JP4989572B2 - 回路付サスペンション基板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、光アシスト法を採用する光アシスト磁気記録装置では、ヘッドスライダの側面に、磁気再生素子および磁気記録素子(磁気ヘッド)と光導波路と光源とを形成することにより、磁気記録再生素子を設け、このヘッドスライダをサスペンションに支持させることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、本発明の回路付サスペンション基板では、前記光導波路は、アンダークラッド層と、前記アンダークラッド層の上に形成され、前記アンダークラッド層よりも屈折率の高いコア層と、前記アンダークラッド層の上に、前記コア層を被覆するように形成され、前記コア層よりも屈折率の低いオーバークラッド層とを備え、前記アンダークラッド層は、前記金属支持基板の上面に直接積層されていることが好適である。
また、本発明の回路付サスペンション基板では、さらに、ヘッドスライダを搭載するための搭載部を備え、前記光導波路が、前記導体パターンが延びる方向に沿って配置されており、前記発光素子が、前記金属支持基板の長手方向一方側に配置され、前記搭載部が、前記金属支持基板の長手方向他方側に配置されていることが好適である。
また、本発明の回路付サスペンション基板の製造方法によれば、光アシスト法に用いられる光導波路を、ヘッドスライダよりも、スペース的に余裕を持って金属支持基板の上に形成することができる。そのため、設計上の自由を確保することができる。
配線部3は、長手方向に延びる平面視略矩形状に形成されている。
ジンバル部4は、配線部3の先端から連続して形成され、配線部3に対して幅方向両外側に膨出する平面視略矩形状に形成されている。また、ジンバル部4には、平面視において先側に向かって開く略U字状のスリット部5が形成されている。また、ジンバル部4は、スリット部5に幅方向において挟まれるタング部6と、スリット部5の幅方向両外側およびタング部6の先端側に配置されるアウトリガー部8とを一体的に備えている。
搭載部9は、ヘッドスライダ27(図5参照)を搭載するための領域(図1の破線の領域)であって、平面視において、タング部6のほぼ全体にわたって配置されており、平面視略矩形状に形成されている。また、搭載部9は、端子形成部10と、台座40とを備えている。
開口部7は、金属支持基板11を厚み方向に貫通するように平面視略矩形状に形成されており、端子形成部10における幅方向中央に形成されている。また、開口部7は、平面視において、搭載部9の先端縁(端子形成部10の後端縁)を跨ぐように、端子形成部10の先端部とアウトリガー部8の幅方向中央の後端部とにわたって形成されている。
また、台座40は、台座ベース絶縁層41と、台座ベース絶縁層41の上に形成される台座導体層42とを備えている。
台座導体層42は、台座ベース絶縁層41の表面において、平面視において、台座ベース絶縁層41よりやや小さい相似形状に形成されている。
導体パターン13は、外部側接続端子部16と、磁気ヘッド側接続端子部17と、これら外部側接続端子部16および磁気ヘッド側接続端子部17を接続するための信号配線15とを、一体的に連続して備えている。
複数の信号配線15は、第1配線15a、第2配線15b、第3配線15cおよび第4配線15dから形成されており、これら第1配線15a、第2配線15b、第3配線15cおよび第4配線15dが、幅方向一方側から幅方向他方側に向かって、順次配置されている。
いに間隔を隔てて、配線部3の幅方向両端部にそれぞれ配置されている。
なお、第1配線15aおよび第2配線15b(第1の1対の配線15e)は、配線部3
において後述する発光素子20を幅方向内側に迂回するように、発光素子20と幅方向内側に間隔を隔てて配置されている。
