JP4993647B2 - セルフアライメント構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
高密度微細実装および光デバイス・素子の実装等において高精度に位置決めをすることのできるセルフアライメント構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高度情報化およびマルチメディア化の進展に伴い、膨大な量の情報を高速に伝送し処理をすることが必要とされ、これらの要求を実現するために情報、通信機器およびコンピュータなどの処理能力を向上することが望まれている。情報、通信機器およびコンピュータなどの電子機器における伝送および処理速度の高速化、高機能化さらに信頼性向上を達成するために、電子部品の高密度微細実装技術の向上が図られている。また、情報通信の一層の高速化および大容量化の実現に向けて光デバイス・素子の開発が進められており、これらの光デバイス・素子の実装技術も重要な開発課題となっている。
【0003】
高密度微細実装および光デバイス・素子の実装には、高度な位置決め技術が必要とされ、これを実現する一つの手段として、画像センシングと高精度な移動ステージとを用いた実装装置が用いられているけれども、高精度な実装を実現するためには、位置決めに長時間を要し、また装置の価格が高価になってしまうという問題がある。
【0004】
この問題を解決する先行技術は、特開平5−27140公報および特開平6−88917公報などに開示されている。特開平5−27140公報に開示されている技術は、光導波路素子の接合端面及び光ファイバ端末の接続端面に少なくとも一対の金属パッドをそれぞれに設け、この金属パッドに、たとえばPbSnはんだまたはAuSnはんだからなるバンプを形成し、このバンプを加熱・溶融し、溶融はんだの表面張力を利用して光導波路素子と光ファイバ端子との位置決めを行い、その後はんだの凝固によって金属パッドを接着して前記光導波路素子と、光ファイバ端末とを端面結合させるというものである。
【0005】
また、特開平6−88917公報に開示されている技術は、表面に金属パッドが形成された保持板の金属パッド上にはんだバンプを形成し、基板に光導波路及び金属パッドが形成された光導波路素子と表面に金属パッドが形成された光ファイバ端末とを互いの端面を対向させて前記保持板のはんだバンプ上に載置して仮接続した後、前記はんだバンプを加熱・溶融し、溶融はんだの表面張力を利用して光導波路素子と光ファイバ端子との位置決めを行い、その後はんだの凝固によって光導波路素子と光ファイバ端子との接続を行うというものである。
【0006】
これらの先行技術に用いられている溶融はんだの表面張力によるセルフアライメントについて、以下に説明する。図24は、溶融はんだ1の金属板2および樹脂基板3に対する濡れ性を示す概略断面図である。図24(a)に示すように、溶融はんだ1は、金属板2に対する濡れ性が良く、水平面に対するみかけの接触角θ11は、90度未満になる。一方図24(b)に示すように、溶融はんだ1は、樹脂基板3に対する濡れ性が悪く、水平面に対するみかけの接触角θ12は、90度以上になる。このような溶融はんだ1の濡れ性を利用し、図24(c)に示すように、樹脂基板3の内方に金属板2を設け、金属板2上に溶融はんだ1の液滴を供給すると、溶融はんだ1は、濡れ性の悪い樹脂基板3上には広がらず、金属板2と樹脂基板3との境界4において、樹脂基板3に対するみかけの接触角θ13を有し、溶融はんだ1の表面張力と溶融はんだ1の液滴に作用する内外部の圧力差とが、静的に釣合う状態になる。
【0007】
図25は、溶融はんだ1の表面張力を利用したセルフアライメントを示す概略断面図である。たとえばシリコン(Si)チップ5と樹脂基板6とを位置決めする場合、金属板7とSiチップ5との境界および金属板7と樹脂基板6との境界同志が整合するとき、Siチップ5と樹脂基板6との位置決めができるように、Siチップ5と樹脂基板6との対向する面に金属板7をそれぞれ設ける。図25(a)では、樹脂基板6の内方に設けられた金属板7上に溶融はんだ1を供給したとき、溶融はんだ1は、濡れ性の悪い樹脂基板6上には広がらず、濡れ性の良い金属板7上において溶融はんだ1の表面張力と液滴に作用する内外圧差とが釣合うように球状化して安定な状態になる。このとき、樹脂基板6は、基台8上に置かれる。
【0008】
溶融はんだ1を介してSiチップ5を樹脂基板6上に載置する。図25(b)に示すようにSiチップ5と樹脂基板6との位置がずれている場合、介在する溶融はんだ1は、当初金属板7の端部9において大きな接触角θ14を有するゆがんだ状態であるけれども、その後溶融はんだ1の表面張力と液滴の内外部の圧力差とによって、溶融はんだ1の液滴は静的な釣合う状態になろうとする。このとき、拘束されていないSiチップ5は、溶融はんだ1の表面張力によって、水平面に平行な方向に移動される。図25(c)に示すように、溶融はんだ1の液滴は、濡れ性の悪いSiチップ5および樹脂基板6には広がらず、濡れ性の良い金属板7に接する領域でのみ広がる。また溶融はんだ1の液滴は、液滴高さhを有し金属板7と樹脂基板6との境界9において接触角θ15を有する円弧状の曲面を形成して静的な釣合い状態になる。溶融はんだ1の表面張力によって、Siチップ5が水平面に平行な方向に移動された結果、Siチップ5と金属板7とによって形成される境界10と、樹脂基板6と金属板7とによって形成される境界9とが整合し、溶融はんだ1によるセルフアライメントが行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
これらの先行技術には、以下のような問題点がある。前述のように、先行技術では、光導波路素子と光ファイバ端子とを接続する際の位置決めに、溶融はんだの表面張力に基づくセルフアライメント機能を利用するので、実装される部品がはんだの溶融温度にさらされるという問題がある。
【0010】
たとえば光素子として知られるガリウムヒ素(GaAs)の耐熱温度は、約150℃であり、またスズビスマス(SnBi)の耐熱温度は、約150〜160℃である。一方前述のSnPbはんだの融点は、約180〜250℃であり、またAuSnはんだの融点は、約280℃であり、前記GaAsおよびSnBiの耐熱温度よりも高い。
【0011】
したがって、実装のために、はんだが溶融する温度まで加熱することによって、耐熱温度のあまり高くない光素子が高熱にさらされて、その性能を劣化させる恐れがある。またはんだ付けには、腐食性のあるフラックスが使用されるので、実装部品の腐食を防止するために、はんだによってセルフアライメントおよび実装を行った後、実装部品を洗浄しなければならないという問題がある。
【0012】
はんだのように高温に加熱する必要のない材料として、樹脂材料による接着剤が注目されている。樹脂材料による接着剤は、低温接続が可能であり、また導電性などの機能を有するものも開発され、フリップチップの接続等の実装に用いられるようになっているけれども、液状の樹脂材料の表面張力は、たとえば溶融PbSnはんだのほぼ1/10以下と小さいので、セルフアライメント機能を発現させることが困難とされている。
【0013】
