JP5501147B2 - 位相制御装置、バッテリ充電装置、および位相制御方法 - Google Patents

位相制御装置、バッテリ充電装置、および位相制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、位相制御装置、バッテリ充電装置、および位相制御方法に関する。
二輪車等に用いられるバッテリ充電装置は、エンジン側から回転駆動される三相交流発電機(以下、単に「交流発電機」ともいう)が出力する三相交流出力電圧を、順変換(交流/直流変換)して直流出力電圧とし、この直流出力電圧によりバッテリに充電電流を流す。この場合、バッテリ充電を効率良く行うために、交流発電機の発電量を制御するため、順変換を行う整流回路における通電タイミングの進角/遅角制御が行われている。
進角/遅角制御は、交流発電機の交流出力電圧の位相に対して、バッテリ充電装置内の整流部を構成するスイッチング素子の通電タイミングを進角側、または遅角側に移動させることにより、交流発電機の発電量を制御するものである。この進角/遅角制御では、バッテリの電圧が基準電圧よりも低くバッテリ充電を必要とする場合、バッテリ充電装置を遅角制御(バッテリ充電状態)し、バッテリの電圧が基準電圧よりも高く充電を必要としない場合、バッテリ充電装置を進角制御(バッテリから交流発電機へエネルギーを放電する状態)とする。
この進角/遅角制御において、従来の三相交流磁石式の三相交流発電機と組み合わせるバッテリ充電装置では、進角/遅角制御に必要な各相の出力電圧の位相検出を、磁界を電流に変換する素子(ホール素子等)または各相巻線と並列に巻かれたサブコイル(交流出力電圧検出用の補助巻線)からの信号を用いて行い、スイッチング素子(Field Effect TransistorもしくはSilicon Controlled Rectifier)の通電タイミングの制御を行っていた。そのため各相に各々磁石位置検出機器(ロータの磁界の検出器)を設けるか、またはサブコイルを設ける必要があった。
例えば、特許文献1においては、交流発電機のU相にサブコイルを設け、U,V,W相電圧検出回路によりU相、V相、W相の各相の交流出力電圧に同期した信号を生成し、この同期信号を基準にして、制御回路により、スイッチング素子(FET)Q1〜Q6の通電タイミングを制御することにより、進角/遅角制御を行う技術が開示されている。
再公表特許WO2007/114272号公報
しかしながら、従来においては、進角/遅角制御を行うために、交流発電機のいずれかの相にサブコイルを設けるか、或いは磁石位置検出機器を設ける必要があるため、交流発電機は大型かつ複雑になり、結果として高価になっていた。また、ホール素子等の磁石位置検出機器を設ける場合、制御回路の電源とは別に電源供給回路が必要となり、また電源供給回路を制御する回路も必要となり、更に大型化、複雑化することになる。また、位相制御を行わないバッテリ充電装置を、位相制御を行う構成を有するバッテリ充電装置に変更する場合、ホール素子等の磁石位置検出機器を後から取り付けることとなるため、大幅な改良が必要となり交流発電機の大型化、複雑化を招いてしまうという問題があった。
本発明は、上記問題を鑑みなされたもので、その目的は、交流発電機に接続され、交流発電機から出力された交流電力を直流電力に変換するブリッジ構成された整流部のスイッチング素子の通電タイミングを、三相交流発電機の交流出力電圧の位相に対して進角/遅角制御を行う位相制御装置において、サブコイル或いは磁石位置検出機器を設けることなく、U相、V相、W相の各相の交流出力電圧に同期した信号を生成する位相制御装置を提供することにある。また、本発明の目的は、位相制御装置で三相交流発電機の進角/遅角制御を行う場合に、交流発電機の構造を簡単化、かつ小型化し、コストの低減を図ることができる、位相制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、U,V,W相からなる三相交流発電機から出力された交流電力を直流電力に変換するブリッジ構成された整流部のスイッチング素子の通電タイミングを、前記三相交流発電機の交流出力電圧の位相に対して進み又は遅らせることにより進角/遅角制御を行う位相制御装置であって、前記三相交流発電機のロータの回転により発生するロータの回転周波数を示す基準交流電圧と、前記三相交流発電機のいずれか一相の交流出力電圧と、に基づいて、前記基準交流電圧に同期した信号を、前記一相の交流出力電圧の周波数の前記基準交流電圧の周波数に対する比率に逓倍してタイミング信号を生成し、該タイミング信号の立ち上がり立ち下がりに同期させて三角波を生成し、生成した三角波の前記一相の交流出力電圧のゼロクロス点における電圧値を記憶し、記憶した該電圧値に基づいて前記一相の交流出力電圧に同期した基準信号を生成する基準信号生成手段と、前記基準信号を基に、U,V,W相からなる三相の同期信号を生成するU,V,W相電圧生成手段と、前記整流部の直流電力側の出力電圧と所定の目標との差分電圧の信号と、前記U,V,W相電圧生成手段により出力される各相の同期信号とに基づき、前記スイッチング素子の通電タイミングの進角/遅角量を求める進角/遅角算出手段と、前記進角/遅角算出手段により求めた進角/遅角量により前記スイッチング素子の進角/遅角制御を行う進角/遅角制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記基準信号生成手段は、前記基準交流電圧と同期した第1のパルス信号を生成する基準方形波生成回路と、前記三相交流発電機の少なくともいずれか一相の交流出力電圧と同期した第2のパルス信号を生成する相コイル電圧生成回路と、前記三相交流発電機の稼動開始時に、前記複数の三角波の前記第2のパルス信号の立ち上がりにおける電圧値を、前記複数の三角波各々に対して読み取り、前記複数の三角波の前記第2のパルス信号の立ち下がりにおける電圧値を、前記複数の三角波各々に対して読み取るゼロクロス点読み取り回路と、前記ゼロクロス点読み取り回路が読み取った電圧を、前記複数の三角波各々に関連付けて記憶するゼロクロス点記憶回路と、を有し、前記基準三角波生成回路は、前記ゼロクロス点記憶回路に記憶された複数の前記立ち上がりにおける電圧値と、予め設定された基準となる電圧範囲を基に、前記複数の三角波のうちから基準となる第1の三角波を選択して第1の基準信号として出力し、前記ゼロクロス点記憶回路に記憶された複数の前記立ち下がりにおける電圧値と、予め設定された前記基準となる電圧範囲を基に、前記複数の三角波のうちから基準となる第2の三角波を選択して第2の基準信号として出力し、前記U,V,W相電圧生成手段は、前記第1の基準信号の前記立ち上がりにおける電圧値に立ち上がり、前記第2の基準信号の前記立ち下がりにおける電圧値に立ち下がる、前期U,V,W相からなる三相の同期信号のうちの少なくともいずれか一相の同期信号を生成する、ことを特徴とする。
また、前記基準信号生成手段は、前記基準交流電圧と同期した第1のパルス信号を生成する基準方形波生成回路と、前記三相交流発電機の少なくともいずれか一相の交流出力電圧と同期した第2のパルス信号を生成する相コイル電圧生成回路と、前記第1のパルス信号を、前記第2のパルス信号の周波数の前記第1のパルス信号の周波数に対する比率に逓倍して逓倍信号を生成する逓倍信号生成回路と、前記逓倍信号の立ち上がり及び立ち下がりに同期させて前記三相交流発電機のいずれか一相の交流出力電圧と同一周波数の三角波を前記基準信号として発生する基準三角波生成回路と、前記三相交流発電機の稼動開始時に、前記基準信号の前記第2のパルス信号の立ち上がりにおける電圧値を読み取り、前記三角波の前記第2のパルス信号の立ち下がりにおける電圧値を、前記基準信号に対して読み取るゼロクロス点読み取り回路と、前記ゼロクロス点読み取り回路が読み取った電圧を、記憶するゼロクロス点記憶回路と、を有し、前記U,V,W相電圧生成手段は、前記ゼロクロス点記憶回路に記憶された前記基準信号の前記立ち上がりにおける電圧値に立ち上がり、前記基準信号の前記立ち下がりにおける電圧値に立ち下がる、前記U,V,W相からなる三相の同期信号のうちの少なくともいずれか一相の同期信号を生成する、ことを特徴とする。
また、本発明は、上記記載の位相制御装置と、前記位相制御装置により通電タイミングを制御される整流部と、を備え、前記整流部の直流電力側の出力電圧に接続されたバッテリを充電するバッテリ充電装置である。
また、前記進角/遅角算出手段は、前記U,V,W相電圧生成回路から出力される各相の矩形波に同期した三角波を生成する同期三角波発生回路と、前記バッテリの電圧と所定の目標電圧とを比較し誤差信号を出力する誤差アンプと、前記同期三角波発生回路から出力される三角波と誤差アンプの出力とを比較することにより進角/遅角量を求める比較回路と、を備え、前記同期三角波発生回路は、前記U,V,W相電圧生成回路から出力される各相の矩形波に同期した三角波を生成して前記比較回路に出力するとともに、生成したU,V,W各相に対応する三角波(それぞれ第2U相三角波、第2V相三角波、第2W相三角波とする)を、180°位相シフトさせた第1U相三角波、第1V相三角波、第1W相三角波をそれぞれ生成して前記比較回路に出力し、前記比較回路は、前記進角/遅角量を求める場合、前記U相の進角/遅角量を、前記同期三角波発生回路から出力される前記第1U相三角波及び前記第2U相三角波と、前記誤差アンプ出力とを比較して求め、前記V相の進角/遅角量を、前記同期三角波発生回路から出力される第1V相三角波及び前記第2V相三角波と、前記誤差アンプ出力とを比較して求め、前記W相の進角/遅角量を、前記同期三角波発生回路から出力される第1W相三角波及び前記第2W相三角波と、前記誤差アンプ出力とを比較して求める、ことを特徴とする。
また、前記比較回路は、前記第1U相三角波と前記誤差アンプ出力とを比較して、前記整流部の直流電力側に設けられたU相に対応するスイッチング素子のオンタイミングを、前記整流部の接地側に設けられたU相に対応するスイッチング素子のオフタイミングを求め、前記第2U相三角波と前記誤差アンプ出力とを比較して、前記整流部の直流電力側に設けられたU相に対応するスイッチング素子のオフタイミングを、前記整流部の接地側に設けられたU相に対応するスイッチング素子のオンタイミングを求め、前記第1V相三角波と前記誤差アンプ出力とを比較して、前記整流部の直流電力側に設けられたV相に対応するスイッチング素子のオンタイミングを、前記整流部の接地側に設けられたV相に対応するスイッチング素子のオフタイミングを求め、前記第2V相三角波と前記誤差アンプ出力とを比較して、前記整流部の直流電力側に設けられたV相に対応するスイッチング素子のオフタイミングを、前記整流部の接地側に設けられたV相に対応するスイッチング素子のオンタイミングを求め、前記第1W相三角波と前記誤差アンプ出力とを比較して、前記整流部の直流電力側に設けられたW相に対応するスイッチング素子のオンタイミングを、前記整流部の接地側に設けられたW相に対応するスイッチング素子のオフタイミングを求め、前記第2W相三角波と前記誤差アンプ出力とを比較して、前記整流部の直流電力側に設けられたW相に対応するスイッチング素子のオフタイミングを、前記整流部の接地側に設けられたW相に対応するスイッチング素子のオンタイミングを求める、ことを特徴とする。
