JP4990188B2 - 反射板 - Google Patents
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図1は、この発明の実施の形態1による反射板の構造を示す平面図であり、図2は同反射板の構造を示す側面図である。
この反射板は、地板1、基板2および導体パッチ3から構成されている。基板2は誘電体等の一定の厚みを持つ板であり、基板2の一方の面上には、地板1が形成されている。また、地板1と対向する基板2の他方の面上には、少なくとも動作周波数において1波長以下の寸法を有する複数の矩形の導体パッチ3が、所定の間隔を有して一次元的または二次元的(この例では、二次元的)に配列されている。さらに、導体パッチの配列の少なくとも一方向に沿って、導体パッチごとの前記方向に沿った辺の長さが増加または減少(この例では、増加)するように配列されている。図1および図2の例では、導体パッチ3の横方向の辺の長さが、導体パッチ3a,3b,3cの順に徐々に増加するように形成されている。
ここで、導体パッチ3は矩形であるが、この発明の場合の「矩形」には正方形も含むものとする。また、導体パッチ3の辺の長さの増減は、順次一定の値ずつ変化してもよいし、ランダムに変化してもよいものとする。
反射板に電磁波が入射した場合、隣接する導体パッチ3間でキャパシタンス成分Cが形成される。また、導体パッチ3上に流れる電流により、インダクタンス成分Lが形成される。これらのキャパシタンス成分Cとインダクタンス成分LによってLC共振回路が形成される。この反射板は、複数の導体パッチ3が一次元的または二次元的に配列されているため、上記LC共振回路が複数形成される。各LC共振回路は、共振周波数において高インピーダンス特性を示すようになる。このように、隣接する導体パッチ3間のキャパシタンス成分Cを利用して、LC共振回路は形成されるため、小さな導体パッチを使用した場合でも、共振周波数を低周波数に設定することができる。
また、隣接する導体パッチ3間のキャパシタンス成分Cを利用して、LC共振回路を形成するため、特許文献1の従来の周波数選択板のように導体パッチ単体で共振特性を得るよりも、小さな導体パッチを使用した場合でも、共振周波数を低周波数に設定することができる。また、導体パッチには、特許文献2のような複雑な素子パターンを用いず、矩形という簡単な形状を用いているため、製造が容易であり、コスト面においても有利である。
図4は、この発明の実施の形態2による反射板の構造を示す平面図であり、図5は同反射板の側面図である。
この実施の形態2の反射板は、一定の厚みを持つ誘電体等の基板2の一方の面上に地板1を形成し、地板1と対向する基板2の他方の面上に、複数の矩形の導体パッチ3を一次元的または二次元的(この例では、二次元的)に配列し、導体パッチ3が、少なくとも動作周波数における1波長以下の寸法を有しているという点までは実施の形態1と同様である。この実施の形態2の場合は、複数の導体パッチ3は、いずれも同じ寸法であり、かつ導体パッチの配列の少なくとも一方向に沿って、隣接する導体パッチ3の間隔を増加または減少(この例では、増加)させるように配列した構成としている点が実施の形態1と異なる。
ここで、隣接する導体パッチ3の間隔の増減は、順次一定の値ずつ変化してもよいし、ランダムに変化してもよいものとする。
基板2の他方の面上に複数の導体パッチ3を配列することにより、隣接する導体パッチ3間でキャパシタンス成分Cが形成される。また、導体パッチ3上に流れる電流により、インダクタンス成分Lが形成される。これらのキャパシタンス成分Cとインダクタンス成分LによりLC共振回路が形成される。上記キャパシタンス成分Cは、隣接する導体パッチ3間の距離によって変化するため、上記LC共振回路の共振周波数も、隣接する導体パッチ3間の距離によって変化する。したがって、反射位相特性は、隣接する導体パッチ3間の距離により変化する。
図7は、この発明の実施の形態3による反射板の構造を示す平面図であり、図8は同反射板の側面図である。
