JP2002228886A - セルフアライメント構造 - Google Patents
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Abstract
に加熱することなく、液体による高精度な部材の位置決
め機能を発現させる。 【解決手段】 無端状の端部がそれぞれ形成される第1
および第2部材12,13を備え、第1部材12と第2
部材13との間には液体14が介在し、第1および第2
部材12,13の端部15,16まで液体14によって
濡れている。第1および第2部材12,13に無端状の
端部15,16が形成されることによって、液体14の
水平面に対するみかけの接触角が、端部の内方と外方と
において異なって形成され、端部16の内方におけるみ
かけの接触角をθ1とし、端部16の外方におけるみか
けの接触角をθ2とすると、θ1<θ2である。
Description
イス・素子の実装等において高精度に位置決めをするこ
とのできるセルフアライメント構造に関するものであ
る。
展に伴い、膨大な量の情報を高速に伝送し処理をするこ
とが必要とされ、これらの要求を実現するために情報、
通信機器およびコンピュータなどの処理能力を向上する
ことが望まれている。情報、通信機器およびコンピュー
タなどの電子機器における伝送および処理速度の高速
化、高機能化さらに信頼性向上を達成するために、電子
部品の高密度微細実装技術の向上が図られている。ま
た、情報通信の一層の高速化および大容量化の実現に向
けて光デバイス・素子の開発が進められており、これら
の光デバイス・素子の実装技術も重要な開発課題となっ
ている。
実装には、高度な位置決め技術が必要とされ、これを実
現する一つの手段として、画像センシングと高精度な移
動ステージとを用いた実装装置が用いられているけれど
も、高精度な実装を実現するためには、位置決めに長時
間を要し、また装置の価格が高価になってしまうという
問題がある。
−27140公報および特開平6−88917公報など
に開示されている。特開平5−27140公報に開示さ
れている技術は、光導波路素子の接合端面及び光ファイ
バ端末の接続端面に少なくとも一対の金属パッドをそれ
ぞれに設け、この金属パッドに、たとえばPbSnはん
だまたはAuSnはんだからなるバンプを形成し、この
バンプを加熱・溶融し、溶融はんだの表面張力を利用し
て光導波路素子と光ファイバ端子との位置決めを行い、
その後はんだの凝固によって金属パッドを接着して前記
光導波路素子と、光ファイバ端末とを端面結合させると
いうものである。
れている技術は、表面に金属パッドが形成された保持板
の金属パッド上にはんだバンプを形成し、基板に光導波
路及び金属パッドが形成された光導波路素子と表面に金
属パッドが形成された光ファイバ端末とを互いの端面を
対向させて前記保持板のはんだバンプ上に載置して仮接
続した後、前記はんだバンプを加熱・溶融し、溶融はん
だの表面張力を利用して光導波路素子と光ファイバ端子
との位置決めを行い、その後はんだの凝固によって光導
波路素子と光ファイバ端子との接続を行うというもので
ある。
んだの表面張力によるセルフアライメントについて、以
下に説明する。図24は、溶融はんだ1の金属板2およ
び樹脂基板3に対する濡れ性を示す概略断面図である。
図24(a)に示すように、溶融はんだ1は、金属板2
に対する濡れ性が良く、水平面に対するみかけの接触角
θ11は、90度未満になる。一方図24(b)に示す
ように、溶融はんだ1は、樹脂基板3に対する濡れ性が
悪く、水平面に対するみかけの接触角θ12は、90度
以上になる。このような溶融はんだ1の濡れ性を利用
し、図24(c)に示すように、樹脂基板3の内方に金
属板2を設け、金属板2上に溶融はんだ1の液滴を供給
すると、溶融はんだ1は、濡れ性の悪い樹脂基板3上に
は広がらず、金属板2と樹脂基板3との境界4におい
て、樹脂基板3に対するみかけの接触角θ13を有し、
溶融はんだ1の表面張力と溶融はんだ1の液滴に作用す
る内外部の圧力差とが、静的に釣合う状態になる。
したセルフアライメントを示す概略断面図である。たと
えばシリコン(Si)チップ5と樹脂基板6とを位置決
めする場合、金属板7とSiチップ5との境界および金
属板7と樹脂基板6との境界同志が整合するとき、Si
チップ5と樹脂基板6との位置決めができるように、S
iチップ5と樹脂基板6との対向する面に金属板7をそ
れぞれ設ける。図25(a)では、樹脂基板6の内方に
設けられた金属板7上に溶融はんだ1を供給したとき、
溶融はんだ1は、濡れ性の悪い樹脂基板6上には広がら
ず、濡れ性の良い金属板7上において溶融はんだ1の表
面張力と液滴に作用する内外圧差とが釣合うように球状
化して安定な状態になる。このとき、樹脂基板6は、基
台8上に置かれる。
基板6上に載置する。図25(b)に示すようにSiチ
ップ5と樹脂基板6との位置がずれている場合、介在す
る溶融はんだ1は、当初金属板7の端部9において大き
な接触角θ14を有するゆがんだ状態であるけれども、
その後溶融はんだ1の表面張力と液滴の内外部の圧力差
とによって、溶融はんだ1の液滴は静的な釣合う状態に
なろうとする。このとき、拘束されていないSiチップ
5は、溶融はんだ1の表面張力によって、水平面に平行
な方向に移動される。図25(c)に示すように、溶融
はんだ1の液滴は、濡れ性の悪いSiチップ5および樹
脂基板6には広がらず、濡れ性の良い金属板7に接する
領域でのみ広がる。また溶融はんだ1の液滴は、液滴高
さhを有し金属板7と樹脂基板6との境界9において接
触角θ15を有する円弧状の曲面を形成して静的な釣合
い状態になる。溶融はんだ1の表面張力によって、Si
チップ5が水平面に平行な方向に移動された結果、Si
チップ5と金属板7とによって形成される境界10と、
樹脂基板6と金属板7とによって形成される境界9とが
整合し、溶融はんだ1によるセルフアライメントが行わ
れる。
は、以下のような問題点がある。前述のように、先行技
術では、光導波路素子と光ファイバ端子とを接続する際
の位置決めに、溶融はんだの表面張力に基づくセルフア
ライメント機能を利用するので、実装される部品がはん
だの溶融温度にさらされるという問題がある。
素(GaAs)の耐熱温度は、約150℃であり、また
スズビスマス(SnBi)の耐熱温度は、約150〜1
60℃である。一方前述のSnPbはんだの融点は、約
180〜250℃であり、またAuSnはんだの融点
は、約280℃であり、前記GaAsおよびSnBiの
耐熱温度よりも高い。
する温度まで加熱することによって、耐熱温度のあまり
高くない光素子が高熱にさらされて、その性能を劣化さ
せる恐れがある。またはんだ付けには、腐食性のあるフ
ラックスが使用されるので、実装部品の腐食を防止する
ために、はんだによってセルフアライメントおよび実装
を行った後、実装部品を洗浄しなければならないという
