JP4999227B2 - Soi基板を使用した懸垂梁の形成及びその振動式ジャイロメータの製作への応用 - Google Patents

Soi基板を使用した懸垂梁の形成及びその振動式ジャイロメータの製作への応用 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の属する技術分野)
本発明は、微小機械加工の改良、特に、モーション・センサーの製作における改良に関する。
【0002】
(発明の背景)
微小機械加工技術を使って微小機械式センサーを製造することは、既に知られている。特に、GB2,276,976には、センサーを製造する方法が開示されており、そこではシリコンウェーハの表面に凹部が形成されている。この第1のウェーハの表面には第2のウェーハが接着され、第2のウェーハは、第1のウェーハの凹部の上方に位置する部分が切り離されるようにエッチングされる。こうして、第1ウェーハ内の凹部上に懸垂型共鳴部が形成される。
【0003】
又、WO95/08775は、基板上にシリコン層が形成される構造を開示している。シリコンは、シリコンの凹部上に懸垂型共鳴部が形成されるようにエッチングされる。
【0004】
微小機械式センサーの1つには、回転速度を計測する振動式ジャイロメータがあり、車輌制御、頭脳軍需品、ロボット工学、仮想現実、レジャー、医学等多方面に応用されている。
【0005】
(発明の概要)
本発明の第1の態様によれば、上部に絶縁層が形成され、その絶縁層に第2ウェーハが接着されている第1ウェーハを持ってくる段階と、
a)第1ウェーハ又は第2ウェーハの何れかを、その一方のウェーハ(エッチングされるウェーハ)内に絶縁層に隣接して終わるチャネルが形成されるように、パターニングし、引き続いてエッチングする段階と、
b)エッチングされたウェーハに隣接する絶縁層の部分を除去して、所定のサイズ以下のエッチングされたウェーハの部分、即ち懸垂部分が、他方のウェーハの上方に実質的に自由に懸垂されているようにするために絶縁層をエッチングする段階とから成る微小機械式センサーを製作するための方法が提供されている。
【0006】
本方法は、微小機械式センサー又は微小機械式アクチュエータを製造するために使用されることが望ましい。
【0007】
このような方法では、所定のサイズ以上あるエッチングされたウェーハの部分は、絶縁層を介して前記他方のウェーハに結合した状態のまま残される。こうして、このように形成された微小機械式センサーは、懸垂部分と絶縁層により他方のウェーハに繋がった部分との両方を備えている。
【0008】
エッチング中、エッチング剤は一般的にはそれが接する目標材料の自由表面をエッチングする。従って、ある体積のターゲット材料がエッチング剤に曝されている場合、当該材料はエッチング剤に接する各側からエッチングされることになる。エッチング剤がターゲット材料を完全に除去するのに費やされる時間は、当該体積部の縁部から当該体積部の中心までの最短距離によって決まる。このようなわけで、長くて薄い形状は同じ体積の正方形状に先んじて除去されることになる。従って、それ以上あれば、懸垂部分が他方のウェーハから分離された状態となることになる所定のサイズというものは、エッチングされる絶縁層の体積寸法によって異なる。
【0009】
処理の段階b)は、単一のパターニング及びエッチング工程であってもよければ、一連のパターニング及びエッチング工程であってもよい。
【0010】
絶縁層は、犠牲層でもあり固着層でもあると捉えることができる。しかしながら、当業者は、絶縁層は絶縁特性を有しておりその特性が利用できると理解されるであろう。
【0011】
本発明の第1の態様による方法は先行技術よりもより簡単に使える。結果的に処理の複雑性が低減されるので、犠牲表面微小機械加工(SSM)と伝統的バルク微小機械加工(TBM)双方の技術にとって都合がよい。
【0012】
本発明は、エッチングされたウェーハに形成される構造において、複数の層が堆積される表面微小機械加工(SSM)又は他の様式の(絶縁体上にシリコンがある)SOIプロセッシングを用いる先行技術よりも深度をより深く形成することができる点で更に都合がよい。堆積層の深度限界は通常10μm−20μmの間にある。本方法により達成される深度まで材料を確実に堆積させることは不可能であった。例えば堆積によって材料をつくる場合、材料の均一性を制御するのが困難で、通常はウェーハ全体で5%の誤差が生じるという問題がある。更に、その処理により絶縁層が埋もれてしまう。
【0013】
更には、堆積層の厚さが増すにつれ、堆積材料の層内の内部応力が増し、結果的に堆積した材料自身の堆積層がその下の材料から離層するという事態にいたることもある。本発明は、深度が実質的に2mmまでの構造を製作するのに使用できる。深度は2.5mm、3mm、3.5mm又は4mmまで増すことが可能であろう。
【0014】
構造は深いほど堅く、従ってより良好な機械特性を得られることから、構造の深度は深いほど有益であるということが当業者には理解されるであろう。更に、単結晶材料から製作された構造の方が、形成された構造内に多数の有益な特性が生まれることから、堆積型の材料からよりも製作された構造よりも都合がよい。
【0015】
当業者には、本方法の開始工程に合致するウェーハ、即ち絶縁層を間に挟んだサンドイッチ構造の2層のウェーハを購入できることは自明であろう。従って、本プロセスの開始点は市販されているサンドイッチ構造ということになる。本方法は、そうはいうものの、第1のウェーハ上に絶縁層を作成し、引き続きその絶縁層に第2のウェーハを接着するという段階を含んでいてもよい。
【0016】
更に、表面にシリコン層と絶縁層を設けたウェーハの費用は、余分な層が設けられていないウェーハの費用より高くつくことも理解できるであろう。本発明の利便性を組み合わせれば、標準ウェーハに比べ割高となる余分な層を備えたウェーハの費用を相殺して余りあるだろう。
【0017】
前記一方の層によって画定される懸垂部分と前記他方の層との間隙は絶縁層の厚さにより決まるので、第1及び第2のウェーハの間に介在する絶縁層の厚さを調整することによりこの間隙を調整することができることが、当業者には理解頂けるであろう。絶縁層の厚さは、実質的には10nmから20μmの範囲になるであろう。絶縁層の厚さは100nmから10μmであれば尚望ましい。最も好適な実施例では、この厚さは実質的には1μmから5μmの範囲にある。厳密には、実質的に1.5μmから3μmの層厚が適している。
【0018】
第1のウェーハは、後続の処理を経て構造体が形成されるメカニカルウェーハであるのが望ましい。メカニカルウェーハ上に絶縁層を形成する利点は、後続の処理(例えばエッチング処理)のために清浄なインタフェースが形成されるということある。
【0019】
更に、第1ウェーハをメカニカルウェーハとすれは、このメカニカルウェーハからその後に製作されるデバイスが、単結晶構造のウェーハから製作されることになるという点で好都合である。これが有利であることについては先にも論じたように、つまり、先行技術による方法で多結晶材料から作成された構造に比較した場合、単結晶から製作されたデバイスの信頼性はより高く、製作された共鳴デバイスの品質因子もより高くなるという傾向にあることである。しかしながら、単結晶のウェーハはしばしば異方性特性を呈するので、設計の段階で異方性を考慮に入れる必要があると考えられる。異方性特性は、材料の結晶配向及びその結晶のカットの精度に左右される。
【0020】
第2のウェーハは、微小機械式センサーの支持体として設けられる基板又はハンドルウェーハであることが望ましい。
【0021】
無論、第1のウェーハが基板又はハンドルウェーハで、第2のウェーハが後続処理(例えばエッチング)を受けるメカニカルウェーハであってもよい。このような構造は可能であるが、メカニカルウェーハと絶縁層とのインタフェースは、接着を施される箇所となるので、品質の低下する可能性が高い。
【0022】
本発明の方法を開始するに際し、使用可能なサンドイッチ構造を提供できる会社の1つとしては、BT11 8BU、ベルファストのBCOテクノロジー(NI)社が挙げられる。
【0023】
本方法は、ウェーハ(第1又は第2のウェーハの何れか)を所望の厚さまでエッチングする追加の研磨段階を含んでいてもよい。この研磨工程は、第2ウェーハを絶縁層へ接着する工程の一部として、又は本方法のa)段階が実施される前の追加工程として行なうことができる。これは、本方法により然るべく形成される微小機械式センサーが正確な厚さに仕上げられる点で好都合である。研磨工程は、機械的手段(例えば研削)により行なってもよいし、化学的手段(例えばエッチング)により行ってもよく、或いは機械的手段と化学的手段を組み合わせて行ってもよい。
【0024】
本方法は、研磨されるウェーハが、他方のウェーハと絶縁層の組み合わせにより全面積に亘って支えられる点で都合がよい。先行技術による方法では、全面積に亘っては支えられていないウェーハを研磨した場合、支持されていない部分が挫屈することもあった。
【0025】
本発明のa)段階の間に、エッチングされるウェーハにチャネルをエッチングするためにウェットなエッチング薬剤が使用され、等方性又は異方性のプロフィールが作り出される。
【0026】
代替的又は追加的に、ドライエッチングを使ってもよい。このドライエッチングは、幅に対する深度のアスペクト比をウェットエッチングの場合よりも大きくとれることから都合がよい。また、ドライエッチングを使用すると、最小機構寸法が縮小でき機構の密度が増す。厳密には、サーフェス・テクノロジー・システムズにより生み出されたフッ素ベースの誘導結合プラズマを使用した進化型シリコンエッチング(ASE)システムのようなディープドライエッチングが使用できる。
【0027】
更には、実装密度は、ドライエッチングを使用することにより、単価を低くすることができるTBMに付帯するウェット処理の場合よりも大きくすることができる。
【0028】
ドライエッチングを使用すると、以下の点でさらに有利である。エッチングのアスペクト比が増すので、微小機械式センサーの深度も先行技術による構造に比較してより深まる。従って、本発明のb)段階の間に実質的に自由となる所定断面積以下の部分(懸垂部分)の質量は、SSM技法により形成された同種の構造の質量よりも大きくできる。懸垂構造にとって高い質量を有するということは、センサーとしての感度が増すということから有利である。懸垂構造の質量は、伝統的なSSM技法により設けられる構造と比較してはるかに大きくできる。
【0029】
a)段階のエッチング用のマスクは、エッチングされる区域が実質的に等しい断面積とパターン密度を有するように最適化されることが望ましい。これは、強いドライエッチング剤を使用する場合は重要であり、即ち、このようなシステムに対するエッチングの速度は断面積とパターン密度により決まるので、断面積又はパターン密度が異なる領域が使われた場合、それらは異なる速度でエッチングされることになるからである。