また、本発明は、U,V,W相からなる三相交流発電機から出力された交流電力を直流電力に変換するブリッジ構成された整流部のスイッチング素子の通電タイミングを、前記三相交流発電機の交流出力電圧の位相に対して進み又は遅らせることにより進角/遅角制御を行う位相制御装置における位相制御方法であって、前記三相交流発電機のロータの回転により発生するロータの回転周波数を示す基準交流電圧と、前記三相交流発電機のいずれか一相の交流出力電圧と、に基づいて、前記基準交流電圧に同期した信号を、前記一相の交流出力電圧の周波数の前記基準交流電圧の周波数に対する比率に逓倍してタイミング信号を生成し、該タイミング信号の立ち上がり立ち下がりに同期させて三角波を生成し、生成した三角波の前記一相の交流出力電圧のゼロクロス点における電圧値を記憶し、記憶した該電圧値に基づいて前記一相の交流出力電圧に同期した基準信号を生成する基準信号生成手順と、前記基準信号を基に、U,V,W相からなる三相の同期信号を生成するU,V,W相電圧生成手順と、前記整流部の直流電力側の出力電圧と所定の目標との差分電圧の信号と、前記U,V,W相電圧生成手順により出力される各相の同期信号とに基づき、前記スイッチング素子の通電タイミングの進角/遅角量を求める進角/遅角算出手順と、前記進角/遅角算出手順により求めた進角/遅角量により前記スイッチング素子の進角/遅角制御を行う進角/遅角制御手順と、を含むことを特徴とする。
また、前記基準信号生成手順は、前記基準交流電圧と同期した第1のパルス信号を生成する基準方形波生成手順と、前記三相交流発電機の少なくともいずれか一相の交流出力電圧と同期した第2のパルス信号を生成する相コイル電圧生成手順と、前記第1のパルス信号を、前記第2のパルス信号の周波数の前記第1のパルス信号の周波数に対する比率に逓倍して前記三相交流発電機のいずれか一相の交流出力電圧と同一周期の複数の三角波を発生する基準三角波生成手順と、前記三相交流発電機の稼動開始時に、前記複数の三角波の前記第2のパルス信号の立ち上がりにおける電圧値を、前記複数の三角波各々に対して読み取り、前記複数の三角波の前記第2のパルス信号の立ち下がりにおける電圧値を、前記複数の三角波各々に対して読み取るゼロクロス点読み取り手順と、前記ゼロクロス点読み取り手順により読み取った電圧を、前記複数の三角波各々に関連付けて記憶するゼロクロス点記憶手順と、を有し、前記基準三角波生成手順は、前記ゼロクロス点記憶手順により記憶された複数の前記立ち上がりにおける電圧値と、予め設定された基準となる電圧範囲を基に、前記複数の三角波のうちから基準となる第1の三角波を選択して第1の基準信号として出力し、前記ゼロクロス点記憶手順により記憶された複数の前記立ち下がりにおける電圧値と、予め設定された前記基準となる電圧範囲を基に、前記複数の三角波のうちから基準となる第2の三角波を選択して第2の基準信号として出力する手順であり、前記U,V,W相電圧生成手順は、前記第1の基準信号の前記立ち上がりにおける電圧値に立ち上がり、前記第2の基準信号の前記立ち下がりにおける電圧値に立ち下がる、前期U,V,W相からなる三相の同期信号のうちの少なくともいずれか一相の同期信号を生成する手順である、ことを特徴とする。
また、前記基準信号生成手順は、
前記基準交流電圧と同期した第1のパルス信号を生成する基準方形波生成手順と、前記三相交流発電機の少なくともいずれか一相の交流出力電圧と同期した第2のパルス信号を生成する相コイル電圧生成手順と、前記第1のパルス信号を、前記第2のパルス信号の周波数の前記第1のパルス信号の周波数に対する比率に逓倍して逓倍信号を生成する逓倍信号生成手順と、前記逓倍信号の立ち上がり及び立ち下がりに同期させて前記三相交流発電機のいずれか一相の交流出力電圧の二倍の周波数の三角波を前記基準信号として発生する基準三角波生成手順と、前記三相交流発電機の稼動開始時に、前記基準信号の前記第2のパルス信号の立ち上がりにおける電圧値を読み取り、前記三角波の前記第2のパルス信号の立ち下がりにおける電圧値を、前記基準信号に対して読み取るゼロクロス点読み取り手順と、前記ゼロクロス点読み取り手順により読み取った電圧を、記憶するゼロクロス点記憶手順と、を有し、前記U,V,W相電圧生成手順は、前記ゼロクロス点記憶手順により記憶された前記基準信号の前記立ち上がりにおける電圧値に立ち上がり、前記基準信号の前記立ち下がりにおける電圧値に立ち下がる、前期U,V,W相からなる三相の同期信号のうちの少なくともいずれか一相の同期信号を生成する手順である、ことを特徴とする。
この本発明によれば、基準信号発生手段は、三相交流発電機のロータの回転により発生するロータの回転周波数を示す基準交流電圧と、三相交流発電機のいずれか一相の交流出力電圧と、に基づいて、基準交流電圧に同期した信号を、一相の交流出力電圧の周波数の基準交流電圧の周波数に対する比率に逓倍してタイミング信号を生成する。そして、該タイミング信号の立ち上がり立ち下がりに同期させて三角波を生成し、生成した三角波の一相の交流出力電圧のゼロクロス点における電圧値を記憶し、記憶した該電圧値に基づいて、一相の交流出力電圧に同期した基準信号を生成する。また、U,V,W相電圧生成手段は、基準信号を基にU,V,W相からなる三相の同期信号を生成する。これにより、サブコイル或いは磁石位置検出機器を設けず、U相、V相、W相の各相の交流出力電圧に同期した信号を生成する位相制御装置を提供することができ、位相制御装置を備えたバッテリ充電装置等において、装置を簡単化、かつ小型化できるので、製造コストの低減を図ることができる。
本発明の位相制御装置を用いたバッテリ充電装置3の基本構成例を示すブロック図である。 図1に示す基準信号生成回路7及び三相同期方形波生成回路11の基本構成例を示す回路図である。 図2に示す基準信号生成回路7及び三相同期方形波生成回路11の動作説明に用いるタイミングチャートである。 図1に示された発電機のU相の交流電圧波形に同期した矩形波を示す波形図である。 本発明の実施例において、三角波を生成するメカニズムについて説明するための図である。 基準信号生成回路7における基準三角波Ptrg1及び基準三角波Ptrg2の発生を説明するために用いるタイミングチャートである。 三相同期方形波生成回路11におけるU相同期信号Ruの発生を説明するために用いるタイミングチャートである。 U,V,W相電圧生成回路の構成を説明するための図である。 U,V,W相電圧生成回路におけるV相同期信号Rv及びW相同期信号Rwを生成するメカニズムについて説明するための図である。 図1に示す基準信号生成回路7及び三相同期方形波生成回路11の他の構成例を示す回路図である。 基準信号生成回路7aにおける基準三角波Psawの発生説明に用いるタイミングチャートである。 本発明の実施例における進角制御通電タイミングを示す波形図である。 本発明の実施例における遅角制御通電タイミングを示す波形図である。 本発明の位相制御装置を用いたバッテリ充電装置の他の実施例を示すブロック図である。 本発明の実施例における遅角リミット値の設定工程を示すフローチャートである。 本発明の実施例における遅角リミット値の設定方法を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明による位相制御装置を用いたバッテリ充電装置の基本構成例を示すブロック図であり、永久磁石式の三相交流発電機(以下、交流発電機1とする)の交流出力電圧を全波整流して、その出力でバッテリ2を充電するバッテリ充電装置3の例である。
このバッテリ充電装置3では、交流発電機1からの三相交流出力を整流する全波整流回路3bを、Nチャネル型パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor FET)であるスイッチング素子Q1〜Q6の三相ブリッジ構成としている。そして、位相制御装置3aは、各スイッチング素子のスイッチング動作のタイミング(通電タイミング)を、交流発電機1の交流出力電圧に対して位相を遅らせる遅角制御、または進ませる進角制御を行うことにより、すなわち、交流発電機1の出力する交流波形の位相制御を行うことにより、バッテリ2の充電状態(または放電状態)を制御している。
このバッテリ充電装置3の位相制御装置3aにおいて、基準信号生成回路7及び三相同期方形波生成回路11が、本発明の特徴をなす部分である。基準信号生成回路7が、交流発電機1の回転周期により生成した基準信号を基に、三相同期方形波生成回路11において、U相、V相、W相の各相に同期した信号を生成する。
この基準信号生成回路7及び三相同期方形波生成回路11の構成と動作の詳細については後述する。以下、図1に示すバッテリ充電装置3の全体構成の概要について説明する。
三相交流発電機1は、エンジン(内燃機関)のクランク軸に取り付けられたロータ4と、
エンジンのケースなどに固定されたステータ5とからなっている。
ロータ4は、鉄等の強磁性材料によりカップ状に形成されたロータヨーク(不図示)と、このロータヨークにおける周壁部の内周に取付けられた複数の永久磁石(不図示)を備え、永久磁石により界磁を構成した周知のものである。また、図示していないが、ロータヨークの底壁部の中央にはボスが設けられ、このボスがエンジンのクランク軸に取り付けられている。
また、ステータ5は、ロータ4の磁極に対向する磁極部を有する電機子鉄心(不図示)と、この電機子鉄心に巻回された電機子巻線とからなっている。電機子巻線はスター結線されたU、V、W相各々に対応する三つの相巻線を有し、それぞれの相巻線の中性点と反対側の端部からそれぞれ三相の出力が導出されている。また、導出された三相の出力は、それぞれスイッチング素子Q1〜Q6からなる全波整流回路3bと接続されている。
一般に、エンジンは、その点火時期を制御したり、燃料の噴射を制御したりするために、クランク角の情報や、回転速度の情報を必要とする。これらの情報を得るため、ロータ4は、外周部に信号発生用のリラクタ(誘導子)と呼ばれる突起部4aを備えている。
パルサコイル6(点火用コイル)は、突起部4a(リラクタ)に対向する磁極部を備えた鉄心(不図示)と、その鉄心に巻かれたパルサコイルと、鉄心に磁気結合された永久磁石とを備える。パルサコイル6は、エンジンのクランク軸の回転に伴って、突起部4aがパルサコイル6の鉄心の磁極部との対向を開始する際、及び突起部4aが磁極部との対向を終了する際にそれぞれパルス信号(基準交流電圧)を出力する。
基準信号生成回路7(基準信号生成手段)は、パルサコイル6からのパルス信号(基準交流電圧)と、交流発電機1のステータ5からの三相の出力のいずれか一相の出力(一相の交流出力電圧)とに基づいて、一相の交流出力電圧と同一周期の信号であるU相同一周期信号Ruspを生成する。また、基準信号生成回路7(基準信号生成手段)は、後述するように、交流発電機1の三相各相それぞれと同一周期の矩形波の信号を生成するとともに、そこから複数の三角波を生成し、交流発電機1の稼動直後の所定期間において、複数の三角波から基準三角波Ptrg1及び基準三角波Ptrg2を決定する。
三相同期方形波生成回路11(U,V,W相電圧生成手段)は、基準三角波Ptrg1及び基準三角波Ptrg2を基に交流発電機1のいずれか一相に同期した矩形波の信号を生成するとともに、他の二相の同期信号を生成し、三相同期三角波生成回路12に出力する。
三相同期三角波生成回路12は、三相同期方形波生成回路11から出力される3相分の矩形波の信号から、これらの信号に同期した三角波を生成する。この三角波は矩形波のパルス幅に無関係に、立ち上がり開始時における電圧値(最小電圧値)と立ち上がり終了時における電圧値(最大電圧値)が等しい(高さVp)三角波である。
