JP4996002B2 - アルコキシシランの製法 - Google Patents

アルコキシシランの製法 Download PDF

Info

Publication number
JP4996002B2
JP4996002B2 JP31394299A JP31394299A JP4996002B2 JP 4996002 B2 JP4996002 B2 JP 4996002B2 JP 31394299 A JP31394299 A JP 31394299A JP 31394299 A JP31394299 A JP 31394299A JP 4996002 B2 JP4996002 B2 JP 4996002B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alcoholate
chloride
atoms
product mixture
metal alcoholate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31394299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000154193A (ja
Inventor
クロプフガンス フランク
ラウレーダー ハルトヴィッヒ
ショルク ラインホルト
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Evonik Operations GmbH
Original Assignee
Evonik Degussa GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from DE19941590A external-priority patent/DE19941590A1/de
Application filed by Evonik Degussa GmbH filed Critical Evonik Degussa GmbH
Publication of JP2000154193A publication Critical patent/JP2000154193A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4996002B2 publication Critical patent/JP4996002B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table
    • C07F7/02Silicon compounds
    • C07F7/08Compounds having one or more C—Si linkages
    • C07F7/18Compounds having one or more C—Si linkages as well as one or more C—O—Si linkages
    • C07F7/1804Compounds having Si-O-C linkages
    • C07F7/1872Preparation; Treatments not provided for in C07F7/20
    • C07F7/188Preparation; Treatments not provided for in C07F7/20 by reactions involving the formation of Si-O linkages
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table
    • C07F7/02Silicon compounds
    • C07F7/04Esters of silicic acids