問題がある。
材料として、樹脂材料による接着剤が注目されている。
樹脂材料による接着剤は、低温接続が可能であり、また
導電性などの機能を有するものも開発され、フリップチ
ップの接続等の実装に用いられるようになっているけれ
ども、液状の樹脂材料の表面張力は、たとえば溶融Pb
Snはんだのほぼ1/10以下と小さいので、セルフア
ライメント機能を発現させることが困難とされている。
ス・素子などの実装において、高価な実装装置を用いる
ことなく、また高温に加熱することなく、液体による高
精度な位置決め機能を発現することのできるセルフアラ
イメント構造およびセルフアライメント方法を提供する
ことである。
の端部がそれぞれ形成される第1および第2部材を備
え、(b)第1部材と第2部材との間には液体が介在
し、(c)液体は、水平面に対するみかけの接触角が、
前記端部の内方と外方とにおいて異なり、(d)端部の
内方における液体のみかけの接触角θ1の大きさは、端
部の外方における液体のみかけの接触角θ2未満であ
り、(e)第1および第2部材の端部まで液体によって
濡れていることを特徴とするセルフアライメント構造で
ある。
は、無端状の端部がそれぞれ形成されるので、第1部材
と第2部材との間に介在する液体の水平面に対するみか
けの接触角は、端部の内方と外方とにおいて変化する。
すなわち端部の内方における液体のみかけの接触角θ1
は、端部の外方における液体のみかけの接触角θ2未満
である。このことによって、第1および第2部材の端部
まで液体によって濡れている状態で、液体は第1および
第2部材の端部において、みかけの接触角θ2を有する
液滴を形成するので、液体の表面張力によるセルフアラ
イメント機能を発現させ、第1部材と第2部材との水平
面に平行な方向の位置決めをすることができる。
継ぎ目などを含まない連続して形成された端部のことを
いう。また、第1および第2部材の端部まで液体によっ
て濡れている状態とは、液体が液状のまま、第1および
第2部材の端部まで接触している状態をいう。
の接触角θ1が、90度未満である液体を用いることを
特徴とするセルフアライメント構造である。
部内方におけるみかけの接触角θ1が、90度未満であ
る濡れ性のよい液体であっても、端部外方におけるみか
けの接触角θ2が、前記みかけの接触角θ1を超える大
きさに変化することができるので、液体のセルフアライ
メント機能を発現させることができる。
第2部材に吊上げられることを特徴とするセルフアライ
メント構造である。
て第2部材によって吊上げられるので、第1部材は水平
面に平行な方向に移動可能となる。このことによって、
液体の表面張力によるセルフアライメント機能が発現さ
れ、第1部材と第2部材との水平面に平行な方向の位置
決めをすることができる。
第2部材上に載置されることを特徴とするセルフアライ
メント構造である。
て第2部材上に載置されるので、第1部材は水平面に平
行な方向に移動可能となる。このことによって、液体の
表面張力によるセルフアライメント機能が発現され、第
1部材と第2部材との水平面に平行な方向の位置決めを
することができる。
には、球体がさらに介在することを特徴とするセルフア
ライメント構造である。
間には、球体がさらに介在するので、第1部材と第2部
材との間隔を、介在する球体の直径によって定めること
ができる。このことによって、液体のセルフアライメン
ト機能の発現による水平面に平行な方向のアライメント
に加え、水平面に垂直な方向の位置決めもすることがで
きるので、第1および第2部材の3次元の位置決めをす
ることができる。
部材に接合して第3部材が設けられ、第2部材の外方に
は、第2部材に接合して第4部材が設けられ、第3部材
と第4部材との間には、球体が介在することを特徴とす
るセルフアライメント構造である。
られる第3部材と第2部材に接合して設けられる第4部
材との間には、球体がさらに介在するので、第1部材と
第2部材との間隔および第3部材と第4部材との間隔
を、介在する球体の直径によって定めることができる。
このことによって、液体のセルフアライメント機能の発
現による水平面に平行な方向のアライメントに加え、水
平面に垂直な方向の位置決めもすることができるので、
第1および第2部材、また第3および第4部材の3次元
の位置決めをすることができる。
平面に平行な断面の形状が円形であることを特徴とする
セルフアライメント構造である。
平面に平行な断面の形状がリング状であることを特徴と
するセルフアライメント構造である。
平面に平行な断面の形状が長円形であることを特徴とす
るセルフアライメント構造である。
平面に平行な断面の形状が楕円形であることを特徴とす
るセルフアライメント構造である。
平面に平行な断面の形状は、円形、リング状、長円形お
よび楕円形のいずれかに形成することができるので、第
1部材に接合して設けられる第3部材および第2部材に
接合して設けられる第4部材の形状に応じて、第1およ
び第2部材の形状を適宜選択することができる。また、
第1および第2部材の水平面に平行な断面の形状が、円
形またはリング状に形成されるとき、部材の加工が容易
であり、アライメント機能の発現に使用される1組の部
材あたりの液体の量を節減することができる。
であることを特徴とするセルフアライメント構造であ
る。
あることを特徴とするセルフアライメント構造である。
はポリイミドのいずれかであるので、エポキシ樹脂また
はポリイミドが液体の状態でセルフアライメント機能を
発現させて、第1および第2部材の位置決めをした後、
エポキシ樹脂またはポリイミドを硬化させることによっ
て第1部材と第2部材とを接着することができる。また
エポキシ樹脂およびポリイミドを熱硬化させるときの加
熱温度は、はんだの溶融温度未満の低温度であるので、
電子部品および光素子等を熱劣化させることがない。
フアライメント構造の液体が硬化する前の状態で、液体
の表面張力によって第1部材と第2部材との端部の位置
を整合させることを特徴とするセルフアライメント方法
である。
ルフアライメント構造において、液体の表面張力に基づ
くセルフアライメント機能を利用し、第1部材と第2部
材との端部の位置を整合させるので、高価な実装装置を
使用することなく、第1部材と第2部材とを高精度に位
置決めをすることができる。
して第1部材を吊上げ、第1部材を水平面に平行な方向
へ移動させることを特徴とするセルフアライメント方法
である。
て第2部材に吊上げられるので、液体の表面張力によっ
て水平面に平行な方向に移動することができる。このこ
とによって、第1部材と第2部材とは水平面に平行な方
向に位置決めされる。
第1部材を載置し、第1部材を水平面に平行な方向へ移
動させることを特徴とするセルフアライメント方法であ
る。
て第2部材上に載置されるので、液体の表面張力によっ
て水平面に平行な方向に移動することができる。このこ