より具体的には、磁気ヘッド側接続端子部17は、端子形成部10の後端縁(搭載部9の先端縁)に沿うように、幅方向において互いに間隔を隔てて配置されている。また、磁気ヘッド側接続端子部17は、これに接続する第1配線15a、第2配線15b、第3配線15cおよび第4配線15dに対応する、第1磁気ヘッド側接続端子部17a、第2磁気ヘッド側接続端子部17b、第3磁気ヘッド側接続端子部17cおよび第4磁気ヘッド側接続端子部17dから形成されている。また、第2磁気ヘッド側接続端子部17b、第1磁気ヘッド側接続端子部17a、第4磁気ヘッド側接続端子部17dおよび第3磁気ヘッド側接続端子部17cは、幅方向一方側から幅方向他方側に向かって順次配置されている。この磁気ヘッド側接続端子部17には、図示しない磁気ヘッドの端子部が接続される。
金属支持基板11は、図1および図3に示すように、回路付サスペンション基板1の外形形状に対応して形成されている。
より具体的には、ベース絶縁層12は、金属支持基板11より長手方向がやや短くなる平帯状に形成されている。また、ベース絶縁層12は、幅方向に互いに間隔を隔てて対向配置される2つのベース絶縁層から形成されている。
なお、ベース絶縁層12は、後述する供給配線30および供給端子部31が形成される位置に対応するように形成されている。
導体パターン13は、配線部3およびジンバル部4にわたって配置されており、厚み方向に投影したときに、ベース絶縁層12に含まれるように配置されている。つまり、第1の1対の配線15eは、第1のベース絶縁層12aに含まれ、第2の1対の配線15fは、第2のベース絶縁層12bに含まれている。また、導体パターン13は、ベース絶縁層12の上面において、外部側接続端子部16および磁気ヘッド側接続端子部17と、信号配線15とを、一体的に連続して備える配線回路パターンとして形成されている。
また、配線部3および幅方向他方側(先端部を除く)のアウトリガー部8におけるカバー絶縁層14(第2のカバー絶縁層14b)の幅方向他側面は、第4配線15dと幅方向他側、つまり、第4配線15dに対する第3配線15cの反対側に、平面視において間隔を隔てて形成されている。さらにまた、幅方向途中(幅方向他端部と幅方向中央との間の部分。但し、先端部を除く。)のアウトリガー部8におけるカバー絶縁層14(第2のカバー絶縁層14b)の幅方向一側面(内側面)は、第4配線15dと、それに対する第3配線15cの反対側(内側)に、平面視において間隔を隔てて形成されている。
そして、この回路付サスペンション基板1は、図1に示すように、光アシスト法に用いられる光アシスト部18を備えている。
光導波路19は、図1および図3に示すように、配線部3およびジンバル部4にわたって配置され、金属支持基板11の上面において、ベース絶縁層12、導体パターン13およびカバー絶縁層14とは別途独立して設けられている。つまり、光導波路19は、導体パターン13が延びる方向に沿って延び、ベース絶縁層12およびカバー絶縁層14と間隔を隔てて配置されている。
すなわち、光導波路19は、第1配線15a(と第1のベース絶縁層12aおよび第1のカバー絶縁層14aの一側面と)と並行して延び、先端側のアウトリガー部8で後側に折り返した後、ジンバル部4の幅方向中央に沿って延び、開口部7に至るように配置されている。
発光素子20は、光導波路19に光を入射させるための光源であって、例えば、電気エネルギーを光エネルギーに変換して、高エネルギーの光を出射する光源である。この発光素子20は、金属支持基板11の後端側に配置されており、より具体的には、配線部3の後端側であって、外部側接続端子部16と先側に間隔を隔てて配置されており、信号配線15(第1配線15a)と幅方向一方側に間隔を隔てて配置されている。また、この発光素子20は、金属支持基板11の上に形成されている。
このような光導波路19は、アンダークラッド層22と、アンダークラッド層22の上に形成されるコア層23と、アンダークラッド層22の上に、コア層23を被覆するように形成されるオーバークラッド層24とを備えている。
アンダークラッド層22は、図3に示すように、金属支持基板11の上面に直接積層されている。
オーバークラッド層24は、その幅方向両外側端縁が、アンダークラッド層22の幅方向両外側端縁と平面視において同一位置となるように形成されている。
次いで、この回路付サスペンション基板1の製造方法について、図4を参照して、説明する。
