JP5002054B2 - 蓄熱材の製造方法、蓄熱材、蓄熱機能付吸着材、キャニスター - Google Patents

蓄熱材の製造方法、蓄熱材、蓄熱機能付吸着材、キャニスター Download PDF

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Description

本発明は、温度変化に応じて潜熱の吸収および放出を生じる相変化物質を外郭中に封入してなる蓄熱カプセルを含んで構成される蓄熱材の製造方法、当該製造方法により製造される蓄熱材、当該蓄熱材と吸着材とを混合してなる蓄熱機能付吸着材、当該蓄熱機能付吸着材を充填したキャニスターに関する。
温度変化に応じて潜熱の吸収および放出を生じる相変化物質を外郭中に封入してなる蓄熱カプセル(マイクロカプセル、以下において同じ)を含んで構成される蓄熱材と、吸着材とを混合して蓄熱機能付吸着材とし、吸着材が吸着対象を吸着して発熱、或いは脱着して吸熱することで温度変化を繰り返す場合であっても、蓄熱材が有する蓄熱機能により当該温度変化を最小限として、吸着材の吸着・脱着性能の低下を防止することが知られている。
このような蓄熱機能付吸着材を、例えば、車両等の内燃機関に供給されるガソリンなどの蒸散燃料(有機溶剤)が外部(大気中など)に放出されるのを防止するために、ケース内に充填して用いる吸着式キャニスターがある。この吸着式キャニスターでは、車両の停車時等に余剰の蒸散燃料をケース内の吸着材に吸着し、走行時等にはケース内に大気をパージガスとして導入して吸着された蒸散燃料を脱着し、改めて内燃機関等に供給する。したがって、ケース内に充填された蓄熱機能付吸着材を構成する蓄熱材においては、吸着対象である蒸散燃料が蓄熱カプセルの外郭を破壊或いは透過することで、当該外郭内に封入された相変化物質が外部に漏出してしまうおそれがある。さらに、当該ケース内に存在する湿気や水分等が蓄熱カプセルの外郭を劣化することでも、当該外郭が破壊され、当該外郭内に封入された相変化物質が外部に漏出してしまうおそれがある。このような相変化物質の外部への漏出は、蓄熱機能を低下させ、吸着・脱着性能の低下を招くおそれがある。
上記問題を解決するため、特許文献1では、相変化物質を封入した蓄熱カプセルの外郭を、疎水性の樹脂からなる内層と親水性の樹脂からなる外層とから構成するとともに、当該蓄熱カプセルを熱硬化性樹脂等のバインダーにより成型して成型蓄熱材とした後、別途成型した成型吸着材と混合し、蓄熱機能付吸着材としてキャニスターに充填して用いることが開示されている。
当該蓄熱機能付吸着材によれば、蓄熱カプセルにおいて上記内層と外層とからなる2層構造の外郭を採用することで、エタノール混合ガソリン(エタノール10%、ガソリン90%)などのような蒸散燃料を用いた場合であっても、当該蒸散燃料が蓄熱カプセルの外郭を透過することを有効に低減・回避し、長期に亘って良好な吸着・脱着性能を維持できるとされる。また、予め蓄熱カプセルをバインダー(本願の成型用バインダーに相当)を用いて成型蓄熱材(本願の成型蓄熱材に相当)とした後、成型吸着材と混合するので、当該成型吸着材と混合した際における比較的強度の低い蓄熱カプセルの破壊を最小限に抑えて蓄熱機能の低下を防止し、蓄熱機能付吸着材における吸着材の吸着・脱着性能の低下を防止できるとされる。
特開2008−069680号公報
しかしながら、例えば、上記特許文献1の蓄熱機能付吸着材を構成する成型蓄熱材の蓄熱カプセルは、外郭の外層が親水性の樹脂からなるので水分等により溶解するおそれがあるとともに、当該樹脂により外郭を構成する内層を完全に覆うことは困難であるため、蒸散燃料に接触することにより、蓄熱カプセルの外郭(特に外層)が継時的に破壊されて、封入された相変化物質が外部に漏出するおそれがある。
また、例えば、特許文献1において、蓄熱カプセルはバインダーにより成型され成型蓄熱材とされるが、比較的少ない量のバインダーを混合して成型することが行われている(例えば、蓄熱カプセル95重量部に対してバインダー5重量部)。これは、成型蓄熱材においてバインダーの量が多いと蓄熱性能の無いバインダーの比率が高くなり、単位体積あたりの蓄熱性能が低下するため、バインダーの量を少なくしていると考えられる。ここで、比較的少ない量のバインダーを混合して成型した成型蓄熱材は、例えば、図8(a)、(b)のSEM(走査型電子顕微鏡、以下同じ)写真に示すように、その表面及び内部は概略球状に形成された複数の蓄熱カプセル同士の当接部位周りがバインダーにより結合され、成型されていることがわかる。したがって、バインダーにより成型されているとはいえ、成型蓄熱材における表面及び内部の蓄熱カプセルの存在する箇所以外には、隙間や空隙が形成された状態である。このような隙間や空隙が表面や内部に存在する状態で、ガソリン等の蒸散燃料、特に蓄熱カプセルに対する攻撃性の高いアルコールとガソリンの混合物が接触すると、当該混合物が成型蓄熱材内に容易に浸漬して、継時的に蓄熱カプセルの外郭が破壊され易くなり、封入された相変化物質が外部に漏出するおそれがある。
このような相変化物質の漏出は、蓄熱性能の低下をもたらし、吸着・脱着性能の低下をもたらすという問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、蓄熱カプセルを含んで構成される蓄熱材において、有機溶剤(特に、アルコールとガソリンの混合物などの蒸散燃料)が存在する条件下及び湿気や水分が存在する条件下でも蓄熱性能が低下せず、良好な吸着・脱着性能を確保することができる技術を提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る温度変化に応じて潜熱の吸収および放出を生じる相変化物質を外郭中に封入してなる蓄熱カプセルを含んで構成される蓄熱材の製造方法の特徴手段は、
複数の前記蓄熱カプセル間の当接部位周りを成型用バインダーにより結合させ、粒状に成型して成型蓄熱材とした後、当該成型蓄熱材の外周表面部位をコート用バインダーによりコーティングして、コーティング層を形成し、前記コーティング層が形成されたコーティング成型蓄熱材に、少なくとも前記コーティング層における前記コート用バインダーの重合反応を促進させる反応促進処理を行う点にある。
本特徴手段によれば、成型用バインダーにより蓄熱カプセルを含む成型蓄熱材が成型された後、当該成型蓄熱材の外周表面部位をコート用バインダーによりコーティングしてコーティング層を形成するので、有機溶剤や水分が成型蓄熱材に接触しても、コーティング層により当該有機溶剤や水分がコーティング成型蓄熱材の内側に侵入することを防止して、コーティング成型蓄熱材中の蓄熱カプセルの外郭の破壊を防止することができる。特に、このコーティング層を構成するコート用バインダーの重合反応を促進させる反応促進処理が行われているので、より緻密なコーティング層が形成されており、当該コーティング層により確実に有機溶剤や水分の侵入を防止することができる。
具体的には、蓄熱材は、複数の蓄熱カプセル間の当接部位周りを成型用バインダーで結合して粒状に成型され成型蓄熱材として形成される。この成型蓄熱材は、複数の蓄熱カプセル間の当接部位周りが成型用バインダーで結合されているため、その表面や内部には隙間や空隙が存在する状態である(例えば、図2、図8(a)、(b)参照)。このように成型することで、蓄熱性能の無い成型用バインダーの混合量を低下させ、単位体積あたりの蓄熱量の低下を防止することができる。
次に、この成型蓄熱材の外周表面部位に、コート用バインダーをコーティングしてコーティング層を形成する。このコーティング層は、成型蓄熱材の表面や内部に隙間や空隙を残したまま、外周表面部位全体を覆うように形成されている(例えば、図3参照)。したがって、コーティング層を形成する前の成型蓄熱材では、その表面や内部に存在する隙間や空隙に有機溶剤や水分が浸入し継時的に蓄熱カプセルの外郭が破壊される可能性があるが、コーティング層を形成した後のコーティング成型蓄熱材では、その外周表面部位全体がコーティング層に覆われているため、コーティング成型蓄熱材内に有機溶剤や水分が侵入することを防止して(耐浸漬性)、蓄熱カプセルの外郭の破壊を防止することができる。なお、成型蓄熱材の表面や内部には隙間や空隙を残したまま、コーティング層が形成されているので、コート用バインダーの量が比較的少なくても外周表面部位全体を確実にコーティングすることができる。