誤差アンプ13は、実際のバッテリ電圧Vbatからのフィードバック信号Vfbと、バッテリ充電電圧の設定値(目標値)Vrefとを比較して、その差の信号を増幅し誤差アンプ出力Vcとして出力する。なお、誤差アンプ出力Vcは、バッテリ電圧Vbatが低く、「Vfb<Vref」の場合に、「Vc>0」となり、バッテリ電圧Vbatが高く、「Vfb>Vref」の場合に、「Vc<0」となる。「Vc>0」の場合には、バッテリ2への充電(遅角制御)が行われ、「Vc<0」の場合には、バッテリ2からの放電(進角制御)が行われる。
比較回路(進角/遅角算出手段)14は、三相同期三角波生成回路12から出力される三角波と誤差アンプ13の出力Vcとを比較し、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングタイミング(進角/遅角量θ)を決定し、該進角/遅角量θの信号を制御回路20に出力する。
制御回路20中の進角または遅角制御回路21(進角/遅角制御手段)は、比較回路14から通電タイミング(進角/遅角量θ)の信号を受け取り、スイッチング素子Q1〜Q6のONまたはOFF信号を生成しFET駆動信号生成回路22に出力する。なお、この際に、遅角量が所定の遅角リミット値以上にならないように制限する。
FET駆動信号生成回路22は、進角または遅角制御回路21から、スイッチング素子Q1〜Q6のONまたはOFF信号を受け取り、スイッチング素子Q1〜Q6をONまたはOFFするための駆動信号(ゲートドライブ信号)を生成する。
全波整流回路3bは、FET(Field Effect Transistor)の3相ブリッジで構成されるスイッチング素子Q1〜Q6から構成される。スイッチング素子Q1は、直流電源となるバッテリ2のプラス側の電圧Vbatと交流発電機1のU相出力との間に接続され、スイッチング素子Q2は、バッテリ2のプラス側の電圧Vbatと交流発電機1のV相出力との間に接続され、スイッチング素子Q3は、バッテリ2のプラス側の電圧Vbatと交流発電機1のW相出力との間に接続されている。
また、スイッチング素子Q4は、交流発電機1のU相出力とバッテリ2の接地電源との間に接続され、スイッチング素子Q5は、交流発電機1のV相出力とバッテリ2の接地電源との間に接続され、スイッチング素子Q6は、交流発電機1のW相出力とバッテリ2の接地電源との間に接続されている。
これらのスイッチング素子Q1〜Q6は、FET駆動信号生成回路22から出力されるゲートドライブ信号により駆動される。
(基準信号生成回路7及び三相同期方形波生成回路11についての説明)
次に、基準信号生成回路7及び三相同期方形波生成回路11の構成と動作について、図2及び図3を用いて説明する。
図2は、図1に示す基準信号生成回路7及び三相同期方形波生成回路11の基本構成例を示す回路図である。
この基準信号生成回路7においては、パルサコイル6からのパルス信号(基準交流電圧)と、交流発電機1のステータ5からの三相の出力のいずれか一相の出力(一相の交流出力電圧)とに基づいて、三相出力と同一周期の矩形波を生成する。同一周期であれば、同一位相でなくても構わない。また、基準信号生成回路7(基準信号生成手段)は、交流発電機1の三相と同一周期の矩形波の信号を生成するとともに、そこから複数の三角波Ptrgを生成し、交流発電機1の稼動直後の所定期間において、複数の三角波から基準三角波Ptrg1及び基準三角波Ptrg2(基準信号)を決定する。また、基準信号生成回路7は、後段の三相同期方形波生成回路11においてU相同期信号Ruを生成するに際して用いる閾値電圧VthH及びVthLを決定する。
三相同期方形波生成回路11(U,V,W相電圧生成手段)は、基準三角波Ptrg1及び基準三角波Ptrg2と、閾値電圧VthH及びVthLを基に、U相同期信号Ruを生成するとともに、他の二相の同期信号(V相同期信号Rv、W相同期信号Rw)を生成する。すなわち、三相同期方形波生成回路11は、交流発電機1の三相各相に同期した矩形波の信号を生成し、三相同期三角波生成回路12に出力する回路である。
ここで、同期した信号とは、位相及び周波数が一致する信号をいう。また、以下の説明において信号Aの立ち上がり又は立ち下がりをとらえて、信号Bを立ち上げ、又は立ち下げるとき、立ち上がり又は立ち下がりに同期させというように、「同期」を使用する場合もある。
図3は図2に示す基準信号生成回路7及び三相同期方形波生成回路11の動作説明に用いるタイミングチャートである。
基準信号生成回路7は、基準方形波生成回路71、相コイル電圧生成回路72、逓倍信号生成回路74、基準三角波生成回路75、及び位相検出回路8(ゼロクロス読み取り回路81、ゼロクロス点記憶回路82)から構成される。
基準方形波生成回路71は、図2に示すようにNPN型のバイポーラトランジスタ等を有し、パルサコイル6がエンジンの回転に伴って発生するパルス信号(基準交流電圧)を直流電圧であるパルス信号Pa(第1のパルス信号)に変換する。パルス信号Paは、パルス信号(基準交流電圧)と同期した信号である。
また、基準方形波生成回路71は、図3に示す一周期Tpulserのパルス信号Paを位相調整回路73に対して出力する。
パルス信号Paは、ロータ4における突起部4aが、例えばi個設けられている場合、エンジン一回転の周期Tの間に、ローレベル(Lレベル)からハイレベル(Hレベル)への変化、及びHレベルからLレベルの変化の組合せを、i回繰り返す信号となる。図3においては、i=6の場合を示している。ここで本実施形態においては、信号のハイレベル(Hレベル)及びローレベル(Lレベル)各々の期間を、それぞれ1パルスと呼ぶこととする。図3に示すパルス信号Paは、エンジン一回転の周期Tの間に、Hレベルのパルスがパルス1、3、5、7、9、11の6個(i個)、Lレベルのパルスがパルス1、3、5、7、9、11の6個(i個)からなる。
パルス信号Paは、エンジンの稼働中において、エンジンの回転数が変化した場合、エンジンの一周期Tに比例して一周期Tpulserが変化する信号である。以下の説明において、突起部4aはロータ4にi箇所設けられているものとし、パルス信号Paの周期Tpulserは、エンジン一回転の周期Tの(1/i)倍であるとする。
相コイル電圧生成回路72は、図2に示すようにNPN型のバイポーラトランジスタ等を有し、ステータ5からのU相の出力信号(一相の交流出力電圧)を直流電圧であるパルス信号Pb(第2のパルス信号)に変換する。また、相コイル電圧生成回路72は、一周期Tphaseのパルス信号Pbを位相調整回路73に対して出力する。パルス信号Pbは、U相の出力信号(一相の交流出力電圧)と同期したU相ゼロクロス信号である。
図3においては、ステータ5のU相(一相の交流出力電圧)が、エンジン一回転の周期Tの間に、負電圧から正電圧の変化をj周期分繰り返す様子を示している。パルス信号Pbは、ステータ5からのU相の出力信号に同期した信号であるため、図3に示すように、エンジン一回転の周期Tの間に、LレベルからHレベルへの変化、及びHレベルからLレベルの変化の組合せを、j回繰り返す信号となる。図3においては、j=10の場合を示しており、パルス信号Pbは、エンジン一回転の周期Tの間に、Hレベルのパルスがパルス1、3、5、7、9、…17、19の10個(j個)、Lレベルのパルスがパルス2、4、6、8、10、…、18、20の10個(j個)からなる。以下の説明において、パルス信号Pbの周期Tphaseは、エンジン一回転の周期Tの(1/j)倍であるとする。
ここで、エンジン稼動直後及びエンジンの稼働中におけるパルス信号Paとパルス信号Pbとの関係(周波数及び位相)について説明する。
上述の通り、パルス信号Paの周期Tpulserは、エンジン一回転の周期Tの(1/i)倍であり、パルス信号Pbの周期Tphaseは、エンジン一回転の周期Tの(1/j)倍である。また、パルス信号Pbの周波数はステータ5からのU相の出力信号の周波数と同一である。つまり、U相の出力信号の周波数のパルス信号Paの周波数に対する比率は(j/i)であり、この比率(j/i)は、エンジンの稼働中において変化しない一定の値である。従って、エンジン稼動中において、パルス信号Paを(j/i)に逓倍した逓倍信号を生成すれば、稼働中におけるステータ5からのU相の出力信号と同一周期の矩形波(U相同一周期信号)を生成し続けることが可能である。つまり、エンジン稼働中において、パルス信号Pbを用いることなく、パルス信号Paを用いるだけで、U相同一周期信号を生成することが可能である。
なお、エンジンの稼働中においては、ステータ5からのU相の出力信号は位相制御に用いるため、エンジン稼動直後における波形と比べて歪んだ波形となり、相コイル電圧生成回路72が出力するパルス信号Pbも稼動直後に比べて歪んだ波形とある。そのため、このパルス信号Pbを、上記逓倍信号の生成に使用することはできない。
一方、位相については、パルス信号Paとパルス信号Pbとの間では、上述の通り周波数が異なるため、位相は一致せず、図3に示すようにパルス信号Paとパルス信号Pbの位相はΔθaずれている。また、パルス信号Pbは、上述の通り、エンジンの稼働中において使用することができない。従って、上記U相同一周期信号を、ステータ5からのU相の出力信号と位相も周波数も一致したU相同期信号Ruとするには、まず、エンジンの稼動直後において、上記U相同一周期信号から複数の三角波Ptrgを生成し、交流出力(U相)のゼロクロス点における複数の三角波Ptrg各々の電圧値を読み取り、これを記憶する。そして、予め設定された基準となる電圧範囲を基に、複数の三角波Ptrgのうちから基準となる第1の基準三角波Ptrg1及び第2の基準三角波Ptrg2を基準信号として決定する。また、第1の基準三角波Ptrg1のゼロクロス点における電圧値及び第2の基準三角波Ptrg2のゼロクロス点における電圧値を、それぞれ閾値電圧Vtha及びVthbと決定する。そして、第1の基準三角波Ptrg1の電圧レベルが閾値電圧Vthaになったときに立ち上がり、第2の基準三角波Ptrg2の電圧レベルが閾値電圧Vthbになったときに立ち下がる信号を生成することで、U相同期信号Ruを生成することができる。
逓倍信号生成回路74は、パルス信号Paを(j/i)に逓倍したU相同一周期信号Ruspを生成し、基準三角波生成回路75に対して出力する。また、逓倍信号生成回路74は、U相同一周期信号Ruspを120°、240°位相シフトして、V相同一周期信号Rvsp,W相同一周期信号Rwspを生成し、それぞれ基準三角波生成回路75に対して出力する。なお、位相シフトの方法は、周知の技術であってもよく、例えば後述するU相同期信号RuからV相同期信号Rv及びW相同期信号Rwを生成する方法である。
(三角波電圧の発生方法の説明)
また、基準三角波生成回路75は、U相同一周期信号Rusp、V相同一周期信号Rvsp,W相同一周期信号Rwsp各々に同期した複数の三角波Ptrgを生成する。
U相同一周期信号Rusp等から複数の三角波Ptrgを生成し、このうちの2つの三角波をエンジンの稼働中においても使用するには、U相同一周期信号Rusp等のパルス幅に無関係に、立ち上がり開始時における電圧値(最小電圧値)と立ち上がり終了時における電圧値(最大電圧値)が等しい(高さVp)三角波を生成する必要がある。なぜなら、エンジンの回転に同期してパルサコイル6から発生するパルス信号(基準交流電圧)の周波数の変化に応じて、U相同一周期信号Rusp等の周波数が変わるためである。つまり、エンジンの稼働中において周波数が負荷により変動した場合でも、位相を検出するため交流電圧のゼロクロス点における三角波の電圧値を取得する必要があるからである。ここで、図4および図5を参照して、U相同一周期信号Ruspに同期したピーク電圧一定の三角波の発生メカニズムの一例について説明する。