金属支持基板11は、ステンレス、42アロイ、アルミニウム、銅−ベリリウム、りん青銅などの金属材料から形成されている。金属支持基板11の厚みは、例えば、15〜30μm、好ましくは、20〜25μmである。
次いで、この方法では、図4(b)に示すように、金属支持基板11の上に、ベース絶縁層12、導体パターン13およびカバー絶縁層14を順次積層する。
ベース絶縁層12および台座ベース絶縁層41は、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの合成樹脂などの絶縁材料から形成されている。好ましくは、ポリイミド樹脂から形成されている。
これにより形成されるベース絶縁層12および台座ベース絶縁層41の厚みは、例えば、2〜40μm、好ましくは、3〜20μmである。
導体パターン13および台座導体層42を形成する導体材料としては、例えば、銅、ニッケル、金、はんだ、またはそれらの合金などの導体材料が用いられる。
導体パターン13および台座導体層42を形成するには、例えば、アディティブ法、サブトラクティブ法などの公知のパターンニング法を用いる。好ましくは、アディティブ法を用いる。
これにより形成されるカバー絶縁層14の厚みは、例えば、2〜30μm、好ましくは、3〜20μmである。
なお、ベース絶縁層12、導体パターン13およびカバー絶縁層14の厚みT2、つまり、金属支持基板11の上面からカバー絶縁層14までの厚みT2は、例えば、7〜100μm、好ましくは、10〜50μmである。
次いで、この方法では、図4(c)に示すように、光導波路19を、金属支持基板11の上に、ベース絶縁層12、導体パターン13およびカバー絶縁層14とは別途設ける。
具体的には、光導波路19を、金属支持基板11の上に、アンダークラッド層22、コア層23およびオーバークラッド層24を順次積層する。
アンダークラッド層22を形成する材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂(脂環式エポキシ樹脂など)、アクリル樹脂、または、フルオレン誘導体樹脂、さらには、フルオレン誘導体樹脂と脂環式エポキシ樹脂との混合樹脂、これら樹脂と脂環式エーテル化合物(例えば、オキセタン化合物など)との混合樹脂が用いられる。これら樹脂は、好ましくは、感光剤を配合して、感光性樹脂として用いられる。好ましくは、感光性フルオレン誘導体樹脂(原料としては、感光性フルオレン系エポキシ樹脂)と脂環式エポキシ樹脂との混合樹脂が用いられる。また、感光剤としては、例えば、公知のオニウム塩などが用いられ、より具体的には、4,4-ビス[ジ(βヒドロキシエトキシ)フェニルスルフィニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネートなどが用いられる。
次いで、コア層23を、アンダークラッド層22の上面に形成する。
コア層23を上記したパターンで形成するには、例えば、上記した樹脂のワニス(樹脂溶液)を、公知の希釈剤を用いて調製して、そのワニスを、アンダークラッド層22を含む金属支持基板11の上面に塗布後、乾燥し、必要により硬化させる。また、感光性樹脂が用いられる場合には、ワニスの塗布および乾燥後に、フォトマスクを介して露光して、公知の有機溶剤などにより未露光部分を溶解させることにより、現像して、その後、必要により硬化させる。
次いで、オーバークラッド層24を、アンダークラッド層22の上面に、コア層23を被覆するように形成する。
オーバークラッド層24を上記したパターンで形成するには、例えば、上記した樹脂のワニス(樹脂溶液)を、公知の希釈剤を用いて調製して、そのワニスを、コア層23およびアンダークラッド層22を含む金属支持基板11の上面に、塗布後、乾燥し、必要により硬化させる。また、感光性樹脂が用いられる場合には、ワニスの塗布および乾燥後に、フォトマスクを介して露光して、公知の有機溶剤などにより未露光部分を溶解させることにより、現像して、その後、必要により硬化させる。
また、光導波路19の厚みT1は、例えば、上記したベース絶縁層12、導体パターン13およびカバー絶縁層14の合計厚み(具体的には、金属支持基板11の上面からカバー絶縁層14の上面までの厚み)より薄い。