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸性塩化物が少ないか又は実質的に酸性塩化物を含まないアルコキシシランの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルコキシシランを、例えばドイツ特許(DE−C2)第2800017号又はヨーロッパ特許(EP−B1)第0107765号明細書に従って、相応するクロロシランとアルコールとの反応により製造することができることは公知である。
【0003】
一般的にその際、できるだけ完全なエステル化及び良好な生成物収量が達成されるよう努められる。未反応分のクロロシラン及び塩化水素がいわゆる加水分解されうる又は酸性の塩素化合物(「酸性塩化物」と略記)として生成物中に残留することは不所望である。オルガノアルコキシシランの群では通常、アミノアルキルアルコキシシランのみが酸性塩化物と並んで残留量の加水分解されない塩素化合物、例えばクロロアルキルアルコキシシランも含有し、それというのもこのような化合物はアミノアルキルアルコキシシランの製造の際の出発化合物であるからである(ヨーロッパ特許(EP−A1)第0741137号明細書参照)。本発明では、アミノアルキルアルコキシシランをアルコキシシランの群から除いている。
【0004】
従って、例えば定着剤としての、建造物保護剤(Bautenschutzmittel)での疎水性化のため、プラスチックの架橋のため、例えばガラス繊維サイズ剤での表面の変性化のため、更なる反応段階のための使用物質としてのアルコキシシランの現在の使用に関して、幾つかの使用を挙げただけでも、できるだけ低い酸性塩化物の含有率を有する生成物を提供することが必要である。
【0005】
後続する本文では、塩化物不含アルコキシシランとは、10質量ppm未満の酸性塩化物の含有率を有する、即ち実質的に酸性塩化物を不含である生成物と解する。アルコキシシラン中の酸性塩化物の測定に関する検出限度は、現在では<1質量ppmにある(電位差による終点決定を伴う無水酸性溶液中での銀滴定による測定−AN-SAA-0411)。
【0006】
ヨーロッパ特許(EP−A2)第0223210号明細書は、加水分解されない及び加水分解されうる塩素化合物を含有するアルコキシシランの精製方法を教示しており、その際アルコキシシランを酸性クレー又は重金属ハロゲン化物の存在で加熱し、引き続いて中和剤、例えば金属ナトリウム、金属カルシウム、アルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、酸化マグネシウム、アルカリ金属アルコラート、アンモニア、有機アミン、アルキレンオキシド又はオルトエステルと接触させ、アルコキシシランを残りの成分から、例えば濾過又は蒸留により分離する。また、その際に生じるフィルター残留物は、その廃棄処理の前に特殊廃棄物として経費をかけて溶剤を用いてシラン不含に洗浄されるか又は同様に煩雑でかつ経費のかかる方法を介して後処理し、再利用されなければならない。更に、酸性クレー又は重金属ハロゲン化物の存在での記載のアルコキシシランの加熱は、経費がかかり、不所望な副反応が起こり得る。こうして、クロロアルキルアルコキシシランは、金属ハロゲン化物、例えば幾つか挙げるだけでも塩化鉄、塩化アルミニウム、塩化銅の存在での加熱時に、HClの遊離及びアルケニルアルコキシシランの形成下に分解されることは公知である。更に、生成物の変色、混合エステル形成及び縮合反応が観察され得る。また、このような方法により得られるアルコキシシランは、痕跡量の使用された重金属ハロゲン化物に基づいて一般的に食品産業での、例えばプラスチック包装又は飲用水管用の高い要求を満たさない。
【0007】
ドイツ特許公開(DE−OS)第2521399号明細書からアミノアルキルシランの製法が判明し、その際クロロアルキルアルコキシシランのアミノ化により得られた反応混合物に、後処理の前に混合物中に含有されているクロロアルキルシラン量又は塩化物量に当量の金属アルコラートが添加される。この製法では、溶剤又は希釈剤、例えばトルエン、ヘキサン又はアルコールが使用される。
【0008】
ヨーロッパ特許(EP−A2)第0282846号明細書は、生じる塩化水素の排出下で液相中でアルコールを用いてクロロシランを段階的にエステル化することによる、塩素化合物の低い含有量を有するアルコキシシランの製法を開示し、その際そうして得られる、なお少量の塩素化合物を含有するアルコキシシランを、塩素化合物の割合に対して化学量論的過剰で添加される金属アルコラートと、80〜200℃の範囲の温度で場合により溶剤、例えばトルエン又はキシレンの存在で反応させ、アルコキシシランを例えば濾過により生じた塩から分離する。この方法では、比較的高い作業温度での長い反応時間があまり有利でない。
【0009】
更にヨーロッパ特許(EP−B1)第0486279号明細書により、前記の方法に匹敵する、アルコキシシランから酸性不純物を除去する方法が公知であり、その際、中和剤として立体障害アミンの金属塩又は立体障害アルコールのアルカリ金属アルコラートを80℃までの温度で1〜2時間にわたり使用し、中和されたアルコキシシランを蒸留する。このような中和剤は、工業的規模では十分な量で使用することができず、中和剤の別個の付加的な製造は煩雑で経費がかかり、ひいては経済的な考慮に基づいて除外されるべきである。
【0010】
ヨーロッパ特許(EP−B1)第0532872号明細書は、同様に、加水分解されうる塩素原子で不純化されているアルコキシシランの精製法を教示し、その際アルコキシシランを圧力反応器内で、場合により過剰に添加された中和剤の存在で、アルコールと、使用アルコールの沸点より上で、その際生じる圧力で反応させ、その際場合により生じる塩を分離し、過剰のアルコールを留去により生成物から除去する。そこでは、中和剤として特にアンモニア、有機アミン及びナトリウムアルコラートが開示されている。前記の条件下で殊にクロロアルキルアルコキシシランは、アンモニアと若しくは有機アミンと反応しアミノアルキルアルコキシシランになるか又はアルコールの存在で並びにアルコラートと反応しアルキルオキシアルキルアルコキシシランになる得ることは公知である。
【0011】
ヨーロッパ特許(EP−B1)第0563883号明細書から、アルコキシシラン中の酸性ハロゲン化物の中和法が判明し、これは、措置としてアルコキシシランを差し当たり、酸性ハロゲン化物の割合に対して化学量論的過剰で添加される塩基としての金属アルコラートと、そして後続してアルコキシシラン中に含有される残りの過剰の塩基の割合に対して化学量論的過剰で使用される酸性塩と接触させることを予定している。この場合でも、塩を濾過により生成物から分離し、これを場合により残りのアルコール量のストリッピング又は蒸留により後精製することができる。更にヨーロッパ特許第0563883号明細書は、アルコキシシランの後処理の際、殊に中和及び後続する後処理の際に観察され得る、アルコキシシランでの色の質に関する問題を指摘している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明には、塩化物が少ない又は実質的に塩化物不含のアルコキシシランを簡単かつ経済的な方法で製造することを可能にする更なる方法を提供するという課題が基礎にあった。
【0013】
