JP4991516B2 - 電子写真用トナーバインダーおよびトナー組成物 - Google Patents
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Description
保存安定性、低温定着性と耐ホットオフセット性のバランス(定着温度幅)に優れ、カラートナー用に適したた電子写真用トナーバインダーが知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、定着画像の画像濃度の点では、十分満足できるものではない。
Ti(−X)m(−OR1)n (I)
O=Ti(−X)p(−OR1)q (II)
Ti(−Z)r(−OR2)s (III)
[式(I)および(II)中、R1はH、アルキル鎖中に1〜5個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数1〜18のアシル基である。Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のHを除いた残基であり、ポリアルカノールアミンの場合、他のOH基が同一のTi原子に直接結合したOH基(OR1基のR1がHの場合)と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基(OR1基のR1がHの場合)と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。mは1〜4の整数、nは0〜3の整数、mとnの和は4である。pは1〜2の整数、qは0〜1の整数、pとqの和は2である。mまたはpが2以上の場合、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。nが2以上の場合、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。]
[式(III)中、R2はH、または1〜3個のエーテル結合および/もしくは1〜2個の水酸基を含んでいてもよい炭素数1〜24の炭化水素基である。Zは芳香族モノもしくはポリカルボン酸から1個のカルボキシル基のHを除いた残基であり、ポリカルボン酸の場合、他のカルボキシル基が同一分子内のOR2基と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、または、別の分子のOR2基と分子間で重縮合し2〜5個のTi原子を含む構造を形成していてもよい。r=1〜3、s=1〜3であり、rとsの和は4である。]
本発明の電子写真用トナーバインダーに用いる線状ポリエステル樹脂(A)は、ポリオール成分(X)とポリカルボン酸成分(Y)とを重縮合させて得られる。
ポリオール成分(X)としては、必須成分であるビスフェノールAのエチレンオキサイド(以下、EOと略記する)2モル付加物と、必要によりその他のポリオールを用いる。
本発明に用いるビスフェノールAのEO2モル付加物の純度は93%以上であり、好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上である。
上記純度より小さい場合は、保存安定性に悪影響を及ぼす。
試料30〜50mgにシリル化剤〔TMSI−H、ジーエルサイエンス(株)製〕1mlを加え、湯浴(50〜70℃)にて溶解させた後、2分間振とうしてシリル化を行い、静置分離し、下記の条件で上澄み液のガスクロマトグラフィーによる分析を行い、ビスフェノールAの未反応物、ビスフェノールAのEO1、2、3モル以上付加物のピーク面積中の2モル付加物の面積を百分率で表す(なお、本発明の実施例、比較例に用いたビスフェノールAのEO2モル付加物中に、ビスフェノールAの未反応物、4モル以上付加物は存在しなかった。)。
ガスクロマトグラフィー:GC―14B〔(株)島津製作所製〕
キャリアーガス:ヘリウム
流量:5mm/分
検出器:水素炎イオン化検出器
水素流量:0.6kg/cm2
空気流量:0.5kg/cm2
カラム温度:200〜300℃(昇温速度:15℃/分)
純度約80%品は市販品をそのまま用いることができる。純度88%、93%品は、純度約80%の市販品を水洗により精製することにより調製する。純度95%品の製造方法に関しては、以下に示すとおりである。純度98%品は、純度95%品をさらに水洗により精製することで調製する。
触媒の添加量としては、ビスフェノールAとEOの合計重量に対し、好ましくは0.01〜1%、さらに好ましくは0.05〜0.1%である(上記および以下において、%はとくに断りのない限り、重量%を意味する)。
2価アルコール(ジオール)としては、炭素数2〜36の脂肪族ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、およびドデカンジオール等);炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール等);上記炭素数2〜36の脂肪族ジオールの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する)〔EO、プロピレンオキサイド(以下、POと略記する)、およびブチレンオキサイド等〕付加物(付加モル数2〜30);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1、4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールS等)の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)(ビスフェノールAのEO付加物以外)等が挙げられる。
これらのビスフェノールAのEO2モル付加物以外のポリオールの中で好ましいものは、炭素数2〜6の脂肪族ジオール、およびビスフェノール類のAO付加物であり、さらに好ましくはビスフェノールAのPO2〜4モル付加物である。
2価カルボン酸としては、脂肪族(脂環式を含む)ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸があり、脂肪族(脂環式を含む)ジカルボン酸としては、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、レパルギン酸、およびセバシン酸等)、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸(ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、およびグルタコン酸等)、などが挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびナフタレンジカルボン酸等)などが挙げられる。
