JP2006140912A - 携帯無線通信端末およびその基地局サーチ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 携帯電話の端末装置などとして実現され、基地局のシステムサービス圏外と判断した場合に、とまり木チャネルサーチと称される通信相手先となる基地局のサーチを行う携帯無線通信端末において、低消費電力化と受信性能とを両立する。
【解決手段】 レベル測定部4による受信レベルの測定結果を記憶する記憶部5を設け、通信制御部3は、システムサービス圏外と判断した時点で、過去からの受信レベルの変動に基づいて、端末の移動・停止状態を推測し、あるいはトンネル通過などで一時的に受信レベルが低下したのか、基地局から遠去かってゆくことで徐々に受信レベルが低下したのかを判断し、その判断結果に応じて、完全なサービスエリア外になった場合には直ちに低消費電力モードとして消費電力を削減し、一時的にサービスエリア外になった場合には通常モードのままで応答性を確保する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、携帯電話の端末装置などとして実現される携帯無線通信端末およびその基地局サーチ方法に関し、特にシステムサービス圏外時のとまり木チャネルサーチにおける端末の低消費電力化の手法に関する。
前記携帯電話の端末装置などの携帯無線通信端末では、内部電池を電源としており、限られた電池容量での端末駆動時間を延ばすために、端末の低消費電力化が課題となっている。
一方、携帯無線通信端末では、現在待ち受け中の基地局から遠去かるなどして、その基地局からの受信レベルが低下し、システムサービス圏外の状態になると、いち早く他の基地局のシステムサービス圏内に移行し、通信可能な状態を維持する必要がある。このため、とまり木チャネルと称される既定のチャネル群をサーチする基地局サーチを周期的に行う。このとき、端末がいずれの基地局からも圏外となる場所で留まっていた場合、サービスを享受可能な受信レベルの基地局は見つからず、いずれかの基地局の圏内に移動するまでは、高頻度の基地局サーチを行うことになる。
しかしながら、そのような基地局サーチは、パワーアンプ等もフルパワーを消費し、電力消費が著しく、この圏外状態が長く続くと、端末駆動時間を縮めてしまうという問題がある。このため、圏外時の基地局サーチは、サーチ周期を長い周期に変更し、低消費電力化を図ることが一般的である。ところが、圏外時の基地局サーチ周期を極端に長く設定すると、端末が圏外から圏内に移動した場合、基地局からの呼び出しに即座に対応できない場合が発生し、結果的に受信性能(応答性)が劣ると判断されてしまう可能性がある。したがって、前記基地局サーチ周期は、応答性を損なわないように設定することが必要である。
そこで、特許文献1や特許文献2では、端末が基地局からの同期信号が受信できない場合に圏外と判定し、その圏外での経過時間によって基地局サーチ周期を変更している。しかしながら、この手法では、長時間に亘って圏外と判定され続けた場合、基地局サーチ周期が長くなっており、次に圏内に移動したときの基地局からの呼び出しに即座に対応できないことがあり、前記応答性の劣化を露呈する可能性がある。
この問題を解決するために、特許文献3では、端末が基地局からの直線距離が長いために圏外移行したのか、サービスエリアではあるが遮蔽要因によって圏外となったのかの判定を、圏内から圏外になった場合の同期信号の受信回数によって行っている。さらに詳述すると、この受信機は、遮蔽要因による圏外時の判定として、基地局からの同期信号の受信回数が、それ以前の圏内時と比較した場合に明らかに劣化することから推定し、遮蔽要因による圏外と判断した場合は受信性能を優先し、短い周期で基地局サーチを行うことで、低消費電力化と受信性能との両立を図っている。
特開2002−190761号公報 特開2000−175259号公報 特許第2878195号公報
しかしながら、上記特許文献3では、端末が基地局らの直線距離が長いために圏外に移行した場合だけでなく、サービスエリア内ではあるが遮蔽要因によって圏外と判定された後に長時間居た場合にも、長い周期で基地局サーチを行ってしまうので、遮蔽要因が無くなり、圏内移行する際の受信性能が悪くなるという問題がある。