一般には交流発電機が出力する交流電圧の周波数は急激に変化しないので、1サイクル前の波形と現在のサイクルの波形は同様と考えることができる。例えば、図4において、波形2が現在のサイクルの波形だとすれば、波形2の半周期T2と、その1サイクル前の波形1の半周期T1とは同様である。
上述の特性を利用して、次の手順により三角波電圧VBを生成する。
(手順1)図4に示すように、波形1のサイクルにおいて、交流発電機が出力する交流電圧VAから矩形波Sを生成する。この波形1に対応する矩形波Sの半周期は、波形1のサイクルにおける交流電圧VAの半周期T1と一致する。
(手順2)続いて、矩形波Sの半周期T1の時間をカウントする。
(手順3)続いて、半周期T1の時間のカウント数を所定の分解能nで除算して、時間t1(=T1/n)を得る。ここで、分解能nは、三角波電圧VBのスロープの滑らかさを規定する量であり、分解能nが高い程、三角波電圧VBのスロープが滑らかになる。
(手順4)続いて、三角波電圧VBのピーク電圧Vpを所定の分解能nで除算して、電圧v1(=Vp/n)を得る。
(手順5)続いて、図5に示すように、次のサイクルの波形2の立ち上がりタイミング(T2をカウントし始めるタイミング)で、上記電圧v1だけ三角波電圧VBを上昇させ、この三角波電圧VBを上記時間t1の間だけ維持する。
(手順6)同じ波形2のサイクルにおいて、上記時間t1が経過したタイミングで上記電圧v1だけ三角波電圧VBを更に上昇させ、これを全部でn回繰り返すと、図5に示すような階段状の波形が得られ、波形2のサイクルに対応する三角波電圧のスロープ部分に相当する階段状の波形が得られる。分解能nの値を大きくすれば、階段状の波形が滑らかになり、一層良好な三角波を得ることができる。
以上の手順により、1サイクル前の交流電圧VAの波形を用いて、交流電圧VAの各周期に対応した三角波電圧であって、ピーク電圧Vpが一定の三角波を生成することができる。なお、上記手順1においては、交流波形VAから矩形波Sを生成しているが、基準三角波生成回路75は、上記手順2〜6を利用するものである。なぜなら、U相同一周期信号Rusp等各々は、既に交流発電機1のステータ5から出力される交流出力電圧と周期は同一となっているからである。
基準三角波生成回路75は、U相同一周期信号Ruspに同期した三角波c及び三角波dを、V相同一周期信号Rvspに同期した三角波e及び三角波fを,W相同一周期信号Rwspに同期した三角波a及び三角波bを生成する。図6に示す三角波a〜三角波fが、基準三角波生成回路75が生成する複数の三角波Ptrgである。
基準三角波生成回路75は、上記複数の三角波Ptrgを位相検出回路8に対して出力し、交流発電機1の稼動直後の所定期間において、複数の三角波Ptrgから基準三角波Ptrg1及びPtrg2(基準信号)を決定するとともに、後段の三相同期方形波生成回路11においてU相同期信号Ruを生成するに際して用いる閾値電圧Vtha及びVthbを決定する。次に、図6を用いて、この決定処理について説明する。
図6は、基準信号生成回路7における位相検出回路8が行う基準三角波Ptrg1及び基準三角波Ptrg2の発生を説明するために用いるタイミングチャートである。
位相検出回路8は、ゼロクロス読み取り回路81とゼロクロス点記憶回路82から構成される。
ゼロクロス読み取り回路81は、エンジンの稼動直後において、パルス信号Pbの立ち上がり及び立ち上がりにおける、複数の三角波Ptrg各々の電圧値を読み取り、ゼロクロス点記憶回路82へ、複数の三角波Ptrg毎に記憶させる。
また、ゼロクロス点記憶回路82は、「波形情報Nwv」、「立ち上がり電圧値ViH」、「立ち下がり電圧値ViL」からなる項目を有する。「波形情報Nwv」は、複数の三角波Ptrgの名称であり、この場合、三角波a〜fである。「立ち上がり電圧値ViH」、「立ち下がり電圧値ViL」は、ゼロクロス読み取り回路81が読み取る電圧値を示す。ゼロクロス点記憶回路82は、「波形情報Nwv」をキーとして、ゼロクロス点記憶回路82に測定した電圧値を記憶させる。また、基準三角波生成回路75は、「波形情報Nwv」をキーとして、ゼロクロス点記憶回路82に記憶された電圧値を参照する。
ゼロクロス読み取り回路81は、図6に示すように、パルス信号Pbの立ち上がり時刻t1において、複数の三角波Ptrg各々の電圧値VaH(〜VfH)を読み取り、ゼロクロス点記憶回路82へ、複数の三角波Ptrg毎に記憶させる。また、ゼロクロス読み取り回路81は、パルス信号Pbの立ち下がり時刻t2において、複数の三角波Ptrg複数の電圧値VaL(〜VfL)を読み取り、ゼロクロス点記憶回路82へ、複数の三角波Ptrg毎に記憶させる。
基準三角波生成回路75は、ゼロクロス点記憶回路82の「立ち上がり電圧値ViH」を「波形情報Nwv」をキーとして参照し、複数の三角波Ptrgのうち、立ち上がり電圧値ViHが、予め設定された基準となる電圧範囲「Vth1−ΔVth1<ViH<Vth1+ΔVth1」を満たす三角波を第1の基準三角波Ptrg1と決定する。また、基準三角波生成回路75は、ゼロクロス点記憶回路82の「立ち下がり電圧値ViL」を「波形情報Nwv」をキーとして参照し、複数の三角波Ptrgのうち、立ち下がり電圧値ViLが、予め設定された基準となる電圧範囲「Vth2−ΔVth2<ViL<Vth2+ΔVth2」を満たす三角波を第2の基準三角波Ptrg2と決定する。ここで、Vth1及びVth2は、一定電圧である三角波のピーク電圧Vpのほぼ中央であるVp/2の値であることが望ましい。
なお、ΔVth1及びΔVth2は、基準三角波生成回路75が行う判定の際の電圧幅であり、例えば、それぞれVth1及びVth2の5〜10%の値に設定される。なお、Vth1とVth2は同じ値であってもよく、ΔVth1とΔVth2も同じ値であってもよく、予め設定されている値である。
また、基準三角波生成回路75は、上記電圧範囲において、基準三角波を決定できない場合、上記電圧範囲に一番近い三角波を基準三角波と決定する。本実施形態では、図6に示すように、三角波aの電圧値VaHが予め設定された基準となる電圧範囲にあり、基準三角波生成回路75は、複数の三角波Ptrgのうちから、三角波aを第1の基準三角波Ptrg1と決定する。また、三角波bの電圧値VbLが予め設定された基準となる電圧範囲にあり、基準三角波生成回路75は、複数の三角波Ptrgのうちから、三角波bを第2の基準三角波Ptrg2と決定する。
また、基準三角波生成回路75は、三相同期方形波生成回路11での矩形波(U相同期信号)生成に用いる閾値VthH及び閾値VthLを決定する。本実施形態においては、基準三角波生成回路75は、第1の基準三角波Ptrg1のパルス信号Pbの立ち上がりにおける電圧値VaHを閾値VthHとし、第2の基準三角波Ptrg2のパルス信号Pbの立ち下がりにおける電圧値VbLを閾値VthLと決定する。
以降、エンジンの駆動中において、基準三角波生成回路75は、決定した第1の基準三角波Ptrg1及び第2の基準三角波Ptrg2を発生し続け、三相同期方形波生成回路11に対して出力し続ける。
三相同期方形波生成回路11は、入力される第1の基準三角波Ptrg1及び第2の基準三角波Ptrg2を用いて、U相同期信号Ruを生成する。
図7は、三相同期方形波生成回路11におけるU相同期信号Ruの発生を説明するために用いるタイミングチャートである。また、図8(a)は、U相同期信号Ruを生成する回路の構成例を示す図である。以下、図7及び図8(a)を用いて動作を説明する。
図8(a)において、比較器B1には、(+)入力端子に第1の基準三角波Ptrg1が入力され、(−)端子に閾値VthHが入力される。また、比較器B2には、(+)入力端子に第2の基準三角波Ptrg2が入力され、(−)端子に閾値VthLが入力される。また、SRフリップフロップSR1は、セット端子Sが比較器B1の出力に接続され、リセット端子Rが比較器B2の出力に接続される。SRフリップフロップSR1は、ノア回路NOR1とノア回路NOR2から構成される。ノア回路NOR1は、二入力の一入力端がリセット端子Rに接続され、他端がノア回路NOR2の出力端に接続され、出力がQバー端子に接続される。また、ノア回路NOR2は、二入力の一入力端がセット端子Sに接続され、他端がノア回路NOR1の出力端に接続され、出力がQ端子に接続される。
この構成により、図7(a)に示すように、比較器B1の出力(パルス(A))は、第1の基準三角波Ptrg1の電圧レベルがVthHからVpの間(時刻t1〜t2の間)、Hレベルとなる。また、比較器B2の出力(パルス(B))は、第2の基準三角波Ptrg2の電圧レベルがVthLからVpの間(時刻t3〜t4の間)、Hレベルとなる。
また、SRフリップフロップSR1の出力Qは、時刻t1〜t3の間、Hレベルとなり、時刻t3から、次に第1の基準三角波Ptrg1の電圧レベルがVthHとなって比較器B1の出力がHレベルとなる時刻t5の間(時刻t3〜t5の間)、Lレベルとなる。
ここで、第1の基準三角波Ptrg1及び第2の基準三角波Ptrg2は、いずれもU相同一周期信号に同期する信号であるから、その周波数は交流発電機1のU相出力と同一周期の信号である。また、閾値電圧VthH及び閾値電圧VthLはいずれもエンジン稼動直後において、交流発電機1のU相出力と同期した信号であるパルス信号Pb(U相ゼロクロス信号)の立ち上がり又は立ち下がりで取得した電圧値であるから、閾値電圧VthHで立ち上がり、閾値電圧VthLで立ち下がる信号は、交流発電機1のU相出力と位相差のない信号である。すなわち、SRフリップフロップSR1の出力Qから取り出す信号は、交流発電機1のU相出力と位相及び周波数が一致する信号であるU相同期信号Ruである。
例えば、エンジンの稼働中に、交流発電機1のステータ5からのU相の出力の周波数が2倍となれば、パルサコイル6からのパルス信号(基準交流電圧)の周波数も2倍となり、パルス信号Paの周波数も2倍となる。これにより、基準三角波生成回路75が生成する第1の基準三角波Ptrg1及び第2の基準三角波Ptrg2の周波数も2倍となる(図7(b)参照)。しかし、閾値VthH及び電圧値VbLは、エンジン稼働直後に取得した電圧であるので、エンジン稼働中において変化することはない。そのため、三相同期方形波生成回路11が生成するU相同期信号Ruの周波数も、交流発電機1のステータ5からのU相の出力の周波数が2倍になれば、2倍となる。
(V相同期信号Rv、W相同期信号Rwの生成方法)
このように、上述した基準信号生成回路7及び三相同期方形波生成回路11により、U,V,W相からなる三相の同期信号のうちの少なくともいずれか一相の同期信号(上記例ではU相同期信号Ru)を生成することが可能となる。
他の二相については、上記実施例と同様の方法で生成すれば、V相同期信号Rv、W相同期信号Rwについて生成することは可能となる。この場合、例えば、基準信号生成回路7及び三相同期方形波生成回路11を、V相及びW相についても設けることで対応すればよい。
あるいは、次に説明するように、既に生成したU相同期信号Ruから、上述した三角波生成の手法を用いて、V相同期信号Rv、W相同期信号Rwを生成することが可能である。
図9は、U,V,W相電圧生成回路の動作を説明するための図であり、U相同期信号Ruから、V相同期信号RvおよびW相同期信号Rwを生成する方法を説明するための図である。以下、図9を参照して、その手順について説明する。