ポリカルボン酸成分(Y)として、これらのポリカルボン酸の、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
ポリオール成分(X)とポリカルボン酸成分(Y)との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
(a)以外の重合触媒、例えば酢酸亜鉛、テトラブトキシチタネート、カルボン酸チタン酸塩、カルボン酸チタン、ジブチルスズオキシドのみを用いた場合では、本願発明のような効果は得られない。
Ti(−X)m(−OR1)n (I)
O=Ti(−X)p(−OR1)q (II)
Ti(−Z)r(−OR2)s (III)
[式(I)および(II)中、R1はH、1〜5個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数1〜18のアシル基である。Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のHを除いた残基であり、ポリアルカノールアミンの場合、他のOH基が同一のTi原子に直接結合したOH基(OR1基のR1がHの場合)と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基(OR1基のR1がHの場合)と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。mは1〜4の整数、nは0〜3の整数、mとnの和は4である。pは1〜2の整数、qは0〜1の整数、pとqの和は2である。mまたはpが2以上の場合、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。nが2以上の場合、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。]
[式(III)中、R2はH、または1〜3個のエーテル結合および/もしくは1〜2個の水酸基を含んでいてもよい炭素数1〜24の炭化水素基である。Zは芳香族モノもしくはポリカルボン酸から1個のカルボキシル基のHを除いた残基であり、ポリカルボン酸の場合、他のカルボキシル基が同一分子内のOR2基と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、または、別の分子のOR2基と分子間で重縮合し2〜5個のTi原子を含む構造を形成していてもよい。r=1〜3、s=1〜3であり、rとsの和は4である。]
炭素数1〜18のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ラウリル基、n−ステアリル基、β−メトキシエチル基、およびβ−エトキシエチル基などが挙げられる。
炭素数1〜18のアシル基の具体例としては、炭素数1〜18の脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ポリカルボン酸、芳香族モノカルボン酸または芳香族ポリカルボン酸から、1個のCOOH基中のOHを除いた残基である。脂肪族モノカルボン酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。脂肪族ポリカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、アジピン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。芳香族モノカルボン酸の具体例としては、安息香酸、サリチル酸、ナフチル酸などが挙げられる。芳香族ポリカルボン酸の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
これらR1のうち好ましくは、Hおよび炭素数1〜18のアシル基であり、さらに好ましくは、Hおよび脂肪族モノカルボン酸および芳香族ポリカルボン酸から1個のCOOH基中のOHを除いた残基であり、特に好ましくは、Hおよびアセチル基であり、最も好ましくはHである。
上記モノアルカノールアミンとしては、エタノールアミン、およびプロパノールアミンなどが挙げられる。ポリアルカノールアミンとしては、ジアルカノールアミン(ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、およびN−ブチルジエタノールアミンなど)、トリアルカノールアミン(トリエタノールアミン、およびトリプロパノールアミンなど)、およびテトラアルカノールアミン(N,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミンなど)が挙げられる。
ポリアルカノールアミンの場合、Ti原子とTi−O−C結合を形成するのに用いられるHを除いた残基となるOH基以外にOH基が1個以上存在し、それが同一のTi原子に直接結合したOH基(OR1基のR1がHの場合)と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基(OR1基のR1がHの場合)と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。重合度が6以上の場合、触媒活性が低下するためオリゴマー成分が増え、粉体塗料としたときのブロッキング性悪化の原因になる。
Xとして好ましいものは、モノアルカノールアミン(とくにエタノールアミン)の残基、ジアルカノールアミン(とくにジエタノールアミン)の残基、およびトリアルカノールアミン(とくにトリエタノールアミン)の残基であり、特に好ましいものはトリエタノールアミンの残基である。
式(II)中、pは1〜2の整数、qは0〜1の整数であり、pとqの和は2である。 mまたはpが2以上の場合、複数存在するXは同一であっても異なっていてもよいが、すべて同一である方が好ましい。
nが2以上の場合、複数存在するR1は同一であっても異なっていてもよいが、すべて同一である方が好ましい。
一般式(I)で表されるものの具体例としては、チタン・トリエタノールアミン(4)〔チタンにトリエタノールアミンが4個配位した化合物を意味する。以下同様の記載法で表記する。〕、チタン・ジエタノールアミン(4)、チタン・モノエタノールアミン(4)、チタン・トリエタノールアミン(3)・ジエタノールアミン(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・ジエタノールアミン(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(3)、チタン・トリエタノールアミン(3)・OH(1)、チタン・ジエタノールアミン(3)・OH(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(2)・OH(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・モノエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・モノプロパノールアミン(2)・OH(2)、チタン・N−メチルジエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・N−ブチルジエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(1)・酢酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(1)・フマル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(1)・テレフタル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(1)・イソフタル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・酢酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・プロピオン酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・フマル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・テレフタル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・イソフタル酸(1)、チタン・モノエタノールアミン(2)・OH(1)・フマル酸(1)、チタン・N−メチルジエタノールアミン(2)・OH(1)・イソフタル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・フマル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・テレフタル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・イソフタル酸(1)、チタン・モノプロパノールアミン(1)・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・フマル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(3)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(2)・酢酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・フマル酸(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・フタル酸(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・テレフタル酸(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・イソフタル酸(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)・フマル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)・テレフタル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)・イソフタル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(2)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・フマル酸(2)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・テレフタル酸(2)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・イソフタル酸(2)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)・フマル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)・テレフタル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)・イソフタル酸(1)、チタン・モノプロパノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(2)、チタン・N−ブチルジエタノールアミン(1)・OH(1)・マレイン酸(1)・アジピン酸(1)、チタン・N,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン(1)・OH(1)・トリメリット酸(2)、テトラヒドロキシチタンとN,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミンとの反応生成物、およびこれらの分子内または分子間重縮合物が挙げられる。
分子内または分子間重縮合物の具体例としては、下記一般式(I−1)、(I−2)、または(I−3)で表される少なくとも1種の化合物などが挙げられる。
分子内または分子間重縮合物の具体例としては、下記一般式(II−1)または(II−2)で表される少なくとも1種の化合物などが挙げられる。
炭素数1〜24の炭化水素基の具体例としては、脂肪族炭化水素基並びにエーテル結合および/もしくは水酸基を含む脂肪族炭化水素基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、β−メトキシエチル基、β−エトキシエチル基、およびβ−ヒドロキシエチル基など)、芳香族炭化水素基並びにエーテル結合および/もしくは水酸基を含む芳香族炭化水素基[フェニル基;ヒドロキシフェニル基;ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールSなどの炭素数2〜4のEO、PO、およびBOなど〕付加物(付加モル数1〜3)から1個のOHを除いた残基など]が挙げられる。
これらR2のうち好ましくは、炭素数1〜6の炭化水素基であり、さらに好ましくは、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、およびn−ヘキシル基であり、とくに好ましくは、n−プロピル基、イソプロピル基、およびn−ブチル基である。
上記芳香族カルボン酸としては、炭素数7〜50のものが好ましく、安息香酸類(安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、パラメチル安息香酸など)、ナフタレンモノカルボン酸などの芳香族モノカルボン酸;フタル酸類(テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸など)、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、およびピロメリット酸などの2〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸;が挙げられる。
芳香族ポリカルボン酸の場合、前述のようにその複数のカルボキシル基により、複数のTi原子を含む繰り返し構造を形成していてもよいが、この場合の1分子内のTi原子数は2〜5である。1分子内のTi原子数が6以上の場合、触媒活性が低下し好ましくない。
Zとして好ましいものは、フタル酸類(テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸など)の残基、および安息香酸類(安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、パラメチル安息香酸など)の残基であり、特に好ましいものはテレフタル酸、イソフタル酸、およびオルトフタル酸の残基である。
なお、上記および以下において、Tgはセイコー電子工業(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
装置(一例) :東ソー製 HLC−8120
カラム(一例):TSKgelGMHXL(2本)
TSKgelMultiporeHXL−M(1本)
測定温度 :40℃
測定溶液 :0.25%のTHF溶液
溶液注入量 :100μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :TSK標準ポリスチレン(東ソー製)
分子量=4480000、2890000、1090000、355
000、190000、96400、37900、1810
0、9100、2800、1050、500の計12点
(B)を構成する2価アルコールおよび3〜8価またはそれ以上のポリオールとして好ましいものは、炭素数2〜6の脂肪族ジオール、ビスフェノール類のAO付加物、ノボラック樹脂のAO付加物、およびこれらの併用である。
3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、およびピロメリット酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[Mn(GPCによる):450〜10000](スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、およびスチレン/フマル酸共重合体等)等が挙げられる。
また、これらのポリカルボン酸の、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
また、(B)のTHF可溶分のMnは、耐ホットオフセット性の観点から、好ましくは、2000〜20000、さらに好ましくは4000〜10000である。
(A)と(B)の重量比は、とくに限定されないが、同様の理由で、好ましくは10/90〜80/20、さらに好ましくは20/80〜75/25、とくに好ましくは25/75〜70/30、最も好ましくは35/65〜65/35である。
着色剤の含有量は、本発明の電子写真用トナーバインダー100部に対して、好ましくは1〜40部、さらに好ましくは3〜10部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150部、さらに好ましくは40〜120部である。上記および以下において、部は重量部を意味する。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
[純度88%のビスフェノールAのEO2モル付加物の製造]
撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、純度81%、水酸基価343.1のビスフェノールAのEO2モル付加物500部を仕込み120℃に昇温した。120℃にて溶解させた後、100℃まで冷却した。そこへ、100℃のイオン交換水500部を仕込み、100℃にて1時間撹拌した後、上層の水相を抜き取った。その後、130℃で5〜20mmHgの減圧下で4時間脱水して、純度88%、水酸基価347.4のビスフェノールAのEO2モル付加物を得た。
[純度93%のビスフェノールAのEO2モル付加物の製造]
水洗による精製を5回繰り返す以外は製造例1と同様にして、純度93%、水酸基価350.6のビスフェノールAのEO2モル付加物を得た。
[純度95%のビスフェノールAのEO2モル付加物の製造]