とによって、第1部材と第2部材とは水平面に平行な方
向に位置決めされる。
るセルフアライメント構造11の構成を簡略化して示す
側面図であり、図2は図1に示すセルフアライメント構
造11の要部拡大図である。セルフアライメント構造1
1は、無端状の端部15,16がそれぞれ形成される第
1部材12と第2部材13とを備え、第1部材12と第
2部材13との間には液体14が介在し、液体14は、
水平面に対するみかけの接触角が、前記端部15,16
の内方と外方とにおいて異なる。図1(a)および図1
(b)は、第2部材13に液体14が供給された状態を
示し、端部16の内方における液体14の接触角θ1の
大きさは、端部16の外方における液体14のみかけの
接触角θ2未満である。また、図1(c)に示すよう
に、セルフアライメント構造11は、第1および第2部
材12,13の端部15,16まで液体14によって濡
れている。ここで、水平面とは、重力の直交面に対して
平行な面である。また水平面に対するみかけの接触角
を、以後、接触角と略称することがある。
に平行な断面形状が円形を有する短い円柱状の部材であ
り、たとえば銅合金製である。第1および第2部材1
2,13は、パッドと通称されており、ここでは第1お
よび第2部材12,13を、それぞれ第1および第2パ
ッドと呼ぶことがある。本実施の形態では、第1および
第2部材12,13は、銅合金製であるけれども、これ
に限定されることなく、ステンレスなどの銅合金以外の
金属製であってもよく、またプラスチックなど金属以外
の素材であってもよい。第1部材12は、第2部材13
に対向する第1対向面31と第1側面32とを有し、第
1部材12の外方である第1対向面31の反対側には、
第1部材12に接合して第3部材17が設けられる。ま
た、第2部材13は、第1部材12に対向する第2対向
面33と第2側面34とを有し、第2部材13の外方で
ある第2対向面33の反対側には、第2部材13に接合
して第4部材18が設けられる。
うな搭載される部材であり、水平面に平行な断面形状が
方形であり、その一辺の長さは第1部材12である円柱
の直径の大きさを超えるように形成される。また、第4
部材18は、電子部品を搭載するたとえば基板であり、
水平面に平行な断面形状が方形であり、その一辺の長さ
は第2部材13である円柱の直径の大きさを超えるよう
に形成される。
5,16同志が整合されるとき、搭載される部材である
第3部材17と、基板である第4部材18との位置決め
がなされるように、第1部材12と第3部材17との位
置関係を定めて第1部材12に第3部材17が設けら
れ、また第2部材13と第4部材18との位置関係を定
めて第2部材13に第4部材18が設けられる。したが
って、位置決めの精度は、第1および第2部材12,1
3の無端状の端部15,16同志の整合する精度に依存
するので、第1および第2部材12,13の寸法は、高
い精度をもって形成される必要がある。
発現するたとえばエポキシ樹脂またはポリイミドなどが
適しており、本実施の形態ではエポキシ樹脂を用いた。
図3は、液体状のエポキシ樹脂21の金属板および樹脂
基板23に対する濡れ性を示す概略断面図である。図3
(a)および図3(b)は、液体状のエポキシ樹脂21
を第1金属板22および樹脂基板23上に供給した状態
を示す。このときのエポキシ樹脂21の液滴の量は、第
1金属板22および樹脂基板23の端部まで濡れること
がない程度の量である。エポキシ樹脂21は、表面張力
が小さく濡れ性がよいので、第1金属板22および樹脂
基板23のいずれに対しても、90度未満の接触角θ1
6が形成される。したがって、図3(c)に示すよう
に、樹脂基板23の内方に第2金属板24を設け、第2
金属板24上にエポキシ樹脂21を供給した場合であっ
ても、エポキシ樹脂21は、第2金属板24上にとどま
ることなく、第2金属板24と樹脂基板23との境界2
6を超えて樹脂基板23上にまで広がる。
状の第3金属板25を突出して設け、第3金属板25に
無端状の端部27を形成させた状態を示す。この第3金
属板25上にエポキシ樹脂21の液滴を、第3金属板2
5の端部27まで濡れるように供給するとき、第3金属
板25の端部27外方におけるエポキシ樹脂21の接触
角θ17が形成される。第3金属板25に無端状の端部
27を形成させることによって、図3(a)に示したよ
うなエポキシ樹脂21の第1金属板22に対する接触角
θ16は、円柱状の形状を有する第3金属板25の側面
28に対する接触角θ16となる。したがって、エポキ
シ樹脂21の液滴が供給された第3金属板25の上面2
9に対する端部27外方における接触角θ17は、(θ
16+π/2)で与えられる。
とによって、表面張力が小さく濡れ性のよい液体であっ
ても、部材の端部内方に形成される接触角の大きさを超
える接触角を端部外方に形成させ、部材上に液体を保持
させることができる。このことを利用し、表面張力が小
さく濡れ性のよい液体を用いて、従来の溶融はんだと同
様のセルフアライメント機能を発現させることができ
る。
11について説明する。図1(a)は、第2部材13の
第2対向面33上に供給された液体14の液滴量が少な
く、第2部材13の端部16まで濡れていない状態であ
る。したがって、第2部材13の端部16内方に液体1
4の接触角θ1が形成され、その接触角θ1は90度未
満である。
33上に供給する液体14の量を増加し、第2部材13
の端部16まで液体14によって濡れている状態であ
る。液体14の接触角は、図1(a)に示した端部16
内方の接触角θ1から、端部16外方の接触角θ2に変
化する。この接触角θ2は、前述のように、(θ1+π
/2)である。
的には端部16において形成されるけれども、微視的に
は図2に示すように第2部材13の端部16外方まで液
体14によって濡れているので、端部16外方すなわち
第2部材13の第2側面34において形成される接触角
θ1と、第2部材13の第2側面34と第2対向面33
とのなす角度π/2との和(θ1+π/2)である。
を介して第2部材13上に載置した状態を示す。このこ
とによって、第1および第2部材12,13の端部1
5,16まで、液体14によって濡れている状態にな
り、セルフアライメント構造11が構成される。セルフ
アライメント構造11が構成されると、液体14によっ
て形成される液滴は、液滴の内部および外部に作用する
圧力差と、液体14の表面張力とが静的に釣合う状態
で、安定した形状に形成される。
れる第3部材17は、液体14を介して第2部材13上
に載置されるとき、拘束を受けていないので、水平面に
平行な方向に移動することができる。したがって、液体
14によって形成される液滴は、静的な釣合い状態にな
る過程において、その表面張力によって第1部材12お
よび第3部材17を、水平面に平行な方向に駆動する。
液体14の表面張力によって駆動された第1部材12