本発明の目的は、低消費電力化と受信性能とを両立することができる携帯無線通信端末およびその基地局サーチ方法を提供することである。
本発明の携帯無線通信端末は、通信制御部が無線部を介して基地局に接続されて通信可能となり、前記通信制御部が、測定部で測定された受信レベルから、前記基地局のシステムサービス圏外と判断した場合に、前記無線部を制御して、通信相手先となる基地局のサーチを行わせるようにした携帯無線通信端末において、前記測定部で測定された受信レベルを記憶する記憶部を設け、前記通信制御部は、前記システムサービス圏外と判断した場合に、前記記憶部の記憶内容に基づいて基地局サーチの周期を変化することを特徴とする。
上記の構成によれば、携帯電話の端末装置などとして実現され、通信時には通信制御部が無線部を介して基地局に接続されて通信可能となり、待ち受け時には前記通信制御部が、現在待ち受け中の基地局から送出される報知情報や呼出情報等を所定周期毎に受信するとともに、測定部に受信レベルを測定させ、該受信レベルが小さくなって基地局のシステムサービス圏外と判断した場合に、前記無線部を制御して、とまり木チャネルサーチと称される通信相手先となる基地局のサーチを行わせるようにした携帯無線通信端末において、前記測定部で測定された受信レベルの過去の履歴を記憶する記憶部を設け、前記通信制御部は、前記システムサービス圏外と判断した場合に、過去からの受信レベルの変動に基づいて、端末の移動・停止状態を推測し、あるいはトンネル通過などで一時的に受信レベルが低下したのか、基地局から遠去かってゆくことで徐々に受信レベルが低下したのかを判断し、その判断結果に応じて基地局サーチの周期を変化する。具体的には、たとえば前記一時的に受信レベルが低下した場合にはシステムサービス圏内と同様に短時間の周期で基地局サーチを行う通常モードとし、前記徐々に受信レベルが低下した場合には通常モードよりも長い周期で基地局サーチを行う低消費電力モードとして基地局サーチを行う。
したがって、圏外となった時点で、完全なサービスエリア外になったのか、一時的にサービスエリア外になったのかを判定し、完全なサービスエリア外になった場合には直ちに低消費電力モードとして消費電力を削減し、一時的にサービスエリア外になった場合には通常モードのままで応答性を確保することができる。こうして、低消費電力化と受信性能との両立を実現することができる。
また、本発明の携帯無線通信端末では、前記通信制御部は、前記システムサービス圏外において、前記基地局サーチを短時間の周期で行う通常モードと、前記通常モードよりも長い周期で行う低消費電力モードとの2つの基地局サーチモードを具備し、前記低消費電力モードで基地局サーチを行っている状態で、前記受信レベルが増大し、システムサービス圏内に近付いていると推定される場合には、前記基地局サーチモードを前記通常モードに変更することを特徴とする。
上記の構成によれば、システムサービス圏外となって消費電力を低減するために基地局サーチモードが自動的に一旦低消費電力モードに切換わっても、再びシステムサービス圏内に近付いていると推定される場合には、前記基地局サーチモードを前記通常モードに変更し、応答性を確保する。
したがって、システムサービスエリアを出入りしても、適切に基地局サーチモードを切換え、消費電力を削減しつつ、応答性を確保することができる。
さらにまた、本発明の携帯無線通信端末では、前記通信制御部は、現在待ち受け中の基地局からの電波の受信レベルである自ゾーンレベルを測定部に測定させて記憶部に記憶させるだけでなく、前記現在待ち受け中の基地局から送出される報知情報にて通知される他の周辺基地局からの電波の受信レベルである周辺ゾーンレベルを測定部に測定させて記憶部に記憶させており、前記システムサービス圏外との判定を、前記記憶部に記憶されている周辺ゾーンレベルの変化も合わせて行うことを特徴とする。
上記の構成によれば、前記システムサービス圏外との判定を行うにあたって、上述のように現在待ち受け中の基地局からの電波の受信レベルである自ゾーンレベルの変化からだけでなく、前記現在待ち受け中の基地局から送出される報知情報にて通知される他の周辺基地局からの電波の受信レベルである周辺ゾーンレベルの変化も考慮して行う。
