JP5338646B2 - アミノ酸変性オルガノポリシロキサン及びその製造方法 - Google Patents
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例えば、下記式に示されるアミノ酸誘導体変性シリコーンが知られているが、このアミノ酸誘導体変性シリコーンはアミノ酸のアミノ基、カルボキシ基が保護された構造となっている。更に、イソシアネートやジシクロへキシルカルボジイミドなど、毒性の化合物を使用しており、安全性の面から好ましくない。また、このような複雑な構造の化合物は簡便に製造することはできない(特許文献1:特開2004−182680号公報)。
請求項1:
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに、下記一般式(1)で表されるアミド結合を介してピログルタミン酸誘導体が結合してなるアミノ酸変性オルガノポリシロキサン。
(一般式(1)中、X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、mは0〜4の整数であり、Raは水素原子、炭素数1〜4の1価の炭化水素基、又は下記一般式(2)から選択される基であり、Zは下記一般式(2)で表される有機基を示す。)
(一般式(2)中、Rbは水素原子、炭素数1〜7の1価の炭化水素基、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属であり、Rc は水素原子である。)
請求項2:
下記平均組成式(3)で表される化合物である請求項1に記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサン。
〔式(3)中、Rは互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のフロロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、及び炭素数7〜30のアラルキル基から選択される基であり、R10は請求項1に記載の一般式(1)で表される有機基であり、R11はR10又はRから選択される有機基であり、Aは下記一般式(4)で表されるオルガノポリシロキサンセグメントであり、
(一般式(4)において、R及びR10は上記の通りであり、Qは酸素原子、又は炭素数1〜3の2価の炭化水素基である。)
式(3)及び一般式(4)において、a、b及びcは互いに独立に0〜3の整数であり、eは0〜500の整数であり、fは0〜50,000の整数であり、gは0又は1の整数であり、hは0又は1の整数であり、iは0〜500の整数であり、jは0〜10,000の整数であり、但し、R11がR10である場合、1≦a+b+c+e+g+iであり、R11がRである場合、1≦a+b+c+e+iである。〕
請求項3:
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに、下記一般式(5)で表されるアミノ基が結合してなるアミノ変性オルガノポリシロキサンと下記一般式(6)で表される化合物とを反応させることを特徴とする請求項1又は2に記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンの製造方法。
(一般式(5)中、X、Y、及びmは請求項1で定義したものと同じ意味を示し、Rdは水素原子又は炭素数1〜4の1価の炭化水素基である。)
(一般式(6)中、Rb、Rcは請求項1で定義したものと同じ意味を示す。)
請求項4:
アミノ変性オルガノポリシロキサンが、下記平均組成式(7)で示されるものであることを特徴とする請求項3に記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンの製造方法。
〔式(7)中、Rは請求項2で定義したものと同じ意味を示し、R12は請求項3に記載の一般式(5)で表される有機基であり、R13はR12又はRから選択される有機基であり、A1は下記一般式(8)で表されるオルガノポリシロキサンセグメントであり、
(一般式(8)において、R及びR12は上記の通りである。)
式(7)及び一般式(8)において、a1、b1及びc1は互いに独立に0〜3の整数であり、e1は0〜500の整数であり、fは0〜50,000の整数であり、g1は0又は1の整数であり、h1は0又は1の整数であり、i1は0〜500の整数であり、jは0〜10,000の整数であり、但し、R13がR12である場合、1≦a1+b1+c1+e1+g1+i1であり、R13がRである場合、1≦a1+b1+c1+e1+i1である。)
請求項5:
