JP4790778B2 - 冷却水のスケール除去装置及びそのスケール除去装置を用いたスケール除去方法 - Google Patents

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Description

本発明は、配管内などへのスケール付着が問題となる熱交換設備において、その冷却水中に含まれるスケール成分を析出除去するための冷却水のスケール除去装置及びそのスケール除去装置を用いたスケール除去方法に関する。
クーリングタワーなどの熱交換器などに冷却水を循環させる冷却水循環装置は、機器等の熱交換器を冷却水によって冷却した後、温まった水を冷却塔に流して冷却し、再び熱交換器に循環させるものである。
このような冷却水循環装置においては、その配管の内壁に不溶性のカルシウム塩などがスケールとして付着して、配管の詰まりや冷却効率の低下が生じることがあり、装置内で微生物が繁殖する原因となって衛生上も好ましくない。このため、冷却水に殺菌剤やスケール防止剤等の薬剤を添加しておくことが一般的である。また、経時的な水の蒸発によって冷却水の硬度が上昇すると、スケールが付着しやすくなるため、冷却水の硬度を常時モニタして、規定値以上の硬度になるとクーリングタワー内の冷却水を入れ換えるといったことも行われている。
しかし、近年では環境汚染防止という観点から薬剤の使用が自粛されるようになり、これに代わりうるものとして電解処理を利用したスケール付着防止方法が開発されている。例えば、特許文献1には、その冷却水循環経路に設けられた冷却水を貯留する電解槽と、前記電解槽内に設置された一対の電極と、前記一対の電極板間に電圧を印加する電圧源と、前記一対の電極板間に電圧を印加することにより前記電解槽内に貯留された前記冷却水の電解処理を行う電解装置とを備えた冷却水循環装置が提案されている。
再公表特許WO2006/027825号公報
前記特許文献1に示したような従来の冷却水のスケール除去装置では、電析処理を行う電極に電力を供給するに際して、析出反応など電解により起こる電気化学反応を一定にするために定電流制御がなされる。そして、この種の電源部では出力電圧を可変するために交流を一度直流に整流し、FETやIGBTなど半導体を用いて一定周期でスイッチング(オンオフ処理)を行って、半導体のON、OFFの時間比率を変えることで矩形波を発生させる出力電圧の制御が行なわれる。すなわち、冷却水のイオン濃度が高い状態では電圧を低く、逆にイオン濃度が低い状態では電圧を高くするようにして定電流制御を行うように電源内部で自動制御される。
こうして、冷却水中のスケール分などが多くなりその負荷抵抗が小さくなると内部の半導体など(主にスイッチングを行う半導体、整流回路のケミコンなど)に大きな電流が流れる状態になり、電源回路の各部品に大きなストレスを与えるため、その耐用性を低下させて電源回路を含むメンテナンス処理が必要になるという課題があった。
また、スケール分などが少なくなり電源部の最大電圧を加えても規定の電流が流れなくなり一定電流を流せなくなるという課題があった。
本発明は前記従来の課題を解決するためになされたもので、冷却水中のスケール分を電析してスケール分を除去する定電流制御において、その電極の電源部に過大な電圧変化負荷によるストレスを生じさせることがなく、耐用性とメンテナンス性に優れた冷却水のスケール除去装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、被処理水を電解装置に通水して電解処理することによりスケール成分を電極表面に析出させて水中から除去する際の制御操作性や耐用性に優れているとともに、析出を安定して行うことができる冷却水のスケール除去装置を用いたスケール除去方法を提供することも目的とする。
(1)前記従来の課題を解決するためになされた本発明の冷却水のスケール除去装置は、クーリングタワーなどの熱交換設備に供給される冷却水中のスケール成分を電解処理により析出除去する冷却水のスケール除去装置であって、前記熱交換設備に供給される冷却水を電解処理して前記熱交換設備に循環供給する電解槽と、前記電解槽内に設置された複数の電極板と、前記電極板により形成される接続回路構成を切り換えるリレーボックス部と、前記リレーボックス部により設定された電極板間に電圧を印加する電源部と、前記電極板間に定電流を供給する定電流制御における前記電源部の電源電圧の変化に基づいて前記リレーボックス部を制御する電解制御部と、を有し、
