JP4351970B2 - 油性毛髪化粧料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化染毛剤等の染毛処理剤で染毛処理された毛髪に対して用いられ、特には適用後に水で洗い流さないで使用される油性毛髪化粧料組成物に関するものである。
従来、染毛剤を用いて染色した髪に対して色落ち防止効果の高い毛髪化粧料組成物が知られている(例えば、特許文献1を参照)。すなわち、毛髪化粧料組成物には、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)の単独重合体又はMPCと疎水性モノマーとの共重合体、カチオン性界面活性剤、水溶性高分子、更にシリコーン油等が含まれている。
一方、優れたセット力を有し、光沢や滑らかさ等の整髪機能をバランスよく発揮することができる整髪料が知られている(例えば、特許文献2を参照)。すなわち、整髪料は、有機シリコーン樹脂、C4オリゴマーの水素添加物であって、沸点80〜260℃の成分及びC4オリゴマーの水素添加物であって沸点270〜360℃の成分から構成されている。
特開2004−143065号公報(第2頁及び第5頁) 特許第2715131号公報(第1頁及び第2頁)
ところが、前記特許文献1に記載の毛髪化粧料組成物は、主としてMPC等より得られるカチオン性重合体とカチオン性界面活性剤とにより、染色した髪に対する色落ち防止効果(退色抑制効果)が発揮される。しかしながら、水溶性高分子やシリコーン油は、前記カチオン性重合体やカチオン性界面活性剤と親和性がないことから、双方の成分間の相互作用が発現されず、退色抑制効果が乏しいという問題があった。
一方、特許文献2に記載の整髪料は、ヘアスタイルを整え、セットを長持ちさせるものであって、染毛処理剤で染毛処理された毛髪の性質を改良するものではない。更に、2種類のC4オリゴマーの水素添加物を用いることにより、水分や油分等を補い、切れ毛や抜け毛等を防ぎ、毛髪に艶や潤いを与えて爽やかに保つ効果を有し、髪型を整え、セットを保持する等の機能を発揮するものであって、染毛処理剤で染毛処理された毛髪の退色抑制を図るものではない。
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、配合される成分間の相乗的な作用に基づいて優れた退色抑制効果を発揮することができる油性毛髪化粧料組成物を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の油性毛髪化粧料組成物は、染毛処理剤で染毛処理された毛髪に対して適用される油性毛髪化粧料組成物であって、下記に示す成分(A)成分(B)及び成分(C)を含有することを特徴とするものである。
成分(A):引火点70℃以上150℃未満のイソパラフィン類、エステル油類として、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸オレイル、コハク酸ジオクチル、及びステアリン酸イソセチルから選ばれる少なくとも一種、又は植物油類。
成分(B):引火点40℃以上70℃未満のイソパラフィン類。
成分(C):アミノ変性シリコーン、アンモニウム変性シリコーン、ヒドロキシ末端オルガノポリシロキサン又はピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサン。
請求項2に記載の発明の油性毛髪化粧料組成物は、請求項1に係る発明において、成分(A)が引火点70℃以上150℃未満のイソパラフィン類であることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明の油性毛髪化粧料組成物は、請求項1又は請求項2に係る発明において、成分(C)が下記に示す化学式(1)で表されるアミノプロピルメチルシロキサンとジメチルシロキサンとの共重合体であることを特徴とするものである。
Figure 0004351970
但し、x+y=3,000〜20,000
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1に記載の発明の油性毛髪化粧料組成物には、成分(A)として引火点70℃以上150℃未満のイソパラフィン類、エステル油類又は植物油類と、成分(B)として引火点40℃以上70℃未満のイソパラフィン類とが含まれている。ところで、染毛処理を施した毛髪内には油溶性の染料が存在している。一般に、シャンプーの際に水分によって毛髪が膨潤し、染料が次第に流出して退色するものと考えられている。しかしながら、前記引火点の高い成分(A)を引火点の低い成分(B)と組合せることによって、引火点の高い成分(A)の粘度が低下し、引火点の低い成分(B)がキャリヤーとなって引火点の高い成分(A)が毛髪表面に均一に付着して毛髪表面を被覆するものと推測される。このため、毛髪内に存在する染料がその被膜によってそのまま保持され、水分によって流出することが抑制される。このように、配合される成分(A)及び(B)間の相乗的な作用に基づいて優れた退色抑制効果を発揮することができる。
また、成分(C)は主に成分(A)に親和性を示してその被膜をより強くし、毛髪表面に定着させ、上記効果を向上させることができる。