本発明の特別な課題は、殊にいわゆる加水分解されないハロゲンをその官能基に有するアルコキシシラン、例えば3−クロロプロピルトリアルコキシシラン又はそれ自体加水分解されないハロゲン化合物を不含であるアルコキシシラン、例えばテトラエトキシシラン、線状、分枝した若しくは環状アルキル基が有利にC原子1〜20個を有するアルキルトリアルコキシシラン及びジアルキルジアルコキシシラン若しくはアルキルメチルジアルコキシシランをも製造するための、並びに幾つか挙げるだけでもビニルトリアルコキシシラン、アリールトリアルコキシシラン、アリールアルキルジアルコキシシランのための方法を提供することであった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
記載の課題は、本発明により請求項の記載に相応して解決される。
【0015】
クロロシランをアルコールと無水及び溶剤不含の相で反応させ、その際生じる塩化水素を有利に減圧下及び十分な混ぜ合わせの下で除去し、得られる生成物混合物を精留の塔底に移し、金属アルコラートを10〜60℃の温度で存在する生成物混合物の酸性塩化物化合物の中和のために添加し、その際アルコラートを生成物混合物中の酸性塩化物の含有量に対して等モル量か又は化学量論的過剰で使用し、塩基含有生成物混合物を上記の温度で十分な混ぜ合わせの下で処理し、後続して減圧下の精留にかける場合に、著しく酸性塩化物が少ないか又は実質的に酸性塩化物を不含であるアルコキシシランを簡単かつ経済的な方法で製造することができることを見出した。有利に塩基及び酸性塩化物からの中和生成物を蒸留残留物と一緒に精留装置から取出すことができる。本発明による方法を不連続的に行うことができるが、本方法を連続工程として実施するのが有利である。本発明による方法のもう一つの生態学的及び経済的利点は、溶剤なしで作業することである。本方法で記載のアルコールは溶剤に分類しないことを指摘しておく。更に本工程を、液相で保護ガス下で行うのが好適であり、保護ガスとして窒素を使用するのが有利である。本工程を、通常好適に0.1〜1.5バールの範囲にある絶対圧力で行う。
【0016】
本発明により製造される生成物は、特に慎重に製造されてもいるので、著しく非常に良好な収量及び5質量ppm未満の、殊に酸性塩化物に関する分析上の検出限度までの酸性塩化物の含有率により優れている。更に本発明による方法で、その非常に良好な色の質及び良好な純度により優れいてる生成物が得られる。
【0017】
従って本発明の対象は、実質的に酸性塩化物を含まないアルコキシシランの製法であり、その際この方法は下記の措置
(i)無水及び溶剤不含相中で反応の際に生じる塩化水素の排出下でクロロシランをアルコールと反応させる措置、
(ii)10〜60℃の範囲の温度で生成物混合物に金属アルコラートを添加し、そして中和された生成物混合物を十分な混ぜ合わせの下で処理し、その際アルコラートを酸性塩化物の割合に対して等モル量か又は有利に僅かに化学量論的過剰で使用することを含めて、得られた生成物混合物を精留の塔底に移す措置、及び
(iii)減圧下での処理された生成物混合物を精留する措置
を含む。
【0018】
本方法ではアルコキシシランを、クロロシラン、例えば2−クロロエチルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、アリルトリクロロシラン、3−アリルオキシプロピルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、ペンチルトリクロロシラン、シクロペンチルトリクロロシラン、シクロペンチルメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、オクチルメチルジクロロシラン、ドデシルトリクロロシラン、ベンジルトリクロロシラン、ベンジルメチルジクロロシラン、2−フェニルエチルトリクロロシラン若しくはジフェニルジクロロシラン又は特に有利にテトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、エチルトリクロロシラン、3−クロロプロピルトリクロロシラン、3−クロロプロピルメチルジクロロシラン、シクロヘキシルメチルジクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピルメチルジクロロシラン、イソブチルトリクロロシラン、アミルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ヘキサデシルトリクロロシラン及びヘキサデシルメチルジクロロシランと、幾つかのアルコールを挙げるだけでも、例えばC原子1〜20個を有する1価の第1級アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール又は場合によりC原子1〜20個を有する分枝したアルコール、例えばイソプロパノール、s−ブタノール、t−ブタノール、アミルアルコール又は環状アルコール、例えばシクロペンタノール若しくはシクロヘキシルアルコール又は芳香族アルコール、例えばベンジルアルコール、2−フェニルエタノール、桂皮アルコール、ジフェニルメタノール及びトリフェニルメタノール、又はポリアルキレングリコールのモノエーテル、例えばメチル−、エチル−、プロピル−若しくはブチルグリコール、又はジ−、トリ−、テトラメチレングリコールモノエチル−、エチル−、プロピル−若しくはブチルエーテル、又は2価の脂肪族アルコール、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、又はC原子3〜12個を有し、その際炭素鎖は直鎖状若しくは分枝していてよいジオールとの反応より、塩化水素の遊離下で製造することができる。
【0019】
一般的に反応を還流条件下で行う。しかし、エステル化を、比較的低温で場合により減圧で、例えば50〜70℃の範囲内でかつ5〜24時間の時間にわたり実施することもできる。場合により、例えばハロゲンオルガノアルコキシシランの場合にはエステル化はより困難になる。しかし、本発明による方法は、十分に生成物に留意しかつ特に経済的な作業方法を可能にする。
【0020】
クロロシランとアルコールとの反応の際に生じる塩化水素の除去のために、本発明による方法では有利にアルコールを液体の形で連続的に添加し、同時に未反応分の使用アルコールを気相として頂部を介して排出し、その結果、使用アルコールは付加的に「HClストリッパー(Stripper)」として作用する。この場合、減圧で作業することもできる。こうしてこの比較的簡単であるが本方法で非常に効果的なHClストリッピングの方法により、本発明による方法では殆ど完全なエステル化を達成し、それにより反応率を有利に99.9%までの値に高めることができる。
【0021】
殊に本発明による方法では、アルコールとしてメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、メチルグリコール、エチルグリコール又は前記のアルコールの少なくとも2種からの混合物を使用する。
【0022】
本発明による方法の有利なアルコキシシランは、後続する一般式I又はII:
【0023】
【化2】
Figure 0004996002
【0024】
[式中、Rは、C原子1〜4個を有する線状若しくは分枝したアルキル基又は式:
−[(CH2y−O]z−R3
