JP4991888B2 - センサ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、係止アームが配置されたセンサ体と、差込み位置決めを規定するためのコーディングエレメントとを備えたセンサとケーシングとから成るセンサ装置に関する。
係止アームが一平面内に配置されている、冒頭に述べた形式のセンサは公知である。この平面に対して垂直な平面内にはコーディングエレメントが配置されている。このようなセンサは、コーディングを備えたケーシング孔内に挿入され、このコーディング孔内で係止される。この場合、ケーシング孔は補助切欠を有しており、この補助切欠は、コーディングのために、つまりケーシング内におけるセンサの差し込み位置決めを規定するために用いられる。センサ体におけるコーディングがケーシング孔におけるコーディングと同じ位置に配置された時にだけ、センサはケーシング内に差し込むことができる。
このようなセンサは、例えば温度センサとして使用される。温度センサは、センサ体の一端部でNTC温度センサエレメントを有している。センサの他端部には接触装置が設けられており、この接触装置は、センサにガイドされたケーブルを外部からセンサエレメントに導電接続する。例えばこのようなセンサは、空調装置のケーシング内に差し込まれ、この差し込まれた箇所で、このセンサは空調装置内の温度を測定するために使用される。
この場合、係止アームはセンサをケーシング内で確実に固定するために用いられる。
公知のセンサは、係止アーム及びコーディングを配置したことによって、安価な射出成形技術によるセンサ体の製造が比較的高価になってしまうという欠点を有している。センサは、いわゆる「フラップ型センサ;Klappfuehrung」として2つの部分から構成されている。このために、センサの上側の半部と下側の半部とは、開いた状態で完成される。2つの半部は、フィルムヒンジによって互いに接続されていて、折り畳むことによって1つのセンタ体に組み立てられる。
そこで本発明の課題は、簡単かつ安価に製造される、差込み可能なセンサ装置を提供することである。
この課題を解決した請求項1に記載した差込み可能なセンサ装置によれば、センサ装置であって、ケーシングの孔内に差し込むための係止可能なセンサセンサエレメントを備えたセンサ体と、センサ体に配置された、センサをケーシングに係止するためのばね弾性的な係止アームとを有している形式のものにおいて、差込み位置決め状態を規定するためのコーディングエレメント係止アームに配置されていて、該係止アームと共にばね弾性変形可能であって、センサを差し込むための孔を備えたケーシングを有しており、前記孔にコーディング切欠が設けられており、前記コーディングエレメントは、センサをケーシング内に差し込む際に前記コーディング切欠を通ってスライドせしめられるようになっている。センサ装置の有利な実施態様は、従属請求項に記載されている。
ケーシングの孔内に差し込むためのセンサが提供されており、このセンサはセンサ体を有している。センサ体にはばね弾性的な(federnd)係止アームが配置されている。さらに、センサはコーディングエレメントを有しており、このコーディングエレメントは係止アームに配置されている。
センサの係止アームにコーディングエレメントを配置したことによって、センサは簡単かつ安価に、射出成形法で1つの部材から製造可能である。このような製造は、例えば2つの半部より形成された型内で行われる。この場合、離型ラインは、係止アームがばね弾性変形する(federen)平面内に延在している。公知のセンサにおいて特別な中空室を成形するために必要なスライダの使用は省くことができる。ばね弾性的な係止アームの下側の中空室若しくは自由室は、型内に組み込まれた突起によって製造される。型を形成する2つの半部は、射出成形によって容易に分離することができる。
係止アームは、センサ体の狭幅側(幅の狭い側)に配置することができる。これによって、コーディングエレメントもセンサ体の狭幅側に配置される、という利点が得られる。またこれによって、最新の顧客の特別な要求を簡単に満たすことができる。何故ならばこのような特別な要求に従ってケーシング内のコーディングがケーシング孔の狭幅側に配置されているからである。
さらに、係止アームとセンサ体との間に、係止アームのばね弾性変形を許容する自由室が設けられている。この自由室は、係止アームがセンサ体によって妨害されることなしに直ちに内方にばね弾性変形できる、という利点を有している。このような内方へのばね弾性変形は、センサが係止アームと共にケーシングの孔内に挿入される時に必要である。係止させることができるようにするために、係止アームは内方に撓むことができる。
さらにまた、係止アームが、差込み方向に対して斜め内方に延在する外側縁部を有していれば、有利である。斜めに延在する外側縁部によって、係止アームに内方に向かって働く力がゆっくりと高められ、それによって良好にコントロールできる差込み過程が得られる。
センサは、プラスチックを、2つの半部より形成された型内に射出成形することによって製造される。
この場合、2つの半部間の離型ラインは、係止アームがばね弾性変形する平面内に位置することができる。これによって、前記のような利点が得られる。
コーディングエレメントは、離型ラインの平面に対して平行に延びている。センサの別の実施例では、コーディングエレメントは、離型ラインの平面にも延在している。
センサを挿入する際のフレキシブル性が高められる。
コーディングエレメントは、センサの有利な実施例では、係止アームの外側に配置されている。それによって、コーディングエレメントを、センサ体の輪郭から突き出し、ひいてはコーディング機能を満たすことができるように、成形することが簡単に可能である。
センサの別の実施例では、センサ体の、係止アームとは反対側に第2の係止アームが設けられている。それによって、センサがケーシングの孔内に差し込まれた後で、2つの係止アームに、ひいては機械的な形状安定性を有して係止される、センサのほぼ左右対称の構成が得られる。
また、コーディングエレメントは、差込み方向とは反対方向で見て、センサの外側輪郭部から突き出した突起であってよい。この突起は、例えばリブの形状である。
さらにまた、コーディングエレメントは、差込み方向で見て前端部で、差込み方向に対して直交する横方向及び係止アームのばね方向に延在する縁部を有している。このようなばね方向に延びる縁部によって、コーディングが係止アームのばね戻り変形によって低下すること、及び設けられていない位置決めでケーシング内に挿入されることが避けられる、という利点が得られる。差し込み方向に対して直交する横方向及び、ばね方向に延在する縁部とは、コーディングエレメントに乗り上げ傾斜面が設けられていない、という意味である。これによって、センサが間違った位置決め状態で差し込まれることは、確実に避けられる。
またセンサ体に、係止アームのばね行程を制限するストッパが設けられている。係止アームのばね行程の制限は、コーディングエレメントが係止アームのばね弾性変形によって完全に内方に押し付けられ、それによってコーディング機能がもはや得られなくなることは避けられる。
この場合、コーディングエレメントは、内方に押し込まれた係止アームに当接した時でも、差込み方向とは反対方向で見て、センサ体の外側輪郭から突き出すように、構成されている。これによって、係止アームが完全に圧縮された状態でも、そのコーディング機能を行うことができる。
差し込み方向で見て、係止アームの後端部に凹部が設けられており、この凹部は、ケーシングの縁部を受容するのに適している。これによって、センサ体とケーシングとの確実な係止が得られる。
係止アームは、センサ体から差し込み方向とは逆方向に延びている。それによって、係止アームとケーシングとの確実な係止が得られる。
さらに本発明によれば、差込み方向で見て、センサ体の前端部にセンサエレメントが配置されており、差込み方向で見て、センサ体の後端部にケーブルのための接触装置が設けられており、センサエレメントが接触装置と導電接続されている、センサが提供されている。
このようなセンサは、センサをケーシング内に組み込んだ後で、センサの前側に組み込まれたセンサエレメントが外部から例えばプラグ又は圧接結線コンタクトによって、電気的に接触せしめられる、という利点を有している。この場合、電気的な接触は、センサエレメントによって形成されたセンサ信号を読み取るために用いられる。
さらにまた、係止アームと接触装置との間にフランジが配置されており、このフランジは、一方では、センサ体とケーシングとの間の接続を良好にシールする。
さらに本発明によれば、前記センサの他にケーシングが設けられており、このケーシングが、2つの狭幅側を備えた孔を有している、センサ装置が提供されている。さらにまた、ケーシングは付加的なコーディング切欠を有しており、このコーディング切欠は、2つの狭幅側の一方に配置されている。センサはそのコーディングエレメントがコーディング切欠を通って押し込まれ、係止アームがケーシングの縁部に係止されている。
このようなセンサ装置は、射出成形によって簡単に一体的に製造されるセンサが、確実かつ、正しい位置でケーシング内に挿入される、という利点を有している。
次に本発明を図示の実施例を用いて具体的に説明する。
1実施例によるセンサの第1の側面図である。 図1に示したセンサの第2の側面図である。 センサを差し込むためのケーシングの平面図でる。 図1に示したセンサを図3に示したケーシング内に差し込んだ状態を差し込み方向とは逆方向で示した図である。 別の実施例によるセンサを、センサを製造するための射出成形型の2つの半部と共に示した第1の側面図である。 センサを差し込むための別のケーシングである。 図5に示したセンサを図6に示したケーシング内に差し込んだ状態を差し込み方向とは逆方向で示した図である。
図1には、センサ体3を備えたセンサが示されている。このセンサ体3は射出成形によって製造されている。射出成形のためのプラスチックとしては、例えばPVC,PP又はポリアミドが用いられる。センサ体3の互いに反対側の側面に係止アーム4,9が配置されている。右側の係止アーム4にはコーディングエレメント5が配置されている。コーディングエレメント5は、右側の係止アーム4の外側に配置されている。コーディングエレメント5は、外方に突き出すリブの形状を有している。差込み方向7で見てコーディングエレメント5の前端部に縁部12が設けられている。この縁部12は、差込み方向7に対して直交する横方向及び、右側の係止アーム4のばね方向11に延在している。係止アーム4,9とセンサ体3との間にそれぞれ1つの自由室6が設けられており、この自由室6は、係止アーム4,9を内方にばね変形させるためのものである。係止アーム4,9は外側縁部10を有しており、この外側縁部10は、差込み方向7に対して斜め内方にセンサ体3に向かって延在している。センサ体3の表面には、係止アーム4,9のばね行程を制限する複数のストッパ13が設けられている。差込み方向7で見て、係止アーム4,9の後端部には凹部14が配置されており、これらの凹部14は、図3に示したケーシング2の孔1の縁部15を受容することができる。差込み方向で見て、センサ体3の前端部にはセンサエレメント16が配置されている。このセンサエレメント16は、例えばNTC温度センサであってよい。これとは反対側の、センサ体3の端部には、接触装置17が設けられており、この接触装置17は、センサエレメント16に導電接続されている。接触装置17は例えば、プラグであるか又は圧接結線コンタクトであってよい。係止アームと接触装置17との間にフランジ18が設けられており、このフランジ18は、センサをケーシング内に挿入した後でケーシング開口を付加的にシールする。
図2は、図1に示したセンサの別の側面図である。図2には、特に離型ライン8が示されており、この離型ライン8で、センサ体3を射出成形するための2つの型が互いに当接している。センサを形成するための2つ型の実施例が図5に詳しく説明されている。
図3には、孔1を備えたケーシング2が示されている。孔1は2つの狭幅側(幅の狭い側)19,20を有している。一方の狭幅側20には、半円形の孔の形をしたコーディング切欠21が設けられている。この孔若しくはコーディング切欠21内に、図1に示したコーディングエレメント5が挿入され、それによってセンサはケーシング2の孔1内で正しい位置に位置決めされるようになっている。
図3に示したケーシング2内に挿入された、図1のセンサは図4に示されている。コーディングエレメント5は、図2に示されているように、離型ライン8によって規定された、センサが形成される2つの型の離型平面内に配置されている。従ってコーディングエレメント5は、孔1の狭幅側20の中央に配置されている。図4によれば、コーディングエレメント5はケーシングのコーディング切欠2内に挿入されている。
図5は、別のセンサの側面図を示している。図5に示したセンサは、図2に示したセンサにほぼ相当しているが、この図5の実施例ではコーディングエレメント5は、離型ライン8によって規定された平面に沿って延在していない。むしろコーディングエレメント5はこの平面に対して側方にずらされている。さらにまた、図5には、射出成形型の2つの半部22,23の概略的な横断面図が示されている。右側の射出成形型22は、第1の平面で突起25(破線で示されている)を有しており、この突起25は孔26を形成するのに適している。この孔26内にセンサエレメント16が配置されている。更にまた、射出成形型の第1の半部22は第2の突起24を有しており、この第2の突起24は、係止アーム4とセンサ体3との間の自由室6を形成するのに適している。図5からは、センサが射出成形型の2つの半部22,23を簡単に組み合わせることによって、射出成形で製造できることが分かる。外部から射出成形型内に付加的に挿入若しくはスライドさせる作業は省かれ、それによってセンサは特に容易にかつ安価に製造される。
図6は、図3に示したケーシングとは異なり、コーディング切欠21は狭幅側20の中に配置されているのではなく、狭幅側20の下側領域に配置されている。
コーディング切欠21の位置決めは、図5に示したコーディングエレメント5の位置決めに相当しており、それによって図5に示したセンサを図6に示したケーシング2内に挿入することによって、図7に示したセンサ装置が得られる。図7に示したセンサ装置では、偏心的に配置されたコーディングエレメント5が、偏心的に位置決めされたコーディング切欠21内に挿入されている。
本発明は、温度センサ並びに射出成形によって製造されたセンサ体だけに限定されるものではなく、すべての可能なセンサに使用することができる。

Claims (19)

  1. センサ装置であって、
    ケーシング(2)の孔(1)内に差し込むための係止可能なセンサと、
    センサエレメント(16)を備えたセンサ体(3)と、
    センサ体(3)に配置された、センサをケーシング(2)に係止するためのばね弾性的な係止アーム(4,9)とを有している形式のものにおいて、
    差込み位置決め状態を規定するためのコーディングエレメント(5)が係止アーム(4,9)に配置されていて、該係止アーム(4,9)と共にばね弾性変形可能であって、
    センサを差し込むための孔(1)を備えたケーシング(2)を有しており、
    前記孔(1)にコーディング切欠(21)が設けられており、
    前記コーディングエレメント(5)は、センサをケーシング(2)内に差し込む際に前記コーディング切欠(21)を通ってスライドせしめられるようになっていることを特徴とする、センサ装置。
  2. 前記センサ体(3)が狭幅側を有していて、前記係止アーム(4,9)が、前記センサ体(3)の狭幅側に配置されている、請求項1記載のセンサ装置。
  3. 前記係止アーム(4,9)と前記センサ体(3)との間に、前記係止アーム(4,9)のばね弾性変形を許容するための自由室(6)が設けられている、請求項1又は2記載のセンサ装置。
  4. 前記係止アーム(4,9)が、差込み方向(7)に対して斜め内方に延在する外側縁部(10)を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載のセンサ装置。
  5. 2つの半部(22,23)より形成された型内にプラスチックを射出成形することによって製造されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のセンサ装置。
  6. 前記型が2つの半部(22,23)に分離される離型ライン(8)が、前記係止アーム(4,9)がばね弾性変形する平面内に延在している、請求項5記載のセンサ装置。
  7. 前記コーディングエレメント(5)が、前記離型ライン(8)の平面に対して平行に延在している、請求項5又は6記載のセンサ装置。
  8. 前記コーディングエレメント(5)が、前記離型ライン(8)の平面内に延在している、請求項5又は6記載のセンサ装置。
  9. 前記コーディングエレメント(5)が、前記係止アーム(4,9)の外側に配置されている、請求項1から8までのいずれか1項記載のセンサ装置。
  10. 前記センサ体(3)の、前記係止アーム(4,9)とは反対側に第2の係止アーム(9)が設けられている、請求項1から9までのいずれか1項記載のセンサ装置。
  11. 前記コーディングエレメント(5)が、差込み方向(7)とは反対方向で見て、前記センサの外側輪郭部から突き出した突起である、請求項1から10までのいずれか1項記載のセンサ装置。
  12. 前記コーディングエレメント(5)が、その差込み方向で見て前端部に、差込み方向(7)に対して直交する横方向及び前記係止アーム(4,9)のばね方向(11)に延在する縁部(12)を有している、請求項1から11までのいずれか1項記載のセンサ装置。
  13. 前記センサ体(3)に、前記係止アーム(4,9)のばね行程を制限するためのストッパ(13)が設けられている、請求項1から12までのいずれか1項記載のセンサ装置。
  14. 前記コーディングエレメント(5)は、内方に押し込まれた前記係止アーム(4,9)に当接した時でも、差込み方向(7)とは反対方向で見て、前記センサ体(3)の外側輪郭から突き出すように、構成されている、請求項1から13までのいずれか1項記載のセンサ装置。
  15. 前記係止アーム(4,9)の両端部に、前記ケーシング(2)の縁部(15)を受容するための凹部(14)が設けられている、請求項1から14までのいずれか1項記載のセンサ装置。
  16. 前記係止アーム(4,9)が前記センサ体(3)から、差込み方向(7)とは反対方向に延びている、請求項1から15までのいずれか1項記載のセンサ装置。
  17. 差込み方向(7)で見て、前記センサ体(3)の前端部に前記センサエレメント(16)が配置されており、
    差込み方向(7)で見て、前記センサ体(3)の後端部にケーブルのための接触装置(17)が設けられており、
    前記センサエレメント(16)が、前記接触装置(17)と導電接続されている、
    請求項1から16までのいずれか1項記載のセンサ装置。
  18. 前記係止アーム(4,9)と前記接触装置(17)との間にフランジ(18)が配置されている、請求項17記載のセンサ装置。
  19. 前記ケーシング(2)の前記孔(1)2つの狭幅側(19,20)を備えており、
    前記2つの狭幅側(19,20)のうちの一方に前記コーディング切欠(21)が設けられており、
    前記コーディングエレメント(5)が前記コーディング切欠(21)を通ってスライドせしめられ、前記係止アーム(4,9)が前記ケーシング(2)の前記縁部(15)に係止するようになっている、
    請求項1から18までのいずれか1項記載のセンサ装置。
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