JP4999989B2 - 車載通信装置および路車間−車々間通信連携システム - Google Patents
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Description
<A−1.プロトコル構成>
本発明に係る実施の形態1について、図1〜図70を用いて説明する。なお、実施の形態1に係る車載通信装置および路車間−車々間通信連携システムは、路車間通信システムの車載通信装置としてサービスを提供したり、車々間通信システムの車載通信装置としてサービスを提供したりすることができる。本実施の形態1では、主として車々間通信システムの車載通信装置としてサービスを提供する場合について説明する。
<車々間通信転送サービス処理部1>
車々間通信転送サービス処理部1は、データ転送サービス処理部11と、イベント通知サービス処理部12と、優先度制御サービス処理部13とを有している。
車々間通信管理サービス処理部2は、輻輳制御サービス処理部21と、接続管理サービス処理部22と、再送制御サービス処理部23と、管理情報格納部24とを有している。
アプリケーション処理部3は、車々間通信アプリケーション部31を有している。
車々間通信アプリケーション部31は、周期的に自車両の車両情報を同報送信するアプリケーション、ブレーキやウィンカーなどの動作時に自車両の車両情報を同報送信するアプリケーション、およびその他にドライバーの快適性や利便性を高めるアプリケーションなどを含んでいる。
トランザクション管理部4は、トランザクションサービス処理部41と、LPP接続管理サービス処理部42とを有している。
転送サービス処理部5は、LPCP(Local Port Control Protocol)転送サービス処理部51と、管理サービス処理部52とを有している。
送受信サービス処理部6は、送信サービス処理部61と、受信サービス処理部62とを有している。
送受信サービス管理部7は、通信制御情報格納部71を有している。
通信制御情報格納部71は、周辺局に搭載された車載通信装置100との無線通信を行うための送信電力や受信感度などの情報を格納する。また、通信制御情報格納部71は、受信サービス処理部62が測定した通信チャネル利用率などの情報を格納する。さらに、通信制御情報格納部71は、送信電力や受信感度を、車々間通信管理サービス処理部2の輻輳制御サービス処理部21により、輻輳を回避するための値に設定する。
以下では、本発明に係る車載通信装置および路車間−車々間通信連携システムにおける車々間通信転送サービス処理部1と、車々間通信管理サービス処理部2とで構成される車々間通信サブプロトコルの仕様について詳細に説明する。
車々間通信サブプロトコル(Car-To-Car Sub Protocol)は、車々間通信トランスポートサブレイヤ(C2C Transport Sub Layer:CTL)と車々間通信マネジメントレイヤ(C2C Management Layer:CML)とで構成される。車々間通信アーキテクチャのプロトコル構成を図3に示す。
(1)CTLが提供するサービス
(a)データ転送サービス
(b)イベント通知サービス
(c)優先度制御サービス
(2)CMLが提供するサービス
(a)輻輳制御サービス
(b)接続管理サービス
(c)データ再送サービス
<2.機能の概要>
2.1 車々間通信トランスポートサブレイヤの機能
2.1.1 データ転送サービス
CTLは、アプリケーションおよびLPP、LPCPなどの上位プロトコルおよびCMLに対して、データ転送サービスを提供する。データ転送サービスの詳細な手順は5.1節で説明する。図4に上位プロトコルに対してデータ転送サービスを提供する例を示し、図5にCMLに対してデータ転送サービスを提供する例を示す。
CTLは、CTL内で発生したイベントやエラー、およびCMLから受信したらイベント(通信接続や切断の通知など)を上位プロトコルおよび相手局に通知するためにイベント通知サービスを提供する。図6にイベント通知サービスを提供する例を示す。
CTLは、上位プロトコルおよびCMLのデータ優先度に応じて送信順を制御する優先度制御サービスを提供する。これにより、緊急度の高いデータを優先的に送信することが可能になる。優先度制御サービスの詳細な手順は5.2節で説明する。図7に優先度制御サービスの例を示す。ただし、優先度制御サービスは通信下位プロトコルで提供される場合にはオプションとして提供される。
2.2.1 輻輳制御サービス
CMLは、アプリケーションに対して通信の信頼性を向上させるために、送信周期や送信電力、および受信感度を制御する輻輳制御サービスを提供する。輻輳制御サービスの詳細な手順は5.3節で説明する。輻輳制御サービスは、次のサービスのいずれかを用いても良いし、いくつかを連携して用いても良い。
(1)送信周期制御サービス
周期的に車両情報などのメッセージを送信するアプリケーションの送信周期をアプリケーションに通知するサービス。
(2)送信電力制御サービス
アプリケーションに必要な通信エリアを確保したり、輻輳を回避するために通信エリアを絞ったりするために送信電力を制御するサービス。
(3)受信感度制御サービス
アプリケーションに必要な通信エリアを限定するために受信感度を制御するサービス。
CMLは、送信周期制御サービスは、周期的に車両情報などのメッセージを送信するアプリケーションに対して、輻輳を回避するために設定される送信周期を通知する。
CMLは、送信電力制御サービスでは、通信下位プロトコルの管理層に対して、アプリケーションに必要とされる通信エリアを確保したり、輻輳を回避するための通信エリアに制限したりするために、メッセージを送信する際の送信電力を制御する。
CMLは、受信感度制御サービスでは、通信下位プロトコルの管理層に対して、アプリケーションに必要とされる通信エリアまたは輻輳を回避するための通信エリアに限定するために、メッセージを受信する際の受信感度を制御する機能を提供する。
CMLは、車々間通信システムに必要な通信接続の初期接続を開始したり、接続状態の管理や通知を行ったりする接続管理サービスを提供する。
(1)接続問い合わせサービス
周辺移動局との接続状況を管理および監視を行い、アプリケーションからの要求に応じて接続状況および新規接続・切断を通知するサービス。
(2)接続/切断通知サービス
CTLを経由して上位プロトコルに対して接続状況および新規接続/切断を通知するサービス。
(3)時刻同期サービス
複数の通信チャネルが利用できる場合にチャネルを切り替えるタイミングを同期させるために、時刻を同期するサービス。
接続問い合わせサービスは、アプリケーションが車々間通信の接続が確立しているかどうかを問い合わせるサービスである。接続問い合わせサービスは、問い合わせする際に、車々間通信の接続状況を即座に回答を行う参照サービスと、接続が確立していない場合に接続するまで待機し接続した時点で通知を行う通知サービスの2種類のサービスを規定する。図12に接続問い合わせサービスの例を示す。
接続/切断通知サービスは、アプリケーションおよびCTLに対して、通信接続の通知および切断の通知を行うサービスである。図13に接続/切断通知サービスの例を示す。
CMLは、車々間通信プロトコルが複数の通信チャネルをサポートしている場合、通信チャネルを切り替えるタイミングを統一するために時刻同期サービスを提供する。
CMLは、制御メッセージに対して、通信の信頼性を確保するためにデータ再送サービスを提供する。CMLは、データ再送サービスでは、再送タイマと再送カウンタにより再送の制御を行い、再送タイマがタイムアウト時に再送を行う。図14にデータ再送サービスの例を示し、図15にデータ再送サービスの重複チェックの例を示す。
データ再送サービスの再送処理手順の概要を以下に示す。
(1)制御メッセージ送信する際に、再送タイマをスタートし、再送カウンタを0にセットする。
(2)再送タイマのタイムアウトまでに、相手移動局から応答のメッセージを受信できなかった場合には再送カウンタを1インクリメントし、メッセージを再送すると同時に再送タイマをリスタートする。
(3)再送カウンタが最大再送回数を超えた場合には、メッセージ再送を中止する。
次に、CTLおよびCMLが有するインタフェースについて説明する。
3.1 記法の説明
本発明で規定されるプリミティブ種別の一覧を図16に示す。また、本発明でのプリミティブの定義テーブルで用いられるパラメータ種別の一覧を図17に示す。
CTLおよびCMLが有するサービスインタフェースの一覧を図18に示す。また、車々間通信プロトコルスタックにおけるSAPの位置を図19に示す。
輻輳制御サービスおよび接続管理サービスとして、CMLはアプリケーションに対して、以下の6種類のプリミティブを提供する。
(1)接続開始プリミティブ(ACML-Connection)
(2)アプリケーション通知プリミティブ(ACML-Notify)
(3)アプリケーション情報登録プリミティブ(ACML-Registration)
(4)アプリケーション情報削除プリミティブ(ACML-Deregistration)
(5)CML情報取得プリミティブ(ACML-Get)
(6)CML情報設定プリミティブ(ACML-Set)
3.3.1 接続開始プリミティブ(ACML-Connection)
(1)処理概要
