JP6514037B2 - 無線通信システム - Google Patents
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Description
図1には、SCPC方式のデジタル無線通信システムの構成例を示してある。図1のシステムは、複数の指令卓10(1)〜10(2)と、回線制御装置(LCU)20と、複数の基地局(BS)30(1)〜30(3)と、複数の移動局(MS)40(1)〜40(4)とを備えている。
以下では、指令卓10(1)〜10(2)を総称して指令卓10と記し、基地局30(1)〜30(3)を総称して基地局30と記し、移動局40(1)〜40(4)を総称して移動局40と記す。
すなわち、複数の基地局と、前記複数の基地局によって形成された無線通信エリア内で無線通信を行う移動局とを備えた無線通信システムにおいて、前記複数の基地局は、基地局毎に定められたチャネルを用いて情報を送信し、前記移動局は、基地局毎の各チャネルの電界レベルを測定するサーチ動作を行い、最も高い電界レベルが測定されたチャネルの順に同期捕捉を試みて、同期捕捉できたチャネルへの切り替えを行い、前記サーチ動作では、フレーム毎にチャネルを切り替えながら電界レベルを測定していき、所定の閾値以上の電界レベルが測定された場合に、それまでに電界レベルの測定を終えたチャネルの電界レベルを測定し直すことを特徴としている。
本例の無線通信システムは、SCPC方式のデジタル無線通信システムであり、図1に示すように、複数の指令卓10と、回線制御装置(LCU)20と、複数の基地局(BS)30と、複数の移動局(MS)40とを備えている。なお、基本的な構成は背景技術で説明したものと同じであるため、説明を省略する。
移動局40は、各種の制御を行うCPU(Central Processing Unit)41及びDSP(Digital Signal Processor)42と、通信相手となる基地局30又は他の移動局40に対する上り信号を送信する送信部43と、通信相手となる基地局30から下り信号を受信する第1受信部44と、通信相手となる他の移動局40から下り信号を受信する第2受信部45と、送信部43,第1受信部44,第2受信部45をアンテナに接続する共用器46と、音声の符号化及び復号化を行う音声符号化/復号化デバイス47と、音声を出力するスピーカ48と、音声を入出力するハンドセット49と、を備えている。また、ハンドセット49は、音声を出力するレシーバ49aと、音声を入力するマイク49bと、PTT(Push To Talk)による通話を行うためのPTTボタン49cを備えている。
すなわち、基地局30は、通信チャネルTchを用いて移動局40との通信を行い、通信が終了した場合には一定時間の空線を送信した後に停波し、通信が無い間は、所定時間の停波と所定時間の空線送信を繰り返す。空線送信を行う時間長(空線送信時間)は、移動局40のチャネルサーチに要する時間、定期的な周辺測定時間、同期捕捉に要する時間などを考慮して決定する必要がある。
<起動時、圏外時の基地局選択>
移動局40は、起動直後は圏外状態S1となり、まず、チャネルサーチT12を行う。
チャネルサーチT12では、希望する基地局エリアに対応する全ての受信チャネルについて、順次チャネルを切り替えながら、電界レベルを測定していく。そして、第1閾値以上の電界レベルが測定できた時点から、全ての受信チャネルで電界レベルを測定する。
同期捕捉T13では、ビット同期及びフレーム同期を試み、これらの両方が成功した場合に、同期捕捉が完了とする。一方、ビット同期及びフレーム同期のいずれかが失敗した場合には、同期候補中の次に高い電界レベルの受信チャネルに対して同期捕捉を試みる。
なお、チャネルサーチT12では、屋内や地下街の電波の届きにくいエリアにおける通信を確保するために設置される前進基地局を考慮して、基地局30からの報知情報に含まれるエリア番号と希望する基地局エリアのエリア番号とが異なる場合でも、同期捕捉完了とする。この場合には、圏内状態のまま受信チャネルの切り替えは行わない。
圏外待ち受けT11では、予め定めておいた特定の受信チャネル若しくは前回の圏内での受信チャネルに対して、同期捕捉を試みる。圏外待ち受けで一定時間が経過した場合は、チャネルサーチT12に移行する。
