JP4995050B2 - 無線通信端末及びアンテナ選択方法 - Google Patents
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Description
ダイバーシティとは、複数のアンテナで受信した同一の無線信号について、電波状況の優れたアンテナの信号を優先的に用いる技術、或いは受信した信号を合成し、ノイズを除去する技術である。
選択ダイバーシティを行う無線通信端末では、受信時にはまず2本のアンテナの両方で基地局からの送信信号の受信を試み、受信状態のよい方のアンテナを選択して受信に使用する。送信時には、受信時に最も受信状態が良好であったアンテナを選択して使用する。このような技術として、例えば特許文献1に開示された技術がある。
以下説明する携帯端末100は、本発明の無線通信端末の一例である。
図1は、携帯端末100を含む通信システム1000の一例を示す図である。
図1に示すように、通信システム1000は、携帯端末100、基地局200、通信ネットワーク300を有する。
なお、図1においては簡単のために携帯端末100及び基地局200を1つずつしか示していないが、本発明の通信システム1000は複数の携帯端末100及び基地局200を有していてもよい。
本実施形態では、通信システム1000はTDMA/TDD方式の通信システムであるとする。
基地局200は、携帯端末100との間で無線通信を行う一方、通信ネットワーク300に接続され、携帯端末100と電話網との間の通信を中継する役割を有する。
通信ネットワーク300は、携帯端末100を含む公衆電話網、或いはインターネット等のデータ通信ネットワークであり、基地局200を介して携帯端末100に対するデータの送受信(例えば、音声通話時の音声データ送受信、インターネット閲覧時のデータ通信等)を行う。
図2は、携帯端末100の構成の一例を示す図である。
図2に示すように、携帯端末100は、2本のアンテナ11、12、アンテナ切替部2、通信部3、受信レベル測定部4、制御部5を有する。
アンテナ切替部2は、制御部5の制御に従って、通信に使用するアンテナをアンテナ11とアンテナ12のいずれかに切り替える。
受信レベル測定部4は、制御部5の制御に従い、通信部3が基地局200から受信した信号の受信レベルを測定する。受信信号の受信レベルは例えばRSSI(Received Signal Strength Indication)によって測定される。
まず、TDMA/TDD方式の通信システムにおける通信について説明する。
この方式では、1つの無線キャリア上のデジタル信号を5msごとのフレームに分割し、さらに各フレームを8個のタイムスロットに分割する。下り方向(基地局200から携帯端末100への通信)に4タイムスロット、上り方向(携帯端末100から基地局200への通信)に4タイムスロットが割り当てられる。
携帯端末100は、ある通信チャネルにおいて妨害波信号が所定のレベル以上検出された場合には、通信の品質が劣化する恐れがあるため、当該通信チャネルでの通信をそれ以降行わないようにする。
図3は、通信システム1000における携帯端末100のアンテナ選択処理の動作の一例を示している。
図3に示すように、携帯端末100は、5msのフレームが8個に分割されたタイムスロットにおいて、タイムスロット#1〜#4では空きチャネルサーチ及びキャリアセンスを行い、#5〜#8では基地局200との同期を取るための同期バースト信号を受信する。
なお、本発明では空きチャネルサーチ及びキャリアセンスを必ずしもアンテナ11とアンテナ12とを交互に切り替えて行う必要はなく、アンテナ11を使用した空きチャネルサーチ及びキャリアセンスと、アンテナ12を使用した空きチャネルサーチ及びキャリアセンスとは、同じ回数であればどのような順序で行ってもよい。
携帯端末100の制御部5は、アンテナ11或いは12によって受信した、基地局200からの制御信号受信タイミングでの妨害波を通信部3に受信させ、受信レベル測定部4に受信レベルを測定させる。測定された妨害波の受信レベルを、U(Undesired)波(=妨害波)レベルと称する。
D/U比算出の具体例について以下説明する。
図4は、通信開始時に2つのアンテナ11、12によって測定されたU波レベル及びD波レベルの具体例を示す図である。
制御部5は、1つのアンテナで測定されたU波及びD波それぞれのうち、最も受信レベルが高いものを抽出する。すなわち、図4に示した例では、アンテナ11のU波レベルとしてタイムスロット#3における59dB、アンテナ12のU波レベルとしてタイムスロット#2における52dB、アンテナ11のD波レベルとしてタイムスロット#5或いは#7における83dB、アンテナ12のD波レベルとしてタイムスロット#6或いは#8における78dBを抽出する。
ここで、制御部5は算出したアンテナごとのD/U比を基に、値が大きい方のアンテナを選択し、以後の通信においては選択した方のアンテナを使用する。すなわち、上述した例ではアンテナ12を使用することに決定し、アンテナ切替部2に切り替えさせ、以後通信が途切れる(或いは通信を中断する)まではアンテナ12を使用した通信を行う。
図5は、アンテナ選択処理時の制御部5の動作例を示すフローチャートである。
ステップST1:
制御部5は、アンテナ切替部2にアンテナ11に切り替えさせて、アンテナ11を使用して空きチャネルサーチとキャリアセンス(受信レベル測定部4による妨害波受信レベル測定)とを行う(図3に示すタイムスロット#1)。
ステップST2:
制御部5は、アンテナ切替部2にアンテナ12に切り替えさせて、アンテナ12を使用して空きチャネルサーチとキャリアセンスとを行う(図3に示すタイムスロット#2)。
制御部5は、アンテナ切替部2に再度アンテナ11に切り替えさせて、アンテナ11を使用して空きチャネルサーチとキャリアセンスとを行う(図3に示すタイムスロット#3)。
ステップST4:
制御部5は、アンテナ切替部2に再度アンテナ12に切り替えさせて、アンテナ12を使用して空きチャネルサーチとキャリアセンスとを行う(図3に示すタイムスロット#4)。
