JP5961840B2 - モータ制御装置 - Google Patents
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Description
また、コンパレータCP2の出力端子は、トランジスタTr2のベース端子に接続され、コンパレータCP2の出力信号(VVG>VUGの場合のH状態の出力信号)によりこのトランジスタTr2が駆動される(オンになる)。このトランジスタTr2が駆動されることにより、フォトカプラPC2が駆動され、このフォトカプラPC2によりV相の電圧センサ信号(L状態の信号)Svが生成され、このV相の電圧センサ信号Svが制御部30に出力される。
そして、図9(A)に示すように、時刻t1において、W相電圧VWGとU相電圧VUGとが等しくなると、この時刻t1において、絶縁回路23Aから出力されるU相の電圧センサ信号SuがH状態からL状態に遷移する。同様にして、時刻t2において、絶縁回路23Aから出力されるV相の電圧センサ信号SvがH状態からL状態に遷移し、また時刻t3において、絶縁回路23Aから出力されるW相の電圧センサ信号SwがH状態からL状態に遷移する。
このように、3相交流モータを駆動するモータ制御装置10Aにおいては、電圧センサ信号Su,Sv,Swを生成するために、絶縁回路23A内に、3個の絶縁素子(フォトカプラPC1,PC2,PC3)を設けることが必要になる。従って、この高価な絶縁素子の部品点数を減らし、コストの低減を図ることが望まれていた。
間を減算した結果を前記第1の時間で減算して求めた係数を、前記ロータ角度に対して乗算し、乗算した結果を前記ロータ角度を遅角する補正角度とし、前記各位置センサから出力される出力信号が示す前記ロータ角度の位置に対して角度補正処理を行うことを特徴とする。
これにより、高電圧系の回路により3相分のモータコイルの誘起電圧を検出し、この検出信号を絶縁して低電圧系の制御回路に出力する際に、絶縁素子(例えば、フォトカプラ)の個数を3個から1個に減らすことができる。このため、モータ制御装置の小型化と、コストの低減を図ることができる。
この図1に示すモータ制御装置10において、3相ブラシレスモータ(単に「モータ」とも呼ぶ)1は、例えば、図示しない内燃機関(エンジン)のスタータモータとなるモータである。この3相ブラシレスモータ1は、U,V,Wの各相コイル(鉄心に巻かれているコイル)を有するステータ2と、2極の永久磁石(1対のN、S極)からなるロータ(インナ・ロータ型のロータ)3とで構成されている。ステータ2には3相(U,V,W)のコイルが周方向に順番に巻装されている。また、ステータ2には、このステータ2の3相(U,V,W相)のコイルに対応する位置に、ロータ3の回転位置を検出するためのホール素子(位置センサ)4u、4v、4wが設けられている。
また、ロータ3の回転位置を検出する位置センサ(ホール素子等)4u、4v、4wの取り付け位置については、図1に示す例では、U,V,Wの各相モータコイルに対応する位置(モータ周回方向においてほぼ同じ位置)に配置する例を示しているが、これに限定されない。例えば、所望の場合には、モータコイル間(周回方向において隣り合うモータコイルの中間位置)に位置センサを配置することも可能である(この場合には、モータコイルと位置センサの取付け位置の差(周回方向における取付け位置の角度差)を予め考慮してモータ制御を行うことが必要になる)。
また、図3は、制御部30に入力される電圧センサ信号Scの波形を示す図であり、ロータ3がステータ2に対して「U相コイル→V相コイル→W相コイル」の方向(図1に示す3相ブラシレスモータ1において反時計方向)に回転する場合の例である。この図3においては、横方向に時間tの経過をとり、縦方向に、モータコイルに誘起される相電圧(モータコイル端子−回路グランドG間電圧)VUG,VVG,VWGの波形と、電圧センサ信号Sc(フォトカプラPC1から出力される信号)の波形とを並べて示している。
この電圧センサ信号bは、V相モータコイルの誘起電圧(V相モータコイル端子−中性点間電圧)のゼロクロス点のタイミングで発生する信号であり、このゼロクロス点は、V相モータコイルの誘起電圧が、モータコイルの中性点の電位に対して負(−)側から正(+)側に移行する際に発生するゼロクロス点である。すなわち、この電圧センサ信号bの発生するタイミングにおいて、V相モータコイル上でロータ3の磁極の切り替わりが発生するものである。これにより、V相モータコイルによりロータ位置の検出が行えることになり、この電圧センサ信号bにより、V相の位置センサ4vの出力信号が示すロータ位置(ロータ回転位置)に対して補正を行うことができる。