[式中、yは2、4、6又は8であり、zは1、2、3又は4であり、R3はC原子1〜8個を有する線状又は分枝したアルキル基である]で示されるグリコールエーテル単位を表し、
1は、C原子1〜20個を有する線状、分枝した若しくは環状アルキル基又はC原子1〜20個を有する線状、分枝した若しくは環状クロロアルキル基又はC原子1〜10個を有する線状、分枝した若しくは環状アルケニル基を表し、
2は、C原子1〜4個を有する線状又は分枝したアルキル基を表し、
nは0又は1又は2であり、mは0又は1であり、かつ(n+m)は1又は2又は3である]及び
Si(OR44 (II)
[式中、R4は、C原子1〜8個を有する線状若しくは分枝したアルキル基又は式:
−[(CH2y−O]z−R5
[式中、yは2、4、6又は8であり、zは1、2、3又は4であり、R5はC原子1〜8個を有する線状又は分枝したアルキル基である]で示されるグリコールエーテル単位を表す]を満たす。
【0025】
本発明による方法により、下記のアルコキシシランを製造するのが特に有利である:
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルグリコールオルトシリカート、エチルグリコールオルトシリカート、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリス(2−メチルオキシエトキシ)シラン、フェニルトリメトキシシラン、2−フェニルエチルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、プロピルメチルジメトキシシラン、プロピルメチルジエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、アミルトリメトキシシラン、アミルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン。
【0026】
しかし、本発明による方法により、有利にビス(トリアルコキシシリル)アルカン、ビス(メチルジアルコキシシリル)アルカン及びビス(ジメチルアルコキシシリル)アルカンを製造することもでき、その際メトキシ基及びエトキシ基及びC原子1〜16個を有する線状アルカンが有利である。
【0027】
不連続的に実施される方法では、場合により、エステル化の後に比較的多くの量の酸性塩化物が生成物混合物中に存在する場合、例えばアルコキシシランに対して1質量%を超える酸性塩化物が生成物混合物に含有されている場合には、生成物混合物を10〜60℃、特に有利に20〜50℃の有利な温度に冷却後に、これを金属アルコラートの添加により予備中和し、その際生じた塩を濾過により分離することができる。
【0028】
比較的高温で実施される中和により副反応が生じ得、生成物収量が少なくされることを見出した。更に、塩基を用いる酸性塩化物の1回実施の中和及び引き続く生じた塩の分離により得られる幾つかの生成物中に短時間の後に改めて酸性塩化物を検出することができたことを見出した。
【0029】
精留の開始前に本発明による方法では、エステル化から生じる生成物混合物の処理を行い、その際、生成物混合物への塩基の添加を、有利に25〜<40℃の範囲の温度、特に有利に30〜38℃で実施する。
【0030】
殊に、金属アルコラート含有生成物混合物を精留の塔底で精留の開始前に4時間まで、有利に10〜120分、特に有利に15〜90分処理する。通常、引き続いて蒸留を行う。
【0031】
しかし、好適に本発明による方法で、蒸留の開始前に金属アルコラートで処理された生成物混合物を、場合によりなお存在する痕跡量の酸性塩化物の入念な中和のために、これに当量か又は有利に僅かに化学量論的過剰のアンモニアを用いて後処理することもできる。
【0032】
このために、気体状又は液体アンモニアを使用することができる。このような後処理を、特に生成物に留意した精確な中和の意味で十分な混ぜ合わせの下で30〜<40℃の範囲の温度で実施するのが有利である。
【0033】
本発明による方法では、エステル化から生じる生成物混合物を10分〜4時間にわたり処理するのが有利である。これには、金属アルコラートを用いる生成物混合物の処理のための時間も、場合によりアンモニアを用いる後処理のためのも含まれる。
【0034】
本方法の範囲内の前記のアルコラート/アンモニア処理の組み合わせを、例えば3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシランの製造の際に使用することができる。
【0035】
一般的に、精留のためにエステル化からの生成物混合物を精留装置の塔底に移し、その際、例えば生成物混合物中の酸性塩化物の割合の連続的測定により、塩基を等モル量か又は化学量論的過剰で供給する。こうして、塩基を既にエステル化と精留装置との間の生成物混合物の物質流に供給することができる。生成物混合物と塩基とを一緒にすることを、十分な混ぜ合わせの下で行うのが好適である。十分な混ぜ合わせを、例えば攪拌により達成することもできる。
【0036】
本発明による方法では、金属アルコラートとしてアルカリ金属アルコラート又はアルカリ土類金属アルコラート、特に有利にナトリウムアルコラート又はカリウムアルコラート又はマグネシウムアルコラートを使用する。アルコラートをアルコール溶液として使用するのが好適であり、その際アルコラートは使用アルコールに対応するのが有利である。
【0037】
精留を、本発明による方法では一般的に減圧下で実施し、その際、塔底温度を各アルコキシシランの必要条件に合わせることができ、その際、純生成物を塔頂部を介して取出すのが好適である。殊に本発明による方法の経済性に関する特別な1利点は、金属アルコラート、酸性塩化物及び場合によりアンモニアからの中和生成物を有利に精留の蒸留残留物と一緒に排出し、付加的な濾過を省くことができることである。
【0038】
本発明による方法により得られる生成物は、一般的に下記の有利な特性により優れている:
− 高い生成物純度(GC>99%)
− 通常で<5質量ppmの酸性塩化物の含有率、<1質量ppmの酸性塩化物含有率を達成することができる
− 非常に低い色数(通常で<5 APHA)を有する無色透明な生成物
− 優良な貯蔵安定性及び溶解塩の後沈がないこと
− 最適化されかつ再生産可能な加水分解性
− 最少の不純物の故の広い使用範囲。
【0039】
本発明を下記の例により詳述する。
【0040】
【実施例】
例1A(比較例)
ヨーロッパ特許(EP−A2)第0282846号明細書に従う3−クロロプロピルトリメトキシシラン(CPTMO)の製造
不連続的エステル化反応器に3−クロロプロピルトリクロロシラン(CPTCS)212kg(1kモル)を50〜60℃で装入し、メタノール合計110kg(3.4kモル)を5時間以内に添加する。メタノールを液面下の潜液管を用いて添加する。メタノール添加の終了後に、粗製生成物を約80℃で更なる2時間還流に保つ。反応時に生じるHClを乾燥N2流により反応混合物から追い出す。引き続いて、形成された粗製エステルをトルエン約200kgで希釈し、80℃でナトリウムメチラート溶液(生成物中の加水分解されうる塩素1モルに対して約20モル%過剰)で中和し、室温まで冷却する。形成された塩化ナトリウムを濾別し、濾液を蒸留(真空蒸留)により後処理する。
【0041】
