JP4999030B1 - スケール除去装置の電極構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のスケール除去装置の電極構造は、熱交換設備11に循環供給される冷却水11cを電解処理する電解槽12を備えたスケール除去装置10の電極構造であって、電解槽12内に互いに所定の電極間隔を有しその極性を交互に切り替えて並列配置される複数の電極板13a〜13dと、電極板の周縁114から垂直方向に延出させた配線端子14a〜14dと、を有することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
また、水の蒸発によるスケールの付着を防止するために冷却水の硬度を常時モニタして、規定値以上の硬度になるとクーリングタワー内の冷却水を入れ換えるといったことも行われている。
本発明は前記従来の課題を解決するためになされたもので、冷却水中のスケール成分を電解析出させてスケールを除去するスケール除去装置の電極構造において、電極板に接続される配線端子の配置構成に伴う電流密度の集中を回避するとともに、
複数の電極板を収納した電解槽を極めてコンパクト化した電極構造及び電解槽を提供することを目的とする。
熱交換設備に循環供給される冷却水を電解処理する電解槽を備えたスケール除去装置の電極構造であって、
前記電解槽内に互いに所定の電極間隔を有しその極性を交互に切り替えて並列配置される4枚以上の矩形状の電極板と、
前記各電極板の周縁のそれぞれ異なった四隅の位置から垂直方向に延出させた配線端子と、
を有し、
前記並列配置された最下層の電極板以外の電極板には、前記配線端子が該電極板と接触しないで延出する通り道を確保するための切り欠きが設けられており、
該切り欠きの端部と該配線端子との最短距離は、該配線端子が延出する電極板と隣接する他の電極板との距離よりも大きくなるように設定されており、
前記各電極板から垂直方向に延出させた配線端子を前記電解槽の着脱可能な蓋に設けられた貫通孔から該電解槽の外部にそれぞれ独立して取り出すことによって、
前記各電極板を該電解槽内に電極間距離を近接させて配設するとともに、
電解制御部を介して各電極板の配列状態を、直列または並列接続に切り換えて、
定電流制御を行うようにしたことを特徴とする。
(2)本発明の電解槽は、請求項1のスケール除去装置の電極構造を、
配線端子の延出方向が反対方向となるように組み合わせたことを特徴とする。
電解槽内に互いに所定の電極間隔を有しその極性を交互に切り替えて並列配置される複数の電極板と、電極板の周縁から垂直方向に延出させた配線端子と、を有するので、
電極間距離を近接させて配設させることができ、
このように電極板を近接させて配設することによって、複数の電極板を収納した電解槽を極めてコンパクト化することができる。
プラチナの表面をイリジューム等の貴金属で被うことにより、その触媒作用により電気化学反応を促進させると共に陽極酸化による電極の溶出を少なくし電極の消耗を抑えることができる。
また、カーボン等の冷却水への電極板の成分の溶出が起こらないものが使用できる。
また、電極板の周縁より外方に突出して形成した突出部を、各電極板の周縁の水平方向にずらして設け、配線端子の基部を突出部に接続して、突出部から配線端子を垂直方向に延出させることもできる。
また、スケール除去装置において、本実施形態の電極構造を、その配線端子の延出方向が反対方向となるように組み合わせて電解槽とすることもできる。
これによって、冷却水中のスケール成分を電解析出してスケールを除去するスケール除去装置において、電極間距離を近接させて配設させることができ、このように電極板を近接させて配設することによって、複数の電極板を収納した電解槽を極めてコンパクト化することができる。
また、電極板に供給する電流量を増加させることができ、配線端子との結合強度を必要レベルに維持するとともに、電解処理の効率性やメンテナンス性を確保することができる。
すなわち、冷却水中のスケール成分を電解析出してスケール成分を除去する定電流制御において、電極の電源部に過大な電圧変化負荷によるストレスを生じさせることがなく、耐用性とメンテナンス性に優れた冷却水のスケール除去装置を提供できる。
また、被処理水を電解装置に通水して電解処理することにより、スケール成分を電極表面に析出させて水中から除去する際の制御操作性や耐用性に優れているとともに、スケールの析出除去を安定して行うことが可能となる。
これによって、操作ボタンやパソコン等を介して継電器の機能や組み合わせを変更して内部リレーを駆動制御することで、電源部と各電極板間に設定される接続回路構成を所定のパターン(例えば、電極板の直列回路構成、並列回路構成)に切り換える機能を有している。
このように半導体のON、OFFの時間比率を変えることで出力電圧の制御を行うことができる。
<実施例1>
図1は、実施例1の電極構造を組み込んだスケール除去装置の概略図である。