この電圧センサ信号cは、W相モータコイルの誘起電圧(W相モータコイル端子−中性点間電圧)のゼロクロス点のタイミングで発生する信号であり、このゼロクロス点は、W相モータコイルの誘起電圧が、モータコイルの中性点の電位に対して負(−)側から正(+)側に移行する際に発生するゼロクロス点である。すなわち、この電圧センサ信号cの発生するタイミングにおいて、W相モータコイル上でロータ3の磁極の切り替わりが発生するものである。これにより、W相モータコイルによりロータ位置の検出が行えることになり、この電圧センサ信号cにより、W相の位置センサ4wの出力信号が示すロータ位置(ロータ回転位置)に対して補正を行うことができる。
次に、本実施形態のモータ制御装置10における位置センサ4u,4v,4wに対する角度補正制御について説明する。図4は、位置センサ4u,4v,4wに対する角度補正制御について説明するための図であり、図1に示す回路における各部の信号波形を並べて示した図である。なお、図4に示す例は、ロータ3がステータ2に対して「U相コイル→V相コイル→W相コイル」の方向(図1に示す3相ブラシレスモータ1において反時計方向)に回転する例である。
図5は、U相位置センサ4uに対する角度補正処理について説明するための図である。なお、以下の説明においては、「U相位置センサ4uの出力信号Pu」を「U相位置センサ信号Pu」と呼び、「V相位置センサ4vの出力信号Pv」を「V相位置センサ信号Pv」と呼び、「W相位置センサ4Wの出力信号Pw」を「W相位置センサ信号Pw」と呼ぶことがある。
最初に、図5(A)に示す、補正角度を「進角」として算出する例について説明する。なお、図5(A)に示す波形は、図4に示す波形(時刻tv0〜時刻t1間における電圧センサ信号Sc、U相位置センサ信号Pu、およびV相位置センサ信号Pvの波形)と同じである。
これにより、絶縁素子(例えば、フォトカプラ)の個数を3個から1個に減らことができる。このため、モータ制御装置10の小型化と、コストの低減を図ることができる。
また、制御部30では、1個の絶縁素子(例えば、フォトカプラPC1)から出力される1つの電圧センサ信号Scを基にして、各相の位置センサ4u,4v,4wから出力される信号Pu,Pv,Pwが示すロータ角度位置に対して角度補正を行うことができる
すなわち、上記実施形態において、本発明における3相交流モータは、図1に示す3相ブラシレスモータ1が対応し、本発明における直流電源装置は、バッテリ5が対応し、本発明におけるモータ制御装置は、モータ制御装置10が対応する。また、本発明における高電圧系の回路は、図1に示す、電圧比較回路21と波形合成回路22等が対応する。また、本発明における低電圧系の制御回路は、制御部30が対応する。また、本発明における絶縁素子は、フォトカプラPC1が対応し、本発明における絶縁回路は、絶縁回路23が対応する。
これにより、絶縁素子(フォトカプラ)の個数を3個から1個に減らすことができる。このため、モータ制御装置10の小型化と、コストの低減を図ることができる。
これにより、3相分のモータコイルの誘起電圧VUG,VVG,VWGの検出信号を1つの信号に合成し、この合成された信号を1つの絶縁素子(フォトカプラPC1)を介して、電圧センサ信号Scとして制御部30に出力できる。このため、絶縁素子(フォトカプラ)の個数を3個から1個に減らすことができ、モータ制御装置10の小型化と、コストの低減を図ることができる。
これにより、3相分のモータコイルの誘起電圧VUG,VVG,VWGの検出信号を1つの信号に合成し、この合成された信号を1つの絶縁素子(フォトカプラPC1)を介して、電圧センサ信号Scとして制御部30に出力できる。このため、絶縁素子(フォトカプラ)の個数を3個から1個に減らすことができ、モータ制御装置10の小型化と、コストの低減を図ることができる。
これにより、各相モータコイルの誘起電圧の検出信号を制御部30に出力する際に、簡易な方法により、U,V,Wの各相の検出信号(3相分の検出信号)から1つの信号を合成することができる。このため、3相分の検出信号を合成した信号を1つの絶縁素子(フォトカプラPC1)を介して、低電圧系の制御部30に出力することができる。
