JP4990883B2 - バッテリ充電装置、およびバッテリ充電装置における遅角制御方法 - Google Patents

バッテリ充電装置、およびバッテリ充電装置における遅角制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、二輪車等に用いられる交流発電機を使用したバッテリ充電装置、およびバッテリ充電装置における進角/遅角制御方法に関する。特に、本発明は、交流発電機、バッテリの種類、および排気量の大小にかかわらず、最適な遅角リミット値を自動設定できる、バッテリ充電装置、および遅角制御方法に関する。
本願は、2006年3月30日に、日本に出願された特願2006−95503号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
図8は、二輪車等に用いられるバッテリ充電装置について説明するための図である。永久磁石式3相交流発電機(単に「交流発電機」とも呼ぶ)1は、エンジン側(図示せず)から回転駆動される。交流発電機1から出力される3相交流は、バッテリ充電装置3Aにより順変換(交流/直流変換)され直流出力となり、この直流出力によりバッテリ2に充電電流を流す。
この場合に、バッテリ充電を効率良く行うために、交流発電機1の発電量を制御する進角/遅角制御が行われている。この進角/遅角制御は、バッテリ充電装置3A内の整流回路をブリッジ構成のスイッチング素子で構成し、このスイッチング素子の通電タイミングを、交流発電機1の交流出力電圧の位相に対して進み又は遅らせることにより行われる。
この進角/遅角制御では、進角/遅角量を制御パラメータとして、交流発電機1の発電量を制御する。バッテリ2の電圧が基準電圧よりも低くバッテリ充電を必要とする場合は、バッテリ充電装置3Aを遅角制御し、バッテリを充電状態とする。バッテリ2の電圧が基準電圧よりも高く充電を必要としない場合には、バッテリ充電装置3Aを進角制御し、バッテリから交流発電機へエネルギーを放電する状態とする。
この場合に、図9に示すように、遅角制御状態において遅角量を、0から増加させることにより発電量(バッテリ充電量)を次第に増加させることができる。しかし、ある一定の遅角量までは発電量を増加させることができるが、この一定の遅角量を超えると逆に発電量が低下してしまう性質がある。従って、交流発電機1の発電量を最大にする遅角量のリミット値(「遅角リミット値」ともいう)を適切に設定することが必要になる。
この遅角リミット値の設定については、従来は、実際に使用する交流発電機と、バッテリの種類と、エンジン(排気量)の大小に応じた組み合わせテスト(実験)を行い、最適な遅角リミット値を求めていた。
このように、最適な遅角リミット値を決めるために多くのテストが行われ、また、この結果により求めた遅角リミット値と、交流発電機と、バッテリと、排気量との対応関係を示すテーブルを作成するなど、多大の労力を必要としていた。
従来のこの種の同期電動機の出力制御装置は、特許文献1に記載されている。この従来技術では、発電量を増減制御して無駄な発電をなくし、良好な加速性能を維持しつつ、適正にバッテリ充電を行うことを目的としている。このために、発電電圧を制御するための制御電圧値は、エンジン回転数の関数として加速時および通常運転時毎に設定される。すなわち、エンジン回転数とスロットル開度でなされた加速判断に従って制御電圧値が決定され、進角・遅角量設定部はバッテリ電圧が制御電圧値に収斂するようにステータコイル各相への通電タイミングを決定する。
しかしながら、上述の従来技術は、良好な加速性能を維持しつつ、適正にバッテリ充電を行うことを目的としており、交流発電機、バッテリの種類、および排気量の組み合わせに応じた最適な遅角リミット値の設定に多大な労力を要していたという問題を解決するものではない。
特開2004−194427号公報
上述したように、従来のバッテリ充電装置においては、進角/遅角制御の遅角リミット値の設定は、実際に使用する交流発電機と、バッテリと、負荷の特定の組み合わせテストにより、最適なリミット値を決めていた。このため、交流発電機、バッテリの種類、および排気量の大小に応じて、最適な遅角リミット値を設定するには、多大な労力を必要としていた。