本発明の目的は、電子部品および光デバイス・素子などの実装において、高価な実装装置を用いることなく、また高温に加熱することなく、液体による高精度な位置決め機能を発現することのできるセルフアライメント構造およびセルフアライメント方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、端状の端部がそれぞれ形成される第1および第2部材を備え、第1部材と第2部材との間には液体が介在し、液体は、水平面に対するみかけの接触角が、前記端部の内方と外方とにおいて異なり、端部の内方における液体のみかけの接触角θ1の大きさは、端部の外方における液体のみかけの接触角θ2未満であり、第1および第2部材の端部まで液体によって濡れており、第1部材と第2部材との間には、球体がさらに介在することを特徴とするセルフアライメント構造である。本発明に従えば、第1および第2部材には、無端状の端部がそれぞれ形成されるので、第1部材と第2部材との間に介在する液体の水平面に対するみかけの接触角は、端部の内方と外方とにおいて変化する。すなわち端部の内方における液体のみかけの接触角θ1は、端部の外方における液体のみかけの接触角θ2未満である。このことによって、第1および第2部材の端部まで液体によって濡れている状態で、液体は第1および第2部材の端部において、みかけの接触角θ2を有する液滴を形成するので、液体の表面張力によるセルフアライメント機能を発現させ、第1部材と第2部材との水平面に平行な方向の位置決めをすることができる。そして、第1部材と第2部材との間には、球体がさらに介在するので、第1部材と第2部材との間隔を、介在する球体の直径によって定めることができる。このことによって、液体のセルフアライメント機能の発現による水平面に平行な方向のアライメントに加え、水平面に垂直な方向の位置決めもすることができるので、第1および第2部材の3次元の位置決めをすることができる。
【0015】
また本発明は、無端状の端部がそれぞれ形成される第1および第2部材を備え、第1部材と第2部材との間には液体が介在し、液体は、水平面に対するみかけの接触角が、前記端部の内方と外方とにおいて異なり、端部の内方における液体のみかけの接触角θ1の大きさは、端部の外方における液体のみかけの接触角θ2未満であり、第1および第2部材の端部まで液体によって濡れており、第1部材の外方には、第1部材に接合して第3部材が設けられ、第2部材の外方には、第2部材に接合して第4部材が設けられ、第3部材と第4部材との間には、球体が介在することを特徴とするセルフアライメント構造である。本発明に従えば、第1および第2部材には、無端状の端部がそれぞれ形成されるので、第1部材と第2部材との間に介在する液体の水平面に対するみかけの接触角は、端部の内方と外方とにおいて変化する。すなわち端部の内方における液体のみかけの接触角θ1は、端部の外方における液体のみかけの接触角θ2未満である。このことによって、第1および第2部材の端部まで液体によって濡れている状態で、液体は第1および第2部材の端部において、みかけの接触角θ2を有する液滴を形成するので、液体の表面張力によるセルフアライメント機能を発現させ、第1部材と第2部材との水平面に平行な方向の位置決めをすることができる。そして、第1部材に接合して設けられる第3部材と第2部材に接合して設けられる第4部材との間には、球体がさらに介在するので、第1部材と第2部材との間隔および第3部材と第4部材との間隔を、介在する球体の直径によって定めることができる。このことによって、液体のセルフアライメント機能の発現による水平面に平行な方向のアライメントに加え、水平面に垂直な方向の位置決めもすることができるので、第1および第2部材、また第3および第4部材の3次元の位置決めをすることができる。
【0016】
ここで、無端状の端部とは、断絶部および継ぎ目などを含まない連続して形成された端部のことをいう。また、第1および第2部材の端部まで液体によって濡れている状態とは、液体が液状のまま、第1および第2部材の端部まで接触している状態をいう。
【0017】
また本発明は、前記端部の内方でのみかけの接触角θ1が、90度未満である液体を用いることを特徴とするセルフアライメント構造である。
【0018】
本発明に従えば、第1および第2部材の端部内方におけるみかけの接触角θ1が、90度未満である濡れ性のよい液体であっても、端部外方におけるみかけの接触角θ2が、前記みかけの接触角θ1を超える大きさに変化することができるので、液体のセルフアライメント機能を発現させることができる。
【0019】
また本発明は、第1部材は、
液体を介して第2部材に吊上げられることを特徴とするセルフアライメント構造である。
【0020】
本発明に従えば、第1部材は、液体を介して第2部材によって吊上げられるので、第1部材は水平面に平行な方向に移動可能となる。このことによって、液体の表面張力によるセルフアライメント機能が発現され、第1部材と第2部材との水平面に平行な方向の位置決めをすることができる。
【0021】
また本発明は、第1部材は、
液体を介して第2部材上に載置されることを特徴とするセルフアライメント構造である。
【0022】
本発明に従えば、第1部材は、液体を介して第2部材上に載置されるので、第1部材は水平面に平行な方向に移動可能となる。このことによって、液体の表面張力によるセルフアライメント機能が発現され、第1部材と第2部材との水平面に平行な方向の位置決めをすることができる。
【0027】
また本発明は、第1および第2部材は、
水平面に平行な断面の形状が円形であることを特徴とするセルフアライメント構造である。
【0028】
また本発明は、第1および第2部材は、
水平面に平行な断面の形状がリング状であることを特徴とするセルフアライメント構造である。
【0029】
また本発明は、第1および第2部材は、
水平面に平行な断面の形状が長円形であることを特徴とするセルフアライメント構造である。
【0030】
また本発明は、第1および第2部材は、
水平面に平行な断面の形状が楕円形であることを特徴とするセルフアライメント構造である。
【0031】
本発明に従えば、第1および第2部材の水平面に平行な断面の形状は、円形、リング状、長円形および楕円形のいずれかに形成することができるので、第1部材に接合して設けられる第3部材および第2部材に接合して設けられる第4部材の形状に応じて、第1および第2部材の形状を適宜選択することができる。また、第1および第2部材の水平面に平行な断面の形状が、円形またはリング状に形成されるとき、部材の加工が容易であり、アライメント機能の発現に使用される1組の部材あたりの液体の量を節減することができる。
【0032】
また本発明は、前記液体は、エポキシ樹脂であることを特徴とするセルフアライメント構造である。
【0033】
また本発明は、前記液体は、ポリイミドであることを特徴とするセルフアライメント構造である。
【0034】
本発明に従えば、液体はエポキシ樹脂またはポリイミドのいずれかであるので、エポキシ樹脂またはポリイミドが液体の状態でセルフアライメント機能を発現させて、第1および第2部材の位置決めをした後、エポキシ樹脂またはポリイミドを硬化させることによって第1部材と第2部材とを接着することができる。またエポキシ樹脂およびポリイミドを熱硬化させるときの加熱温度は、はんだの溶融温度未満の低温度であるので、電子部品および光素子等を熱劣化させることがない。
【0035】
また本発明は、前記いずれかに記載のセルフアライメント構造の液体が硬化する前の状態で、液体の表面張力によって第1部材と第2部材との端部の位置を整合させることを特徴とするセルフアライメント方法である。
【0036】
本発明に従えば、前記いずれかに記載のセルフアライメント構造において、液体の表面張力に基づくセルフアライメント機能を利用し、第1部材と第2部材との端部の位置を整合させるので、高価な実装装置を使用することなく、第1部材と第2部材とを高精度に位置決めをすることができる。
【0037】
また本発明は、第2部材によって液体を介して第1部材を吊上げ、第1部材を水平面に平行な方向へ移動させることを特徴とするセルフアライメント方法である。
【0038】
本発明に従えば、第1部材は、液体を介して第2部材に吊上げられるので、液体の表面張力によって水平面に平行な方向に移動することができる。このことによって、第1部材と第2部材とは水平面に平行な方向に位置決めされる。
【0039】
また本発明は、第2部材上に液体を介して第1部材を載置し、第1部材を水平面に平行な方向へ移動させることを特徴とするセルフアライメント方法である。