この実施の形態3の反射板は、一定の厚みを持つ誘電体等の基板2の一方の面上に地板1を形成し、地板1と対向する基板2の他方の面上に、複数の矩形の導体パッチ3を所定の間隔を有して一次元的または二次元的(この例では、二次元的)に配列し、導体パッチ3が、少なくとも動作周波数における1波長以下の寸法を有しているという点までは実施の形態1と同様である。この実施の形態3の場合は、基板2の誘電率が導体パッチの配列の少なくとも一方向に沿って導体パッチの位置ごとに増加または減少(この例では、増加とする)するように構成した点が実施の形態1と異なる。すなわち、図7および図8に示すように、基板2は、誘電率が基板2a,2b,2cの順に徐々に変化した構成としている。
ここで、基板2の誘電率の増減は、順次一定の値ずつ変化してもよいし、ランダムに変化してもよいものとする。
基板2の他方の面上に複数の導体パッチ3を配列することにより、隣接する導体パッチ3間でキャパシタンス成分Cが形成される。また、導体パッチ3上に流れる電流により、インダクタンス成分Lが形成される。これらのキャパシタンス成分Cとインダクタンス成分LによりLC共振回路が形成される。これらキャパシタンス成分Cとインダクタンス成分Lは、基板2の誘電率によって変化するため、上記LC共振回路の共振周波数も基板2の誘電率によって変化する。これにより、反射位相特性は、基板2の誘電率によって変化する。
図10は、この発明の実施の形態4による反射板の構造を示す平面図であり、図11は同反射板の構造を示す側面図である。
この実施の形態4の反射板は、誘電体等の基板2の一方の面上に地板1を形成し、地板1と対向する基板2の他方の面上に複数の矩形の導体パッチ3を所定の間隔を有して一次元的または二次元的(この例では、二次元的)に配列し、導体パッチ3が、少なくとも動作周波数における1波長以下の寸法を有しているという点までは実施の形態1と同様である。この実施の形態4の場合は、基板2が導体パッチ3の配列の少なくとも一方向に沿って、その厚みを導体パッチの位置ごとに段階的に増加または減少させるように配列した構成としている点が実施の形態1と異なる。すなわち、図11に示すように、基板2は、厚みが、基板2a,2b,2cの順に徐々に変化した構成としている。なお、基板2a,2b,2cは同質誘電体とするが、異なる誘電率の誘電体で構成してもよい。
ここで、基板2の厚みの増減は、順次一定の値ずつ変化してもよいし、ランダムに変化してもよいものとする。
基板2の他方の面上に複数の導体パッチ3を配列することにより、隣接する導体パッチ3間でキャパシタンス成分Cが形成される。また、導体パッチ3上に流れる電流により、インダクタンス成分Lが形成される。これらのキャパシタンス成分Cとインダクタンス成分LによりLC共振回路が形成される。これらキャパシタンス成分Cとインダクタンス成分Lは、基板2の誘電率によって変化する。基板が同質の場合、誘電率は基板2の厚みによって変化するため、キャパシタンス成分Cとインダクタンス成分Lは、基板2の厚みによって変化する。したがって、上記LC共振回路の共振周波数も基板2の厚みによって変化する。これにより、反射位相特性は基板2の厚みにより変化する。
なお、基板2としては、一体成型した厚みを異なる一枚の板を使用してもよいし、あるいは厚みの異なる板を順次結合したものでもよい。
図13は、この発明の実施の形態5による反射板の構造を示す平面図であり、図14は同反射板の構造を示す側面図である。
この実施の形態5では、上記実施の形態1で説明した、地板1、誘電体等の基板2、複数の導体パッチ3から構成された種類の反射板16を、複数個一次元的または二次元的に周期配列して一つの反射板を構成している。ここでは、各反射板において導体パッチ3a、3b、3cの順に導体パッチの配列の少なくとも一方向に沿った辺の長さが増加または減少(この例では、増加)している。また、この場合、各反射板16において、対応する導体パッチ3の配列の少なくとも一方向に沿った辺の長さの増減の値は一定としている。