【0030】
本方法は、好適に、懸垂部分とエッチングされたウェーハの残り部分との間に支持帯を設ける段階を含んでいる。これら支持帯は、懸垂部分が他方のウェーハから(絶縁層を除去することにより)解放されたときに、支持帯によりその場に保持されることから都合がよい。支持帯は、エッチング処理の後そのまま残っているエッチングされたウェーハの部分を備えている。
【0031】
本方法のa)段階の高アスペクト比エッチング処理は、先行技術による方法で製造された場合の支持帯に比較すると、当該支持帯の垂直方向の剛性が増すという点でも有利である(深度が浅い先行技術に比較してここでは高さ対幅の比がより大きくなる)。
【0032】
支持帯にとって剛性が増すということは、共鳴センサーにとっては振動の寄生モードが低減されるという点で都合がよい。即ち、センサーがデカルト座標系のz−軸方向に高剛性になっていると、x−軸及びy−軸方向に対するクロストークが低減される。更には、剛性が増すと、懸垂部分がエッチングされていないウェーハに貼り付くおそれが低くなる点で都合がよい。
【0033】
本発明のb)段階で使用されるエッチング剤はウェットエッチング薬剤であってもよい。代替的又は追加的に、b)段階で使用されるエッチング剤は、蒸気又は気体性のエッチング剤のようなドライエッチング剤でもよいし、或いはプラズマ又はイオンビームであってもよい。
【0034】
処理によっては、本方法のb)段階に蒸気エッチング剤を使用するのが好ましい場合もある。ウェットエッチング剤を使用する場合には、エッチング剤が乾くにつれ表面張力効果のせいで懸垂部分が他方のウェーハ又は所定の断面積以上のエッチングされたウェーハの部分に対し貼り付きを起こしてしまうスティクション問題が持ち上がることも考えられる。気相エッチングの結果として残留物(例えばHFガス)が形成されることもあるが、これは絶縁層内のドーパント(例えば亜リン酸ドーパント)に起因するものである。
【0035】
本方法は、絶縁層のエッチングされた区域を別のガス又は気相剤、例えば水蒸気などで清浄して残留物を除去する段階を含んでいてもよい。懸垂部分と第1及び第2ウェーハの残り部分との間にウェット面があることに附随するスティクション問題(即ち、ウェットエッチング剤を使用することに伴うスティクション問題)は、従って排除又は縮小される。
【0036】
本構造は、清浄処理の間は、使用中の蒸気の沸点よりも実質的に高い温度に保持される。好適な実施例においては、清浄処理の間は、本構造は実質的に100℃より相当高い温度に保持される。本構造は大凡150℃に保持されることになろう。好適な実施例として使用される蒸気が水蒸気である場合は、これにより水蒸気が凝縮して表面を濡らしスティクション問題を引き起こす可能性を確実に退けることができる。実施例によっては、使用される水蒸気は更に過熱され、大凡200℃以上にまで昇ることもある。
【0037】
b)段階の実行に先立ち、エッチングされたウェーハ内に作成されたチャネルのうち幾つかを(充填材料を使って)再充填することもできる。これにより、所定断面積以下の小さな造形部が所定断面積以上の造形部に横方向に繋がることになり、両者はメカニカルウェーハとハンドルウェーハの間の犠牲絶縁層が部分的に除去されても、定位置に保持されるようになるので有用である。
【0038】
チャネルが再充填されると、再充填されたチャネル上に、又はそれを横切って表面層(例えばメタライゼーション)を堆積することもできる。これは、メタライゼーションが、何もしなければチャネルにより機械的及び電気的に隔離されることになる、電気的に隔離された部分に到達することができる点で有利である。
【0039】
チャネルの再充填に使用される材料は、周辺ウェーハ上に低応力層として堆積できるので都合がよい窒化物であってよい。この窒化物はPECVDにより設けられることが望ましい。窒化物は窒化ケイ素であってもよい。
【0040】
言うまでも無く、当業者には、チャネルの再充填に使用される材料は窒化物以外の材料であってもよいことは自明であろう。実際、ポリイミドのようなポリマー又は感光性材料も再充填材料に適している。ポリイミド又は感光性材料は、チャネル上に電気的経路を形成する必要があるような状況において都合がよい。本方法には、電気的経路が作成された後に、チャネルを再度作成するために再充填材料を除去する段階が含まれている。ポリイミドはPIQであってもよい。
【0041】
代替的又は追加的に、チャネルは、ポリシリコン及び/又はウェーハを製作する材料の酸化物(以後、酸化物と称する)で再充填することができ、その何れかがTEOS又はPECVDのような処理により堆積されることになる。
【0042】
再充填材料はボイドを含んでいてもよい。再充填材料の品質が必ずしも高くなくてよいことは当業者には自明であろう。
【0043】
第1ウェーハの表面に絶縁層が形成されるときに、その絶縁層には、埋め込まれた或いは覆われた接点が設けられる。絶縁層内に埋め込まれた接点は、以下の材料、即ち、ポリシリコン、ケイ化物、の内の少なくとも1つから形成することができる。言うまでもなく、接着処理に関わる温度に耐えることができるのであれば他の導体も使用できることは当業者には理解されるであろう。
【0044】
懸垂部分を架橋する電気的接続部を作る必要があることは、当業者には自明であろう。このような状況では、本発明のb)段階が実行される前又は後に接続部に対する対策を講じる必要がある。このような接続部は「微小機械加工に関する改良」と称する、本出願と同日に出願された我々の同時係属出願により作ることができる。
【0045】
第1及び第2のウェーハは半導体から作られることが望ましい。第1及び第2ウェーハはシリコンから設けられることが最も望ましい。
【0046】
本方法は、好ましいことに、GMOS処理と完全に共存性がある。本方法は、センサーが必要な演算処理電子機構を備えた単体パッケージ中に設けられるように、センサーに集積回路を結合して設ける段階を含んでいてもよい。
【0047】
第1ウェーハと第2ウェーハとの間の絶縁層は、2つ以上の材料から構成してもよい。異なる材料は積層状態に配設してもよい。ある実施例では、3つの層が2つの材料で作られている。別の実施例では、4つの層が3つの材料で作られている。
【0048】
絶縁層の形成に異なる材料が使用される場合、各材料又はそのうちの幾つかの材料は、異なるエッチング速度を有していてもよい。
【0049】
絶縁層を形成する材料は酸化物である。更に、絶縁層を形成する材料はドーピングされた酸化物でもドーピングされていない酸化物でもよい。少なくとも1層はドーピングされていない酸化物で、少なくとも1層はドーピングされている酸化物であるのが望ましい。最も好ましい実施例では、ドーピングされていない2層の酸化物層の間にドーピングされた1層の酸化物層が挟まれて設けられる。この最も好ましい実施例では、絶縁層内に窒化物の層が設けられる場合も設けられない場合もある。
【0050】
他の実施例では、絶縁層は少なくとも1層の窒化物層から形成されている。このような窒化物層はドーピングされていてもされていなくともよい。少なくとも1層はドーピングされている窒化物で、少なくとも1層はドーピングされていない窒化物であるのが望ましい。実際に、ドーピングされている2層の窒化物層の間にドーピングされていない1層の窒化物層を挟んでもよい。
【0051】
更に別の実施例では、絶縁層はポリマーをベースとしたものでよく、例えばポリイミドでもよい。以下の層、即ち、導電層、絶縁層、半導体層、ポリマー層のうち何れかのサンドイッチ構造として絶縁層を設けることができる。
【0052】
絶縁層を複数の層として設けると、懸垂部分が残りの部分から解放されるのを助けるので有利である。当業者には理解されているように、ドーピングされた酸化物はドーピングされていない酸化物よりも速くエッチングされる。従って、ドーピングされていない2層の酸化物層の間にドーピングされた酸化物層を1層介在させると、真中の層、即ちドーピングされた酸化物層はより速くエッチングされる。絶縁層のエッチングの時間を制御することにより、中間のドーピングされた酸化物層が全て除去され、ドーピングされていない酸化物層がまだ残っている時点でエッチングを止めることができる。ドーピングされていない酸化物の部分は、懸垂部分と残りの部分との間のスティクションを防止しようとする。即ち、残されたドーピングされていない酸化物の部分は、解放処理後の(表面張力による)貼り付きを防止するのを助ける。残されたドーピングされていない酸化物の部分は、接触面の面積を低減する連続した隆起部であると捉えることもできる。
【0053】
更に、堆積による層の方が熱成長層よりも成長が速いので、堆積処理(PECVD法が考えられる)により絶縁層を設けるのが有利である。また、PECVD処理は、引張又は圧縮応力の何れかが絶縁層内に残るように調整することができる。従って、複数の層が堆積される場合は、本方法は、圧縮層の次に引張層が配される(又はその逆に配される)ようにして、組み合わせられた層内では応力が実質的にゼロになるように、絶縁層を堆積する段階を含んでいてもよい。無論、先に論じたように、2層より多くの層を堆積してもよい。
【0054】
絶縁層内の層の材料を選定することにより、第1ウェーハと第2ウェーハの間の歪みを排除することが可能であり、即ち、異なる層に分与された歪みを相殺することによりウェーハに対して付与された歪みが正味ゼロとなるのである。
【0055】
残りのドープされていない酸化物の部分は、懸垂部分の中心領域にあるか、或いは懸垂部分を通して形成されたチャネルの間にある(アクセス孔と捉えることができる)。
【0056】
ドーピングされていない層と境界を接するドーピングされた層を有することの更なる利点は、ドーピングされていない層の厚さが十分であれば、ドーピングされていない層が、第2ウェーハを絶縁層へ接着する間にドーパントがウェーハ内に移動するのを防ぐバリヤの役目を果たすという点にある。
【0057】
窒化物層及び酸化物層は、通常、シリコン層よりもスティクション係数が低いので、そのような層を設けておけば、懸垂部分がより容易に解放できるようになる。更には、窒化物層は絶縁体であり、エッチング剤が選択できる場合、設けられた酸化物層を除去するために使用されるものと同じウェットエッチング剤によってエッチングされることはない。従って、窒化物層が設けられていれば、絶縁層内に設けられた酸化物層のエッチングの間、窒化物層はそのまま残ることになる。このようなわけで、一旦実質的に解放されると、エッチングされたウェーハの懸垂部分は、絶縁層である他の層が実質的に除去されようとも、窒化物層のおかげで、たとえ懸垂部分がエッチングされていないウェーハと接触することがあっても、エッチングされていないウェーハから電気的に絶縁されることになる。
【0058】