【0040】
本発明に従えば、第1部材は、液体を介して第2部材上に載置されるので、液体の表面張力によって水平面に平行な方向に移動することができる。このことによって、第1部材と第2部材とは水平面に平行な方向に位置決めされる。
【0041】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態であるセルフアライメント構造11の構成を簡略化して示す側面図であり、図2は図1に示すセルフアライメント構造11の要部拡大図である。セルフアライメント構造11は、無端状の端部15,16がそれぞれ形成される第1部材12と第2部材13とを備え、第1部材12と第2部材13との間には液体14が介在し、液体14は、水平面に対するみかけの接触角が、前記端部15,16の内方と外方とにおいて異なる。図1(a)および図1(b)は、第2部材13に液体14が供給された状態を示し、端部16の内方における液体14の接触角θ1の大きさは、端部16の外方における液体14のみかけの接触角θ2未満である。また、図1(c)に示すように、セルフアライメント構造11は、第1および第2部材12,13の端部15,16まで液体14によって濡れている。ここで、水平面とは、重力の直交面に対して平行な面である。また水平面に対するみかけの接触角を、以後、接触角と略称することがある。
【0042】
第1および第2部材12,13は、水平面に平行な断面形状が円形を有する短い円柱状の部材であり、たとえば銅合金製である。第1および第2部材12,13は、パッドと通称されており、ここでは第1および第2部材12,13を、それぞれ第1および第2パッドと呼ぶことがある。本実施の形態では、第1および第2部材12,13は、銅合金製であるけれども、これに限定されることなく、ステンレスなどの銅合金以外の金属製であってもよく、またプラスチックなど金属以外の素材であってもよい。第1部材12は、第2部材13に対向する第1対向面31と第1側面32とを有し、第1部材12の外方である第1対向面31の反対側には、第1部材12に接合して第3部材17が設けられる。また、第2部材13は、第1部材12に対向する第2対向面33と第2側面34とを有し、第2部材13の外方である第2対向面33の反対側には、第2部材13に接合して第4部材18が設けられる。
【0043】
第3部材17は、たとえばSiチップのような搭載される部材であり、水平面に平行な断面形状が方形であり、その一辺の長さは第1部材12である円柱の直径の大きさを超えるように形成される。また、第4部材18は、電子部品を搭載するたとえば基板であり、水平面に平行な断面形状が方形であり、その一辺の長さは第2部材13である円柱の直径の大きさを超えるように形成される。
【0044】
第1および第2部材12,13の端部15,16同志が整合されるとき、搭載される部材である第3部材17と、基板である第4部材18との位置決めがなされるように、第1部材12と第3部材17との位置関係を定めて第1部材12に第3部材17が設けられ、また第2部材13と第4部材18との位置関係を定めて第2部材13に第4部材18が設けられる。したがって、位置決めの精度は、第1および第2部材12,13の無端状の端部15,16同志の整合する精度に依存するので、第1および第2部材12,13の寸法は、高い精度をもって形成される必要がある。
【0045】
液体14は、熱硬化などによって接着性を発現するたとえばエポキシ樹脂またはポリイミドなどが適しており、本実施の形態ではエポキシ樹脂を用いた。図3は、液体状のエポキシ樹脂21の金属板および樹脂基板23に対する濡れ性を示す概略断面図である。図3(a)および図3(b)は、液体状のエポキシ樹脂21を第1金属板22および樹脂基板23上に供給した状態を示す。このときのエポキシ樹脂21の液滴の量は、第1金属板22および樹脂基板23の端部まで濡れることがない程度の量である。エポキシ樹脂21は、表面張力が小さく濡れ性がよいので、第1金属板22および樹脂基板23のいずれに対しても、90度未満の接触角θ16が形成される。したがって、図3(c)に示すように、樹脂基板23の内方に第2金属板24を設け、第2金属板24上にエポキシ樹脂21を供給した場合であっても、エポキシ樹脂21は、第2金属板24上にとどまることなく、第2金属板24と樹脂基板23との境界26を超えて樹脂基板23上にまで広がる。
【0046】
図3(d)は、樹脂基板23上に短い円柱状の第3金属板25を突出して設け、第3金属板25に無端状の端部27を形成させた状態を示す。この第3金属板25上にエポキシ樹脂21の液滴を、第3金属板25の端部27まで濡れるように供給するとき、第3金属板25の端部27外方におけるエポキシ樹脂21の接触角θ17が形成される。第3金属板25に無端状の端部27を形成させることによって、図3(a)に示したようなエポキシ樹脂21の第1金属板22に対する接触角θ16は、円柱状の形状を有する第3金属板25の側面28に対する接触角θ16となる。したがって、エポキシ樹脂21の液滴が供給された第3金属板25の上面29に対する端部27外方における接触角θ17は、(θ16+π/2)で与えられる。
【0047】
無端状の端部が形成された部材を設けることによって、表面張力が小さく濡れ性のよい液体であっても、部材の端部内方に形成される接触角の大きさを超える接触角を端部外方に形成させ、部材上に液体を保持させることができる。このことを利用し、表面張力が小さく濡れ性のよい液体を用いて、従来の溶融はんだと同様のセルフアライメント機能を発現させることができる。
【0048】
図1に戻り、再びセルフアライメント構造11について説明する。図1(a)は、第2部材13の第2対向面33上に供給された液体14の液滴量が少なく、第2部材13の端部16まで濡れていない状態である。したがって、第2部材13の端部16内方に液体14の接触角θ1が形成され、その接触角θ1は90度未満である。
【0049】
図1(b)は、第2部材13の第2対向面33上に供給する液体14の量を増加し、第2部材13の端部16まで液体14によって濡れている状態である。液体14の接触角は、図1(a)に示した端部16内方の接触角θ1から、端部16外方の接触角θ2に変化する。この接触角θ2は、前述のように、(θ1+π/2)である。
【0050】
すなわち、液体14の接触角θ2は、巨視的には端部16において形成されるけれども、微視的には図2に示すように第2部材13の端部16外方まで液体14によって濡れているので、端部16外方すなわち第2部材13の第2側面34において形成される接触角θ1と、第2部材13の第2側面34と第2対向面33とのなす角度π/2との和(θ1+π/2)である。
【0051】
図1(c)は、第1部材12を、液体14を介して第2部材13上に載置した状態を示す。このことによって、第1および第2部材12,13の端部15,16まで、液体14によって濡れている状態になり、セルフアライメント構造11が構成される。セルフアライメント構造11が構成されると、液体14によって形成される液滴は、液滴の内部および外部に作用する圧力差と、液体14の表面張力とが静的に釣合う状態で、安定した形状に形成される。
【0052】
第1部材12および第1部材12に設けられる第3部材17は、液体14を介して第2部材13上に載置されるとき、拘束を受けていないので、水平面に平行な方向に移動することができる。したがって、液体14によって形成される液滴は、静的な釣合い状態になる過程において、その表面張力によって第1部材12および第3部材17を、水平面に平行な方向に駆動する。液体14の表面張力によって駆動された第1部材12が、第1および第2部材12,13それぞれの端部15,16同志が整合する位置まで移動したとき、液体14によって形成される液滴は静的な釣合い状態となり、第1および第2部材12,13の位置決めが達成される。すなわち、液体14による第1および第2部材12,13、また第3および第4部材17,18のセルフアライメントが行われる。
