JP4999989B2 - 車載通信装置および路車間−車々間通信連携システム - Google Patents

車載通信装置および路車間−車々間通信連携システム Download PDF

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Description

本発明は、道路上を走行する移動局間で行われる車々間通信、および道路上に設置された基地局装置と移動局間で行われる路車間通信を利用して、移動局に対してサービスを提供する車載通信装置および路車間−車々間通信連携システムに関する。
近年、車々間通信を行う車載通信装置を利用して安全運転支援システムを実用化する案が検討されている。この場合、車載通信装置には、一般的に各車両間で一定周期ごとに自車両の情報を送受信し合う情報交換型アプリケーションが用いられる。また、車々間通信システムにおいては、各車両が自発的に情報を送信するために、従来からアクセス方式にCSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式を用いることが知られている。
CSMA方式において、情報交換型アプリケーションを利用すると、通信エリア内に存在する車両台数が増加した場合、通信トラフィックが増加し、通信容量を超えてしまうため、通信の信頼性が劣化する輻輳が発生し、車々間通信による情報伝達を確実に行えず安全支援サービスを提供できなくなることが考えられる。
そこで、特許文献1では、車々間通信システムにおいて輻輳が発生しないように、車両の危険な状況や通信路のトラフィック量に基づいて自車両の送信周期制御(情報量制御)を行うことによって輻輳を回避する方法が開示されている。
また、車々間通信システムでは情報交換型アプリケーション以外にも緊急情報を送信するアプリケーションなど複数のアプリケーションを利用することが将来的に想定されている。さらに、これらのアプリケーションを提供するためにはメッセージの再送や分割組み立てが必要と考えられている。
そこで、社団法人電波産業界にて定められた標準規格「狭域通信(DSRC)アプリケーションサブレイヤ ARIB STD−T88」(平成16年5月25日策定)および特許文献2では路車間通信システムにおいて、マルチアプリケーションに対応するためにローカルポート制御プロトコル(Local Port Control Protocol:LPCP)を用い、メッセージの再送や分割組み立てに対応するためにローカルポートプロトコル(Local Port Protocol:LPP)を用いる方法が開示されている。
特開2006−209333号公報 国際公開第2005−039075号
特許文献1に記載の車載通信装置では、情報交換型アプリケーションとして単一のアプリケーションのみを想定した通信制御を行っていたため、緊急アプリケーションなどの他の複数アプリケーションを同時に利用する場合の通信制御には対応していなかった。また、特許文献1に記載の車載通信装置では、緊急アプリケーションなどの他の複数アプリケーションのためにあらかじめ通信帯域を確保しておくこともできなかった。
さらに、特許文献1に記載の車載通信装置では、自車両に対してのみ通信制御を行って輻輳を回避しているが、自車両の通信制御だけではネットワーク全体のトラフィック量を即座に減らすことができない問題があった。
また、特許文献2に記載の路車間通信システムでは、ローカルポート制御プロトコルによって、マルチアプリケーションに対応することが可能であり、ローカルポートプロトコルによって、メッセージの再送や分割/組み立てを行っていたが、車々間通信で必要とされる輻輳制御や優先度制御に対応することができなかった。
さらに特許文献2に記載の路車間通信システムでは、ローカルポートプロトコルによって、狭域通信(Dedicated Short Range Communication:DSRC)の接続状況を管理していたが、ローカルポートプロトコルには初期接続の手順を規定していないため、車々間通信システムに特許文献2に記載の路車間通信システムを直接利用することはできなかった。
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、情報の輻輳を回避する通信制御を行うとともに、車々間通信システムに必要とされる優先度制御や初期接続の確立手順を提供し、複数のアプリケーションに対応できて、メッセージの再送や分割/組み立てを行うことができ、路車間通信システムと車々間通信システムの双方に対応できる車載通信装置および路車間−車々間通信連携システムを提供することを目的とする。
本発明に係る請求項1記載の車載通信装置は、移動局および基地局にそれぞれ搭載され、無線通信により前記移動局間および前記移動局と前記基地局との間で相互に受信側および送信側となる車載通信装置であって、前記車載通信装置は、前記受信側の前記車載通信装置に周期的にメッセージを送信するアプリケーション処理部と、前記アプリケーション処理部に接続され、前記アプリケーション処理部から受信した前記メッセージの再送や分割/組み立てを含むトランザクションサービスを少なくとも提供するトランザクション管理部と、前記トランザクション管理部に接続され、前記トランザクション管理部から受信した前記メッセージに、前記アプリケーション処理部を含む上位プロトコルを識別するためのローカルポート番号を付加する転送サービス処理部と、前記転送サービス処理部に接続され、前記転送サービス処理部から受信した前記メッセージを、前記アプリケーション処理部で処理されるアプリケーションの優先度順に前記受信側の前記車載通信装置に対して送信し、前記転送サービス処理部に対する前記メッセージを送受信し、エラー情報を含むイベント情報を通知する車々間通信転送サービス処理部と、前記車々間通信転送サービス処理部に接続され、前記車々間通信転送サービス処理部から受信した前記メッセージを、無線通信により前記受信側の前記車載通信装置との間で送受信する送受信サービス処理部と、前記アプリケーション処理部および前記車々間通信転送サービス処理部に接続され、前記アプリケーション処理部から前記優先度を設定され、前記車々間通信転送サービス処理部からの要求に応じて前記優先度を通知する車々間通信管理サービス処理部とを備え、前記トランザクション管理部および前記転送サービス処理部は、前記移動局と前記基地局との間での路車間通信を行うための路車間通信プロトコルを構成し、前記車々間通信転送サービス処理部は、前記受信側の前記車載通信装置に対して前記車々間通信管理サービス処理部の有する通信制御情報を通知し、前記受信側の前記車載通信装置は、前記車々間通信転送サービス処理部において、受信した前記メッセージに付与された前記通信制御情報を前記車々間通信管理サービス処理部に送信し、受信した前記メッセージは前記転送サービス処理部に送信される。
本発明に係る請求項8記載の車載通信装置は、移動局および基地局にそれぞれ搭載され、無線通信により前記移動局間および前記移動局と前記基地局との間で相互に受信側および送信側となる車載通信装置であって、前記車載通信装置は、前記送信側から前記受信側に対して、路車間通信および車々間通信を利用してメッセージを送信するアプリケーション処理部と、前記アプリケーション処理部から受信した前記メッセージの再送や分割/組み立てを含むトランザクションサービス、前記アプリケーション処理部を含む上位プロトコルを識別するためのローカルポート番号の付加、および前記上位プロトコルに応じて前記メッセージの送信先を判別する路車間−車々間通信連携サービス処理部と、前記路車間−車々間通信連携サービス処理部から受信した前記メッセージを、前記アプリケーション処理部で処理されるアプリケーションの優先度順に前記受信側の前記車載通信装置に対して送信する車々間通信転送サービス処理部と、前記車々間通信転送サービス処理部を介して与えられる前記メッセージ、および前記路車間−車々間通信連携サービス処理部から直接与えられる前記メッセージに、識別のための識別子を付与して、無線通信により前記受信側の前記車載通信装置に送信する送受信サービス処理部と、前記アプリケーション処理部から前記優先度を設定され、前記車々間通信転送サービス処理部からの要求に応じて前記優先度を通知する車々間通信管理サービス処理部とを備え、前記路車間−車々間通信連携サービス処理部は、前記アプリケーション処理部から受信した前記メッセージを、路車間通信で送信するか、車々間通信で送信するかを判別し、前記路車間通信の場合には前記送受信サービス処理部に直接前記メッセージを与え、前記車々間通信の場合には前記車々間通信転送サービス処理部を経由して前記送受信サービス処理部に与え、前記受信側の前記車載通信装置の前記送受信サービス処理部は、前記送信側の前記車載通信装置から受信した前記メッセージに付与された前記識別子に基づき、前記メッセージを、路車間−車々間通信連携サービス処理部または車々間通信転送サービス処理部に送信する。
本発明に係る請求項1記載の車載通信装置によれば、既存の路車間通信プロトコルであるトランザクション管理部および転送サービス処理部に、車々間通信転送サービス処理部および車々間通信管理サービス処理部を備えることにより、路車間通信システムを提供する車載器と車々間通信システムを提供する車載器を共用化した車載通信装置を得ることができ、路車間通信システムと車々間通信システムの両方にサービスを提供することが可能となる。また、車々間通信転送サービス処理部と、車々間通信管理サービス処理部によって、アプリケーションごとの優先度が提供され、優先度制御が可能となるので、通信遅延の短縮が可能となる。また、当該車載通信装置により路車間−車々間通信連携システムを構成することで、上述したサービスが可能なシステムを得ることができる。
本発明に係る請求項8記載の車載通信装置によれば、路車間−車々間通信連携サービス処理部を備えることによって、路車間通信のデータは車々間通信転送サービス処理部を経由せずに送信でき、車々間通信のデータは車々間通信転送サービス処理部を経由して、必要な制御を行って相手に送信することができる。また、当該車載通信装置により路車間−車々間通信連携システムを構成することで、上述したサービスが可能なシステムを得ることができる。
本発明に係る実施の形態1に係る車載通信装置および路車間−車々間通信連携システムの構成の概略を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の車載通信装置および路車間−車々間通信連携システムの構成の詳細を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の車載通信装置および路車間−車々間通信連携システムの車々間通信アーキテクチャのプロトコル構成を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のデータ転送サービスにおけるアプリケーションデータ転送手順の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のデータ転送サービスにおける制御データ転送手順の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のイベント通知サービスの一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の優先度制御サービスの一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の優先度制御サービスのシステム構成の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の輻輳制御サービスの送信周期制御の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の輻輳制御サービスの送信電力制御の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の輻輳制御サービスの受信感度制御の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の接続管理サービスの接続問い合わせの一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の接続管理サービスの接続切断通知の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のデータ再送の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の重複受信チェックの一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のプリミティブ種別を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のパラメータ種別を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のプリミティブ一覧を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のプロトコルスタック上でのサービスインタフェースを示す図である。 本発明に係る実施の形態1のACML-Connectionプリミティブの引数を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のACML-Notifyプリミティブの引数を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のACML-Registrationプリミティブの引数を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のACML-Deregistrationプリミティブの引数を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のACML-Getプリミティブの引数を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のACML-Setプリミティブの引数を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のsendDataプリミティブの引数を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のeventReportの引数を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のCMCTL-sendDataプリミティブの引数を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のCMCTL-eventReportプリミティブの引数を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のCMCTL-Getプリミティブの引数を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のCMCTL-Setプリミティブの引数を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のMLME-Setプリミティブの引数を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のMLME-Getプリミティブの引数を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のPLME-Setプリミティブの引数を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のPLME-Getプリミティブの引数を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のアプリケーションデータのPDUの関係を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の制御データのPDUの関係を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のC2Cヘッダ情報を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のPDU識別子を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のBeacon PDUを示す図である。 本発明に係る実施の形態1のConnect Request PDUを示す図である。 本発明に係る実施の形態1のConnect Response PDUを示す図である。 本発明に係る実施の形態1のResult Codeの一覧を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のAck PDUを示す図である。 本発明に係る実施の形態1のCongestion Control PDUを示す図である。 本発明に係る実施の形態1のEvent PDUを示す図である。 本発明に係る実施の形態1のEvent Codeの一覧を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のデータ転送サービスのアプリケーションデータ送受信手順の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のデータ転送サービスの制御データ送受信手順の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の輻輳制御サービスの手順の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のBeacon PDUを利用した初期接続手順の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の初期接続手順のBeacon PDU破棄の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の同報アプリケーションを利用した初期接続手順の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の初期接続手順の接続が無効な場合の手順の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の接続状態を通知する手順を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のアプリケーションの登録/削除手順を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の再送処理が有効な場合のデータ転送手順(基本シーケンス)を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の再送処理手順の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の再送処理における重複チェック手順の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1の車々間通信転送サービス処理部のデータ転送サービス処理部の処理手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態1の車々間通信転送サービス処理部のイベント通知サービス処理部の処理手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態1の車々間通信転送サービス処理部の優先度制御サービス処理部の処理手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態1の車々間通信管理サービス処理部の輻輳制御サービス処理部の処理手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態1の車々間通信管理サービス処理部の接続管理サービス処理部の初期接続手順の決定手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態1の車々間通信管理サービス処理部の接続管理サービス処理部のビーコンを用いた初期接続手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態1の車々間通信管理サービス処理部の接続管理サービス処理部の同報アプリケーションを用いた初期接続手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態1のアプリケーション処理部の処理手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態1のトランザクション管理部の処理手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態1の転送サービス処理部の処理手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態1の送受信サービス処理部の処理手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態2の車載通信装置の構成の概略を示す図である。 本発明に係る実施の形態2の車載通信装置の構成の詳細を示す図である。 本発明に係る実施の形態3の車載通信装置の構成の詳細を示す図である。 本発明に係る実施の形態3の路車間通信アプリケーションに付加するC2Cヘッダ情報を示す図である。 本発明に係る実施の形態4の車載通信装置の構成の概略を示す図である。 本発明に係る実施の形態4のプロトコルスタック上でのサービスインタフェースを示す図である。 本発明に係る実施の形態4と実施の形態1とのプリミティブの相違点一覧を示す図である。 本発明に係る実施の形態5の車載通信装置の構成の概略を示す図である。 本発明に係る実施の形態5のプロトコルスタック上でのサービスインタフェースを示す図である。 本発明に係る実施の形態5と実施の形態1とのプリミティブの相違点一覧を示す図である。
<A.実施の形態1>
<A−1.プロトコル構成>
本発明に係る実施の形態1について、図1〜図70を用いて説明する。なお、実施の形態1に係る車載通信装置および路車間−車々間通信連携システムは、路車間通信システムの車載通信装置としてサービスを提供したり、車々間通信システムの車載通信装置としてサービスを提供したりすることができる。本実施の形態1では、主として車々間通信システムの車載通信装置としてサービスを提供する場合について説明する。