さらに、このコーティング成型蓄熱材に、重合反応を促進させる反応促進処理(例えば、加熱処理や酸処理など)を行う。これにより、コーティング層の重合度が低い場合などであっても、少なくともコーティング層を構成するコート用バインダーの重合反応を促進し、コーティング層に存在する微小な孔を塞いで、より緻密なコーティング層を形成することができる(例えば、図7(a)、(b)、(c)、(d)参照)。緻密なコーティング層は、機械的強度が高いとともに、有機溶剤、特に、コート用バインダー等への攻撃性の高いアルコールの混合量が高いガソリンに対しても、高い耐浸漬性を発揮し、蓄熱カプセルの外郭の破壊を防止することができる。なお、反応促進処理では、コート用バインダーの重合反応を促進するだけでなく、同時に成型用バインダー、蓄熱カプセルの外郭を構成する高分子材料の重合反応をも促進することができ、それぞれ、より緻密な構造とすることができる。
よって、有機溶剤(特に、アルコールとガソリンの混合物などの蒸散燃料)が存在する条件下及び湿気や水分が存在する条件下でも蓄熱性能が低下せず、良好な吸着・脱着性能を確保することができる。
本発明に係る蓄熱材の製造方法の更なる特徴手段は、前記成型蓄熱材を成型するに当たり、溶媒に溶解された状態の前記成型用バインダーの溶液と前記複数の蓄熱カプセルとを混合して得られた混合物を乾燥して、前記成型蓄熱材を得る点にある。
本特徴手段によれば、成型蓄熱材は、溶媒に溶解された状態の成型用バインダーの溶液と、複数の蓄熱カプセルとを混合した混合物を乾燥することにより得られるので、成型用バインダーを用いて、一旦、複数の蓄熱カプセルからなる成型蓄熱材の外形を形成しておき、この外形が確実に形成されてから、成型蓄熱材の外周部位表面にコーティング層を形成することができる。
これにより、成型蓄熱材の外周表面部位を完全に覆うようにコーティング層を形成したとしても、コート用バインダーの量を比較的少なくすることができ、また、比較的簡便にコーティングすることができる。
本発明に係る蓄熱材の製造方法の更なる特徴手段は、前記複数の蓄熱カプセルに対し1〜10質量%の前記成型用バインダーを混合して、前記成型蓄熱材を成型する点にある。
本特徴手段によれば、複数の蓄熱カプセルに対し比較的少ない量の成型用バインダーを混合して、成型蓄熱材を成型する。
これにより、複数の蓄熱カプセルの当接部位周りだけを成型用バインダーにより確実に結合して成型することができ、蓄熱性能の無い成型用バインダーの混合量をできるだけ少なくし、単位体積あたりの蓄熱性能の低下を防止することができる。複数の蓄熱カプセルに対する成型用バインダーの混合量が1質量%より少ないと、成型蓄熱材の強度が低下し当該成型蓄熱材が破壊された場合には蓄熱効果が減少するとともに、成型蓄熱材において成型用バインダーで結合された蓄熱カプセル間に空隙が生じ過ぎて密度が低下し単位体積あたりの蓄熱効果が減少するため好ましくなく、10質量%よりも多いと成型用バインダーに対する蓄熱カプセル量が相対的に低下して蓄熱量が低下し好ましくない。なお、同様の理由から、好ましくは1〜8質量%、より好ましくは2〜6質量%とするとよい。
本発明に係る蓄熱材の製造方法の更なる特徴手段は、前記成型蓄熱材に対し1〜10質量%の前記コート用バインダーを用いて、前記コーティング層を形成する点にある。
本特徴手段によれば、成型蓄熱材に対し比較的少ない量のコート用バインダーを用いて、コーティング層を形成する。
これにより、成型蓄熱材の外周表面部位を確実にコーティングしつつ、蓄熱性能の無いコート用バインダーをできるだけ少なくし、単位体積あたりの蓄熱性能の低下を防止することができる。成型蓄熱材に対するコート用バインダーの添加量が1質量%より少ないと耐アルコール性、耐ガソリン性が低下し好ましくなく、10質量%よりも多いと成型用バインダー及びコート用バインダーに対する蓄熱カプセル量が相対的に低下して蓄熱量が低下し好ましくない。なお、同様の理由から、好ましくは1〜8質量%、より好ましくは2〜6質量%とするとよい。
本発明に係る蓄熱材の製造方法の更なる特徴手段は、前記反応促進処理が、前記コーティング成型蓄熱材を加熱する加熱処理である点にある。
本特徴手段によれば、反応促進処理としてコーティング成型蓄熱材を加熱する加熱処理を行うので、少なくともコーティング層を構成するコート用バインダーの重合反応を促進して当該コート用バインダーの重合度を上げ(孔を減少させ)、コーティング層を緻密化する。これにより、コーティング層の機械的強度を向上させるとともに、有機溶剤、特に、コート用バインダー等への攻撃性の高いアルコールの混合量が高いガソリンに対しても、高い耐浸漬性を発揮し、蓄熱カプセルの外郭の破壊を防止することができる。
本発明に係る蓄熱材の製造方法の更なる特徴手段は、前記加熱処理における加熱温度範囲を、少なくとも前記コーティング層における前記コート用バインダーの重合反応を促進する温度である140℃以上で、かつ、加熱により前記蓄熱カプセルが破壊されない温度である185℃以下とする点にある。
本特徴手段によれば、コーティング層におけるコート用バインダーの重合度を十分に上昇させて未硬化部分が残らないようにするとともに、蓄熱カプセルに封入された相変化物質が膨張して外郭が破壊されない程度に加熱して、より緻密なコーティング層を形成し、当該コーティング層により確実に有機溶剤の侵入を防止することができる。なお、通常、成型蓄熱材を成型する際に加熱を行って乾燥させる温度は90℃程度であり、この状態ではコート用バインダーの重合反応が進んでいない部分(未硬化部分)が残存する場合があるが、上記温度範囲で加熱すると良好に重合反応を促進し、未硬化部分の発生をできるだけ防止することができる。
加熱温度を140℃以上とするのは、コート用バインダーの更なる重合反応を十分に進め未硬化部分を無くすためであり、一方、185℃以下とするのは、蓄熱カプセルに封入された相変化物質が膨張し内圧が上昇して外郭が破壊されることによる、当該蓄熱カプセルの熱分解を抑制するためである。同様の理由から、加熱温度を150℃以上180℃以下とすることがより好ましい。
本発明に係る蓄熱材の製造方法の更なる特徴手段は、前記反応促進処理において、前記コーティング成型蓄熱材に酸処理を行う点にある。
本特徴手段によれば、反応促進処理においてコーティング成型蓄熱材に酸処理を行なうので、少なくともコーティング層を構成するコート用バインダーの重合反応を促進して、当該コート用バインダーの重合度を上げ(孔を減少させ)、コーティング層を緻密化することができる。特に、反応促進処理としての加熱処理を行う際に酸処理を行っておくと、加熱処理に適切とされる上記温度範囲(例えば、140℃以上185℃以下)が所定幅だけ低温側に移行し、より低温でコーティング層の緻密化を行うことができる。
本発明に係る蓄熱材の製造方法の更なる特徴手段は、前記成型用バインダー及びコート用バインダーが、熱硬化性樹脂からなる点にある。
本特徴手段によれば、成型用バインダー及びコート用バインダーをともに、加熱により硬化する性能を有する熱硬化性樹脂とするので、複数の蓄熱カプセルを結合して成型する際、及びコーティング層を形成する際に、加熱という比較的簡便な処理により重合反応を促進して硬化させ、十分な強度を確保することができる。
本発明に係る蓄熱材の製造方法の更なる特徴手段は、前記成型用バインダー及びコート用バインダーが、前記外郭を構成する高分子化合物の未反応基と反応する基を有する樹脂からなる点にある。
本特徴手段によれば、蓄熱カプセルの外郭を構成する高分子化合物の未反応基と反応する基を有する樹脂を用いて、複数の蓄熱カプセルを結合して成型し、成型された成型蓄熱材をコーティングするので、当該樹脂と外郭を構成する高分子化合物とが接触することで重合反応が進んで、当該高分子化合物の重合度が高まり、蓄熱カプセルの外郭の強度を向上させることができる。なお、蓄熱カプセルの外郭を構成する高分子化合物には、カプセル化の段階(一般的に、加熱温度が70℃から80℃程度)で重合反応が進んでいない未反応基が相当数存在しているので、上記のように未反応基と反応する基により重合度を高めることは有効である。
