JP2013086031A - 水処理用電極と水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理水に対する高い殺菌性能を維持し、かつ既存の水処理装置4に対しても簡単に取り付けることができる水処理用電極5を提供する。
【解決手段】
塩化物イオンを含む被処理水中に浸漬する電気分解用の第1の電極部41、42、43と、第1の電極部41、42、43と非導通状態で被処理水中に浸漬し、第1の電極部41、42、43の周囲を取り囲む第2の電極部44とを有し、少なくとも第1の電極部41、42、43への通電により被処理水を電気分解する水処理装置4における第3の電極部5として被処理水中に浸漬して用いられる水処理用電極5であって、基材に導電性ダイヤモンドを成膜するダイヤモンド成膜電極51と、ダイヤモンド成膜電極51と電気的に導通する導通部52と、を有し、導通部52を第1の電極部41、42、43から給電される給電部とすることを特徴とする水処理用電極5。
【選択図】図1

Description

本発明は、被処理水に対して高い殺菌性能を維持し、かつ既存の水処理装置に対して簡単に取り付けることができる水処理用電極に関する。
従来、工場用設備等を冷却するための冷却水循環系を循環する被処理水を改質するために、電極に電流を通電して被処理水を電気分解処理する水処理装置がある。この水処理装置の電極は、酸化還元電位を低下させる金属からなるため、被処理水の電気分解時において被処理水中に溶解して、被処理水中の酸化還元電位を下げる。また、被処理水に対して電気分解処理を行うことで、活性酸素を発生させて、溶存酸素量を増やし、化学的酸素要求量(以下、COD(Chemical Oxygen Demand)という)を低減させる。
特許文献1および2には、酸化還元電位およびCODを効率的に下げるために、冷却水循環系における被処理水が貯水される貯水槽内に、リチウム、亜鉛、マグネシウム等から成るA電極、B電極、C電極を有する水処理装置を位置させ、被処理水に対して電気分解処理を行うことが開示されている。この水処理装置では、A電極、B電極、C電極の極性を順次切換えながら電気分解処理を行い、プラス電極の消耗を減らす。
また、特許文献3には、A電極、B電極、C電極により電気分解処理を行う水処理装置において、A電極、B電極、C電極の側面を覆いかつこれらの電極と絶縁された電極カバーを有するものが開示されている。この水処理装置は、電極カバーを陰極とすることで、被処理水中に溶解するカルシウムイオンやマグネシウムイオン等のスケールとなる要因を捕集し、冷却水循環系の配管等においてスケールが析出することを防ぐ。
さらに、特許文献4には、水処理装置の電極にダイヤモンド電極を用い、この電極に対して電流を通電して、被処理水中にオゾンや過酸化水素などを発生させて貯水槽内の被処理水を殺菌する水処理装置も開示されている。
特許第2615308号公報 特許第2623204号公報 特許4438570号公報 特開2000−254650号公報
しかし、特許文献1乃至3のような水処理装置では、単に貯水槽内における被処理水のCODを低減することやスケールが水処理装置内で析出することを防ぐだけであり、貯水槽内の被処理水を殺菌することができなかった。また、特許文献4のような水処理装置では、単に被処理水に対して殺菌するだけであり、水処理装置内においてスケールが析出していた。さらに、特許文献4に開示された殺菌方法を特許文献1乃至3のような水処理装置に適用する場合、電極をダイヤモンド電極に交換する必要があるため、設置時における工事費用が嵩んでいた。
そこで、本発明は、被処理水に対する高い殺菌性能を維持し、かつ既存の水処理装置に対しても簡単に取り付けることができる水処理用電極を提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明の水処理用電極は、塩化物イオンを含む被処理水中に浸漬する電気分解用の第1の電極部と、前記第1の電極部と非導通状態で被処理水中に浸漬し、前記第1の電極部の周囲を取り囲む第2の電極部とを有し、少なくとも前記第1の電極部と前記第2の電極部への通電により被処理水を電気分解する水処理装置における第3の電極部として被処理水中に浸漬して用いられる水処理用電極であって、基材に導電性ダイヤモンドを成膜するダイヤモンド成膜電極と、前記ダイヤモンド成膜電極と電気的に導通する導通部と、を有し、前記導通部を前記第1の電極部から給電される給電部とすることを特徴とする。
本発明によれば、被処理水に対して高い殺菌性能を維持し、かつ既存の水処理装置に対しても簡単に取り付けられるという効果を得ることができる。