移動局40は、同期捕捉T13が完了すると、空線受信中状態S3となり、圏内待ち受けT31へ移行する。
圏内待ち受けT31では、現在(同期中)の受信チャネルで通信を待ち受けるとともに、その受信チャネルについて定期的に電界レベルを測定する。そして、電界レベルが第2閾値以下となった場合には、周辺サーチT32を開始する。
周辺サーチT32では、希望する受信エリアに対応する全ての受信チャネルで電界レベルを測定していく。ここで、周辺サーチのタイミングは、通話の呼出信号の受信に著しい影響が出ない範囲で決定する。基地局30の非通話時の空線送信時間を短くするためには、周辺サーチの間隔は短い方が望ましい。
移行判定T33では、移行候補中の最も電界レベルが高い受信チャネルから順に同期捕捉(ビット同期及びフレーム同期)を試みる。同期捕捉が完了した場合は、その受信チャネルで基地局30からの報知情報を受信して、報知情報に含まれるエリア番号と希望する基地局エリアのエリア番号を比較し、これらが一致した場合に移行判定が成功したとして、その受信チャネルに切り替えて圏内待ち受けT31に戻る。
移行候補中の全ての受信チャネルで移行判定に失敗した場合には、元の受信チャネルで再度同期捕捉を試みて、圏内待ち受けT31に戻る。
移動局40は、圏内待ち受けT31において現在(同期中)の受信チャネルで通信を待ち受け、通話の呼出信号を受信した場合には通信中状態S4となり、通話中T41へ移行する。
通話中T41では、音声の受信と送信を行い、通話が終了すると圏内待ち受けTS31に戻る。
周辺サーチT42では、希望する受信エリアに対応する全ての受信チャネルで電界レベルを測定する。通話中の周辺サーチは、通話に著しい影響が出ないように実施する必要がある。例えば、ARIB STD−T61であれば、1スーパーフレーム(=18フレーム)中に1フレームを他の受信チャネルの電界レベル測定に割り当てる。そして、1つの受信チャネルの電界レベルの測定が完了する都度、通話中T41に一旦戻り、一定時間の経過後に次の受信チャネルについて電界レベルの測定を行うことを繰り返す。
移行判定T43では、移行候補中の最も電界レベルが高い受信チャネルから順に同期捕捉(ビット同期及びフレーム同期)を試みる。同期捕捉が完了した場合は、その受信チャネルで基地局30からの報知情報を受信して、報知情報に含まれるエリア番号と希望する基地局エリアのエリア番号を比較し、これらが一致した場合に移行判定が成功したとして、その受信チャネルに切り替えて通話中T41に戻る。このとき、通話中であればその通話が継続される。
移行候補中の全ての受信チャネルで移行判定に失敗した場合には、元の受信チャネルで再度同期捕捉を試みて、通話中T41に戻る。
移行判定に成功して受信チャネルが切り替えられた場合、及び、移行判定に失敗して受信チャネルがそのままの場合のいずれも、一定期間は周辺サーチT43への移行を禁止する。
移動局40は、空線受信中状態S3又は通信中状態S4において同期外れを検出した場合は、みなし圏内状態S3となり、みなし圏内の圏外待ち受けT21へ移行する。
みなし圏内の圏外待ち受けT21では、前回の圏内での受信チャネルに対して、同期捕捉(ビット同期及びフレーム同期)を試みる。そして、同期捕捉に成功した場合には、再び空線受信中状態S3となり、圏内待ち受けT31へ移行する。一方、一定時間が経過しても同期捕捉に成功しない場合には、チャネルサーチT22を行う。
移動局40から送信を行う場合、圏内であれば、現在の受信チャネルに対応した送信チャネルを用いて送信を行う。圏外であれば、前回の圏内での受信チャネル若しくは予め定めておいた特定の受信チャネルに対応する送信チャネルを用いて送信を行う。どちらの受信チャネルに対応する送信チャネルを用いるかは、エリア構成、前進基地局の有無等の運用を鑑みて決める必要がある。エリアサーチ中や同期捕捉中でも動作を中断して送信を開始できることが望ましい。