本発明に係る蓄熱材の製造方法の更なる特徴手段は、前記成型用バインダー及びコート用バインダーが、疎水性基と親水性基の両方を有する樹脂からなる点にある。
本特徴手段によれば、成型用バインダー及びコート用バインダーが、硬化する前は親水性基を備え、硬化した後は疎水性基を備えた樹脂からなるので、これらバインダーが硬化して形成された成型蓄熱材及びコーティング層は耐水性を備えることとなり、水分による蓄熱カプセルの破壊を防止することができる。
本発明に係る蓄熱材の製造方法の更なる特徴手段は、前記コーティング層を形成する前に、前記成型蓄熱材の表面に親水性の樹脂をコーティングして中間層を形成する、或いは前記コーティング層を形成する際に、前記コート用バインダーに親水性の樹脂を添加して前記コーティング層を形成する点にある。
本特徴手段によれば、成型蓄熱材とコーティング層との間に親水性の樹脂からなる中間層を形成し、或いはコーティング層中に親水性の樹脂を添加するので、成型蓄熱材を形成する際の成型用バインダーが硬化して疎水性となることにより、(例えば、水分を含んだ)コート用バインダーが当該成型蓄熱材の外周表面部位に定着しにくい場合であっても、当該親水性の樹脂の存在によりコート用バインダーを当該外周表面部位に比較的容易に定着させることができる。親水性を有する樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール等が例示できる。
本発明に係る蓄熱材の製造方法の更なる特徴手段は、前記コーティング層を形成した後、前記反応促進処理を行う前の前記コーティング成型蓄熱材における前記コーティング層の外表面部位を、前記コーティング層を形成する前記コート用バインダーの硬化温度よりも低い硬化温度のオーバーコーティング用樹脂によりコーティングして、オーバーコーティング層を形成する点にある。
本特徴手段によれば、コーティング層を形成した後、反応促進処理を行う前のコーティング成型蓄熱材におけるコーティング層の外表面部位を、コーティング層を形成するコート用バインダーの硬化温度よりも低い硬化温度のオーバーコーティング用樹脂によりコーティングして、オーバーコーティング層を形成する。これにより、例えば、コート用バインダーの重合を促進する(引いては、硬化を促進する)反応促進処理において加熱処理が行われ比較的高温となる場合であっても、コーティング層を形成するコート用バインダーよりも先に、コーティング層の外側に形成されたオーバーコーティング層のオーバーコーティング用樹脂が硬化するので、加熱処理時に至る加熱過程或いは加熱処理時においてコーティング成型蓄熱材同士がくっついてしまうことを防止することができる。ここで、オーバーコーティング用樹脂の硬化温度とコート用バインダーの硬化温度との関係は、加熱処理初期にオーバーコーティング用樹脂がコート用バインダーより先に硬化をほぼ完了していればよいため、実質的に硬化時期に関してオーバーコーティング用樹脂がコート用バインダーより先に硬化をほぼ完了することができる関係となるように設定されていればよい。なお、硬化温度は、コート用バインダーやオーバーコーティング用樹脂において溶媒である水分等が蒸発し、ある程度重合度の高い樹脂膜が形成される温度である。
本発明に係る蓄熱材の製造方法の更なる特徴手段は、前記コート用バインダーがフェノール樹脂であるとともに、前記オーバーコーティング用樹脂が100℃以下の温度で硬化する樹脂である点にある。
本特徴手段によれば、コート用バインダーがフェノール樹脂であるとともに、オーバーコーティング用樹脂が100℃以下の温度で硬化する樹脂であるので、フェノール樹脂が硬化(例えば、硬化温度は150℃程度)するよりも先に、オーバーコーティング用樹脂を硬化させることができ、加熱処理時に至る加熱過程或いは加熱処理時においてコーティング成型蓄熱材同士がくっついてしまうことをより良好に防止することができる。
本発明に係る蓄熱材の製造方法の更なる特徴手段は、前記オーバーコーティング用樹脂が、ポリアクリル系樹脂である点にある。
本特徴手段によれば、オーバーコーティング層を形成するオーバーコーティング用樹脂として、好適に用いられる物質を具体的に特定することができ、より確実にコーティング成型蓄熱材同士がくっついてしまうことを防止することができる。
上記目的を達成するための本発明に係る蓄熱材の特徴構成は、上記蓄熱材の製造方法に係る特徴手段により製造され、前記成型用バインダー及びコート用バインダーの少なくとも一つが、フェノール樹脂又はエポキシ樹脂であり、少なくともアルコールに対して耐性を有する点にある。
本特徴構成によれば、上記蓄熱材の製造方法により製造されたコーティング成型蓄熱材において、成型蓄熱材として成型する成型用バインダー及び成型蓄熱材をコーティングするコート用バインダーの少なくとも一つがフェノール樹脂又はエポキシ樹脂で構成されるので、一般にバインダーに対する攻撃性が高いアルコールに対して高い浸漬耐性を有し、少なくともアルコール(エタノール等)が存在する状況でも長期間にわたり使用できる蓄熱材とすることができる。
上記目的を達成するための本発明に係る蓄熱機能付吸着材の特徴構成は、上記蓄熱材の特徴構成を備えた蓄熱材と、吸着材とを混合してなる点にある。
本特徴構成によれば、吸着材が吸着対象を吸着・脱着することにより温度変化を生じ、吸着・脱着性能が低下する場合であっても、当該温度変化を蓄熱材が潜熱として吸収若しくは放出して吸着材の温度変化を抑制することができ、当該吸着材の吸着・脱着性能の低下を防止することができる。
上記目的を達成するための本発明に係るキャニスターの特徴構成は、上記蓄熱機能付吸着材の特徴構成を備えた蓄熱機能付吸着材を、ケース内に充填してなる点にある。
本特徴構成によれば、機械的強度が向上し、かつ耐浸漬性が向上したコーティング成型蓄熱材を含む蓄熱機能付吸着材をキャニスターのケース内に充填することにより、当該ケース内の吸着材に吸着されるアルコールを含むガソリンなどの蒸散燃料がコーティング成型蓄熱材に侵入して蓄熱カプセルの外郭を破壊あるいは透過し、当該外郭内に封入された相変化物質が外部に漏出することを防止でき、また当該ケース内に存在する湿気や水分等が蓄熱カプセルの外郭を劣化させて、当該外郭を破壊し、当該外郭内に封入された相変化物質が外部に漏出するのを確実に防止することができる。
これにより、吸着・脱着性能を高く維持して上記キャニスターにおける蒸散燃料の処理量を向上させるとともに、内燃機関内部に相変化物質や高分子化合物が侵入し、不具合を生じるおそれを低下させることができる。
本方法における粉末状の蓄熱カプセルの製造過程を示す概略図 本方法における成型蓄熱材の成型過程を示す概略図 本方法におけるコーティング層の形成過程を示す概略図 本方法における加熱処理の過程を示す概略図 本方法における酸処理の過程を示す概略図 蓄熱材と吸着材とを混合した蓄熱機能付吸着材の成型過程を示す概略図 (a)実施例1に係る加熱処理がなされたコーティング成型蓄熱材の断面のSEM写真(30倍)、(b)実施例1に係る加熱処理がなされたコーティング成型蓄熱材の断面のSEM写真(1000倍)、(c)実施例1に係る加熱処理がなされたコーティング成型蓄熱材の表面のSEM写真(30倍)、(d)実施例1に係る加熱処理がなされたコーティング成型蓄熱材の表面のSEM写真(1000倍) (a)比較例1に係る成型蓄熱材の内部のSEM写真(1000倍)、(b)比較例1に係る成型蓄熱材の断面のSEM写真(1000倍)
本発明に係る蓄熱材の製造方法(以下、本方法と略称する)の実施形態について、図面に基づいて説明する。
本方法は、図1から図5に示すように、温度変化に応じて潜熱の吸収および放出を生じる相変化物質1を、高分子化合物2からなる外郭中に封入してなる蓄熱カプセル3を含んで構成される蓄熱材5を製造する方法であり、この際、当該方法は大きく分けて、蓄熱カプセル3(粉末状の複数の蓄熱カプセル3b)の製造、成型蓄熱材5aの製造、コーティング成型蓄熱材5bの製造、反応促進処理の各段階に分類することができる。