水処理装置を含む冷却水循環系の概略図である。 水処理装置の概略図である。 本実施形態の水処理用電極をA電極、B電極、C電極に取付けた状態における上部概略図である。 図3のA-A断面における水処理用電極の概略図である。 図4AのB方向における水処理用電極の概略図である。 水処理装置の制御フローチャートである。 水処理装置をクーリングタワーに適用した場合の概略図である。
以下、本実施形態を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1は水処理装置4を含む冷却水循環系1の概略図である。
図1に示すように、冷却水循環系1は、工場用設備等の冷却対象設備7を冷却する被処理水を貯水槽2内に貯水し、貯水槽2内に位置する水処理装置4により後述の電気分解処理を行う。この電気分解処理がなされた被処理水は、循環ポンプ3によって送水管21を介して冷却対象設備7へ冷却水として送水される。送水された被処理水は冷却対象設備7を循環した後、取水管22から再び貯水槽2内に貯水される。
図1および2に示すように、水処理装置4は、A電極、B電極、C電極(第1の電極部)、41、42、43、これらの電極の側面を覆う電極カバー44(第2の電極部)、A電極、B電極、C電極、41、42、43の上端および電極カバー44の上端を固定する蓋本体部45、電極カバー44の下端を固定する底板部46、およびA電極、B電極、C電極、41、42、43の少なくともいずれか1つに固定された水処理用電極5(第3の電極部)からなる。
図2および3に示すように、A電極、B電極、C電極、41、42、43は、互いの電極が干渉しないように蓋本体部45のx−y平面視における中心から見て周方向に120°間隔で、くの字状に湾曲した網目状のプレートを3箇所設けている。このA電極、B電極、C電極、41、42、43は、例えば、亜鉛、マグネシウム合金、銅、鉄、ステンレス、チタン、アルミニウム合金、白金、セラミックスのいずれかを選択して形成する。特に酸化還元電位を低下させる観点からチタンに白金鍍金を施すと良い。このA電極、B電極、C電極、41、42、43のそれぞれの位置を所定の距離で固定するために、離間固定部材47によりA電極、B電極、C電極、41、42、43を固定させる。
電極カバー44は、水を内部に通すために複数の矩形または円形の貫通孔が設けられた略円筒状または角筒状であり、A電極、B電極、C電極、41、42、43とは非導通である。この構成により、電極カバー44を陰極とし、スケールとなる陽イオンの無機系物質であるカルシウムイオンやマグネシウムイオン等(以下、スケールという)を回収する。この電極カバー44の材質としては、金属を用いることが好ましく、より好適には、ステンレス鋼(SUS)、チタン、白金メッキチタン等が用いられる。また、電極カバー44の長手方向の長さは、A電極、B電極、C電極、41、42、43の長手方向の長さよりも長く形成する。この電極カバー44を蓋本体部45と底板部46との間に挟んで固定することで、蓋本体部45に固定したA電極、B電極、C電極、41、42、43が底板部46または貯水槽2に接触することを防ぐことができる。すなわち、A電極、B電極、C電極、41、42、43を貯水槽2に固定する際に、A電極、B電極、C電極、41、42、43が貯水槽2または底板部46に接触して、A電極、B電極、C電極、41、42、43が破損することを防ぐことができる。
蓋本体部45は、中央を凸にした板状をしており、底面にA電極、B電極、C電極、41、42、43、および電極カバー44が固定されている。制御盤48から電力をA電極、B電極、C電極、41、42、43に対して給電する。この給電は、A電極、B電極、C電極、41、42、43のいずれか2本をプラス電極とし、残りの1本をマイナス電極として9〜34kHzの周波数で切替りながら電気分解処理を行う。このように、3本の電極で構成された電極の極性を順次切替えることにより、電極の消耗を減らすとともに電極へスケールが付着することを防止することができる。また、A電極、B電極、C電極、41、42、43により被処理水に対して電気分解処理を行うことで、被処理水中に酸素を発生させて、CODを低減させることもできる。
底板部46は、板状をしており、蓋本体部45の底面積以上の面積を有し、電極カバー44の下端を固定する。また、蓋本体部45および底板部46の底面積における各縦と横の長さは、電極カバー44の長手方向と直交する断面における各縦と横の長さよりも長く形成する。これにより、貯水槽2の底面に設置した水処理装置4が横転した際においても、蓋本体部45と底板部46の側面のみが貯水槽2に接触するだけであり、A電極、B電極、C電極、41、42、43および電極カバー44が貯水槽2と接触して破損することを防止することができる。このように、水処理装置4を横転させても、A電極、B電極、C電極、41、42、43および電極カバー44が貯水槽2と接触しないため、水処理装置4を貯水槽2の底面に対して、底板部46の底面以外を向けて設置、例えば水処理装置4を横倒した状態等での設置をすることもできる。