請求項2に記載の発明の油性毛髪化粧料組成物においては、成分(A)が引火点70℃以上150℃未満のイソパラフィン類である。このため、成分(A)及び成分(B)が共にイソパラフィン類となって相溶性が高まり、請求項1に係る発明の効果を向上させることができる。
請求項に記載の発明の油性毛髪化粧料組成物においては、成分(C)が下記に示す化学式(1)で表されるアミノプロピルメチルシロキサンとジメチルシロキサンとの共重合体であり、成分(A)及び毛髪に対する親和性が良く、請求項1又は請求項2に係る発明の効果をより高めることができる。
Figure 0004351970
但し、x+y=3,000〜20,000
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物は、染毛処理剤で染毛処理された毛髪に対して適用され、次に示す成分(A)及び成分(B)を含有するものである。
成分(A):引火点70℃以上150℃未満のイソパラフィン類、エステル油類又は植物油類。
成分(B):引火点40℃以上70℃未満のイソパラフィン類。
ここで、引火点とは成分(A)及び成分(B)の蒸気と空気との混合気体が燃焼範囲となる最低温度を意味しているが、揮発性を示す物性値である。引火点の高い成分(A)は揮発性が低く、高粘度であり、引火点の低い成分(B)は揮発性が高く、低粘度である。前記染毛処理を施した毛髪内には染料が存在し、その染料はシャンプー等における水によって流出し退色するものと考えられている。本実施形態では、引火点の高い成分(A)を引火点の低い成分(B)と組合せることにより、引火点の高い成分(A)が毛髪表面に付着して毛髪表面を被覆し、毛髪内に存在する染料の流出を抑制するものである。
まず、成分(A)について説明する。
この成分(A)は、染毛処理された毛髪表面に付着して被膜を形成し、毛髪内に存在する染料が水分によって流出することを抑制し、退色抑制効果を発揮するための成分である。更に、成分(A)は、毛髪のまとまりを良くし、また保湿感を与える成分である。引火点70℃以上150℃未満のイソパラフィン類としては、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン及び揮発性イソパラフィンの中から選ばれ、引火点70℃以上150℃未満のものが挙げられる。これらの中で軽質流動イソパラフィンが特に好ましい。
具体的には例えば、重質流動イソパラフィン〔引火点145℃、日本油脂(株)製のパールリーム6〕、軽質流動イソパラフィン〔引火点83℃、新日本石油化学(株)製のアイソゾール400K〕、軽質流動イソパラフィン〔引火点74℃、エクソンモービル(株)製のアイソパーM〕等が挙げられる。
エステル油類としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、脂肪酸(C10-30)(コレステリル/ラノステリル)、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、コハク酸ジオクチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン誘導体等が挙げられる。
植物油類としては、オリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アボカド油、カロット油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。
これらの中で、成分(B)のイソパラフィン類と同種の化合物で相溶性が高まり、退色抑制効果を向上させることができる点から、引火点70℃以上150℃未満のイソパラフィン類が好ましい。
成分(A)の含有量は、油性毛髪化粧料組成物中に好ましくは1〜99質量%、より好ましくは3〜95質量%、特に好ましくは10〜90質量%である。この含有量が1質量%未満の場合には、成分(A)が毛髪表面を十分に被覆することができず、退色抑制効果を十分に向上させることができない。一方、99質量%を越える場合には、成分(B)等の他の成分の含有量が不足して成分(A)の効果を十分に発揮することができなくなる。
次に、成分(B)について説明する。
この成分(B)は、引火点の高い成分(A)の粘度を低下させ、そのキャリヤーとなって引火点の高い成分(A)が染毛処理された毛髪表面に付着して毛髪表面を被覆するのを補助し、退色抑制効果を発揮させるための成分である。更に、成分(B)は、毛髪の滑り感を向上させる成分である。成分(B)である引火点40℃以上70℃未満のイソパラフィン類としては、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、揮発性イソパラフィン及びイソドデカン等が挙げられる。これらのイソパラフィン類の中でイソドデカン及び揮発性イソパラフィンが特に好ましい。具体的には例えば、軽質イソパラフィン〔引火点62℃、エクソンモービル社製のアイソパーL〕、イソドデカン〔引火点48℃、丸善石油化学(株)製のマルカゾールR〕、水添ポリイソブテン〔引火点56℃、日本油脂(株)製のNAS−3〕等が挙げられる。