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、交流発電機、バッテリの種類、および排気量の大小にかかわらず、最適な遅角リミット値を自動設定できる、バッテリ充電装置、および遅角制御方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明のバッテリ充電装置は、交流発電機とバッテリとの間に接続され、前記交流発電機から出力された交流電力を直流電力に変換して前記バッテリに供給するバッテリ充電装置であって、スイッチング素子でブリッジ構成されると共に、前記スイッチング素子の通電タイミングを前記交流発電機の交流出力電圧の位相に対して進み又は遅らせることにより進角/遅角制御を行う整流回路と;前記交流発電機の出力電圧と出力電流を検出し、前記交流発電機の発電量を算出する発電量算出回路と;前記バッテリの電圧と所定の目標電圧との差分電圧を生成し、前記差分電圧に基づき前記スイッチング素子の通電タイミングの進角/遅角量を求める進角/遅角算出回路と;前記進角/遅角算出回路により求めた進角/遅角量により前記スイッチング素子の進角/遅角制御を行うと共に、遅角制御を行うときに、遅角量が遅角リミット値を超える場合は、前記遅角リミット値により前記スイッチング素子の遅角制御を行う進角/遅角制御回路と;前記遅角量と発電量とを記憶すると共に、前回の遅角量及び発電量と、今回の遅角量及び発電量とを比較し、前回の遅角量よりも今回の遅角量が大きく、かつ前回の発電量が今回の発電量よりも大きい場合には、前回の遅角量を前記遅角リミット値として設定する遅角リミット値設定回路と;を備えることを特徴とする。
このような構成により、バッテリ充電装置の整流部をスイッチング素子でブリッジ構成し、このスイッチング素子により進角/遅角制御を行う。この際に、バッテリの電圧と所定の目標電圧との差分電圧を生成し、前記差分電圧に基づきスイッチング素子の進角/遅角量を求め、この進角/遅角量によりスイッチング素子の通電タイミングを制御する。この進角/遅角量が、遅角量であり、かつ遅角リミット値(略最大発電量となる遅角量)を超える場合には、遅角量を遅角リミット値に制限する。また、発電機の発電量を検出し、遅角量と発電量とを記憶するようにし、前回の遅角量及び発電量と、今回の遅角量及び発電量とを比較し、前回の遅角量よりも今回の遅角量が大きく、かつ前回の発電量が今回の発電量よりも大きい場合には、前回の遅角量を遅角リミット値として設定する。
これにより、バッテリ充電装置において進角/遅角制御を行う場合に、交流発電機、バッテリの種類、および排気量の大小にかかわらず、最適な遅角リミット値を自動設定できる。
また、本発明のバッテリ充電装置において、前記進角/遅角制御回路は、前記進角/遅角算出回路により求めた進角/遅角量が遅角量であり、かつ遅角リミット値が設定されていない場合、または遅角リミット値以下の場合には、前記求めた遅角量により前記スイッチング素子の遅角制御を行い、前記遅角リミット値設定回路は、前記遅角量と発電量とを記憶すると共に、前回の遅角量及び発電量と、今回の遅角量及び発電量とを比較し、前回の遅角量よりも今回の遅角量が大きく、かつ前回の発電量が今回の発電量よりも大きい場合には、前回の遅角量を前記遅角リミット値として設定し、前回の遅角量よりも今回の遅角量が小さい場合には、前記遅角リミット値の設定を解除するようにしてもよい。
このような構成により、遅角リミット値が設定されている場合に、進角/遅角算出回路により求めた遅角量が減少方向に向かう場合には、遅角リミット値の設定を解除することができる。
これにより、遅角リミット値を固定的なものとせず、周囲環境の変化に応じた最適な遅角リミット値を適宜に設定できるようになる。
また、本発明のバッテリ充電装置において、前記交流発電機は、出力電圧を検出するサブコイルと、出力電流を検出する電流センサとを備え、バッテリ充電装置はさらに前記交流発電機のサブコイルで検出した電圧波形から前記電圧波形に同期した矩形波を生成する電圧検出回路と、前記電圧検出回路から出力される矩形波の信号に同期した三角波を生成する同期三角波発生回路と、前記バッテリの電圧と所定の目標電圧とを比較し誤差信号を出力する誤差アンプとを備え、前記発電量算出回路は、前記サブコイルにより検出された交流発電機の出力電圧と、前記電流センサにより検出された交流発電機の出力電流の値とを基に、交流発電機の発電量を算出し、前記進角/遅角算出回路は、前記同期三角波発生回路から出力される三角波と誤差アンプの出力とを比較することにより進角/遅角量を求める比較回路を有し、前記進角/遅角制御回路は、前記比較回路から進角/遅角量を受け取り、前記進角/遅角量により前記スイッチング素子の進角/遅角制御を行うと共に、遅角量が所定の遅角リミット値を超えた場合は、前記遅角量を前記遅角リミット値に制限し、前記遅角リミット値設定回路は、前記比較回路により求めた遅角量と、前記発電量算出回路により求めた発電量とを記憶すると共に、前回の遅角量及び発電量と、今回の遅角量及び発電量とを比較し、前回の遅角量よりも今回の遅角量が大きく、かつ前回の発電量が今回の発電量よりも大きい場合に、前回の遅角量を遅角リミット値として設定するようにしても良い。