(手順1)最初に、U相同期信号Ruの“H(ハイ)”側に同期した三角波(e)を生成する。この三角波(e)はU相同期信号Ruに同期しており、位相幅が180°(0°〜180°)である。また、この三角波(e)はU相同期信号Ruのパルス幅に無関係に、立ち上がり開始時における電圧値(最小電圧値)と立ち上がり終了時における電圧値(最大電圧値)が等しい(高さVp)三角波である。なお、U相同期信号Ruのパルス幅に無関係に、立ち上がり開始時における電圧値(最小電圧値)と立ち上がり終了時における電圧値(最大電圧値)が等しい(高さVp)三角波の生成方法については上述した通りである。
(手順2)同様にして、U相同期信号Ruの“L(ロー)”側に同期した三角波(f)を生成する。この三角波(f)はU相同期信号Ruに同期しており、位相幅が180°(180°〜360°)である。また、この三角波(f)についてもU相同期信号Ruのパルス幅に無関係に、立ち上がり開始時における電圧値(最小電圧値)と立ち上がり終了時における電圧値(最大電圧値)が等しい(高さVp)三角波である。
(手順3)次に、三角波(e)のピーク電圧Vpの1/3の高さの点X1と、2/3の高さの点X2を求める。これにより、点X0(三角波(e)の立ち上がり点)と点X1の間、点X1と点X2との間、および点X2と点X3(三角波(e)の立下り点)との間は、それぞれ位相幅が60°となる。同様にして、三角波(f)のピーク電圧Vpの1/3の高さの点Y1、2/3の高さの点Y2を求める。
(手順4) 次に、点X2から点X3まで“H”となるパルスa1を生成し、また、点Y2から点Y3(三角波(f)の立下り点)まで“H”となるパルスb1を生成する。
(手順5) そして、パルスa1の立ち上がりエッジで“H”となり、パルスb1の立ち上がりエッジで“L”に戻る矩形波を生成し、これをV相同期信号Rvとする。
(手順6) 次に、点X1から点X3まで“H”となるパルスc1を生成し、また、点Y1から点Y3まで”H”となるパルスd1を生成する。
(手順7) そして、パルスd1の立ち上がりエッジで“H”となり、パルスc1の立ち上がりエッジで0に戻る矩形波を生成し、これをW相同期信号Rwとする。
上述した手順により、U相に対して120°位相が遅れたV相同期信号Rv、U相に対して240°位相が遅れたW相同期信号Rwを生成することができる。
また、図8(b)は、U相の矩形波とU相に同期した三角波(e)、(f)から、V相、W相の矩形波を生成する回路の構成例を示す図である。以下、図8(b)を参照して、その動作について説明する。
三角波のピーク電圧Vpは、直列に3本接続された抵抗Rにより分圧され、(1/3)×Vpの電圧が比較器A2、A4の(−)入力端子に基準電圧として入力され、(2/3)×Vpの電圧が比較器A1、A3の(−)入力端子に基準電圧として入力される。また、比較器A1、A2の(+)入力端子に三角波(e)が入力され、比較器A3、A4の(+)入力端子に三角波(f)が入力される。
従って、比較器A1の出力は、点X2から点X3まで“H”となり、パルスa1となる。比較器A2の出力は、点X1から点X3まで“H”となり、パルスc1となる。比較器A3の出力は、点Y2から点Y3まで“H”となり、パルスb1となる。比較器A4の出力は、点Y1から点Y3まで“H”となり、パルスd1となる。
また、比較器A1およびA3の出力は、オア回路OR1を介して、DフリップフロップD1のクロック端子の入力となる。比較器A2およびA4の出力は、オア回路OR2を介して、DフリップフロップD2のクロック端子の入力となる。
従って、比較器A1の出力(パルスa1)の立ち上がりエッジが、DフリップフロップD1のクロック端子の入力となり、この時、D入力となるU相のレベルは“H”であるので、DフリップフロップD1の出力Qは“H”になる。
また、比較器A3の出力(パルスb1)の立ち上がりエッジもDフリップフロップD1のクロック端子の入力となり、この時、D入力となるU相のレベルは“L”であるので、出力Qは“L”になる。従って、DフリップフロップD1の出力Qは、パルスa1の立ち上がりエッジからパルスb1の立ち上がりエッジまで“H”となり、V相同期信号Rvが得られる。
また、比較器A2の出力(パルスc1)の立ち上がりエッジが、DフリップフロップD2のクロック端子の入力となり、この時、D入力となるU相のレベルは“H”であるので、DフリップフロップD2の出力Qは“H”、出力Qの反転出力(Qバー)は“L”になる。
また、比較器A4の出力(パルスd1)の立ち上がりエッジもDフリップフロップD2のクロック端子の入力となり、この時、D入力となるU相のレベルは“L”であるので、出力Qは“L”になり、出力Qの反転出力(Qバー)は“H”になる。従って、DフリップフロップD2の反転出力(Qバー)は、パルス(d1)の立ち上がりエッジからパルス(c1)の立ち上がりエッジまで“H”となり、W相同期信号Rwとなる。
このように、上述した基準信号生成回路7及び三相同期方形波生成回路11により、U相、V相、W相の各相に同期した矩形波であるU相同期信号Ru、V相同期信号Rv及びW相同期信号Rwを生成することが可能となる。すなわち、エンジンの回転に同期してパルサコイル6から発生するパルス信号(基準交流電圧)からU相、V相、W相に同期した矩形波の信号を生成できるため、これを通電タイミングの制御に利用することができる。これにより、サブコイルやホール素子等を設ける必要はなく、三相交流発電機の構造の簡略化と外形の小形化が可能となり、また、製造コストの低減を図ることができる。
また、上記実施例においては、基準三角波生成回路75により、複数の三角波Ptrg(三角波a〜f)を生成し、ゼロクロス読み取り回路81により、U相の出力信号(一相の交流出力電圧)と同期したU相ゼロクロス信号であるパルス信号Pbの立ち上がり及び立ち下がりにおける複数の三角波Ptrgの電圧値を読み取ることとした。また、基準三角波生成回路75は、複数の三角波Ptrgのうちから、基準信号(第1の基準三角波Ptrg1及び第2の基準三角波Ptrg2)を決定するとともに、三相同期方形波生成回路11でのU相同期信号Ru生成に用いる閾値VthH及び閾値VthLを決定する構成とした。これにより、三相同期方形波生成回路11は、第1の基準三角波Ptrg1及び第2の基準三角波Ptrg2と、閾値VthH及び閾値VthLを用いて、U相同期信号Ruを生成する。
次に説明する基準信号生成回路7aにおいては、一つの基準信号(基準三角波Psaw)により、閾値VthH及び閾値VthLを決定する。また、三相同期方形波生成回路11aは、基準三角波Psawと、閾値VthH及び閾値VthLを用いて、U相同期信号Ruを生成する。つまり、より少ない基準信号により、確実にU相同期信号Ruを生成することができる基準信号性手段を提供できる。
図10は、図1に示す基準信号生成回路7及び三相同期方形波生成回路11の他の構成例を示す回路図である。また、図11は、基準信号生成回路7aにおける基準三角波Psawの発生説明に用いるタイミングチャートである。
基準信号生成回路7aは、基準方形波生成回路71、相コイル電圧生成回路72、逓倍信号生成回路74a、基準三角波生成回路75a、及び位相検出回路8a(ゼロクロス読み取り回路81a、ゼロクロス点記憶回路82a)から構成される。
基準信号生成回路7aは、基準信号生成回路7とほぼ同じ構成であり、構成する回路のうち、基準方形波生成回路71及び相コイル電圧生成回路72は基準信号生成回路7と同一であるため、その説明は省略する。
逓倍信号生成回路74aは、パルス信号Paを(i/j)倍に逓倍した逓倍信号を生成する。この逓倍信号は、上述のU相同一周期信号Ruspと同じ信号であり、その周期はステータ5のU相(一相の交流出力電圧)の周期Tphaseと同一周期である。
基準三角波生成回路75aは、k(k≧1の自然数)として、U相同一周期信号Ruspのパルス(4k−3)の立ち上がりに同期して立ち上がり、パルス(4k−1)の立ち上がりに同期して立ち下がる信号であるU相二倍周期信号Rudpを生成する(図11参照)。
また、基準三角波生成回路75aは、上記三角波生成の手法を用いて、U相二倍周期信号RudpのH側に相当する三角波と、U相二倍周期信号RudpのL側に相当する三角波を生成し、生成した2つの三角波を、例えばオア回路を用いて合成し、鋸波である基準三角波Psawを生成する。
この基準三角波Psawは、位相幅が360°であり、周期はパルス信号Pb(U相ゼロクロス信号)の2倍であるので、パルス信号Pb(U相ゼロクロス信号)の立ち上がり及び立ち下がりが、基準三角波Psawの位相幅の間で必ず発生する。また、基準三角波Psawは、360°の位相幅において、位相と基準三角波Psawの電圧値が常に1対1で対応する関係にある。これに対し、上記基準三角波生成回路75が生成する三角波a〜fでは、Lレベル側最小値が180°に間続く期間があるため、位相と電圧値の関係が多対1となる。そのため、基準三角波生成回路75が生成する基準となる三角波は二つであった。これに対して、本実施形態においては、一つの基準三角波Psawにより、三相同期方形波生成回路11aにおけるU相同期信号Ru生成に必要となる閾値VthH及び閾値VthLを取得できることとなる。そのため、基準三角波生成回路75aは、複数の三角波を発生する必要もなく、基準三角波生成回路75aの回路構成を簡素化できる。
位相検出回路8aにおけるゼロクロス読み取り回路81aは、パルス信号Pbの立ち上がり及び立ち下がりにおける基準三角波Psawの電圧値を読み取り、それぞれ閾値VthH及び閾値VthLとして、ゼロクロス点記憶回路82aに記憶させる。
なお、基準三角波生成回路75aでは、基準三角波生成回路75で必要とした予め設定された基準となる電圧範囲Vth1等との比較が不要となる。基準信号は基準三角波Psawのみであるので選択する必要もないからである。また、閾値電圧VthH及び閾値VthLは基準三角波PsawのLレベル側最小電圧とHレベル側最大電圧の間(高さVpの間)の範囲に入っている値であるから、これを基に三相同期方形波生成回路11aでU相同期信号Ruを生成できるためである。なお、基準となる電圧範囲Vth1等との比較が不要となることにより、基準三角波生成回路75aの回路構成を簡素化できる。
基準三角波生成回路75aは、基準三角波Psawを三相同期方形波生成回路11aに対して出力し続ける。
三相同期方形波生成回路11aは、基準三角波生成回路75aから入力される基準三角波Psawを用いて、U相同期信号Ruを生成する。例えば、図8(a)に示した回路構成において、比較器B1の(+)入力端子及び比較器B2の(+)入力端子のいずれにも、基準三角波Ptrg2が入力されるようにする。これにより、閾値電圧VthHで立ち上がり、閾値電圧VthLで立ち下がる、交流発電機1のU相出力と位相差のない信号であるU相同期信号Ruを生成する。
このように、上述した基準信号生成回路7a及び三相同期方形波生成回路11aにより、U,V,W相からなる三相の同期信号のうちの少なくともいずれか一相の同期信号(上記例ではU相同期信号Ru)を生成することが可能となる。
他の二相(V相同期信号Rv、W相同期信号Rw)については、三相同期方形波生成回路11と同様の方法で生成すればよい。つまり、基準信号生成回路7及び三相同期方形波生成回路11を、V相及びW相についても設ける方法か、既に生成したU相同期信号Ruから、先の実施例で用いた三角波生成の手法により、V相同期信号Rv、W相同期信号Rwを生成することが可能である。