図1は本発明の実施の形態1に係る車載通信装置100および路車間−車々間通信連携システムのプロトコル構成を概略的に示すブロック図であり、図2は当該プロトコル構成を詳細に示すブロック図である。なお、図1および図2において、同一または相当する構成には同一の符号を付し、これは明細書の全文において共通する。
車載通信装置100は、複数の車両の各々に搭載される。そして、当該車載通信装置100を通じて、各車両間において無線通信が行われる。ここでの、車載通信装置100とは自動車に搭載される移動可能な通信端末や基地局のように固定された通信装置を示す。また、無線通信とは、DSRCを用いても良いし、無線LAN(Local Area Network)や携帯電話など採用されるプロトコルを用いた通信でも良い。
また、本願明細書においては、車載通信装置100が搭載された「自車両」(第1の車両)と称す1の車両に注目して説明するものとし、当該「自車両」以外で車載通信装置100を搭載した複数の車両を、「周辺車両」(第2の車両)と称する。
図1に示すように、車載通信装置100は、車々間通信転送サービス処理部1と、車々間通信管理サービス処理部2と、アプリケーション処理部3と、トランザクション管理部4と、転送サービス処理部5と、送受信サービス処理部6と、送受信サービス管理部7とを有する。
ここで、本実施の形態1においては、車々間通信転送サービス処理部1と、車々間通信管理サービス処理部2とを総称して、車々間通信サブプロトコルと呼ぶ。
車々間通信転送サービス処理部1(以下、車々間通信トランスポートサブレイヤとも呼称)は、転送サービス処理部5と送受信サービス処理部6との間に介在し、アプリケーション処理部3のアプリケーションの優先度を車々間通信管理サービス処理部2から取得し、優先度に応じて送信する順番を制御する優先度制御サービスを提供する。さらに、転送サービス処理部5や車々間通信管理サービス処理部2などに対して、メッセージを送受信するデータ転送サービスやエラーなどを通知するイベント通知サービスを提供する。
また、送受信されるデータ(PDU:Protocol Data Unit)に送信周期や送信電力などの通信制御情報を付加することによって、輻輳制御に利用するための情報を周辺車両の車々間通信転送サービス処理部1に通知することができる。
車々間通信管理サービス処理部2(以下、車々間通信マネジメントレイヤとも呼称)は、アプリケーション処理部3、トランザクション管理部4、転送サービス処理部5、車々間通信転送サービス処理部1および送受信サービス管理部7に対して平行するように配置され、アプリケーション処理部3の有する車両の位置情報や速度情報などの車両情報と、送受信サービス管理部7の有する通信チャネルの利用率情報とを利用して、情報の輻輳を回避するための輻輳制御サービスを提供する。
ここで、車両情報とは車両の速度、加減速度、位置、走行方向およびウィンカーのON/OFF情報などである。
さらに、車々間通信管理サービス処理部2は、相手局の車々間通信管理サービス処理部2と接続するために、初期接続の接続手順や切断手順を提供し、通信状況を管理する通信接続管理サービスを提供する。
また、車々間通信管理サービス処理部2は、輻輳制御サービスに利用する送信周期や通信接続管理サービスの通信状況をアプリケーション処理部3に通知するために、アプリケーション処理部3との間にインタフェース(第3のインタフェース)を有する。さらに、車々間通信管理サービス処理部2は、輻輳制御サービスに利用する送信電力、受信感度、および送信チャネルの情報を設定するためや、通信チャネル利用率の情報を取得するために送受信サービス管理部7との間にもインタフェース(第1のインタフェース)を有する。
また、車々間通信管理サービス処理部2は、送信するデータに付加する通信制御情報の取得や、受信したデータに付加された通信制御情報の設定、および制御データを相手局の車々間通信管理サービス処理部2への送信のために、車々間通信転送サービス処理部1とのインタフェース(第2のインタフェース)も有する。さらに、車々間通信管理サービス処理部2は、相手局に送信する制御データの再送制御サービスも提供する。
アプリケーション処理部3(以下、アプリケーションとも呼称)は、トランザクション管理部4上で動作する車々間通信アプリケーションを備えている。ここで、アプリケーション処理部3は、車々間通信アプリケーション以外にも、路車間通信システムのアプリケーションまたはITS(Intelligent Transport Systems)に関するアプリケーション以外のアプリケーションなどを含んでも良い。
トランザクション管理部4(以下、ローカルポートプロトコルとも呼称)は、アプリケーション処理部3と転送サービス処理部5との間に介在し、転送サービス処理部5の機能を拡張する通信プロトコルである。トランザクション管理部4は、メッセージの再送や分割/組み立てなどのトランザクションサービス、および通信接続、切断などの通信状況を管理する接続管理サービスを提供する。
転送サービス処理部5(以下、ローカルポート制御プロトコルとも呼称)は、トランザクション管理部4と車々間通信転送サービス処理部1との間に介在し、アプリケーションの多重化を実現するための制御プロトコルである。転送サービス処理部5は、マルチアプリケーションを実現するために、上位プロトコルをローカルポート番号によって識別し、上位プロトコルに対してデータ転送とイベント通知などの管理サービスのためのサービスプリミティブ(インタフェース)を有する。
送受信サービス処理部6(以下、物理層およびデータリンク層ともいう)は、周辺局に搭載された車載通信装置100との無線通信を行うために、送信サービスおよび受信サービスを提供する。
送受信サービス管理部7(以下、物理層管理部あるいはデータリンク層管理部とも呼称)は、送受信サービス処理部6の管理や、情報の格納のために、通信制御情報が格納される管理情報ベース(MIB:Management Information Base)を備えている。
次に、図2を用いて車載通信装置100の構成についてさらに説明する。
<車々間通信転送サービス処理部1>
車々間通信転送サービス処理部1は、データ転送サービス処理部11と、イベント通知サービス処理部12と、優先度制御サービス処理部13とを有している。
データ転送サービス処理部11は、アプリケーション処理部3などの上位プロトコルの要求に応じて、メッセージを送信するデータ転送サービスを提供する。また、送受信されるデータ(PDU)に送信周期や送信電力などの通信制御情報を付加することによって、輻輳制御に利用するための情報を周辺車両の車々間通信転送サービス処理部1に通知することができる。車々間通信転送サービス処理部1は、通信制御情報を車々間通信管理サービス処理部2の管理情報格納部24より取得する。さらに、車々間通信転送サービス処理部1は、転送サービス処理部5に対して、データ転送を行うためのインタフェースを有する。
イベント通知サービス処理部12は、車々間通信転送サービス処理部1内で発生したエラーやイベントを上位プロトコルに通知したり、車々間通信管理サービス処理部2や下位プロトコルで発生したエラーおよびイベントを上位プロトコルに透過的に通知したりする。さらに、車々間通信転送サービス処理部1は、転送サービス処理部5に対して、イベント通知を行うためのインタフェースを有する。
優先度制御サービス処理部13は、アプリケーション処理部3などの上位プロトコルが送信を要求するメッセージの優先度に応じて、送信する順序を制御する。車々間通信転送サービス処理部1は、アプリケーションの優先度を車々間通信管理サービス処理部2の管理情報格納部24より取得する。また、車々間通信転送サービス処理部1は、優先度に応じた送信制御を実現するために車々間通信管理サービス処理部2に対して、インタフェースを有する。
<車々間通信管理サービス処理部2>
車々間通信管理サービス処理部2は、輻輳制御サービス処理部21と、接続管理サービス処理部22と、再送制御サービス処理部23と、管理情報格納部24とを有している。
輻輳制御サービス処理部21は、アプリケーション処理部3に対して、通信の信頼性を向上させるために、送信周期や送信電力、および受信感度を制御する輻輳制御サービスを提供する。輻輳制御サービス処理部21は、輻輳制御サービスで利用する自局や相手局の車両情報をアプリケーション処理部3から取得し、自局の通信チャネル利用率や送信電力などの通信制御情報を、送受信サービス管理部7の通信制御情報格納部71から取得する。また、周辺局の通信チャネル利用率や送信電力などの通信制御情報は管理情報格納部24より取得する。車々間通信管理サービス処理部2は、アプリケーション処理部3および送受信サービス管理部7に対して輻輳制御サービスを行うためのインタフェースを有する。
そして、輻輳制御サービス処理部21は、送信周期制御処理部211と、送信電力制御処理部212と、受信感度制御処理部213とを有している。
送信周期制御処理部211は、周期的にメッセージを送信するアプリケーション処理部3に対して、輻輳を回避するための送信周期を算出し、通知する。これにより、この車載通信装置のアプリケーション処理部3は、輻輳制御サービス処理部21から通知された送信周期に従ってメッセージを周期的に送信するため、送信トラフィックを増減させることができる。
送信電力制御処理部212は、送受信サービス管理部7に対して、輻輳を回避するための送信電力を算出し、通知する。これにより、この車載通信装置の送受信サービス管理部7は、送信電力制御処理部212から通知された送信電力に従ってメッセージを受信する電力の閾値を設定するため、送信するエリアを拡大したり、縮小したりさせることができる。
受信感度制御処理部213は、送受信サービス管理部7に対して、輻輳を回避するための受信感度を算出し、通知する。これにより、この車載通信装置の送受信サービス管理部7は、受信感度制御処理部213から通知された受信感度に従ってメッセージを受信する電力の閾値を設定するため、受信できるエリアを拡大したり、縮小したりさせることができる。
接続管理サービス処理部22は、アプリケーション処理部3の要求に応じて、周辺局との初期接続を開始するための制御メッセージを送信する。また、接続管理サービス処理部22は、周辺局との通信状況の管理およびアプリケーション処理部3への通知を行う。さらに、接続管理サービス処理部22は、周期的にメッセージを送信するアプリケーション処理部3が動作しているかどうかで、初期接続手順を使い分け、効率的な接続管理サービスを提供する。
再送制御サービス処理部23は、接続管理サービスを提供するための制御メッセージに対して、相手局に到達しなかったメッセージの再送を行う。これにより、車々間通信管理サービス処理部2は、トランザクション管理部4がサポートできない車々間通信管理サービス処理部2の制御メッセージに対しても再送制御が可能となる。
管理情報格納部24は、輻輳制御サービスで利用する送信周期や送信電力などの通信制御情報や、接続管理サービスで利用する自局や周辺局の車両情報などを格納する。また、管理情報格納部24は、車々間通信転送サービス処理部1が送受信するデータ(PDU)に含まれる送信周期および送信電力などの通信制御情報を格納する。さらに、管理情報格納部24は、アプリケーション処理部3から登録/削除される提供可能なアプリケーションの情報を格納する。
<アプリケーション処理部3>
アプリケーション処理部3は、車々間通信アプリケーション部31を有している。
車々間通信アプリケーション部31は、周期的に自車両の車両情報を同報送信するアプリケーション、ブレーキやウィンカーなどの動作時に自車両の車両情報を同報送信するアプリケーション、およびその他にドライバーの快適性や利便性を高めるアプリケーションなどを含んでいる。
<トランザクション管理部4>
トランザクション管理部4は、トランザクションサービス処理部41と、LPP接続管理サービス処理部42とを有している。
トランザクションサービス処理部41は、相手局に到達しなかったメッセージの再送や、メッセージの分割/組み立てなどのトランザクションサービスを提供する。これにより、車々間通信システムに要求される再送制御や分割/組み立て制御を提供する。また、相手局へのメッセージの送信や、送信したメッセージに対して相手局からの応答を要求するトランザクションサービスを提供する。さらに、トランザクションサービス処理部41は、アプリケーション処理部3から送信されたメッセージを連続して送信する連送制御サービスを提供する。これにより、この車載通信通信装置は、相手局に対してメッセージが到着する確率を高くすることができる。
LPP接続管理サービス処理部42は、アプリケーション処理部3からの要求に応じての接続状況の報告、新規接続や切断の通知、相手局が有する受信可能なポート番号の管理、およびあるポートが受信可能になったことをアプリケーション処理部3への通知などの接続管理サービスを提供する。
<転送サービス処理部5>
転送サービス処理部5は、LPCP(Local Port Control Protocol)転送サービス処理部51と、管理サービス処理部52とを有している。
LPCP転送サービス処理部51は、アプリケーション処理部3などの上位プロトコルを、ローカルポート番号と呼ぶ識別子を用いて、送信元および送信先のアプリケーション処理部3を識別する。また、転送サービス処理部5は、上位プロトコルであるアプリケーション処理部3およびトランザクション管理部4に対して、データ転送を行うためのインタフェースを有する。これにより、この車載通信通信装置は、マルチアプリケーションを実現することができる。
管理サービス処理部52は、上位プロトコルに対して、転送サービス処理部5内で発生したエラーやイベントを相手局や自局に通知する管理サービスを提供する。また、管理サービス処理部52は、車々間通信転送サービス処理部1などの下位プロトコルから通知されるエラーやイベントを自局のアプリケーション処理部3に対して透過的に通知するサービスを提供する。また、転送サービス処理部5は、トランザクション管理部4に対して、イベント通知サービスを提供するためのインタフェースを有する。
<送受信サービス処理部6>
送受信サービス処理部6は、送信サービス処理部61と、受信サービス処理部62とを有している。
送信サービス処理部61は、車々間通信転送サービス処理部1から送信されたデータを、周辺車両にブロードキャスト送信または特定車両にユニキャスト送信する。また、送信サービス処理部61は、送信電力を切り替えることができ、送信する際の送信電力を通信制御情報格納部71より取得する。また、送信サービス処理部61は、送信する通信チャネルを切り替えることができ、例えば、車々間通信管理サービス処理部2からの情報を制御チャネルに送信し、アプリケーション処理部3からの情報をデータチャネルに送信することができる。
受信サービス処理部62は、周辺車両から送信された情報を受信し、受信した情報を車々間通信転送サービス処理部1に送信する。また、受信サービス処理部62は、受信感度を切り替えることができ、受信感度を通信制御情報格納部71より取得する。さらに、受信サービス処理部62は、通信チャネル上において一定値以上の電波強度を受信した場合をビジーと判定し、所定時間通信チャネルを観測する。そして、受信サービス処理部62は、その所定時間のビジーの割合を通信チャネルの利用率として計測し、通信制御情報格納部71に格納する。
<送受信サービス管理部7>
送受信サービス管理部7は、通信制御情報格納部71を有している。
通信制御情報格納部71は、周辺局に搭載された車載通信装置100との無線通信を行うための送信電力や受信感度などの情報を格納する。また、通信制御情報格納部71は、受信サービス処理部62が測定した通信チャネル利用率などの情報を格納する。さらに、通信制御情報格納部71は、送信電力や受信感度を、車々間通信管理サービス処理部2の輻輳制御サービス処理部21により、輻輳を回避するための値に設定する。
<A−2.プロトコル仕様>
以下では、本発明に係る車載通信装置および路車間−車々間通信連携システムにおける車々間通信転送サービス処理部1と、車々間通信管理サービス処理部2とで構成される車々間通信サブプロトコルの仕様について詳細に説明する。
<1.車々間通信サブプロトコルの概要>
車々間通信サブプロトコル(Car-To-Car Sub Protocol)は、車々間通信トランスポートサブレイヤ(C2C Transport Sub Layer:CTL)と車々間通信マネジメントレイヤ(C2C Management Layer:CML)とで構成される。車々間通信アーキテクチャのプロトコル構成を図3に示す。
車々間通信トランスポートサブレイヤ(CTL)は、ローカルポート制御プロトコル(Local Port Control Protocol:LPCP)と通信下位プロトコルとの間に介在し、車々間通信システムのアプリケーションに対して優先度制御を提供し、車々間通信マネジメントレイヤ(CML)の機能を補完する。また、上位プロトコル(以下、Upper Layerとも呼称)またはCMLに対してメッセージを転送するイベント転送サービスおよびCTL内で発生したエラーおよびイベントなどを上位プロトコルに通知するイベント通知サービスを提供する。
車々間通信マネジメントレイヤ(CML)は、アプリケーションまたはCTLに対して、通信の信頼性を向上させるために送信周期、送信電力、受信感度および送信チャネルを制御する輻輳制御サービスと、初期接続の開始や切断を行ったり、通信状況を管理したりする接続管理サービスを提供する。また、CMLは通信下位プロトコルの管理層の機能を拡張する。さらに、CMLは初期接続を行うための制御メッセージの信頼性を向上させるためにデータ再送サービスを提供する。
ローカルポートプロトコル(Local Port Protocol:LPP)は、データの再送や分割/組み立てなどのトランザクションサービス、および初期接続や切断などの通信状況を管理する接続管理サービスを提供する。これにより、LPPは、車々間通信システムに要求される再送制御や分割/組み立て制御を実現する。
LPCPは、アプリケーション処理部3などの上位プロトコルをローカルポート番号を用いて識別し、上位プロトコルに対してデータ転送やイベント通知などの管理サービスのためのインタフェースを有する。これにより、LPCPは、車々間通信システムにおいてマルチアプリケーションを実現する。
また、通信下位プロトコルとしては、IEEE802.11pプロトコルおよび5.8GHz帯やUHF/VHF帯の通信プロトコルなどを想定している。さらに、通信下位プロトコルは、通信下位プロトコルの情報を格納する管理層を有する。
通信下位プロトコルは、データリンク層(Layer2:L2)と、データリンク層の下位に物理層(Layer1:L1)と、データリンク層を管理するデータリンク層管理部(Media access control Layer Management Entity:MLME)と、物理層を管理する物理層管理部(Physical Layer Management Entity:PLME)とを有する。ここで、通信下位プロトコルとして、例えばIEEE802.11pプロトコルおよび5.8GHz帯やUHF/VHF帯の通信プロトコルを用いても良いし、それ以外の通信プロトコルを用いても良い。また、特に図示していないがMLMEおよびPLMEは、管理情報が格納される管理情報ベース(MIB:Management Information Base)を備えている。
データリンク層は、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルの第2層であり、アクセス方式について規定される。物理層は、OSI参照モデルの第1層であり、物理的に伝送方式について規定される。データリンク層管理部(MLME)は、データリンク層を管理したり、データリンク層で利用する情報を格納したりする。物理層管理部(PLME)は、物理層を管理したり、物理層で利用する情報を格納したりする。
CTLとCMLが有する機能は以下の通りである。
(1)CTLが提供するサービス
(a)データ転送サービス
(b)イベント通知サービス
(c)優先度制御サービス
(2)CMLが提供するサービス
(a)輻輳制御サービス
(b)接続管理サービス
(c)データ再送サービス
<2.機能の概要>
2.1 車々間通信トランスポートサブレイヤの機能
2.1.1 データ転送サービス
CTLは、アプリケーションおよびLPP、LPCPなどの上位プロトコルおよびCMLに対して、データ転送サービスを提供する。データ転送サービスの詳細な手順は5.1節で説明する。図4に上位プロトコルに対してデータ転送サービスを提供する例を示し、図5にCMLに対してデータ転送サービスを提供する例を示す。
2.1.2 イベント通知サービス
CTLは、CTL内で発生したイベントやエラー、およびCMLから受信したらイベント(通信接続や切断の通知など)を上位プロトコルおよび相手局に通知するためにイベント通知サービスを提供する。図6にイベント通知サービスを提供する例を示す。
2.1.3 優先度制御サービス
CTLは、上位プロトコルおよびCMLのデータ優先度に応じて送信順を制御する優先度制御サービスを提供する。これにより、緊急度の高いデータを優先的に送信することが可能になる。優先度制御サービスの詳細な手順は5.2節で説明する。図7に優先度制御サービスの例を示す。ただし、優先度制御サービスは通信下位プロトコルで提供される場合にはオプションとして提供される。
CTLは、優先度制御サービスでは、優先度ごとにキューを用意し、優先度の高いキューにあるデータを優先的に通信下位プロトコルに渡す。図8に優先度制御サービスを提供するためのキュー構成の例を示す。
2.2 車々間通信マネジメントレイヤの機能
2.2.1 輻輳制御サービス
CMLは、アプリケーションに対して通信の信頼性を向上させるために、送信周期や送信電力、および受信感度を制御する輻輳制御サービスを提供する。輻輳制御サービスの詳細な手順は5.3節で説明する。輻輳制御サービスは、次のサービスのいずれかを用いても良いし、いくつかを連携して用いても良い。
(1)送信周期制御サービス
周期的に車両情報などのメッセージを送信するアプリケーションの送信周期をアプリケーションに通知するサービス。
(2)送信電力制御サービス
アプリケーションに必要な通信エリアを確保したり、輻輳を回避するために通信エリアを絞ったりするために送信電力を制御するサービス。
(3)受信感度制御サービス
アプリケーションに必要な通信エリアを限定するために受信感度を制御するサービス。
2.2.1.1 送信周期制御サービス
CMLは、送信周期制御サービスは、周期的に車両情報などのメッセージを送信するアプリケーションに対して、輻輳を回避するために設定される送信周期を通知する。