ACML-Connectionプリミティブは、アプリケーションが周辺局との接続を要求したり、接続状態を問い合わせたり、ビーコンメッセージの送信を要求したりするプリミティブである。個別通信を行うアプリケーションは、ACML-Connectionプリミティブの発行により開始される。
(2)定義
図20は、ACML-Connectionプリミティブの引数を示す図である。
portNo:要求元アプリケーションを識別するための識別子である。
serviceType:接続問い合わせサービスのタイプを示す識別子である。「0」の場合は接続状況を即座に回答を行う参照サービスを示し、「1」の場合は接続した時点で通知を行う通知サービスを示す。
connectionFlag:アプリケーションが相手局との接続を行うかを示すフラグである。「0」の場合は相手局との接続を行わないことを示し、「1」の場合は相手局と接続を行うことを示す。
destinationLID:接続要求などを行う相手局を示す識別子である。
connectStatus:接続状態を示す識別子である。「0」の場合は未接続の状態を示し、「1」の場合は接続済みの状態を示す。
beaconFlag:ビーコンメッセージの送信を要求するかを示すフラグである。「0」の場合はビーコンメッセージの送信を要求しないことを示し、「1」の場合はビーコンメッセージの送信を要求することを示す。
(1)処理概要
ACML-Notifyプリミティブは、CMLがアプリケーションに対して、送信周期の変更などを通知したり、アプリケーションがCMLに対して輻輳制御メッセージの送信を要求したりするプリミティブである。送信周期の変更は、周期的に送信を行うアプリケーションに対して発行される。また、ACML-Notifyプリミティブは、上記以外にもアプリケーションに情報を通知したり、CMLに処理を要求したりする場合に利用する。
(2)定義
図21は、ACML-Notifyプリミティブの引数を示す図である。
portNo:要求元アプリケーションを識別するための識別子である。
notifyCode:アプリケーションに通知する内容を示す識別子である。
notifyParameter:アプリケーションに通知する内容のパラメータ値である。
(1)処理概要
ACML-Registrationプリミティブは、アプリケーションがCMLに対して、アプリケーション情報を登録するためのプリミティブである。
(2)定義
図22は、ACML-Registrationプリミティブの引数を示す図である。
portNo:登録を要求するアプリケーションを識別するための識別子である。
priority:アプリケーションの優先度を示す識別子である。
applicationType:アプリケーションの種類(路車間/車々間/その他)を示す識別子である。
resultCode:登録結果を示す識別子である。
(1)処理概要
ACML-Deregistrationプリミティブは、アプリケーションがCMLに対して、アプリケーション情報を削除するためのプリミティブである。
図23は、ACML-Deregistrationプリミティブの引数を示す図である。
portNo:削除を要求するアプリケーションを識別するための識別子である。
resultCode:削除結果を示す識別子である。
(1)処理概要
ACML-Getプリミティブは、アプリケーションがCMLの変数を取得するためのプリミティブである。
(2)定義
図24は、ACML-Getプリミティブの引数を示す図である。
mibIndex:取得を要求する変数を指示する識別子である。
mibStatus:要求を実行した結果を示す識別子である。
mibParameter:取得した変数の内容である。
(1)処理概要
ACML-Setプリミティブは、アプリケーションがCMLの変数を設定するためのプリミティブである。
(2)定義
図25は、ACML-Setプリミティブの引数を示す図である。
mibIndex:設定を要求する変数を指示する識別子である。
mibStatus:要求を実行した結果を示す識別子である。
mibParameter:設定する変数の内容である。
データ転送サービスおよびイベント通知サービスとして、CTLは上位プロトコルに対して、以下の2種類のプリミティブを提供する。
(1)アプリケーションデータ転送プリミティブ(sendData)
(2)イベント通知プリミティブ(eventReport)
3.4.1 アプリケーションデータ転送プリミティブ(sendData)
(1)処理概要
sendDataプリミティブは、上位プロトコルがCTLに対して、アプリケーションデータの送受信を行うためのプリミティブである。
(2)定義
図26は、sendDataプリミティブの引数を示す図である。
linkAddress:車々間通信で利用するリンクアドレスであり、通信する相手局を識別するために用いる識別子である。
parameter:上位プロトコルとやり取りするデータ本体を示す。
(1)処理概要
eventReportプリミティブは、CTLが上位プロトコルに対して、CTL内で発生したエラーなどの事象を通知するためのプリミティブである。
(2)定義
図27は、eventReportプリミティブの引数を示す図である。
linkAddress:車々間通信で利用するリンクアドレスであり、通信する相手局を識別するために用いる識別子である。
eventCode:発生したイベントやエラーを示すコードを表す識別子である。
extensionParameter:変数eventCodeの内容を補足するためのパラメータを示す。
データ転送サービスおよびイベント通知サービスとして、CTLはCMLに対して、以下の4種類のプリミティブを提供する。
(1)制御データ転送プリミティブ(CMCTL-SendData)
(2)イベント通知プリミティブ(CMCTL-EventReport)
(3)CML情報取得プリミティブ(CMCTL-Get)
(4)CML情報設定プリミティブ(CMCTL-Set)
3.5.1 制御データ転送プリミティブ(CMCTL-SendData)
(1)処理概要
CMCTL-SendDataプリミティブは、CMLがCTLに対し、制御メッセージの送信を要求するためのプリミティブである。
(2)定義
図28は、CMCTL-SendDataプリミティブの引数を示す図である。
linkAddress:車々間通信で利用するリンクアドレスであり、通信する相手局を識別するために用いる識別子である。
pduIdentifier:CMLとやり取りするPDUの種類を示す。
parameter:CMLとやり取りするデータ本体を示す。
priority:送信するデータの優先度を示す。
(1)処理概要
CMCTL-EventReportプリミティブは、CMLがCTLに対し、CML内で発生したエラーなどの事象を通知したり、CTLがCMLに対し、CTL内で発生したイベントなどの事象を通知したりするためのプリミティブである。
(2)定義
図29は、CMCTL-EventReportプリミティブの引数を示す図である。
linkAddress:車々間通信で利用するリンクアドレスであり、通信する相手局を識別するために用いる識別子である。
eventCode:発生したイベントを示すコードを表す識別子である。
extensionParameter:変数eventCodeの内容を補足するためのパラメータを示す。
(1)処理概要
CMCTL-Getプリミティブは、CTLがCMLの変数を取得するためのプリミティブである。
(2)定義
図30は、CMCTL-Getプリミティブの引数を示す図である。
mibIndex:取得を要求する変数を指示する識別子である。
mibStatus:要求を実行した結果を示す識別子である。
mibParameter:取得した変数の内容である。
(1)処理概要
CMCTL-Setプリミティブは、CTLがCMLの変数を設定するためのプリミティブである。
(2)定義
図31は、CMCTL-Setプリミティブの引数を示す図である。
mibIndex:設定を要求する変数を指示する識別子である。
mibStatus:要求を実行した結果を示す識別子である。
mibParameter:設定する変数の内容である。
輻輳制御サービスとして、CMLはMLMEに対して、以下の2種類のプリミティブを提供する。
(1)MLME情報取得プリミティブ(MLME-Get)
(2)MLME情報設定プリミティブ(MLME-Set)
3.6.1 MLME情報取得プリミティブ(MLME-Get)
(1)処理概要
MLME-Getプリミティブは、CMLがMLMEの変数を取得するためのプリミティブである。
(2)定義
図32は、MLME-Getプリミティブの引数を示す図である。
mibIndex:取得を要求する変数を指示する識別子である。
mibStatus:要求を実行した結果を示す識別子である。
mibParameter:取得した変数の内容である。
(1)処理概要
MLME-Setプリミティブは、CMLがMLMEの変数を設定するためのプリミティブである。
(2)定義
図33は、MLME-Setプリミティブの引数を示す図である。
mibIndex:設定を要求する変数を指示する識別子である。
mibStatus:要求を実行した結果を示す識別子である。
mibParameter:設定する変数の内容である。
輻輳制御サービスとして、CMLはPLMEに対して、以下の2種類のプリミティブを提供する。