図1に戻って、三相同期三角波生成回路12は、上述の三角波電圧の発生メカニズムを利用し、本バッテリ充電装置3においてスイッチング素子Q1〜Q6のONまたはOFFタイミング(進角/遅角量θ)を制御するための三角波電圧を生成するものである。三相同期三角波生成回路12は、例えば、カウンタ手段と、除算手段と、波形生成手段とから構成することができる。ここで、カウンタ手段は、三相同期方形波生成回路11が出力するU相同期信号Ruの半周期の時間(この期間は、図4の波形1のサイクルにおける時間T1)をカウントするものである。除算手段は、上記カウンタ手段によるカウント数を所定の分解能n(所定値)で除算するものである。波形生成手段は、第1サイクル後の第2サイクル(図4の例えば波形2のサイクルにおける時間T2)において上記第1サイクルでの除算手段の除算結果で示される時間t1の経過ごとに所定電圧v1だけ上昇する階段状の電圧波形を生成するものである。三相同期三角波生成回路12は、この階段状の電圧波形を上記三角波電圧の波形として出力する。三相同期三角波生成回路12は、入力されるW相同期信号Rwから三角波Aを生成し、三角波Aを位相シフトして三角波A’を生成する。また、三相同期三角波生成回路12は、入力されるU相同期信号Ruから三角波Bを生成し、三角波Bを位相シフトして三角波B’を生成する。また、三相同期三角波生成回路12は、入力されるV相同期信号Rvから三角波Cを生成し、三角波Cを位相シフトして三角波C’を生成する。
(進角/遅角制御におけるスイッチング素子の通電タイミングについての説明)
比較回路(進角/遅角算出手段)14は、三相同期三角波生成回路12から出力される三角波と誤差アンプ13の出力Vcとを比較し、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングタイミング(進角/遅角量θ)を決定し、該進角/遅角量θの信号を制御回路20に出力する。制御回路20中の進角または遅角制御回路21(進角/遅角制御手段)は、比較回路14から通電タイミング(進角/遅角量θ)の信号を受け取り、スイッチング素子Q1〜Q6のONまたはOFF信号を生成しFET駆動信号生成回路22に出力する。
以下、この通電タイミング(進角/遅角量θ)を求める方法について説明する。
図12および図13は、スイッチング素子の進角/遅角制御における通電タイミングについて説明するための図である。図12は、バッテリ電圧Vbatが高く、「Vfb>Vref、Vc<0」の場合の進角制御状態(バッテリ放電状態)を示し、図13は、バッテリ電圧Vbatが低く、「Vfb<Vref、Vc>0」の場合の遅角制御状態(バッテリ充電状態)を示している。
図12の進角制御タイミング(0°〜120°(180°通電))を示す図において、図12の波形(1)は、三相同期方形波生成回路11が出力するU相同期信号Ruを示す。
図12の波形(2)は、三相同期三角波生成回路12がW相同期信号Rwに同期させて生成し、出力する三角波Aを示し、図12の波形(3)は、三相同期三角波生成回路12が三角波Aを180°位相シフトして生成、出力する三角波A’を示す。
図12の波形(4)は、三相同期方形波生成回路11が出力するV相同期信号Rvを示す。
図12の波形(5)は、三相同期三角波生成回路12がU相同期信号Ruに同期させて生成し、出力する三角波Bを示し、図12の波形(6)は、三相同期三角波生成回路12が三角波Bを180°位相シフトして生成、出力する三角波B’を示す。
図12の波形(7)は、三相同期方形波生成回路11が出力するW相同期信号Rwを示す。
図12の波形(8)は、三相同期三角波生成回路12がV相同期信号Rvに同期させて生成し、出力する三角波Cを示し、図12の波形(9)は、三相同期三角波生成回路12が三角波Cを180°位相シフトして生成、出力する三角波C’を示す。
比較回路14は、上記三角波A、A’、B、B’、C、C’が入力され、それぞれの三角波と誤差アンプ出力Vcとを比較する。
ここで、図12の波形(2)において、U相のスイッチング素子Q1、Q4の通電タイミング(進角/遅角量θ)を決めるために、W相同期信号Rwから生成された三角波Aが使用される。この理由は、三角波Aと一点鎖線で示す線(進角0°の線)との交点X0を基準にして、進角0°〜120°、遅角0°〜60°の範囲で、進角/遅角制御を行えるようにするためである。例えば、この三角波としてV相同期信号Rvから生成される三角波Cを使用すると、制御範囲が進角側に片寄り、三角波C’を使用すると、制御範囲が遅角側に片寄り、進角0°〜120°、遅角0°〜60°など使用する三角波によって制御範囲が変わるため、進角/遅角どちらを重要視するかによって三角波を選定する。
このようにして、W相同期信号Rwに同期して生成された三角波Aと誤差アンプ出力Vcとが比較される。すなわち、三角波Aと誤差アンプ出力Vcとの交点Xaにより、U相の上側のスイッチング素子Q1のONタイミングが決定され、U相の下側のスイッチング素子Q4のOFFタイミングが決定される。また、これにより、U相の進角/遅角量θが決定される。
この例では、バッテリ充電電圧が基準電圧よりも高く誤差アンプ出力「Vc<0」の例であり、一点鎖線で示す進角/遅角量0°の線L0(Vc=0のレベルの線)よりもVcが低くなり、三角波AとVcの交点Xaが、三角波Aと線L0の交点X0よりも先になり、進角制御が行われることになる。
同様にして、三角波A’と誤差アンプ出力Vcとの交点により、U相のスイッチング素子Q1のOFFタイミングと、スイッチング素子Q4のONタイミングが決定される。
なお、波形(2)、(3)において、スイッチング素子Q1、Q4のONタイミングは、Q1、Q4のOFFタイミングよりわずかに遅れるように設定される。これは、上下のスイッチング素子Q1、Q4の同時ONを避けるために、OFFタイミングからONタイミングをわずかに遅らせ、デッドタイム(FET素子のON、OFF時間特性に応じて決められる遅れ時間)を設けるためである。
上述したように、U相においては、W相同期信号Rwを基に生成された三角波A、A’と、誤差アンプ出力Vcとを比較することにより、スイッチング素子Q1、Q4のON、OFFタイミング(進角/遅角量θ)を決定することができる。また、進角の制御範囲は、0°〜120°、遅角の範囲は0°〜60°となる。
同様にして、V相においては、U相同期信号Ruを基に生成された三角波B、B’と、誤差アンプ出力Vcとを比較することにより、スイッチング素子Q2、Q5のON、OFFタイミング(進角/遅角量θ)を決定することができる。また、進角の制御範囲は、0°〜120°となり、遅角の範囲は0°〜60°となる。
同様にして、W相においては、V相同期信号Rvを基に生成された三角波C、C’と、誤差アンプ出力Vcとを比較することにより、スイッチング素子Q3、Q6のON、OFFタイミング(進角/遅角量θ)を決定することができる。また、進角の制御範囲は、0°〜120°となり、遅角の範囲は0°〜60°となる。
また、図13の遅角制御タイミング(0°〜60°(180°通電))を示す図は、図12に示す進角制御状態(Vc<0)が、遅角制御状態(Vc>0)に変わった場合の動作を示すものである。
図13の波形(1)〜(9)各々は、図12に示した波形(1)〜(9)に対応し、それぞれ、U相同期信号Ru、三角波A、三角波A’、V相同期信号Rv、三角波B、三角波B’、W相同期信号Rw、三角波C、三角波C’を示す。
なお、図13に示す動作は、図12に示す進角制御状態(Vc<0)が、遅角制御状態(Vc>0)に変わっただけであり、基本的な動作は同じであり、その動作説明については省略する。
(本発明の位相制御装置を用いたバッテリ充電装置の他の実施例の説明)
本発明の位相制御装置を用いたバッテリ充電装置の他の実施例では、遅角制御を行う場合に、交流発電機の発電量が最大になる遅角量(遅角リミット値)以上に遅角を大きくしないように制御すると共に、交流発電機、バッテリの種類、およびエンジンの排気量の大小にかかわらず、最適な遅角リミット値を自動的に設定する例について説明する。
図14は、本発明の位相制御装置を用いたバッテリ充電装置の他の実施例の基本構成例を示すブロック図である。図14に示す回路は、図1に示す第1の実施例の回路と比較して、制御回路20中に、発電量算出回路23と、遅角リミット値設定回路24とが新たに追加されている。また、交流発電機1のU相の電流を検出するための電流センサCTu(例えば、ホール素子等)が追加されている。これらの、発電量算出回路23、遅角リミット値設定回路24、および電流センサCTuは、最適な遅角リミット値を自動設定するために使用されるものである。
発電量算出回路23は、U相同期信号Ruを入力し、また、電流センサCTuから交流発電機1のU相の電流の信号Iuを入力し、交流発電機1の発電量を算出する処理を行う。
遅角リミット値設定回路24は、比較回路14から入力した進角/遅角量θと、発電量算出回路23で求めた発電量を基に、遅角のリミット値を設定する処理を行う。この処理内容の詳細については、後述する。
図14に示す回路の構成と動作は、制御回路20内に発電量算出回路23と遅角リミット値設定回路24が新たに追加された以外は、図1に示す回路と基本的に同じである。
すなわち、三相同期方形波生成回路11では、U相に同期したU相同期信号Ru、V相に同期したV相同期信号Rv及びW相に同期したW相同期信号Rwを生成する。三相同期三角波生成回路12は、三相同期方形波生成回路11から出力されるU相同期信号Ru等に同期した三角波A、A’、B、B’、C、C’を生成する。
比較回路14では三相同期三角波生成回路12から出力される三角波と、誤差アンプ13から出力される誤差アンプ出力Vcと基に、スイッチング素子Q1〜Q6の通電タイミング(進角/遅角量θ)を求める。進角または遅角制御回路21は、比較回路14から入力した進角/遅角量θの信号をFET駆動信号生成回路22に送る。この際に、遅角量が遅角リミット値設定回路24により設定された遅角リミット値以上にならないように制限する。
また、スイッチング素子の通電タイミングの制御方法についても第1の実施例と同様であり、バッテリ電圧Vbatが高く、「Vfb>Vref、Vc<0」の場合の進角制御状態(バッテリ放電状態)が図12に示され、バッテリ電圧Vbatが低く、「Vfb<Vref、Vc>0」の場合の遅角制御状態(バッテリ充電状態)が図13に示される。
(第2の実施例における遅角リミットの設定工程についての説明)
上述したように、第2の実施例においては、遅角リミット値設定回路24により、遅角リミット値を自動的に設定するところに特徴がある。
図15は、遅角リミット値設定回路24における遅角リミット値の設定の工程を示すフローチャートであり、以下、図15を参照して、遅角リミット値の設定の工程について説明する。
最初に、変数である、進角/遅角量θn−1と、発電量とを0(ゼロ)に設定する(ステップS1)。次に、バッテリの充電状態と、交流発電機の発電量を検出し、また、現在の進角量/遅角量θnを検出し、これら記憶する(ステップS2)。
次に、変数として記憶された前回進角/遅角量θn−1と、現在の進角/遅角量θnを比較する(ステップS3)。そして、遅角制御状態であり「θn−1>θn」の場合は、制御の向きが遅角量減少の方向であるので、遅角リミット値が設定されている場合には、この設定を解除(リセット)する(ステップS4)。それから、ステップS2に戻る。
ステップS3において、遅角制御状態であり「θn>θn−1」の場合は、制御の向きが遅角量増加の方向であり、ステップS5に移行し、既に遅角リミット値が設定されているか否かを判定する。