詳しくは、金属支持基板11の上面から光導波路19(オーバークラッド層24)の上面までの厚みT1が、金属支持基板11の上面からカバー絶縁層14の上面までの厚みT2より、薄い。
具体的に、光導波路19の厚みT1は、例えば、3〜80μm、好ましくは、6〜40μmである。
次いで、この方法では、図4(d)に示すように、端子形成部10における金属支持基板11に開口部7を形成する。
この開口部7は、光導波路19の先端部と厚み方向において重なるように、より具体的には、幅方向においては、光導波路19の先端部が開口部7の中央に配置され、長手方向においては、光導波路19の先端部が開口部7の先側半分に配置されるように形成されている。
次いで、この方法では、図4(e)に示すように、光導波路19の先端部を、開口部7側から、レーザ加工により、光導波路19の先端部の端面21が長手方向と交差するように、切削する。
これにより、光導波路19を、開口部7側から、レーザ加工により、光導波路19の先端部の端面21が長手方向と交差するように、切削することができる。
そして、このようにして得られた回路付サスペンション基板1では、図1および図2の破線で示すように、配線部3において、外部側接続端子部16および供給端子部31が、外部回路基板2の図示しない端子部と接続される。また、この外部回路基板2には、磁気ヘッドおよび発光素子20を制御するためのIC32が実装されており、このIC32が、IC配線33を介して、外部側接続端子部16および供給端子部31が接続される端子部と電気的に接続されている。
ヘッドスライダ27は、スライダ本体29と、その先端部に設けられる第2光導波路34および近接場光発生部材35とを、一体的に備えている。
このような近接場光発生部材35は、金属散乱体や開口などからなり、例えば、特開2007−280572号公報、特開2007−052918号公報、特開2007−207349号公報、特開2008−130106号公報などに記載される、公知の近接場光発生装置が用いられる。
そして、このような磁気ヘッド、ヘッドスライダ27、回路付サスペンション基板1および外部回路基板2が搭載されるハードディスクドライブでは、光アシスト法を採用することができる。
また、光導波路19が、金属支持基板11の上に、ベース絶縁層12およびカバー絶縁層14とは別途設けられているので、回路付サスペンション基板1、とりわけ、回路付サスペンション基板1における光導波路19が形成される領域の薄型化を図ることができる。具体的には、光導波路19の上面を、カバー絶縁層14の上面より低くすることができる。
また、この回路付サスペンション基板1は、発光素子20を備えており、その発光素子20が光導波路19と光学的に接続されているので、金属支持基板11の上面に、発光素子20と光導波路19とを一緒に設けることができる。そのため、光学的な接続信頼性を向上させて、光アシスト法を確実に実施することができる。
また、この回路付サスペンション基板1は、発光素子20が、回路付サスペンション基板1の後端側、すなわち、配線部3の後端側に配置され、搭載部9が、回路付サスペンション基板1の先端側、すなわち、ジンバル部4のタング部6に配置されている。そのため、発光素子20およびヘッドスライダ27のレイアウトの設計上の自由を確実に確保することができる。
また、上記した説明では、回路付サスペンション基板1に、1本の光導波路19を設けたが、その本数は特に限定されず、例えば、図示しないが、回路付サスペンション基板1の用途および目的に応じて、複数本の光導波路19を設けることもできる。
さらに、アンダークラッド層22やオーバークラッド層24に代えて、金属薄層からなる光反射層を設けることもできる。
図6において、接着剤層25は、厚み方向において、金属支持基板11とアンダークラッド層22との間に介在されている。すなわち、接着剤層25は、金属支持基板11の上面とアンダークラッド層22の下面とに接触している。
この回路付サスペンション基板1を製造するには、まず、図7(a)に示すように、金属支持基板11を用意して、次いで、図7(b)に示すように、金属支持基板11の上に、ベース絶縁層12、導体パターン13およびカバー絶縁層14を順次積層する。