(1)PLME情報取得プリミティブ(PLME-Get)
(2)PLME情報設定プリミティブ(PLME-Set)
3.7.1 PLME情報取得プリミティブ(PLME-Get)
(1)処理概要
PLME-Getプリミティブは、CMLがPLMEの変数を取得するためのプリミティブである。
(2)定義
図34は、PLME-Getプリミティブの引数を示す図である。
mibIndex:取得を要求する変数を指示する識別子である。
mibStatus:要求を実行した結果を示す識別子である。
mibParameter:取得した変数の内容である。
(1)処理概要
PLME-Setプリミティブは、CMLがPLMEの変数を設定するためのプリミティブである。
(2)定義
図35は、PLME-Setプリミティブの引数を示す図である。
mibIndex:設定を要求する変数を指示する識別子である。
mibStatus:要求を実行した結果を示す識別子である。
mibParameter:設定する変数の内容である。
4.1 PDUの構成
次に、CTLおよびCMLで用いられるプロトコルデータユニット(PDU)について説明する。図36にアプリケーションデータを送信する際のPDU構成について示し、図37に制御データを送信する際のPDU構成を示す。ここで、PDUとSDU(Service Data Unit)の関係について述べると、あるLayerにおいてヘッダがない状態をSDUと呼び、そのLayerにおいてヘッダを付与した状態をPDUと呼ぶ。
図38はCTLにおいて付与するヘッダであるC2Cヘッダ情報を示す図である。
(1)Data Indetifier(データ識別子)
データの種類を区別する識別子である。「0」はアプリケーションデータ(上位プロトコルのデータ)を示し、「1」は管理データ(CMLのデータ)を示す。
2)PDU Identifier(PDU識別子)
PDUの種類を区別する識別子である。図39に示すData IdentifierとPDU Identifierの値を示す。
(3)Node Priority(車両優先度)
車両の優先度(危険度)である。CMLのCML変数取得プリミティブにより取得する。
(4)Channel Occupancy(通信チャネル利用率)
所定時間内における通信帯域がビジーの割合である。単位は[%]とし、0から100までの値を設定される。CML変数取得プリミティブにより取得される。
(5)Cyclic Interval(送信周期)
周期的に情報を送信するアプリケーションの送信する時間間隔である。単位は[10msec]とし、1(10msec)から255(2550msec)までの値が設定される。CML変数取得プリミティブにより取得される。
(6)Transmission Power(送信電力)
C2Cヘッダ生成時に設定されている送信電力の値である。単位は[0.1dBm]とし、−5.0dBmから20.0dBmまでの値が設定される。CML変数取得プリミティブにより取得される。
(7)Receiver Sensitivity(受信感度)
C2Cヘッダ生成時に設定されている受信感度の値を格納する。単位は[1dBm]とし、−127dBmから0dBmまでの値を設定する。CML変数取得プリミティブにより取得する。
(8)Reserved(予約)
予約領域を確保する。
初期接続を開始するトリガーとしたり、時刻同期を取ったりするためのビーコンメッセージを送信するPDUである。図40にビーコンメッセージの形式を示す。
(1)TSF Timer(TSFタイマ)
時刻同期を取るためのTSFタイマである。値は0−264の範囲を取る。
(2)Next Beacon Transmission Timing(次にビーコンを送信するタイミング)
ビーコンメッセージを送信する次回のタイミングである。単位は[msec]とし、0−1000の範囲を取る。
(3)CML Profile(CMLプロファイル)
自局のサポートする機能、アプリケーション情報、チャネル情報、および通信制御情報が格納されるCMLプロファイルである。
通信接続の要求を行うためのPDUである。図41に接続要求メッセージの形式を示す。
(1)Required Ack Flag(再送要求フラグ)
再送処理が有効かどうかを示すフラグである。「1」の場合はPDUの再送処理が有効となり、メッセージを相手に通知する共に確認応答(Ack PDU)を要求する。「0」の場合は再送処理を無効とする。
(2)Retransmit Flag(再送フラグ)
再送されたPDUかどうかを示すフラグである。「1」を示す場合は、再送されたPDUであることを示す。
(3)Sequence Number(シーケンス番号)
シーケンス番号である。相手局のリンクアドレスとシーケンス番号から、重複するPDUを検出する。
(4)CML Profile(CMLプロファイル)
自局のサポートする機能や、アプリケーション情報、チャネル情報、および通信制御情報が格納されるCMLプロファイルである。
接続要求に応答するためのPDUである。図42に接続応答メッセージの形式を示す。
(1)Result Code(リザルトコード)
初期接続を行うか否かの結果を示す。接続する相手局とサポートするアプリケーションが異なる場合は「接続しない」を通知し、サポートするアプリケーションが存在する場合は「接続する」を通知する。図43にResult Codeの内容を示す。
(2)Required Ack Flag(再送要求フラグ)
再送処理が有効かどうかを示すフラグである。「1」の場合はPDUの再送処理が有効となり、メッセージを相手に通知する共に確認応答(Ack PDU)を要求する。「0」の場合は再送処理を無効とする。
(3)Retransmit Flag(再送フラグ)
再送されたPDUかどうかを示すフラグである。「1」を示す場合は、再送されたPDUであることを示す。
(4)Sequence Number(シーケンス番号)
シーケンス番号である。相手局のリンクアドレスとシーケンス番号から、重複するPDUを検出する。
(5)Profile Flag(プロファイルフラグ)
Connect Response PDUにCMLプロファイル情報が付加されているかどうかを示すフラグである。「0」の場合は、後続するCML ProfileフィールドにはCMLプロファイルが格納されておらず、「1」の場合は後続するCML ProfileフィールドにCMLプロファイルが格納されている。
Beacon PDUにより、CMLプロファイルが提供済みの場合に、この識別子を「0」に設定し、CMLプロファイルを格納しない。Beacon PDUを利用していない場合(周期的に送信するアプリケーション主導の接続手順の場合)は、この識別子を「1」に設定し、CMLプロファイルを格納する。
(6)CML Profile(CMLプロファイル)
自局のサポートする機能や、アプリケーション情報、チャネル情報、および通信制御情報が格納されるCMLプロファイルである。
再送要求が行われている場合に確認応答を返すPDUである。図44に確認応答メッセージの形式を示す。
(1)Retransmit Flag(再送フラグ)
再送されたPDUかどうかを示すフラグをである。「1」を示す場合は、再送されたPDUであることを示す。
(2)Sequence Number(シーケンス番号)
シーケンス番号である。相手局のリンクアドレスとシーケンス番号から、重複するPDUを検出する。
輻輳制御を行うために、周辺車両に設定する通信パラメータを要求する場合のPDUである。図45に輻輳制御メッセージの形式を示す。
(1)Transmission Power for others(要求する送信電力)
周辺車両に対して要求する送信電力の値である。単位は[0.1dBm]とし、−5.0dBmから20.0dBmまでの値が設定される。
(2)Transmission Interval for others(要求する送信周期)
周辺車両に対して要求する送信周期の値である。単位は[10msec]とし、1(10msec)から255(2550msec)までの値が設定される。
(3)Receiver Sensitivity for others(要求する受信感度)
周辺車両に対して要求する受信感度の値である。単位は[1dBm]とし、−127dBmから0dBmまでの値が設定される。
CTLおよびCML内で発生したエラーなどのイベントを相手局に通知するPDUである。図46にイベント通知メッセージの形式に示す。
(1)eventCode(イベントコード)
イベントの内容を示すコードである。図47にイベントコードの内容を示す。
(2)extensionParameter(パラメータ)
イベントの内容を補完するパラメータである。
5.1 データ転送手順
5.1.1 アプリケーションデータ送受信手順
CTLにおけるアプリケーションデータを送受信する手順について記載する。図48にメッセージ転送の基本処理シーケンス例を示す。
(1)CTLはLPCPからデータ送信要求プリミティブ(sendData.req)を受け取ると、変数parameterからC2C SDUを取得する。
(2)CTLはC2C SDU内のLPCP制御情報を参照して、送信元ポート番号を取得する。
(3)CTLはCML情報取得プリミティブ(CMCTL-Get)を用いて、送信元ポート番号の優先度を取得する。