絶縁層内に設けられる層はプラズマ化学蒸着法(PECVD)を用いて形成されるのが望ましい。先に述べたように、このような層は他の技法により設けられた層よりもエッチングの速度が速い。又、PECVDは他の処理に比較して相対的に低い温度で起きるので、絶縁層内の応力が低くなる。厳密には、絶縁層は、PECVDの後にアニール段階を用いて作られる。アニール段階は、本方法の収率を改善するので有利である。実際に、幾つかの実施例では急速な熱アニーリングが使用され、そのような場合には絶縁層が短期間高温に曝される。
【0059】
(熱で成長させる層に対比して)堆積させた層を使用することは、堆積層の方が、エッチングがより速い、おそらく熱成長型の層よりも2倍程度速いという点で有利である。
【0060】
更には、ドーパントは堆積層を低温で再流動化させ更にエッチング速度を上げるので、ドーパントを堆積層に含ませておくことが望ましい。堆積層に含ませておくのに適するドーパントとしては、亜リン酸、ボロン、アンチモニー、ヒ素、ゲルマニウムの何れでもよい(但し、これらに限定されない)。
【0061】
アニーリング処理を用いれば、第2ウェーハを、LPCVD(低温度酸化物)処理で堆積されている、酸化物を堆積して作成された絶縁層に接着することができる。堆積された層は熱により成長させる層よりもエッチングが早いという傾向があるので、熱成長によるのではなくむしろ(PECVD又はLPCVDのような)堆積処理により絶縁層を設けるのが望ましい。
【0062】
b)段階でエッチングされるウェーハの厚さにより、本方法により形成されるセンサーの構成要素の厚さが定まるということは当業者には自明であろう。エッチングされるウェーハの厚さは、b)段階の開始時には、実質的には1μmから1mmの範囲にある。エッチングされるウェーハの厚さは、b)段階の開始時には、実質的には10μmから200μmの範囲にあることがより望ましい。
【0063】
本方法は、例えばエッチング処理を使ってウェーハを局部的に薄くすることにより、周辺のウェーハよりも薄いセンサーの構成要素を作り出すことができる。
【0064】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様の方法により製作される微小機械式デバイスが提供される。
【0065】
本デバイスは、以下のもの、即ち、ジャイロメータ、加速計、共振器、アクチュエータ、センサー、他の微小部品、共振ビーム、その他の共振又は微小機械式センサーのうちの何れであってもよい。アクチュエータ、又はセンサーとアクチュエータが合体したもの(例えば、外部環境を測定し外部環境と対話することができる微小ロボット)を製造することも可能である。本デバイスは共振器を組み入れることができる。
【0066】
本発明の第3の態様によれば、
a.絶縁層を第1ウェーハの最も上の面上に形成する段階と、
b.前記絶縁層の一部をエッチングする段階と、
c.第2ウェーハを前記絶縁層に接着する段階と、
d.前記ウェーハの内一方の最も底の面をエッチングし、エッチングされるウェーハは、前記絶縁層のエッチングされた部分に隣接する領域において、エッチングされたウェーハの一部が、前記第1及び第2ウェーハの残りの部分から実質的に解放される(懸垂部分となる)ことになる段階とから成る、微小機械式センサーを製作する方法が提供される。
【0067】
第2のウェーハが接着された後に絶縁層の部分を除去するためのエッチング段階はこの方法では全く必要でないので、ウェーハの残りの部分に対する懸垂部分のスティクションに伴う問題は回避される。
【0068】
最下面がエッチングされるウェーハは、第1ウェーハであるのが望ましい。これは、第1ウェーハと絶縁層の間のインターフェースが(絶縁層が第1ウェーハ上に形成されているため)より清浄であるので有利なのである。
【0069】
本方法は、a)段階の前に、ウェーハの表面近傍に上端部を有し当該上端部から遠位に下端部を有するマーカーチャネルが、第1ウェーハに、望ましくはウェーハの面に対して実質的に垂直に、エッチング形成される段階を含んでいてもよい。これらのマーカーチャネルは、マーカーチャネルが作成されるウェーハの深度と実質的に等しい深度を有していてもよい。マーカーチャネルは、本方法により生産されるセンサーの深度と実質的に等しい深度を有していてもよい。これらのマーカーチャネルは、残りのプロセスに対するアラインメントマーカーとして機能し、造形部をウェーハの裏面からウェーハの表面に整列させることができるので有用である。実際に、そのように整列した造形部をウェーハの背面に埋め込むことができる。
【0070】
a)段階の前に、マーカーチャネルを作成する段階に加えて、ウェーハの他の部分をパターニング及びエッチングにより除去してもよい。これにより、その後にウェーハの表面からエッチングされるときに、ウェーハの一部を薄く(即ち深度を浅く)することができる。このようなシニングの効用として、デバイスの感度軸をウェーハの面外になるように製作することができるようになる。
【0071】
先にも述べたように、ある部分が、デカルト座標のz軸に沿う第1の方向に高い剛性を有していれば、x及びy軸へのクロストークは低減される。従って、z軸の剛性を下げることにより、デバイスの感度はx及びy軸方向に調整することができる。本方法は、感度を望むように調整する段階を含んでいてもよい。
【0072】
ある材料で、第1のウェーハに形成された何れのチャネルでも充填することができる。プロセスのa)段階の間に形成された絶縁層で、第1ウェーハに形成された何れかのチャネルを充填することが望ましい。
【0073】
本方法は、c)段階とd)段階の間に、第1ウェーハが所望の厚さまで研磨されるという別の段階を含んでいてもよい。研磨は、機械的(おそらくダイヤモンドペーストを使用)又は化学的、或いは機械的及び化学的エッチングの組み合わせでもよい。当業者には、第1ウェーハが研磨される場合、研磨されるのは最下面、即ち絶縁層の無い面であるということは理解頂けるであろう。
【0074】
好適な実施例では、ウェーハを研磨することにより、マーカーチャネルの下端部分が現れるように、第1ウェーハの少なくとも一部が除去される。これでウェーハの最下部にマーカーチャネルが見えるようになるので、都合がよい。当業者には、本方法のc)段階の後、第1ウェーハの最上面が絶縁層と絶縁層に接合された第2ウェーハの双方により覆われ、従って第1ウェーハにエッチング形成された(アラインメントマーカーとして機能する)チャネルは覆われてしまうことが理解頂けよう。チャンネルの深度をセンサーの深度と同じかそれ以上にしておけば、研磨プロセス中にチャネルをもう一度見えるようにして、チャネルを使ってd)段階のエッチング処理を整列させることができるようになる。
【0075】
本発明の第1の態様の方法を使えば、絶縁体上にシリコンのある(SOI)ウェーハを事前製作できるので、a)及びb)段階のプロセスを予形成することができる。
【0076】
本方法は、b)段階とc)段階の間に、エッチングされてしまった絶縁層の部分が充填材で再度充填されるという別の段階を含んでいてもよい。充填材は、本方法のd)段階の間のウェーハ材料のエッチング速度と実質的に等しいエッチング速度を有する材料でもよい。充填材は、ウェーハと実質的に同じ材料(例えばウェーハがシリコンであれば、充填材料はポリシリコン)でもよい。代わりに、充填材は、導電性材料、例えばケイ化物又はTiWであってもよい。d)段階のエッチングは、絶縁層内のエッチングされ再充填された部分と同時に行なわれるのが望ましい。
【0077】
SOI構造のウェーハを通してある一定の高アスペクト比エッチングが行われる際には、エッチングが度を超えてしてしまうと、エッチングが絶縁層に達してしまうので、エッチングが進行しているウェーハは損傷(例えばドーム形成)を受けることもありうることが知られている。これは、エッチングが絶縁層に到達するので起きるのである。低いエッチング速度がチャージング効果と組み合わさると、イオンが材料の接合点でドーム形成を起こすのである。充填材がウェーハと同じ材料であれば、充填材が主ウェーハの部分であるかのようにエッチングされ、ドーム形成は起きても極僅かであるか或いは全く起きないであろう。又、充填材が導電体である場合、イオンの電荷は導電体により運び去られ、従って、イオンを側壁に向けて加速させるチャージング効果が抑えられることによりこの問題も軽減される。従って、絶縁層の一部を除去して再度充填することの利点は、ここに説明したように、過剰なエッチングが起こり得る場合でも、ウェーハを傷つけるのではなく、再充填材料をエッチングするに留まるということである。
【0078】
本発明の第4の態様によれば、
a)ウェーハの最も上の面に、前記ウェーハの面と実質的に直角に、前記ウェーハの最も上の面に隣接する最上端部と前記最上端部から遠位の最も底の端部とを有するチャネルを形成する段階と、
b)前記ウェーハの表面に、前記チャネルを充填する層を設ける段階と、
c)前記ウェーハを、最も裏の面から、少なくとも、前記チャネルの前記底の端部が、前記ウェーハの前記最も裏の面を通して剥き出しになるまで、研磨する段階とから成る、アライメントマーカーを形成する方法が提供される。
【0079】
この方法は、初期プロセスがウェーハの最上面において実行され、後続のプロセスがウェーハの最も裏の面において行なわれ、その際、ウェーハの両側の処理段階がウェーハを貫通するアラインメントマーカーを使用することにより整列させられるという点で有用である。
【0080】
ウェーハの表面に設けられる層は酸化物でも窒化物でもよいが、プラズマ化学蒸着法(PECVD)又はLPCVD法により設けることができる。言うまでもなく、当業者には、既知の微小機械的技法を使用することにより他にも多数の層を設けることができることは自明であろう。更には、PECVD以外にも多くの堆積技法により層を設けることができる。ウェーハの表面に設けられた層は、ポリイミド、フォトレジストの何れでもよい。
【0081】
本発明の第5の態様によれば、
a)異なるエッチング速度を有する少なくとも2つの材料のサブ層から製作される絶縁層によって分離された2つのウェーハを提供する段階と、
b)エッチング時間が、確実に、少なくとも1つのサブ層はエッチングされている部分から実質的に完全に除去され、少なくとももう1つのサブ層はエッチングされている部分に部分的にエッチングされないで残るように制御されて、前記絶縁層の一部を除去するために前記絶縁層をエッチングする段階とから成る、少なくとも2つのウェーハの一部分を分離する方法が提供される。
【0082】
本方法は、絶縁層の除去の間に発生し得る、2つのウェーハ間のスティクションにより生じる問題を低減することができる点で有用である。
【0083】
エッチングされずに残るサブ層の部分は、除去されている絶縁層の部分によって覆われる面積に比較して、断面積がより小さくなるように設けられる。おそらく、エッチングされていない部分は、エッチングされている部分の、実質的には10%未満か、5%未満というところだろう。当業者には、スティクションは断面積の関数であるので、面積が著しく縮小されれば、2つのウェーハ間に生じるスティクションの量も大幅に軽減されることが理解されよう。