制御部5は、アンテナ切替部2にアンテナ11に切り替えさせて、アンテナ11を使用して同期バースト信号の受信と希望波の受信レベル測定とを行う(図3に示すタイムスロット#5)。
ステップST6:
制御部5は、アンテナ切替部2にアンテナ12に切り替えさせて、アンテナ12を使用して同期バースト信号の受信と希望波の受信レベル測定とを行う(図3に示すタイムスロット#6)。
制御部5は、アンテナ切替部2に再度アンテナ11に切り替えさせて、アンテナ11を使用して同期バースト信号の受信と希望波の受信レベル測定とを行う(図3に示すタイムスロット#7)。
ステップST8:
制御部5は、アンテナ切替部2に再度アンテナ12に切り替えさせて、アンテナ12を使用して同期バースト信号の受信と希望波の受信レベル測定とを行う(図3に示すタイムスロット#8)。
制御部5は、各アンテナで測定されたU波レベル(妨害波受信レベル)とD波レベル(希望波受信レベル)のうち、アンテナごとに大きいU波レベルとD波レベルとを抽出する。すなわち、ステップST1とステップST3で測定した、アンテナ11におけるU波レベルの内大きい方(CarrierSenseLevelAnt11と称する)、ステップST2とステップST4で測定した、アンテナ12におけるU波レベルの内大きい方(CarrierSenseLevelAnt
12と称する)、ステップST5とステップST7で測定された、アンテナ11におけるD波レベルの内大きい方(RcvSyncBurstAnt11と称する)、ステップST6とステップST8で測定された、アンテナ12におけるD波レベルの内大きい方(RcvSyncBurstAnt12と称する)をそれぞれ抽出する。
ステップST10:
制御部5は、ステップST9において抽出したアンテナ11におけるU波レベル、D波レベルと、アンテナ12におけるU波レベル、D波レベルとを基に、アンテナ11とアンテナ12それぞれにおけるD/U比を算出する。
ステップST11:
制御部5は、ステップST10において算出したアンテナ11とアンテナ12におけるD/U比を比較し、値が大きい方のアンテナを選択して以後通信を行う。
また、本実施形態の携帯端末100は、妨害波の存在にかかわらず適切なアンテナを選択できるため、QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)等、よりCN比が必要となる通信システムにおいて使用される携帯端末としても利用可能である。
すなわち、本発明の実施に際しては、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
Claims (4)
- 第1のアンテナと、
第2のアンテナと、
前記第1のアンテナと第2のアンテナとを切り替えるアンテナ切替部と、
前記アンテナ切替部により切り替えられたアンテナにより基地局との通信を行う通信部と、
前記通信部が受信した信号の受信レベルを測定する受信レベル測定部と、
制御部と、
を有し、
前記制御部は、基地局との通信開始時或いは中断後の再開時に、前記受信レベル測定部が測定した前記第1のアンテナにおける妨害波の受信レベルと、前記第2のアンテナにおける妨害波の受信レベルと、前記第1のアンテナにおける希望波の受信レベルと、前記第2のアンテナにおける希望波の受信レベルとを基に、前記第1のアンテナにおけるD/U比と、前記第2のアンテナにおけるD/U比を算出し、算出したD/U比がより大きい方のアンテナを前記通信開始或いは前記中断後の再開した通信が途切れるまで、又は前記通信開始或いは前記中断後の再開した通信が中断されるまで使用するために選択し、
前記通信部は、前記基地局との通信をTDMA/TDD方式で行い、
前記制御部は、TDMA/TDDフレーム内の各タイムスロットごとに前記アンテナ切替部にアンテナを切り替えさせて前記第1のアンテナにおける妨害波の受信レベルと、前記第2のアンテナにおける妨害波の受信レベルと、前記第1のアンテナにおける希望波の受信レベルと、前記第2のアンテナにおける希望波の受信レベルとを前記受信レベル測定部により測定させ、その測定の結果に基づいて前記第1のアンテナにおけるD/U比と、前記第2のアンテナにおけるD/U比を算出し、算出したD/U比がより大きい方のアンテナを選択する
ことを特徴とする無線通信端末。 - 前記制御部は、
前記通信部による空きチャンネルサーチと、前記受信レベル測定部による前記妨害波の受信レベル測定とを同一のタイムスロット内にて行わせ、
前記通信部による前記基地局からの同期バースト信号の受信と、前記受信レベル測定部による前記希望波の受信レベル測定とを同一のタイムスロット内にて行わせる
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。 - 前記制御部は、アンテナごとに妨害波或いは希望波の受信レベル測定とが複数回行われた場合に、同一のアンテナでの妨害波或いは希望波の受信レベルの最大値を当該アンテナの妨害波或いは希望波の受信レベルとして前記D/U比の算出に使用する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信端末。 - 第1のアンテナと第2のアンテナとを有し、切り替えて使用するTDMA方式の無線通信端末のアンテナ選択方法であって、
基地局との通信開始時或いは中断後の再開時に、TDMAフレーム内の各タイムスロットごとに前記第1のアンテナにおける妨害波の受信レベルと、前記第2のアンテナにおける妨害波の受信レベルと、前記第1のアンテナにおける希望波の受信レベルと、前記第2のアンテナにおける希望波の受信レベルとを測定し、
前記測定の結果に基づいて前記第1のアンテナにおけるD/U比と、前記第2のアンテナにおけるD/U比を算出し、
前記算出したD/U比がより大きい方のアンテナを選択して前記通信開始或いは前記中断後の再開した通信が途切れるまで、又は前記通信開始或いは前記中断後の再開した通信が中断されるまで使用する
ことを特徴とするアンテナ選択方法。
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