図13および図14で用いている反射板16は、実施の形態1の反射板と同じである。したがって、反射板16に入射したある特定の周波数帯の電磁波は、各導体パッチ3で異なる反射位相特性を呈するため、反射板の場所によって反射位相が異なり、入射角と反射角が等しくならず、反射の法則に従わない反射板となる。この実施の形態5の反射板は、この反射板16の複数個を一次元的または二次元的に周期配列して構成しているため、さらに広い範囲で入射角と反射角が等しくならず、反射の法則に従わない反射板を構成することになる。
上記実施の形態5では、実施の形態1から実施の形態4の反射板のうちのいずれか1種類の反射板の複数個を一次元的または二次元的に周期的に配列して組み合わせ反射板とした例について説明したが、次のようにして組み合わせ反射板を構成してもよい。
すなわち、実施の形態1から実施の形態4で説明した種類の反射板のうちから、少なくとも2種類を用い、この2種類の反射板を含んだ複数個を一次元的または二次元的に周期的に配列し、配列した全ての反射板において、反射板の種類に対応した、導体パッチの辺の長さの増減の値、隣接する導体パッチの間隔の増減の値、基板の誘電率の増減の値または基板の厚みの増減の値を一定になるようにして組み合わせ反射板を形成する。このことにより、実施の形態5と同様の効果を奏することができる。
図15は、この発明の実施の形態7による反射板の構造を示す平面図であり、図16は同反射板の構造を示す側面図である。
この実施の形態7の反射板は、実施の形態1で説明した種類の反射板16の複数個を一次元的または二次元的(この例では、一次元的)に配列した構成としている。ここでは、1個の反射板16の構成は、導体パッチ3が、導体パッチの配列の少なくとも一方向に沿って、同方向に沿った辺の長さが増加または減少するように配列されているが、組み合わせた全ての反射板16では、導体パッチの辺の長さが同じように変化するのではなく、導体パッチの辺の長さの増減の値がランダムとなるように設定されている。すなわち、図15および図16を見ると、左側に位置する反射板は、図1および図2の反射板のように、導体パッチの配列の一方向に沿って導体パッチの辺が3a、3b、3cと順次増加する配列となっているが、中間に位置する反射板は、導体パッチの辺が3c、3b、3aと順次減少する配置となっている。また、右側に位置する反射板は、導体パッチの辺が3b、3a、3cと減少、増加といった配置となっている。
この実施の形態7の反射板を構成している各反射板16は、実施の形態1で説明したものと同じであり、入射したある特定の周波数帯の電磁波に対して、各導体パッチ3は異なる反射位相特性を持つことできるため、反射板の場所によって反射位相が異なり、入射角と反射角が等しくならず、反射の法則に従わない反射板となる。さらに、上述のような種類の反射板の複数個を一次元的または二次元的に配列し、隣り合う個別の反射板16で、導体パッチの辺の長さの増加減の仕方を異なるようにしている。そのため、広い範囲で入射角と反射角が等しくならず、反射の法則に従わない反射板となる。
上記実施の形態7では、実施の形態1から実施の形態4の反射板のうちのいずれか1種類の反射板の複数個を一次元的または二次元的に周期的に配列して組み合わせ反射板とした例について説明したが、次のようにして組み合わせ反射板を構成してもよい。
すなわち、実施の形態1から実施の形態4で説明した種類の反射板のうちから、少なくとも2種類を用い、この2種類の反射板を含んだ複数個を一次元的または二次元的に周期的に配列し、配列した全ての反射板において、当該反射板の種類に対応した、導体パッチの辺の長さの増減の値、隣接する導体パッチの間隔の増減の値、基板の誘電率の増減の値または基板の厚みの増減の値をランダムになるようにして組み合わせ反射板を形成する。このことにより、実施の形態7と同様の効果を奏することができる。
図17は、この発明の実施の形態9による反射板の構造を示す平面図であり、図18は同反射板の構造を示す側面図である。
