JP4992475B2 - キャパシタの製造方法 - Google Patents
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(A)弁金属膜の粒の密度は下層ほど緻密で、かつ、上層ほど粗化されている。
(B)弁金属膜の表面の凹凸の大きさが酸化皮膜の膜厚よりも大きい。
(C)弁金属膜の表面の凹凸の大きさが該弁金属膜の粒子径よりも大きい。 (D)弁金属膜の表面が,該弁金属膜の膜厚の10%以上〜50%以下の大きさの凹凸を有する。
(1)
支持基板11として、例えばガラス基板を用い、その上にポリイミド樹脂膜12を成膜する。支持基板11とポリイミド樹脂膜12の間の密着性は弱いので、後の工程で、キャパシタをダイシングして個別化する際、支持基板11とポリイミド樹脂膜12とは容易に剥離する。
(2)
ガスデポジション法を用い、下部電極13上に例えばNb微粒子からなる弁金属からなるキャパシタの陽極14を形成する。この場合、Nb微粒子の直径は、10nm〜2μmである。
この陽極14に対して、リン酸、或いは、硫酸の水溶液中で陽極化成処理を行い、Nbからなる陽極14の表面に酸化弁金属膜である酸化Nb膜からなる陽極酸化膜15を形成する。
(4)
この陽極酸化膜15の上にマスクを形成してから、陰極材料として、例えばポリエチレンジオキシチオフェン等の導電性高分子からなるキャパシタの陰極16を成膜する。尚、このパターニング成膜には、インクジェット法を用いることができる。
導電性高分子からなるキャパシタの陰極16上に例えば銀ペースト材料を印刷することで上部電極17を形成してキャパシタ部分が完成される。
(6)
例えば、感光性ポリイミドを塗布することで保護膜18を形成し、ガラスマスクを用いて露光してから現像することで保護膜18に開口18A及び18Bを形成し、開口18Aの底に下部電極13の一部を、また、開口18Bの底に上部電極17の一部をそれぞれ表出させる。
(7)
上部電極17と下部電極13との電気的接続をとる為、保護膜18の開口18A及び開口18Bに、例えば、Sn−Ag−Cuからなるはんだペースト材料を印刷法に依って充填し、外部接続用導体19を形成する。
(8)
ダイシングによりキャパシタを個片化するが、その際、ガラスの支持基板11とポリイミド樹脂膜12の密着性が小さいので容易に剥離され、ラミネートフィルム状のキャパシタを作製することができる。尚、ガラスからなる支持基板11の上に熱発泡テープを貼付し、ポリイミド樹脂膜12を接着してもよい。
支持基板11として厚さ 0 .4mmのパイレックス(Pyrex:Corning Glass Works(米)の商標名)ガラスの上にポリイミド樹脂膜12を成膜する。
この上にスパッタリング法を用いて、Cr膜(下地)の膜厚を100nm、Cu膜の膜厚を500nmとして、Cr膜とCu膜とを積層して下部電極13を形成し、適宜、エッチングに依ってパターニングする。
下部電極13に於けるCu膜上に、ガスデポジション法で厚さ30μmのAlからなる弁金属からなる陽極14を成膜する。その場合、基板温度を100℃とし,キャリアガスにはヘリウムを使用した。原料生成室と膜形成室の圧力差を成膜初期には20kPaとして厚さ10μmの緻密なAl膜を成膜し、残りの中期から後期の成膜では、圧力差を 0 .5kPaとしてポーラスなAl膜を成膜する。この場合、膜表面の平均粗さRaは400〜500nm、最大粗さRyは5000〜8000nmである。
陽極14の成膜後、純水1000mlに対してアジピン酸アンモニウムを150g溶解させた水溶液中で陽極化成を行なって膜厚約100nmのアルミニウム酸化膜である陽極酸化膜15を形成する。陽極化成時の液温度は85℃、化成電圧は100V、電流は 0 .3A、電圧印加時間は20分とした。また、この工程中、下部電極13の表出部分にはレジストでマスキングしておくものとする。