【0053】
次に、液体14によって形成される液滴の静的な釣合い状態について説明する。図4は、液体14を介して第2部材13上に第1部材12を載置した場合の静的な釣合い状態を説明する図である。本実施の形態では、チップを第3部材17として用い、基板を第4部材18として用いている。以後、第3部材17をチップ17と呼ぶことがあり、第4部材18を基板18と呼ぶことがある。また、液滴の静的な釣合いに関して以下の仮定を設ける。
【0054】
(a)第1および第2パッド12,13の水平面に平行な断面形状は円形であり、その半径およびチップ17および基板18に設けられる位置は一致する。
(b)液体14によって形成される液滴は、軸対称形である。
(c)液滴の曲面は、円弧である。
(d)重力の影響は、無視する。
【0055】
図4(a)は、前述の図1(c)同様に液体14を介して第1パッド12を、第2パッド13上に載置した状態であるので、同一の参照符号を付して説明を省略する。液滴の内部および外部の圧力差Δpと表面張力γとの静的な力の釣合いは、式(1)によって与えられる。
ΔP=Po−Pa=γ{(1/R1)+(1/R2)} …(1)
ここで、ΔP:液滴の内外部の圧力差
Po:液滴の内部圧力
Pa:液滴の外部圧力
γ :液滴の表面張力
R1:液滴の第1主曲率半径
R2:液滴の第2主曲率半径
【0056】
液滴の第1および第2主曲率半径R1およびR2は、第1および第2パッド12,13の間隔、すなわち液滴の釣合い高さhsにおける液滴表面の主曲率半径であり、液滴の内側にある場合を正とし、外側にある場合を負とする。
【0057】
図4(b)に示す静的な釣合い状態の液滴最上部における重力方向の力の釣合いは、式(2)によって与えられる。
γcosβs・2πr+mg=ΔP・πr2 …(2)
ここで、βs:パッド端部内方における液滴の臨界接触角
(=θs−π/2)
θs:パッド端部における擬似臨界接触角
mg:チップ重量
r :パッドの半径
【0058】
チップ17重量mgは、厳密にはチップ17重量と第1パッド12重量との和であるけれども、第1パッド12重量が、チップ17重量に比べて小さいので、以後チップ17重量mgと呼び、W(=mg)にて表記することがある。
【0059】
第2主曲率半径R2は、液滴の幾何学的形状から式(3)によって与えられ、また第1主曲率半径R1は、式(3)および式(1)の関係から式(4)によって与えられる。
R2=r/cosβs …(3)
R1=γ・R2/(ΔP・R2−γ) …(4)
【0060】
また、静的な釣合い状態での液滴体積Vsは、重力方向をy軸、重力に直交する方向をx軸とすると、式(5)によって与えられる。
【0061】
【数1】
Figure 0004993647
【0062】
ここで、液滴の釣合い高さhsは、式(6)によって与えられる。
hs=2・R1sinβs …(6)
【0063】
したがって、前述のような仮定のもとにおいて、静的な釣合い状態にある液滴の形状は、液滴体積Vs、表面張力γおよび液滴の内外部の圧力差ΔPによって求めることができる。さらに液滴の内外部の圧力差ΔPは、チップ17重量W(=mg)、パッド半径rおよび表面張力γによって求めることができるので、静的な釣合い状態にある液滴の形状を、数値解析によって求めることが可能となる。
【0064】
液体14を介して第1部材12を第2部材13上に載置し、液体14によって形成される液滴の静的な釣合いを利用したセルフアライメント機能の発現によって、第1および第2部材12,13の位置決めをすることを、以後put down方式と呼ぶ。
【0065】
静的な釣合い状態は、put down方式だけでなく、第1部材12を、液体14を介して第2部材13によって吊上げることによっても実現することができる。図5は、液体14を介して第1部材12を第2部材13によって吊上げた場合の静的な釣合い状態を説明する図である。図5に示す液滴の静的な釣合い状態は、前述のput down方式に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。注目すべきは、図5(b)に示す静的な釣合い状態の液滴最上部における重力方向の力の釣合いであり、前述のput down方式の式(2)に代えて、式(7)によって与えられる。
γcosβs・2πr−mg=ΔP・πr2 …(7)
【0066】
式(2)に代わる式(7)以外の静的な釣合い状態にある液滴の形状に関する関係式は、put down方式の場合と同一である。このような、液体14を介して第1部材12を第2部材13によって吊上げ、液体14によって形成される液滴の静的な釣合いを利用したセルフアライメント機能の発現によって、第1および第2部材12,13の位置決めをすることを、以後pull up方式と呼ぶ。
【0067】
図6はput down方式による液体14のセルフアライメントの動作を説明する図であり、図7はpull up方式による液体14のセルフアライメントの動作を説明する図である。図6(a)では、第2部材13の第2対向面33に液体14が供給される。液体14の供給量は、第2部材13の端部16まで濡らすことのできる量である。ここで、第2部材13および第2部材13に接合して設けられる第4部材18は、基台36上に置かれる。図6(b)では、第1部材12が、液体14を介して第2部材13上に載置される。このとき、液体14は、第1部材12の第1対向面31と第2部材13の第2対向面33との間に介在する。
【0068】
図6(c)では、液体14は、第1部材12の第1対向面31と第2部材13の第2対向面33との間で濡れ広がるとともに、液体14によって形成される液滴の形状が安定する静的な釣合い状態になるように動作する。このとき、第1部材12および第1部材12に接合して設けられる第3部材17は、液滴の静的な釣合い状態で安定しようとする駆動力によって、矢符37方向に移動する。また、第1部材12および第1部材12に接合して設けられる第3部材17は、その重量と液滴の静的な釣合い形状とが平衡する位置まで矢符38方向にも移動する。
【0069】
図6(d)では、第1部材12が、液体14の前記駆動力によって移動した結果、第1および第2部材12,13のそれぞれの端部15,16まで液体14によって濡れた状態となる。液体14は、第1および第2部材12,13それぞれの端部15,16において、擬似臨界接触角θsを形成して安定な釣合い状態の液滴を形成する。このとき、第1および第2部材12,13それぞれの端部15,16同志が整合し、第1および第2部材12,13、また第3および第4部材17,18の位置決めが実現される。
【0070】
図7に示すpull up方式の場合、第1部材12が液体14を介して第2部材13に吊上げられることを除いて、put down方式と類似の動作によって、セルフアライメントが行われるので、説明を省略する。
【0071】
図6および図7に示したようなセルフアライメント機能を発現し静的な釣合い状態にある液滴の形状は、たとえばCPU(Central Processing Unit)を搭載したコンピュータなどを用いて、数値解析によって求めることができる。図8は、静的な釣合い状態にある液滴の形状を数値解析によって求める動作を説明するためのフローチャートである。
【0072】
ステップs1では、データすなわち初期供給する液体14の液滴体積Vo、パッド半径rおよびチップ17重量Wを入力する。ステップs2では、擬似臨界接触角θsの値を仮定して入力する。ステップs3では、前記式(1)〜(6)または式(7)に従って第1および第2主曲率半径R1,R2、液滴内外部の圧力差ΔPおよび釣合い状態にある液滴の体積Vsを演算する。
【0073】