図5には、移動局40にて全チャネルの電界レベルの測定を行う例を示してある。なお、図5におけるエア上及びCPU上のスーパーフレームの各番号は、1つのスーパーフレーム内の各フレームの番号を示す。すなわち、1つのスーパーフレームが、フレーム番号0〜17の合計18個のフレームで構成された例を示してある。同図における移動局40は、現在の受信チャネル(または、予め定めておいた特定の受信チャネル若しくは前回の圏内での受信チャネル)を自局基地局周波数とし、自局基地局の周辺の基地局n(本例では、n=1〜4)に対応する各受信チャネルを周辺基地局n周波数として、それぞれの電界レベルを測定している。また、CPU上のスーパーフレームは、エア上のスーパーフレームに対して2フレーム程度の遅延がある。
このため、移動局40は、基地局30の送信タイミングと移動局40の測定タイミングとが非同期であったとしても、全ての受信チャネルについて電界レベルをより正確に測定できるようになり、通信に適した基地局30の受信チャネルに自動的に切り替えることが可能となる。
図6には、移動局40にて全チャネルの電界レベル測定を行うタイミングの例を示してある。また、図7には、基地局30の空線送信時間の例を示してある。
また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法や方式、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記憶する記憶媒体などとして提供することも可能である。
41:CPU、 42:DSP、 43:送信部、 44:第1受信部、 45:第2受信部、 46:共用器、 47:音声符号化/復号化デバイス、 48:スピーカ、 49:ハンドセット、 49a:レシーバ、 49b:マイク、 49c:PPTボタン
Claims (4)
- 複数の基地局と、前記複数の基地局によって形成された無線通信エリア内で無線通信を行う移動局とを備えた無線通信システムにおいて、
前記複数の基地局は、基地局毎に定められたチャネルを用いて情報を送信し、
前記移動局は、基地局毎の各チャネルの電界レベルを測定するサーチ動作を行い、最も高い電界レベルが測定されたチャネルの順に同期捕捉を試みて、同期捕捉できたチャネルへの切り替えを行い、
前記サーチ動作では、フレーム毎にチャネルを切り替えながら電界レベルを測定していき、所定の閾値以上の電界レベルが測定された場合に、それまでに電界レベルの測定を終えたチャネルの電界レベルを測定し直し、
前記サーチ動作の間隔は、前記複数の基地局から送信される報知情報の受信に要する時間以上であることを特徴とする無線通信システム。 - 複数の基地局と、前記複数の基地局によって形成された無線通信エリア内で無線通信を行う移動局とを備えた無線通信システムにおいて、
前記複数の基地局は、基地局毎に定められたチャネルを用いて情報を送信し、
前記移動局は、基地局毎の各チャネルの電界レベルを測定するサーチ動作を行い、最も高い電界レベルが測定されたチャネルの順に同期捕捉を試みて、同期捕捉できたチャネルへの切り替えを行い、
前記サーチ動作では、フレーム毎にチャネルを切り替えながら電界レベルを測定していき、所定の閾値以上の電界レベルが測定された場合に、それまでに電界レベルの測定を終えたチャネルの電界レベルを測定し直し、
前記複数の基地局は、前記移動局との通信を開始する前の呼出準備信号を前記サーチ動作に要する時間より長く送信し、
前記移動局は、同期中の基地局から空線以外を受信した場合に前記サーチ動作を停止することを特徴とする無線通信システム。 - 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記複数の基地局は、前記移動局との通信を開始する前の呼出準備信号を前記サーチ動作に要する時間より長く送信し、
前記移動局は、同期中の基地局から空線以外を受信した場合に前記サーチ動作を停止することを特徴とする無線通信システム。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の無線通信システムにおいて、
前記複数の基地局は、前記移動局の通信が無い間は、報知情報を含む空線の送信と停波とを繰り返し、
前記空線の送信時間は、前記サーチ動作の間隔と、前記サーチ動作に要する時間と、前記同期捕捉に要する時間と、前記報知情報の受信に要する時間との合計時間より長い時間であることを特徴とする無線通信システム。
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