が、第1および第2部材12,13それぞれの端部1
5,16同志が整合する位置まで移動したとき、液体1
4によって形成される液滴は静的な釣合い状態となり、
第1および第2部材12,13の位置決めが達成され
る。すなわち、液体14による第1および第2部材1
2,13、また第3および第4部材17,18のセルフ
アライメントが行われる。
静的な釣合い状態について説明する。図4は、液体14
を介して第2部材13上に第1部材12を載置した場合
の静的な釣合い状態を説明する図である。本実施の形態
では、チップを第3部材17として用い、基板を第4部
材18として用いている。以後、第3部材17をチップ
17と呼ぶことがあり、第4部材18を基板18と呼ぶ
ことがある。また、液滴の静的な釣合いに関して以下の
仮定を設ける。
水平面に平行な断面形状は円形であり、その半径および
チップ17および基板18に設けられる位置は一致す
る。 (b)液体14によって形成される液滴は、軸対称形で
ある。 (c)液滴の曲面は、円弧である。 (d)重力の影響は、無視する。
体14を介して第1パッド12を、第2パッド13上に
載置した状態であるので、同一の参照符号を付して説明
を省略する。液滴の内部および外部の圧力差Δpと表面
張力γとの静的な力の釣合いは、式(1)によって与え
られる。 ΔP=Po−Pa=γ{(1/R1)+(1/R2)} …(1) ここで、ΔP:液滴の内外部の圧力差 Po:液滴の内部圧力 Pa:液滴の外部圧力 γ :液滴の表面張力 R1:液滴の第1主曲率半径 R2:液滴の第2主曲率半径
びR2は、第1および第2パッド12,13の間隔、す
なわち液滴の釣合い高さhsにおける液滴表面の主曲率
半径であり、液滴の内側にある場合を正とし、外側にあ
る場合を負とする。
最上部における重力方向の力の釣合いは、式(2)によ
って与えられる。 γcosβs・2πr+mg=ΔP・πr2 …(2) ここで、βs:パッド端部内方における液滴の臨界接触
角 (=θs−π/2) θs:パッド端部における擬似臨界接触角 mg:チップ重量 r :パッドの半径
7重量と第1パッド12重量との和であるけれども、第
1パッド12重量が、チップ17重量に比べて小さいの
で、以後チップ17重量mgと呼び、W(=mg)にて
表記することがある。
状から式(3)によって与えられ、また第1主曲率半径
R1は、式(3)および式(1)の関係から式(4)に
よって与えられる。 R2=r/cosβs …(3) R1=γ・R2/(ΔP・R2−γ) …(4)
は、重力方向をy軸、重力に直交する方向をx軸とする
と、式(5)によって与えられる。
(6)によって与えられる。 hs=2・R1sinβs …(6)
いて、静的な釣合い状態にある液滴の形状は、液滴体積
Vs、表面張力γおよび液滴の内外部の圧力差ΔPによ
って求めることができる。さらに液滴の内外部の圧力差
ΔPは、チップ17重量W(=mg)、パッド半径rお
よび表面張力γによって求めることができるので、静的
な釣合い状態にある液滴の形状を、数値解析によって求
めることが可能となる。
13上に載置し、液体14によって形成される液滴の静
的な釣合いを利用したセルフアライメント機能の発現に
よって、第1および第2部材12,13の位置決めをす
ることを、以後put down方式と呼ぶ。
式だけでなく、第1部材12を、液体14を介して第2
部材13によって吊上げることによっても実現すること
ができる。図5は、液体14を介して第1部材12を第
2部材13によって吊上げた場合の静的な釣合い状態を
説明する図である。図5に示す液滴の静的な釣合い状態
は、前述のput down方式に類似し、対応する部
分には同一の参照符号を付して説明を省略する。注目す
べきは、図5(b)に示す静的な釣合い状態の液滴最上
部における重力方向の力の釣合いであり、前述のput
down方式の式(2)に代えて、式(7)によって
与えられる。 γcosβs・2πr−mg=ΔP・πr2 …(7)
合い状態にある液滴の形状に関する関係式は、put
down方式の場合と同一である。このような、液体1
4を介して第1部材12を第2部材13によって吊上
げ、液体14によって形成される液滴の静的な釣合いを
利用したセルフアライメント機能の発現によって、第1
および第2部材12,13の位置決めをすることを、以
後pull up方式と呼ぶ。
4のセルフアライメントの動作を説明する図であり、図
7はpull up方式による液体14のセルフアライ
メントの動作を説明する図である。図6(a)では、第
2部材13の第2対向面33に液体14が供給される。
液体14の供給量は、第2部材13の端部16まで濡ら
すことのできる量である。ここで、第2部材13および
第2部材13に接合して設けられる第4部材18は、基
台36上に置かれる。図6(b)では、第1部材12
が、液体14を介して第2部材13上に載置される。こ
のとき、液体14は、第1部材12の第1対向面31と
第2部材13の第2対向面33との間に介在する。
2の第1対向面31と第2部材13の第2対向面33と
の間で濡れ広がるとともに、液体14によって形成され
る液滴の形状が安定する静的な釣合い状態になるように
動作する。このとき、第1部材12および第1部材12
に接合して設けられる第3部材17は、液滴の静的な釣
合い状態で安定しようとする駆動力によって、矢符37
方向に移動する。また、第1部材12および第1部材1
2に接合して設けられる第3部材17は、その重量と液
滴の静的な釣合い形状とが平衡する位置まで矢符38方
向にも移動する。
4の前記駆動力によって移動した結果、第1および第2
部材12,13のそれぞれの端部15,16まで液体1
4によって濡れた状態となる。液体14は、第1および
第2部材12,13それぞれの端部15,16におい
て、擬似臨界接触角θsを形成して安定な釣合い状態の
液滴を形成する。このとき、第1および第2部材12,
13それぞれの端部15,16同志が整合し、第1およ
び第2部材12,13、また第3および第4部材17,
18の位置決めが実現される。
1部材12が液体14を介して第2部材13に吊上げら
れることを除いて、put down方式と類似の動作
によって、セルフアライメントが行われるので、説明を
省略する。
イメント機能を発現し静的な釣合い状態にある液滴の形
状は、たとえばCPU(Central Processing Unit)を
搭載したコンピュータなどを用いて、数値解析によって
求めることができる。図8は、静的な釣合い状態にある
液滴の形状を数値解析によって求める動作を説明するた
めのフローチャートである。
給する液体14の液滴体積Vo、パッド半径rおよびチ
ップ17重量Wを入力する。ステップs2では、擬似臨
界接触角θsの値を仮定して入力する。ステップs3で
は、前記式(1)〜(6)または式(7)に従って第1
および第2主曲率半径R1,R2、液滴内外部の圧力差