低沸点物(メタノール、トルエン)の分離後に、ガスクロマトグラフィーによる、CPTMO約94質量%の純度及び3−メトキシプロピルトリメトキシシラン(MOPTMO)約6質量%並びに約25ppmの加水分解されうる塩化物の含有率を有するCPTMO約161kg(81%)を得る。形成された蒸留残留物(シロキサン及びオリゴマーからなる約40kg)を廃棄する。
【0042】
例1B(比較例)
ヨーロッパ特許(EP−B1)第0532872号明細書に従うCPTMOの製造
例1Aに従って製造されたが、中和されておらずかつトルエンで希釈されたCPTMO粗製生成物(加水分解されうる塩化物の含有率約4.8質量%)を、ヨーロッパ特許第0532872号明細書中の記載に従って圧力オートクレーブ内でメタノール及びアンモニア(加水分解されうる塩化物の含有量に対して約10モル%過剰)を用いて約80℃で1時間処理する。冷却された粗製生成物から、加圧濾過(ザイツフィルター)により、沈殿した塩化アンモニウムを除去し(加水分解されうる塩化物の残留含有率約85ppm)、真空での分留により精製する。蒸留後に、ガスクロマトグラフィーによる純度>0.5質量%及び46ppmの加水分解されうる塩化物の割合を有するCPTMO約85質量%を得る。
【0043】
例1C
CPTMOの製造
不連続的エステル化反応器内に、3−クロロプロピルトリクロロシラン(CPTCS)212kg(1kモル)を50〜60℃で装入し、メタノール合計110kg(3.4kモル)と5時間以内に反応させる。メタノールを液面下の潜液管を用いて添加する。メタノール添加の経過中に反応器内部温度を、常時の後加熱により、粗製エステルバッチが常に還流に保たれるが、内部温度が110〜115℃を超えないように選択する。形成されたHClの除去のために、全体の反応を弱い低圧(約100ミリバール)及び未反応メタノール(HClストリッピングアルコール)の同時の留去で実施する。
【0044】
しかし、ストリッピング工程を、化学量論的メタノール量の約60%が消費されている場合に初めて開始する。ストリッピングのために付加的に更なるメタノール40kgを沸騰反応混合物に添加するが、これを、形成されたHClと一緒に直ぐにまた反応器から留去し、次の反応バッチで再び使用する。
【0045】
メタノール添加の終了後に、酸性バッチを室温に冷却し、0.1n NaOHを用いる滴定により加水分解されうる塩化物の含有量を測定する(残留塩化物含有量 0.1n NaOH約0.5〜1.0ml)。中和を、直接にエステル化反応器内でも蒸留容器内でも行うことができる。通常、粗製生成物を蒸留容器に移し、そこで30〜40℃の温度で僅かに化学量論的過剰のナトリウムメチラート溶液(メタノール中30%)又はマグネシウムメチラート溶液(メタノール中の飽和溶液)を加え、攪拌下で60分間中和する。精確な中和のために必要な量の金属アルコラート溶液を、粗製生成物が、滴定での0.1n HCl 1〜2mlの消費に相当するアルカリ度を示すまでの間添加する。中和剤として同様に可能なアンモニアを使用の際には、中和の終了は、滴定の間の0.1n HCl 約5mlの消費により示される。各中和剤の選択を、CPTMO純生成物での所望の品質基準により定める。中和の終了後に粗製生成物を真空での分留により精製し、形成された塩を蒸留残留物と一緒に(更なる濾過なしに)排出する。
【0046】
GC純度>99%、MOPTMO含有率<0.3%及び加水分解されうる塩化物の含有率<5ppmを有するCPTMO約95質量%を得る(中和剤としてNaOCH3溶液又はNaOCH3/NH3の組合わせを使用)。マグネシウムメチラート溶液を使用の場合には、GC純度>99.5%、MOPTMO含有率<0.1%及び加水分解されうる塩化物<1ppmを有する95質量%を得る。
【0047】
例2A(比較例)
ヨーロッパ特許第0282846号明細書に従うビニルトリエトキシシラン(VTEO)の製造
比較例1Aに記載の方法に従って、ビニルトリクロロシラン(VTC)161.5kg(1kモル)をエタノール合計152kg(3.3kモル)と反応させ、(粗製生成物中の加水分解されうる塩化物1モルに対して)20モル%過剰でのナトリウムメチラート溶液(エタノール中21%)を用いて中和し、濾過後に蒸留により後処理する。
【0048】
97.5%のGC純度、テトラエトキシシラン含有率2500ppm、17ppmの加水分解されうる塩化物の含有率及び10 APHAの色数を有するVTEO約127kg(86%)を得る。
【0049】
例2B(比較例)
ヨーロッパ特許第0532872号明細書に従うVTEOの製造
比較例1Bに記載の方法に従って、比較例2Aにより製造されたが中和されていないVTEO粗製生成物(加水分解されうる塩化物の含有率 約2.1質量%)を圧力オートクレーブ内でエタノール及びアンモニア(加水分解されうる塩化物の含有量に対して約10モル%過剰のNH3)と100℃で1時間処理する。濾過及び蒸留後に、97.8%のGC純度、テトラメトキシシラン含有率<800ppm、64ppmの加水分解されうる塩化物の含有率及び5 APHAの色数を有するVTEO約88.5質量%を得る。
【0050】
例2C
VTEOの製造
例1Cに記載の方法に従って、VTC 161.5kg(1.0kモル)をエタノール合計152kg(3.3kモル)とストリッピング法の使用下で反応させ、事前の濾過なしに蒸留容器内でナトリウムメチラート溶液(エタノール中21%)又はマグネシウムエチラート溶液(エタノール中の飽和溶液)を用いて中和する。中和の終点は、0.1n HCl 1〜2mlの消費に相当する粗製生成物アルカリ度で達成される。蒸留による精製後に、GC純度>99%、テトラエトキシシラン含有率<800ppm、加水分解されうる塩化物<1ppm及び色数<5 APHAを有するVTEO約92質量%を得る。中和剤としてマグネシウムエチラート溶液を使用の場合には、GC純度>99%、テトラエトキシシラン含有率<300ppm、色数<5 APHA及び加水分解されうる塩化物含有率<1ppmを有するVTEO 94質量%を得る。
【0051】
例2D
VTEOの連続的製造
反応塔及び前留分塔(Vorlaufkolonne)から成る連続的エステル化装置で、同時にビニルトリクロロシラン約100kg/時間及びエタノール80〜90kg/時間を反応塔に約60℃及び常圧で入れ、そこで反応させる。形成された塩化水素を塔頂部を介して排出し、強い酸性のシランエステル粗製生成物(酸性度約5000ppm)を、塔底部で反応塔から出し、送りポンプを用いて第2のエステル化塔(前留分塔)に入れる。前留分塔で、なお完全には反応していないクロロシラン分(約5000ppm)を、少量のエタノール(約10〜20kg)の付加的な添加により後エステル化させ、粗製生成物中になお溶けているHClを粗製生成物の沸騰温度(約80〜90℃)で前留分塔の頂部を介して除去する。過剰のエタノールを、同様に前留分塔の頂部を介して出し、改めて反応塔に入れる。脱離された(desorbiert)粗製生成物を、塔底部を介して前留分塔から出し、数個の熱交換器を介して冷却後に粗製生成物容器内にポンプで排出する。こうして製造された粗製エステルは、高いGC純度及び低い残留酸性度により優れいてる(酸性度 最大200ppm、VTEO含有率>98%、シロキサン含有率<1%、エタノール含有率<1%)。
【0052】