前記電解制御部を介して前記リレーボックス部を制御して、前記電源部の定電流制御における電源電圧が基準値以上のときに通電電極の枚数を相対的に増加させ、前記電源電圧が基準値未満のときに前記通電電極の枚数を減少させることを特徴とする。
(2)本発明は前記(1)記載の冷却水のスケール除去装置において、前記電解制御部が、前記電極板間における電流値および電圧値に基づいて前記電解槽に供給される冷却水の導電率を検出することを特徴とする。
(3)本発明の冷却水のスケール除去方法は、前記(1)又は(2)に記載の冷却水のスケール除去装置を用いて前記熱交換設備に供給される冷却水中のスケール成分を析出除去する冷却水のスケール除去方法であって、前記電源部の定電流制御時における電源電圧の変化に基づいて、前記電解槽内に設置された複数の電極板の回路構成を切り換えて通電電極の枚数を増減して、前記電解槽内を流れる冷却水中のスケール成分の電解析出処理を行うことを特徴とする。
本発明によれば、複数の電極板間に定電流を供給して電解処理する際にその電源部の電源電圧の変化に基づいて電極板により形成される接続回路構成を切り換えて制御するので、冷却水中のスケール分の増減による冷却水の電気抵抗の変化を、電極の電気抵抗を変化させることで、電源部に過大な電圧変化によるストレスを生じさせることを少なくすることで、耐用性とメンテナンス性、装置の動作の安定性に優れた冷却水のスケール除去装置を提供することができる。
本実施形態に係る冷却水のスケール除去装置は、熱交換設備に供給される冷却水を電解処理して前記熱交換設備に循環供給する電解槽と、前記電解槽内に設置された複数の電極板と、前記電極板により形成される接続回路構成を切り換えるリレーボックス部と、前記リレーボックス部により設定された電極板間に電圧を印加する電源部と、前記電極板間に定電流を供給する定電流制御における前記電源部の電源電圧の変化に基づいて前記リレーボックス部を制御する電解制御部と、を有して構成されている。これによって、スケール分を除去する定電流制御において、その電極の電源部に過大な電圧変化によるストレスを生じさせることがなく、その電源部を含めた回路構成の耐用性を高めることができる。
こうして、冷却水に含まれてスケールの原因となるカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどのミネラル分を、電解処理の際にリレーボックス部により設定された電極板上にスケールとして析出させ、冷却水からミネラル分を除去して循環経路内でのスケールの付着を低減できる。さらに、このような電解処理によって、冷却水中に殺菌能力を有する次亜塩素酸等を生成させることができると共に、冷却水中の細菌が電極に接触することで細胞膜を破壊させる電解直接殺菌の効果により、環境負荷の大きな薬液を使用することなく微生物の繁殖を防止できる。循環経路内の冷却水の交換を必要最小限度にして、水資源の無駄遣いを抑制することもできる。
冷却水のスケール除去装置は、例えばエアコンやボイラー、冷凍機、冷却加熱器、クーリングタワーなどの熱交換設備に付設され、循環供給される冷却水中に含まれるカルシウムイオンなどのスケール成分を電解処理により析出させて、冷却水中のスケール成分を除去するための装置である。
電解槽は例えば、熱交換設備から冷却水が供給される供給口と、電解処理された冷却水の排出口とを備え、熱交換設備に供給される冷却水を電解処理する容器体である。このような電解槽には、例えば2、3、4、5、6、7…枚の電極板が互いに並行配置されているとともに、必要に応じて隔膜板を電極板間に配置して電解セル状に形成させることもできる。
電極板の電極材に関して特に制限はないが、例えば、チタンにプラチナをコーティングしたものやカーボン等の冷却水への成分の溶出が起こらないものが使用できる。また、チタンや銅などの基材表面に白金めっき層を形成したものや、白金とイリジュームの複合めっき層を設けたものなどを適用することができる。白金の表面をイリジューム等の貴金属で被うことにより、その触媒作用により電気化学反応を促進させると共に陽極酸化による電極の溶出を少なくし電極の消耗を抑える。
