合物を白色固体として得た。 MS (ESI): 507 [M+H]+。
段階J− 5−{6−[(メチルチオ)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン−2−カルボキサミド
MeOH (18 mL、126.0 mmol)中の 5−{6−[(メチルチオ)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン−2−カルボン酸メチル (144.0 mg、0.28 mmol) 及び 7 N アンモニアの混合物を、高圧ガラス反応フラスコに加え、フラスコを密閉し、その後 80℃に約 16 h 加熱した。フラスコを室温まで冷却し、開封し、反応混合物を真空下で濃縮し、その後シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して (1 % 水酸化アンモニウムを含む 0〜3 % MeOH/DCM の勾配で溶出)、130 mg (93 %) の表題化合物を白色金色固体として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.49 (s, 1H), 7.93 (d, 1H, J = 7.68 Hz), 7.85 (br s, 1H), 7.80−7.75 (m, 2H), 7.69 (d, 1H, J = 8.23 Hz), 7.56 (t, 1H, J = 7.68 Hz), 7.39 (s, 1H), 7.29 (d, 1H, J = 8.42 Hz), 7.15 (br s, 1H), 7.08 (s, 1H), 5.94 (m, 1H), 3.79 (s, 2H), 1.93 (s, 3H), 1.75 (d, 3H, J = 6.22 Hz); MS (ESI): 492 [M+H]+。
段階K− 5−{6−[(メチルスルフォニル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン−2−カルボキサミド
DCM (3.0 mL) 中の5−{6−[(メチルチオ)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン−2−カルボキサミド(76 mg、0.15 mmol)の攪拌、冷却した (−10℃) 溶液に、m−クロロペルオキシ安息香酸 (70 mg、0.31 mmol) を加えた。反応系を 30 min 攪拌し、室温まで温め、15 min 攪拌し、その後真空下で濃縮した。残渣をクロロホルムで希釈し、NaHCO3 飽和水溶液、水で洗浄し、Na2SO4 上で乾燥し、真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して (1 % 水酸化アンモニウムを含む 0〜5 % MeOH/DCM の勾配で溶出)、78 mg (96 %) の表題化合物を白色固体として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.57 (s, 1H), 7.95 (d, 1H, J = 7.87 Hz), 7.85 (br s, 1H), 7.80−7.73 (m, 3H), 7.69 (s, 1H), 7.55 (t, 1H, J = 7.69 Hz), 7.38 (d, 1H, J = 8.42 Hz), 7.19 (s, 1H), 7.12 (br s, 1H), 5.95−5.89 (m, 1H), 4.61−4.58 (m, 2H), 2.89 (s, 3H), 1.75 (d, 3H, J = 6.04 Hz); MS (ESI): 524 [M+H]+。
ルート2:
段階A− 5−{6−[(メチルスルフォニル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル
5−[6−(クロロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン−2−カルボン酸メチル (4.53 g、ルート1の段階Hと同様の手順を用いて異なるバッチから、9.17 mmol)、メタンスルホン酸ナトリウム塩 (2.81 g、27.5 mmol) 及びエタノール (40.0 mL) の混合物を高圧ガラス反応フラスコに加え、フラスコを密閉し、その後 85℃に約 16 h 加熱した。フラスコを室温まで冷却し、開封し、反応混合物を真空下で濃縮し、その後シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して (5〜35 % EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出)、4.54 g (92 %) の表題化合物を淡黄色固体として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.67 (s, 1H), 8.01 (d, 1H, J = 7.87 Hz), 7.82−7.70 (m, 4H), 7.53 (t, 1H, J = 7.69 Hz), 7.45 (s, 1H), 7.40 (d, 1H, J = 8.42 Hz), 5.95 (m, 1H), 4.63 (m, 2H), 3.83 (s, 3H), 2.90 (s, 3H), 1.65 (d, 3H, J = 6.204 Hz); MS (ESI): 539 [M+H]+。
段階B− 5−{6−[(メチルスルフォニル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン−2−カルボキサミド
MeOH (250.0 mL、1.75 mol) 中の 5−{6−[(メチルスルフォニル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル (4.53 g、8.42 mmol)及び 7 N アンモニアの混合物を、高圧ガラス反応フラスコに加え、フラスコを密閉し、その後 85℃に約 36 h 加熱した。フラスコを室温まで冷却し、開封し、反応混合物を第2バッチの5−{6−[(メチルスルフォニル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル (4.11 g、7.63 mmol) (これも高圧ガラス反応フラスコ内、85℃で、約 36 h 、MeOH (200.0 mL、1.40 mol) 中の 7 N アンモニアで処理し、その後室温まで冷却し、開封した)と合わせた。合わせた反応混合物を真空下で濃縮し、その後シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して (1 % 水酸化アンモニウムを含む 0〜5 % MeOH / DCM の勾配で溶出)、7.47 g (89 %) の表題化合物を灰白色固体として得た。 MS (ESI): 524 [M+H]+。
実施例2: 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{6−[(メチルスルフォニル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−2−チオフェンカルボキサミド
段階A− 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{6−[(メチルチオ)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}チオフェン−2−カルボン酸メチル
表題化合物は、5−[6−(クロロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}チオフェン−2−カルボン酸メチルから、実施例1、ルート1の段階Iと同様の手順により製造した。 MS (ESI): 473 [M+H]+。
段階B− 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{6−[(メチルチオ)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}チオフェン−2−カルボキサミド
表題化合物は、3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{6−[(メチルチオ)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}チオフェン−2−カルボン酸メチルから、実施例1、ルート1の段階Jと同様の手順により製造した。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.53 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.71−7.66 (m, 2H),7.49 (d, 1H, J = 7.87 Hz), 7.45−7.35 (m, 3H), 7.29 (d, 1H, J = 8.42 Hz), 7.16−7.11(m, 2H), 6.01−5.95 (m, 1H), 3.82 (s, 2H), 1.94 (s, 3H), 1.73 (d, 3H, J = 6.41 Hz); MS (ESI): 458 [M+H]+。
段階C− 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{6−[(メチルスルフォニル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−2−チオフェンカルボキサミド
表題化合物は、3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{6−[(メチルチオ)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}チオフェン−2−カルボキサミドから、実施例1、ルート1の段階Kと同様の手順により製造した。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.61 (s, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.79 (d, 1H, J = 8.24 Hz), 7.73 (s, 1H), 7.70−7.67 (m, 1H), 7.49−7.47 (m, 1H), 7.44−7.33 (m, 3H), 7.26 (s,1H), 7.12 (s, 1H), 5.97−5.93 (m, 1H), 4.64−4.60 (m, 2H), 2.90 (s, 3H), 1.73 (d, 3H, J = 6.41 Hz); MS (ESI): 490 [M+H]+。
中間体実施例3: 5−(6−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸メチル
段階A− 5−(6−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}−2−チオフェンカルボン酸メチル
クロロホルム (800 mL) 中の5−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール (43.78 g、222.0 mmol) の混合物に、N−メチルイミダゾール (44.5 mL、560.0 mmol) を加え、次に2−クロロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−2−チオフェンカルボン酸メチル (44.8 g、233.0 mmol) を加えた。反応系を 20 h 室温で攪拌し、その後 N−メチルイミダゾール (18.0 mL、226.0 mmol) を加え、次にt−ブチルジメチルシリルクロライド (36.8 g、245.0 mmol) を加えた。反応系を1 h 攪拌し、その後、 MeOH で反応を終了させ DCM 及び水に注いだ。水相を DCM (3x) で抽出した。その後合わせた有機相を Na2SO4 上で乾燥し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにかけて(50〜75 % ヘキサン中 25 % EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出)、25.18 g (24 %) の表題化合物を得た。 MS (ESI): 467 [M+H]+。
段階B− 5−(6−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸メチル
THF(540.0 mL) 中の5−(6−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}−2−チオフェンカルボン酸メチル (25.18 g、53.9 mmol) の攪拌溶液にTHF (60.0 mL、60.0 mmol) 中の1.0 M テトラブチルアンモニウムフルオリドを加えた。反応系を 1.5 h 攪拌し、その後飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた (200 mL) 。得られたスラリーを 15 min 攪拌し、その後水 (750 mL) 及び EtOAc (1.0 L) に希釈し、水相を分離し、1 M HCl 水でその pH を 3.0 に調整した。水相を EtOAc (3x)で抽出した。合わせた有機相を0.1 M HCl 水、ブラインで洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、真空下で濃縮して 19.4 g (100 %) の表題化合物を淡黄色固体として得た。 MS (ESI): 353 [M+H]+。