CMLは、送信周期制御サービスでは、CMLの有する自車両の情報および周辺車両の情報と、自車両の検出するチャネル利用率情報および周辺車両の検出するチャネル利用率情報を利用して送信周期を算出する。これにより、この車載通信装置は、周辺車両との危険な状況や通信環境の混雑状況に応じて送信周期を制御することが可能になる。
CMLは、送信周期を算出した後、周期的に情報の送信を行うアプリケーションに対して送信周期の変更を通知する。送信周期を通知されたアプリケーションは、通知を受信した後は通知された送信周期ごとにメッセージの送信を開始する。図9に送信周期制御サービスの例を示す。
2.2.1.2 送信電力制御サービス
CMLは、送信電力制御サービスでは、通信下位プロトコルの管理層に対して、アプリケーションに必要とされる通信エリアを確保したり、輻輳を回避するための通信エリアに制限したりするために、メッセージを送信する際の送信電力を制御する。
CMLは、送信電力制御サービスでは、CMLの有する自車両の情報および周辺車両の情報と、自車両の検出するチャネル利用率情報および周辺車両の検出するチャネル利用率情報を利用して、通信が必要な車両との通信エリアを確保したり、不必要なエリアに電波を送信することを回避したりする送信電力を算出する。
CMLは、送信電力を算出した後、PLMEに対して送信電力を通知し、通信下位プロトコルは通知された送信電力に従ってメッセージの送信を行う。図10に送信電力制御サービスの例を示す。
2.2.1.3 受信感度制御サービス
CMLは、受信感度制御サービスでは、通信下位プロトコルの管理層に対して、アプリケーションに必要とされる通信エリアまたは輻輳を回避するための通信エリアに限定するために、メッセージを受信する際の受信感度を制御する機能を提供する。
CMLは、CMLの有する自車両の情報および周辺車両の情報と、自車両の検出するチャネル利用率情報および周辺車両の検出するチャネル利用率情報を利用して、アプリケーションに必要とされる通信エリアや輻輳を回避するための通信エリアに限定する受信感度を算出する。
CMLは、受信感度を算出した後、PLMEに対して受信感度を通知し、通信下位プロトコルは通知された受信感度に従ってメッセージの受信を行う。図11に受信感度制御サービスの例を示す。
2.2.2 接続管理サービス
CMLは、車々間通信システムに必要な通信接続の初期接続を開始したり、接続状態の管理や通知を行ったりする接続管理サービスを提供する。
CMLは、接続管理サービスでは、次のサービスをアプリケーションに対して提供することで、アプリケーションに通信の開始や終了のトリガーを提供する。また、接続管理サービス間で提供可能なアプリケーションを通知し合うことで、相手移動局がサポートするアプリケーションを管理し、各アプリケーションの要求に応じてそれらの状況を報告したり、通信可能になったりすることを通知する機能を提供する。
(1)接続問い合わせサービス
周辺移動局との接続状況を管理および監視を行い、アプリケーションからの要求に応じて接続状況および新規接続・切断を通知するサービス。
(2)接続/切断通知サービス
CTLを経由して上位プロトコルに対して接続状況および新規接続/切断を通知するサービス。
(3)時刻同期サービス
複数の通信チャネルが利用できる場合にチャネルを切り替えるタイミングを同期させるために、時刻を同期するサービス。
CMLは、接続管理サービスでは、高速な初期接続を実現するために、周期的にメッセージを送信するアプリケーションのデータ、および周期的に送信するビーコンメッセージを受信した場合に、相手移動局との初期接続を開始する。
2.2.2.1 接続問い合わせサービス
接続問い合わせサービスは、アプリケーションが車々間通信の接続が確立しているかどうかを問い合わせるサービスである。接続問い合わせサービスは、問い合わせする際に、車々間通信の接続状況を即座に回答を行う参照サービスと、接続が確立していない場合に接続するまで待機し接続した時点で通知を行う通知サービスの2種類のサービスを規定する。図12に接続問い合わせサービスの例を示す。
2.2.2.2 接続/切断通知サービス
接続/切断通知サービスは、アプリケーションおよびCTLに対して、通信接続の通知および切断の通知を行うサービスである。図13に接続/切断通知サービスの例を示す。
2.2.2.3 時刻同期サービス
CMLは、車々間通信プロトコルが複数の通信チャネルをサポートしている場合、通信チャネルを切り替えるタイミングを統一するために時刻同期サービスを提供する。
CMLは、時刻同期サービスでは、複数あるチャネルのうち一つを制御チャネルと定義し、制御チャネル上に周期的にビーコンメッセージを送信する。ビーコンメッセージによって、時刻同期を取ると同時に相手局のサポートするアプリケーション情報を把握することも可能である。
2.2.3 データ再送サービス
CMLは、制御メッセージに対して、通信の信頼性を確保するためにデータ再送サービスを提供する。CMLは、データ再送サービスでは、再送タイマと再送カウンタにより再送の制御を行い、再送タイマがタイムアウト時に再送を行う。図14にデータ再送サービスの例を示し、図15にデータ再送サービスの重複チェックの例を示す。
データ再送サービスの再送処理手順の概要を以下に示す。
(1)制御メッセージ送信する際に、再送タイマをスタートし、再送カウンタを0にセットする。
(2)再送タイマのタイムアウトまでに、相手移動局から応答のメッセージを受信できなかった場合には再送カウンタを1インクリメントし、メッセージを再送すると同時に再送タイマをリスタートする。
(3)再送カウンタが最大再送回数を超えた場合には、メッセージ再送を中止する。
<3.サービスインタフェース(Service Access Point:SAP)>
次に、CTLおよびCMLが有するインタフェースについて説明する。
3.1 記法の説明
本発明で規定されるプリミティブ種別の一覧を図16に示す。また、本発明でのプリミティブの定義テーブルで用いられるパラメータ種別の一覧を図17に示す。
3.2 サービスインタフェース一覧
CTLおよびCMLが有するサービスインタフェースの一覧を図18に示す。また、車々間通信プロトコルスタックにおけるSAPの位置を図19に示す。
3.3 アプリケーションとCMLとのSAP(ACML SAP)
輻輳制御サービスおよび接続管理サービスとして、CMLはアプリケーションに対して、以下の6種類のプリミティブを提供する。
(1)接続開始プリミティブ(ACML-Connection)
(2)アプリケーション通知プリミティブ(ACML-Notify)
(3)アプリケーション情報登録プリミティブ(ACML-Registration)
(4)アプリケーション情報削除プリミティブ(ACML-Deregistration)
(5)CML情報取得プリミティブ(ACML-Get)
(6)CML情報設定プリミティブ(ACML-Set)
3.3.1 接続開始プリミティブ(ACML-Connection)
(1)処理概要
ACML-Connectionプリミティブは、アプリケーションが周辺局との接続を要求したり、接続状態を問い合わせたり、ビーコンメッセージの送信を要求したりするプリミティブである。個別通信を行うアプリケーションは、ACML-Connectionプリミティブの発行により開始される。
(2)定義
図20は、ACML-Connectionプリミティブの引数を示す図である。
portNo:要求元アプリケーションを識別するための識別子である。
serviceType:接続問い合わせサービスのタイプを示す識別子である。「0」の場合は接続状況を即座に回答を行う参照サービスを示し、「1」の場合は接続した時点で通知を行う通知サービスを示す。
connectionFlag:アプリケーションが相手局との接続を行うかを示すフラグである。「0」の場合は相手局との接続を行わないことを示し、「1」の場合は相手局と接続を行うことを示す。
destinationLID:接続要求などを行う相手局を示す識別子である。
connectStatus:接続状態を示す識別子である。「0」の場合は未接続の状態を示し、「1」の場合は接続済みの状態を示す。
beaconFlag:ビーコンメッセージの送信を要求するかを示すフラグである。「0」の場合はビーコンメッセージの送信を要求しないことを示し、「1」の場合はビーコンメッセージの送信を要求することを示す。
3.3.2 アプリケーション通知プリミティブ(ACML-Notify)
(1)処理概要
ACML-Notifyプリミティブは、CMLがアプリケーションに対して、送信周期の変更などを通知したり、アプリケーションがCMLに対して輻輳制御メッセージの送信を要求したりするプリミティブである。送信周期の変更は、周期的に送信を行うアプリケーションに対して発行される。また、ACML-Notifyプリミティブは、上記以外にもアプリケーションに情報を通知したり、CMLに処理を要求したりする場合に利用する。
(2)定義
図21は、ACML-Notifyプリミティブの引数を示す図である。
portNo:要求元アプリケーションを識別するための識別子である。
notifyCode:アプリケーションに通知する内容を示す識別子である。
notifyParameter:アプリケーションに通知する内容のパラメータ値である。
3.3.3 アプリケーション情報登録プリミティブ(ACML-Registration)
(1)処理概要
ACML-Registrationプリミティブは、アプリケーションがCMLに対して、アプリケーション情報を登録するためのプリミティブである。
(2)定義
図22は、ACML-Registrationプリミティブの引数を示す図である。
portNo:登録を要求するアプリケーションを識別するための識別子である。
priority:アプリケーションの優先度を示す識別子である。
applicationType:アプリケーションの種類(路車間/車々間/その他)を示す識別子である。
resultCode:登録結果を示す識別子である。
3.3.4 アプリケーション情報削除プリミティブ(ACML-Deregistration)
(1)処理概要
ACML-Deregistrationプリミティブは、アプリケーションがCMLに対して、アプリケーション情報を削除するためのプリミティブである。
(2)定義
図23は、ACML-Deregistrationプリミティブの引数を示す図である。
portNo:削除を要求するアプリケーションを識別するための識別子である。
resultCode:削除結果を示す識別子である。
3.3.5 CML情報取得プリミティブ(ACML-Get)
(1)処理概要
ACML-Getプリミティブは、アプリケーションがCMLの変数を取得するためのプリミティブである。
(2)定義
図24は、ACML-Getプリミティブの引数を示す図である。
mibIndex:取得を要求する変数を指示する識別子である。
mibStatus:要求を実行した結果を示す識別子である。
mibParameter:取得した変数の内容である。
3.3.6 CML情報設定プリミティブ(ACML-Set)
(1)処理概要
ACML-Setプリミティブは、アプリケーションがCMLの変数を設定するためのプリミティブである。
(2)定義
図25は、ACML-Setプリミティブの引数を示す図である。
mibIndex:設定を要求する変数を指示する識別子である。
mibStatus:要求を実行した結果を示す識別子である。
mibParameter:設定する変数の内容である。
3.4 CTLと上位プロトコルとのSAP(ACTL SAP)
データ転送サービスおよびイベント通知サービスとして、CTLは上位プロトコルに対して、以下の2種類のプリミティブを提供する。
(1)アプリケーションデータ転送プリミティブ(sendData)
(2)イベント通知プリミティブ(eventReport)
3.4.1 アプリケーションデータ転送プリミティブ(sendData)
(1)処理概要
sendDataプリミティブは、上位プロトコルがCTLに対して、アプリケーションデータの送受信を行うためのプリミティブである。
(2)定義
図26は、sendDataプリミティブの引数を示す図である。
linkAddress:車々間通信で利用するリンクアドレスであり、通信する相手局を識別するために用いる識別子である。
parameter:上位プロトコルとやり取りするデータ本体を示す。
3.4.2 イベント通知プリミティブ(eventReport)
(1)処理概要
eventReportプリミティブは、CTLが上位プロトコルに対して、CTL内で発生したエラーなどの事象を通知するためのプリミティブである。
(2)定義
図27は、eventReportプリミティブの引数を示す図である。
linkAddress:車々間通信で利用するリンクアドレスであり、通信する相手局を識別するために用いる識別子である。
eventCode:発生したイベントやエラーを示すコードを表す識別子である。
extensionParameter:変数eventCodeの内容を補足するためのパラメータを示す。
3.5 CTLとCMLとのSAP(CMCTL SAP)
データ転送サービスおよびイベント通知サービスとして、CTLはCMLに対して、以下の4種類のプリミティブを提供する。
(1)制御データ転送プリミティブ(CMCTL-SendData)
(2)イベント通知プリミティブ(CMCTL-EventReport)
(3)CML情報取得プリミティブ(CMCTL-Get)
(4)CML情報設定プリミティブ(CMCTL-Set)
3.5.1 制御データ転送プリミティブ(CMCTL-SendData)
(1)処理概要
CMCTL-SendDataプリミティブは、CMLがCTLに対し、制御メッセージの送信を要求するためのプリミティブである。
(2)定義
図28は、CMCTL-SendDataプリミティブの引数を示す図である。
linkAddress:車々間通信で利用するリンクアドレスであり、通信する相手局を識別するために用いる識別子である。
pduIdentifier:CMLとやり取りするPDUの種類を示す。
parameter:CMLとやり取りするデータ本体を示す。
priority:送信するデータの優先度を示す。
3.5.2 イベント通知プリミティブ(CMCTL-EventReport)
(1)処理概要
CMCTL-EventReportプリミティブは、CMLがCTLに対し、CML内で発生したエラーなどの事象を通知したり、CTLがCMLに対し、CTL内で発生したイベントなどの事象を通知したりするためのプリミティブである。
(2)定義
図29は、CMCTL-EventReportプリミティブの引数を示す図である。
linkAddress:車々間通信で利用するリンクアドレスであり、通信する相手局を識別するために用いる識別子である。
eventCode:発生したイベントを示すコードを表す識別子である。
extensionParameter:変数eventCodeの内容を補足するためのパラメータを示す。
3.5.3 CML情報取得プリミティブ(CMCTL-Get)
(1)処理概要
CMCTL-Getプリミティブは、CTLがCMLの変数を取得するためのプリミティブである。
(2)定義
図30は、CMCTL-Getプリミティブの引数を示す図である。
mibIndex:取得を要求する変数を指示する識別子である。
mibStatus:要求を実行した結果を示す識別子である。
mibParameter:取得した変数の内容である。
3.5.4 CML情報設定プリミティブ(CMCTL-Set)
(1)処理概要
CMCTL-Setプリミティブは、CTLがCMLの変数を設定するためのプリミティブである。
(2)定義
図31は、CMCTL-Setプリミティブの引数を示す図である。
mibIndex:設定を要求する変数を指示する識別子である。
mibStatus:要求を実行した結果を示す識別子である。
mibParameter:設定する変数の内容である。
3.6 CMLとMLMEとのSAP(MLME−CML SAP)
輻輳制御サービスとして、CMLはMLMEに対して、以下の2種類のプリミティブを提供する。
(1)MLME情報取得プリミティブ(MLME-Get)
(2)MLME情報設定プリミティブ(MLME-Set)
3.6.1 MLME情報取得プリミティブ(MLME-Get)
(1)処理概要
MLME-Getプリミティブは、CMLがMLMEの変数を取得するためのプリミティブである。
(2)定義
図32は、MLME-Getプリミティブの引数を示す図である。
mibIndex:取得を要求する変数を指示する識別子である。
mibStatus:要求を実行した結果を示す識別子である。
mibParameter:取得した変数の内容である。
3.6.2 MLME情報設定プリミティブ(MLME-Set)
(1)処理概要
MLME-Setプリミティブは、CMLがMLMEの変数を設定するためのプリミティブである。
(2)定義
図33は、MLME-Setプリミティブの引数を示す図である。
mibIndex:設定を要求する変数を指示する識別子である。
mibStatus:要求を実行した結果を示す識別子である。
mibParameter:設定する変数の内容である。
3.7 CMLとPLMEとのSAP(PLME−CML SAP)
輻輳制御サービスとして、CMLはPLMEに対して、以下の2種類のプリミティブを提供する。
(1)PLME情報取得プリミティブ(PLME-Get)
(2)PLME情報設定プリミティブ(PLME-Set)
3.7.1 PLME情報取得プリミティブ(PLME-Get)
(1)処理概要
PLME-Getプリミティブは、CMLがPLMEの変数を取得するためのプリミティブである。
(2)定義
図34は、PLME-Getプリミティブの引数を示す図である。
mibIndex:取得を要求する変数を指示する識別子である。
mibStatus:要求を実行した結果を示す識別子である。
mibParameter:取得した変数の内容である。
3.7.2 PLME情報設定プリミティブ(PLME-Set)
(1)処理概要
PLME-Setプリミティブは、CMLがPLMEの変数を設定するためのプリミティブである。
(2)定義
図35は、PLME-Setプリミティブの引数を示す図である。
mibIndex:設定を要求する変数を指示する識別子である。
mibStatus:要求を実行した結果を示す識別子である。
mibParameter:設定する変数の内容である。
<4.プロトコルデータ単位(Protocol Data Unit:PDU)
4.1 PDUの構成
次に、CTLおよびCMLで用いられるプロトコルデータユニット(PDU)について説明する。図36にアプリケーションデータを送信する際のPDU構成について示し、図37に制御データを送信する際のPDU構成を示す。ここで、PDUとSDU(Service Data Unit)の関係について述べると、あるLayerにおいてヘッダがない状態をSDUと呼び、そのLayerにおいてヘッダを付与した状態をPDUと呼ぶ。
図36に示すPDUは、アプリケーションデータに、LPPヘッダ、LPCPヘッダを付加してCTLに渡され、CTLにおいてC2Cヘッダを付与され、通信下位プロトコル(Layer2)に渡される。図37に示すPDUは、CMLで生成される制御データをCTLに渡され、CTLにおいてC2Cヘッダを付与され、通信下位プロトコル(Layer2)に渡される。
ここで、図36に示すPDUは、アプリケーションデータがLPP上でLPP SDUとして扱われ、LPPヘッダを付加されLPP PDUとなり、LPCPに渡す。渡されたデータはLPCP上でLPCP SDUとして扱われ、LPCPヘッダを付加されLPCP PDUとなり、CTLに渡される。CTL上では、渡されたデータがC2C SDUとして扱われ、C2Cヘッダを付加されC2C PDUとなり、Layer2に渡され、Layer2上ではMSDU(MAC SDU)として扱われる。
4.2 C2Cヘッダ情報
図38はCTLにおいて付与するヘッダであるC2Cヘッダ情報を示す図である。
(1)Data Indetifier(データ識別子)
データの種類を区別する識別子である。「0」はアプリケーションデータ(上位プロトコルのデータ)を示し、「1」は管理データ(CMLのデータ)を示す。
2)PDU Identifier(PDU識別子)
PDUの種類を区別する識別子である。図39に示すData IdentifierとPDU Identifierの値を示す。
(3)Node Priority(車両優先度)
車両の優先度(危険度)である。CMLのCML変数取得プリミティブにより取得する。
(4)Channel Occupancy(通信チャネル利用率)
所定時間内における通信帯域がビジーの割合である。単位は[%]とし、0から100までの値を設定される。CML変数取得プリミティブにより取得される。
(5)Cyclic Interval(送信周期)
周期的に情報を送信するアプリケーションの送信する時間間隔である。単位は[10msec]とし、1(10msec)から255(2550msec)までの値が設定される。CML変数取得プリミティブにより取得される。
(6)Transmission Power(送信電力)
C2Cヘッダ生成時に設定されている送信電力の値である。単位は[0.1dBm]とし、−5.0dBmから20.0dBmまでの値が設定される。CML変数取得プリミティブにより取得される。
(7)Receiver Sensitivity(受信感度)
C2Cヘッダ生成時に設定されている受信感度の値を格納する。単位は[1dBm]とし、−127dBmから0dBmまでの値を設定する。CML変数取得プリミティブにより取得する。
(8)Reserved(予約)
予約領域を確保する。
4.3 ビーコンメッセージ(Beacon PDU)
初期接続を開始するトリガーとしたり、時刻同期を取ったりするためのビーコンメッセージを送信するPDUである。図40にビーコンメッセージの形式を示す。
(1)TSF Timer(TSFタイマ)
時刻同期を取るためのTSFタイマである。値は0−264の範囲を取る。
(2)Next Beacon Transmission Timing(次にビーコンを送信するタイミング)
ビーコンメッセージを送信する次回のタイミングである。単位は[msec]とし、0−1000の範囲を取る。
(3)CML Profile(CMLプロファイル)
自局のサポートする機能、アプリケーション情報、チャネル情報、および通信制御情報が格納されるCMLプロファイルである。
4.4 接続要求メッセージ(Connect Request PDU)
通信接続の要求を行うためのPDUである。図41に接続要求メッセージの形式を示す。
(1)Required Ack Flag(再送要求フラグ)