光導波路19を用意するには、図示しないポリエチレンテレフタレート(PET)シートなどの離型シートに、アンダークラッド層22、コア層23およびオーバークラッド層24を順次積層する。その後、光導波路19を離型シートから引き剥がす。
アンダークラッド層22、コア層23およびオーバークラッド層24を順次積層するには、まず、アンダークラッド層22を、離型シートの上に形成する。アンダークラッド層22を形成するには、例えば、上記した樹脂のワニス(樹脂溶液)調製して、そのワニスを離型シートの上面に塗布後、乾燥し、必要により硬化させる。
次いで、オーバークラッド層24を、アンダークラッド層22の上に、コア層23を被覆するように形成する。オーバークラッド層24を形成するには、例えば、上記した樹脂のワニス(樹脂溶液)を調製して、そのワニスを、コア層23およびアンダークラッド層22を含む離型シートの上面に、塗布後、乾燥し、必要により硬化させる。
次いで、この方法では、図7(c)の矢印および図7(d)に示すように、光導波路19を、金属支持基板11の上に、接着剤層25を介して接着する。具体的には、アンダークラッド層22を、接着剤層25を介して、金属支持基板11に接着する。
接着剤層25の厚みは、光導波路19の上面がカバー絶縁層14の上面より低くなるように、設定される。具体的には、接着剤層25の厚みは、例えば、3〜30μm、好ましくは、5〜20μmである。
これにより、アンダークラッド層22を、接着剤層25を介して金属支持基板11に接着でき、すなわち、光導波路19を、金属支持基板11の上面に接着剤層25を介して接着することができる。
なお、上記した図7(c)に示す回路付サスペンション基板1の製造方法では、接着剤層25を、まず、アンダークラッド層22の下面に積層したが、例えば、図示しないが、接着剤層25を、まず、金属支持基板11の上面に積層し、次いで、接着剤層25を用いてアンダークラッド層22を金属支持基板11の上に接着することもできる。
この場合には、アンダークラッド層22を形成する材料としては、好ましくは、ポリイミド樹脂が用いられ、また、コア層23およびオーバークラッド層24を形成する材料としては、これらとアンダークラッド層22との密着性の観点から、好ましくは、ポリイミド樹脂が用いられる。
図8は、図1に示す回路付サスペンション基板の配線部における幅方向に沿う断面図であって、光導波路が第1のベース絶縁層および第1のカバー絶縁層と、第2のベース絶縁層および第2のカバー絶縁層との間に設けられる形態を示す。
そのため、光導波路19の設計の自由度をより一層向上させることができる。
また、上記した説明では、ベース絶縁層12を2つのベース絶縁層から形成し、カバー絶縁層14を2つのカバー絶縁層として形成したが、例えば、図9に示すように、ベース絶縁層12を、厚み方向に投影したときに、4つの配線15をまとめて含むように、連続する1つのベース絶縁層として形成することもでき、カバー絶縁層14を、4つの配線15をまとめて被覆するように、連続する1つのカバー絶縁層として形成することもできる。
実施例1(光導波路が金属支持基板の上面に直接積層される形態)
厚み20μmのステンレスからなる金属支持基板を用意した(図4(a)参照)。
次いで、ポリイミド樹脂からなる、ベース絶縁層および台座ベース絶縁層を、金属支持基板の上に、上記したパターンで同時に形成した。つまり、幅方向に互いに間隔を隔てて対向配置される第1のベース絶縁層と第2のベース絶縁層とを有するベース絶縁層を形成した。ベース絶縁層および台座ベース絶縁層の厚みは15μmであった。
次いで、ポリイミド樹脂からなるカバー絶縁層を、ベース絶縁層の上に、上記したパターンで形成した。つまり、第1のカバー絶縁層を、第1のベース絶縁層の上に第1の1対の配線を被覆するように形成し、第2のカバー絶縁層を、第2のベース絶縁層の上に第2の1対の配線を被覆するに形成した。カバー絶縁層の厚みは8μmであった。これにより、金属支持基板の上に、ベース絶縁層、導体パターンおよびカバー絶縁層を順次積層した(図4(b)参照)。なお、ベース絶縁層およびカバー絶縁層は、次の工程で形成される光導波路が形成される領域が確保されるように配置した。
次いで、金属支持基板の上に、光導波路を形成した。光導波路を形成するには、まず、アンダークラッド層を形成した。
アンダークラッド層を上記したパターンで形成するには、まず、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル(フルオレン誘導体、エポキシ当量300g/eq.)35重量部、シクロヘキセンオキシド骨格を有する脂環式エポキシ樹脂(セロキサイド2081、ダイセル化学社製)25重量部、4,4−ビス[ジ(βヒドロキシエトキシ)フェニルスルフィニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート(感光剤)の50%プロピオンカーボネート溶液2重量部、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(希釈剤、脂環式エポキシ、セロキサイド2021P、ダイセル化学社製)40重量部を配合してワニスを調製した。次いで、このワニスを、金属支持基板の上面に塗布し、80℃で15分間加熱することにより、乾燥した。その後、フォトマスクを介して露光して、ガンマブチロラクトン系の有機溶剤によって未露光部分を溶解させることにより、現像した。その後、100℃で15分間、加熱して硬化させることにより、金属支持基板の上面に、アンダークラッド層を形成した。
次いで、コア層をアンダークラッド層の上面に形成した。
コア層を上記したパターンで形成するには、まず、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル(フルオレン誘導体、エポキシ当量300g/eq.)70重量部、1,1,1−トリス{4−[2−(3−オキセタニル)]ブトキシフェニル}エタン(オキセタン化合物)30重量部、4,4−ビス[ジ(βヒドロキシエトキシ)フェニルスルフィニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート(感光剤)の50%プロピオンカーボネート溶液1重量部、乳酸エチル(希釈剤)30重量部を配合してワニスを調製した。次いで、このワニスを、アンダークラッド層を含む金属支持基板の上面に塗布し、80℃で15分間加熱することにより、乾燥した。その後、フォトマスクを介して露光して、ガンマブチロラクトン系の有機溶剤によって未露光部分を溶解させることにより、現像した。その後、100℃で15分間、加熱して硬化させることにより、アンダークラッド層の上に、コア層を形成した。
次いで、オーバークラッド層を、アンダークラッド層の上面に、コア層を被覆するように形成した。
オーバークラッド層を上記したパターンで形成するには、まず、上記したアンダークラッド層を形成するためのワニスと同様のワニスを調製し、次いで、このワニスを、コア層およびアンダークラッド層を含む金属支持基板の上面に塗布し、80℃で15分間加熱することにより、乾燥した。その後、フォトマスクを介して露光して、ガンマブチロラクトン系の有機溶剤によって未露光部分を溶解させることにより、現像した。その後、100℃で15分間、加熱して硬化させることにより、アンダークラッド層の上に、コア層を被覆するように、オーバークラッド層を形成した。
これにより、光導波路を、ベース絶縁層およびカバー絶縁層と間隔を隔てて、金属支持基板の上面に直接形成した(図4(c)参照)。詳しくは、光導波路を、第1のベース絶縁層および第1のカバー絶縁層の一方側に、これらと間隔を隔てて形成した。
次いで、端子形成部における金属支持基板に、ウエットエッチングによって、平面視矩形状の開口部を形成した(図4(d)参照)。この開口部の幅は100μm、長さは100μmであった。
その後、この回路付サスペンション基板の配線部の後端側において、光導波路の後端と光学的に接続され、供給配線の先端と電気的に接続されるように、発光素子を、金属支持基板の上面に設置した(図1および図2参照)。
光導波路を、別途用意し、次いで、光導波路を、金属支持基板の上面に、接着剤層を介して接着した以外は、実施例1と同様に、回路付サスペンション基板を製造した(図6および図7参照)。
