JP2001257449A - 配線基板と配線基板の製造方法 - Google Patents

配線基板と配線基板の製造方法

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JP2001257449A JP2000052686A JP2000052686A JP2001257449A JP 2001257449 A JP2001257449 A JP 2001257449A JP 2000052686 A JP2000052686 A JP 2000052686A JP 2000052686 A JP2000052686 A JP 2000052686A JP 2001257449 A JP2001257449 A JP 2001257449A
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plating
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベース基材上に設けられた第1の絶縁層上に
めっき形成された配線層を設けた配線基板で、配線部の
密着性の良い配線基板で、マイグレーションの問題を解
決した配線基板を提供する。 【解決手段】 ベース基材上に設けられた第1の絶縁層
上に直接ないし接着層を介して、めっき形成された配線
層を設けた配線基板であって、配線層は、第1の絶縁層
側から、無電解ニッケル層を下引き層とし、該下引き層
上に、少なくとも電解銅層を主材とした電解めっき層を
積層したものであり、第1の絶縁層は、処理ないし使用
の温度範囲において、熱膨張係数が15ppm〜20p
pmの範囲である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベース基材上に設
けられた絶縁層上に直接ないし接着層を介して、めっき
形成された配線層を設けた配線基板で、配線部の密着性
が良く、マイグレーションの問題を解決できる配線基板
と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気ディスク装置に使用され、デ
ィスクヘ書き込み、ないしディスクから読み取りを行う
磁気ヘッドを支持する磁気ヘッドサスペンションは、図
7に示すように、ロードビーム610、マウントプレー
ト650、およびジンパルサスペンション620と、ジ
ンバルサスペンション610の先端に磁気ヘッド(図示
していない)を搭載するスライダ640とから構成され
ている。ロードビーム610は磁気ヘッドを搭載したス
ライダ640に所定の荷重を与えるために十分に高い剛
性を有し、ジンバルサスペンション620は、磁気ヘッ
ドを搭載したスライダ640がディスク面のうねりに追
従するために必要な十分に低い剛性を有する。この磁気
ヘッドサスペンション600は、全体で磁気ヘッドを搭
載したスライダ640に押しつけ荷重を与えるもので、
磁気ディスク装置においては、ディスクが停止中はスラ
イダとディスクが接触状態になり、ディスクが回転する
ことによりスライダとディスク間に発生する浮力と、磁
気ヘッドサスペンションによる押しつけ荷重とがつりあ
う位置でスライダが浮上する。この状態で、磁気ヘッド
により書き込み、読み取りが行われる。スライダ640
に形成された電極と磁気ディスク装置のリード/ライト
(Reed/Write)回路との電気的接続は、磁気
ヘッドサスペンション上に引回し配置されたチューブ被
膜導線を介して行われている。そして、チューブ被膜導
線630は固定用爪631でロービームおよびマウント
プレートに固定されている。
【0003】近年、磁気ディスク装置の小型化、薄型化
が進んで、ディスク間隔が狭くなり、これにより、スラ
イダや磁気ヘッドサスペンションの小型化、薄型化も進
められてきた。しかし、図7に示す従来の磁気ヘッドサ
スペンションにおいては、磁気ヘッドサスペンション6
40の小型化、薄型化に伴い、チューブ被膜導線が、ス
ライダや磁気ヘッドサスペンションに対して、相対的に
大きくなりチューブ被膜導線630の剛性による負荷が
スライダのディスク面へのうねりへの追従特性を低下さ
せたり、ディスク面にチューブ被膜導線630が接触し
て断線するという問題が生じていた。
【0004】一方、スライダ640に搭載される磁気ヘ
ッドの構造については、一体機械加工でコイル手巻きで
あるモノシリック構造から、分割機械加工でコイル手巻
きであるコンポジットへと変化し、現在では、薄膜法に
より、書き込み、読み取りのコイル形成を行うインダク
ティブが主流となっている。さらに、磁気ディスク装置
の記憶容量の増大の要請に応えて、高密度の磁気ヘッド
であるMR(Magnetro Resistive)
ヘッドの使用が進んでいる。しかし、このMRヘッドは
読み取り専用であり、スライダにはMRヘッドに加えて
書き込み専用の薄膜ヘッドを搭載する必要があるため、
スライダに搭載された磁気ヘッドと磁気ディスク装置内
の電気回路とを接続するためのリード線は、従来の2本
から4本必要となる。この結果、上記チューブ被膜導線
の剛性によるディスク面へのうねりへの追従特性の低下
の問題や、チューブ被膜導線が接触して断線の問題を更
に大きなものとしている。
【0005】このような問題に対応する方法としては、
チューブ被膜導線の代わりに、絶縁性樹脂によって複数
の導体を被膜した可撓性のフィルムを使用して、磁気コ
アと磁気ヘッドサスペンションの電気的接続を行い、且
つ上記可撓性のフィルムにより所望の減衰作用が得られ
る磁気ヘッドサスペンションが、特開平1−16221
2号公報に開示されている。また、チューブ被膜導線の
代わりにロードビームあるいはシンバルサスペンション
に絶縁層を形成し、この絶縁層上に電気導電路を形成し
た、スライダに余計な負荷がかからず、ディスク面のう
ねりに対して優れた追従性を備え、磁気ヘッドサスペン
ションの振動を抑制できる磁気ヘッドサスペンション
が、特開平6−124558号公報に開示されている。