したがって、自ゾーンレベルが圏外移行した場合、全ての周辺ゾーンレベルも大きな変動が生じている場合は、トンネルなどの電波の遮断によるものであり、短時間で圏内に復帰する可能性が高いと推定され、また遮断要素が除去された場合の受信レベルは、圏外から圏内に移動した場合のそれと比較した場合、急激であることが多く、受信性能を優先に通常モードにする必要がある。逆に、周辺ゾーンレベルには小さな変動しか生じていない場合は、徐々に圏外へ遠去かっていると推定することができ、低消費電力モードの長周期の基地局サーチを行う。このように周辺ゾーンレベルの変化も合わて判定を行うことで、システムサービス圏外の判定をより正確に行うことができる。
また、本発明の携帯無線通信端末の基地局サーチ方法は、基地局からの受信レベルが低下し、システムサービス圏外となると、それまでの受信レベルの変化に基づいて、基地局サーチの周期を変化することを特徴とする。
上記の構成によれば、携帯電話の端末装置などとして実現され、基地局からの受信レベルが小さくなって基地局のシステムサービス圏外と判断した場合に、通信相手先となる基地局のサーチを行うようにした携帯無線通信端末の基地局サーチ方法において、その基地局サーチの周期を可変にし、圏外となるまでの前記受信レベルの履歴から、トンネル通過などで一時的に受信レベルが低下したのか、基地局から遠去かってゆくことで徐々に受信レベルが低下したのかなどを判断し、その判断結果から、前記一時的に受信レベルが低下した場合にはシステムサービス圏内と同様に短時間の周期で基地局サーチを行い、前記徐々に受信レベルが低下した場合には長い周期で基地局サーチを行う。
したがって、圏外となった時点で、完全なサービスエリア外になったのか、一時的にサービスエリア外になったのかを判定し、完全なサービスエリア外になった場合には直ちに基地局サーチの周期を長くして消費電力を削減し、一時的にサービスエリア外になった場合には基地局サーチの周期を短くして応答性を確保することができる。
本発明の携帯無線通信端末およびその基地局サーチ方法は、以上のように、携帯電話の端末装置などとして実現され、基地局からの受信レベルが小さくなって基地局のシステムサービス圏外と判断した場合に、通信相手先となる基地局のサーチを行うようにした携帯無線通信端末およびその基地局サーチ方法において、その基地局サーチの周期を可変にし、圏外となるまでの前記受信レベルの履歴から、トンネル通過などで一時的に受信レベルが低下したのか、基地局から遠去かってゆくことで徐々に受信レベルが低下したのかなどを判断し、その判断結果から、前記一時的に受信レベルが低下した場合にはシステムサービス圏内と同様に短時間の周期で基地局サーチを行い、前記徐々に受信レベルが低下した場合には長い周期で基地局サーチを行う。
したがって、圏外となった時点で、完全なサービスエリア外になったのか、一時的にサービスエリア外になったのかを判定し、完全なサービスエリア外になった場合には直ちに基地局サーチの周期を長くして消費電力を削減し、一時的にサービスエリア外になった場合には基地局サーチの周期を短くして応答性を確保することができる。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の第1の形態に係る携帯無線通信端末の電気的構成を示すブロック図である。この携帯無線通信端末は、携帯電話の端末装置として実現され、図1に示すように、アンテナ部1、無線部2、通信制御部3、自ゾーンおよび周辺ゾーンレベル測定部4、記憶部5および外部インタフェイス部6を備えて構成される。前記外部インタフェイス部6は、図1では省略している操作部、表示部、マイクロフォン、スピーカ等のユーザインタフェイスと通信制御部3との間のインタフェイスをとり、また外部制御装置とシリアル通信等が可能であるものとする。
前記通信制御部3は、所定タイミングで無線部2を制御することで当該携帯無線通信端末が現在待ち受け中である携帯電話基地局から送出される報知情報や呼出情報等の信号を受信し、この信号を復調する機能、復調した信号内に信号誤りが生じているか否かを検出する機能、自ゾーンおよび周辺ゾーンレベル測定部4を制御して所定のタイミングで自ゾーンレベルおよび周辺ゾーンレベルを測定して、記憶部5に測定データを記憶する機能を備える。また、通信制御部3は、無線部2を制御し、携帯無線通信端末が携帯電話基地局と音声通信およびパケット通信を行うための機能を備える。