VTEO粗製生成物を、連続蒸留によっても不連続蒸留によってもナトリウムエチラート又はマグネシウムエチラート溶液(中和剤として、0.1n HCl 1.5mlの消費で中和終点)の添加下で精製することができる。形成された塩化ナトリウム又は塩化マグネシウムを蒸留残留物と一緒に排出する(これに関しては例1C参照)。
【0053】
GC純度>99.3%、テトラエトキシシラン含有率<200ppm、色数<5 APHA及び加水分解されうる塩化物含有率<1ppmを有するVTEO 約96質量%の収率を得る。
【0054】
例3A(比較例)
ヨーロッパ特許第0282846号明細書に従うヘキサデシルトリメトキシシランの製造
比較例1Aに記載の方法に従って、ヘキサデシルトリクロロシラン360kg(1kモル)をメタノール合計110kg(3.4kモル)と反応させ、(粗製生成物中の加水分解されうる塩化物1モルに対して)20モル%過剰でのナトリウムメチラート溶液(メタノール中30%)を用いて中和し、濾過後に蒸留により後処理する。98.5%のGC純度(異性体混合物)、色数10 APHA及び12ppmの加水分解されうる塩化物を有するヘキサデシルトリメトキシシラン約280kg(81%)を得る。
【0055】
例3B(比較例)
ヨーロッパ特許第0532872号明細書に従うヘキサデシルトリメトキシシランの製造
比較例1Bに記載の方法に従って、比較例3Aにより製造されが、中和されていない粗製生成物(加水分解されうる塩化物の含有率 約1.8質量%)を圧力オートクレーブ内でメタノール及びアンモニア(加水分解されうる塩化物の含有量に対して約10モル%過剰のNH3)と約100℃で1時間処理する。濾過及び蒸留後に、98.4%のGC純度(異性体混合物)、色数<10 APHA及び47ppmの加水分解されうる塩化物を有するヘキサデシルトリメトキシシラン約86%を得る。
【0056】
例3C
ヘキサデシルトリメトキシシランの製造
例1Cに記載の方法に従って、ヘキサデシルトリクロロシラン360kg(1kモル)をメタノール合計100kg(1kモル)と、ストリッピング法の使用下で12時間の添加時間の間に反応させ、事前の濾過なしに蒸留容器内でナトリウムメチラート溶液(メタノール中30%)又はマグネシウムメチラート溶液(メタノール中の飽和溶液)を用いて中和する。中和の終点は、0.1n HCl 2mlの消費に相当する粗製生成物アルカリ度で達成される。
【0057】
真空での蒸留による精製後に、GC純度>99%(異性体混合物)、色数<5APHA及び加水分解されうる塩化物<2ppmを有するヘキサデシルトリメトキシシラン約95.3質量%を得る。マグネシウムメチラート溶液を使用の場合には、ヘキサデシルトリメトキシシラン96質量%を、他は同じ最終生成物の質で得る。
【0058】
例4A(比較例)
ヨーロッパ特許第0282846号明細書に従うテトラ(2−メトキシエトキシ)シラン(CM)の製造
比較例1Aに記載の方法に従って、テトラクロロシラン170kg(1kモル)をメチルグリコール合計335kg(4kモル)と反応させ、(粗製生成物中の加水分解されうる塩化物1モルに対して)20モル%過剰でのナトリウムメチラート溶液(メタノール中30%)を用いて中和し、引き続く蒸留を伴う濾過により後処理する。
【0059】
97.3%のGC純度、2−クロロエトキシ−トリス(2−メトキシエトキシ)シランの含有率1.9%、色数15 APHA及び27ppmの加水分解されうる塩化物を有するテトラ(2−メトキシエトキシ)シラン約284kg(86.5%)を得る。
【0060】
例4B(比較例)
ヨーロッパ特許第0532872号明細書に従うテトラ(2−メトキシエトキシ)シランの製造
比較例1Bに記載の方法に従って、比較例4Aにより製造されたが中和されていないCM粗製生成物(加水分解されうる塩化物含有率 約2.1質量%)を圧力オートクレーブ内でメチルグリコール及びアンモニア(加水分解されうる塩化物の含有量に対して約10モル%過剰のNH3)と約80℃で1時間処理する。濾過及び蒸留後に、97.8%のGC純度、2−クロロエトキシ−トリス(2−メトキシエトキシ)シランの含有率0.85%、色数10 APHA及び61ppmの加水分解されうる塩化物を有するテトラ(2−メトキシエトキシ)シラン約88質量%を得る。
【0061】
例4C
テトラ(2−メトキシエトキシ)シラン(CM)の製造
例1Cに記載の方法に従って、テトラクロロシラン170kg(1kモル)をメチルグリコール合計335kg(4.4kモル)とストリッピング法の使用下で反応させ、事前の濾過なしに蒸留容器内でナトリウムメチラート溶液(メタノール中30%)又はマグネシウムメチラート溶液(メタノール中の飽和溶液)を用いて中和する。中和の終点は、0.1n HCl 1〜2mlの消費に相当する粗製生成物アルカリ度で達成される。
【0062】
真空での蒸留による後処理後に、GC純度>99.5%、色数5 APHA、2−クロロエトキシ−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン含有率<0.4%及び加水分解されうる塩化物<5ppmを有するテトラ(2−メトキシエトキシ)シラン約92質量%を得る。マグネシウムメチラート溶液を使用の場合には、GC純度>99.7%、色数<5 APHA、2−クロロエトキシ−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン含有率<0.4%及び加水分解されうる塩化物<5ppmを有する純生成物(CM)約93.5質量%を得る。
【0063】
例4D
テトラ(2−メトキシエトキシ)シラン(CM)の連続的製造
前留分塔及び反応塔から成る連続的エステル化装置で、同時にテトラクロロシラン約60kg/時間及びメチルグリコール120〜130kg/時間を反応塔に約55℃及び常圧で入れ、そこで反応させる。形成された塩化水素を塔頂部を介して排出し、強い酸性のシランエステル粗製生成物を、塔底部で反応塔から出し、好適な送りポンプを用いて第2のエステル化塔(前留分塔)に入れる。前留分塔で、なお完全には反応していないクロロシラン分(約500ppm)を、更なる量のメチルグリコール(約20kg/時間)の付加的な供給により後エステル化させ、粗製生成物中になお溶けているHClを粗製生成物の沸騰温度(120〜145℃)で塔頂部を介して除去する。過剰のメチルグリコールを、前留分塔の頂部を介して出し、改めて反応塔に入れる。
【0064】
脱離された粗製生成物を、塔底部を介して前留分塔から出し、数個の熱交換器を介して冷却後に粗製生成物容器内にポンプで排出する。こうして製造された粗製エステルは、高い純度及び低い残留酸性度により優れいてる(酸性度 最大50ppm、シロキサン含有率<3%、メチルグリコール含有率<5%、CM含有率>92%)。
【0065】
シランエステル粗製生成物を、連続蒸留によっても不連続蒸留によってもナトリウムメチラート又はマグネシウムメチラート溶液(中和剤として、0.1n HCl溶液 2mlで中和終点)の使用下で精製することができる。形成された塩化ナトリウム又は塩化マグネシウムを蒸留残留物と一緒に排出する(これに関しては例1C参照)。
【0066】
GC純度>99.5%、色数5 APHA、2−クロロエトキシ−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン含有率<0.1%及び加水分解されうる塩化物<5ppmを有するテトラ(2−メトキシエトキシ)シラン 93〜95質量%の収率を得る。