【0084】
本発明の第6の態様によれば、材料の第1部分を材料の第2部分から分離する方法において、
両部分間をエッチングするためにドライエッチングプロセスを使う段階と、
続いて、残っているあらゆる残滓をエッチング部から除去洗浄するためにドライ剤を使用する段階とから成る方法が提供される。
【0085】
第1部分及び第2部分は同一材料でもよいし異なる材料であってもよい。実際に、ドライエッチングは第1部分とも第2部分とも異なる材料をエッチングするために用いられる。実際に、このようなプロセスは、ここで説明したように2つのウェーハの間から絶縁層をエッチングするために使用される。
【0086】
隣接する2つの部分を分離する先行技術による技法は、製作工程で2つの部分の間に残留した液体により生じるスティクションと表面張力によってその部分が互いに張り付くという問題に直面した。明らかなように、ドライ剤を使えば、両部分の間に液体が残ることもないので、スティクションと表面張力の問題は克服できる。
【0087】
ドライエッチングプロセスにはHFガスを使用してもよい。第1及び第2部分とエッチングされる材料の間のエッチングの選択性が十分に高ければ、プラズマエッチング技法も採用できる。本方法が、本発明の第1の態様による、絶縁体上にシリコンがあるSOI技術に適用される場合は、シリコンと絶縁体の間には十分に高い選択性がなくてはならない。選択性が十分に高くないと、シリコンもエッチングされてしまい、ウェーハから製作されるデバイスはどれも性能が低下する。
【0088】
ドライ剤は水蒸気であることが望ましいが、残留物を除去するのに適していれば他のドライ剤も使用できる。水蒸気は過熱されることになる。言うまでもなく、ドライ剤は何らかの液体の気相/蒸気相であってもよく、如何なる液体も存在しない作用剤であると考えることができる。
【0089】
材料の部分は、使用されるドライ剤の沸点よりも高い温度に保持されるのが望ましい。そうしておけば、ウェーハを清浄するためにドライ剤を使用する際に、液相の滴が材料の部分に凝縮することも残留することも確実になくなる。
【0090】
本発明の第7の態様によれば、リング要素を有する微小機械式リングジャイロメータであって、
異方性特性を有する材料から製作され、
前記ジャイロメータが等方性特性を有する材料から製造されているかのように機能するように、前記リング要素の少なくとも一部のディメンジョンは、前記リング要素の残りの部分と比べて、厚く、又は薄くなっているジャイロメータが提供される。
【0091】
リング要素の少なくとも一部の寸法は、当該要素の残りの部分に比較すると、周期的に厚く又は薄くなっている。
【0092】
本ジャイロメータは、等方性材料から製造されたかのごとくに機能する。これは、不完全な特性を示す材料を使ってジャイロメータを製造することができ、それでもジャイロメータは正確に機能するので都合がよい。このようなジャイロメータは、車両制御、頭脳軍需品、ロボット工学、仮想現実、医療を始めとして多くの方面で活用できる。
【0093】
ジャイロメータは異方性材料から製作することができる。これは、異方性材料のほうが等方性材料よりも安価なので都合がよい。
【0094】
ジャイロメータは、シリコンウェーハの面として実質的に<100>の格子間隔を備えているシリコンから製作するのが望ましい。<100>シリコン内では弾性係数及び半径方向のヤング係数が、cos4θ(θはシリコン面内における面上の基準点からの角度である)で著しく変化することが知られている。
【0095】
以前は、微小機械式ジャイロメータは、ウェーハの面が実質的に<111>のシリコンウェーハから製作されていた。このような<111>配向のシリコンでは、半径方向のヤング係数は角度方向によりほとんど変化しない。当業者には、<111>シリコンは<100>シリコンよりも高価であるので、<100>シリコンを使えるのは都合がよいということが理解頂けるだろう。しかしながら、本発明の実現までは、材料の異方性によりジャイロメータの性能が不正確になるので、チューニング方法(例えばレーザートリミング)無しに<100>シリコンを採用することは不可能であった。<100>シリコン材料を使用すれば、オンチップエレクトロニクスの集積をより簡素化でき、よって性能を向上させることができる。
【0096】
ジャイロメータは多数の感知要素、例えば8個、16個、32個、64個、又は128個の感知要素を有するのが望ましい。感知要素は円を描いて等間隔に配置され、例えば8個の要素が設けられる場合は、45°の間隔で円に沿って配置されることになる。
【0097】
ジャイロメータは、サスペンション要素/支持帯により支えられたリングから製作され、少なくとも8個の感知要素を45°の間隔で円に沿って配置する。このような(駆動及び感知モードを有する)ジャイロメータを、全ての感知要素を等寸法にして<100>シリコンから製作すると、異方性の効果により駆動及び感知モードの周波数にスプリットが生じることになる。このスプリットは重大であり、適用される回転速度でモードが効果的に連結せず、高レベルの機械的結合が感知信号を圧倒するので、ジャイロメータの感度の低下が引き起こされる。
【0098】
8個の感知要素が設けられる場合、そのうちの4個は、残り4個の感知要素に比較して、厚さが厚い部分がある。
【0099】
ある実施例では、各感知要素に関わるリングの部分を交互に、リングの他の部分と比べて厚くしている。このような増厚は、大凡又は実質的にcos4θで変動する。
【0100】
厚みが増した部分を有する感知要素は、残りの感知要素に比べ、実質的に0.1μmから50μmの範囲で、例えば13μm分、厚くなっている。
【0101】
そうはいっても、本要素の必要増厚はウェーハの寸法とデバイスの大きさにより変化する。厚さが100μmのリングの場合は、増厚部分はリングの残り部分に比較して実質的に13μm分厚くされる。しかしながら、実際になされる増厚はそれぞれの各特定の設計に合わせて計算する必要があるので、この増厚は単なる目安にすぎない。<100>シリコンの異方性を配慮して、他の段階で増厚が行なわれてもよい。
【0102】
感知用要素は対で設けられ、対のうち一方の感知要素をリング要素の一方側に設け、他方の感知要素をリング要素の他方側に設けるようにする。このような構造とすれば、リングの片方に単一の感知要素を設けた場合よりも性能が上がるので有利である。
【0103】
リング要素が一方の容量性プレートを形成し、感知要素が他方の容量性プレートを形成することが望ましい。この配置は、リング要素をコモンプレート(又は電極)とし、感知要素(電極)を各コンデンサの他方プレートとする、差動コンデンサの対を形成する。この構造とすることにより、リング要素が動くときのキャパシタンスの変化を測定することができ、構造が便利になり、ジャイロメータからの読み取りの方法が提供される。
【0104】
ある実施例では、懸垂帯はリング要素の内部領域に設けられており、別の実施例では懸垂帯はリング要素の外側の領域に設けられている。この配置は両方共、リングを支えるための便利な構造を提供する。
【0105】
感知要素には、電圧が印加できるようになっている。感知要素に電圧を印加すると、電磁力、厳密には静電力がリング要素に印加されることになるので都合がよい。このような力は、リング要素の動きを制御するので性能の向上につながる点で有利であり、更に、静電等価ばねが全体ばね定数を修正することを介してモード周波数を微調整する場合にも都合がよい。
Figure 0004999227
【0106】
感知要素に印加された電圧は、リング要素の特定の振動モードを無効にすることができる。これもまたジャイロメータの性能の改良につながる。当業者には、ジャイロメータが、リング要素が1次ハーモニックスで振動し、適用される回転速度により第1に対してほぼ45°で2次ハーモニックスが誘発されるように駆動されることは自明であろう。無効になるようにされるのはこの2次ハーモニックスの方である。2次ハーモニックスの振動の振幅を監視し制御するために、閉ループ制御手段を設けてもよい。
【0107】
本発明の第8の態様によれば、ジャイロメータのリング要素の周囲に配された1対の感知要素が処理手段に差動的に接続されている、ジャイロメータを操作する方法が提供される。
【0108】
このような配置の利点は、双方の感知要素に共通のノイズが排除される(コモンモードノイズ排除が増す)のでジャイロメータの性能が高くなることである。
【0109】
通常この方法は、本発明の第7の態様によるジャイロメータに適用される。
【0110】
処理手段に差動的に接続される感知要素は、リング要素の周囲に間隔を空けて配置される。代わりに、感知要素を対として設け、対になった感知要素の間をリング要素が抜けるように配置してもよい。
【0111】
処理手段は信号処理及び制御回路を備えている。
【0112】
本方法は、1つ又はそれ以上の感知要素に電圧を印加する段階を含んでおり、こうしてリング要素の変位を制御する方法を提供する。
【0113】
本方法は、リング要素の一部の変位が実質的に阻止されるように電圧を印加する段階を含んでいる。先にも説明した通り、回転速度によりリング要素の振動に2次ハーモニックスが引き起こされる。本方法は、リングが2次ハーモニックスで振動するのを実質的に防止するよう電圧を印加する段階を含んでいる。
【0114】
別の実施例では、本方法は、リング要素が(<111>シリコンのような)等方性特性を有する材料から製作されたかのように機能するように、感知要素に電圧を印加する段階を含んでいる。
【0115】
1対の感知要素がリング要素をその間に通して設けられた場合、本方法は対の各要素に対して実質的に逆位相に電圧を印加する段階を含んでいる。これは、より強い力をリング要素に加えられる点で有利である。
【0116】
本発明の第9の態様によれば、本発明の第1の態様の方法を使用して、本発明の第7の態様による微小機械式リングジャイロメータを製造する方法が提供される。
【0117】
この方法によりジャイロメータを製作することは、プロセスがCMOSと共存でき、統合型又は完全一体型のデバイス(センサーとエレクトロニクスの双方を含む)が製作できるようになる点で都合がよい。
【0118】
本方法は、必要とされるセンサー及び演算処理電子機構の実質的に全てを単一パッケージとして提供する段階を含んでいてもよく、センサーを第1のパッケージに、そして必要な演算処理回路の実質的に全てを第2又は多数のパッケージにして提供する段階を含んでいてもよい。
【0119】
当業者には、ジャイロメータは微小機械式センサーであることが理解頂けるであろう。
【0120】
本方法は、ジャイロメータの製作前に、結晶格子のミスアライメントの度合いを判定する段階を含んでもよい。例えば、X線写真分光法(XPS)が使用できる。更には、ミスアライメントの度合いを計算した後、本方法は、結晶格子のミスアライメントを補償するために厚さ寸法に必要な変更の度合いを計算する段階を含んでいてもよい。