50℃以上160℃以下の温度条件で反応させることを特徴とする請求項3又は4に記載の製造方法。
請求項6:
一般式(6)で表される化合物がピログルタミン酸であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
(一般式(1)中、X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、mは0〜4の整数であり、Raは水素原子、炭素数1〜4の1価の炭化水素基、又は下記一般式(2)から選択される基であり、Zは下記一般式(2)で表される有機基を示す。)
(一般式(2)中、Rbは水素原子、炭素数1〜7の1価の炭化水素基、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属であり、Rcは互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、又は炭素数1〜10の酸素原子、硫黄原子、もしくは窒素原子を含有してもよい1価の炭化水素基である。)
(一般式(4)において、R及びR10は上記の通りであり、Qは酸素原子、又は炭素数1〜3の2価の炭化水素基であり、好ましくは酸素原子である。)
また、式(3)及び一般式(4)において、a、b及びcは互いに独立に0〜3の整数である。eは0〜500、好ましくは1〜100の整数であり、fは0〜50,000、好ましくは1〜4,000の整数であり、gは0又は1の整数であり、hは0又は1の整数であり、iは0〜500、好ましくは0〜100の整数であり、jは0〜10,000、好ましくは0〜3,000の整数であり、但し、R11がR10である場合、1≦a+b+c+e+g+iであり、R11がRである場合、1≦a+b+c+e+iである。
〔式(7)中、Rは式(3)と同じものを意味し、R12は一般式(5)で表される有機基であり、R13はR12又はRから選択される有機基であり、A1は下記一般式(8)で表されるオルガノポリシロキサンセグメントであり、
(一般式(8)において、R及びR12、Qは上記の通りである。)
また、式(7)及び一般式(8)において、a1、b1及びc1は互いに独立に0〜3の整数である。e1は0〜500、好ましくは1〜100の整数であり、fは0〜50,000、好ましくは1〜4,000の整数であり、g1は0又は1の整数であり、h1は0又は1の整数であり、i1は0〜500、好ましくは0〜100の整数であり、jは0〜10,000、好ましくは0〜3,000の整数であり、但し、R13がR12である場合、1≦a1+b1+c1+e1+g1+i1であり、R13がRである場合、1≦a1+b1+c1+e1+i1である。〕
反応器に下記平均組成式(i)
で表されるアミン当量が410g/molのオルガノポリシロキサン180質量部、メタノール100質量部、DL−ピログルタミン酸56質量部を80℃にて4時間撹拌した。
得られた反応混合物を減圧下、90℃でストリップすることにより、溶剤を取り除き、224質量部の白色ワックス状固体を95%収率で得た。下記表1に示す13C−NMRの結果と、IRスペクトル測定により、1687cm-1(アミド結合由来)に吸収が見られたことから、この生成物が、式(i)両末端の
に変換されたアミノ酸変性オルガノポリシロキサンであることを確認した。
反応器に下記平均組成式(iii)
で表されるアミン当量が1,910g/molのオルガノポリシロキサン200質量部、エタノール150質量部、L−ピログルタミン酸7質量部を80℃にて5時間撹拌した。
得られた反応混合物を減圧下、90℃でストリップすることにより、溶剤を取り除き、194質量部の高粘度の無色透明液体を94%収率で得た。下記表2に示す13C−NMRの結果と、IRスペクトル測定により、1687cm-1(アミド結合由来)に吸収が見られたことから、この生成物が、式(iii)中の
が下記式(iv)
にそれぞれ変換されたアミノ酸変性オルガノポリシロキサンであることを確認した。
反応器に下記平均組成式(v)
で表されるアミン当量が1,490g/molのオルガノポリシロキサン250質量部、DL−ピログルタミン酸エチル26質量部を120℃にて5時間撹拌したところ、生成物を267質量部、94%収率で得た。
得られた生成物は淡黄色透明液体であり、アミン当量は1,630g/molであった。下記表3に示す13C−NMRの結果と、IRスペクトル測定により、1687cm-1(アミド結合由来)に吸収が見られたことから、この生成物が、式(v)の両末端の
がそれぞれ下記式(vi)
に変換されたアミノ酸変性オルガノポリシロキサンであることを確認した。
反応器に下記平均組成式(vii)