(4)CYLはC2C Headerを付加して、C2C PDUを生成した後、取得した優先度のキューに格納し、優先度制御処理を適用する。
(5)CTLは優先度制御により、送信待機した後、通信下位プロトコルのデータ伝送プリミティブ(DL-Unitdata.req)で送信し、送信処理を完了する。
(1)CTLは通信下位プロトコルからデータ伝送プリミティブ(DL-Unitdata.ind)で、C2C PDUを受け取ると、そのPDUからデータ識別子、PDU識別子、車両優先度、チャネル利用率、送信周期、送信電力、受信感度、ユーザデータを取り出す。
(2)CTLはデータ識別子(Data Identifier)が「0」を示し、PDU識別子(PDU Identifier)が「0」または「1」の場合は、上位プロトコルに対して、データ送信通知プリミティブ(sendData.ind)で相手局からのデータ(C2C SDU)の受信を転送する。
(3)CTLはDL-Unitdata.indで得られた送信元リンクアドレスと、受信した車両優先度、チャネル利用率、送信周期、送信電力、受信感度をCMLに対して、CML情報設定プリミティブ(CMCTL-Set)を用いて登録し、受信処理を完了する。
以下の場合のC2C PDUは無効とし、処理しない。
・データ識別子が「0」であり、PDU識別子が「0」または「1」でない場合、その通知プリミティブは破棄し、相手局CTLに対してイベント通知メッセージにて、状態「指定されたPDU識別子は有効でない」を通知する。
・データ識別子が有効でない場合、その通知プリミティブは破棄し、相手局CTLに対してイベント通知メッセージにて、状態「指定されたデータ識別子は有効でない」を通知する。
CTLにおける制御データを送受信する手順について記載する。図49にメッセージ転送の基本処理シーケンス例を示す。
(1)CTLはCMLから制御データ送信要求プリミティブ(CMCTL-SendData.req)を受け取ると、変数parameterからC2C SDU、変数priorityから優先度を取得する。
(2)CTLはC2C Headerを付加して、C2C PDUを生成した後、変数priorityから取得した優先度のキューに格納し、優先度制御処理を適用する。
(3)CTLは優先度制御により、送信待機した後、通信下位プロトコルのデータ伝送プリミティブ(DL-Unitdata.req)で送信し、送信処理を完了する。
以下の場合のC2C PDUは無効とし、処理しない。
・変数linkAddressがグループ同報リンクアドレスで、そのアドレス値が「0」でない場合、その要求プリミティブは破棄し、CMLに対してイベント通知プリミティブ(CMCTL-EventReport)にて、状態「指定されたグループ同報リンクアドレスは有効でない」を通知する。
(1)CTLは通信下位プロトコルからデータ伝送プリミティブ(DL-Unitdata.ind)でC2C PDUを受け取ると、そのPDUからデータ識別子、PDU識別子、車両優先度、チャネル利用率、送信周期、送信電力、受信感度、ユーザデータを取り出す。
(2)CTLはデータ識別子(Data Identifier)が「1」を示す場合はCMLに対して、制御データ送信通知プリミティブ(CMCTL-SendData.ind)で相手局からのデータの受信を通知する。
(3)DL-Unitdata.indで得られた送信元リンクアドレスと、受信した車両優先度、チャネル利用率、送信周期、送信電力、受信感度をCMLに対して、CML情報設定プリミティブ(CMCTL-Set)を用いて登録し、受信処理を完了する。
(1)CTLは優先度ごとにキューに格納されたデータを、優先度の高いほうから順に取り出し、データ伝送プリミティブ(DL-Unitdata.req)を用いて、送信する。
(2)CTLは優先度の高いキューが空になれば、優先度が一つ低いキューからデータを取り出して送信する。
優先度のキューにおいて、優先度“Middle”キューには周期的に情報を送信する情報交換型アプリケーションのデータのみが格納され、新しいデータが格納された場合にはキューにある古いデータは破棄し、最新のデータを保持する。なお、優先度“High”キューには緊急情報、“Low”キューには非リアルタイム情報を格納する。
5.3.1 通信制御手順
輻輳制御は以下の手順を、車両情報が変更された場合および周期的に行う。図50にCMLにおける輻輳制御の基本シーケンスを示す。
(1)アプリケーションはCMLに対して、アプリケーション情報設定プリミティブ(ACML-Set)を用いて、自車両の車両情報および周辺車両から受信した車両情報を設定する。
(2)CMLは周期的にPLMEに対して、PLME情報取得プリミティブ(PLME-Get)を用いて、通信チャネルの利用率情報を取得する。
(3)CMLは収集した情報から、輻輳を回避するために設定すべき送信周期・送信電力・受信感度を算出する。ここでは各パラメータを算出する具体的なアルゴリズムについては5.3.1.1に示す。
(4)CMLは周期的に情報を送信するアプリケーションに対して、アプリケーション通知プリミティブ(ACML-Notify)を用いて算出した送信周期を通知する。
(5)前記アプリケーションは通知された送信周期に従って、次のタイミング以降の車両情報の送信を繰り返し行う。
(6)CMLはPLMEに対して、PLME情報設定プリミティブ(PLME-Set)を用いて、算出した送信電力および受信感度を設定する。
(7)通信下位プロトコルでは設定された送信電力および受信感度に従って、次の送受信を開始する。この際、送信するチャネルの種類によって、設定する送信電力および受信感度を切り替えても良い。
CMLにおける輻輳制御アルゴリズムを説明する。まず、輻輳制御に必要な情報の収集および設定について述べる。自車両および周辺車両の位置、速度、加速度、および走行方向はアプリケーションによって、CMLに設定され、自車両の通信制御パラメータ(チャネル利用率、送信周期、送信電力、受信感度)および周辺車両の通信制御パラメータもCMLに格納されている。さらに、ここで用いる必要な通信距離はCML内で算出しても良いし、アプリケーションで算出し、CML情報設定プリミティブで設定しても良い。
次に、送信周期を制御する輻輳制御について示す。
本発明では、通信チャネルが混雑していない場合はアプリケーションの要求仕様である送信周期の値を適用し、通信チャネルが混雑し始めた場合に送信周期を徐々に長くする手法を利用する。
ただし、Nは自車両iが通信中の車両台数を示す。
+K/I×∫{Omax(t)−Oth}dt
+K×Td×d/dt{Omax(t)−Oth}
ただし、T(t+1)は次に適用する送信周期を示し、T(t)は前回適用された送信周期を示し、Omax(t)は最大の通信チャネル利用率、Kは比例ゲイン、Iは積分時間、Tdは微分時間を示す。この比例ゲイン、積分時間、および微分時間の設定値によって、通信チャネル利用率を目標の閾値に収束させるまでに要する時間を変更させることができる。また、目標のチャネル利用率を調整することによって、実現できる通信の信頼性を変更できるため、アプリケーションが要求する信頼性によって目標のチャネル利用率を設定することができる。
次に、送信電力を制御する輻輳制御について示す。
送信間隔と同様に、送信電力を制御することで効率的に輻輳を回避できると考えられるので、混雑し始めた場合には通信エリアを絞る。
+K/I×∫{n(t)−m}dt
+K×Td×d/dt{n(t)−m}
ただし、D(t+1)は次に送信する通信距離を示し、D(t)は前回設定された通信距離を示し、n(t)[台]は現在自車両と通信している台数、Kは比例ゲイン、Iは積分時間、Tdは微分時間を示す。なお、ここでの比例ゲイン、積分時間、微分時間は送信周期制御アルゴリズムと同じ値を適用してもいいし、異なる値を適用しても良い。
受信感度を制御することによって、自車両の受信できるエリアを制限することができる。送信電力が相手車両において発生する輻輳を回避するのに対し、受信感度は自車両において発生する輻輳を回避できる。そのため、送信電力制御アルゴリズムにおいて算出された送信電力P(t+1)と以前の送信電力P(t)の差分を一部だけ受信感度に振り分けることで、相手車両における輻輳を軽減するか、自車両における輻輳を軽減するかを選択することができる。
輻輳制御メッセージは以下の手順で送信される。
(送信手順)
(1)CMLは輻輳制御メッセージの送信契機になると、相手局に指示する通信制御パラメータ値を決定する。例えば、本発明では輻輳制御メッセージの送信契機は通信チャネル利用率が40%を超えた場合に行ったり、アプリケーション処理部3から輻輳制御メッセージの送信要求があったりした場合うものとする。また、相手局に指示する通信制御パラメータ値は自局で設定される値を適用する。
(2)CMLはCongestion Control PDUを生成し、CTLに対して、制御データ送信要求プリミティブ(CMCTL-SendData.req)を発行する。
(1)CMLはCTLから制御データ送信通知プリミティブ(CMCTL-SendData.ind)を受信すると、変数parameterから指示された通信制御パラメータ値を取り出す。
(2)CMLは相手局の車両優先度と自局の車両優先度を比較し、相手局の車両優先度が高く、通信チャネル利用率が大きければ、相手局の指定するパラメータに設定して通信を行う。
5.4.1 初期接続開始手順