実施例3: 5−{6−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}チオフェン−2−カルボキサミド
ルート1:
段階A− 5−(6−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}チオフェン−2−カルボン酸3−メチル
DCM (750 mL) 中のポリマーに支持されたトリフェニルホスフィン (53.0 g、2.04 mmol/ g、108 mmol)、(1S)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エタノール (15.4 g、81.0 mmol) 及び5−(6−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−ヒドロキシチオフェン−2−カルボン酸メチル(中間体実施例3) (19.0 g、53.9 mmol)のスラリーを室温で 10 min 攪拌した。その後スラリーをアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル (24.8 g、108 mmol) で処理した。反応混合物を 3 h 攪拌し、その後濾紙を通して注ぎ、樹脂固体を DCM 及び MeOH で洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して (5〜50 % EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出)、23.8 g (84 %) の表題化合物を淡黄色固体として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.63 (s, 1H), 7.97 (d, 1H, J = 7.87 Hz), 7.80−7.71 (m, 3H), 7.65 (d, 1H, J = 1.65 Hz), 7.57−7.48 (m, 2H), 7.35 (s, 1H), 5.99 (q, 1H, J = 5.98 Hz), 3.83 (s, 3H), 1.65 (d, 3H, J = 6.04 Hz); MS (ESI): 525 [M+H]+。
段階B− 3−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}−5−(6−ビニル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)チオフェン−2−カルボン酸メチル
n−プロパノール (230 mL) 中室温で攪拌した3−メチル−5−(6−ブロモ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}チオフェン−2−カルボキシレート (23.8 g、45.4 mmol)、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(7.25 g、54.5 mmol) 及びトリエチルアミン (6.3 mL、45.4 mmol) の混合物に、[1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体 (750 mg、0.91 mmol) を加えた。混合物を加熱して還流させ、3 h 攪拌し、その後室温まで冷却し、水に注ぎ、EtOAc (3x) で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して (10〜40 % EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出)、17.06 g (80 %) の表題化合物を黄色気泡固体として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.59 (s, 1H), 7.98 (d, 1H, J = 7.87 Hz), 7.80−7.71 (m, 3H), 7.59 (s, 1H), 7.56−7.52 (m, 2H), 7.39 (s, 1H), 6.85 (dd, 1H, J = 10.98 and 17.75 Hz), 6.00 (q, 1H, J = 6.10 Hz), 5.86 (d, 1H, J = 17.56 Hz), 5.31 (d, 1H, J = 10.98 Hz), 3.83 (s, 3H), 1.65 (d, 3H, J = 6.04 Hz); MS (ESI): 473 [M+H]+。
段階C− 5−[6−(1,2−ジヒドロキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}チオフェン−2−カルボン酸メチル
アセトン/水 (3:1) 360 mL中の3−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}−5−(6−ビニル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)チオフェン−2−カルボン酸メチル (17.06 g、36.1 mmol) の攪拌溶液に、4−メチルモルホリンN−オキシド (5.1 g、43.4 mmol) を加え、次に2−メチル−2−プロパノール (10.0 mL、0.8 mmol) 中の2.5重量 %四酸化オスミウム溶液を加えた。反応系を室温で18 h 攪拌し、その後(飽和)亜硫酸ナトリウム水溶液で反応を終了させた。混合物を EtOAc (3x) で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して (1 % 水酸化アンモニウムを含む 1〜8 % MeOH/DCM の勾配で溶出)、16.72 g (92 %) の表題化合物を淡黄色気泡固体として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.59 (d, 1H, J = 1.46 Hz), 7.98 (d, 1H, J = 7.87 Hz), 7.80−7.68 (m, 3H), 7.59−7.52 (m, 2H), 7.36−7.31 (m, 2H), 5.95 (q, 1H, J = 6.10 Hz), 5.37 (t, 1H, J = 3.66 Hz), 4.76−4.64 (m, 2H), 3.83 (s, 3H), 3.46−3.42 (m, 2H), 1.65 (d, 3H, J = 6.04 Hz); MS (ESI): 507 [M+H]+。
段階D− 5−(6−ホルミル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}チオフェン−2−カルボン酸メチル
1:1:1 DCM /水/ MeOH (220 mL) 中の5−[6−(1,2−ジヒドロキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}チオフェン−2−カルボン酸メチル (16.72 g、33.0 mmol) の溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム (10.58 g、49.5 mmol) を加えた。得られたスラリーを 1 h 攪拌し、その後水及び EtOAc で希釈した。水相を EtOAc (3x) で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSO
4 上で乾燥し、真空下で濃縮して、14.76 g (94 %) の表題化合物を淡黄色気泡固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6): δ 10.09 (s, 1H), 8.87 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 8.02−7.89 (m, 3H), 7.81−7.72 (m, 2H), 7.57−7.51 (m, 2H), 5.98 (q, 1H, J = 6.10 Hz), 3.84 (s, 3H), 1.66 (d, 3H, J = 6.22 Hz); MS (ESI): 475 [M+H]
+。
段階E− 5−{6−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}チオフェン−2−カルボン酸メチル
ジクロロエタン (150 mL) 中の5−(6−ホルミル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}チオフェン−2−カルボン酸メチル (14.76 g、31.1 mmol)、n−メチルピペラジン(5.72 mL、62.3 mmol) 及び酢酸(2.1 mL、37.4 mmol) の攪拌溶液に、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム (9.9 g、46.7 mmol) を加えた。反応系を 1.5 h 攪拌し、その後 5 % K2CO3水溶液を pH が約 8 になるまで加えた。その後混合物を EtOAc 及び水で希釈した。水相を EtOAc (3x) で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4 上で乾燥し、真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して (1 % 水酸化アンモニウムを含む 1〜8 % MeOH/DCM の勾配で溶出)、15.82 g (91 %) の表題化合物を淡黄色気泡固体として得た。 MS (ESI): 559 [M+H]+。
段階F− 5−{6−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}チオフェン−2−カルボキサミド
MeOH (250 mL、1.75 mol) 中の 5−{6−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}チオフェン−2−カルボン酸メチル (15.82 g、28.35 mmol) 及び 7 N アンモニアの混合物を高圧ガラス反応フラスコに加え、フラスコを密閉し、その後 80℃に約 40 h 加熱した。フラスコを室温まで冷却し、開封し、反応混合物を真空下で濃縮し、その後シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して (1 % 水酸化アンモニウムを含む 2〜8 % MeOH / DCM の勾配で溶出)、14.11 g (92 %) の表題化合物を白色気泡固体として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.49 (s, 1H), 7.93 (d, 1H, J = 7.87 Hz), 7.86 (br s, 1H), 7.80−7.75 (m, 2H), 7.68 (d, 1H, J = 8.23 Hz), 7.56 (t, 1H, J = 7.68 Hz), 7.33 (s, 1H), 7.28 (d, 1H, J = 8.42 Hz), 7.15 (br s, 1H), 7.06 (s, 1H), 5.94 (q, 1H, J = 6.10 Hz), 3.52 (s, 2H), 2.45−2.20 (m, 8H), 2.13 (s, 3H), 1.74 (d, 3H, J = 6.22 Hz); MS (ESI): 544 [M+H]+。
ルート2:
段階A− 2−ブロモ−4−{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}−1−ニトロベンゼン
DCM (475 mL) 中の3−ブロモ−4−ニトロフェノール (20.0 g、91.7 mmol) の溶液を 0℃で攪拌した。ジイソプロピルエチルアミン (19.2 mL、110.0 mmol) を加え、次にDCM (25 mL) 中のクロロメチルメチルエーテル (7.7 mL、100.9 mmol) の溶液を滴下して加えた。反応系を 0℃で 1 h 攪拌し、その後室温まで温め、水 (150 mL) で反応を終了させた。混合物をブライン (150 mL) に注ぎ、水相を EtOAc (3x) で抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (330 g) にかけて (0〜25 % EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出)、20.0 g (83 %) の表題化合物を透明な橙色油状物として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.07 (d, 1H, J = 8.97 Hz), 7.50 (d, 1H, J = 2.20 Hz), 7.21 (dd, 1H, J = 8.97 and 2.38 Hz), 5.34 (s, 2H), 3.39 (s, 3H)。
段階B− 5−[(5−{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}−2−ニトロフェニル)アミノ]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル
ジオキサン(20 mL) 中の5−アミノ−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル (1.32 g、3.82 mmol) 及び2−ブロモ−4−{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}−1−ニトロベンゼン (1.0 g、3.82 mmol)の攪拌溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン) ジパラジウム (0) (70.0 mg、0.076 mmol) 及びXANTPHOS (97.0 mg、0.17 mmol) を加え、次に炭酸セシウム (6.2 g、19.0 mmol) を加えた。混合物を 60℃まで加熱し、12 h 攪拌し、その後室温まで冷却し、EtOAc で希釈し、セライト濾過し、その固体を EtOAc 及び DCM で洗浄した。濾液を真空下で濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィー (120 g) にかけ (5〜35 % EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出)、1.64 g (82 %) の表題化合物を赤色油状物として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 9.85 (s, 1H), 8.12 (d, 1H, J = 9.33 Hz), 7.90 (d, 1H, J = 7.87 Hz), 7.74 (m, 2H), 7.53 (t, 1H, J = 7.68 Hz), 6.84 (d, 1H, J = 2.56 Hz), 6.73−6.68 (m, 2H), 5.77−5.72 (m, 1H), 5.23 (s, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.37 (s, 3H), 1.58 (d, 3H, J = 6.22 Hz); MS (ESI): 527 [M+H]+。
段階C− 5−(6−{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル
高圧水素化反応フラスコに、5−[(5−{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}−2−ニトロフェニル)アミノ]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル (2.0 g、3.8 mmol)、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム (95.0 mg、0.38 mmol)、炭素上 5重量 % 白金 (硫化物) (740 mg、0.19 mmol) 及びトリメチルオルトホルメート (40 mL) を加えた。フラスコを N2 (気体)真空(3x)、その後 H2 (気体)/真空(3x)でパージした。その後 H2 ガスを 50 psi で3 h 添加した。その後反応混合物をセライト濾過し、その固体を EtOAc 及び DCM で洗浄した。その後濾液を真空下で濃縮して、1.92 g (100 %) の表題化合物を淡黄色気泡固体として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.49 (s, 1H), 7.98 (d, 1H, J = 8.05 Hz), 7.79−7.66 (m, 3H), 7.53 (t, 1H, J = 7.59 Hz), 7.35 (s, 1H), 7.22 (d, 1H, J = 2.20 Hz), 7.06 (dd, 1H, J = 8.78 and 2.20 Hz) 5.97 (q, 1H, J = 6.04 Hz), 5.23 (s, 2H), 3.83 (s, 3H), 3.39 (s, 2H), 1.65 (d, 3H, J = 6.22 Hz); MS (ESI): 507 [M+H]+。
段階D− 5−(6−ヒドロキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル
1:1 THF/MeOH (130 mL) 中の5−(6−{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル (8.18 g、実施例3、ルート2の段階Cと同様の手順を用いて異なるバッチから、16.16 mmol) の攪拌溶液に、水中の1 N HCl (65 mL、65.0 mmol) を加えた。反応混合物を 35℃まで加熱し、72 h 攪拌し、その後室温まで冷却した。反応系を DCM (500 mL) に注ぎ、水 (100 mL) を加えた。混合物を(飽和) NaHCO3 の添加によって pH 7に中和した。水相を DCM (1x) 及び EtOAc (1x)で抽出した。合わせた有機相を MgSO4 上で乾燥し、真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (120 g) にかけて (10〜60 % EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出)、6.9 g (92 %) の表題化合物を淡サーモン色の気泡固体として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 9.62 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.00 (d, 1H, J = 7.87 Hz), 7.80−7.71 (m, 2H), 7.56−7.51 (m, 2H), 7.38 (s, 1H), 7.05 (d, 1H, J = 2.01 Hz), 6.81 (dd, 1H, J = 8.70 and 2.11 Hz) 5.95 (m, 1H), 3.83 (s, 3H), 1.64 (d, 3H, J = 6.23 Hz); MS (ESI): 463 [M+H]+。
段階E− 3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−5−(6−{[(トリフルオロメチル)スルフォニル]オキシ}−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−2−チオフェンカルボン酸メチル
DCM (30 mL) 中の5−(6−ヒドロキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル (2.49 g、5.38 mmol) 及びn−フェニルトリフルオロメタンスルホンアミド (2.06 g、5.76 mmol) の攪拌、冷却した (0℃) 溶液に、ジイソプロピルエチルアミン (2.0 mL、11.5 mmol) を加えた。反応系を室温まで放温し、12 h 攪拌した。その後反応混合物を真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (120 g) にかけて (5〜40 % EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出)、3.12 g (98 %) の表題化合物を淡黄色固体として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.76 (s, 1H), 8.01−7.94 (m, 2H), 7.80−7.70 (m, 3H), 7.56−7.43 (m, 3H), 5.98 (q, 1H, J = 6.10 Hz), 3.84 (s, 3H), 1.65 (d, 3H, J = 6.22 Hz); MS (ESI): 595 [M+H]+。
段階F− 3−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}−5−(6−ビニル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)チオフェン−2−カルボキシレート
n−プロパノール(175 mL)中室温で攪拌した3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−5−(6−{[(トリフルオロメチル)スルフォニル]オキシ}−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−2−チオフェンカルボン酸メチル (20.69 g、実施例3、ルート2の段階Eと同様の手順を用いて異なるバッチから、34.83 mmol)、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム (5.6 g、42.10 mmol) 及びトリエチルアミン (4.85 mL、34.86 mmol) の混合物に、 [1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム (II) ジクロロメタン錯体 (570 mg、0.70 mmol) を加えた。その後混合物を加熱して還流させ、3 h 攪拌し、その後室温まで冷却し、水に注ぎ、 EtOAc (3x) で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して (10〜50 % EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出)、12.98 g (79 %) の表題化合物を淡黄色気泡固体として得た。 MS (ESI): 473 [M+H]+。
段階G− 5−[6−(1,2−ジヒドロキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}チオフェン−2−カルボン酸メチル
表題化合物は、実施例3、ルート1の段階Cと同様の手順により製造することができる。
段階H− 5−(6−ホルミル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}チオフェン−2−カルボン酸メチル
表題化合物は、実施例3、ルート1の段階Dと同様の手順により製造することができる。
段階I− 5−{6−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}チオフェン−2−カルボン酸メチル
表題化合物は、実施例3、ルート1の段階Eと同様の手順により製造することができる。
段階J− 5−{6−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}チオフェン−2−カルボキサミド
表題化合物は、実施例3、ルート1の段階Fと同様の手順により製造することができる。
ルート3:
段階A− 5−{6−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン−2−カルボン酸メチル
ジオキサン (1.0 mL) 中の5−[6−(クロロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)チオフェン−2−カルボン酸メチル (150 mg、0.30 mmol) の攪拌溶液に、N−メチルピペラジン (50μL、0.45 mmol) を加えた。反応系を 60℃で 18 h 加熱し、室温まで冷却し、真空下で濃縮した。残渣を EtOAc 及び水中に溶解した。水相を EtOAc で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4 上で乾燥し、真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して (0〜10 % MeOH / DCM、1 % 水酸化アンモニウムの勾配で溶出)、134 mg (79 %) の表題化合物を白色固体として得た。 MS (ESI): 559 [M+H]+。
段階B− 5−{6−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}チオフェン−2−カルボキサミド
表題化合物は、実施例3、ルート1の段階Fと同様の手順により製造することができる。
ルート4:
段階A− 4−[ビス(メチルオキシ)メチル]−2−ブロモ−1−ニトロベンゼン
MeOH (69 mL) 中の3−ブロモ−4−ニトロベンズアルデヒド (7.97 g、34.6 mmol)(文献 (Katritzky、A.R.; Xie、L. Tetrahedron Letters 1996、37、347−350) の手順と同様に調製した)、オルトギ酸トリメチル(11.4 mL、104 mmol) 及びp−トルエンスルホン酸水和物 (329 mg、1.73 mmol) の溶液を 3 h 還流させた。その後飽和水酸化アンモニウム水溶液 (1 mL) を加えて反応系をクエンチし、シリカゲル上で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにより精製して (10〜25 % EtOAc:ヘキサン)、8.76 g (92 %) の表題化合物を橙色油状物として得た。 1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 7.89 (m, 2H), 7.59 (m, 1H), 5.47 (s, 1H), 3.38 (s, 6H)。
段階B− 5−({5−[ビス(メチルオキシ)メチル]−2−ニトロフェニル}アミノ)−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル
1,4−ジオキサン (25 mL) 中のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム (0) (117 mg、0.127 mmol)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルフォスフィノ)キサンテン (162 mg、0.280 mmol)、5−アミノ−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル (2.31 g、6.69 mmol)、4−[ビス(メチルオキシ)メチル]−2−ブロモ−1−ニトロベンゼン (1.76 g、6.37 mmol) 及び炭酸セシウム (10.39 g、31.89 mmol) の溶液を、丸底フラスコ内で N2 下で調製し、フラスコを排気し、N2 で3回置換し、その後 60℃で16 h 攪拌した。その後反応混合物をテトラヒドロフラン (100 mL) で希釈し、シリカゲル上で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにより精製して (5〜75 % EtOAc:ヘキサン可溶物の勾配で溶出)、2.79 g (81 %) の表題化合物を赤色気泡として得た。 1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 9.63 (br s, 1H), 8.21 (m, 1H), 7.94 (m, 1H), 7.62 (m, 2H), 7.48 (s, 1H), 7.40 (m, 1H), 7.02 (m, 1H), 6.47 (s, 1H), 5.73 (q, 1H, J = 6.2 Hz), 3.88 (s, 3H), 3.34 (s, 1H), 3.31 (s, 3H), 3.28 (s, 3H), 1.72 (d, 3H, J = 6.2 Hz); MS (ESI): 541 [M+H]+。
段階C− 5−{6−[ビス(メチルオキシ)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル
Fischer−Porter 瓶内で、オルトギ酸トリメチル(50 mL) 中の5−({5−[ビス(メチルオキシ)メチル]−2−ニトロフェニル}アミノ)−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル (2.71 g、5.01 mmol) の溶液に、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム(126 mg、0.501 mmol) 及び炭素上硫化白金(5重量 % Pt、977 mg、0.250 mmol Pt)を加えた。混合物をFischer−Porter 水素化装置上、50 psi の H2 で、水素の取り込みがなくなるまで (17 h) 水素化した。反応混合物を焼結ガラスフィルターに通して濾過して触媒を除去し、DCM (75 mL) で洗浄した。溶出液を濃縮して、2.61 g (100 %) の粗表題化合物を橙色油状物として得て、精製せずに次の段階に進んだ。 MS (ESI): 521 [M+H]+。
段階D− 5−(6−ホルミル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル
アセトン(20 mL) 及び水 (5 mL)中の粗5−{6−[ビス(メチルオキシ)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル (2.61 g、5.01 mmol) (上記段階Cより)の溶液に、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム(126 mg、0.501 mmol) を加えた。反応系を 2 h 室温で攪拌し、その後水 (30 mL) 及び飽和 NaHCO3 水溶液(30 mL) に注いだ。混合物を DCM (2 x 30 mL) で抽出した。合わせた有機画分を Na2SO4 上で乾燥し、濾過し、シリカゲル上で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにより精製して (30〜100 % EtOAc:ヘキサン)、1.37 g (58 % 、2段階)の表題化合物を淡黄色固体として得た。 1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 10.06 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.96−7.88 (m, 4H), 7.72−7.61 (m, 2H), 7.44 (m, 1H), 6.82 (s, 1H), 5.84 (q, 1H, J = 6.3 Hz), 3.95 (s, 3H), 1.79 (d, 3H, J = 6.3 Hz); MS (ESI): 475 [M+H]+。
段階E− 5−{6−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル
表題化合物は、実施例3、ルート1の段階Eと同様の手順により製造することができる。
段階F− 5−{6−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}チオフェン−2−カルボキサミド
表題化合物は、実施例3、ルート1の段階Fと同様の手順により製造することができる
実施例4: 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{6−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}チオフェン−2−カルボキサミド
段階A− 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−[(5−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル}−2−ニトロフェニル)アミノ]−2−チオフェンカルボン酸メチル
2,2−ジメチルプロパン酸(4−ニトロ−3−{[(トリフルオロメチル)スルフォニル]オキシ}フェニル)メチル(1.0 g、2.59 mmol)、5−アミノ−3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−2−チオフェンカルボン酸メチル (中間体実施例2) (860 mg、2.75 mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム (0) (70.0 mg、0.076 mmol) 及びXANTPHOS (90.0 mg、0.16 mmol) の混合物にトルエン (7.0 mL) を加えた。攪拌を開始し、炭酸セシウム (2.95 g、9.1 mmol) を加えた。反応系を60℃まで加熱し、30 min 攪拌し、その後室温まで冷却し、EtOAc で希釈し、セライト濾過し、その固体を EtOAc 及び DCM で洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (40 g) にかけて (5〜15 % アセトン/ヘキサンの勾配で溶出)、920 mg (65 %) の表題化合物を赤色固体として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 9.77 (s, 1H), 8.09 (d, 1H, J = 8.61 Hz), 7.63 (dd, 1H, J = 7.69 and 1.65 Hz), 7.46−7.30 (m, 4H), 7.01 (dd, 1H, J = 8.79 and 1.47 Hz), 6.67 (s, 1H), 5.76−5.70 (m, 1H), 5.09 (s, 2H), 3.73 (s, 3H), 1.56 (d, 3H, J = 6.23 Hz), 1.14 (s, 9H); MS (ESI): 547 [M+H]+。
段階B− 5−[(2−アミノ−5−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル}−フェニル)アミノ]−3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−2−チオフェンカルボン酸メチル
高圧水素化反応フラスコに、3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−[(5−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル}−2−ニトロフェニル)アミノ]−2−チオフェンカルボン酸メチル (6.5 g、実施例4の段階Aと同様の手順を用いて異なるバッチから、11.9 mmol)、炭素上5重量 % 白金 (硫化物) (2.2 g、0.56 mmol) 及び EtOAc (95 mL) を加えた。フラスコを N2 (気体) 真空 (3x)、その後 H2 (気体) 真空 (3x) でパージし、その後 H2 ガスを 50 psiで 3 h 添加した。その後反応混合物をセライト濾過し、その固体を EtOAc 及び DCM で洗浄した。その後濾液を真空下で濃縮して、5.46 g (89 %) の表題化合物を黄色固体として得た。 MS (ESI): 517 [M+H]+。
段階C− 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−(6−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−2−チオフェンカルボン酸メチル
5−[(2−アミノ−5−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル}フェニル)アミノ]−3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−2−チオフェンカルボン酸メチル (5.45 g、10.5 mmol)、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム(265 mg、1.0 mmol) 及びトリエチルオルトホルメート (15 mL) の混合物を攪拌し、40℃に 1 h 加熱し、その後室温まで冷却した。混合物全部をシリカゲルカートリッジ (25 g) 上に注ぎ、シリカゲルクロマトグラフィー (120 g) により精製して (100 % ヘキサンで 10 min、その後 0〜10 % EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出)、4.71 g (85 %) の表題化合物を黄色固体として得た。 MS (ESI): 527 [M+H]+。
段階D− 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−[6−(ヒドロキシメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−2−チオフェンカルボン酸メチル
表題化合物を、実施例1、ルート1の段階Gと同様の手順により、3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−(6−{[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−2−チオフェンカルボン酸メチルから調製した。 MS (ESI): 443 [M+H]+。
段階E− 5−[6−(クロロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−2−チオフェンカルボン酸メチル
表題化合物を、実施例1、ルート1の段階Hと同様の手順により、3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−[6−(ヒドロキシメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−2−チオフェンカルボン酸メチルから調製した。 MS (ESI): 461 [M+H]+。
段階F− 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{6−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}チオフェン−2−カルボン酸メチル
ジオキサン (1.5 mL) 中の 5−[6−(クロロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−2−チオフェンカルボン酸メチル (150 mg、0.32 mmol) の攪拌混合物に、N−メチルピペラジン (55 uL、0.49 mmol) 及びトリエチルアミン (136 uL、0.97 mmol) を加えた。その後反応系を 45℃で 18 h 加熱し、室温まで冷却し、真空下で濃縮した。残渣を EtOAc (125 mL) 及び水 (50 mL) 中に溶解した。水相を EtOAc で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、真空下で濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィー (4 g) にかけて (0〜10 % MeOH/DCM、1 % 水酸化アンモニウムの勾配で溶出)、123 mg (72 %) の表題化合物を淡黄色固体として得た。 MS (ESI): 525 [M+H]+。