再送処理が有効かどうかを示すフラグである。「1」の場合はPDUの再送処理が有効となり、メッセージを相手に通知する共に確認応答(Ack PDU)を要求する。「0」の場合は再送処理を無効とする。
(2)Retransmit Flag(再送フラグ)
再送されたPDUかどうかを示すフラグである。「1」を示す場合は、再送されたPDUであることを示す。
(3)Sequence Number(シーケンス番号)
シーケンス番号である。相手局のリンクアドレスとシーケンス番号から、重複するPDUを検出する。
(4)CML Profile(CMLプロファイル)
自局のサポートする機能や、アプリケーション情報、チャネル情報、および通信制御情報が格納されるCMLプロファイルである。
4.5 接続応答メッセージ(Connect Response PDU)
接続要求に応答するためのPDUである。図42に接続応答メッセージの形式を示す。
(1)Result Code(リザルトコード)
初期接続を行うか否かの結果を示す。接続する相手局とサポートするアプリケーションが異なる場合は「接続しない」を通知し、サポートするアプリケーションが存在する場合は「接続する」を通知する。図43にResult Codeの内容を示す。
(2)Required Ack Flag(再送要求フラグ)
再送処理が有効かどうかを示すフラグである。「1」の場合はPDUの再送処理が有効となり、メッセージを相手に通知する共に確認応答(Ack PDU)を要求する。「0」の場合は再送処理を無効とする。
(3)Retransmit Flag(再送フラグ)
再送されたPDUかどうかを示すフラグである。「1」を示す場合は、再送されたPDUであることを示す。
(4)Sequence Number(シーケンス番号)
シーケンス番号である。相手局のリンクアドレスとシーケンス番号から、重複するPDUを検出する。
(5)Profile Flag(プロファイルフラグ)
Connect Response PDUにCMLプロファイル情報が付加されているかどうかを示すフラグである。「0」の場合は、後続するCML ProfileフィールドにはCMLプロファイルが格納されておらず、「1」の場合は後続するCML ProfileフィールドにCMLプロファイルが格納されている。
Beacon PDUにより、CMLプロファイルが提供済みの場合に、この識別子を「0」に設定し、CMLプロファイルを格納しない。Beacon PDUを利用していない場合(周期的に送信するアプリケーション主導の接続手順の場合)は、この識別子を「1」に設定し、CMLプロファイルを格納する。
(6)CML Profile(CMLプロファイル)
自局のサポートする機能や、アプリケーション情報、チャネル情報、および通信制御情報が格納されるCMLプロファイルである。
4.6 確認応答メッセージ(Ack PDU)
再送要求が行われている場合に確認応答を返すPDUである。図44に確認応答メッセージの形式を示す。
(1)Retransmit Flag(再送フラグ)
再送されたPDUかどうかを示すフラグをである。「1」を示す場合は、再送されたPDUであることを示す。
(2)Sequence Number(シーケンス番号)
シーケンス番号である。相手局のリンクアドレスとシーケンス番号から、重複するPDUを検出する。
4.7 輻輳制御メッセージ(Congestion Control PDU)
輻輳制御を行うために、周辺車両に設定する通信パラメータを要求する場合のPDUである。図45に輻輳制御メッセージの形式を示す。
(1)Transmission Power for others(要求する送信電力)
周辺車両に対して要求する送信電力の値である。単位は[0.1dBm]とし、−5.0dBmから20.0dBmまでの値が設定される。
(2)Transmission Interval for others(要求する送信周期)
周辺車両に対して要求する送信周期の値である。単位は[10msec]とし、1(10msec)から255(2550msec)までの値が設定される。
(3)Receiver Sensitivity for others(要求する受信感度)
周辺車両に対して要求する受信感度の値である。単位は[1dBm]とし、−127dBmから0dBmまでの値が設定される。
4.8 イベント通知メッセージ(Event PDU)
CTLおよびCML内で発生したエラーなどのイベントを相手局に通知するPDUである。図46にイベント通知メッセージの形式に示す。
(1)eventCode(イベントコード)
イベントの内容を示すコードである。図47にイベントコードの内容を示す。
(2)extensionParameter(パラメータ)
イベントの内容を補完するパラメータである。
<5.動作手順>
5.1 データ転送手順
5.1.1 アプリケーションデータ送受信手順
CTLにおけるアプリケーションデータを送受信する手順について記載する。図48にメッセージ転送の基本処理シーケンス例を示す。
(送信手順)
(1)CTLはLPCPからデータ送信要求プリミティブ(sendData.req)を受け取ると、変数parameterからC2C SDUを取得する。
(2)CTLはC2C SDU内のLPCP制御情報を参照して、送信元ポート番号を取得する。
(3)CTLはCML情報取得プリミティブ(CMCTL-Get)を用いて、送信元ポート番号の優先度を取得する。
(4)CYLはC2C Headerを付加して、C2C PDUを生成した後、取得した優先度のキューに格納し、優先度制御処理を適用する。
(5)CTLは優先度制御により、送信待機した後、通信下位プロトコルのデータ伝送プリミティブ(DL-Unitdata.req)で送信し、送信処理を完了する。
以下の場合のC2CS DUは無効とし、処理しない。
・変数linkAddressがグループ同報リンクアドレスで、そのアドレス値が「0」でない場合、その要求プリミティブは破棄し、LPCPに対してイベント通知プリミティブ(eventReport)にて、状態「指定されたグループ同報リンクアドレスは有効でない」を通知する。
(受信手順)
(1)CTLは通信下位プロトコルからデータ伝送プリミティブ(DL-Unitdata.ind)で、C2C PDUを受け取ると、そのPDUからデータ識別子、PDU識別子、車両優先度、チャネル利用率、送信周期、送信電力、受信感度、ユーザデータを取り出す。
(2)CTLはデータ識別子(Data Identifier)が「0」を示し、PDU識別子(PDU Identifier)が「0」または「1」の場合は、上位プロトコルに対して、データ送信通知プリミティブ(sendData.ind)で相手局からのデータ(C2C SDU)の受信を転送する。
(3)CTLはDL-Unitdata.indで得られた送信元リンクアドレスと、受信した車両優先度、チャネル利用率、送信周期、送信電力、受信感度をCMLに対して、CML情報設定プリミティブ(CMCTL-Set)を用いて登録し、受信処理を完了する。
以下の場合のC2C PDUは無効とし、処理しない。
・データ識別子が「0」であり、PDU識別子が「0」または「1」でない場合、その通知プリミティブは破棄し、相手局CTLに対してイベント通知メッセージにて、状態「指定されたPDU識別子は有効でない」を通知する。
・データ識別子が有効でない場合、その通知プリミティブは破棄し、相手局CTLに対してイベント通知メッセージにて、状態「指定されたデータ識別子は有効でない」を通知する。
5.1.2 制御データ送受信手順
CTLにおける制御データを送受信する手順について記載する。図49にメッセージ転送の基本処理シーケンス例を示す。
(送信手順)
(1)CTLはCMLから制御データ送信要求プリミティブ(CMCTL-SendData.req)を受け取ると、変数parameterからC2C SDU、変数priorityから優先度を取得する。
(2)CTLはC2C Headerを付加して、C2C PDUを生成した後、変数priorityから取得した優先度のキューに格納し、優先度制御処理を適用する。
(3)CTLは優先度制御により、送信待機した後、通信下位プロトコルのデータ伝送プリミティブ(DL-Unitdata.req)で送信し、送信処理を完了する。
以下の場合のC2C PDUは無効とし、処理しない。
・変数linkAddressがグループ同報リンクアドレスで、そのアドレス値が「0」でない場合、その要求プリミティブは破棄し、CMLに対してイベント通知プリミティブ(CMCTL-EventReport)にて、状態「指定されたグループ同報リンクアドレスは有効でない」を通知する。
(受信手順)
(1)CTLは通信下位プロトコルからデータ伝送プリミティブ(DL-Unitdata.ind)でC2C PDUを受け取ると、そのPDUからデータ識別子、PDU識別子、車両優先度、チャネル利用率、送信周期、送信電力、受信感度、ユーザデータを取り出す。
(2)CTLはデータ識別子(Data Identifier)が「1」を示す場合はCMLに対して、制御データ送信通知プリミティブ(CMCTL-SendData.ind)で相手局からのデータの受信を通知する。
(3)DL-Unitdata.indで得られた送信元リンクアドレスと、受信した車両優先度、チャネル利用率、送信周期、送信電力、受信感度をCMLに対して、CML情報設定プリミティブ(CMCTL-Set)を用いて登録し、受信処理を完了する。
5.2 優先度制御サービス手順
(1)CTLは優先度ごとにキューに格納されたデータを、優先度の高いほうから順に取り出し、データ伝送プリミティブ(DL-Unitdata.req)を用いて、送信する。
(2)CTLは優先度の高いキューが空になれば、優先度が一つ低いキューからデータを取り出して送信する。
優先度のキューにおいて、優先度“Middle”キューには周期的に情報を送信する情報交換型アプリケーションのデータのみが格納され、新しいデータが格納された場合にはキューにある古いデータは破棄し、最新のデータを保持する。なお、優先度“High”キューには緊急情報、“Low”キューには非リアルタイム情報を格納する。
5.3 輻輳制御サービス手順
5.3.1 通信制御手順
輻輳制御は以下の手順を、車両情報が変更された場合および周期的に行う。図50にCMLにおける輻輳制御の基本シーケンスを示す。
(1)アプリケーションはCMLに対して、アプリケーション情報設定プリミティブ(ACML-Set)を用いて、自車両の車両情報および周辺車両から受信した車両情報を設定する。
(2)CMLは周期的にPLMEに対して、PLME情報取得プリミティブ(PLME-Get)を用いて、通信チャネルの利用率情報を取得する。
(3)CMLは収集した情報から、輻輳を回避するために設定すべき送信周期・送信電力・受信感度を算出する。ここでは各パラメータを算出する具体的なアルゴリズムについては5.3.1.1に示す。
(4)CMLは周期的に情報を送信するアプリケーションに対して、アプリケーション通知プリミティブ(ACML-Notify)を用いて算出した送信周期を通知する。
(5)前記アプリケーションは通知された送信周期に従って、次のタイミング以降の車両情報の送信を繰り返し行う。
(6)CMLはPLMEに対して、PLME情報設定プリミティブ(PLME-Set)を用いて、算出した送信電力および受信感度を設定する。
(7)通信下位プロトコルでは設定された送信電力および受信感度に従って、次の送受信を開始する。この際、送信するチャネルの種類によって、設定する送信電力および受信感度を切り替えても良い。
5.3.1.1 輻輳制御アルゴリズム
CMLにおける輻輳制御アルゴリズムを説明する。まず、輻輳制御に必要な情報の収集および設定について述べる。自車両および周辺車両の位置、速度、加速度、および走行方向はアプリケーションによって、CMLに設定され、自車両の通信制御パラメータ(チャネル利用率、送信周期、送信電力、受信感度)および周辺車両の通信制御パラメータもCMLに格納されている。さらに、ここで用いる必要な通信距離はCML内で算出しても良いし、アプリケーションで算出し、CML情報設定プリミティブで設定しても良い。
次に、送信周期を制御する輻輳制御について示す。
(送信周期制御アルゴリズム)
本発明では、通信チャネルが混雑していない場合はアプリケーションの要求仕様である送信周期の値を適用し、通信チャネルが混雑し始めた場合に送信周期を徐々に長くする手法を利用する。
まず、自車両の通信チャネル利用率Oi(t)と周辺車両の通信チャネル利用率Oj(t)から最大値Omax(t)を選択する。
Omax(t)=max{Oi(t)、Oj(t)}(j=1,・・・,N)
ただし、Nは自車両iが通信中の車両台数を示す。
次に、送信周期を通信チャネル利用率Omax(t)に基づいて算出する。ここでは送信周期T(t+1)は通信チャネル利用率に基づき、目標とする通信チャネル利用率Othに収束する設定する。自車両の検出するチャネル利用率と周辺車両のチャネル利用率および目標のチャネル利用率を用いて、目標値と最大値の差分を利用してフィードバック制御を行うと、送信周期は次式のように算出する。
T(t+1)=T(t)+K×{Omax(t)−Oth}
+K/I×∫{Omax(t)−Oth}dt
+K×Td×d/dt{Omax(t)−Oth}
ただし、T(t+1)は次に適用する送信周期を示し、T(t)は前回適用された送信周期を示し、Omax(t)は最大の通信チャネル利用率、Kは比例ゲイン、Iは積分時間、Tdは微分時間を示す。この比例ゲイン、積分時間、および微分時間の設定値によって、通信チャネル利用率を目標の閾値に収束させるまでに要する時間を変更させることができる。また、目標のチャネル利用率を調整することによって、実現できる通信の信頼性を変更できるため、アプリケーションが要求する信頼性によって目標のチャネル利用率を設定することができる。
次に、送信電力を制御する輻輳制御について示す。
(送信電力制御アルゴリズム)
送信間隔と同様に、送信電力を制御することで効率的に輻輳を回避できると考えられるので、混雑し始めた場合には通信エリアを絞る。
送信電力を制御する場合においても、通信チャネル利用率を通信の信頼性確保が見込める目標値に抑える手法を利用する。自車両の送信電力を絞ることで、周辺車両にとっては通信トラフィック量が減らすことができる。そのため、周辺車両の通信チャネル利用率の最も高い値に基づいて制御を行うことで、最もチャネル利用率の高い車両の検出する通信トラフィック量を効率的に制限できる。
送信電力の算出には、送信周期と同様にフィードバック制御を適用し、自車両との通信台数が一定台数以下になるように送信電力を算出する。まず、周辺車両から受信した送信周期Tj(t)(j=1,・・・,N)と自車両で把握できる通信台数N[台]から次のように自車両の通信チャネル利用率O(t)を算出する。
Figure 0004999989
ただし、Sは送信するデータサイズ[bit]、Cは伝送速度[bit per sec]を示す。
次に、通信チャネル利用率O(t)が目標チャネル利用率Othよりも小さくなる通信台数m[台]を算出する。自車両との車間距離Djが短い周辺車両から順に、j=1、2、3・・・、Nと設定し、O(t)>Othとなる最初のjをj=lとすると、m=l−1と設定できる。この際の車間距離はDmであり、これが目標の通信距離となる。
自車両と通信できる台数がm[台]に収束するように次式のように必要となる通信距離D(t+1)を算出する。
D(t+1)=D(t)+K×{n(t)−m}
+K/I×∫{n(t)−m}dt
+K×Td×d/dt{n(t)−m}
ただし、D(t+1)は次に送信する通信距離を示し、D(t)は前回設定された通信距離を示し、n(t)[台]は現在自車両と通信している台数、Kは比例ゲイン、Iは積分時間、Tdは微分時間を示す。なお、ここでの比例ゲイン、積分時間、微分時間は送信周期制御アルゴリズムと同じ値を適用してもいいし、異なる値を適用しても良い。
次に、通信距離D(t+1)を実現するための送信電力P(t+1)をあらかじめ設定されている通信仕様から算出し、新たな送信電力として適用する。
(受信感度制御アルゴリズム)
受信感度を制御することによって、自車両の受信できるエリアを制限することができる。送信電力が相手車両において発生する輻輳を回避するのに対し、受信感度は自車両において発生する輻輳を回避できる。そのため、送信電力制御アルゴリズムにおいて算出された送信電力P(t+1)と以前の送信電力P(t)の差分を一部だけ受信感度に振り分けることで、相手車両における輻輳を軽減するか、自車両における輻輳を軽減するかを選択することができる。
まず、送信電力制御だけの場合には、送信電力をa(a=P(t+1)−P(t))[dBm]だけ小さく設定していた。ここで、受信感度制御を適用し、一部b[dBm]を受信感度に振り分けると、送信電力は(a−b)[dBm]小さく設定し、受信感度はb[dBm]だけ大きく設定することで、送信電力制御を利用した場合と同様に輻輳を軽減することが可能になる。
5.3.2 輻輳制御メッセージ送信手順
輻輳制御メッセージは以下の手順で送信される。
(送信手順)
(1)CMLは輻輳制御メッセージの送信契機になると、相手局に指示する通信制御パラメータ値を決定する。例えば、本発明では輻輳制御メッセージの送信契機は通信チャネル利用率が40%を超えた場合に行ったり、アプリケーション処理部3から輻輳制御メッセージの送信要求があったりした場合うものとする。また、相手局に指示する通信制御パラメータ値は自局で設定される値を適用する。
(2)CMLはCongestion Control PDUを生成し、CTLに対して、制御データ送信要求プリミティブ(CMCTL-SendData.req)を発行する。
(受信手順)
(1)CMLはCTLから制御データ送信通知プリミティブ(CMCTL-SendData.ind)を受信すると、変数parameterから指示された通信制御パラメータ値を取り出す。
(2)CMLは相手局の車両優先度と自局の車両優先度を比較し、相手局の車両優先度が高く、通信チャネル利用率が大きければ、相手局の指定するパラメータに設定して通信を行う。
5.4 初期接続手順
5.4.1 初期接続開始手順
(1)アプリケーションはCMLに対して、接続開始プリミティブ(ACML-Connection)を用いて、個別通信を行うための接続要求を行う。
(2)CMLは、ACML-Connectionの変数connectionFlagが「1」を示す場合にはアプリケーションが個別通信を行うために、接続要求フラグを「1」に設定する(接続要求フラグが「1」の場合には、周辺局から同報メッセージおよびビーコンメッセージを受信した場合に初期接続シーケンスを開始する)。
(3)CMLは、アプリケーション情報テーブルを参照し、周期的に車両情報を送信する同報アプリケーションがサポートされているかを確認する。
(a)CMLは同報アプリケーションがサポートされている場合にはビーコンメッセージ(Beacon PDU)送信フラグを「0」に設定し、5.4.3に示すように同報アプリケーションメッセージの受信を契機に初期接続シーケンスを開始する。
(b)CMLは同報アプリケーションがサポートされていない場合、かつ接続開始プリミティブの変数beaconFlagが「1」を示す場合にはビーコンメッセージ(Beacon PDU)送信フラグを「1」に設定し、5.4.2に示すようにビーコンメッセージの送信シーケンスを開始する。
5.4.2 ビーコンメッセージを用いた初期接続手順
図51にCMLにおけるビーコンメッセージを用いた場合の初期接続手順の基本シーケンスを示す。また、図52にCMLにおけるビーコンメッセージを用いた初期接続手順のビーコンメッセージを破棄する場合のシーケンスを示す。
(1)CMLは周辺局がビーコンメッセージを送信しているかを確認する。ビーコンスキャンを行うために、ビーコンスキャンタイマを起動する。
(a)CMLはビーコンスキャンタイマがタイムアウトするまでに、周辺局からBeacon PDUを受信した場合は、(3)以降に記載の手順に従って初期接続シーケンスを開始する。
(b)CMLはビーコンスキャンタイマがタイムアウトするまでに、周辺局からBeacon PDUを受信しなかった場合は、(2)以降に記載の手順に従って初期接続シーケンスを開始する。
(2)CMLはBeacon PDUを生成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData)を用いて、CTLに送信を要求する。
(3)CTLから制御メッセージ送信プリミティブによって、Beacon PDUを示すメッセージが通知されると、接続状況を確認するために接続管理テーブルを参照する。
(a)「接続済み」の場合には受信したBeacon PDUを破棄し、初期接続シーケンスを完了する。
(b)「未接続」の場合には接続要求フラグを参照し、接続要求フラグが「1」を示す場合は相手局のLinkAddressと受信したBeacon PDUからCML Profileを接続管理テーブルに登録し、Connect Request PDUを生成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData)を用いて、CTLに送信を要求する。接続要求フラグが「0」を示す場合は初期接続シーケンスを開始しない。
(4)CMLはCTLから制御メッセージ送信プリミティブによって、Connect Request PDUを示すメッセージが通知されると、接続状況を確認するために接続管理テーブルを参照する。
(a)「接続済み」の場合には受信したConnect Request PDUを破棄し、Connect Response PDUを用いて、resultCode「接続済み」を返す。
(b)「未接続」の場合には相手局のLinkAddressと受信したConnect Request PDUからCML Profileを接続管理テーブルに登録し「接続済み」に設定する。Connect Response PDUを生成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData)を用いて、CTLに送信を要求する。
(5)CMLはCTLから制御メッセージ送信プリミティブによって、Connect Response PDUを示すメッセージが通知されると、接続状況を確認するために接続管理テーブルを参照する。相手局のLinkAddressに対して、接続管理テーブルを「接続済み」に設定する。Ack PDUを生成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData)を用いて、CTLに送信を要求する。
(6)CMLはCTLから制御メッセージ送信プリミティブによって、Ack PDUを示すメッセージが通知されると、アプリケーションに接続開始応答プリミティブ(ACML-Connection.cnf)を返し、初期接続シーケンスを完了する。