Claims (13)

  1. <5質量ppmの酸性塩化物の含有率を有するアルコキシシランの製法において、該製法は下記の工程
    (i)無水及び溶剤不含の相中で反応の際に生じる塩化水素の除去下でクロロシランをアルコールと反応させる工程
    (ii)10〜60℃の範囲の温度で生成物混合物に金属アルコラートを添加すること、及び中和された生成物混合物を十分な混ぜ合わせの下で処理し、その際アルコラートを酸性塩化物の割合に対して等モル量か又は化学量論的過剰で使用することを含めて、得られた生成物混合物を精留の塔底に移す工程、及び
    (iii)減圧下での処理された生成物混合物を精留する工程
    を含み、
    その際、アルコキシシランが、下記の一般式I又はII:
    Figure 0004996002
    [式中、Rは、C原子1〜4個を有する線状若しくは分枝したアルキル基又は式:
    −[(CH2y−O]z−R3
    [式中、yは2、4、6又は8であり、zは1、2、3又は4であり、R3はC原子1〜8個を有する線状又は分枝したアルキル基である]で示されるグリコールエーテル単位を表し、
    1は、C原子1〜20個を有する線状、分枝した若しくは環状アルキル基又はC原子1〜20個を有する線状、分枝した若しくは環状クロロアルキル基又はC原子1〜10個を有する線状、分枝した若しくは環状アルケニル基を表し、
    2は、C原子1〜4個を有する線状又は分枝したアルキル基を表し、
    nは0又は1又は2であり、mは0又は1であり、かつ(n+m)は1又は2又は3である]、又は
    Si(OR44 (II)
    [式中、R4は、C原子1〜8個を有する線状若しくは分枝したアルキル基又は式:
    −[(CH2y−O]z−R5
    [式中、yは2、4、6又は8であり、zは1、2、3又は4であり、R5はC原子1〜8個を有する線状又は分枝したアルキル基である]で示されるグリコールエーテル単位を表す]を満たすことを特徴とする、アルコキシシランの製法。
  2. クロロシランとアルコールとの反応の際に生じる塩化水素の除去のために、前記反応の際に連続的に前記アルコールを液体の形で添加し、過剰分の使用アルコールを塔頂部を介して取り出す、請求項1記載の方法。
  3. 精留の塔底中で生成物混合物に金属アルコラートを添加し及び引き続く処理を十分な混ぜ合わせの下で25℃以上40℃未満の温度で実施する、請求項1又は2記載の方法。
  4. 生成物混合物を精留装置の塔底で精留の開始前の4時間までに前記工程(ii)に記載の処理を行い、引き続いて蒸留を行う、請求項1から3の少なくともいずれか1項記載の方法。
  5. 蒸留の開始前に、金属アルコラートで処理された生成物混合物を、場合によりなお存在する痕跡量の酸性塩化物の中和のために、これに当量か又は化学量論的過剰のアンモニアで後処理する、請求項1から4の少なくともいずれか1項記載の方法。
  6. 金属アルコラート、酸性塩化物及び場合によりアンモニアからの中和生成物を精留の蒸留残留物と一緒に排出する、請求項1から5の少なくともいずれか1項記載の方法。
  7. アルコールとして、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、メチルグリコール又はエチルグリコールを使用する、請求項1から6の少なくともいずれか1項記載の方法。
  8. 金属アルコラートをアルコール溶液として使用する、請求項1から7の少なくともいずれか1項記載の方法。
  9. 金属アルコラートを使用し、その際該アルコラートが前記工程(i)において使用されるアルコールに対応する、請求項1から8の少なくともいずれか1項記載の方法。
  10. 金属アルコラートとして、アルカリ金属アルコラート又はアルカリ土類金属アルコラートを使用する、請求項1から9の少なくともいずれか1項記載の方法。
  11. 金属アルコラートとして、ナトリウムアルコラート又はカリウムアルコラート又はマグネシウムアルコラートを使用する、請求項10記載の方法。
  12. 本方法を保護ガス下で行う、請求項1から10の少なくともいずれか1項記載の方法。
  13. 本方法を連続工程として実施する、請求項1から12の少なくともいずれか1項記載の方法。
JP31394299A 1998-11-06 1999-11-04 アルコキシシランの製法 Expired - Fee Related JP4996002B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE19851148.5 1998-11-06
DE19851148 1998-11-06
DE19941590.0 1999-09-01
DE19941590A DE19941590A1 (de) 1998-11-06 1999-09-01 Verfahren zur Herstellung von Alkoxysilanen