ΔPおよび釣合い状態にある液滴の体積Vsを演算す
る。
状態にある液滴の体積Vsと、初期供給する液滴の体積
Voとが一致しているかが判断される。この判断が否定
であれば、ステップs2に戻り、擬似臨界接触角θsの
仮定値を変更して入力し、以降のステップに進む。この
判断が肯定であれば、ステップs5に進む。ステップs
5では、数値解析結果である液滴の内外部の圧力差Δ
P、第1および第2主曲率半径R1,R2、擬似臨界接
触角θsおよび液滴の釣合い高さhsの確定した値が得
られる。
き、図8に示すフローチャートに従って得られた液滴形
状の数値解析結果を、BrakkeのSurface Evolver
2.10プログラムによる表面エネルギに基づく液滴形状の
シミュレーション結果と比較し検証した。
の体積Vsと液滴の釣合い高さhsとの関係を示す図で
あり、図10はpull up方式における液滴の体積
Vsと液滴の釣合い高さhsとの関係を示す図である。
図9中の第1曲線41は、put down方式におい
て、数値解析した結果得られた液滴の体積Vsと液滴の
釣合い高さhsとの関係を示す曲線であり、○印はSurf
ace Evolverのシミュレーションによって得られた結果
を表す。また、図10中の第2曲線42は、pull
up方式において、数値解析した結果得られた液滴の体
積Vsと液滴の釣合い高さhsとの関係を示す曲線であ
り、○印はSurface Evolverのシミュレーションによっ
て得られた結果を表す。ここで、第1および第2部材1
2,13との間に介在する液体14によって形成される
液滴を、以後バンプと呼ぶことがある。
p方式のいずれにおいても、Surface Evolverのシミュ
レーションでの結果得られた液滴の体積Vsと液滴の釣
合い高さhsとの関係は、第1および第2曲線41,4
2上に位置し、数値解析結果と一致する。すなわち、液
滴の内外部の圧力差ΔPと液滴の表面張力γとの釣合い
に基づき、数値解析した液滴の形状と、Surface Evolve
rのシミュレーションによって求めた液滴の形状とは、
ほぼ一致する。
るセルフアライメント構造43の構成を簡略化して示す
概略断面図である。本実施の形態のセルフアライメント
構造43は、実施の第1形態のセルフアライメント構造
11と類似し、対応する部分には同一の参照符号を付し
て説明を省略する。注目すべきは、第1部材12と第2
部材13との間には、第1球体44がさらに介在するこ
とである。
組の第1および第2部材12,13の間に1個、すなわ
ち1バンプあたり1個が用いられる。本実施の形態で
は、第1球体44は、金属製であるけれども、これに限
定されることなく、硬質プラスチックなどの高分子材料
であってもよく、第1部材12および第3部材17の重
量を支持し、球状の形状を維持してころがり移動するこ
とができるものであればよい。また、本実施の形態で
は、第1球体44の数は、1バンプあたり1個であるけ
れども、これに限定されることなく、1バンプあたり複
数の第1球体44が用いられてもよい。
13との間においてころがり移動することができるの
で、液体14のセルフアライメント機能の発現によっ
て、第1部材12が水平面に平行な方向に移動すること
を妨げることがない。また、第1球体44の直径d1の
大きさを予め定める値に作成することによって、第1お
よび第2部材12,13の水平面に平行な方向の位置決
めをするとともに、第1部材12と第2部材13との間
隔を第1球体44の直径d1の大きさに定めることがで
きる。すなわち、第1球体44を第1および第2部材1
2,13の間に介在させることによって、第1および第
2部材12,13の3次元の位置決めをすることができ
る。
セルフアライメント構造45の構成を簡略化して示す概
略断面図であり、図13は図12に示すセルフアライメ
ント構造45のうち第2および第4部材13,18の構
成を簡略化して示す平面図である。本実施の形態のセル
フアライメント構造45は、実施の第1形態のセルフア
ライメント構造11と類似し、対応する部分には同一の
参照符号を付して説明を省略する。注目すべきは、第3
部材17と第4部材18との間には、第2球体46が介
在することである。
組の第3および第4部材17,18の間に4個が用いら
れる。本実施の形態では、第2球体46は、金属製であ
り、1組の第3および第4部材17,18の間に4個が
用いられるけれども、これに限定されることなく、実施
の第2の形態と同様に、第1部材12および第3部材1
7の重量を支持し、球状の形状を維持してころがり移動
することができるものであればよく、また、1組の第3
および第4部材17,18あたり4個を超える数の第2
球体46が用いられてもよい。
18との間においてころがり移動することができるの
で、液体14のセルフアライメント機能の発現によっ
て、第1および第3部材12,17が水平面に平行な方
向に移動することを妨げることがない。また、第2球体
46の直径d2の大きさを予め定める値に作成すること
によって、第1および第2部材12,13、また第3お
よび第4部材17,18の水平面に平行な方向の位置決
めをするとともに、第3部材17と第4部材18との間
隔を第2球体46の直径d2の大きさに定めることがで
きる。すなわち、第2球体46を第3および第4部材1
7,18の間に介在させることによって、第1および第
2部材12,13、また第3および第4部材17,18
の3次元の位置決めをすることができる。
セルフアライメント構造47のうち第1および第3部材
48,17の構成を簡略化して示す平面図である。本実
施の形態のセルフアライメント構造47は、実施の第1
形態のセルフアライメント構造11と類似し、対応する
部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。注目
すべきは、第1部材48の水平面に平行な断面形状がリ
ング状を有することである。図示しない第2部材も第1
部材48と同一の形状に形成される。
セルフアライメント構造49のうち第1および第3部材
50,17の構成を簡略化して示す平面図である。本実
施の形態のセルフアライメント構造49は、実施の第1
形態のセルフアライメント構造11と類似し、対応する
部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。注目
すべきは、第1部材50の水平面に平行な断面形状が長
円形を有することである。図示しない第2部材も第1部
材50と同一の形状に形成される。
セルフアライメント構造51のうち第1および第3部材
52,17の構成を簡略化して示す平面図である。本実
施の形態のセルフアライメント構造51は、実施の第1
形態のセルフアライメント構造11と類似し、対応する
部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。注目