5.4.3 同報アプリケーションを用いた初期接続手順
図53にCMLにおける同報アプリケーションを用いた場合の初期接続手順の基本シーケンスを示す。また、図54にCMLにおける同報アプリケーションを用いた初期接続手順の接続を行わない場合のシーケンスを示す。ただし、周期的に情報を送信するアプリケーションを用いた初期接続手順は、シングルチャネル利用時にのみサポートされる。
(1)CTLは相手局から同報アプリケーションのデータを受信した後、CMLは、CTLからCML情報設定プリミティブを用いて、C2C Headerに含まれる情報の登録を要求されると、接続管理テーブルを参照し、相手局との接続状況を確認する。
(a)「接続済み」の場合には、初期接続シーケンスを完了する。
(b)「未接続」の場合には接続要求フラグを参照し、接続要求フラグが「1」を示す場合はConnect Request PDUを生成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData)を用いて、CTLに送信を要求する。接続要求フラグが「0」を示す場合は初期接続シーケンスを開始しない。
(2)CMLはCTLから制御メッセージ送信プリミティブによって、Connect Request PDUを示すメッセージが通知されると、接続状況を確認するために接続管理テーブルを参照する。
(a)「接続済み」の場合には受信したConnect Request PDUを破棄し、Connect Response PDUを用いて、resultCode「接続済み」を返す。
(b)「未接続」の場合には接続要求フラグを参照し、接続要求フラグが「1」を示す場合は相手局のLinkAddressと受信したConnect Request PDUからCML Profileを接続管理テーブルに登録し、「接続済み」に設定する。Connect Response PDUを生成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData)を用いて、CTLに送信を要求する。接続要求フラグが「0」を示す場合はConnect Response PDUを用いて、resultCode「接続しない」を返す。
(3)CMLはCTLから制御メッセージ送信プリミティブによって、Connect Response PDUを示すメッセージが通知されると、変数resultCodeを参照し、「接続しない」を示す場合はConnect Response PDUを破棄し、「接続する」を示す場合は接続状況を確認するために接続管理テーブルを参照する。相手局のLinkAddressに対して、接続管理テーブルを「接続済み」に設定する。Ack PDUを生成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData)を用いて、CTLに送信を要求する。
(4)CMLはCTLから制御メッセージ送信プリミティブによって、Ack PDUを示すメッセージが通知されると、アプリケーションに接続開始応答プリミティブ(ACML-Connection.cnf)を返し、初期接続シーケンスを完了する。
5.4.4 接続状況通知手順
CMLは、相手局との接続が確立すると、イベント通知プリミティブを利用してCTLに「接続が確立した」ことを通知する。CTLは接続が確立したことを通知されると、イベント通知プリミティブを用いて上位層に通知する。また、タイムアウトなどにより、相手局と切断した場合にも同様の手順によって、「切断した」イベントを通知する。図55に接続状況を通知する手順の例を示す。
(1)CMLは、Connect Request PDUおよび、Connect Response PDUを受信して、相手局との通信接続が確立する。
(2)CMLは、イベント通知プリミティブ(CMCTL-EventReport)を用いて、CTLに接続が確立したことを通知する。
(3)CTLは、イベント通知プリミティブ(EventReport.ind)を用いて、上位層に接続が確立したことを通知する。
5.5 アプリケーション登録/削除手順
図56にCMLにおけるアプリケーション情報の登録および削除手順を示す。
5.5.1 登録手順
(1)移動局の各アプリケーションは、提供可能な状態になったらアプリケーション登録要求プリミティブ(ACML-Registration.req)を用いて、CMLに登録する。
(2)CMLはアプリケーション情報テーブルを更新する。
(3)CMLはアプリケーション登録通知プリミティブ(ACML-Registration.ind)を用いて、アプリケーションに登録結果を通知する。
5.5.2 削除手順
(1)移動局の各アプリケーションは、提供不可能な状態になったらアプリケーション削除プリミティブ(ACML-Deregistration)を用いて、CMLに通知する。
(2)CMLはアプリケーション情報テーブルを更新する。
(3)CMLはアプリケーション削除通知プリミティブ(ACML-Deregistration.ind)を用いて、アプリケーションに削除結果を通知する。
5.6 再送制御手順
図57に再送処理が有効な場合のCMLにおける基本処理シーケンス例を示し、図58に再送を行う場合のCMLにおける処理シーケンス例を示し、図59に再送処理における重複チェックを行う場合のCMLにおけるシーケンス例を示す。
(送信手順)
(1)CMLは制御データ(接続要求メッセージ、接続応答メッセージ)を送信する場合、再送処理が有効な接続管理サービスが開始される。
(2)CMLはRequired Ack Flag(再送要求フラグ)が「1」を示すPDUを作成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData.req)を用いて、CTLに送信を要求する。
(3)CMLは送信を要求すると同時に再送タイマを起動し、前記PDUを保持し、相手局からの応答メッセージの受信を待機する。
(4)CMLは再送タイマがタイムアウトするまでに、相手局からの応答メッセージを受信すると、再送タイマを停止し、保持していたPDUを破棄し、このトランザクションを完了する。
(5)CMLは(3)で送信したPDUが相手局に到達しないなど何らかの理由により応答メッセージを受信するまでに再送タイマがタイムアウトした場合は、Retransmit Flag(再送フラグ)を「1」に設定して、CTLにPDUの送信を要求すると同時に再送タイマを再起動、再送カウンタを1インクリメントする。
(6)CMLは数回再送を繰り返しても応答メッセージを受信できずに、再送カウンタが最大再送回数を超えた場合は、保持していたPDUを破棄し、このトランザクションを完了する。
(受信手順)
(1)CMLはCTLから制御メッセージ送信通知プリミティブ(CMCTL-SendData.ind)により、Required Ack Flag(再送要求フラグ)が「1」を示すPDUを受信した場合は応答メッセージを生成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData.req)を用いて、CTLに送信を要求する。
(2)CMLは送信を要求すると同時にウェイトタイマを起動する。
(3)CMLは(2)で送信した応答メッセージが相手局に到達しないなどの理由で、再度同じCML−SDUを受信した場合には、受信したPDUを破棄し、再度応答メッセージを生成し、制御メッセージ送信プリミティブ(CMCTL-SendData.req)を用いて、CTLに送信を要求し、ウェイとタイマを再起動する。
(4)(2)または(3)で起動したウェイトタイマがタイムアウトすると、このトランザクションを完了する。
実施の形態1に係る車載通信装置および路車間−車々間通信連携システムは、以上説明した車々間通信サブプロトコルの仕様に従って動作する。
<A−3.車載通信装置100の動作>
以下、図2を参照しつつ図60〜図71を用いて実施の形態1の車載通信装置100の各部の動作について説明する。
<A−3−1.データ転送サービス処理部11の動作>
図60は、車々間通信転送サービス処理部1のデータ転送サービス処理部11の動作を示すフローチャートである。
データ転送サービス処理部11は、メッセージの送信要求および受信通知の受信まで待機する(ステップS101)。ここで送信要求および受信通知を受信していない場合(「No」の場合)には、データ転送サービス処理部11は、送信要求および受信通知の受信の待機を継続する。これに対して、送信要求および受信通知を受信した場合(「Yes」の場合)には、ステップS102へと移行する。
ステップS102では、ステップS101で受信したデータの送信要求および受信通知を識別し、送信要求である場合(「Yes」の場合)には、ステップS103へと移行する。これに対して、受信通知である場合(「No」の場合)、ステップS110へと移行する。
ステップS103では、ステップS102で受信した送信要求が転送サービス処理部5からの要求か、車々間通信管理サービス処理部2からの要求かを識別し、転送サービス処理部5からの要求の場合(「Yes」の場合)には、ステップS104へと移行する。これに対して、車々間通信管理サービス処理部2からの要求の場合(「No」の場合)には、ステップS108へと移行する。
次に、ステップS104では、LPCP転送サービス処理部51から発行されたプリミティブから、送信するデータ(C2C SDU)を取り出し、LPCPヘッダから送信元ポート番号を取得する。
ステップS105では、データ転送サービス処理部11は車々間通信管理サービス処理部2の管理情報格納部24から、送信元ポート番号を示すアプリケーションの優先度およびメッセージに付与する通信制御情報のパラメータを取得する。
そして、ステップS106では、取得した通信制御情報からC2Cヘッダ作成し、C2C PDUを生成する。
次に、ステップS107では、ステップS106で生成したC2C PDUと、S105で取得した優先度とを、優先度制御サービス処理部13に送信し、転送サービス処理部5からのデータ送信手順が完了する。
また、ステップS103で、車々間通信管理サービス処理部2からの送信要求であると識別された場合、ステップS108では、まず車々間通信管理サービス処理部2から発行されたプリミティブから、送信するデータ(C2C SDU)と優先度とを取得する。
次に、ステップS109では、データ転送サービス処理部11は車々間通信管理サービス処理部2の管理情報格納部24から、C2Cヘッダに付与する通信制御情報のパラメータを取得する。
そして、ステップS106およびS107の処理を行い、車々間通信管理サービス処理部2のデータ送信手順を完了する。
また、ステップS102において、データの受信通知を受け取ったものと識別された場合、ステップS110ではデータ転送サービス処理部11は送受信サービス処理部6から発行されたプリミティブから、受信したデータ(C2C PDU)を取得する。さらに、C2Cヘッダから各パラメータを取得する。
次に、ステップS111では、受信したデータの配信先を選択するためにデータ識別子(Data Identifier)を参照し、転送サービス処理部5(LPCP)に送信するか、車々間通信管理サービス処理部2(CML)に送信するかを判断する。
ステップS111でデータ識別子が「0」を示す場合(「Yes」の場合)は、ステップS112へと移行する。これに対して、データ識別子が「1」を示す場合(「No」の場合)は、ステップS114へと移行する。
そして、ステップS112では、受信したC2C SDUを転送サービス処理部5のLPCP転送サービス処理部51に送信する。
次に、ステップS113では、受信したC2Cヘッダの通信制御情報を車々間通信管理サービス処理部2の管理情報格納部24に設定し、データ受信手順が完了する。
一方、ステップS111において、受信したデータを車々間通信管理サービス処理部2に送信すると判断された場合、ステップS114では、取得したC2C SDUを車々間通信管理サービス処理部2に送信する。次に、ステップS113の処理を行い、データ受信手順が完了する。
なお、ステップS107およびS113の処理完了後、ステップS101へと戻り、次のメッセージの送信要求および受信通知の受信まで待機する。
<A−3−2.イベント通知サービス処理部12の動作>
図61は、車々間通信転送サービス処理部1のイベント通知サービス処理部12の動作を示すフローチャートである。
イベント通知サービス処理部12は、エラーやイベントの発生を知らせるイベント通知を受信するまで待機する(ステップS201)。当該イベント通知を受信していない場合(「No」の場合)には、待機状態を継続する。これに対して、イベント通知を受信した場合(「Yes」の場合)には、ステップS202へと移行する。
ステップS202では、ステップS201で受信したイベント通知が車々間通信転送サービス処理部1内でのイベントか、車々間通信管理サービス処理部2から通知されたイベントかを識別し、車々間通信転送サービス処理部1のイベントの場合(「Yes」の場合)には、ステップS203へと移行する。これに対して、車々間通信管理サービス処理部2のイベントの場合(「No」の場合)には、ステップS205へと移行する。
次に、ステップS203では、発生したエラーやイベントに該当するイベントコードを設定する。
そして、ステップS204では、イベント通知プリミティブを管理サービス処理部52に対して送信し、イベント通知処理を完了する。
一方、ステップS202において、車々間通信管理サービス処理部2からのイベント通知であると識別された場合には、車々間通信管理サービス処理部2から通知されたイベントコードを、イベント通知サービス処理部12のイベントコードに設定する(S205)。
次に、ステップS204の処理を行い、イベント通知処理を完了する。なお、ステップS204の処理完了後、ステップS201へと戻り、次の処理を実行する。
<A−3−3.優先度制御サービス処理部13の動作>
図62は、車々間通信転送サービス処理部1の優先度制御サービス処理部13の動作を示すフローチャートである。
優先度制御サービス処理部13は、送受信するデータ(メッセージ)を受信するまで待機する(ステップS301)。当該メッセージを受信していない場合(「No」の場合)には、データ受信の待機状態を継続する。これに対して、当該メッセージを受信した場合(「Yes」の場合)は、ステップS302へと移行する。
ステップS302では、ステップS301で受信したデータが送信するデータか、受信したデータかを識別し、送信するデータの場合(「Yes」の場合)には、ステップS303へと移行する。これに対して、受信したデータの場合(「No」の場合)は、ステップS306へと移行する。
次に、ステップS303では、送信するデータと同時に受け取った優先度を参照し、当該優先度の送信キューに送信データを格納する。
そして、ステップS304では、各送信キューに送信データが格納されているかを確認し、データが存在する場合(「Yes」の場合)には、ステップS305へと移行する。
それに対して、ステップ304で、送信キューにデータが存在しないことを確認した場合(「No」の場合)には、ステップS301へと戻り、メッセージを受信するまで待機する。
一方、ステップS305に進んだ場合、優先度制御サービス処理部13は優先度の高い送信キューに格納されているデータから順番に受信サービス処理部61に送信し、優先度制御処理の送信手順を完了し、ステップS301に戻って、次のメッセージの受信まで待機する。
なお、ステップS305での処理終了後は、ステップS304に戻り、キューに残ったデータがある場合には送信を繰り返し、データが存在しない場合にはステップS301へと戻り、メッセージを受信するまで待機する。
ステップS302において、優先度制御サービス処理部13が受信サービス処理部62からデータを受信したものと識別した場合、ステップS306では、受信したデータをデータ転送サービス処理部11に送信し、優先度制御処理の受信手順を完了する。なお、ステップS306の処理完了後、ステップS301へと戻り、次のメッセージの受信まで待機する。
<A−3−4.輻輳制御サービス処理部21の動作>
図63は、車々間通信管理サービス処理部2の輻輳制御サービス処理部21の動作を示すフローチャートである。
輻輳制御サービス処理部21は、輻輳制御メッセージを受信するまで待機する(ステップS401)。当該メッセージを受信していない場合(「No」の場合)には、ステップS407へと移行する。これに対して、当該メッセージを受信した場合(「Yes」の場合)には、ステップS402へと移行する。
ステップS402では、ステップS401で受信した輻輳制御メッセージから、相手局の危険度や、相手局が自局に要求する送信周期、送信電力、および受信感度などの通信制御情報を取得する。
次に、ステップS403では、ステップS402で取得した相手局の危険度と自局の危険度とを比較し、自局よりも相手局のほうが危険と判断した場合(「Yes」の場合)には、ステップS404へと移行する。これに対して、相手局より自局のほうが危険と判断した場合(「No」の場合)には、ステップS406へと移行する。
ステップS404では、ステップS402で取得した送信周期を自局のアプリケーションに設定するために、車々間通信アプリケーション部31に通知する。
そして、ステップS405では、ステップS402で取得した送信電力や受信感度を自局の通信制御情報格納部71に設定し、輻輳制御メッセージを受信した場合の処理手順を完了する。
一方、ステップS403において、相手局よりも自局が危険な状況にあると判断した場合、ステップS406では、ステップS401で受信した輻輳制御メッセージを破棄して、輻輳制御メッセージを受信した場合の処理手順を完了する。
また、ステップS401において、輻輳制御メッセージを受信しなかった場合、ステップS407では、輻輳を制御するための通信制御パラメータを算出するために、車々間通信アプリケーション部31および通信制御情報格納部71から車両情報や通信チャネル情報などを取得する。
次に、ステップS408では、輻輳制御アルゴリズムに基づき、ステップS407で取得した情報を元に、輻輳を回避するための送信周期、送信電力、および受信感度を算出する。
そして、ステップS409では、ステップS408で算出した送信周期を車々間通信アプリケーション部31に通知する。
さらに、ステップS410では、ステップS408で算出した送信電力、受信感度を通信制御情報格納部71に設定し、輻輳制御のための通信制御パラメータ設定手順を完了する。なお、ステップS405、S406、S410の処理完了後は、ステップS401へと戻り、次のメッセージの受信まで待機する。
<A−3−5.接続管理サービス処理部22および再送制御サービス処理部23の動作>
図64〜図66を用いて、車々間通信管理サービス処理部2の接続管理サービス処理部22および再送制御サービス処理部23の動作について説明する。
図64は、接続管理サービス処理部22の初期接続手順の方法を決定するフローチャートであり、図65は、ビーコンメッセージを利用した場合の初期接続手順を示すフローチャートであり、図66は、同報アプリケーションを利用した場合の初期接続手順を示すフローチャートである。
まず、図64を用いて、初期接続手順の方法を説明する。
接続管理サービス処理部22は、車々間通信アプリケーション部31からの接続要求を受信するまで待機する(ステップS501)。当該接続要求を受信していない場合(「No」の場合)には、ステップS507へと移行する。これに対して、当該接続要求を受信した場合(「Yes」の場合)には、ステップS502へと移行する。
ステップS502では、ステップS501で受信した接続要求の変数である接続要求フラグが「1」を示すか否かを判定する。そして、当該接続要求フラグが「1」を示さない場合(「No」の場合)は、ステップS501へ戻る。これに対して、当該接続要求フラグが「1」を示す場合(「Yes」の場合)は、ステップS503へと移行する。
次に、ステップS503では、周期的に情報を送信するアプリケーションが起動中であるか否かを判定する。当該アプリケーションが起動していない場合(「No」の場合)には、ステップS505へと移行する。これに対して、当該アプリケーションが起動している場合(「Yes」の場合)には、ステップS504へと移行する。
そして、ステップS504では、同報アプリケーションを利用した初期接続手順(シーケンス)を適用し、図66に示す手順で初期接続を開始する。ここで、同報アプリケーションとは周期的に情報を送信するアプリケーションのことである。
ステップS503において、周期的に情報を送信するアプリケーションが起動していないと判定された場合、ステップS505では、ステップS501で受信した接続要求の変数ビーコンフラグが「1」を示すか否かを判定する。当該ビーコンフラグが「1」を示さない場合(「No」の場合)は、ステップS501へ戻る。これに対して、当該ビーコンフラグが「1」を示す場合(「Yes」の場合)、ステップS506へ移行し、ビーコンメッセージを利用した初期接続手順(シーケンス)を適用し、図65に示す手順で初期接続を開始する。
一方、ステップS501において、車々間通信アプリケーション部31から接続要求を受信しなかった場合、ステップS507で、周辺局からビーコンメッセージおよび接続要求メッセージを受信するまで待機する。そして、当該メッセージを受信しなかった場合(「No」の場合)は、ステップS501へ戻る。それに対して、当該メッセージを受信した場合は(「Yes」の場合)は、ステップS508へ移行する。
次に、ステップS508では、ステップS507で受信したメッセージを破棄し、ステップS501に戻る。
次に、図65を用いてビーコンメッセージを利用した場合の初期接続手順について説明する。
接続管理サービス処理部22は、ビーコンメッセージが送信されているかを確認するためビーコンスキャンを行うので、スキャンタイマを起動する(ステップS601)。
ステップS602では、接続管理サービス処理部22は、ステップS601のスキャンタイマがタイムアウトするまでにビーコンメッセージを受信したか否かを判断する。当該ビーコンメッセージを受信しなかった場合(「No」の場合)は、ステップS612へ移行する。それに対して、当該ビーコンメッセージを受信した場合(「Yes」の場合)は、ステップS603へ移行する。
次に、ステップS603では、接続管理サービス処理部22は、接続管理テーブルを参照し、ビーコンの送信元車両との接続状況を確認する。そして、ステップS604で相手局と接続済みと判定された場合(「No」の場合)は、ステップS611へ移行し、初期接続手順を完了する。それに対して、相手局と未接続と判定された場合(「Yes」の場合)は、ステップS605へ移行する。