段階G− 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{6−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}チオフェン−2−カルボキサミド
表題化合物を、実施例3、ルート1の段階Fと同様の手順により 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{6−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}チオフェン−2−カルボン酸メチルから調製した。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.52 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.69 (d, 2H, J = 8.24 Hz), 7.51−7.34 (m, 4H), 7.28 (d, 1H, J = 8.24 Hz), 7.16−7.11 (m, 2H), 5.98 (q, 1H, J = 6.35 Hz), 3.55 (s, 2H), 2.42−2.22 (m, 8H), 2.13 (s, 3H), 1.72 (d, 3H, J = 6.23 Hz); MS (ESI): 510 [M+H]+。
中間体実施例4: 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−(6−ヒドロキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−2−チオフェンカルボン酸メチル
段階A− 2−ブロモ−4−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−1−ニトロベンゼン
2−ブロモ−4−フルオロ−1−ニトロベンゼン(20.0 g、90.9 mmol) 及び4−メトキシベンジルアルコール (22.7 mL、182 mmol)を DCM (400 mL)中に攪拌しながら溶解し、1 N 水酸化ナトリウム溶液 (400 mL)を加え、次に硫酸水素テトラブチルアンモニウム(3.09 g、9.10 mmol) を加えた。反応系を 8 h 攪拌し、分液漏斗に注いだ。層を分離し、水相を DCM で1回、ジエチルエーテルで1回抽出した。合わせた有機相を MgSO4 上で乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、28.01 g (91 %) の表題化合物を得た。 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.03 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.50 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 7.39−7.34 (m, 2H), 7.17 (dd, 1H, J = 2.7, 9.0 Hz), 6.95−6.91 (m, 2H), 5.14 (s, 2H), 3.73 (s, 3H)。
段階B− 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{[5−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−2−ニトロフェニル]アミノ}−2−チオフェンカルボン酸メチル
2−ブロモ−4−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−1−ニトロベンゼン(20.19 g、59.7 mmol) 及び5−アミノ−3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−2−チオフェンカルボン酸メチル (18.60 g、59.7 mmol)を、メカニカルスターラー、還流冷却器及び温度計を取り付けたフラスコ内で 1,4−ジオキサン (500 mL) に攪拌しながら溶解した。攪拌溶液を N2 でバブリングして、溶液を 75 min 脱気した。9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルフォスフィノ)キサンテン (1.52 g、2.63 mmol)、炭酸セシウム (97.26 g、299 mmol) 及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム (0) (1.09 g、1.19 mmol) を加えた。反応系を 60℃に加熱し、16 h 攪拌した。反応系を室温まで冷却し、セライト濾過した。固体を DCM 中20 % MeOH溶液で洗浄した。濾液を約 200 g のシリカゲル上で濃縮した。固体をフリット漏斗内に置き、DCM 中10 % EtOAc溶液で洗浄した。濾液を真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、27.18 g (80 %) の表題化合物を得た。 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.87 (s, 1H), 8.10 (d, 1H, J = 9.5 Hz), 7.63 (m, 1H), 7.39−7.29 (m, 4H), 7.23 (m, 1H), 6.96−6.90 (m, 2H), 6.80 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 6.75 (s, 1H), 6.69 (dd, 1H, J = 2.6, 9.3 Hz), 5.75 (q, 1H, J = 6.3 Hz), 5.03 (AB, 2H, JAB = 13.2 Hz, JAB = 11.3 Hz), 3.74 (s, 3H), 3.74 (s, 3H), 1.55 (d, 3H, J = 6.4 Hz)。
段階C− 5−{[2−アミノ−5−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−フェニル]アミノ}−3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−2−チオフェンカルボン酸メチル
3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{[5−({[4−(メチルオキシ)フェニル]−メチル}オキシ)−2−ニトロフェニル]アミノ}−2−チオフェンカルボン酸メチル (27.18 g、47.8 mmol) を攪拌しながら、 EtOAc (400 mL)中に溶解し、硫化白金(炭素上5 重量 %、2.80 g)を加え、反応系をバルーン装置を使用して1 atmの H2 下に置いた。36 h 後、追加の結晶(2.80 g)を加え、1 atmのH2 下で攪拌を続けた。更に16 h 後、反応系をセライトパッドに通して濾過し、EtOAc で洗浄した。濾液を濃縮して表題化合物を得て、すぐに次の段階に進んだ。 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.66 (br s, 1H), 7.56 (dd, 1H, J = 1.7, 7.8 Hz), 7.41−7.09 (m, 5H), 6.93−6.88 (m, 2H), 6.71 (d, 1H, J = 2.8 Hz), 6.65 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 6.57 (dd, 1H, J = 2.7, 8.6 Hz), 5.87 (s, 1H), 5.62 (q, 1H, J = 6.4 Hz), 4.82 (s, 2H), 4.46 (br s, 2H), 3.73 (s, 3H), 3.64 (s, 3H), 1.52 (d, 3H, J = 6.2 Hz)。
段階D− 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−[6−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−2−チオフェンカルボン酸メチル
5−{[2−アミノ−5−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]アミノ}−3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)−エチル]オキシ}−2−チオフェンカルボン酸メチルを、オルトギ酸トリメチル(100 mL) 及びジエチルエーテル (100 mL) 中に攪拌しながら溶解し、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム(0.601 g、2.39 mmol) を少しずつ加えた。反応系を 2.5 h 攪拌し、トリエチルアミン (約 3 mL) を加えてクエンチした。混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製して 25.45 g (2段階で 97 %) の表題化合物を得た。 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.47 (s, 1H), 7.71 (dd, 1H, J = 1.6, 8.2 Hz), 7.63 (d, 1H, J = 9.0 Hz), 7.43−7.08 (m, 7H), 7.00 (dd, 1H, J = 2.4, 8.8 Hz), 6.96−6.90 (m, 2H), 5.97 (q, 1H, J = 6.4 Hz), 5.03 (AB, 2H, JAB = 17.1 Hz, JAB = 11.3 Hz), 3.80 (s, 3H), 3.73 (s, 3H), 1.60 (d, 3H, J = 6.4 Hz)。
段階E− 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−(6−ヒドロキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−2−チオフェンカルボン酸メチル
3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−[6−({[4−(メチルオキシ)フェニル]−メチル}オキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−2−チオフェンカルボン酸メチル (25.45 g、46.4 mmol) を DCM (120 mL)中に溶解し、攪拌しながら、0℃まで冷却した。トリフルオロ酢酸 (40.0 mL、519 mmol) を滴下漏斗を通して滴下して加えた。反応系を 1 h 攪拌し、水 (120 mL) 中の水酸化ナトリウム (20.0 g、500 mmol) を滴下漏斗に通して滴下して加えた。その後混合物の pH を飽和 NaHCO3 溶液で中性に調整した。反応系を分液漏斗に注ぎ、層を分離した。水相を EtOAc で洗浄した。合わせた有機相を MgSO4 上で乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、14.86 g (75 %) の表題化合物を得た。 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.62 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 7.74 (dd, 1H, J = 1.7, 7.7 Hz), 7.53 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.46−7.38 (m, 3H), 7.32 (m, 1H), 7.08 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 6.79 (dd, 1H, J = 2.2, 8.6 Hz), 5.94 (q, 1H, J = 6.2 Hz), 3.79 (s, 3H), 1.60 (d, 3H, J = 6.2 Hz)。
中間体実施例5: 5−(6−ヒドロキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル
段階A− 5−{[5−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−2−ニトロフェニル]アミノ}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル
表題化合物を、中間体実施例4、段階Bと同様の手順により、5−アミノ−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル及び2−ブロモ−4−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−1−ニトロベンゼンから調製した。 MS (ESI): 603 [M+H]+。
段階B− 5−{[2−アミノ−5−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]アミノ}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル
表題化合物を、中間体実施例4、段階Cと同様の手順により、5−{[5−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−2−ニトロフェニル]アミノ}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチルから調製した。 MS (ESI): 573 [M+H]+。
段階C− 5−(6−ヒドロキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル
5−{[2−アミノ−5−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]アミノ}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル (11 g、19.19 mmol) を 100 mL のオルトギ酸トリメチル中に攪拌しながら溶解し、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム(0.502 g、1.91 mmol) を一度に加えた。反応系を 2.5 h 攪拌した。混合物を濃縮し、粗 5−[6−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチルをクロロホルム (75 mL) 中に溶解し、攪拌しながら 0℃まで冷却した。トリフルオロ酢酸 (50.0 mL、649 mmol) を加えた。反応系を 1 h 攪拌し、室温にした後、混合物を濃縮し、冷却してほとんどのトリフルオロ酢酸を除去した。混合物をクロロホルム (200 mL) 中に溶解した。反応系を分液漏斗に注ぎ、層を分離した。混合物の pH を飽和 NaHCO3 溶液で中性に調整し、その後、水相をクロロホルムで洗浄した。合わせた有機相を MgSO4 上で乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して 8.16 g (2段階で 92 %) の表題化合物を得た。 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.88 (d, 1H, J = 7.87 Hz), 7.83 (s, 1H), 7.66−7.55 (m, 3H), 7.40 (t, 1H, J = 7.7 Hz), 6.92 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 6.85 (dd, 1H, J = 2.3, 8.7 Hz), 5.78 (q, 1H, J = 6.23 Hz), 5.47 (s, 1H), 3.91 (s, 3H), 1.75 (d, 3H, J = 6.23 Hz); MS (ESI): 463 [M+H]+。
実施例5: 5−[6−(4−ピペリジニルオキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボキサミド
段階A− 4−({1−[5−[(メチルオキシ)カルボニル]−4−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チエニル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−イル}オキシ)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル
5−(6−ヒドロキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル (0.478 g、1.03 mmol)、炭酸セシウム (0.470 g、1.44 mmol) 及び 4−(トルエン−4−スルフォニルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル (0.439 g、1.24 mmol) を 10 mL の N,N−ジメチルホルムアミド中で混合し、攪拌しながら 60℃まで加熱した。反応系を 36 h 加熱し、室温まで冷却した。混合物を EtOAc 及び水に注ぎ、層を分離した。有機相をブラインで洗浄し、合わせた水相を EtOAc で抽出した。合わせた有機相を MgSO4 上で乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、0.482 g (72 %) の表題化合物を得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 8.43 (s, 1H), 7.95 (dd, J = 7.7 Hz, 1H), 7.78−7.66 (m, 2H), 7.63 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.50 (m, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.09 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.01 (dd, J = 8.8, 2.2 Hz, 1H), 5.97 (q, J = 6.2 Hz, 1H), 4.59 (m, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.65−3.56 (m, 2H), 3.25−3.15 (m, 2H), 1.91−1.82 (m, 2H), 1.63 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 1.59−1.49 (m, 2H), 1.38 (s, 9H); MS m/z 646 (M+1)。
段階B− 5−[6−(4−ピペリジニルオキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル
4−({1−[5−[(メチルオキシ)カルボニル]−4−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チエニル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−イル}オキシ)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル (1.84 g、実施例5の段階Aと同様の手順を用いて異なるバッチから、2.85 mmol)を30 mL の DCM 中に攪拌しながら溶解し、0℃まで冷却した。トリフルオロ酢酸 (10.0 mL、130 mmol) を滴下漏斗を通して滴下して加えた。反応系を 1 h 攪拌し、2 N 水酸化ナトリウム溶液 (60 mL) を滴下漏斗を通して滴下して加えた。飽和 NaHCO3 水溶液を用いて pH を塩基性に調整した。混合物を分液漏斗に注ぎ、層を分離した。水相を DCM で1回、ジエチルエーテルで1回洗浄した。合わせた有機相を MgSO4 上で乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、1.37 g (88 %) の表題化合物を得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.42 (s, 1H), 7.95 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.78−7.67 (m, 2H), 7.61 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.61 (m, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.05 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.97 (dd, J = 8.8, 2.2 Hz, 1H), 5.96 (q, J = 6.1 Hz, 1H), 4.41 (m, 1H), 3.80 (s, 3H), 2.97−2.88 (m, 2H), 2.59−2.49 (m, 2H), 1.92−1.83 (m, 2H), 1.63 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 1.51−1.38 (m, 2H); MS m/z 546 (M+1)。
段階C− 5−[6−(4−ピペリジニルオキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボキサミド
5−[6−(4−ピペリジニルオキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル (0.154 g、0.282 mmol) を密閉管内で MeOH 中の 7 N アンモニア (12.0 mL、84.0 mmol)に溶解し、80℃まで2日間加熱した。反応系を室温まで冷却し、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、0.129 g (86 %) の表題化合物を得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 8.34 (s, 1H), 7.91 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.81 (br s, 1H), 7.78−7.70 (m, 2H), 7.61 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.53 (m, 1H), 7.12 (br s, 1H), 7.03 (s, 1H), 7.00−6.93 (m, 2H), 5.94 (q, J = 6.2 Hz, 1H), 4.44 (m, 1H), 3.03−2.94 (m, 2H), 2.70−2.61 (m, 2H), 1.96−1.86 (m, 2H), 1.72 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 1.59−1.46 (m, 2H); MS m/z 531 (M+1)。
実施例6: 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−[6−(4−ピペリジニルオキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−2−チオフェンカルボキサミド
段階A− 4−[(1−{4−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−[(メチルオキシ)カルボニル]−2−チエニル}−1H−ベンゾイミダゾール−6−イル)オキシ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル
3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−(6−ヒドロキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−2−チオフェンカルボン酸メチル (2.00 g、4.66 mmol)、トリフェニルホスフィン (4.89 g、18.6 mmol) 及び4−ヒドロキシ−1−ピペリジンカルボン酸t−ブチル (1.88 g、9.34 mmol) を DCM (50 mL) 中に攪拌しながら溶解し、10℃まで冷却した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.84 mL、9.35 mmol) をシリンジを通して滴下して加えた。反応系を 5 min 攪拌し、室温まで温めた。反応系を 4 h 攪拌し、シリカゲルに吸着させた。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、少量の不純物を含む表題化合物を得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.47 (s, 1H), 7.70 (dd, 1H, J = 1.6, 7.7 Hz), 7.64 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.44−7.37 (m, 2H), 7.34 (s, 1H), 7.31 (m, 1H), 7.15 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.01 (dd, 1H, J = 2.2, 8.8 Hz), 5.97 (q, 1H, J = 6.2 Hz), 4.59 (m, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.65−3.56 (m, 2H), 3.27−3.14 (m, 2H), 1.92−1.81 (m, 2H), 1.60 (d, 3H, J = 6.2 Hz), 1.60−1.47 (m, 2H), 1.38 (s, 9H); MS (ESI): 612 [M+H]+。
段階B− 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−[6−(4−ピペリジニルオキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−2−チオフェンカルボン酸メチル