リレーボックス部は、例えば、サイリスタなどの半導体素子を用いて小電力の入力で大きな出力電圧をオンオフするソリッドステートリレーや、複数の継電器を組み合わせてパッケージにしたプログラムリレーなどを内蔵した継電装置であって、電解槽中の各電極板と、これら各電極板に電力を供給するための電源部とにそれぞれ接続されている。これによって、操作ボタンやパソコン等を介して継電器の機能や組み合わせを変更して内部リレーを駆動制御することで、電源部と各電極板間に設定される接続回路構成を所定のパターン(例えば、電極板の直列回路構成、並列回路構成)に切り換える機能を有している。
電源部は、前記リレーボックス部により選択設定された電極板間に電圧を印加するための装置である。例えばスイッチング前の直流電圧が60Vとして、0N時間が50%、OFF時間が50%としたとき、その後、矩形波に対して整流(積分処理)を行うことで出力は30Vとなり、同じようにON時間10%、OFF時間90%の場合、出力電圧を6Vにする機能を有している。このように半導体のON、OFFの時間比率を変えることで出力電圧の制御を行うことができる。
電解制御部は、CPUを備えた制御基盤などであり、前記電源部の電源電圧の変化を検知するためのセンサがそのインターフェースボードなどを介して接続されており、前記電極板間に定電流を供給する定電流制御における前記電源部の電源電圧の変化に基づいて前記リレーボックス部を制御する。これによって、電圧が負荷される複数の電極板による回路構成を選択して定電流制御における電源部の負荷を軽減する機能を有している。
本実施形態の冷却水のスケール除去装置は、前記電解制御部を介して前記リレーボックス部を制御して、前記電源部の定電流制御における電源電圧が基準値以上のときに通電電極の枚数を相対的に増加させ、前記電源電圧が基準値未満のときに前記通電電極の枚数を減少させることができる。これによって、例えば図示するように通電させる電極の直列接続状態、並列接続状態とに切り換えることにより、処理される冷却水の導電率は同じでも、電源から見た電気抵抗を9倍もしくは1/9にすることができるので導電率のより大きな変化に対応することができる。
通電電極の枚数は、例えば電解制御部などを介して前記リレーボックス部を制御することによって、電解槽における電極板の回路構成を切り換えることで2枚(直列状態)から4枚(並列状態)、あるいは4枚から8枚などに適宜変更することができるようになっている。
本実施形態の冷却水のスケール除去装置は、前記電解制御部が前記電極板間における電流値および電圧値、水温に基づいて前記電解槽に供給される冷却水の導電率を検出するようにすることもできる。このような構成とすることによって、導電率計などを別に設けなくとも、冷却水のスケール除去装置における電極の通電データに基づいて冷却水のスケール濃度や硬度などを監視することができ、操作性やメンテナンス性、コスト性に優れた使用環境を提供することができる。
電解制御部にはインターフェースを介して電極板間の電圧値、電流値、水温値を取得するセンサが接続されているとともに、そのデータベースとなる記憶部には実験的に求めた前記電極板間の電流値、電圧値や水温値と、これに対応する冷却水の導電率との対照データが保持されている。こうして取得される冷却水の導電率に基づいて、冷却水のイオン濃度が高くなった状態と低くなった状態に対応した定電流制御を行うようにしてもよい。
本実施形態の冷却水のスケール除去方法は、冷却水のスケール除去装置を用いて前記熱交換設備に供給される冷却水中のスケール成分を析出除去する冷却水のスケール除去方法であって、前記電源部の定電流制御時における電源電圧の変化に基づいて、前記電解槽内に設置された複数の電極板の回路構成を切り換えて通電電極の枚数を増減して、前記電解槽内を流れる冷却水中のスケール成分の電解析出処理を行うことを特徴とする。これによって、電源部の電源電圧の変化に基づいて電極板により形成される接続回路構成を切り換えるので、定電流制御においてその電極の電源部に過大な電圧変化負荷によるストレスを生じさせることがなく、耐用性とメンテナンス性に優れた冷却水のスケール除去装置を提供することができる。すなわち、電源部内の半導体など(主にスイッチングを行う半導体、整流回路のケミコンなど)に大きな電流が流れて、電源自身が自己防衛を行うように出力を停止するようなことがなく安定的な電解処理が維持される。また、電極の直列、並列を切り換えることにより、電源から見た電気抵抗を調整することができるので導電率のより大きな変化に対応することができる。