すなわち、本方法は、複数の蓄熱カプセル3間の当接部位周りを成型用バインダー4により結合させ、粒状に成型して成型蓄熱材5aとした後、当該成型蓄熱材5aの外周表面部位をコート用バインダー6によりコーティングして、コーティング層7を形成し、このコーティング層7が形成されたコーティング成型蓄熱材5bに、少なくともコーティング層7におけるコート用バインダー6の重合反応を促進させる反応促進処理を行う蓄熱材の製造方法である。ここで、当接部位周りとは、蓄熱カプセル3が互いに接触している部位の周部を意味しており、乾燥状態でこの部位以外は隙間や空隙Vとなっている。
また、図6に示すように、本方法により製造されたコーティング成型蓄熱材5b(蓄熱材5)は、吸着材8と混合されて蓄熱機能付吸着材10が製造される。なお、図示しないが、コーティング成型蓄熱材5bと吸着材8とを単に混合して蓄熱機能付吸着材10を製造することもできる。
図1は、蓄熱カプセル3を製造し粉末状の複数の蓄熱カプセル3bとする過程を示す概略図、図2は、粉末状の複数の蓄熱カプセル3bを成型用バインダー4と混合して、成型蓄熱材5aに成型する過程を示す概略図、図3は、成型蓄熱材5aにコート用バインダー6をコーティング(例えば、スプレー)しコーティング層7が形成されたコーティング成型蓄熱材5bとする過程を示す概略図、図4は、コーティング成型蓄熱材5bに反応促進処理としての加熱処理を行う過程を示す概略図、図5は、コーティング成型蓄熱材5bに反応促進処理としての酸処理を行う過程を示す概略図、図6は、コーティング蓄熱材5bと粒状の吸着材8とをバインダー9とともに混合して、蓄熱機能付吸着材10とする過程を示す概略図である。
[蓄熱カプセル3]
蓄熱カプセル3は、図1に示すように、温度変化に応じて潜熱の吸収および放出を生じる相変化物質1を外郭中に封入してなるマイクロカプセルにより構成される。
上記相変化物質1としては、相変化に伴って潜熱の吸収および放出を生じる化合物であれば、特に制限されないが、蓄熱機能付吸着材10の用途に対応して相変化を生じる温度(例えば融点、凝固点など)に応じて化合物を選択することができ、例えば、融点が−150℃〜100℃程度、キャニスター20(図示せず)用として好ましくは、0℃〜60℃程度の有機化合物および無機化合物からなる。具体的に例示すると、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ヘンイコサン、ドコサンなどの直鎖の脂肪族炭化水素、天然ワックス、石油ワックス、LiNO3・3H2O、Na2SO4・10H2O、Na2HPO4・12H2Oなどの無機化合物の水和物、カプリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸、炭素数が12〜15の高級アルコール、パルミチン酸メチル等のエステル化合物などを用いることができる。なお、相変化としては、固体−液体間等の相変化を例示することができる。
上記相変化物質1は、上記から選ばれる2種以上の化合物を併用してもよい。2種以上の相変化物質1を併用する場合、各相変化物質1の相変化を生じる温度の差が、0℃〜100℃程度、キャニスター用として好ましくは、0℃〜15℃となるような組み合わせが好ましい。
また、相変化物質1の過冷却現象を防止するために、必要に応じて相変化物質1の融点より高融点の化合物を添加して用いてもよい。
そして、これら相変化物質1を芯材料として、例えば、コアセルベーション法、in−situ法(界面反応法)等の公知の方法により、マイクロカプセルとしたものを蓄熱カプセル3として用いることができる。例えば、相変化物質1を媒体中で界面活性剤等の乳化剤を用いて乳化し、これに後述する所望の高分子化合物2(樹脂等)に対応する初期縮合物(プレポリマー)を添加した後、70℃程度に加熱し、重合反応を進めることにより、外郭(樹脂壁等)を有し、相変化物質1を外郭中に封入した蓄熱カプセル3の分散液(スラリー)3aを調整することができる。例えば、この蓄熱カプセル分散液3aを90℃程度で乾燥させれば、蓄熱カプセル3の固形物(粉末状の複数の蓄熱カプセル3b)を得ることができる(図1参照)。
蓄熱カプセル3(マイクロカプセル)の外郭としては、公知の高分子化合物2を特に制限なく用いることができるが、例えば、ホルムアルデヒド−メラミン樹脂、メラミン樹脂、ホルムアルデヒド−尿素樹脂、尿素樹脂、尿素−ホルムアルデヒド−ポリアクリル酸共重合体、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリブチルメタクリレート、ゼラチン等を用いることができる。好ましくは、熱硬化性樹脂、特にメラミン樹脂を用いるとよい。
蓄熱カプセル3の外郭と相変化物質1との重量比(外郭:相変化物質1)は、特に制限されないが、通常40:60〜5:95程度、好ましくは30:70〜10:90程度である。
蓄熱カプセル3の平均粒子径は、必要な蓄熱量、カプセル強度から適宜選択することができるが、所望の蓄熱性能を確保しつつ、蓄熱カプセル3の破壊を防止することができる、数μm〜数十μm程度の平均粒子径が好ましい。
[成型蓄熱材5a(蓄熱材5)]
図2に示すように、蓄熱材5は上記蓄熱カプセル3を含んで構成されるが、本実施形態の場合、粉末状の複数の蓄熱カプセル3bを、成型用バインダー4で成型した粒状の成型蓄熱材5aが用いられる。具体的には、粉末状の蓄熱カプセル3bを比較的少量である所定量の成型用バインダー4と(必要に応じて、水も加え)混錬(混合)して、公知の造粒機により造粒、乾燥(例えば、90℃程度)され粒状の成型蓄熱材5aに成型される。したがって、成型蓄熱材5aは、図2の拡大図に示すように、複数の蓄熱カプセル3間の当接部位周りが成型用バインダー4により結合され、粒状に成型されているため、その表面や内部には隙間や空隙Vが存在する状態である。このように成型することで、蓄熱性能の無い成型用バインダーの混合量を低下させ、単位体積あたりの蓄熱量の低下を防止することができる。なお、図8に示す成型蓄熱材5aのSEM写真でも同様に、その表面や内部には隙間や空隙Vが存在する状態であることがわかる。
上記所定量としては、粉末状の複数の蓄熱カプセル3bに対し1〜10質量%の成型用バインダー4を混合することができ、1質量%よりも少ないと、成型蓄熱材5aの強度が低下し当該成型蓄熱材5aが破壊された場合には蓄熱効果が減少するとともに、成型蓄熱材5aにおいて成型用バインダー4で結合された蓄熱カプセル3間に空隙Vが生じ過ぎて密度が低下し単位体積あたりの蓄熱効果が減少するため好ましくなく、10質量%よりも大きいと成型用バインダー4に対する蓄熱カプセル量が相対的に低下して蓄熱量が低下し好ましくない。なお、この所定量は、同様の理由から、好ましくは1〜8質量%、より好ましくは2〜6質量%とするとよい。
成型用バインダー4としては、公知のバインダー(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂)を用いることができるが、蓄熱機能付吸着材10の使用用途、条件に応じて、適宜選択することができ、例えば、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース等のセルロース、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、アミドエステル、アクリル酸樹脂、SBR樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。特に、当該蓄熱機能付吸着材10をキャニスター20に用いる場合には、耐浸漬性、耐水性が要求されるため、この要求を満たす成型用バインダー4を用いることが必要である。例えば、フェノール系、アクリル系、イソシアネート系、メラミン系、ウレタン系、アミドエステル系等の熱硬化性樹脂で、成型蓄熱材5aのJIS硬度(JIS K 1474)が90%以上となる樹脂が好ましい。特に、加熱という比較的簡便な処理により重合反応を促進して硬化させ、十分な強度を確保することができる熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂を用いることが好ましい。また、蓄熱カプセル3の外郭を構成する高分子化合物の重合度を向上させる観点から、成型用バインダー4として、当該高分子化合物2の未反応基と反応する基を有する樹脂を用いることが好ましい。例えば、高分子化合物2がメラミン樹脂である場合には、メチロール化合物、フェノール樹脂、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アクリル酸、アルデヒド化合物、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることが好ましい。さらに、成型用バインダー4として、より耐水性を備えることが好ましいとの観点から、硬化する前は親水性基を備え、硬化した後は疎水性基を備えた樹脂を用いることができる。例えば、フェノール樹脂等を用いることができる。