上述のように構成される携帯無線通信端末において、前記通信制御部3は、レベル測定部4によって、現在待ち受け中の基地局からの電波の受信レベルである自ゾーンレベルを測定させるとともに、その現在待ち受け中の基地局から送出される報知情報にて通知される他の周辺基地局からの電波の受信レベルである周辺ゾーンレベルを測定させる。これによって、該端末の移動や周辺環境の変動に伴って該端末が現在待ち受け中の基地局よりも電波状況がより良好な基地局があれば、待ち受け先の変更が可能になっている。
そして、何れの基地局からの受信レベルも予め定める閾値レベル以下となると、前記通信制御部3は、前記基地局のシステムサービス圏外に移行したと判断し、待ち受け先となるべき基地局をサーチする前記とまり木チャネルサーチを行う。このとき、前記通信制御部3は、記憶部5に記憶されている予め定める時間に亘る前記自ゾーンレベルおよび周辺ゾーンレベルのデータから、該端末の移動・停止状態を推測し、あるいはトンネル、エレベータ、地下街などへの進入によって一時的に受信レベルが低下したのか、基地局から遠去かってゆくことで徐々に受信レベルが低下したのかを判断し、その判断結果に応じて基地局サーチの周期を変化する。
具体的には、たとえば前記一時的に受信レベルが低下した場合には、システムサービス圏内と同様に、図2(a)で示すように、短時間の周期T1で基地局サーチを行う通常モードとし、前記徐々に受信レベルが低下した場合には、図2(b)で示すように、前記通常モードよりも長い周期T2で基地局サーチを行う低消費電力モードとして基地局サーチを行う。図2において、Tsは、無線部2の電源を立ち上げ、所望のとまり木チャネルの周波数に同調し、レベル測定部4が受信レベルを測定する基地局サーチに要する期間であり、前記通常モードと低消費電力モードとで同一である。したがって、前記通常モードの周期T1と低消費電力モードの周期T2とは、上記の構成が休止(不能動化)しているスリープ期間T1s,T2sの長さが異なる。
図3は、前記受信レベルの変化の一例を示す図であり、図3(a)は前記トンネルなどの一時的な電波遮蔽による圏外移行時の自ゾーンおよび周辺ゾーンの受信レベルおよびそのレベル変動分を示し、図3(b)は前記完全なサービスエリア外への移行による圏外移行時の各周辺ゾーンの受信レベルおよびそのレベル変動分を示す。図3において、参照符号Aは現在待ち受け中の基地局からの電波の受信レベルである自ゾーンレベルを表し、参照符号B,Cは周辺基地局からの電波の受信レベルである周辺ゾーンレベルを表す。
図3(a)で示すように、一時的な電波遮蔽による圏外移行時は、各受信レベルは、急激に、かつ略一様に劣化するのに対して、図3(b)で示すように、完全なサービスエリア外への移行による圏外移行時は、各受信レベルは、徐々に、かつ不均一に劣化することが理解される。このような差から、圏外に移行すると、記憶部5に記憶しているその直前での受信レベルの履歴から、一時的な電波遮蔽による圏外移行であるのか、完全なサービスエリア外への移行による圏外移行であるのかを判定し、上述のように基地局サーチのモードを変更することが可能となる。
このように構成することで、圏外となった時点で、完全なサービスエリア外になったのか、一時的にサービスエリア外になったのかを判定し、完全なサービスエリア外になった場合には直ちに低消費電力モードとして消費電力を削減し、一時的にサービスエリア外になった場合には通常モードのままで応答性を確保することができる。こうして、低消費電力化と受信性能との両立を実現することができる。
また、前記システムサービス圏外との判定を行うにあたって、上述のように現在待ち受け中の基地局からの電波の受信レベルである自ゾーンレベルの変化からだけでなく、前記現在待ち受け中の基地局から送出される報知情報にて通知される他の周辺基地局からの電波の受信レベルである周辺ゾーンレベルの変化も考慮して、自ゾーンレベルが圏外移行した場合、図3(a)で示すように、全ての周辺ゾーンレベルも大きな変動が生じている場合は、トンネルなどの電波の遮断によるものであり、短時間で圏内に復帰する可能性が高いと推定され、また遮断要素が除去された場合の受信レベルは、圏外から圏内に移動した場合のそれと比較した場合、急激であることが多く、受信性能を優先に通常モードに維持し、逆に図3(b)で示すように、周辺ゾーンレベルには小さな変動しか生じていない場合は、徐々に圏外へ遠去かっていると推定することができ、低消費電力モードの長周期の基地局サーチを行うことで、システムサービス圏外の判定をより正確に行うことができる。