成分(B)の含有量は、油性毛髪化粧料組成物中に好ましくは1〜99質量%、より好ましくは3〜95質量%、特に好ましくは10〜90質量%である。この含有量が1質量%未満の場合には、成分(A)の粘度を低下させる効果及びキャリヤーとしての効果を十分に発揮することができなくなる。一方、99質量%を越える場合には、成分(A)等の他の成分の含有量が不足して成分(A)等の効果を十分に発揮することができなくなる。
次に、成分(C)について説明する。
この成分(C)は、主に成分(A)の被膜をより強くし、毛髪表面に定着させる働きをする。更に、成分(C)は、毛髪のまとまり感及び毛髪の滑り感を向上させる成分である。成分(C)は、アミノ変性シリコーン、アンモニウム変性シリコーン、ヒドロキシ末端オルガノポリシロキサン又はピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサンである。具体的には、アミノ変性シリコーン又はアンモニウム変性シリコーンは、次の化学式(2)で表される化合物である。
Figure 0004351970
式中、Raはメチル基又は一部がフェニル基を表し、RbはRcと同一又はメチル基又は水酸基を表す。Rcは式RdZ{Rdは3〜6の炭素原子を有する2価のアルキレン基を表し、Zは−NRe 2、−N+e 3-、−NRe(CH2)nNRen、−NRe(CH2)nN+e 3-及び−NRe(CH2)nN(Re)CO(RF)(Reは水素又は1〜4の炭素原子を有するアルキル基を表し、RFは1〜4の炭素原子を有するアルキル基を表し、Aは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、nは2から6の整数である。)からなる群から選ばれる1価の基を表す。}で表されるアミノ基又はアンモニウム基を有する置換基を表し、x及びyはそれぞれ正の整数で、x+yは2〜20,000の整数を表し、y/xは1/500〜1/10,000である。
アミノ変性シリコーンとしては、下記の化学式(3)で表されるアミノエチルアミノアルキルシロキサンとジメルシロキサンとの共重合体及び下記の化学式(1)で表されるアミノプロピルメチルシロキサンとジメチルシロキサンとの共重合体(INCI名:アミノプロピルジメチコン)が好ましい。化学式(3)で表されるアミノエチルアミノアルキルシロキサンとジメルシロキサンとの共重合体としては、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサンとジメルシロキサンとの共重合体(INCI名:アモジメチコン、式中Xがプロピル基、Rがメチル基である。)が挙げられる。
Figure 0004351970
但し、アモジメチコンの重合度は合計3〜2,500、好ましくは50〜500である。また、Rはヒドロキシル基(OH)又はメチル基(CH3)、Xはプロピル基、イソプロピル基又はイソブチル基である。
Figure 0004351970
但し、x+y=3,000〜20,000である。x+yが3,000未満又は20,000を越える場合には、主に成分(A)に対する親和性が低下し、成分(A)の被膜の強化及び毛髪表面への被膜の定着を十分に図ることができなくなる。
これらの中でも上記化学式(1)で表されるアミノプロピルジメチコンが、前記成分(A)及び毛髪に対して良好な親和性を示すことから特に好ましい。
前記ヒドロキシ末端オルガノポリシロキサンとしては、下記の化学式(4)で表されるジヒドロキシポリジメチルシロキサン(ジメチコノール)が好ましい。
Figure 0004351970
但し、n=3〜2,500である。すなわち、ヘキサメチルトリシロキサンから動粘度が100万cStくらいまでのポリシロキサンである。
次いで、ピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサンは、シリコーンのうちのいずれかの水素がピロリドンカルボン酸で変性されたもの又は置換基を介してピロリドンカルボン酸で変性されたものである。ピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサンは弱カチオン性を示し、染毛処理剤で染毛処理された毛髪の表面に被膜となって存在し、毛髪表面を保護する機能を有している。また、ピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサンは、毛髪補修効果、保湿効果等を有している。このピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサンとしては、下記の化学式(5)で表される化合物が好ましい。この化学式(5)で表されるピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサンとして、例えばユニケマ社製のMonasil PCAが挙げられる。
Figure 0004351970
但し、x+y=2〜20,000である。
成分(C)の含有量は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜7質量%、特に好ましくは0.3〜5質量%である。この含有量が0.1質量%未満の場合には、成分(A)の被膜を強くして毛髪表面に定着させる効果が弱くなる。一方、10質量%を越える場合には、含有量に見合う効果が得られなくなる。
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物には、前記成分(A)、成分(B)及び成分(C)のほかに、その他の成分を配合することができる。その他の成分としては、シリコーン化合物、炭化水素、油性成分、多価アルコール、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸等が用いられる。
シリコーン化合物は、成分(C)のシリコーン化合物以外のもので、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチル水素化(ハイドロジェン)ポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、フッ素変性シリコーン等が用いられる。
炭化水素は、成分(A)及び成分(B)に対する親和性に基づいてそれらの機能を補強するものである。炭化水素としては、成分(A)及び成分(B)以外のものでα−オレフィンオリゴマー、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワラン、ポリブテン、流動パラフィン、オゾケライト、セレシン、パラフィン、ポリエチレン末、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。これらの中でも、ピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサン及びそれ以外のシリコーン化合物の機能を補強する効果が高い点から、α−オレフィンオリゴマーが好ましい。
油性成分は、油性毛髪化粧料組成物を毛髪に塗布しやすくすると共に、毛髪に軟らかさと潤いを与えるために配合されることが好ましい。油性成分としては、多価アルコール、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル等が用いられる。これらの油性成分は単独で配合してもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。油性成分の含有量は油性毛髪化粧料組成物中に好ましくは30質量%以下である。この含有量が30質量%を越える場合には、毛髪にべたつき感がでて感触が低下する傾向となる。
多価アルコールとしては、グリコール類、グリセリン類等が挙げられる。グリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。グリセリン類としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール(モノステアリルグリセリルエーテル)、キミルアルコール(モノセチルグリセリルエーテル)、セラキルアルコール(モノオレイルグリセリルエーテル)、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
上記に挙げたその他の成分は、その含有量が合計で好ましくは50質量%以下である。この含有量が50質量%を越えると、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の含有量が相対的に低下し、毛髪の退色抑制効果等を十分に発揮することができなくなって好ましくない。
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物は油性であることから、水を含まないことが好ましく、水を含むとしてもその含有量は15質量%以下であることが好ましい。水の含有量が15質量%を越えると、成分(A)及び(B)のイソパラフィン類が油性毛髪化粧料組成物中で十分に分散されず、毛髪に均一に作用させることが難しく、退色抑制効果を十分に発揮することができない。
次に、前記染毛処理剤及びそれを用いた染毛処理について説明する。
染毛処理剤としては、酸化染毛剤、酸性染毛剤(ヘアマニキュア)等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状又はペースト状の処理剤が用いられる。酸化染毛剤は、一般に酸化染料、アルカリ剤等を含有する第1剤と、酸化剤等を含有する第2剤とにより構成されている。これらの第1剤及び第2剤は混合され、その混合物が毛髪に塗布されることにより、毛髪を所望とする色に染色することができる。
第1剤は、酸化染料、アルカリ剤等が含有されている。酸化染料としては、パラフェニレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−パラフェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン及びその塩等の成分が、常法に従って配合される。アルカリ剤としては、28%アンモニア水又はモノエタノールアミンが用いられる。一般的に酸化染料は主要中間体及びカプラーに分類されるが、上記のパラフェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン及びそれらの塩は主要中間体に該当し、染毛力に優れている。これらの成分はそれぞれ単独で又は混合して用いられる。
一方、カプラーとしては、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、m−アミノフェノール、m−フェニレンジアミン、o−アミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノ−o−クレゾール、ジフェニルアミン、p−メチルアミノフェノール、フロログルシン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、1−メトキシ−2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、それらの塩類等が挙げられる。これらのカプラーは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化染料の含有量は、染毛処理剤中0.01〜15質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。この含有量が0.01質量%未満の場合には十分な染毛力が得られず、15質量%を越えてもそれ以上の染毛力の向上は認められず、かえって濃く染まりすぎて不自然な染毛状態になる。
アルカリ剤は、第2剤中に含有される酸化剤の作用を促進することにより、毛髪に明度を付与するために配合される。このアルカリ剤は、28%アンモニア水又はモノエタノールアミンである。これらのアルカリ剤は単独で配合してもよいし、2種を組み合わせて配合してもよい。アルカリ剤の含有量は、染毛処理剤中0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜8質量%がより好ましい。この含有量が0.1質量%未満の場合には十分な染毛力が得られず、10質量%を越える場合にはブリーチ力が強すぎるため、濃く染めることが困難であり、特に白髪を十分に染毛することができず、また毛髪に損傷を与えるおそれもある。
次に、第1剤のpHは、好ましくは8〜12、より好ましくは9〜11である。第1剤のpHが8未満では、酸化剤の作用を十分に促進することができないおそれがある。一方、pHが12を越えると毛髪が染色される際、毛髪に損傷等の不具合が発生するおそれがある。第1剤のpHを上記の範囲に設定するために、第1剤にpH調整剤を含有させることが好ましい。pH調整剤の具体例としては、リン酸、クエン酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸等が挙げられる。第1剤中におけるpH調整剤の含有量は、第1剤のpHが上記の範囲となる量とするのが好ましい。
第1剤には、その他の成分として水、pH調整剤、界面活性剤、油性成分等を含有させることもできる。水は、各成分の溶媒又は分散媒として第1剤を溶液、分散液又は乳化物とするために適量配合される。混合物中における水の含有量は、好ましくは50〜95質量%、更に好ましくは70〜90質量%である。この含有量が50質量%未満では、水溶液、分散液又は乳化液を安定して形成することが困難となるおそれがある。一方、95質量%を越えて配合すると、混合物の均一性及び安定性を確保しにくくなる。
界面活性剤は、第1剤の安定性を保持するために配合される。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという)アルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレン(以下、POPという)アルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。POEアルキルエーテル類の具体例としては、POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のPOEアルキル硫酸塩、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩等が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
油性成分としては、高級アルコール、油脂類、ロウ類、炭化水素類、エステル類、シリコーン類等が挙げられる。高級アルコールの具体例としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。油脂類の具体例としては、オリーブ油のグリセライド等、ロウ類の具体例としては、ミツロウ、ラノリン、ホホバ油等、炭化水素類の具体例としては、流動パラフィン、固形パラフィン、イソパラフィン、スクワラン等が挙げられる。エステル類の具体例としては、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等、シリコーン類の具体例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、高重合シリコーン、アミノ変性シリコーン等が挙げられる。
更に、その他の成分としてラウリン酸、ミリスチン酸、リノレン酸等の脂肪酸、ソルビトール、マルトース等の糖類、多価アルコール、バチルアルコール、キミルアルコール等のアルキルグリセリルエーテル、アラビアガム、カラヤガム、トラガントガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、セルロース誘導体、架橋ポリアクリル酸、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジウム等の水溶性高分子化合物、パラベン等の防腐剤、EDTA−2Na等のキレート剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、紫外線吸収剤等が挙げられる。また「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種を配合してもよい。
この第1剤の剤型としては、水溶液状、分散液状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等が挙げられる。
次に、第2剤には前記のように酸化剤等が含有される。この酸化剤は、酸化染料を酸化重合させて発色させると共に、毛髪に含まれるメラニンを脱色させるために配合される。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物等が挙げられる。これらの酸化剤は単独で配合してもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの酸化剤の中でも、メラニンの脱色力に優れることから、過酸化水素が好ましい。
混合物中における酸化剤の含有量は、好ましくは0.1〜9質量%、より好ましくは1〜6質量%である。この含有量が0.1質量%未満の場合、酸化染料を十分に酸化重合させることができない。一方、9質量%を越える場合、毛髪の損傷を低減させることができない。
第2剤にはその他の成分として第1剤に記載の水、油性成分、界面活性剤等が含有される。また、酸化剤として過酸化水素を含有させた場合には、過酸化水素の保存安定性を向上させるために安定化剤を含有させることが好ましい。過酸化水素の安定化剤としては、尿素、フェナセチン、スズ酸ナトリウム、エチレングリコールフェニルエーテル、8−オキシキノリン、リン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸及びその塩、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。また「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種を配合してもよい。この第2剤の剤型は、水溶液状、分散液状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等が挙げられる。
前記第1剤及び第2剤を所定の割合で混合調製することによって混合物が得られる。第1剤と第2剤との混合割合は、好ましくは質量比で第1剤:第2剤=1:0.5〜1:5である。この混合割合よりも第1剤が多くなるか又は第2剤が多くなると、染毛力と毛髪への損傷の抑制の点から、第1剤中及び第2剤中における各成分の含有量を設定しにくくなる。混合物の剤型は、水溶液状、分散液状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等が挙げられる。この混合物は毛髪に塗布され、混合物が塗布された毛髪は、一定時間放置されることにより徐々に染色される。
そして、酸化染毛剤を使用するには、第1剤及び第2剤を例えば質量比で1:1の混合割合で混合することによって混合物を調製し、この混合物の必要量をコーム(櫛)又は刷毛に付着させ、毛髪に塗布する。この混合物中では、酸化剤によって酸化染料が酸化重合されることにより、酸化染料が発色される。一定時間放置後の毛髪には、プレーンリンス(水、温水等による毛髪のすすぎ)が施され、毛髪の染毛処理が仕上げられる。
また、前記酸性染毛剤は、直接染料及び有機溶剤等が含有され、その他の成分として染毛料に通常用いられる成分が含有されているものである。直接染料は、毛髪を染色するために配合される。この直接染料は反応性がなく、それ自体で発色可能なものである。直接染料の具体例としては、ニトロ染料、酸性染料、塩基性染料(カチオン染料)、分散染料等が用いられる。
本実施形態の油性毛髪化粧料組成物は、上記のように染毛処理剤で染毛処理された毛髪に対して適用されるが、適用方法は油性毛髪化粧料組成物を櫛又は刷毛に付着させ、或は手に直接取って毛髪に塗布することによって行われる。塗布後には、染毛された毛髪の退色抑制効果を高めるために油性毛髪化粧料組成物を水で洗い流すことなくそのまま乾燥することが望ましい。
さて、油性毛髪化粧料組成物を調製する場合には、例えば成分(A)として引火点70℃以上150℃未満のイソパラフィン類と、成分(B)として引火点40℃以上70℃未満のイソパラフィン類と、成分(C)としてアミノ変性シリコーンとを所定量ずつ秤量して撹拌混合する。得られた油性毛髪化粧料組成物を毛髪に適用するときには、予め毛髪に対して染毛処理剤で染毛処理をしておく。毛髪に対する染毛処理は、例えば酸化染毛剤の第1剤と第2剤とを混合し、その混合物を櫛又は刷毛に付着させ、毛髪に塗布する。これにより、酸化剤によって酸化染料が酸化重合され、酸化染料が発色される。一定時間放置後の毛髪には、プレーンリンスを施す。