ステップS5において、既に遅角リミット値が設定されていると判定された場合は、遅角量を遅角リミット値に設定して(ステップS6)ステップS2に戻る。そして、遅角制御においては、遅角量がこの遅角リミット値を超えないように制御される。なお、この遅角リミット値は、制御方向が遅角量減少の方向に向く(例えば、バッテリ充電電圧が上昇する)まで維持される。
ステップS5において、遅角リミット値が設定されていないと判定された場合は、ステップS7に移行し、「前回発電量>今回発電量」であるか否かが判定される(ステップS7)。
ステップS7において、「前回発電量>今回発電量」と判定された場合は、前回発電量における遅角量を遅角リミット値に設定する(ステップS8)。これは、図16の遅角リミット値の設定方法を示す図のように、遅角量の増加にも拘わらず、前回発電量Pn−1よりも今回発電量Pnの方が小さい場合は、Pn−1からPnまでの区間θAに最大発電量となる点があると推定されるので、前回発電量Pn−1における遅角量θn−1を遅角リミット値として設定する。
また、ステップS7において、「前回発電量<今回発電量」と判定された場合は、遅角リミット値を設定することなく、ステップS2に戻る。
以上説明した工程により、最大発電量(正確には略最大発電量)を与える遅角リミット値を自動的に設定することができ、遅角量がこの遅角リミット値を超えないように進角または遅角制御を行うことができるようになる。また、図16に示すように、区間θA内に最大発電量となる点があることが分かり、遅角量が増える制御の際は、遅角が最大発電量を与える点の周辺を追従するようにできる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の変更等も含まれる。
例えば、上記実施形態の説明で述べたように、スイッチング素子Q1〜Q6の通電タイミングを決めるため、U相、V相、W相の同期信号(Ru、Rv、Rw)各々から生成した三角波(B、C、A)、各三角波を180°位相シフトした三角波(B’、C’、A’)を使用する。各スイッチング素子にいずれの三角波を用いるかは、進角または遅角のどちらを重要視するかによって選定されるものである。
ところで、本願の発明者がスイッチング素子の通電タイミングについて、各相のスイッチング素子をオンさせる時刻を同期信号各相の立ち上がり(位相角基準)より前にする(進角側で制御する)場合のバッテリ2の充電量と、各相のスイッチング素子をオンさせる時刻を位相角基準より後にする(遅角側で制御する)場合のバッテリ2の充電量とを比較する実験を行った。この実験では、同一の充電量を得るための交流発電機1のトルクを測定し、進角側の方が遅角側よりトルク量が少ないという実験結果を得て、進角側で制御する方が遅角側で制御する方よりも、同一の充電量を得る際の交流発電機1にかかる負荷が軽くなり、交流発電機1の制御上好ましいことが判明した。
以下に、この通電タイミング決定の制御の実施例について説明する。
なお、位相角基準は、U相同期信号Ruの場合、立ち上がりを基準(進角0°)として、左側を進角、右側を遅角とする。同様に、V相同期信号Rv、W相同期信号Rwの位相角基準は、それぞれ立ち上がりを基準とし、左側を進角、右側を遅角とする。
本実施例においても、誤差アンプ13の出力(誤差アンプ出力Vc)は、バッテリ電圧Vbatが低く、「Vfb<Vref」の場合に、「Vc>0」となり、バッテリ電圧Vbatが高く、「Vfb>Vref」の場合に、「Vc<0」となる。
また、比較回路14(進角/遅角算出手段)は、三相同期三角波生成回路12から出力される三角波と誤差アンプ出力Vcとを比較し、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチングタイミング(進角/遅角量θ)を決定し、該進角/遅角量θの信号を制御回路20に出力する。
また、本実施例においても、三相同期三角波生成回路12は、三相同期方形波生成回路11(U,V,W相電圧生成回路)から出力される各相の矩形波(それぞれ、U相同期信号Ru、V相同期信号Rv、W相同期信号Rw)に同期した三角波(それぞれ、三角波B、三角波A、三角波Cである)を生成する。また、三相同期三角波生成回路12は、生成したU,V,W各相に対応する三角波を、それぞれ180°位相シフトさせた三角波(それぞれ、三角波B’、三角波A’、三角波C’である)を生成する。
ここで、本実施例では、上記実施例とは異なり、U相同期信号Ruに同期させて生成した三角波B(第2U相三角波)と、三角波Bを180°位相シフトさせた三角波B’(第1U相三角波)とを、U相に対応するスイッチング素子Q1及びQ4の通電タイミング決定に用いる。
また、同様に、V相同期信号Rvに同期させて生成した三角波C(第2V相三角波)と、三角波Cを180°位相シフトさせた三角波C’(第1V相三角波)とを、V相に対応するスイッチング素子Q2及びQ5の通電タイミング決定に用いる。
また、同様に、W相同期信号Rwに同期させて生成した三角波A(第2W相三角波)と、三角波Aを180°位相シフトさせた三角波A’(第1W相三角波)とを、W相に対応するスイッチング素子Q3及びQ6の通電タイミング決定に用いる。
U相に対応するスイッチング素子Q1及びQ4の通電タイミング決定に三角波B、B’を用いる理由は、次の通りである。
三角波B’(第1U相三角波)を用いると、Vc>0(Vfb<Vref)の場合、U相の位相基準角から進角側へ0°〜90°の間において、進角または遅角量0°を示す電圧の線L0(Vc=0のレベルの線)よりもVcが高くなる。つまり、U相の位相基準角から進角側へ0°〜90°の間に、第1U相三角波(三角波B’)とVcとの交点ができる。これにより、U相の位相基準角から進角側へ0°〜90°の間において、スイッチング素子Q1をオンさせ、スイッチング素子Q4をオフさせる位相角(進角/遅角量θ)を求めることができる。
また、三角波B’に対して180°位相差がある三角波B(第2U相三角波)を用いると、上記三角波B’とVc=0のレベルの線との交点より、180°遅角側に第2U相三角波(三角波B)とVcとの交点ができる。
つまり、スイッチング素子Q1をオンさせ、スイッチング素子Q4をオフさせる時刻から、位相角にして180°遅れた時刻で、スイッチング素子Q1をオフさせ、スイッチング素子Q4をオンさせる。
このようにして、スイッチング素子Q1をオンさせた時刻からオフさせるまでの期間(位相角で180°の期間)トータルで、バッテリ2を充電することができる。
一方、Vc<0(Vfb>Vref)の場合、U相の位相基準角から進角側へ90°〜180°の間において、進角/遅角量0°の線L0よりもVcが低くなる。つまり、U相の位相基準角から進角側へ90°〜180°の間に、第1U相三角波(三角波B’)とVcとの交点ができる。これにより、U相の位相基準角から進角側へ90°〜180°の間において、スイッチング素子Q1をオンさせ、スイッチング素子Q4をオフさせる位相角(進角/遅角量θ)を求めることができる。
また、三角波B’に対して180°位相差がある三角波B(第2U相三角波)を用いて、スイッチング素子Q1をオフさせ、スイッチング素子Q4をオンさせる。このようにして、スイッチング素子Q1をオンさせた時刻からオフさせるまでの期間(位相角で180°の期間)トータルで、バッテリ2を放電することができる。
以上の構成により、U相においては、U相同期信号Ruに同期した第1U相三角波(三角波B’)、及び第2U相三角波(三角波B)と、誤差アンプ出力Vcとをそれぞれ比較することにより、スイッチング素子Q1、Q4のON、OFFタイミング(進角/遅角量θ)を決定する。
特に、第1U相三角波の高さの最大付近に交点ができる場合(進角0°に近づいた場合)、バッテリは充電量が少ない(Vcの絶対値が大きい)わけであるが、スイッチング素子Q1のオンしている期間とU相が正電圧にある期間とをほぼ一致させることができるので、交流発電機1のU相からバッテリ2への充電量を最大充電量とすることができる。
同様にして、V相においては、V相同期信号Rvに同期した第1V相三角波(三角波C’)、及び第2V相三角波(三角波C)と、誤差アンプ出力Vcとをそれぞれ比較することにより、スイッチング素子Q2、Q5のON、OFFタイミング(進角/遅角量θ)を決定する。
また、同様にして、W相においては、W相同期信号Rwに同期した第1W相三角波(三角波A’)、及び第2W相三角波(三角波A)と、誤差アンプ出力Vcとをそれぞれ比較することにより、スイッチング素子Q3、Q6のON、OFFタイミング(進角/遅角量θ)を決定する。
以上述べた構成によりスイッチング素子の通電タイミングの制御を行い、つまり、各相について進角側で制御することにより、バッテリ2に充電する際に交流発電機1にかかる負荷を軽くできる。
1…交流発電機、2…バッテリ、3…バッテリ充電装置、3a…位相制御装置、3b…全波整流回路、4…ロータ、4a…突起部、5…ステータ、6…パルサコイル、7,7a…基準信号生成回路、8,8a…位相検出回路、11,11a…三相同期方形波生成回路、12…三相同期三角波生成回路、13…誤差アンプ、14…比較回路、20…制御回路、21…進角または遅角制御回路、22…FET駆動信号生成回路、71…基準方形波生成回路、72…相コイル電圧生成回路、74,74a…逓倍信号生成回路、75,75a…基準三角波生成回路、81,81a…ゼロクロス読み取り回路、82,82a…ゼロクロス点記憶回路、Pa,Pb…パルス信号、Ru…U相同期信号、Rv…V相同期信号、Rw…W相同期信号、Rusp…U相同一周期信号、Rvsp…V相同一周期信号、Rwsp…W相同一周期信号、Rudp…U相二倍周期信号、Ptrg…複数の三角波、Ptrg1,Ptrg2,Psaw…基準三角波

Claims (9)

  1. U,V,W相からなる三相交流発電機から出力された交流電力を直流電力に変換するブリッジ構成された整流部のスイッチング素子の通電タイミングを、前記三相交流発電機の交流出力電圧の位相に対して進み又は遅らせることにより進角/遅角制御を行う位相制御装置であって、
    前記三相交流発電機のロータの回転により発生するロータの回転周波数を示す基準交流電圧と、前記三相交流発電機のいずれか一相の交流出力電圧と、に基づいて、前記基準交流電圧に同期した信号を、前記一相の交流出力電圧の周波数の前記基準交流電圧の周波数に対する比率に逓倍してタイミング信号を生成し、該タイミング信号の立ち上がり立ち下がりに同期させて三角波を生成し、生成した三角波の前記一相の交流出力電圧のゼロクロス点における電圧値を記憶し、記憶した該電圧値に基づいて前記一相の交流出力電圧に同期した基準信号を生成する基準信号生成手段と、
    前記基準信号を基に、U,V,W相からなる三相の同期信号を生成するU,V,W相電圧生成手段と、
    前記整流部の直流電力側の出力電圧と所定の目標との差分電圧の信号と、前記U,V,W相電圧生成手段により出力される各相の同期信号とに基づき、前記スイッチング素子の通電タイミングの進角/遅角量を求める進角/遅角算出手段と、
    前記進角/遅角算出手段により求めた進角/遅角量により前記スイッチング素子の進角/遅角制御を行う進角/遅角制御手段と、
    を備えることを特徴とする位相制御装置。
  2. 前記基準信号生成手段は、
    前記基準交流電圧と同期した第1のパルス信号を生成する基準方形波生成回路と、
    前記三相交流発電機の少なくともいずれか一相の交流出力電圧と同期した第2のパルス信号を生成する相コイル電圧生成回路と、