陰極16の形成予定領域以外をレジストでマスキングすることで保護し、ポリエチレンジオキシチオフェンとスチレンスルホン酸を含む溶液を塗布し乾燥させる。この場合の乾燥条件は、120℃、5分である。
レジストを剥離後、印刷法に依って厚さ10μmの銀ペースト膜を成膜してから硬化させる。その硬化条件は大気中で150℃、1時間である。
スパッタ法で厚さ350nmのCu膜を成膜してから、該Cu膜をエッチングして上部電極17を形成する。
感光性ポリイミド樹脂を使用し、電極の形成および保護を行なう。即ち、感光性ポリイミドワニスをスピンコート法(3000rpm/30秒)で厚さ6μmに成膜する。プリベーク(60℃)後、露光及び現像工程を経て、本ベーク(375℃)を行なって4μm厚のポリイミド樹脂膜からなり、且つ、開口18A及び18Bが形成された保護膜18を形成する。
印刷法を用い、Sn−Ag−Cuからなるはんだペーストを材料として印刷を行い、開口18A内及び開口18B内に表出された下部電極13及び上部電極17にコンタクトすると共に開口18A及び開口18Bを埋める外部接続用導体19を形成する。
ダイシングによる部品の個片化を行なうが、その際、ガラスからなる支持基板11と、その上に在るポリイミド樹脂膜12とは密着性が弱い為、容易に剥離して、図7、図8、図9に見られるようなキャパシタが完成される。
パイレックスガラスからなる支持基板11の上に両面テープを貼り付ける。この場合、支持基板11と接着される面のテープは、エポキシからなる熱発泡テープを用いる。この熱発泡テープは、約180℃でテープ素材内部のマイクロカプセルが発泡し,接着性がなくなる性質をもっている。この熱発泡テープの上に厚さ100μmのポリエチレンナフタレートフィルムを貼り合わせる。
スパッタリング法を用いて、Cr及びCuからなる下部電極13を成膜後、エッチングを行って所要のパターンにする。
ガスデポジション法を用いて、下部電極13に於けるCu膜の上に厚さ25μmの弁金属であるNbからなるキャパシタ陽極14を成膜する。その位置は、図8或いは図9に見られる上部電極17の下方である。成膜時の基板温度は室温とし、キャリアガスにはヘリウムを使用する。原料生成室と膜形成室の圧力差は、成膜初期に100kPaとして緻密なNb膜を5μmの厚さに成膜し、残りの成膜を行う中期から後期にかけては,圧力差を 0 .3kPaとしてポーラスなNb膜を成膜する。この場合、膜表面の平均粗さRaは350〜400nm、最大粗さRyは5000nmである。
リン酸溶液中でNb膜である陽極14の陽極化成を行なって、厚さ250nmのNb酸化膜である陽極酸化膜15を形成する。陽極酸化時の液温度は90℃、化成電圧は120V、電流は0.6A、電圧印加時間は10分とした。
この後,実施例1と同様、導電性高分子材料膜を成膜して上部電極17とすることで、図9に見られるようなキャパシタを形成し、次に、感光性エポキシ樹脂を使用し、電極の形成および保護を行なった。即ち、感光性エポキシワニスをスピンコート法(2000rpm/30秒)で厚さ10μmに成膜する。プリベーク(60℃)後、露光及び現像工程を経て、本ベーク(300℃)を行なって、5μm厚のエポキシ樹脂膜からなり、且つ、開口18A及び18Bが形成された保護膜18を形成する。
印刷法を用い、Sn−Ag−Cuからなるはんだペーストを材料として印刷を行い、開口18A内及び開口18B内に表出された下部電極13及び上部電極17にコンタクトすると共に開口18A及び開口18Bを埋める外部接続用導体19を形成する。
最後に,各電極上にUBM及びはんだバンプ(両方とも図11を参照。)を形成し、適宜ダイシングを行ない、180℃に加熱してガラスからなる支持基板11から剥離することで図9に見られるようなキャパシタを完成させた。