【0121】
本方法は、ウェットエッチング・アラインメントマーカーによりアライメントの度合いを計算する段階を含んでいてもよい。
【0122】
本方法は、結晶面の配向を判定するために、ジャイロメータの製作に先立ち、結晶面により異方性特性を有するエッチングをウェーハに行なうことにより、アラインメントマーカーをエッチングする段階を含んでいてもよい。このエッチングはウェットエッチングでもよい。
【0123】
本発明は、更に、結晶面の最適配向からのミスアライメントに備えるために、ジャイロメータの寸法に対して必要な修正を計算する段階を含んでいる。代替的又は追加的に、ジャイロメータを製作するのに使用されるマスクは、ウェーハ面ではなく異方性エッチングによりウェーハ上に作られたアラインメントマーカーと整列させることもできる。更に別の実施例では、ミスアライメントの度合いが求められると、そのミスアライメントが完成したジャイロメータに対して斟酌される。例えば、ジャイロメータがトリム仕上げされるか、又はアクティブに調整されることもある。
【0124】
本発明の第10の態様によれば、少なくとも1つの要素を有する微小機械式センサーであって、前記要素は異方性特性を有する材料から製作され、前記要素のディメンジョンは、センサーが、等方性特性を有する材料から製造されたかのように機能するように設計された厚さディメンジョンを有しているセンサーが提供される。
【0125】
本微小慣性センサーはジャイロメータであってもよい。
【0126】
(好適な実施例の詳細な説明)
以下、例を挙げ図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
【0127】
図1に断面を示す材料は、本発明の微小慣性機械式センサーを製作するのに適している。
【0128】
2つのシリコンウェーハ2及び4は絶縁層6により隔てられており、絶縁層自体も複数の層8、10、12、14から構成されている。最上層8はドープされていないPECVD酸化シリコンで、厚さが約0.2μmである。層10はリンでドープされたPECVD酸化シリコンで、厚さが約2.6μmである。層12は最上層8と同じくPECVD酸化シリコン層で、厚さが約0.2μmである。最下層14はドープされていないPECVD窒化シリコンで、層厚が0.1μmである。なお、この構造が本発明を実行するのに絶対必要というわけではない。
【0129】
層をドープするのに使うことのできるドーパントには、リン、ボロン、アンチモン、ヒ素、ゲルマニウムが含まれる。他のドーパントも、同じく使うことができる。
【0130】
先に論じたように、絶縁層は、標準的なシリコンウェーハ上にPECVDで作られる。絶縁層が作成されると、絶縁層の接着に備えてウェーハはアニールされる。ドープされていない層8、12がドープされた層10とシリコンウェーハ2及び4の間にあるので、ドープされた層10内に存在するドーパントがシリコンウェーハ2、4内に移動することはない。
【0131】
説明している実施例では、酸化物層8、10、12及び窒化物層14を形成するのにPECVDが使われているが、他の堆積/成長処理を使用することもできる。
【0132】
層8、10、12、14はメカニカルウェーハ2上に堆積され、ハンドルウェーハ4が層14上に接着される。堆積された層は、ウェーハに対し、接着されたインタフェースよりも良好なインタフェースを提供し、従ってメカニカルウェーハ2の次に良好なインタフェースを有しているのが好ましい。しかし、ハンドルウェーハ4上に層8、10、12、14を堆積(又は成長)させ、メカニカルウェーハ2を層8上に接着することも可能である。
【0133】
最も上のウェーハ(即ち、メカニカルウェーハ)は、所望の厚さまで研磨することができる。これには先ず機械的研削が行われ、良好な表面仕上げを得るために、化学機械研磨(CMP)で仕上げられる。
【0134】
このようにして、シリコンウェーハは、微小慣性機械式センサーを製作するのに必要な特性を作り出す厚さになる。この実施例では、頂部のシリコンウェーハ2の厚さは100μmで、底部のシリコン(即ちハンドル)ウェーハ4は500μmである。しかし、厚さが15μmと100μmの間にあるメカニカルウェーハ2でプロセスは実行された。
【0135】
微小慣性機械式センサーを作るプロセスは、図2aから2cにその概略を示している。プロセスの第1ステージ(図2には示していない)では、メカニカルシリコンウェーハ2の剥き出しの表面上にマスキング層16が形成される。
【0136】
次に、マスキング層16は、パターニングされ、標準的技法で、図2aに示すように剥き出しのメカニカルシリコンウェーハ2の部分を残してエッチングされる。一番上のシリコンウェーハ2のドライエッチングは、STSの提供する、フッ素ベースの誘導結合プラズマを用いる進化型シリコンエッチング(ASE)システムを使って行われる。理解いただけるであろうが、他のディープ・トレンチエッチングシステムも使用できる。シリコンと二酸化シリコンとの間の高いエッチング選択比のため、エッチングは絶縁層6の位置で効果的に止まる。これは図2bに示す通りで、2つのチャネル18、20がメカニカルシリコンウェーハ2内に形成されている。当業者であれば理解頂けるように、チャネルは、微小慣性機械式センサーの製造で生じる実際のエッチングを表しているに過ぎない。
【0137】
次に、マスキング層が除去されると、ウェットエッチング(蒸気エッチングでもドライエッチングでもよい)を使ってマスキング層16と絶縁層6の一部が除去される。絶縁層6のエッチングは全体としては(層内のエッチングは以下に論ずるようにそうではないが)均一なので、所定の断面以上のメカニカルシリコンウェーハ2の部分は、絶縁層6でハンドリングシリコンウェーハ4に固定されたまま残る。所定の断面以下のメカニカルシリコンウェーハ2の部分では、その部分とハンドリングシリコンウェーハ4の間から、絶縁層6が完全に除去される。こうして、メカニカルシリコンウェーハ2の一部分は(図2cに22として示すように)ハンドリングシリコンウェーハ4から自由になる(懸垂部分)。
【0138】
このように、絶縁層は、2つのウェーハ2及び4を互いに接着するアンカー層として働くと同時に、犠牲層としても働く。又、図からわかるように、絶縁層6の厚さは、懸垂部分22とハンドリングウェーハ4との間の隙間を画定する。このプロセスでは絶縁層6の厚さを1.5μmから3.0μmとしているが、層厚は10μmから100μmとすることもできる。
【0139】
先に論じたものに対しPECVD成長層を使用することの更なる利点は、熱成長酸化物より速くエッチングできることで、これは絶縁層6をエッチングして懸垂部分22を形成する際に役に立つ。
【0140】
上に述べたようにエッチングを2つのステージで行う場合には、チャネル18及び20に、絶縁層6を除去するエッチングでは除去されないような誘電材等を再充填しておけば、大きな造形(絶縁層6で最底部シリコンウェーハ4になお固定されている部分)に、懸垂部分22のような小さな造形部を横方向につなぎ止めておくことができる。そうすれば、22の部分のような小さな構造部は、絶縁層6のエッチングの間にその下が完全にアンダーカットされ実質的に拘束されなくなっても、繋がったままで残ることになる。
【0141】
チャネルを再充填すると、22の部分のような小さな造形部から再充填されたチャネルを横切って、ハンドルシリコンウェーハ4になお繋がっている部分へと表面金属被覆を施すことができる。そうすれば、チャネルにより機械的に絶縁されていた領域へも駆動電極を設けることができるようになる。
【0142】
例えば平坦化技術を使って、接点(多分、ポリシリコン、ケイ化物、或いは接着処理温度に耐えうる他の導電層)を絶縁層6内に設けることができれば望ましいことである。
【0143】
図3は、絶縁層6を除去するエッチングプロセスがどのように進行するのかをより詳細に示している。明らかなように、図3aは図1と同じで、エッチングが始まる前のウェーハの断面を示している。当業者には理解できるように、ドープされた酸化物層10はドープされていない酸化物層8、12よりもエッチング速度が速い。従って、ドープされた酸化物層10の材料はドープされていない酸化物層8、12の材料よりも早く除去されることになる。エッチングの時間は、ドープされた酸化物層10が全て除去され、ドープされていない層8、12の一部が突起24、26(図3b参照)として残るように決めることができる。
【0144】
酸化物層8、10、12を除去するのに使用されるエッチング剤は、窒化物層14を除去することはない。従って、窒化物層14はハンドリングウェーハ4を覆って残るが、これは2つの明らかな理由で利点となる。第1に、窒化物層は絶縁体なので、メカニカルウェーハ2とハンドリングウェーハ4が接触して短絡するのを防ぐ。第2に、窒化物層14はシリコンよりもスティクション係数が低く(即ち、窒化物がスティクションを防ぐ助けをする)従って、懸垂部分をハンドリングウェーハ4から切り離すのを支援する。
【0145】
突起24、26は、懸垂部22がハンドリングシリコンウェーハ4に張り付く問題を緩和する助けをする。湿式エッチング剤に伴うスティクション問題は、懸垂部分をハンドリングウェーハに張り付かせる恐れがある。突起24、26は、表面積の小さな部分を作り出すので、スティクション問題は起こりにくくなる。このように、突起24、26を設ければ、懸垂部分をハンドリングシリコンウェーハ4から切り離す助けとなる。
【0146】
懸垂部分とハンドリングウェーハ4との間のスティクション問題を低減する別の方法は、全てをドライプロセスで行うことである。例えば、HF蒸気エッチングを使って、その後超高温蒸気洗浄してもよい。
【0147】
これを行う際には、ウェーハを水の沸点以上に加熱し、蒸気がウェーハ上に凝結することのないようにする。ドライエッチングで絶縁層6を除去すれば、プロセス内にスティクション問題を引き起こす液体を使用しないので、大変有用である。
【0148】
チャネル18、20を作るのに使用するディープドライエッチングには、センサーを正しく製作するために考慮しておく必要のあるいくつかの特性がある。第1に、反応性イオンエッチング(RIE)の結果、狭い造形は広い造形よりも低速でエッチングされ、高パターン密度領域は低パターン密度領域よりも低速でエッチングされることになる。この特性は、設計段階で、エッチングすべき各チャネルが実質的に同じ幅を有し、剥き出しにするシリコンが最小となるように設計することによって克服又は緩和することができる。
【0149】