撹拌機および窒素導入管の付いた加圧反応槽中に、ビスフェノールA277部、イオン交換水138.5部、トリエチルアミン2部仕込み、窒素置換を2回行った。その後、130℃に昇温し、0.3MPaの加圧下EO123部を2時間かけて滴下した。その後、2時間反応させ、取り出した。その後、5〜20mmHgの減圧下130℃で4時間脱水し、これを、前記の方法でガスクロマトグラフィーにて分析して、純度95%、水酸基価351.7であることを確認した。
[純度98%のビスフェノールAのEO2モル付加物の製造]
撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、製造例3で得られた純度95%のビスフェノールAのEO2モル付加物500部を仕込み120℃に昇温した。120℃にて溶解させた後、100℃まで冷却した。そこへ、100℃のイオン交換水500部を仕込み、100℃にて1時間撹拌した後、上層の水相を抜き取った。その後、130℃で5〜20mmHgの減圧下で4時間脱水して、純度98%、水酸基価353.9のビスフェノールAのEO2モル付加物を得た。
[チタン含有触媒(a2)の合成]
冷却管、撹拌機及び液中バブリング可能な窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル2000部とテレフタル酸1000部を入れ、窒素にて液中バブリング下、60℃まで徐々に昇温し、チタンテトライソプロポキシド600部を滴下しながら60℃で4時間反応させスラリー状物である反応混合物を得た。反応混合物をろ紙でろ別し40℃/20kPaで乾燥させることで、チタントリイソプロポキシテレフタレートと未反応のテレフタル酸の混合物(a2−1)(チタントリイソプロポキシテレフタレートの濃度65%)を得た。
[チタン含有触媒(a2)の合成]
冷却管、撹拌機及び液中バブリング可能な窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル1000部とイソフタル酸500部を入れ、窒素にて液中バブリング下、60℃まで徐々に昇温し、チタンテトライソプロポキシド300部を滴下しながら60℃で5時間反応させスラリー状物である反応混合物を得た。反応混合物をろ紙でろ別し40℃/20kPa・sで乾燥させることで、チタントリイソプロポキシイソフタレートおよびチタンジイソプロポキシジイソフタレート(重量比7:3)と未反応のイソフタル酸の混合物(a2−2)(チタントリイソプロポキシイソフタレートおよびチタンジイソプロポキシジイソフタレートの濃度64%)を得た。
[チタン含有触媒(a2)の合成]
冷却管、撹拌機及び液中バブリング可能な窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル1000部、安息香酸244部を入れ、窒素にて液中バブリング下、60℃まで徐々に昇温し、チタンテトライソプロポキシド284部を滴下しながら60℃で5時間反応させた後、イオン交換水を50部入れ、2時間反応させスラリー状物である反応混合物を得た。反応混合物をろ紙でろ別し40℃/20kPa・sで乾燥させることで、チタンジヒドロキシジベンゼンカルボキシレート(a2−3)を得た。
[チタン含有触媒(a1)の合成]
冷却管、撹拌機及び液中バブリング可能な窒素導入管の付いた反応槽中に、チタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)1617部とイオン交換水126部を入れ、窒素にて液中バブリング下、90℃まで徐々に昇温し、90℃で4時間反応(加水分解)させることで、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)を得た。さらに、100℃にて、2時間減圧下で反応(脱水縮合)させることで、その分子内重縮合物である触媒(a1−1)を得た。
実施例に用いる他のチタン含有触媒(a1)についても、同様の合成法にて得ることができる。
[線状ポリエステル樹脂(A1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸304部(1.83モル)、製造例2で得られた純度93%のビスフェノールAのEO2モル付加物762部(2.38モル)、および縮合触媒としてチタン含有触媒(a2−1)1部を仕込み、230℃に昇温した。230℃にて1時間撹拌した後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で9時間反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(A1)とした。
(A1)のTgは56℃、Mnは3000であった。
[線状ポリエステル樹脂(A2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸340部(2.04モル)、製造例2で得られた純度93%のビスフェノールAのEO2モル付加物734部(2.29モル)、および縮合触媒としてチタン含有触媒(a2−1)1部を仕込み、230℃に昇温した。230℃にて1時間撹拌した後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で9時間反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(A2)とした。
(A2)のTgは67℃、Mnは5500であった。
[線状ポリエステル樹脂(A3)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸305部(1.84モル)、製造例3で得られた純度95%のビスフェノールAのEO2モル付加物761部(2.39モル)、および縮合触媒としてチタン含有触媒(a2−1)1部を仕込み、230℃に昇温した。230℃にて1時間撹拌した後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で9時間反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(A3)とした。
(A3)のTgは58℃、Mnは3100であった。
[線状ポリエステル樹脂(A4)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸341部(2.05モル)、製造例3で得られた純度95%のビスフェノールAのEO2モル付加物733部(2.30モル)、および縮合触媒としてチタン含有触媒(a2−1)3部を仕込み、230℃に昇温した。230℃にて1時間撹拌した後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で9時間反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(A4)とした。