実施例1と同様な方法で形成した下部電極13上に成膜する弁金属からなる陽極14として、Nb金属微粒子をエアロゾル化して噴射することで成膜した。
陽極14の成膜後、リン酸溶液中で陽極化成を行ない、のNb酸化膜である陽極酸化膜15を形成する。陽極化成時の液温度は90℃、化成電圧は100V、電流は 0 .5A、電圧印加時間は10分とした。酸化膜15の膜厚は,200nmである。この後,実施例1と同様の工程によりキャパシタを完成させた。
下部電極上に形成された弁金属からなるキャパシタの陽極と、
該陽極の表面に形成された陽極酸化膜である誘電体膜と、
該誘電体膜の表面に形成された導電性高分子材料からなるキャパシタの陰極と、 該陰極の表面に形成された上部電極と
を備えてなることを特徴とするキャパシタ。
弁金属からなるキャパシタの陽極は下部電極側が密であると共に上部電極側が粗であること を特徴とする(付記1)記載のキャパシタ。
弁金属からなるキャパシタの陽極に於ける表面の凹凸の大きさが陽極酸化膜である誘電体膜の膜厚に比較して大きいこと
を特徴とする(付記1)記載のキャパシタ。
弁金属からなるキャパシタの陽極に於ける表面の凹凸の大きさが該弁金属の粒子径に比較して大きいこと
を特徴とする(付記1)記載のキャパシタ。
弁金属からなる陽極の表面に該陽極に於ける膜厚の10%以上乃至50%以下の大きさの凹凸が在ること
を特徴とする(付記1)記載のキャパシタ。
弁金属がアルミニウム、ニオブ、タンタル、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ビスマス、チタンの何れか、若しくは、これ等の合金から選択されたものであること
を特徴とする請求項1記載のキャパシタ。
支持基板上に下部電極を形成する工程と、
該下部電極上に弁金属からなるキャパシタの陽極をガスデポジション法に依って形成する工程と、
該弁金属からなるキャパシタの陽極表面を陽極酸化して誘電体膜を形成する工程と、
該誘電体膜の表面に導電性高分子材料からなるキャパシタの陰極を形成する工程と、
該陰極上に上部電極を形成する工程と、
該下部電極並びに該上部電極にはんだ材料からなる外部接続用導体を形成する工程と
が含まれてなることを特徴とするキャパシタの製造方法。
(付記7)記載のキャパシタの製造方法を実施する際、
支持基板をガラス、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートから選択された材料からなる暫定基板とし、
該暫定基板上にキャパシタを作製した後、該暫定基板とキャパシタとを剥離してラミネートフィルム状のキャパシタとする工程
が含まれてなることを特徴とする(付記7)記載のキャパシタの製造方法。
12 樹脂膜
13 下部電極
14 弁金属からなるキャパシタの陽極
15 陽極酸化膜
16 導電性高分子からなるキャパシタの陰極
17 上部電極
18 樹脂からなる保護膜
19 はんだ材料からなる外部接続用導体
Claims (1)
- 支持基板上に樹脂膜を形成する工程と、
該樹脂膜上に下部電極を形成する工程と、
該下部電極上に弁金属の微粒子からなるキャパシタの陽極をガスデポジション法に依って形成方向に向かい密度を高密度から低密度に傾斜させて形成する工程と、
該弁金属の微粒子からなるキャパシタの陽極表面を陽極酸化して誘電体膜を形成する工程と、
該誘電体膜の表面に導電性高分子材料からなるキャパシタの陰極を形成する工程と、
該陰極上に上部電極を形成する工程と、
該下部電極及び該陽極及び該誘電体膜及び該陰極及び該上部電極を覆う保護膜を形成する工程と、
該下部電極並びに該上部電極にはんだ材料からなる外部接続用導体を形成する工程と、 該支持基板を除去する工程と
が含まれてなることを特徴とするキャパシタの製造方法。
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