本実施形態の水処理用電極5は、図2および4に示すように、基材に導電性ダイヤモンドを成膜するダイヤモンド成膜電極51と、ダイヤモンド成膜電極51と電気的に導通する導通部52と、を有し、導通部52をA電極、B電極、C電極、41、42、43から給電される給電部とするものである。この構成により、A電極、B電極、C電極、41、42、43に通電された電流をダイヤモンド成膜電極51へと通電して、貯水槽2内の被処理水を電気分解する。
水処理用電極5の基材としては、電極に用いられる公知の材料であれば良く、例えばニオブ、モリブデンなどを用いることができる。
ここで、本実施形態が適用する冷却対象設備7を循環する冷却水循環系1では、被処理水中に塩化物イオンが含まれており、電気分解処理を行うと、次の化学反応式で表されるような化学反応を生じさせ、殺菌作用のある次亜塩素酸(HClO)を被処理水中に発生させる。
2Cl=Cl+2e
Cl+HO=HCl+HClO
特に冷却水循環系1では、多量の塩化物イオンが含まれているため、次亜塩素酸が多量に発生する。この次亜塩素酸は、高い殺菌作用を有するため、被処理水中に含まれる細菌類を死滅させる。
このように塩化物イオンが含まれる被処理水に対して、ダイヤモンド成膜電極51による電気分解処理で、次亜塩素酸を発生させて、貯水槽2内に貯水した被処理水を殺菌することができる。これにより、貯水槽2内の細菌類を死滅させるために添加する塩酸や硫酸などの薬剤を用いなくても被処理水中の細菌類を死滅させることができる。
導通部52は、ダイヤモンド成膜電極51をA電極、B電極、C電極、41、42、43に対して導電性を有する固定部材により固定する。この導通部52は、例えば、チタンや白金(金属基材にメッキしたものでも良い)などの導電性部材を用い、A電極、B電極、C電極、41、42、43に通電された電流の一部をダイヤモンド成膜電極51に供給する。この構成により、A電極、B電極、C電極、41、42、43に電流を供給する機構とは別にダイヤモンド成膜電極51に電流を供給させる機構を設ける必要がない。
また、導通部52は、図4Aのように板状をしており、長手方向の一端にダイヤモンド成膜電極51をテープ状の固定材53により固定する構成としても良い。テープ状の固定材53によりダイヤモンド成膜電極51と導通部52とを当接させた状態でこれらの外周に巻き付けることで、ダイヤモンド成膜電極51に孔などを形成せずに導通部52とダイヤモンド成膜電極51とを固定することができる。これにより、例えば、脆性材料を電極の基材とした場合においても、電極を破損させずにダイヤモンド成膜電極51をA電極、B電極、C電極、41、42、43に対して強固に固定することができる。また、テープ状の固定材53としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や繊維強化プラスチック(FRP)などの絶縁性があり、かつ耐久性を有するものであれば良い。固定材53を絶縁性の部材とすることで、固定材53が巻かれたダイヤモンド成膜電極51および導通部52においてスケールが付着することを防ぐことができる。
また、ダイヤモンド成膜電極51を固定した導通部52の一端とは異なる他端において、締結部材54を用いて、A電極、B電極、C電極、41、42、43に締結する構成としても良い。この構成により、水処理用電極5をA電極、B電極、C電極、41、42、43に対して簡単に固定することができる。このように導通部52の一端に締結部材54を締結するだけでA電極、B電極、C電極、41、42、43に対して締結できるため、既存の水処理装置4に対して、簡単に水処理用電極5を取り付けることができる。すなわち、既存の水処理装置4が酸素の発生を行いかつ被処理水中のスケールを回収するだけのものであっても、後から本実施形態の水処理用電極5を取り付けることで、殺菌効果を水処理装置4に持たせることができる。
また、締結部材54としては、例えば、ボルトとナットやリベットなどを用いることができる。ボルトとナットを用いる場合は、単にボルトを導通部52およびA電極、B電極、C電極、41、42、43に挿通して、挿通した先端部をナットで締結するだけで済むため、簡単かつ安価に締結することができる。