幅の異なるチャネルを使えば、幅の広いチャネルが早くエッチングされることになる。ディープドライエッチャーは、シリコンと絶縁層との間の高いエッチング選択比のため、絶縁層6を貫いてエッチングすることはなく、チャネルがこの深さになるまでエッチングされると、そこで止まることになる。狭いチャネルはなおエッチングされているのでエッチングプロセスは続き、広いチャネルはそれ以上深くはなれないので、絶縁層6近傍のチャネルの最底部がドーム状に広げられることになる。この問題は、プラズマからのチャージング及びインタフェースにおける過剰なフッ素と関係している。ドーム形成は、センサー部分に損傷を及ぼしかねない。この問題は、攻撃性の低いエッチングと適正な幾何学形状を用いることにより軽減できる。
【0150】
第2に、先行技術による方法では、メカニカル層の厚さをその全幅に亘って正確且つ正しく制御するのは困難であった。エッチング(SSM技法で)すべき層の形成におけるプロセス変動は、ウェーハ全幅で10%にも達することがある。従って、後に続くエッチングはこの変動を考慮して過剰に行う必要が生じ、その場合、エッチングされているチャネルの最も底の部分にドームが形成される恐れがあり、そこでは、最初のエッチング方向からほぼ直角方向にシリコンが除去されることになる。この層厚の変動は更に、エッチングプロセスに何らかの不均一性を生じさせ、これもドーム形成などに繋がる。
【0151】
本発明の方法を用いる利点は、ウェーハのシンニングのプロセスで良好な均一性を有していることである。SOI技法を用いれば、ウェーハは通常、全幅に亘り1μm(即ち、100μmの厚さのウェーハの1%)以内の精度でシンニングすることができる。シンニングの精度が上がれば、ウェーハは、過剰エッチング及びそれによるドーム形成の問題を殆ど無くするできる。
【0152】
センサー作成の別のプロセスを図4に示しており、これもエッチングプロセスに付随する問題の幾つかを克服する助けとなる。標準シリコンウェーハ50(メカニカルウェーハ)は、最上面上にマスキング層が設けられており、標準的な技法を使ってパターニングされる。パターニングされたマスクを用いて、2つのチャネル52、54が、センサーの所望厚と実質的に等しいか、又は優にその100%以上の深さ(例えば、センサーの所望最終厚のほぼ110%)まで、進化したシリコンエッチングを使って、ウェーハ内にエッチングされる。
【0153】
PECVD(又は他の技法)を使って、絶縁層56がメカニカルウェーハ50の最上面上に、チャネル52、54も絶縁層又は他の適当な再充填材で充填されるように、成長させられる。理解いただけるように、図1から3に関連して説明した多重絶縁層をここで使ってもよい。ポリシリコン使ってマーカーを再充填してもよい。
【0154】
次に、絶縁層56がパターニングされ、チャネル52、54をアライメントマーカーとして使いながらエッチングされる。誘電材をパターニングするのに用いられるマスクは、最終のシリコンエッチングで機械的構造を画定するのに用いられるのと同じマスクでもよければ、特別に設計されたマスクでもよい。通常、選択性を良好とするためウェット化学エッチング剤が使用される。エッチングプロセスでは、絶縁層56の58と60の部分が除去されるが、ここは、最終的センサー構造の懸垂部分に関係することになる。
【0155】
次に、ハンドルウェーハ62が絶縁層に接着され、典型的SOI構造でのように、絶縁層56を2つのシリコンウェーハの間に配したサンドイッチ構造が形成される。
【0156】
ハンドリングウェーハ62の接着が済むと、この構造体は水平軸周りに180度回転され、メカニカルウェーハ50(この状態では最上のウェーハ)に後続の処理が施される。
【0157】
次に、メカニカルウェーハ50は、最初に機械研磨及び機械研削を行い、その後で表面仕上げを良くするための化学機械研磨を行って、所望の厚さに研磨される。プロセスの開始時に、チャネル52及び54は、センサーの所望厚さの110%の厚さ(エッチング後のメカニカルウェーハの厚さ)までウェーハ内にエッチングされている。従って、研磨はチャネルの概略10%を除去する。これで、チャネル52、54はウェーハ50を完全に貫通し、誘電材又は他の適当な材料で充填されていることになる。メカニカルウェーハ50の上面に見えるチャネル52、54の部分は、以後の工程でアライメントマーカーとして使うことができる。当業者には、ウェーハ50の両側で行われる処理が互いに整列することを理解頂けるであろう。
【0158】
研磨プロセスが完了すると、メカニカルウェーハ50の最上面はパターニングされ、ディープドライエッチャーを使ってエッチングされる。エッチングは絶縁層56が除去された部分の上方で行われる。エッチングはメカニカルウェーハ50を貫通するので、懸垂部分64、66が形成され、この部分は絶縁層56によってハンドリングウェーハ62に接合されてはいない。
【0159】
センサーを形成するためのこの代替プロセスフローは、シリコンを貫通するエッチングの時間を、メカニカルウェーハ50の深さによって調整しなくてもよいという点で有用である。エッチングは空間部分で終わるので、過剰エッチングやそれに続くドーム形成の問題はない。
【0160】
この空間はウェーハの端部、又は最初に貫通エッチングされることになる大きな区域とつながっている。そのような場合、接着プロセスの間に生じた残留圧力は全て、エッチングが空間に達する前に解放されることになる。これによって、高圧下にある区域が低圧下にある区域と薄い膜で連結されているときに破片がまき散らされるというような、低圧環境の中でデバイスを解放する時に生じかねない問題が克服される。
【0161】
更に、この代替プロセスフローは、短くて簡単なプロセスであるドライエッチングだけを含んでおり、懸垂部分のスティクションに関連する問題を生じやすいウェットエッチングの使用を避けているという点で有用である。
【0162】
図5は、微小機械式センサーを製作するための、代替プロセスフローを示しているが、ここでは、絶縁層が設けられており、絶縁層149がメカニカルウェーハ150の上に設けられている。図示の実施例では、絶縁層は酸化物であり、シリコンウェーハ上に成長させられたものである。これを図5aに示す。
【0163】
次に、図5bに示すように、絶縁層149はパターニングされ、標準的な技法を使ってエッチングされ、絶縁層の一部が除去され空間152が形成される。
【0164】
図5cに示すように、空間152は、ディープドライエッチングによって、又は続いてシリコンをエッチングするのに使用される高アスペクト比エッチングによって容易にエッチングされる材料を使って再充填される。このケースでは、空間はポリシリコンで再充填された。
【0165】
次に、既知の技法を使って、第2ウェーハ154を絶縁層149に接着し、標準的な(絶縁層上にシリコンを配した)SOI構造を形成する。図5dに示すように、再充填された空間152は2つのウェーハ150及び154に挟まれサンドイッチ状態になっている。
【0166】
次に、このサンドイッチは、メカニカルウェーハ上でエッチングが行えるようにフリップされる。先に論じたように、上に絶縁層を成長させた方のウェーハをエッチングするのが好ましいが、これは、絶縁層149とウェーハ150の間のインタフェースが、絶縁層149を接着したウェーハ154と絶縁層149との間のインタフェースに比べ清浄であることによる。
【0167】
先の実施例と同じく、上のウェーハは所望の厚さに研削/研磨され、パターニングされ、エッチングされる。エッチングは再び高アスペクト比プロセスで行われ、このケースではSTSによるASEを使ってチャネル156を形成した。図5eに示すように、メカニカルウェーハ150内のチャネル156は、絶縁層149内に形成された空間152と整列していることに留意されたい。
【0168】
先に論じたように、プロセス変動があるため、エッチングがメカニカルウェーハ150と絶縁層149の間の境界で終わるように、エッチング時間を正確に定めるのは困難である。過剰エッチングを許容すれば、絶縁層149近傍のチャネル領域内で、シリコンウェーハ150にドームが形成される恐れがある。しかしながら、充填空間152を用いればこの問題を克服することができる。ドーム形成は、エッチング速度に関し絶縁層149と比較してシリコンが優先的にエッチングされることと、酸化物インタフェースにおけるチャージングとによることは理解頂けるであろう。ポリシリコンを充填された空間152は、チャネル156と一致するように配置されるので、過剰エッチングが起こっても、シリコンウェーハ150と同じ速度でエッチングされ導体であるポリシリコンがエッチングされるようになっている。従って、ドーム形成問題は緩和される。
【0169】
図5に関する上記論議では、上に絶縁層149が形成されたウェーハをメカニカルウェーハと考えたが、絶縁層に接着されたウェーハ154にデバイスを形成することもできる(その場合、ウェーハ154をメカニカルウェーハとして取り扱う)と理解されたい。
【0170】
ここで説明したように、メカニカルウェーハを実質的に貫通するアライメントマーカーを本方法に使えば、メカニカルウェーハをエッチングするのに使われるマスクを、絶縁層149に形成された空間152と確実に整列させることができる。実際、同じマスクを使って、メカニカルウェーハと絶縁層149をエッチングし、メカニカルウェーハ上でエッチングを行う前に、アライメントマーカーを使ってこのマスクを確実に正しく方位付けることができる。
【0171】
アライメントマーカーがウェーハを完全に貫通していなくても、ウェーハの片側上の処理をウェーハの反対側上の処理と整列させることはできる。ウェーハを部分的にしか貫通していないアライメントマーカーでも、アライメントマーカーが存在していない方のウェーハ側から赤外線画像を使って見ることができる。このような画像化は製作工場では普通に利用できる。先行技術によるアライメントマーカーを製作する技法では、赤外線を使って見ることはできない。
【0172】
上記方法は、微小慣性機械式センサー、特にシリコンから作られるリング・ジャイロメータを製作するのに使われる。そのようなデバイス101の走査型電子顕微鏡写真を図6に示し、図6の線A−Aに沿う断面を図7に示す。
【0173】
図6に示すジャイロメータは単一のリング99を備えており、リングは、リング99の周りに45度間隔でセンタリングして配置された8つの懸垂帯対(aからh)によって支持されている。リング99は、ウェーハ102からエッチングして作られた懸垂部分を備えている。懸垂帯対(aからh)はリング99に連結され、それをウェーハ102に連結している。
【0174】
図6に示す例では、8つの電極要素(D1、P1、2、3、S1、2、3、4)が、等間隔でリング99の内側に沿って設けられている。各電極要素は一つのコンデンサの一方の極板を形成し、リング99が他方の極板を形成する。即ち、極板99は8つのコンデンサそれぞれの一方の極板を形成し、他方の極板は電極要素によって形成される。
【0175】
電極要素D1はリングを駆動するのに用いられる。D1によって形成されるコンデンサに電圧が掛けられると、リング99が振動させられる。電極要素P1、2、3で形成されるコンデンサは、リングの1次運動を感知するのに使われ、電極要素S1、2、3、4で形成されるコンデンサはリング99の2次運動を感知するのに使われる。駆動電極要素D1は、リング99の1次運動を感知するのにも使うことができる。