これにより、絶縁素子(例えば、フォトカプラ)の個数を3個から1個に減らすことができる効果に加えて、1個の絶縁素子(例えば、フォトカプラPC1)から出力される電圧センサ信号Scにより、各位置センサ4u,4v,4wから出力される信号Pu,Pv,Pwが示すロータ角度位置に対して角度補正を行うことができる。すなわち、位置センサ4u,4v,4wの設置位置を変更することなく、位置センサ4u,4v,4wの出力信号Pu,Pv,Pwに対して電気的に角度の補正を行うことができる。
2…ステータ
3…ロータ
4u,4v,4w…位置センサ
5…バッテリ
10…モータ制御装置
11…3相ブリッジ回路
21…電圧比較回路
22…波形合成回路
23…絶縁回路
30…制御部
31…位置センサ角度補正部
32…キャプチャ部
32A…カウント部
33…バッファ部
34…角度補正処理部
C1,C2,C3…コンデンサ
CP1,CP2,CP3…コンパレータ
D1,D2,D3…ダイオード
PC1,PC2,PC3…フォトカプラ
Q1〜Q6…スイッチング素子
Sc…電圧センサ信号
Pu,Pv,Pw…位置センサの出力信号
Claims (5)
- 直流電源装置から出力される直流電圧を3相交流電圧に変換して3相交流モータを駆動するモータ制御装置であって、前記3相交流モータの駆動回路を含む高電圧系の回路と、前記高電圧系の回路の動作を制御する低電圧系の制御回路とを有し、前記高電圧系の回路と前記制御回路とが絶縁されて構成され、前記3相交流モータのロータの回転位置をU,V,W相の各相のモータコイルに対応して配置された位置センサにより検出し、この位置センサにより検出したロータの回転位置を基にして前記モータコイルへの通電を制御するモータ制御装置であって、
前記3相交流モータへの通電を停止しロータを惰性で回転させるフリーラン状態とし、前記高電圧系の回路において、各相のモータコイルに発生する誘起電圧を各相ごとにそれぞれ検出し、この誘起電圧を前記モータコイルの相間で比較して前記モータコイルにおけるロータの磁極の切り替わりを示すゼロクロス点を検出し、当該ゼロクロス点を示す検出信号を前記制御回路に出力する際に、
前記各相ごとに検出された3相分の前記検出信号を1つの信号である電圧センサ信号として合成し、この合成された前記電圧センサ信号を1つの絶縁素子を介して、前記制御回路に出力し、
前記制御回路が、前記各位置センサから出力される出力信号の検出を示す検出状態と非検出を示す非検出状態との間における遷移タイミングと、前記電圧センサ信号に含まれるU,V,Wの各相モータコイルの誘起電圧から求めた前記ゼロクロス点を示す前記検出信号とを比較し、前記各位置センサにおける隣接した相における一方の位置センサの出力信号が前記検出状態から前記非検出状態へ遷移する第1遷移タイミングと他方の位置センサの出力信号が前記非検出状態から前記検出状態へ遷移する第2遷移タイミングとの間の第1の時間が、前記第1遷移タイミングと前記検出信号が出力されたタイミングとの間の第2の時間より長い場合、当該第1の時間から前記第2の時間を減算した数値を前記第1の時間で除算して求めた係数を、前記他方の位置センサの出力信号の第2遷移タイミングにおける前記出力信号の示すロータ角度に対して乗算し、乗算した結果を当該ロータ角度を進角する補正角度とし、前記第1の時間が前記第2の時間より短い場合、前記第2の時間から前記第1の時間を減算した結果を前記第1の時間で減算して求めた係数を、前記ロータ角度に対して乗算し、乗算した結果を前記ロータ角度を遅角する補正角度とし、前記各位置センサから出力される出力信号が示す前記ロータ角度の位置に対して角度補正処理を行う
ことを特徴とするモータ制御装置。 - 前記3相交流モータのフリーラン状態において、U,V,Wの各相のモータコイル端子と前記直流電源装置の負極側との間に発生する前記誘起電圧を検出し、前記モータコイルの相間で比較することにより、U,V,Wの各相モータコイルの誘起電圧から前記ゼロクロス点を検出し、前記ゼロクロス点を示す前記検出信号を各相ごとにそれぞれ生成する電圧比較回路と、
前記電圧比較回路により生成されたU,V,Wの3相分の前記検出信号を基に、各相の前記検出信号に含まれるそれぞれの前記モータコイルにおけるロータの磁極の切り替わりを示すゼロクロス点の情報を内包する1つの信号を合成する波形合成回路と、