【0006】しかし、上記のMRヘッドにてピックアッ
プされた微小なセンス電流を減衰や遅延を伴うことなく
ドライブの電子回路まで信号を伝送する為には、ジンバ
ルサスペンション上に形成された電気伝導路となる信号
配線の負荷インピーダンス設計が上記スライダのディス
ク面への追従性と合わせて重要度を増しつつある。配線
が有する負荷インピーダンスは、配線−グランドの距離
及び対向面積と、配線−グランド間に介在する絶縁層の
誘電率によって決定される容量成分に起因することが多
く、負荷容量が大きい場合、ジンバルサスペンション上
の電気伝導路を信号が通過する際に遅延をもたらすこと
となるが、サスペンションを構成する材料は、スライダ
のディスク面への追従性を有したバネを性を有する特性
が必要であることから、ステンレスを始めとする鉄系の
材料が主に用いられているため、ステンレスとステンレ
ス上に絶縁物を介して存在する電気伝導路とが負荷容量
形成の基となるコンデンサを形成してしまう。この為、
負荷容量形成の面からは、絶縁層を厚くすることが必要
で、電気伝導路自体の微細化形成に加え、ジンバルサス
ペンション自体のバネ性を下げずして絶縁層を厚くしな
ければならないといった制約がある。
【0007】上記、特開平1−162212号公報や特
開平1−162212号公報に開示された磁気ヘッドサ
スペンションでは、これに対応できない。また、上記、
特開平1−162212号公報や特開平1−16221
2号公報に開示された磁気ヘッドサスペンションでは、
ステンレス(SUS304)等の金属薄板からなるロー
ドビームやジンバルサスペンションの一方の面のほぼ全
域に絶縁樹脂からなる絶縁層が固着形成されているの
で、金属薄板と絶縁性樹脂の熱膨張係数の違いから熱変
形が生じると絶縁層からジンバルサスペンションへの応
力負荷がかかり、磁気ディスク面のうねりに対するスラ
イダの追従性に悪影響を与えるという問題がある。
【0008】更に、ディスクへのアクセスがシーケンシ
ャルであるような高精細な画像をコンピュータ処理する
場合、シーク時間や回転待ち等のアクセス時間以上にデ
ィスクコントローラ間及びコントローラーホスト間のデ
ータ転送速度が律速となり、画像処理のトータル性能を
落としてしまうケースを生じ始めてきている。これらシ
ーケンシャルな大容量データを高速にデータ転送するこ
とを目的に、昨今ではディスクコントローラ間で40〜
60Mビット/秒が主流となってきており、さらに現在
では、100Mビット/秒程度のものまで実用化される
段階にある。即ち、スライダからピックアップされた微
小なセンス電流を減衰させることなくサスペンション配
線で伝達できるものが求められるようになってきた。
【0009】このような中、最近では、ジンバルサスペ
ンションの配線は、図6に示すようにして、絶縁層を、
めっき形成された配線層に沿った形状に、且つその幅を
できるだけ狭くしてして形成されている。以下、図6に
示すジンバルサスペンションへの配線形成方法を簡単に
説明しておく。先ず、ステンレス材をベース基材とし、
ベース基材510上に、直接、感光性ポリイミド層を塗
布し、所定の形状に製版加工して、絶縁層520を形成
する。(図6(a)) 次いで、絶縁層520を覆うように、全面に、スパッタ
により、後続する電解めっきの給電層となる銅層532
を薄く形成し(図6(b))、更に、フォトリソグラフ
ィー法により、スパッタ形成された銅層上に、配線部を
形成する領域を開口した耐めっき性のレジストを形成
し、これを電解めっき用のめっきマスクとする。(図6
(c)) 次いで、スパッタ形成された銅層を給電層として、電解
銅めっきを行ない、めっき用マスクの開口から露出した
スパッタ形成された銅層上に、配線層となる電解銅めっ
き層を形成する。(図6(d)) 次いで、レジストを除去し(図6(e))、必要に応じ
洗浄処理を施した後、全面にソフトエッチングを行な
い、配線層部以外のスパッタ形成された銅層を除去し、
配線層部を形成するソフトエッチング工程とを行い、絶
縁層520上に配線を形成する。(図6(f))
【0010】しかし、このようにして作製された配線に
は、配線部の密着性不良の発生が多く問題となってい
た。また、銅層を用いて配線としているためマイグレー
ションが起こり、電気特性の面でも問題となっていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、磁気ヘ
ッドサスペンションの、磁気ヘッドを搭載するスライダ
部のジンバルサスペンションの配線には、密着性不良の
問題や、マイグレーションの問題があり、その対応が求
められていた。本発明は、これに対応するもので、ベー
ス基材上に設けられた第1の絶縁層上にめっき形成され
た配線層を設けた配線基板で、配線部の密着性の良い配
線基板で、マイグレーションの問題を解決した配線基板
を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明配線基板はベース
基材上に設けられた第1の絶縁層上に直接ないし接着層
を介して、めっき形成された配線層を設けた配線基板で
あって、配線層は、第1の絶縁層側から、無電解ニッケ
ル層を下引き層とし、該下引き層上に、少なくとも電解
銅層を主材とした電解めっき層を積層したものであり、
第1の絶縁層は、処理ないし使用の温度範囲において、
熱膨張係数が15ppm〜20ppmの範囲であること
を特徴とするものである。そして、上記において、第1
の絶縁層は、接着層を介して配線層をその上に設け、ベ
ース基材上に直接形成されているものであることを特徴
とするものである。あるいは、上記において、第1の絶
縁層は、接着層を介して配線層をその上に設け、且つ、
ベース基材上に接着層を介して配設されているものであ
ることを特徴とするものである。そしてまた、上記にお
いて、接着層は、熱可塑型の樹脂層で、そのガラス転移
温度Tgは、処理ないし使用の温度範囲の最高温度Tm
よりも高い、400℃以下の温度であることを特徴とす
るものである。また、上記において、第1の絶縁層は、