(A4)のTgは68℃、Mnは5500であった。
[線状ポリエステル樹脂(A5)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸300部(1.81モル)、製造例4で得られた純度98%のビスフェノールAのEO2モル付加物671部(2.12モル)、純度52%のビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加物(市販品、水酸基価279.1、前記ガスクロマトグラフィー測定による2モル付加物33%、3モル付加物52%、4モル付加物15%)95部(0.24モル)、および縮合触媒としてチタン含有触媒(a2−1)0.5部を仕込み、230℃に昇温した。230℃にて1時間撹拌した後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で9時間反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(A5)とした。
(A5)のTgは59℃、Mnは3200であった。
[線状ポリエステル樹脂(A6)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸336部(2.02モル)、製造例4で得られた純度98%のビスフェノールAのEO2モル付加物646部(2.04モル)、前記純度52%のビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加物91部(0.23モル)、および縮合触媒としてチタン含有触媒(a2−1)6部を仕込み、230℃に昇温した。230℃にて1時間撹拌した後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で9時間反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(A6)とした。
(A6)のTgは70℃、Mnは5600であった。
[線状ポリエステル樹脂(A7)の合成]
チタン含有触媒(a2−1)1部をチタン含有触媒(a2−2)1部に代える以外は、製造例11と同様にして反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(A7)とした。
(A7)のTgは58℃、Mnは3000であった。
[線状ポリエステル樹脂(A8)の合成]
チタン含有触媒(a2−1)3部をチタン含有触媒(a2−3)3部に代える以外は、製造例12と同様にして反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(A8)とした。
(A8)のTgは68℃、Mnは5500であった。
[線状ポリエステル樹脂(A9)の合成]
チタン含有触媒(a2−1)1部をチタン含有触媒(a1−1)1部に代える以外は、製造例11と同様にして反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(A9)とした。
(A9)のTgは57℃、Mnは3000であった。
[線状ポリエステル樹脂(A10)の合成]
チタン含有触媒(a2−1)3部をチタン含有触媒(a1−1)5部に代える以外は、製造例12と同様にして反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(A10)とした。
(A10)のTgは69℃、Mnは5700であった。
[線状ポリエステル樹脂(A11)の合成]
チタン含有触媒(a2−1)1部をチタン含有触媒(a1−2)1部に代える以外は、製造例11と同様にして反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(A11)とした。
(A11)のTgは57℃、Mnは3000であった。
[線状ポリエステル樹脂(A12)の合成]
チタン含有触媒(a2−1)3部をチタン含有触媒(a1−3)5部に代える以外は、製造例12と同様にして反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(A12)とした。
(A12)のTgは68℃、Mnは5600であった。
[線状ポリエステル樹脂(A13)の合成]
チタン含有触媒(a2−1)1部をチタン含有触媒(a1−4)1部に代える以外は、製造例11と同様にして反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(A13)とした。
(A13)のTgは57℃、Mnは3000であった。
[線状ポリエステル樹脂(A14)の合成]
チタン含有触媒(a2−1)3部をチタン含有触媒(a1−5)5部に代える以外は、製造例12と同様にして反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(A14)とした。
(A14)のTgは69℃、Mnは5700であった。
[線状ポリエステル樹脂(A15)の合成]
チタン含有触媒(a2−1)1部をチタン含有触媒(a1−6)1部に代える以外は、製造例11と同様にして反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(A15)とした。
(A15)のTgは57℃、Mnは2800であった。
[線状ポリエステル樹脂(A16)の合成]
チタン含有触媒(a2−1)3部をチタン含有触媒(a1−7)5部に代える以外は、製造例12と同様にして反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(A16)とした。
(A16)のTgは69℃、Mnは5700であった。
[線状ポリエステル樹脂(A17)の合成]
チタン含有触媒(a2−1)1部をチタン含有触媒(a1−8)1部に代える以外は、製造例11と同様にして反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(A17)とした。
(A17)のTgは58℃、Mnは3100であった。
[線状ポリエステル樹脂(A18)の合成]