(1)アプリケーションはCMLに対して、接続開始プリミティブ(ACML-Connection)を用いて、個別通信を行うための接続要求を行う。
(2)CMLは、ACML-Connectionの変数connectionFlagが「1」を示す場合にはアプリケーションが個別通信を行うために、接続要求フラグを「1」に設定する(接続要求フラグが「1」の場合には、周辺局から同報メッセージおよびビーコンメッセージを受信した場合に初期接続シーケンスを開始する)。
(3)CMLは、アプリケーション情報テーブルを参照し、周期的に車両情報を送信する同報アプリケーションがサポートされているかを確認する。
(a)CMLは同報アプリケーションがサポートされている場合にはビーコンメッセージ(Beacon PDU)送信フラグを「0」に設定し、5.4.3に示すように同報アプリケーションメッセージの受信を契機に初期接続シーケンスを開始する。
(b)CMLは同報アプリケーションがサポートされていない場合、かつ接続開始プリミティブの変数beaconFlagが「1」を示す場合にはビーコンメッセージ(Beacon PDU)送信フラグを「1」に設定し、5.4.2に示すようにビーコンメッセージの送信シーケンスを開始する。
図51にCMLにおけるビーコンメッセージを用いた場合の初期接続手順の基本シーケンスを示す。また、図52にCMLにおけるビーコンメッセージを用いた初期接続手順のビーコンメッセージを破棄する場合のシーケンスを示す。
(1)CMLは周辺局がビーコンメッセージを送信しているかを確認する。ビーコンスキャンを行うために、ビーコンスキャンタイマを起動する。
(a)CMLはビーコンスキャンタイマがタイムアウトするまでに、周辺局からBeacon PDUを受信した場合は、(3)以降に記載の手順に従って初期接続シーケンスを開始する。
(b)CMLはビーコンスキャンタイマがタイムアウトするまでに、周辺局からBeacon PDUを受信しなかった場合は、(2)以降に記載の手順に従って初期接続シーケンスを開始する。
(2)CMLはBeacon PDUを生成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData)を用いて、CTLに送信を要求する。
(3)CTLから制御メッセージ送信プリミティブによって、Beacon PDUを示すメッセージが通知されると、接続状況を確認するために接続管理テーブルを参照する。
(a)「接続済み」の場合には受信したBeacon PDUを破棄し、初期接続シーケンスを完了する。
(b)「未接続」の場合には接続要求フラグを参照し、接続要求フラグが「1」を示す場合は相手局のLinkAddressと受信したBeacon PDUからCML Profileを接続管理テーブルに登録し、Connect Request PDUを生成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData)を用いて、CTLに送信を要求する。接続要求フラグが「0」を示す場合は初期接続シーケンスを開始しない。
(4)CMLはCTLから制御メッセージ送信プリミティブによって、Connect Request PDUを示すメッセージが通知されると、接続状況を確認するために接続管理テーブルを参照する。
(a)「接続済み」の場合には受信したConnect Request PDUを破棄し、Connect Response PDUを用いて、resultCode「接続済み」を返す。
(b)「未接続」の場合には相手局のLinkAddressと受信したConnect Request PDUからCML Profileを接続管理テーブルに登録し「接続済み」に設定する。Connect Response PDUを生成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData)を用いて、CTLに送信を要求する。
(5)CMLはCTLから制御メッセージ送信プリミティブによって、Connect Response PDUを示すメッセージが通知されると、接続状況を確認するために接続管理テーブルを参照する。相手局のLinkAddressに対して、接続管理テーブルを「接続済み」に設定する。Ack PDUを生成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData)を用いて、CTLに送信を要求する。
(6)CMLはCTLから制御メッセージ送信プリミティブによって、Ack PDUを示すメッセージが通知されると、アプリケーションに接続開始応答プリミティブ(ACML-Connection.cnf)を返し、初期接続シーケンスを完了する。
図53にCMLにおける同報アプリケーションを用いた場合の初期接続手順の基本シーケンスを示す。また、図54にCMLにおける同報アプリケーションを用いた初期接続手順の接続を行わない場合のシーケンスを示す。ただし、周期的に情報を送信するアプリケーションを用いた初期接続手順は、シングルチャネル利用時にのみサポートされる。
(1)CTLは相手局から同報アプリケーションのデータを受信した後、CMLは、CTLからCML情報設定プリミティブを用いて、C2C Headerに含まれる情報の登録を要求されると、接続管理テーブルを参照し、相手局との接続状況を確認する。
(a)「接続済み」の場合には、初期接続シーケンスを完了する。
(b)「未接続」の場合には接続要求フラグを参照し、接続要求フラグが「1」を示す場合はConnect Request PDUを生成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData)を用いて、CTLに送信を要求する。接続要求フラグが「0」を示す場合は初期接続シーケンスを開始しない。
(2)CMLはCTLから制御メッセージ送信プリミティブによって、Connect Request PDUを示すメッセージが通知されると、接続状況を確認するために接続管理テーブルを参照する。
(a)「接続済み」の場合には受信したConnect Request PDUを破棄し、Connect Response PDUを用いて、resultCode「接続済み」を返す。
(b)「未接続」の場合には接続要求フラグを参照し、接続要求フラグが「1」を示す場合は相手局のLinkAddressと受信したConnect Request PDUからCML Profileを接続管理テーブルに登録し、「接続済み」に設定する。Connect Response PDUを生成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData)を用いて、CTLに送信を要求する。接続要求フラグが「0」を示す場合はConnect Response PDUを用いて、resultCode「接続しない」を返す。
(3)CMLはCTLから制御メッセージ送信プリミティブによって、Connect Response PDUを示すメッセージが通知されると、変数resultCodeを参照し、「接続しない」を示す場合はConnect Response PDUを破棄し、「接続する」を示す場合は接続状況を確認するために接続管理テーブルを参照する。相手局のLinkAddressに対して、接続管理テーブルを「接続済み」に設定する。Ack PDUを生成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData)を用いて、CTLに送信を要求する。
(4)CMLはCTLから制御メッセージ送信プリミティブによって、Ack PDUを示すメッセージが通知されると、アプリケーションに接続開始応答プリミティブ(ACML-Connection.cnf)を返し、初期接続シーケンスを完了する。
CMLは、相手局との接続が確立すると、イベント通知プリミティブを利用してCTLに「接続が確立した」ことを通知する。CTLは接続が確立したことを通知されると、イベント通知プリミティブを用いて上位層に通知する。また、タイムアウトなどにより、相手局と切断した場合にも同様の手順によって、「切断した」イベントを通知する。図55に接続状況を通知する手順の例を示す。
(1)CMLは、Connect Request PDUおよび、Connect Response PDUを受信して、相手局との通信接続が確立する。
(2)CMLは、イベント通知プリミティブ(CMCTL-EventReport)を用いて、CTLに接続が確立したことを通知する。
(3)CTLは、イベント通知プリミティブ(EventReport.ind)を用いて、上位層に接続が確立したことを通知する。
図56にCMLにおけるアプリケーション情報の登録および削除手順を示す。
(1)移動局の各アプリケーションは、提供可能な状態になったらアプリケーション登録要求プリミティブ(ACML-Registration.req)を用いて、CMLに登録する。
(2)CMLはアプリケーション情報テーブルを更新する。
(3)CMLはアプリケーション登録通知プリミティブ(ACML-Registration.ind)を用いて、アプリケーションに登録結果を通知する。
(1)移動局の各アプリケーションは、提供不可能な状態になったらアプリケーション削除プリミティブ(ACML-Deregistration)を用いて、CMLに通知する。
(2)CMLはアプリケーション情報テーブルを更新する。