感光性ポリイミド層を製版加工したものであることを特
徴とするものである。あるいはまた、上記において、第
1の絶縁層は、ウエットエッチング可能なポリイミドフ
ィルムないしポリイミド樹脂であることを特徴とするも
のである。また、上記において、その上に配線層を設け
る、第1の絶縁層の配線層側の面あるいは接着層の配線
層側の面は、中心線平均粗さRa[μm](JIS規格
B−0601に規定される)が、0. 1μm〜0. 5μ
mの範囲であることを特徴とするものである。また、上
記において、ベース基材がステンレス基板であることを
特徴とするものである。また、上記において、配線基板
が、磁気ヘッドサスペンションの、磁気ヘッドを搭載す
るスライダ部のジンバルサスペンションであることを特
徴とするものである。
【0013】また、本発明の配線基板の製造方法は、ベ
ース基板上に設けられた第1の絶縁層上に直接ないし接
着層を介して、めっき形成された配線層を設けた配線基
板で、配線層は、第1の絶縁層側から、無電解ニッケル
層を下引き層とし、該下引き層上に、少なくとも電解銅
層を主材とした電解めっき層を積層したものである配線
基板を、製造するための、配線基板の製造方法であっ
て、順に、(a)ベース基板上に、所定の形状に第1の
絶縁層を形成する第1の絶縁層形成工程と、(b)第1
の絶縁層を覆うように、無電解めっきにより、無電解ニ
ッケル層からなる無電解めっき層を形成する無電解めっ
き工程と、(c)フォトリソグラフィー法により、無電
解めっき層上に、配線部を形成する領域を開口した耐め
っき性のレジストを形成し、これを電解めっき用のめっ
きマスクとするマスキング工程と、(d)無電解めっき
層を給電層として、電解めっきを行ない、めっき用マス
クの開口から露出した無電解めっき層上に、配線層とな
る電解めっき層を形成する電解めっき工程と、(e)レ
ジストを除去し、必要に応じ洗浄処理を施した後、全面
にソフトエッチングを行ない、配線層部以外の無電解め
っき層を除去し、配線層部を形成するソフトエッチング
工程とを行うことを特徴とするものである。そして、上
記において、第1の絶縁層形成工程が、ベース基板上
に、感光性ポリイミド層を塗布し、所定の形状に製版加
工して、第1の絶縁層を形成するものであることを特徴
とするものである。あるいは、上記において、第1の絶
縁層形成工程が、第1の絶縁層形成工程が、耐エッチン
グマスクを絶縁層上に直接ないし接着層を介して形成
し、ウエットエッチングにより、絶縁層を選択エッチン
グするものであることを特徴とするものである。また、
上記における第1の絶縁層形成工程において、第1の絶
縁層の表面部を所定の粗面を有する基材にて圧接し、基
材の粗面形状に絶縁層表面を粗面化することを特徴とす
るものである。また、上記において、無電解めっき工程
は、予め、無電解めっきを施す第1の絶縁層表面を、物
理的に研磨、あるいは化学的に研磨するものであること
を特徴とするものである。また、上記において、ベース
基材がステンレス基板であることを特徴とするものであ
る。また、上記において、配線基板が、磁気ヘッドサス
ペンションの、磁気ヘッドを搭載するスライダ部のジン
バルサスペンションであることを特徴とするものであ
る。
【0014】
【作用】本発明の配線基板は、このような構成にするこ
とにより、ベース基材上に設けられた第1の絶縁層上に
めっき形成された配線層を設けた配線基板で、配線部の
密着性の良く、マイグレーションの問題を解決した配線
基板の提供を可能とするものである。具体的には、ベー
ス基材上に設けられた第1の絶縁層上に直接ないし接着
層を介して、めっき形成された配線層を設けた配線基板
であって、配線層は、第1の絶縁層側から、無電解ニッ
ケル層を下引き層とし、該下引き層上に、少なくとも電
解銅層を主材とした電解めっき層を積層したものであ
り、第1の絶縁層は、処理ないし使用の温度範囲におい
て、熱膨張係数が15ppm〜20ppmの範囲である
ことにより、これを達成している。即ち、第1の絶縁層
は、配線形成後の処理ないし使用の温度範囲において、
熱膨張係数が15ppm〜20ppmの範囲であること
により、電解銅層を主材とした配線層(17ppm程
度)の温度変化による伸縮に充分対応でき、結果、配線
部の密着性を良い状態で維持できるものとしており、無
電解ニッケル層を下引き層とすることにより、マイグレ
ーションの問題を解決している。
【0015】また、第1の絶縁層は、接着層を介して配
線層をその上に設け、ベース基材上に直接形成されてい
るものであることにより、接着層により配線層を絶縁層
に強固に固着でき、配線層の密着不良(剥がれ等)を無
くすことができる。また、第1の絶縁層は、接着層を介
して配線層をその上に設け、且つ、ベース基材上に接着
層を介して配設されているものであることにより、配線
層の密着不良(剥がれ)、第1の絶縁層のソリの発生を
無くすことができる。更に、接着層は、熱可塑型の樹脂
層で、接着層のガラス転移温度Tgは、処理ないし使用
の温度範囲の最高温度Tmよりも高い、400℃以下の
温度であることにより、実用レベルで、配線の密着不良
防止、絶縁層のソリ防止を確実なものとしている。
【0016】第1の絶縁層としては、例えば、耐熱性の
面や、アウトガスの面から、ポリイミド樹脂が挙げら
れ、その製造面からは、感光性ポリイミド層を製版加工
したものが好ましい。また、コスト、耐熱性、力学特性
の面からは、第1の絶縁層として、ウエットエッチング
可能なポリイミドフィルムないしポリイミド樹脂を用い
る。
【0017】また、その上に配線層を設ける、第1の絶
縁層の配線層側の面あるいは接着層の配線層側の面は、
中心線平均粗さRa[μm](JIS規格B−0601
に規定される)が、0. 1μm〜0. 5μmの範囲であ
ることにより、更に、配線層を密着性良いものとでき
る。
【0018】また、ベース基材がステンレス基板である
ことにより、ベース基材の温度変化による伸縮を配線層
に合わせることにより、第1の絶縁層の熱膨張係数とも
近く、第1の絶縁層のソリ発生や配線層の密着不良を無
くすことができる。
【0019】特に、ベース基材が、磁気ヘッドサスペン
ションの、磁気ヘッドを搭載するスライダ部のジンバル
サスペンションである場合には、有効である。
【0020】本発明の配線基板の製造方法は、このよう
な構成にすることにより、ベース基材上に設けられた第
1の絶縁層上にめっき形成された配線層を設けた配線基
板で、配線部の密着性の良い配線基板、更には、マイグ
レーションの問題を解決した配線基板の製造方法の提供
を可能とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を挙げ、図に
基づいて説明する。図1は本発明の配線基板の実施の形
態の第1の例の断面図で、図2は本発明の配線基板の実
施の形態の第2の例の断面図で、図3は本発明の配線基
板の実施の形態の第3の例の断面図で、図4は本発明の
配線基板の製造方法の実施の形態の第1の例の工程断面
図で、図5は絶縁層表面への所定の粗面形成を説明する
ための断面図で、図8は本発明の配線基板の製造方法の
実施の形態の第3の例の工程断面図である。図1〜図
5、図8中、110はベース基材、120、120Aは
絶縁層、125は所定の粗面、130は配線層、131
は電解めっき層、132は無電解めっき層(下引き
層)、140、145は接着層、160はレジスト、1
65は開口、180はベース基板、180Aは転写版、
185は所定の粗面、190は耐エッチングマスクであ
る。
【0022】本発明の配線基板の実施の形態の例を、図
を基に説明する。図1に示す第1の例は、ベース基材1
10上に直接設けられた絶縁層120上に直接、めっき
形成された配線層130を設けた配線基板であって、配
線層130は、絶縁層120側から、無電解ニッケル層
132を下引き層とし、該下引き層上に、少なくとも電
解銅層を主材とした電解めっき層131を積層したもの
である。そして、絶縁層120は、処理ないし使用の温
度範囲において、熱膨張係数が15ppm〜20ppm
の範囲である。電解めっき層131は、通常、導電性の
面、コストの面からめっき銅を単層とするが、これに限
定はされない。他の金属めっき層と主材となるめっき銅
を多層に形成したものでも良い。絶縁層120は、絶縁
性を確保でき、耐熱性が使用に耐えるもので、処理性の
良いものが好ましく、例えばポリイミド樹脂が挙げられ
る。通常、処理性からは、感光性ポリイミド層を製版加
工したものが用いられる。
【0023】図2に示す第2の例は、ベース基材上に直
接設けられた第1の絶縁層120上に、接着層140を
介して、めっき形成された配線層130を設けた配線基
板であって、配線層130は、第1の例と同様、第1の
絶縁層側から、無電解ニッケル層132を下引き層と
し、該下引き層上に、少なくとも電解銅層を主材とした
電解めっき層131を積層したものである。 絶縁層1
20は、第1の例の場合と同様、処理ないし使用の温度
範囲において、熱膨張係数が15ppm〜20ppmの
範囲である。接着層140としては、例えば、熱可塑型
の樹脂層で、ガラス転移温度Tgは、配線形成後の処理
ないし使用の温度範囲の最高温度Tmよりも高い、40
0℃以下の温度であるものを挙げることができる。電解
めっき層131、絶縁層120は、第1の例の場合と同
様のものが使用できる。
【0024】図3に示す第3の例は、ベース基材上に接
着層145を介して、設けられた第1の絶縁層120上
に、接着層140を介して、めっき形成された配線層1
30を設けた配線基板であって、配線層130は、第1
の例と同様、第1の絶縁層側から、無電解ニッケル層1
32を下引き層とし、該下引き層上に、少なくとも電解
銅層を主材とした電解めっき層131を積層したもので
ある。絶縁層120は、第1の例の場合と同様、処理な
いし使用の温度範囲において、熱膨張係数が15ppm
〜20ppmの範囲である。接着層、140、145と
しては、例えば、熱可塑型の樹脂層で、ガラス転移温度
Tgは、(配線形成後の)処理ないし使用の温度範囲の
最高温度Tmよりも高い、400℃以下の温度であるも
のを挙げることができる。電解めっき層131、絶縁層
120は、第1の例の場合と同様のものが使用できる。
【0025】上記第1の例の絶縁層120の配線層13
0側の表面、第2の例、第3の例の接着層140の配線
層130側の表面には所定の粗面を設けていないが、こ
れらの変形例として、それぞれ、第1の例の絶縁層12
0あるいは第2の例、第3の例の接着層140の配線部
130側の表面に所定の粗面を形成したものが挙げられ
る。絶縁層120あるいは接着層140の配線部130
側の表面の所定の粗面は、配線層130の絶縁層120
あるいは接着層140への接着を良くするためのもの
で、絶縁層120の配線層130側、接着層140の配
線層130側は、中心線平均粗さRa[μm](JIS
規格B−0601に規定される)が、0. 1μm〜0.
5μmの範囲であることが、接着性の面から好ましい。
【0026】絶縁層120あるいは接着層140の配線
部130側の表面の中心線平均粗さRa[μm]につい
ては、以下のようにして決めた。厚さ100μmのステ
ンレス材(SUS304TA、新日本製鉄社製)上に樹
脂層(熱可塑性ポリイミド層、ポリイミドワニス(セン
トラル硝子社製FP3010)を厚さ10μm程度に塗
布し、乾燥ないし硬化させた後、樹脂層の表面を、各所
定値の中心線平均粗さRa[μm](JIS規格Bー0
601)に、ウェットブラスト(後述する実施例4で記
載)により粗面化し、後述する実施例1等のめっき方法
により、粗面化された面上に100μmのラインアンド
スペースの配線をめっき形成し、各値の中心線平均粗さ
Ra[μm]に対しての、100μmのラインアンドス
ペースの配線のピール強度[gf/100μm]を調
べ、この結果に基づき決めたものである。図9は、その
結果を図示したものである。図9より、中心線平均粗さ
Raが0. 1μm以上で、ピール強度が安定して高いこ
とが分かる。一方、樹脂層の中心線平均粗さRaが0.
5μmより大きくなると、樹脂層上に形成するレジスト
の製版解像性が落ち、めっき形成の面からはめっき表面
が凹凸になり好ましくない剥離の問題が発生し易い。こ
れより、総合的に、その上に配線層を形成する樹脂層の
配線層側の中心線平均粗さRaとしては、0. 1μm以
上で、且つ、0. 5μm以下であることが適当と判断さ
れる。
【0027】次に、本発明の配線基板の製造方法の実施
の形態の第1の例を簡単に説明する。第1の例は、図1
に示す第1の例の配線基板の製造方法の1例である。先
ず、ベース基板110(図4(a))上に、感光性ポリ
イミド層120Aを塗布し(図4(b))、作製する配
線形状に合わせて所定の形状に製版加工して、第1の絶
縁層120を形成する。(図4(c)) 絶縁層120が、処理ないし使用の温度範囲において、
熱膨張係数が15ppm〜20ppmとなる、感光性ポ
リイミド層120A層を用いる。次いで、絶縁層120
を覆うように、無電解めっきにより、無電解ニッケル層
からなる無電解めっき層132を形成する。(図4
(d)) 次いで、フォトリソグラフィー法により、無電解めっき
層132上に、配線部を形成する領域を開口した耐めっ
き性のレジスト160を形成し、これを電解めっき用の
めっきマスクとする。(図4(e)) レジスト160としては、所定の解像性があり、耐めっ
き性のもので、処理性の良いものが好ましい。次に、無
電解めっき層を給電層として、電解めっきを行ない、め
っき用マスク(レジスト160)の開口165から露出
した無電解めっき層132上に、配線層となる電解めっ
き層131を形成する。(図4(f)) 電解めっき層131としては、通常、めっき銅単層とす
るが、これに限定はされない。次いで、レジスト160
を除去し、必要に応じ洗浄処理を施した後、全面にソフ
トエッチングを行ない、配線層部以外の無電解めっき層
132を除去し、配線層部130を形成するソフトエッ
チング工程を行う。(図4(h)) これにより、図1に示す配線基板を製造できる。
【0028】次に、本発明の配線基板の製造方法の実施
の形態の第2の例を簡単に説明する。第2の例は、第1
の例の配線基板の製造方法と同様にして、ベース基板1
80の所定の粗面形成されている面185上に、作製す
る配線形状に合わせて所定の形状に製版加工して、絶縁
層120を形成して転写版180Aを作製する。(図5
(a)) ベース基板180上への所定の粗面の形成は、所定の研
磨砂を用いたサウンドブラスト、ウエットブラストによ
る物理的研磨、あるいは化学的研磨による。次いで、転
写版180Aに形成された絶縁層120側をベース基板
110の一面に合わせ圧着し(図5(b))、ベース基
板180を剥がし、ベース基板110上に絶縁層120
を転写形成する。(図5(c)) このようにして、ベース基板110上に、その配線層形
成側の面を所定の粗面化面とし、絶縁層120を形成す
る。この後、第1の例のようにして、絶縁層120上に
配線層を形成して、図1に示す第1の例の配線基板と同
じく、ベース基材110上に直接設けられた絶縁層12
0上に直接、めっき形成された配線層130を設ける。
これにより、配線層形成側の面に所定の粗面を設けた絶
縁層120を有する配線基板を形成できる。
【0029】第2の例の配線基板の製造方法の変形例と
しては、第1の例のように、ベース基板110上に、作
製する配線層に合わせ絶縁層120を形成した後、絶縁
層120表面を、物理的に研磨、あるいは化学的に研磨
して、所定の粗面に形成し、更に、第1の例のようにし
て、絶縁層120上に配線層を形成して、図1に示す第
1の例の配線基板と同じく、ベース基材110上に直接
設けられた絶縁層120上に直接、めっき形成された配
線層130を設ける方法が挙げられる。これにより、第
2の例の配線基板の製造方法と同様、配線層形成側の面
に所定の粗面を設けた絶縁層120を有する配線基板を
形成できる。
【0030】また、図2に示す配線基板のように接着層
140を設けるには、例えば、第1の例、第2の例のよ
うにして、ベース基板110上に絶縁層120を形成し
た後、絶縁層120の配線形成面側に、接着層をスクリ
ーン印刷やディスペンス法により塗布しておく。
【0031】また、図3に示す配線基板のように接着層
145を設けるには、例えば、転写版(図5a)の18
0Aに相当)の絶縁層120のベース基板110と接す
る側の面に、接着層をスクリーン印刷やディスペンス法
により塗布した後、ベース基板110上に絶縁層を、第
5図の方法のようにして転写形成し、更に、絶縁層12
0の配線層を形成する側の面上に、接着層140をスク
リーン印刷やディスペンス法により塗布しておく。
【0032】次に、本発明の配線基板の製造方法の実施
の形態の第3の例を、図8に基づいて簡単に説明する。
第3の例は、図3に示す第3の例の配線基板の製造方法
の1例である。先ず、ベース基板110(図8(a))
上全面に、接着層145を形成する。(図8(b)) 熱可塑性ポリイミドを溶剤で希釈し、スピンナーで所定
の厚みに塗布し、乾燥して、形成あるいは、スクリーン
印刷等により、形成しても良い。次いで、接着層145
上に、絶縁層120を形成する。(図8(c)) 通常は、ポリイミドフィルムをラミネート形成する方法
が採られるが、これに限定はされない。次いで、絶縁層
120上に、接着層145の形成と同様にして、接着層
140を形成する。(図8(d))
【0033】次いで、接着層140上に、接着層14
0、絶縁層120、接着層145を所定の形状にウェッ
トエッチングするための、耐エッチング性のマスク19
0を形成し、(図8(e))、ウェットエッチングによ
り、接着層140、絶縁層120、接着層145を所定
形状にエッチングする。(図8(f)) 耐エッチング性のマスク190としては、耐エッチング
性のレジスト層や、レジスト層により選択エッチング形
成された耐エッチング性の金属層、あるいは、これらを
積層したものを用いても良い。
【0034】不要な耐エッチング性のマスク190を除
去した後、第1の方法と同様にして、接着層140上
に、配線層130をめっき形成する。(図8(g)) 通常、この後、無電解めっきを行う際の、触媒を除去す
る触媒除去処理を行う。触媒除去処理は、所定の処理液
を用いて行うが、ウェットブラスト処理により代えるこ
ともある。このようにして、図3に示す第3の例の配線
基板を作製することができる。
【0035】
【実施例】(実施例1)実施例1は、図4に示す第1の
例の配線基板の製造方法を行い、図1に示す配線基板
で、ステンレス基材をベース基材110とした磁気ヘッ
ドサスペンションの、磁気ヘッドを搭載するスライダ部
のジンバルサスペンション用の配線基板を作製した例
で、図1、図4に基づいて説明する。厚さ20μmとす
るステンレス板(SUS304TA、新日本製鉄社製)
をベース基材110として(図4(a))、その一面に
東レ社製の感光性ポリイミドUR5400を用い、感光
性ポリイミド120A層を厚さ20μmに、スピンナー
により塗布し(図4(b))、形成する配線層の形状に
合わせ、所定のパタン版を用いて密着露光し、現像し
て、N2 中で350℃、1時間の熱処理を行い、パター
ン幅60〜500μm、厚さ10μmに絶縁層120を
形成した。(図4(c)) 尚、絶縁層120は、20℃〜260℃の温度範囲で、
16ppmの熱膨張係数を有するものである。
【0036】次いで、下記の条件にて無電解ニッケルめ
っきを行ない、絶縁層120を覆うように、0. 5μm
の厚さに、全面に無電解めっき層132を形成した。
(図4(d)) センシタイジング;S−10X(上村工業製) 3分 アクチベーティング;A−10X(上村工業製) 3分 無電解めっき;NPR−4(上村工業製) 1分
【0037】次いで、東京応化製のレジストPMER−
AR900を15μmの厚みに塗布し、露光現像によ
り、配線層を作製する領域を開口して、レジスト160
を形成した。(図4(e)) 開口165幅は15〜500μmである。
【0038】次いで、レジスト160の開口165から
露出した無電解めっき層132上に、下記の条件にて、
電解銅めっき層を施し、厚さ10μmにめっき銅を形成
した。(図4(f)) (電解銅めっき) 硫酸銅(5水塩) 70g/l 硫酸 200g/l 塩酸 0. 5ml/l スパースロー2000 光沢剤 10ml/l スパースロー2000 補正剤 5ml/l 温度 20℃ 電流密度 4A/dm2 時間 12分
【0039】次いで、レジスト160をアセトンを剥離
液として、剥離除去し、純水洗浄した(図4(g))
後、エバラユージライト社製、無電解Ni剥離液をエッ
チング液として、全面をソフトエッチングして、配線層
130を絶縁層120上に形成し、目的とする磁気ヘッ
ドサスペンションの、磁気ヘッドを搭載するスライダ部
のジンバルサスペンション用の配線基板を作製した。
(図4(h)、図1)このようにして、図1に示す配線
基板で、磁気ヘッドを搭載するスライダ部のジンバルサ
スペンション用の配線基板を作製した。
【0040】(実施例2)実施例2は、実施例1の配線
基板のように、ベース基材上に直接設けられた第1の絶
縁層120上に、めっき形成された配線層130を設け
た配線基板で、且つ、絶縁層120の配線層形成側に所
定の粗面を設けた配線基板で、実施例1と同様、ステン
レス基材をベース基材110とした磁気ヘッドサスペン
ションの、磁気ヘッドを搭載するスライダ部のジンバル
サスペンション用の配線基板を作製した例で、図1、図
5に基づいて説明する。厚さ100μmとするステンレ
ス板(SUS304TA、新日本製鉄社製)をベース基
材180として用意し、その一面を中心線平均粗さRa
[μm](JIS規格B−0601に規定される)が、
0. 3μmになるように、ウェットブラスト法により研
磨した後、実施例1と同様にして、その一面に東レ社製
の感光性ポリイミドUR5400を用い、感光性ポリイ
ミド120A層を厚さ20μmに、スピンナーにより塗
布し、形成する配線層の形状に合わせ、所定のパタン版
を用いて密着露光し、現像して、N2 中で350℃、1
時間の熱処理を行い、パターン幅60〜500μm、厚
さ10μmに絶縁層120を形成し、転写版180Aを
作製した。(図5(a))尚、絶縁層120は、20℃
〜260℃の温度範囲で、16ppmの熱膨張係数を有
するものである。
【0041】次いで、転写版180Aに形成された絶縁
層120側を、厚さ20μmのステンレス板(SUS3
04TA、新日本製鉄社製)からなるベース基板110
の一面に合わせ圧着し(図5(b))、ベース基板18
0を剥がし、ベース基板110上に絶縁層120を転写
形成した。(図5(c)) 圧着は、以下の条件で行った。 圧力:5kgf/cm2 温度:200℃
【0042】このようにして、ベース基板110上に、
その配線層形成側の面に粗面を設けて、絶縁層120を
形成した後、実施例1と同様にして、配線層130を絶
縁層120上に形成し、目的とする磁気ヘッドサスペン
ションの、磁気ヘッドを搭載するスライダ部のジンバル
サスペンション用の配線基板を作製した。
【0043】(実施例3)実施例3は、実施例1と同様
に、厚さ20μmとするステンレス板(SUS304T
A、新日本製鉄社製)をベース基材110として(図4
(a))、その一面に東レ社製の感光性ポリイミドUR
5400を用い、感光性ポリイミド120A層を厚さ2
0μmに、スピンナーにより塗布し(図4(b))、形
成する配線層の形状に合わせ、所定のパタン版を用いて
密着露光し、現像して、N2 中で350℃、1時間の熱
処理を行い、パターン幅60〜500μm、厚さ10μ
mに絶縁層120を形成した(図4(c))後、配線を
形成する側の面にスクリーン印刷により、厚さ2μmに
ポリイミド樹脂(セントラル硝子社製、FP3010)
からなる接着層(図2の140に相当)を塗布した。絶
縁層120は、20℃〜260℃の温度範囲で、16p
pmの熱膨張係数を有するものである。また、ポリイミ
ド樹脂(セントラル硝子社製、FP3010)からなる
接着層は、ガラス転移温度を320℃とするもので、配
線形成後の、通常の処理温度や使用の温度には充分耐え
るものである。
【0044】この後、実施例1のようにして、接着層上
に配線層を形成し、目的とする磁気ヘッドサスペンショ
ンの、磁気ヘッドを搭載するスライダ部のジンバルサス
ペンション用の配線基板を作製した。(図2)
【0045】(実施例4)実施例4は、図3に示す第3
の例の配線基板で、ステンレス基材をベース基材110
とした磁気ヘッドサスペンションの、磁気ヘッドを搭載
するスライダ部のジンバルサスペンション用の配線基板
を作製した例で、図8に基づいて説明する。先ず、厚さ
20μmとするステンレス板(SUS304TA、新日
本製鉄社製)(図8(a))をベース基材として、その