このような構成により、発電機にサブコイルと電流センサを設け、交流発電機の発電量を算出する。また、電圧検出回路により、サブコイルで検出した電圧波形に同期した矩形波を生成し、同期三角波発生回路により、矩形波に同期した三角波を生成する。また、誤差アンプは、バッテリの電圧と目標電圧とを比較し誤差信号を生成する。そして、比較回路により、同期三角波発生回路から出力される三角波と誤差アンプの出力とを比較することにより進角/遅角量を求める。この比較回路により求めた進角/遅角量が、遅角量であり、かつ所定の遅角リミット値を超える場合には、進角/遅角制御回路により、遅角量を遅角リミット値に制限する。また、遅角リミット値設定回路により、遅角量と発電量とを記憶すると共に、前回の遅角量及び発電量と、今回の遅角量及び発電量とを比較し、前回の遅角量よりも今回の遅角量が大きく、かつ前回の発電量が今回の発電量よりも大きい場合は、前回の遅角量を遅角リミット値として設定する。
これにより、バッテリ充電装置において進角/遅角制御を行う場合に、交流発電機、バッテリの種類、および排気量の大小にかかわらず、最適な遅角リミット値を自動設定できる。
また、本発明のバッテリ充電装置において、前記電圧検出回路における矩形波、および前記同期三角波発生回路における三角波が、U相、V相、W相の各相ごとに生成されるように構成され、前記比較回路において、前記同期三角波発生回路から出力される三角波と誤差アンプ出力とを比較して進角/遅角量を求める場合に、U相の進角/遅角量は、前記同期三角波発生回路から出力されるW相の三角波と、前記誤差アンプ出力とを比較して求め、前記V相の進角/遅角量は、前記同期三角波発生回路から出力されるU相の三角波と、前記誤差アンプ出力とを比較して求め、前記W相の進角/遅角量は、前記同期三角波発生回路から出力されるV相の三角波と、前記誤差アンプ出力とを比較して求めるようにしてもよい。
このような構成により、例えば、U相の進角/遅角量は、同期三角波発生回路から出力されるW相の三角波と、誤差アンプ出力とを比較して求めることができる。
これにより、バッテリ充電装置において進角/遅角制御を行う場合に、進角/遅角制御の制御範囲を、進角側0°〜120°、遅角側0°〜60°に設定できる。
また、本発明のバッテリ充電装置において、前記スイッチング素子は、NチャネルMOSFETであり、前記スイッチング素子の3相ブリッジ整流回路を備えてもよい。
これにより、3相交流発電機でバッテリを充電する場合の進角/遅角制御において、遅角リミット値を自動設定できる。
また、本発明の遅角制御方法は、交流発電機とバッテリとの間に接続され、前記交流発電機から出力された交流電力を直流電力に変換して前記バッテリに供給するバッテリ充電装置における遅角制御方法であって、ブリッジ構成のスイッチング素子を使用すると共に、前記スイッチング素子の通電タイミングを前記交流発電機の交流出力電圧の位相に対して進み又は遅らせることにより進角/遅角制御を行う整流工程と、前記交流発電機の出力電圧と出力電流を検出し、前記交流発電機の発電量を算出する発電量算出工程と、前記バッテリの電圧と所定の目標電圧との差分電圧を生成し、前記差分電圧に基づき前記スイッチング素子の通電タイミングの進角/遅角量を求める進角/遅角算出工程と、前記進角/遅角算出工程により求めた進角/遅角量により前記スイッチング素子の進角/遅角制御を行うと共に、遅角制御を行うときに、遅角量が遅角リミット値を超える場合は、前記遅角リミット値により前記スイッチング素子の遅角制御を行う進角/遅角制御工程と、前記遅角量と発電量とを記憶すると共に、前回の遅角量及び発電量と、今回の遅角量及び発電量とを比較し、前回の遅角量よりも今回の遅角量が大きく、かつ前回の発電量が今回の発電量よりも大きい場合には、前回の遅角量を前記遅角リミット値として設定する遅角リミット値設定工程と、を含むことを特徴とする。
このような工程により、バッテリ充電装置の整流部をスイッチング素子でブリッジ構成し、このスイッチング素子により進角/遅角制御を行う。この際に、バッテリの電圧と所定の目標電圧との差分電圧を生成し、前記差分電圧に基づきスイッチング素子の進角/遅角量を求め、この進角/遅角量によりスイッチング素子の通電タイミングを制御する。この進角/遅角量が、遅角量であり、かつ遅角リミット値(略最大発電量となる遅角量)を超える場合には、遅角量を遅角リミット値に制限する。また、発電機の発電量を検出し、遅角量と発電量とを記憶するようにし、前回の遅角量及び発電量と、今回の遅角量及び発電量とを比較し、前回の遅角量よりも今回の遅角量が大きく、かつ前回の発電量が今回の発電量よりも大きい場合には、前回の遅角量を遅角リミット値として設定する。
これにより、バッテリ充電装置において進角/遅角制御を行う場合に、交流発電機、バッテリの種類、および排気量の大小にかかわらず、最適な遅角リミット値を自動設定できる。
本発明においては、バッテリの電圧と目標電圧との差分電圧を基に進角/遅角量を求め、遅角量を遅角リミット値に制限すると共に、遅角量と発電量とを記憶し、遅角量が増加したにもかかわらず発電量が低下した場合は、前回の遅角量を遅角リミット値として設定する。これにより、交流発電機、バッテリの種類、および排気量の大小にかかわらず、最適な遅角リミット値を自動設定できる。