図17および図18の反射板は、上記実施の形態5の図13および図14で説明したものと同様な、地板1、誘電体等の基板2、複数の導体パッチ3から構成されている反射板16を、複数個一次元的または二次元的(この例では、一次元的)に配列して、組み合わせの反射板を構成している。また、個別の反射板16で見た場合、対応する導体パッチ17,18,19の辺の長さがそれぞれ一定の値で増加または減少(この例では、増加)する関係を持っている。しかし、この実施の形態9の反射板の場合、配列された各反射板16a、16b、16cで、互いに対応した位置にある、増加または減少の対象となる導体パッチの辺の長さに、予め一定の差を持たせている。すなわち、対応する導体パッチ17a,17b,17cは、横の辺の長さに少し差(増加)を与えた関係となっている。加えて、導体パッチの辺の長さは、配列の少なくとも一方向に一定の値で増加するようにしているから、導体パッチ18a,18b,18c、また19a,19b,19cも同じように横の辺の長さに少し差(増加または減少)を与えた関係となっている。
したがって、反射板に入射したある特定の周波数帯の電磁波は、各導体パッチで異なる反射位相特性を持つことできるため、広い範囲で、場所によって反射位相が異なり、入射角と反射角が等しくならず、反射の法則に従わない反射板として機能する。
例えば図19および図20に示すように、個別の反射板16の種類として、実施の形態2で説明したような、導体パッチの配列の少なくとも一方向に沿って、隣接する導体パッチの間隔が増加または減少(この例では、増加)するように配列した構成の反射板を用い、かつ配列した各反射板16a,16b,16cで、互いに対応した位置にある、増加または減少の対象となる隣接する導体パッチの間隔20a,20b,20c(同様21a,21b,21c)に、予め一定の差を持たせておく。
Claims (6)
- 一定の厚みを持つ誘電体の基板の一方の面上に地板を形成し、地板と対向する基板の他方の面上に、同じ寸法の複数の矩形の導体パッチを所定の間隔を有して一次元的または二次元的に配列し、
前記導体パッチの配列の少なくとも一方向に沿って、前記基板の誘電率を導体パッチの位置ごとに増加または減少させて隣接する導体パッチ間で形成されるキャパシタンス成分および/もしくは導体パッチに電流が流れることにより形成されるインダクタンス成分を導体パッチごとに変化させた領域を形成したことを特徴とする反射板。 - 誘電体の基板の一方の面上に地板を形成し、地板と対向する基板の他方の面上に、同じ寸法の複数の矩形の導体パッチを所定の間隔を有して一次元的または二次元的に配列し、
前記導体パッチの配列の少なくとも一方向に沿って、基板の厚みを導体パッチの位置ごとに増加または減少させて隣接する導体パッチ間で形成されるキャパシタンス成分および/もしくは導体パッチに電流が流れることにより形成されるインダクタンス成分を変化させた領域を形成したことを特徴とする反射板。 - 請求項1または請求項2のうちのいずれかの反射板の複数個を一次元的または二次元的に周期的に配列し、
配列した全ての反射板において、当該反射板の種類に対応した、導体パッチの辺の長さの増減の値、隣接する導体パッチの間隔の増減の値、基板の誘電率の増減の値または基板の厚みの増減の値を一定にしたことを特徴とする反射板。 - 請求項1および請求項2の反射板の複数個を一次元的または二次元的に周期的に配列し、
配列した全ての反射板において、当該反射板の種類に対応した、導体パッチの辺の長さの増減の値、隣接する導体パッチの間隔の増減の値、基板の誘電率の増減の値または基板の厚みの増減の値を一定にしたことを特徴とする反射板。 - 請求項1または請求項2の反射板の複数個を一次元的または二次元的に配列し、
配列した全ての反射板において、当該反射板の種類に対応した、導体パッチの辺の長さの増減の値、隣接する導体パッチの間隔の増減の値、基板の誘電率の増減の値または基板の厚みの増減の値をランダムにしたことを特徴とする反射板。 - 請求項1および請求項2の反射板の複数個を一次元的または二次元的に周期的に配列し、
配列した全ての反射板において、当該反射板の種類に対応した、導体パッチの辺の長さの増減の値、隣接する導体パッチの間隔の増減の値、基板の誘電率の増減の値または基板の厚みの増減の値をランダムにしたことを特徴とする反射板。
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