で表されるアミン当量が7,250g/molのオルガノポリシロキサン300質量部、2−プロパノール120質量部、DL−ピログルタミン酸ナトリウム6質量部を95℃にて5時間撹拌した。
得られた反応混合物を減圧下、100℃でストリップすることにより、溶剤を取り除き、293質量部の高粘調な無色透明液体を95%収率で得た。下記表4に示す13C−NMRの結果と、IRスペクトル測定により、1685cm-1(アミド結合由来)に吸収が見られたことから、この生成物が、式(vii)の
がそれぞれ下記式(viii)
に変換されたアミノ酸変性オルガノポリシロキサンであることを確認した。
反応器に下記平均組成式(ix)
で表されるアミン当量が3,230g/molのオルガノポリシロキサン350質量部、n−ブタノール200質量部、DL−ピログルタミン酸14質量部を95℃にて5時間撹拌した。
得られた反応混合物を減圧下、120℃でストリップすることにより、溶剤を取り除き、345質量部の非常に高粘調な無色透明液体を95%収率で得た。下記表5に示す13C−NMRの結果と、IR測定により、1685cm-1(アミド結合由来)に吸収が見られたことから、この生成物が、式(ix)の
がそれぞれ下記式(x)
に変換されたアミノ酸変性オルガノポリシロキサンであることを確認した。
反応器に下記平均組成式(xi)
で表されるアミン当量が600g/molのオルガノポリシロキサン80質量部、4,4−ジメチルピログルタミン酸18質量部、2−プロパノール15質量部を95℃にて5時間撹拌した。
得られた反応混合物を減圧下、100℃でストリップすることにより、溶剤を取り除き、94質量部の高粘調な無色透明液体を94%収率で得た。下記表6に示す13C−NMRの結果と、IRスペクトル測定により、1683cm-1(アミド結合由来)に吸収が見られたことから、この生成物が、式(xi)の両末端の
がそれぞれ下記式(xii)
に変換されたアミノ酸変性オルガノポリシロキサンであることを確認した。
Claims (6)
- 下記平均組成式(3)で表される化合物である請求項1に記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサン。
〔式(3)中、Rは互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のフロロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、及び炭素数7〜30のアラルキル基から選択される基であり、R10は請求項1に記載の一般式(1)で表される有機基であり、R11はR10又はRから選択される有機基であり、Aは下記一般式(4)で表されるオルガノポリシロキサンセグメントであり、
(一般式(4)において、R及びR10は上記の通りであり、Qは酸素原子、又は炭素数1〜3の2価の炭化水素基である。)
式(3)及び一般式(4)において、a、b及びcは互いに独立に0〜3の整数であり、eは0〜500の整数であり、fは0〜50,000の整数であり、gは0又は1の整数であり、hは0又は1の整数であり、iは0〜500の整数であり、jは0〜10,000の整数であり、但し、R11がR10である場合、1≦a+b+c+e+g+iであり、R11がRである場合、1≦a+b+c+e+iである。〕 - アミノ変性オルガノポリシロキサンが、下記平均組成式(7)で示されるものであることを特徴とする請求項3に記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンの製造方法。
〔式(7)中、Rは請求項2で定義したものと同じ意味を示し、R12は請求項3に記載の一般式(5)で表される有機基であり、R13はR12又はRから選択される有機基であり、A1は下記一般式(8)で表されるオルガノポリシロキサンセグメントであり、
(一般式(8)において、R及びR12は上記の通りである。)
式(7)及び一般式(8)において、a1、b1及びc1は互いに独立に0〜3の整数であり、e1は0〜500の整数であり、fは0〜50,000の整数であり、g1は0又は1の整数であり、h1は0又は1の整数であり、i1は0〜500の整数であり、jは0〜10,000の整数であり、但し、R13がR12である場合、1≦a1+b1+c1+e1+g1+i1であり、R13がRである場合、1≦a1+b1+c1+e1+i1である。) - 50℃以上160℃以下の温度条件で反応させることを特徴とする請求項3又は4に記載の製造方法。
- 一般式(6)で表される化合物がピログルタミン酸であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
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