【0176】
当業者であれば、リングの振動の1次モードは、リング99の周りに4つのゼロ変位点(図9aにNとマークした部分)を有することが理解頂けよう。ゼロ変位点は、電極要素S1、2、3、4が置かれた位置にくるように配置されており、これらの電極要素により形成されるコンデンサは、2次運動のみを感知するようになっている。リングの振動の2次モードも、リング99の周りに4つのゼロ変位点(図9aにNとマークした部分)を有しており、電極要素は、P1、2、3及びD1で形成したコンデンサだけが、リング99の1次運動を感知するようになっている。
【0177】
当業者であれば、電極要素は、図8に位置Nと示す、支持帯内でリング99の外側に置くこともできることが理解頂けるであろう。電極要素をリングの内側及び外側に設けた配置を、図11及び12に示す。支持帯199を中央領域200に設けることもできる。そのような配置を図12に示すが、電極要素202はリング99の外側に設けられている。図11に示す配置は、電極要素204をリング99の内側に置いた、図6に示すデバイスの一部の概略表示である。更に、既存の駆動及び感知要素(D、P、S)に加えて、同調コンデンサとして働く追加の電極要素を設けることもできる。そのような同調コンデンサは、図8にLと示すような、電極要素D1、P1、2、3、S1、2、3、4の中間に設けてもよい。
【0178】
当業者であれば、図8において、電極要素Mによって作り出されるキャパシタンスは次の式で表されることが理解頂けよう。
Figure 0004999227
【0179】
電極要素206をリング99の内側に置いて、電極要素208をリング99の外側に置いた配置を図13に示す。明快に図示するため、リングを支持する支持帯は示していない。
【0180】
図7では、メカニカルウェーハ104の一部と、ハンドリングウェーハ106の一部と絶縁層108の一部とを明快に見ることができる。メカニカルウェーハ104の一部の端部領域には、空間110、112が形成されており、そこは、絶縁層108がエッチングプロセスの間に除去され、リング99を実質的に自由にしていることに留意されたい。
【0181】
ジャイロメータは、<100>の配向を有するシリコンから形成されている。当業者であればお分かりのように、そのようなシリコンは異方性を有し、剪断弾性係数と半径方向縦弾性係数は、材料を通してcos4θで大幅に変化する。この機械的特性の変動はセンサーを製作する上で重要な意味を有する。ジャイロメータは<111>の配向を有するシリコンで作ることもできる。
【0182】
異方性の材料特性を補償するため、リング99は、懸垂帯(b、d、f、h)の領域部分では、駆動/感知帯(a、c、e、g)の領域部分よりも厚くなっている。リング99の厚くなった領域はそれぞれ、リング99の周りに45°の弧状に伸張しており、図8、9に示すとおりである。厚くなっている45°の弧はcos4θ変動に対する近似である。当業者であれば、実際のcos4θ変動を採用してもよいことが理解頂けるであろう。
【0183】
リング99の懸垂帯(b、d、f、h)の領域部分は、残りの部分に比べhだけ厚くなっている。この例のリング99は、ベース幅xが100μmで、計算によれば理想の厚さは13μm、即ちhが13μmである。これは図10に明確に示されている。このように厚くすることにより、異方性特性が補償され、ジャイロメータは、あたかも等方性特性を有する<111>シリコンで製作されているかのように、或いは少なくとも<111>シリコンウェーハとより近似的に、機能するようになる。
【0184】
通常、ジャイロメータの製作を始める前に、x線技法を使って、ジャイロメータを製作するのに使用するウェーハの正確な結晶配向を確認する。結晶配向が分かれば、結晶のミスアライメントに打ち勝つのに必要な正確な厚さ調整量が計算でき、ジャイロメータ製作後であれば、ミスアライメントを補償するために、マスク又はトリミング技法に適切な変更を加えることもできる。そのような段階を踏めば、特定のウェーハに対してジャイロメータの性能を正確にチューンすることができる。当業者であれば、シリコン結晶を、正確に定義された結晶配向でカットするのは困難であり、通常、常に幾らかのエラーがあることは理解頂けるであろう。
【0185】
ある実施例では、結晶面に対するジャイロメータのミスアライメントを補償するのために、アクティブチューニングを使うことができる。
【0186】
ウェーハ内の結晶面の配向は、ウェーハの結晶面に自己整列する異方性ウェットエッチングを使って、ウェーハ上に適切なアライメントマーカーをエッチングすることによって求めることができる。そうすると、次のマスクは、ウェーハの平坦面ではなく、アライメントマーカーに整列させることができる。当業者であれば、ウェーハ内の平面の大凡のアライメントはご存じであろう。例えば、ウェーハは、通常、±2°で規定されることはご存じであろう。異方性ウェットエッチングされたマーカーを使えば、実際のアライメントを求めることができる。従って、ジャイロメータには単一のマスクが提供され、それを、異方性エッチングされたマーカーで正しく整列させることになる。
【0187】
異方性エッチングされたアライメントマーカーを使う利点は、複数のウェーハを単一のプロセスでエッチングすることができ、各ウェーハに対しパターンが自己整列することである。
【0188】
ここで説明するジャイロメータは、低コストのジャイロメータを提供するCMOSプロセッシング技術と両立性のあるプロセスを使って、シリコンから製作される。ジャイロメータには、CMOS機構、又は他の集積マイクロエレクトロニック製作機構内に製作することのできるオンチッププロセッシング回路が設けられている。当業者であれば、CMOSプロセスは、相当な費用を掛ければ<111>配向シリコン上で行うこともできるが、通常は<100>配向シリコンウェーハ上で行われることは理解頂けるであろう。
【0189】
振動式ジャイロメータは、加えられた回転速度の下でコリオリの力が働く構造物に、1次振動運動を起こさせることによって作動する。この力は、振幅が回転速度の尺度となる2次運動を作り出す。大部分のデバイスでは、1次及び2次運動は構造物の2つの振動モードに対応する。
【0190】
先に述べたように、電極要素S1、2、3、4は、リング99の2次運動を計測するために使用される。電極要素を対(多分、S1及びS2とS3及びS4)で使用することによって、ジャイロメータのコモンモードノイズ除去性能を上げることができる。そのような配置にすれば、対になった両方の電極要素に共通なノイズは除去でき、検出される信号を増やすことができる。図13に示すような、電極要素対206、208を使った別のやり方の配置を使うこともできる。電極要素の対は、リング99の周りに繰り返して配置できることは理解頂けよう。このやり方で電極要素206、208を使えば、コモンモードノイズ除去性能を上げることができる。図13の配置とすれば、図6の配置の電極要素対を使った技法に比べて、ノイズ除去性能を改良することができる。
【0191】
ここに説明する実施例では、リング99に沿ってcos4θで厚さが変動している。この厚さ変動によってジャイロメータが好適に機能するようになる。しかし、厚さ変動が、材料の異方性を(大部分は補正できても)完全には補正できていない場合、補正を完全なものとするため静電チューニングが用いられる。実際に、静電チューニングは、cos4θ厚さ変動無しでもジャイロメータの性能を改良するのに使うことができる。
【0192】
静電チューニングは、静電力がリング99に加えられるように、計算されたやり方で電極要素に電位を掛けることから成っている。この力は、リング99のあらゆる理想的でない挙動を補償するために調整することができる。
【0193】
このような静電チューニングは、特に、電極要素206、208に電圧が掛けられる図13に示す実施例に適用することができる。考えられる波形を図14に示すが、これはDCバイアス電圧に課されるAC電圧を示している。リング99は、図14の中心領域に沿って示されており、通常、接地されている。
【0194】
ジャイロメータのある実施例では、図13の構造を使って、デバイスの機能性を改良する閉ループ配列が採用されている。先に述べたように、駆動電極要素はリング99に1次振動を起こすために使われる。チューニング力は、1次ハーモニックスに対して角度45°の位置に2次ハーモニックスを誘起し、これは、回転速度の計算に使用することのできる2次ハーモニックスによるこれらの振動の振幅である。図13に示すような一対の電極要素206、208を使えば、2次ハーモニックスを検知して、2次ハーモニックスが実質的にキャンセル(又は防止)されるように電極要素206、208に電圧を掛けることができる。回転速度は、2次ハーモニックスをゼロに低減するのに必要な電圧レベルから計算することができる。このような配置にすれば、デバイスをより線形に、及び/又は安定化させることができる。
【0195】
製作プロセスがCMOSと共存できるという一般的要件に加えて、高感度小型低価格デバイスとするためには、以下の付加的要件をできる限り満足することが重要である。
a.振動の1次及び2次モードの周波数マッチングによる高レスポンスの達成。
b.振動の1次及び2次モードの周波数は、デバイスのサイズを小さくし、環境ノイズの影響を低減させるには高く、静電結合を低減するには低くなければならない。標準的線形アナログ回路技法を使用できるようにするには、約100kHz以下に止めておかなければならない。
c.1次及び2次運動の差分検知を可能にする設計の採用。これは、コモンモード信号を低減する可能性を提供する。
d.広いダイナミックレンジに亘って線形な作動を提供できるように、2次運動をゼロ化する可能性を提供する設計の採用。
e.<100>シリコンのような標準的材料の使用。
【0196】
これらの要件を満足するジャイロ構造は、図8に示す、ウェーハの面で振動するリング99の形態をとる。ジャイロメータの所望の1次及び2次振動モードをそれぞれ図9a、9bに示す。リング99は、8つの支持帯対100によって適所に保持されている。リング99及びその支持帯は<100>メカニカルシリコンウェーハからエッチングされる。結晶性シリコンから製作されたリングは、予測可能な材料特性、高い固有Q、及び機械的安定性に必要な厚さを有していると期待されている。これらの要件は、シリコンウェーハ上に堆積された層では、高い信頼性で得ることはできない。
【0197】
リング幅(5μm−1mm)を支持帯100の幅(1μm−0.5mm)より大きくすることによって、リングを、優性ダイナミック要素とすることが望ましい。所望の周波数レンジで作動することを目指してリング半径は0.25から10mmに選定され、機械的安定性を達成するために、1μmより大きなリング厚さxが多分必要となる。