(3)CMLはアプリケーション削除通知プリミティブ(ACML-Deregistration.ind)を用いて、アプリケーションに削除結果を通知する。
図57に再送処理が有効な場合のCMLにおける基本処理シーケンス例を示し、図58に再送を行う場合のCMLにおける処理シーケンス例を示し、図59に再送処理における重複チェックを行う場合のCMLにおけるシーケンス例を示す。
(1)CMLは制御データ(接続要求メッセージ、接続応答メッセージ)を送信する場合、再送処理が有効な接続管理サービスが開始される。
(2)CMLはRequired Ack Flag(再送要求フラグ)が「1」を示すPDUを作成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData.req)を用いて、CTLに送信を要求する。
(3)CMLは送信を要求すると同時に再送タイマを起動し、前記PDUを保持し、相手局からの応答メッセージの受信を待機する。
(4)CMLは再送タイマがタイムアウトするまでに、相手局からの応答メッセージを受信すると、再送タイマを停止し、保持していたPDUを破棄し、このトランザクションを完了する。
(5)CMLは(3)で送信したPDUが相手局に到達しないなど何らかの理由により応答メッセージを受信するまでに再送タイマがタイムアウトした場合は、Retransmit Flag(再送フラグ)を「1」に設定して、CTLにPDUの送信を要求すると同時に再送タイマを再起動、再送カウンタを1インクリメントする。
(6)CMLは数回再送を繰り返しても応答メッセージを受信できずに、再送カウンタが最大再送回数を超えた場合は、保持していたPDUを破棄し、このトランザクションを完了する。
(1)CMLはCTLから制御メッセージ送信通知プリミティブ(CMCTL-SendData.ind)により、Required Ack Flag(再送要求フラグ)が「1」を示すPDUを受信した場合は応答メッセージを生成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData.req)を用いて、CTLに送信を要求する。
(2)CMLは送信を要求すると同時にウェイトタイマを起動する。
(3)CMLは(2)で送信した応答メッセージが相手局に到達しないなどの理由で、再度同じCML−SDUを受信した場合には、受信したPDUを破棄し、再度応答メッセージを生成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData.req)を用いて、CTLに送信を要求し、ウェイとタイマを再起動する。
(4)(2)または(3)で起動したウェイトタイマがタイムアウトすると、このトランザクションを完了する。
以下、図2を参照しつつ図60〜図71を用いて実施の形態1の車載通信装置100の各部の動作について説明する。
図60は、車々間通信転送サービス処理部1のデータ転送サービス処理部11の動作を示すフローチャートである。
図61は、車々間通信転送サービス処理部1のイベント通知サービス処理部12の動作を示すフローチャートである。
図62は、車々間通信転送サービス処理部1の優先度制御サービス処理部13の動作を示すフローチャートである。
図63は、車々間通信管理サービス処理部2の輻輳制御サービス処理部21の動作を示すフローチャートである。
図64〜図66を用いて、車々間通信管理サービス処理部2の接続管理サービス処理部22および再送制御サービス処理部23の動作について説明する。
図67は、アプリケーション処理部3の車々間通信アプリケーション部31の動作を示すフローチャートである。
図68は、トランザクション管理部4のトランザクションサービス処理部41の動作を示すフローチャートである。
図69は、転送サービス処理部5のLPCP転送サービス処理部51の動作を示すフローチャートである。
図70は、送受信サービス処理部6の動作を示すフローチャートである。
以上説明した、本発明に係る実施の形態1の車載通信装置および路車間−車々間通信連携システムにおいては、車々間通信転送サービス処理部1と車々間通信管理サービス処理部2は、既存の路車間通信プロトコルである転送サービス処理部(LPCP)に対するインタフェースを有することで、路車間通信システムを提供する車載器と車々間通信システムを提供する車載器とを共用化できる車載通信装置を得ることができ、路車間通信システムと車々間通信システムの両方にサービスを提供できる車載通信装置を得ることが可能となる。
以上説明した実施の形態1では、トランザクション管理部4(ローカルポートプロトコル)と、転送サービス処理部5(ローカルポート制御プロトコル)と、車々間通信転送サービス処理部1(車々間通信トランスポートサブレイヤ)と、車々間通信管理サービス処理部2(車々間通信マネジメントレイヤ)とで構成される階層構造を示したが、ローカルポートプロトコルやローカルポート制御プロトコルの代わりに他の双方向に通信可能なプロトコルを用いても良い。
<B−1.プロトコル構成>
本発明に係る実施の形態2について、図71および図72を用いて説明する。
車載通信装置101においては、路車間通信アプリケーション部32が送信するデータは、路車間−車々間通信連携サービス処理部8のトランザクションサービス処理部41およびLPCP転送サービス処理部51を経由して、送受信サービス処理部6から相手局へ送信され、車々間通信アプリケーション部31が送信するデータとは異なり、車々間通信転送サービス処理部1のデータ転送サービス処理部11を経由しない。
以上説明したように、実施の形態2の車載通信装置101は、路車間−車々間通信連携サービス処理部8を備えることによって、路車間通信のデータは車々間通信転送サービス処理部1を経由せずに相手局に送信でき、車々間通信のデータは車々間通信転送サービス処理部1を経由して、必要な制御を行って周辺局に送信することができる。これにより、路車間通信の車載器と車々間通信の車載器を共用化することができる。
なお、実施の形態2では、路車間−車々間通信連携サービス処理部8と、車々間通信転送サービス処理部1と、車々間通信管理サービス処理部2とで構成される階層構造を示したが、路車間−車々間通信連携サービス処理部8には、実施の形態1と同様にローカルポートプロトコルやローカルポート制御プロトコルなどの既存のプロトコルを用いても良い。
<C−1.プロトコル構成>
本発明に係る実施の形態3について、図73および図74を用いて説明する。
路車間通信アプリケーション部32が送信するデータは、実施の形態1の車載通信装置100と同様にトランザクション処理部4、転送サービス処理部5を経由して、車々間通信転送サービス処理部1に渡される。
以上説明したように、実施の形態3の車載通信装置102は、実施の形態1の車載通信装置100と同様に、アプリケーション処理部3は車々間通信アプリケーション部31を備えているため、車々間通信のアプリケーションを提供可能である。さらに車載通信装置102は路車間通信アプリケーション部32を備えているため、路車間通信のアプリケーションを提供することも可能となる。
<D−1.プロトコル構成>
本発明に係る実施の形態4について、図75〜図77を用いて説明する。なお、実施の形態1と同一の部位には同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図76は本発明に係る実施の形態4の車々間通信アーキテクチャのプロトコル構成におけるSAPの位置を示した図である。図76におけるサービスインタフェースのうち、実施の形態1と異なるSAPの一覧を図77に示す。実施の形態1と同じSAPについては図18に示したSAPと同等の機能であるため、重複する説明は省略する。また、図77に示すSAPのパラメータの説明については、IEEEの標準規格に開示されており、当業者であれば当該規格を参照することで理解できるので、説明を省略する。
WMEはアプリケーションに対して、図77に示すように次の6種類のプリミティブを提供する。
(1)接続要求プリミティブ(WME-Application)
実施の形態1のACML-Connectプリミティブと同等の機能、パラメータを提供する。WME-Applicationプリミティブはアプリケーションが周辺局との接続を要求したり、切断するプリミティブである。
(2)アプリケーション通知プリミティブ(WME-Notification)
実施の形態1のACML-Notifyプリミティブと同等の機能、パラメータを提供する。WME-Notificationは周辺局との接続状態に変化があった場合に、WAVE管理部10からアプリケーション処理部3に対して通知するプリミティブである。
(3)アプリケーション情報登録プリミティブ(WME-ApplicationRegistration)
実施の形態1のACML-RegistrationプリミティブおよびACML-Deregistrationプリミティブと同等の機能、パラメータを提供する。WME-ApplicationRegistrationプリミティブは、アプリケーション情報の登録や削除を行うプリミティブである。
(4)WME情報取得プリミティブ(WME-Get)
実施の形態1のACML-Getプリミティブと同等の機能、パラメータを提供する。WME-Getプリミティブは、アプリケーションがWMEの管理する情報を取得するためのプリミティブである。