すべきは、第1部材52の水平面に平行な断面形状が楕
円形を有することである。図示しない第2部材も第1部
材52と同一の形状に形成される。
いては、第1および第2部材の水平面に平行な断面の形
状は、円形、リング状、長円形および楕円形のいずれか
に形成されるので、第1部材に接合して設けられる第3
部材17および第2部材に接合して設けられる第4部材
18の形状に応じて、第1および第2部材の形状を適宜
選択することができる。また、第1および第2部材の水
平面に平行な断面の形状が、円形またはリング状に形成
されるとき、部材の加工が容易であり、アライメント機
能の発現に使用される1バンプあたりの液滴量を節減で
きる。
るセルフアライメント構造53のうち第1および第3部
材54,17の構成を簡略化して示す概略断面図であ
る。本実施の形態のセルフアライメント構造53は、実
施の第1形態のセルフアライメント構造11と類似し、
対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略す
る。注目すべきは、図示しない第2部材に臨む第1部材
54の第1対向面55が、円錐状を呈することである。
限定されることなく、円錐状であってもよく、また凹凸
を有する面であってもよい。第1対向面55の形状にか
かわらず、第1部材54は、端部15内方における水平
面に対するみかけの接触角θ1と、端部15外方におけ
る水平面に対するみかけの接触角θ2とが異なり、接触
角θ2>接触角θ1となる無端状の端部15が形成され
ることによって、表面張力が小さく濡れ性のよい液体1
4を、第1部材54の第1対向面55上に、端部15に
おいて接触角θ2を有する液滴として保持することがで
きる。
して角度θ4傾斜しているので、端部15内方における
水平面に対するみかけの接触角θ1は、第1対向面55
に対する液体14の接触角θ3と、前記第1対抗面55
の水平面に対する傾斜角θ4との和(θ3+θ4)とな
る。また、端部15外方における接触角θ2は、第1部
材54の第1側面56に対する液体14の接触角θ3
と、第1側面56が水平面とのなす角度θ5との和(θ
3+θ5)である。 (実施例)以下に本発明の実施例を説明する。液体14
としてエポキシ樹脂を使用し、図1に示すセルフアライ
メント構造11による第1および第2部材12,13の
セルフアライメント精度を測定した。図18は、セルフ
アライメント精度の測定に使用したセルフアライメント
構造11の各部材寸法を示す。第1部材12である第1
パッドは、銅合金からなり円柱状の形状を有する。第1
パッド12の寸法は、パッド径d3(=2r):6m
m、パッド高さt1:1mmである。第3部材17に
は、シリコン(Si)チップを用い、チップ17の形状
は、平面形状が正方形の平板である。チップ17の寸法
は、チップ辺の長さL:16mm、チップ厚みt2:
0.23±0.01mmである。
面61上に4個設けられた。第1パッド12は、チップ
17の一方の平面61上において、第1パッド12同志
の側面間距離C1:2mm、チップ辺と第1パッド側面
との距離C2:1mmに配置して設けられた。このよう
に構成されるチップ17の重量Wは、37×10-5Nで
あった。
状および寸法は、第1パッド12と同一である。第4部
材18は、樹脂基板であり、その形状および寸法は、チ
ップ17と同一である。また、第2パッド13は、第4
部材18である樹脂基板の一方の平面上に、図18
(a)に示すチップ17の一方の平面61上における第
1パッド12と同様に配置して設けられた。液体14に
使用したエポキシ樹脂の物理特性を表1に示す。
14であるエポキシ樹脂を供給し、エポキシ樹脂14を
介して第2パッド13上に第1パッド12を載置するp
utdown方式のセルフアライメント構造11によっ
て、セルフアライメント精度を測定した。
2の構成を簡略化して示す系統図である。セルフアライ
メント測定装置62は、試験片アライナ63と、XYZ
θステージ64と、試験片ホルダ65と、試験片プッシ
ャ66と、レーザセンサ67と、デコーダ68と、高速
度カメラ69と、イメージプロセッサ70とを含む。セ
ルフアライメント精度の測定は、次のように行った。但
し、絶対位置決め精度の測定は困難であるので、セルフ
アライメント構造11において、エポキシ樹脂14のセ
ルフアライメント機能による位置決めが一旦行われた
後、試験片プッシャ66によって、第1パッド12およ
びチップ17を強制的に初期位置誤差bo変位させた。
再度エポキシ樹脂14によるセルフアライメント機能を
発現させ、初期位置誤差boを与える前後のアライメン
ト位置の変化を測定した。
に示した第1パッド12とチップ17との配置、および
第2パッド13と樹脂基板18との配置を定めてそれぞ
れを接合し準備する。第2パッド13および樹脂基板1
8をXYZθステージ64上に載置し、第2パッド13
の第2対向面33上にエポキシ樹脂14を供給する。次
いで、第1パッド12およびチップ17を試験片ホルダ
65によって保持し、XYZθステージ64上の第2パ
ッド13が置かれた位置まで搬送した後、試験片ホルダ
65による第1パッド12およびチップ17の保持を解
放し、第2パッド13上にエポキシ樹脂14を介して第
1パッド12およびチップ17を載置する。この状態
で、セルフアライメント構造11が構成され、エポキシ
樹脂14のセルフアライメント機能が発現し、第1およ
び第2パッド12,13のセルフアライメントが行われ
る。エポキシ樹脂14によってセルフアライメントされ
た第1および第2パッド12,13の位置を、レーザセ
ンサ67によって測定する。レーザセンサ67の測定結
果の出力は、デコーダ68に入力されて数値データに変
換される。
1パッド12およびチップ17を強制的に初期位置誤差
bo変位させる。変位させられた第1パッド12および
チップ17は、エポキシ樹脂14のセルフアライメント
機能によって再びセルフアライメントされる。再度セル
フアライメントされた第1および第2パッド12,13
の位置を、レーザセンサ67よって測定し、強制的に初
期位置誤差boを与える前後のアライメント位置を求め
た。この強制的に初期位置誤差boを与える前後のアラ
イメント位置の差を、セルフアライメント精度と呼び、
評価の指標とした。エポキシ樹脂14によるセルフアラ
イメントの過程は、高速度カメラ69によって撮影し、
撮影画像は、イメージプロセッサ70に含まれるモニタ
71によって観察し、Video Tape Recorder(VTR)
72に記録し、コンピュータ73によって画像の解析を
する構成とした。以上に述べたセルフアライメント精度
の測定方法は、put down方式におけるものであ
る。pull up方式では、エポキシ樹脂を介して第
1パッド12およびチップ17を、第2パッド13によ
って吊上げる点が、put down方式と異なる点を