本発明によるバッテリ充電装置の一実施例を示すブロック図である。 図1に示された発電機のU相、V相、W相電圧検出回路における矩形波を生成するメカニズムについて説明するための図である。 図1に示された同期三角波発生回路における三角波を生成するメカニズムについて説明するための図である。 本発明の一実施例における進角制御通電タイミングを示す波形図である。 図4Aに示された進角制御通電タイミングで制御される発電機およびスイッチング素子を示す回路図である。 本発明の一実施例における遅角制御通電タイミングを示す波形図である。 図5Aに示された遅角制御通電タイミングで制御される発電機およびスイッチング素子を示す回路図である。 本発明の一実施例における遅角リミット値の設定の工程を示すフローチャートである。 本発明の一実施例における遅角リミット値の設定方法を示す図である。 バッテリ充電装置について説明するためのブロック図である。 進角/遅角制御について説明するための図である。
符号の説明
1 永久磁石式三相交流発電機(交流発電機)
2 バッテリ
3、3A バッテリ充電装置
11 U相、V相、W相電圧検出回路
12 同期三角波発生回路
13 誤差アンプ
14 比較回路
20 制御回路
21 FET駆動信号生成回路
22 発電量算出回路
23 進角/遅角制御回路
24 遅角リミット値設定回路
CTu、CTw 電流センサ
Q1〜Q6 スイッチング素子
Su、Sv、Sw サブコイル
Vbat バッテリ電圧
Vc 誤差アンプ出力
Vfb フィードバック信号
θ 進角/遅角量
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
[本発明のバッテリ充電装置の基本構成例の説明]
図1は、本発明によるバッテリ充電装置の基本構成例を示すブロック図であり、三相交流磁石式交流発電機(単に「交流発電機」ともいう)1の交流出力を全波整流して、その出力でバッテリ2を充電するバッテリ充電装置3の例である
このバッテリ充電装置3では、交流発電機1からの三相交流出力を整流する全波整流回路を、Nチャネル型パワーMOSFETであるスイッチング素子Q1〜Q6のブリッジ構成とし、各スイッチング素子のスイッチング動作のタイミング(通電タイミング)を、交流発電機1の交流出力電圧に対して位相を遅らせる遅角制御、または進ませる進角制御を行うことにより、バッテリの充電状態(または放電状態)を制御している。
以下、図1を参照して、本発明のバッテリ充電装置3の構成の概要について説明する。
交流発電機1内のサブコイルSu、Sv、Swは3相(U、V、W相)の各相の出力電圧を検出するサブコイルである。U相、V相、W相電圧検出回路11は、サブコイルSu、Sv、Swで検出した電圧波形(交流波形)Vu,v,wから矩形波を生成し、同期三角波発生回路12に出力する。
同期三角波発生回路12は、U相、V相、W相電圧検出回路11から出力される矩形波から、これらの信号に同期した三角波を生成する。この、三角波は矩形波のパルス幅の大きさに無関係に高さ(三角波の最大値)が等しくなるような三角波である。
誤差アンプ13は、実際のバッテリ電圧Vbatからのフィードバック信号Vfbと、バッテリ充電電圧の設定値(目標値)Vrefとを比較して、その差の信号を増幅し誤差アンプ出力Vcとして出力する。なお、誤差アンプ出力Vcは、バッテリ電圧Vbatが低く、「Vfb<Vref」の場合に、「Vc>0」となり、バッテリ電圧Vbatが高く、「Vfb>Vref」の場合に、「Vc<0」となる。「Vc>0」の場合には、バッテリ2への充電(遅角制御)が行われ、「Vc<0」の場合には、バッテリ2からの放電(進角制御)が行わる。
比較回路(進角/遅角算出回路)14は、同期三角波発生回路12から出力される三角波と誤差アンプ13の出力Vcとを比較し、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングタイミング(進角/遅角量θ)を決定し、前記進角/遅角量θの信号を制御回路20に出力する。
制御回路20中のFET駆動信号生成回路21は、スイッチング素子のスイッチングタイミング(進角/遅角量θ)の信号を進角/遅角制御回路23を介して受け取る。そして、進角/遅角量θを基に、スイッチング素子Q1〜Q6をON・OFFするための駆動信号(ゲートドライブ信号)を生成する。
発電量算出回路22は、サブコイルSu、Sv、Swから交流発電機1の交流出力電圧の信号Vu,v,wを入力し、また、電流センサCTu、CTwから交流発電機1のU相、W相の電流の信号Iu,wを入力し、交流発電機1の発電量を算出する。
進角/遅角制御回路23は、比較回路14から入力した進角/遅角量θの信号をFET駆動信号生成回路21に送る。この際に、遅角量が遅角リミット値以上にならないように制限する。
また、遅角リミット値設定回路24は、比較回路14から入力した進角/遅角量θと、発電量算出回路22で求めた発電量を基に、遅角のリミット値を設定する処理を行う。この処理内容の詳細については、後述する。