粒状の成型蓄熱材5aの形状は、特に制限されないが、ペレット(円柱状、球状)、ディスク、ブロック、ハニカム等の任意の形状に成型することができる。また、平均粒子径は、特に制限されないが、通常、0.1mm〜4mm程度、好ましくは0.3mm〜3.5mm程度、より好ましくは0.5mm〜3.0mm程度から選択することができる。
[コーティング成型蓄熱材5b(蓄熱材5)]
図3に示すように、本実施形態の場合、上記成型蓄熱材5aを、コート用バインダー6でコーティングしたコーティング成型蓄熱材5bが用いられる。具体的には、公知のコーティング装置を用いて、粒状の成型蓄熱材5aの外周表面部位に比較的少ない量である所定量のコート用バインダー6をコーティングしてコーティング層7を形成し、コーティング成型蓄熱材5bが製造される。したがって、一旦、成型用バインダー4により成型蓄熱材5aの外形を形成しておき、この外形が確実に形成されてから、成型蓄熱材5aの外周表面部位にコーティング層7を形成することができ、当該外周表面部位を完全に覆うようにコーティング層7を形成したとしても、コート用バインダー6の量を比較的少なくすることができ、また、比較的簡便にコーティングすることができる。なお、図7に示すコーティング成型蓄熱材5bのSEM写真でも同様に、その外周表面部位全体を覆うようにコーティング層7が形成されていることがわかる(特に、図7(b)参照)。公知のコーティング装置としては、例えば、回転するドラム内に成型蓄熱材5aを投入し、コート用バインダー6を溶解した水溶液をスプレーしながら、ドラム内に乾燥空気を送り込んで乾燥させて、コート用バインダー6を成型蓄熱材5aにコーティングするパン式コーティング装置や、流動槽に投入された成型蓄熱材5aに当該流動槽の底部から熱風を送り込んで浮遊・流動化させながら、コート用バインダー6を溶解した水溶液をスプレーして、コート用バインダー6を成型蓄熱材5aにコーティングし乾燥する流動コーティング式コーティング装置を用いることができる。
上記所定量としては、成型蓄熱材5aに対し1〜10質量%のコート用バインダー6を混合することができ、1質量%よりも少ないと耐アルコール性、耐ガソリン性が低下し好ましくなく、10質量%よりも多いと成型用バインダー4及びコート用バインダー6に対する蓄熱カプセル量が相対的に低下して蓄熱量が低下し好ましくない。なお、この所定量は、同様の理由から、好ましくは1〜8質量%、より好ましくは2〜6質量%とするとよい。また、上記のように形成されたコーティング層7の膜厚は、0.5〜15μm程度であり、0.5μm未満になると耐アルコール等の耐溶剤性が低下し、15μmを超えると蓄熱量の低下が起こり好ましくない。同様の理由から、好ましくは1〜10μm、より好ましくは1〜8μm程度とするとよい。
コート用バインダー6としては、上記成型用バインダー4と同様に、公知のバインダー(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂)を用いることができるが、蓄熱機能付吸着材10の使用用途、条件に応じて、適宜選択することができ、例えば、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース等のセルロース、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、アミドエステル、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。特に、当該蓄熱機能付吸着材10をキャニスター20に用いる場合には、耐浸漬性、耐水性が要求されるため、この要求を満たすコート用バインダー6を用いることが必要である。例えば、フェノール系、アクリル系、イソシアネート系、メラミン系、ウレタン系、アミドエステル系等の熱硬化性樹脂で、コーティング成型蓄熱材5bのJIS硬度(JIS K 1474)が90%以上となる樹脂が好ましい。特に、加熱という比較的簡便な処理により重合反応を促進して硬化させ、十分な強度を確保することができる熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂を用いることが好ましい。また、蓄熱カプセル3の外郭を構成する高分子化合物の重合度を向上させる観点から、コート用バインダー6として、当該高分子化合物2の未反応基と反応する基を有する樹脂を用いることが好ましい。例えば、高分子化合物2がメラミン樹脂である場合には、メチロール化合物、フェノール樹脂、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アクリル酸、アルデヒド化合物、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることが好ましい。さらに、コート用バインダー6として、より耐水性を備えることが好ましいとの観点から、硬化する前は親水性基を備え、硬化した後は疎水性基を備えた樹脂を用いることができる。例えば、フェノール樹脂等を用いることができる。
ここで、成型蓄熱材5aにコート用バインダー6をコーティングしてコーティング層7を形成する前に、親水性の樹脂をコーティングして中間層(図示せず)を構成することもできる。また、当該親水性の樹脂をコート用バインダー6と混合した混合物を、成型蓄熱材5aの外周表面部位にコーティングする構成とすることもできる。特に、親水性の樹脂としては、側鎖に親水性基を有して、主鎖に疎水性基を有するものが好ましい。これにより、成型蓄熱材5aを形成する際の成型用バインダー4が硬化して疎水性となることにより、(例えば、水分を含んだ)コート用バインダー6が当該成型蓄熱材5aの外周表面部位に定着しにくい場合であっても、当該親水性の樹脂の存在によりコート用バインダー6を当該外周表面部位に比較的容易に定着させることができる。親水性を有する樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、アクリル酸樹脂、ポリアミン樹脂が例示できる。
[反応促進処理]
本実施形態では、図4、図5に示すように、コーティング成型蓄熱材5bに対して、反応促進処理を施す。以下この処理について説明する。
反応促進処理としては、少なくともコート用バインダー6の重合反応を促進する処理であれば、特に制限されないが、特に加熱処理、酸処理が好ましい。
〈反応促進処理I(加熱処理)〉
図4に示すように、加熱処理は、成型蓄熱材5aにコーティング層7が形成され、コーティング成型蓄熱材5bが製造された後に、このコーティング成型蓄熱材5bに対し加熱を行う。
これにより、コーティング層7を構成するコート用バインダー6の重合度が低い場合などであっても、少なくとも当該コート用バインダー6の重合反応を促進し、コーティング層7に存在する微小な孔を塞いで、より緻密なコーティング層7を形成することができる。緻密なコーティング層7は、機械的強度が高いとともに、有機溶剤、特に、コート用バインダー6等への攻撃性の高いアルコールの混合量が高いガソリンに対しても、高い耐浸漬性を発揮し、蓄熱カプセル3の外郭の破壊を防止することができる。なお、この加熱処理では、コート用バインダー6の重合反応を促進するだけでなく、同時に成型用バインダー4、蓄熱カプセル3の外郭を構成する高分子材料2の重合反応をも促進することができ、それぞれ、より緻密な構造とすることができる。
さらに、図示はしないが、コーティング成型蓄熱材5bと後述する粒状の吸着材8とを、バインダー9により一体化して成型された蓄熱機能付吸着材10に含まれるコーティング成型蓄熱材5bを加熱処理してもよい。