除いて類似であるので、測定方法の説明を省略する。な
お、pull up方式において使用したチップ17重
量Wは、64.26×10-5Nであった。
0および図21に示す。図20はput down方式
におけるセルフアライメント精度測定結果を示す図であ
り、図21はpull up方式におけるセルフアライ
メント精度測定結果を示す図である。図20および図2
1中の縦線印は、一つの初期位置誤差boについて4回
アライメント精度を測定し、得られた測定結果のばらつ
きの範囲を表す。また図20および図21中の縦線上に
ある○印は、一つの初期位置誤差boについて4回測定
したアライメント精度測定値の平均値を表す。
び図21に示したpull up方式のいずれの場合に
おいても、ほぼ0.4μm以下の高い精度で、第1およ
び第2パッド12,13のセルフアライメント、すなわ
ちチップ17と樹脂基板18とのセルフアライメントを
することができた。
ト構造の部材において、チップ17重量Wを変化させ
て、put down方式およびpull up方式の
両方によるセルフアライメントを行った。このとき、エ
ポキシ樹脂14によって形成される液滴が、チップ17
を支持して静的な釣合い状態を維持し、セルフアライメ
ントをすることができるか否かを求めた。put do
wn方式において第2部材13に供給したエポキシ樹脂
14の量は、第2部材13の端部16におけるエポキシ
樹脂14の初期接触角が、45度になる量である。ここ
で、初期接触角とは、第2部材13上にエポキシ樹脂1
4を供給し、第1部材12を第2部材13上に載置する
前の状態で、第2部材13の端部16に形成されるエポ
キシ樹脂14の接触角である。pull up方式にお
ける第1部材12へのエポキシ樹脂14の供給量も、p
ut down方式の場合と同一である。セルフアライ
メントをすることができなくなる限界のチップ17重量
を、臨界チップ重量と呼ぶ。この実験において求めた臨
界チップ重量を、前述の静的な釣合い状態に基づいて液
滴形状を求める数値解析によって求めたパッド半径rお
よび臨界チップ重量の関係と比較し、数値解析の部材実
装への適用可能性を検証した。
ッド半径rと臨界チップ重量との関係を示す図であり、
図23はpull up方式におけるパッド半径rと臨
界チップ重量との関係を示す図である。図22中の第1
〜第4直線74,75,76,77は、臨界接触角βs
を10度,15度、20度および30度にそれぞれ仮定
した場合に、数値解析によって得られたパッド半径rと
臨界チップ重量との関係を表す。また、図22中の○印
は、エポキシ樹脂14による液滴が、チップ17および
第1パッド12を支持し、セルフアライメントが可能で
あったことを表し、×印は支持不可能でセルフアライメ
ントができなかったことを表す。図23中の第5直線7
8は、pull up方式において臨界接触角βsを1
5度に仮定した場合に、数値解析によって得られたパッ
ド半径rと臨界チップ重量との関係を表す。図23中の
○印および×印の表す意味は、図22の場合と同一であ
る。
14の、銅合金からなる第1および第2パッド12,1
3に対する臨界接触角βsは、別途実験により15度で
あることを確認した。本実施例であるパッド半径rが3
mmの場合における実験結果、すなわち図22および図
23中の○印と×印との境界にあたるチップ重量と、臨
界接触角βsが15度の場合の数値解析結果である図2
2中の第2直線75および図23中の第5直線78のパ
ッド半径rが3mmにおける臨界チップ重量とは、よく
一致した。したがって、液滴の静的な釣合い状態に基づ
く数値解析を、セルフアライメントを利用して部材実装
する場合の液滴形状の設計に適用することができる。
の実施の形態では、液体14は、エポキシ樹脂であるけ
れども、これに限定されることなく、ポリイミドであっ
てもよく、またその他の液体であってもよい。また、第
1部材12と第2部材13とは、同一の形状からなる構
成であるけれども、これに限定されることなく、第1部
材12と第2部材13とは形状が異なる構成であっても
よい。また、第1部材12と第2部材13とは、同一の
材質からなる構成であるけれども、これに限定されるこ
となく、第1部材12と第2部材13とは材質が異なる
構成であってもよい。また、第1および第2部材の水平
面に平行な断面形状は、円形、リング状、長円形および
楕円形であるけれども、これに限定されることなく、多
角形などその他の断面形状であってもよい。また、第3
部材17はチップであり、第4部材18は樹脂基板であ
るけれども、これに限定されることなく、第3部材17
を樹脂基板とし、第4部材18をチップとする逆の組合
せであってもよい。
は、無端状の端部がそれぞれ形成されるので、第1部材
と第2部材との間に介在する液体の水平面に対するみか
けの接触角は、端部の内方と外方とにおいて変化する。
すなわち端部の内方における液体のみかけの接触角θ1
は、端部の外方における液体のみかけの接触角θ2未満
である。このことによって、第1および第2部材の端部
まで液体によって濡れている状態で、液体は第1および
第2部材の端部においてみかけの接触角θ2を有する液
滴を形成するので、液体の表面張力によるセルフアライ
メント機能を発現させ、第1部材と第2部材との水平面
に平行な方向の位置決めをすることができる。
の端部内方におけるみかけの接触角θ1が、90度未満
である濡れ性のよい液体であっても、端部外方における
みかけの接触角θ2が、前記みかけの接触角θ1を超え
る大きさに変化することができるので、液体のセルフア
ライメント機能を発現させることができる。
介して第2部材によって吊上げられるので、第1部材は
水平面に平行な方向に移動可能となる。このことによっ
て、液体の表面張力によるセルフアライメント機能が発
現され、第1部材と第2部材との水平面に平行な方向の
位置決めをすることができる。
介して第2部材上に載置されるので、第1部材は水平面
に平行な方向に移動可能となる。このことによって、液
体の表面張力によるセルフアライメント機能が発現さ
れ、第1部材と第2部材との水平面に平行な方向の位置
決めをすることができる。
との間には、球体がさらに介在するので、第1部材と第
2部材との間隔を、介在する球体の直径によって定める
ことができる。このことによって、液体のセルフアライ
メント機能の発現による水平面に平行な方向のアライメ
ントに加え、水平面に垂直な方向の位置決めもすること
ができるので、第1および第2部材の3次元の位置決め
をすることができる。
設けられる第3部材と第2部材に接合して設けられる第
4部材との間には、球体がさらに介在するので、第1部
材と第2部材との間隔および第3部材と第4部材との間
隔を、介在する球体の直径によって定めることができ
る。このことによって、液体のセルフアライメント機能
の発現による水平面に平行な方向のアライメントに加