(実施例1)
図1は実施例1に係る冷却水のスケール除去装置の概略図である。以下、本発明を具体化した実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
実施例1の冷却水のスケール除去装置10は、空調装置や冷蔵装置等に備えられる熱交換設備11などに循環される冷却水を電解処理するためのものである。冷却水を電解処理して熱交換設備11に循環供給するための電解槽12と、電解槽12内に設置された4枚の電極板13a〜13dと、電極板13a〜13dに接続してその接続回路構成を切り換えるためのリレーボックス部14と、リレーボックス部14により設定された電極板13a〜13dに電圧を印加するための電源部15と、電極板13a〜13d間に規定の定電流を供給する定電流制御において電源部15の電源電圧の変化に基づいてリレーボックス部14の動作を制御するための電解制御部16と、を有する。
熱交換設備11は、所定量の冷却水を保留するための冷却水タンク11aを有する。また、適切量の冷却水を熱交換設備11に供給するために循環ポンプ21が設けられており、スケール除去装置10に冷却水を循環供給するためのスケール除去装置用循環ポンプ11bが設けられている。なお、スケール除去装置10の電解槽12から通過し冷却タンク11aに戻る水路、電解槽12に供給する供給水路、及び、電解槽12の底部に貯留した冷却水を排出する排出流路にはそれぞれ流量制御弁17、18などの制御系が設けられており、循環ポンプ11bや流量制御弁17、18が電解制御部16を介してそれぞれ駆動制御されるようになっている。
このように、クーリングタワーなどの熱交換設備11に冷却水を循環させる冷却水循環流路が接続されて、全体としてループ状に構成されている。クーリングタワーは、空気との接触によって水を冷却する一般的な構成のものである。往路側の流水管には図示しない循環ポンプを装備して、クーリングタワーによって冷やされた冷却水を圧送できるようになっている。また、循環流路を流れる冷却水は、経時的な蒸発やメンテナンス等によって失われていくため、クーリングタワーには、冷却水を外部から補給するための補給管などが設けられている。
冷却水のスケール除去装置10には、冷却水を電解処理するための電解槽12の内部に第1〜第4の電極板13a〜13dが設けられている。これらの電極板13a〜13dは、電源部15にリレーボックス部14を介して接続されている。電極板13a〜13dとしては、電気分解装置に通常に使用されるものであれば特に制限はなく、例えばチタンや銅にプラチナをコーティングしたものや、カーボン電極などを好ましく使用することができる。直流を発生する電源部15にはコントローラとして機能する電解制御部16が接続されて、電極板13a〜13dへそれぞれ印加する電圧の制御を行うとともに、両電極板間の電流・電圧の監視等を行うこともできるようになっている。
電解槽12には、冷却水タンク11aから循環水を供給するための給水管12aと、冷却水タンク11aに戻すための流出管12bとが接続されており、電解処理を行うための冷却水循環流路が構成されている。給水管12a側には除去装置用循環ポンプ11bが設けられていて、冷却水タンク11a内の冷却水を電解槽12に圧送できるようになっている。電解槽12から流れ出る冷却水は流出管12bを介して冷却水タンク11aに戻すようになっている。また、電解槽12の底部には排出管12cが設けられ、流量制御弁18を介して電解槽の内部に滞留したスケール分を含む冷却水を冷却循環水路外へ排水する処理がなされるようになっている。
給水管12a側の冷却水循環流路における所定箇所には、フローメータ19と温度計センサ20が取付けられている。このように、電解槽12に供給される冷却水の流量、温度データが電解制御部16に取り込まれ、電解槽12における電解電圧や電解電流などの電解データとともにスケール除去装置10通電状態を判定して、この判定結果に応じて電極板の接続構成を所定のパターンに設定したり、電解電圧などの電解条件を変更したりすることも可能にしている。