【0198】
当業者であれば、他の変換技法を含め、ここで説明した以外にも様々に異なるジャイロメータの設計が存在することを理解頂けよう。例えば、リングの運動を計測するために、要素内のシリコンの圧電抵抗特性を使って、抵抗変化を計測することもできる。導電性検知器を使って、例えばリングの一部にトラッキングを掛け、磁界を掛けることによってリングの運動を計測することもできる。
【0199】
シリコン結晶は、物理的にも機械的にも異方性であり、その半径方向及び接線方向の弾性剛性係数は、リングに沿ってcos4θで変動する。完全な円形リングでは、異方性の影響で、駆動及び感知モードの周波数でスプリットが生じる。このスプリットは重要で、補償されなければジャイロの感度が低下する。この異方性の影響は、駆動モードの駆動支持帯と感知支持帯の関係する領域で、リングの幅を(先に論じたように、hだけ)変えることにより、排除又は実質的に低減できる。図10に提案している構造の詳細を示すが、公称100μmのリング厚さに対して周波数をマッチさせるのに必要なhの値は、約13μmである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 複数の絶縁層で分離された2つのシリコンウェーハを通る断面図である。
【図2a】 本発明による微小機械式センサーの製造の過程を示す。
【図2b】 本発明による微小機械式センサーの製造の過程を示す。
【図2c】 本発明による微小機械式センサーの製造の過程を示す。
【図3a】 2つのウェーハ間のスティクションを低減することに関わる原理を示す。
【図3b】 2つのウェーハ間のスティクションを低減することに関わる原理を示す。
【図4a】 図2に示すものとは異なるプロセスの、微小機械式センサーの製造の過程を示す。
【図4b】 図2に示すものとは異なるプロセスの、微小機械式センサーの製造の過程を示す。
【図5a】 微小機械式センサーを製造するための、又別のプロセスフローの概略を示す。
【図5b】 微小機械式センサーを製造するための、又別のプロセスフローの概略を示す。
【図5c】 微小機械式センサーを製造するための、又別のプロセスフローの概略を示す。
【図5d】 微小機械式センサーを製造するための、又別のプロセスフローの概略を示す。
【図5e】 微小機械式センサーを製造するための、又別のプロセスフローの概略を示す。
【図6】 本発明に従って作られた微小機械式センサーの走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】 図6のセンサーの造形の、走査型電子顕微鏡写真である。
【図8】 本発明による、ジャイロメータの概略構造を示す。
【図9a】 図8のジャイロメータの1次振動モードを示す。
【図9b】 図8のジャイロメータの2次振動モードを示す。
【図10】 図8のジャイロメータのリング部分並びにその支持帯部を示す。
【図11】 ジャイロメータの部分の概略平面図である。
【図12】 他の配列のジャイロメータ部分の概略平面図である。
【図13】 図11及び12に示す配列を組み合わせた、ジャイロメータ部分の概略平面図である。
【図14】 ジャイロメータの作動を支援するのに適した電圧波形を示す。

Claims (31)

  1. 異方性の機械的特性を有する材料から製作されたリング要素を有する微小機械式リングジャイロメータにおいて、
    前記リング要素は、使用中振動するようになっており、前記リング要素の少なくとも一部の領域は、前記リング要素の他の部分より厚くなっていて、前記リング要素を製造する材料の異方性の機械的特性を補償することを特徴とするジャイロメータ。
  2. 前記リング要素のディメンジョンは、前記リング要素の回りの角度変位の関数として、周期的に変化していることを特徴とする、請求項1に記載のジャイロメータ。
  3. 前記周期的な変化は、前記リング要素を中心とする角度変移をθとするとき、cos4θで前記リング要素のまわりで発生することを特徴とする、請求項2に記載のジャイロメータ。
  4. 前記リング要素は、該リング要素を基板に連結する複数の支持帯によって吊り下げられていることを特徴とする、請求項1ないし3のうちの一項に記載のジャイロメータ。
  5. 前記支持帯は、前記リング要素の外面に接続してことを特徴とする、請求項4に記載のジャイロメータ。
  6. 前記支持帯は、前記リング要素の内面に接続してことを特徴とする、請求項4に記載のジャイロメータ。
  7. 前記リング要素の厚い部分は、複数対の前記支持帯の間に存在することを特徴とする、請求項4ないし6のうちの一項に記載のジャイロメータ。
  8. 前記リング要素は、ジャイロメータと一緒の少なくとも一つコンデンサの一つのプレートを形成し、前記リング要素の移動が前記コンデンサの値を変化させることを特徴とする、請求項1ないし7のうちの一項に記載のジャイロメータ。
  9. 少なくとも一つ電極が、前記コンデンサの第2のプレートを形成することを特徴とする、請求項8に記載のジャイロメータ。
  10. 少なくとも一つ電極は、前記リング要素の振動を駆動する駆動電極を有することを特徴とする、請求項9に記載のジャイロメータ。
  11. 前記駆動電極は、振動の第1モードで前記リング要素を駆動し、前記駆動電極の近傍に最大振動があることを特徴とする、請求項10に記載のジャイロメータ。
  12. 少なくとも一つの第1モード感知電極は、前記リング要素のまわりに少なくとも一つの駆動電極から90°の整数倍の角度位置に設けられ、少なくとも一つ第1モード感知電極が、第1モードの振動を感知することを特徴とする、請求項11に記載のジャイロメータ。
  13. 前記リング要素は、第2モードの振動を有し、かつ第2モードの振動により振動を検出する少なくとも一つの第2モード感知電極を有することを特徴とする、請求項12に記載のジャイロメータ。
  14. 前記第2モード感知電極は、振動の第1モードの変位0の波節にあることを特徴とする、請求項13に記載のジャイロメータ。
  15. 少なくとも一対の電極があり、前記リング要素が、その対の電極の間を通過することを特徴とする、請求項1ないし14のうちの一項に記載のジャイロメータ。
  16. 前記材料は、<100>配向の結晶平面を有する材料から製造されていることを特徴とする、請求項1ないし15のうちの一項に記載のジャイロメータ。
  17. 微小機械式リングジャイロメータの製造方法において、
    (1)異方性を有する結晶材料の層を取る段階と、
    (2)正確な結晶方向を特定することによって材料の層内の結晶格子の非整列の程度を決定する段階と、
    (3)結晶格子の非整列を補償するために結晶材料の層内に形成されたリング要素の厚さディメンジョンに要求される変化の程度を計算する段階と、そして
    (4)前記材料の層に前記リング要素を製造する段階であって、前記リング要素の少なくとも一つの領域は、前記リング要素の他の部分に対し厚くなっていて、前記非整列そして前記材料内の層の異方性の機械的特性を補償し、
    を包含することを特徴とする方法。
  18. 前記段階(4)が、
    上部に絶縁層が形成され、前記絶縁層に第2ウェーハが接着されている第1ウェーハを持ってくる段階と、
    a)前記第1ウェーハ又は前記第2ウェーハの何れかを、その内一方のウェーハ(エッチングされるウェーハ)内に前記絶縁層に隣接して終わるチャネルが形成されるように、パターニングし、引き続いてエッチングする段階と、
    b)前記エッチングされたウェーハに隣接する前記絶縁層の部分を除去して、所定のサイズ以下の前記エッチングされたウェーハの部分、即ち懸垂部分が、他方のウェーハの上方に自由に懸垂されているようにするために前記絶縁層をエッチングする段階とから成ることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  19. 前記絶縁層の厚さが、1.5μmから3μmであることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 前記段階a)のエッチングのためのマスクが、エッチングされる各区域が等しい断面積を有するように最適化されることを特徴とする、請求項18又は19のうちの一項に記載の方法。
  21. 懸垂帯が、懸垂部分とエッチングされたウェーハの残り部分とを連結するために設けられていることを特徴とする、請求項18ないし20のうちの一項に記載の方法。
  22. 前記方法が、前記絶縁層のエッチング部を蒸気で洗浄する段階を更に含んでいることを特徴とする、請求項18ないし21のうちの一項に記載の方法。
  23. 前記段階b)の前に、前記エッチングされたウェーハ内に形成されたチャネルの幾つかが再充填材により再充填されることを特徴とする、請求項18ないし22のうちの一項に記載の方法。
  24. 前記第1ウェーハと前記第2ウェーハとの間にある前記絶縁層が、2つ以上の材料を含んでいることを特徴とする、請求項18ないし23のうちの一項に記載の方法。
  25. 前記絶縁層を形成する材料が、ウェーハを製作する材料の酸化物であることを特徴とする、請求項18ないし24のうちの一項に記載の方法。
  26. 前記絶縁層内の窒化物層が前記段階b)の後も残っていることを特徴とする、請求項18ないし25のうちの一項に記載の方法。
  27. 前記第1及び第2ウェーハの間の応力が、前記絶縁層を一連の層として設けることにより低減されることを特徴とする、請求項18ないし26のうちの一項に記載の方法。
  28. 前記エッチングされるウェーハの厚さは、前記段階b)の開始時には実質的に11μmから200μmの範囲にあることを特徴とする、請求項18ないし27のうちの一項に記載の方法。
  29. 前記リング要素を製造する段階が、
    a.絶縁層を第1ウェーハの最も上の面上に形成する段階と、
    b.前記絶縁層の一部をエッチングする段階と、
    c.第2ウェーハを前記絶縁層に接着する段階と、
    d.前記第1ウェーハ又は前記第2ウェーハの内一方の最も底の面をエッチングし、エッチングされるウェーハは、前記絶縁層のエッチングされた部分に隣接する領域において、エッチングされたウェーハの一部が、前記第1及び第2ウェーハの残りの部分から解放される(懸垂部分となる)ことになる段階とから成ることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  30. 前記第1ウェーハが、前記方法の段階d)の間にエッチングされることを特徴とする、請求項29に記載の方法。
  31. 前記段階b)とc)の間に追加の段階を含んでおり、そこで、既にエッチングされた前記絶縁層の部分が充填材で再充填されることを特徴とする、請求項29又は30の何れかに記載の方法。
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