チタン含有触媒(a2−1)3部をチタン含有触媒(a1−9)5部に代える以外は、製造例12と同様にして反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(A18)とした。
(A18)のTgは68℃、Mnは5500であった。
[非線状ポリエステル樹脂(B1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、純度95%以上のビスフェノールAのPO2モル付加物309部、純度81%のビスフェノールAのEO2モル付加物355部、フェノールノボラック(平均重合度約5)のEO5モル付加物21部、テレフタル酸121部、フマル酸74部および縮合触媒としてチタン含有触媒(a2−1)3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。次いで、無水トリメリット酸87部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ軟化点が121℃になった時点で取り出して、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線状(架橋)ポリエステル樹脂(B1)とした。
(B1)のTgは59℃、Mnは6200であった。
[非線状ポリエステル樹脂(B2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール2280部(30モル)、テレフタル酸ジメチルエステル1649部(8.5モル)、アジピン酸219部(1.5モル)および縮合触媒としてチタン含有触媒(a2−1)3部を入れ、180℃で窒素気流下に生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に生成する1,2−プロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が90℃になった時点で180℃まで冷却し、無水トリメリット酸115部(0.6モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、5〜20mmHgの減圧下で反応させ、軟化点が155℃になった時点で取り出して、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線状(架橋)ポリエステル(B2)とした。
(B2)のTgは60℃、Mnは7000であった。
[線状ポリエステル樹脂(RA1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸299部(1.80モル)、純度81%のビスフェノールAのEO2モル付加物766部(2.34モル)、および縮合触媒としてチタン含有触媒(a2−1)1部を仕込み、230℃に昇温した。230℃にて1時間撹拌した後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で9時間反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(RA1)とした。
(RA1)のTgは50℃、Mnは3000であった。
[線状ポリエステル樹脂(RA2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸335部(2.02モル)、純度81%のビスフェノールAのEO2モル付加物738部(2.26モル)、および縮合触媒としてチタン含有触媒(a2−1)1部を仕込み、230℃に昇温した。230℃にて1時間撹拌した後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で9時間反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(RA2)とした。
(RA2)のTgは63℃、Mnは5500であった。
[線状ポリエステル樹脂(RA3)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸302部(1.82モル)、製造例1で得られた純度88%のビスフェノールAのEO2モル付加物764部(2.36モル)、および縮合触媒としてチタン含有触媒(a2−1)1部を仕込み、230℃に昇温した。230℃にて1時間撹拌した後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で9時間反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(RA3)とした。
(RA3)のTgは53℃、Mnは2900であった。
[線状ポリエステル樹脂(RA4)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸338部(2.03モル)、製造例1で得られた純度88%のビスフェノールAのEO2モル付加物736部(2.28モル)、および縮合触媒としてチタン含有触媒(a2−1)1部を仕込み、230℃に昇温した。230℃にて1時間撹拌した後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で9時間反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(RA4)とした。
(RA4)のTgは65℃、Mnは5500であった。
[線状ポリエステル樹脂(RA5)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸305部(1.84モル)、製造例3で得られた純度95%のビスフェノールAのEO2モル付加物761部(2.39モル)、および縮合触媒としてテレフタル酸チタン3部を仕込み、230℃に昇温した。230℃にて1時間撹拌した後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で9時間反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(RA5)とする。
(RA5)のTgは57℃、Mnは3000であった。