そして、ステップS605では、接続管理サービス処理部22は、ビーコンの送信元車両に対して接続要求を行うために、接続要求メッセージを生成し、接続要求メッセージを再送制御サービス処理部23に送信する。そして、ステップS606において、再送制御サービス処理部23は、接続要求メッセージをデータ転送サービス処理部11に送信すると同時に再送タイマを起動する。
ステップS607では、再送制御サービス処理部23は、再送タイマがタイムアウトするまでに接続応答メッセージを受信したか否かを判断し、当該接続応答メッセージを受信できなかった場合(「No」の場合)は、ステップS606に戻り、接続要求メッセージを再送する。それに対して、当該接続応答メッセージを受信した場合(「Yes」の場合)は、ステップS608へ移行する。
ステップS608では、再送制御サービス処理部23は、受信したメッセージを接続管理サービス処理部22に渡し、接続管理サービス処理部22は接続管理テーブルを「接続済み」に更新し、相手局との初期接続を確立する。次に、ステップS609において、接続管理サービス処理部22は確認応答メッセージを生成し、相手局に送信するためにデータ転送サービス処理部11に渡す。そして、ステップS610で、アプリケーション処理部に接続が確立したことを通知し、初期接続手順を完了する。
一方、ステップS602で、接続管理サービス処理部22は、ビーコンメッセージを受信せずにスキャンタイマがタイムアウトした場合、ステップS612で、接続要求メッセージを受信したか否かを判断する。そして、当該接続要求メッセージを受信できなかった場合(「No」の場合)は、ステップS621へ移行する。それに対して、当該接続要求メッセージを受信した場合(「Yes」の場合)は、ステップS613へ移行する。
ステップS613では、接続管理サービス処理部22は接続管理テーブルを参照し、相手局との接続状況を確認する。そして、ステップS614で相手局と接続済みと判定された場合(「No」の場合)は、ステップS620へ移行する。それに対して、相手局と未接続と判定された場合(「Yes」の場合)は、ステップS615へ移行する。
そして、ステップS615では、接続管理サービス処理部22は、接続管理テーブルを「接続済み」に更新し、相手局との初期接続を確立し、車々間通信アプリケーション31に接続が確立したことを通知する。
次に、ステップS616では、接続管理サービス処理部22は相手局からの接続要求に対する応答を行うために、接続応答メッセージを再送制御サービス処理部23に送信する。
ステップS617では、再送制御サービス処理部23は、接続応答メッセージをデータ転送サービス処理部11に送信すると同時に再送タイマを起動する。
そして、ステップS618で、再送制御サービス処理部23は、再送タイマがタイムアウトするまでに確認応答メッセージを受信したか否かを判断する。当該確認応答メッセージを受信できなかった場合(「No」の場合)は、ステップS617に戻り、接続応答メッセージを再送する。それに対して、当該確認応答メッセージを受信した場合(「Yes」の場合)は、ステップS619へ移行する。
ステップS619では、再送制御サービス処理部23は、受信したメッセージを接続管理サービス処理部22へ送信し、接続管理サービス処理部22は初期接続手順を完了する。
なお、ステップS614において、接続管理サービス処理部22は、相手局と接続済みだった場合には、ステップS620で、接続応答メッセージの変数リザルトコードを「接続済み」に設定し、ステップS616で接続応答メッセージを生成する。以降は、ステップS617〜S619の手順に従って初期接続手順を実行する。
一方、ステップS612において、接続管理サービス処理部22は、接続要求メッセージを受信できなかった場合には、ステップS621で、ビーコンメッセージを生成する。そして、ビーコンメッセージを送信すると同時にビーコンタイマを起動する(ステップS622)。
その後、ステップS623において、接続管理サービス処理部22は、ステップS622で起動したビーコンタイマがタイムアウトするまでに接続要求メッセージを受信できるか否かを判断する。当該メッセージを受信できなかった場合(「No」の場合)には、ステップS622へ戻り、ビーコンメッセージを再度送信する。それに対して、当該タイムアウトするまでに接続要求メッセージを受信した場合(「Yes」の場合)には、ステップS613へ移行し、ステップS613〜S619の手順に従って初期接続を実行する。
次に、図66を用いて同報アプリケーションを利用した場合の初期接続手順について説明する。
接続管理サービス処理部22は、車々間通信転送サービス処理部1が同報アプリケーションを受信したことによって、管理情報格納部24の情報が更新されたか否かを判定する(ステップS701)。当該情報が更新されなかった場合(「No」の場合)には、ステップS713へ移行する。それに対して、当該情報が更新された場合(「Yes」の場合)には、ステップS702へ移行する。
次に、ステップS702では、接続管理サービス処理部22は、接続管理テーブルを参照し、情報が更新された車両との接続状況を確認する。そして、ステップS703で相手局と接続済みと判定された場合(「No」の場合)は、ステップS711へ移行し、初期接続手順を終了する。それに対して、未接続の場合(「Yes」の場合)は、ステップS704へ移行する。
そして、ステップS704では、接続管理サービス処理部22は、接続要求フラグを参照して、「1」を示すか否かを判定し、当該接続要求フラグが「1」を示していない場合(「No」の場合)は、ステップS712へ移行し、初期接続手順を終了する。それに対して、当該接続要求フラグが「1」を示す場合(「Yes」の場合)は、ステップS705へ移行する。
そして、ステップS705では、接続管理サービス処理部22は、相手車両に対して接続要求を行うために、接続要求メッセージを生成し、接続要求メッセージを再送制御サービス処理部23に送信する。
その後、ステップS706では、接続管理サービス処理部22は、再送制御サービス処理部23は、接続要求メッセージをデータ転送サービス処理部11に送信すると同時に再送タイマを起動する。
ステップS707では、再送制御サービス処理部23は、再送タイマがタイムアウトするまでに接続応答メッセージを受信したか否かを判断する。そして、当該接続応答メッセージを受信できなかった場合(「No」の場合)は、ステップS706へ戻り、接続要求メッセージを再送する。それに対して、当該接続応答メッセージを受信した場合(「Yes」の場合は)、ステップS708へ移行する。
ステップS708では、再送制御サービス処理部23は受信したメッセージを接続管理サービス処理部22に渡し、接続管理サービス処理部22では接続管理テーブルを「接続済み」に更新し、相手局との初期接続を確立すると同時に車々間通信アプリケーション部31に接続を通知する。
次に、ステップS709では、接続管理サービス処理部22は確認応答メッセージを生成し、相手局に送信するためにデータ転送サービス処理部11に渡す。そして、ステップS710で、アプリケーション処理部に接続が確立したことを通知し、初期接続手順を完了する。
一方、ステップS701で、接続管理サービス処理部22は、管理情報格納部24の情報が更新されなかったと判定された場合、ステップS713で、接続要求メッセージを受信できたか否かを判断し、当該接続要求メッセージを受信できなかった場合(「No」の場合)は、ステップS701へ戻る。それに対して、当該接続要求メッセージを受信した場合(「Yes」の場合)は、ステップS714へ移行する。
次に、ステップS714では、接続管理サービス処理部22は、接続管理テーブルを参照し、相手局との接続状況を確認する。そして、ステップS715で相手局と接続済みと判定された場合(「No」の場合)は、ステップS721へ移行する。それに対して、未接続の場合(「Yes」の場合)は、ステップS716へ移行する。
そして、ステップS716では、接続管理サービス処理部22は、接続管理テーブルを「接続済み」に更新し、相手局との初期接続を確立し、車々間通信アプリケーション31に接続が確立したことを通知する。
次にステップS717では、接続管理サービス処理部22は相手局からの接続要求に対する応答を行うために、接続応答メッセージを再送制御サービス処理部23に送信する。
その後、ステップS718では、再送制御サービス処理部23は、接続応答メッセージをデータ転送サービス処理部11に送信すると同時に再送タイマを起動する。
ステップS719では、再送制御サービス処理部23は、再送タイマがタイムアウトするまでに確認応答メッセージを受信したか否かを判断し、当該確認応答メッセージを受信できなかった場合(「No」の場合)は、ステップS718へ戻り、接続応答メッセージを再送する。それに対して、当該確認応答メッセージを受信した場合(「Yes」の場合)は、ステップS720へ移行し、初期接続手順を完了する。
なお、ステップS715において、再送制御サービス処理部23は、相手局と接続済みと判定された場合は、ステップS721で、接続応答メッセージの変数リザルトコードを「接続済み」に設定し、ステップS717で接続応答メッセージを生成する。なお、以降はステップS718〜S720の手順に従って初期接続手順を実行する。
<A−3−6.車々間通信アプリケーション部31の動作>
図67は、アプリケーション処理部3の車々間通信アプリケーション部31の動作を示すフローチャートである。
車々間通信アプリケーション部31は、起動後、車々間通信管理サービス処理部2の管理情報格納部24に対して、アプリケーション情報を登録する(ステップS801)。
次に、車々間通信アプリケーション部31はデータの送信要求またはデータの受信通知があるまで待機する(ステップS802)。当該要求および通知を受信していない場合(「No」の場合)は、要求および通知の受信まで待機を継続する。これに対して、当該要求および通知を受信した場合(「Yes」の場合)は、ステップS803へと移行する。
ステップS803では、ステップS802で受信した内容が送信要求であるか否かを判定し、送信要求の場合(「Yes」の場合)には、ステップS804へと移行する。これに対して、受信通知の場合(「No」の場合)には、ステップS806へと移行する。
次に、ステップS804では、送信要求されたデータを同報通信するか否かを判定し、同報通信の場合(「Yes」の場合)には、ステップS805へと移行する。これに対して、同報通信ではなく個別通信の場合(「No」の場合)には、ステップS807へと移行する。
そして、ステップS805では、送信するデータをトランザクション管理部4のトランザクションサービス処理部41に送信し、アプリケーション処理部の同報通信処理手順を完了する。
一方、ステップS803において、データの受信通知を受け取ったと判定された場合、ステップS806では、車々間通信アプリケーション部31は受信したデータを読み取り、車両情報を車々間通信管理サービス処理部2の管理情報格納部24に設定し、アプリケーション処理部のデータ受信処理手順を完了する。
また、ステップS804において、データを個別通信する場合、ステップS807では、車々間通信アプリケーション部31は車々間通信管理サービス処理部2の接続管理サービス処理部22に接続要求を送信する。
次に、ステップS808では、接続管理サービス処理部22から接続確立通知を受信したか否かを判定し、接続確立を通知した場合(「Yes」の場合)には、ステップS809へと以降する。これに対して、接続確立通知を受信できなかった場合(「No」の場合)は、ステップS810へと移行する。
ステップS809では、車々間通信アプリケーション部31はトランザクションサービス処理部41に送信するデータを送信し、個別通信の送信処理手順を完了する。
また、ステップS810では、車々間通信アプリケーション部31は送信要求のあったデータを破棄し、送信処理手順を完了する。
なお、ステップS805、S806,S809およびS810の処理完了後は、S802以降の処理を繰り返し実行する。
<A−3−7.トランザクションサービス処理部41の動作>
図68は、トランザクション管理部4のトランザクションサービス処理部41の動作を示すフローチャートである。
トランザクションサービス処理部41は、データの送信要求またはデータの受信通知があるまで待機する(ステップS901)。当該要求および通知を受信していない場合(「No」の場合)には、要求および通知の受信まで待機を継続する。これに対して、当該要求および通知を受信した場合(「Yes」の場合)には、ステップS902へと移行する。
ステップS902では、ステップS901で受信した内容が送信要求であるか否かを判定し、送信要求の場合(「Yes」の場合)には、ステップS903へと移行する。これに対して、受信通知の場合(「No」の場合)には、ステップS905へと移行する。
ステップS903では、トランザクションサービス処理部41は、必要に応じて分割や再送、連送などの送信処理を行い、ステップS904で送信データにLPPヘッダを付与し、転送サービス処理部5のLPCP転送サービス処理部51に送信する。
一方、ステップS902でデータの受信通知を受け取ったと判定された場合、ステップS905で、組み立や接続管理などの受信処理を実行する。
そして、ステップS906では、受信したデータがアプリケーションへ渡すデータか否かを判定し、アプリケーションに送信するデータの場合(「Yes」の場合)は、ステップS907へと移行する。これに対して、LPP接続管理サービス処理部42から送信した制御データを受信した場合(「No」の場合)は、ステップS908へと移行する。
ステップS907では、アプリケーション処理部3の車々間通信アプリケーション部31に送信データを渡し、トランザクション管理部4のアプリケーションデータ受信処理手順を完了する。
また、ステップS908では、LPP接続管理サービス処理部42に制御データを渡し、トランザクション管理部3の制御データ受信処理手順を完了する。
なお、ステップS904、S907およびS908の処理完了後は、ステップS901以降の処理を繰り返し実行する。
<A−3−8.LPCP転送サービス処理部51の動作>
図69は、転送サービス処理部5のLPCP転送サービス処理部51の動作を示すフローチャートである。
LPCP転送サービス処理部51は、データの送信要求またはデータの受信通知があるまで待機する(ステップS1001)。当該要求および通知を受信していない場合(「No」の場合)には、要求および通知の受信まで待機を継続する。これに対して、当該要求および通知を受信した場合(「Yes」の場合)には、ステップS1002へと移行する。
ステップS1002では、ステップS1001で受信した内容が送信要求であるか否かを判定し、送信要求の場合(「Yes」の場合)には、ステップS1003へと移行する。これに対して、受信通知の場合(「No」の場合)には、ステップS1005へと移行する。
次に、ステップS1003では、LPCP転送サービス処理部51はローカルポート番号などのLPCPヘッダを付与し、ステップS1004で転送サービス処理部5のデータ転送サービス処理部11に送信データを渡して、転送サービス処理部5でのデータ送信処理手順を完了する。
一方、ステップS1002においてデータの受信通知を受け取った場合、ステップS1005において、LPCP転送サービス処理部51はローカルポート番号を参照し、受信したデータの配信先を識別する。そして、ステップS1006では、配信先へ受信データを送信し、転送サービス処理部5のデータ受信処理手順を完了する。
なお、ステップS1004およびS1006の処理完了後は、ステップS1001以降の処理を繰り返し実行する。
<A−3−9.送受信サービス処理部6の動作>
図70は、送受信サービス処理部6の動作を示すフローチャートである。
送信サービス処理部61および受信サービス処理部62は、データの送信要求またはデータの受信通知があるまで待機する(ステップS1101)。当該要求および通知を受信していない場合(「No」の場合)には、要求および通知の受信まで待機を継続する。これに対して、当該要求および通知を受信した場合(「Yes」の場合)は、ステップS1102へと移行する。
ステップS1102では、S1101で受信した内容が送信要求であるか否かを判定し、送信要求の場合(「Yes」の場合)には、ステップS1103へと移行する。これに対して、受信通知の場合(「No」の場合)には、ステップS1105へと移行する。
次に、ステップS1103では、送信サービス処理部61は送受信サービス管理部7の通信制御情報格納部71から送信電力を取得し、ステップS1104では、取得した送信電力を用いて無線通信を行い、送受信サービス処理部6の送信処理手順を完了する。
一方、ステップS1102でデータの受信通知がされたと判定された場合、ステップS1105では、受信サービス処理部62は送受信サービス管理部7の通信制御情報格納部71から受信感度を取得する。
そして、ステップS1106では、受信したデータの電力がキャリアセンス感度以上か否かを判定し、キャリアセンス感度以上の電力を受信した場合(「Yes」の場合)には、ステップS1107へと移行し、キャリアセンス感度に満たない電力を受信した場合(「No」の場合)には、ステップS1108へと移行する。
ステップS1107では、受信サービス処理部62が通信チャネルがビジーと判定し、通信制御情報格納部71の通信チャネルの利用率を更新する。
そして、S1108では、受信サービス処理部62は受信したデータの電力が受信感度以上あるか否かを判定し、受信感度以上の電力を受信した場合(「Yes」の場合)、ステップS1109へと移行する。これに対して、受信感度に満たない電力を受信した場合(「No」の場合)は、ステップS1110へと移行する。
ステップS1109では、受信サービス処理部62は受信したデータを車々間通信管理サービス処理部1の優先度制御サービス処理部13に送信し、受信処理手順を完了する。
一方、ステップS1110では、受信サービス処理部62は受信したデータを破棄し、受信処理手順を完了する。
なお、ステップS1104、S1109およびS1110の処理完了後は、ステップS1101以降の処理を繰り返し実行する。
<A−4.効果>
以上説明した、本発明に係る実施の形態1の車載通信装置および路車間−車々間通信連携システムにおいては、車々間通信転送サービス処理部1と車々間通信管理サービス処理部2は、既存の路車間通信プロトコルである転送サービス処理部(LPCP)に対するインタフェースを有することで、路車間通信システムを提供する車載器と車々間通信システムを提供する車載器とを共用化できる車載通信装置を得ることができ、路車間通信システムと車々間通信システムの両方にサービスを提供できる車載通信装置を得ることが可能となる。
また、車々間通信転送サービス処理部1は、アプリケーション処理部と、送受信サービス処理部との間に介在するので、複数アプリケーションの優先度に応じて通信を制御できるため優先度の高いアプリケーションの情報を優先的に送信することが可能となる。
また、車々間通信管理サービス処理部2は、アプリケーション処理部3、車々間通信転送サービス処理部1および送受信サービス管理部7に対して平行するように配置されているので、アプリケーション処理部3から受け取る各車両の車両情報および危険度、および送受信サービス管理部から取得するチャネル利用率に基づいて、自車両および周辺車両の輻輳を回避するための通信制御を行うことが可能となる。これにより、車両台数が増加した場合でも通信誤り率が改善できる。
また、車々間通信転送サービス処理部1は、車々間通信管理サービス処理部2を経由して優先度を取得できるので、既存のプロトコルであるトランザクション管理部(ローカルポートプロトコル)4や転送サービス処理部(ローカルポート制御プロトコル)5などから優先度を取得できない場合でも、優先度制御を提供することが可能になる。
また、車々間通信転送サービス処理部1は、送信するメッセージに送信電力や受信感度、および通信チャネルの利用率などの通信制御情報を付加することで、通信制御を行う際に必要な情報を効率的に収集することができる。これにより、車々間通信管理サービス処理部2が、輻輳制御を行う際に周辺車両の検出した情報に基づいて送信周期や送信電力などの通信パラメータの設定を行うことができ、効率的な輻輳制御を行うことが可能になる。
また、車々間通信管理サービス処理部2は、アプリケーション処理部3から送受信サービス管理部6に渡って平行するように配置されているので、アプリケーション処理部3や送受信サービス管理部7の情報の取得や、アプリケーション処理部3や送受信サービス管理部7への設定が可能となる。
また、車々間通信管理サービス処理部2は、通信接続管理サービスを提供するために、初期接続を行うための接続手順を規定し、接続状況を管理するので、アプリケーション処理部3が移動局に対して個別に通信を開始することが可能となる。また、送受信サービス処理部6が初期接続手順を有していない場合に、車々間通信管理サービス処理部2が初期接続の開始や通信接続の管理を行うことができる。
また、車々間通信管理サービス処理部2は、車々間通信転送サービス処理部1を経由して、アプリケーション処理部3やトランザクション管理部4に、通信接続確立の通知を行うことができる。
また、車々間通信管理サービス処理部2は、周期的にメッセージを送信するアプリケーションが動作している場合には、当該アプリケーションのメッセージを受信したことを契機に、初期接続の接続要求を相手移動局に送信することで、高速かつ効率的な初期接続を行うことが可能となる。
また、車々間通信管理サービス処理部2は、周期的にメッセージを送信するアプリケーションが動作していない場合には、周期的にメッセージを送信し、周辺の移動局がメッセージを受信することを契機に、初期接続の接続要求を相手移動局に送信することで、初期接続を開始することが可能となる。
また、車々間通信管理サービス処理部2は、初期接続を行う際に、通信チャネル上に初期接続に必要とされるメッセージが送信されているかを監視することで、無駄なメッセージの送信を回避し、通信帯域を有効に利用できる。
また、車々間通信管理サービス処理部2は、周辺移動局に対して、送信電力や受信感度、および送信チャネルなどを指示できる制御メッセージを送信することで、即座に通信帯域の利用率を抑えることや、自局の送信を優先的に行うことが可能になる。
<A−5.変形例>
以上説明した実施の形態1では、トランザクション管理部4(ローカルポートプロトコル)と、転送サービス処理部5(ローカルポート制御プロトコル)と、車々間通信転送サービス処理部1(車々間通信トランスポートサブレイヤ)と、車々間通信管理サービス処理部2(車々間通信マネジメントレイヤ)とで構成される階層構造を示したが、ローカルポートプロトコルやローカルポート制御プロトコルの代わりに他の双方向に通信可能なプロトコルを用いても良い。