なお、バッテリ充電装置3内にはマイクロコンピュータ(又はマイクロコントローラ)が搭載されており、バッテリ充電装置3内の制御回路20や、比較回路14や、その他の回路について、ソフトウェアプログラムを実行することにより、その処理機能を実現することができるものについては、ソフトウェア処理により実現するようにしてもよい。勿論、ハードウェアにより構成することもできる。
[同期三角波発生回路における三角波電圧の発生方法の説明]
次に、図2および図3を参照して、同期三角波発生回路12における三角波電圧の発生メカニズムについて説明する。
一般には交流発電機が出力する交流電圧の周波数は急激に変化しないので、1サイクル前の波形と現在のサイクルの波形はほとんど同じと考えることができる。例えば、図2において、波形2が現在のサイクルの波形だとすれば、波形2の半周期T2と、その1サイクル前の波形1の半周期T1とはほとんど同じである。
上述の特性を利用して、次の工程により三角波電圧VBを生成する。
(工程1) 図2に示すように、波形1のサイクルにおいて、交流発電機が出力する交流電圧VAから矩形波Sを生成する。この波形1に対応する矩形波Sの半周期は、波形1のサイクルにおける交流電圧VAの半周期T1と一致する。
(工程2) 続いて、矩形波Sの半周期T1の時間をカウントする。
(工程3) 続いて、半周期T1の時間のカウント数を所定の分解能nで除算して、時間t1(=T1/n)を得る。ここで、分解能nは、三角波電圧VBのスロープの滑らかさを規定する量であり、分解能nが高い程、三角波電圧VBのスロープが滑らかになる。
(工程4) 続いて、三角波電圧VBのピーク電圧Vpを所定の分解能nで除算して、電圧v1(=Vp/n)を得る。
(工程5) 続いて、図3に示すように、次のサイクルの波形2の立ち上がりタイミング(T2をカウントし始めるタイミング)で、上記電圧v1だけ三角波電圧VBを上昇させ、この三角波電圧VBを上記時間t1の間だけ維持する。
(工程6) 同じ波形2のサイクルにおいて、上記時間t1が経過したタイミングで上記電圧v1だけ三角波電圧VBを更に上昇させ、これを全部でn回繰り返すと、図3に示すような階段状の波形が得られ、波形2のサイクルに対応する三角波電圧のスロープ部分に相当する階段状の波形が得られる。分解能nの値を大きくすれば、階段状の波形が滑らかになり、一層良好な三角波を得ることができる。
以上の工程により、1サイクル前の交流電圧VAの波形を用いて、交流電圧VAの各周期に対応した三角波電圧であって、ピーク電圧Vpが一定の電圧波形を生成する。
上述の三角波電圧の発生メカニズムを利用した同期三角波発生回路12は、本バッテリ充電装置においてスイッチング素子Q1〜Q6のON・OFFタイミング(進角/遅角量θ)を制御するための三角波電圧を生成する。この同期三角波発生回路12は、例えば、カウンタと、除算回路と、波形生成回路とから構成することができる。カウンタは、交流発電機が出力する第1サイクルの交流電圧波形の半周期の時間(図2の例えば波形1のサイクルにおける時間T1)をカウントする。除算回路は、上記カウンタによるカウント数を所定の分解能n(所定値)で除算する。波形生成回路は、第1サイクル後の第2サイクル(図2の例えば波形2のサイクル)において上記第1サイクルでの除算回路の除算結果で示される時間t1の経過ごとに所定電圧v1だけ上昇する階段状の電圧波形を生成する。この階段状の電圧波形は上記三角波電圧の波形として出力される。
[進角/遅角制御におけるスイッチング素子の通電タイミングについての説明]
次に、同期三角波発生回路12から出力される三角波と、誤差アンプ13から出力される誤差アンプ出力Vcと基に、比較回路14で生成されるスイッチング素子Q1〜Q6の通電タイミング(進角/遅角量θ)について説明する。
図4Aおよび図5Aは、スイッチング素子の進角/遅角制御における通電タイミングについて説明するための図である。図4Aは、バッテリ電圧Vbatが高く、「Vfb>Vref、Vc<0」の場合の進角制御状態(バッテリ放電状態)を示し、図5Aは、バッテリ電圧Vbatが低く、「Vfb<Vref、Vc>0」の場合の遅角制御状態(バッテリ充電状態)を示している。
図4Aの進角制御タイミング(0°〜120°(180°通電))を示す図において、図4Aの波形(1)は、U相のサブコイルSuの検出電圧に同期した矩形波Ruを示し、U相、V相、W相電圧検出回路11から出力される信号である。
図4Aの波形(2)は、W相の矩形波から生成した三角波Aを示し、同期三角波発生回路12から出力される信号である。図4Aの波形(3)は、三角波Aを180°位相シフトした三角波A´を示し、同期三角波発生回路12から出力される信号である。
図4Aの波形(4)は、V相のサブコイルSuの検出電圧に同期した矩形波Rvを示し、U相、V相、W相電圧検出回路11から出力される信号である。
図4Aの波形(5)は、U相の矩形波から生成した三角波Bを示し、同期三角波発生回路12から出力される信号である。図4Aの波形(6)は、三角波Bを180°位相シフトした三角波B´を示し、同期三角波発生回路12から出力される信号である。