4−[(1−{4−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−[(メチルオキシ)−カルボニル]−2−チエニル}−1H−ベンゾイミダゾール−6−イル)オキシ]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチルを DCM (60 mL) 中に溶解し、0℃まで冷却した。トリフルオロ酢酸 (15.0 mL、195 mmol) を滴下漏斗を通して滴下して加えた。反応系を 1.5 h 攪拌し、2 N 水酸化ナトリウム溶液 (88 mL) を滴下漏斗を通して滴下して加えた。飽和 NaHCO3 水溶液を用いて pH〜8に調整した。混合物を分液漏斗に注ぎ、層を分離した。水相を DCM (3x)、EtOAc (1x) で洗浄した。合わせた有機相を MgSO4 上で乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、1.95 g (2段階で 82 %)の表題化合物を得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.46 (s, 1H), 7.71 (dd, 1H, J = 1.7, 7.7 Hz), 7.62 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.46−7.38 (m, 2H), 7.35 (s, 1H), 7.32 (m, 1H), 7.09 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 6.97 (dd, 1H, J = 2.2, 8.8 Hz), 5.97 (q, 1H, J = 6.2 Hz), 4.42 (m, 1H), 3.80 (s, 3H), 2.96−2.88 (m, 2H), 2.58−2.49 (m, 2H), 1.93−1.84 (m, 2H), 1.60 (d, 3H, J = 6.2 Hz), 1.51−1.39 (m, 2H); MS (ESI): 512 [M+1]+。
段階C− 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−[6−(4−ピペリジニルオキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−2−チオフェンカルボキサミド
3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−[6−(4−ピペリジニルオキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−2−チオフェンカルボン酸メチル (0.150 g、0.293 mmol) を密閉管内で MeOH 中の 7 N アンモニア (12.0 mL、84.0 mmol)中に溶解し、80℃に 48 h 加熱した。該溶液を濃縮し、新しい MeOH 中の 7 N アンモニア (12.0 mL、84.0 mmol) を再度加え、110℃に 72 h 加熱した。反応系を室温まで冷却し、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、0.126 g (87 %) の表題化合物を得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.38 (s, 1H), 7.79 (br s, 1H), 7.66 (dd, 1H, J = 1.6, 7.7 Hz, 1H), 7.61 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.45 (dd, 1H, J = 1.3, 7.8 Hz), 7.40 (m, 1H), 7.84 (m, 1H), 7.11 (s, 1H), 7.11 (br s, 1H), 7.01 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 6.96 (dd, 1H, J = 2.3, 8.7 Hz), 5.98 (q, 1H, J = 6.2 Hz), 4.41 (m, 1H), 2.98−2.89 (m, 2H), 2.62−2.53 (m, 2H), 1.94−1.84 (m, 2H), 1.70 (d, 3H, J = 6.2 Hz), 1.54−1.40 (m, 2H); MS (ESI): 497 [M+H]+。
実施例7: 5−{6−[(1−メチル−4−ピペリジニル)オキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボキサミド
段階A− 5−{6−[(1−メチル−4−ピペリジニル)オキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル
5−[6−(4−ピペリジニルオキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル (0.200 g、0.367 mmol) をDCM (4 mL) 及び MeOH (2 mL) 中に溶解した。酢酸 (0.025 mL、0.44 mmol) 及びホルムアルデヒド (0.055 mL、水中 37 %、0.74 mmol) をシリンジを通して加えた。トリアセトキシホウ水素化ナトリウム (0.117 g、0.552 mmol) を一度に加えた。反応系を 1 h 攪拌し、飽和 NaHCO3 溶液で反応を終了させた。混合物を DCM 及び半飽和 NaHCO3 水溶液中に注いだ。層を分離し、水相を DCM (3x) 及び EtOAc (1x) で洗浄した。合わせた有機相を MgSO4 上で乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、0.150 g (73 %) の表題化合物を得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.43 (s, 1H), 7.96 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.78−7.68 (m, 2H), 7.62 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.51 (m, 1H), 7.32 (s, 1H), 7.06 (br s, 1H), 6.98 (m, 1H), 5.97 (q, J = 6.0 Hz, 1H), 4.41 (m, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.26 (s, 3H), 2.52−2.43 (m, 2H), 2.27−2.11 (m, 2H), 1.98−1.85 (m, 2H), 1.73−1.60 (m, 2H), 1.62 (d, J = 6.0 Hz, 3H); MS (ESI): 560 [M+H]+。
段階B− 5−{6−[(1−メチル−4−ピペリジニル)オキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボキサミド
5−{6−[(1−メチル−4−ピペリジニル)オキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−3−({(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}オキシ)−2−チオフェンカルボン酸メチル (0.148 g、0.264 mmol) を密閉管内で MeOH 中の 7 N アンモニア (12.0 mL、84.0 mmol)中に溶解し、80℃で 24 h 加熱した。反応系を室温まで冷却し、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、0.138 g (96 %) の表題化合物を得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.35 (s, 1H), 7.92 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.82 (br s, 1H), 7.80−7.71 (m, 2H), 7.64−7.51 (m, 2H), 7.12 (br s, 1H), 7.06 (s, 1H), 6.99−6.94 (m, 2H), 5.95 (q, J = 6.2 Hz, 1H), 4.36 (m, 1H), 2.64−2.53 (m, 2H), 2.23−2.11 (m, 2H), 2.17 (s, 3H), 1.94−1.84 (m, 2H), 1.73 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 1.71−1.57 (m, 2H); MS (ESI): 545 [M+H]+。
実施例8: 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{6−[(1−メチル−4−ピペリジニル)オキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−2−チオフェンカルボキサミド
段階A− 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{6−[(1−メチル−4−ピペリジニル)オキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−2−チオフェンカルボン酸メチル
3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−[6−(4−ピペリジニルオキシ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−2−チオフェンカルボン酸メチル (0.260 g、0.508 mmol) を DCM (4 mL) 及び MeOH (2 mL)中に溶解した。酢酸 (0.035 mL、0.61 mmol) 及びホルムアルデヒド (0.076 mL、37 % 水溶液、1.0 mmol) をシリンジを通して加えた。トリアセトキシホウ水素化ナトリウム (0.161 g、0.760 mmol) を一度に加えた。反応系を 2 h 攪拌し、DCM 及び半飽和 NaHCO
3 水溶液中に注いだ。層を分離し、水相を DCM 及び EtOAc で洗浄した。合わせた有機相を MgSO
4 上で乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、0.215 g (80 %) の表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6): δ 8.48 (s, 1H), 7.73 (dd, 1H, J = 1.8, 7.7 Hz), 7.63 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.47−7.40 (m, 2H), 7.38 (s, 1H), 7.34 (m, 1H), 7.12 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 6.99 (dd, 1H, J = 2.2, 8.8 Hz), 5.98 (q, 1H, J = 6.2 Hz), 4.41 (m, 1H), 3.80 (s, 3H), 2.65−2.54 (m, 2H), 2.24−2.13 (m, 2H), 2.17 (s, 3H), 1.97−1.87 (m, 2H), 1.72−1.61 (m, 2H), 1.62 (d, 3H, J = 6.2 Hz); MS (ESI): 526 [M+H]
+。
段階B− 3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{6−[(1−メチル−4−ピペリジニル)オキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−2−チオフェンカルボキサミド
3−{[(1R)−1−(2−クロロフェニル)エチル]オキシ}−5−{6−[(1−メチル−4−ピペリジニル)オキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}−2−チオフェンカルボン酸メチル (0.214 g、0.407 mmol) を密閉管内でMeOH (12.0 mL、84.0 mmol)中の 7 N アンモニア中に溶解し、80℃に 2.5 日間加熱した。反応系を室温まで冷却し、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、0.208 g (100 %) の表題化合物を得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ 8.39 (s, 1H), 7.80 (br s, 1H), 7.67 (dd, 1H, J = 1.5, 7.6 Hz), 7.62 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 7.45 (m, 1H), 7.41 (m, 1H), 7.34 (m, 1H), 7.13 (s, 1H), 7.11 (br s, 1H), 7.02 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 6.97 (dd, 1H, J = 2.2, 8.8 Hz), 5.99 (q, 1H, J = 6.2 Hz), 4.37 (m, 1H), 2.63−2.53 (m, 2H), 2.22−2.14 (m, 2H), 2.17 (s, 3H), 1.95−1.86 (m, 2H), 1.71 (d, 3H, J = 6.2 Hz), 1.70−1.59 (m, 2H); MS (ESI): 511 [M+H]+。