加熱処理は、140℃以上185℃以下の温度範囲で行なうことができ、より好ましくは150℃以上180℃以下である。ここで、加熱温度を140℃以上とするのは、コート用バインダー6の更なる重合反応を十分に進め未硬化部分を無くすためであり、一方、185℃以下とするのは、蓄熱カプセル3に封入された相変化物質1が膨張し内圧が上昇して外郭が破壊されることによる、当該蓄熱カプセル3の熱分解を抑制するためである。同様の理由から、加熱温度を150℃以上180℃以下とすることがより好ましい。
〈反応促進処理II(酸処理)〉
図5に示すように、酸処理としては、成型用バインダー4やコート用バインダー6の重合反応を促進して重合度を上昇させることができる酸処理であればよいが、例えば、コーティング層7が形成されたコーティング成型蓄熱材5bに対し、酸が含まれる溶液中への浸漬、酸が含まれる溶液のスプレー、後述するコーティング成型蓄熱材5bと粒状の吸着材8とを混合して蓄熱機能付吸着材10を成型する際のバインダー9に酸を混合することなどを例示することができる。
特に、上記加熱処理を行う前に酸処理を行うことにより、加熱処理に適切とされる上記温度範囲(例えば、140℃以上185℃以下)が所定幅だけ低温側に移行し、より低温で成型用バインダー4やコート用バインダー6(特に、コーティング層7)の緻密化を行うことができる。
酸処理において用いられる酸としては、例えば、酢酸、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、フタル酸、クエン酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、塩酸、硫酸、硝酸等を用いることができる。
[吸着材8]
吸着材8は、ガス等を吸着することができる公知の吸着材、キャニスター20の場合にはガソリンなどの蒸散燃料を吸着することができる公知の吸着材を用いることができるが、例えば、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、有機金属錯体(フマル酸銅、テレフタル酸銅、シクロヘキサンジカルボン酸銅など)など、またはこれらの混合物を用いることができる。
吸着材8が吸着対象とするガス等としては、メタン、メタンを主成分とするガス(天然ガス、消化ガスなど)、エタン、プロパン、ジメチルエーテル、CO2、硫化水素、酸素、窒素、NOX、SOX、CO、アセチレン、エチレン、アンモニア、メタノール、エタノール、水、クロロホルム、アルデヒドなどが例示されるが、吸着材8がキャニスター20のケース21内に充填される場合には、蒸散燃料であるガソリン、特に、アルコール(エタノールなど)とガソリンの混合物となる。
吸着材8は、活性炭等を破砕したものを用いてもよいし、破砕したものをバインダーと混合して粒状に成型した粒状の吸着材8として用いてもよい。このバインダーは、成型蓄熱材5aの場合と同様に成型用バインダー4を用いることができる。なお、粒状の吸着材8の大きさは、上記成型蓄熱材5aと同様の大きさ、形状に形成することができる。
[蓄熱機能付吸着材10]
蓄熱機能付吸着材10は、蓄熱材5と吸着材8とを混合して構成されるが、混合の方法は特に制限されず、例えば、コーティング成型蓄熱材5bと粒状の吸着材8とを均一に混ぜ合わせるだけでもよい。また、図6に示すように、コーティング成型蓄熱材5bと粒状の吸着材8とを混ぜ合わせた上、バインダー9により一体化して成型した蓄熱機能付吸着材10としてもよい。このバインダー9は、上記成型用バインダー4を用いることができる。この成型された蓄熱機能付吸着材10は、その形状に特に制限はなく、例えば、ペレット(円柱状、球状)、ディスク、ブロック、ハニカム等の任意の形状に成型することができる。平均粒子径は、特に制限されないが、通常、キャニスター20に用いる場合には、0.5mm〜4mm程度、好ましくは0.5mm〜3.6mm程度、より好ましくは1mm〜3mm程度である。
以下、本方法を、実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
メラミン粉末5gに37%ホルムアルデヒド水溶液6.5gと水10gを加え、pHを8に調整した後、約70℃まで加熱しメラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液を得た。pHを4.5に調整したスチレン無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液100g中に、相変化物質1としてヘキサデカン58gを溶解した混合液を激しく攪拌しながら添加し、粒径が7μm程度になるまで乳化を行った。この乳化された水溶液中に、上記メラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液全量を添加し、70℃で2時間攪拌を行った後、pHを9に調整しカプセル化を行った。このカプセル化処理により、メラミン樹脂からなる外郭中に相変化物質1としてのヘキサデカンが封入された蓄熱カプセル3の分散液3aを得た。反応終了後、蓄熱カプセル3をスプレードライすることにより、約7μmの粒径を有する粉末状の複数の蓄熱カプセル3bを得た。
粉末状の複数の蓄熱カプセル3bに対して成型用バインダー4としてフェノール樹脂を4質量%混合し、押し出し成型機により、直径が2mmのペレット状の成型蓄熱材5aを得た。この成型蓄熱材5aを乾燥後に、水とエタノールの混合溶液に溶解したコート用バインダー6としてのフェノール樹脂を3質量%コーティングして、コーティング成型蓄熱材5bを形成した。その後、このコーティング成型蓄熱材5bに160℃で2時間加熱する加熱処理を行った。
(実施例2)
水とエタノールの混合溶液に溶解したコート用バインダー6としてのフェノール樹脂の替わりに、水に溶解したフェノール樹脂(3質量%)に親水性の樹脂であるポリビニルアルコール水溶液(0.2質量%)を混合した以外は、上記実施例1と同様にしてコーティング成型蓄熱材5bを得て、その後、このコーティング成型蓄熱材5bに160℃で2時間加熱する加熱処理を行った。
(実施例3)
コート用バインダー6としてのフェノール樹脂の替わりに、エポキシ樹脂(主剤と硬化剤よりなる)を3質量%コーティングした以外は、上記実施例1と同様にしてコーティング成型蓄熱材5bを得て、その後、このコーティング成型蓄熱材5bに160℃で2時間加熱する加熱処理を行った。
(実施例4)
コート用バインダー6としてのフェノール樹脂をコーティングして形成されたコーティング成型蓄熱材5bを、30質量%の酢酸水溶液に浸漬した後に130℃で加熱した以外は上記実施例1と同様にして、コーティング成型蓄熱材5bを得た。
(比較例1)
成型蓄熱材にコート用バインダーをコーティングしていない以外は、上記実施例1と同様にした成型蓄熱材を得て、その後、この成型蓄熱材に160℃で2時間加熱する加熱処理を行った。
(比較例2)
コーティング成型蓄熱材に130℃で加熱処理をした以外は、上記実施例1と同様にしてコーティング成型蓄熱材を得た。
(比較例3)
コーティング成型蓄熱材に190℃で加熱処理をした以外は、上記実施例1と同様にしてコーティング成型蓄熱材を得た。
上記の手法により得られた実施例1、2、3、4に係るコーティング成型蓄熱材5b、比較例1、2、3に係る成型蓄熱材の、50質量%エタノールおよび50質量%ガソリンの混合溶液に対する耐浸漬性を調べた。具体的には、各成型蓄熱材をそれぞれ、50質量%エタノールおよび50質量%ガソリンの混合溶液に70℃で24時間浸漬した後、これら成型蓄熱材を取り出し、ヘキサンで洗浄後、100℃で真空乾燥を行った。得られた成型蓄熱材の熱量を示差熱量分析装置により測定した。以下の表1にその結果を記載する。
Figure 0005002054