(5)WME情報設定プリミティブ(WME-Set)
実施の形態1のACML-Setプリミティブと同等の機能、パラメータを提供する。WME-Setプリミティブは、アプリケーションがWMEの管理する情報を設定するためのプリミティブである。
(6)受信電力要求プリミティブ(WME-RCPIREQUEST)
実施の形態1ではサポートしていないプリミティブである。WME-RCPIREQUESTプリミティブは、アプリケーションが特定の車両に対して、受信電力を測定するためのデータ送信を要求するプリミティブである。
CTLはWSMPに対して、図77に示すように次の1種類のプリミティブを提供する。また、LSAPはデータリンク層がACTLに提供するプリミティブでもあるため、CTLを挿入してもIEEE1609.3の通信には影響を与えない。
(1)データ転送プリミティブ(UL-UNITDATA)
実施の形態1のSendDataプリミティブと同等の機能、パラメータを提供する。UL-UNITDATAプリミティブは、WSMPがCTLに対して、データ送受信を行うためのプリミティブである。
アプリケーション処理部3がデータを送信する場合、送信するデータはWAVE転送部8に渡す。
以上説明したように、実施の形態4のプロトコル構成を有する車載通信装置103は、WAVE転送部9およびWAVE管理部10を備えることにより、IEEEのプロトコルを用いた場合の車載通信装置においても、実施の形態1のプロトコル構成の車載通信装置100と同様に、路車間通信システムと車々間通信システムの両方にサービスを提供できる車載通信装置を得ることが可能となる。
<E−1.プロトコル構成>
本発明に係る実施の形態5について、図78〜図80を用いて説明する。なお、実施の形態1と同一の部位には同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図79は本発明に係る実施の形態5の車々間通信アーキテクチャのプロトコル構成におけるSAPの位置を示した図である。図79におけるサービスインタフェースのうち、実施の形態1と異なるSAPの一覧を図80に示す。実施の形態1と同じSAPについては図18に示したSAPと同等の機能であるため、重複する説明は省略する。
CMEはアプリケーションに対して、図80に示すように次の4種類のプリミティブを提供する。
(1)コマンド実行プリミティブ(A-Command)
実施の形態1のACML-Connect、ACML-Notify、ACML-Registration、ACML-Deregistrationの各プリミティブと同等の機能、パラメータを提供し、各種コマンドの実行をCALM転送部111およびCALM管理部112に対して要求する。
(2)リクエスト実行プリミティブ(A-Request)
実施の形態1のACML-Connect、ACML-Notify、ACML-Registration、ACML-Deregistrationの各プリミティブと同等の機能、パラメータを提供し、各種リクエストの実行をCALM転送部111およびCALM管理部112に対して要求する。
(3)CME情報取得プリミティブ(A-GetParam)
実施の形態1のACML-Getプリミティブと同等の機能、パラメータを提供し、CMEの有する情報を取得するプリミティブである。
(4)CME情報設定プリミティブ(A-SetParam)
実施の形態1のACML-Setプリミティブと同等の機能、パラメータを提供し、CMEに対して情報を設定するプリミティブである。
CTLはCALM転送部111に対して、図80に示すように次の1種類のプリミティブを提供する。また、C−SAPはデータリンク層がCALM転送部111に提供するプリミティブでもあるため、CTLを挿入してもCALM転送部111の通信には影響を与えない。
(1)データ転送プリミティブ(UL-UNITDATA)
実施の形態1のSendDataプリミティブと同等の機能、パラメータを提供する。UL-UNITDATAプリミティブは、CALM転送部111がCTLに対して、データ送受信を行うためのプリミティブである。
CMEはIMEに対して、図80に示すように次の2種類のプリミティブを提供する。
(1)IME情報取得プリミティブ(CIMAE-SetParam)
実施の形態1のMLME-SetおよびPLME-Setプリミティブと同等の機能、パラメータを提供し、IMEの有する情報を取得するプリミティブである。
(2)IME情報設定プリミティブ(CIMAE-GetParam)
実施の形態1のMLME-GetプリミティブおよびPLME-Getプリミティブと同等の機能、パラメータを提供し、IMEに対して情報を設定するプリミティブである。
アプリケーション処理部3がデータを送信する場合、送信するデータはCALM転送部111に渡され、CALM転送部111はアプリケーションの種類、提供可能なアプリケーションリスト、利用可能な通信メディア情報などを含むCALMヘッダを付与して、車々間通信転送サービス処理部1に渡す。
以上説明したように、実施の形態5のプロトコル構成を有する車載通信装置104は、CALM転送部111およびCALM管理部112を備えることにより、CALMのプロトコルを用いた場合の車載通信装置においても、実施の形態1のプロトコル構成の車載通信装置100と同様に、路車間通信システムと車々間通信システムの両方にサービスを提供できる車載通信装置を得ることが可能となる。
Claims (12)
- 移動局および基地局にそれぞれ搭載され、無線通信により前記移動局間および前記移動局と前記基地局との間で相互に受信側および送信側となる車載通信装置であって、
前記車載通信装置は、
前記受信側の前記車載通信装置に周期的にメッセージを送信するアプリケーション処理部と、
前記アプリケーション処理部に接続され、前記アプリケーション処理部から受信した前記メッセージの再送や分割/組み立てを含むトランザクションサービスを少なくとも提供するトランザクション管理部と、
前記トランザクション管理部に接続され、前記トランザクション管理部から受信した前記メッセージに、前記アプリケーション処理部を含む上位プロトコルを識別するためのローカルポート番号を付加する転送サービス処理部と、
前記転送サービス処理部に接続され、前記転送サービス処理部から受信した前記メッセージを、前記アプリケーション処理部で処理されるアプリケーションの優先度順に前記受信側の前記車載通信装置に対して送信し、前記転送サービス処理部に対する前記メッセージを送受信し、エラー情報を含むイベント情報を通知する車々間通信転送サービス処理部と、
前記車々間通信転送サービス処理部に接続され、前記車々間通信転送サービス処理部から受信した前記メッセージを、無線通信により前記受信側の前記車載通信装置との間で送受信する送受信サービス処理部と、
前記アプリケーション処理部および前記車々間通信転送サービス処理部に接続され、前記アプリケーション処理部から前記優先度を設定され、前記車々間通信転送サービス処理部からの要求に応じて前記優先度を通知する車々間通信管理サービス処理部とを備え、
前記トランザクション管理部および前記転送サービス処理部は、前記移動局と前記基地局との間での路車間通信を行うための路車間通信プロトコルを構成し、
前記車々間通信転送サービス処理部は、前記受信側の前記車載通信装置に対して前記車々間通信管理サービス処理部の有する通信制御情報を通知し、
前記受信側の前記車載通信装置は、
前記車々間通信転送サービス処理部において、受信した前記メッセージに付与された前記通信制御情報を前記車々間通信管理サービス処理部に送信し、受信した前記メッセージは前記転送サービス処理部に送信される、車載通信装置。 - 前記送受信サービス処理部が、前記メッセージを送受信する際の送信電力、受信感度および通信チャネルの利用率を少なくとも含む前記通信制御情報を管理する送受信サービス管理部をさらに備え、
前記車々間通信管理サービス処理部は、
前記送受信サービス管理部との間に設けられ、前記送受信サービス管理部からの前記通信チャネルの利用率の取得、前記送受信サービス管理部に対する前記送信電力および前記受信感度の設定のための第1のインタフェースと、
前記車々間通信転送サービス処理部との間に設けられ、前記通信制御情報を前記車々間通信転送サービス処理部に与える第2のインタフェースと、
前記アプリケーション処理部との間に設けられ、周期的に送信される前記メッセージの送信周期を設定するための第3のインタフェースと、を有し、
前記アプリケーション処理部は前記車々間通信管理サービス処理部を経由して、前記車々間通信転送サービス部に対する前記イベント情報の通知、前記受信側の前記送信周期、前記送信電力および前記受信感度を指定するメッセージの送信要求、前記送受信サービス管理部に対する前記送信電力および前記受信感度の設定を行う、請求項1記載の車載通信装置。 - 前記車々間通信転送サービス処理部は、
前記車々間通信管理サービス処理部から取得した前記送信電力、前記受信感度および前記通信チャネルの利用率に前記送信周期の情報を加えて前記通信制御情報とし、前記転送サービス処理部から受信した前記メッセージに付加することで、前記受信側の前記車載通信装置に対して前記通信制御情報を通知し、