[実施の形態2]
図4は、本発明の実施の第2の形態に係る携帯無線通信端末の基地局サーチ動作を示す図である。本実施の形態の携帯無線通信端末の構成は、前述の図1で示す構成を用いることができ、前記通信制御部3によるサーチモードの切換え動作が異なる。図4(a)は基地局から遠去かっている状態での各周辺ゾーンの受信レベルおよびそのレベル変動分ならびにサーチモードの変化を示し、図4(b)は基地局に近付いている状態での各周辺ゾーンの受信レベルおよびそのレベル変動分ならびにサーチモードの変化を示す。
図4(a)で示すように、いずれの周辺ゾーンレベルも受信可能閾値レベルを下回っても、所定時間(ここでいう所定時間とは、単位周期が連続して複数回であればよく、最低、2回連続である)は通常モードのサーチを継続し、その間も受信レベルが前記受信可能閾値レベルを超えることなく、かつ徐々に劣化している状態では、前記通信制御部3は、基地局から徐々に遠去かり、より圏外方向に移動していると判断し、前記低消費電力モードに切換えることで、受信周期を長くする。また、その長い受信周期で周辺ゾーンの受信レベルを計測しており、受信レベルの変動がなく、停止中であると推測される場合、およびより一層の劣化が検出された場合は、低消費電力モードを継続する。
一方、圏外時においても、前記長い受信周期で周辺ゾーンの受信レベルを計測しており、前回受信時よりも受信レベルが増加方向であれば圏内方向に移動中、増減が少なければ停止中であることが推測される。そこで、増加方向であり、かつ最新の受信レベルが前記受信可能閾値レベルよりも低い値に設定されるモード移行閾値レベルを超えると(ここでいう、超えた回数は、1回でもよいが、信頼性を上げるため、数回連続検出できた方が好ましい)、圏内への移行が近いと判断し、低消費電力モードから通常モードへ切換える。
図5は、上述のような基地局サーチモードの選択動作を説明するためのフローチャートである。電源投入されると、ステップS1で周辺基地局のサーチ(とまり木チャネルサーチ)が行われ、その結果からステップS2で、いずれかの基地局のサービスエリア圏内にあるか否かが判断され、いずれの周辺ゾーンレベルも受信可能閾値レベルを下回って圏外であると判定されるとステップS5に移り、いずれかの周辺ゾーンレベルが受信可能閾値レベルを上回って圏内であると判定されるとステップS3に移る。ステップS3では、そのサービスエリアの基地局の待受け状態となり、ステップS4で引続きいずれかの基地局のサービスエリア圏内にあるか否かが判断され、圏内であればステップS3に戻って待受け状態を継続し、圏外になるとステップS5に移る。
ステップS5では、通常モードのサーチを継続する。ステップS6では、今回の受信レベルが受信可能閾値レベルを超えたか否かが判断され、超えている場合には圏内に戻ったものと判定し、ステップS7で圏内検知を行い、前記ステップS3に戻って通常モードでのサーチを継続する。
これに対して、前記ステップS6において今回の受信レベルが受信可能閾値レベルを下回ったままであるときにはステップS8に移り、その状態が前記所定時間継続したか否かが判断され、継続していない場合は前記ステップS5に戻って通常モードでのサーチを継続し、前記所定時間が経過するとステップS9に移る。ステップS9では、受信レベルの変化方向(増減)が判断され、増加方向であれば前記ステップS5に戻って通常モードでのサーチを行い、減少中または変化が無い場合にはステップS10に移って低消費電力モードに切換わる。
続いてステップS11では、再び受信レベルの変化方向が判断され、減少中または変化が無い場合にはステップS10に戻って低消費電力モードを継続し、増加方向であればステップS12に移る。ステップS12では、受信レベルが前記モード移行閾値レベルを超えたか否かが判断され、超えている場合には前記ステップS5に戻って通常モードに切換わり、超えていない場合にはステップS10に戻って低消費電力モードを継続する。