次に、以上のように構成された実施例1の冷却水のスケール除去装置10に適用される冷却水のスケール除去方法について説明する。
直流電源を各電極板13a〜13dに供給するための電源部15は、例えばその定電流仕様の電解直流電源として最大60V/定電流10Aのものを用いる。現在一般的に販売されている、この種の電源は出力電圧を可変するために入力の交流を一度直流に整流し、FETやIGBTなど半導体を用いて一定周期でスイッチング(ON/OFF処理)を行い矩形波を発生させる。例えばスイッチング前の直流電圧が60Vとして、0N時間が50%、OFF時間が50%としたとき、その後、矩形波を整流(積分処理)を行うことで出力は約30Vとなるようになっている。
同じようにON時間10%、OFF時間90%の場合、その出力電圧は6Vに設定される。このように半導体のON、OFFの時間比率を変えることで出力電圧の制御を行う。こうした、電源を用いて定電流制御を行うと電流が流れる状態(循環水のイオン濃度などの濃度が高くなった状態)になると電流が流れやすい状態となり電圧を低くするように電源内部で自動制御を行う。例えば10Aで制御する様に設定されているとON時間10%、OFF時間90%になった場合、半導体がONする時に流れる電流は100A以上にとなる。(ONした瞬間には更にこの何倍かの電流が流れる。)このように電源出力とすると60V最大で10Aの電源でも負荷抵抗が小さくなると内部の半導体など(主にスイッチングを行う半導体、整流回路のケミコンなど)に大きな電流が流れる状態なり、電源回路の各部品に大きなストレスを与える事になる。このため、上記の様な理由から直流電源の運用時の最低電圧が設定されている。また電源自身が自己防衛を行うように出力を停止するものもある。
なお、冷却水のスケール除去装置10は、電解制御部16を介してリレーボックス部14を駆動させて、図2に示すように各電極板13a〜13dの配列状態を直列、並列などに切り換えることができる。これによって、冷却水循環流路を流れる冷却水の導電率は同じでも、2枚の電極13aと電極13d間に電圧を印加する直列接続から、4枚の電極13a〜13dにそれぞれ電圧を印加する並列接続に切り換えることで電源から見た電気抵抗を約9倍もしくは1/9にすることができ、導電率のより大きな変化に対応することができる。なお、60Vは電源でのスイッチング素子の制御電圧の最大値であり、各電極へ流れる電流は10Aをリミットとしている。
図3は、電源部15において測定される電圧(電源電圧)に基づいて、リレーボックス部14を制御して電極板13a〜13dの回路構成を切り換える制御方法の一例を示す説明図である。図示するように最初のステップS1では、冷却水のスケール除去装置10の操作盤などに設けたスタートボタンなどを操作することによって、冷却水のスケール除去装置10の循環ポンプ11bなどが動作を開始して、冷却水タンク11aの冷却水が電解槽12に循環供給される。
次のステップS2では、リレーボックス部14を介して電解槽12内の2枚の電極板13aと電極板13dに電圧が印加される直列接続状態(通電状態)に設定されて、電解処理がなされる。
ステップS3では、電解制御部16を介して、所定時間、例えば約30秒経過後に電源部15における電圧を計測して、この測定された電圧値が60ボルト以上か、60ボルト未満かを判定する。電圧値が60ボルト未満の場合には、直列接続を継続するステップS4に移行して、60ボルト以上の場合はステップS5に移行する。
電圧値が60ボルト以上となる場合のステップS5では、リレーボックス部14及び電解制御部16を介して、電解槽12内の4枚の電極板13d〜13dすべてに電圧を印加する並列接続状態(通電状態)に切り換える。
前記ステップS5に続くステップS6では、電源部15における電圧を再度計測して、この測定された電圧値が20ボルト以上か、20ボルト未満かを判定する。電圧値が20ボルト以上の場合には、並列接続を継続するステップS7に移行して、20ボルト未満の場合は前記ステップS2に移行する。
以上説明したステップS1〜7の一連の処理を実行することによって、複数の電極板間に定電流を供給する定電流制御において、電源部15の電源電圧の変化に基づいてリレーボックス部14を制御するので、熱交換設備11に供給される冷却水中のスケール成分を電解処理により安定的に析出させて除去することができる。さらに、スケール分を除去する定電流制御において、その電極の電源部に過大な電圧変化負荷によるストレスを生じさせることがなく、耐用性と電析処理における制御操作性とに優れた冷却水のスケール除去方法を提供することができる。