比較例
比較例番号121、126、127、136 及び 143は、SmithKline Beecham Corpの PCT 公開番号 WO 2004/014899 に記載された方法を始めとして当技術分野で公知の方法を用いて製造することができる。
生物学的実施例
I. PLK1 の阻害に関するアッセイ
A 6x N−末端 His−タグ付き PLK キナーゼドメインの調製
6x N−末端 His−タグ付き PLK キナーゼドメイン (MKKGHHHHHHDが先行するアミノ酸21〜346、配列番号1)は、バキュロウィルスに感染した T. ni 細胞からポリへドリンプロモーター調節下に調製した。全ての手順は4℃で行った。細胞を 50 mM HEPES、200 mM NaCl、50 mM イミダゾール、5 % グリセロール; pH 7.5 中で溶解した。ホモジネートを SLA-1500 ローターで 14K rpm で 1 h 遠心分離し、上澄み液を1.2 ミクロンフィルターに通して濾過した。上澄み液をニッケルキレート化セファロース (Amersham Pharmacia) カラム上に載せ、溶解緩衝液で洗浄した。20 % 、30 % 及び 100 % 緩衝液 B (50 mM HEPES、200 mM NaCl、300 mM イミダゾール、5 % グリセロール; pH 7.5)の段階を用いてタンパク質を溶離した。PLK 含有画分を SDS−PAGE で決定した。PLK 含有画分を 50 mM HEPES、1 mM DTT、5 % グリセロール; pH 7.5 で5倍希釈し、次いで SP セファロース (Amersham Pharmacia) カラム上に載せた。カラムを 50 mM HEPES、1 mM DTT、5 % グリセロール; pH 7.5 で洗浄した後、PLK を 50 mM HEPES、1 mM DTT、500 mM NaCl; 5 % グリセロール; pH 7.5 で段階的に溶離した。10 kDa分子量カットオフ膜を用いて PLK を濃縮し、次いで 25 mM HEPES、1 mM DTT、500 mM NaCl、5 % グリセロール; pH 7.5 中で平衡化したSuperdex 200 ゲル濾過 (Amersham Pharmacia) カラム上に載せた。PLK 含有画分を SDS−PAGE で決定した。PLK をプールし、一定量に分け、−80℃で貯蔵した。サンプルは質量分析、N−末端配列決定及びアミノ酸分析を用いて品質管理した。
B 酵素活性 +/- 阻害剤は下記のようにして決定した:
全ての測定値は、シグナル生成が時間及び酵素と共に増加する条件下で得た。試験化合物を、白色 384 ウェルアッセイプレート (10 μL 及び幾つかの 20 μl アッセイのために 0.1 μL, 幾つかの 20 μL アッセイのために 1 μL) に 100% DMSO 中の 可変既知濃度で加えた。DMSO (1-5 % 最終, 適切ならば) 及び EDTA (反応ごとに 65 mM) を対照として使用した。反応ミックスは 22℃で下記のように調製した:
25 mM HEPES, pH 7.2
15 mM MgCl2
1 μM ATP
0.05 μCi/ウェル 33P-γ ATP (10Ci/mMol)
1 μM 基質ペプチド (ビオチン−Ahx−SFNDTLDFD、配列番号2)
0.15 mg/mL BSA
1 mM DTT
2 nM PLK1 キナーゼドメイン (最後に添加)。
自動液体ハンドラーにより酵素を加えた直後に反応ミックス (10 又は20 μL) を各ウェルに素早く加え、22℃で 1〜1.5 h インキュベートした。20 μL 酵素反応は、ウェル当たり 50 μL のストップミックス (50 mM EDTA, 標準ダルベッコ PBS (Mg2+ 及び Ca2+ を含まない) 中の 4.0 mg/mL ストレプトアビジン SPA ビーズ, 50 μM ATP) で停止した。10 μL 酵素反応は、ウェル当たり 10 μL のストップミックス (50 mM EDTA, 標準ダルベッコ PBS (Mg2+ 及び Ca2+ を含まない) 中の 3.0 mg/mL ストレプトアビジン結合 SPA イメージングビーズ (“LeadSeeker”), 50 μM ATP) で停止した。プレートを透明プラスチックシールで密閉し、500 x g で 1 min 遠心分離するか又は一夜沈降させ、Packard TopCount において 30 秒/ウェルで計数し(通常 SPA)、又は Viewlux 撮像装置 (LeadSeeker SPA) を用いて撮像した。バックグラウンド (EDTA 対照) より上のシグナルを、対照 (DMSO のみ) のウェルで得られたシグナルに対するパーセント阻害に換算した。
C 結果
データを以下の表1に報告する。表1において、 + = pIC50 <6; ++ = pIC50 6〜8; +++ = pIC50 >8。
II. メチレンブルー細胞成長抑制アッセイ −− PLK1 阻害剤による細胞増殖阻害
一般に、異なる腫瘍由来の対数増殖期細胞株(5 % CO2 インキュベーター内、37℃、10 % ウシ胎仔血清を含有する適当な培地中で培養)を、96−ウェルプレートに低密度(2000細胞/ウェル未満)で塗布した。塗布して 24 h 後、細胞を 10 uMから 0.04 nM の範囲の異なる濃度の試験化合物で処理した。幾つかのウェルは、対照として未処理のままとした。処理して 72 h 後、ウェル当たり 100 μl のメチレンブルー (Sigma M9140) (50:50 エタノール:水中 0.5 %) を用いて細胞数を決定した。染色液を室温で 30 min インキュベートし、プレートをすすぎ、染料を 1 % N−ラウロイルサルコシンナトリウム塩 (Sigma L5125、PBS 中) (メチレンブルーアッセイの更なる詳細は以下に述べる) に可溶化した。プレートをマイクロプレートリーダーで読み取り、620 nm で OD を測定した。
細胞成長のパーセント抑制を100 % 増殖 (対照) 対するパーセント増殖として表した。50 % の細胞成長を抑制する試験化合物の濃度 (IC50) を、XLfit を用いた、データの4パラメーターフィットにより決定した (すべてのサンプルよりバックグラウンドのために無細胞対照の値を差し引いた)。データは以下の表1に示されており、幾つかの異なる実験を合わせて示す。各実験は上記の一般的なパラメーターを用いて行ったが、いくつかの例ではわずかな変更を行った。
1つのアッセイでは、正常ヒト包皮線維芽細胞 (HFF)、ヒト結腸 (HCT116, RKO)、肺 (H460、A549) 及び乳房 (MCF7) 腫瘍細胞株を、加湿 5 % CO2、95 % 空気インキュベーター内、37℃で、10 %ウシ胎仔血清 (FBS) を含有する高グルコース DMEM (Life Technologies) 中で培養した。細胞をトリプシン/EDTA を用いて採取し、血球計を用いて計数し、以下の密度でウェル当たり 100 μL の培地に塗布した。96−ウェル組織培養プレート (Falcon 3075)中: HFF 5,000 細胞/ウェル、HCT116 3,000 細胞/ウェル、RKO 2,500 細胞/ウェル、H460 2,500 細胞/ウェル、A549 5,000 細胞/ウェル、MCF7 4,000 細胞/ウェル。翌日、化合物を、DMSO 中の10 mM原液から100 μg/mL ゲンタマイシンを含有する低グルコース DMEM中に、最終必要濃度の2倍に希釈した。100 μL/ウェルのこれらの希釈物を、アッセイプレートに現存する 100 μL の培地に加えた。0.6 % DMSO を含有する培地を対照ウェルに加えた。すべてのウェル中で、DMSOの最終濃度は0.3 % であった。細胞を37℃、5 % CO2で、72 h インキュベートした。培地を吸引除去した。細胞バイオマスを、細胞をウェルあたり 80 μL のメチレンブルー (Sigma M9140, 50:50 エタノール:水中 0.5 %) で染色し、室温で30〜60 min インキュベーションすることにより見積もった。染色液を吸引除去し、プレートを水に浸漬してすすぎ、次いで空気乾燥した。染色液を細胞から遊離させるため、100 μL の可溶化溶液 (PBS 中の 1 % N−ラウロイルサルコシンナトリウム塩、Sigma L5125) を加え、プレートを穏やかに約 30 min 振盪した。620 nMにおける光学密度をマイクロプレートリーダー上で測定した。細胞成長のパーセント抑制をビヒクル処理対照ウェルに対して計算した。50 % の細胞成長を抑制する化合物の濃度 (IC50) を、非線形回帰 (Levenberg-Marquardt) 及び式 y = Vmax*(1-(x/(K+x))) + Y2 (式中、「K」は IC50 に等しい)を用いて補間した。
データを以下の表1に報告する。表1において、 + = IC50 >1 μM; ++ = IC50 0.1 〜1 μM: +++ = IC50 <0.1 μM。
III. 平衡透析を用いたヒト血漿タンパクへのタンパク結合の決定
96ウェルプレート(ハイスループット透析) : 化合物の原液をヒト血漿に混合し、目標濃度の 2000 ng/mL にした。混合物を穏やかに数回逆さにし、確実に均一にし、3つの 50 μL のアリコートを、初期濃度を検証するために集めた。透析プレート (HT透析膜片、12,000 〜 14,000 ダルトンの分子量カットオフ限界) を集めた後、混合した血漿 (150 μL) をウェルのドナーコンパートメント中に置き、リン酸緩衝生理食塩水 pH 7.4 (150 μL) をレシーバーコンパートメント中に置いた。化合物及び血漿の種類当たり8つのウェルを準備した。プレートをプレートシェーカー上の 37℃インキュベーター内に置いた。6 h のインキュベーションの後、プレートを除去した。各ドナー及びレシーバーコンパートメントから、1つの 50 μL のアリコート (ウェル当たり) を分析した。サンプル分析を LC/MS/MS (結果を薬物ピーク面積/内部標準ピーク面積比として報告した) により行った。タンパク結合アッセイは、HT 透析 96 ウェルプレートの代わりに透析細胞を用いて行うこともできる。データを以下の表1に報告する。表1において、 % タンパク結合は、 + = >98 % ; ++ = 95〜98 % : +++ = <95 % である。
IV. ハイスループット溶解度アッセイ
各化合物当たり2つのサンプルを準備する。1つ (標準サンプル) は、水/有機混合溶媒カクテル中に、固定濃度 20 μMの化合物を含有する。他方の(試験サンプル)は、pH 7.4、0.05M リン酸緩衝液中に、最大濃度 200 μM の化合物を含有し、24 h 振盪する。試験サンプルを0.45μフィルターにより濾過し、その後 10 min 遠心分離してすべての不溶固体を除去する。これらのサンプルについて HPLC 分析を行う。ピーク面積を溶解度の算出用に使用する。データを以下の表1に報告する。表1において、溶解度は、+ = <30μM ; ++ = 30 - 100 μM: +++ = <100 μM である。
表1は、本発明の化合物が試験した比較例より優れた特性を有することを示す。例えば、実施例化合物 1〜8 は、検討した複数の細胞株におけるPLK1酵素アッセイ及びメチレンブルー細胞増殖アッセイにおいて、比較例121、136 及び 143 より優れた酵素及び細胞能力を有する。実施例化合物 1〜8 は、pH 7.4、0.05 M リン酸緩衝液中で、比較例 127 より優れた溶解度を有する。実施例化合物 1〜3 及び 5〜8 は、平衡透析アッセイによると、ヒト血清中で、比較例 126及び127より優れたタンパク結合を有する。
V. Cell−Titer−Glo −− PLK1 阻害剤による細胞増殖の阻害
異なる腫瘍由来の指数関数的に増殖する細胞株 (5 % CO2 インキュベーター内、37℃、10 % ウシ胎仔血清を含有する適当な培地中で培養) を、96−ウェルプレートに低密度 (2000細胞/ウェル未満) で塗布した。塗布して 24 h 後、細胞を 10 uM から 0.04 nM の範囲の異なる濃度の試験化合物で処理した。幾つかのウェルは、対照として未処理のままであった。処理して 72 h 後、細胞数をウェル当たり 50〜100ul のCellTiter−Glo (Promega #G7573) を用いて測定した。プレートを室温で 15 min インキュベートし、化学発光シグナルを、Victor V 又は Envison 2100 リーダー上で読み取った。
細胞成長のパーセント抑制を 100 % 増殖 (対照) に対するパーセント増殖として表した。50%の細胞成長を抑制する試験化合物の濃度 (IC
50) を XLfit を用いた、データの4パラメーターフィットにより決定した (すべてのサンプルよりバックグラウンドのために無細胞対照の値を差し引いた)。Cell−Titer Glo データは以下の表2に示され、幾つかの異なる実験をまとめて示す。各実験は、上記の一般的なパラメーターを用いて行い、いくつかの例では、わずかな変更を行った。表2において、+ = IC
50 >1 μM; ++ = IC
50 0.5-1 μM; +++ = IC
50 < 0.5μMである。