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000154193A JP2000154193A (ja) 2000-06-06
JP4996002B2 true JP4996002B2 (ja) 2012-08-08

Family

ID=26049991

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31394299A Expired - Fee Related JP4996002B2 (ja) 1998-11-06 1999-11-04 アルコキシシランの製法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6242628B1 (ja)
EP (1) EP0999215B1 (ja)
JP (1) JP4996002B2 (ja)
AT (1) ATE272065T1 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10126669A1 (de) * 2001-06-01 2002-12-05 Degussa Verfahren zur Spaltung von cyclischen Organosilanen bei der Herstellung von aminofunktionellen Organoalkoxysilanen
KR100855671B1 (ko) * 2001-10-11 2008-09-03 주식회사 케이씨씨 고순도 알콕시실란의 제조방법
KR20030030476A (ko) * 2001-10-11 2003-04-18 주식회사 금강고려화학 3-클로로프로필알콕시실란의 제조방법
WO2005028486A1 (en) * 2003-09-12 2005-03-31 Honeywell International Inc. Methods of refining silane compounds
JP4304510B2 (ja) * 2004-02-16 2009-07-29 信越化学工業株式会社 難燃性添加剤、並びにエマルション型コーティング剤及び難燃性組成物
DE102004025766A1 (de) * 2004-05-26 2005-12-22 Degussa Ag Herstellung von Organosilanestern
DE102004056977A1 (de) * 2004-11-25 2006-06-01 Wacker Chemie Ag Glykolfunktionelles Siloxangemisch
DE102005003898A1 (de) 2005-01-27 2006-08-03 Wacker Chemie Ag Kontinuierliches Verfahren zur Herstellung SiOC-enthaltender Verbindungen
US20070287849A1 (en) * 2006-06-13 2007-12-13 Air Products And Chemicals, Inc. Low-Impurity Organosilicon Product As Precursor For CVD
JP5527520B2 (ja) * 2006-12-01 2014-06-18 プロチミー インターナショナル,エルエルシー アルコキシシランの調製工程
US20080188679A1 (en) * 2007-02-05 2008-08-07 Air Products And Chemicals, Inc. Method Of Purifying Organosilicon Compositions Used As Precursors In Chemical Vapor Desposition
DE102007050199A1 (de) * 2007-10-20 2009-04-23 Evonik Degussa Gmbh Entfernung von Fremdmetallen aus anorganischen Silanen
US8809220B2 (en) * 2010-04-13 2014-08-19 Union Carbide Chemicals & Plastics Technology Llc Method of making Ziegler-Natta type catalysts
DE102011005581A1 (de) 2011-03-15 2012-09-20 Wacker Chemie Ag Kontinuierliches Verfahren zur Herstellung SiOC-enthaltender Verbindungen
CN102532181B (zh) * 2011-12-07 2014-05-28 江西晨光新材料有限公司 一种三甲氧基氢硅醇解工艺
JP5978940B2 (ja) * 2012-11-16 2016-08-24 信越化学工業株式会社 オルガノキシシラン中の残留ハロゲン化物の低減方法
JP6252447B2 (ja) * 2014-11-27 2017-12-27 信越化学工業株式会社 オルガノキシシランの製造方法
DE102018210886A1 (de) 2018-07-03 2020-01-09 Evonik Degussa Gmbh Verfahren zur Herstellung von Alkylalkoxysilanen
CN113980277A (zh) * 2020-07-27 2022-01-28 新特能源股份有限公司 苯基羟基硅油、苯基含氢硅油及其制备方法和制备装置
CN113620987B (zh) * 2021-08-19 2022-05-06 山东大学 一种功能性硅烷的制备方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4211717A (en) * 1979-03-23 1980-07-08 Zirconal Processes Limited Manufacture of alkyl silicates
JPS62114992A (ja) * 1985-11-14 1987-05-26 Toray Silicone Co Ltd アルコキシシランの精製方法
DE3708293A1 (de) * 1987-03-14 1988-09-22 Basf Ag Verfahren zur herstellung von alkoxysilanen mit niedrigem gehalt an chlorverbindungen
JPH0446183A (ja) * 1990-06-11 1992-02-17 Daihachi Chem Ind Co Ltd アルコキシシランの精製方法
DE4130643A1 (de) * 1991-09-14 1993-03-18 Degussa Verfahren zur reinigung von alkoxysilanen
US5210254A (en) * 1992-03-31 1993-05-11 Union Carbide Chemicals & Plastics Technology Corporation Acidic halide neutralization in alkoxysilanes
EP0702017B1 (de) 1994-09-14 2001-11-14 Degussa AG Verfahren zur Herstellung von chloridarmen bzw. chloridfreien aminofunktionellen Organosilanen
DE19516386A1 (de) * 1995-05-04 1996-11-07 Huels Chemische Werke Ag Verfahren zur Herstellung von an chlorfunktionellen Organosilanen armen bzw. freien aminofunktionellen Organosilanen

Also Published As

Publication number Publication date
EP0999215A3 (de) 2002-03-20
JP2000154193A (ja) 2000-06-06
EP0999215B1 (de) 2004-07-28
EP0999215A2 (de) 2000-05-10
ATE272065T1 (de) 2004-08-15
US6242628B1 (en) 2001-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4996002B2 (ja) アルコキシシランの製法
JP4996003B2 (ja) アルコキシシランの製造法
DK142237B (da) Kontinuerlig fremgangsmaade til fremstilling af alkoxysilaner
JPH08301882A (ja) クロル官能性オルガノシランの少ない又はそれを含まないアミノ官能性オルガノシランの製造法
JP6356275B2 (ja) シラノールのアルカリ塩からシロキサンを製造するための方法
JPS62918B2 (ja)
US20110282088A1 (en) Process for preparing bis- and tris(silylorgano)amines
JP2007084497A (ja) ケチミン構造含有アルコキシシランの製造方法
US8008521B2 (en) Processes for the production of tri-organo-monoalkoxysilanes and process for the production of tri-organo-monochlorosilanes
US6084116A (en) Process for preparing acetoxysilanes
EP1368359B1 (en) Continuous transesterification process for alkoxyorganosilicon compounds
US4717773A (en) Silicate esters and organosilicon compounds
JP2003532734A (ja) 第二級アミノイソブチルアルコキシシラン類の調製
DE19941283A1 (de) Verfahren zur Herstellung von chloridarmen oder chloridfreien Alkoxysilanen
KR20120093185A (ko) 플루오로카보작용성 알콕시실란과 클로로실란의 합성
CN102803275B (zh) 制备有机烷氧基氢硅烷的方法
US7847116B2 (en) Method of manufacturing an aminoaryl-containing organosilicon compound and method of manufacturing an intermediate product of the aforementioned compound
JP3210850B2 (ja) フルオロアルキルアルコキシシランの製法
KR100521614B1 (ko) 3-[n-(2-아미노에틸)]아미노프로필알콕시실란의 제조방법
Gunji et al. Syntheses and Properties of Sila-Functional Oligosiloxanes—Linear and Cyclic Tetrasiloxanes with Methyl and Vinyl Groups—
CZ394199A3 (cs) Způsob výroby alkoxysilanů
DE19941590A1 (de) Verfahren zur Herstellung von Alkoxysilanen
KR20060070719A (ko) 트리메틸클로로실란을 함유하는 사염화규소로부터트리메틸클로로실란을 분리하고 동시에 전자급테트라에톡시실란과 도료용 에틸실리케이트를 제조하는 방법
TW202021906A (zh) 用於降低含鹵矽烷的組合物中之硼化合物含量的方法
RU95111422A (ru) Способ получения метилфенилдихлорсилана

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100415

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100702

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100707

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101015

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20101228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110727

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20111014

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20111019

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120419

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120511

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150518

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4996002

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees