JP4987356B2 - ヘアケア用組成物 - Google Patents

Description

本発明は、ヘアケア用組成物に関する。詳しくは、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー等に用いるヘアケア用組成物に関する。

従来から毛髪に潤い感や滑らかさを付与するために、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー等のヘアケア剤が用いられており、毛髪にヘアケア効果を付与するために、一般に、カチオン性界面活性剤やシリコーン化合物などの成分が配合されている（例えば、特許文献１参照）。しかしながら、従来のヘアケア剤は、上記した成分により毛髪に潤い感や滑らかさを付与することができるものの、１回の洗髪で付与された効果の大半が消失してしまうという問題があった。このため、毛髪に潤い感や滑らかさを持続させるためには、毎日、ヘアケア剤によるヘアケアが必要であった。

そこで、ヘアケア効果を持続させるために、各種の二剤式のヘアケア剤が提案されている（例えば、特許文献２〜４参照）。しかしながら、二剤式のヘアケア剤では、複数の剤を一緒に使用する必要があり、操作が煩雑となり、第１剤と第２剤の使用順序を誤ると、十分なヘアケア効果を発揮しない場合もあった。

特開平５−８５９２１号公報 特開平５−１７８７２７号公報 特開２００１−４８７５１号公報 特開２００５−２９５３４号公報

本発明は、毛髪にべたつき感を与えず、自然な艶、優れた潤い感と指通り性を付与し、毛髪にハリ、コシを与えるとともに、１剤式でありながら、耐シャンプー性に優れ、付与された効果の持続性に優れるヘアケア用組成物を提供することを課題とする。

すなわち、請求項１に係る発明は、重質流動イソパラフィン、アミノ変性シリコーン、及びカチオン性界面活性剤を含有し、リンスオフタイプであることを特徴とする、ヘアリンス、ヘアトリートメント又はヘアコンディショナーである１剤式のヘアケア用組成物に関する。

本発明のヘアケア用組成物は、毛髪にべたつき感を与えず、自然な艶、優れた潤い感と指通り性を付与し、毛髪にハリ、コシを与えるとともに、１剤式でありながら、耐シャンプー性に優れ、持続的なヘアケア効果を発揮する。

本発明のヘアケア用組成物は、重質流動イソパラフィン、アミノ変性シリコーン、及びカチオン性界面活性剤を含有し、リンスオフタイプであることを特徴とする。

重質流動イソパラフィンは、イソブテンとｎ−ブテンとの共重合体を水素添加したものであり、水添ポリイソブテンとも称される。重質流動イソパラフィンの含有量は特に限定されないが、組成物中０．１〜２０重量％とするのが好ましく、１〜１０重量％とするのがより好ましい。この理由は、０．１重量％未満の含有量では、ヘアケア効果の持続性に劣るために、また、２０重量％を超えて配合すると、毛髪への吸着量が多すぎ洗髪性に劣るために、いずれの場合にも好ましくない。

尚、重質流動イソパラフィンは、市販品を用いることができる。用い得る市販品としては、例えば、商品名 パールリーム１８、パールリーム２４、パールリーム４６（いずれも日本油脂社製）等を例示することができる。

アミノ変性シリコーンとしては、分子中の一部がアミノ基で変性されたジメチルポリシロキサンを挙げることができる。具体的には、トリメチルシリルアモジメチコン、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体等を例示することができる。

アミノ変性シリコーンの含有量は特に限定されないが、組成物中０．０５〜２０重量％とするのが好ましく、０．１〜１０重量％とするのがより好ましい。この理由は、０．０５重量％未満の含有量では、ヘアケア効果が十分に発揮されないために、また、２０重量％を超えて配合すると、毛髪にべたつき感が生じるために、いずれの場合にも好ましくない。

尚、本発明に好適に用い得るアミノ変性シリコーンの市販品は、トリメチルシリルアモジメチコンとしては、商品名 ＸＦ４２−Ｂ０８１９（東芝シリコーン社製）等を、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体としては、商品名 ＳＦ８４５２Ｃ（東レ・ダウコーニングシリコーン社製）、商品名 ＫＦ８６５（信越化学社製）等を、それぞれ例示することができる。また、ジメチルポリシロキサンとの混合物である商品名 ＫＦ８０１７（信越化学社製）等も用いることができる。

カチオン性界面活性剤としては、本発明の効果を発揮すれば特に限定されないが、例えば、第四級アンモニウム塩、アミドアミン化合物等を例示することができる。具体的には、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ミリスチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化オレイルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ココイルトリメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム等の第４級アンモニウム塩；パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジブチルアミノエチルアミド等の脂肪酸アミドアミン等を例示することができる。これらのカチオン性界面活性剤は、単独で又は２種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。尚、本発明では、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等の第４級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤を用いるのが好ましい。

カチオン性界面活性剤の含有量は特に限定されないが、組成物中０．１〜３０重量％とするのが好ましく、０．５〜２０重量％とするのがより好ましい。この理由は、０．５重量％未満の含有量では、ヘアケア効果が十分に発揮されないために、また、３０重量％を超えて配合すると、製剤の安定性に劣るために、いずれの場合にも好ましくない。

本発明のヘアケア用組成物には、毛髪塗布時の垂れ落ちが少なく、確実に施術が出来るという利点から、更に高級アルコールを含有することができる。用い得る高級アルコールとしては特に限定されず、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の炭素数１２〜２２の高級アルコールを用いることができる。

高級アルコールの含有量は特に限定されないが、組成物中０．１〜２０重量％とするのが好ましく、１〜１０重量％とするのがより好ましい。この理由は、０．１重量％未満の含有量では、製剤の粘度が低くなるために、また、２０重量％を超えて配合すると、製剤の粘度が高くなりすぎるために、いずれの場合にも好ましくない。

本発明のヘアケア用組成物には、延展性等の使用性の観点から、更にノニオン性界面活性剤を含有することができる。用い得るノニオン性界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル；モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル；モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル；モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、モノカプリル酸グリセリン、モノステアリン酸プロピレングリコールなどのグリセリン脂肪酸エステル；ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられ、好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステルである。

ノニオン性界面活性剤の含有量は特に限定されないが、組成物中０．０１〜２０重量％とするのが好ましく、１〜１０重量％とするのがより好ましい。この理由は、０．０１重量％未満の含有量では、含有による所望の効果が望めないために、また、２０重量％を超えて配合すると、製剤の安定性に劣るために、いずれの場合にも好ましくない。

尚、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記した成分の他、１，２−ペンタンジオール、１，２−ヘキサンジオール、１，２−オクタンジオール、１，３−ブタンジオール、グリセリン、エチレングリコール等の多価アルコール；エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール；コラーゲン加水分解物、ケラチン加水分解物等のタンパク加水分解物；流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素；カルナバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類；アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、植物抽出エキス、無機金属塩、有機酸、アミノ酸、香料、防腐剤、水等を目的に応じて適宜配合することができる。

かくして得られる本発明のヘアケア用組成物は、リンス、トリートメント、コンディショナー等のヘアケア剤として使用することができ、毛髪を良好な感触に仕上げることから、リンスオフタイプのヘアケア剤に用いられる。

以下、本発明のヘアケア用組成物を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。尚、配合量は特記しない限り、重量％である。

（試料の調製）
表１〜表２に記した組成に従い、実施例及び比較例の各試料をそれぞれ定法により調製し、下記評価に供した。

（試験例１；ヘアケア用組成物の評価）
長さ３０ｃｍ、重さ１０ｇの正常毛束（直毛黒髪）を市販のシャンプー（商品名 ルシードトリートメントシャンプー，マンダム社製）で洗浄後、タオルで水分を拭き取りタオルドライした。これに、実施例及び比較例の各試料１ｇを毛束に均一に塗布し、水洗したのち、恒温恒湿槽（２３℃、６０％ＲＨ）中で自然乾燥した。処理後の各毛束について、べたつき感のなさ、艶、潤い感、指通り性、ハリコシの各項目を評価した。
尚、評価は下記により調製した対照毛束と比較し、下記評価基準に従い、１０名の専門パネラーにより官能評価し、その平均を採用した。結果を表３及び表４に示す。

＜対照毛束の調製＞
長さ３０ｃｍ、重さ１０ｇの正常毛束（直毛黒髪）を市販のシャンプー（商品名 ルシードトリートメントシャンプー，マンダム社製）で洗浄後、タオルで水分を拭き取りタオルドライした。これに下記処方のリンス１ｇを毛束に均一に塗布し、水洗したのち、恒温恒湿槽（２３℃、６０％ＲＨ）中で自然乾燥した。得られた毛束を対照毛束として用いた。

＜リンス処方＞
シリコーン油 ３．０
流動パラフィン １．０
セチルアルコール １．５
ステアリルアルコール １．０
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム ０．７
グリセリン ３．０
精製水 残 分
合 計 １００．０

＜評価基準＞
◎：対照毛束より優れる
○：対照毛束よりやや優れる
△：対照毛束と同等
×：対照毛束より劣る

（試験例２：耐シャンプー性の評価）
試験例１の評価後の各毛束を市販のシャンプー（商品名 ルシードトリートメントシャンプー，マンダム社製）で３回洗浄したのち、試験例１と同様に各項目を評価した。結果を表３及び表４に示す。

表３及び表４の結果から、本発明に係るヘアケア用組成物は、毛髪にべたつき感を与えず、自然な艶、優れた潤い感と指通り性を付与し、毛髪にハリ、コシを与えるとともに、１剤式でありながら、耐シャンプー性に優れ、持続的なヘアケア効果を発揮することが分かる。

以下、本発明にかかるヘアケア用組成物の処方例を示す。尚、配合量は重量％である。
（配合例１；ヘアリンス）
セタノール ３．０
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム（２８％） ５．０
濃グリセリン １０．０
フェノキシエタノール ０．２
アミノ変性シリコーン ３．０
重質流動イソパラフィン ５．０
精製水 残 余
合 計 １００．０

（配合例２；ヘアトリートメント）
セタノール ４．０
親油型モノステアリン酸グリセリン １．０
ＰＯＥ（２０）セチルエーテル １．０
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム ３．０
アミノ変性シリコーン ３．０
シリコーン ３．０
重質流動イソパラフィン ３．０
精製水 残 余
合 計 １００．０

（配合例３；ヘアコンディショナー）
セタノール ５．０
ＰＯＥ（４０）セチルエーテル １．０
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム ３．０
アミノ変性シリコーン １０．０
流動パラフィン １．０
重質流動イソパラフィン ３．０
精製水 残 余
合 計 １００．０

Claims (1)

1. 重質流動イソパラフィン、アミノ変性シリコーン、及びカチオン性界面活性剤を含有し、リンスオフタイプであることを特徴とする、ヘアリンス、ヘアトリートメント又はヘアコンディショナーである１剤式のヘアケア用組成物。