図4Aの波形(7)は、W相のサブコイルSuの検出電圧に同期した矩形波Rwを示し、U相、V相、W相電圧検出回路11から出力される信号である。
図4Aの波形(8)は、V相の矩形波から生成した三角波Cを示し、同期三角波発生回路12から出力される信号である。図4Aの波形(9)は、三角波Cを180°位相シフトした三角波C´を示し、同期三角波発生回路12から出力される信号である。
上記三角波A、A´、B、B´、C、C´は、比較回路14に入力され、比較回路14において、それぞれ誤差アンプ出力Vcと比較される。
図4Aの波形(2)において、図4Bに示されたU相のスイッチング素子Q1、Q4の通電タイミング(進角/遅角量θ)を決めるために、W相の矩形波Rwから生成された三角波Aが使用される。この理由は、三角波Aと一点鎖線で示す線(進角0°の線)との交点X0を基準にして、進角0°〜120°、遅角0°〜60°の範囲で、進角/遅角制御を行えるようにするためである。例えば、この三角波としてU相の矩形波Ruから生成される三角波Cを使用すると、制御範囲が進角側に片寄り、三角波C´を使用すると、制御範囲が遅角側に片寄り、進角0°〜120°、遅角0°〜60°などの適切な範囲で進角/遅角制御を行えなくなるためである。
このようにして、W相の矩形波Rwから生成された三角波Aと誤差アンプ出力Vcとが比較される。すなわち、三角波Aと誤差アンプ出力Vcとの交点Xaにより、U相の上側のスイッチング素子Q1のONタイミングが決定され、U相の下側のスイッチング素子Q4のOFFタイミングが決定される。また、これにより、U相の進角/遅角量θが決定される。
この例では、バッテリ充電電圧が基準電圧よりも高く誤差アンプ出力「Vc<0」の例であり、一点鎖線で示す進角/遅角量0°の線L0(Vc=0のレベルの線)よりもVcが低くなり、三角波AとVcの交点Xaが、三角波と線L0の交点X0よりも先になり、進角制御が行われる。
同様にして、三角波A´と誤差アンプ出力Vcとの交点により、U相のスイッチング素子Q1のOFFタイミングと、スイッチング素子Q4のONタイミングが決定される。
なお、図4Aの波形(2)、(3)において、スイッチング素子Q1、Q4のONタイミングは、Q1、Q4のOFFタイミングよりわずかに遅れるように設定される。これは、上下のスイッチング素子Q1、Q4の同時ONを避けるために、OFFタイミングからONタイミングをわずかに遅らせ、デッドタイム(FET素子のON、OFF時間特性に応じて決められる遅れ時間)を設けるためである。
上述したように、U相においては、W相のサブコイルSwの検出電圧に同期した矩形波Rwを基に生成された三角波A、A´と、誤差アンプ出力Vcとを比較することにより、スイッチング素子Q1、Q4のON、OFFタイミング(進角/遅角量θ)を決定することができる。また、進角の制御範囲は、0°〜120°、遅角の範囲は0°〜60°となる。
同様にして、V相においては、U相のサブコイルSuの検出電圧に同期した矩形波Ruを基に生成された三角波B、B´と、誤差アンプ出力Vcとを比較することにより、スイッチング素子Q2、Q5のON、OFFタイミング(進角/遅角量θ)を決定することができる。また、進角の制御範囲は、0°〜120°となり、遅角の範囲は0°〜60°となる。
同様にして、W相においては、V相のサブコイルSvの検出電圧に同期した矩形波Rvを基に生成された三角波C、C´と、誤差アンプ出力Vcとを比較することにより、スイッチング素子Q3、Q6のON、OFFタイミング(進角/遅角量θ)を決定することができる。また、進角の制御範囲は、0°〜120°となり、遅角の範囲は0°〜60°となる。
また、図5Aの遅角制御タイミング(0°〜120°(180°通電))を示す図は、図4Aに示す進角制御状態(Vc<0)が、遅角制御状態(Vc>0)に変わった場合の動作を示すものである。
図4Aと同様に、図5Aの波形(1)は、U相のサブコイルSuの検出電圧に同期した矩形波Ruを示し、図5Aの波形(2)は、W相の矩形波から生成した三角波Aを示し、図5Aの波形(3)は、三角波Aを180°位相シフトした三角波A´を示している。
図5Aの波形(4)は、V相のサブコイルSuの検出電圧に同期した矩形波Rvを示し、図5Aの波形(5)は、U相の矩形波から生成した三角波Bを示し、図5Aの波形(6)は、三角波Bを180°位相シフトした三角波B´を示している。
図5Aの波形(7)は、図5Bに示されたW相のサブコイルSuの検出電圧に同期した矩形波Rwを示し、図5Aの波形(8)は、V相の矩形波から生成した三角波Cを示し、図5Aの波形(9)は、三角波Cを180°位相シフトした三角波C´を示している。
上記矩形波Ru、Rv、Rwは、U相、V相、W相電圧検出回路11から出力される矩形波であり、三角波A、A´、B、B´、C、C´は、同期三角波発生回路12から出力される三角波である。三角波A、A´、B、B´、C、C´は比較回路14に入力され、それぞれ誤差アンプ出力Vcと比較される。