ステップs4では、演算結果である釣合い状態にある液滴の体積Vsと、初期供給する液滴の体積Voとが一致しているかが判断される。この判断が否定であれば、ステップs2に戻り、擬似臨界接触角θsの仮定値を変更して入力し、以降のステップに進む。この判断が肯定であれば、ステップs5に進む。ステップs5では、数値解析結果である液滴の内外部の圧力差ΔP、第1および第2主曲率半径R1,R2、擬似臨界接触角θsおよび液滴の釣合い高さhsの確定した値が得られる。
【0074】
式(1)〜(6)または式(7)に基づき、図8に示すフローチャートに従って得られた液滴形状の数値解析結果を、BrakkeのSurface Evolver 2.10プログラムによる表面エネルギに基づく液滴形状のシミュレーション結果と比較し検証した。
【0075】
図9はput down方式における液滴の体積Vsと液滴の釣合い高さhsとの関係を示す図であり、図10はpull up方式における液滴の体積Vsと液滴の釣合い高さhsとの関係を示す図である。図9中の第1曲線41は、put down方式において、数値解析した結果得られた液滴の体積Vsと液滴の釣合い高さhsとの関係を示す曲線であり、○印はSurface Evolverのシミュレーションによって得られた結果を表す。また、図10中の第2曲線42は、pull up方式において、数値解析した結果得られた液滴の体積Vsと液滴の釣合い高さhsとの関係を示す曲線であり、○印はSurface Evolverのシミュレーションによって得られた結果を表す。ここで、第1および第2部材12,13との間に介在する液体14によって形成される液滴を、以後バンプと呼ぶことがある。
【0076】
put down方式およびpull up方式のいずれにおいても、
Surface Evolverのシミュレーションでの結果得られた液滴の体積Vsと液滴の釣合い高さhsとの関係は、第1および第2曲線41,42上に位置し、数値解析結果と一致する。すなわち、液滴の内外部の圧力差ΔPと液滴の表面張力γとの釣合いに基づき、数値解析した液滴の形状と、Surface Evolverのシミュレーションによって求めた液滴の形状とは、ほぼ一致する。
【0077】
図11は、本発明の第2の実施の形態であるセルフアライメント構造43の構成を簡略化して示す概略断面図である。本実施の形態のセルフアライメント構造43は、実施の第1形態のセルフアライメント構造11と類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。注目すべきは、第1部材12と第2部材13との間には、第1球体44がさらに介在することである。
【0078】
第1球体44は、金属製の硬球であり、1組の第1および第2部材12,13の間に1個、すなわち1バンプあたり1個が用いられる。本実施の形態では、第1球体44は、金属製であるけれども、これに限定されることなく、硬質プラスチックなどの高分子材料であってもよく、第1部材12および第3部材17の重量を支持し、球状の形状を維持してころがり移動することができるものであればよい。また、本実施の形態では、第1球体44の数は、1バンプあたり1個であるけれども、これに限定されることなく、1バンプあたり複数の第1球体44が用いられてもよい。
【0079】
第1球体44は、第1部材12と第2部材13との間においてころがり移動することができるので、液体14のセルフアライメント機能の発現によって、第1部材12が水平面に平行な方向に移動することを妨げることがない。また、第1球体44の直径d1の大きさを予め定める値に作成することによって、第1および第2部材12,13の水平面に平行な方向の位置決めをするとともに、第1部材12と第2部材13との間隔を第1球体44の直径d1の大きさに定めることができる。すなわち、第1球体44を第1および第2部材12,13の間に介在させることによって、第1および第2部材12,13の3次元の位置決めをすることができる。
【0080】
図12は本発明の第3の実施の形態であるセルフアライメント構造45の構成を簡略化して示す概略断面図であり、図13は図12に示すセルフアライメント構造45のうち第2および第4部材13,18の構成を簡略化して示す平面図である。本実施の形態のセルフアライメント構造45は、実施の第1形態のセルフアライメント構造11と類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。注目すべきは、第3部材17と第4部材18との間には、第2球体46が介在することである。
【0081】
第2球体46は、金属製の硬球であり、1組の第3および第4部材17,18の間に4個が用いられる。本実施の形態では、第2球体46は、金属製であり、1組の第3および第4部材17,18の間に4個が用いられるけれども、これに限定されることなく、実施の第2の形態と同様に、第1部材12および第3部材17の重量を支持し、球状の形状を維持してころがり移動することができるものであればよく、また、1組の第3および第4部材17,18あたり4個を超える数の第2球体46が用いられてもよい。
【0082】
第2球体46は、第3部材17と第4部材18との間においてころがり移動することができるので、液体14のセルフアライメント機能の発現によって、第1および第3部材12,17が水平面に平行な方向に移動することを妨げることがない。また、第2球体46の直径d2の大きさを予め定める値に作成することによって、第1および第2部材12,13、また第3および第4部材17,18の水平面に平行な方向の位置決めをするとともに、第3部材17と第4部材18との間隔を第2球体46の直径d2の大きさに定めることができる。すなわち、第2球体46を第3および第4部材17,18の間に介在させることによって、第1および第2部材12,13、また第3および第4部材17,18の3次元の位置決めをすることができる。
【0083】
図14は本発明の第4の実施の形態であるセルフアライメント構造47のうち第1および第3部材48,17の構成を簡略化して示す平面図である。本実施の形態のセルフアライメント構造47は、実施の第1形態のセルフアライメント構造11と類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。注目すべきは、第1部材48の水平面に平行な断面形状がリング状を有することである。図示しない第2部材も第1部材48と同一の形状に形成される。
【0084】
図15は本発明の第5の実施の形態であるセルフアライメント構造49のうち第1および第3部材50,17の構成を簡略化して示す平面図である。本実施の形態のセルフアライメント構造49は、実施の第1形態のセルフアライメント構造11と類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。注目すべきは、第1部材50の水平面に平行な断面形状が長円形を有することである。図示しない第2部材も第1部材50と同一の形状に形成される。
【0085】
図16は本発明の第6の実施の形態であるセルフアライメント構造51のうち第1および第3部材52,17の構成を簡略化して示す平面図である。本実施の形態のセルフアライメント構造51は、実施の第1形態のセルフアライメント構造11と類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。注目すべきは、第1部材52の水平面に平行な断面形状が楕円形を有することである。図示しない第2部材も第1部材52と同一の形状に形成される。
【0086】
実施の第1形態および第4〜第6形態においては、第1および第2部材の水平面に平行な断面の形状は、円形、リング状、長円形および楕円形のいずれかに形成されるので、第1部材に接合して設けられる第3部材17および第2部材に接合して設けられる第4部材18の形状に応じて、第1および第2部材の形状を適宜選択することができる。また、第1および第2部材の水平面に平行な断面の形状が、円形またはリング状に形成されるとき、部材の加工が容易であり、アライメント機能の発現に使用される1バンプあたりの液滴量を節減できる。