前記波形合成回路により合成された1つの信号を、1つの絶縁素子を介して絶縁し、前記制御回路に電圧センサ信号として出力する絶縁回路と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。 - 前記直流電源装置の負極側が前記高電圧系の回路の回路グランドと接続され、
前記電圧比較回路は、
前記U相モータコイル端子と前記回路グランドとの間に発生する前記誘起電圧と、前記W相モータコイル端子と前記回路グランドとの間に発生する前記誘起電圧と、を比較する第1のコンパレータと、
前記V相モータコイル端子と前記回路グランドとの間に発生する前記誘起電圧と、前記U相モータコイル端子と前記回路グランドとの間に発生する前記誘起電圧と、を比較する第2のコンパレータと、
前記W相モータコイル端子と前記回路グランドとの間に発生する前記誘起電圧と、前記V相モータコイル端子と前記回路グランドとの間に発生する前記誘起電圧と、を比較する第3のコンパレータと、
を備え、
前記波形合成回路は、
前記第1のコンパレータの出力信号の微分信号を生成して、U相モータコイルにおける前記ロータの前記ゼロクロス点を示す前記検出信号を出力する第1の微分回路と、
前記第2のコンパレータの出力信号の微分信号を生成して、V相モータコイルにおける前記ロータの前記ゼロクロス点を示す前記検出信号を出力する第2の微分回路と、
前記第3のコンパレータの出力信号の微分信号を生成して、W相モータコイルにおける前記ロータの前記ゼロクロス点を示す前記検出信号を出力する第3の微分回路と、
前記第1、第2および第3の微分回路の前記検出信号を合成して1つの信号を生成する信号合成回路と、
を備え、
前記絶縁回路は、
前記波形合成回路により合成された1つの信号を絶縁して、前記制御回路に電圧センサ信号として出力する1つの絶縁素子を、
備えることを特徴とする請求項2に記載のモータ制御装置。 - 前記第1の微分回路は、第1のコンデンサと第1の抵抗とで構成されるCR微分回路で構成され、前記第1のコンデンサは一端が第1のコンパレータの出力端子に接続され、他端が前記第1の抵抗の一端に接続され、該第1の抵抗の他端は前記回路グランドに接続され、
前記第2の微分回路は、第2のコンデンサと第2の抵抗とで構成されるCR微分回路で構成され、前記第2のコンデンサは一端が第2のコンパレータの出力端子に接続され、他端が前記第2の抵抗の一端に接続され、該第2の抵抗の他端は前記回路グランドに接続され、
前記第3の微分回路は、第3のコンデンサと第3の抵抗とで構成されるCR微分回路で構成され、前記第3のコンデンサは一端が第3のコンパレータの出力端子に接続され、他端が前記第3の抵抗の一端に接続され、該第3の抵抗の他端は前記回路グランドに接続され、
また、前記第1のコンデンサと第1の抵抗との接続点が第1のダイオードのアノード側に接続され、
前記第2のコンデンサと第2の抵抗との接続点が第2のダイオードのアノード側に接続され、
前記第3のコンデンサと第3の抵抗との接続点が第3のダイオードのアノード側に接続され、
前記第1のダイオードのカソード側と、前記第2のダイオードのカソード側と、前記第3のダイオードのカソード側とが共通に接続されて、
構成されることを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。 - 前記3相交流モータのフリーラン状態において、
前記3相交流モータのU相モータコイルの誘起電圧と、V相モータコイルの誘起電圧と、W相モータコイルの誘起電圧とから前記ゼロクロス点を検出してバッファ部に記録するとともに、
前記U相モータコイルに対応する位置に配置されるU相位置センサの出力信号と、V相モータコイルに対応する位置に配置されるV相位置センサの出力信号と、W相モータコイルに対応する位置に配置されるW相位置センサの出力信号とにおいて、これらの出力信号がH状態とL状態との間で遷移するタイミングを検出してバッファ部に記録するキャプチャ部と、
前記バッファ部に記録されたU、V、W相のモータコイルの誘起電圧から求めた前記ゼロクロス点の情報と、U、V、W相の位置センサにおける出力信号がH状態とL状態との間で遷移するタイミングの情報とを基に、前記U、V、W相の位置センサの出力信号が示すロータ角度位置に対して角度補正処理を行う角度補正処理部と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
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