このようにして得られた毛髪に対し、前記油性毛髪化粧料組成物を櫛又は刷毛に付着させ、或は手に取って毛髪に塗布する。その後、油性毛髪化粧料組成物を水で洗い流すことなく、そのまま風乾する。ところで、染毛処理を施した毛髪内には油溶性の酸化染毛剤による染料が存在している。一般に、染毛処理後のシャンプーの際に水分によって毛髪が膨潤し、染料が毛髪内から次第に流出して退色するものと考えられている。しかしながら、油性毛髪化粧料組成物で処理された毛髪は、油性毛髪化粧料組成物中における引火点の高い成分(A)の粘度が引火点の低い成分(B)によって低下して容易に均一化され、更に引火点の低い成分(B)がキャリヤーとなって引火点の高い成分(A)が毛髪表面全体に均一に付着、残留して毛髪表面に被覆される。そのため、毛髪内に存在する染料がその被膜によってそのまま保持され、水分によって流出することが抑制され、従って染毛された色が維持される。
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 本実施形態の油性毛髪化粧料組成物には、少なくとも成分(A)として引火点70℃以上150℃未満のイソパラフィン類、エステル油類又は植物油類と、成分(B)として引火点40℃以上70℃未満のイソパラフィン類とが含まれている。このように引火点の高い成分(A)を引火点の低い成分(B)と組合せることによって、特に引火点の高い成分(A)が毛髪表面全体に付着して毛髪表面を被覆するものと推測される。このため、毛髪内に存在する染料が水分によって外部へ流出することが抑制される。従って、配合される成分(A)及び(B)間の相乗的な作用に基づいて、染毛処理された毛髪について優れた退色抑制効果を発揮することができる。
・ また、油性毛髪化粧料組成物中の成分(A)が引火点70℃以上150℃未満のイソパラフィン類であることにより、成分(A)及び成分(B)が共にイソパラフィン類となって相溶性が高まり、染毛処理された毛髪の退色抑制効果を一層向上させることができる。
・ 油性毛髪化粧料組成物には、更に成分(C)としてアミノ変性シリコーン、アンモニウム変性シリコーン、ヒドロキシ末端オルガノポリシロキサン又はピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサンが含まれている。例えば、前記化学式(1)で表されるアミノプロピルメチルシロキサンとジメチルシロキサンとの共重合体が含まれている。このため、成分(C)は主に成分(A)に親和性を示してその被膜をより強化し、毛髪表面に定着させることができ、染毛処理された毛髪の退色抑制効果を高めることができる。
・ 前記成分(A)及び成分(B)又は更に成分(C)を含有することにより、各成分の性質に基づいて毛髪のまとまり感及び毛髪の滑り感を向上させることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜17、参考例7及び比較例1〜4)
下記に示す酸化染毛剤の第1剤と第2剤とを質量比にて1:1で混合し、ヒト黒毛束に適用後20分間放置し、洗い流して乾燥させた。そして、表1〜表5に示す実施例、参考例及び比較例の油性毛髪化粧料組成物を毛束に均一に塗布し、そのまま風乾した。各実施例、参考例及び比較例において、退色抑制効果、毛髪のまとまり感及び毛髪の滑り感を以下に示す方法で測定し、それらの結果を表1〜表5に記載した。
<酸化染毛剤>
(第1剤)
パラフェニレンジアミン 0.2質量%
レゾルシン 1.0質量%
パラアミノフェノール 0.5質量%
2,6−ジアミノピリジン 0.2質量%
セチルアルコール 5.0質量%
ポリエチレングリコール 5.0質量%
ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 8.0質量%
ドデシル硫酸ナトリウム 1.2質量%
強アンモニア水 5.0質量%
アスコルビン酸 0.5質量%
精製水 残 量
(第2剤)
過酸化水素(35質量%水溶液) 17.0質量%
精製水 残 量
<退色抑制効果>
油性毛髪化粧料組成物で処理した毛束を1日後に50℃の1質量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液に15分間浸漬し、毛束はその後十分に水洗し、風乾させた。このときの毛束の退色の程度を油性毛髪化粧料組成物で処理する前の毛束と比較した。そして、退色がほとんどない場合を4点、退色が少ない場合を3点、退色がやや大きい場合を2点、退色が大きい場合を1点とする4段階で評価した。5名のパネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が3.6点以上を◎(優れている)、2.6点以上3.5点以下を○(良好)、1.6点以上2.5点以下を△(やや悪い)、1.5点以下を×(悪い)とし、評価結果とした。
<毛髪のまとまり感(毛先の飛び跳ね等がなく、一体感のある状態)>
5名のパネラーが目視により毛髪を観察し、まとまり感がある(4点)、ややまとまり感がある(3点)、ややまとまり感がない(2点)、まとまり感がない(1点)の4段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が3.6点以上を◎(優れている)、2.6点以上3.5点以下を○(良好)、1.6点以上2.5点以下を△(やや悪い)、1.5点以下を×(悪い)とし、評価結果とした。
<毛髪の滑り感>