また、ダイヤモンド成膜電極51は、導通部52の電極側52aに固定され、締結部材54によりA電極、B電極、C電極、41、42、43に締結される端部においては、ダイヤモンド成膜電極51の厚さよりも厚いスペーサ部材55を介して導通部52とA電極、B電極、C電極、41、42、43とを締結する構成としても良い。この構成により、ダイヤモンド成膜電極51をA電極、B電極、C電極、41、42、43に対して取り付ける際において、ダイヤモンド成膜電極51がA電極、B電極、C電極、41、42、43に当接して破損することを防ぐことができる。また、ダイヤモンド成膜電極51をA電極、B電極、C電極、41、42、43に近接して締結できるため、A電極、B電極、C電極、41、42、43間で通電された電流を輻射的にダイヤモンド成膜電極51に通電する。これにより、A電極、B電極、C電極、41、42、43に通電された電流をダイヤモンド成膜電極51に直接通電し、かつA電極、B電極、C電極、41、42、43間を流れる電流についても輻射的にダイヤモンド成膜電極51に通電することができる。このような構成により、ダイヤモンド成膜電極51による被処理水に対する電気分解処理を促進させて、効率的に次亜塩素酸を被処理水中に発生させる。
また、図3に示すように、A電極、B電極、C電極、41、42、43の対向する面のそれぞれ一カ所に水処理用電極5を取り付けても良い。このように各対向する面内に一カ所ずつ水処理用電極5を取り付けることで、A電極、B電極、C電極、41、42、43の間で流れる電流が水処理用電極5に妨害され、A電極、B電極、C電極、41、42、43による電気分解処理の妨げとなることを防止することができる。
また、水処理用電極5は、ダイヤモンド成膜電極51及び導電部52を保持する絶縁性を有する電極保護カバー56を有する構成としても良い。具体的には、図4Aに示すように、ダイヤモンド成膜電極51および導通部52の外周を覆うように位置し、締結部材54によりA電極41に対して固定する絶縁性の電極保護カバー56を有する構成とする。この構成により、ダイヤモンド成膜電極51が貯水槽2内に流入する被処理水の勢いに押されて、A電極41に接触して、ダイヤモンド成膜電極51が破損することを防ぐことができる。電極保護カバー56を絶縁性の素材で形成しているため、水処理用電極5で発生する電流により電極保護カバー56が帯電し、電極保護カバー56自体にスケールが付着することを防ぐことができる。また、電極保護カバー56は、ダイヤモンド成膜電極51のA電極41に対する取り付け時、水処理装置4の点検清掃における作業時、および水処理装置4を移送する時などにおいて、ダイヤモンド成膜電極51に接触して、偶発的な衝撃がダイヤモンド成膜電極51に加わって破損することを防ぐことができる。
さらに、電極保護カバー56は、図4Bに示すように、ダイヤモンド成膜電極51を取り付けたA電極41とA電極41を取り付けた面と対向する面においてダイヤモンド成膜電極51が電極保護カバー56から露出するように切欠き部56aを設ける構成としても良い。このようにA電極41の取り付けた面と対向する面に切欠き部56aを設けて、ダイヤモンド成膜電極51を露出させることで、ダイヤモンド成膜電極51から放電した電流が、電極保護カバー56に妨げられることなく、第3の電極43へ通電することができる。すなわち、ダイヤモンド成膜電極51から第3の電極43へと円滑に通電することにより、電気分解処理をより効率的に行うことができる。さらに、殺菌作用のある次亜塩素酸を発生させるダイヤモンド成膜電極51の一部が電極保護カバー56から露出されているため、ダイヤモンド成膜電極51で発生した次亜塩素酸に関しても効率良く電極保護カバー56から排出させることができる。
なお、上記構成の電極保護カバー56を、A電極、B電極の電極42、43のそれぞれに対して固定されるダイヤモンド成膜電極51と導通部52とを覆う構成としても良い。
次に、本実施形態の水処理用電極5を適用した水処理装置4における被処理水の電気分解処理方法について図5を用いて説明する。初期状態は、所定量の被処理水が貯水槽2内に貯水されている状態とする(STEP1)。
まず、貯水槽2内に所定量貯水された被処理水に対して、A電極、B電極、C電極、41、42、43および電極カバー44による電気分解処理を行う(STEP2)。この電気分解処理によりA電極、B電極、C電極、41、42、43から酸素を含む微細な気泡を発生させる。この気泡の発生によりCODを低減させるとともに、この気泡が貯水槽2の内壁に付着している赤錆やスケール等に衝突して、付着物を剥離させる(エロージョン的効果)。また、この電気分解処理を行うA電極、B電極、C電極、41、42、43とは非導通の電極カバー44は、陰極の役割をなし、スケールを外周面に付着させて、被処理水中に溶け込むカルシウムイオンやマグネシウムイオン等の酸化物の含有濃度を低下させる(STEP3A)。