本結果より、実施例1、2、3、4のように、成型蓄熱材5aにフェノール樹脂をコーティングしてコーティング層7を形成するとともに、その後、少なくとも所定の温度範囲で加熱処理、或いは酸処理するとエタノールの割合が比較的高い混合割合(例えば、エタノールが50質量%、ガソリンが50質量%)のガソリンでも、耐浸漬性が明らかに高いことが分かる。これは、図7に示すように、ペレット状に形成された成型蓄熱材5aの外周表面部位にはコート用バインダー6であるフェノール樹脂が全体的に均一にコーティングされ、コーティング層7が形成されており、さらに当該コーティング層7は加熱処理等により緻密な構造となっているため、蓄熱カプセル3の外郭に直接ガソリンやエタノール等が接触することがなく、高い耐浸漬性を発揮しているものと考えられる。図7(a)は実施例1のコーティング成型蓄熱材5bの断面(30倍)、(b)は(a)と同様の断面(1000倍)、(c)は実施例1のコーティング成型蓄熱材5bの表面(30倍)、(d)は(c)と同様の表面(1000倍)を示すSEM写真である。なお、図7(b)からコーティング層7の厚さは約6μmに形成されていることがわかる。
一方、コーティング層7を形成しない比較例1、加熱温度範囲が適切でない比較例2、3では、蓄熱カプセル3に対して攻撃性の高いエタノールが比較的高い濃度で存在することにより、蓄熱カプセル3の外郭やコーティング層等が破壊され、蓄熱性能が著しく低下しているものと考えられる。例えば、図2、図8に示すように、比較例1の成型蓄熱材(本願の成型蓄熱材5aに相当)では、成型用バインダー4は蓄熱カプセル3の粒子全体を覆うことなく、複数の蓄熱カプセル3間の当接部位周り(蓄熱カプセル3同士の接触部)を結合して成型して成型蓄熱材を形成しており、その表面や内部には隙間や空隙Vが存在する状態である。当該隙間や空隙Vにガソリンやエタノール等が浸漬すると蓄熱カプセル3の外郭の直接ガソリンやエタノールが接触して当該外郭等が比較的容易に破壊されてしまい、蓄熱性能が低下するものと考えられる。
よって、本願に係る蓄熱材の製造方法を用いて製造したコーティング成型蓄熱材5bは、高濃度のエタノール等のアルコールが存在するガソリン中でも高い耐浸漬性を備えることが確認された。
[実施例1のコート用バインダーの量について]
本願の蓄熱材の製造方法により製造されたコーティング成型蓄熱材5bは、比較的少ない量のコート用バインダー6をコーティングすることで形成されている。例えば、上記実施例1では、成型蓄熱材5aに対しフェノール樹脂を3質量%コーティングして、厚みが約6μmとなるようにコーティング層7が形成されている。これは、一旦、成型用バインダー4で複数の蓄熱カプセル3間の当接部位周りを結合し(蓄熱カプセル3に対し成型用バインダー4の混合量は、4質量%)、成型しておくことにより比較的少ない量のコート用バインダー6でコーティングできているものと考えられる。
一方、例えば、上記コーティング層7と同様の厚さ(例えば、6μm)のコーティング層を、各蓄熱カプセル3にそれぞれ形成することとすると、大量のコート用バインダーが必要となり、蓄熱性能の無いコート用バインダーの混合量が増大して、単位体積あたりの蓄熱性能が著しく低下する。具体的に計算すると、例えば、直径が7μmの蓄熱カプセル3に、コート用バインダーのコーティングを6μm行う場合、当該コーティングしたコーティング層の体積は、蓄熱カプセル3の体積の約5.4倍、コーティング層の重量は蓄熱カプセル3の重量に対して7.7倍となる。したがって、蓄熱カプセル3の一個あたりの熱量は、実施例1における蓄熱カプセル3に対し、89%低下してしまうこととなる。なお、この計算は、蓄熱カプセル3の粒子サイズを7μm、相変化物質1と蓄熱カプセル3の外郭を構成する高分子化合物(メラミン樹脂)との割合を90質量%:10質量%、相変化物質1の密度を0.77g/ml、蓄熱カプセルの外郭を構成する高分子化合物(メラミン樹脂)を1.16g/mlとして行った。
したがって、上述のとおり、実施例1のように成型用バインダー4により蓄熱カプセル3を含む成型蓄熱材5aを成型した後、当該成型蓄熱材5aの外周表面部位をコート用バインダー6によりコーティングしてコーティング層6を形成すると、蓄熱性能が無い成型用バインダー4及びコート用バインダー6の量をできるだけ少なくし、単位体積あたりの蓄熱性能の低下を確実に防止できることがわかる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、図3、図4、図5に示すように、成型蓄熱材5aにコーティング層7が形成されコーティング成型蓄熱材5bが製造された後に、このコーティング成型蓄熱材5bに対し反応促進処理を施した。これにより、コーティング層7を構成するコート用バインダー6の重合度が低い場合などであっても、少なくとも当該コート用バインダー6の重合反応を促進し、コーティング層7に存在する微小な孔を塞いで、より緻密なコーティング層7を形成することとした。
しかしながら、コーティング層7を備えたコーティング成型蓄熱材5bの製造後、反応促進処理を行う前に、コーティング成型蓄熱材5bの外表面部位にオーバーコーティング用樹脂によりオーバーコーティング層を形成する構成とすることもできる。これにより、例えば、反応促進処理としての加熱処理を行う際に、コーティング成型蓄熱材5bの外表面部位をコーティングするコート用バインダー6が、他のコーティング成型蓄熱材5bの外表面部位をコーティングするコート用バインダー6と結合して、コーティング成型蓄熱材5b同士が結合してしまうことや当該結合した部分が剥離等してコート用バインダー6が剥がれ、蓄熱性能が低下すること等を良好に防止できる。
具体的には、コーティング層7が形成され、反応促進処理を行う前のコーティング成型蓄熱材5bに対して、当該コーティング成型蓄熱材5bの外表面部位に所定量のオーバーコーティング用樹脂によりオーバーコーティング層を形成する。
オーバーコーティング用樹脂は、コート用バインダー6の硬化温度よりも低い硬化温度の樹脂(例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂)であれば、特に制限なく用いることができるが、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、アクリル‐スチレン共重合体、アクリル‐酢酸ビニル共重合体等のポリアクリル系樹脂(熱可塑性樹脂)、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、スチレンブタジエン(SBR)系樹脂、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル及びエチレンビニルアルコール等を用いることができる。このオーバーコーティング用樹脂の硬化温度はコート用バインダー6の硬化温度に対して低い温度に設定されているが、コート用バインダー6の種類に応じて、例えば、100℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下の温度とすることができる。なお、オーバーコーティング用樹脂は、加熱処理時の温度(140℃以上185℃以下)でも硬化状態を維持するように構成されている。例えば、コート用バインダー6としてフェノール樹脂(硬化温度は、150℃程度)を採用した場合には、オーバーコーティング用樹脂として硬化温度が100℃以下であるポリアクリル樹脂(サイデン化学社製の商品名EK‐61、EK‐32、EK‐14、EK‐11‐5)を用いることが好ましい。また、上記所定量としては、コーティング成型蓄熱材5bに対し0.2〜3質量%のオーバーコーティング用樹脂を混合することができ、0.2質量%より少ないとコート用バインダー6同士(コーティング成型蓄熱材5b同士)が結合する可能性があり好ましくなく、3質量%よりも多いとコーティング成型蓄熱材5b中の蓄熱カプセル量が低下し好ましくない。なお、この所定量は、同様の理由から好ましくは0.3〜2質量%、より好ましくは0.5〜1.5質量%程度とするとよい。また、上記のように形成されたオーバーコーティング層の膜厚は、0.1〜3μm程度である。
このようにオーバーコーティング層を形成することにより、例えば、コート用バインダー6の重合を促進する(引いては、硬化を促進する)反応促進処理としての加熱処理を行う温度にまで加熱する場合において、コート用バインダー6が硬化していない状態でも、オーバーコーティング用樹脂が先に硬化するので、加熱処理時に至る加熱過程或いは加熱処理時においてコーティング成型蓄熱材5b同士が結合してしまうことを良好に防止することができる。