なお、図5Aに示す動作は、図4Aに示す進角制御状態(Vc<0)が、遅角制御状態(Vc>0)に変わっただけであるので、基本的な動作は同じであり、その動作説明については省略する。
[本発明における遅角リミットの設定方法についての説明]
図4Aおよび図5Aにおいて、進角/遅角制御における通電タイミング(進角/遅角量θ)の決め方について説明したが、本発明のバッテリ充電装置においては、遅角制御を行う場合に交流発電機の発電量が最大になる遅角量(遅角リミット値)以上に遅角を大きくしないように制御している。これは、遅角が遅角リミット値を超えると、交流発電機の発電量が逆に低下するためであり、本発明のバッテリ充電装置においては、この遅角リミット値の設定を自動で行うことができるように構成されている。
図6は、遅角リミット値の設定の工程を示すフローチャートである。以下、図6を参照して、本発明における遅角リミット値の設定の工程について説明する。
最初に、変数である、進角/遅角量θn−1と、発電量とを0(ゼロ)に設定する(ステップS1)。次に、バッテリの充電状態と、交流発電機の発電量を検出し、また、現在の進角量/遅角量θnを検出し、これら記憶する(ステップS2)。
次に、変数として記憶された前回進角/遅角量θn−1と、現在の進角/遅角量θnを比較する(ステップS3)。そして、「θn−1>θn」の場合は、制御の向きが遅角量減少の方向であるので、遅角リミット値が設定されている場合には、この設定を解除(リセット)する(ステップS4)。それから、ステップS2に戻る。
ステップS3において、「θn>θn−1」の場合は、制御の向きが遅角量増加の方向であり、ステップS5に移行し、既に遅角リミット値が設定されているか否かを判定する。
ステップS5において、既に遅角リミット値が設定されていると判定された場合は、この遅角量を遅角リミット値に設定して(ステップS6)ステップS2に戻る。そして、遅角制御においては、遅角量がこの遅角リミット値を超えないように制御される。なお、この遅角リミット値は、制御方向が遅角量減少の方向に向く(例えば、バッテリ充電電圧が上昇する)まで維持される。
ステップS5において、遅角リミット値が設定されていないと判定された場合は、ステップS7に移行し、「前回発電量>今回発電量」であるか否かが判定される(ステップS7)。
ステップS7において、「前回発電量>今回発電量」と判定された場合は、前回発電量における遅角量を遅角リミット値に設定する(ステップS8)。これは、図7の遅角リミット値の設定方法を示す図のように、遅角量の増加にも拘わらず、前回発電量Pn−1よりも今回発電量Pnの方が小さい場合は、Pn−1からPnまでの区間θに最大発電量となる点があると推定されるので、前回発電量Pn−1における遅角量θn−1を遅角リミット値として設定する。
また、ステップS7において、「前回発電量<今回発電量」と判定された場合は、遅角リミット値を設定することなく、ステップS2に戻る。
以上説明した工程により、最大発電量(正確には略最大発電量)を与える遅角リミット値を自動的に設定することができ、遅角量がこの遅角リミット値を超えないように進角/遅角制御を行うことができるようになる。また、図7に示すように、区間θ内に最大発電量となる点があることが分かり、遅角量が増える制御の際は、遅角が最大発電量を与える点の周辺を追従するようにできる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明のバッテリ充電装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明においては、交流発電機、バッテリの種類、および排気量の大小にかかわらず、最適な遅角リミット値を自動設定できる効果を奏するので、本発明は、バッテリ充電装置、および前記装置における遅角制御方法等に有用である。

Claims (6)

  1. 交流発電機とバッテリとの間に接続され、前記交流発電機から出力された交流電力を直流電力に変換して前記バッテリに供給するバッテリ充電装置であって、
    スイッチング素子でブリッジ構成されると共に、前記スイッチング素子の通電タイミングを前記交流発電機の交流出力電圧の位相に対して進み又は遅らせることにより進角/遅角制御を行う整流回路と、
    前記交流発電機の出力電圧と出力電流を検出し、前記交流発電機の発電量を算出する発電量算出回路と、
    前記バッテリの電圧と所定の目標電圧との差分電圧を生成し、前記差分電圧に基づき前記スイッチング素子の通電タイミングの進角/遅角量を求める進角/遅角算出回路と、
    前記進角/遅角算出回路により求めた進角/遅角量により前記スイッチング素子の進角/遅角制御を行うと共に、遅角制御を行うときに、遅角量が遅角リミット値を超える場合は、前記遅角リミット値により前記スイッチング素子の遅角制御を行う進角/遅角制御回路と、