え、水平面に垂直な方向の位置決めもすることができる
ので、第1および第2部材、また第3および第4部材の
3次元の位置決めをすることができる。
の水平面に平行な断面の形状は、円形、リング状、長円
形および楕円形のいずれかに形成することができるの
で、第1部材に接合して設けられる第3部材および第2
部材に接合して設けられる第4部材の形状に応じて、第
1および第2部材の形状を適宜選択することができる。
また、第1および第2部材の水平面に平行な断面の形状
が、円形またはリング状に形成されるとき、部材の加工
が容易であり、アライメント機能の発現に使用される1
組の部材あたりの液体の量を節減することができる。
またはポリイミドのいずれかであるので、エポキシ樹脂
またはポリイミドが液体の状態でセルフアライメント機
能を発現させて、第1および第2部材の位置決めをした
後、エポキシ樹脂またはポリイミドを硬化させることに
よって第1部材と第2部材とを接着することができる。
またエポキシ樹脂およびポリイミドを熱硬化させるとき
の加熱温度は、はんだの溶融温度未満の低温度であるの
で、電子部品および光素子等を熱劣化させることがな
い。
のセルフアライメント構造において、液体の表面張力に
基づくセルフアライメント機能を利用し、第1部材また
は第2部材のいずれか1つを水平面に平行な方向に移動
させて第1部材と第2部材との端部の位置を整合させる
ので、高価な実装装置を使用することなく、第1部材と
第2部材とを高精度に位置決めをすることができる。
介して第2部材に吊上げられるので、液体の表面張力に
よって水平面に平行な方向に移動することができる。こ
のことによって、第1部材と第2部材とは水平面に平行
な方向に位置決めされる。
介して第2部材上に載置されるので、液体の表面張力に
よって水平面に平行な方向に移動することができる。こ
のことによって、第1部材と第2部材とは水平面に平行
な方向に位置決めされる。
ト構造11の構成を簡略化して示す側面図である。
拡大図である。
基板23に対する濡れ性を示す概略断面図である。
上に載置した場合の静的な釣合い状態を説明する図であ
る。
によって吊上げた場合の静的な釣合い状態を説明する図
である。
アライメントを説明する図である。
ライメントを説明する図である。
によって求める動作を説明するためのフローチャートで
ある。
と液滴の釣合い高さhsとの関係を示す図である。
と液滴の釣合い高さhsとの関係を示す図である。
イメント構造43の構成を簡略化して示す概略断面図で
ある。
イメント構造45の構成を簡略化して示す概略断面図で
ある。
うち第2および第4部材13,18の構成を簡略化して
示す平面図である。
イメント構造47のうち第1および第3部材48,17
の構成を簡略化して示す平面図である。
イメント構造49のうち第1および第3部材50,17
の構成を簡略化して示す平面図である。
イメント構造51のうち第1および第3部材52,17
の構成を簡略化して示す平面図である。
イメント構造53のうち第1および第3部材54,17
の構成を簡略化して示す概略断面図である。
ルフアライメント構造11の各部材寸法を示す。
略化して示す系統図である。
メント精度測定結果を示す図である。
ント精度測定結果を示す図である。
と臨界チップ重量との関係を示す図である。
臨界チップ重量との関係を示す図である。
対する濡れ性を示す概略断面図である。
ライメントを示す概略断面図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 (a)無端状の端部がそれぞれ形成され
る第1および第2部材を備え、 (b)第1部材と第2部材との間には液体が介在し、 (c)液体は、水平面に対するみかけの接触角が、前記
端部の内方と外方とにおいて異なり、 (d)端部の内方における液体のみかけの接触角θ1の
大きさは、端部の外方における液体のみかけの接触角θ
2未満であり、 (e)第1および第2部材の端部まで液体によって濡れ
ていることを特徴とするセルフアライメント構造。 - 【請求項2】 前記端部の内方でのみかけの接触角θ1
が、90度未満である液体を用いることを特徴とする請
求項1記載のセルフアライメント構造。 - 【請求項3】 第1部材は、 液体を介して第2部材に吊上げられることを特徴とする
請求項1または2記載のセルフアライメント構造。 - 【請求項4】 第1部材は、 液体を介して第2部材上に載置されることを特徴とする
請求項1または2記載のセルフアライメント構造。 - 【請求項5】 第1部材と第2部材との間には、 球体がさらに介在することを特徴とする請求項1〜4の
いずれかに記載のセルフアライメント構造。 - 【請求項6】 第1部材の外方には、第1部材に接合し
て第3部材が設けられ、 第2部材の外方には、第2部材に接合して第4部材が設
けられ、 第3部材と第4部材との間には、球体が介在することを
特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセルフアラ
イメント構造。 - 【請求項7】 第1および第2部材は、 水平面に平行な断面の形状が円形であることを特徴とす
る請求項1〜6のいずれかに記載のセルフアライメント
構造。 - 【請求項8】 第1および第2部材は、 水平面に平行な断面の形状がリング状であることを特徴
とする請求項1〜6のいずれかに記載のセルフアライメ
ント構造。 - 【請求項9】 第1および第2部材は、 水平面に平行な断面の形状が長円形であることを特徴と
する請求項1〜6のいずれかに記載のセルフアライメン
ト構造。 - 【請求項10】 第1および第2部材は、 水平面に平行な断面の形状が楕円形であることを特徴と
する請求項1〜6のいずれかに記載のセルフアライメン
ト構造。 - 【請求項11】 前記液体は、 エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1〜10の
いずれかに記載のセルフアライメント構造。 - 【請求項12】 前記液体は、 ポリイミドであることを特徴とする請求項1〜10のい
ずれかに記載のセルフアライメント構造。 - 【請求項13】 請求項1〜12のうちの1つに記載の
セルフアライメント構造の液体が硬化する前の状態で、
液体の表面張力によって第1部材と第2部材との端部の
位置を整合させることを特徴とするセルフアライメント
方法。 - 【請求項14】 第2部材によって液体を介して第1部
材を吊上げ、第1部材を水平面に平行な方向へ移動させ
ることを特徴とする請求項13記載のセルフアライメン
ト方法。 - 【請求項15】 第2部材上に液体を介して第1部材を
載置し、第1部材を水平面に平行な方向へ移動させるこ
とを特徴とする請求項13記載のセルフアライメント方
法。
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