図1に示すように、冷却水のスケール除去装置10は、空調装置や冷蔵装置等に備えられ熱交換設備11などに循環される冷却水11cを電解処理するためのものであり、冷却水11cを電解処理して熱交換設備11に循環供給するための電解槽12と、電解槽12内に設置された4枚の電極板13と、電極板13に接続してその接続回路構成を切り換えるためのリレーボックス部15aと、リレーボックス部15aにより設定された電極板13に電圧を印加するための電源部15bと、電極板13間に規定の定電流を供給する定電流制御において電源部15bの電源電圧の変化に基づいてリレーボックス部15aの動作を制御するための電解制御部16と、を有する。
図2(a)に示すように、実施例1の電極構造110は、電極板13(13a〜13d)の周縁114に、リレーボックス部15aに接続される配線端子14(14a〜14d)がそれぞれ垂直方向(上方)に延出するように取り付けられている。
ここで、各電極板13a〜13dの配線端子14の取り付けは、矩形状のそれぞれ異なった四隅の位置にされている。例えば、図2の4枚の最上層の電極板13aへの配線端子14aの取り付けは、電極板13a周縁の左側手前角であり、その下層の電極板13bへの配線端子14bの取り付けは、電極板13b周縁の右側手前角であり、その下層の電極板13cへの配線端子14cの取り付けは、電極板13c周縁の左側奥角であり、最下層の電極板13dへの配線端子14dの取り付けは、電極板13c周縁の右側奥角である。
このように、上下に積層した電極板13a〜13dの、異なった各四隅から配線端子14a〜14dを立設させていることによって、配線端子を電極板収納電解槽に取り付ける場合の位置の分散化が図れ、電流の短絡が防止できるというメリットがある。
また、最下層の電極板13d以外には、配線端子14b〜14dが、電極板と接触しないで延出する通り道を確保するための切り欠き113a〜113cが設けられている。
なお、図2(b)の上面図を用いて説明すると、これらの切り欠き113aの端部Eと配線端子14bとの最短距離Wは、配線端子が延出する電極板と隣接する他の電極板との距離よりも大きくなるように設定している。そうでないと、電解槽中において電流は最短距離を流れて、電極間での電解処理を実行できるからである。ただし、図2では、電極構造の説明のため、電極間の距離を拡大して示している。
なお、スケール除去装置10の電解槽12を通過し冷却水タンク11aに戻る水路や、電解槽12に供給する供給水路や、電解槽12の底部に貯留した冷却水を排出する排出流路には、それぞれ流量制御弁17、18などの制御系が設けられており、循環ポンプ11bや流量制御弁17、18が、電解制御部16を介してそれぞれ駆動制御されるようになっている。
また、循環流路を流れる冷却水は、経時的な蒸発やメンテナンス等によって失われていくため、クーリングタワーには、冷却水を外部から補給するための補給管などが設けられている。
電極板13a〜13dとしては、電解装置に通常に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、チタンや銅にプラチナをめっきしたものや、カーボン電極などを好ましく使用することができる。
直流を発生する電源部15bには、コントローラとして機能する電解制御部16が接続されて、電極板13a〜13dへそれぞれ印加する電圧の制御を行うとともに、電極板間の電流・電圧の監視等を行うこともできるようになっている。
電解槽12から流れ出る冷却水は、流出管12bを介して冷却水タンク11aに戻るようになっている。また、電解槽12の底部には排出管12cが設けられ、流量制御弁18を介して、電解槽の内部に滞留したスケール成分を含む冷却水を、冷却循環水路外へ排水する処理がなされるようになっている。
また、図6(a)に示すように、電解槽12は、その上方を着脱可能な蓋12dとし、配線端子14a〜14dの一端を蓋12dに設けた貫通孔12eから電解槽12の外部に取り出す構成とすることもできる。この場合は、貫通孔12eの部分で配線端子14a〜14dを電解槽12に固定することができ、電極板13a〜13dを電解槽12内に確実に固定することができる。
このように、電解槽12に供給される冷却水の流量や温度データが電解制御部16に取り込まれ、電解槽12における電解電圧や電解電流などの電解データとともに、スケール除去装置10通電状態を判定して、この判定結果に応じて電極板の接続構成を所定のパターンに設定したり、電解電圧などの電解条件を変更したりすることを可能にしている。
直流電源を各電極板13a〜13dに供給するための電源部15bは、例えば、その定電流仕様の電解直流電源として最大60V/定電流10Aのものを用いる。現在一般的に市販されているこの種の電源は、出力電圧を可変するために入力の交流を一度直流に整流し、FETやIGBTなど半導体を用いて一定周期でスイッチング(ON/OFF処理)を行い矩形波を発生させる。例えば、スイッチング前の直流電圧を60Vとして、0N時間が50%、OFF時間が50%としたとき、その後、矩形波を整流(積分処理)を行うことで、出力を約30Vとすることができる。