(実施例5)
上記実施例1と同様にしてコーティング成型蓄熱材5bを得て、このコーティング成型蓄熱材5bに上記パン式コーティング装置により60℃の温風を流しながら所定量のポリアクリル樹脂(サイデン化学社製の商品名EK‐61)をコーティングし、オーバーコーティング層を形成した後、温風を100℃にしてオーバーコーティング層が形成されたコーティング成型蓄熱材5bの温度が85℃になるまでポリアクリル樹脂を硬化させた。その後、棚式乾燥機に静置し、160℃で3時間加熱する加熱処理を行った。
加熱処理を行った後のコーティング成型蓄熱材5b同士のくっつき度合いを評価した結果、ポリアクリル樹脂を、コーティング成型蓄熱材5bに対し1.0質量%、0.5質量%添加した場合には、それぞれコーティング成型蓄熱材5b同士のくっつきは全くなく、0.3質量%添加した場合には殆どくっつきはなかった。また、0.2質量%、0.1質量%添加した場合、ある程度のコーティング成型蓄熱材5b同士のくっつきがみられた。
なお、上記の手法により得られた実施例5に係るコーティング成型蓄熱材5bの、50質量%エタノールおよび50質量%ガソリンの混合溶液に対する耐浸漬性を調べた。具体的には、各成型蓄熱材をそれぞれ、50質量%エタノールおよび50質量%ガソリンの混合溶液に70℃で24時間浸漬した後、これら成型蓄熱材を取り出し、ヘキサンで洗浄後、100℃で真空乾燥を行った。得られた成型蓄熱材の熱量を示差熱量分析装置により測定した。その結果、浸漬前の熱量は195(J/g)、浸漬後の熱量は195(J/g)であった。
(2)上記実施形態では、本方法により製造されたコーティング成型蓄熱材5bの用途は特に限定していないが、当該コーティング成型蓄熱材5bと粒状の吸着材8とを混合した蓄熱機能付吸着材10を、特にキャニスター20(図示せず)に用いることもできる。
ここで、キャニスター20とは、一般に、車両等の内燃機関に供給されるガソリンなどの蒸散燃料(有機溶剤)が外部(大気中など)に放出されるのを防止するために、車両の停車時等には余剰の蒸散燃料をケース21内の吸着材に吸着し、走行時等にはケース21内に大気をパージガスとして導入して、吸着された蒸散燃料を脱着し、改めて内燃機関等に供給するものである。
キャニスター20においては、当該キャニスター20のケース21内に充填された蓄熱機能付吸着材が、ガソリン等の蒸散燃料に接触するとともに大気などに含まれる水分に接触することから、当該蒸散燃料に対する耐浸漬性、耐水性が要求される。
したがって、上記実施形態において説明した、耐浸漬性、耐水性に優れたコーティング成型蓄熱材5bを含んで構成される蓄熱機能付吸着材10を、キャニスター20のケース21内に充填して用いると、長期間にわたり、吸着・脱着性能の低下を防止することができるキャニスター20を得ることができる。
なお、キャニスター20は、ケース21内にガソリン等の蒸散燃料が流通する流通路が設けられ、当該流通路の一端側の壁には、蒸散燃料が流入する流入口と蒸散燃料が流出する流出口とが設けられ、当該流通路の他端側の壁には、大気が流入する大気流入口が設けられている。
このようなキャニスター20においては、車両停止時等には燃料タンクから流入口を通じて流入した蒸散燃料が、ケース21内の流通路に充填された蓄熱機能付吸着材10に吸着され、車両走行時には当該吸着された蒸散燃料が、大気流入口から流入した大気により脱着させられて、当該蒸散燃料が流出口から内燃機関へ供給され燃焼させられる、という蒸散燃料の吸着・脱着操作が行われる。
本発明に係る蓄熱材の製造方法は、蓄熱カプセルを含んで構成される蓄熱材において、有機溶剤(特に、アルコールとガソリンの混合物などの蒸散燃料)が存在する条件下及び湿気や水分が存在する条件下でも蓄熱性能が低下せず、良好な吸着・脱着性能を確保することができる技術として有効に利用可能である。
1: 相変化物質
2: 高分子化合物(外郭)
3: 蓄熱カプセル
4: 成型用バインダー
5a:成型蓄熱材(蓄熱材)
5b:コーティング成型蓄熱材(蓄熱材)
6: コート用バインダー
7: コーティング層
8: 吸着材
9: バインダー
10:蓄熱機能付吸着材

Claims (17)

  1. 温度変化に応じて潜熱の吸収および放出を生じる相変化物質を外郭中に封入してなる蓄熱カプセルを含んで構成される蓄熱材の製造方法であって、
    複数の前記蓄熱カプセル間の当接部位周りを成型用バインダーにより結合させ、粒状に成型して成型蓄熱材とした後、
    当該成型蓄熱材の外周表面部位をコート用バインダーによりコーティングして、コーティング層を形成し、
    前記コーティング層が形成されたコーティング成型蓄熱材に、少なくとも前記コーティング層における前記コート用バインダーの重合反応を促進させる反応促進処理を行う蓄熱材の製造方法。
  2. 前記成型蓄熱材を成型するに当たり、溶媒に溶解された状態の前記成型用バインダーの溶液と前記複数の蓄熱カプセルとを混合して得られた混合物を乾燥して、前記成型蓄熱材を得る請求項1に記載の蓄熱材の製造方法。
  3. 前記複数の蓄熱カプセルに対し1〜10質量%の前記成型用バインダーを混合して、前記成型蓄熱材を成型する請求項1又は2に記載の蓄熱材の製造方法。
  4. 前記成型蓄熱材に対し1〜10質量%の前記コート用バインダーを用いて、前記コーティング層を形成する請求項1から3の何れか一項に記載の蓄熱材の製造方法。
  5. 前記反応促進処理が、前記コーティング成型蓄熱材を加熱する加熱処理である請求項1から4の何れか一項に記載の蓄熱材の製造方法。
  6. 前記加熱処理における加熱温度範囲を、少なくとも前記コーティング層における前記コート用バインダーの重合反応を促進する温度である140℃以上で、かつ、加熱により前記蓄熱カプセルが破壊されない温度である185℃以下とする請求項5に記載の蓄熱材の製造方法。
  7. 前記反応促進処理において、前記コーティング成型蓄熱材に酸処理を行う請求項1から6の何れか一項に記載の蓄熱材の製造方法。
  8. 前記成型用バインダー及びコート用バインダーが、熱硬化性樹脂からなる請求項1から7の何れか一項に記載の蓄熱材の製造方法。
  9. 前記成型用バインダー及びコート用バインダーが、前記外郭を構成する高分子化合物の未反応基と反応する基を有する樹脂からなる請求項1から8の何れか一項に記載の蓄熱材の製造方法。
  10. 前記成型用バインダー及びコート用バインダーが、疎水性基と親水性基の両方を有する樹脂からなる請求項1から9の何れか一項に記載の蓄熱材の製造方法。
  11. 前記コーティング層を形成する前に、前記成型蓄熱材の表面に親水性の樹脂をコーティングして中間層を形成する、或いは前記コーティング層を形成する際に、前記コート用バインダーに親水性の樹脂を添加して前記コーティング層を形成する請求項1から10の何れか一項に記載の蓄熱材の製造方法。
  12. 前記コーティング層を形成した後、前記反応促進処理を行う前の前記コーティング成型蓄熱材における前記コーティング層の外表面部位を、前記コーティング層を形成する前記コート用バインダーの硬化温度よりも低い硬化温度のオーバーコーティング用樹脂によりコーティングして、オーバーコーティング層を形成する請求項1から11の何れか一項に記載の蓄熱材の製造方法。
  13. 前記コート用バインダーがフェノール樹脂であるとともに、前記オーバーコーティング用樹脂が100℃以下の温度で硬化する樹脂である請求項12に記載の蓄熱材の製造方法。
  14. 前記オーバーコーティング用樹脂が、ポリアクリル系樹脂である請求項13に記載の蓄熱材の製造方法。
  15. 請求項1から14の何れか一項に記載の蓄熱材の製造方法により製造され、
    前記成型用バインダー及びコート用バインダーの少なくとも一つが、フェノール樹脂又はエポキシ樹脂であり、
    少なくともアルコールに対して耐性を有する蓄熱材。
  16. 請求項15に記載の蓄熱材と、吸着材とを混合してなる蓄熱機能付吸着材。
  17. 請求項16に記載の蓄熱機能付吸着材を、ケース内に充填してなるキャニスター。
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