[線状ポリエステル樹脂(RA6)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸341部(2.05モル)、製造例3で得られた純度95%のビスフェノールAのEO2モル付加物733部(2.30モル)、および縮合触媒としてテレフタル酸チタン3部を仕込み、230℃に昇温した。230℃にて1時間撹拌した後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で9時間反応させた。その後、生成した淡黄色のポリマーを取り出し、室温まで冷却後、砕し粒子化した。これを線状ポリエステル樹脂(RA6)とする。
(RA6)のTgは68℃、Mnは5500であった。
線状ポリエステル樹脂(A1)〜(A18)、および比較の線状ポリエステル樹脂(RA1)〜(RA6)と非線状ポリエステル樹脂(B1)を、表2の割合でプラストミルに入れ、140℃で5分間撹拌して溶融混合し、本発明のトナーバインダー(TB1)〜(TB24)、および比較のトナーバインダー(RTB1)〜(RTB12)を得た。各トナーバインダー100部に対して、シアニンブルーKRO(山陽色素製)8部、カルナバワックス5部を加え。下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー組成物(T1)〜(T24)、および比較のトナー組成物(RT1)〜(RT12)を得た。
下記評価方法で評価した評価結果を表2に示す。
〔1〕最低定着温度(MFT)
市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
〔3〕保存安定性
トナーをそれぞれポリエチレン製の瓶に入れ、45℃の恒温水槽に8時間保持した後、42メッシュのふるいに移し、ホソカワミクロン(株)製パウダーテスターを用い、振動強度5で5秒間振とうし、ふるいの上に残ったトナーの重量%を測定し、下記基準で判定し、保存安定性を評価した。△以上が実用範囲である。
残存トナー重量%
◎ : 0%以上15%未満
○ : 15%以上25%未満
△ : 25%以上30%未満
× : 30%以上
〔4〕画像濃度
市販モノクロ複写機(AR5030、シャープ(株)製)を用いて現像した未定着のべた画像を、市販モノクロ複写機(SF8400A、シャープ(株)製)の定着ユニットを改造し、熱ローラー温度を可変、プロセススピードを可変にした定着機で、熱ローラー温度180℃、プロセススピード213mm/secで定着した。定着画像の画像濃度をマクベス反射濃度計RD−191(マクベス社製)を用いて測定した。
○:ID1.4以上
△:ID1.3以上1.4未満
×:ID1.3未満
Claims (5)
- ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物を含有するポリオール成分(X)とポリカルボン酸成分(Y)とが、下記一般式(I)または(II)で表されるチタン含有化合物(a1)、および下記一般式(III)で表されるチタン含有化合物(a2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のチタン含有触媒(a)の存在下、重縮合されてなる線状ポリエステル樹脂(A)と非線状ポリエステル樹脂(B)を含有し、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物の純度が93%以上であることを特徴とする電子写真用トナーバインダー。
Ti(−X)m(−OR1)n (I)
O=Ti(−X)p(−OR1)q (II)
Ti(−Z)r(−OR2)s (III)
[式(I)および(II)中、R1はH、アルキル鎖中に1〜5個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数1〜18のアシル基である。Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のHを除いた残基であり、ポリアルカノールアミンの場合、他のOH基が同一のTi原子に直接結合したOH基(OR1基のR1がHの場合)と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基(OR1基のR1がHの場合)と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。mは1〜4の整数、nは0〜3の整数、mとnの和は4である。pは1〜2の整数、qは0〜1の整数、pとqの和は2である。mまたはpが2以上の場合、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。nが2以上の場合、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。]
[式(III)中、R2はH、または1〜3個のエーテル結合および/もしくは1〜2個の水酸基を含んでいてもよい炭素数1〜24の炭化水素基である。Zは芳香族モノもしくはポリカルボン酸から1個のカルボキシル基のHを除いた残基であり、ポリカルボン酸の場合、他のカルボキシル基が同一分子内のOR2基と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、または、別の分子のOR2基と分子間で重縮合し2〜5個のTi原子を含む構造を形成していてもよい。r=1〜3、s=1〜3であり、rとsの和は4である。] - 純度が93%以上のビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物が、水溶媒中で、触媒としてのトリエチルアミンまたはトリエチルアミンとアルカリ触媒の存在下に、ビスフェノールAにエチレンオキサイドが付加されて得られたものである請求項1記載の電子写真用トナーバインダー。
- 線状ポリエステル樹脂(A)と非線状ポリエステル樹脂(B)の重量比が10/90〜80/20である請求項1または2記載の電子写真用トナーバインダー。
- ポリオール成分(X)とポリカルボン酸成分(Y)の合計重量に対するチタン含有触媒(a)の添加量が0.01〜5重量%である請求項1〜3のいずれか記載の電子写真用トナーバインダー。
- 請求項1〜4のいずれか記載の電子写真用トナーバインダー、着色剤、並びに必要により、離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上の添加剤を含有するトナー組成物。
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