このように電源出力60V最大で10Aの電源でも負荷抵抗が小さくなると、大きな電流が電極に流れるようになり、電極板の消耗につながることになる。
なお、60Vは電源でのスイッチング素子の制御電圧の最大値であり、各電極へ流れる電流は10Aをリミットとしている。
図3(a)は、実施例2の電極構造を示す斜視図である。
図3(a)に示すように、実施例2の電極構造210は、電極板13に、電極板13の周縁114より外方に突出して形成した突出部213を設け、配線端子14(14a〜14d)の基部214を突出部213に接続して、突出部213から配線端子14を垂直方向に延出させている点で、実施例1の電極構造と異なる。
実施例2の電極構造は、配線端子14を接続する突出部213を設けたことによって、配線端子14が、電極板と接触しないで延出する通り道を確保するための切り欠きは設ける必要はない。
このように、上下に積層した電極板13の周縁114より外方に突出して形成した突出部213を設け、配線端子14の基部214を突出部213に接続して、突出部213から配線端子14を垂直方向に延出させていることによって、配線端子を電極板収納電解槽に取り付ける場合の位置の分散化が図れ、電流の短絡を防止できるというメリットがある。
なお、図3(b)の上面図を用いて説明すると、これらの電極板13の端部Eと配線端子14との最短距離Wは、配線端子が延出する電極板と他の電極板との距離よりも大きくなるように設定している。そうでないと、電解槽中において電流は最短距離を流れて、電極間での電解処理を実行できなるなるからである。ただし、図3では、電極構造の説明のため、電極間の距離を拡大して示している。
図4は、実施例3の電極構造を示す斜視図である。
図4に示すように、実施例3の電極構造310は、実施例1の電極構造110を、その配線端子の延出方向が反対方向となるように組み合わせたものであり、この組み合わせた電極構造310を電解槽内に内装することもできる。
実施例3の電極構造は、実施例1の電極構造110を組み合わせたことにより、スケール除去処理能力を向上させることができる。
図5は、実施例4の電極構造を示す斜視図である。
図5に示すように、実施例4の電極構造410は、実施例2の電極構造210を、その配線端子の延出方向が反対方向となるように組み合わせたものであり、この組み合わせた電極構造410を電解槽内に内装することもできる。
本実施例では、電極板と直角となる一方向又は二方向に配線端子を延出させた電極構造を用いて電解処理を行う例について詳述したが、さらに配線端子を延出させる方向を増やした(例えば四方向)電極構造とすることもできる。
11・・・熱交換設備
11a・・・冷却水タンク
11b・・・除去装置用循環ポンプ
11c・・・冷却水
12・・・電解槽
12a・・・給水管
12b・・・流出管
12c・・・排出管
12d・・・蓋
12e・・・貫通孔
13(13a〜13d)・・・電極板
14(14a〜14d)・・・配線端子
15a・・・リレーボックス部
15b・・・電源部
16・・・電解制御部
17、18・・・流量制御弁
19・・・フローメータ
20・・・温度計センサ
21・・・循環ポンプ
110・・・実施例1の電極構造
113・・・切り欠き
114・・・周縁
210・・・実施例2の電極構造
213・・・突出部
214・・・基部
310・・・実施例3の電極構造
410・・・実施例4の電極構造
Claims (2)
- 熱交換設備に循環供給される冷却水を電解処理する電解槽を備えたスケール除去装置の電極構造であって、
前記電解槽内に互いに所定の電極間隔を有しその極性を交互に切り替えて並列配置される4枚以上の矩形状の電極板と、
前記各電極板の周縁のそれぞれ異なった四隅の位置から垂直方向に延出させた配線端子と、
を有し、
前記並列配置された最下層の電極板以外の電極板には、前記配線端子が該電極板と接触しないで延出する通り道を確保するための切り欠きが設けられており、
該切り欠きの端部と該配線端子との最短距離は、該配線端子が延出する電極板と隣接する他の電極板との距離よりも大きくなるように設定されており、
前記各電極板から垂直方向に延出させた配線端子を前記電解槽の着脱可能な蓋に設けられた貫通孔から該電解槽の外部にそれぞれ独立して取り出すことによって、
前記各電極板を該電解槽内に電極間距離を近接させて配設するとともに、
電解制御部を介して各電極板の配列状態を、直列または並列接続に切り換えて、
定電流制御を行うようにしたことを特徴とするスケール除去装置の電極構造。 - 前記請求項1のスケール除去装置の電極構造を、
配線端子の延出方向が反対方向となるように組み合わせたことを特徴とするスケール除去装置の電解槽。
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