【0087】
図17は、本発明の第7の実施の形態であるセルフアライメント構造53のうち第1および第3部材54,17の構成を簡略化して示す概略断面図である。本実施の形態のセルフアライメント構造53は、実施の第1形態のセルフアライメント構造11と類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。注目すべきは、図示しない第2部材に臨む第1部材54の第1対向面55が、円錐状を呈することである。
【0088】
第1部材54の第1対向面55は、平面に限定されることなく、円錐状であってもよく、また凹凸を有する面であってもよい。第1対向面55の形状にかかわらず、第1部材54は、端部15内方における水平面に対するみかけの接触角θ1と、端部15外方における水平面に対するみかけの接触角θ2とが異なり、接触角θ2>接触角θ1となる無端状の端部15が形成されることによって、表面張力が小さく濡れ性のよい液体14を、第1部材54の第1対向面55上に、端部15において接触角θ2を有する液滴として保持することができる。
【0089】
このとき、第1対向面55は、水平面に対して角度θ4傾斜しているので、端部15内方における水平面に対するみかけの接触角θ1は、第1対向面55に対する液体14の接触角θ3と、前記第1対向面55の水平面に対する傾斜角θ4との和(θ3+θ4)となる。また、端部15外方における接触角θ2は、第1部材54の第1側面56に対する液体14の接触角θ3と、第1側面56が水平面とのなす角度θ5との和(θ3+θ5)である。
(実施例)
以下に本発明の実施例を説明する。液体14としてエポキシ樹脂を使用し、図1に示すセルフアライメント構造11による第1および第2部材12,13のセルフアライメント精度を測定した。図18は、セルフアライメント精度の測定に使用したセルフアライメント構造11の各部材寸法を示す。第1部材12である第1パッドは、銅合金からなり円柱状の形状を有する。第1パッド12の寸法は、パッド径d3(=2r):6mm、パッド高さt1:1mmである。第3部材17には、シリコン(Si)チップを用い、チップ17の形状は、平面形状が正方形の平板である。チップ17の寸法は、チップ辺の長さL:16mm、チップ厚みt2:0.23±0.01mmである。
【0090】
第1パッド12は、チップ17の一方の平面61上に4個設けられた。第1パッド12は、チップ17の一方の平面61上において、第1パッド12同志の側面間距離C1:2mm、チップ辺と第1パッド側面との距離C2:1mmに配置して設けられた。このように構成されるチップ17の重量Wは、37×10-5Nであった。
【0091】
第2部材13である第2パッドの素材、形状および寸法は、第1パッド12と同一である。第4部材18は、樹脂基板であり、その形状および寸法は、チップ17と同一である。また、第2パッド13は、第4部材18である樹脂基板の一方の平面上に、図18(a)に示すチップ17の一方の平面61上における第1パッド12と同様に配置して設けられた。液体14に使用したエポキシ樹脂の物理特性を表1に示す。
【0092】
【表1】
Figure 0004993647
【0093】
第2パッド13の第2対向面33上に液体14であるエポキシ樹脂を供給し、エポキシ樹脂14を介して第2パッド13上に第1パッド12を載置するputdown方式のセルフアライメント構造11によって、セルフアライメント精度を測定した。
【0094】
図19は、セルフアライメント測定装置62の構成を簡略化して示す系統図である。セルフアライメント測定装置62は、試験片アライナ63と、XYZθステージ64と、試験片ホルダ65と、試験片プッシャ66と、レーザセンサ67と、デコーダ68と、高速度カメラ69と、イメージプロセッサ70とを含む。セルフアライメント精度の測定は、次のように行った。但し、絶対位置決め精度の測定は困難であるので、セルフアライメント構造11において、エポキシ樹脂14のセルフアライメント機能による位置決めが一旦行われた後、試験片プッシャ66によって、第1パッド12およびチップ17を強制的に初期位置誤差bo変位させた。再度エポキシ樹脂14によるセルフアライメント機能を発現させ、初期位置誤差boを与える前後のアライメント位置の変化を測定した。
【0095】
まず、試験片アライナ63により、図18に示した第1パッド12とチップ17との配置、および第2パッド13と樹脂基板18との配置を定めてそれぞれを接合し準備する。第2パッド13および樹脂基板18をXYZθステージ64上に載置し、第2パッド13の第2対向面33上にエポキシ樹脂14を供給する。次いで、第1パッド12およびチップ17を試験片ホルダ65によって保持し、XYZθステージ64上の第2パッド13が置かれた位置まで搬送した後、試験片ホルダ65による第1パッド12およびチップ17の保持を解放し、第2パッド13上にエポキシ樹脂14を介して第1パッド12およびチップ17を載置する。この状態で、セルフアライメント構造11が構成され、エポキシ樹脂14のセルフアライメント機能が発現し、第1および第2パッド12,13のセルフアライメントが行われる。エポキシ樹脂14によってセルフアライメントされた第1および第2パッド12,13の位置を、レーザセンサ67によって測定する。レーザセンサ67の測定結果の出力は、デコーダ68に入力されて数値データに変換される。
【0096】
その後、試験片プッシャ66によって、第1パッド12およびチップ17を強制的に初期位置誤差bo変位させる。変位させられた第1パッド12およびチップ17は、エポキシ樹脂14のセルフアライメント機能によって再びセルフアライメントされる。再度セルフアライメントされた第1および第2パッド12,13の位置を、レーザセンサ67よって測定し、強制的に初期位置誤差boを与える前後のアライメント位置を求めた。この強制的に初期位置誤差boを与える前後のアライメント位置の差を、セルフアライメント精度と呼び、評価の指標とした。エポキシ樹脂14によるセルフアライメントの過程は、高速度カメラ69によって撮影し、撮影画像は、イメージプロセッサ70に含まれるモニタ71によって観察し、Video Tape Recorder(VTR)72に記録し、コンピュータ73によって画像の解析をする構成とした。以上に述べたセルフアライメント精度の測定方法は、put down方式におけるものである。pull up方式では、エポキシ樹脂を介して第1パッド12およびチップ17を、第2パッド13によって吊上げる点が、put down方式と異なる点を除いて類似であるので、測定方法の説明を省略する。なお、pull up方式において使用したチップ17重量Wは、64.26×10-5Nであった。
【0097】
セルフアライメント精度の測定結果を図20および図21に示す。図20はput down方式におけるセルフアライメント精度測定結果を示す図であり、図21はpull up方式におけるセルフアライメント精度測定結果を示す図である。図20および図21中の縦線印は、一つの初期位置誤差boについて4回アライメント精度を測定し、得られた測定結果のばらつきの範囲を表す。また図20および図21中の縦線上にある○印は、一つの初期位置誤差boについて4回測定したアライメント精度測定値の平均値を表す。
【0098】
図20に示したput down方式および図21に示したpull up方式のいずれの場合においても、ほぼ0.4μm以下の高い精度で、第1および第2パッド12,13のセルフアライメント、すなわちチップ17と樹脂基板18とのセルフアライメントをすることができた。
【0099】