前記受信側の前記車々間通信管理サービス処理部は、前記送信側の前記通信制御情報に基づいて、前記受信側の前記アプリケーション処理部からのメッセージを送信する際の送信電力、受信感度、送信周期を決定する、請求項2記載の車載通信装置。 - 前記送信側の前記車載通信装置の前記車々間通信管理サービス処理部は、
前記受信側の前記車載通信装置との初期接続を行うためのメッセージを、前記アプリケーション処理部からの要求に応じて、前記車々間通信転送サービス処理部を経由して受信側の前記車々間通信管理サービス処理部に対して送信開始する、請求項1記載の車載通信装置。 - 前記車々間通信管理サービス処理部は、
前記車々間通信転送サービス処理部を経由して、前記トランザクション管理部および前記アプリケーション処理部を含む上位プロトコルに対して、通信接続の状況および前記車々間通信管理サービス処理部内で発生したイベント情報を少なくとも通知する、請求項1記載の車載通信装置。 - 前記受信側の前記車載通信装置の前記車々間通信転送サービス処理部は、
前記送信側の前記車載通信装置からの前記メッセージを受信し、前記メッセージに含まれる前記通信制御情報を前記車々間通信管理サービス処理部に設定し、
前記受信側の前記車載通信装置の前記車々間通信管理サービス処理部は、
前記通信制御情報が設定されることを契機に、前記送信側の前記車載通信装置に対して初期接続の接続手順を開始する請求項1記載の車載通信装置。 - 前記アプリケーション処理部は、
アプリケーションの種類を前記車々間通信管理サービス処理部に登録し、
前記車々間通信転送サービス処理部は、
前記メッセージに付加されたローカルポート番号を利用して、前記車々間通信管理サービス処理部から前記アプリケーションの種類を取得し、識別することにより、前記アプリケーションの種類に応じた送受信処理を行い、路車間通信アプリケーションの場合には前記メッセージを車々間通信アプリケーションよりも優先的に前記送受信サービス処理部に送信する、請求項1記載の車載通信装置。 - 移動局および基地局にそれぞれ搭載され、無線通信により前記移動局間および前記移動局と前記基地局との間で相互に受信側および送信側となる車載通信装置であって、
前記車載通信装置は、
前記送信側から前記受信側に対して、路車間通信および車々間通信を利用してメッセージを送信するアプリケーション処理部と、
前記アプリケーション処理部から受信した前記メッセージの再送や分割/組み立てを含むトランザクションサービス、前記アプリケーション処理部を含む上位プロトコルを識別するためのローカルポート番号の付加、および前記上位プロトコルに応じて前記メッセージの送信先を判別する路車間−車々間通信連携サービス処理部と、
前記路車間−車々間通信連携サービス処理部から受信した前記メッセージを、前記アプリケーション処理部で処理されるアプリケーションの優先度順に前記受信側の前記車載通信装置に対して送信する車々間通信転送サービス処理部と、
前記車々間通信転送サービス処理部を介して与えられる前記メッセージ、および前記路車間−車々間通信連携サービス処理部から直接与えられる前記メッセージに、識別のための識別子を付与して、無線通信により前記受信側の前記車載通信装置に送信する送受信サービス処理部と、
前記アプリケーション処理部から前記優先度を設定され、前記車々間通信転送サービス処理部からの要求に応じて前記優先度を通知する車々間通信管理サービス処理部とを備え、
前記路車間−車々間通信連携サービス処理部は、
前記アプリケーション処理部から受信した前記メッセージを、路車間通信で送信するか、車々間通信で送信するかを判別し、前記路車間通信の場合には前記送受信サービス処理部に直接前記メッセージを与え、前記車々間通信の場合には前記車々間通信転送サービス処理部を経由して前記送受信サービス処理部に与え、
前記受信側の前記車載通信装置の前記送受信サービス処理部は、
前記送信側の前記車載通信装置から受信した前記メッセージに付与された前記識別子に基づき、前記メッセージを、路車間−車々間通信連携サービス処理部または車々間通信転送サービス処理部に送信する車載通信装置。 - 前記車々間通信転送サービス処理部は、路車間通信アプリケーションのメッセージを受信したことを、前記車々間通信管理サービス処理部に通知し、
前記車々間通信管理サービス処理部は、前記路車間通信アプリケーションのメッセージの受信を契機に、車々間通信アプリケーションのメッセージを送信する際の前記送信電力および前記送信周期を制御することにより、路車間通信アプリケーションのメッセージを優先的に送受信する、請求項1記載の車載通信装置。 - 移動局および基地局にそれぞれ搭載され、無線通信により前記移動局間および前記移動局と前記基地局との間で相互に受信側および送信側となる車載通信装置であって、
前記車載通信装置は、
アプリケーションから受信したメッセージを、アプリケーションの優先度順に前記受信側の前記車載通信装置に対して送信し、アプリケーションに対するメッセージを送受信し、エラー情報を含むイベント情報を通知し、送信電力、受信感度、通信チャネルの利用率に送信周期の情報を加えて通信制御情報とし、アプリケーションから受信したメッセージに付加することにより前記受信側の前記車載通信装置に対して前記通信制御情報を通知する車々間通信転送サービス処理部と、
アプリケーションおよび前記車々間通信転送サービス処理部に接続され、アプリケーションから優先度を設定され、前記車々間通信転送サービス処理部からの要求に応じて前記優先度を通知し、前記通信制御情報に基づいてメッセージを送信する際の送信電力、受信感度、送信周期を決定および設定し、前記車載通信装置との初期接続を行うためのメッセージをアプリケーションからの要求に応じて、前記車々間通信転送サービス処理部を経由して前記受信側の前記車々間通信管理サービス処理部に対して送信する車々間通信管理サービス処理部とを備え、
前記車々間通信転送サービス処理部は、前記受信側の前記車載通信装置に対して前記車々間通信管理サービス処理部の有する通信制御情報を通知し、
前記受信側の前記車載通信装置は、
前記車々間通信転送サービス処理部において、受信した前記メッセージに付与された前記通信制御情報を前記車々間通信管理サービス処理部に送信し、受信した前記メッセージをアプリケーションに送信する、車載通信装置。 - 移動局および基地局にそれぞれ搭載され、無線通信により前記移動局間および前記移動局と前記基地局との間で相互に受信側および送信側となる車載通信装置であって、
前記車載通信装置は、
前記受信側の前記車載通信装置に周期的にメッセージを送信するアプリケーション処理部と、
前記アプリケーション処理部に接続され、前記アプリケーション処理部から受信した前記メッセージの送信を行うとともに、前記アプリケーション処理部から受信した前記メッセージに、前記アプリケーション処理部を含む上位プロトコルを識別するためのアプリケーション番号や提供可能なアプリケーション一覧および利用可能な周波数チャネル情報を付与する転送部と、
前記転送部に接続され、前記転送部から受信した前記メッセージを、前記アプリケーション処理部で処理されるアプリケーションの優先度順に前記受信側の前記車載通信装置に対して送信し、前記転送部に対する前記メッセージを送受信し、エラー情報を含むイベント情報を通知し、送信電力、受信感度、通信チャネルの利用率に送信周期の情報を加えて通信制御情報とし、アプリケーションから受信したメッセージに付加することにより前記受信側の前記車載通信装置に対して前記通信制御情報を通知する車々間通信転送サービス処理部と、
前記車々間通信転送サービス処理部に接続され、前記車々間通信転送サービス処理部から受信した前記メッセージを、無線通信により前記受信側の前記車載通信装置との間で送受信する送受信サービス処理部と、
前記送受信サービス処理部が、前記メッセージを送受信する際の送信電力、受信感度および通信チャネルの利用率を少なくとも含む前記通信制御情報を管理する送受信サービス管理部と、
前記アプリケーション処理部と前記車々間通信転送サービス処理部と前記送受信サービス管理部に接続され、前記アプリケーション処理部の情報を管理するとともに、前記アプリケーションの要求に応じて接続管理サービスを開始する管理部とを備え、
前記管理部は、
前記アプリケーション処理部から前記優先度を設定され、前記車々間通信転送サービス処理部からの要求に応じて前記優先度を通知し、前記通信制御情報に基づいてメッセージを送信する際の送信電力、受信感度、送信周期を決定または設定する車々間通信管理サービス処理部を含み、
前記転送部および前記管理部は、前記移動局と前記基地局との間での路車間通信および車々間通信を行うためのプロトコルを構成し、
前記車々間通信転送サービス処理部は、前記受信側の前記車載通信装置に対して前記車々間通信管理サービス処理部の有する前記通信制御情報を通知し、
前記受信側の前記車載通信装置は、
前記車々間通信転送サービス処理部において、受信した前記メッセージに付与された前記通信制御情報を前記車々間通信管理サービス処理部に送信し、受信した前記メッセージは前記転送部に送信される、車載通信装置。 - 請求項1、請求項8、請求項10および請求項11の何れかに記載の車載通信装置により構成され、前記移動局間および前記移動局と前記基地局との間での無線通信を行う、路車間−車々間通信連携システム。
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