このように構成することで、システムサービス圏外となって消費電力を低減するために基地局サーチモードが自動的に一旦低消費電力モードに切換わっても、再びシステムサービス圏内に近付いていると推定される場合には、前記基地局サーチモードを前記通常モードに変更するので、低消費電力モードでも圏内移行時の応答性を向上することができる。また、通常モード移行後であっても、圏内直前に停止した場合、再度低消費電力モードへ移行するので、あらゆる場合において、低消費電力化と受信性能との両立が可能となる。こうして、システムサービスエリアを出入りしても、適切に基地局サーチモードを切換え、消費電力を削減しつつ、応答性を確保することができる。
ここで、前記特許文献3と本発明とを詳しく比較すると、本発明では、圏外であっても、受信レベルを測定し、その変動から、もうすぐ圏内か、まだまだ圏外かを判定し、前者なら短周期(応答性重視)、後者なら長周期(バッテリー重視)のサーチを行う。したがって、長周期サーチになったとしても、圏内エリアに近付いていると判断すれば、短周期サーチに移行して、応答性重視になる。
これに対して、特許文献3では、同期信号を受信したかしていないかの履歴を持ち、過去の同期信号受信を見て、遮蔽物による圏外か、エリア外による圏外かを判定し、前者なら短周期、後者なら長周期のサーチを行う。但し、「発明の実施の形態」において、短周期でも一定時間経過すれば長周期に変更すると記されている。したがって、前述のように、端末が基地局らの直線距離が長いために圏外に移行した場合だけでなく、サービスエリア内ではあるが遮蔽要因によって圏外と判定された後に長時間居た場合にも、長い周期で基地局サーチを行ってしまうので、遮蔽要因が無くなり、圏内移行する際の受信性能が悪くなるという問題が生じる。
本発明の実施の第1の形態に係る携帯無線通信端末の電気的構成を示すブロック図である。 本発明による基地局サーチの周期変化を示す図である。 端末移動時の受信レベルの変化の一例を示す図である。 本発明の実施の第2の形態に係る携帯無線通信端末の基地局サーチ動作を示す図である。 図4で示す基地局サーチモードの選択動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 アンテナ部
2 無線部
3 通信制御部
4 自ゾーンおよび周辺ゾーンレベル測定部
5 記憶部
6 外部インタフェイス部

Claims (4)

  1. 通信制御部が無線部を介して基地局に接続されて通信可能となり、前記通信制御部が、測定部で測定された受信レベルから、前記基地局のシステムサービス圏外と判断した場合に、前記無線部を制御して、通信相手先となる基地局のサーチを行わせるようにした携帯無線通信端末において、
    前記測定部で測定された受信レベルを記憶する記憶部を設け、
    前記通信制御部は、前記システムサービス圏外と判断した場合に、前記記憶部の記憶内容に基づいて基地局サーチの周期を変化することを特徴とする携帯無線通信端末。
  2. 前記通信制御部は、前記システムサービス圏外において、前記基地局サーチを短時間の周期で行う通常モードと、前記通常モードよりも長い周期で行う低消費電力モードとの2つの基地局サーチモードを具備し、前記低消費電力モードで基地局サーチを行っている状態で、前記受信レベルが増大し、システムサービス圏内に近付いていると推定される場合には、前記基地局サーチモードを前記通常モードに変更することを特徴とする請求項1の携帯無線通信端末。
  3. 前記通信制御部は、現在待ち受け中の基地局からの電波の受信レベルである自ゾーンレベルを測定部に測定させて記憶部に記憶させるだけでなく、前記現在待ち受け中の基地局から送出される報知情報にて通知される他の周辺基地局からの電波の受信レベルである周辺ゾーンレベルを測定部に測定させて記憶部に記憶させており、
    前記システムサービス圏外との判定を、前記記憶部に記憶されている周辺ゾーンレベルの変化も合わせて行うことを特徴とする請求項1または2記載の携帯無線通信端末。
  4. 基地局からの受信レベルが低下し、システムサービス圏外となると、それまでの受信レベルの変化に基づいて、基地局サーチの周期を変化することを特徴とする携帯無線通信端末の基地局サーチ方法。

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