    前記第1のパルス信号を、前記第2のパルス信号の周波数の前記第1のパルス信号の周波数に対する比率に逓倍して前記三相交流発電機のいずれか一相の交流出力電圧と同一周期の複数の三角波を発生する基準三角波生成回路と、
    前記三相交流発電機の稼動開始時に、前記複数の三角波の前記第2のパルス信号の立ち上がりにおける電圧値を、前記複数の三角波各々に対して読み取り、前記複数の三角波の前記第2のパルス信号の立ち下がりにおける電圧値を、前記複数の三角波各々に対して読み取るゼロクロス点読み取り回路と、
    前記ゼロクロス点読み取り回路が読み取った電圧を、前記複数の三角波各々に関連付けて記憶するゼロクロス点記憶回路と、を有し、
    前記基準三角波生成回路は、前記ゼロクロス点記憶回路に記憶された複数の前記立ち上がりにおける電圧値と、予め設定された基準となる電圧範囲を基に、前記複数の三角波のうちから基準となる第1の三角波を選択して第1の基準信号として出力し、前記ゼロクロス点記憶回路に記憶された複数の前記立ち下がりにおける電圧値と、予め設定された前記基準となる電圧範囲を基に、前記複数の三角波のうちから基準となる第2の三角波を選択して第2の基準信号として出力し、
    前記U,V,W相電圧生成手段は、前記第1の基準信号の前記立ち上がりにおける電圧値に立ち上がり、前記第2の基準信号の前記立ち下がりにおける電圧値に立ち下がる、前期U,V,W相からなる三相の同期信号のうちの少なくともいずれか一相の同期信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相制御装置。
  3. 前記基準信号生成手段は、
    前記基準交流電圧と同期した第1のパルス信号を生成する基準方形波生成回路と、
    前記三相交流発電機の少なくともいずれか一相の交流出力電圧と同期した第2のパルス信号を生成する相コイル電圧生成回路と、
    前記第1のパルス信号を、前記第2のパルス信号の周波数の前記第1のパルス信号の周波数に対する比率に逓倍して逓倍信号を生成する逓倍信号生成回路と、
    前記逓倍信号の立ち上がり及び立ち下がりに同期させて前記三相交流発電機のいずれか一相の交流出力電圧と同一周波数の三角波を前記基準信号として発生する基準三角波生成回路と、
    前記三相交流発電機の稼動開始時に、前記基準信号の前記第2のパルス信号の立ち上がりにおける電圧値を読み取り、前記三角波の前記第2のパルス信号の立ち下がりにおける電圧値を、前記基準信号に対して読み取るゼロクロス点読み取り回路と、
    前記ゼロクロス点読み取り回路が読み取った電圧を、記憶するゼロクロス点記憶回路と、を有し、
    前記U,V,W相電圧生成手段は、前記ゼロクロス点記憶回路に記憶された前記基準信号の前記立ち上がりにおける電圧値に立ち上がり、前記基準信号の前記立ち下がりにおける電圧値に立ち下がる、前記U,V,W相からなる三相の同期信号のうちの少なくともいずれか一相の同期信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相制御装置。
  4. 請求項1から請求項3いずれかに記載の位相制御装置と、前記位相制御装置により通電タイミングを制御される整流部と、を備え、前記整流部の直流電力側の出力電圧に接続されたバッテリを充電するバッテリ充電装置。
  5. 前記進角/遅角算出手段は、
    前記U,V,W相電圧生成回路から出力される各相の矩形波に同期した三角波を生成する同期三角波発生回路と、
    前記バッテリの電圧と所定の目標電圧とを比較し誤差信号を出力する誤差アンプと、
    前記同期三角波発生回路から出力される三角波と誤差アンプの出力とを比較することにより進角/遅角量を求める比較回路と、を備え、
    前記同期三角波発生回路は、
    前記U,V,W相電圧生成回路から出力される各相の矩形波に同期した三角波を生成して前記比較回路に出力するとともに、生成したU,V,W各相に対応する三角波(それぞれ第2U相三角波、第2V相三角波、第2W相三角波とする)を、180°位相シフトさせた第1U相三角波、第1V相三角波、第1W相三角波をそれぞれ生成して前記比較回路に出力し、
    前記比較回路は、
    前記進角/遅角量を求める場合、
    前記U相の進角/遅角量を、前記同期三角波発生回路から出力される前記第1U相三角波及び前記第2U相三角波と、前記誤差アンプ出力とを比較して求め、
    前記V相の進角/遅角量を、前記同期三角波発生回路から出力される第1V相三角波及び前記第2V相三角波と、前記誤差アンプ出力とを比較して求め、
    前記W相の進角/遅角量を、前記同期三角波発生回路から出力される第1W相三角波及び前記第2W相三角波と、前記誤差アンプ出力とを比較して求める、
    ことを特徴とする請求項4記載のバッテリ充電装置。
  6. 前記比較回路は、
    前記第1U相三角波と前記誤差アンプ出力とを比較して、前記整流部の直流電力側に設けられたU相に対応するスイッチング素子のオンタイミングを、前記整流部の接地側に設けられたU相に対応するスイッチング素子のオフタイミングを求め、
    前記第2U相三角波と前記誤差アンプ出力とを比較して、前記整流部の直流電力側に設けられたU相に対応するスイッチング素子のオフタイミングを、前記整流部の接地側に設けられたU相に対応するスイッチング素子のオンタイミングを求め、
    前記第1V相三角波と前記誤差アンプ出力とを比較して、前記整流部の直流電力側に設けられたV相に対応するスイッチング素子のオンタイミングを、前記整流部の接地側に設けられたV相に対応するスイッチング素子のオフタイミングを求め、
    前記第2V相三角波と前記誤差アンプ出力とを比較して、前記整流部の直流電力側に設けられたV相に対応するスイッチング素子のオフタイミングを、前記整流部の接地側に設けられたV相に対応するスイッチング素子のオンタイミングを求め、
    前記第1W相三角波と前記誤差アンプ出力とを比較して、前記整流部の直流電力側に設けられたW相に対応するスイッチング素子のオンタイミングを、前記整流部の接地側に設けられたW相に対応するスイッチング素子のオフタイミングを求め、
    前記第2W相三角波と前記誤差アンプ出力とを比較して、前記整流部の直流電力側に設けられたW相に対応するスイッチング素子のオフタイミングを、前記整流部の接地側に設けられたW相に対応するスイッチング素子のオンタイミングを求める、
    ことを特徴とする請求項5記載のバッテリ充電装置。
  7. U,V,W相からなる三相交流発電機から出力された交流電力を直流電力に変換するブリッジ構成された整流部のスイッチング素子の通電タイミングを、前記三相交流発電機の交流出力電圧の位相に対して進み又は遅らせることにより進角/遅角制御を行う位相制御装置における位相制御方法であって、
    前記三相交流発電機のロータの回転により発生するロータの回転周波数を示す基準交流電圧と、前記三相交流発電機のいずれか一相の交流出力電圧と、に基づいて、前記基準交流電圧に同期した信号を、前記一相の交流出力電圧の周波数の前記基準交流電圧の周波数に対する比率に逓倍してタイミング信号を生成し、該タイミング信号の立ち上がり立ち下がりに同期させて三角波を生成し、生成した三角波の前記一相の交流出力電圧のゼロクロス点における電圧値を記憶し、記憶した該電圧値に基づいて前記一相の交流出力電圧に同期した基準信号を生成する基準信号生成手順と、
    前記基準信号を基に、U,V,W相からなる三相の同期信号を生成するU,V,W相電圧生成手順と、
    前記整流部の直流電力側の出力電圧と所定の目標との差分電圧の信号と、前記U,V,W相電圧生成手順により出力される各相の同期信号とに基づき、前記スイッチング素子の通電タイミングの進角/遅角量を求める進角/遅角算出手順と、
    前記進角/遅角算出手順により求めた進角/遅角量により前記スイッチング素子の進角/遅角制御を行う進角/遅角制御手順と、
    を含むことを特徴とする位相制御方法。
  8. 前記基準信号生成手順は、
    前記基準交流電圧と同期した第1のパルス信号を生成する基準方形波生成手順と、
    前記三相交流発電機の少なくともいずれか一相の交流出力電圧と同期した第2のパルス信号を生成する相コイル電圧生成手順と、
    前記第1のパルス信号を、前記第2のパルス信号の周波数の前記第1のパルス信号の周波数に対する比率に逓倍して前記三相交流発電機のいずれか一相の交流出力電圧と同一周期の複数の三角波を発生する基準三角波生成手順と、
    前記三相交流発電機の稼動開始時に、前記複数の三角波の前記第2のパルス信号の立ち上がりにおける電圧値を、前記複数の三角波各々に対して読み取り、前記複数の三角波の前記第2のパルス信号の立ち下がりにおける電圧値を、前記複数の三角波各々に対して読み取るゼロクロス点読み取り手順と、
    前記ゼロクロス点読み取り手順により読み取った電圧を、前記複数の三角波各々に関連付けて記憶するゼロクロス点記憶手順と、を有し、
    前記基準三角波生成手順は、前記ゼロクロス点記憶手順により記憶された複数の前記立ち上がりにおける電圧値と、予め設定された基準となる電圧範囲を基に、前記複数の三角波のうちから基準となる第1の三角波を選択して第1の基準信号として出力し、前記ゼロクロス点記憶手順により記憶された複数の前記立ち下がりにおける電圧値と、予め設定された前記基準となる電圧範囲を基に、前記複数の三角波のうちから基準となる第2の三角波を選択して第2の基準信号として出力する手順であり、
    前記U,V,W相電圧生成手順は、前記第1の基準信号の前記立ち上がりにおける電圧値に立ち上がり、前記第2の基準信号の前記立ち下がりにおける電圧値に立ち下がる、前期U,V,W相からなる三相の同期信号のうちの少なくともいずれか一相の同期信号を生成する手順である、
    ことを特徴とする請求項7に記載の位相制御方法。
  9. 前記基準信号生成手順は、
    前記基準交流電圧と同期した第1のパルス信号を生成する基準方形波生成手順と、
    前記三相交流発電機の少なくともいずれか一相の交流出力電圧と同期した第2のパルス信号を生成する相コイル電圧生成手順と、
    前記第1のパルス信号を、前記第2のパルス信号の周波数の前記第1のパルス信号の周波数に対する比率に逓倍して逓倍信号を生成する逓倍信号生成手順と、
    前記逓倍信号の立ち上がり及び立ち下がりに同期させて前記三相交流発電機のいずれか一相の交流出力電圧の二倍の周波数の三角波を前記基準信号として発生する基準三角波生成手順と、
    前記三相交流発電機の稼動開始時に、前記基準信号の前記第2のパルス信号の立ち上がりにおける電圧値を読み取り、前記三角波の前記第2のパルス信号の立ち下がりにおける電圧値を、前記基準信号に対して読み取るゼロクロス点読み取り手順と、
    前記ゼロクロス点読み取り手順により読み取った電圧を、記憶するゼロクロス点記憶手順と、を有し、
    前記U,V,W相電圧生成手順は、前記ゼロクロス点記憶手順により記憶された前記基準信号の前記立ち上がりにおける電圧値に立ち上がり、前記基準信号の前記立ち下がりにおける電圧値に立ち下がる、前期U,V,W相からなる三相の同期信号のうちの少なくともいずれか一相の同期信号を生成する手順である、
    ことを特徴とする請求項7に記載の位相制御方法。
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