図4は、実施例1において測定された電極板13a〜13dの直列接続(通電状態の電極板2枚使用)及び並列接続(通電状態の電極板4枚使用)における、それぞれの電解電圧と電解槽12の抵抗値との関係の一例を示すグラフであり、表1は、その直列接続、並列接続に対応して測定算出された、各電圧と電解槽12の抵抗値のデータ表を示している。なお、ここでは、電解電流は、定電流で動作させる定電流制御条件として、電圧はおよそ20ボルトから60ボルトの範囲で動作させるものとしている。
Figure 0004790778
電解槽12の導電率(抵抗値の逆数)と冷却水中のスケール分とは所定の比例関係があるので、図2に示すような、電解槽12における電極板13d〜13dの回路構成を、比較的冷却水の導電率が高い場合は直列接続に、導電率が低い場合は並列接続に切り換える動作を、その電圧の変化に基づいて採用することができる。
以上説明したように、本発明は、複数の電極板間に定電流を供給して冷却水を電解処理する際に、その電源部の電源電圧の変化に基づいて、電極板により形成される接続回路構成を切り換えて制御すること、を要旨としたものであり、これに該当するものは本発明の権利範囲に属する。例えば、本実施形態では、電解槽12内に並行配置される電極板の枚数が4枚の場合について詳述したが、電解槽内に2枚以上の複数の電極板を互いに並行配列して、これらをリレーボックス部に接続して、その電解槽において測定される電解電圧や電解電流、槽内を流れる冷却水の導電率や温度、流量などに基づいて、電解槽内で有効化させる電極板の回路パターンや印加電圧などの電解条件を設定するようにしてもよい。
実施例1に係る冷却水のスケール除去装置の概略図である。 電解槽における各電極板の切替状態を示す説明図である。 電極板の回路構成を切り換える制御方法の説明図である。 電極板の各接続状態における電解電圧と電解槽抵抗値との関係を示すグラフである。
符号の説明
10 冷却水のスケール除去装置
11 熱交換設備
11a 冷却水タンク
11b 除去装置用循環ポンプ
12 電解槽
12a 給水管
12b 流出管
12c 排出管
13a〜13d 電極板
14 リレーボックス部
15 電源部
16 電解制御部
17、18 流量制御
19 流量計
20 水温計
21 循環水ポンプ

Claims (3)

  1. クーリングタワーなどの熱交換設備に供給される冷却水中のスケール成分を電解処理により析出除去する冷却水のスケール除去装置であって、
    前記熱交換設備に供給される冷却水を電解処理して前記熱交換設備に循環供給する電解槽と、前記電解槽内に設置された複数の電極板と、前記電極板により形成される接続回路構成を切り換えるリレーボックス部と、前記リレーボックス部により設定された電極板間に電圧を印加する電源部と、前記電極板間に定電流を供給する定電流制御における前記電源部の電源電圧の変化に基づいて前記リレーボックス部を制御する電解制御部と、を有し、
    前記電解制御部を介して前記リレーボックス部を制御して、前記電源部の定電流制御における電源電圧が基準値以上のときに通電電極の枚数を相対的に増加させ、前記電源電圧が基準値未満のときに前記通電電極の枚数を減少させることを特徴とする冷却水のスケール除去装置。
  2. 前記電解制御部が、前記電極板間における電流値および電圧値に基づいて前記電解槽に供給される冷却水の導電率を検出することを特徴とする請求項1記載の冷却水のスケール除去装置。
  3. 請求項1又は2に記載の冷却水のスケール除去装置を用いて前記熱交換設備に供給される冷却水中のスケール成分を析出除去する冷却水のスケール除去方法であって、前記電源部の定電流制御時における電源電圧の変化に基づいて、前記電解槽内に設置された複数の電極板の回路構成を切り換えて通電電極の枚数を増減して、前記電解槽内を流れる冷却水中のスケール成分の電解析出処理を行うことを特徴とする冷却水のスケール除去方法。
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