    前記遅角量と発電量とを記憶すると共に、前回の遅角量及び発電量と、今回の遅角量及び発電量とを比較し、前回の遅角量よりも今回の遅角量が大きく、かつ前回の発電量が今回の発電量よりも大きい場合には、前回の遅角量を前記遅角リミット値として設定する遅角リミット値設定回路と、
    を備えることを特徴とするバッテリ充電装置。
  2. 前記進角/遅角制御回路は、
    前記進角/遅角算出回路により求めた進角/遅角量が遅角量であり、かつ遅角リミット値が設定されていない場合、または遅角リミット値以下の場合には、前記求めた遅角量により前記スイッチング素子の遅角制御を行い、
    前記遅角リミット値設定回路は、
    前記遅角量と発電量とを記憶すると共に、前回の遅角量及び発電量と、今回の遅角量及び発電量とを比較し、
    前回の遅角量よりも今回の遅角量が大きく、かつ前回の発電量が今回の発電量よりも大きい場合には、前回の遅角量を前記遅角リミット値として設定し、
    前回の遅角量よりも今回の遅角量が小さい場合には、前記遅角リミット値の設定を解除すること
    を特徴とする請求項1に記載のバッテリ充電装置。
  3. 前記交流発電機は、出力電圧を検出するサブコイルと、出力電流を検出する電流センサとを備え、
    前記バッテリ充電装置は、
    前記交流発電機のサブコイルで検出した電圧波形から前記電圧波形に同期した矩形波を生成する電圧検出回路と、
    前記電圧検出回路から出力される矩形波の信号に同期した三角波を生成する同期三角波発生回路と、
    前記バッテリの電圧と所定の目標電圧とを比較し誤差信号を出力する誤差アンプと、
    をさらに備え、
    前記発電量算出回路は、前記サブコイルにより検出された前記交流発電機の前記出力電圧と、前記電流センサにより検出された前記交流発電機の前記出力電流の値を基に、前記交流発電機の前記発電量を算出し、
    前記進角/遅角算出回路は、前記同期三角波発生回路から出力される前記三角波と前記誤差アンプの出力とを比較することにより前記進角/遅角量を求める比較回路を有し、
    前記進角/遅角制御回路は、前記比較回路から前記進角/遅角量を受け取り、
    前記遅角リミット値設定回路は、前記比較回路により求められた遅角量と、前記発電量算出回路により求められた発電量とを記憶する
    ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリ充電装置。
  4. 前記電圧検出回路における矩形波、および前記同期三角波発生回路における三角波が、U相、V相、W相の各相ごとに生成され、
    前記比較回路において、前記同期三角波発生回路から出力される三角波と誤差アンプ出力とを比較して前記進角/遅角量を求める場合に、
    U相の進角/遅角量は、前記同期三角波発生回路から出力されるW相の三角波と、前記誤差アンプ出力とを比較して求め、
    前記V相の進角/遅角量は、前記同期三角波発生回路から出力されるU相の三角波と、前記誤差アンプ出力とを比較して求め、
    前記W相の進角/遅角量は、前記同期三角波発生回路から出力されるV相の三角波と、前記誤差アンプ出力とを比較して求める
    ことを特徴とする請求項3に記載のバッテリ充電装置。
  5. 前記スイッチング素子は、NチャネルMOSFETであり、前記スイッチング素子の3相ブリッジ整流回路を備えることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ充電装置。
  6. 交流発電機とバッテリとの間に接続され、前記交流発電機から出力された交流電力を直流電力に変換して前記バッテリに供給するバッテリ充電装置における遅角制御方法であって、
    ブリッジ構成のスイッチング素子を使用すると共に、前記スイッチング素子の通電タイミングを前記交流発電機の交流出力電圧の位相に対して進み又は遅らせることにより進角/遅角制御を行う整流工程と、
    前記交流発電機の出力電圧と出力電流を検出し、前記交流発電機の発電量を算出する発電量算出工程と、
    前記バッテリの電圧と所定の目標電圧との差分電圧を生成し、前記差分電圧に基づき前記スイッチング素子の通電タイミングの進角/遅角量を求める進角/遅角算出工程と、
    前記進角/遅角算出工程により求めた進角/遅角量により前記スイッチング素子の進角/遅角制御を行うと共に、遅角制御を行うときに、遅角量が遅角リミット値を超える場合は、前記遅角リミット値により前記スイッチング素子の遅角制御を行う進角/遅角制御工程と、
    前記遅角量と発電量とを記憶すると共に、前回の遅角量及び発電量と、今回の遅角量及び発電量とを比較し、前回の遅角量よりも今回の遅角量が大きく、かつ前回の発電量が今回の発電量よりも大きい場合には、前回の遅角量を前記遅角リミット値として設定する遅角リミット値設定工程と、
    を含むことを特徴とする遅角制御方法。
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