一面に三井化学社製の熱可塑性ポリイミドPAA−Aを
2倍にNMPで希釈し、スピンナーで2μmの厚みにな
るように塗布し、40℃、30分、170℃、60分乾
燥した。(図8(b)) 次いで、ポリイミドフィルムアピカルNPI(鐘化淵工
業社製)を170℃で、熱ロールラミネートした。(図
8(c))次いで、PAA−Aを前述と同様の条件で塗
布、乾燥した後、250℃、60 分で硬化処理を行った。(図8(d)) 次いで、ウェットブラスト処理を行い、中心線平均粗さ
Ra[μm](JIS規格B−0601に規定される)
が、0. 3μmとなるようにした。ウェットブラスト処
理は、マコー株式会社製のウェットブラスト加工装置に
て、アルミナ砥材#1000(平均粒径11. 5μ
m)、砥材濃度20%、ポンプ圧2kg/cm2 、処理
速度10m/minの条件下で行った。次いで、ドライ
フィルムレジストSFP−AR25(新日鉄化学社製)
を70℃で、ドライラミし、露光、現像を行った。(図
8(e)) 次いで、120℃、10分ポストベークの後、ポリイミ
ドエッチャント10%KOHで70℃、5分エッチング
し、80℃の温水で残さをレジストとともに洗い流し
た。このようにして、ステンレス基材(ベース基材11
0に相当)上に、所定形状に、PAA−A(接着層14
5に相当)、アピカルーNPI(絶縁層120に相
当)、PAA−A(接着層140に相当)を形成した。
(図8(f))
【0046】次いで、実施例1と同様にして、アピカル
ーNPI(絶縁層120に相当)上の、PAA−A(接
着層140に相当)上に、配線層をめっき形成した。
(図8(g)) 次いで、レジストを剥離し、無電解Niめっき層をソフ
トエッチングした後、35℃、10分、RTHリムーサ
(アリメックス社製)で、触媒除去処理を行ってから、
350℃で硬化して、図3に示す第3の例の配線基板を
形成した。
【0047】(実施例5)実施例5は、 実施例5は、
第4の例と同様、図3に示す第3の例の配線基板で、ス
テンレス基材をベース基材110とした磁気ヘッドサス
ペンションの、磁気ヘッドを搭載するスライダ部のジン
バルサスペンション用の配線基板を作製した例である
が、その作製は、第4の例と同様にして、アピカルーN
PI(絶縁層120に相当)上の、PAA−A(接着層
140に相当)上に、配線層をめっき形成し、レジスト
を剥離し、無電解Niめっき層をソフトエッチングした
後、配線層形成側全面にウェットブラストを施し、これ
により、実施例4の触媒除去処理に代えたものである。
ウェットブラスト処理は、マコー株式会社製のウェット
ブラスト加工装置にて、アルミナ砥材#1000(平均
粒径11. 5μm)、砥材濃度20%、ポンプ圧2kg
/cm2 、処理速度10m/secの条件下で行った。
中心線平均粗さRa[μm](JIS規格B−0601
に規定される)が、0. 2μmとなるようにした。
【0048】(実施例6)実施例6も、第4の例と同
様、図3に示す第3の例の配線基板で、ステンレス基材
をベース基材110とした磁気ヘッドサスペンション
の、磁気ヘッドを搭載するスライダ部のジンバルサスペ
ンション用の配線基板を作製した例であるが、以下のよ
うにして、作製した。図8に基づいて説明する。先ず、
第4の例と同様にして、ステンレス基材(ベース基材1
10に相当)上に、ほぼ全面に、PAA−A(接着層1
45に相当)、アピカルーNPI(絶縁層120に相
当)、PAA−A(接着層140に相当)を形成した。
(図8(d)) 次いで、18μm厚の電解銅箔(ジャパンエナージイ社
製)を、アピカルーNPI(絶縁層120に相当)上
の、PAA−A(接着層140に相当)に、200℃
で、ラミネートし、更にその上にドライフィルムレジス
トを配線層の形状に形成した後、ドライフィルムレジス
トを耐エッチングマスクとして、銅箔をパターンニング
した。(図8(e)) 次いで、パターンニングされた銅箔を耐エッチングマス
ク190として、ステンレス基材(ベース基材110に
相当)上のPAA−A(接着層145に相当)、アピカ
ルーNPI(絶縁層120に相当)、PAA−A(接着
層140に相当)をウェットエッチングして、更にパタ
ーンニングされた銅箔をエッチング除去して、図3に示
すように、ステンレス基材(ベース基材110に相当)
上に、所定形状に、PAA−A(接着層145に相
当)、アピカルーNPI(絶縁層120に相当)、PA
A−A(接着層140に相当)を形成した。(図8
(f))ウェットエッチングにより、PAA−A(接着
層140に相当)表面の中心線平均粗さRa[μm]
(JIS規格B−0601に規定される)が、0. 2μ
mとなるようにした。
【0049】次いで、実施例4と同様にして、アピカル
ーNPI(絶縁層120に相当)上の、PAA−A(接
着層140に相当)上に、配線層をめっき形成し、触媒
除去処理を行ってから、350℃で硬化して、図3に示
す第3の例の配線基板を形成した。(図8(g))
【0050】
【発明の効果】本発明は、上記のように、ベース基材上
に設けられた第1の絶縁層上にめっき形成された配線層
を設けた配線基板で、配線部の密着性の良く、マイグレ
ーションの問題を解決した配線基板の提供を可能とし
た。同時に、そのような配線基板の製造方法の提供を可
能とした。本発明は、具体的には、磁気ヘッドサスペン
ション等の配線の形成に応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施の形態の第1の例の断
面図
【図2】本発明の配線基板の実施の形態の第2の例の断
面図
【図3】本発明の配線基板の実施の形態の第3の例の断
面図
【図4】本発明の配線基板の製造方法の実施の形態の第
1の例の工程断面図
【図5】絶縁層表面への所定の粗面形成を説明するため
の断面図
【図6】従来の、磁気ヘッドを搭載するスライダ部のジ
ンバルサスペンション用の配線基板の作製方法の工程断
面図
【図7】磁気ヘッドを搭載するスライダ部のジンバルサ
スペンション用の配線基板を説明するための図
【図8】本発明の配線基板の製造方法の実施の形態の第
3の例の工程断面図
【図9】中心線平均粗さRa[μm]と配線のピール強
度[gf/100μm]を示した図
【符号の説明】
110 ベース基材 120、120A 絶縁層 125 所定の粗面 130 配線層 131 電解めっき層 132 無電解めっき層(下引き層) 140、145 接着層 160 レジスト 165 開口 180 ベース基板 180A 転写版 185 所定の粗面 190 耐エッチングマスク