例えば、アメリカで検討されているプロトコルIEEE1609.3やヨーロッパのCALM(Communications Architecture for Land Mobile environment)で検討されているプロトコルFASTやGeo−Routingなどを用いても良い。
また、車々間通信管理サービス処理部2は、アプリケーション処理部3、トランザクション管理部4、転送サービス処理部5、車々間通信転送サービス処理部1および送受信サービス管理部7に対して平行するように配置される構造を示したが、IEEE1609.3で検討されている管理部WME(WAVE Management Entity)やCALMで検討されている管理部CME(CALM Management Entity)も車々間通信管理サービス処理部2と同じように配置されるため、車々間通信管理サービス処理部2をWMEやCMEに含める構成やWMEやCMEを含む構成を用いても良い。ここで、WAVEはWireless Access in Vehicular Environmentsの略語である。
また、車々間通信管理サービス処理部2がWMEに含まれる場合、アプリケーション処理部3や送受信サービス管理部7とのインタフェースは、WMEとアプリケーション間およびWMEとMLME/PLME間のインタフェースに置き換えたり、追加しても良い。また、車々間通信転送サービス部1と車々間通信管理サービス処理部2とのインタフェースは、CMEとFASTとのインタフェースに統合しても良い。
また、アプリケーション処理部3は、車々間通信システムのアプリケーションに限らず、路車間通信システムのアプリケーションやITSに関するアプリケーション以外のアプリケーションなどを用いても良い。
また、車々間通信管理サービス処理部2は、輻輳を回避するために設定する通信パラメータとして送信周期、送信電力、および受信感度に限らず、送信チャネルや送受信アンテナの指向性、および送信する周波数帯域などを用いても良い。
<B.実施の形態2>
<B−1.プロトコル構成>
本発明に係る実施の形態2について、図71および図72を用いて説明する。
図71は本発明に係る実施の形態2の車載通信装置101および路車間−車々間通信連携システムのプロトコル構成を示すブロック図であり、図72は車載通信装置101および路車間−車々間通信連携システムのプロトコル構成を詳細に示すブロック図である。なお、実施の形態1と同一の部位には同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図71および図72に示すように、実施の形態2の車載通信装置101は、車々間通信転送サービス処理部1、車々間通信管理サービス処理部2、アプリケーション処理部3、送受信サービス処理部6および送受信サービス管理部7を有している。
従って、実施の形態2の車載通信装置101および路車間−車々間通信連携システムにおいては、図1に示した車載通信装置100における既存の路車間通信プロトコルであるトランザクション管理部4および転送サービス処理部5に代えて、路車間−車々間通信連携サービス処理部8を有し、アプリケーション処理部3に路車間通信アプリケーション部32を有する点が実施の形態1に示す車載通信装置100および路車間−車々間通信連携システムと異なる点である。
そして、実施の形態2の車載通信装置101では、実施の形態1と同様にアプリケーション処理部3には車々間通信アプリケーション部31を備えているため、車々間通信のアプリケーションを提供可能である。
さらに車載通信装置101では路車間通信アプリケーション部32と路車間−車々間通信連携サービス処理部8とを備えているため、路車間通信のアプリケーションを提供することも可能となる。
図72に示すように、路車間−車々間通信連携サービス処理部8は、実施の形態1に示すトランザクション管理部4および転送サービス処理部5と同等の機能を有しており、トランザクションサービス処理部41、LPP接続管理サービス処理部42、LPCP転送サービス処理部51および管理サービス処理部52を有している。
<B−2.車載通信装置101の動作>
車載通信装置101においては、路車間通信アプリケーション部32が送信するデータは、路車間−車々間通信連携サービス処理部8のトランザクションサービス処理部41およびLPCP転送サービス処理部51を経由して、送受信サービス処理部6から相手局へ送信され、車々間通信アプリケーション部31が送信するデータとは異なり、車々間通信転送サービス処理部1のデータ転送サービス処理部11を経由しない。
また、送受信サービス処理部6は、周辺局からデータを受信した場合、送信サービス処理部6が付与したヘッダ情報を参照し、路車間−車々間通信連携サービス処理部8に送信するか、車々間通信転送サービス処理部1に送信するかを判別する。これにより、路車間通信のアプリケーションは路車間−車々間通信連携サービス処理部8を経由して路車間通信アプリケーション部32へ送信され、車々間通信のアプリケーションは車々間通信転送サービス処理部1、路車間−車々間通信連携サービス処理部8を経由して車々間通信アプリケーション部31へ送信される。
<B−3.効果>
以上説明したように、実施の形態2の車載通信装置101は、路車間−車々間通信連携サービス処理部8を備えることによって、路車間通信のデータは車々間通信転送サービス処理部1を経由せずに相手局に送信でき、車々間通信のデータは車々間通信転送サービス処理部1を経由して、必要な制御を行って周辺局に送信することができる。これにより、路車間通信の車載器と車々間通信の車載器を共用化することができる。
<B−4.変形例>
なお、実施の形態2では、路車間−車々間通信連携サービス処理部8と、車々間通信転送サービス処理部1と、車々間通信管理サービス処理部2とで構成される階層構造を示したが、路車間−車々間通信連携サービス処理部8には、実施の形態1と同様にローカルポートプロトコルやローカルポート制御プロトコルなどの既存のプロトコルを用いても良い。
<C.実施の形態3>
<C−1.プロトコル構成>
本発明に係る実施の形態3について、図73および図74を用いて説明する。
図73は本発明に係る実施の形態2の車載通信装置102および路車間−車々間通信連携システムのプロトコル構成を詳細に示すブロック図である。なお、実施の形態1および実施の形態2と同一の部位には同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図73に示すように、車載通信装置102は、図1を用いて説明した実施の形態1の車載通信装置100とほぼ同じ構成であるが、アプリケーション処理部3において、路車間通信アプリケーション部32を有する点が実施の形態1の車載通信装置101と異なる点である。
<C−2.車載通信装置102の動作>
路車間通信アプリケーション部32が送信するデータは、実施の形態1の車載通信装置100と同様にトランザクション処理部4、転送サービス処理部5を経由して、車々間通信転送サービス処理部1に渡される。
車々間通信転送サービス処理部1は、転送サービス処理部5から受信したC2C SDUからLPCPヘッダのポート番号を参照し、図60のステップS105において優先度を取得する際に、同時にアプリケーションの種類を取得し、路車間通信アプリケーションか、車々間通信アプリケーションかを識別する。
取得したアプリケーションの種類が、車々間通信アプリケーションの場合には実施の形態1に記載の送受信手順を適用してメッセージの送受信を行うが、路車間通信アプリケーションの場合には図38に示すC2Cヘッダの代わりに図74に示すC2Cヘッダを付与して、優先度制御サービス処理部13を経由せずに、送受信サービス処理部6に渡し、メッセージの送信を行う。この際、送信サービス処理部61が送信する送信電力は路車間通信用の値を定義しておき、その値を適用しても良いし、車々間通信管理サービス処理部2が路車間通信に適した送信電力を算出しても良い。また、路車間通信アプリケーション部32の情報を送信する場合には、輻輳制御サービスや接続管理サービスは提供しなくても良い。
車々間通信管理サービス処理部2は、前記路車間通信アプリケーション部32の情報を送信する前に、路車間通信アプリケーション部32からアプリケーション通知プリミティブやアプリケーション登録プリミティブにより、輻輳制御メッセージを送信し、周辺局の車々間通信アプリケーション部31の送信周期を長くしたり、送信電力を低くしたりすることができる。
車々間通信転送サービス処理部1は、前記送信データを受信サービス処理部62から受信した場合には、C2Cヘッダを参照し、データ識別子とPDU識別子から転送先および受信処理を識別する。データ識別子が「0」、PDU識別子が「0」を示す場合には実施の形態1と同様の手順で処理を行い、データ識別子が「0」、PDU識別子が「1」を示す場合には、データ本体部分を取り出し、転送サービス処理部5に渡して受信処理を完了する。この際、受信サービス処理部62が設定する受信感度は路車間通信用の値を定義しておき、その値を適用しても良いし、車々間通信管理サービス処理部2が路車間通信に適した受信感度を算出しても良い。
車々間通信転送サービス処理部1は、前記路車間通信アプリケーション部32のデータを受信した場合、車々間通信管理サービス処理部2に対してイベント通知プリミティブを発行し、自局の周辺に路側機が存在することを通知する。これにより、車々間通信管理サービス処理部2は、車々間通信アプリケーション部31のデータを送信する際の送信電力を輻輳制御サービスにより設定される値よりも小さめに設定したり、送信周期は長めに設定したりする。
<C−3.効果>
以上説明したように、実施の形態3の車載通信装置102は、実施の形態1の車載通信装置100と同様に、アプリケーション処理部3は車々間通信アプリケーション部31を備えているため、車々間通信のアプリケーションを提供可能である。さらに車載通信装置102は路車間通信アプリケーション部32を備えているため、路車間通信のアプリケーションを提供することも可能となる。
また、車々間通信転送サービス処理部1が、路車間通信アプリケーションと車々間通信アプリケーションによって、送受信手順を使い分けるため、路車間通信アプリケーションデータの場合は最小限のヘッダ情報を付加し、データ本体を透過させることができる。これにより、車載通信装置102は既存の路車間通信システムの動作に対しては影響を与えず、車々間通信システムにのみ各種制御サービスを提供できる。
また、車々間通信管理サービス処理部2が、路車間通信アプリケーションの送信を優先的に行うために、輻輳制御メッセージにより周辺局の車々間通信アプリケーションの送信電力および送信周期を制御できる。これにより、路車間通信アプリケーションの通信信頼性を向上させることができる。
また、車々間通信転送サービス処理部1が、路車間通信アプリケーションの有無を車々間通信管理サービス処理部2に通知することによって、路車間通信アプリケーションを優先的に送受信させるために、車々間通信アプリケーションの送信電力を抑えたり、送信周期を長くしたりさせることができる。これにより、路車間通信アプリケーションの通信信頼性を向上させることができる。
<D.実施の形態4>
<D−1.プロトコル構成>
本発明に係る実施の形態4について、図75〜図77を用いて説明する。なお、実施の形態1と同一の部位には同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図75は本発明に係る実施の形態4の車載通信装置103の構成を示すブロック図である。図75に示すように、車載通信装置103は図1を用いて説明した実施の形態1の車載通信装置100とほぼ同じ構成であるが、トランザクション管理部4と転送サービス処理部5がWAVE(Wireless Access in Vehicular Environments)転送部9に置き換わっている点と、車々間通信管理サービス処理部2がWAVE管理部10に含まれている点で、実施の形態1の車載通信装置100と異なっている。
WAVE転送部9は、IEEE1609.3内のWSMP(WAVE Short Message Protocol)と呼ばれるプロトコルであり、アプリケーション処理部3の要求に従ってデータを送信するサービスの提供や、受信したデータをアプリケーション処理部3に通知するサービスの提供を行う。
WAVE管理部10は、IEEE1609.3内のWMEと呼ばれる管理機能であり、アプリケーション処理部3の要求に応じて接続管理サービスを提供したり、アプリケーションに対してWMEの管理するデータの設定/取得を行う情報アクセスサービスを提供する。
実施の形態1の図3の構成では、日本の路車間通信規格であるトランザクション管理部4(LPP)と、転送サービス処理部5(LPCP)とで構成される階層構造を示したが、図75に示すように実施の形態4の構成ではアメリカの路車間通信および車々間通信規格であるプロトコルIEEE1609.3のWSMPを利用した構成である。
また、実施の形態1の図3の構成の車々間通信管理サービス処理部2は、IEEE1609.3の管理部WMEと同じように配置されているため、実施の形態4の図75の構成の車々間通信管理サービス処理部2はWMEに含まれた構成となる。
実施の形態4の送受信サービス処理部6は、IEEE802.11pとIEEE1609.4を想定し、周辺局に搭載された車載通信装置103と無線通信を行ったり、無線通信を行う周波数チャネルを切り替えたりする。
実施の形態4の車々間通信転送サービス処理部1はWAVE転送部9と送受信サービス処理部6との間に存在し、WAVE転送部9やWAVE管理部10に対してデータ転送サービスおよび優先度制御サービスを提供する。さらに、WAVE管理サービス処理部10に対して、イベント通知サービスを提供する。
実施の形態4の車々間通信管理サービス処理部2は、WAVE管理部10の内部にWAVE管理部10の一つの機能として存在し、アプリケーション処理部3や車々間通信転送サービス処理部1に対して、輻輳制御サービス、接続管理サービス、およびデータ再送サービスを提供する。また、WAVE管理部10は送受信サービス管理部7の機能を拡張する。
<D−2.サービスインタフェース(SAP)>
図76は本発明に係る実施の形態4の車々間通信アーキテクチャのプロトコル構成におけるSAPの位置を示した図である。図76におけるサービスインタフェースのうち、実施の形態1と異なるSAPの一覧を図77に示す。実施の形態1と同じSAPについては図18に示したSAPと同等の機能であるため、重複する説明は省略する。また、図77に示すSAPのパラメータの説明については、IEEEの標準規格に開示されており、当業者であれば当該規格を参照することで理解できるので、説明を省略する。
実施の形態1で示した図18のCMCTL SAP、MLME SAP、PLME SAPは、実施の形態4と同じSAPであるためそのまま利用することが可能であるが、図18のACML SAPおよびACTL SAPは、実施の形態4のSAPとは異なるため、実施の形態1をそのまま適用することができない。そこで、図76に示される構成の場合、実施の形態4ではWSMPやWMEが提供するインタフェースに合わせるために、ACML SAPはWME SAPに置換し、ACTL SAPはLSAPに置換している。
<D−2−1.アプリケーションとWMEとのSAP(WME SAP)>
WMEはアプリケーションに対して、図77に示すように次の6種類のプリミティブを提供する。
(1)接続要求プリミティブ(WME-Application)
実施の形態1のACML-Connectプリミティブと同等の機能、パラメータを提供する。WME-Applicationプリミティブはアプリケーションが周辺局との接続を要求したり、切断するプリミティブである。
(2)アプリケーション通知プリミティブ(WME-Notification)
実施の形態1のACML-Notifyプリミティブと同等の機能、パラメータを提供する。WME-Notificationは周辺局との接続状態に変化があった場合に、WAVE管理部10からアプリケーション処理部3に対して通知するプリミティブである。
(3)アプリケーション情報登録プリミティブ(WME-ApplicationRegistration)
実施の形態1のACML-RegistrationプリミティブおよびACML-Deregistrationプリミティブと同等の機能、パラメータを提供する。WME-ApplicationRegistrationプリミティブは、アプリケーション情報の登録や削除を行うプリミティブである。
(4)WME情報取得プリミティブ(WME-Get)
実施の形態1のACML-Getプリミティブと同等の機能、パラメータを提供する。WME-Getプリミティブは、アプリケーションがWMEの管理する情報を取得するためのプリミティブである。
(5)WME情報設定プリミティブ(WME-Set)
実施の形態1のACML-Setプリミティブと同等の機能、パラメータを提供する。WME-Setプリミティブは、アプリケーションがWMEの管理する情報を設定するためのプリミティブである。
(6)受信電力要求プリミティブ(WME-RCPIREQUEST)
実施の形態1ではサポートしていないプリミティブである。WME-RCPIREQUESTプリミティブは、アプリケーションが特定の車両に対して、受信電力を測定するためのデータ送信を要求するプリミティブである。
<D−2−2.CTLとWSMPとのSAP(LSAP)>
CTLはWSMPに対して、図77に示すように次の1種類のプリミティブを提供する。また、LSAPはデータリンク層がACTLに提供するプリミティブでもあるため、CTLを挿入してもIEEE1609.3の通信には影響を与えない。
(1)データ転送プリミティブ(UL-UNITDATA)
実施の形態1のSendDataプリミティブと同等の機能、パラメータを提供する。UL-UNITDATAプリミティブは、WSMPがCTLに対して、データ送受信を行うためのプリミティブである。
以上のように、SAPの名前は実施の形態1と異なるが、図77に示すSAPに置き換えることにより、IEEE1609.3を利用した場合でも、本発明のCTLおよびCMLが提供するデータ転送サービス、イベント通知サービス、優先度制御サービス、輻輳制御サービス、接続管理サービス、およびデータ再送サービスを提供することが可能となる。
<D−3.車載通信装置103の動作>
アプリケーション処理部3がデータを送信する場合、送信するデータはWAVE転送部8に渡す。
WAVE転送部8は、アプリケーション処理部3から渡されたデータに、アプリケーションの種類、提供可能なアプリケーションリスト、利用可能な周波数チャネル情報などを含むWSMヘッダを付与して、車々間通信転送サービス処理部1に渡す。
車々間通信転送サービス処理部1は、WSMヘッダからアプリケーションの種類を取得し、該当するアプリケーションの優先度を車々間通信管理サービス処理部2およびWAVE管理部10から取得する。車々間通信転送サービス処理部1はC2Cヘッダを付与した後、優先度制御サービス処理部に渡して優先度制御を行い、送受信サービス処理部6を経由してデータを周辺局に送信する。
車々間通信転送サービス処理部1内でエラーやイベントが発生した場合、CMCTL-EventReportプリミティブを用いて、車々間通信管理サービス処理部2を経由して、アプリケーション処理部3にイベント情報を通知する。
アプリケーション処理部3が初期接続を要求する場合、WAVE管理部10の提供するWME-Applicationプリミティブを利用して、接続管理サービスを実施する。
また、WME-Applicationプリミティブに初期接続の種類を選択するパラメータを追加した場合には、WAVE管理部10の機能を用いて初期接続を行うこともできるし、車々間通信管理サービス処理部2の機能を用いて初期接続を行うこともできる。
アプリケーション処理部3は、提供可能な状態になったアプリケーションの情報を、WME-ApplicationRegistrationプリミティブを用いてWAVE管理部10に登録し、提供不可能な状態になった場合は同プリミティブを用いてWAVE管理部10から削除する。
<D−4.効果>
以上説明したように、実施の形態4のプロトコル構成を有する車載通信装置103は、WAVE転送部9およびWAVE管理部10を備えることにより、IEEEのプロトコルを用いた場合の車載通信装置においても、実施の形態1のプロトコル構成の車載通信装置100と同様に、路車間通信システムと車々間通信システムの両方にサービスを提供できる車載通信装置を得ることが可能となる。
また、IEEEプロトコルを用いた車載装置に車々間通信転送サービス処理部1および車々間通信管理サービス処理部2を備えることにより、IEEEプロトコルでは提供できなかった輻輳制御サービスを実現することができる。
<E.実施の形態5>
<E−1.プロトコル構成>
本発明に係る実施の形態5について、図78〜図80を用いて説明する。なお、実施の形態1と同一の部位には同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図78は本発明に係る実施の形態5の車載通信装置104の構成を示すブロック図である。図78に示すように、車載通信装置104は図1を用いて説明した実施の形態1の車載通信装置100とほぼ同じ構成であるが、トランザクション管理部4と転送サービス処理部5が、CALM(Communication Access for Land Mobiles)転送部111に置き換わっている点と、車々間通信管理サービス処理部2がCALM管理部112に含まれている点が、実施の形態1の車載通信装置100と異なっている。
CALM転送部111は、CALMのFAST、Geo-Routing、およびLPTP(Local Port Transport Protocol)と呼ばれるプロトコルで構成されており、アプリケーション処理部3の要求に従ってデータを送信するサービスを提供したり、宛先車両までデータを届ける経路探索サービスを提供する。
CALM管理部112は、CALMのCME(CALM Management Entity)と呼ばれる管理層であり、アプリケーション処理部3の要求に応じて接続管理サービスを提供したり、アプリケーションに対してCMEの管理するデータの設定/取得を行う情報アクセスサービスを提供する。
実施の形態1の図3に示した構成では、日本の路車間通信規格であるトランザクション管理部4(LPP)と、転送サービス処理部5(LPCP)とで構成される階層構造を示したが、図78に示すように、実施の形態5の構成ではヨーロッパで検討されている路車間通信および車々間通信規格であるCALMのプロトコルのネットワーク層、トランスポート層、および管理層を利用した構成である。