すなわち、光導波路を用意する工程では、PETシートに、アンダークラッド層、コア層およびオーバークラッド層を順次積層した(図7(c)参照)。
次いで、実施例1と同様のコア層のワニスを、アンダークラッド層を含むPETシートの上面に塗布し、実施例1と同様に処理して、アンダークラッド層の上に、コア層を形成した。
その後、光導波路を離型シートから引き剥がし、次いで、アンダークラッド層の下面に、エポキシ系接着剤から形成される厚さ8μmの接着剤層を積層した。
なお、光導波路の厚みと接着剤層の厚みとの合計、つまり、金属支持基板の上面からオーバークラッド層の上面までの厚み(T1)は、33μmであった。
9 搭載部
11 金属支持基板
12 ベース絶縁層
13 導体パターン
14 カバー絶縁層
19 光導波路
20 発光素子
22 アンダークラッド層
23 コア層
24 オーバークラッド層
25 接着剤層
Claims (7)
- 金属支持基板と、光導波路が形成される領域が前記金属支持基板の上に確保されるように、前記金属支持基板の上に形成されるベース絶縁層と、前記ベース絶縁層の上に形成される導体パターンと、前記ベース絶縁層の上に前記導体パターンを被覆するように形成されるカバー絶縁層と、光導波路とを備え、
前記光導波路は、前記金属支持基板の上の前記領域に、前記金属支持基板の上面に直接または接着剤層を介して積層され、前記ベース絶縁層、前記導体パターンおよび前記カバー絶縁層とは別途設けられていることを特徴とする、回路付サスペンション基板。 - 前記光導波路の上面が、前記カバー絶縁層の上面より低いことを特徴とする、請求項1に記載の回路付サスペンション基板。
- 前記光導波路は、アンダークラッド層と、前記アンダークラッド層の上に形成され、前記アンダークラッド層よりも屈折率の高いコア層と、前記アンダークラッド層の上に、前記コア層を被覆するように形成され、前記コア層よりも屈折率の低いオーバークラッド層とを備え、
前記アンダークラッド層は、前記金属支持基板の上面に直接積層されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の回路付サスペンション基板。 - 前記光導波路は、アンダークラッド層と、前記アンダークラッド層の上に形成され、前記アンダークラッド層よりも屈折率の高いコア層と、前記アンダークラッド層の上に、前記コア層を被覆するように形成され、前記コア層よりも屈折率の低いオーバークラッド層とを備え、
前記アンダークラッド層は、前記金属支持基板の上面に接着剤層を介して積層されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の回路付サスペンション基板。 - さらに、発光素子を備えており、
その発光素子が前記光導波路と光学的に接続されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の回路付サスペンション基板。 - さらに、ヘッドスライダを搭載するための搭載部を備え、
前記光導波路が、前記導体パターンが延びる方向に沿って配置されており、
前記発光素子が、前記金属支持基板の長手方向一方側に配置され、
前記搭載部が、前記金属支持基板の長手方向他方側に配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の回路付サスペンション基板。 - 金属支持基板を用意して、光導波路が形成される領域が前記金属支持基板の上に確保されるように、前記金属支持基板の上に形成されるベース絶縁層と、前記ベース絶縁層の上に形成される導体パターンと、前記ベース絶縁層の上に前記導体パターンを被覆するように形成されるカバー絶縁層とを形成する工程と、
光導波路を、前記金属支持基板の上の前記領域に、前記金属支持基板の上面に直接または接着剤層を介して積層し、前記ベース絶縁層、前記導体パターンおよび前記カバー絶縁層とは別途設ける工程と
を備えることを特徴とする、回路付サスペンション基板の製造方法。
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