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース基材上に設けられた第1の絶縁層
    上に直接ないし接着層を介して、めっき形成された配線
    層を設けた配線基板であって、配線層は、第1の絶縁層
    側から、無電解ニッケル層を下引き層とし、該下引き層
    上に、少なくとも電解銅層を主材とした電解めっき層を
    積層したものであり、第1の絶縁層は、処理ないし使用
    の温度範囲において、熱膨張係数が15ppm〜20p
    pmの範囲であることを特徴とする配線基板。
  2. 【請求項2】 請求項1において、第1の絶縁層は、接
    着層を介して配線層をその上に設け、ベース基材上に直
    接形成されているものであることを特徴とする配線基
    板。
  3. 【請求項3】 請求項1において、第1の絶縁層は、接
    着層を介して配線層をその上に設け、且つ、ベース基材
    上に接着層を介して配設されているものであることを特
    徴とする配線基板。
  4. 【請求項4】 請求項2ないし3において、接着層は、
    熱可塑型の樹脂層で、そのガラス転移温度Tgは、処理
    ないし使用の温度範囲の最高温度Tmよりも高い、40
    0℃以下の温度であることを特徴とする配線基板。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4において、第1の絶縁
    層は、感光性ポリイミド層を製版加工したものであるこ
    とを特徴とする配線基板。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4において、第1の絶縁
    層は、ウエットエッチング可能なポリイミドフィルムな
    いしポリイミド樹脂であることを特徴とする配線基板。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6において、その上に配
    線層を設ける、第1の絶縁層の配線層側の面あるいは接
    着層の配線層側の面は、中心線平均粗さRa[μm]
    (JIS規格B−0601に規定される)が、0. 1μ
    m〜0. 5μmの範囲であることを特徴とする配線基
    板。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7において、ベース基材
    がステンレス基板であることを特徴とする配線基板。
  9. 【請求項9】 磁気ヘッドサスペンションの、磁気ヘッ
    ドを搭載するスライダ部のジンバルサスペンションであ
    ることを特徴とする請求項1ないし8に記載の配線基
    板。
  10. 【請求項10】 ベース基板上に設けられた第1の絶縁
    層上に直接ないし接着層を介して、めっき形成された配
    線層を設けた配線基板で、配線層は、第1の絶縁層側か
    ら、無電解ニッケル層もを下引き層とし、該下引き層上
    に、少なくとも電解銅層を主材とした電解めっき層を積
    層したものである配線基板を、製造するための、配線基
    板の製造方法であって、順に、(a)ベース基板上に、
    所定の形状に第1の絶縁層を形成する第1の絶縁層形成
    工程と、(b)第1の絶縁層を覆うように、無電解めっ
    きにより、無電解ニッケル層からなる無電解めっき層を
    形成する無電解めっき工程と、(c)フォトリソグラフ
    ィー法により、無電解めっき層上に、配線部を形成する
    領域を開口した耐めっき性のレジストを形成し、これを
    電解めっき用のめっきマスクとするマスキング工程と、
    (d)無電解めっき層を給電層として、電解めっきを行
    ない、めっき用マスクの開口から露出した無電解めっき
    層上に、配線層となる電解めっき層を形成する電解めっ
    き工程と、(e)レジストを除去し、必要に応じ洗浄処
    理を施した後、全面にソフトエッチングを行ない、配線
    層部以外の無電解めっき層を除去し、配線層部を形成す
    るソフトエッチング工程とを行うことを特徴とする配線
    基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10において、第1の絶縁層形
    成工程が、ベース基板上に、感光性ポリイミド層を塗布
    し、所定の形状に製版加工して、第1の絶縁層を形成す
    るものであることを特徴とする配線基板の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項10において、第1の絶縁層形
    成工程が、耐エッチングマスクを絶縁層上に直接ないし
    接着層を介して形成し、ウエットエッチングにより、絶
    縁層を選択エッチングするものであることを特徴とする
    配線基板の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項10ないし12における第1の
    絶縁層形成工程において、第1の絶縁層の表面部を所定
    の粗面を有する基材にて圧接し、基材の粗面形状に絶縁
    層表面を粗面化することを特徴とする配線基板の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項10ないし13において、無電
    解めっき工程は、予め、無電解めっきを施す第1の絶縁
    層表面を、物理的に研磨、あるいは化学的に研磨するも
    のであることを特徴とする配線基板の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項10ないし14において、ベー
    ス基材がステンレス基板であることを特徴とする配線基
    板の製造方法。
  16. 【請求項16】 配線基板が磁気ヘッドサスペンション
    の、磁気ヘッドを搭載するスライダ部のジンバルサスペ
    ンションであることを特徴とする、請求項10ないし1
    5に記載の、配線基板の製造方法。
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