さらに、図18に示したセルフアライメント構造の部材において、チップ17重量Wを変化させて、put down方式およびpull up方式の両方によるセルフアライメントを行った。このとき、エポキシ樹脂14によって形成される液滴が、チップ17を支持して静的な釣合い状態を維持し、セルフアライメントをすることができるか否かを求めた。put down方式において第2部材13に供給したエポキシ樹脂14の量は、第2部材13の端部16におけるエポキシ樹脂14の初期接触角が、45度になる量である。ここで、初期接触角とは、第2部材13上にエポキシ樹脂14を供給し、第1部材12を第2部材13上に載置する前の状態で、第2部材13の端部16に形成されるエポキシ樹脂14の接触角である。pull up方式における第1部材12へのエポキシ樹脂14の供給量も、put down方式の場合と同一である。セルフアライメントをすることができなくなる限界のチップ17重量を、臨界チップ重量と呼ぶ。この実験において求めた臨界チップ重量を、前述の静的な釣合い状態に基づいて液滴形状を求める数値解析によって求めたパッド半径rおよび臨界チップ重量の関係と比較し、数値解析の部材実装への適用可能性を検証した。
【0100】
図22はput down方式におけるパッド半径rと臨界チップ重量との関係を示す図であり、図23はpull up方式におけるパッド半径rと臨界チップ重量との関係を示す図である。図22中の第1〜第4直線74,75,76,77は、臨界接触角βsを10度,15度、20度および30度にそれぞれ仮定した場合に、数値解析によって得られたパッド半径rと臨界チップ重量との関係を表す。また、図22中の○印は、エポキシ樹脂14による液滴が、チップ17および第1パッド12を支持し、セルフアライメントが可能であったことを表し、×印は支持不可能でセルフアライメントができなかったことを表す。図23中の第5直線78は、pull up方式において臨界接触角βsを15度に仮定した場合に、数値解析によって得られたパッド半径rと臨界チップ重量との関係を表す。図23中の○印および×印の表す意味は、図22の場合と同一である。
【0101】
本実施例において使用されたエポキシ樹脂14の、銅合金からなる第1および第2パッド12,13に対する臨界接触角βsは、別途実験により15度であることを確認した。本実施例であるパッド半径rが3mmの場合における実験結果、すなわち図22および図23中の○印と×印との境界にあたるチップ重量と、臨界接触角βsが15度の場合の数値解析結果である図22中の第2直線75および図23中の第5直線78のパッド半径rが3mmにおける臨界チップ重量とは、よく一致した。したがって、液滴の静的な釣合い状態に基づく数値解析を、セルフアライメントを利用して部材実装する場合の液滴形状の設計に適用することができる。
【0102】
以上に述べたように、本発明の第1〜第7の実施の形態では、液体14は、エポキシ樹脂であるけれども、これに限定されることなく、ポリイミドであってもよく、またその他の液体であってもよい。また、第1部材12と第2部材13とは、同一の形状からなる構成であるけれども、これに限定されることなく、第1部材12と第2部材13とは形状が異なる構成であってもよい。また、第1部材12と第2部材13とは、同一の材質からなる構成であるけれども、これに限定されることなく、第1部材12と第2部材13とは材質が異なる構成であってもよい。また、第1および第2部材の水平面に平行な断面形状は、円形、リング状、長円形および楕円形であるけれども、これに限定されることなく、多角形などその他の断面形状であってもよい。また、第3部材17はチップであり、第4部材18は樹脂基板であるけれども、これに限定されることなく、第3部材17を樹脂基板とし、第4部材18をチップとする逆の組合せであってもよい。
【0103】
【発明の効果】
本発明によれば、第1および第2部材には、無端状の端部がそれぞれ形成されるので、第1部材と第2部材との間に介在する液体の水平面に対するみかけの接触角は、端部の内方と外方とにおいて変化する。すなわち端部の内方における液体のみかけの接触角θ1は、端部の外方における液体のみかけの接触角θ2未満である。このことによって、第1および第2部材の端部まで液体によって濡れている状態で、液体は第1および第2部材の端部においてみかけの接触角θ2を有する液滴を形成するので、液体の表面張力によるセルフアライメント機能を発現させ、第1部材と第2部材との水平面に平行な方向の位置決めをすることができる。更に、第1部材と第2部材との間には、球体がさらに介在するので、第1部材と第2部材との間隔を、介在する球体の直径によって定めることができる。このことによって、液体のセルフアライメント機能の発現による水平面に平行な方向のアライメントに加え、水平面に垂直な方向の位置決めもすることができるので、第1および第2部材の3次元の位置決めをすることができる。また、第1部材に接合して設けられる第3部材と第2部材に接合して設けられる第4部材との間には、球体がさらに介在するので、第1部材と第2部材との間隔および第3部材と第4部材との間隔を、介在する球体の直径によって定めることができる。このことによって、液体のセルフアライメント機能の発現による水平面に平行な方向のアライメントに加え、水平面に垂直な方向の位置決めもすることができるので、第1および第2部材、また第3および第4部材の3次元の位置決めをすることができる。
【0104】
また本発明によれば、第1および第2部材の端部内方におけるみかけの接触角θ1が、90度未満である濡れ性のよい液体であっても、端部外方におけるみかけの接触角θ2が、前記みかけの接触角θ1を超える大きさに変化することができるので、液体のセルフアライメント機能を発現させることができる。
【0105】
また本発明によれば、第1部材は、液体を介して第2部材によって吊上げられるので、第1部材は水平面に平行な方向に移動可能となる。このことによって、液体の表面張力によるセルフアライメント機能が発現され、第1部材と第2部材との水平面に平行な方向の位置決めをすることができる。
【0106】
また本発明によれば、第1部材は、液体を介して第2部材上に載置されるので、第1部材は水平面に平行な方向に移動可能となる。このことによって、液体の表面張力によるセルフアライメント機能が発現され、第1部材と第2部材との水平面に平行な方向の位置決めをすることができる。
【0109】
また本発明によれば、第1および第2部材の水平面に平行な断面の形状は、円形、リング状、長円形および楕円形のいずれかに形成することができるので、第1部材に接合して設けられる第3部材および第2部材に接合して設けられる第4部材の形状に応じて、第1および第2部材の形状を適宜選択することができる。また、第1および第2部材の水平面に平行な断面の形状が、円形またはリング状に形成されるとき、部材の加工が容易であり、アライメント機能の発現に使用される1組の部材あたりの液体の量を節減することができる。
【0110】
また本発明によれば、液体はエポキシ樹脂またはポリイミドのいずれかであるので、エポキシ樹脂またはポリイミドが液体の状態でセルフアライメント機能を発現させて、第1および第2部材の位置決めをした後、エポキシ樹脂またはポリイミドを硬化させることによって第1部材と第2部材とを接着することができる。またエポキシ樹脂およびポリイミドを熱硬化させるときの加熱温度は、はんだの溶融温度未満の低温度であるので、電子部品および光素子等を熱劣化させることがない。
【0111】
また本発明によれば、前記いずれかに記載のセルフアライメント構造において、液体の表面張力に基づくセルフアライメント機能を利用し、第1部材または第2部材のいずれか1つを水平面に平行な方向に移動させて第1部材と第2部材との端部の位置を整合させるので、高価な実装装置を使用することなく、第1部材と第2部材とを高精度に位置決めをすることができる。