また、実施の形態1の図3の構成の車々間通信管理サービス処理部2は、CALMの管理部CMEと同じように配置されているため、実施の形態5の図78の構成では、車々間通信管理サービス処理部2をCMEに含めている。
実施の形態5の送受信サービス処理部6は、IEEE802.11pや無線LANなどを想定し、周辺局に搭載された車載通信装置104と無線通信を行う。
また、実施の形態5の送受信サービス管理部7は、CALMのIME(Interface Management Entity)と呼ばれる管理層を利用する。
また、実施の形態5の車々間通信転送サービス処理部1は、CALM転送部111と送受信サービス処理部6との間に存在し、CALM転送部111やCALM管理部112に対してデータ転送サービスおよび優先度制御サービスを提供する。さらに、CALM管理部112に対して、イベント通知サービスを提供する。
また、実施の形態5の車々間通信管理サービス処理部2は、CALM管理部112の内部に存在し、アプリケーション処理部3や車々間通信転送サービス処理部1に対して、輻輳制御サービス、接続管理サービス、およびデータ再送サービスを提供する。また、CALM管理部112は送受信サービス管理部7の機能を拡張する。
<E−2.サービスインタフェース(SAP)>
図79は本発明に係る実施の形態5の車々間通信アーキテクチャのプロトコル構成におけるSAPの位置を示した図である。図79におけるサービスインタフェースのうち、実施の形態1と異なるSAPの一覧を図80に示す。実施の形態1と同じSAPについては図18に示したSAPと同等の機能であるため、重複する説明は省略する。
また、図80に示すSAPのパラメータは、CALMのプロトコル、IEEEのプロトコルの双方において規格が成立していないが、ドラフト段階の概要を知ることはでき、それによれば、両プロトコルともに、本願発明と同種のSAPパラメータを有するため、規格が未確定でも本願発明の適用は可能である。
例えば、A-Command(またはA-Request)を用いる場合、SAPパラメータとしてCommandNoとCommandValue(RequestNoとRequestValue)を指定するのに対し、本願では、コマンドやリクエストごとに、ACML-Connect、ACML-Notify、ACML-Registration、ACML-Deregistrationを規定することで対応するものとしている。
また、本願では、ACML-SetおよびACML-Getに対して、それぞれmibIndexおよびmibParameterを指定してデータの設定および取得を行うのに対して、A-SetParamおよびA-GetParamに対しては、ParamNoおよびParamValueに置き換えて実現することを想定しているので、規格が未確定でも対応することが可能である。以下、具体的に説明する。
実施の形態1で示した図18のCMCTL SAPは、実施の形態5と同じSAPであるためそのまま利用することが可能であるが、図18のACML SAP、CTL SAP、MLME SAP、およびPLME SAPは、実施の形態5とSAPが異なるため、実施の形態1をそのまま適用することができない。そこで、図79に示されるプロトコル構成の場合、CALMネットワーク層/トランスポート層およびCMEが提供するインタフェースに合わせるために、ACML SAPはA−SAPに置換し、CTL SAPはC−SAPに置換し、PLME SAPとPLME SAPはM−SAPに置換している。
<E−2−1.アプリケーションとCMEとのSAP(A−SAP)>
CMEはアプリケーションに対して、図80に示すように次の4種類のプリミティブを提供する。
(1)コマンド実行プリミティブ(A-Command)
実施の形態1のACML-Connect、ACML-Notify、ACML-Registration、ACML-Deregistrationの各プリミティブと同等の機能、パラメータを提供し、各種コマンドの実行をCALM転送部111およびCALM管理部112に対して要求する。
(2)リクエスト実行プリミティブ(A-Request)
実施の形態1のACML-Connect、ACML-Notify、ACML-Registration、ACML-Deregistrationの各プリミティブと同等の機能、パラメータを提供し、各種リクエストの実行をCALM転送部111およびCALM管理部112に対して要求する。
(3)CME情報取得プリミティブ(A-GetParam)
実施の形態1のACML-Getプリミティブと同等の機能、パラメータを提供し、CMEの有する情報を取得するプリミティブである。
(4)CME情報設定プリミティブ(A-SetParam)
実施の形態1のACML-Setプリミティブと同等の機能、パラメータを提供し、CMEに対して情報を設定するプリミティブである。
<E−2−2.CTLとCALMネットワーク層/トランスポート層とのSAP(C−SAP)>
CTLはCALM転送部111に対して、図80に示すように次の1種類のプリミティブを提供する。また、C−SAPはデータリンク層がCALM転送部111に提供するプリミティブでもあるため、CTLを挿入してもCALM転送部111の通信には影響を与えない。
(1)データ転送プリミティブ(UL-UNITDATA)
実施の形態1のSendDataプリミティブと同等の機能、パラメータを提供する。UL-UNITDATAプリミティブは、CALM転送部111がCTLに対して、データ送受信を行うためのプリミティブである。
<E−2−3.CMEとIMEとのSAP(M−SAP)>
CMEはIMEに対して、図80に示すように次の2種類のプリミティブを提供する。
(1)IME情報取得プリミティブ(CIMAE-SetParam)
実施の形態1のMLME-SetおよびPLME-Setプリミティブと同等の機能、パラメータを提供し、IMEの有する情報を取得するプリミティブである。
(2)IME情報設定プリミティブ(CIMAE-GetParam)
実施の形態1のMLME-GetプリミティブおよびPLME-Getプリミティブと同等の機能、パラメータを提供し、IMEに対して情報を設定するプリミティブである。
以上のように、SAPの名前は実施の形態1と異なるが、図80に示すSAPを用いることにより、CALM転送部111およびCALM管理部112を利用した場合でも、本発明のCTLおよびCMLが提供する機能を実現することが可能となる。
<E−3.車載通信装置104の動作>
アプリケーション処理部3がデータを送信する場合、送信するデータはCALM転送部111に渡され、CALM転送部111はアプリケーションの種類、提供可能なアプリケーションリスト、利用可能な通信メディア情報などを含むCALMヘッダを付与して、車々間通信転送サービス処理部1に渡す。
車々間通信転送サービス処理部1は、CALMヘッダからアプリケーションの種類を取得し、該当するアプリケーションの優先度を車々間通信管理サービス処理部2およびCALM管理部112から取得する。車々間通信転送サービス処理部1はC2Cヘッダを付与した後、優先度制御サービス処理部に渡して優先度制御を行い、送受信サービス処理部6からデータを送信する。
車々間通信転送サービス処理部1内でエラーやイベントが発生した場合、CMCTL-EventReportプリミティブを用いて、車々間通信管理サービス処理部2を経由して、アプリケーション処理部3にイベント情報を通知する。
アプリケーション処理部3が初期接続を要求する場合、CALM管理部112の提供するA-CommandプリミティブやA-Requestプリミティブを利用して、接続管理サービスを実施する。
また、A-CommandプリミティブやA-Requestプリミティブに初期接続の種類を選択するパラメータを追加した場合には、CALM管理部112の機能を用いて初期接続を行うこともできるし、車々間通信管理サービス処理部2の機能を用いて初期接続を行うこともできる。
アプリケーション処理部3は、提供可能な状態になったアプリケーションの情報を、A-SetParamプリミティブを用いてCALM管理部112に登録し、提供不可能な状態になった場合は同プリミティブを用いてCALM管理部112から削除する。
<E−4.効果>
以上説明したように、実施の形態5のプロトコル構成を有する車載通信装置104は、CALM転送部111およびCALM管理部112を備えることにより、CALMのプロトコルを用いた場合の車載通信装置においても、実施の形態1のプロトコル構成の車載通信装置100と同様に、路車間通信システムと車々間通信システムの両方にサービスを提供できる車載通信装置を得ることが可能となる。
また、CALMプロトコルを用いた車載装置に車々間通信転送サービス処理部1および車々間通信管理サービス処理部2を備えることにより、CALMプロトコルでは提供できなかった輻輳制御サービスを実現することができる。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。

Claims (12)

  1. 移動局および基地局にそれぞれ搭載され、無線通信により前記移動局間および前記移動局と前記基地局との間で相互に受信側および送信側となる車載通信装置であって、
    前記車載通信装置は、
    前記受信側の前記車載通信装置に周期的にメッセージを送信するアプリケーション処理部と、
    前記アプリケーション処理部に接続され、前記アプリケーション処理部から受信した前記メッセージの再送や分割/組み立てを含むトランザクションサービスを少なくとも提供するトランザクション管理部と、
    前記トランザクション管理部に接続され、前記トランザクション管理部から受信した前記メッセージに、前記アプリケーション処理部を含む上位プロトコルを識別するためのローカルポート番号を付加する転送サービス処理部と、
    前記転送サービス処理部に接続され、前記転送サービス処理部から受信した前記メッセージを、前記アプリケーション処理部で処理されるアプリケーションの優先度順に前記受信側の前記車載通信装置に対して送信し、前記転送サービス処理部に対する前記メッセージを送受信し、エラー情報を含むイベント情報を通知する車々間通信転送サービス処理部と、
    前記車々間通信転送サービス処理部に接続され、前記車々間通信転送サービス処理部から受信した前記メッセージを、無線通信により前記受信側の前記車載通信装置との間で送受信する送受信サービス処理部と、
    前記アプリケーション処理部および前記車々間通信転送サービス処理部に接続され、前記アプリケーション処理部から前記優先度を設定され、前記車々間通信転送サービス処理部からの要求に応じて前記優先度を通知する車々間通信管理サービス処理部とを備え、
    前記トランザクション管理部および前記転送サービス処理部は、前記移動局と前記基地局との間での路車間通信を行うための路車間通信プロトコルを構成し、
    前記車々間通信転送サービス処理部は、前記受信側の前記車載通信装置に対して前記車々間通信管理サービス処理部の有する通信制御情報を通知し、
    前記受信側の前記車載通信装置は、
    前記車々間通信転送サービス処理部において、受信した前記メッセージに付与された前記通信制御情報を前記車々間通信管理サービス処理部に送信し、受信した前記メッセージは前記転送サービス処理部に送信される、車載通信装置。
  2. 前記送受信サービス処理部が、前記メッセージを送受信する際の送信電力、受信感度および通信チャネルの利用率を少なくとも含む前記通信制御情報を管理する送受信サービス管理部をさらに備え、
    前記車々間通信管理サービス処理部は、
    前記送受信サービス管理部との間に設けられ、前記送受信サービス管理部からの前記通信チャネルの利用率の取得、前記送受信サービス管理部に対する前記送信電力および前記受信感度の設定のための第1のインタフェースと、
    前記車々間通信転送サービス処理部との間に設けられ、前記通信制御情報を前記車々間通信転送サービス処理部に与える第2のインタフェースと、
    前記アプリケーション処理部との間に設けられ、周期的に送信される前記メッセージの送信周期を設定するための第3のインタフェースと、を有し、
    前記アプリケーション処理部は前記車々間通信管理サービス処理部を経由して、前記車々間通信転送サービス部に対する前記イベント情報の通知、前記受信側の前記送信周期、前記送信電力および前記受信感度を指定するメッセージの送信要求、前記送受信サービス管理部に対する前記送信電力および前記受信感度の設定を行う、請求項1記載の車載通信装置。
  3. 前記車々間通信転送サービス処理部は、
    前記車々間通信管理サービス処理部から取得した前記送信電力、前記受信感度および前記通信チャネルの利用率に前記送信周期の情報を加えて前記通信制御情報とし、前記転送サービス処理部から受信した前記メッセージに付加することで、前記受信側の前記車載通信装置に対して前記通信制御情報を通知し、
    前記受信側の前記車々間通信管理サービス処理部は、前記送信側の前記通信制御情報に基づいて、前記受信側の前記アプリケーション処理部からのメッセージを送信する際の送信電力、受信感度、送信周期を決定する、請求項2記載の車載通信装置。
  4. 前記送信側の前記車載通信装置の前記車々間通信管理サービス処理部は、
    前記受信側の前記車載通信装置との初期接続を行うためのメッセージを、前記アプリケーション処理部からの要求に応じて、前記車々間通信転送サービス処理部を経由して受信側の前記車々間通信管理サービス処理部に対して送信開始する、請求項1記載の車載通信装置。
  5. 前記車々間通信管理サービス処理部は、
    前記車々間通信転送サービス処理部を経由して、前記トランザクション管理部および前記アプリケーション処理部を含む上位プロトコルに対して、通信接続の状況および前記車々間通信管理サービス処理部内で発生したイベント情報を少なくとも通知する、請求項1記載の車載通信装置。
  6. 前記受信側の前記車載通信装置の前記車々間通信転送サービス処理部は、
    前記送信側の前記車載通信装置からの前記メッセージを受信し、前記メッセージに含まれる前記通信制御情報を前記車々間通信管理サービス処理部に設定し、
    前記受信側の前記車載通信装置の前記車々間通信管理サービス処理部は、
    前記通信制御情報が設定されることを契機に、前記送信側の前記車載通信装置に対して初期接続の接続手順を開始する請求項1記載の車載通信装置。
  7. 前記アプリケーション処理部は、
    アプリケーションの種類を前記車々間通信管理サービス処理部に登録し、
    前記車々間通信転送サービス処理部は、
    前記メッセージに付加されたローカルポート番号を利用して、前記車々間通信管理サービス処理部から前記アプリケーションの種類を取得し、識別することにより、前記アプリケーションの種類に応じた送受信処理を行い、路車間通信アプリケーションの場合には前記メッセージを車々間通信アプリケーションよりも優先的に前記送受信サービス処理部に送信する、請求項1記載の車載通信装置。
  8. 移動局および基地局にそれぞれ搭載され、無線通信により前記移動局間および前記移動局と前記基地局との間で相互に受信側および送信側となる車載通信装置であって、
    前記車載通信装置は、
    前記送信側から前記受信側に対して、路車間通信および車々間通信を利用してメッセージを送信するアプリケーション処理部と、
    前記アプリケーション処理部から受信した前記メッセージの再送や分割/組み立てを含むトランザクションサービス、前記アプリケーション処理部を含む上位プロトコルを識別するためのローカルポート番号の付加、および前記上位プロトコルに応じて前記メッセージの送信先を判別する路車間−車々間通信連携サービス処理部と、
    前記路車間−車々間通信連携サービス処理部から受信した前記メッセージを、前記アプリケーション処理部で処理されるアプリケーションの優先度順に前記受信側の前記車載通信装置に対して送信する車々間通信転送サービス処理部と、
    前記車々間通信転送サービス処理部を介して与えられる前記メッセージ、および前記路車間−車々間通信連携サービス処理部から直接与えられる前記メッセージに、識別のための識別子を付与して、無線通信により前記受信側の前記車載通信装置に送信する送受信サービス処理部と、
    前記アプリケーション処理部から前記優先度を設定され、前記車々間通信転送サービス処理部からの要求に応じて前記優先度を通知する車々間通信管理サービス処理部とを備え、
    前記路車間−車々間通信連携サービス処理部は、
    前記アプリケーション処理部から受信した前記メッセージを、路車間通信で送信するか、車々間通信で送信するかを判別し、前記路車間通信の場合には前記送受信サービス処理部に直接前記メッセージを与え、前記車々間通信の場合には前記車々間通信転送サービス処理部を経由して前記送受信サービス処理部に与え、
    前記受信側の前記車載通信装置の前記送受信サービス処理部は、
    前記送信側の前記車載通信装置から受信した前記メッセージに付与された前記識別子に基づき、前記メッセージを、路車間−車々間通信連携サービス処理部または車々間通信転送サービス処理部に送信する車載通信装置。
  9. 前記車々間通信転送サービス処理部は、路車間通信アプリケーションのメッセージを受信したことを、前記車々間通信管理サービス処理部に通知し、
    前記車々間通信管理サービス処理部は、前記路車間通信アプリケーションのメッセージの受信を契機に、車々間通信アプリケーションのメッセージを送信する際の前記送信電力および前記送信周期を制御することにより、路車間通信アプリケーションのメッセージを優先的に送受信する、請求項1記載の車載通信装置。
  10. 移動局および基地局にそれぞれ搭載され、無線通信により前記移動局間および前記移動局と前記基地局との間で相互に受信側および送信側となる車載通信装置であって、
    前記車載通信装置は、
    アプリケーションから受信したメッセージを、アプリケーションの優先度順に前記受信側の前記車載通信装置に対して送信し、アプリケーションに対するメッセージを送受信し、エラー情報を含むイベント情報を通知し、送信電力、受信感度、通信チャネルの利用率に送信周期の情報を加えて通信制御情報とし、アプリケーションから受信したメッセージに付加することにより前記受信側の前記車載通信装置に対して前記通信制御情報を通知する車々間通信転送サービス処理部と、
    アプリケーションおよび前記車々間通信転送サービス処理部に接続され、アプリケーションから優先度を設定され、前記車々間通信転送サービス処理部からの要求に応じて前記優先度を通知し、前記通信制御情報に基づいてメッセージを送信する際の送信電力、受信感度、送信周期を決定および設定し、前記車載通信装置との初期接続を行うためのメッセージをアプリケーションからの要求に応じて、前記車々間通信転送サービス処理部を経由して前記受信側の前記車々間通信管理サービス処理部に対して送信する車々間通信管理サービス処理部とを備え、
    前記車々間通信転送サービス処理部は、前記受信側の前記車載通信装置に対して前記車々間通信管理サービス処理部の有する通信制御情報を通知し、
    前記受信側の前記車載通信装置は、
    前記車々間通信転送サービス処理部において、受信した前記メッセージに付与された前記通信制御情報を前記車々間通信管理サービス処理部に送信し、受信した前記メッセージをアプリケーションに送信する、車載通信装置。
  11. 移動局および基地局にそれぞれ搭載され、無線通信により前記移動局間および前記移動局と前記基地局との間で相互に受信側および送信側となる車載通信装置であって、
    前記車載通信装置は、
    前記受信側の前記車載通信装置に周期的にメッセージを送信するアプリケーション処理部と、
    前記アプリケーション処理部に接続され、前記アプリケーション処理部から受信した前記メッセージの送信を行うとともに、前記アプリケーション処理部から受信した前記メッセージに、前記アプリケーション処理部を含む上位プロトコルを識別するためのアプリケーション番号や提供可能なアプリケーション一覧および利用可能な周波数チャネル情報を付与する転送部と、
    前記転送部に接続され、前記転送部から受信した前記メッセージを、前記アプリケーション処理部で処理されるアプリケーションの優先度順に前記受信側の前記車載通信装置に対して送信し、前記転送部に対する前記メッセージを送受信し、エラー情報を含むイベント情報を通知し、送信電力、受信感度、通信チャネルの利用率に送信周期の情報を加えて通信制御情報とし、アプリケーションから受信したメッセージに付加することにより前記受信側の前記車載通信装置に対して前記通信制御情報を通知する車々間通信転送サービス処理部と、
    前記車々間通信転送サービス処理部に接続され、前記車々間通信転送サービス処理部から受信した前記メッセージを、無線通信により前記受信側の前記車載通信装置との間で送受信する送受信サービス処理部と、
    前記送受信サービス処理部が、前記メッセージを送受信する際の送信電力、受信感度および通信チャネルの利用率を少なくとも含む前記通信制御情報を管理する送受信サービス管理部と、
    前記アプリケーション処理部と前記車々間通信転送サービス処理部と前記送受信サービス管理部に接続され、前記アプリケーション処理部の情報を管理するとともに、前記アプリケーションの要求に応じて接続管理サービスを開始する管理部とを備え、
    前記管理部は、
    前記アプリケーション処理部から前記優先度を設定され、前記車々間通信転送サービス処理部からの要求に応じて前記優先度を通知し、前記通信制御情報に基づいてメッセージを送信する際の送信電力、受信感度、送信周期を決定または設定する車々間通信管理サービス処理部を含み、
    前記転送部および前記管理部は、前記移動局と前記基地局との間での路車間通信および車々間通信を行うためのプロトコルを構成し、
    前記車々間通信転送サービス処理部は、前記受信側の前記車載通信装置に対して前記車々間通信管理サービス処理部の有する前記通信制御情報を通知し、
    前記受信側の前記車載通信装置は、
    前記車々間通信転送サービス処理部において、受信した前記メッセージに付与された前記通信制御情報を前記車々間通信管理サービス処理部に送信し、受信した前記メッセージは前記転送部に送信される、車載通信装置。
  12. 請求項1、請求項8、請求項10および請求項11の何れかに記載の車載通信装置により構成され、前記移動局間および前記移動局と前記基地局との間での無線通信を行う、路車間−車々間通信連携システム。
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