さらに、A電極、B電極、C電極、41、42、43への通電と同時に、これらの電極に取り付けられた水処理用電極5に対しても通電を行う。A電極、B電極、C電極、41、42、43に通電された電流は、締結部材54、導通部52を介してダイヤモンド成膜電極51へも直接通電される。これと同時に、A電極、B電極、C電極、41、42、43間を流れる電流についても輻射的にダイヤモンド成膜電極51に通電させる(STEP3B)。このように直接かつ輻射的にダイヤモンド成膜電極51に電流を通電することで、次亜塩素酸を被処理水中に発生させる。この発生した次亜塩素酸によって貯水槽2内に貯水された被処理水に対して殺菌を行う。そして、この次亜塩素酸を含む被処理水は、循環ポンプ3によって送水管21を通り冷却対象設備7へ送水される(STEP4)。送水された被処理水は、冷却対象設備7を循環した後、再び取水管22から貯水槽2へと流入し、所定量の被処理水を貯水槽2内へと貯水する(STEP5)。そして、貯水槽2内に新たに貯水された被処理水に対して、上記電気分解処理を行う(STEP6)。
このように、被処理水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの溶存濃度を低減させて、貯水槽2、送水管21および取水管22においてスケールが析出することを防ぎ、被処理水中に含まれる細菌類を死滅させる。
上記電気分解処理方法において、貯水槽2内における被処理水に関して水処理用電極5による電気分解処理を行う工程までとして説明したが、特にこれに限定されることはなく、電極カバー44にスケールが所定量付着した後に、電極カバー44に付着したスケールを除去するために、A電極、B電極、C電極、41、42、43と電極カバー44における極性を反転させる処理を追加しても良い。すなわち、A電極、B電極、C電極、41、42、43を陽極とし、電極カバー44を陰極としていたものを、A電極、B電極、C電極、41、42、43を陰極とし、電極カバー44を陽極に切り換えて、電極カバー44に付着したスケールを落とす処理を追加しても良い。また、このスケールを除去する処理は所定時間経過したか否かにより実行する処理としても良い。さらには、電極カバー44に付着したスケールを除去するために、A電極、B電極、C電極、41、42、43および電極カバー44に対して通電する電流を反転させるのではなく、人の手により付着したスケールを除去するようにしても良い。この構成により、A電極、B電極、C電極、41、42、43および電極カバー44に通電させる電流を反転させる構成を特に設ける必要がなくなり、設備費用を安価にすることができる。
上記実施形態において、導通部52と電極保護カバー56とを別々の構成として説明したが、導通部52と電極保護カバー56を樹脂などの素材により一体的に成形しても良い。具体的には、図4A、Bに示すように上端および下端を開口し、ダイヤモンド成膜電極51を取り付けた電極と対向する面に切欠き部56aを設け、その内側の側面に溝部(不図示)を形成した導通部52とする。この溝部にダイヤモンド成膜電極51を固定することで、固定材53やスペーサ部材55などを設けなくても、ダイヤモンド成膜電極51を導通部52に固定することができる。このように、極めて簡単な構成により、ダイヤモンド成膜電極51を導通部52に対して固定することができるため、水処理用電極5を製造するための費用を安くすることができる。
また、上記実施形態において、本実施形態の水処理用電極5をA電極、B電極、C電極、41、42、43のそれぞれに対して固定する構成としたが、特にこれに限られるものではなく、これらの電極の少なくともいずれか1つに水処理用電極5が固定されていれば良い。
また、上記実施形態において、本実施形態の水処理用電極5は、A電極、B電極、C電極、41、42、43に通電された電流を直接供給または輻射的に供給して通電する構成として説明したが、特にこれに限られることはなく、A電極、B電極、C電極、41、42、43に電流を供給する機構とは別に水処理用電極5に供給するための機構により、水処理用電極5に電流を供給しても良い。さらに、水処理用電極5は、電流が直接供給される必要はなく、A電極、B電極、C電極、41、42、43の間で流れる電流を輻射的にのみ通電して、電気分解処理を行う構成としても良い。すなわち、水処理用電極5は、必ずしもA電極、B電極、C電極、41、42、43に固定する必要はなく、A電極、B電極、C電極、41、42、43の間に配置されていれば良い。