【0112】
また本発明によれば、第1部材は、液体を介して第2部材に吊上げられるので、液体の表面張力によって水平面に平行な方向に移動することができる。このことによって、第1部材と第2部材とは水平面に平行な方向に位置決めされる。
【0113】
また本発明によれば、第1部材は、液体を介して第2部材上に載置されるので、液体の表面張力によって水平面に平行な方向に移動することができる。このことによって、第1部材と第2部材とは水平面に平行な方向に位置決めされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるセルフアライメント構造11の構成を簡略化して示す側面図である。
【図2】図1に示すセルフアライメント構造11の要部拡大図である。
【図3】液体状のエポキシ樹脂21の金属板および樹脂基板23に対する濡れ性を示す概略断面図である。
【図4】第1部材12を液体14を介して第2部材13上に載置した場合の静的な釣合い状態を説明する図である。
【図5】液体14を介して第1部材12を第2部材13によって吊上げた場合の静的な釣合い状態を説明する図である。
【図6】put down方式による液体14のセルフアライメントを説明する図である。
【図7】pull up方式による液体14のセルフアライメントを説明する図である。
【図8】静的な釣合い状態にある液滴の形状を数値解析によって求める動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】put down方式における液滴の体積Vsと液滴の釣合い高さhsとの関係を示す図である。
【図10】pull up方式における液滴の体積Vsと液滴の釣合い高さhsとの関係を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態であるセルフアライメント構造43の構成を簡略化して示す概略断面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態であるセルフアライメント構造45の構成を簡略化して示す概略断面図である。
【図13】図12に示すセルフアライメント構造45のうち第2および第4部材13,18の構成を簡略化して示す平面図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態であるセルフアライメント構造47のうち第1および第3部材48,17の構成を簡略化して示す平面図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態であるセルフアライメント構造49のうち第1および第3部材50,17の構成を簡略化して示す平面図である。
【図16】本発明の第6の実施の形態であるセルフアライメント構造51のうち第1および第3部材52,17の構成を簡略化して示す平面図である。
【図17】本発明の第7の実施の形態であるセルフアライメント構造53のうち第1および第3部材54,17の構成を簡略化して示す概略断面図である。
【図18】セルフアライメント精度の測定に使用したセルフアライメント構造11の各部材寸法を示す。
【図19】セルフアライメント測定装置62の構成を簡略化して示す系統図である。
【図20】put down方式におけるセルフアライメント精度測定結果を示す図である。
【図21】pull up方式におけるセルフアライメント精度測定結果を示す図である。
【図22】put down方式におけるパッド半径rと臨界チップ重量との関係を示す図である。
【図23】pull up方式におけるパッド半径rと臨界チップ重量との関係を示す図である。
【図24】溶融はんだ1の金属板2および樹脂基板3に対する濡れ性を示す概略断面図である。
【図25】溶融はんだ1の表面張力を利用したセルフアライメントを示す概略断面図である。
【符号の説明】
11 セルフアライメント構造
12 第1部材
13 第2部材
14 液体
17 第3部材
18 第4部材

Claims (14)

  1. 端状の端部がそれぞれ形成される第1および第2部材を備え
    1部材と第2部材との間には液体が介在し
    体は、水平面に対するみかけの接触角が、前記端部の内方と外方とにおいて異なり
    部の内方における液体のみかけの接触角θ1の大きさは、端部の外方における液体のみかけの接触角θ2未満であり
    1および第2部材の端部まで液体によって濡れており、
    第1部材と第2部材との間には、球体がさらに介在することを特徴とするセルフアライメント構造。
  2. 無端状の端部がそれぞれ形成される第1および第2部材を備え、
    第1部材と第2部材との間には液体が介在し、
    液体は、水平面に対するみかけの接触角が、前記端部の内方と外方とにおいて異なり、
    端部の内方における液体のみかけの接触角θ1の大きさは、端部の外方における液体のみかけの接触角θ2未満であり、
    第1および第2部材の端部まで液体によって濡れており、
    第1部材の外方には、第1部材に接合して第3部材が設けられ、第2部材の外方には、第2部材に接合して第4部材が設けられ、第3部材と第4部材との間には、球体が介在することを特徴とするセルフアライメント構造。
  3. 前記端部の内方でのみかけの接触角θ1が、90度未満である液体を用いることを特徴とする請求項1または2記載のセルフアライメント構造。
  4. 第1部材は、液体を介して第2部材に吊上げられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセルフアライメント構造。
  5. 第1部材は、液体を介して第2部材上に載置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセルフアライメント構造。
  6. 第1および第2部材は、水平面に平行な断面の形状が円形であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセルフアライメント構造。
  7. 第1および第2部材は、水平面に平行な断面の形状がリング状であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセルフアライメント構造。
  8. 第1および第2部材は、水平面に平行な断面の形状が長円形であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセルフアライメント構造。
  9. 第1および第2部材は、水平面に平行な断面の形状が楕円形であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセルフアライメント構造。
  10. 前記液体は、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセルフアライメント構造。
  11. 前記液体は、ポリイミドであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセルフアライメント構造。
  12. 請求項1〜11のうちの1つに記載のセルフアライメント構造の液体が硬化する前の状態で、液体の表面張力によって第1部材と第2部材との端部の位置を整合させることを特徴とするセルフアライメント方法。
  13. 第2部材によって液体を介して第1部材を吊上げ、第1部材を水平面に平行な方向へ移動させることを特徴とする請求項12記載のセルフアライメント方法。
  14. 第2部材上に液体を介して第1部材を載置し、第1部材を水平面に平行な方向へ移動させることを特徴とする請求項12記載のセルフアライメント方法
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