5名のパネラーが手で毛髪に触れることにより得られる滑り感を、非常に良い(4点)、良い(3点)、やや悪い(2点)、悪い(1点)の4段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が3.6点以上を◎(優れている)、2.6点以上3.5点以下を○(良好)、1.6点以上2.5点以下を△(やや悪い)、1.5点以下を×(悪い)とし、評価結果とした。
表1〜表5における略号は、以下に示す意味を表す。
イソパラフィンA:重質流動イソパラフィン〔引火点145℃、日本油脂(株)製のパールリーム6〕
イソパラフィンB:軽質流動イソパラフィン〔引火点83℃、新日本石油化学(株)製のアイソゾール400K〕
イソパラフィンC:軽質流動イソパラフィン〔引火点74℃、エクソンモービル(株)製のアイソパーM〕
イソパラフィンX:軽質イソパラフィン〔引火点62℃、エクソンモービル社製のアイソパーL〕
イソパラフィンY:イソドデカン〔引火点48℃、丸善石油化学(株)製のマルカゾールR〕
イソパラフィンZ:水添ポリイソブテン〔引火点56℃、日本油脂(株)製のNAS−3〕
Figure 0004351970
Figure 0004351970
Figure 0004351970
Figure 0004351970
Figure 0004351970
表1に示したように、実施例1〜8の油性毛髪化粧料組成物は成分(A)及び(B)又は成分(A)、(B)及び(C)で構成され、退色抑制効果、毛髪のまとまり感及び毛髪の滑り感ともに良好であった。これに対して、表2に示したように、成分(B)が含まれていない場合(比較例1及び2)、成分(A)が含まれていない場合(比較例3)、更には油性でない場合(比較例4)には、いずれも退色抑制効果が不十分であった。加えて、成分(B)が含まれていない場合には毛髪の滑り感も十分ではなかった。
表3に示したように、成分(A)、(B)及び(C)を含む実施例9〜17では、退色抑制効果、毛髪のまとまり感及び毛髪の滑り感ともに大変良好であった。表4及び表5に示したように、成分(A)、(B)及び(C)を含む実施例18〜31では、退色抑制効果、毛髪のまとまり感及び毛髪の滑り感ともに良好であった。
尚、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 油性毛髪化粧料組成物中に引火点150℃以上のイソパラフィン類を配合することも可能である。
・ 染毛処理剤中に成分(A)のイソパラフィン類、エステル類又は植物油類及び成分(B)のイソパラフィン類、必要により成分(C)のシリコーン化合物を配合し、染毛処理された毛髪の退色抑制効果を向上させるように構成することができる。
・ 油性毛髪化粧料組成物中にシランカップリング剤を配合し、成分(A)及び(B)のイソパラフィン類等と成分(C)のシリコーン化合物との相溶性を高めるように構成することもできる。
・ 油性毛髪化粧料組成物を、染毛処理剤で染毛処理された毛髪に対して適用し、一定時間後に洗い流し、その後乾燥するようにしてもよい。
更に、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 水の含有量は15質量%以下であることを特徴とする前記油性毛髪化粧料組成物。このように構成した場合、上記本願発明の効果を向上させることができる。
・ 染毛処理剤で染毛処理された毛髪に対して適用された後に、洗い流すことなく、そのまま乾燥して使用されるものである前記油性毛髪化粧料組成物。このように構成した場合、染毛処理された毛髪の退色抑制効果を向上させることができる。

Claims (3)

  1. 染毛処理剤で染毛処理された毛髪に対して適用される油性毛髪化粧料組成物であって、下記に示す成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含有することを特徴とする油性毛髪化粧料組成物。
    成分(A):引火点70℃以上150℃未満のイソパラフィン類、エステル油類として、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸オレイル、コハク酸ジオクチル、及びステアリン酸イソセチルから選ばれる少なくとも一種、又は植物油類。
    成分(B):引火点40℃以上70℃未満のイソパラフィン類。
    成分(C):アミノ変性シリコーン、アンモニウム変性シリコーン、ヒドロキシ末端オルガノポリシロキサン又はピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサン。
  2. 成分(A)が引火点70℃以上150℃未満のイソパラフィン類であることを特徴とする請求項1に記載の油性毛髪化粧料組成物。
  3. 成分(C)が下記に示す化学式(1)で表されるアミノプロピルメチルシロキサンとジメチルシロキサンとの共重合体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の油性毛髪化粧料組成物。
    Figure 0004351970
    但し、x+y=3,000〜20,0000
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