また、上記実施形態において、冷却水循環系1における貯水槽2内に水処理装置4を配置する構成として説明したが、特にこれに限られることはなく、クーリングタワー6に水処理装置4を配置した構成としても良い。この場合は、冷却水(被処理水)を貯水する冷却塔下部水槽61において、水処理装置4を設置して、冷却塔下部水槽61内に貯水された被処理水に対して電気分解処理を行い、被処理水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンを除去するとともに、殺菌処理を行うようにする。このように被処理水中のスケールとなる要因(カルシウムイオンやマグネシウムイオン)を除去することで、冷却対象設備7における配管、この冷却対象設備7を冷却するための冷却水循環系62における配管、冷却水循環系62に被処理水を循環させる冷却水循環ポンプ63、クーリングタワー6内において被処理水を散布する冷却塔散水部64等において、スケールが付着することを防ぐことができる。また、クーリングタワー6が大気開放型であっても、冷却塔散水部64から散布された被処理水は水処理装置4により殺菌処理が行われているため、例え、被処理水がクーリングタワー6の周囲に拡散したとしても、被処理水の拡散に伴って細菌類が拡散することなどもなくすことができる。
また、上記実施形態において、電気分解処理を行う電極をA電極、B電極、C電極、41、42、43の電極として説明したが、電気分解処理を行うために少なくとも2つ以上の電極を備えていれば良い。
本実施形態における一実施形態について説明したが、本実施形態の精神および範囲を逸脱しないかぎり、様々な変更および改質がなされ得ることは、当業者には自明であろう。
1 冷却水循環系
2 貯水槽 21 送水管 22 取水管
3 循環ポンプ
4 水処理装置 41 A電極(第1の電極部) 42 B電極(第1の電極部)
43 C電極(第1の電極部) 44 電極カバー(第2の電極部)
45 蓋本体部 46 底板部 47離間固定部材 48 制御盤
5 水処理用電極(第3の電極部) 51ダイヤモンド成膜電極 52 導通部
52a 導通部の電極側 53 固定材 54 締結部材 55 スペーサ部材
56 電極保護カバー 56a 切欠き部
6 クーリングタワー 61 冷却塔下部水槽 62 冷却水循環系
63 冷却水循環ポンプ 64 冷却塔散水部 65 給水系
7 冷却対象設備

Claims (4)

  1. 塩化物イオンを含む被処理水中に浸漬する電気分解用の第1の電極部と、前記第1の電極部と非導通状態で被処理水中に浸漬し、前記第1の電極部の周囲を取り囲む第2の電極部とを有し、少なくとも前記第1の電極部への通電により被処理水を電気分解する水処理装置における第3の電極部として被処理水中に浸漬して用いられる水処理用電極であって、
    基材に導電性ダイヤモンドを成膜するダイヤモンド成膜電極と、前記ダイヤモンド成膜電極と電気的に導通する導通部と、を有し、前記導通部を前記第1の電極部から給電される給電部とすることを特徴とする水処理用電極。
  2. 塩化物イオンを含む被処理水中に浸漬する電気分解用の第1の電極部と、前記第1の電極部と非導通状態で被処理水中に浸漬し、前記第1の電極部の周囲を取り囲む第2の電極部とを有し、少なくとも前記第1の電極部への通電により被処理水を電気分解する水処理装置における第3の電極部として被処理水中に浸漬して用いられる水処理用電極であって、
    基材に導電性ダイヤモンドを成膜するダイヤモンド成膜電極と、前記ダイヤモンド成膜電極と電気的に導通する導通部と、前記ダイヤモンド成膜電極及び前記導電部を保持する絶縁性を有する保持部材とを有し、前記導通部を前記第1の電極部から給電される給電部とすることを特徴とする水処理用電極。
  3. 前記導通部は、前記第1の電極部に対して導電性を有する固定部材により固定されることを特徴とする請求項1または2に記載の水処理用電極。
  4. 塩化物イオンを含む被処理水中に浸漬する電気分解用の第1の電極部と、前記第1の電極部と非導通状態で被処理水中に浸漬し、前記第1の電極部の周囲を取り囲む第2の電極部と、前記第1の電極部または第2の電極部のいずれかから給電される第3の電極部とを有し、少なくとも前記第1の電極部への通電により被処理水を電気分解する水処理装置であって、
    前記第3の電極部を請求項1から3のいずれかに記載の水処理用電極も用いたことを特徴とする水処理装置。
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